後処理装置及びこれを用いた記録材処理装置
【課題】標準化された後処理装置を複数種の画像形成装置に対して設置する場合、いずれの画像形成装置に対しても必要な部材の不足を生じることなく、良好な設置をなす。
【解決手段】画像形成装置1の側方に隣接して配置され、画像形成装置1からの記録材に後処理を施す後処理装置2であって、装置筐体3と、この装置筐体3から画像形成装置筐体1a側に向かって横方向に延びる記録材搬送部5と、画像形成装置筐体1aと装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体1aと装置筐体3との位置関係を保持する保持部材6と、装置筐体3内の後処理部4の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体1aと装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に保持部材6の全部又は保持部材6の前記間隙間に跨る要素を保管する保管部7とを備える。
【解決手段】画像形成装置1の側方に隣接して配置され、画像形成装置1からの記録材に後処理を施す後処理装置2であって、装置筐体3と、この装置筐体3から画像形成装置筐体1a側に向かって横方向に延びる記録材搬送部5と、画像形成装置筐体1aと装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体1aと装置筐体3との位置関係を保持する保持部材6と、装置筐体3内の後処理部4の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体1aと装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に保持部材6の全部又は保持部材6の前記間隙間に跨る要素を保管する保管部7とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置及びこれを用いた記録材処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電子写真方式等の画像形成装置の側方に、例えば画像が形成された記録材に綴じ処理等の後処理を施す後処理装置を配置する際、標準化された後処理装置を各種サイズの画像形成装置に対して設置するには、夫々の画像形成装置と標準化された後処理装置との間に隙間が生じたときにこの隙間を埋める専用の保持部材が必要となる。そのため、等に、画像形成装置を交換する場合に、部材の過不足をなくすには保持部材を後処理装置と一体的に保管することが望まれている。
【0003】
一方、特許文献1にはプリンタのマニュアルをプリンタに対し一体的に保管するため、プリンタにマニュアル保管用の引出トレイを設け、プリンタ使用時にはいつでもマニュアルの内容確認がなされるようにした構成のものが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−220741号公報(発明の実施の形態、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、標準化された後処理装置を複数種の画像形成装置に対して設置するに際し、前記複数種のうちいずれの画像形成装置に対して行う場合にも必要な部材の不足を生じることなく、良好な設置がなされるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、画像形成装置筐体内に画像形成部を内蔵した画像形成装置の側方に隣接して配置され、画像形成装置から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置であって、後処理部が内蔵され且つ画像形成装置筐体の側方に隣接して配置される装置筐体と、この装置筐体から画像形成装置筐体側に向かって横方向に延び且つ画像形成装置筐体から排出された記録材を装置筐体内に導く記録材搬送部と、画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との位置関係を保持する保持部材と、装置筐体内の後処理部の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に前記保持部材の全部又は保持部材のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部とを備える後処理装置である。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る後処理装置において、前記装置筐体内には、その上方側に後処理部を配置すると共にこの後処理部より下方側に前記保管部を配置するようにした後処理装置である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る後処理装置において、前記装置筐体には、内部に前記後処理部と前記保管部との間を仕切る仕切部が設けられている後処理装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る後処理装置において、前記装置筐体には、画像形成装置筐体に隣接する面に前記保管部へ繋がる開閉扉が設けられている後処理装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに係る後処理装置において、前記装置筐体には、前記保管部に保管された保持部材が外部から視認できる窓が設けられている後処理装置である。
【0008】
請求項6に係る発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置と、この画像形成装置の側方に隣接して配置され、画像形成装置から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置とを備え、前記画像形成装置は、記録材に対し画像を形成する画像形成部と、この画像形成部が内蔵される画像形成装置筐体と、この画像形成装置筐体の一部に少なくとも後処理装置側の側方に開口する凹所が設けられ且つ後処理装置不使用時には前記凹所に画像形成部で画像が形成された記録材が排出収容される記録材収容部とを有し、前記後処理装置は、後処理部が内蔵され且つ画像形成装置筐体の側方に隣接して配置される装置筐体と、この装置筐体から前記凹所に沿って延び且つ画像形成装置から排出された記録材を装置筐体内に導く記録材搬送部と、画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との位置関係を保持する保持部材と、装置筐体内の後処理部の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に前記保持部材の全部又は保持部材のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部とを有する記録材処理装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、標準化された後処理装置を複数種の画像形成装置に対して設置するに際し、前記複数種のうちいずれの画像形成装置に対して行う場合にも必要な部材の不足を生じることなく、良好に設置を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比して、広い保管部の確保が可能になる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比して、利用者に対する安全性を高めることができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比して、簡単な構成でありながら、利用者の安全性及び保持部材の保管性をより一層高めることができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比して、保持部材の保管状態が一目で確認できるようになる。
請求項6に係る発明によれば、標準化された後処理装置を複数種の画像形成装置に対して設置するに際し、前記複数種のうちいずれの画像形成装置に対して行う場合にも必要な部材の不足を生じることなく、良好に設置を行うことができる記録材処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
先ず、本発明が適用される実施の形態の概要について説明する。
◎実施の形態の概要
図1(a)〜(c)は本発明を具現化する実施の形態の代表モデルに係る後処理装置の概要を示す。ここで、(a)は後処理装置であり、(b)及び(c)は後処理装置が異なる種類の画像形成装置に隣接して配置された記録材処理装置を表している。
同図において、後処理装置2は、画像形成装置筐体1a内に画像形成部を内蔵した画像形成装置1(例えば1A,1B)の側方に隣接して配置され、画像形成装置1から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置2であって、後処理部4が内蔵され且つ画像形成装置筐体1aの側方に隣接して配置される装置筐体3と、この装置筐体3から画像形成装置筐体1a側に向かって横方向に延び且つ画像形成装置筐体1aから排出された記録材を装置筐体3内に導く記録材搬送部5と、画像形成装置筐体1a(本例では画像形成装置1Bの筐体)と装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体1aと装置筐体3との位置関係を保持する保持部材6と、装置筐体3内の後処理部4の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体1a(本例では画像形成装置1Aの筐体)と装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に保持部材6の全部又は保持部材6のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部7とを備えている。
【0011】
ここで、「間隙間に跨る」とは、双方の筐体(画像形成装置筐体1a及び装置筐体3)に拘わっている態様を意味し、間隙間で筐体に接触した状態や間隙を越えた状態を意味する。
また、後処理装置2としては、記録材搬送部5及び後処理部4が内蔵された装置筐体3を有する装置本体部を具備するものであればよく、後処理部4が更に記録材搬送部5にも設けられていてもよい。更に、後処理部4の処理としては画像形成装置1から排出された記録材に対する処理が可能なものであればよく、代表的には綴じ処理、折り処理が挙げられるが、例えばソータのような排出先処理を行うようなものであってもよい。更にまた、この後処理装置2が配置される画像形成装置1の種類は後処理装置2との間に発生する間隙の状態が二種類以上できるものであればよく、間隙が生成されないものを含む二種類以上であってもよいし、あるいは、単に、間隙が生成され且つその間隙が互いに異なるものであってもよいが、代表的には間隙が生成されないものを含む態様が挙げられ、画像形成装置1としては例えばカラー用画像形成装置とモノクロ用画像形成装置の二種のものが挙げられる。
【0012】
そして、後処理装置2を画像形成装置1に配置するための保持部材6としては、画像形成装置筐体1aと装置筐体3との位置関係を保持するものであればよく、専用連結具や連結具の一部を構成する要素等が挙げられる。このような部材は画像形成装置1毎に専用の部材を用いるようにしてもよいし、一部を兼用する構成のものであっても差し支えない。そのため、保管部7に保管される保持部材6としては、例えば専用の部材にあっては不使用の部材であり、また、一部を兼用する構成の場合には兼用しない部材(間隙間に跨る要素)が相当する。また、このような保持部材6が保管される保管部7には保持部材6以外の部材を共に保管することは差し支えなく、例えば間隙を隠す隙間カバーを保管部7に保管してもよいし、追加装置として新たな装置を記録材の搬送路に追加した場合には、取り外した搬送路の部材を保管部7にて保管するようにしてもよい。そして、例えば隙間カバーの剛性を高め、このような隙間カバーにて装置筐体間(1aと3との間)の位置関係を保つようにする態様にあっては、このような隙間カバーが保持部材6となることは言うまでもない。
【0013】
更に、装置筐体3は、画像形成装置筐体1aに隣接して配置されるもので、上下方向に延びる筐体で主に構成されていればよく、例えば装置設置面から上方に向かって延びる筐体であってもよいし、装置筐体3の底面側に設置面との間に例えば受け台を設けるようにしたものであってもよい。
また、保管部7として大きなスペースを確保する観点から、装置筐体3内には、その上方側に後処理部4を配置すると共にこの後処理部4より下方側に保管部7を配置することが好ましい。このとき、例えば追加装置として各種の後処理部4を含む装置を更に備える場合、装置筐体3の外側にこのような追加装置を連結するようにしても差し支えない。
【0014】
更に、利用者の安全性を高めるために保管部7側から後処理部4側へ接触できないようにする観点から、装置筐体3には、内部に後処理部4と保管部7との間を仕切る仕切部を設けることが好ましい。このような仕切部としては、両者間を完全に仕切るものであってもよいし、利用者の手が挿入できないような間隙が設けられていてもよく、その形状は特に限定されない。
【0015】
また、簡単な構成で、利用者の安全性をより一層高める観点から、装置筐体3には、画像形成装置1の側方に隣接配置された場合に画像形成装置1に隣接する面に保管部7へ繋がる開閉扉が設けられることが好ましい。これによれば、後処理装置2を画像形成装置1に対して設置すると、設置後には開閉扉を開けることができなくなり、利用者の保管部7への侵入を阻止できるようになると共に保管部7に保管された保持部材6を紛失する虞もなくなる。尚、保管部7に保管された保持部材6を取り出すには、後処理装置2が画像形成装置1から離間した状態で行えばよい。
【0016】
更にまた、保管部7に保管されている保持部材6を容易に確認する観点から、装置筐体3には、保管部7に保管された保持部材6が外部から視認できる窓が設けられていることが好ましい。このような窓としては単なる開口や開口に透明部材を設けたもの等がよく、単なる開口の場合には手が挿入できないようなスリット状になっている方がよい。
【0017】
また、このような後処理装置2を用いた記録材処理装置としては、次のようにすればよい。すなわち、記録材に画像を形成する画像形成装置1と、この画像形成装置1の側方に隣接して配置され、画像形成装置1から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置2とを備え、画像形成装置1は、記録材に対し画像を形成する画像形成部と、この画像形成部が内蔵される画像形成装置筐体1aと、この画像形成装置筐体1aの一部に少なくとも後処理装置2側の側方に開口する凹所が設けられ且つ後処理装置2不使用時には前記凹所に画像形成部で画像が形成された記録材が排出収容される記録材収容部1bとを有し、後処理装置2は、後処理部4が内蔵され且つ画像形成装置筐体1aの側方に隣接して配置される装置筐体3と、この装置筐体3から前記凹所に沿って延び且つ画像形成装置1から排出された記録材を装置筐体3内に導く記録材搬送部5と、画像形成装置筐体1aと装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体1aと装置筐体3との位置関係を保持する保持部材6と、装置筐体3内の後処理部4の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体1aと装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に保持部材6の全部又は保持部材6のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部7とを有するようにすればよい。
【0018】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、記録材処理装置の実施の形態1を示す。同図において、記録材処理装置は、画像形成装置10の側方に後処理装置30が配置された構成のもので、位置決めのために両者間は連結されたものとなっている。画像形成装置10の画像形成装置筐体11の上面の一部に対して後処理装置30側に向かって延びるように設けられ且つ画像形成装置10から排出される記録材が積載収容可能な記録材収容部11aが形成されており、この記録材収容部11a上面の横方向長さがL1のものとなっている。このような画像形成装置10に対して後処理装置30を設置する場合、画像形成装置10の記録材収容部11a上面に対応して後処理装置30の記録材搬送部50が配置され、画像形成装置10の画像形成装置筐体11と後処理装置30の装置本体部40の装置筐体41との間に間隙がない(予め決められた以上の間隙がない)状態で配置されるようになっている。尚、図中符号12は、画像形成装置10の画像形成装置筐体11の上部に設けられた画像読取部であり、記録材収容部11a上面から空間を隔てて設置されることで、記録材収容部11aへの記録材の排出収容に支障がないようになっている。
【0019】
本実施の形態の画像形成装置10は、図3に示すように、例えばフルカラー用画像形成装置であって、画像形成装置筐体11内の下方に設けられた記録材供給部13(13a〜13d)から供給された記録材に対し、作像部14にて形成したカラー画像を転写させ、定着した後、記録材収容部11a上に排出収容するようにしたものとなっている。作像部14は四色(例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像を夫々の作像ユニット15(15a〜15d)にて形成し、中間転写体16上に順次転写することで多重化させ、中間転写体16上で多重化されたトナー像が記録材上に一括転写されるようになっている。そして、本実施の形態の画像形成装置10では、記録材収容部11aへ記録材を排出する排出口として上下二箇所の排出口18(18a,18b)が設けられており、このうち下側の排出口18aに対応して後処理装置30の記録材搬送部50が装着されるようになっている。
【0020】
一方、後処理装置30は、図4の斜視図に示すように、後述する後処理部が内蔵され画像形成装置10の側方に隣接して配置される装置筐体41(装置本体部40の筐体)と、装置筐体41から画像形成装置10側に向かって横方向に延びて画像形成装置10から排出された記録材を装置本体部40に導く記録材搬送部50とで構成されており、更に、装置本体部40の上部後方に、追加装置として記録材束の中綴じ処理を行う中綴じ装置400が装着されたものとなっている。
【0021】
そして、図5に示すように、記録材搬送部50は、筐体51内部に記録材を搬送する搬送路52を有し、この搬送路52には記録材を搬送するための搬送ロール53等が適宜配置されている。また、本実施の形態では搬送路52の途中に、記録材への後処理として穿孔処理を行う穿孔装置(パンチャ)100が搭載されている。
【0022】
また、装置本体部40は、装置筐体41内の上部に記録材への後処理として折り筋を付ける折り筋装置200、記録材を積載して揃え、揃えられた記録材束に端綴じ処理を行う端綴じ装置300が配置されている。また、装置筐体41の側方には、例えば端綴じ装置300にて端綴じ処理が行われた記録材束を収容するスタックトレイ60が設けられ、装置筐体41に沿って昇降できるようになっている。そのため、装置筐体41内にはスタックトレイ60を昇降させる昇降機構70が設けられている。そして、本実施の形態では装置筐体41内の下方に広い空間を占有する保管部42(図中二点鎖線で示す領域)が設けられており、この中に後述する保持部材が保管できるようになっている。尚、保管部42の上部には、仕切部としての仕切板41bが取り付けられており、保管部42側から例えば端綴じ装置300側に手が触れないようになっている。
【0023】
ここで、保管部42を設ける背景について説明する。後処理装置30としては、画像形成装置10から排出される記録材の排出位置高さに合わせて記録材搬送部50が配置され、この記録材搬送部50を通過した記録材に対する後処理を行うことから、各後処理部は一般的に設置面から高い位置にある。また、スタックトレイ60での記録材の収容量を増やすには、後処理部にて後処理された記録材の排出位置も高くする方が好適となる。そのため、後処理装置30の装置本体部40の下方には内部に配置する必要のある部材が少なく、広い空間を確保し易くなっている。一方、装置本体部40は後処理部の重量を支え、更に、利用者による設置時の安全性や容易性を考慮すると可搬型が好適であり、装置筐体41が上方に向かって延びる形状となる。したがって、装置本体部40の下方に広い空間を有する保管部42を確保することが可能になる。
更に、利用者が後処理装置30を他の画像形成装置に適用しようとすると、装置間を連結する保持部材が必要になる。そのため、後処理装置30が対応可能な画像形成装置に対して必要となる保持部材を後処理装置30に保管しておけば、利用者による装置交換が部材の過不足を生じること無く、容易になされるようになる。
尚、広い空間の保管部42を備えることで、ここに利用者が必要とする部材を保管することも容易になる。
【0024】
このような装置本体部40にあって、装置筐体41には、更に保管部42内に保管された保持部材が外から視認できるように透明窓43が取り付けられている。また、保管部42への保持部材の出し入れは、本実施の形態では装置筐体41の側壁のうち記録材搬送部50に繋がる側に開閉扉44が設けられており、後処理装置30が設置された場合には開閉扉44が開かないようになっている。この場合、保管部42に保管された保持部材などがあっても一旦設置された後処理装置30からは取り出すことができず、却って保管された保持部材などを紛失する虞がない。尚、ここでは、保管部42内を視認するために透明窓43を用いるようにしたが、例えば保管部42内が視認できる程度のスリットが空けられたものであってもよく、また、開閉扉44を他の側壁側に設けるようにしてもよい。
そして、本実施の形態では装置筐体41の上部には、記録材搬送部50に繋がる接続筐体41aが一部突出するように設けられており、記録材搬送部50からの記録材が装置本体部40に良好に搬送されるようになっている。
【0025】
図6は、本実施の形態における保管部42の様子を示すもので、保持部材等が保管された状態となっており、保持部材としては、画像形成装置筐体と装置本体部40の装置筐体41との間隙を保持する際に使用する部材で、記録材搬送部50を画像形成装置に取り付ける際に使用するスペーサ45(保持部材を構成し間隙間に跨る要素に相当するもの)を例えばポリ袋80に入れ、これらの保持部材が収容できるような溝48a〜48cが設けられた収納容器48中に収納している。また、本実施の形態では、間隙に対応する部材として、間隙ができた場合にその間隙を覆う隙間カバー46も収納容器48中に収納している。隙間カバー46は、本例では二分割(46A及び46B)のものを重ねた状態で収納している。そして、これらの部材が収納容器48に収納された状態で、収納容器48ごと保管部42に保管されるようになっており、収納容器48は保管部42では固定されるようになっている。収納容器48は、例えば発泡体に溝48a〜48cが形成されたもので、溝48aにはスペーサ45が入ったポリ袋80が挿入され、溝48bには隙間カバー46がそのまま立てた状態で挿入される。尚、本例では、収納容器48に更に溝48cが形成されており、この溝48cには利用者が他の保管したい部材を保管できるようになっている。また、収納容器48はこれに限られず、例えば角型容器に保持部材を収納するようにしても差し支えない。
【0026】
隙間カバー46は、上部カバー46Aと下部カバー46Bとに分割されており、例えば上部カバー46Aの突起461を下部カバー46Bの凹部462とを嵌め合わせた状態で重ねるようになっている。また、隙間カバー46には夫々上下二箇所に係止爪463が設けられ、装置本体部40に差し込んだ状態で係止爪463が係止されることで隙間カバー46が止められるようになっている。尚、スペーサ45や隙間カバー46の使用方法については後述する実施の形態2にて説明する。
【0027】
次に、後処理装置30に設けられた後処理部としての夫々の装置の概略を説明する。
図7(a)及び(b)は穿孔装置100の部分拡大図を示すもので、(a)は穿孔前の状態を示し、(b)は穿孔中の状態を示す。穿孔装置100は、記録材の搬送方向に交差する幅方向に亘って複数のパンチピン101が並んで配置されており、選択されたパンチピン101による記録材への穴空けがなされるようになっている。パンチピン101にはスタッド102が取り付けられており、支持点を中心に揺動するセクターギア103に空けられた溝104にこのスタッド102が挿入されている。また、セクターギア103の歯は棒状部材105に形成されたラックと噛合するようになっており、図示外のモータ等によって棒状部材105が矢印方向に移動することでパンチピン101が下方に移動して、記録材に穴が空けられるようになる。そして、穴空けするパンチピン101を適宜選択することで、例えば二穴や四穴等の穴空けがなされるようになる。尚、このとき、セクターギア103に設けられた溝104の形状は、セクターギア103の揺動によってパンチピン101が図の上下方向に沿って移動できるように形成されている。
【0028】
また、図8(a)及び(b)は折り筋装置200の動作を示すもので、(a)は記録材に折り筋を付ける前の状態を示し、(b)は記録材に折り筋を付けている状態を示す。折り筋装置200は、上部に固定配置された二つの位置決め部材201,202を有し、この位置決め部材201,202間を折り溝としたもので、位置決め部材201,202の下方には記録材を位置決め部材201,202との間で所定の押圧力で押え込む押え部材203,204が設けられ、夫々位置決め部材201,202に向かって進退できるようになっている。また、折り溝に対応する位置には、記録材に折り筋を付けるための折りナイフ205が設けられ、折り溝に向かって進退できるようになっている。
【0029】
このような折り筋装置200では、記録材が搬送されると予め決められた所定の位置で記録材が停止し、押え部材203,204が上方に移動して記録材を押え込むと共に、折りナイフ205が上方に移動することで記録材は折りナイフ205の先端部位から上方に持ち上げられる一方、押え部材203,204によって押えられていることから、折りナイフ205の先端部位に対応する位置に記録材の折り筋が施される。このとき、位置決め部材201,202と押え部材203,204との間では折りナイフ205によって持ち上げられた記録材に合わせて記録材が移動できるようになっている。その後、折りナイフ205、押え部材203,204が下がることで、記録材には所定位置に折り筋が付けられた状態で残り、この折り筋が付けられた記録材が下流側に搬送されるようになる。ここでは、記録材を上方に持ち上げるようにして折り筋を付ける態様を示したが、例えば折りナイフ205を下方に下げて記録材に下向きの折り筋を付けるようにすることもできる。
【0030】
図9は端綴じ装置300の概要を示すもので、複数枚の記録材を整合して揃えるために記録材が後端基準で揃えられるように記録材を載せる整合トレイ301、この整合トレイ301上で揃えられた記録材束に対し綴じ針で端綴じを行う端綴じ具(ステープラ)302、整合トレイ301に沿って記録材を端綴じ具302側に寄せる二つのパドル303,304、整合トレイ301上の記録材に対しその幅方向を叩いて揃えるタンパ305、折り筋装置200を通過した記録材を整合トレイ301に向かって搬送する搬送ロール306、端綴じされた記録材束を挟んで下流側に排出する接離可能な排出ロール307(307a、307b)等で構成されている。
【0031】
端綴じ装置300では、折り筋装置200にて折り筋が付けられた記録材若しくは折り筋が付けられなかった記録材が搬送ロール306にて整合トレイ301側に搬送されるようになる。このとき、排出ロール307の上部のロール部材307bやパドル304が上方に持ち上げられた状態となっているため、記録材はそのまま排出ロール307側に向かって搬送され、搬送された記録材の後端が搬送ロール306を通過すると、その後端側が整合トレイ301上に落下する。そこで、パドル304が下方に移動し、記録材を端綴じ具302側に寄せることで、もう一方のパドル303も作用し、両方のパドル303,304にて記録材は端綴じ具302側にその後端基準で揃えられるようになる。更に、タンパ305によって幅方向が揃えられることで、記録材はその後端基準で搬送方向及び幅方向が揃えられる。このような動作を繰り返すことで、後端基準で揃えられた記録材が積載された記録材束として揃えられるようになる。そして、所定の枚数が揃えられた段階で、端綴じ具302によって端綴じされる。端綴じされた記録材束は、その後、排出ロール307によって挟み込まれて、スタックトレイ60(図5参照)に向かって排出されるようになる。
【0032】
図10は中綴じ装置400の概要を示すもので、中綴じ装置400は、一対の綴じ具である上部綴じ具401と下部綴じ具402とが例えば二組記録材の幅方向に沿って設けられたものとなっている。上部綴じ具401には綴じ針を記録材に向かって打ち込む綴じ部403が設けられる一方、下部綴じ具402には綴じ針を綴じるための対向部材404が設けられている。また、下部綴じ具402の記録材搬送方向下流側には記録材を支持するための延長支持部材402aが設けられ、長い記録材に対しても中綴じ時の姿勢を安定化させるようになっている。
また、上部綴じ具401及び下部綴じ具402は、夫々記録材の幅方向に沿って移動できるように構成されており、綴じ位置を自由に選択できるようになっていると共に、互いに記録材の幅方向端部外へ退避できるようにもなっている。
【0033】
そのため、このような中綴じ装置400では、例えば折り筋装置200によって記録材の搬送方向中央に折り筋が付けられた記録材を端綴じ装置300によって一旦揃え、揃えられた記録材束が排出ロール307によって中綴じ装置400側に搬送される。中綴じ装置400では、所定の位置に配置された上部綴じ具401と下部綴じ具402との間に記録材束が搬送されるようになり、所定の位置で排出ロール307を停止した後、上部綴じ具401と下部綴じ具402との間で綴じ針による中綴じを行う。折り筋が付けられた記録材は、揃える際にも折り筋同士を合わせ易く、また、中綴じも折り筋に合わせて行うことからやり易くなる。
そして、中綴じが行われた記録材束は、上部綴じ具401及び下部綴じ具402が記録材の幅方向端部外に退避することで中綴じ装置400の下方に位置するスタックトレイ60上に落下する。そこで、排出ロール307を回転させて記録材束を搬送してスタックトレイ60上に排出する。
その後、上部綴じ具401及び下部綴じ具402を内側の所定位置に移動させて、次の記録材に対する中綴じを行うようになる。
【0034】
図11は本実施の形態におけるスタックトレイ60を昇降させる昇降機構70を示すもので、スタックトレイ60の記録材幅方向の一端側に対応してスタックトレイ60を昇降させるベルト71が装置筐体41内に縦方向に沿って設けられ、このベルト71に例えばスタックトレイ60の記録材幅方向の一端側が接続されている。ベルト71は、上下に設けられた二つのプーリ72,73に掛け渡され、時計回り、反時計回りのいずれにも回転できるようになっている。そして、このプーリ72,73のうち、例えば上部プーリ72を図示外のモータからの駆動力で回転させることで、スタックトレイ60の昇降動作が行われるようになっている。
【0035】
このような昇降機構70は、装置筐体41の上部から下部に縦に長く設けられるが、例えばベルト71は装置筐体41内の記録材幅方向の端部寄り(例えば図の前面側)を占有するものであり、更に、スタックトレイ60を支持する部材(図示せず)は装置筐体41の外及びその表面近傍を占有するものであるため、装置筐体41内の下部側で中寄りには昇降機構70が占有する領域は殆どない。そのため、装置筐体41内部に大きな保管部42(図5参照)の確保がなされるようになる。
【0036】
―画像形成装置と後処理装置との連結方法―
図12は、本実施の形態における画像形成装置10と後処理装置30との連結方法を示したもので、先ず、(a)に示すように、画像形成装置10の記録材収容部11aに後処理装置30の記録材搬送部50を載せる。その後、記録材搬送部50と画像形成装置10とを結合するために略L字状の連結パーツ47を用い、この連結パーツ47の二箇所の爪部を記録材搬送部50の対応箇所に引っ掛けてセットする。次に、(b)に示すように、連結パーツ47の爪部とは異なる側を画像形成装置10にねじ49を用いて締結することで画像形成装置10に記録材搬送部50を固定する。そして、(c)に示すように、連結パーツ47に設けられた三箇所の突起部471に、後処理装置30の装置本体部40の対応部位に設けられた被係合部411を係合させることで連結がなされる。このとき、連結パーツ47は間隙を保持する部材であるが、兼用される部材であるため保管されず、このとき不要となった間隙間に跨る要素(保持部材)であるスペーサ45や、間隙に対応するための部材である隙間カバー46は装置本体部40の中の保管部42内に保管された状態で装置本体部40が画像形成装置10に連結されるようになる。
【0037】
本実施の形態では、図2に示すように、画像形成装置10の記録材収容部11aの横方向長さがL1であることから、画像形成装置10の側方に後処理装置30を配置する際、両者間に間隙が生じる虞がなく、横方向長さが短いものに比べ、専用の保持部材(本例ではスペーサ45)を必要としない。そのため、後処理装置30の保管部42には他の画像形成装置の場合に用いられるこれらの部材が保管された状態となっている。
また、本実施の形態の記録材処理装置としては、画像形成装置10に後処理装置30が配置されると、画像形成装置10で画像が形成された記録材は後処理装置30側へ向かって排出されるか、あるいは、後処理装置30の記録材搬送部50の上面に排出されるようになる。
【0038】
ここで、スペーサ45の役割について詳述する。図13(a)及び(b)は記録材収容部の横方向長さが異なる画像形成装置10,20の側方に後処理装置30を配置する様子を模式的に示したもので、連結パーツ47を用いて記録材搬送部50を画像形成装置10,20に結合し、更に、この連結パーツ47の突起部471に装置本体部40の被係合部411を係合させて連結することを表した模式図である。そして、(a)では記録材収容部の横方向長さがL1であり、後処理装置30の装置本体部40との間に間隙が生じない例を示し、(b)では記録材収容部の横方向長さがL2(L1>L2)であり、後処理装置30の装置本体部40との間に隙間を生じている例を示している。
【0039】
(a)では、間隙dがないことから、連結パーツ47を画像形成装置10に固定する場合、直接ねじ49を用いて固定することでなされるが、(b)のように間隙dがある場合、同じ連結パーツ47を用いると、この連結パーツ47を画像形成装置20に固定することができなくなる。そのため、スペーサ45を用いて、このスペーサ45を先に画像形成装置20にねじ込み等で固定し、その後連結パーツ47を装着してスペーサ45に対してねじ49を用いて固定するようにしている。
したがって、(a)では、間隙dがないことから、連結パーツ47を直接画像形成装置10に固定することができる。一方、(b)では、同じ連結パーツ47を用いると、間隙dに相当する空間が画像形成装置20と連結パーツ47との間に発生するため、連結パーツ47をそのままでは画像形成装置20に固定することができず、スペーサ45を介して固定する必要があり、このようなスペーサ45が重要な保持部材となる。
【0040】
◎実施の形態2
図14は記録材処理装置の実施の形態2を示す。本実施の形態は、実施の形態1で用いた画像形成装置10と異なる種類の画像形成装置20を用いた点が実施の形態1と異なり、具体的には後述する記録材収容部21aの横方向長さがL2(<L1)と実施の形態1より短くなっている。そのため、本実施の形態では画像形成装置20に後処理装置30を配置すると、両者間に間隙が発生するようになり、この間隙を覆うための隙間カバー46も取り付けられている。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明を省略する。
【0041】
図14において、記録材処理装置は、画像形成装置20の側方に後処理装置30が配置されたもので、位置決めのために両者間は連結されたものとなっている。画像形成装置20の装置筐体21の上面の一部に対して後処理装置30側に向かって延びるように設けられ且つ画像形成装置20から排出される記録材が積載収容可能な記録材収容部21aが形成されており、この記録材収容部21a上面の横方向長さがL2(<L1)のものとなっている。そのため、この画像形成装置20に対して後処理装置30を隣接配置すると、記録材収容部21a上面に対して後処理装置30の記録材搬送部50が配置され、画像形成装置20と後処理装置30の装置本体部40の装置筐体41との間に間隙が生じた状態で配置されるようになっている。そして、この間隙を覆うように画像形成装置20と装置筐体41との間に隙間カバー46が取り付けられている。また、装置筐体21の上部には画像読取部22が取り付けられている。
【0042】
本実施の形態の画像形成装置20は、図15に示すように、例えばモノクロ用画像形成装置であって、装置筐体21内の下方に設けられた記録材供給部23(23a〜23d)から供給された記録材に対し、作像部24にて形成したモノクロ画像を転写させ、定着した後、記録材収容部21a上に排出収容するようにしたものとなっている。そして、本実施の形態の画像形成装置20では、記録材収容部21aへ記録材を排出する排出口として上下二箇所の排出口28(28a,28b)を有しており、この下側の排出口28aに合わせて後処理装置30の記録材搬送部50が配置されるようになっている。
【0043】
そのため、本実施の形態では、画像形成装置20に後処理装置30を隣接配置するに際し、後述する保持部材等が使用されていることから、後処理装置30の装置本体部40内の保管部42にはこのような部材は保管されておらず、収納容器48(図6参照)のみが置かれた状態となっている。
【0044】
―画像形成装置と後処理装置との連結方法―
図16及び図17は、本実施の形態での画像形成装置20と後処理装置30との連結方法を示したものである。先ず、図16(a)に示すように、画像形成装置20と装置本体部40との間隙を埋めるために保持部材であるスペーサ45を用い、このスペーサ45を画像形成装置20の側方(装置本体部40側)の二箇所に締結する。尚、ここでは、スペーサ45を分かり易くするため大きなサイズで示している。次に、(b)に示すように、画像形成装置20の記録材収容部21aに後処理装置30の記録材搬送部50を載せ、記録材搬送部50と画像形成装置20とを連結するために略L字状の連結パーツ47を用い、この連結パーツ47の二箇所の爪部を記録材搬送部50の対応箇所に引っ掛けてセットする。次に、(c)に示すように、連結パーツ47の爪部とは異なる側を画像形成装置20に締結したスペーサ45に対してねじ49を用いて締結する。このように、スペーサ45を用いて連結パーツ47を固定することで、連結パーツ47が画像形成装置20にしっかりと固定されるようになる。仮に、スペーサ45を使用しないと、連結パーツ47が画像形成装置20に固定されないようになる。
【0045】
更に、本実施の形態では、画像形成装置20と後処理装置30の装置本体部40との間に間隙ができることから、図17(a)に示すように、間隙を覆う隙間カバー46を取り出し、例えば二つの隙間カバー46(具体的には上部カバー46A及び下部カバー46B)に分離する。そして、(b)に示すように、装置本体部40の所定位置に空けられた隙間に上部カバー46A及び下部カバー46Bを差し込む。このとき、隙間カバー46の夫々の係止爪463が装置本体部40の対応位置に設けられた被係止部412に係止されることで上部カバー46A及び下部カバー46Bが装置本体部40に固定される。そして、(c)に示すように、連結パーツ47に設けられた三箇所の突起部471に、装置本体部40の対応部位に設けられた被係合部411を係合させることで画像形成装置20と後処理装置30との連結がなされる。また、後処理装置30側の隙間カバー46が画像形成装置20側に接近(若しくは接触)し、間隙を覆い隠すようにもなる。
このとき、スペーサ45や隙間カバー46は既に使用されているため、これらの部材が装置本体部40の保管部42内には保管されない状態となる。
【0046】
以上のように、実施の形態1及び実施の形態2では、画像形成装置の記録材収容部の横方向長さが異なるために、これらの画像形成装置に共通の後処理装置30を配置させようとすると間隙が生じる場合にはその間隙に対応する必要がある。そのため、例えば後処理装置30を新規に導入して既設の画像形成装置10又は20に対して配置しようとすると、間隙を保持する保持部材や、その他間隙に対応した部材が新たに必要となったり、あるいは、今まで使用していた保持部材等が不要になったりする。更に、一旦配置した後処理装置30を、他の画像形成装置に改めて配置し直す場合には、改めて保持部材等が必要になることもある。上述の実施の形態では、必要な保持部材等の部材が不使用時には保管部42に保管されることから、適用する画像形成装置が変化したとしても、後処理装置30と画像形成装置との間で間隙を保持する保持部材等を用いることで良好な設置がなされ、特に、利用者による臨機応変の対応が容易になされるようになる。
また、ここでは、画像形成装置として二種類のものを示したが、二種類に限られず、三種類以上あっても夫々の間隙を保持する保持部材等を保管するようにすればよい。
【0047】
更に、上述の実施の形態では、保持部材の一部として兼用の連結パーツ47を用い、間隙がある場合にはスペーサ45を加えるようにしたが、このような保持部材としては各種のものが想定される。例えば図18(a)に示すように、連結パーツ47自体として画像形成装置10,20に合わせた二つの連結パーツ47,47’を準備し、一方は連結パーツ47単品のもの、他方は連結パーツ47とスペーサ45とが一体になった連結パーツ47’の二つの保持部材を用意し、夫々適用する画像形成装置10,20に合わせて使い分けていずれか一方を保管するようにしてもよい。
更にまた、画像形成装置10,20側に被係合部を設け、後処理装置30の装置本体部40側にこの被係合部に係合する突起部を備えるようにして、例えば記録材搬送部50を画像形成装置10,20に先に固定し、隙間がない場合には画像形成装置10に設けられた被係合部に装置本体部40の突起部を直接係合させることで記録材搬送部50と装置本体部40との結合を行い、間隙がある画像形成装置20に対しては、図18(b)に示すようなスペーサ45’(保持部材)を画像形成装置20にねじ等で固定し、このスペーサ45’の被係合部45aに装置本体部40の突起部を係合させるようにしてもよい。
また、例えば隙間カバー46に剛性を持たせ、後処理装置30を画像形成装置20側に移動させる際、後処理装置30(具体的には装置本体部40)に装着した隙間カバー46が画像形成装置20側に係合するようにして、画像形成装置20と後処理装置30との位置関係を保持するようにしても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を具現化する実施の形態の代表モデルに係る後処理装置を示す説明図であり、(a)は装置構成、(b)及び(c)は画像形成装置と結合した例を示す。
【図2】実施の形態1に係る記録材処理装置の概要を示す説明図である。
【図3】実施の形態1の画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図4】後処理装置の外観を示す斜視図である。
【図5】後処理装置の概要を示す説明図である。
【図6】保管部の様子を示す説明図である。
【図7】(a)(b)は穿孔装置の概要を示す説明図である。
【図8】(a)(b)は折り筋装置の概要を示す説明図である。
【図9】端綴じ装置の概要を示す説明図である。
【図10】中綴じ装置の概要を示す説明図である。
【図11】後処理装置の昇降機構を示す説明図である。
【図12】(a)〜(c)は実施の形態1での画像形成装置と後処理装置との連結方法を示す説明図である。
【図13】(a)(b)は画像形成装置と後処理装置との間隙の有無によるスペーサの役割を示す説明図であり、(a)は間隙がない場合、(b)は間隙がある場合を示す。
【図14】実施の形態2に係る記録材処理装置の概要を示す説明図である。
【図15】実施の形態2の画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図16】(a)〜(c)は実施の形態2での画像形成装置と後処理装置との連結方法の一部を示す説明図である。
【図17】(a)〜(c)は実施の形態2での画像形成装置と後処理装置との連結方法の残りを示す説明図である。
【図18】保持部材の変形例を示すもので、(a)は連結パーツを異なる態様とした例であり、(b)はスペーサの変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1(1A,1B)…画像形成装置,1a…画像形成装置筐体,1b…記録材収容部,2…後処理装置,3…装置筐体,4…後処理部,5…記録材搬送部,6…保持部材,7…保管部
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置及びこれを用いた記録材処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電子写真方式等の画像形成装置の側方に、例えば画像が形成された記録材に綴じ処理等の後処理を施す後処理装置を配置する際、標準化された後処理装置を各種サイズの画像形成装置に対して設置するには、夫々の画像形成装置と標準化された後処理装置との間に隙間が生じたときにこの隙間を埋める専用の保持部材が必要となる。そのため、等に、画像形成装置を交換する場合に、部材の過不足をなくすには保持部材を後処理装置と一体的に保管することが望まれている。
【0003】
一方、特許文献1にはプリンタのマニュアルをプリンタに対し一体的に保管するため、プリンタにマニュアル保管用の引出トレイを設け、プリンタ使用時にはいつでもマニュアルの内容確認がなされるようにした構成のものが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−220741号公報(発明の実施の形態、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、標準化された後処理装置を複数種の画像形成装置に対して設置するに際し、前記複数種のうちいずれの画像形成装置に対して行う場合にも必要な部材の不足を生じることなく、良好な設置がなされるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、画像形成装置筐体内に画像形成部を内蔵した画像形成装置の側方に隣接して配置され、画像形成装置から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置であって、後処理部が内蔵され且つ画像形成装置筐体の側方に隣接して配置される装置筐体と、この装置筐体から画像形成装置筐体側に向かって横方向に延び且つ画像形成装置筐体から排出された記録材を装置筐体内に導く記録材搬送部と、画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との位置関係を保持する保持部材と、装置筐体内の後処理部の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に前記保持部材の全部又は保持部材のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部とを備える後処理装置である。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る後処理装置において、前記装置筐体内には、その上方側に後処理部を配置すると共にこの後処理部より下方側に前記保管部を配置するようにした後処理装置である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る後処理装置において、前記装置筐体には、内部に前記後処理部と前記保管部との間を仕切る仕切部が設けられている後処理装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る後処理装置において、前記装置筐体には、画像形成装置筐体に隣接する面に前記保管部へ繋がる開閉扉が設けられている後処理装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに係る後処理装置において、前記装置筐体には、前記保管部に保管された保持部材が外部から視認できる窓が設けられている後処理装置である。
【0008】
請求項6に係る発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置と、この画像形成装置の側方に隣接して配置され、画像形成装置から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置とを備え、前記画像形成装置は、記録材に対し画像を形成する画像形成部と、この画像形成部が内蔵される画像形成装置筐体と、この画像形成装置筐体の一部に少なくとも後処理装置側の側方に開口する凹所が設けられ且つ後処理装置不使用時には前記凹所に画像形成部で画像が形成された記録材が排出収容される記録材収容部とを有し、前記後処理装置は、後処理部が内蔵され且つ画像形成装置筐体の側方に隣接して配置される装置筐体と、この装置筐体から前記凹所に沿って延び且つ画像形成装置から排出された記録材を装置筐体内に導く記録材搬送部と、画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との位置関係を保持する保持部材と、装置筐体内の後処理部の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に前記保持部材の全部又は保持部材のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部とを有する記録材処理装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、標準化された後処理装置を複数種の画像形成装置に対して設置するに際し、前記複数種のうちいずれの画像形成装置に対して行う場合にも必要な部材の不足を生じることなく、良好に設置を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比して、広い保管部の確保が可能になる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比して、利用者に対する安全性を高めることができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比して、簡単な構成でありながら、利用者の安全性及び保持部材の保管性をより一層高めることができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比して、保持部材の保管状態が一目で確認できるようになる。
請求項6に係る発明によれば、標準化された後処理装置を複数種の画像形成装置に対して設置するに際し、前記複数種のうちいずれの画像形成装置に対して行う場合にも必要な部材の不足を生じることなく、良好に設置を行うことができる記録材処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
先ず、本発明が適用される実施の形態の概要について説明する。
◎実施の形態の概要
図1(a)〜(c)は本発明を具現化する実施の形態の代表モデルに係る後処理装置の概要を示す。ここで、(a)は後処理装置であり、(b)及び(c)は後処理装置が異なる種類の画像形成装置に隣接して配置された記録材処理装置を表している。
同図において、後処理装置2は、画像形成装置筐体1a内に画像形成部を内蔵した画像形成装置1(例えば1A,1B)の側方に隣接して配置され、画像形成装置1から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置2であって、後処理部4が内蔵され且つ画像形成装置筐体1aの側方に隣接して配置される装置筐体3と、この装置筐体3から画像形成装置筐体1a側に向かって横方向に延び且つ画像形成装置筐体1aから排出された記録材を装置筐体3内に導く記録材搬送部5と、画像形成装置筐体1a(本例では画像形成装置1Bの筐体)と装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体1aと装置筐体3との位置関係を保持する保持部材6と、装置筐体3内の後処理部4の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体1a(本例では画像形成装置1Aの筐体)と装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に保持部材6の全部又は保持部材6のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部7とを備えている。
【0011】
ここで、「間隙間に跨る」とは、双方の筐体(画像形成装置筐体1a及び装置筐体3)に拘わっている態様を意味し、間隙間で筐体に接触した状態や間隙を越えた状態を意味する。
また、後処理装置2としては、記録材搬送部5及び後処理部4が内蔵された装置筐体3を有する装置本体部を具備するものであればよく、後処理部4が更に記録材搬送部5にも設けられていてもよい。更に、後処理部4の処理としては画像形成装置1から排出された記録材に対する処理が可能なものであればよく、代表的には綴じ処理、折り処理が挙げられるが、例えばソータのような排出先処理を行うようなものであってもよい。更にまた、この後処理装置2が配置される画像形成装置1の種類は後処理装置2との間に発生する間隙の状態が二種類以上できるものであればよく、間隙が生成されないものを含む二種類以上であってもよいし、あるいは、単に、間隙が生成され且つその間隙が互いに異なるものであってもよいが、代表的には間隙が生成されないものを含む態様が挙げられ、画像形成装置1としては例えばカラー用画像形成装置とモノクロ用画像形成装置の二種のものが挙げられる。
【0012】
そして、後処理装置2を画像形成装置1に配置するための保持部材6としては、画像形成装置筐体1aと装置筐体3との位置関係を保持するものであればよく、専用連結具や連結具の一部を構成する要素等が挙げられる。このような部材は画像形成装置1毎に専用の部材を用いるようにしてもよいし、一部を兼用する構成のものであっても差し支えない。そのため、保管部7に保管される保持部材6としては、例えば専用の部材にあっては不使用の部材であり、また、一部を兼用する構成の場合には兼用しない部材(間隙間に跨る要素)が相当する。また、このような保持部材6が保管される保管部7には保持部材6以外の部材を共に保管することは差し支えなく、例えば間隙を隠す隙間カバーを保管部7に保管してもよいし、追加装置として新たな装置を記録材の搬送路に追加した場合には、取り外した搬送路の部材を保管部7にて保管するようにしてもよい。そして、例えば隙間カバーの剛性を高め、このような隙間カバーにて装置筐体間(1aと3との間)の位置関係を保つようにする態様にあっては、このような隙間カバーが保持部材6となることは言うまでもない。
【0013】
更に、装置筐体3は、画像形成装置筐体1aに隣接して配置されるもので、上下方向に延びる筐体で主に構成されていればよく、例えば装置設置面から上方に向かって延びる筐体であってもよいし、装置筐体3の底面側に設置面との間に例えば受け台を設けるようにしたものであってもよい。
また、保管部7として大きなスペースを確保する観点から、装置筐体3内には、その上方側に後処理部4を配置すると共にこの後処理部4より下方側に保管部7を配置することが好ましい。このとき、例えば追加装置として各種の後処理部4を含む装置を更に備える場合、装置筐体3の外側にこのような追加装置を連結するようにしても差し支えない。
【0014】
更に、利用者の安全性を高めるために保管部7側から後処理部4側へ接触できないようにする観点から、装置筐体3には、内部に後処理部4と保管部7との間を仕切る仕切部を設けることが好ましい。このような仕切部としては、両者間を完全に仕切るものであってもよいし、利用者の手が挿入できないような間隙が設けられていてもよく、その形状は特に限定されない。
【0015】
また、簡単な構成で、利用者の安全性をより一層高める観点から、装置筐体3には、画像形成装置1の側方に隣接配置された場合に画像形成装置1に隣接する面に保管部7へ繋がる開閉扉が設けられることが好ましい。これによれば、後処理装置2を画像形成装置1に対して設置すると、設置後には開閉扉を開けることができなくなり、利用者の保管部7への侵入を阻止できるようになると共に保管部7に保管された保持部材6を紛失する虞もなくなる。尚、保管部7に保管された保持部材6を取り出すには、後処理装置2が画像形成装置1から離間した状態で行えばよい。
【0016】
更にまた、保管部7に保管されている保持部材6を容易に確認する観点から、装置筐体3には、保管部7に保管された保持部材6が外部から視認できる窓が設けられていることが好ましい。このような窓としては単なる開口や開口に透明部材を設けたもの等がよく、単なる開口の場合には手が挿入できないようなスリット状になっている方がよい。
【0017】
また、このような後処理装置2を用いた記録材処理装置としては、次のようにすればよい。すなわち、記録材に画像を形成する画像形成装置1と、この画像形成装置1の側方に隣接して配置され、画像形成装置1から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置2とを備え、画像形成装置1は、記録材に対し画像を形成する画像形成部と、この画像形成部が内蔵される画像形成装置筐体1aと、この画像形成装置筐体1aの一部に少なくとも後処理装置2側の側方に開口する凹所が設けられ且つ後処理装置2不使用時には前記凹所に画像形成部で画像が形成された記録材が排出収容される記録材収容部1bとを有し、後処理装置2は、後処理部4が内蔵され且つ画像形成装置筐体1aの側方に隣接して配置される装置筐体3と、この装置筐体3から前記凹所に沿って延び且つ画像形成装置1から排出された記録材を装置筐体3内に導く記録材搬送部5と、画像形成装置筐体1aと装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体1aと装置筐体3との位置関係を保持する保持部材6と、装置筐体3内の後処理部4の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体1aと装置筐体3との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に保持部材6の全部又は保持部材6のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部7とを有するようにすればよい。
【0018】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、記録材処理装置の実施の形態1を示す。同図において、記録材処理装置は、画像形成装置10の側方に後処理装置30が配置された構成のもので、位置決めのために両者間は連結されたものとなっている。画像形成装置10の画像形成装置筐体11の上面の一部に対して後処理装置30側に向かって延びるように設けられ且つ画像形成装置10から排出される記録材が積載収容可能な記録材収容部11aが形成されており、この記録材収容部11a上面の横方向長さがL1のものとなっている。このような画像形成装置10に対して後処理装置30を設置する場合、画像形成装置10の記録材収容部11a上面に対応して後処理装置30の記録材搬送部50が配置され、画像形成装置10の画像形成装置筐体11と後処理装置30の装置本体部40の装置筐体41との間に間隙がない(予め決められた以上の間隙がない)状態で配置されるようになっている。尚、図中符号12は、画像形成装置10の画像形成装置筐体11の上部に設けられた画像読取部であり、記録材収容部11a上面から空間を隔てて設置されることで、記録材収容部11aへの記録材の排出収容に支障がないようになっている。
【0019】
本実施の形態の画像形成装置10は、図3に示すように、例えばフルカラー用画像形成装置であって、画像形成装置筐体11内の下方に設けられた記録材供給部13(13a〜13d)から供給された記録材に対し、作像部14にて形成したカラー画像を転写させ、定着した後、記録材収容部11a上に排出収容するようにしたものとなっている。作像部14は四色(例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像を夫々の作像ユニット15(15a〜15d)にて形成し、中間転写体16上に順次転写することで多重化させ、中間転写体16上で多重化されたトナー像が記録材上に一括転写されるようになっている。そして、本実施の形態の画像形成装置10では、記録材収容部11aへ記録材を排出する排出口として上下二箇所の排出口18(18a,18b)が設けられており、このうち下側の排出口18aに対応して後処理装置30の記録材搬送部50が装着されるようになっている。
【0020】
一方、後処理装置30は、図4の斜視図に示すように、後述する後処理部が内蔵され画像形成装置10の側方に隣接して配置される装置筐体41(装置本体部40の筐体)と、装置筐体41から画像形成装置10側に向かって横方向に延びて画像形成装置10から排出された記録材を装置本体部40に導く記録材搬送部50とで構成されており、更に、装置本体部40の上部後方に、追加装置として記録材束の中綴じ処理を行う中綴じ装置400が装着されたものとなっている。
【0021】
そして、図5に示すように、記録材搬送部50は、筐体51内部に記録材を搬送する搬送路52を有し、この搬送路52には記録材を搬送するための搬送ロール53等が適宜配置されている。また、本実施の形態では搬送路52の途中に、記録材への後処理として穿孔処理を行う穿孔装置(パンチャ)100が搭載されている。
【0022】
また、装置本体部40は、装置筐体41内の上部に記録材への後処理として折り筋を付ける折り筋装置200、記録材を積載して揃え、揃えられた記録材束に端綴じ処理を行う端綴じ装置300が配置されている。また、装置筐体41の側方には、例えば端綴じ装置300にて端綴じ処理が行われた記録材束を収容するスタックトレイ60が設けられ、装置筐体41に沿って昇降できるようになっている。そのため、装置筐体41内にはスタックトレイ60を昇降させる昇降機構70が設けられている。そして、本実施の形態では装置筐体41内の下方に広い空間を占有する保管部42(図中二点鎖線で示す領域)が設けられており、この中に後述する保持部材が保管できるようになっている。尚、保管部42の上部には、仕切部としての仕切板41bが取り付けられており、保管部42側から例えば端綴じ装置300側に手が触れないようになっている。
【0023】
ここで、保管部42を設ける背景について説明する。後処理装置30としては、画像形成装置10から排出される記録材の排出位置高さに合わせて記録材搬送部50が配置され、この記録材搬送部50を通過した記録材に対する後処理を行うことから、各後処理部は一般的に設置面から高い位置にある。また、スタックトレイ60での記録材の収容量を増やすには、後処理部にて後処理された記録材の排出位置も高くする方が好適となる。そのため、後処理装置30の装置本体部40の下方には内部に配置する必要のある部材が少なく、広い空間を確保し易くなっている。一方、装置本体部40は後処理部の重量を支え、更に、利用者による設置時の安全性や容易性を考慮すると可搬型が好適であり、装置筐体41が上方に向かって延びる形状となる。したがって、装置本体部40の下方に広い空間を有する保管部42を確保することが可能になる。
更に、利用者が後処理装置30を他の画像形成装置に適用しようとすると、装置間を連結する保持部材が必要になる。そのため、後処理装置30が対応可能な画像形成装置に対して必要となる保持部材を後処理装置30に保管しておけば、利用者による装置交換が部材の過不足を生じること無く、容易になされるようになる。
尚、広い空間の保管部42を備えることで、ここに利用者が必要とする部材を保管することも容易になる。
【0024】
このような装置本体部40にあって、装置筐体41には、更に保管部42内に保管された保持部材が外から視認できるように透明窓43が取り付けられている。また、保管部42への保持部材の出し入れは、本実施の形態では装置筐体41の側壁のうち記録材搬送部50に繋がる側に開閉扉44が設けられており、後処理装置30が設置された場合には開閉扉44が開かないようになっている。この場合、保管部42に保管された保持部材などがあっても一旦設置された後処理装置30からは取り出すことができず、却って保管された保持部材などを紛失する虞がない。尚、ここでは、保管部42内を視認するために透明窓43を用いるようにしたが、例えば保管部42内が視認できる程度のスリットが空けられたものであってもよく、また、開閉扉44を他の側壁側に設けるようにしてもよい。
そして、本実施の形態では装置筐体41の上部には、記録材搬送部50に繋がる接続筐体41aが一部突出するように設けられており、記録材搬送部50からの記録材が装置本体部40に良好に搬送されるようになっている。
【0025】
図6は、本実施の形態における保管部42の様子を示すもので、保持部材等が保管された状態となっており、保持部材としては、画像形成装置筐体と装置本体部40の装置筐体41との間隙を保持する際に使用する部材で、記録材搬送部50を画像形成装置に取り付ける際に使用するスペーサ45(保持部材を構成し間隙間に跨る要素に相当するもの)を例えばポリ袋80に入れ、これらの保持部材が収容できるような溝48a〜48cが設けられた収納容器48中に収納している。また、本実施の形態では、間隙に対応する部材として、間隙ができた場合にその間隙を覆う隙間カバー46も収納容器48中に収納している。隙間カバー46は、本例では二分割(46A及び46B)のものを重ねた状態で収納している。そして、これらの部材が収納容器48に収納された状態で、収納容器48ごと保管部42に保管されるようになっており、収納容器48は保管部42では固定されるようになっている。収納容器48は、例えば発泡体に溝48a〜48cが形成されたもので、溝48aにはスペーサ45が入ったポリ袋80が挿入され、溝48bには隙間カバー46がそのまま立てた状態で挿入される。尚、本例では、収納容器48に更に溝48cが形成されており、この溝48cには利用者が他の保管したい部材を保管できるようになっている。また、収納容器48はこれに限られず、例えば角型容器に保持部材を収納するようにしても差し支えない。
【0026】
隙間カバー46は、上部カバー46Aと下部カバー46Bとに分割されており、例えば上部カバー46Aの突起461を下部カバー46Bの凹部462とを嵌め合わせた状態で重ねるようになっている。また、隙間カバー46には夫々上下二箇所に係止爪463が設けられ、装置本体部40に差し込んだ状態で係止爪463が係止されることで隙間カバー46が止められるようになっている。尚、スペーサ45や隙間カバー46の使用方法については後述する実施の形態2にて説明する。
【0027】
次に、後処理装置30に設けられた後処理部としての夫々の装置の概略を説明する。
図7(a)及び(b)は穿孔装置100の部分拡大図を示すもので、(a)は穿孔前の状態を示し、(b)は穿孔中の状態を示す。穿孔装置100は、記録材の搬送方向に交差する幅方向に亘って複数のパンチピン101が並んで配置されており、選択されたパンチピン101による記録材への穴空けがなされるようになっている。パンチピン101にはスタッド102が取り付けられており、支持点を中心に揺動するセクターギア103に空けられた溝104にこのスタッド102が挿入されている。また、セクターギア103の歯は棒状部材105に形成されたラックと噛合するようになっており、図示外のモータ等によって棒状部材105が矢印方向に移動することでパンチピン101が下方に移動して、記録材に穴が空けられるようになる。そして、穴空けするパンチピン101を適宜選択することで、例えば二穴や四穴等の穴空けがなされるようになる。尚、このとき、セクターギア103に設けられた溝104の形状は、セクターギア103の揺動によってパンチピン101が図の上下方向に沿って移動できるように形成されている。
【0028】
また、図8(a)及び(b)は折り筋装置200の動作を示すもので、(a)は記録材に折り筋を付ける前の状態を示し、(b)は記録材に折り筋を付けている状態を示す。折り筋装置200は、上部に固定配置された二つの位置決め部材201,202を有し、この位置決め部材201,202間を折り溝としたもので、位置決め部材201,202の下方には記録材を位置決め部材201,202との間で所定の押圧力で押え込む押え部材203,204が設けられ、夫々位置決め部材201,202に向かって進退できるようになっている。また、折り溝に対応する位置には、記録材に折り筋を付けるための折りナイフ205が設けられ、折り溝に向かって進退できるようになっている。
【0029】
このような折り筋装置200では、記録材が搬送されると予め決められた所定の位置で記録材が停止し、押え部材203,204が上方に移動して記録材を押え込むと共に、折りナイフ205が上方に移動することで記録材は折りナイフ205の先端部位から上方に持ち上げられる一方、押え部材203,204によって押えられていることから、折りナイフ205の先端部位に対応する位置に記録材の折り筋が施される。このとき、位置決め部材201,202と押え部材203,204との間では折りナイフ205によって持ち上げられた記録材に合わせて記録材が移動できるようになっている。その後、折りナイフ205、押え部材203,204が下がることで、記録材には所定位置に折り筋が付けられた状態で残り、この折り筋が付けられた記録材が下流側に搬送されるようになる。ここでは、記録材を上方に持ち上げるようにして折り筋を付ける態様を示したが、例えば折りナイフ205を下方に下げて記録材に下向きの折り筋を付けるようにすることもできる。
【0030】
図9は端綴じ装置300の概要を示すもので、複数枚の記録材を整合して揃えるために記録材が後端基準で揃えられるように記録材を載せる整合トレイ301、この整合トレイ301上で揃えられた記録材束に対し綴じ針で端綴じを行う端綴じ具(ステープラ)302、整合トレイ301に沿って記録材を端綴じ具302側に寄せる二つのパドル303,304、整合トレイ301上の記録材に対しその幅方向を叩いて揃えるタンパ305、折り筋装置200を通過した記録材を整合トレイ301に向かって搬送する搬送ロール306、端綴じされた記録材束を挟んで下流側に排出する接離可能な排出ロール307(307a、307b)等で構成されている。
【0031】
端綴じ装置300では、折り筋装置200にて折り筋が付けられた記録材若しくは折り筋が付けられなかった記録材が搬送ロール306にて整合トレイ301側に搬送されるようになる。このとき、排出ロール307の上部のロール部材307bやパドル304が上方に持ち上げられた状態となっているため、記録材はそのまま排出ロール307側に向かって搬送され、搬送された記録材の後端が搬送ロール306を通過すると、その後端側が整合トレイ301上に落下する。そこで、パドル304が下方に移動し、記録材を端綴じ具302側に寄せることで、もう一方のパドル303も作用し、両方のパドル303,304にて記録材は端綴じ具302側にその後端基準で揃えられるようになる。更に、タンパ305によって幅方向が揃えられることで、記録材はその後端基準で搬送方向及び幅方向が揃えられる。このような動作を繰り返すことで、後端基準で揃えられた記録材が積載された記録材束として揃えられるようになる。そして、所定の枚数が揃えられた段階で、端綴じ具302によって端綴じされる。端綴じされた記録材束は、その後、排出ロール307によって挟み込まれて、スタックトレイ60(図5参照)に向かって排出されるようになる。
【0032】
図10は中綴じ装置400の概要を示すもので、中綴じ装置400は、一対の綴じ具である上部綴じ具401と下部綴じ具402とが例えば二組記録材の幅方向に沿って設けられたものとなっている。上部綴じ具401には綴じ針を記録材に向かって打ち込む綴じ部403が設けられる一方、下部綴じ具402には綴じ針を綴じるための対向部材404が設けられている。また、下部綴じ具402の記録材搬送方向下流側には記録材を支持するための延長支持部材402aが設けられ、長い記録材に対しても中綴じ時の姿勢を安定化させるようになっている。
また、上部綴じ具401及び下部綴じ具402は、夫々記録材の幅方向に沿って移動できるように構成されており、綴じ位置を自由に選択できるようになっていると共に、互いに記録材の幅方向端部外へ退避できるようにもなっている。
【0033】
そのため、このような中綴じ装置400では、例えば折り筋装置200によって記録材の搬送方向中央に折り筋が付けられた記録材を端綴じ装置300によって一旦揃え、揃えられた記録材束が排出ロール307によって中綴じ装置400側に搬送される。中綴じ装置400では、所定の位置に配置された上部綴じ具401と下部綴じ具402との間に記録材束が搬送されるようになり、所定の位置で排出ロール307を停止した後、上部綴じ具401と下部綴じ具402との間で綴じ針による中綴じを行う。折り筋が付けられた記録材は、揃える際にも折り筋同士を合わせ易く、また、中綴じも折り筋に合わせて行うことからやり易くなる。
そして、中綴じが行われた記録材束は、上部綴じ具401及び下部綴じ具402が記録材の幅方向端部外に退避することで中綴じ装置400の下方に位置するスタックトレイ60上に落下する。そこで、排出ロール307を回転させて記録材束を搬送してスタックトレイ60上に排出する。
その後、上部綴じ具401及び下部綴じ具402を内側の所定位置に移動させて、次の記録材に対する中綴じを行うようになる。
【0034】
図11は本実施の形態におけるスタックトレイ60を昇降させる昇降機構70を示すもので、スタックトレイ60の記録材幅方向の一端側に対応してスタックトレイ60を昇降させるベルト71が装置筐体41内に縦方向に沿って設けられ、このベルト71に例えばスタックトレイ60の記録材幅方向の一端側が接続されている。ベルト71は、上下に設けられた二つのプーリ72,73に掛け渡され、時計回り、反時計回りのいずれにも回転できるようになっている。そして、このプーリ72,73のうち、例えば上部プーリ72を図示外のモータからの駆動力で回転させることで、スタックトレイ60の昇降動作が行われるようになっている。
【0035】
このような昇降機構70は、装置筐体41の上部から下部に縦に長く設けられるが、例えばベルト71は装置筐体41内の記録材幅方向の端部寄り(例えば図の前面側)を占有するものであり、更に、スタックトレイ60を支持する部材(図示せず)は装置筐体41の外及びその表面近傍を占有するものであるため、装置筐体41内の下部側で中寄りには昇降機構70が占有する領域は殆どない。そのため、装置筐体41内部に大きな保管部42(図5参照)の確保がなされるようになる。
【0036】
―画像形成装置と後処理装置との連結方法―
図12は、本実施の形態における画像形成装置10と後処理装置30との連結方法を示したもので、先ず、(a)に示すように、画像形成装置10の記録材収容部11aに後処理装置30の記録材搬送部50を載せる。その後、記録材搬送部50と画像形成装置10とを結合するために略L字状の連結パーツ47を用い、この連結パーツ47の二箇所の爪部を記録材搬送部50の対応箇所に引っ掛けてセットする。次に、(b)に示すように、連結パーツ47の爪部とは異なる側を画像形成装置10にねじ49を用いて締結することで画像形成装置10に記録材搬送部50を固定する。そして、(c)に示すように、連結パーツ47に設けられた三箇所の突起部471に、後処理装置30の装置本体部40の対応部位に設けられた被係合部411を係合させることで連結がなされる。このとき、連結パーツ47は間隙を保持する部材であるが、兼用される部材であるため保管されず、このとき不要となった間隙間に跨る要素(保持部材)であるスペーサ45や、間隙に対応するための部材である隙間カバー46は装置本体部40の中の保管部42内に保管された状態で装置本体部40が画像形成装置10に連結されるようになる。
【0037】
本実施の形態では、図2に示すように、画像形成装置10の記録材収容部11aの横方向長さがL1であることから、画像形成装置10の側方に後処理装置30を配置する際、両者間に間隙が生じる虞がなく、横方向長さが短いものに比べ、専用の保持部材(本例ではスペーサ45)を必要としない。そのため、後処理装置30の保管部42には他の画像形成装置の場合に用いられるこれらの部材が保管された状態となっている。
また、本実施の形態の記録材処理装置としては、画像形成装置10に後処理装置30が配置されると、画像形成装置10で画像が形成された記録材は後処理装置30側へ向かって排出されるか、あるいは、後処理装置30の記録材搬送部50の上面に排出されるようになる。
【0038】
ここで、スペーサ45の役割について詳述する。図13(a)及び(b)は記録材収容部の横方向長さが異なる画像形成装置10,20の側方に後処理装置30を配置する様子を模式的に示したもので、連結パーツ47を用いて記録材搬送部50を画像形成装置10,20に結合し、更に、この連結パーツ47の突起部471に装置本体部40の被係合部411を係合させて連結することを表した模式図である。そして、(a)では記録材収容部の横方向長さがL1であり、後処理装置30の装置本体部40との間に間隙が生じない例を示し、(b)では記録材収容部の横方向長さがL2(L1>L2)であり、後処理装置30の装置本体部40との間に隙間を生じている例を示している。
【0039】
(a)では、間隙dがないことから、連結パーツ47を画像形成装置10に固定する場合、直接ねじ49を用いて固定することでなされるが、(b)のように間隙dがある場合、同じ連結パーツ47を用いると、この連結パーツ47を画像形成装置20に固定することができなくなる。そのため、スペーサ45を用いて、このスペーサ45を先に画像形成装置20にねじ込み等で固定し、その後連結パーツ47を装着してスペーサ45に対してねじ49を用いて固定するようにしている。
したがって、(a)では、間隙dがないことから、連結パーツ47を直接画像形成装置10に固定することができる。一方、(b)では、同じ連結パーツ47を用いると、間隙dに相当する空間が画像形成装置20と連結パーツ47との間に発生するため、連結パーツ47をそのままでは画像形成装置20に固定することができず、スペーサ45を介して固定する必要があり、このようなスペーサ45が重要な保持部材となる。
【0040】
◎実施の形態2
図14は記録材処理装置の実施の形態2を示す。本実施の形態は、実施の形態1で用いた画像形成装置10と異なる種類の画像形成装置20を用いた点が実施の形態1と異なり、具体的には後述する記録材収容部21aの横方向長さがL2(<L1)と実施の形態1より短くなっている。そのため、本実施の形態では画像形成装置20に後処理装置30を配置すると、両者間に間隙が発生するようになり、この間隙を覆うための隙間カバー46も取り付けられている。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明を省略する。
【0041】
図14において、記録材処理装置は、画像形成装置20の側方に後処理装置30が配置されたもので、位置決めのために両者間は連結されたものとなっている。画像形成装置20の装置筐体21の上面の一部に対して後処理装置30側に向かって延びるように設けられ且つ画像形成装置20から排出される記録材が積載収容可能な記録材収容部21aが形成されており、この記録材収容部21a上面の横方向長さがL2(<L1)のものとなっている。そのため、この画像形成装置20に対して後処理装置30を隣接配置すると、記録材収容部21a上面に対して後処理装置30の記録材搬送部50が配置され、画像形成装置20と後処理装置30の装置本体部40の装置筐体41との間に間隙が生じた状態で配置されるようになっている。そして、この間隙を覆うように画像形成装置20と装置筐体41との間に隙間カバー46が取り付けられている。また、装置筐体21の上部には画像読取部22が取り付けられている。
【0042】
本実施の形態の画像形成装置20は、図15に示すように、例えばモノクロ用画像形成装置であって、装置筐体21内の下方に設けられた記録材供給部23(23a〜23d)から供給された記録材に対し、作像部24にて形成したモノクロ画像を転写させ、定着した後、記録材収容部21a上に排出収容するようにしたものとなっている。そして、本実施の形態の画像形成装置20では、記録材収容部21aへ記録材を排出する排出口として上下二箇所の排出口28(28a,28b)を有しており、この下側の排出口28aに合わせて後処理装置30の記録材搬送部50が配置されるようになっている。
【0043】
そのため、本実施の形態では、画像形成装置20に後処理装置30を隣接配置するに際し、後述する保持部材等が使用されていることから、後処理装置30の装置本体部40内の保管部42にはこのような部材は保管されておらず、収納容器48(図6参照)のみが置かれた状態となっている。
【0044】
―画像形成装置と後処理装置との連結方法―
図16及び図17は、本実施の形態での画像形成装置20と後処理装置30との連結方法を示したものである。先ず、図16(a)に示すように、画像形成装置20と装置本体部40との間隙を埋めるために保持部材であるスペーサ45を用い、このスペーサ45を画像形成装置20の側方(装置本体部40側)の二箇所に締結する。尚、ここでは、スペーサ45を分かり易くするため大きなサイズで示している。次に、(b)に示すように、画像形成装置20の記録材収容部21aに後処理装置30の記録材搬送部50を載せ、記録材搬送部50と画像形成装置20とを連結するために略L字状の連結パーツ47を用い、この連結パーツ47の二箇所の爪部を記録材搬送部50の対応箇所に引っ掛けてセットする。次に、(c)に示すように、連結パーツ47の爪部とは異なる側を画像形成装置20に締結したスペーサ45に対してねじ49を用いて締結する。このように、スペーサ45を用いて連結パーツ47を固定することで、連結パーツ47が画像形成装置20にしっかりと固定されるようになる。仮に、スペーサ45を使用しないと、連結パーツ47が画像形成装置20に固定されないようになる。
【0045】
更に、本実施の形態では、画像形成装置20と後処理装置30の装置本体部40との間に間隙ができることから、図17(a)に示すように、間隙を覆う隙間カバー46を取り出し、例えば二つの隙間カバー46(具体的には上部カバー46A及び下部カバー46B)に分離する。そして、(b)に示すように、装置本体部40の所定位置に空けられた隙間に上部カバー46A及び下部カバー46Bを差し込む。このとき、隙間カバー46の夫々の係止爪463が装置本体部40の対応位置に設けられた被係止部412に係止されることで上部カバー46A及び下部カバー46Bが装置本体部40に固定される。そして、(c)に示すように、連結パーツ47に設けられた三箇所の突起部471に、装置本体部40の対応部位に設けられた被係合部411を係合させることで画像形成装置20と後処理装置30との連結がなされる。また、後処理装置30側の隙間カバー46が画像形成装置20側に接近(若しくは接触)し、間隙を覆い隠すようにもなる。
このとき、スペーサ45や隙間カバー46は既に使用されているため、これらの部材が装置本体部40の保管部42内には保管されない状態となる。
【0046】
以上のように、実施の形態1及び実施の形態2では、画像形成装置の記録材収容部の横方向長さが異なるために、これらの画像形成装置に共通の後処理装置30を配置させようとすると間隙が生じる場合にはその間隙に対応する必要がある。そのため、例えば後処理装置30を新規に導入して既設の画像形成装置10又は20に対して配置しようとすると、間隙を保持する保持部材や、その他間隙に対応した部材が新たに必要となったり、あるいは、今まで使用していた保持部材等が不要になったりする。更に、一旦配置した後処理装置30を、他の画像形成装置に改めて配置し直す場合には、改めて保持部材等が必要になることもある。上述の実施の形態では、必要な保持部材等の部材が不使用時には保管部42に保管されることから、適用する画像形成装置が変化したとしても、後処理装置30と画像形成装置との間で間隙を保持する保持部材等を用いることで良好な設置がなされ、特に、利用者による臨機応変の対応が容易になされるようになる。
また、ここでは、画像形成装置として二種類のものを示したが、二種類に限られず、三種類以上あっても夫々の間隙を保持する保持部材等を保管するようにすればよい。
【0047】
更に、上述の実施の形態では、保持部材の一部として兼用の連結パーツ47を用い、間隙がある場合にはスペーサ45を加えるようにしたが、このような保持部材としては各種のものが想定される。例えば図18(a)に示すように、連結パーツ47自体として画像形成装置10,20に合わせた二つの連結パーツ47,47’を準備し、一方は連結パーツ47単品のもの、他方は連結パーツ47とスペーサ45とが一体になった連結パーツ47’の二つの保持部材を用意し、夫々適用する画像形成装置10,20に合わせて使い分けていずれか一方を保管するようにしてもよい。
更にまた、画像形成装置10,20側に被係合部を設け、後処理装置30の装置本体部40側にこの被係合部に係合する突起部を備えるようにして、例えば記録材搬送部50を画像形成装置10,20に先に固定し、隙間がない場合には画像形成装置10に設けられた被係合部に装置本体部40の突起部を直接係合させることで記録材搬送部50と装置本体部40との結合を行い、間隙がある画像形成装置20に対しては、図18(b)に示すようなスペーサ45’(保持部材)を画像形成装置20にねじ等で固定し、このスペーサ45’の被係合部45aに装置本体部40の突起部を係合させるようにしてもよい。
また、例えば隙間カバー46に剛性を持たせ、後処理装置30を画像形成装置20側に移動させる際、後処理装置30(具体的には装置本体部40)に装着した隙間カバー46が画像形成装置20側に係合するようにして、画像形成装置20と後処理装置30との位置関係を保持するようにしても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を具現化する実施の形態の代表モデルに係る後処理装置を示す説明図であり、(a)は装置構成、(b)及び(c)は画像形成装置と結合した例を示す。
【図2】実施の形態1に係る記録材処理装置の概要を示す説明図である。
【図3】実施の形態1の画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図4】後処理装置の外観を示す斜視図である。
【図5】後処理装置の概要を示す説明図である。
【図6】保管部の様子を示す説明図である。
【図7】(a)(b)は穿孔装置の概要を示す説明図である。
【図8】(a)(b)は折り筋装置の概要を示す説明図である。
【図9】端綴じ装置の概要を示す説明図である。
【図10】中綴じ装置の概要を示す説明図である。
【図11】後処理装置の昇降機構を示す説明図である。
【図12】(a)〜(c)は実施の形態1での画像形成装置と後処理装置との連結方法を示す説明図である。
【図13】(a)(b)は画像形成装置と後処理装置との間隙の有無によるスペーサの役割を示す説明図であり、(a)は間隙がない場合、(b)は間隙がある場合を示す。
【図14】実施の形態2に係る記録材処理装置の概要を示す説明図である。
【図15】実施の形態2の画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図16】(a)〜(c)は実施の形態2での画像形成装置と後処理装置との連結方法の一部を示す説明図である。
【図17】(a)〜(c)は実施の形態2での画像形成装置と後処理装置との連結方法の残りを示す説明図である。
【図18】保持部材の変形例を示すもので、(a)は連結パーツを異なる態様とした例であり、(b)はスペーサの変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1(1A,1B)…画像形成装置,1a…画像形成装置筐体,1b…記録材収容部,2…後処理装置,3…装置筐体,4…後処理部,5…記録材搬送部,6…保持部材,7…保管部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置筐体内に画像形成部を内蔵した画像形成装置の側方に隣接して配置され、画像形成装置から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置であって、
後処理部が内蔵され且つ画像形成装置筐体の側方に隣接して配置される装置筐体と、
この装置筐体から画像形成装置筐体側に向かって横方向に延び且つ画像形成装置筐体から排出された記録材を装置筐体内に導く記録材搬送部と、
画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との位置関係を保持する保持部材と、
装置筐体内の後処理部の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に前記保持部材の全部又は保持部材のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部とを備えることを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の後処理装置において、
前記装置筐体内には、その上方側に後処理部を配置すると共にこの後処理部より下方側に前記保管部を配置するようにしたことを特徴とする後処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の後処理装置において、
前記装置筐体には、内部に前記後処理部と前記保管部との間を仕切る仕切部が設けられていることを特徴とする後処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の後処理装置において、
前記装置筐体には、画像形成装置筐体に隣接する面に前記保管部へ繋がる開閉扉が設けられていることを特徴とする後処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の後処理装置において、
前記装置筐体には、前記保管部に保管された保持部材が外部から視認できる窓が設けられていることを特徴とする後処理装置。
【請求項6】
記録材に画像を形成する画像形成装置と、この画像形成装置の側方に隣接して配置され、画像形成装置から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置とを備え、
前記画像形成装置は、
記録材に対し画像を形成する画像形成部と、
この画像形成部が内蔵される画像形成装置筐体と、
この画像形成装置筐体の一部に少なくとも後処理装置側の側方に開口する凹所が設けられ且つ後処理装置不使用時には前記凹所に画像形成部で画像が形成された記録材が排出収容される記録材収容部とを有し、
前記後処理装置は、
後処理部が内蔵され且つ画像形成装置筐体の側方に隣接して配置される装置筐体と、
この装置筐体から前記凹所に沿って延び且つ画像形成装置から排出された記録材を装置筐体内に導く記録材搬送部と、
画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との位置関係を保持する保持部材と、
装置筐体内の後処理部の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に前記保持部材の全部又は保持部材のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部とを有することを特徴とする記録材処理装置。
【請求項1】
画像形成装置筐体内に画像形成部を内蔵した画像形成装置の側方に隣接して配置され、画像形成装置から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置であって、
後処理部が内蔵され且つ画像形成装置筐体の側方に隣接して配置される装置筐体と、
この装置筐体から画像形成装置筐体側に向かって横方向に延び且つ画像形成装置筐体から排出された記録材を装置筐体内に導く記録材搬送部と、
画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との位置関係を保持する保持部材と、
装置筐体内の後処理部の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に前記保持部材の全部又は保持部材のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部とを備えることを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の後処理装置において、
前記装置筐体内には、その上方側に後処理部を配置すると共にこの後処理部より下方側に前記保管部を配置するようにしたことを特徴とする後処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の後処理装置において、
前記装置筐体には、内部に前記後処理部と前記保管部との間を仕切る仕切部が設けられていることを特徴とする後処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の後処理装置において、
前記装置筐体には、画像形成装置筐体に隣接する面に前記保管部へ繋がる開閉扉が設けられていることを特徴とする後処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の後処理装置において、
前記装置筐体には、前記保管部に保管された保持部材が外部から視認できる窓が設けられていることを特徴とする後処理装置。
【請求項6】
記録材に画像を形成する画像形成装置と、この画像形成装置の側方に隣接して配置され、画像形成装置から排出される記録材を受け取り、当該記録材に予め決められた後処理を施す後処理装置とを備え、
前記画像形成装置は、
記録材に対し画像を形成する画像形成部と、
この画像形成部が内蔵される画像形成装置筐体と、
この画像形成装置筐体の一部に少なくとも後処理装置側の側方に開口する凹所が設けられ且つ後処理装置不使用時には前記凹所に画像形成部で画像が形成された記録材が排出収容される記録材収容部とを有し、
前記後処理装置は、
後処理部が内蔵され且つ画像形成装置筐体の側方に隣接して配置される装置筐体と、
この装置筐体から前記凹所に沿って延び且つ画像形成装置から排出された記録材を装置筐体内に導く記録材搬送部と、
画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成される場合に当該間隙間に跨って設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との位置関係を保持する保持部材と、
装置筐体内の後処理部の配設部位以外に設けられ且つ画像形成装置筐体と装置筐体との間に予め決められた以上の間隙が生成されない場合に前記保持部材の全部又は保持部材のうち前記間隙間に跨る要素を保管する保管部とを有することを特徴とする記録材処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−126261(P2010−126261A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299309(P2008−299309)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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