説明

往復ポンプ

【課題】クランク軸を用いた伝動機構を有する往復ポンプにおいて、作動時の騒音を低減する。
【解決手段】プランジャポンプは、クランクケース2内でクランク軸3の回転軸に対して偏芯して回転するクランクピン3aを備える。また、一方の端部が該クランクピン3aに揺動自在に連結されるコンロッド4と、該コンロッド4の他方の端部に揺動自在に連結されるピストンピン5aを備えたピストンロッド5を備える。ピストンロッド5の先端部には、プランジャ6が固定されている。また、プランジャ6の入出により流体の吸入および吐出が行われるポンプ室7を備えている。ポンプ室7内には、プランジャ6をクランク軸3側に付勢する圧縮コイルばね21が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プランジャポンプあるいはピストンポンプ等の往復ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プランジャポンプやピストンポンプにおいては、例えばモータ等の駆動源からの回転運動を往復運動に変換するためにクランク軸およびコネクティングロッド(コンロッド)を用いたものが知られている。
図3に示すプランジャポンプは、クランクケース2内でクランク軸3の回転軸に対して偏芯して回転するクランクピン3aと、一方の端部が該クランクピン3aに揺動自在に連結されるコンロッド4と、このコンロッド4の他方の端部にピストンピン5aにより揺動自在に連結されるピストンロッド5と、ピストンロッド5の先端部に固定されたプランジャ6と、プランジャ6の往復動により流体の吸入および吐出が行われるポンプ室7とを備えている。
【0003】
そして、コンロッド4は、その一方の端部にクランクピン3aが回転自在に挿入された状態となる大端部4aを有し、他方の端部にピストンピン5aが回転自在に挿入される小端部4bを有する。なお、大端部は、2つの半円環部をボルトで締結した構造となっており、この2つの半円環部にクランクピン3aを挟み込んで半円環部どうしを締結することでクランクピン3aに連結されている。
【0004】
そして、クランク軸3の回転によりクランクピン3aが円周上を移動し、この回転運動がコンロッド4に伝達されてコンロッド4が揺動し、このコンロッド4の揺動がピストンロッド5に伝達され、ピストンガイド8により一直線上の移動以外の移動を規制されたピストンロッド5が往復動するとともにピストンロッド5の先端部に設けられたプランジャ6が往復動する。
そして、プランジャポンプは、プランジャ6の往復動に基づく入出によりポンプ室7の容積が増減することで、流体の吸入および吐出を行う。なお、ピストンロッドとプランジャとが往復ポンプにおいて往復動することによりポンプ室の容積を増減して流体の吸入と吐出を行う往復動部材となる。
【0005】
すなわち、ポンプ室7内で、プランジャ6が上死点(図3においてポンプ室の左端部)から下死点(図3においてポンプ室の右端部)に向かうことによりポンプ室7内の容積が増加する。この動作がポンプ室7内に流体を吸入する吸入工程の動作となる。
また、ポンプ室7内で、プランジャ6が下死点から上死点に向かうことによりポンプ室7内の容積が減少する。この動作がポンプ室7内から流体を吐出する吐出工程の動作となる。
【0006】
また、このようなクランク軸3による運動変換を用いた構造を有するポンプは、その作動音が大きいことが知られており、例えば、クランク軸とコンロッドの周囲を遮蔽する遮蔽板を設けることで作動音の伝達を防止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2003−148359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述のような作動音は、例えば、以下の理由により発生する。
すなわち、大端部4aの内周面とクランクピン3aの外周面との間および小端部4bの内周面とピストンピン5aの外周面との間には、これらが円滑に摺動して相対的に回転するように、摺動部分に潤滑油による油膜厚さ確保のためのクリアランスがある。
そして、プランジャポンプを作動させた場合に、ピストンロッド5は、その周囲に固定的に設けられたオイルシール9との間に摺動抵抗が生じるとともに、ピストンガイド8との間で摺動抵抗が生じることになり、プランジャ6は、その周囲に固定的に設けられたシールパッキン10,11との間に摺動抵抗を生じるとともに、ポンプ室7内での流体の入出、特に流体の吐出に際し流体圧による抵抗を受ける。
【0009】
したがって、上述の吸入工程では、クランクピン3aがコンロッド4を上述の抵抗に抗して引っ張り、コンロッド4がピストンロッド5およびプランジャ6を上述の抵抗に抗して引っ張ることになる。
この際に、コンロッド4の大端部4a内で相対的にクランクピン3aが図中右側に寄った状態となり、クランクピン3aの外周面の右端が大端部4aの内周面の右端にほぼ当接し、クランクピン3aの外周面の左端と、大端部4aの内周面の左端との間に上述のクリアランスに対応した隙間が空くことになる。
【0010】
同様に、コンロッド4の小端部4b内で相対的にピストンピン5aが図中左側に寄った状態となり、ピストンピン5aの外周面の左端が小端部4bの内周面の左端にほぼ当接し、ピストンピン5aの外周面の右端と、小端部4bの内周面の右端との間に上述のクリアランスに対応した隙間が空くことになる。
【0011】
また、吐出工程では、クランクピン3aがコンロッド4を上述の抵抗に抗して押し、コンロッド4がピストンロッド5およびプランジャ6を上述の抵抗に抗して押すことになる。
この際に、コンロッド4の大端部4a内で相対的にクランクピン3aが図中左側に寄った状態となり、クランクピン3aの外周面の左端が大端部4aの内周面の左端にほぼ当接し、クランクピン3aの外周面の右端と、大端部4aの内周面の右端との間に上述のクリアランスに対応した隙間が空くことになる。
【0012】
同様に、コンロッド4の小端部4b内で相対的にピストンピン5aが図中右側に寄った状態となり、ピストンピン5aの外周面の右端が小端部4bの内周面の右端にほぼ当接し、ピストンピン5aの外周面の左端と、小端部4bの内周面の左端との間に上述のクリアランスに対応した隙間が空くことになる。
【0013】
以上のことから、吸入工程と吐出工程とを繰返し、流体をほぼ連続的に吸入して吐出する場合に、プランジャが上死点位置および下死点位置に達した際に、大端部4a内をクランクピン3aが相対的に左右に移動するとともに、小端部4b内をピストンピンが相対的に左右に移動する。この際に、大端部4aとクランクピン3aとの接触部位の移動や、小端部4bとピストンピン5aとの接触部位の移動等のがたつきによる衝撃でこれら部材同士から大きな作動音が発生することなる。
【0014】
また、上述のように吸入工程と吐出工程で大端部4aおよびクランクピン3aの接触位置と、小端部4bおよびピストンピン5aの接触位置が変化すると、クランクピン3aからプランジャ6先端までの長さが、上述のクリアランスに対応して吸入工程では伸び、吐出工程では縮むことになる。これにより、プランジャの上死点から下死点までの距離が短くなってしまい、吐出量が僅かであるが低下してしまう。
すなわち、クランクピン3aの実ストロークが、プランジャ6のストロークに完全には反映されず、容積効率の低下を招いている。
【0015】
また、上述のような各部材の動きにより、吸水工程では、コンロッド4、ピストンロッド5、プランジャ6には引張応力が作用し、クランクピン3aおよびピストンピン5aにはせん断応力が作用する。また、吐出工程では、コンロッド4、ピストンロッド5、プランジャ6に圧縮応力が働き、クランクピン3aおよびピストンピン5aにはそれぞれ吸水工程と逆方向のせん断応力が働く。そして、上述のように上死点と下死点で吸水工程で働く応力と吐出工程で働く応力が切り替わり、各部材に働く繰返し荷重の振幅が大きくなり、各部材の耐用期間の短縮を招くことになる。
【0016】
それに対して、特許文献1の発明に示されるように、クランク軸3およびコンロッド4の部分を遮蔽壁で囲むことにより、クランク軸3およびコンロッド4の部分で発生する騒音を低減することができる。
しかし、この対策では、作動音の周囲への拡散を防止できるが、作動音の発生事態を低減しているものではなく、根本的な解決にはなっていない。
また、特許文献1の発明では、上述の体積効率の低下や、各部材における耐用期間の短縮を防止することができない。
なお、往復ポンプとしてプランジャポンプを例にとったが、上述のプランジャポンプと同様にクランク軸およびコンロッドを有するピストンポンプにおいても同様の問題が生じる。
【0017】
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、クランク軸を用いた伝動機構を有し、かつ、作動時の騒音を低減することができる往復ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の往復ポンプは、クランク軸(3)の回転運動をコネクティングロッド(4)を介して往復動部材(5,5b,6)に伝達して当該往復動部材(5,5b,6)を往復運動させることにより、ポンプ室(7)の容積を増減して流体を吸入および吐出する往復ポンプにおいて、
前記往復動部材(5,5b,6)を往復方向のうちのいずれか一方の方向に付勢する付勢手段(21)が設けられていることを特徴とする。
ここで、本発明の往復ポンプには、クランク軸とコネクティングロッドとを有するプランジャポンプ、ピストンポンプが含まれる。
【0019】
また、請求項2に記載の往復ポンプは、請求項1に記載の発明において、
前記付勢手段(21)は、前記ポンプ室(7)の先端側壁部とポンプ室(7)内に挿入される往復動部材(5,5b,6)の先端部との間に設けられた圧縮ばね(21)を備え、前記往復動部材(5,5b,6)を前記クランク軸(3)側に向かって付勢していることを特徴とする。
【0020】
また、請求項3に記載の往復ポンプは、請求項1に記載の発明において、
前記ポンプ室(7)の外側で、前記往復動部材(5,5b,6)の周囲に配置されて当該往復動部材(5,5b,6)の往復動の方向をガイドするガイド部材(8)を備え、
前記往復動部材(5,5b,6)が前記ガイド部材(8)にガイドされる被ガイド部(5b)を備え、
前記付勢手段は、前記被ガイド部(5b)と前記ガイド部材(8)もしくはガイド部材(8)に固定された部材との間に設けられた圧縮ばね(21)を備え、前記往復動部材(5,5b,6)を前記クランク軸(3)側に向かって付勢していることを特徴とする。
【0021】
なお、上記における括弧内の符号は、図面において対応する要素を便宜的に表記したものであり、したがって本発明は図面上の記載に限定されるものではない。これは、「特許請求の範囲」の記載についても同様である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の往復ポンプによれば、往復動部材が往復方向のうちのいずれか一方に付勢されているが、例えば、クランク軸側に付勢されている場合、すなわち、吸入工程における往復動部材の進行方向側に往復動部材が付勢されている場合に、吐出工程においては、クランクピンの動作によってコンロッドおよび往復動部材がポンプ室側に押されるとともに、上述の摺動抵抗等と付勢手段の付勢力によってコンロッドおよび往復動部材がクランク軸側に押され、コンロッドおよび往復動部材に圧縮応力が作用した状態となる。この場合に従来に比較して圧縮応力に付勢手段の付勢力が加えられた状態となる。
【0023】
一方、吸入工程においては、クランクピンの動作によってコンロッドおよび往復動部材がクランク軸側に引っ張れられるとともに、上述の摺動抵抗等によりポンプ室側に引っ張られた状態となり、コンロッドおよび往復動部材に引張応力が作用した状態となるが、付勢手段の付勢力によってコンロッドおよび往復動部材がクランク軸側に押されるので、この引張応力が低減されるか、無くなることになる。すなわち、クランクピンの動作によってコンロッドおよび往復動部材を引っ張っても、摺動抵抗等が付勢手段の付勢力により相殺されれば、コンロッドおよび往復動部材に引張応力が生じないことになる。
【0024】
これにより、往復動部材の上死点および下死点において、上述のようにコンロッドの大端部および小端部内でのクランプピンおよびピストンピンの位置が変化することによる作動音の発生を抑制し、作動音を低減することができる。
また、吐出工程においてクランクピンからピストンピンまでの距離はクリアランス分だけ縮んだ状態となるが、吸入工程において、クランクピンからピストンピンまでの距離が伸びた状態となるのを防止できるので、容積効率の低下も防止できる。
【0025】
また、吐出工程で各部材に作用する圧縮応力やせん断応力が少し高まるが、吸入工程における引張応力およびせん断応力が低減されるので、上死点や下死点において応力の方向が大きく変化するのを防止できる。これにより各部材に繰返し作用する力の振幅が減少し、各部材の耐用期間の延長を図ることができる。
【0026】
また、逆に、往復動部材がポンプ室側に付勢されている場合、すなわち、吐出工程における往復動部材の進行方向側に往復動部材が付勢されている場合に、吸入工程においては、クランクピンの動作によってコンロッドおよび往復動部材がクランク軸側に引っ張られるとともに、上述の摺動抵抗等と付勢手段の付勢力によってコンロッドおよび往復動部材がポンプ室側に引っ張られ、コンロッドおよび往復動部材に引張応力が作用した状態となる。この場合に従来に比較して引張応力に付勢手段の付勢力が加えられた状態となる。
【0027】
一方、吐出工程においては、クランクピンの動作によってコンロッドおよび往復動部材がポンプ室側に押されるとともに、上述の摺動抵抗等によりクランク軸側に押された状態となり、コンロッドおよび往復動部材に圧縮応力が作用した状態となるが、付勢手段の付勢力によってコンロッドおよび往復動部材がポンプ室側に引っ張られるので、上述の圧縮応力が低減されるか、無くなることになる。すなわち、クランクピンの動作によってコンロッドおよび往復動部材を押しても、摺動抵抗等が付勢手段の付勢力により相殺されれば、コンロッドおよび往復動部材に圧縮応力が生じないことになる。
【0028】
これにより、上述のように、往復動部材の上死点および下死点において、作動音の発生を抑制し、作動音を低減することができる。
また、吸入工程においてクランクピンからピストンピンまでの距離はクリアランス分だけ延びた状態となるが、吐出工程において、クランクピンからピストンピンまでの距離が縮んだ状態となるのを防止できるので、容積効率の低下も防止できる。
【0029】
また、吸入工程で各部材に作用する引張応力やせん断応力が少し高まるが、吐出工程における圧縮応力およびせん断応力が低減されるので、上死点や下死点において応力の方向が大きく変化するのを防止できる。これにより各部材の耐用期間の延長を図ることができる。
【0030】
請求項2、3に記載の発明によれば、往復動部材を前記クランク軸側に向かって付勢することにより、上述の請求項1に記載の発明と同様の効果を奏することができるとともに、極めて簡単な構成で、往復動部材をクランク軸側に付勢することができる。
したがって、従来の往復ポンプに対して大きな設計変更を行うことなく、本発明を適用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る往復ポンプを示す断面図である。
本実施形態の往復ポンプの特徴は、往復動部材としてのプランジャおよびピストンロッドを往復動の経路に沿って付勢する付勢手段を有することにあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、同様の構成要素については、図3と同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0032】
図1に示すように、本発明の往復ポンプは、プランジャポンプであり、クランクケース2内でクランク軸3の回転軸に対して偏芯して回転するクランクピン3aと、一方の端部が該クランクピン3aに揺動自在に連結されるコンロッド4と、このコンロッド4の他方の端部にピストンピン5aにより揺動自在に連結されるピストンロッド5と、ピストンロッド5の先端部に固定されたプランジャ6と、プランジャ6の入出により流体の吸入および吐出が行われるポンプ室7とを備えている。
【0033】
クランクケース2は、箱状のケースであり、内部にクランク軸3が回転駆動されるように配置されている。また、クランクケース2内には潤滑油が収容されている。そして、クランクケース2内には、クランク軸3の回転軸に対して偏芯したクランクピン3aが備えられ、このクランクピン3aにコンロッド4の一方の端部に設けられた大端部4aが取り付けられている。
大端部4aは、環状の構造を有し、円筒状の内周面を有するものとなっている。そして、この円筒状の内周面内に円柱状のクランクピン3aが挿入された状態となっている。クランクピン3aの外径は、大端部4aの内周面の内径より僅かに小さなものとされ、大端部4aの内周面と、クランクピン3aの外周面との間には、潤滑油の油膜分の厚さに対応したクリアランスが確保され、潤滑油を供給された状態でクランクピン3aに対してコンロッド4が相対的に円滑に回転可能となっている。
【0034】
また、コンロッド4の他方の端部に設けられた小端部4bには、ピストンロッド5の基端部に設けられたピストンピン5aが取り付けられている。小端部4aは、環状の構造を有し、円筒状の内周面を有するものとなっている。そして、この内周面内に円柱状のピストンピン5aが挿入された状態となっている。ピストンピン5aの外周面の外径は、小端部4bの内周面の内径より僅かに小さなものとされ、小端部4bの内周面と、ピストンピン5aの外周面との間には、潤滑油の油膜分の厚さに対応したクリアランスが確保され、潤滑油を供給された状態でピストンピン5aに対してコンロッド4が相対的に円滑に回転可能となっている。
【0035】
ピストンロッド5には、その基端部に、クランクケース2のピストンガイド8に案内されて一直線上で往復動する被ガイド部5bが設けられている。ピストンガイド8は、クランクケース2内に当該クランクケース2と一体に形成された円筒体であり、その基端部側(図中右側)がクランク軸3側に向けて開放され、先端部側(図中左側)が後述のマニホールド13のポンプ室側に向けて開放された状態となっている。
【0036】
前記被ガイド部5bは、有蓋筒状に形成され、クランク軸3側が開放された状態となっている。そして、被ガイド部5bの内部にピストンロッド5の軸方向に直交し、かつ、クランク軸3の軸方向と平行に前記ピストンピン5aが挿入されている。
また、被ガイド部5bの先端の蓋部には、ピストンロッド5が固定された状態となっている。
【0037】
そして、被ガイド部5bは、円筒状のピストンガイド8の内周面より僅かに小さな外周面を有し、ピストンガイド8と被ガイド部5bとの間に潤滑油の油膜が形成された状態で、ピストンガイド8内を被ガイド部5bが先端部と後端部との間でピストンガイド8の軸方向に沿って前後に円滑に往復移動可能となっている。
また、ピストンロッド5の先端部には、中心軸部分にボルト孔が貫通する円柱状のプランジャ6が、前記ボルト孔内を挿通して、ピストンロッド5の先端部となる蓋部に形成されたねじ孔に締結されるボルトにより固定されている。
【0038】
前記クランクケース2の先端部側(図中左側)には、マニホールド13が取り付けられている。また、マニホールド13は、クランクケース2側とヘッド側とに2分割されており、これらの分割部分が互いにボルトにより接合されているとともに、クランクケース2側の部分がクランクケース2にボルトにより接合されている。
そして、前記ピストンロッド5、被ガイド部5bおよびプランジャ6により一直線上を往復動する往復動部材が形成されている。
【0039】
マニホールド13内には、流体(液体)が吸入、吐出される前記ポンプ室7が形成されている。そして、ポンプ室7内では、プランジャ6の先端がポンプ室7の閉塞された先端側に至る上死点と、ポンプ室7の開放された基端部に至る下死点との間で往復動するようになっている。なお、ポンプ室7は、有蓋円筒状に形成され、先端側が閉塞されるとともに基端側がプランジャ6を挿入可能に開放している。
また、ポンプ室7の先端部には、マニホールド13に形成されて流体を吸入するための吸入路13aと、同じくマニホールド13に形成されて流体を吐出するための吐出路13bとが連通している。
【0040】
また、吸入路13aは、ポンプ室7の先端部に連通する一端から、他端側となるマニホールド13に形成されて外部に開放した吸入口13cに至るようになっている。そして、吸入路13aの一端から他端の間に吸入弁が形成され、当該吸入弁13dにより流体の吸入口13cからポンプ室7に至る流動が許容され、ポンプ室7から吸入口13cへの流動が規制される。
【0041】
また、吐出路13bは、ポンプ室7の先端部に連通する一端から、他端側となるマニホールド13に形成されて外部に開放した吐出口13eに至るようになっている。そして、吐出路13bの一端から他端の間に吐出弁13fが形成され、当該吐出弁13fにより流体のポンプ室7から吐出口13eに至る流動が許容され、吐出口13eからポンプ室7への流動が規制される。
【0042】
前記クランクケース2の先端部内には、胴部に穴が形成されている概略円筒状のシール押え14が設けられている。このシール押え14は、クランクケース2とマニホールド13との間に介在されているとともに、プランジャ6の位置が図1に示す下死点にある場合にプランジャ6の後端部分の外側を覆っている。
ピストンガイド8の先端部の内周面は、ピストンガイド8の他の部分より内径が大きくなるように2段に拡径されており、奥側(後側)のオイルシール装着部としての第1拡径部8aにはオイルシール9が嵌め込まれているとともに、第1拡径部8aよりも径が大きい先端側(前側)の第2拡径部8bには円環板状の押え部材(座金)15が挿入されている。第2拡径部8bの先端側は開放されており、この第2拡径部8bにシール押え14の後端部が挿入されて、シール押え14の後端によって押え部材15が第2拡径部8bの後壁(段差部)に押し付けられることにより、押え部材15が第2拡径部8bの奥に固定されており、この位置固定された押え部材15よりオイルシール9が第1拡径部8aから抜け出るのを阻止されている。
オイルシール9は、その内周面内にピストンロッド5が挿入された状態で、クランクケース2内の潤滑油がポンプ室7側に漏出しないようにシールしている。
【0043】
また、マニホールド13のポンプ室7の基端側には、その内周面に前後2つのシールパッキン10,11が設けられ、ポンプ室7内の流体が漏出しないようにプランジャ6の外周面をシールしている。なお、前記シール押え14の先端部の外周の段差部がマニホールド13の端面に突き当てられるとともに、マニホールド13内に挿入されたシール押え14の先端により、後側のシールパッキン11がマニホールド13から抜け出るのを阻止されている。
したがって、往復動部材においては、その往復動に際し、被ガイド部5bがピストンガイド8に摺動し、ピストンロッド5がオイルシール9に摺動し、プランジャ6がシールパッキン10,11に摺動している。
【0044】
また、この例のプランジャポンプにおいては、上述のクランク軸3、コンロッド4、往復動部材およびポンプ室7の組合せが例えば3つ等の複数個設けられた構成となっている。すなわち、1つのクランク軸3に例えば3つのクランクピン3aが備えられ、各クランクピン3aにそれぞれコンロッド4を介して往復動部材が備えられ、それぞれの往復動部材が例えば120度の位相差で往復動するようになっている。
【0045】
そして、本発明のポイントとなる付勢手段としての圧縮コイルばね21がポンプ室7内に設けられている。
圧縮コイルばね21は、ポンプ室7内において、往復動部材と同じ軸方向に配置されており、往復動部材の軸方向と圧縮コイルばね21とがほぼ同軸上に配置されている。すなわち、往復動部材の往復方向と、圧縮コイルばね21による付勢方向とがほぼ一致した状態となっている。
【0046】
そして、図1に示すようにプランジャ6が下死点にある状態で、プランジャ6の先端面に圧縮コイルばね21の後端が接触し、ポンプ室7の先端側内面(先端側壁部)に圧縮コイルばねの先端が接触した状態となっている。この状態で圧縮コイルばね21が僅かに圧縮された状態で、プランジャ6をクランク軸3側に押圧している。
すなわち、プランジャポンプが流体を吸入する吸入工程に有る際の往復動部材の移動方向が付勢手段として圧縮コイルばね21の付勢方向となっている。
したがって、付勢手段は、往復動部材を往復方向のうちのいずれか一方の方向に付勢している。
【0047】
また、圧縮コイルばね21による付勢力は、例えば、上述の被ガイド部5bがピストンガイド8に摺動した際の摺動抵抗、ピストンロッド5がオイルシール9に摺動した際の摺動抵抗、プランジャ6がシールパッキン10,11に摺動した際の手動抵抗と、プランジャポンプが吸入工程に有る際に流体を吸入する際の抵抗とを合わせた抵抗力より僅かに大きなものとなっている。
【0048】
なお、後述するように、作動音を減少させる上では、必ずしも前記付勢力が前記抵抗力より大きくなくても良く、例えば、付勢力と抵抗力とが等しくてもよく、付勢力が抵抗力より弱くてもよい。また、付勢力が大きくなると、付勢力に抗して往復動部材を動作させる際に、大きな駆動力が必要となり、付勢力が抵抗力より大きくなりすぎることは好ましくない。付勢力はクランク軸3の駆動力より小さい必要がある。また、図1に図示されている圧縮コイルばね21は、単に圧縮コイルばね21の配置位置を示しているものであり、圧縮コイルばね21のコイル平均径、ピッチ、巻き数、太さ、密着高さ等は、正確に図示されたものではない。後述の図2においても同様である。
【0049】
ここで、圧縮コイルばね21の自由高さは、下死点にあるプランジャ6の先端面と、ポンプ室7の先端側内面(先端側壁部)までの距離より僅かに高く、プランジャ6が下死点にある場合もプランジャを付勢した状態となっている。また、圧縮コイルばねの密着高さは、上死点にあるプランジャ6の先端面と、ポンプ室の先端側内面との距離より低いものとなっている。すなわち、圧縮コイルばねを圧縮することにより、プランジャ6は、下死点から上死点まで移動可能となっている。
【0050】
上述のように圧縮コイルばね21の付勢力が吸入工程における上述の抵抗力より僅かに大きな状態で、プランジャポンプを作動させると、吸入工程では、クランク軸3の回転により円運動するクランクピン3aにコンロッド4が引っ張られ、コンロッド4によりピストンロッド5およびプランジャ6が引っ張れる状態になるが、プランジャ6が圧縮コイルばね21にクランク軸3側に付勢されているので、プランジャ6を含む往復動部材がクランク軸3側に押された状態に移動することになる。
【0051】
ここで、圧縮コイルばね21の付勢力が作用しなければ、吸入工程では、上述のように被ガイド部5b、ピストンロッド5、プランジャ6に、ピストンガイド8、オイルシール9およびシールパッキン10,11の摺動抵抗が作用するとともに、吸入される流体の抵抗が作用するので、これらの抵抗力とクランクピン3aの動作とによりコンロッド4と、ピストンロッド5およびプランジャ6が引っ張られた状態となる。
【0052】
これにより、従来は、コンロッド4の大端部4a内で相対的にクランクピン3aが図中右側に寄った状態となり、クランクピン3aの外周の左端が大端部4aの内周の左端からクリアランス分だけ離れた状態となり、コンロッド4の小端部4b内で相対的にピストンピン5aが図中左側に寄った状態となり、ピストンピン5aの外周の右端が小端部4bの内周の右端からクリアランス分だけ離れた状態になる。したがって、クランクピン3aからプランジャ6先端までの距離が伸びた状態となる。
【0053】
それに対して、この例では、上述のように圧縮コイルばね21により往復動部材が押された状態に移動するので、コンロッド4の大端部4a内で相対的にクランクピン3aが図中左側に寄った状態となり、クランクピン3aの外周の左端が大端部4aの内周の左端に当接した状態となり、コンロッド4の小端部4b内で相対的にピストンピン5aが図中右側に寄った状態となり、ピストンピン5aの外周の右端が小端部4bの内周の右端に当接した状態になる。したがって、吸入工程においては、従来と異なりクランクピン3aからプランジャ6先端までの距離が縮んだ状態となる。
【0054】
一方、吐出工程では、クランクピン3aがコンロッド4と、ピストンロッド5およびプランジャ6とを上述の抵抗力および圧縮コイルばね21の付勢力に抗して押すことになる。この際に、コンロッド4の大端部4a内で相対的にクランクピン3aが図中左側に寄った状態となり、クランクピン3aの外周の左端が大端部4aの内周の左端にほぼ当接し、コンロッド4の小端部4b内で相対的にピストンピン5aが図中右側に寄った状態となり、ピストンピン5aの外周の右端が小端部4bの内周の右端にほぼ当接した状態となる。
したがって、吐出工程においては、従来と同様に、クランクピン3aからプランジャ6先端までの距離が縮んだ状態となる。
【0055】
したがって、プランジャが上死点もしくは下死点に達し、往復動において往路から復路へ、もしくは、復路から往路へ往復動部材の進行方向が変換する際に、大端部4a内におけるクランクピン3aの相対的位置および小端部4b内のピストンピン5aの位置が変換せず、これらの位置が変化する状態、すなわち、がたついた状態による作動音を防止することができる。
【0056】
また、上述のように吸入工程と、吐出工程とで、クランクピン3aからプランジャ6先端までの距離が縮んだ状態で変化しないので、クランクピン3aの往復方向の移動距離(ストローク)と、プランジャ6(を含む往復動部材)の往復方向の移動距離(ストローク)とが等しくなるとともに、プランジャ6の移動距離が往路と復路とで等しくなり、ポンプ室7における吸入と吐出とにおける容積効率の低下を防止することができる。
また、上述のようにクランクピン3aからプランジャ6先端まで、吸入工程でも圧入工程でも圧縮方向に力が作用することになり、上死点および下死点で瞬間的に力の係る方向が逆転することなく、力の大きさだけが変化することになり、従来よりも各部材の耐用期間の延長を図ることができる。
【0057】
なお、圧縮コイルばね21の付勢力が上述の抵抗力と同じか小さければ、クランクピン3aからプランジャ6先端までの部材の動きは、従来とほぼ同様となる可能性が高いが、上死点および下死点における衝撃が、圧縮コイルばね21により緩和されるので、少なくとも作動音の低減と、耐用期間の延長を図ることができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態を図2を参照して説明する。第2の実施の形態では、上述の第1の実施形態に対して、圧縮コイルばね21の位置が異なる以外の基本的な構成および作用は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と同様の構成要素については、同様の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態においては、第1の実施形態において、ポンプ室7内に配置されていた圧縮コイルばね21をピストンガイド8内に配置している。
【0059】
そして、圧縮コイルばね21は、ピストンガイド8およびピストンガイド8内のピストンロッド5とほぼ同軸上に配置されている。そして、圧縮コイルばね21は、ピストンガイド8内に挿入された状態で、かつ、圧縮コイルばね21内にピストンロッド5が挿入された状態となっている。そして、プランジャ6が下死点にある状態で、圧縮コイルばね21の基端がピストンロッド5より径の大きな被ガイド部5bの先端面に接触し、圧縮コイルばね21の先端がピストンガイド8の先端部の内周面に取り付けられたオイルシール9の後端面に接触している。なお、オイルシール9は、その先端面側が押え部材15に当接して支持されることにより、圧縮コイルばね21により生じる応力に対抗できるようになっている。
【0060】
この状態で、圧縮コイルばね21は、圧縮方向に僅かに変形した状態となっており、プランジャ6を含む上述の往復動部材を第1の実施の形態と同様にクランク軸3側に付勢している。そして、往復動部材のプランジャ6ではなく、被ガイド部5bを付勢することにより往復動部材を付勢しているが、往復動部材をクランク軸3側に付勢することで、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0061】
以上の第1および第2の実施形態では、付勢手段となる圧縮コイルばね21を用いて往復動部材をクランク軸側に付勢することで、コンロッド4の大端部4aおよび小端部4bに、油膜の厚み分に対応して確保されたクリアランスをあけてクランクピン3aおよびピストンピン5aが配置されることにより、クランクピン3aからプランジャ6(往復動部材)までの距離が伸び縮みする状態で、縮んだ状態に維持することができる。これにより、上死点および下死点において運動方向が逆転する際の各部材の連結部での衝撃を緩和し、動作音の低減、耐用期間の向上を図るとともに、上述の伸び縮みを防止し縮んだ状態を維持するによりクランクピン3aのストロークの長さをそのままプランジャ6のストロークの長さとして伝達可能となり、上述の伸び縮みによる容積効率の低下を防止できる。
なお、付勢手段による付勢力が上述の抵抗力と同じかそれより弱く、クランクピン3aからプランジャ6(往復動部材)までの距離を縮んだ状態に維持できなくても、上述の衝撃は緩和され、作動音の低減および耐用期間の延長を図ることができる。
【0062】
ここで、付勢手段による往復動部材の付勢方向を逆にして、往復動部材をクランク軸から遠ざかる方向に付勢するものとしてもよい。この場合には、クランクピン3aからプランジャ6(往復動部材)までの距離を延びた状態に維持することになり、この場合も、縮んだ状態に維持した場合と同様の作用効果を奏することができる。
この場合は、吐出工程において、往復動部材に作用する抵抗力、すなわち、上述の吸入工程と逆方向に移動する往復動部材に対する摺動抵抗と、流量の吐出に要する圧力とからなる抵抗力より僅かに大きな付勢力を往復動部材にかけることになる。これにより、プランジャ6が上死点側に常時押された状態となり、上述のようにクランクピン3aからプランジャ6までの距離が上述のクリアランス分だけ伸びた状態が維持される。これにより、往復動部材を下死点側(クランク軸側)に付勢したのと同様に、上死点と下死点において、上述の衝撃を緩和して、第1および第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0063】
このような構成は、例えば、上述の第1および第2の実施形態において、圧縮コイルばね21が配置される部分に引張コイルばねを配置し、かつ、引張コイルばねの両端部をそれぞれ往復動部材のいずれかの部分と、クランクケース2もしくはマニホールド13のいずれかの部分に固定する。上述の第1の実施の形態の構成においては、例えば、引張コイルばねの基端側をプランジャ6に固定し、先端側をポンプ室7の先端側内面(先端側壁部)に固定する。また、第2の実施の形態の構成においては、例えば、引張コイルばねの基端側を被ガイド部5bに固定し、先端側をピストンガイド部8の先端部に固定する。
【0064】
また、この場合も圧縮ばねを用いるものとして、例えば、プランジャ6の後端面と、押え部材15との間に圧縮コイルばねを配置して、プランジャ6を含む往復動部材をクランク軸から離れる方向に付勢するものとしてもよい。
また、本発明は、ピストンポンプにも適用可能でプランジャポンプと同様の作用効果を得ることができるが、ピストンポンプの場合に、ピストンの裏側とシリンダの後端との間に圧縮コイルばねを配置するものとしてもよい。なお、ピストンポンプにおいても、プランジャ6に変えてピストンヘッドを配置し、ポンプ室7をシリンダとして上述のプランジャポンプと同様に、圧縮コイルばね21や引張コイルばねを配置する構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る往復ポンプを示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る往復ポンプを示す断面図である。
【図3】従来の往復ポンプを示す断面図である。
【符号の説明】
【0066】
3 クランク軸
4 コンロッド(コネクティングロッド)
5 ピストンロッド(往復動部材)
5b 被ガイド部(往復動部材)
6 プランジャ(往復動部材)
7 ポンプ室
8 ピストンガイド(ガイド部材)
21 圧縮コイルばね(圧縮ばね:付勢手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランク軸(3)の回転運動をコネクティングロッド(4)を介して往復動部材(5,5b,6)に伝達して当該往復動部材(5,5b,6)を往復運動させることにより、ポンプ室(7)の容積を増減して流体を吸入および吐出する往復ポンプにおいて、
前記往復動部材(5,5b,6)を往復方向のうちのいずれか一方の方向に付勢する付勢手段(21)が設けられていることを特徴とする往復ポンプ。
【請求項2】
前記付勢手段(21)は、前記ポンプ室(7)の先端側壁部とポンプ室(7)内に挿入される往復動部材(5,5b,6)の先端部との間に設けられた圧縮ばね(21)を備え、前記往復動部材(5,5b,6)を前記クランク軸(3)側に向かって付勢していることを特徴とする請求項1に記載の往復ポンプ。
【請求項3】
前記ポンプ室(7)の外側で、前記往復動部材(5,5b,6)の周囲に配置されて当該往復動部材(5,5b,6)の往復動の方向をガイドするガイド部材(8)を備え、
前記往復動部材(5,5b,6)が前記ガイド部材(8)にガイドされる被ガイド部(5b)を備え、
前記付勢手段は、前記被ガイド部(5b)と前記ガイド部材(8)もしくはガイド部材(8)に固定された部材との間に設けられた圧縮ばね(21)を備え、前記往復動部材(5,5b,6)を前記クランク軸(3)側に向かって付勢していることを特徴とする請求項1に記載の往復ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−108795(P2009−108795A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283096(P2007−283096)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000141174)株式会社丸山製作所 (134)
【Fターム(参考)】