説明

弾球遊技機

【課題】可動演出体が演出位置へと作動して所定の演出を行う際に、可動演出体が発光表示部に発光表示される演出表示の妨げとならず、可動演出体と発光表示部の演出表示とが調和した演出を効果的に行うことができ、しかも可動演出体の構造等を極力簡素化できるようにする。
【解決手段】演出用の発光表示手段13,105と、発光表示手段13,105の発光表示部20,106の前側に突出する演出位置Aと発光表示部20から退避する退避位置Bとの間で出退移動可能な可動演出体22とを備え、可動演出体22は発光表示部20,106の演出表示27を直接的又は間接的に視認可能な視認部49を備え、可動演出体22が演出位置Aへと作動する演出動作に同期して発光表示部20,106に、視認部49を介して視認される演出表示27を発光表示する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の弾球遊技機に関し、画像表示手段と可動演出体とを組み合わせて遊技状態を演出するようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の弾球遊技機には、遊技盤の遊技領域の略中央部に画像表示手段を配置すると共に、この画像表示手段の画像表示部を支持する支持枠に特別図柄表示手段と可動演出体とを配置し、特定の遊技状態のときに可動演出体の作動と、この作動に同期して画像表示部に表示される演出画像とを組み合わせて、その遊技状態の演出を行うようにしたものがある(特許文献1)。
【0003】
この弾球遊技機では、特別図柄始動手段が遊技球を検出すると、特別図柄表示手段の特別図柄が所定時間変動して大当たり態様、外れ態様の何れかで停止する。一方、特別図柄の変動に同期して画像表示手段の複数個(例えば3個)の演出図柄が所定の変動パターンで所定時間変動して、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合には全てが揃う大当たり演出態様で停止し、また特別図柄が外れ態様となる場合には少なくとも1個が異なる外れ演出態様で停止する。
【0004】
そして、変動中の演出画像の変動パターンが変動後に大当たり演出態様となる信頼度の高い特定の変動パターンの場合に、1個の演出図柄を除く他の演出図柄が揃うリーチになれば、可動演出体が画像表示手段の画像表示部側に突出し、この可動演出体の突出動作に同期して画像表示手段の画像表示部に特定の演出画像を表示して、可動演出体の作動と画像表示部の演出画像とを組み合わせて、変動後に大当たりとなる可能性が高いことを予告する予告演出を行う。
【特許文献1】特開2007−222349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可動演出体はキャラクタその他の主演出体と、この主演出体を演出位置と退避位置との間で出退自在に支持する支持部材とを備えている。そして、演出時には画像表示部に表示される演出画像に同期して主演出体が出退するだけであって、支持部材が画像表示部に表示される演出画像の妨げになる等、必ずしも画像表示部側の演出画像と調和のとれた演出とはなっていない。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、可動演出体が演出位置へと作動して所定の演出を行う際に、可動演出体が発光表示部に発光表示される演出表示の妨げとならず、可動演出体と発光表示部の演出表示とが調和した演出を効果的に行うことができ、しかも可動演出体の構造等を極力簡素化できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、演出用の発光表示手段13,105と、該発光表示手段13,105の発光表示部20,106の前側に突出する演出位置Aと該発光表示部20から退避する退避位置Bとの間で出退移動可能な可動演出体22とを備えた弾球遊技機において、前記可動演出体22は前記発光表示部20,106の演出表示27を直接的又は間接的に視認可能な視認部49を備え、前記可動演出体22が前記演出位置Aへと作動する演出動作に同期して前記発光表示部20,106に、前記視認部49を介して視認される前記演出表示27を発光表示するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、可動演出体22が演出位置Aへと作動して所定の演出を行う際に、可動演出体22が発光表示部20,106に発光表示される演出表示27の妨げとならず、可動演出体22と発光表示部20,106の演出表示27とが調和した演出を効果的に行うことができ、しかも可動演出体22の構造等を極力簡素化できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施例を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側にヒンジ3により縦軸廻りに開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側にはガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、前枠4に対してヒンジ3と同じ側のヒンジ7により縦軸廻りに開閉自在に枢支されている。
【0010】
前面板6の前側には発射用の遊技球を貯留する球供給皿8が配置され、その側方に遊技球を発射する発射手段(図示省略)の発射ハンドル9が設けられている。ガラス扉5の裏側には、このガラス扉5に対応するように前枠4に遊技盤10(図2参照)が着脱自在に装着されている。
【0011】
遊技盤10の前面には、図2に示すように、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール11が略円弧状に配置されると共に、そのガイドレール11の内側の遊技領域12に画像表示手段(発光表示手段)13、普通図柄始動手段14、特別図柄始動手段15、大入賞手段16、普通入賞手段17等の各種の遊技部品が配置されている。なお、遊技領域12はガラス扉5の窓孔18に対応している。
【0012】
画像表示手段13は例えば遊技領域12の略中央に配置されており、遊技盤10に装着された支持枠19と、この支持枠19の略中央に配置された液晶式、プラズマ式等の画像表示部(発光表示部)20とを備えている。支持枠19には普通図柄表示手段21が設けられると共に、可動演出体22が画像表示部20に対して出退自在に設けられている。またガラス扉5の窓孔18内に対応する位置に特別図柄表示手段23が設けられている。
【0013】
普通図柄表示手段21は普通図柄を変動表示するためのもので、複数種類の普通図柄(例えば2種類の「○」「×」)に対応する複数個の発光素子により構成されており、普通図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に2つの発光素子が交互に点灯するように所定時間点滅して、普通図柄始動手段14の遊技球の検出時に抽選した乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合に当たり態様の「○」側の発光素子が点灯し、それ以外の場合に外れ態様の「×」側の発光素子が点灯して停止するようになっている。
【0014】
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別図柄始動手段15の遊技球の検出時に抽選された乱数値が予め定められた大当たり乱数値と一致した場合に所定の大当たり態様で、それ以外の場合に外れ態様で停止するようになっている。
【0015】
画像表示部20は矩形状、その他の形状であって、図2に二点鎖線で示し、また図10に示すように遊技中は演出図柄25a〜25cとその背景画像26とが発光表示され、また特定の遊技状態の場合には、図2に示すように可動演出体22の作動と同期して予告演出画像(演出表示)27が発光表示される。
【0016】
演出図柄25a〜25cは画像表示部20の適当な位置に複数個、例えば3個表示され、その各演出図柄25a〜25cは特別図柄表示手段23の特別図柄の変動に同期して変動を開始し、所定の変動パターンを経て所定時間変動した後、特別図柄の変動終了に同期して所定の順序で順次停止する。
【0017】
演出図柄25a〜25cの変動後の停止図柄は、特別図柄表示手段23の特別図柄が大当たり態様で停止する場合には全てが揃う大当たり演出態様となり、特別図柄が外れ態様で停止する場合には少なくとも一部が異なる外れ演出態様となる。例えば、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には演出図柄25a〜25cは「7・7・7」等で停止し、特別図柄が外れ態様で停止する場合には演出図柄25a〜25cは「3・4・5」等で停止する。
【0018】
特別図柄始動手段15は固定式入賞口28と電動チューリップ等の可変式入賞口29とを上下に備えている。可変式入賞口29は普通図柄表示手段21の変動後の普通図柄が当たり態様を停止表示したときに所定時間開放するようになっている。
【0019】
画像表示手段13の支持枠19は、図3、図4に示すように開口30に対応して遊技盤10の前面に装着された前飾り体31と、開口30に対応して遊技盤10の裏面に装着された装着枠32とを備えている。
【0020】
装着枠32には矩形状等の表示窓33が形成され、その表示窓33に対応して装着枠32の裏側に画像表示部20が装着されている。前飾り体31は遊技盤10の前面に当接する前飾り板34と、表示窓33の上部から左右両側に跨がって略門形状に配置され且つ前飾り板34の前面に突出して装着された装飾体37とを備えている。前飾り板34の内周側には、表示窓33の前側を取り囲む周壁34aが設けられている。
【0021】
支持枠19には画像表示部20の上側で前飾り体31と装着枠32との間に所定の収容空間36があり、可動演出体22は通常この収容空間36に収まって前から前飾り体31により覆われている(図2の二点鎖線参照)。
【0022】
なお、この画像表示手段13は前飾り体31と装着枠32とを遊技盤10に対して前後両側から装着するようにしているが、前飾り体31と装着枠32とを結合して、その装着枠32が開口30に嵌合するように遊技盤10に対して前側から装着するようにしてもよい。
【0023】
可動演出体22は、正面視丸形等の主演出体38と、先端で主演出体38を支持する支持部材39とを備え、画像表示部20の前側に近接して配置されており、表示画面の駆動手段35の駆動により、図2に示すように画像表示部20の略中央の演出位置Aと、画像表示部20の上側に外れた退避位置Bとの間で出退移動自在である。
【0024】
主演出体38は自己発光式、支持部材39は透過視認式であり、退避位置Bから演出位置Aへと作動する演出動作(突出動作又は出退動作)を行う際に、その演出動作に同期して主演出体38が発光し、支持部材39に対応する部分を含む主演出体38の周辺全体にわたって画像表示部20に予告演出画像27が放射状に発光表示されたときに、その主演出体38の発光と画像表示部20の予告演出画像27とにより、発光状態の主演出体38を中心として予告演出を行うようになっている。
【0025】
主演出体38は図5〜図8に示すように、光透過性を有し且つ前面側の発光表示部40に装飾模様その他の演出用の表示40aが付された合成樹脂製の発光カバー42と、この発光カバー42を裏側から支持する環状等の支持部43と、この支持部43に設けられ且つ発光カバー42の発光表示部40を裏側から発光させる複数個のLED等の発光素子44とを備えている。発光カバー42の裏面には、発光素子44からの光により発光表示部40を発光させる凹凸状の乱反射部45が設けられている。なお、乱反射部45に代えて拡散板を設けてもよい。
【0026】
支持部43は支持部材39の先端に一体に設けられており、その裏側の基板46と共に周方向に複数個のネジ47により発光カバー42の裏側に結合されている。発光素子44は基板46の前面に分散して装着されている。なお、この実施例では、主演出体38の裏側を基板46により塞ぐようになっているが、前側が開放する有底円筒状の支持部43を用いて、この支持部43の底部で主演出体38の裏側を塞ぐようにしてもよい。
【0027】
支持部材39は光透過性を有する合成樹脂製であって、長手方向に1個又は複数個の視認部49を備え、主演出体38が演出位置Aへと作動した際に、これに同期して画像表示部20に表示される予告演出画像27を視認部49を介して直接的又は間接的に視認するようになっている。
【0028】
支持部材39は例えば略真っ直ぐな棒状であって、図5〜図8に示すように画像表示部20の前面と略平行な幅方向に一対の側壁51と、この一対の側壁51の前端を幅方向に連結する前壁52と、長手方向に所定の間隔をおいてに配置され且つ一対の側壁51及び前壁52に一体に形成された連結壁53とを備え、その前壁52に視認部49が長手方向に複数個形成されている。
【0029】
支持部材39は一対の側壁51の後側が若干広がる断面台形状であり、その各側壁51は画像表示部20に対して直角に近い状態に配置されている。視認部49は前壁52に前後方向に貫通して形成された透視孔54により構成され、この透視孔54は側壁51及び連結壁53に近接して長手方向に長い長孔状に形成されている。なお、側壁51の外面、前壁52の前面にはその全面に凹凸状の乱反射部を設けてもよい。また前壁52は省略してもよい。
【0030】
支持部材39の裏側内部には、一方の側壁51と連結壁53との間に挟持凹部59が形成され、その挟持凹部59に主演出体38に対する可撓配線56が裏側から着脱自在に挿入されている。可撓配線56は帯状であって、その幅方向を画像表示部20に対して略直角にした状態で一方の側壁51に沿って支持部材39の長手方向に設けられ、画像表示部20の中央前方又はそれよりも若干上側から透視孔54を経て画像表示部20の予告演出画像27を視認したときに透視孔54の視野内に入らないように、上側の側壁51に沿って配置されている。可撓配線56はコネクタ57を介して基板46の裏側のコネクタ58に接続されている。
【0031】
支持部材39の基部は画像表示部20の外側で支持台62に前後方向の枢軸63により揺動自在に支持され、クランク機構64を含む連動機構65を介してモータ等の駆動手段35により上下方向に揺動するようになっている。支持台62は前後に支持壁66を有するケース状であって、画像表示部20に対して左右方向の一方側で且つ画像表示部20の上部側又は画像表示部20よりも上側等の適当箇所に配置され、画像表示手段13の支持枠19側、例えば装着枠32の取り付け面67にネジ等で固定されている。
【0032】
枢軸63は支持台62の前後の支持壁66に跨がって支架されている。駆動手段35は支持台62の支持壁66の裏側に固定されている。連動機構65はクランク機構64の他に、駆動手段35の駆動軸68に固定された駆動ギヤー69と、支軸70により支持台62に回転自在に設けられ且つ駆動ギヤー69に噛合する従動ギヤー71とを有する。
【0033】
クランク機構64は従動ギヤー71に固定されたクランクピン72と、支持部材39の基部側に設けられ且つクランクピン72が摺動自在に係合する長孔等の摺動部73とを有し、駆動手段35の駆動により従動ギヤー71が往復回転したときに、クランクピン72及び摺動部73を介して支持部材39を枢軸63廻りに上下方向に揺動させるようになっている。
【0034】
なお、支持部材39はバネ74により上昇側である退避位置B側へと付勢されている。バネ74には枢軸63に巻き掛けられ且つ両端が支持部材39と支持台62とに係合する捩じりバネが使用されているが、他の引っ張りバネ又は圧縮バネを使用してもよい。また支持台62には支持部材39の原点位置、即ち主演出体38が退避位置Bのときの支持部材39の位置を検出する位置検出手段(図示省略)が設けられている。支持台62と支持部材39との間に、支持部材39を原点位置で規制するストッパー機構を設けてもよい。
【0035】
図9はパチンコ機の制御系を示す。パチンコ機の制御系は主制御基板80と演出制御基板81とを備えている。主制御基板80はパチンコ機全体の遊技動作の制御を司るもので、普通図柄始動手段14が遊技球を検出したときに乱数値を抽選して当たりか否かを判定し、当たりの場合に普通図柄表示手段21の変動後の普通図柄が当たり態様で停止した後に特別図柄始動手段15の可変式入賞口29を所定時間開放させる普通図柄系制御手段82の他に、乱数抽選手段83、判定手段84、特別図柄制御手段85、停止態様決定手段86、変動パターン決定手段87、コマンド送信手段88、特別遊技発生手段89を備えている。
【0036】
乱数抽選手段83は特別図柄始動手段15が遊技球を検出したときに乱数値を抽選し、判定手段84は乱数抽選手段83で抽選された乱数値を大当たり乱数値と照合して大当たりか否かを判定するようになっている。特別図柄制御手段85は特別図柄始動手段15の遊技球の検出を契機に特別図柄表示手段23の特別図柄を所定時間変動させて、判定手段84の判定結果が大当たりのときに大当たり態様で、外れのときに外れ態様で夫々停止すべく特別図柄を制御するようになっている。
【0037】
停止態様決定手段86は判定手段84の判定結果が大当たりのときに演出図柄25a〜25cの停止態様を抽選し決定するためのものである。変動パターン決定手段87は判定手段84の判定結果が大当たりのときの大当たり変動パターンを、外れのときの外れ変動パターンを抽選し決定するためのもので、判定手段84の判定結果に応じて予め定められた複数種類の大当たり変動パターン、外れ変動パターンの中から、そのときの演出図柄25a〜25cの変動に供する1つの変動パターンを選択し決定するようになっている。
【0038】
大当たり変動パターン、外れ変動パターンには変動時間の長短、演出図柄25a〜25cの変動中のリーチの有無等に応じて夫々複数の種類のものがある。例えば、大当たり変動パターンには変動時間の違いによって大当たり変動パターン1、大当たり変動パターン2、大当たり変動パターン3、・・・等のように多種類のパターンが準備されており、また外れ変動パターンには変動時間の違い、リーチの有無によってリーチあり外れ変動パターン1、リーチあり外れ変動パターン2、リーチなし外れ変動パターン1、リーチなし外れ変動パターン2、・・・等のように多種類のパターンが準備されている。
【0039】
なお、一般的にリーチあり外れ変動パターンはリーチなし外れ変動パターンに比較して変動時間が長く、またリーチあり外れ変動パターンの一部である1種類又は複数種類は、大当たり変動パターンの変動時間に近い変動時間を有するものがある。また変動時間の長い変動パターンの場合には、変動時間の短いリーチあり変動パターン、リーチなし変動パターンに比較して出現率は低いが、変動後に特別図柄が大当たり態様となる信頼度が大になっている。
【0040】
特別図柄制御手段85は特別図柄始動手段15の遊技球の検出を契機に特別図柄表示手段23の特別図柄を変動させて、変動パターン決定手段87で決定された変動パターンの変動時間に従って変動した後に、判定手段84の大当たり、外れの判定結果に応じて特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れかで停止させるようになっている。コマンド送信手段88は停止態様決定手段86で決定された停止態様コマンド、変動パターン決定手段87で決定された変動パターンコマンド、各変動パターン毎の変動停止コマンドを演出制御基板81側へと一方向通信により送信するようになっている。
【0041】
特別遊技発生手段89は判定手段84が大当たりと判定した場合に、特別図柄が大当たり態様で停止した後に遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を発生させるためのもので、例えば大入賞手段16を所定時間ずつ複数回開放させるようになっている。なお、特別遊技での大入賞手段16の開閉パターン等は適宜決定することが可能である。また特別遊技では大入賞手段16の開放に加えて、又は大入賞手段16の開放とは別に、特別図柄の大当たり態様の種類を条件に大当たりの抽選確率を変える確率変動、その他の遊技者に有利な要素を付加してもよい。
【0042】
演出制御基板81には主制御基板80から送信される各コマンドを解析して画像表示手段13の画像表示部20に表示される演出図柄25a〜25c、背景画像26、予告演出画像27を制御し、また可動演出体22の作動、主演出体38の発光を制御するためのもので、コマンド受信手段90、演出図柄制御手段91、予告演出決定手段92、演出画像制御手段93、可動演出制御手段94、発光演出制御手段95等を備えている。
【0043】
コマンド受信手段90はコマンド送信手段88から演出制御基板81側に送信される各コマンドを受信して解析するためのものである。演出図柄制御手段91は主制御基板80からの変動パターンコマンドに従って特別図柄表示手段23の特別図柄の変動に同期して演出図柄25a〜25cを所定の変動パターンで所定時間変動させて、停止コマンドがあったときに演出図柄25a〜25cを大当たり演出態様又は外れ演出態様で停止させるようになっている。なお、3個の演出図柄25a〜25cは、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には全てが揃うように停止態様コマンドで指定された停止態様で停止し、それ以外の場合にはリーチの有無に応じて演出図柄制御手段91側で選択された停止態様で停止する。
【0044】
予告演出決定手段92は大当たり変動パターンの一部又は全てと、大当たり変動パターンの変動時間に近い変動時間を有するリーチあり外れ変動パターンの一部である1種類若しくは複数種類又は全ての変動パターンコマンドがあったときに、その変動パターンコマンドを条件に乱数値を抽選して予告演出を行うか否かを決定するようになっている。なお、大当たり変動パターンの場合は外れ変動パターンよりも予告演出の抽選率が高くなるようにしてもよい。その場合、各変動パターン毎に抽選率を変えてもよい。
【0045】
演出画像制御手段93は変動パターンコマンドに従って複数種類の背景画像26の何れかを選択して、演出図柄25a〜25cの背景画像26を制御し、また予告演出決定手段92が予告演出を決定した場合には演出図柄25a〜25cがリーチになった後に、可動演出体22の演出動作、主演出体38の発光に同期して、演出位置Aにある主演出体38を中心として、支持部材39側を含む4方向に放射状の予告演出画像27を発光表示するように制御可能である。
【0046】
このため画像表示部20に予告演出画像27が発光表示された場合には、遊技者はその予告演出画像27の内、支持部材39の裏側に対応する線状、帯状の予告演出画像27を各透視孔54を経て直接視認することになる。なお、この予告演出画像27は閃光的に表示してもよいし、点滅表示してもよい。また予告演出画像27は線状、帯状の他、透視孔54に対応するように放射方向の複数箇所にスポット的に表示してもよい。予告演出画像27により光透過性を有する支持部材39が適宜輝度で発光するようにしてもよい。
【0047】
可動演出制御手段94は主演出体38の演出動作を制御するためのもので、予告演出決定手段92が予告演出を決定して演出図柄25a〜25cがリーチになった場合に、駆動手段35の駆動により主演出体38を退避位置Bから画像表示部20の略中央の演出位置Aへと移動させ、その演出位置Aで発光素子44の発光による予告演出を行った後に、主演出体38を退避位置Bへと戻すように制御する。なお、主演出体38は演出位置Aで所定時間停止してもよいし、上下方向に一定範囲で揺動するようにしてもよい。また演出位置Aに到達後、直ちに退避位置Bへと戻すようにしてもよい。
【0048】
発光演出制御手段95は主演出体38を発光制御するもので、予告演出決定手段92が予告演出を決定して演出図柄25a〜25cがリーチになり主演出体38が演出位置Aへと作動した際に、その作動に同期して発光素子44の発光により主演出体38を発光させる。このときの主演出体38の発光は、画像表示部20の予告演出画像27と同時でもよい。また主演出体38を数回点滅発光させ、その点滅発光中に画像表示部20の予告演出画像27の表示とを同時又は時間差をおいて行うようにしてもよい。
【0049】
このパチンコ機では、遊技中に次のような制御並びに演出を行う。即ち、特別図柄始動手段15が遊技球を検出すると、乱数抽選手段83が乱数値を抽選し、その乱数値が大当たり乱数値と同じであるか否かにより判定手段84が大当たりか否かの判定を行う。そして、判定結果が大当たりであれば、停止態様決定手段86が演出図柄25a〜25cの停止態様を決定する。また判定結果が大当たりであれば、変動パターン決定手段87が複数種類の大当たり変動パターンの何れかを選択し、外れであれば、変動パターン決定手段87が複数種類の外れ変動パターンの何れかを選択する。
【0050】
続いて特別図柄表示手段23の特別図柄が変動を開始し、変動パターン決定手段87で選択された変動パターンにより指定された変動時間だけ変動した後に、判定手段84での大当たり、外れの判定結果に応じて大当たり態様、外れ態様の何れかで停止する。そして、判定手段84が大当たりと判定した場合には、特別図柄が大当たり態様で停止した後に、特別遊技発生手段89による特別遊技が発生して大入賞手段16が複数回開放する等、遊技者は有利な状態で遊技を継続できる。
【0051】
一方、停止態様決定手段86が演出図柄25a〜25cの停止態様を決定し、変動パターン決定手段87が演出図柄25a〜25cの変動パターンを決定すると、コマンド送信手段88が演出制御基板81側へと夫々のコマンドを送信する。演出制御基板81側では、変動パターンコマンドを受信すると、演出図柄制御手段91の制御により特別図柄の変動開始に同期して演出図柄25a〜25cが変動を開始し(図11(a)参照)、その変動パターンに従って所定時間変動する。
【0052】
各演出図柄25a〜25cは図11(b)(c)に示すように左、右、中等の順序で停止状態に近い揺れ変動に移行し、停止コマンドに従って大当たり演出態様、外れ演出態様の何れかで最終的に停止する。また演出画像制御手段93の制御により、演出図柄25a〜25cの背景画像26が表示される。
【0053】
例えば、判定手段84の大当たりの判定により変動パターン決定手段87が大当たり変動パターンの何れかを選択した場合、又は大当たり変動パターンの変動時間に近い特定のリーチあり外れ変動パターンの何れかを選択した場合には、予告演出決定手段92が予告演出を行うか否かを決定する。そして、予告演出決定手段92が予告演出を決定すれば、演出図柄25a〜25cがリーチになった後、主演出体38の作動、主演出体38の発光、画像表示部20の予告演出画像27の組み合わせにより予告演出を行う。
【0054】
即ち、主演出体38は通常は図12(a)に示すように退避位置Bにあるが、3個の演出図柄25a〜25cが所定の変動パターンで変動する間に、図12(a)に示すようにその2個の演出図柄25a,25cが揃うリーチになれば、可動演出制御手段94の制御により駆動手段35が起動する。そして、この駆動手段35の駆動により連動機構65のクランク機構64等を介して支持部材39が枢軸63廻りに下降方向に揺動するため、図12(b)に示すように主演出体38が退避位置Bから画像表示部20の略中央の演出位置Aへと作動する。このとき支持部材39は画像表示部20の一方の上隅側から中央側へと一方の対角線に沿って傾斜した状態になる。
【0055】
主演出体38が演出位置Aまで移動すると、図12(c)に示すように発光演出制御手段95の制御により、この主演出体38に同期してその停止時に発光素子44が発光し、発光カバー42の発光表示部40が発光状態になる。一方、演出画像制御手段93の制御により、主演出体38の発光に同期して画像表示部20の支持部材39側を含む部分に4本の予告演出画像27が発光して表示される。なお、図12(c)では各発光状態を斜線で示す。
【0056】
従って、4本の予告演出画像27の内、支持部材39の裏側に対応する予告演出画像27は支持部材39に形成された長手方向に複数個の透視孔54を介して視認されることになり、発光状態の主演出体38を中心として予告演出画像27がX状に発光表示されることになる。
【0057】
このため画像表示部20の前面に支持部材39があるにも拘わらず、この支持部材39が画像表示部20側の予告演出画像27の妨げとならず、可動演出体22と画像表示部20の予告演出画像27とが調和した予告演出が可能となり、従来に比較して演出効果が向上する利点がある。
【0058】
予告演出は変動パターン決定手段87が大当たり変動パターンの何れかを選択した場合、又は大当たり変動パターンの変動時間に近い特定のリーチあり外れ変動パターンの何れかを選択した場合に、予告演出決定手段92が予告演出を行うか否かを決定して行うため、このような予告演出があれば、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。
【0059】
その後、駆動手段35の駆動により支持部材39が退避方向に揺動して主演出体38が退避位置Bへと戻ると共に、画像表示部20に3個の演出図柄25a〜25c、背景画像26が再度表示され、その演出図柄25a〜25cが所定の変動パターンで変動を継続し、停止コマンドにより大当たり演出態様、外れ演出態様の何れかで停止する。
【0060】
なお、主演出体38が退避位置Bへと戻る際には、主演出体38の発光は終了し、画像表示部20の予告演出画像27は消えるが、主演出体38は発光状態のままで戻す等、他の演出形態を採ってもよい。
【0061】
機構上、主演出体38を支持する支持部材39は画像表示部20の上隅側を支点として枢軸63廻りに揺動するため、演出位置Aでは主演出体38が画像表示部20の略中央に位置するにも拘わらず、その支持部材39の移動量を比較的小さくでき、しかも機構的にも小型化することができる。
【0062】
また主演出体38が画像表示部20の略中央の演出位置Aにあり、この主演出体38を中心に発光状態の支持部材39と画像表示部20の予告演出画像27とが一体となって、放射状の線群、帯群等のように一つの纏まりのある群を形成するため、演出効果が更に向上する。
【0063】
更に支持部材39に形成された長手方向に複数個の透視孔54を介して予告演出画像27を透視するようにしているため、支持部材39に発光素子等を設けて発光させる場合に比較して構造的に簡素化でき、製造コストも低減できる。しかも一対の側壁51を画像表示部20の前面に対して直角に近い状態に配置し、その両側壁51を長手方向の複数箇所で連結壁53により幅方向に連結しているため、支持部材39に透視孔54の開口量を大きくしながらがも支持部材39の強度を確保できる。
【0064】
支持部材39を画像表示部20に近接して配置することにより、透視孔54を介して画像表示部20の予告演出画像27を十分透視することもできる。この場合、透視孔54の周辺を構成する支持部材39が予告演出画像27の光により発光するようにしてもよいが、支持部材39を光遮断性のない材料で成形する等、透視孔54の周辺部分での予告演出画像27からの光を支持部材39により遮断するようにすれば、透視孔54から予告演出画像27を更に容易に視認することができる。
【0065】
また主演出体38の発光素子44への配線に帯状の可撓配線56を使用し、その幅方向が画像表示部20に対して略直角方向となるように支持部材39の裏側に配置されているため、透視孔54から演出画像27を透視する際に可撓配線56が大きな障害になることはない。
【0066】
図13、図14は本発明の第2の実施例を例示する。この実施例では、支持部材39は一対の側壁51と複数個の連結壁53とにより梯子状に構成され、幅方向の寸法に対して前後方向の寸法が小さくなっている。各側壁51の前端には内側に屈曲する屈曲部97が長手方向に設けられ、その一方の屈曲部97の裏側に挟持凹部59及び可撓配線56が配置されている。また画像表示部20の予告演出画像27は、支持部材39の各透視孔54に対応するように放射方向に所定の間隔をおいて間欠的に表示されている。
【0067】
支持部材39は透視孔54を介して画像表示部20の予告演出画像27を視認可能であるため、この実施例のように幅方向の寸法を大にしても、それによって画像表示部20の予告演出画像27の邪魔になることはない。なお、予告演出画像27は間欠的に表示でもよいし、連続的に表示してもよい。
【0068】
図15は本発明の第3の実施例を例示する。この実施例では、支持部材39は円弧状に湾曲して構成され、その長手方向である円弧方向に複数個の透視孔54が形成されている。画像表示部20の予告演出画像27は、支持部材39の透視孔54の配列に対応する円弧状の演出画像27を有し、その演出画像27が主演出体38の周辺に複数個表示されている。
【0069】
なお、予告演出画像27の各演出画像27は、順次支持部材39の透視孔54に対応するように、主演出体38を中心として実線、一点鎖線、二点鎖線で示す如く矢示方向に連続的又は間欠的に回転移動する。
【0070】
この実施例のように支持部材39は真っ直ぐである必要はなく、画像表示部20に表示される予告演出画像27等に応じて円弧状その他の形状に湾曲又は屈曲させることも可能である。
【0071】
図16は本発明の第4の実施例を例示する。この図16(a)(b)では、支持部材39は一対の側壁51と前壁52と連結壁53とを有する略台形状であって、その前壁52が光透過性を有する視認部49となっており、前面側に予告演出画像27からの光を乱反射させる乱反射部98が支持部材39の長手方向に設けられている。各側壁51の内面は予告演出画像27からの光を視認部49へと反射させる平坦な鏡面等の反射面99となっている。
【0072】
図16(c)の支持部材39では、反射面99が円弧状の鏡面等により構成されている。なお、反射面99により集光部100が構成されている。
【0073】
このようにすれば、画像表示部20に予告演出画像27を表示したときに、前壁52の視認部49を構成する乱反射部98が予告演出画像27からの光を受けて乱反射するため、遊技者は視認部49の発光を通じて予告演出画像27を間接的に見ることになる。従って、支持部材39の視認部49は、予告演出画像27を直接的に視認する他、間接的に視認するものでもよい。
【0074】
また支持部材39には視認部49に集光する反射面99があるため、画像表示部20が液晶式等の場合でも、視認部49を明るく発光させることができる。しかも、支持部材39の前壁52に透視孔54を形成する第1の実施例等に比較して支持部材39の剛性の低下を防止でき、支持部材39の断面積を小さくする等、その小型化を図ることができる。
【0075】
図17、図18は本発明の第5の実施例を例示する。この実施例の支持部材39には、光透過性を有する前壁52に視認部49が設けられ、この視認部49の裏側に、画像表示部20の予告演出画像27からの光を視認部49に集光する集光レンズ101が設けられている。なお、集光レンズ101により集光部100が構成されている。
【0076】
視認部49は支持部材39の長手方向に沿って長く設けられ、また集光レンズ101は断面凸面状であって、視認部49と前後に相対向するように支持部材39の一対の側壁51の後端側に裏側から嵌合されている。視認部49は集光レンズ101の焦点上、又は焦点距離の近傍、例えば焦点距離内でその近くに配置されており、視認部49に筋状又は帯状に光を集光するようになっている。なお、集光レンズ101は両端の連結壁53間で側壁51間に嵌合して固定してもよいし、接着等で固定してもよい。連結壁53は集光レンズ101と干渉しないように側壁51の高さよりも低くなっている。
【0077】
このように支持部材39の裏側に視認部49に対応して集光レンズ101を設けることにより、画像表示部20に支持部材39の裏側に予告演出画像27が表示されたときに、その光を視認部49に対して筋状又は帯状に集光できるため、視認部49の乱反射部98の発光をより明瞭にすることができる。
【0078】
なお、この実施例では、支持部材39の長手方向に複数個の連結壁53があり、視認部49を支持部材39の長手方向の複数個に区切っているが、視認部49は主演出体38が演出位置Aに位置したときに前飾り体31から露出する部分に、支持部材39の長手方向に沿って1個設けてもよい。
【0079】
図19は本発明の第6の実施例を例示する。この実施例では、支持部材39には凸レンズ102からなる視認部49が設けられている。凸レンズ102はその焦点が画像表示部20の表示面に略一致している。凸レンズ102を支持部材39の前壁52に設ける場合には、図19(a)又は(b)に示すように前又は裏側に突出して一体に成形してもよいし、前後両側に突出するように一体に形成してもよい。また図19(c)に示すように前壁52の孔に対応して凸レンズ102を前側又は裏側から接着等で固定してもよい。なお、視認部49は支持部材39の長手方向に1個又は複数個設けられている。
【0080】
このように視認部49に、焦点が画像表示部20の表示面に略一致するか、その近傍に位置する凸レンズ102を設けることにより、画像表示部20上に表示される予告演出画像27を拡大して透視することができる。
【0081】
図20は本発明の第7の実施例を例示する。この実施例では、支持部材39が遮光性を有する合成樹脂材料により成型されており、この支持部材39の幅方向の両側に長手方向に補強リブ103が設けられている。図20(a)では側壁51の後端側に補強リブ103が設けられている。図20(b)では側壁51の後部側が略平行に、前部側が前窄まり状に構成され、その屈曲部分の外側に補強リブ103が形成されている。
【0082】
このように遮光性を有する支持部材39を使用すれば、透視孔54の周辺部分での予告演出画像27からの光を遮光できるため、透視孔54から画像表示部20の予告演出画像27をより鮮明に透視することができる。また支持部材39の幅方向の両側に補強リブ103を設けることによって、支持部材39自体の剛性が向上すると共に、遮光領域を幅方向の両側に広げることができる。なお、図20(a)に二点鎖線で示すように遮光シート104を貼着すれば、支持部材39を光透過性の合成樹脂材料により成型することも可能である。
【0083】
図21、図22は本発明の第8の実施例を例示する。この実施例では、遊技盤10は合成樹脂製であって、この遊技盤10の裏側に演出用の発光表示手段105が、前側に発光表示手段105の周辺部分を覆う前飾り体31が夫々装着され、その前飾り体31に可動演出体22が取り付けられている。
【0084】
発光表示手段105は発光表示部106を備えている。発光表示部106は基板107と、この基板107の前面に所定間隔で縦横に配置されたLED等の多数の発光素子108を備え、その発光素子108を選択的に発光させることにより、必要に応じて演出図柄25a〜25c、予告演出画像27等の演出表示を表示するようになっている。可動演出体22は主演出体38と、主演出体38を支持する支持部材39とを備え、発光表示部106の前側に突出する演出位置Aと、発光表示部106から退避する退避位置Bとの間で出退自在である。
【0085】
支持部材39には透視孔54からなる1個又は複数個の視認部49が設けられている。視認部49は主演出体38が演出位置Aに位置したときに発光表示部106の1個又は複数個の発光素子108に対応するように配置され、例えば支持部材39の長手方向に複数個設けられている。
【0086】
この場合には、予告演出時に可動演出体22が演出位置Aに突出すると共に、この可動演出体22の演出位置Aへの突出に同期して、少なくとも支持部材39の裏側に対応する方向の発光素子108を含む複数方向、例えば演出位置Aの主演出体38を中心に対角線方向の各発光素子108がX方向に発光して予告演出表示を行う。図22の黒色部分は発光状態の発光素子108を示す。なお、対角線上にある発光素子108以外の発光素子108の一部を散点状に発光させてもよいし、全てを発光させてもよい。
【0087】
このようにすれば、遊技者は可動演出体22の支持部材39の裏側に対応する発光素子108による発光表示を透視孔54を通じて視認することができ、各実施例の場合と同様に調和の取れた予告演出が可能である。また発光素子108がLED等の場合には、高い発光輝度を得ることができるため、遊技盤10の裏側に発光表示部20を配置しても、その発光表示を支持部材39の視認部49を通じて容易に視認可能である。なお、輝度の高い発光表示部106としては有機EL等を利用することも可能である。
【0088】
図23、図24は本発明の第9の実施例を例示する。この実施例では、主演出体38は複数個の演出体109により構成され、また各演出体109は演出位置Aと退避位置Bとの間で支持部材39を介して上下一対の支持機構110により左右の遠近方向に往復移動自在に支持され、駆動手段35の駆動モータ111により出退駆動される。各演出体109は画像表示部20の前面の演出位置Aで当接又は近接して1個の主演出体38を構成するように半割り状になっており、その上下両側には透視孔54等の視認部49を有する支持部材39が設けられている。
【0089】
各支持機構110は装着枠32内で画像表示部20の上下両側に配置されており、左右方向に配置された前後一対の案内レール112と、この案内レール112により左右方向に摺動自在に支持された摺動体113とを有し、その各摺動体113に支持部材39が連結されている。案内レール112、駆動モータ111は図外のブラケット等により装着枠32に取り付けられている。
【0090】
駆動手段35は、各摺動体113の前後に相対向する側に形成されたラック114と、このラック114が前後両側から噛合するピニオン115と、このピニオン115を回転駆動する駆動モータ111とを備え、駆動モータ111の正逆転により各演出体109が演出位置Aと退避位置Bとの間で同期して出退する。
【0091】
なお、上側の支持機構110は表示窓33の前側を取り囲む周壁34aの上壁部34bにより、下側の支持機構110は周壁34aの下壁部34cにより上側から夫々覆われている。また周壁34aの左右両側の側壁部34dには、演出体109及び支持部材39に対応して切り欠き部34eが形成されている。
【0092】
画像表示部20には各演出体109が演出位置Aに移動して1個の主演出体38を構成する際に、主演出体38を中心として所定の予告演出画像27が発光表示される。このときの予告演出画像27はその一部が支持部材39の視認部49の裏側に対応して表示される。
【0093】
このように主演出体38を複数個に分割された演出体109により構成し、画像表示部20の前面の演出位置Aで複数個の演出体109が結合して1個の主演出体38を構成することにより、小さい演出体109を使用しながらも、演出位置Aにおける主演出体38をより大きくすることができる。主演出体38が複数個の演出体109に分割されているため、その各演出体109を退避位置Bに退避させて収容空間に収容するに際しても、比較的小さい収容空間に収容することができる。
【0094】
しかも主演出体38が複数個の演出体109に分かれているので、それを支持する支持部材39に視認部49を設けて、その視認部49を経て画像表示部20に表示される予告演出画像27を視認できるため、その支持部材39が画像表示部20の予告演出画像27の邪魔になるようなこともない。
【0095】
なお、この実施例では、左右2個の演出体109により主演出体38を構成し、その各演出体109を左右方向に移動させるようにしているが、上下方向又は斜め方向に2個の演出体109により1個の主演出体38を構成してもよいし、周方向に3個以上の演出体109で構成するようにしてもよい。また複数個の演出体109が同一方向に往復移動して、その各演出体109が演出位置Aで重なったり離れたりするようにしてもよい。
【0096】
以上、本発明の各実施例について詳述したが、本発明はこの各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施例では、視認部49として透視孔54、凸レンズ102、光透過性を有する乱反射部98等を例示しているが、その他のものでもよい。
【0097】
視認部49は支持部材39が特定の方向に長い部材の場合には、その長手方向に沿って長く構成し、それを支持部材39の長手方向に1個又は複数個設けてもよい。また視認部49は支持部材39の長手方向に長く構成する必要はなく、幅方向に長く構成してもよい。更に丸孔、角孔等の視認部49を支持部材39の長手方向に複数個列状に配置してもよい。また支持部材39が円形状、雲形状等の形状の場合には、その支持部材39の一部分である1個又は複数個の特定部に視認部49を設けてもよい。
【0098】
可動演出体22の主演出体38は円形状に構成されているが、その他の形状でもよいし、主演出体38と支持部材39とに区別し得ない構造でもよい。また主演出体38の作動による演出時に、この主演出体38の前面側が裏側の発光素子44の発光により発光するようにしているが、この主演出体38は発光しないようにしてもよいし、その特定の一部分のみがスポット的に発光するようにしてもよい。
【0099】
主演出体38の演出位置Aは画像表示部20の前側で支持部材39の一部が画像表示部20の前側に位置する箇所であればよく、画像表示部20の略中央である必要はない。また可動演出体22は演出位置Aと退避位置Bとの間で出退可能であればよく、その主演出体38の出退方向は揺動運動の他、上下方向、左右方向等の直線運動等でもよい。支持部材39の正面視形状は直線状、ジグザグ状、円弧状、L字状等、画像表示部20に表示される演出画像27と調和する形状であれば任意の形状を選択することができる。画像表示部20に表示される予告演出画像27等の演出画像は、主演出体38を中心にその周辺に表示すればよく、放射状である必要はない。
【0100】
また実施例では、可動演出体22の演出位置Aへの作動に同期して、主演出体38の発光と画像表示部20に表示される予告演出画像27とによって予告演出を行うようにしているが、支持部材39の基部側の延長上に対応して前飾り体31に支持部材39と同幅程度の発光表示部106を設け、主演出体38の作動に同期してこの発光表示部106が発光する表示演出を行うようにしてもよい。この場合には、画像表示部20の外側領域に跨がって表示演出が行なわれるため、演出効果をより高めることができる。
【0101】
画像表示部20には主演出体38の作動に同期して支持部材39の裏側に対応する部分と他の部分とに同じ予告演出画像27を表示するようにしているが、支持部材39の裏側に対応する部分と他の部分とで表示画像を異ならせてもよい。
【0102】
また主演出体38の裏側に対応する部分にも演出画像27を表示するようにしておけば、駆動手段35の故障等により主演出体38が退避位置Bで作動しなくなった場合にも、演出画像27との整合性を保つことができる。
【0103】
主演出体38が作動した際には、画像表示部20の演出図柄25a〜25cは所定時間(例えば主演出体38が退避するまでの間)表示しないようにしてもよいし、演出位置Aの主演出体38、演出画像27と重ならない別の表示位置に移動させて表示するようにしてもよい。このようにすれば、主演出体38、演出画像27による演出の妨げを防止できる。
【0104】
また実施例では大当たりの予告演出を例示しているが、遊技中の演出であれば、他の予告演出でもよいし、予告以外の演出でもよい。要するに主演出体38の作動と組み合わせて行う所定の演出であればよい。可撓配線56は帯状である必要はない。
【0105】
遊技盤10の画像表示手段13には液晶式、プラズマ式を、発光表示手段105には発光素子式を夫々例示しているが、これらにはその他の電気式表示手段、例えば有機EL、無機EL等を使用してもよい。また本発明はアレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機においても同様に実施可能であることは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1の実施例を示すパチンコ機の斜視図である。
【図2】同遊技盤の正面図である。
【図3】同遊技盤の側面断面図である。
【図4】同遊技盤の平面断面図である。
【図5】同可動演出体の正面図である。
【図6】同可動演出体の背面図である。
【図7】同支持部材の断面図である。
【図8】同可動演出体の一部破断平面図である。
【図9】同制御系のブロック図である。
【図10】同画像表示部の説明図である。
【図11】同演出図柄の図柄変動の説明図である。
【図12】同予告演出の説明図である。
【図13】本発明の第2の実施例を示す画像表示部、可動演出体の正面図である。
【図14】同支持部材の断面図である。
【図15】本発明の第3の実施例を示す画像表示部、可動演出体の正面図である。
【図16】本発明の第4の実施例を示し、(a)は画像表示部、支持部材の側面断面図、(b)は画像表示部、支持部材の平面断面図、(c)は画像表示部、支持部材の側面断面図である。
【図17】本発明の第5の実施例を示す支持部材の平面断面図である。
【図18】同画像表示部、支持部材の側面断面図である。
【図19】本発明の第6の実施例を示す画像表示部、支持部材の側面断面図である。
【図20】本発明の第7の実施例を示す画像表示部、支持部材の側面断面図である。
【図21】本発明の第8の実施例を示す遊技盤の断面図である。
【図22】同遊技盤の正面図である。
【図23】本発明の第9の実施例を示す可動演出体、画像表示手段等の一部破断正面図である。
【図24】同遊技盤の断面図である。
【符号の説明】
【0107】
10 遊技盤
13 画像表示手段(発光表示手段)
20 画像表示部(発光表示部)
22 可動演出体
27 予告演出表示(演出表示)
38 主演出体
39 支持部材
49 視認部
54 透視孔
56 可撓配線
98 乱反射部
100 集光部
105 発光表示手段
106 発光表示部
A 演出位置
B 退避位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出用の発光表示手段(13,105)と、該発光表示手段(13,105)の発光表示部(20,106)の前側に突出する演出位置(A)と該発光表示部(20)から退避する退避位置(B)との間で出退移動可能な可動演出体(22)とを備えた弾球遊技機において、前記可動演出体(22)は前記発光表示部(20,106)の演出表示(27)を直接的又は間接的に視認可能な視認部(49)を備え、前記可動演出体(22)が前記演出位置(A)へと作動する演出動作に同期して前記発光表示部(20,106)に、前記視認部(49)を介して視認される前記演出表示(27)を発光表示することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記発光表示手段(13)は前記演出表示(27)である演出画像を発光表示する画像表示手段であることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記可動演出体(22)は主演出体(38)と、該主演出体(38)を前記演出位置(A)と前記退避位置(B)との間で出退自在に支持する支持部材(39)とを備え、前記主演出体(38)、前記支持部材(39)の少なくとも一方に前記視認部(49)を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記視認部(49)は前後方向に貫通して形成された透視孔(54)であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記視認部(49)は前記発光表示部(20)からの光を乱反射して発光する乱反射部(98)を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記可動演出体(22)は前記発光表示部(20)からの光を前記乱反射部(98)に集光する集光部(100)を有することを特徴とする請求項5に記載の弾球遊技機。
【請求項7】
前記支持部材(39)はその長手方向に1個又は複数個の前記視認部(49)を備え、前記主演出体(38)に対する帯状の可撓配線(56)を、その幅方向を前記発光表示部(20,106)に対して略直角方向にして前記支持部材(39)の裏側に配置したことを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−66776(P2013−66776A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−7337(P2013−7337)
【出願日】平成25年1月18日(2013.1.18)
【分割の表示】特願2011−203060(P2011−203060)の分割
【原出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】