説明

待ち合わせ場所提示装置及び待ち合わせ場所提示方法

【課題】待ち合わせ場所の選択の際の指標を提示可能とする。
【解決手段】複数の車両の走行情報であるプローブ情報を参照して待ち合わせ場所を抽出して、抽出した待ち合わせ場所の情報を要求元に提示情報として送信する。また、上記抽出した待ち合わせ場所の少なくとも1つの待ち合わせ場所に係る映像データを上記要求元に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、待ち合わせ場所を提案する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の乗員と歩行者などが待ち合わせる際に、待ち合わせ場所をどこにすべきか迷うことがある。特許文献1に記載のナビゲーション装置は、例えば、歩行者の現在位置周辺に位置する複数の道路のうちから、道路の走り易さ度が高い道路を選択し、その選択した道路上に、複数の待ち合わせ場所を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−186182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、複数の待ち合わせ場所の候補の位置が提示されただけでは、どの待ち合わせ場所を選択すれば良いか判断する指標(判断材料)に欠けることがある。
本発明は、上記のような点に着目しなされたもので、待ち合わせ場所の選択の際の指標を提示可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、複数の車両の走行情報であるプローブ情報を参照して待ち合わせ場所を抽出し、抽出した待ち合わせ場所の情報を要求元に提示情報として送信する。また、本発明の一態様は、上記抽出した待ち合わせ場所の少なくとも1つの待ち合わせ場所に係る映像データを上記要求元に送信する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、抽出した待ち合わせの場所を提示すると共に、待ち合わせ場所に係る映像データも提示する。これによって、場所の位置情報の他、特定の待ち合わせ場所やその周辺などの状況も映像によって分かることから、より適した待ち合わせ場所を選択可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る待ち合わせ場所提示システムを示す概要図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る待ち合わせ場所提示装置の構成を説明する図である。
【図3】待ち合わせ場所抽出部の構成を説明する図である。
【図4】プローブデータベースに蓄積されているプローブ情報のデータ構成の一例を示す図である。
【図5】待ち合わせ場所抽出部の処理を説明する図である。
【図6】映像提示処理部での映像抽出処理について説明する図である。
【図7】提示する映像を決める際の映像の撮影方向を説明するための図である。
【図8】ユーザに対し提示する待ち合わせ場所に関する情報の表示例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の待ち合わせ場所提示システムは、複数の車両からアップロードされたプローブ情報を基に、車両が停車し易く、かつ車両の乗員と歩行者との待ち合わせに適した場所を提供する処理を行うシステムである。具体的には、本実施形態の待ち合わせ場所提示システムは、車両のドアが開閉した情報を検索し、それに該当する位置を待ち合わせ場所として提供すると共に要求に応じて特定の待ち合わせ場所に関する映像データを提供する。それにより、過去に実際に待ち合わせが行われた可能性の高い場所を提案すると共に、特定の待ち合わせ場所の状況を映像で確認できるため、車両の乗員と歩行者の少なくとも一方に対して、有益な情報を提供可能とする。なお、車両の乗員と車両の乗員との待ち合わせ場所の提示であっても良い。
【0009】
(構成)
本実施形態の待ち合わせ場所提示システムは、図1に示すように、待ち合わせ場所提示装置102、場所情報報知装置100、車載用プローブ情報提供装置101を含む。待ち合わせ場所提示装置102はサーバによって構成される。
車載用プローブ情報提供装置101は、車両101−1〜5に搭載され、車両情報(プローブ情報と呼ぶ)を、予め設定した時間毎に、または不定期に待ち合わせ場所提示装置102に送信(アップロード)する。そのプローブ情報は、その車両のID(車両若しくはプローブ情報提供装置101の識別情報)、車両状態情報、車両の位置情報、時刻情報を含む。上記車両状態情報は、ドアの状態情報(ドアが開状態か閉じ状態かの情報)を含む。
【0010】
本実施形態では、カメラを搭載した車両にあっては、上記プローブ情報に対しカメラで撮影した車両周囲の映像データを含めるものとする。または上記プローブ情報とは別のプローブ情報として、カメラで撮影した車両周囲の映像データを含むプローブ情報を予め設定した時間毎に、または不定期に待ち合わせ場所提示装置102に送信(アップロード)する構成とする。
【0011】
車載用プローブ情報提供装置101と待ち合わせ場所提示装置102との通信手段(通信方式)は特に限定されない。送受信は、車両から無線通信を利用してリアルタイムでプローブ情報を送信(アップロード)しても良いし、プローブ情報をメディアに記録し、後で待ち合わせ場所提示装置102のプローブデータベース303にアップロードしても良い。
【0012】
待ち合わせ場所提示装置102は、場所情報報知装置100から待ち合わせをしたい指定位置を含む要求情報RQ(要求信号)を受け付ける。待ち合わせ場所提示装置102は、要求情報RQを受け付けると、プローブデータベース303から、その指定位置の位置周辺における、ドアが開けられた車両が予め設定した台数以上であった場所を待ち合わせ場所として抽出する。そして待ち合わせ場所提示装置102は、抽出した待ち合わせ場所の情報を要求元の場所情報報知装置100に送信することで、待ち合わせ場所を提案する。待ち合わせ場所の情報は、位置の情報でも良いし、目印となる施設などの場所名でもよい。
【0013】
この待ち合わせ場所提示装置102は、図2に示すように、プローブ情報蓄積部300、要求受信部301、待ち合わせ場所抽出部302、情報送信部305、映像提示処理部306、プローブデータベース303、地図データベース304を備える。
プローブ情報蓄積部300は、複数の車両に搭載された車載用プローブ情報提供装置101が個別に送信したプローブ情報を取得し、プローブ情報をプローブデータベース303に蓄積する。上述のように、上記プローブ情報は、車両位置の情報及び車両のドアの開閉の情報を含む。
要求受信部301は、指定位置の情報を含む要求情報RQを受信する。
待ち合わせ場所抽出部302は、要求情報RQを受信すると、上記プローブデータベース303中のプローブ情報を参照して、上記要求情報RQに含まれる指定位置の情報から待ち合わせ場所を抽出する。
【0014】
本実施形態の待ち合わせ場所抽出部302は、図3に示すように、基準位置特定部302A、検索範囲特定部302B、場所決定部302C、及び映像提示処理部306を備える。基準位置特定部302Aは、上記要求情報RQに含まれる指定位置の情報から、基準位置を特定する処理を行う。基準位置は、指定位置周辺を決定する際の基準となる位置である。検索範囲特定部302Bは、特定した基準位置を基準として予め設定された検索範囲条件で検索対象範囲を決定する処理を行う。場所決定部302Cは、検索対象範囲内でのドアの開閉が行われた車両の位置情報に基づき、待ち合わせ場所を決定する処理を行う。本実施形態の場所決定部302Cは、ドアの開閉が行われた車両の台数が予め設定した設定台数以上の場所を、待ち合わせ場所の候補とする。映像提示処理部306は、選択された待ち合わせ場所に関する映像をプローブデータベース303から抽出して提示する処理を行う。
【0015】
また情報送信部305は、待ち合わせ場所抽出部302が抽出した待ち合わせ場所の情報を提示情報として、要求した場所情報報知装置100(要求情報RQを送信した要求元)に送信する。
図4は、プローブデータベース303に格納されているプローブ情報のデータ構造の例である。図4に示す例では、プローブ情報のデータには、「id」、「time_stamp」、「lat」、「lon」、「door」の各項目を有する。項目「id」には、車両IDの情報が格納される。項目「time_stamp」には、時刻情報が格納される。項目「lat」には緯度情報が格納される。項目「lon」には経度情報が格納される。項目「door」にはドア開閉情報が格納される。図示しないが他の車両状態情報も随時格納されている。
【0016】
上記場所情報報知装置100は、ユーザが利用可能な機器に対してハード構成及びソフト構成の少なくとも一方として搭載されている。場所情報報知装置100が搭載される機器としては、図1に示すように、例えば携帯電話などの移動端末104、パソコン105、通信機器を備える車両106が例示出来る。場所情報報知装置100は、要求情報送信部と、要求情報送信部とを備える。要求情報送信部は、ユーザの入力操作に従い、入力された指定位置の情報を含む要求情報(要求信号)を待ち合わせ場所提示装置102に送信する。要求情報送信部は、待ち合わせ場所提示装置102から受信した提示情報を表示部に表示することで、ユーザに報知する。例えば、指定位置周辺の地図データに対し、提示情報に含まれる待ち合わせ場所の位置を重ね合わせて表示する。
【0017】
また場所情報報知装置100は、受信して表示部に表示した待ち合わせ場所に対して、待ち合わせ場所を選択するユーザの操作を検出し且つ映像要求の操作を検出すると、選択された待ち合わせ場所の情報を含む映像要求情報を、待ち合わせ場所提示装置102に送信する。さらに、場所情報報知装置100は、その映像要求情報の送信による要求に応じて、待ち合わせ場所提示装置102から受信した映像を表示部に表示する。
【0018】
なお、映像要求情報を、要求情報RQに含ませても良い。この場合には、全ての待ち合わせ場所の候補の映像が送信対象となる。この場合でも、上記提示情報を送信した後に、リクエストに応じた映像だけを送信するように構成しても良い。
上記サーバから構成される待ち合わせ場所提示装置102について、更に説明する(図2参照)。
【0019】
要求受信部301は、指定位置の情報を含む要求情報RQを受信する。
上記指定位置の情報は、ユーザの待ち合わせ場所の情報が欲しい位置に関する情報である。その指定位置の情報は、例えば、「○○駅南口」や「△△動物園」、「□□株式会社」などのPOI(Point of interest)の場所で指定された情報や、緯度・経度等の位置そのもので指定された位置情報である。POIで指定される施設は、目印となりうる特徴のある施設である。
【0020】
基準位置特定部302Aは、取得した指定位置の情報が、緯度・経度等の位置の情報そのものである場合には、その位置を基準位置とする。また、「△△動物園」などと取得した場合には、地図データベース304その他を参照して、その位置(例えば入園口やその場所の中央のロケーション)を基準位置として求める。
検索範囲特定部302Bは、基準位置特定部302Aが特定した基準位置を基準として、予め設定された検索範囲条件で検索対象範囲を決定する。検索範囲特定部302Bは、規定の検索範囲条件として、例えば、基準位置を中心とし且つ予め設定した距離(例えば半径500m)を半径とするエリアを検索対象範囲と決定する。
【0021】
ただし、受信する要求情報RQに対し、エリア的な検索条件が含まれている場合にはその検索条件を優先し、その検索条件で検索対象範囲を特定する。
要求情報RQに含ませる検索条件の例としては、距離的範囲などエリアに関する検索条件、時間的範囲に関する検索条件、待ち合わせ場所のヒット件数などの数に関する検索条件である。
【0022】
エリアに関する検索条件は、例えば距離的な条件である。距離的な条件は、例えば上記指定位置の情報と共に、「(○○駅南口から)半径1km以内」や「(△△動物園から)徒歩10分圏内」といった条件である。徒歩10分と設定された場合には、設定した時間を予め設定した換算条件に基づき距離に換算して検索対象範囲を特定する。また、エリアに関する検索条件は、方向的な条件であっても良い。例えば「○○駅南口から南側のみ」などである。この場合には、例えば線路を境界とした南側のみを検索対象範囲とする。
【0023】
時間的範囲に関する検索条件は、例えば「18時から21時の時間帯(における○○駅南口)」などの一日のうちの特定の時間帯や、「休日の△△動物園」などの特定の日にちの指定である。なお、「休日の△△動物園」の日にちについては、例えば、不図示の施設情報データベースを参照することで特定できる。特定出来なかった場合には、その旨を要求元に送信する。
待ち合わせ場所のヒット件数に関する検索条件は、例えば「(待ち合わせの行われた頻度の高い順に)10個」などと設定される。
また検索条件には、抽出の優先度についての検索条件が設定されても良い。優先度の検索条件は、例えば、基準位置に対し距離が近い順や、開閉した車両台数の多い順などである。
【0024】
場所に関する検索条件以外の検索条件は、場所決定部302Cの処理において、待ち合わせ候補を決定する際に使用される。
場所決定部302Cは、プローブデータベース303中のプローブ情報から、上記特定された検索対象範囲でドアの開閉が行われた車両のプローブ情報を抽出する。このとき、時間的範囲に関する検索条件が有る場合には、その検索条件も満足するプローブ情報を抽出する。ドアの開閉が行われた車両のプローブ情報は、同一車両(同一id)における時間的に一つ前のプローブ情報の項目doorが「closed」(閉じ情報)であり、対象とするプローブ情報の項目doorが「opened」(開情報)の場合である。
【0025】
ここで、プローブデータベース303中の検索対象は、プローブデータベース303中の全データであっても良いし、例えば予め設定された期間内のデータであっても良い。予め設定された期間とは、例えば過去1年間とかである。また、要求情報RQに時間的条件の指定がない場合でも、要求情報RQを受信した時刻を含む予め設定した時間帯のプローブ情報だけを検索対象とするようにしても良い。
【0026】
次に、場所決定部302Cは、上記特定した検索対象範囲内を複数の場所に区画し、上記抽出したプローブ情報を、上記区画した場所に対しそれぞれ投票処理を実施する。これによって、各場所毎に、ドアの開閉が行われた車両の台数を決定する。上記区画の設定は、例えば検索対象範囲内を予め設定した大きさのマス目状に区画することで行う。またプローブ情報を投票する際に、同一車両(同一id)については、同一場所に対しての投票権は1に設定して、同一の車両が同じ場所に複数回停車しても1回の停車とカウントすることが好ましい。
【0027】
ここで、ドアの開閉が行われた車両の位置に基づく待ち合わせ場所の特定手法は、これに限定されない。例えば、上記抽出した複数のプローブ情報中の位置情報の集合に対して公知の統計処理を行って、複数の集合位置を求めても良い。この場合、予め、上記抽出した複数のプローブ情報に対し、同一車両のプローブ情報であって両者の距離が予め設定した近接距離の複数のプローブ情報は、一つのプローブ情報に変換しておく。変換とは、代表とするプローブ情報だけとするとか、近接距離の複数のプローブ情報群の重心位置を位置情報とした1つのプローブ情報に変換する。
【0028】
そして、場所決定部302Cは、ドアの開閉が行われた車両の台数が予め設定した台数以上の場所を、待ち合わせ場所として選択する。
ここで、車両のドアが開くことは、人が乗り降りしたことに等しく、かつそれがPOI周辺の位置であれば人と車の待ち合わせが行われたと見なすことが出来ることによる。
場所決定部302Cは、選択した待ち合わせ場所の数が予め設定した提示件数の場合には、ドアの開閉が行われた車両の台数が多い側から提示件数だけ抽出する。
【0029】
抽出した待ち合わせ場所の情報からなる提示情報は、例えば、リスト形式とする。そして、たとえば、ドアの開閉が行われた車両の台数が多い待ち合わせ場所の情報を上位に、つまり優先順位を高くして提示情報を生成する。又は、指定位置から特定される基準位置(指定位置と同義である)から近い順番に並べ、基準位置に近いほど上位にして提示情報を生成する。すなわち、待ち合わせ場所の情報に対して優先順位を設定して提示情報とする。
【0030】
また、場所決定部302Cは、上記リスト形式などからなる提示情報から、駐停車禁止のエリアやバス停などの公的な停車空間と、提示する待ち合わせ場所位置が重なると判定した場合には、その場所を削除する。
情報送信部305は、場所決定部302Cが作成した提示情報を要求元に送信する処理を行う。
【0031】
映像提示処理部306は、情報送信部305が送信した提示情報に対して特定の待ち合わせ場所の情報を含む映像要求情報を受信すると、処理を実行する。映像提示処理部306は、プローブデータベースから、受信した特定の待ち合わせ場所の情報に対応する場所及びその周辺を撮影した映像のデータを含むプローブ情報を抽出し、その抽出したプローブ情報の映像のデータを加工し、加工した映像データを要求元に送信する。
【0032】
ここで、プローブ情報にはプローブ情報つまり映像データを取得したときの車両の位置情報を含む。また、プローブ情報に含まれる映像データの情報としては、映像データの有無、及びその映像を撮影した方向の情報が格納されている。撮影方向は、例えば車両の前後軸に対する撮影軸の向きである。
映像提示処理部306は、抽出した映像を撮影した日時、撮影位置及び撮影方向を参照して、ユーザに応じた映像に加工する。
要求情報に上記時間的範囲に関する検索条件の指定がある場合には、その指定によって映像の抽出を行う。
【0033】
次に、上記待ち合わせ場所提示装置102における待ち合わせ場所提示の処理を、図5のフローチャート図を参照して説明する。
ステップS501では、要求受信部301が、ユーザからの待ち合わせ場所に関する指定位置を含む要求情報RQを受信する。具体的には、上述したように待ち合わせをしたい位置に関する指定位置の情報だけでなく、検索範囲などの検索条件も含めて受信する。要求情報RQを受信した場合にはステップS502に移行する。
【0034】
ステップS502では、待ち合わせ場所抽出部302が、プローブデータベース303から待ち合わせ場所を検索する。具体的には、ユーザから要求された待ち合わせ場所に関する指定位置から検索対象範囲を特定し、特定した検索対象範囲の検索情報とドアが開いた情報をかけ合わせて検索する。
ステップS503では、検索した結果、該当する情報が存在した場合(S503Yes)、ステップS504に移行する。一方、検索した結果、該当する情報が存在しなかった場合(S503No)、ステップS505に移行する。
【0035】
ステップS504では、待ち合わせ場所抽出部302が提示情報を作成する。そして、情報送信部305は、ユーザに対して抽出した待ち合わせ場所に関する提示情報を送信する。
ステップS505では、情報送信部305は、ユーザに対して該当情報が無い旨を通知する。また、ユーザに対して、待ち合わせ場所に関する条件を再度送信するよう通知する。
【0036】
次に、上記待ち合わせ場所提示装置102における映像提示に係る処理を、図6のフローチャート図を参照して説明する。この処理は、映像提示処理部306で実行される。
映像提示処理部306は、情報送信部305が送信した提示情報に対して特定の待ち合わせ場所の情報を含む映像要求情報を受信すると、処理を実行して、ステップS610に移行する。
ステップS610では、要求情報RQ中に時刻指定があるか否かを判定する。時刻指定は例えば「18時から21時の時間帯(における○○駅南口)」などである。時刻指定がある場合にはステップS620に移行する。一方、時刻指定がない場合には、ステップS630に移行する。
【0037】
ステップS620では、指定されている時刻に基づき、検索条件に時刻範囲を設定する。本実施形態では、時刻範囲として3つの時刻範囲(朝の時刻、昼の時刻、夜の時刻)に区分し、指定されている時刻が一番重なっている区分の時刻を選択する。朝の時刻は、例えば、4時〜12時の範囲に、昼の時刻は、12時〜19時の範囲に、夜の時刻は、19時〜4時の範囲に設定する。時間帯を分ける区分数は3区分に限定されず、区分数は2区分でも4区分以上でも構わない。また、指定されている時刻そのものを検索条件の時刻範囲そのものとしても良い。このとき、指定されている時刻の範囲が狭い場合には、その指定されている時刻を含んで前後に例えば予め設定されている時間(例えば2時間)広げた範囲を、設定する時刻範囲としても良い。
【0038】
ステップS630では、要求情報中の検索条件に日にち指定があるか否かを判定する。日にち指定がある場合にはステップS640に移行する。日にち指定がない場合にはステップS650に移行する。日にち指定の検索条件とは、例えば「休日の△△動物園」とか、土曜日とかの指定である。
ステップS640では、指定された日にちを映像データの検索条件に設定する。
【0039】
ステップS650では、待ち合わせ日時の天気が分かる場合には、それに応じた検索条件の設定を行う。すなわち、設定された待ち合わせ日時が現在であれば、現在の指定位置での天気を、また設定された待ち合わせ日時が将来の日時であれば、その日時の天気予報を取得して、雨か雨以外かを判定する。雨と判定した場合には、雨のときのプローブ情報を検索条件として設定し、雨でないと判定した場合には、雨以外のときのプローブ情報を検索条件とする。例えば、プローブ情報にワイパー使用情報があるプローブ情報を、雨のときのプローブ情報とする。プローブ情報に天候情報が有れば、その情報を使用して検索する。また、要求元から天候情報の指定を受信した場合には、天候情報を優先して採用する。
【0040】
ステップS660では、以上の処理で設定した検索条件と、対象とする待ち合わせ場所を含む予め設定した範囲(例えば半径60mの範囲)のエリアからなるエリア条件とを検索の条件として、条件を満足した映像データを含むプローブ情報を、プローブデータベースから抽出する。
ステップS670では、検索条件を満足する映像データがない場合にはステップS680に移行する。映像データを抽出出来た場合にはステップS690に移行する。
ステップS680では、要求した待ち合わせ場所周辺の映像が無い旨のメッセージ情報を選択若しくは作成し、ステップS730にて要求元の場所情報報知装置100に送信する。
【0041】
一方ステップS690では、要求元の場所情報報知装置100が車載か否かを判定する。例えば、場所情報報知装置100の識別として車両IDが送信されてくれば車両用と判定
する。そして、車両用と判定すれば、車両の乗員が要求したとしてステップS700に移行する。車両用と判定しない場合には、歩行者が使用すると判定してステップS710に移行する。
ステップS700及びステップS710では、上記抽出した映像データを含むプローブ情報群から、推定される使用用途に適した映像の抽出を行う。
【0042】
ステップS700では、車両の乗員から見て待ち合わせ場所を認識し易い映像を抽出する。本実施形態のステップS700では、道路側から待ち合わせ場所若しくはその近傍を映した映像データを抽出する。例えば、図7の撮影方向軸P1〜P3のように、待ち合わせ場所近傍における当該待ち合わせ場所側の道路を通行する車両から撮影された映像であって、その車両から左側方を映した映像、つまり車両の左側側方、前方左側、後方左側を撮影した映像を選択する。上記映像の選択は、例えば車両位置やカメラ位置と待ち合わせ場所の位置に基づき、カメラの撮影方向が上記待ち合わせ場所を向いているかどうかで判定する。ここで、待ち合わせ場所とは反対側の車線を走行した車両からの映像(この場合右側の映像)を採用しても良いが、待ち合わせ側を走行する車両による視界の阻害を考慮して選択する必要がある。そして、車両用の映像の抽出(選択)が終了したらステップS720に移行する。
【0043】
ステップS710では、歩行者から待ち合わせ場所に到達するのに有用な映像を抽出する。本実施形態のステップS710では、待ち合わせ場所側から道路方向(道路の向こう側の施設物)を映し出した映像を抽出する。例えば、図7の撮影方向軸P4〜P6のように、待ち合わせ場所近傍における当該待ち合わせ場所とは反対側の道路を通行する車両から撮影された映像であって、その車両から左側方を映した映像、つまり車両の左側側方、前方左側、後方左側を撮影した映像を選択する。上記映像の選択は、例えば車両位置やカメラ位置と待ち合わせ場所の位置に基づき、カメラの撮影方向が上記待ち合わせ場所から道路側を向く方向であるかどうかで判定する。ここで、待ち合わせ場所側の車線を走行した車両からの映像(この場合右側の映像)を採用しても良いが、この場合反対車線を走行する車両による視界の阻害を考慮して選択する必要がある。そして、車両用の映像の抽出(選択)が終了したらステップS720に移行する。
【0044】
ステップS720では、抽出した映像の選択処理や映像の加工処理を行う。
すなわち、ステップS720では、複数の映像が抽出された場合には、予め設定した優先順位で映像の選択を行う。例えば時間的に最新の映像を優先する条件で選択する。また、待ち合わせ場所に対する予め設定した基準距離に近いほど優先する条件で選択しても良い。余り待ち合わせ場所に近いと逆に分かり難くなる可能性があるためである。
【0045】
ここで、上記実施形態では、ステップS690の処理とS710の処理とを排他的に実施する場合を説明しているが、ステップS690の処理とS710の処理とを実施して、両方の映像を送信する構成としても良い。
また加工処理としては、待ち合わせ場所に沿って連続的に取得された複数の映像を使用し、その映像を合成したパノラマ映像のデータに加工しても良い。パノラマ映像の場合には、例えば、待ち合わせ場所、若しくは道路を挟んだ待ち合わせ場所とは反対側の場所を映したプローブ情報をアップロードした車両からのプローブ情報を使用する。具体的には、走行に沿って、待ち合わせ場所の前後も撮影した連続的な映像データも使用して、予め設定した距離(例えば20m)分だけ連続的に繋ぎ合わせたようなパノラマ映像に加工する。
【0046】
ステップS730では、映像を要求元に送信する。
上記処理を選択された待ち合わせ場所の数だけ繰り返す。なお、送信は、一括送信でも良い。なお、上記映像データの抽出や加工は、予め実行しておいても良い。また、地図データに待ち合わせ場所に関する特徴的な構造物が映し出された映像情報が存在する場合には、その映像情報を送信する映像データとしても良い。
【0047】
(動作その他)
ユーザからの「○○駅南口」といった待ち合わせたい指定位置を含む要求情報RQを受信した際のおける、待ち合わせ場所抽出部302の動作を説明する。
待ち合わせ場所抽出部302は、要求受信部301が、待ち合わせたい場所を指示する指定位置の情報を含む要求情報RQを受け付けると待ち合わせ場所の抽出処理を行う。まず、待ち合わせ場所抽出部302は、受信した指定位置の情報に基づき検索対象範囲を特定する。そして、待ち合わせ場所抽出部302は、プローブデータベース303から、特定した検索対象範囲内でプローブ情報をアップロードした車両の情報であり、かつ、ドアが開いた情報を有するプローブ情報を抽出する。検索対象範囲内でプローブ情報をアップロードした車両か否かは、図4における緯度情報(lat),経度情報(lon)で検索する。ドアが開いた情報か否かは、図4におけるドア開閉情報(door)で判定する。
【0048】
上記処理によって、受信した指定位置の周辺でドアの開かれた車両の情報を抽出、すなわち待ち合わせを実施した可能性がある車両の位置の情報を抽出することができる。
次に、待ち合わせ場所抽出部302は、特定した検索対象範囲を、予め設定した条件で複数の区画に区分すると共に、各区画に対し、抽出したプローブ情報のデータに書き込まれている指定位置の情報(緯度情報(lat),経度情報(lon))にて投票を行う。
【0049】
ここで、プローブ情報が1秒に1回の割合でアップロードされるものとした場合、ある位置でのドアが開いている情報は、ドアが開いている時間分、プローブ情報がアップロードされてしまう。このため、停車していた時間に比例して検索にヒットしてしまう。つまり、ある車両のドアが10秒間開けられていたら、ドア開閉情報(door)のopenedは10個ヒットしてしまう。このように時間的に連続してドアが開いている場合、もしくはそのときの位置情報がほぼ同じものに関しては、待ち合わせ実施1回とカウントするよう処理を行う。上記実施形態では、1つ前のデータのドア情報を参照して処理する場合で説明しているが、同一の車両位置で連続してドア開情報となっている同じ車両のプローブ情報は1つとして処理しても良い。
【0050】
なお本実施形態では、同じ車両が同一の場所に停車して開閉したプローブ情報が複数有った場合も1回とカウントする処理をする例で説明した。
このような処理を行うことで、待ち合わせ場所抽出部302は、待ち合わせ場所の指定位置の情報(緯度情報(lat),経度情報(lon))とヒット数の情報を抽出することができる。
そして、待ち合わせ場所抽出部302は、ヒット数が予め設定した閾値以上である区画(場所)を待ち合わせ場所の候補として抽出する。
【0051】
上記説明では、検索範囲について説明していないが、例えば「○○駅南口から半径1km以内」といった距離的な範囲を検索条件に指定された場合は、受信した指定位置を中心とした半径1km以内でのプローブ情報をアップロードした車両とドアが開いた情報を掛け合わせて検索すればよい。また、「18時から21時の時間帯における○○駅南口」といった時間的な範囲を指定された場合は、受信した位置周辺でのプローブ情報をアップロードした車両とドアが開いた情報、さらに18時から21時の時間帯の範囲内(図2における時間情報(time_stamp))を掛け合わせて検索すればよい。
【0052】
また、検索条件についても同様で、「待ち合わせの行われた頻度の高い順に10個」といった条件を指定された場合は、待ち合わせ場所抽出部302が抽出した待ち合わせ場所のうちヒット数の多い上位10個について抜き出せばよい。また、「□□株式会社から近い順」といった条件を指定された場合は、待ち合わせ場所抽出部302が抽出した待ち合わせ場所のうち「□□株式会社」に近い順に10個抜き出せばよい。
【0053】
そして情報送信部305は、待ち合わせ場所抽出部302が抽出した待ち合わせ場所に関する情報を、要求元の場所情報報知装置100に対して送信する。場所情報報知装置100は、場所情報報知装置100を搭載した機器の表示部に対して、待ち合わせ場所を提示する表示処理を実施する。場所情報報知装置100は、例えば指定位置を含む地図データに対して、待ち合わせ場所提示装置102から取得した待ち合わせ場所の位置表示を重ねるように合成して表示する。待ち合わせ場所の位置表示は、例えば番号で行い、優先順位が高いほど、例えば小さな番号で表示する。
【0054】
図8は、場所情報報知装置100がユーザに提示する待ち合わせ場所に関する情報の表示例である。
表示画面401は、場所情報報知装置100が搭載された携帯電話などの機器に搭載された表示部の画面である。その表示画面401のうち表示エリア402は、ユーザからの待ち合わせをしたい位置に関するリクエストであり、指定位置の情報や検索範囲、検索条件が記載される。表示エリア403は、待ち合わせ場所抽出部302が抽出した待ち合わせ場所を地図ビューア上に示したものである。本図では簡単のため、(1)から(4)の4つの丸数字で待ち合わせ場所の候補を提示している。表示エリア404は、抽出した待ち合わせ場所(1)から(4)の詳細情報を示す。本図では、抽出した位置の情報と検索ヒット数を表示している。例えば、表示エリア403上で待ち合わせ場所(2)を選択した場合、表示エリア404の情報が待ち合わせ場所(2)の情報に変更されるような画面インタフェースが考えられる。
【0055】
更に、場所情報報知装置100で、ユーザが、表示された待ち合わせ場所の一つを選択したことを検出し、さらに映像要求の選択をしたことを検出すると、場所情報報知装置100は、選択された待ち合わせ場所を特定する情報を含む映像要求信号を待ち合わせ場所提示装置に送信する。
待ち合わせ場所提示装置は、映像要求信号を入力すると、映像提示処理部306が、選択された待ち合わせ場所に係る映像を抽出し、場合によっては加工した後に要求元の場所情報報知装置100に送信する。
【0056】
場所情報報知装置100は、送信されてきた受信した映像のデータを表示部に表示する。図8では、映像表示部405に送信されてきた映像を表示することを模式的に示している。図8の例では、対象とする待ち合わせ場所近傍に存在した車両で撮影した前後左右4方向の映像を提示する場合を例示している。
このとき、携帯電話などの移動端末に搭載された場所情報報知装置100の場合には、表示する映像は、待ち合わせ場所から道路側方向を撮影した映像である。このため、ユーザが歩道を歩いて待ち合わせに向かう際に、歩行者からみた映像で確認することから、待ち合わせ場所に向かう歩行者にとって分かり易い映像となっている。一方、車両に搭載された場所情報報知装置100の場合には、車両側から待ち合わせ場所を撮影した映像であるので、車両の乗員にとって分かり易い映像となっている。このように、待ち合わせ場所に到達することを考えた場合は、車両の乗員や歩行者にとって分かり易い映像を提示する。
【0057】
またパノラマ状の映像の場合には、待ち合わせ場所に向かう連続した映像となっているので、待ち合わせ場所に向かう際に、より間違えにくくなる。
また、ユーザに映像を提示することで、待ち合わせ場所を決定する際の参考とすることが可能となる。例えば、映像を見れば、待ち合わせ場所の候補が、他人の駐車場であった場合に、ユーザは、その位置は待ち合わせ場所にしない方がよいとの判断が出来る。
【0058】
また、映像として待ち合わせるときの状態に近い映像を提供することで、より待ち合わせする状態に近い待ち合わせ場所に関する映像を提供することが出来る。すなわち、待ち合わせしたいシーンに応じた映像をユーザに提示することで、待ち合わせ場所を決定する際により参考とすることができる。例えば、朝止め易いけれど、夜止めづらい場所で出会ったり、平日には止めても問題ないが、休日は混雑して止めづらい場所であったり、普段は止め易いが、雨が降ると混雑する場所であったりしたようなシーンで有効である。
【0059】
また目印となる特徴的な構造物(POI)が映っている映像を採用することで、待ち合わせ場所が特定し易くなる。
以上のシステムにより、複数車両から送信(アップロード)されたプローブ情報からドアが開いた情報を検索し、それに該当する位置を待ち合わせ場所として抽出し、ユーザに対して提供する。こうすることにより、過去に実際に待ち合わせが行われた可能性の高い場所を提案できるため、ユーザに対して、有益な情報を提供できる。更に、映像を提供することで、待ち合わせ場所の選択の判断がより判断し易くなると共に、その選択した待ち合わせ場所に到達し易くなる。
【0060】
(変形例)
(1)上記実施形態では、場所情報報知装置100で待ち合わせ場所が選択されて映像要求があった場合に、待待ち合わせ場所提示装置は映像データを要求元に送信する構成について説明した。映像要求が無くても、待ち合わせ場所の候補の情報を提示する際に、映像データも一緒に送信しても良い。この場合、指定位置を含む要求情報RQ中に、映像の有無の情報を持たせることが好ましい。
【0061】
(2)映像の加工処理としては、待ち合わせ周辺を映した複数の映像を、3次元空間にマッピングされた映像に加工しても良い。この場合、車両用か歩行者用かで、運転席視点で若しくは歩行者用の歩道側視点でマッピング処理を行う。3次元空間にマッピング処理は、公知の映像処理を利用すればよい。
(3)また。映像の加工処理としては、特定の車両に搭載された複数のカメラが撮影した複数の映像を合成した一つの映像に加工する処理を実施しても良い。
【0062】
(4)映像データを抽出する際に、地図データベース304を参照することにより、対象とする待ち合わせ場所及びその周辺に、特徴的な構造物の情報が無いか検索しても良い。このとき、特徴的な構造物(POI)が検索された場合には、その特徴的な構造物の位置を基準にして映像の抽出を実施しても良い。この場合には、特徴的な構造物(POI)が映し出された映像データを提示出来て、待ち合わせ場所をより特定可能となる。
なお、映像提示処理部306は、待ち合わせ場所側から反対方向の道路を映した映像を提供する場合には、地図データベース304などを参照して、その方向に特徴的な建物などの構造物が存在すると判定した場合には、その特徴的な構造物の方向に撮影軸が向いている映像データを抽出する構成にすると良い。
【0063】
(5)待ち合わせ場所の情報については、地図データベース304を参照することにより、例えば住所や●●ビル前等の情報に変換しても良い。
(6)また、待ち合わせ場所の位置が駐停車禁止の位置と重なったり、公的な駐車場の位置と重なったりした場合には、抽出結果から外しても良い。
(7)逆に、待ち合わせ場所の位置が駅前の広場などに設定されているピックアップレーン(一般車両用の停車スペース)であった場合は、優先してユーザに提案しても良い。
【0064】
(8)上記実施形態では、ユーザが待ち合わせしたい場所に関する情報を指定して要求する場合を例示した。これに代えて、場所情報報知装置100を搭載する機器をユーザが操作したときの現在位置の情報を、要求情報RQに含める指定位置の情報としても良い。現在位置はGPSなどで特定すればよい。
例えば、携帯電話などの移動端末であって場所情報報知装置100を搭載した移動端末を所持する歩行者がその移動端末を操作して待ち合わせ場所の情報提供要求を送信すると、その歩行者の現在位置周辺の待ち合わせ場所を抽出して、提示することとなる。
【0065】
この場合、図3において、要求受信部301は、ユーザの所持する端末(例えば、携帯電話104やパソコン105、通信機器を備える車両106)が備えるGPS等の現在位置検出装置によって現在位置情報を受信する。現在位置情報は、具体的には、緯度・経度の情報となる。待ち合わせ場所抽出部302での処理は、上記説明した処理が行われる。
この場合、ユーザは、事前に待ち合わせ場所を決めなくても、現在位置周辺の待ち合わせ場所の情報を得ることができる。
【0066】
(9)また上記要求情報RQに待ち合わせ相手の情報を設定しても良い。例えば、待ち合わせ相手の情報とは、例えば自動車登録番号標(ナンバープレート)に記載される記号である。待ち合わせ場所提示装置102は、車両データベース等によって、対象とする車両を特定し、その特定した車両が通信可能であれば、例えば、問い合わせをした後に、抽出した待ち合わせ場所の情報を送信する。このとき、その車両から選択された待ち合わせ場所の情報が有る場合には、その選択場所を要求情報RQを送信した要求元に提示するようにしても良い。この場合、車両の乗員が行きやすい待ち合わせ場所を、要求元に提示可能となる。この場合に、待ち合わせ場所に係る映像データを、待ち合わせ相手側に送信しても良い。この場合、待ち合わせ相手側から選択された待ち合わせ場所の映像を送信することが好ましい。
ここで、プローブ情報蓄積部300は映像情報受信部を構成する。
【0067】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次の効果を奏する。
(1)待ち合わせ場所抽出部302は、要求情報RQを受信すると、上記プローブデータベース中のプローブ情報を参照して、上記指定位置の情報から待ち合わせ場所を抽出する。情報送信部は、上記抽出した待ち合わせ場所の情報を、上記要求情報を送信した要求元に提示情報として送信する。映像提示処理部306は、映像要求に応じて待ち合わせ場所に係る映像データを上記要求元に送信する。
この構成によれば、抽出した待ち合わせの場所を提示すると共に、待ち合わせ場所に係る映像データも提示する。これによって、場所の情報の他、特定の待ち合わせ場所やその周辺などの状況も映像によって分かることから、より適した待ち合わせ場所を選択可能となる。
【0068】
(2)映像提示処理部306が送信する映像データは、車両から送信された映像データである。
この構成によれば、車両で撮影された映像となるため、車両が駐停車可能な待ち合わせ場所の映像を取得可能となる。
(3)映像提示処理部306が送信する映像データは、上記選択された待ち合わせ場所若しくはその周辺に存在する特徴的な構造物が写り込んだ映像のデータである。
この構成によれば、特徴的な構造物の映像を提示できるので、より待ち合わせ場所の判断が容易となる。
【0069】
(4)映像提示処理部306が送信する映像データは、上記受信した待ち合わせ時間の情報から特定した時刻に撮影された映像のデータとする。
この構成によれば、待ち合わせするときの状態に近い映像を提示することで、待ち合わせ場所の判断が容易となる。
(5)映像提示処理部306が送信する映像データは、上記受信した待ち合わせ時間の情報から特定される時刻における当該待ち合わせ場所の天気、若しくは指定された天気情報に応じた天気の状態のときに撮影された映像のデータとする。
この構成によれば、待ち合わせするときの状態に近い映像を提示することで、待ち合わせ場所の判断が容易となる。
【0070】
(6)映像提示処理部306が送信する映像データは、車両側から待ち合わせ場所側を見たときの映像のデータとする。
この構成によれば、車両の乗員からの待ち合わせ場所を見たときの状態に近い映像を提供可能となり、車両の乗員が待ち合わせ場所に行く際に間違えにくくなる。
(7)映像提示処理部306が送信する映像データは、待ち合わせ場所から道路側を見たときの映像のデータとする。
この構成によれば、歩行者から車両(道路方向)をみたときに近い映像を提供可能となり、歩行者が待ち合わせ場所に行く際に間違えにくくなる。
【0071】
(8)上記映像のデータは、車両が撮影した複数の方向の映像のうちの少なくとも1つである。
これによって、色々な方向の映像を提供可能となる。
(9)上記映像のデータは、3次元空間にマッピングされた映像のデータである。
これによって、立体的な映像を提供することで、待ち合わせ場所の認識が容易となる。
【0072】
(10)上記映像のデータは、道路に沿った映像を合成したパノラマ映像のデータである。
この構成によれば、待ち合わせに接近する際の映像の状況も分かり、より待ち合わせ場所に行く際に間違えにくくなる。
(11)待ち合わせ時刻を上記要求情報を受信した時刻とする。
この構成によれば、要求元の現在位置周辺の待ち合わせ場所の候補及び映像を提案できる。このため、事前に待ち合わせ場所を決めなくても、ユーザの現在位置周辺の待ち合わせ場所の情報を得ることができる。
【符号の説明】
【0073】
100 場所情報報知装置
101 プローブ情報提供装置
102 待ち合わせ場所場所提示装置
300 プローブ情報蓄積部
301 要求受信部
302 場所抽出部
302A 基準位置特定部
302B 検索範囲特定部
302C 場所決定部
303 プローブデータベース
304 地図データベース
305 情報送信部
306 映像提示処理部
P1-P3 撮影方向軸
P4-P6 撮影方向軸
RQ 要求情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の走行情報であるプローブ情報を蓄積したプローブデータベースと、
指定位置の情報を含む要求情報を受信する要求受信部と、
上記要求情報を受信すると、上記プローブデータベース中のプローブ情報を参照して、上記指定位置の情報から待ち合わせ場所を抽出する待ち合わせ場所抽出部と、
上記待ち合わせ場所抽出部が抽出した待ち合わせ場所の情報を、上記要求情報を送信した要求元に提示情報として送信する情報送信部と、
上記要求元から待ち合わせ場所の映像要求情報を受信すると、待ち合わせ場所に係る映像データを上記要求元に送信する映像提示処理部と、を備えることを特徴とする待ち合わせ場所提示装置。
【請求項2】
車両から送信された映像データを受信する映像情報受信部を備え、
映像提示処理部が送信する映像データは、映像情報受信部が受信した映像データであることを特徴とする請求項1に記載した待ち合わせ場所提示装置。
【請求項3】
映像提示処理部が送信する映像データは、上記選択された待ち合わせ場所若しくはその周辺に存在する特徴的な構造物が写り込んだ映像のデータであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した待ち合わせ場所提示装置。
【請求項4】
上記要求元から待ち合わせ時間の情報を受信し、
映像提示処理部が送信する映像データは、上記受信した待ち合わせ時間の情報から特定した時刻に撮影された映像のデータとすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載に記載した待ち合わせ場所提示装置。
【請求項5】
上記要求元から待ち合わせ時間の情報は天候に指定情報を受信し、
映像提示処理部が送信する映像データは、上記受信した待ち合わせ時刻の情報から特定される時刻における当該待ち合わせ場所の天気若しくは指定された天気に応じた天気の状態のときに撮影された映像のデータとすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載に記載した待ち合わせ場所提示装置。
【請求項6】
映像提示処理部が送信する映像データは、車両側から待ち合わせ場所側を見たときの映像のデータとすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載に記載した待ち合わせ場所提示装置。
【請求項7】
映像提示処理部が送信する映像データは、待ち合わせ場所から道路側を見たときの映像のデータとすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載に記載した待ち合わせ場所提示装置。
【請求項8】
上記映像のデータは、車両が撮影した複数の方向の映像のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載した待ち合わせ場所提示装置。
【請求項9】
上記映像のデータは、3次元空間にマッピングされた映像に加工した映像データであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載した待ち合わせ場所提示装置。
【請求項10】
上記映像のデータは、道路に沿った映像を合成したパノラマ映像に加工した映像データであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載した待ち合わせ場所提示装置。
【請求項11】
待ち合わせ時刻を上記要求情報を受信した時刻とすることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載した待ち合わせ場所提示装置。
【請求項12】
複数の車両の走行情報であるプローブ情報を格納したプローブデータベースを備え、
指定位置の情報を含む要求情報を受信すると、その指定位置の情報から特定した位置を基準として予め設定された検索範囲条件で対象範囲を特定し、
その特定した対象範囲内において、上記プローブデータベース中のプローブ情報によって特定されるドアの開閉が行われた車両の位置情報に基づき、待ち合わせ場所を抽出して、当該待ち合わせ場所の情報を要求元に送信すると共に、
上記抽出した待ち合わせ場所の少なくとも1つの待ち合わせ場所に係る映像データを上記要求元に送信することを特徴とする待ち合わせ場所提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−20518(P2013−20518A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154574(P2011−154574)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】