説明

徐放性材料の製造方法

【課題】得られる徐放性材料の徐放速度を比較的容易に制御する。
【解決手段】徐放性材料の製造は、方法徐放成分含有原料に超臨界流体を接触させて原料に含まれる徐放成分を超臨界流体に抽出し、抽出された徐放成分を含む超臨界流体を耐圧容器12の内部で高分子基材に接触させて徐放成分を高分子基材に担持させ、耐圧容器12内部を減圧して徐放成分が担持された高分子基材からなる徐放性材料を得る。高分子基材が耐圧容器12内部の減圧速度に相応して発泡可能に構成され、耐圧容器内部の減圧速度を調整して所望の発泡率の高分子基材を得る。抽出用耐圧容器11の内部において徐放成分含有原料に含まれる徐放成分を超臨界流体に抽出し、抽出された徐放成分を含む超臨界流体を抽出用耐圧容器から担持用耐圧容器に直接送って、担持用耐圧容器で超臨界流体を高分子基材に接触させて徐放成分を高分子基材に担持させることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、徐放成分を含む超臨界流体を高分子基材に接触させてその徐放成分を高分子基材に担持させる徐放性材料の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、木質材料、プラスチック等の高分子基材に香り成分等の徐放成分を担持させる技術としては、香り成分等の徐放成分を含有する原料から抽出された徐放成分を材料に塗布し、或いは含浸させる溶液含浸法が主として採用されている。また、真空含浸法による香り成分等の徐放成分の付着も行われている。しかし、溶液含浸法では、塗布あるいは含浸用に徐放成分を有機溶剤に溶解させる前工程と、その徐放成分を基材に付着する工程が別工程になっており、工程が複雑であることと、工程で多量に発生する廃液の処理工程も別途必要となる上に徐放性材料中の有機溶剤の残留等の不具合があった。また、真空含浸法であっても、工程が複雑であるという不具合を有していた。
【0003】
これらの点を解消するために、超臨界流体又は亜臨界流体を媒体として徐放成分を高分子基材及び多孔質基材に担持させる徐放性材料の製造方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。この製造方法によれば、有機溶剤等の環境への負荷を増大させる溶剤を使用することなく効率的に徐放性材料を得ることができるとしている。また、徐放性材料の製造方法として、徐放成分含有原料に超臨界流体又は亜臨界流体を接触させることによって徐放成分含有原料から徐放成分を抽出し、抽出された徐放成分を高分子基材及び多孔質材料に担持させるようにすれば、より少ない工程で徐放成分を担持させることができ、更に効率的に徐放性材料を得ることができるとしている。
【特許文献1】特開2002−345940号公報(特許請求の範囲、請求項1、請求項5、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の徐放性材料の製造方法では、徐放成分を高分子基材及び多孔質基材に担持させるので、得られた徐放性材料における徐放速度の調整が比較的困難であるという不具合があった。即ち、徐放性材料における徐放速度は高分子基材及び多孔質基材の内部構造において決められる。
本発明の目的は、得られる徐放性材料の徐放速度を比較的容易に制御し得る徐放性材料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、徐放成分含有原料に超臨界流体を接触させて原料に含まれる徐放成分を超臨界流体に抽出し、抽出された徐放成分を含む超臨界流体を耐圧容器12の内部で高分子基材に接触させて徐放成分を高分子基材に担持させ、耐圧容器12内部を減圧して徐放成分が担持された高分子基材からなる徐放性材料を得る徐放性材料の製造方法の改良である。
その特徴ある点は、高分子基材が耐圧容器12内部の減圧速度に相応して発泡可能に構成され、耐圧容器内部の減圧速度を調整して所望の発泡率の高分子基材を得るところにある。
徐放性材料における徐放速度は徐放成分が担持された高分子基材の発泡率に比例し、その発泡率が高ければ内部に生じる孔の孔径が大きくなってその徐放速度は速くなり、発泡率が低ければ内部に生じる孔の孔径も小さくなってその徐放速度も遅くなる。従って、この請求項1に記載された徐放性材料の製造方法では、耐圧容器12内部の減圧速度を調整して所望の発泡率の高分子基材を得るので、それにより高分子基材内部に生じる孔の孔径を制御することにより、高分子基材に担持された徐放成分の放出速度を制御することができる。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、徐放成分含有原料が天然植物であり、徐放成分が天然植物に含まれた香り若しくは消臭用の香り成分、薬効成分、栄養成分、抗菌性成分、食品調味料、防虫用若しくは殺虫用の成分又は肥料成分のいずれかであることを特徴とする。
この請求項2に記載された徐放性材料の製造方法では、超臨界流体を接触させることにより徐放成分をその超臨界流体に確実に抽出することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、高分子基材が、繊維基材、樹脂基材又はそれらの成形品であることを特徴とする。
この請求項3に記載された徐放性材料の製造方法では、徐放成分を有効に担持させて所定の倍率で確実に発泡させることができる。
【0007】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれか1項に係る発明であって、抽出用耐圧容器11の内部において徐放成分含有原料に含まれる徐放成分を超臨界流体に抽出し、抽出された徐放成分を含む超臨界流体を抽出用耐圧容器11から担持用耐圧容器12に直接送って、担持用耐圧容器12の内部で超臨界流体を高分子基材に接触させて徐放成分を高分子基材に担持させることを特徴とする。
この請求項4に記載された徐放性材料の製造方法では、徐放成分の抽出と、抽出された徐放成分の高分子基材への担持を同時に行うことができ、徐放成分の抽出と徐放成分の担持を別に行う場合に比較して製造工程を減少させることができ、効率的に徐放性材料を得ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の徐放性材料の製造方法では、高分子基材が耐圧容器内部の減圧速度に相応して発泡可能に構成し、耐圧容器内部の減圧速度を調整して所望の発泡率の高分子基材を得るようにしたので、その耐圧容器内部の減圧速度を調整して所望の発泡率の高分子基材を得ることにより、高分子基材に担持された徐放成分の放出速度を制御することができる。
この場合、抽出用耐圧容器の内部において徐放成分含有原料に含まれる徐放成分を超臨界流体に抽出し、抽出された徐放成分を含む超臨界流体を抽出用耐圧容器から担持用耐圧容器に直接送って、担持用耐圧容器の内部で超臨界流体を高分子基材に接触させて徐放成分を高分子基材に担持させるようにすれば、徐放成分の抽出と抽出された徐放成分の高分子基材への担持を同時に行うことができ、徐放成分の抽出と徐放成分の担持を別に行う場合に比較して製造工程を減少させることができ、効率的に徐放性材料を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の製造方法に用いる装置においては、抽出用耐圧容器11と、担持用耐圧容器12を備える。そして、抽出用耐圧容器11には徐放成分含有原料が収容され、担持用耐圧容器12には高分子基材が収容される。抽出用耐圧容器11と担持用耐圧容器12は同一構造であり、これらの耐圧容器11,12は、それぞれステンレス製であり、図示しないが、それらはそれぞれ容器本体と蓋体とにより構成される。
また、この製造装置は、流体貯留ボンベ13が設けられ、この流体貯留ボンベ13と抽出用耐圧容器11は供給管路15により連結される。流体貯留ボンベ13は、超臨界流体又は亜臨界流体を形成する流体を貯留するためのボンベであり、流体としては、本実施形態では、二酸化炭素が用いられる。この供給管路15には流体貯留ボンベ13から液体二酸化炭素を加圧し、この状態で抽出用耐圧容器11に圧送可能な高圧ポンプ14が設けられる。そして、高圧ポンプ14より下流側の供給管路15には、この供給管路15を流れる液体二酸化炭素を加熱して超臨界二酸化炭素とする加熱器16とこの供給管路15を開閉する第1開閉バルブ15aがこの順序で設けられる。
【0010】
抽出用耐圧容器11と担持用耐圧容器12とは連結管路17と循環管路18により連結される。連結管路17は超臨界二酸化炭素を抽出用耐圧容器11から担持用耐圧容器12に供給するためのものであり、この連結管路17にはこの連結管路17を開閉する第2開閉バルブ17aが設けられる。一方、循環管路18は担持用耐圧容器12に供給された超臨界二酸化炭素を抽出用耐圧容器11に戻すためのものであり、この循環管路18には担持用耐圧容器12の二酸化炭素を抽出用耐圧容器11に戻す循環ポンプ19が設けられる。一方、担持用耐圧容器12にはこの担持用耐圧容器12の内部を減圧する減圧弁21が設けられる。
【0011】
次に、上記のような装置を用いて、本実施形態の徐放性材料の製造方法について説明する。
先ず、抽出用耐圧容器11の内部に徐放成分含有原料を収容するとともに、担持用耐圧容器12の内部に高分子基材を収容させる。ここで、徐放成分含有原料とは、徐放成分を含有する原料であって、天然植物が挙げられる。そして、徐放成分含有原料が天然植物である場合における徐放成分とは、その天然植物に含まれた香り若しくは消臭用の香り成分、薬効成分、栄養成分、抗菌性成分、食品調味料、防虫用若しくは殺虫用の成分又は肥料成分が挙げられる。一方、高分子基材とは、担持用耐圧容器12内部の減圧時にその減圧速度に相応して発泡可能なものであって、繊維基材、樹脂基材又はそれらの成形品等が挙げられ、具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン等が挙げられる。
【0012】
次に、減圧弁21を閉じるとともに、第1開閉バルブ15a及び第2開閉バルブ17aを開放して高圧ポンプ14を駆動させる。このようにして流体貯留ボンベ13から液体二酸化炭素を加圧して抽出用耐圧容器11に圧送させ、加熱器16により供給管路15を流れる液体二酸化炭素を加熱して超臨界二酸化炭素とし、この超臨界二酸化炭素で抽出用耐圧容器11を満たす。そして、その超臨界二酸化炭素を連結管路17を介して担持用耐圧容器12にも供給し、抽出用耐圧容器11と担持用耐圧容器12の双方をその超臨界二酸化炭素によりそれぞれ満たす。
【0013】
抽出用耐圧容器11と担持用耐圧容器12の双方が超臨界二酸化炭素により満たされた後、第1開閉バルブ15aを閉じて高圧ポンプ14を停止させ、それに代えて循環ポンプ19を駆動させ、超臨界二酸化炭素を抽出用耐圧容器11と担持用耐圧容器12の双方に循環させる。これにより抽出用耐圧容器11の内部においては、徐放成分含有原料に含まれる徐放成分を超臨界流体に抽出し、抽出された徐放成分を含む超臨界流体は抽出用耐圧容器11から担持用耐圧容器12に直接送られ、担持用耐圧容器12の内部で超臨界流体を高分子基材に接触させて徐放成分を高分子基材に担持させる。
【0014】
徐放成分を高分子基材に担持させた後、第2開閉バルブ17aを閉じて循環ポンプ19を停止させる。その後、減圧弁21を開放する。この場合、開放された二酸化炭素を回収して再利用することもできる。そして、減圧弁21を開放する際、減圧弁21の開度を調整して耐圧容器12内部の減圧速度を調整し、担持用耐圧容器12内部に収容されて徐放成分が担持された高分子基材を所望の発泡率で発泡させる。そして、担持用耐圧容器12の内部が大気圧まで減圧された状態でその担持用耐圧容器12を開放し、その担持用耐圧容器12の内部から徐放成分が担持されて所定の発泡率で発泡された高分子基材からなる徐放性材料を取り出す。
【0015】
ここで、抽出用耐圧容器11の内部に収容された徐放成分含有原料に未だ十分な徐放成分が残存している場合には、徐放性材料が取り出された担持用耐圧容器12の内部に別の高分子基材を再び収容し、減圧弁21を閉じるとともに、第1開閉バルブ15a及び第2開閉バルブ17aを開放して高圧ポンプ14を駆動させ、抽出用耐圧容器11と担持用耐圧容器12の双方を再び超臨界二酸化炭素によりそれぞれ満たす。その後、第1開閉バルブ15aを閉じて高圧ポンプ14を停止させ、それに代えて循環ポンプ19を駆動させて超臨界二酸化炭素を抽出用耐圧容器11と担持用耐圧容器12の双方に循環させることにより、抽出用耐圧容器11の内部において超臨界流体に抽出した徐放成分を担持用耐圧容器12の内部で新たに収容された高分子基材に担持させて再び徐放性材料を得ることができる。
【0016】
一方、徐放性材料が得られた段階で抽出用耐圧容器11の内部に収容された徐放成分含有原料に十分な徐放成分が残存していない場合には、担持用耐圧容器12から徐放性材料を取り出した後、第2開閉バルブ17aを開放して抽出用耐圧容器11内部に残存する超臨界二酸化炭素を担持用耐圧容器12及び減圧弁21を介して大気に開放し、抽出用耐圧容器11と担持用耐圧容器12の双方を減圧する。そして抽出用耐圧容器11が最終的に大気圧まで減圧された段階でその抽出用耐圧容器11を開放し、その抽出用耐圧容器11の内部から徐放成分が抽出された徐放成分含有原料の残留物を取り出す。これにより徐放性材料の一連の製造を終了する。
【実施例】
【0017】
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<比較例1>
先ず、抽出用耐圧容器11の内部に徐放成分含有原料として、天然植物であるひのきを10g収容した。また、担持用耐圧容器12の内部には、高分子基材として縦と横が20mmと20mmであって厚さが2mmのポリプロピレンからなる樹脂原料板材を収容させた。次に流体貯留ボンベ13から液体二酸化炭素を加圧して抽出用耐圧容器11に圧送させ、抽出用耐圧容器11と担持用耐圧容器12に、圧力が20MPaであってその温度が100℃の超臨界二酸化炭素によりそれぞれ満たした。そして、その超臨界二酸化炭素を抽出用耐圧容器11と担持用耐圧容器12の双方に循環させて4時間放置し、担持用耐圧容器12の内部で超臨界流体を高分子基材に接触させて、ひのきから抽出された徐放成分であるα−カジノールを高分子基材に担持させた。
その後、1秒間に圧力が0.01MPa減少するような緩やかな速度で担持用耐圧容器12の内部を減圧し、ポリプロピレンからなる樹脂原料板材を発泡させることなく担持用耐圧容器12の内部を大気圧にまで戻した。その後、その耐圧容器12を開放しその内部から徐放成分が担持されたポリプロピレンの樹脂原料板材を取り出し、徐放成分が担持されたポリプロピレンの樹脂原料板材からなる徐放性材料を得た。この徐放性板材を比較例1とした。
【0018】
<実施例1>
比較例1と同一の材料及び手順により、担持用耐圧容器12の内部で超臨界流体をポリプロピレンからなる樹脂原料板材に接触させて、ひのきから抽出された徐放成分であるα−カジノールを樹脂原料板材からなる高分子基材に担持させた。
その後、1秒間に圧力が0.1MPa減少する速度で担持用耐圧容器12の内部を減圧し、ポリプロピレンからなる樹脂原料板材が僅かに発泡するように担持用耐圧容器12の内部を大気圧にまで戻した。その後、その耐圧容器12を開放しその内部から徐放成分が担持されかつ僅かに発泡したポリプロピレンの樹脂原料板材を取り出し、徐放成分が担持されかつ僅かに発泡したポリプロピレンの樹脂原料板材からなる徐放性材料を得た。この徐放性板材を実施例1とした。
【0019】
<実施例2>
担持用耐圧容器12の内部の減圧速度を1秒間に1.0MPa減少する速度とし、ポリプロピレンからなる樹脂原料板材が発泡するように担持用耐圧容器12の内部を大気圧にまで戻したことを除き、実施例1と同一の材料及び手順により、徐放成分であるα−カジノールが担持されかつ発泡したポリプロピレンの樹脂原料板材からなる徐放性材料を得た。この徐放性板材を実施例2とした。
<実施例3>
担持用耐圧容器12の内部の減圧速度を1秒間に5.0MPa減少する速度とし、ポリプロピレンからなる樹脂原料板材が比較的大きく発泡するように担持用耐圧容器12の内部を大気圧にまで戻したことを除き、実施例1とと同一の材料及び手順により、徐放成分であるα−カジノールが担持されかつ発泡したポリプロピレンの樹脂原料板材からなる徐放性材料を得た。この徐放性板材を実施例3とした。
【0020】
<比較試験及び評価>
得られた徐放性材料の密度をメジャーと質量計を用いて測定し、その徐放性材料から放出される徐放成分であるα−カジノールの放出速度を一定時間経過後の徐放性材料の重量変化を測定することにより測定した。その結果を表1に示す。ここで、徐放成分であるα−カジノールの放出速度は、比較例1の放出速度を1とした場合の比により表した。
【0021】
【表1】

【0022】
表1から明らかなように、減圧速度が高いほど得られた徐放性材料の密度が低下することが判る。これは、減圧速度が高いほど高分子基材の発泡率が高くなることに起因するものと考えられる。
一方、徐放性材料の密度が低下するほど徐放成分の放出速度は上昇することが判る。これは、高分子基材の発泡率が高くなるほど、徐放成分が放出可能な内部空間が増加して、徐放成分が放出しやすくなることに起因するものと考えられる。
従って、この実施例から、耐圧容器12内部の減圧速度を調整して所望の発泡率の高分子基材を得ることにより、高分子基材に担持された徐放成分の放出速度を制御することができることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明実施形態の徐放性材料の製造方法に用いる装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0024】
11 抽出用耐圧容器
12 担持用耐圧容器(耐圧容器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
徐放成分含有原料に超臨界流体を接触させて前記原料に含まれる徐放成分を前記超臨界流体に抽出し、抽出された前記徐放成分を含む前記超臨界流体を耐圧容器(12)の内部で高分子基材に接触させて前記徐放成分を前記高分子基材に担持させ、前記耐圧容器(12)内部を減圧して前記徐放成分が担持された前記高分子基材からなる徐放性材料を得る徐放性材料の製造方法において、
前記高分子基材が前記耐圧容器(12)内部の減圧速度に相応して発泡可能に構成され、
前記耐圧容器内部の減圧速度を調整して所望の発泡率の前記高分子基材を得る
ことを特徴とする徐放性材料の製造方法。
【請求項2】
徐放成分含有原料が天然植物であり、徐放成分が前記天然植物に含まれた香り若しくは消臭用の香り成分、薬効成分、栄養成分、抗菌性成分、食品調味料、防虫用若しくは殺虫用の成分又は肥料成分のいずれかである請求項1記載の徐放性材料の製造方法。
【請求項3】
高分子基材が、繊維基材、樹脂基材又はそれらの成形品である請求項1又は2記載の徐放性材料の製造方法。
【請求項4】
抽出用耐圧容器(11)の内部において徐放成分含有原料に含まれる徐放成分を超臨界流体に抽出し、抽出された前記徐放成分を含む前記超臨界流体を前記抽出用耐圧容器(11)から担持用耐圧容器(12)に直接送って、前記担持用耐圧容器(12)の内部で前記超臨界流体を高分子基材に接触させて前記徐放成分を前記高分子基材に担持させる請求項1ないし3いずれか1項に記載の徐放性材料の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−89659(P2007−89659A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280058(P2005−280058)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】