説明

形状分析を用いる摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法およびシステム

本発明は、医用画像における関心体積に包含されており、かつマルコフ確率場処理によりセグメンテーションされる摺りガラス様結節のセグメンテーション方法に関し、この方法においては、VOIにおける血管を識別し、血管をセグメンテーションし、セグメンテーションされた血管をセグメンテーションされたGGNから除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
優先権
本明細書においては殊に、本出願の発明者であるLi ZhangおよびMing Fangの名義で2003年9月17日に出願されたアメリカ合衆国仮出願第60/503,602号(整理番号2003P14211US)、発明の名称「IMPROVED GGO NODULE SEGMENTATION WITH SHAPE ANALYSIS」が参照され、またその優先権の利益が主張され、したがってその開示内容は参照により本明細書に取り入れられる。
【0002】
技術分野
本発明は結節のセグメンテーション、より詳細には肺のコンピュータ断層撮影(CT)体積における摺りガラス様結節(ground glass nodule;GGN)のセグメンテーションの分野に関する。
【0003】
背景技術
放射線検査、殊に肺の検査において「摺りガラス様結節(GGN)」は一般的に、下にある血管の不鮮明化には関連せずに、霞んだ肺の不透明な放射線写真の外観を表す。GGNは典型的に「純型(pure)」と「混合型(mixed)」の二つの形で発見される。純型のGGNは固形(solid)の成分を包含せず、これに対し混合型のGGNは何らかの固形の成分を包含する。
【0004】
GGNは高分解能コンピュータ断層撮影法(HRCT)の画像では単なる放射線撮影の場合よりも鮮明に現れる。固形の結節はより高いコントラストならびに明確に規定されている境界を有するので、GGNは典型的にHRCTの画像における固形の結節と異なる外観も呈する。さらにHRCTの画像におけるGGNの外観は、それらのGGNが細気管肺胞癌または侵食線癌のような活性であるが場合によっては治療可能な経過の存在を頻繁に示唆するので非常に有意な所見である。
【0005】
GGNは典型的に活性の肺疾患に関係するので、GGNが存在することにより頻繁に、例えば肺生検も含めたさらなる診断評価が行われることになる。したがって、コンピュータベースのセグメンテーションは所定のタイプの肺疾患を診断および治療する医療専門家の助けとなる。したがって、迅速な診断のために正確でばらつきがなくGGNをセグメンテーションするために使用することができるコンピュータベースのセグメンテーションシステムおよび方法が必要とされる。
【0006】
発明の概要
この点に関して、セグメンテーションプロシージャの間に解剖学的な知識から高いレベルで形状を限定することは従来実現不可能であったと認識されている。また、GGNが血管と接している場合には、血管の境界領域は部分容積効果に起因して典型的にGGNと類似する強度分布を有するので、血管の境界領域が結節セグメンテーションに包含される可能性があり、またGGNセグメンテーションが近傍に血管ツリーまたは葉裂(lobar fissure)または瘢痕のような他の構造を包含する可能性がある。
【0007】
本発明の課題は、解剖学的に導かれる形状分析を実施することにより、接している血管からGGNを分離する方法を提供することである。
【0008】
本発明の1つの態様によれば、摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法は、VOIにおける血管をセグメンテーションするステップと、VOIにおける血管を識別するステップと、セグメンテーションされた血管をVOIから除去するステップを有する。閾値化分析および形状分析は血管とGGNを区別するために使用される。平滑化はモルフォロジー演算によって任意に実施される。
【0009】
本発明の別の態様によれば、医用画像における関心体積(volume of interest;VOI)に包含されており、かつマルコフ確率場(MRF)処理によりセグメンテーションされる摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法は、VOIにおける血管を識別するステップと、血管をセグメンテーションするステップと、セグメンテーションされた血管をセグメンテーションされたGGNから除去するステップとを有する。
【0010】
本発明の別の態様によれば、血管を識別するステップは閾値化および関連成分の分析を含む。
【0011】
本発明の別の態様によれば、血管を識別するステップは3Dのコンパクトネス(compactness)分析の実施を含む。
【0012】
本発明の別の態様によれば、血管をセグメンテーションするステップは強度制約付き膨張(dilation)の実施を含む。
【0013】
本発明の別の態様によれば、セグメンテーション方法はセグメンテーションされた血管を除去するステップに続いてモルフォロジー演算を実施するステップを有する。
【0014】
本発明の別の態様によれば、セグメンテーション方法はVOIからあらゆる胸壁を除去するステップを有する。
【0015】
本発明の別の態様実施形態によれば、VOIから胸壁を除去するステップは、胸壁が常にVOIの隅に位置しているという事実に基づいた胸壁と血管の区別を含む。
【0016】
本発明の別の態様によれば、VOIから胸壁を除去するステップは胸壁に属する領域を除去するために領域拡大技術の使用を含む。
【0017】
本発明の別の態様によれば、セグメンテーション方法は、セグメンテーションされた血管を除去するステップの結果から生じるGGN程度でかつGGNより小さい小ブランチを除去するためにモルフォロジーの雑音除去(opening)を適用するステップを有する。
【0018】
本発明の別の態様によれば、セグメンテーション方法はコンピュータ支援のGGN検出技術を使用してGGNを検出するステップを有する。
【0019】
本発明の別の態様によれば、セグメンテーション方法はGGNの検出に関してマニュアルの技術を使用してGGNを検出するステップを有する。
【0020】
本発明の別の態様によれば、GGNは純型のGGNおよび混合型のGGNを包含する。
【0021】
本発明の別の態様によれば、血管を識別するステップは、血管を識別し、その識別により閾値化されたVOIを導出するために十分に高い閾値Thighを用いる閾値化の適用、高強度領域を発見するために閾値化されたVOIにラベルする関連成分の処理の使用、GGN内の固形の成分と血管を区別するために高強度領域の3次元(3D)のコンパクトネスの使用、より完全な血管セグメンテーションを取得するために高閾値Thighよりも低い低閾値Tlowを用いる閾値化の適用を含む。
【0022】
本発明の別の態様によれば、血管VOIをセグメンテーションするステップは、境界ボクセルを血管セグメンテーションに包含させるために強度制約付き膨張の適用を含む。
【0023】
本発明の別の態様によれば、血管をセグメンテーションするステップは、境界ボクセルを血管セグメンテーションに包含させ、以下のような実質的に完全な血管セグメンテーションOを取得するための強度制約付き膨張の適用を含む。
【0024】
【数1】

セグメンテーションされた血管を最初にセグメンテーションされたGGNから除去するステップは、血管を有さない最終的なGGNセグメンテーション
onlyggo=Oinitggo−O
を取得するために、マルコフ確率場(MRF)プロシージャを使用する、VOIをセグメンテーションするステップにおいて取得されたセグメンテーションされたVOIからの実質的に完全な血管セグメンテーションOの除去を含む。
【0025】
本発明の別の態様によれば、膨張構造要素は3×3×3のボクセル立方体である。
【0026】
本発明の別の態様によれば、セグメンテーション方法は、境界血管ボクセルよりも低い強度を有するGGN強度モデルから生じる血管の誤包含に起因する余分なブランチが全く存在しない、以下のようなクリーンな最終GGNセグメンテーションOggnを取得するために、強度により制約されたモルフォロジーの雑音除去演算をOonlyggnに適用するステップを有する。
【0027】
【数2】

SEは構造化要素を表す。また前述の式において負符号の前の部分はモルフォロジーの雑音除去の一般的な形を表し、負符号の後の部分は、膨張により付加されたピクセルが閾値Oggnよりも低い場合に、このピクセルがクリーンな最終セグメンテーションから除去されるように強度が制約されている。
【0028】
本発明の別の態様によれば、構造化要素SEは2Dのディスクである。
【0029】
本発明の別の態様によれば、医用画像における関心体積(VOI)に包含されており、かつマルコフ確率場(MRF)処理によりセグメンテーションされる摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーションシステムは、プログラムを記憶するための記憶装置と、記憶装置と接続されているディジタルプロセッサとを包含し、このプロセッサは、血管をVOIと区別し、最初にセグメンテーションされたVOIにおける血管をセグメンテーションし、VOIにおけるセグメンテーションされたGGNからセグメンテーションされた血管を除去するプログラムにより動作する。
【0030】
本発明の別の態様によれば、プロセッサはVOIから胸壁を除去するプログラムにより動作する。
【0031】
本発明の別の態様によれば、プロセッサは胸壁を血管と区別するプログラムにより動作する。
【0032】
本発明の別の態様によれば、プロセッサは胸壁が常にVOIの隅に位置しているという事実に基づき胸壁を血管と区別するプログラムにより動作する。
【0033】
本発明の別の態様によれば、プロセッサは胸壁に属する領域を除去するために領域拡大技術を使用するプログラムにより動作する。
【0034】
本発明の別の態様によれば、プロセッサは、VOIにおけるセグメンテーションされたGGNから血管を除去するステップの結果として生じるGGN程度でかつGGNよりも小さい小ブランチを除去するためのモルフォロジーの雑音除去演算を適用するプログラムにより動作する。
【0035】
本発明の別の態様によれば、プロセッサはコンピュータ支援のGGN検出技術を使用してGGNを検出するプログラムにより動作する。
【0036】
本発明の別の態様によれば、プロセッサはGGNの検出に関してマニュアルの技術を使用してGGNを検出するプログラムにより動作する。
【0037】
本発明の別の態様によれば、GGNは純型のGGNおよび混合型のGGNを包含する。
【0038】
本発明の別の態様によれば、プロセッサは、血管を識別し、その識別により閾値化されたVOIを導出するために十分に高い閾値Thighを用いて閾値化を適用し、高強度領域を発見するために閾値化されたVOIにラベルする関連成分の処理を使用し、高強度領域から血管を識別するためにコンパクトネス分析の処理を使用し、血管をGGN内の固形の成分と区別するために高強度領域の3次元(3D)のコンパクトネスを使用し、より完全な血管セグメンテーションを取得するために高閾値Thighよりも低い低域値Tlowを用いて閾値化を適用するプログラムにより動作する。
【0039】
本発明の別の態様によれば、プロセッサは、境界ボクセルを血管セグメンテーションに包含させるために強度制約付き膨張を適用するプログラムにより動作する。
【0040】
本発明の別の態様によれば、プロセッサは、境界ボクセルを血管セグメンテーションに包含させて、以下のような実質的に完全な血管セグメンテーションOを取得するために強度制約付き膨張を適用するプログラムにより動作する。
【0041】
【数3】

セグメンテーションされた血管を最初にセグメンテーションされたGGNから除去するステップは、血管を有さないGGNセグメンテーション
onlyggo=Oinitggo−O
を取得するために、GGNの最初のGGNセグメンテーションOinitggoからの実質的に完全な血管セグメンテーションOの除去を含む。
【0042】
本発明の別の態様によれば、膨張構造要素は3×3×3のピクセル立方体である。
【0043】
本発明の別の態様によれば、プロセッサは、境界血管ボクセルよりも低い強度を有するGGN強度モデルから生じる血管の誤包含に起因する余分なブランチが全く存在しない、以下のようなクリーンな最終GGNセグメンテーションOggnを取得するために、強度により制約されたモルフォロジーの雑音除去演算をOonlyggnに適用するプログラムにより動作する。
【0044】
【数4】

SEは構造化要素を表す。また前述の式において負符号の前の部分はモルフォロジーの雑音除去の一般的な形を表し、負符号の後の部分は、膨張により付加されたピクセルが閾値Oggnよりも低い場合に、このピクセルがクリーンな最終セグメンテーションから除去されるように強度が制約されている。
【0045】
本発明の別の態様によれば、構造化要素SEは2Dのディスクである。
【0046】
本発明の別の態様によれば、コンピュータプログラム製品がコンピュータプログラムロジックを有するコンピュータが使用可能な媒体からなり、この媒体には、医用画像における関心体積(VOI)に包含されており、かつマルコフ確率場(MRF)処理によりセグメンテーションされる摺りガラス様結節(GGN)をセグメンテーションし、VOIから血管を識別し、VOIにおける血管をセグメンテーションし、またVOIからセグメンテーションされた血管を除去するためのプログラムコードが記録されている。
【0047】
本発明の別の態様によれば、医用画像における関心体積(VOI)に包含されており、かつマルコフ確率場(MRF)処理によりセグメンテーションされる摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法は、VOIから血管を識別するステップと、血管をセグメンテーションするステップと、MRFプロセスによってセグメンテーションされたVOIにおけるセグメンテーションされたGGNからセグメンテーションされた血管を除去するステップと、最初にセグメンテーションされたGGNからセグメンテーションされた血管を除去するステップから生じる小ブランチを除去するモルフォロジーの雑音除去演算を適用するステップと、血管を識別し、その識別により閾値化されたVOIを導出するために十分に高い閾値Thighを用いて閾値化を適用するステップと、高強度領域を発見するために閾値化されたVOIにラベルする関連成分の処理を使用するステップと、血管をGGN内の固形の成分と区別するために高強度領域の3次元(3D)のコンパクトネスを使用するステップと、より完全な血管セグメンテーションを取得するために高閾値Thighよりも低い低閾値Tlowを適用するステップとを有する。
【0048】
本発明の別の態様によれば、医用画像における関心体積(VOI)に包含されており、かつセグメンテーションされている摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法は、VOIにおける血管を識別するステップと、血管をセグメンテーションするステップと、セグメンテーションされたGGNから血管を除去するステップとを有する。
【0049】
本発明の別の態様によれば、医用画像における関心体積(VOI)に包含されており、かつマルコフ確率場(MRF)処理のような処理によりセグメンテーションされる摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法は、VOIにおける血管を識別するステップと、血管をセグメンテーションするステップと、セグメンテーションされたGGNからのセグメンテーションされた血管を除去するステップとを有する。
【0050】
図面の簡単な説明
本発明の前述の特徴およびさらなる特徴は図面と関連させた以下の説明により明らかになり、またより明瞭に理解される。図面において、
図1は本発明の実施例による摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーションに適したシステムのブロック図を示す;
図2は本発明の原理によるフローチャートを示す;
図3は本発明の原理による、血管を有する最初の包括的にセグメンテーションされたGGN(a)、血管セグメンテーション(b)および血管を有さない最終的な結節セグメンテーションを示す。
【0051】
図4は球体、円柱、連結した円柱に関するコンパクトネスの計算の基礎を示す;
図5は血管の包含によって惹起されるGGNセグメンテーションにおける誤ブランチ概略図を示す。
【0052】
実施例の詳細な説明
図1は本発明の実施例による摺りガラス様結節(GGN)セグメンテーションに適したシステムのブロック図である。図1に示されているように、システムは殊にスキャン装置110と、パーソナルコンピュータ(PC)でもよいコンピュータ124と、オペレータコンソールおよび/または仮想のナビゲーション端末装置130とを包含し、これらは適切で慣例のあらゆるやり方で、例えばイーサネット111を介して直接的または間接的に接続または結合されている。スキャン装置110は有利には高分解能コンピュータ断層撮影(HRCT)撮像デバイスである。
【0053】
慣例のようにポータブルまたはラップトップのコンピュータ、デスクトップコンピュータ、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)または他の適切な形態のコンピュータでよいコンピュータ124は中央処理装置(CPU)116およびメモリ122を包含し、これらは入力側126および出力側128と接続されている。コンピュータ124は関心体積(VOI)選択装置112およびセグメンテーション装置114と接続されており、このセグメンテーション装置114は摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーションのための1つまたは複数の方法を実施する手段を有する。医用画像データの自動化された診断または評価機能を実施するために使用される診断モジュールをコンピュータ124と接続することができる、および/または、コンピュータ124に包含させることができる。付加的に、コンピュータ124をさらに肺体積検査装置(図示せず)と接続することができる。
【0054】
メモリ122はランダムアクセスメモリ(RAM)118およびリードオンリーメモリ(ROM)120を包含する。メモリ122はデータベース、ディスク駆動機構、磁気テープ駆動機構など、またはそれらの組み合わせを包含することもできる。RAM118はデータメモリとして機能し、CPU116におけるプログラムの実行中に使用されるデータを記憶し、また作業域として使用される。ROM120はCPU116において実行されるプログラムを記憶するためのプログラムメモリとして機能する。入力側126はキーボード、コンピュータマウスおよび/または他の入力装置を有し、また出力側128は液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)ディスプレイのような表示装置、プリンタなどを有する。
【0055】
システムの動作はオペレータコンソール130によって制御され、このオペレータコンソール130はキーボードのようなコントローラ134、およびCRTディスプレイのような表示装置132を有する。オペレータコンソール130はコンピュータ124およびスキャン装置110と通信する。スキャン装置110によって収集された2次元(2D)の画像データはコンピュータ124によって3Dのデータにレンダリングされ、表示装置132に表示される。コンピュータ124は、例えば、コントローラ134および表示装置132によって実施される所定のタスクを実行するための入力側126および出力側128の装置を使用して、オペレータコンソール130を用いずに、スキャン装置110によって提供される情報を演算および表示するようコンフィギュレートできると解される。
【0056】
オペレータコンソール130はさらに、表示装置132において2Dおよび/または3Dの画像を形成および表示するために取得した画像データセット(またはそれらの画像セットの一部)のディジタル画像データを処理できるあらゆる適切なイメージレンダリングシステム/ツール/アプリケーションを包含する。より詳細には、画像レンダリングシステムは医用画像データの2D/3Dレンダリングおよび視覚化を提供し、また汎用または特定のコンピュータワークステーションにおいて実行されるアプリケーションであってよい。さらには、画像レンダリングシステムは3Dの画像または複数の2Dの画像スライスを介してユーザをナビゲーションすることができる。コンピュータ124も、2Dおよび/または3Dの画像を形成して表示するために、取得した画像データセットのディジタル画像データを処理するための画像レンダリングシステム/ツール/アプリケーションを包含することができる。
【0057】
図1に示されているように、セグメンテーション装置114はディジタルの医用画像データを受信して処理するためにコンピュータ124によっても使用される。このディジタルの医用画像データは上述したように生の画像データ、2Dの再構成されたデータ(例えば軸位断(axial slice))または3Dの再構成されたデータ、例えば体積画像データまたは多断面の再フォーマット(multiplanar reformat)、またはそれらのフォーマットのあらゆる組み合わせの形でよい。データ処理の結果はコンピュータ124から結合経路または接続経路またはネットワーク111を介してオペレータコンソール130内の画像レンダリングシステムに出力され、例えば器官のセグメンテーションまたは解剖学的な構造のセグメンテーション、色または強度の変化などのようなデータ処理の結果に関連する画像データの2Dおよび/または3Dのレンダリングが行われる。
【0058】
GGNセグメンテーションのための本発明によるシステムおよび方法は、医用画像データを処理するために使用されるセグメンテーション方法の拡張形態として実施できると解される。例えば、2004年7月23日付けのLi ZhangおよびMing Fangにより出願された同時係属中の特許明細書第10/898511号、発明の名称「SYSTEM AND METHOD FOR GROUND GLASS NODULE (GGN) SEGMENTATION」にはマルコフ確率場(MRF)を使用するセグメンテーションのシステムおよび方法が記載されており、その全開示内容は参照により本明細書に取り入れられる。
【0059】
さらには、本明細書に記載されているシステムおよび方法の例を、3Dの医用画像およびコンピュータ補助診断(CAD)システムまたは、広範な撮像物理療法(例えばCT,MRIなど)また種々の異常な肺構造または病変、例えば肺結節、腫瘍、狭窄、炎症部などを診断および評価することに適しているアプリケーションを用いて容易に実施できることは明らかである。この点に関して、実施例を特定の撮像療法または特定の解剖学的な特徴に関連させて説明することができるが、これは本発明の範囲を制限するものではないと解するべきである。
【0060】
本発明を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊用途プロセッサまたはそれらの組み合わせの種々の形態で実施できると解される。1つの実施形態においては、本発明をプログラム記憶デバイス(例えば磁気フロッピーディスク、RAM、CD ROM、DVD、ROMおよびフラッシュメモリ)に具体的に組み込まれたアプリケーションプログラムのようなソフトウェアとして実施することができる。アプリケーションプログラムをあらゆる適切なアーキテクチャを有する計算機械によってアップロードし、実行することができる。
【0061】
図2は典型的な予備演算と関連させた本発明の実施例によるGGNセグメンテーション方法の演算の概要を示す。
【0062】
図2に示されているように、3Dのデータが肺または肺の対から取得される(ステップ202)。3Dのデータの取得は肺をスキャンするためのスキャン装置110、例えばHRCTスキャナを使用することにより達成され、これにより肺に関連する一連の2Dの画像が形成される。肺の2Dの画像をそれ自体当業者には公知の種々の方法の内の1つによって、3Dにレンダリングされた画像に変換または変形することができる。画像データは前処理される。例えば、GGNが肺境界の近くにある場合には、胸壁の一部をVOIに包含させることができる。この場合には胸壁がVOIから除去される。したがって、例えば、胸壁に属するVOIの部分はVOIから除外される。
【0063】
このステップは例えば胸壁に属する領域を除去するために領域拡大技術を使用することができ、したがってその潜在的な影響は本発明による後続のMRFセグメンテーションおよび形状分析のようなさらなる処理技術からは除外されている。領域拡大に付加的に種々のセグメンテーション技術を前処理において使用できると解される。領域拡大に関する資料は殊に、例えば、Arthur R. Weeks, "Fundamentals of Image Processing, "IEEE Press, New York、1996年、第442頁以下参照、第448頁以下参照;GonzalezおよびWoods, "Digital Image Processing, "Prentice-Hall, New Jersey、2002年、第612頁以下参照;Milan Sonkaらによる "Image Processing, Analysis, and Machine Vision,"第2版、PWS Publishing, New York、1999年、第176頁以下参照に見て取れる。画像は本出願人の上述の同時係属中の特許明細書第10/898511号による、最初のGGNセグメンテーションを取得するためのマルコフ確率場(MRF)技術の使用によりセグメンテーションされる。
【0064】
GGNが選択される(ステップ204)。GGNの選択は、例えば、データからGGNを手動で選択する放射線専門医のような医療専門家によって達成されるか、コンピュータ支援のGGN検出および/またはキャラクタリゼーション技術を使用して達成される。択一的に、GGN内の点を選択することができる。この処理を肺または肺の対に関連するデータを検査する放射線専門医によってマニュアルで実施することができるか、医用画像データにおけるGGN内の点を識別するためのコンピュータプログラムによって自動的に実施することができる。
【0065】
GGNが選択されると、VOIが例えばVOI選択装置112を使用することによりGGNの周囲において選択される(ステップ206)。このステップにおいては、VOIの大きさはGGNを包含するように自動的に定義されている。
【0066】
ステップ208においては、GGNがVOIにおいて最初にマルコフ確率場プロシージャを使用してセグメンテーションされる。
【0067】
続いてステップ210において、本発明の原理にしたがい、閾値化、関連成分分析およびコンパクトネス分析を含む技術によってVOIから血管が識別される。
【0068】
ステップ212においては、VOIまたはGGNのセグメンテーションにおける血管の完全なセグメンテーションが、強度が制約されている膨張によって実行される。
【0069】
ステップ214においては、GGNセグメンテーションから血管セグメンテーションが除去される。
【0070】
さらなるステップ216においては、やはり強度によって制約されているモルフォロジーの雑音除去が、GGNセグメンテーションから血管を除去することによって生じる典型的には小さいブランチを除外するために実施される。そのような演算を実施するための技術は当業者には公知であり、また種々のテキストに記載されている。例えば、モルフォロジーのフィルタリングに関する資料はWeeksによる前述の文献(第180頁以下参照)またGonzalezらによる前述の文献、第9章、Morphological Image Processing、第519頁以下参照を参照されたい。
【0071】
血管のセグメンテーションおよび除去は、手動で入力されたクリックポイントの周囲の副体積であるVOI内で実施される。前述のステップのさらなる詳細を以下説明する。
【0072】
上述したように、GGNは典型的に「純型」と「混合型」の形で発見される。図3(A)および図3(B)は2つの形のそれぞれの例を示す。純型のGGNは固形の成分を包含せず、これに対し混合型のGGNは何らかの固形の成分を包含する。
【0073】
ここで使用されるように、CTデータセットに関するハウンスフィールド単位(HU)は物質の密度を表し、空気の1000から水の0にわたり、より高い密度の物質に対する比較的高い値に及ぶ。
【0074】
上述したように、画像は最初のGGNセグメンテーションを取得するためにマルコフ確率場(MRF)技術を使用してセグメンテーションされる。このプロシージャの詳細は本出願人の同時係属中の特許明細書第10/898511号に記載されており、その内容は参照により本願に取り入れられる。簡潔に述べると、その明細書に記載されているGGNセグメンテーション方法およびシステムは以下の通りである。類似する特徴と異なる特徴との間の非線形の相互作用を規定するMRFが例えば、推定すべき特徴に関する属性の知識を導入することによって空間的かつ時間的な情報を結合および編成するために使用される。例えば、GGNをセグメンテーションするステップにおいてMRFを適用することによって、MRFはVOIにおける隣接ボクセルから空間的な制約が課されることによって先験的に蓋然性を与える。隣接するボクセルからの強度および空間の制約を考慮することによって、VOIにおける各ボクセルにラベルを割り当てることができる。したがって、GGNには一方のタイプのラベルを付与することができ、また非GGNまたはバックグラウンド情報、例えば肺の実質、血管、胸壁部などには他方のタイプのラベルが付与され、これにより表示すべきセグメンテーションされたVOIはGGNとバックグラウンドを離散的に表すことができる。前述の本出願人の同時係属中の特許明細書第10/89511号の図7の(c)を参照すると、画像の中心におけるぎざぎざの縁によって示唆されている領域はGGNを表し、外部の領域はバックグラウンドを表す。詳細なMRFセグメンテーションプロシージャの完全な導出は、本出願人の同時係属中の特許明細書第10/89511号を参照されたい。
【0075】
本発明により血管を識別するために、閾値化がVOIにおいて適用され、先ず血管を識別するために例えば−400HUの高い閾値Thighが適用される。関連成分をラベルする処理は、高強度領域を発見するために閾値化されたVOIに使用される。関連成分のセグメンテーションの記述に関しては、例えばWeeksによる前述の文献の題448頁以下、またGonzalezらによる前述の文献の第664頁以下を参照されたい。高強度領域はVOIにおける血管ブランチおよびGGN内の固形の成分を包含する。
【0076】
高強度領域の3DのコンパクトネスはGGN内の固形の成分と血管を区別するために使用される。以下ではこれに関して説明する。
【0077】
コンパクトネスは線形の形状変形に依存しない公知の形状記述特性を表す。例えば、Sonkaらによる前述の文献の第259頁を参照されたい。3D形状Sのコンパクトネスは以下のように定義されている。
【0078】
【数5】

ここで使用される距離変換は、領域の境界からの最短距離を表す各領域ピクセルに値を割り当てる。例えば、Sonkaらによる前述の文献(第269頁)を参照されたい。
【0079】
GGNセグメンテーションにおける固形の成分を球体のように近似させ、VOIにおける血管を円筒または連結した円筒のように近似させると(図4を参照されたい)、前述の式1によりVOIにおける血管はGGN内の固形の成分よりもコンパクトではなく、したがって血管ブランチはGGN内の固形の成分よりも高いコンパクトネス値を有する。例えば、図4に示されているような3つの異なる形状に関するコンパクト値を以下のように計算することができる。
【0080】
【数6】

【0081】
上述の例からは、球体が低いコンパクト値を表すのに対し、単一の円筒でも連結した円筒でも、円筒は高いコンパクト値を表すことが分かった。したがって、VOIにおける血管ブランチを高いコンパクトネス値、例えば3よりも大きいコンパクトネス値によって高強度領域から選択することができる。
【0082】
前述したように、GGNが肺境界の近くにある場合には、胸壁の一部をVOIに含ませることができる。VOIにおける胸壁も高強度領域であり、また単に胸壁の狭い部分もしくは不整な部分がVOIに含まれる場合にはあまりコンパクトではない可能性がある。胸壁は常に前述のVOIの隅に配置されているという事実に基づき、胸壁を血管と区別することができる。
【0083】
血管を識別するステップにおいては、血管をセグメンテーションするために高い閾値が使用される。部分容積効果に基づき、血管に属する境界ボクセルは含まれない。血管セグメンテーションを完全にするために、低い閾値を適用する必要がある。しかしながら、低い閾値が関連する高強度領域を発見するために第1のステップにおいて使用されると、肺の実質は血管を包含し、また血管と関連する可能性があるので、結果として血管を識別することができない。したがって、高い閾値は血管を識別するために最初に使用されなければならず、また一度血管が識別されれば、低閾値を完全な血管セグメンテーションを取得するために使用することができる。
【0084】
境界ボクセルを血管セグメンテーションに含ませるために、強度制約付き膨張が以下のような完全な血管セグメンテーションOを取得するために使用される。
【0085】
【数7】

【0086】
完全な血管セグメンテーションOは血管を有さないGGNセグメンテーションOonlyggo=Oinitggo−Oを取得するために最初のGGNセグメンテーションOinitggoから除去される。
【0087】
血管セグメンテーションが除去された後でさえも、GGN強度モデルは図5に示されているように境界血管ボクセルよりも低い強度を有するので、残りのGGNセグメンテーションが血管の誤包含によって生じる余分な小ブランチを有する可能性がある。
【0088】
したがって、図5に示されているように、GGNモデルの領域内に含まれる低い強度値を有する誤ブランチがGGNセグメンテーション内に残存する。さらには、例えば葉裂、瘢痕および同様の構造のような高い強度を有する別の肺構造がGGNセグメンテーション内の誤ブランチを生じさせる可能性もある。典型的にはGGNの直径よりも寸法が小さい小ブランチを除去するために、やはり強度によって制約されている、モルフォロジーの雑音除去が以下のようなクリーンな最終GGNセグメンテーションOggnを取得するためにOonlyggnに適用される。
【0089】
【数8】

SEは構造化された要素を表す。式5において、負記号の前の部分はモルフォロジーの雑音除去の一般的な形であり、負記号の後の部分は、つまり強度が制約されている。すなわち膨張により付加されたピクセルが閾値Oggnよりも低い場合にはこのピクセルが最終セグメンテーションから除去される。強度の制約は近接する暗いボクセルがGGNセグメンテーションに含まれることを阻止する。構造化された要素SEは2Dディスクである。何故ならば、1つまたは2つのスライスの薄いGGNセグメンテーションは3Dの構造要素を用いるモルフォロジーの雑音除去によって除去できるからである。
【0090】
図3は本発明の適用例を示し、図3(a)においてはGGNが血管の近くにあるので、最初の結果は塊状の包括的なセグメンテーションである。図3(b)はVOIにおける血管セグメンテーションを示し、また図3(c)は包括的にセグメンテーションされた血管を有さない最終GGNセグメンテーションを示す。
【0091】
前述の記載は単に実施例を説明するものであることは自明である。本発明の説明における便宜上、前述の記載は考えられる実施形態の代表的な例に焦点を当てたものであり、その例は本発明の原理を説明するものである。したがって前述の記載は考えられる全ての変形形態を網羅的に列挙することを試みたものではない。それらの択一的な実施形態は本発明の特定の部分を表しているのではない、もしくは明細書に記載していないそれらの別の択一的な実施形態を本発明の部分に使用することができ、それらの択一的な実施形態を排除するものとして考慮すべきではない。したがって本発明は前述の特定の実施形態に制限されることを意図しているのではなく、上記の実施形態の多数の変更および組み合わせならびに上記の実施形態との非発明的な置換も含む実現をなすことができるが、本発明は請求項によって規定されるべきである。明細書には記載していないそのような多くの実施形態は請求項の範囲にあり、またその他のものも等価であることは自明である。例えば、実施例はMRFプロセスによってセグメンテーションされている画像を使用するが、他の等価のプロセスによってセグメンテーションされている画像も本発明の方法による処理に適している。これらの用途および実施形態ならびに同様の用途および実施形態を本発明の精神および範囲から逸脱することなく直接的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施例による摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーションに適したシステムのブロック図。
【図2】本発明の原理によるフローチャート。
【図3a】本発明の原理による血管を有する最初の包括的にセグメンテーションされたGGN。
【図3b】血管セグメンテーション
【図3c】血管を有さない最終的な結節セグメンテーション。
【図4】球体、円柱、連結した円柱に関するコンパクトネスの計算の基礎。
【図5】血管の包含によって惹起されるGGNセグメンテーションにおける誤ブランチ概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像における関心体積(VOI)に包含されており、かつマルコフ確率場(MRF)処理によりセグメンテーションされる摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法において、
前記VOIにおける血管を識別するステップと、
前記血管をセグメンテーションするステップと、
セグメンテーションされた血管をセグメンテーションされた前記GGNから除去するステップとを有することを特徴とする、摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法。
【請求項2】
前記血管を識別する前記ステップは閾値化および関連成分の分析の実施を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記血管を識別する前記ステップは3Dのコンパクトネス分析の実施を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記血管をセグメンテーションする前記ステップは強度制約付き膨張の実施を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
セグメンテーションされた血管を除去する前記ステップに続いてモルフォロジー演算を実施するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記VOIからあらゆる胸壁を除去するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記VOIから胸壁を除去する前記ステップは、前記胸壁が常に前記VOIの隅に位置しているという事実に基づいた前記胸壁と血管の区別を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記VOIから胸壁を除去する前記ステップは、前記胸壁に属する領域を除去するために領域拡大技術の使用を含む、請求項6記載の方法。
【請求項9】
セグメンテーションされた血管を除去する前記ステップの結果から生じるGGN程度でかつGGNより小さい小ブランチを除去するモルフォロジーの雑音除去を適用するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
コンピュータ支援のGGN検出技術を使用して前記GGNを検出するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記GGNの検出に関してマニュアルの技術を使用して前記GGNを検出するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記GGNは純型のGGNおよび混合型のGGNを包含する、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記血管を識別する前記ステップは、
血管を識別し、該識別により閾値化されたVOIを導出するために十分に高い閾値Thighを用いる閾値化の適用と、
高強度領域を発見するために閾値化されたVOIにラベルする関連成分の処理の使用と、
血管をGGN内の固形の成分と区別するために前記高強度領域の3次元(3D)のコンパクトネスの使用と、
より完全な血管セグメンテーションを取得するために高閾値Thighよりも低い低閾値Tlowを用いる閾値化の適用とを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
血管VOIをセグメンテーションする前記ステップは、境界ボクセルを前記血管セグメンテーションに包含させるために強度制約付き膨張の適用を含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
血管をセグメンテーションする前記ステップは、境界ボクセルを前記血管セグメンテーションに包含させ、以下のような実質的に完全な血管セグメンテーションOを取得するために強度制約付き膨張の適用を含み、
【数1】

セグメンテーションされた血管を最初にセグメンテーションされた前記GGNから除去する前記ステップは、血管を有さない最終的なGGNセグメンテーション
onlyggo = Oinitggo − O
を取得するために、マルコフ確率場(MRF)プロシージャを使用する、前記VOIをセグメンテーションする前記ステップにおいて取得されたセグメンテーションされた前記VOIからの実質的に完全な血管セグメンテーションOの除去を含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記膨張構造要素は3×3×3のボクセル立方体である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
境界血管ボクセルよりも低い強度を有するGGN強度モデルから生じる血管の誤包含に起因する余分なブランチが全く存在しない、以下のようなクリーンな最終GGNセグメンテーションOggnを取得するために、強度により制約されたモルフォロジーの雑音除去演算をOonlyggnに適用するステップを有し、
【数2】

SEは構造化要素を表し、前記式において負符号の前の部分はモルフォロジーの雑音除去の一般的な形を表し、負符号の後の部分は、膨張により付加されたピクセルが閾値Oggnよりも低い場合に、該ピクセルが前記クリーンな最終セグメンテーションから除去されるように強度が制約されている、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記構造化要素SEは2Dのディスクである、請求項17記載の方法。
【請求項19】
医用画像における関心体積(VOI)に包含されており、かつマルコフ確率場(MRF)処理によりセグメンテーションされる摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーションシステムにおいて、該システムは、
プログラムを記憶する記憶装置と、
前記記憶装置と接続されているディジタルプロセッサとを包含し、該プロセッサは、
血管を前記VOIと区別し、
最初にセグメンテーションされた前記VOIにおける血管をセグメンテーションし、
前記VOIにおけるセグメンテーションされた前記GGNからセグメンテーションされた血管を除去するプログラムにより動作することを特徴とする、摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーションシステム。
【請求項20】
前記プロセッサは前記VOIから胸壁を除去するプログラムにより動作する、請求項19記載のシステム。
【請求項21】
前記プロセッサは前記胸壁を血管と区別するプログラムにより動作する、請求項20記載のシステム。
【請求項22】
前記プロセッサは前記胸壁が常に前記VOIの隅に位置しているという事実に基づき前記胸壁を血管と区別するプログラムにより動作する、請求項21記載のシステム。
【請求項23】
前記プロセッサは前記胸壁に属する領域を除去するために領域拡大技術を使用するプログラムにより動作する、請求項20記載のシステム。
【請求項24】
前記プロセッサは、前記VOIにおけるセグメンテーションされた前記GGNから血管を除去する前記ステップの結果として生じるGGN程度でかつGGNよりも小さい小ブランチを除去するためのモルフォロジーの雑音除去演算を適用するプログラムにより動作する、請求項19記載のシステム。
【請求項25】
前記プロセッサはコンピュータ支援のGGN検出技術を使用して前記GGNを検出するプログラムにより動作する、請求項24記載のシステム。
【請求項26】
前記プロセッサは前記GGNの検出に関してマニュアルの技術を使用して前記GGNを検出するプログラムにより動作する、請求項24記載のシステム。
【請求項27】
前記GGNは純型のGGNおよび混合型のGGNを包含する、請求項19記載のシステム。
【請求項28】
前記プロセッサは、
血管を識別し、該識別により閾値化されたVOIを導出するために十分に高い閾値Thighを用いて閾値化を適用し、
高強度領域を発見するために閾値化されたVOIにラベルする関連成分の処理を使用し、
高強度領域から血管を識別するためにコンパクトネス分析の処理を使用し、
血管をGGN内の固形の成分と区別するために前記高強度領域の3次元(3D)のコンパクトネスを使用し、
より完全な血管セグメンテーションを取得するために高閾値Thighよりも低い低域値Tlowを用いて閾値化を適用するプログラムにより動作する、請求項19記載のシステム。
【請求項29】
前記プロセッサは、境界ボクセルを前記血管セグメンテーションに包含させるために強度制約付き膨張を適用するプログラムにより動作する、請求項28記載のシステム。
【請求項30】
前記プロセッサは、境界ボクセルを前記血管セグメンテーションに包含させ、以下のような実質的に完全な血管セグメンテーションOを取得するために強度制約付き膨張を適用するプログラムにより動作し、
【数3】

セグメンテーションされた血管を最初にセグメンテーションされた前記GGNから除去する前記ステップは、血管を有さないGGNセグメンテーション
onlyggo = Oinitggo − O
を取得するために、前記GGNの最初のGGNセグメンテーションOinitggoからの前記実質的に完全な血管セグメンテーションOの除去を含む、請求項30記載のシステム。
【請求項31】
前記膨張構造要素は3×3×3のピクセル立方体である、請求項30記載のシステム。
【請求項32】
前記プロセッサは、境界血管ボクセルよりも低い強度を有するGGN強度モデルから生じる血管の誤包含に起因する余分なブランチが全く存在しない、以下のようなクリーンな最終GGNセグメンテーションOggnを取得するために、強度により制約されたモルフォロジーの雑音除去演算をOonlyggnに適用するプログラムにより動作し、
【数4】

SEは構造化要素を表し、前記式において負符号の前の部分はモルフォロジーの雑音除去の一般的な形を表し、負符号の後の部分は、膨張により付加されたピクセルが閾値Oggnよりも低い場合に、該ピクセルが前記クリーンな最終セグメンテーションから除去されるように強度が制約されている、請求項28記載のシステム。
【請求項33】
前記構造化要素SEは2Dのディスクである、請求項32記載のシステム。
【請求項34】
コンピュータプログラムロジックを有するコンピュータが使用可能な媒体からなるコンピュータプログラム製品において、前記媒体には、
医用画像における関心体積(VOI)に包含されており、かつマルコフ確率場(MRF)処理によりセグメンテーションされる摺りガラス様結節(GGN)をセグメンテーションし、
前記VOIから血管を識別し、
前記VOIにおける血管をセグメンテーションし、
前記VOIからセグメンテーションされた血管を除去するプログラムコードが記録されていることを特徴とする、コンピュータプログラム製品。
【請求項35】
医用画像における関心体積(VOI)に包含されており、かつマルコフ確率場(MRF)処理によりセグメンテーションされる摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法において、
前記VOIから血管を識別するステップと、
前記血管をセグメンテーションするステップと、
前記MRFプロセスによってセグメンテーションされた前記VOIにおけるセグメンテーションされた前記GGNからセグメンテーションされた血管を除去するステップと、
最初にセグメンテーションされた前記GGNからセグメンテーションされた血管を除去する前記ステップから生じる小ブランチを除去するモルフォロジーの雑音除去演算を適用するステップと、
血管を識別し、該識別により閾値化されたVOIを導出するために十分に高い閾値Thighを用いて閾値化を適用するステップと、
高強度領域を発見するために閾値化されたVOにラベルする関連成分の処理を使用するステップと、
血管をGGN内の固形の成分と区別するために高強度領域の3次元(3D)のコンパクトネスを使用するステップと、
より完全な血管セグメンテーションを取得するために高閾値Thighよりも低い低閾値Tlowを適用するステップとを有することを特徴とする、摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法。
【請求項36】
VOIにおける血管をセグメンテーションする前記ステップは、境界ボクセルを前記血管セグメンテーションに包含させるために強度制約付き膨張の適用を含む、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記VOIにおける血管をセグメンテーションする前記ステップは、境界ボクセルを前記血管セグメンテーションに包含させ、以下のような実質的に完全な血管セグメンテーションOを取得するために強度制約付き膨張の適用を含み、
【数5】

セグメンテーションされた血管を最初にセグメンテーションされた前記GGNから除去するステップは、血管を有さないGGNセグメンテーション
onlyggo = Oinitggo − O
を取得するために、前記最初にセグメンテーションされたGGNの最初のGGNセグメンテーションOinitggoからの実質的に完全な血管セグメンテーションOの除去を含む、請求項35記載のシステム。
【請求項38】
前記VOIから胸壁を除去するステップを有する、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記VOIから胸壁を除去する前記ステップは、前記胸壁が常に前記VOIの隅に位置しているという事実に基づいた前記胸壁と血管の区別を含む、請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記VOIから胸壁を除去する前記ステップは、前記胸壁に属する領域を除去する領域拡大技術の使用を含む、請求項38記載の方法。
【請求項41】
コンピュータ支援のGGN検出技術を使用して前記GGNを検出するステップを有する、請求項38記載の方法。
【請求項42】
前記GGNの検出に関してマニュアルの技術を使用して前記GGNを検出するステップを有する、請求項35記載の方法。
【請求項43】
前記GGNは純型のGGNおよび混合型のGGNを包含する、請求項35記載の方法。
【請求項44】
境界血管ボクセルよりも低い強度を有するGGN強度モデルから生じる血管の誤包含に起因する余分なブランチが全く存在しない、以下のようなクリーンな最終GGNセグメンテーションOggnを取得するために、強度により制約されたモルフォロジーの雑音除去演算をOonlyggnに適用するステップを有し、
【数6】

SEは構造化要素を表し、前記式において負符号の前の部分はモルフォロジーの雑音除去の一般的な形を表し、負符号の後の部分は、膨張により付加されたピクセルが閾値Oggnよりも低い場合に、該ピクセルが前記クリーンな最終セグメンテーションから除去されるように強度が制約されている、請求項38記載の方法。
【請求項45】
前記構造化要素SEは2Dのディスクである、請求項45記載の方法。
【請求項46】
医用画像における関心体積(VOI)に包含されておりており、かつセグメンテーションされている摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法において、
前記VOIにおける血管を識別するステップと、
前記血管をセグメンテーションするステップと、
セグメンテーションされた血管をセグメンテーションされた前記GGNから除去するステップとを有することを特徴とする、摺りガラス様結節(GGN)のセグメンテーション方法。
【請求項47】
前記VOIから胸壁を除去するステップを有する、請求項47記載の方法。
【請求項48】
前記VOIから胸壁を除去する前記ステップは、前記胸壁が常に前記VOIの隅に位置していることによる前記胸壁と血管の区別を含む、請求項48記載の方法。
【請求項49】
前記VOIから胸壁を除去する前記ステップは、前記胸壁に属する領域を除去する領域拡大技術の使用を含む、請求項48記載の方法。
【請求項50】
セグメンテーションされた血管を除去する前記ステップの結果から生じるGGN程度でかつGGNより小さい小ブランチを除去するモルフォロジーの雑音除去を適用するステップを有する、請求項47記載の方法。
【請求項51】
コンピュータ支援のGGN検出技術を使用して前記GGNを検出するステップを有する、請求項47記載の方法。
【請求項52】
前記GGNの検出に関してマニュアルの技術を使用して前記GGNを検出するステップを有する、請求項47記載の方法。
【請求項53】
前記GGNは純型のGGNおよび混合型のGGNを包含する、請求項47記載の方法。
【請求項54】
関心体積を規定する前記ステップは前記VOIの形状および大きさの規定を含む、請求項47記載の方法。
【請求項55】
血管をセグメンテーションする前記ステップは、
血管を識別し、該識別により閾値化されたVOIを導出するために十分に高い閾値Thighを用いる閾値化の適用と、
高強度領域を発見するために閾値化されたVOIにラベルする関連成分の処理の使用と、
血管をGGN内の固形の成分と区別するために前記高強度領域の3次元(3D)のコンパクトネスの使用と、
より完全な血管セグメンテーションを取得するために高閾値Thighよりも低い低閾値Tlowを用いる閾値化の適用とを含む、請求項47記載の方法。
【請求項56】
血管をセグメンテーションする前記ステップは、境界ボクセルを前記血管セグメンテーションに包含させるために強度制約付き膨張の適用を含む、請求項47記載の方法。
【請求項57】
血管をセグメンテーションする前記ステップは、境界ボクセルを前記血管セグメンテーションに包含させて、以下のような実質的に完全な血管セグメンテーションOを取得するために強度制約付き膨張の適用を含み、
【数7】

セグメンテーションされた血管を最初にセグメンテーションされた前記VOIから除去するステップは、血管を有さないGGNセグメンテーション
onlyggo = Oinitggo − O
を取得するために、前記VOIの最初のGGNセグメンテーションOinitggoからの実質的に完全な血管セグメンテーションOの除去を含む、請求項47記載のシステム。
【請求項58】
前記膨張構造要素は3×3×3のボクセル立方体である、請求項58記載の方法。
【請求項59】
境界血管ボクセルよりも低い強度を有するGGN強度モデルから生じる血管の誤包含に起因する余分なブランチが全く存在しない、以下のようなクリーンな最終GGNセグメンテーションOggnを取得するために、強度により制約されたモルフォロジーの雑音除去演算をOonlyggnに適用するステップを有し、
【数8】

SEは構造化要素を表し、前記式において負符号の前の部分はモルフォロジーの雑音除去の一般的な形を表し、負符号の後の部分は、膨張により付加されたピクセルが閾値Oggnよりも低い場合に、該ピクセルが前記クリーンな最終セグメンテーションから除去されるように強度が制約されている、請求項59記載の方法。
【請求項60】
前記構造化要素SEは2Dのディスクである、請求項60記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−534353(P2007−534353A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527031(P2006−527031)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030400
【国際公開番号】WO2005/029410
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(593063105)シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド (156)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
【住所又は居所原語表記】51 Valley Stream Parkway,Malvern,PA 19355−1406,U.S.A.
【Fターム(参考)】