説明

循環式水洗トイレシステム

【課題】システム全体をコンパクトにできるとともに、ろ過水の脱色効率を向上できる循環式水洗トイレシステムを提供する。
【解決手段】循環式水洗トイレシステム1は、ろ過水をオゾン脱色するオゾン脱色部8を備える。オゾン脱色部8は、第1反応槽31及び第2反応槽32と、混合ポンプ12と、循環配管41〜47と、オゾン発生器13とを備える。そして、循環配管41〜47に設けられた電磁弁52〜54を制御することで、循環配管41〜47で構成されるろ過水の循環流路を、第1循環流路及び第2循環流路に交互に切り換え可能である。よって、循環配管41〜47のうち一部の配管を互いに共有するので、オゾン脱色部8をコンパクトにできる。また、第1反応槽31のろ過水の循環脱色と、第2反応槽32のろ過水の循環脱色とが交互に実行されるので、ろ過水を短時間で効率的に脱色できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、循環式水洗トイレシステムに関し、詳細には水洗便器からの汚水を浄化してオゾンにより脱色できる循環式水洗トイレシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の循環式水洗トイレシステムでは、水洗便器からの汚水は生物処理槽に供給され、微生物による生物処理が行われる。次いで、生物処理槽で生物処理された処理水はろ過槽に供給され、ろ過槽内に配置されたろ過膜を通過することによってろ過される。さらに、そのろ過水は脱色槽に供給され、オゾン発生器で発生したオゾンと混合されることによって脱色される。こうして得られた脱色水はポンプによって水洗便器に戻され、洗浄水として再度使用される。
【0003】
このような循環式水洗トイレシステムの脱色槽におけるろ過水の脱色方法としては以下の方法が知られている。例えば、混合ポンプを用いてろ過水とオゾンとを混合し、脱色槽との間で循環させることによってろ過水を脱色する方法が知られている。また、脱色槽内に散気管を設置し、その散気管にオゾンを送り込むことによって、脱色槽内のろ過水をオゾン曝気して脱色する方法も知られている。しかし前者の方法では、混合ポンプ内に吸引されるのはろ過水と脱色水との混合水であるので、まだオゾンが作用していないろ過水のみにオゾンを作用させることができない。後者の方法においても、脱色槽でオゾン曝気されるのはろ過水と脱色水との混合水であるので、オゾンが作用していないろ過水のみにオゾンを作用させることができない。したがってこれらの方法ではろ過水とオゾンとの接触効率が悪いという問題があった。
【0004】
そこで、例えば、原水供給管から原水が流入する第1・第2反応塔と、オゾンを生成するオゾンガス生成手段と、該オゾンガス生成手段、第1・第2反応塔に各々連結されて原水とオゾンガスを混合して反応させる第1・第2ミキシング手段とを備え、第1反応塔と第1ミキシング手段とによる原水とオゾンガスのミキシング作業と、第2反応塔と第2ミキシング手段とによる原水とオゾンガスのミキシング作業とを交互に切換える流路切換手段を備えた脱色脱臭システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この脱色脱臭システムでは、第1・第2ミキシング手段が、循環ポンプ、循環配管、原水及びオゾンガスを互いに混合して反応させるミキシング体をそれぞれ独自に備えている。そして、第1・2反応塔内の原水が、第1・第2ミキシング体によってオゾンガスと混合され、循環ポンプによって循環配管を介して各々循環するようになっている。このように、1つの反応塔ではなく、2つの反応塔を用いることによって、オゾン脱色された脱色水を反応塔から順次貯留槽に供給できるので、原水とオゾンとの接触効率を向上させることができる。
【特許文献1】特開2005−230668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の脱色脱臭システムでは、第1・第2ミキシング手段は、それぞれ独自の循環ポンプと、循環配管と、ミキシング体とを備えているので、システム全体が大型化してしまうという問題点があった。また、循環ポンプ、循環配管、ミキシング体はそれぞれ一対あるので、これら部品及び構造体にかかる費用が少なくとも2倍になるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、システム全体をコンパクトにできるとともに、ろ過水の脱色効率を向上できる循環式水洗トイレシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、水洗便器と、当該水洗便器からの汚水を受け入れ、生物処理を行う生物処理槽と、当該生物処理槽で処理された生物処理水をろ過するろ過槽と、当該ろ過槽でろ過されたろ過水を受け入れる第1反応槽及び第2反応槽と、オゾンを発生するオゾン発生手段と、当該オゾン発生手段、前記第1反応槽及び前記第2反応槽に各々連結され、ろ過水にオゾンを混合して脱色反応させて脱色水を生成する混合脱色手段と、当該混合脱色手段によって生成した脱色水を受け入れて貯留する貯留槽とを備え、当該貯留槽に貯留された脱色水を洗浄水として前記水洗便器に循環させる循環式水洗トイレシステムにおいて、前記混合脱色手段は、前記オゾン発生手段に連結され、ろ過水にオゾンを混合させる混合ポンプと、当該混合ポンプと、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられ、前記混合ポンプが動作することによってオゾンが混合されたろ過水が循環する循環配管とから構成され、前記ろ過槽と、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられたろ過水供給管と、当該ろ過水供給管に設けられ、前記ろ過槽から前記第1反応槽への流路、又は前記ろ過槽から前記第2反応槽への流路に切換可能なろ過水流路切換手段と、前記循環配管に設けられ、前記第1反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路、又は前記第2反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路に切換可能な循環流路切換手段と、前記循環配管に接続され、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内の脱色水を前記貯留槽に供給する脱色水供給管と、当該脱色水供給管と前記循環配管との接続部分に設けられ、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開閉する脱色水供給流路開閉手段と、前記第1反応槽内の貯水量を検知する第1水量検知手段と、前記第2反応槽内の貯水量を検知する第2水量検知手段と、前記ポンプの動作時間を計測する時間計測手段と、当該時間計測手段によって計測された計測時間が、所定時間以上か否かを判断する時間判断手段と、前記第1水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第1下限判断手段と、前記第1水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第1上限判断手段と、前記第2水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第2下限判断手段と、前記第2水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第2上限判断手段と、前記第1上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第1反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第1切換指示手段と、前記第2上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第2反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第2切換指示手段と、前記第1上限判断手段、又は第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合、前記混合ポンプの動作を指示するポンプ動作指示手段と、前記第1上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第1反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第1循環流路切換制御手段と、前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第2反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第2循環流路切換制御手段と、前記第1上限判断手段、又は前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記オゾン発生手段の動作を指示するオゾン発生指示手段と、前記時間判断手段が所定時間以上であると判断した場合に、前記オゾン発生手段を停止させるオゾン発生停止手段と、前記時間判断手段が所定時間以上であると判断した場合に、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開くように、前記脱色水供給流路開閉手段を指示する脱色水供給流路開放指示手段と、当該脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路が開かれ、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内の脱色水が、前記脱色水供給管を介して前記貯留槽内に供給され、前記第1下限判断手段又は前記第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、前記混合ポンプを停止させるポンプ停止手段とを備えている。
【0008】
また、請求項2に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記所定時間は、前記第1反応槽及び前記第2反応槽内のろ過水が目標色度まで脱色されるのに要する時間に調整されたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、水洗便器と、当該水洗便器からの汚水を受け入れ、生物処理を行う生物処理槽と、当該生物処理槽で処理された生物処理水をろ過するろ過槽と、当該ろ過槽でろ過されたろ過水を受け入れる第1反応槽及び第2反応槽と、オゾンを発生するオゾン発生手段と、当該オゾン発生手段、前記第1反応槽及び前記第2反応槽に各々連結され、ろ過水にオゾンを混合して脱色反応させて脱色水を生成する混合脱色手段と、当該混合脱色手段によって生成した脱色水を受け入れて貯留する貯留槽とを備え、当該貯留槽に貯留された脱色水を洗浄水として前記水洗便器に循環させる循環式水洗トイレシステムにおいて、前記混合脱色手段は、前記オゾン発生手段に連結され、ろ過水にオゾンを混合させる混合ポンプと、当該混合ポンプと、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられ、前記混合ポンプが動作することによってオゾンが混合されたろ過水が循環する循環配管とから構成され、前記ろ過槽と、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられたろ過水供給管と、当該ろ過水供給管に設けられ、前記ろ過槽から前記第1反応槽への流路、又は前記ろ過槽から前記第2反応槽への流路に切換可能なろ過水流路切換手段と、前記循環配管に設けられ、前記第1反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路、又は前記第2反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路に切換可能な循環流路切換手段と、前記循環配管に接続され、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内の脱色水を前記貯留槽に供給する脱色水供給管と、当該脱色水供給管と前記循環配管との接続部分に設けられ、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開閉する脱色水供給流路開閉手段と、前記第1反応槽内の貯水量を検知する第1水量検知手段と、前記第2反応槽内の貯水量を検知する第2水量検知手段と、前記ポンプの動作時間を計測する時間計測手段と、当該時間計測手段によって計測された計測時間が、所定時間以上か否かを判断する時間判断手段と、前記第1水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第1下限判断手段と、前記第1水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第1上限判断手段と、前記第2水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第2下限判断手段と、前記第2水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第2上限判断手段と、前記第1上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第1反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第1切換指示手段と、前記第2上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第2反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第2切換指示手段と、前記第1上限判断手段、又は第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合、前記混合ポンプの動作を指示するポンプ動作指示手段と、前記第1上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第1反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第1循環流路切換制御手段と、前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第2反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第2循環流路切換制御手段と、前記第1上限判断手段、又は前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記オゾン発生手段の動作を指示するオゾン発生指示手段と、前記時間判断手段が所定時間以上であると判断した場合に、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開くように、前記脱色水供給流路開閉手段を指示する脱色水供給流路開放指示手段と、当該脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路が開かれた状態で、前記第1下限判断手段又は前記第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、前記オゾン発生手段を停止させるオゾン発生停止手段と、前記脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路が開かれた状態で、前記第1下限判断手段又は前記第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、前記混合ポンプを停止させるポンプ停止手段とを備えている。
【0010】
また、請求項4に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記所定時間は、前記第1反応槽及び前記第2反応槽内のろ過水が目標色度よりも高い所定色度まで脱色されるのに要する時間に調整されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、請求項4に記載の発明の構成に加え、前記所定色度は、前記脱色水供給管の出口通過時の脱色水の色度が、前記目標色度にまで脱色されている程度に調整されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記貯留槽と前記生物処理槽との間に設けられ、前記貯留槽内の脱色水を前記生物処理槽にオーバーフローさせるオーバーフロー水配管と、前記貯留槽内の満水を検知する満水検知手段と当該満水検知手段が満水を検知しない時に、前記第1反応槽及び前記第2反応槽における脱色処理回数をカウントする脱色回数カウント手段と、当該脱色回数カウント手段のカウント値に基づいて、前記満水検知手段が満水を検知した時に、前記脱色水供給流路開閉手段を開放して、前記貯留槽の脱色水をオーバーフローさせるオーバーフロー回数を設定するオーバーフロー回数設定手段とを備え、前記脱色水供給流路開放指示手段は、前記満水検知手段が満水を検知した時に、前記オーバーフロー回数にしたがって、前記脱色水供給流路開閉手段の開放を指示することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、請求項6に記載の発明の構成に加え、前記オーバーフロー回数設定手段は、前記カウント値が所定回数以上の場合は、前記カウント値が所定回数未満の場合よりも、前記オーバーフロー回数を多く設定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記脱色槽と前記生物処理槽との間に設けられ、前記貯留槽内の脱色水を前記生物処理槽にオーバーフローさせるオーバーフロー水配管と、前記貯留槽に設けられ、前記貯留槽内における脱色水の満水を検知する満水検知手段と、前記第1反応槽及び前記第2反応槽の少なくとも何れかに設けられ、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内に供給されたろ過水の色度を検知するろ過水色度検知手段とを備え、前記ポンプ動作指示手段は、前記満水検知手段が満水を検知し、かつ前記ろ過水色度検知手段の検知した色度が基準色度未満の場合、前記混合ポンプを動作させないことを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、水洗便器と、当該水洗便器からの汚水を受け入れ、生物処理を行う生物処理槽と、当該生物処理槽で処理された生物処理水をろ過するろ過槽と、当該ろ過槽でろ過されたろ過水を受け入れる第1反応槽及び第2反応槽と、オゾンを発生するオゾン発生手段と、当該オゾン発生手段、前記第1反応槽及び前記第2反応槽に各々連結され、ろ過水にオゾンを混合して脱色反応させて脱色水を生成する混合脱色手段と、当該混合脱色手段によって生成した脱色水を受け入れて貯留する貯留槽とを備え、当該貯留槽に貯留された脱色水を洗浄水として前記水洗便器に循環させる循環式水洗トイレシステムにおいて、前記混合脱色手段は、前記オゾン発生手段に連結され、ろ過水にオゾンを混合させる混合ポンプと、当該混合ポンプと、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられ、前記混合ポンプが動作することによってオゾンが混合されたろ過水が循環する循環配管とから構成され、前記ろ過槽と、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられたろ過水供給管と、当該ろ過水供給管に設けられ、前記ろ過槽から前記第1反応槽への流路、又は前記ろ過槽から前記第2反応槽への流路に切換可能なろ過水流路切換手段と、前記循環配管に設けられ、前記第1反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路、又は前記第2反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路に切換可能な循環流路切換手段と、前記循環配管に接続され、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内の脱色水を前記貯留槽に供給する脱色水供給管と、当該脱色水供給管と前記循環配管との接続部分に設けられ、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開閉する脱色水供給流路開閉手段と、前記第1反応槽内の貯水量を検知する第1水量検知手段と、前記第2反応槽内の貯水量を検知する第2水量検知手段と、前記第1反応槽内の貯水の色度を検知する第1色度検知手段と、前記第2反応槽内の貯水の色度を検知する第2色度検知手段と、前記第1水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第1下限判断手段と、前記第1水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第1上限判断手段と、前記第2水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第2下限判断手段と、前記第2水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第2上限判断手段と、前記第1色度検知手段の検知色度が所定色度以下か否かを判断する第1色度判断手段と、前記第2色度検知手段の検知色度が所定色度以下か否かを判断する第2色度判断手段と、前記第1上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第1反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第1切換指示手段と、前記第2上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第2反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第2切換指示手段と、前記第1上限判断手段、又は第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合、前記混合ポンプの動作を指示するポンプ動作指示手段と、前記第1上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第1反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第1循環流路切換制御手段と、前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第2反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第2循環流路切換制御手段と、前記第1上限判断手段、又は前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記オゾン発生手段の動作を指示するオゾン発生指示手段と、前記第1色度判断手段、又は前記第2色度判断手段が所定色度以下と判断した場合に、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開くように、前記脱色水供給流路開閉手段を指示する脱色水供給流路開放指示手段と、当該脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路が開かれた状態で、前記第1下限判断手段又は前記第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、前記オゾン発生手段を停止させるオゾン発生停止手段と、前記脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路が開かれた状態で、前記第1下限判断手段又は前記第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、前記混合ポンプを停止させるポンプ停止手段とを備えている。
【0016】
また、請求項10に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、請求項9に記載の発明の構成に加え、前記所定色度は、前記脱色水供給管の出口通過時の脱色水の色度が、前記目標色度にまで脱色されている程度に調整されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、請求項9又は10に記載の発明の構成に加え、前記貯留槽と前記生物処理槽との間に設けられ、前記貯留槽内の脱色水を前記生物処理槽にオーバーフローさせるオーバーフロー水配管と、前記貯留槽内の満水を検知する満水検知手段と当該満水検知手段が満水を検知しない時に、前記第1反応槽及び前記第2反応槽における脱色処理回数をカウントする脱色回数カウント手段と、当該脱色回数カウント手段のカウント値に基づいて、前記満水検知手段が満水を検知した時に、前記脱色水供給流路開閉手段を開放して、前記貯留槽の脱色水をオーバーフローさせるオーバーフロー回数を設定するオーバーフロー回数設定手段とを備え、前記脱色水供給流路開放指示手段は、前記満水検知手段が満水を検知した時に、前記オーバーフロー回数にしたがって、前記脱色水供給流路開閉手段の開放を指示することを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、請求項11に記載の発明の構成に加え、前記オーバーフロー回数設定手段は、前記カウント値が所定回数以上の場合は、前記カウント値が所定回数未満の場合よりも、前記オーバーフロー回数を多く設定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項13に係る発明の循環式水洗トイレシステムは、請求項9又は10に記載の発明の構成に加え、前記脱色槽と前記生物処理槽との間に設けられ、前記貯留槽内の脱色水を前記生物処理槽にオーバーフローさせるオーバーフロー水配管と、前記貯留槽に設けられ、前記貯留槽内における脱色水の満水を検知する満水検知手段と、前記第1反応槽及び前記第2反応槽の少なくとも何れかに設けられ、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内に供給されたろ過水の色度を検知するろ過水色度検知手段とを備え、前記ポンプ動作指示手段は、前記満水検知手段が満水を検知し、かつ前記ろ過水色度検知手段の検知した色度が基準色度未満の場合、前記混合ポンプを動作させないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る循環式水洗トイレシステムでは、水洗便器からの汚水は生物処理槽で処理され、ろ過槽でろ過される。ろ過水は、第1反応槽および第2反応槽に供給されるとともに、混合脱色手段によってオゾン脱色される。オゾン脱色された脱色水は貯留槽に供給され、再度水洗便器に循環されて使用される。この循環式水洗トイレシステムにおいて、ろ過槽内のろ過水は、ろ過水供給管内の流路を流れることによって、第1反応槽又は第2反応槽に向かって供給される。そして、ろ過水供給管内の流路は、ろ過水供給切換手段の切換動作によって、第1反応槽への流路と、第2反応槽への流路とに各々切り換えられる。また、第1反応槽の貯水量は第1水量検知手段によって検知され、第2反応槽の貯水量は第2水量検知手段によって検知される。ここで、例えば、第1上限判断手段によって第1反応槽の貯水量が上限水量未満であると判断されると、第1切換指示手段によって、第1反応槽への流路を開くようにろ過水流路切換手段が指示される。これにより、第1反応槽内にろ過水を供給できる。一方、第2上限判断手段によって第2反応槽の貯水量が上限水量未満であると判断されると、第2切換指示手段によって、第2反応槽への流路を開くようにろ過水流路切換手段が指示される。これにより、第2反応槽内にろ過水を供給できる。
【0021】
そして、第1反応槽又は第2反応槽内のろ過水は、循環配管を通過し、混合ポンプによってオゾン発生手段によって発生されたオゾンと混合されて反応する。さらに、混合ポンプでオゾンが混合されたろ過水は、該混合ポンプの吐出動作によって、循環配管を介し、第1反応槽又は第2反応槽との間を循環する。そして、この循環流路は、循環流路切換手段の動作によって、混合ポンプと第1反応槽とをつなぐ流路と、混合ポンプと第2反応槽とをつなぐ流路とに切り換えられる。ここで、例えば、第1上限判断手段によって第1反応槽の貯水量が上限水量以上であると判断されると、第1循環流路切換制御手段によって、循環配管の流路を、第1反応槽と混合ポンプとをつなぐ流路に切り換えるように、循環流路切換手段が制御される。そして、オゾン発生指示手段によってオゾン発生手段の動作が指示される。さらに、ポンプ動作指示手段によって混合ポンプの動作が指示される。これにより、第1反応槽と混合ポンプとの間で、第1反応槽内のろ過水を循環配管を介して循環させることができるので、ろ過水を効率よく脱色することができる。
【0022】
一方、第2上限判断手段によって、第2反応槽の貯水量が上限水量以上であると判断されると、第2循環流路切換制御手段によって、循環配管の流路を、第2反応槽と混合ポンプとをつなぐ流路に切り換えるように、循環流路切換手段が制御される。そして、オゾン発生指示手段によってオゾン発生手段の動作が指示される。さらに、ポンプ動作指示手段によって混合ポンプの動作が指示される。これにより、第2反応槽内のろ過水を、第2反応槽と混合ポンプとの間で、循環配管を介して循環させることができるので、ろ過水を効率よく脱色することができる。
【0023】
このように、第1反応槽及び第2反応槽内のろ過水をそれぞれ循環脱色する際に、循環流路切換手段の動作が制御されることによって、循環配管内の流路がそれぞれ切り換わるので1つの循環配管を共有することができる。これにより、循環式水洗トイレシステムをコンパクトにできるので、設置スペースの縮小化を図ることができる。さらに、1個の混合ポンプで、第1反応槽及び第2反応槽内のろ過水を循環させることができるので、循環式水洗トイレシステムをさらにコンパクトにできる。また、循環配管及び混合ポンプを共有できるので部品コストを節約することができる。
【0024】
また、混合ポンプの動作時間は時間計測手段によって計測される。そして、所定時間判断手段によって、計測時間が所定時間以上であると判断されると、オゾン発生停止手段によってオゾン発生手段の動作が停止される。さらに、脱色水供給流路開放指示手段によって、循環配管から脱色水供給管への流路を開くように、脱色水供給流路開閉手段が指示される。これにより、第1反応槽又は第2反応槽内に生成した脱色水を循環配管、脱色水供給管を介して貯留槽に供給することができる。そして、第1下限判断手段又は第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合は、貯留槽に供給すべき脱色水が第1反応槽又は第2反応槽にはないので、ポンプ停止手段によって混合ポンプが停止される。これにより、第1反応槽又は第2反応槽の脱色水がない場合は、自動的に混合ポンプを停止することができるので電力コストを節約することができる。
【0025】
また、請求項2に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、請求項1に記載の発明の効果に加え、所定時間は、第1反応槽及び第2反応槽内のろ過水が目標色度まで脱色されるのに要する時間に調整されているので、混合ポンプが所定時間動作することで、第1反応槽又は第2反応槽内のろ過水を目標色度まで自動的に脱色することができる。よって、貯留槽内には常に目標色度にまで脱色された脱色水を供給することができる。
【0026】
また、請求項3に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、水洗便器からの汚水は生物処理槽で処理され、ろ過槽でろ過される。ろ過水は、第1反応槽および第2反応槽に供給されるとともに、混合脱色手段によってオゾン脱色される。オゾン脱色された脱色水は貯留槽に供給され、再度水洗便器に循環されて使用される。この循環式水洗トイレシステムにおいて、ろ過槽内のろ過水は、ろ過水供給管内の流路を流れることによって、第1反応槽又は第2反応槽に向かって供給される。そして、ろ過水供給管内の流路は、ろ過水供給切換手段の切換動作によって、第1反応槽への流路と、第2反応槽への流路とに各々切り換えられる。また、第1反応槽の貯水量は第1水量検知手段によって検知され、第2反応槽の貯水量は第2水量検知手段によって検知される。ここで、例えば、第1上限判断手段によって第1反応槽の貯水量が上限水量未満であると判断されると、第1切換指示手段によって、第1反応槽への流路を開くようにろ過水流路切換手段が指示される。これにより、第1反応槽内にろ過水を供給できる。一方、第2上限判断手段によって第2反応槽の貯水量が上限水量未満であると判断されると、第2切換指示手段によって、第2反応槽への流路を開くようにろ過水流路切換手段が指示される。これにより、第2反応槽内にろ過水を供給できる。
【0027】
そして、第1反応槽又は第2反応槽内のろ過水は、循環配管を通過し、混合ポンプによってオゾン発生手段によって発生されたオゾンと混合されて反応する。さらに、混合ポンプでオゾンが混合されたろ過水は、該混合ポンプの吐出動作によって、循環配管を介し、第1反応槽又は第2反応槽との間を循環する。そして、この循環流路は、循環流路切換手段の動作によって、混合ポンプと第1反応槽とをつなぐ流路と、混合ポンプと第2反応槽とをつなぐ流路とに切り換えられる。ここで、例えば、第1上限判断手段によって第1反応槽の貯水量が上限水量以上であると判断されると、第1循環流路切換制御手段によって、循環配管の流路を、第1反応槽と混合ポンプとをつなぐ流路に切り換えるように、循環流路切換手段が制御される。そして、オゾン発生指示手段によってオゾン発生手段の動作が指示される。さらに、ポンプ動作指示手段によって混合ポンプの動作が指示される。これにより、第1反応槽と混合ポンプとの間で、第1反応槽内のろ過水を循環配管を介して循環させることができるので、ろ過水を効率よく脱色することができる。
【0028】
一方、第2上限判断手段によって、第2反応槽の貯水量が上限水量以上であると判断されると、第2循環流路切換制御手段によって、循環配管の流路を、第2反応槽と混合ポンプとをつなぐ流路に切り換えるように、循環流路切換手段が制御される。そして、オゾン発生指示手段によってオゾン発生手段の動作が指示される。さらに、ポンプ動作指示手段によって混合ポンプの動作が指示される。これにより、第2反応槽内のろ過水を、第2反応槽と混合ポンプとの間で、循環配管を介して循環させることができるので、ろ過水を効率よく脱色することができる。
【0029】
このように、第1反応槽及び第2反応槽内のろ過水をそれぞれ循環脱色する際に、循環流路切換手段の動作が制御されることによって、循環配管内の流路がそれぞれ切り換わるので1つの循環配管を共有することができる。これにより、循環式水洗トイレシステムをコンパクトにできるので、設置スペースの縮小化を図ることができる。さらに、1個の混合ポンプで、第1反応槽及び第2反応槽内のろ過水を循環させることができるので、循環式水洗トイレシステムをさらにコンパクトにできる。また、循環配管及び混合ポンプを共有できるので部品コストを節約することができる。
【0030】
また、混合ポンプの動作時間は時間計測手段によって計測される。そして、所定時間判断手段によって、計測時間が所定時間以上であると判断されると、脱色水供給流路開放指示手段によって、循環配管から脱色水供給管への流路を開くように、脱色水供給流路開閉手段が指示される。このとき、オゾン発生手段はオゾンを発生し続けているので、混合ポンプではさらに脱色水にオゾンが混合される。これにより、脱色水供給管内を通過する際にもオゾンによる混合脱色がなされるので、ろ過水のオゾン脱色にかかる時間をさらに短縮することができる。
【0031】
そして、脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、循環配管から脱色水供給管への流路が開かれた状態で、第1下限判断手段又は第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、オゾン発生停止手段によってオゾン発生手段が停止される。さらに、ポンプ停止手段によって、混合ポンプの動作が停止される。これにより、貯留槽に供給すべき脱色水が第1反応槽又は第2反応槽にない場合は、自動的にオゾン発生手段と、混合ポンプとを共に停止することができる。
【0032】
また、請求項4に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、請求項3に記載の発明の効果に加え、脱色水供給管内を通過する際にもオゾンによる混合脱色がなされるので、ろ過水のオゾン脱色にかかる所定時間を、目標色度よりも高い所定色度まで脱色されるのに要する時間にまで短縮することができる。これにより、ろ過水の循環脱色を開始してから貯留槽に供給し終えるまでの時間を短縮できるので、ろ過水を効率的かつ迅速に脱色することができる。
【0033】
また、請求項5に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、請求項4に記載の発明の効果に加え、所定色度は、脱色水供給管の出口通過時の脱色水の色度が、目標色度にまで脱色されている程度に調整されている。これにより、第1反応槽又は第2反応槽で所定時間循環脱色された脱色水は所定色度にまで脱色され、さらに脱色水供給管を通過する際に脱色されるので、脱色水供給管の出口通過時には目標色度にまで脱色された脱色水を得ることができる。
【0034】
また、請求項6に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の効果に加え、混合ポンプで貯留槽に脱色水を供給することによって、貯留層内の脱色水をオーバーフロー水配管を介し、生物処理槽にオーバーフローさせることができる。これにより、オーバーフロー水量を調整することによって、生物処理槽内の生物処理水の色度を希釈することができるので、ろ過水の色度を調整することができる。
【0035】
また、脱色回数カウント手段は、満水検知手段が満水を検知しない時に、第1反応槽及び第2反応槽における脱色処理回数をカウントできる。例えば、昼間のような使用頻度の高い時間帯では、貯留槽内の脱色水は常に使用され続けて満水にならない。よって、脱色回数カウント手段は、昼間の時間帯における脱色処理回数をカウントできる。そして、オーバーフロー回数設定手段は、この脱色回数カウント手段がカウントしたカウント値に応じて、貯留槽の脱色水をオーバーフローさせるオーバーフロー回数を設定できる。さらに、脱色回数カウント手段のカウント値から、水洗便器の使用頻度を推測でき、ろ過水の色度も推測できる。これにより、ろ過水の色度に応じて、オーバーフロー水量を調節できるので、ろ過水の色度を調節することができる。
【0036】
また、請求項7に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、請求項6に記載の発明の効果に加え、脱色回数カウント手段のカウント値に対し、水洗便器の使用頻度と、ろ過水の色度とが比例する傾向にあるので、オーバーフロー回数設定手段は、ろ過水の色度に比例させて、オーバーフロー回数を設定することができる。さらに、オーバーフロー回数設定手段は、脱色回数カウント手段のカウント値が所定回数以上の場合は、所定回数未満の場合よりも、オーバーフロー回数を多く設定するので、ろ過水の色度に対応させて、オーバーフロー水量を調節することができる。よって、ろ過水の色度に応じて、ろ過水が希釈されるので、ろ過水の色度を一定レベルに維持することができる。さらに、ろ過水の色度を一定レベルに維持できることによって、オゾン発生手段にかかる負荷を軽減することができる。
【0037】
また、請求項8に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の効果に加え、混合ポンプで貯留槽に脱色水を供給することによって、貯留槽内の脱色水をオーバーフロー水配管を介し、生物処理槽にオーバーフローさせることができる。これにより、オーバーフロー水量を調整することによって、生物処理槽内の生物処理水の色度を希釈することができるので、ろ過水の色度を調整することができる。
【0038】
そして、満水検知手段が貯留槽の満水を検知した際に、ろ過水色度検知手段の検知した第1反応槽又は第2反応槽に供給されたろ過水の色度が基準色度未満の場合は、水洗便器の使用頻度が少なかったことが推測される。この場合、ポンプ動作指示手段は混合ポンプを動作させないので、貯留槽内の脱色水を生物処理槽にオーバーフローさせない。
【0039】
これとは逆に、ろ過水色度検知手段の検知した第1反応槽又は第2反応槽に供給されたろ過水の色度が基準色度以上の場合は、水洗便器の使用頻度が多かったことが推測される。この場合、ポンプ動作指示手段は通常通り混合ポンプを動作させて、貯留槽内の脱色水を生物処理槽にオーバーフローさせる。これにより、ろ過水の色度が低下するので、上昇した洗浄水の色度を低下させることができる。このように、ろ過水の色度によって、オーバーフロー水量を調整することができるので、ろ過水の色度を一定の範囲内に維持することができる。
【0040】
また、請求項9に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、水洗便器からの汚水は生物処理槽で処理され、ろ過槽でろ過される。ろ過水は、第1反応槽および第2反応槽に供給されるとともに、混合脱色手段によってオゾン脱色される。オゾン脱色された脱色水は貯留槽に供給され、再度水洗便器に循環されて使用される。この循環式水洗トイレシステムにおいて、ろ過槽内のろ過水は、ろ過水供給管内の流路を流れることによって、第1反応槽又は第2反応槽に向かって供給される。そして、ろ過水供給管内の流路は、ろ過水供給切換手段の切換動作によって、第1反応槽への流路と、第2反応槽への流路とに各々切り換えられる。また、第1反応槽の貯水量は第1水量検知手段によって検知され、第2反応槽の貯水量は第2水量検知手段によって検知される。ここで、例えば、第1下限判断手段によって第1反応槽の貯水量が下限水量未満であると判断されると、第1切換指示手段によって、第1反応槽への流路を開くようにろ過水流路切換手段が指示される。これにより、第1反応槽内にろ過水が供給されるので、第1反応槽内のろ過水を下限水量以上に維持できる。一方、第2下限判断手段によって第2反応槽の貯水量が下限水量未満であると判断されると、第2切換指示手段によって、第2反応槽への流路を開くようにろ過水流路切換手段が指示される。これにより、第2反応槽内にろ過水が供給されるので、第2反応槽内のろ過水を下限水量以上に維持できる。
【0041】
そして、第1反応槽又は第2反応槽内のろ過水は、循環配管を通過し、混合ポンプによってオゾン発生手段によって発生されたオゾンと混合されて反応する。さらに、混合ポンプでオゾンが混合されたろ過水は、該混合ポンプの吐出動作によって、循環配管を介し、第1反応槽又は第2反応槽との間を循環する。そして、この循環流路は、循環流路切換手段の動作によって、混合ポンプと第1反応槽とをつなぐ流路と、混合ポンプと第2反応槽とをつなぐ流路とに切り換えられる。ここで、例えば、第1上限判断手段によって第1反応槽の貯水量が上限水量以上であると判断されると、第1循環流路切換制御手段によって、循環配管の流路を、第1反応槽と混合ポンプとをつなぐ流路に切り換えるように、循環流路切換手段が制御される。そして、オゾン発生指示手段によってオゾン発生手段の動作が指示される。さらに、ポンプ動作指示手段によって混合ポンプの動作が指示される。これにより、第1反応槽と混合ポンプとの間で、第1反応槽内のろ過水を循環配管を介して循環させることができるので、ろ過水を効率よく脱色することができる。
【0042】
一方、第2上限判断手段によって、第2反応槽の貯水量が上限水量以上であると判断されると、第2循環流路切換制御手段によって、循環配管の流路を、第2反応槽と混合ポンプとをつなぐ流路に切り換えるように、循環流路切換手段が制御される。そして、オゾン発生指示手段によってオゾン発生手段の動作が指示される。さらに、ポンプ動作指示手段によって混合ポンプの動作が指示される。これにより、第2反応槽内のろ過水を、第2反応槽と混合ポンプとの間で、循環配管を介して循環させることができるので、ろ過水を効率よく脱色することができる。
【0043】
このように、第1反応槽及び第2反応槽内のろ過水をそれぞれ循環脱色する際に、循環流路切換手段の動作が制御されることによって、循環配管内の流路がそれぞれ切り換わるので1つの循環配管を共有することができる。これにより、循環式水洗トイレシステムをコンパクトにできるので、設置スペースの縮小化を図ることができる。さらに、1個の混合ポンプで、第1反応槽及び第2反応槽内のろ過水を循環させることができるので、循環式水洗トイレシステムをさらにコンパクトにできる。また、循環配管及び混合ポンプを共有できるので部品コストを節約することができる。
【0044】
また、第1反応槽内の貯水の色度は、第1色度検知手段によって検知される。一方、第2反応槽内の貯水の色度は、第2色度検知手段によって検知される。そして、第1反応槽又は第2反応槽内のろ過水の脱色処理が進行し、第1色度判断手段又は前記第2色度判断手段によって所定色度以下と判断された場合は、脱色水供給流路開放指示手段によって、循環配管から脱色水供給管への流路を開くように、脱色水供給流路開閉手段が指示される。このとき、オゾン発生手段はオゾンを発生し続けているので、混合ポンプではさらに脱色水にオゾンが混合される。これにより、脱色水供給管内を通過する際にもオゾンによる混合脱色がなされるので、ろ過水のオゾン脱色にかかる時間をさらに短縮することができる。
【0045】
そして、脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、循環配管から脱色水供給管への流路が開かれた状態で、第1下限判断手段又は第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、オゾン発生停止手段によってオゾン発生手段が停止される。さらに、ポンプ停止手段によって、混合ポンプの動作が停止される。これにより、貯留槽に供給すべき脱色水が第1反応槽又は第2反応槽にない場合は、自動的にオゾン発生手段と、混合ポンプとを共に停止することができる。
【0046】
また、請求項10に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、請求項9に記載の発明の効果に加え、所定色度は、脱色水供給管の出口通過時の脱色水の色度が、目標色度にまで脱色されている程度に調整されている。これにより、第1反応槽又は第2反応槽で所定時間循環脱色された脱色水は所定色度にまで脱色され、さらに脱色水供給管を通過する際に脱色されるので、脱色水供給管の出口通過時には目標色度にまで脱色された脱色水を得ることができる。
【0047】
また、請求項11に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、請求項9又は10に記載の発明の効果に加え、混合ポンプで貯留槽に脱色水を供給することによって、貯留槽内の脱色水をオーバーフロー水配管を介し、生物処理槽にオーバーフローさせることができる。これにより、オーバーフロー水量を調整することによって、生物処理槽内の生物処理水の色度を希釈することができるので、ろ過水の色度を調整することができる。
【0048】
また、脱色回数カウント手段は、満水検知手段が満水を検知しない時に、第1反応槽及び第2反応槽における脱色処理回数をカウントできる。例えば、昼間のような使用頻度の高い時間帯では、貯留槽内の脱色水は常に使用され続けて満水にならない。よって、脱色回数カウント手段は、昼間の時間帯における脱色処理回数をカウントできる。そして、オーバーフロー回数設定手段は、この脱色回数カウント手段がカウントしたカウント値に応じて、貯留槽の脱色水をオーバーフローさせるオーバーフロー回数を設定できる。さらに、脱色回数カウント手段のカウント値から、水洗便器の使用頻度を推測でき、ろ過水の色度も推測できる。これにより、ろ過水の色度に応じて、オーバーフロー水量を調節できるので、ろ過水の色度を調節することができる。
【0049】
また、請求項12に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、請求項11に記載の発明の効果に加え、脱色回数カウント手段のカウント値に対し、水洗便器の使用頻度と、ろ過水の色度とが比例する傾向にあるので、オーバーフロー回数設定手段は、ろ過水の色度に比例させて、オーバーフロー回数を設定することができる。さらに、オーバーフロー回数設定手段は、脱色回数カウント手段のカウント値が所定回数以上の場合は、所定回数未満の場合よりも、オーバーフロー回数を多く設定するので、ろ過水の色度に対応させて、オーバーフロー水量を調節することができる。よって、ろ過水の色度に応じて、ろ過水が希釈されるので、ろ過水の色度を一定レベルに維持することができる。さらに、ろ過水の色度を一定レベルに維持できることによって、オゾン発生手段にかかる負荷を軽減することができる。
【0050】
また、請求項13に係る発明の循環式水洗トイレシステムでは、請求項9又は10に記載の発明の効果に加え、混合ポンプで脱色槽に脱色水を供給することによって、脱色槽内の脱色水をオーバーフロー水配管を介し、生物処理槽にオーバーフローさせることができる。これにより、オーバーフロー水量を調整することによって、生物処理槽内の生物処理水の色度を薄めることができ、ろ過槽でろ過されるろ過水の色度を調整することができる。
【0051】
そして、満水検知手段が貯留槽の満水を検知した際に、ろ過水色度検知手段の検知した第1反応槽又は第2反応槽に供給されたろ過水の色度が基準色度未満の場合は、水洗便器の使用頻度が少なかったことが推測される。この場合、ポンプ動作指示手段は混合ポンプを動作させないので、貯留槽内の脱色水を生物処理槽にオーバーフローさせない。
【0052】
これとは逆に、ろ過水色度検知手段の検知した第1反応槽又は第2反応槽に供給されたろ過水の色度が基準色度以上の場合は、水洗便器の使用頻度が多かったことが推測される。この場合、ポンプ動作指示手段は通常通り混合ポンプを動作させて、貯留槽内の脱色水を生物処理槽にオーバーフローさせる。これにより、ろ過水の色度が低下するので、上昇した洗浄水の色度を低下させることができる。このように、ろ過水の色度によって、オーバーフロー水量を調整することができるので、ろ過水の色度を一定の範囲内に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、本発明の第1の実施形態である循環式水洗トイレシステム1について、図面に基づいて説明する。図1は、循環式水洗トイレシステム1のブロック図であり、図2は、循環式水洗トイレシステム1の構成図であり、図3は、オゾン脱色部8及びコントローラ10の構成を示す構成図であり、図4は、オゾン脱色部8における処理の流れを示す説明図(第1反応槽31にろ過水供給)であり、図5は、オゾン脱色部8における処理の流れを示す説明図(第1反応槽31の脱色処理:第2反応槽32にろ過水供給)であり、図6は、オゾン脱色部8における処理の流れを示す説明図(第1反応槽31から貯留槽9に脱色水供給)であり、図7は、オゾン脱色部8における処理の流れを示す説明図(第2反応槽32の脱色処理:第1反応槽31にろ過水供給)であり、図8は、オゾン脱色部8における処理の流れを示す説明図(第2反応槽32から貯留槽9に脱色水供給)であり、図9は、CPU10aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャート(第1の実施形態)であり、図10は、CPU10aによる第2反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャート(第1の実施形態)である。
【0054】
なお、第1の実施形態の循環式水洗トイレシステム1は、ろ過水をオゾン脱色するオゾン脱色部8を備えている。このオゾン脱色部8は、2つの反応槽(第1反応槽31,第2反応槽32)と、混合ポンプ12と、循環配管41〜47と、オゾン発生器13とを主体に構成されている。そして、循環配管41〜47にそれぞれ設けられた電磁弁52〜54を各々制御することで、循環配管41〜47で構成されるろ過水の循環流路を、第1循環流路と第2循環流路とに切り換えることができる点が特徴である。
【0055】
はじめに、循環式水洗トイレシステム1の全体構成について概略的に説明する。図1に示すように、循環式水洗トイレシステム1は、水洗便器5と、該水洗便器5からの汚水を受け入れ、汚水中に含まれる有機物を分解するとともに、硝化脱窒を行う生物処理槽6と、該生物処理槽6で処理され、汚泥が混在する生物処理水を固液分離(ろ過)するろ過槽7と、該ろ過槽7でろ過されたろ過水にオゾンを混合して、循環脱色を行うオゾン脱色部8と、該オゾン脱色部8で循環脱色された脱色水を貯留する貯留槽9とを主体に構成されている。そして、貯留槽9と水洗便器5の間には洗浄水供給管15が設けられ、該洗浄水供給管15にはポンプ16が設けられている。このポンプ16が運転することで、貯留槽9に貯留された脱色水が洗浄水供給管15を介して水洗便器5に供給され、洗浄水として再利用される。さらに、循環式水洗トイレシステム1は、上記各処理槽における処理動作を制御するコントローラ10(図2参照)を備えている。
【0056】
次に、生物処理槽6について説明する。図2に示すように、生物処理槽6は、汚水中のアンモニアを硝化処理して、硝酸に変換する硝化槽6bと、硝化槽6bで硝化処理された硝酸を脱窒処理して窒素ガスに変換して大気中に放出する脱窒槽6aとから構成されている。なお、硝化槽6bと脱窒槽6aとの間を仕切る壁には、生物処理水が移動するための穴(図示外)が設けられている。また、硝化槽6bの底部には散気管19が設置され、該散気管19は、配管18aを介して間欠式のブロワー18に接続されている。さらに、硝化槽6bには水中ポンプ(図示外)が設けられ、該水中ポンプの稼働によって、硝化槽6b内の生物処理水がろ過槽7に供給される。
【0057】
次に、ろ過槽7について説明する。図2に示すように、ろ過槽7には、複数のろ過膜を支持枠(図示外)の内側に支持するろ過装置17が配置されている。このろ過装置17は、汚泥が混在する生物処理水をろ過できる。また、ろ過装置17のろ過水が流出する出口にはろ過水供給管25が接続され、該ろ過水供給管25の下流側一端部は、オゾン脱色部8の後述する電磁弁51の入口に接続されている。なお、ろ過槽7の水面は、オゾン脱色部8の第1反応槽31及び第2反応槽32の水面よりも高くなっている。これにより、ろ過槽7に供給された生物処理水は、ろ過装置17の複数のろ過膜を通過し、ろ過水供給管25を介して、オゾン脱色部8に自然に流入する。
【0058】
また、ろ過槽7の底部には、散気管20が設置され、該散気管20は、配管18bを介して間欠式のブロワー18に接続されている。よって、散気管20から送出された気泡によって、散気管20の上方に配置されたろ過装置17のろ過膜の表面に付着した汚泥等の異物が除去される。さらに、ろ過槽7には、汚泥を含む生物処理水が貯留され、散気管20によって曝気されるので、ろ過槽7でも微生物による硝化反応が行われている。
【0059】
次に、本発明の特徴であるオゾン脱色部8について説明する。図2に示すように、このオゾン脱色部8は、第1反応槽31及び第2反応槽32と、該第1反応槽31又は第2反応槽32内のろ過水にオゾンを混合して反応させる混合ポンプ12と、該混合ポンプ12と第1反応槽31又は第2反応槽32との間でオゾン混合水を循環させる循環配管41〜47と、空気を原料としてオゾンを発生して、混合ポンプ12に供給するオゾン発生器13とを主体に構成されている。
【0060】
まず、第1反応槽31、第2反応槽32について説明する。図3に示すように、第1反応槽31及び第2反応槽32は、ろ過水供給管25から供給されるろ過水を受け入れるとともに、混合ポンプ12との間を循環して生成する脱色水を貯留する槽である。そして、第1反応槽31の内側には、第1反応槽31の上部から下側まで延設されたフロート取付板35が配設されている。このフロート取付板35の上部には、第1反応槽31の水位が上限水位に到達したか否かを検知する第1上限フロート70が固定され、下部には、第1反応槽31の水位が下限水位未満か否かを検知する第1下限フロート71が固定されている。なお、第1上限フロート70の固定位置は、第1反応槽31内におけるろ過水(又は脱色水)の上限水位の位置に調整され、第1下限フロート71の固定位置は、第1反応槽31内におけるろ過水(又は脱色水)の下限水位の位置に調整されている。
【0061】
一方、第2反応槽32の内側にも、第2反応槽32の上部から下側まで延設されたフロート取付板36が配設されている。このフロート取付板36の上部には、第2反応槽32の水位が上限水位に到達したか否かを検知する第2上限フロート73が固定され、下部には、第2反応槽32の水位が下限水位未満か否かを検知する第2下限フロート74が固定されている。そして、第2上限フロート73の固定位置は、第2反応槽32内におけるろ過水(又は脱色水)の上限水位の位置に調整され、第2下限フロート74の固定位置は、第2反応槽32内におけるろ過水(又は脱色水)の下限水位の位置に調整されている。
【0062】
なお、これら各種フロートは一般的なフロートスイッチであり、第1反応槽31及び第2反応槽32の各水位によってスイッチのオンオフが切り替わる。そして、これら第1上限フロート70、第1下限フロート71、第2上限フロート73、第2下限フロート74は、コントローラ10の後述するI/Oインタフェイス10dに接続され、各種フロートから出力されたオンオフ信号が各々入力される。これにより、コントローラ10の後述するCPU10aは、第1反応槽31及び第2反応槽32の各水位を検知できる。
【0063】
次に、第1反応槽31及び第2反応槽32にろ過水を供給するための配管構成について説明する。図3に示すように、第1反応槽31の側壁の上段には、ろ過水が流入するろ過水配管38の一端部が接続され、第2反応槽32の側壁の上段には、ろ過水が流入するろ過水配管39の一端部が接続されている。そして、このろ過水配管38の他端部と、ろ過水配管39の他端部との間には、一つの入口及び二つの出口を備えた三方電磁弁である電磁弁51の各出口が接続されている。この電磁弁51のバルブ内には二つの弁座が設けられ、常に何れか一方の弁座が開かれ、他方の弁座は閉じられた状態となっている。これにより、電磁弁51のバルブ内では2つの流路を互いに切り換えることができる。また、電磁弁51の入口には、ろ過水供給管25の下流側一端部が接続されている。よって、ろ過水供給管25から供給されたろ過水は、電磁弁51からろ過水配管38に、又はろ過水配管39に流れるので、第1反応槽31又は第2反応槽32に各々供給することができる。
【0064】
次に、混合ポンプ12について説明する。この混合ポンプ12は、周知の気液混合ポンプである。混合ポンプ12は、ポンプ本体と、オゾンが流入するためのオゾン入口と、ろ過水が流入するためのろ過水入口と、オゾン混合水が流出するための混合水出口とを備えている。よって、ろ過水入口から流入したろ過水は、ポンプ本体内でオゾン入口から流入したオゾンと混合され、混合水出口からオゾン混合水となって外部に流出させることができる。
【0065】
次に、循環配管41〜47の配管構成について説明する。図3に示すように、第1反応槽31の側壁の中段には、循環配管41の一端部が接続され、第2反応槽32の側壁の中段には、循環配管42の一端部が接続されている。そして、循環配管41の他端部と、循環配管42の他端部との間には、一つの入口及び二つの出口を備えた三方電磁弁である電磁弁52の各出口が接続されている。一方、第1反応槽31の側壁の下段には、循環配管43の一端部が接続され、第2反応槽32の側壁の下段には、循環配管44の一端部が接続されている。そして、循環配管44の他端部と、循環配管43の他端部との間には、二つの入口及び一つの出口を備えた三方電磁弁である電磁弁53の各入口が接続されている。
【0066】
また、混合ポンプ12の混合水出口には、循環配管45の一端部が接続されている。さらに、その循環配管45の他端部には、一つの入口及び二つの出口を備えた三方電磁弁である電磁弁54の入口が接続されている。さらに、その電磁弁54の一方の出口と、電磁弁52の入口との間には、循環配管46が接続されている。また、電磁弁53の出口と、混合ポンプ12のろ過水入口との間には、循環配管47が接続されている。また、電磁弁54の他方の出口には、脱色水供給管50の一端部が接続され、他端部は貯留槽9に接続されている。なお、循環配管46には、流路の開閉を手動で行う手動弁61が設けられ、脱色水供給管50にも、流路の開閉を手動で行う手動弁62が設けられている。これら手動弁61,62は常時半開状態にあり、循環配管46及び脱色水供給管50内での水圧を高く保つことでオゾンをより多く溶解させ、脱色反応を促進させるようにしている。このように配置された循環配管41〜47と、電磁弁52〜54とによって、第1反応槽31と混合ポンプ12とをつなぐ第1循環流路と、第2反応槽32と混合ポンプ12とをつなぐ第2循環流路とをそれぞれ形成することができる。なお、これら第1循環流路と第2循環流路については後述する。
【0067】
次に、コントローラ10について説明する。図3に示すように、コントローラ10は、中央演算処理装置としてのCPU10aと、該CPU10aを中心に相互に接続されたROM10bと、RAM10cと、タイマ10eとを備えている。なお、RAM10cは実行中のプログラムを一時的に記憶したり、各種データ等を記憶する読み出し及び書き込み可能なメモリであり、ROM10bは内蔵されている各種プログラム等を記憶する読み出し専用のメモリである。また、CPU10aにはI/Oインタフェイス10dが接続されている。このI/Oインタフェイス10dには、図示外の配線を介して、電磁弁51,52,53,54と、ブロワー18と、混合ポンプ12と、オゾン発生器13と、第1上限フロート70、第1下限フロート71、第2上限フロート73及び第2下限フロート74とが各々接続されている。
【0068】
次に、オゾン脱色部8の第1循環流路及び第2循環流路について説明する。上記したように、オゾン脱色部8では、循環配管41〜47に設けられた電磁弁52〜54を制御することにより、第1反応槽31と混合ポンプ12との間をつなぎ、第1反応槽31内のろ過水にオゾンを混合して循環させる第1循環流路と、第2反応槽32と混合ポンプ12との間をつなぎ、第2反応槽32内のろ過水にオゾンを混合して循環させる第2循環流路とにそれぞれ切り換えることができる。
【0069】
そして、第1循環流路とは、図5に示すように、第1反応槽31から循環配管43、循環配管47、混合ポンプ12、循環配管45、循環配管46、循環配管41の順で構成されるループ状の流路である。一方、第2循環流路は、図7に示すように、第2反応槽32から循環配管44、循環配管47、混合ポンプ12、循環配管45、循環配管46、循環配管42の順で構成されるループ状の流路である。そして、これら第1循環流路と、第2循環流路とを交互に切り換えることによって、第1反応槽31のろ過水の循環脱色と、第2反応槽32のろ過水の循環脱色とを交互に行うことができる。また、第1循環流路及び第2循環流路は、循環配管41〜47のうち、循環配管45,46,47を共有しているので、少ない配管構成で2つの循環流路を形成できる。これにより、オゾン脱色部8の構成をコンパクトに纏めることができるので、設置スペースの狭い場所でも設置可能となる。
【0070】
次に、オゾン脱色部8の脱色水供給流路について説明する。図3に示すように、オゾン脱色部8では、電磁弁54を制御することで、第1反応槽31又は第2反応槽32に貯留された脱色水を、脱色水供給管50を介して貯留槽9に供給できる脱色水供給流路に切り換えることができる。この脱色水供給流路とは、図6又は図8に示すように、混合ポンプ12から循環配管45、混合ポンプ12、脱色水供給管50の順に構成される流路である。よって、第1反応槽31に貯留された脱色水は、図6に示すように、循環配管43、循環配管47、混合ポンプ12を介して脱色水供給管50に流れ込み、貯留槽9に供給される。一方、第2反応槽32に貯留された脱色水は、図8に示すように、循環配管44、循環配管47、混合ポンプ12を介して脱色水供給管50に流れ込み、貯留槽9に供給される。
【0071】
次に、オゾン発生器13を運転させる設定時間t1について説明する。図3に示すように、オゾン発生器13で発生されるオゾンは、オゾン供給管27を介して、混合ポンプ12に供給される。そして、このオゾン供給量はオゾン発生器13の運転時間によって調整される。そこで、本実施形態では、このオゾン発生器13の運転時間を、各反応槽(第1反応槽31又は第2反応槽32)の脱色処理において、各反応槽に貯留されたろ過水が目標色度にまで脱色されるのに要する時間(設定時間t1)として設定される。
【0072】
例えば、図5(図7)に示すように、第1反応槽31(又は第2反応槽32)のろ過水を、第1循環流路(又は第2循環流路)に循環させ、かつオゾン発生器13を運転させた場合、オゾン発生器13を運転させてから設定時間t1が経過した後に、オゾン発生器13を停止させれば、第1反応槽31(又は第2反応槽32)には目標色度にまで脱色された脱色水を得ることができる。
【0073】
次に、オゾン脱色部8におけるCPU10aの制御動作について、図9,図10に示す各フローチャートと、図5乃至図8に示す処理水の流れの説明図を参照して説明する。なお、本説明において、処理開始時には、第1反応槽31及び第2反応槽32にはろ過水がまだ供給されていないものとする。はじめに、循環式水洗トイレシステム1の起動スイッチ(図示外)がオンされると、第1反応槽31のろ過水のオゾン循環脱色を行う第1反応槽脱色処理(図9参照)と、第2反応槽32のろ過水のオゾン循環脱色を行う第2反応槽脱色処理(図10参照)とが同時に実行される。
【0074】
しかしながら、第1反応槽脱色処理と、第2反応槽脱色処理とでは、互いに共有する循環配管45,46,47を同時に使用できない。そこで、第1反応槽脱色処理を、第2反応槽脱色処理よりも先に進行させる。よって、図10に示す第2反応槽脱色処理では、まず、後述する第1反応槽脱色処理において、第2反応槽32の処理開始を許可するための第2反応槽処理開始信号(図9:S14参照)が出力されたか否かが判断される(S31)。そして、第2反応槽処理開始信号が出力されるまでは(S31:NO)、処理を進行せず、第2反応槽処理開始信号が出力されるまではS31に戻って待機状態とされる。
【0075】
一方、第1反応槽脱色処理では、図9に示すように、はじめに、第1反応槽31が上限水位未満か否かが判断される(S11)。ここで、第1反応槽31のろ過水の水位が上限水位未満の場合(S11:YES)、電磁弁51におけるろ過水配管38側の弁座が開かれ、ろ過水配管39側の弁座が閉じられる。すると、図4に示すように、ろ過水供給管25を流れるろ過水は電磁弁51からろ過水配管38に流れ込み、第1反応槽31内に供給される(S12)。一方、第1反応槽31が上限水位以上の場合(S11:NO)は、第1反応槽31にろ過水を供給する必要がないので、第2反応槽32の処理の開始を許可する第2反応槽処理開始信号が出力される(S14)。
【0076】
また、第1反応槽31内にろ過水が供給されると(S12)、次に、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上か否かが判断される(S13)。そして、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上でないと判断された場合は(S13:NO)、S12に戻って、ろ過水が引き続き供給される。さらに、ろ過水が供給され、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上と判断された場合は(S13:YES)、第1反応槽31にろ過水を供給する必要がないので、第2反応槽32の処理の開始を許可する第2反応槽処理開始信号が出力される(S14)。
【0077】
なお、後述するが、第2反応槽処理開始信号が出力されると、第2反応槽脱色処理では、電磁弁51におけるろ過水配管39側の弁座が開かれ、ろ過水配管38側の弁座が閉じられる。そして、図5に示すように、第2反応槽32にろ過水が供給される(図10:S33)。
【0078】
次に、第2反応槽32が循環脱色処理中か否かが判断される(S15)。ここで、第2反応槽32のろ過水が循環脱色処理中である場合、循環配管45,47を使用できない。よって、第2反応槽32が循環脱色処理中の場合は(S15:YES)、S13に戻って処理が繰り返される。また、第2反応槽32が循環脱色処理中でない場合は(S15:NO)、電磁弁52,53,54が各々切り換えられることで、第1循環流路が開放される(S16)。具体的に言うと、電磁弁53では、循環配管43から循環配管47に流路をつなぐように弁座が開かれ、電磁弁54では、循環配管45から循環配管46に流路をつなぐように弁座が開かれ、電磁弁52では、循環配管46から循環配管41に流路をつなぐように弁座が開かれる。これにより、第1循環流路が開放される。さらに、オゾン発生器13が運転され(S17)、混合ポンプ12が運転される(S18)。そして、タイマカウンタkがリセットされるとともにスタートされる(S19)。すると、図5に示すように、第1反応槽31のろ過水が、第1循環流路を循環することでオゾンと反応して脱色が進む。
【0079】
その後、オゾン発生器13の運転時間、即ち、タイマカウンタkの値が設定時間t1に到達したか否かが判断される(S20)。ここで、タイマカウンタkの値が設定時間t1にまだ到達していない場合は(S20:NO)、第1反応槽31のろ過水が目標色度にまで脱色されていないと推測できる。よって、S20に戻り、オゾン発生器13をそのまま運転させ、循環脱色処理を継続させるとともに、タイマカウンタkの値が監視される。そして、タイマカウンタkの値が設定時間t1に到達した場合は(S20:YES)、オゾン発生器13が停止される(S21)。このとき、第1反応槽31には目標色度の脱色水が生成している。
【0080】
次いで、第1反応槽31内の脱色水を貯留槽9に供給するため、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が開放される(S22)。具体的に言うと、電磁弁54では、循環配管45から脱色水供給管50に流路をつなぐように弁座が開かれる。これにより、図6に示すように、第1反応槽31内の脱色水が、循環配管43、循環配管47、混合ポンプ12、循環配管45、脱色水供給管50を流れ、貯留槽9に供給され、第1反応槽31内の脱色水は徐々に減少する。
【0081】
さらに、第1反応槽31の脱色水の水位が下限水位未満か否かが判断される(S23)。ここで、水位がまだ下限水位以上の場合は(S23:NO)、S23に戻り、脱色水を貯留槽9に引き続き供給し水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合(S23:YES)は、第1反応槽31には、貯留槽9に供給するだけの脱色水はもう存在しないので、混合ポンプ12が停止される(S24)。続いて、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が閉塞される(S25)。さらに、後述する第2反応槽脱色処理において、第1反応槽処理開始信号(図10:S35参照)が出力されたか否かが判断される(S26)。この第1反応槽処理開始信号が出力されていない間は(S26:NO)、第2反応槽32にろ過水が供給されていると推測できるので、S26に戻って待機状態とされる。そして、第2反応槽32へのろ過水供給が終了し、第2反応槽脱色処理において、第1反応槽処理開始信号が出力された場合(S26:YES)、S11に戻って処理を繰り返す。
【0082】
次に、第2反応槽脱色処理について説明する。上記したように、この第2反応槽脱色処理は、第1反応槽脱色処理と同時に実行される。この第2反応槽脱色処理では、図10に示すように、まず、第2反応槽処理開始信号があったか否かが判断される(S31)。まだ、第1反応槽脱色処理において、第2反応槽処理開始信号が出力されていない場合(S31:NO)、第1反応槽31にろ過水が供給されていると推測できるので、S31に戻って待機状態とされる。そして、第2反応槽処理開始信号があった場合(S31:YES)、第1反応槽31へのろ過水供給が終了しているので、続いて、第2反応槽32のろ過水の水位が上限水位未満か否かが判断される(S32)。ここで、上限水位未満の場合(S32:YES)、電磁弁51のろ過水配管39側の弁座が開かれ、ろ過水配管38側の弁座が閉じられる。すると、図5に示すように、ろ過水供給管25から供給されたろ過水は、電磁弁51からろ過水配管39に流れ込み、第2反応槽32内に供給される(S33)。そして、第2反応槽32が上限水位以上の場合(S32:NO)は、第2反応槽32にろ過水を供給する必要がない。よって、第1反応槽31の処理の開始を許可する第1反応槽処理開始信号が出力される(S35)。これにより、第1反応槽脱色処理にて、この第1反応槽処理開始信号が認識されることで(図9に示すS26:YES)、図9に示すS11からの処理が実行される。
【0083】
また、第2反応槽32内にろ過水が供給されると(S33)、次に、第2反応槽32内のろ過水が上限水位以上か否かが判断される(S34)。そして、第2反応槽32内のろ過水が上限水位以上でないと判断された場合は(S34:NO)、S33に戻って、ろ過水が引き続き供給される。さらに、ろ過水が供給され、第2反応槽32内のろ過水が上限水位以上と判断された場合は(S34:YES)、第2反応槽32にろ過水を供給する必要がないので、第1反応槽31の処理の開始を許可する第1反応槽処理開始信号が出力される(S35)。
【0084】
次いで、第1反応槽31が脱色処理中か否かが判断される(S36)。ここで、第1反応槽31のろ過水が脱色処理中である場合、循環配管45,46,47を使用できない。よって、第1反応槽31が循環脱色処理中の場合は(S36:YES)、S34に戻って処理が繰り返される。また、第1反応槽31が循環脱色処理中でない場合は(S36:NO)、電磁弁52,53,54が各々切り換えられることで、第2循環流路が開放される(S37)。具体的に言うと、電磁弁53では、循環配管44から循環配管47に流路をつなぐように弁座が開かれ、電磁弁54では、循環配管45から循環配管46に流路をつなぐように弁座が開かれ、電磁弁52では、循環配管46から循環配管42に流路をつなぐように弁座が開かれる。これにより、第2循環流路が開放される。さらに、オゾン発生器13が運転され(S38)、混合ポンプ12が運転される(S39)。そして、タイマカウンタkがリセットされるとともにスタートされる(S40)。こうして、図7に示すように、第2反応槽32内のろ過水が、第2循環流路を循環することでオゾンと反応して脱色が進む。
【0085】
その後、オゾン発生器13の運転時間、即ち、タイマカウンタkの値が設定時間t1に到達したか否かが判断される(S41)。ここで、タイマカウンタkの値が設定時間t1にまだ到達していない場合は(S41:NO)、第2反応槽32のろ過水が目標色度にまで脱色されていないと推測できる。よって、S41に戻り、オゾン発生器13がそのまま運転され、循環脱色処理が継続するとともに、タイマカウンタkの値が監視される。そして、タイマカウンタkの値が設定時間t1に到達した場合は(S41:YES)、オゾン発生器13が停止される(S42)。このとき、第2反応槽32には目標色度の脱色水が生成している。
【0086】
次いで、第2反応槽32内の脱色水を貯留槽9に供給するため、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が開放される(S43)。具体的に言うと、電磁弁54では、循環配管45から脱色水供給管50に流路をつなぐように弁座が開かれる。これにより、図8に示すように、第2反応槽32内の脱色水が、循環配管44、循環配管47、混合ポンプ12、循環配管45、脱色水供給管50を流れ、貯留槽9に供給される。よって、第2反応槽32内の脱色水の水位は徐々に減少する。
【0087】
さらに、第2反応槽32の脱色水の水位が下限水位未満か否かが判断される(S44)。ここで、水位がまだ下限水位以上の場合は(S44:NO)、S44に戻り、脱色水が貯留槽9に引き続き供給され、水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合(S44:YES)は、第2反応槽32には、貯留槽9に供給するだけの脱色水は存在しないので、混合ポンプ12が停止される(S45)。続いて、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が閉塞される(S46)。その後、S31に戻って処理が繰り返される。
【0088】
以上説明したように、第1の実施形態である循環式水洗トイレシステム1は、オゾン脱色部8を備えている。このオゾン脱色部8は、2つの反応槽(第1反応槽31,第2反応槽32)と、混合ポンプ12と、循環配管41〜47と、オゾン発生器13とを備えている。そして、オゾン脱色部8は、2つの反応槽(第1反応槽31、第2反応槽32)にそれぞれろ過水を溜めてから、オゾンによる脱色処理をそれぞれ行う。これにより、オゾンをろ過水に確実に作用させることができるので、オゾン及びろ過水の接触効率を向上させることができる。さらに、各処理槽内に生成した脱色水には新たなろ過水が供給されて混合することがないので、安定した色度の脱色水を短時間で得ることができる。
【0089】
また、オゾン脱色部8では、循環配管41〜47に設けられた電磁弁52〜54を制御することによって、循環配管41〜47の流路を、第1循環流路及び第2循環流路の何れかに切り換えることができる。そして、第1反応槽31のろ過水の循環脱色と、第2反応槽32のろ過水の循環脱色とが交互に実行されるので、ろ過水を短時間で効率的に脱色することができる。例えば、第1反応槽31のろ過水が脱色処理中の間に、第2反応槽32にろ過水を供給できる。さらに、第2反応槽32のろ過水が脱色処理中の間に、第1反応槽31にろ過水を供給できる。これにより、ろ過水を短時間で効率的に脱色することができる。また、循環配管41〜47のうち一部の配管を互いに共有するので、オゾン脱色部8をコンパクトに纏めることができる。また、第1循環流路と、第2循環流路とにおいて、1個の混合ポンプ12を互いに共有しているので、オゾン脱色部8の構成をさらにコンパクトに纏めることができる。
【0090】
さらに、オゾン発生器13の動作時間は、第1反応槽31及び第2反応槽32の各脱色処理において、第1反応槽31又は第2反応槽32に貯留されたろ過水が目標色度にまで脱色されるのに要する時間、即ち設定時間t1に設定されている。これにより、オゾン発生器13が稼働を開始してから設定時間t1が経過した時にオゾン発生器13を停止させることで、第1反応槽31又は第2反応槽32内に目標色度の脱色水を得ることができる。
【0091】
次に、第2の実施形態である循環式水洗トイレシステムについて説明する。図11は、CPU10aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャート(第2の実施形態)であり、図12は、CPU10aによる第2反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャート(第2の実施形態)である。
【0092】
この循環式水洗トイレシステムは、第1の実施形態である循環式水洗トイレシステム1と同じ構成を備えるが、CPU10aの制御動作が異なる。つまり、各反応槽(第1反応槽31、第2反応槽32)に貯留されたろ過水が目標色度まで脱色される前に脱色水供給流路を開放し、脱色水供給管50の管内でさらにオゾンと反応させることで、オゾン脱色処理にかかる時間をさらに短縮できる。よって、ここでは、第2の実施形態である循環式水洗トイレシステムの構造については説明を省略し、第1の実施形態とは異なるCPU10aの制御動作を中心に説明する。
【0093】
まず、脱色水供給流路を開放するタイミングについて説明する。上記したように、脱色水供給流路の開閉は、電磁弁54の切換えを制御することで行われる。第2の実施形態では、この電磁弁54による脱色水供給流路を開放するタイミングが、オゾン発生器13が運転を開始してから設定時間t2後に設定される。さらに、この設定時間t2は、各反応槽内のろ過水が目標色度よりも高い基準色度(以下、脱色水基準色度と呼ぶ。)まで脱色されるのに要する時間として設定される。つまり、オゾン発生器13が運転を開始してから設定時間t2経過後には、ろ過水は脱色水基準色度まで脱色される。さらに、オゾン発生器13を運転させたままの状態で脱色水供給流路が開放されるので、混合ポンプ12でオゾンがさらに混合され、脱色水供給管50の管内でオゾン脱色反応が起こる。よって、脱色水供給管50の出口通過時には、目標色度の脱色水が貯留槽9に供給される。なお、脱色水基準色度は、脱色水供給管50の出口通過時の脱色水の色度が目標色度まで脱色されるように設定される。例えば、目標色度を30度に設定した場合、オゾン発生器13の能力、脱色水供給管50の管径、長さ、混合ポンプ12の送出能力等に基づいて、脱色水基準色度(例えば100度)が設定される。
【0094】
次に、第2の実施形態におけるCPU10aの制御動作について、図11,図12に示す各フローチャートを参照して説明する。なお、本説明における処理開始時には、第1反応槽31及び第2反応槽32にはろ過水がまだ供給されていないものとする。はじめに、循環式水洗トイレシステムの起動スイッチ(図示外)がオンされると、第1反応槽脱色処理(図11参照)と、第2反応槽脱色処理(図12参照)とが同時に実行される。そして、第1の実施形態と同じように、第1反応槽脱色処理を第2反応槽脱色処理よりも先に進行させる。よって、図12に示す第2反応槽脱色処理では、まず、第1反応槽脱色処理において、第2反応槽32の処理開始を許可するための後述する第2反応槽処理開始信号が出力されたか否かが判断される(S71)。そして、第2反応槽処理開始信号が出力されるまでは(S71:NO)、処理を進行せず、第2反応槽処理開始信号が出力されるまでは待機状態とされる(S71)。
【0095】
まず、第1反応槽脱色処理について説明する。図11に示すように、はじめに、第1反応槽31が上限水位未満か否かが判断される(S51)。ここで、既に、第1反応槽31が上限水位以上であると判断された場合は(S51:NO)、第2反応槽32の処理の開始を許可する第2反応槽処理開始信号が出力される(S54)。また、第1反応槽31のろ過水の水位が上限水位未満の場合(S51:YES)、電磁弁51におけるろ過水配管38側の弁座が開かれ、ろ過水が第1反応槽31内に供給される(S52)。一方、第1反応槽31が上限水位以上の場合(S51:NO)は、第2反応槽32の処理の開始を許可する第2反応槽処理開始信号が出力される(S54)。
【0096】
また、第1反応槽31内にろ過水が供給されると(S52)、次に、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上か否かが判断される(S53)。そして、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上でないと判断された場合は(S53:NO)、S52に戻って、ろ過水が引き続き供給される。さらに、ろ過水が供給され、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上と判断された場合は(S53:YES)、第1反応槽31にろ過水を供給する必要がないので、第2反応槽32の処理の開始を許可する第2反応槽処理開始信号が出力される(S54)。
【0097】
次いで、第2反応槽32が循環脱色処理中か否かが判断される(S55)。ここで、第2反応槽32のろ過水が循環脱色処理中である場合(S55:YES)、循環配管45,46,47を使用できないので、S53に戻って待機状態とされる。また、第2反応槽32が循環脱色処理中でない場合は(S55:NO)、電磁弁52,53,54が切り換えられ、第1循環流路が開放される(S56)。さらに、オゾン発生器13が運転され(S57)、混合ポンプ12が運転される(S58)。そして、タイマカウンタkがリセットされるとともにスタートされる(S59)。すると、第1反応槽31のろ過水が、第1循環流路を循環することでオゾンと反応して脱色が進む。
【0098】
その後、オゾン発生器13のタイマカウンタkが設定時間t2に到達したか否かが判断される(S60)。ここで、タイマカウンタkの値が設定時間t2にまだ到達していない場合は(S60:NO)、第1反応槽31のろ過水が脱色水基準色度(例えば、100度)にまで脱色されていないと推測できる。よって、S60に戻り、循環脱色処理がそのまま継続される。そして、タイマカウンタkが設定時間t2に到達した場合は(S60:YES)、第1反応槽31のろ過水が脱色水基準色度にまで脱色されたと推測できるので、オゾン発生器13を停止せないで、電磁弁54が切り換えられ、脱色水供給流路が開放される(S61)。
【0099】
これにより、第1反応槽31内の脱色水は、図6に示すように、循環配管43、循環配管47を通過して、混合ポンプ12に吸引され、該混合ポンプ12ではさらにオゾンが混合される。そして、オゾンが混合された混合水は、循環配管45を介して脱色水供給管50に流れ込み、脱色水供給管50を通過する間にさらに脱色される。よって、脱色水供給管50の出口通過時には、脱色水は目標色度(例えば、30度)にまで脱色されるので、貯留槽9には目標色度の脱色水を供給できる。
【0100】
次いで、第1反応槽31の脱色水の水面が下限水位未満か否かが判断される(S62)。ここで、水位が下限水位以上の場合(S62:NO)、S62に戻り、脱色水が貯留槽9に引き続き供給され、水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合は(S62:YES)、オゾン発生器13が停止され(S63)、混合ポンプ12が停止される(S64)。続いて、電磁弁54が切り換えられ、脱色水供給流路が閉塞される(S65)。さらに、後述する第2反応槽開始処理において、第1反応槽処理開始信号が出力されたか否かが判断される(S66)。この第1反応槽処理開始信号が出力されていない間は(S66:NO)、第2反応槽32にろ過水が供給されているので、S66に戻って待機状態とされる。そして、第2反応槽32へのろ過水の供給が終了され、第1反応槽処理開始信号が出力された場合(S66:YES)、S51に戻って処理が繰り返される。
【0101】
次に、第2反応槽脱色処理について説明する。まず、第2反応槽処理開始信号があったか否かが判断される(S71)。まだ、第2反応槽処理開始信号がない場合(S71:NO)、S71に戻って待機状態とされる。そして、第2反応槽処理開始信号があった場合(S71:YES)、続いて、第2反応槽32のろ過水の水位が上限水位未満か否かが判断される(S72)。ここで、第2反応槽32が上限水位以上の場合は(S72:NO)、第2反応槽32にろ過水を供給する必要がないので、第2反応槽32の処理の開始を許可する第1反応槽処理開始信号が出力される(S75)。また、上限水位未満の場合(S72:YES)、電磁弁51のろ過水配管39側の弁座が開かれ、ろ過水が第2反応槽32内に供給される(S73)。次いで、第2反応槽32内の水位が上限水位以上であるか否かが判断される(S74)。そして、水位が上限水位以上であると判断されない場合は(S74:NO)、S73に戻り、引き続き水位の監視が行われる。また、水位が上限水位以上と判断された場合は(S74:YES)、第2反応槽32の処理の開始を許可する第1反応槽処理開始信号が出力される(S75)。これにより、第1反応槽脱色処理において、第2反応槽脱色処理で出力された第1反応槽処理開始信号が認識されることで(図11に示すS66:YES)、第1反応槽脱色処理のS51からの処理が再び実行される。
【0102】
次いで、第1反応槽31が循環脱色処理中か否かが判断される(S76)。そして、第1反応槽31が循環脱色処理中の場合は(S76:YES)、第2反応槽32を循環脱色できないので、S74に戻って待機状態とされる。また、第1反応槽31が循環脱色処理中でない場合は(S76:NO)、電磁弁52,53,54が切り換えられることで、第2循環流路が開放される(S77)。さらに、オゾン発生器13が運転され(S78)、混合ポンプ12が運転される(S79)。そして、タイマカウンタkがリセットされるとともにスタートされる(S80)。すると、第2反応槽32のろ過水が第2循環流路を循環することでオゾンと反応して脱色が進む。
【0103】
その後、オゾン発生器13の運転時間、即ち、タイマカウンタkが設定時間t2に到達したか否かが判断される(S81)。ここで、タイマカウンタkの値が設定時間t2にまだ到達していない場合は(S81:NO)、第1反応槽脱色処理と同様に、S81に戻り、循環脱色処理が継続されるとともに、タイマカウンタkの値が監視される。そして、タイマカウンタkの値が設定時間t2に到達した場合は(S81:YES)、オゾン発生器13を停止させないで、電磁弁54が切り換えられる(S82)。すると、循環配管45及び脱色水供給管50で構成される脱色水供給流路が開放される。
【0104】
これにより、図8に示すように、第2反応槽32内の脱色水が、循環配管44、循環配管47を通過して、混合ポンプ12に吸引され、該混合ポンプ12ではさらにオゾンが混合される。そして、オゾンが混合された混合水は、循環配管45を介して脱色水供給管50に流れ込み、脱色水供給管50を通過する間にさらに脱色される。よって、脱色水供給管50の出口通過時には、脱色水は目標色度(例えば、30度)にまで脱色されるので、貯留槽9には目標色度の脱色水を供給することができる
【0105】
次に、第2反応槽32の水位が下限水位未満か否かが判断される(S83)。ここで、水位がまだ下限水位以上の場合は(S83:NO)、S83に戻り、脱色水が貯留槽9に引き続き供給され、水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合(S83:YES)は、オゾン発生器13が停止され(S84)、混合ポンプ12が停止される(S85)。続いて、電磁弁54が切り換えられ、脱色水供給流路が閉塞される(S86)。その後、S71に戻って処理が繰り返される。
【0106】
以上説明したように、第2の実施形態の循環式水洗トイレシステムでは、第1の実施形態の循環式水洗トイレシステム1と同じ構成を備えるが、CPU10aの制御動作が異なるものである。つまり、各反応槽に貯留されたろ過水が目標色度まで脱色される前に脱色水供給流路を開放し、脱色水供給管50の管内でもオゾンと反応させることができる。これにより、第1の実施形態では、各反応槽内の脱色水を貯留槽9に供給するためだけに使用していた時間を、第2の実施形態では省略できるので、オゾン脱色部8のろ過水のオゾン循環脱色にかかる処理時間を短縮することができる。
【0107】
次に、第3の実施形態である循環式水洗トイレシステムについて説明する。図13は、オゾン脱色部80及びコントローラ110の構成を示す構成図であり、図14は、CPU110aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートであり、図15は、CPU110aによる第2反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートである。
【0108】
この循環式水洗トイレシステムは、第2の実施形態の変形例であり、第1反応槽31及び第2反応槽32に、各槽内の脱色水の色度を直接検知できる色度センサ85,86をそれぞれ備えている。そして、それら色度センサ85,86の各検出値に基づいて、脱色水供給流路を開放するタイミングを制御することで、貯留槽9に供給される脱色水の色度をより正確かつ安定して保持できる点に特徴を備えている。
【0109】
なお、第3の実施形態の循環式水洗トイレシステムは、第1の実施形態である循環式水洗トイレシステム1の構造を基本的に備えているので、同じ構造部分に関しては同符号を付して説明を省略するとともに、異なる構造部分についてのみ説明する。
【0110】
図13に示すように、この循環式水洗トイレシステムは、オゾン脱色部80と、コントローラ110とを備えている。このオゾン脱色部80は、第1の実施形態のオゾン脱色部8と同じ構造を備えている。そして、第1反応槽31において、フロート取付板35の略中段には、貯水の色度を検知する色度センサ85が取り付けられている。一方、第2反応槽32において、フロート取付板36の略中段には、色度センサ86が取り付けられている。これら色度センサ85,86は周知の色度センサである。これら色度センサ85,86は、後述するコントローラ110のI/Oインタフェイス110dに電気的に接続されている。よって、色度センサ85,86によって検知された色度値は検知信号に変換され、コントローラ110のCPU110aに入力される。
【0111】
コントローラ110は、中央演算処理装置としてのCPU110aと、該CPU110aを中心に相互に接続されたROM110bと、RAM110cとを備えている。さらに、CPU110aにはI/Oインタフェイス110dが設けられている。そして、このI/Oインタフェイス110dには、図示外の配線を介して、電磁弁51,52,53,54と、ブロワー18と、混合ポンプ12と、オゾン発生器13と、第1上限フロート70、第1下限フロート71、第2上限フロート73、第2下限フロート74と、色度センサ85,86が各々接続されている。なお、本実施形態では、オゾン発生器13の運転/停止のタイミングは、色度センサ85,86の検知色度に基づいて行われる。よって、コントローラ110には、第1の実施形態のコントローラ10のようなタイマを設けてはいない。
【0112】
そして、CPU110aは、第2の実施形態と同様の制御を行う。つまり、各反応槽のろ過水が脱色水基準色度まで脱色されたら脱色水供給流路を開放する。これにより、脱色水供給管50の管内でさらにオゾン脱色が行われるので、目標色度の脱色水を貯留槽9に供給することができる。なお、目標色度及び脱色水基準色度は、第2の実施形態と同様に設定される。
【0113】
次に、CPU110aによるオゾン脱色部80の制御動作について、図14,図15に示す各フローチャートを参照して説明する。なお、本説明における処理開始時には、第1反応槽31及び第2反応槽32にはろ過水がまだ供給されていないものとする。はじめに、循環式水洗トイレシステムの起動スイッチ(図示外)がオンされると、第1反応槽脱色処理(図14参照)と、第2反応槽脱色処理(図15参照)とが同時に実行される。そして、第2の実施形態と同じように、第1反応槽脱色処理を第2反応槽脱色処理よりも先に進行させる。よって、図15に示す第2反応槽脱色処理では、まず、第1反応槽脱色処理において、第2反応槽32の処理開始を許可するための後述する第2反応槽処理開始信号が出力されたか否かが判断される(S111)。そして、第2反応槽処理開始信号が出力されるまでは(S111:NO)、S111に戻って、第2反応槽処理開始信号が出力されるまでは待機状態とされる。
【0114】
まず、第1反応槽脱色処理について説明する。図14に示すように、はじめに、第1反応槽31が上限水位未満か否かが判断される(S91)。ここで、既に、第1反応槽31が上限水位以上であると判断された場合は(S91:NO)、第2反応槽32の処理の開始を許可する第2反応槽処理開始信号が出力される(S94)。また、第1反応槽31のろ過水の水位が上限水位未満の場合(S91:YES)、電磁弁51におけるろ過水配管38側の弁座が開かれ、ろ過水が第1反応槽31内に供給される(S92)。
【0115】
また、第1反応槽31内にろ過水が供給されると(S92)、次に、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上か否かが判断される(S93)。そして、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上でないと判断された場合は(S93:NO)、S92に戻って、ろ過水が引き続き供給される。さらに、ろ過水が供給され、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上と判断された場合は(S93:YES)、第1反応槽31にろ過水を供給する必要がないので、第2反応槽32の処理の開始を許可する第2反応槽処理開始信号が出力される(S94)。
【0116】
次いで、第2反応槽32が循環脱色処理中か否かが判断される(S95)。ここで、第2反応槽32のろ過水が循環脱色処理中である場合(S95:YES)、循環配管45,46,47を使用することができないので、S93に戻って待機状態とされる。また、第2反応槽32が循環脱色処理中でない場合は(S95:NO)、電磁弁52,53,54が切り換えられることで、第1循環流路が開放される(S96)。さらに、オゾン発生器13が運転され(S97)、混合ポンプ12が運転される(S98)。すると、第1反応槽31のろ過水が第1循環流路を循環するので、オゾンと反応して脱色が進む。
【0117】
その後、第1循環流路を循環するろ過水の色度が検出される(S99)。具体的には、第1反応槽31内の色度センサ85が、第1反応槽31内のろ過水(脱色水)の色度を検出し、CPU110aにその検知信号が入力される。そして、その色度値が脱色水基準色度以下(例えば、100度以下)まで低下したか否かが判断される(S100)。ここで、まだ脱色水基準色度以下まで低下していない場合(S100:NO)、循環脱色処理がそのまま継続されるとともに、引き続き色度が監視される(S99,S100)。そして、ろ過水の色度が脱色水基準色度以下まで低下した場合(S100:YES)、オゾン発生器13を停止せないで、電磁弁54が切り換えられ、循環配管45及び脱色水供給管50で構成される脱色水供給流路が開放される(S101)。
【0118】
これにより、第1反応槽31内の脱色水は、循環配管43、循環配管47を通過して、混合ポンプ12に吸引され、該混合ポンプ12ではさらにオゾンが混合される。そして、オゾンが混合された混合水は、脱色水供給管50を通過する間にさらに脱色され、脱色水供給管50の出口通過時には目標色度(例えば、30度)にまで脱色される。よって、貯留槽9に目標色度の脱色水を供給できる。
【0119】
さらに、第1反応槽31の脱色水の水位が下限水位未満か否かが判断される(S102)。ここで、水位が下限水位以上の場合は(S102:NO)、S102に戻り、脱色水が貯留槽9に引き続き供給され、水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合(S102:YES)は、オゾン発生器13が停止され(S103)、混合ポンプ12が停止される(S104)。続いて、電磁弁54が切り換えられ、脱色水供給流路が閉塞される(S105)。続いて、後述する第2反応槽開始処理において、第1反応槽処理開始信号が出力されたか否かが判断される(S106)。この第1反応槽処理開始信号が出力されていない間は(S106:NO)、第2反応槽32にろ過水が供給されているので、S106に戻って待機状態とされる。そして、第2反応槽32へのろ過水の供給が終了し、第1反応槽処理開始信号が出力された場合(S106:YES)、S91に戻って処理が繰り返される。
【0120】
次に、第2反応槽脱色処理について説明する。図15に示すように、まず、第2反応槽処理開始信号があったか否かが判断される(S111)。まだ、第2反応槽処理開始信号がない場合(S111:NO)、S111に戻って待機状態とされる。そして、第2反応槽処理開始信号があった場合(S111:YES)、続いて、第2反応槽32のろ過水の水位が上限水位未満か否かが判断される(S112)。ここで、第2反応槽32が上限水位以上の場合(S112:NO)は、第2反応槽32にろ過水を供給する必要がないので、第2反応槽32の処理の開始を許可する第1反応槽処理開始信号が出力される(S115)。また、上限水位未満の場合(S112:YES)、電磁弁51のろ過水配管39側の弁座が開かれ、ろ過水が第2反応槽32内に供給される(S113)。次いで、第2反応槽32内の水位が上限水位以上であるか否かが判断される(S114)。水位が上限水位以上と判断されない場合は(S114:NO)、S113に戻り、引き続き水位の監視が行われる。そして、水位が上限水位以上と判断された場合は(S114:YES)、第2反応槽32の処理の開始を許可する第1反応槽処理開始信号が出力される(S115)。これにより、第1反応槽脱色処理において、第2反応槽脱色処理で出力された第1反応槽処理開始信号が認識されることで(図14に示すS106:YES)、第1反応槽脱色処理のS91からの処理が実行される。
【0121】
次いで、第1反応槽31が循環脱色処理中か否かが判断される(S116)。そして、第1反応槽31が循環脱色処理中の場合は(S116:YES)、S114に戻って処理が繰り返される。また、第1反応槽31が循環脱色処理中でない場合は(S116:NO)、電磁弁52,53,54が切り換えられることで、第2循環流路が開放される(S117)。さらに、オゾン発生器13が運転され(S118)、混合ポンプ12が運転される(S119)。すると、第2反応槽32のろ過水が第2循環流路を循環するので、オゾンと反応して脱色が進む。
【0122】
その後、第2循環流路を循環する脱色水の色度が検出される(S120)。具体的には、第2反応槽32内の色度センサ86によって、第2反応槽32内の脱色水の色度が検出され、CPU110aにその検知信号が入力される。そして、その色度値が脱色水基準色度以下(例えば、100度以下)まで低下したか否かが判断される(S121)。ここで、脱色水がまだ脱色水基準色度以下まで低下していない場合(S121:NO)、循環脱色処理がそのまま継続されるとともに、引き続き色度が監視される(S120)。そして、脱色水基準色度以下まで低下した場合(S121:YES)、オゾン発生器13が停止されないで、電磁弁54が切り換えられ、循環配管45及び脱色水供給管50で構成される脱色水供給流路が開放される(S122)。
【0123】
これにより、第2反応槽32内の脱色水は、循環配管44、循環配管47を通過して、混合ポンプ12に吸引され、該混合ポンプ12ではさらにオゾンが混合される。そして、オゾンが混合された混合水は、脱色水供給管50を通過する間にさらに脱色され、脱色水供給管50の出口通過時には目標色度(例えば、30度)にまで脱色される。よって、貯留槽9に目標色度の脱色水を供給できる。
【0124】
さらに、第2反応槽32の脱色水の水位が下限水位未満か否かが判断される(S123)。ここで、水位が下限水位以上の場合は(S123:NO)、S123に戻り、脱色水が貯留槽9に引き続き供給され、水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合(S123:YES)は、オゾン発生器13が停止される(S124)。さらに、混合ポンプ12が停止される(S125)。続いて、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が閉塞される(S126)。その後、S111に戻って処理が繰り返される。
【0125】
以上説明したように、第3の実施形態の循環式水洗トイレシステムでは、第1反応槽31及び第2反応槽32に色度センサ85,86をそれぞれ備えている。そして、CPU110aが、色度センサ85,86の各検出値に基づいて、脱色水供給流路を開放するタイミングを制御することで、貯留槽9に供給される脱色水の色度をより正確かつ安定して保持できる点に特徴を備えている。つまり、各反応槽の脱色水の色度を色度センサ85,86で直接検出できるので、第2の実施形態のようにオゾン発生器13の運転時間に基づいて制御する場合に比べて、より安定した目標色度の脱色水を貯留槽9に貯留することができる。
【0126】
なお、第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、各反応槽のろ過水が脱色水基準色度まで脱色されたら、脱色水供給流路を開放し、脱色水供給管50の管内でもオゾン脱色を行うようにしたが、例えば、第1の実施形態の循環式水洗トイレシステム1のように、各反応槽内のろ過水を目標色度にまで完全に脱色してから、オゾン発生器13を停止させ、脱色水供給管50を介して貯留槽9に供給するようにしてもよい。
【0127】
次に、第4の実施形態の循環式水洗トイレシステム100について説明する。図16は、循環式水洗トイレシステム100の構成図であり、図17は、オゾン脱色部80及びコントローラ120の構成を示す構成図であり、図18は、CPU120aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートであり、図19は、CPU120aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートである。
【0128】
この循環式水洗トイレシステム100は、貯留槽90に貯留された脱色水をオーバーフローさせて、生物処理槽6に供給する仕組みを備えるものである。そして、水洗便器5の使用頻度に応じて、休日夜間における脱色水のオーバーフロー水量を制御することができる。これにより、オゾン脱色部80に供給されるろ過水の色度を希釈して一定レベルに維持することができるので、オゾン脱色部80にかかる負荷を軽減できる。そして、第4の実施形態では、ろ過水の色度に基づいてオーバーフロー水量を制御する点に特徴を備えている。
【0129】
なお、循環式水洗トイレシステム100は、図16,図17に示すように、第1の実施形態である循環式水洗トイレシステム1(図1参照)の構造を基本的に備えるとともに、オゾン脱色部80と、上記各実施形態とは異なる制御動作を行うコントローラ120とを備えている。そこで、構造が同じ部分については同符号を付して説明を省略し、構造の異なる部分を中心に説明する。また、以下説明において、貯留槽90の「オーバーフロー水」とは、貯留槽90が満水の時に、オゾン脱色部80の脱色水供給管50から脱色水が供給されることによって溢れ出た脱色水をいう。
【0130】
図16に示すように、循環式水洗トイレシステム100は、水洗便器5と、生物処理槽6と、ろ過槽7と、オゾン脱色部80と、貯留槽90とを主体に構成されている。そして、貯留槽90と水洗便器5との間には洗浄水供給管15が設けられ、該洗浄水供給管15にはポンプ16が設けられている。さらに、循環式水洗トイレシステム100は、上記各処理槽における処理動作を制御するコントローラ120(図18)を備えている。なお、オゾン脱色部80は、第3の実施形態と同じ構造のものである。
【0131】
貯留槽90は、ろ過槽7に隣接して設けられている。さらに貯留槽90の内側には、貯留槽90の上部から中段まで延設されたフロート取付板37が配設されている。このフロート取付板37の上部には、貯留槽90に貯留された脱色水が満水になったか否かを検知する満水フロート75が固定されている。さらに、その貯留槽90と生物処理槽6との間には、貯留槽90のオーバーフロー水を生物処理槽6に供給するオーバーフロー水配管99が配設されている。また、ろ過装置17には、該ろ過装置17のろ過水を生物処理槽6にオーバーフローさせるろ過水オーバーフロー配管77が配設されている。
【0132】
コントローラ120は、中央演算処理装置としてのCPU120aと、該CPU120aを中心に相互に接続されたROM120bと、RAM120cとを備えている。さらに、CPU120aにはI/Oインタフェイス120dが設けられている。そして、このI/Oインタフェイス120dには、図示外の配線を介して、電磁弁51,52,53,54と、ブロワー18と、混合ポンプ12と、オゾン発生器13と、第1上限フロート70、第1下限フロート71、第2上限フロート73、第2下限フロート74と、色度センサ85,86と、満水フロート75とが各々接続されている。
【0133】
次に、循環式水洗トイレシステム100のオーバーフロー水の流れについて説明する。休日夜間は、昼間に比べて水洗便器5の使用頻度が低い。この場合、生物処理槽6に汚水が流入しないので、この状態を放置すると、ろ過槽7への生物処理水の供給が止まるので、ろ過装置17周囲の生物処理水の流れが止まる。これにより、ろ過装置17のろ過膜が目詰まりを起こす恐れがある。そこで、休日夜間の場合、貯留槽90内の脱色水が減らずに満水となるので、オゾン脱色部80から脱色水を貯留槽90に供給することで、脱色水を槽外にオーバーフローさせる。このオーバーフロー水を、オーバーフロー水配管99を介して生物処理槽6に供給する。また、生物処理槽6にオーバーフロー水が供給されると、生物処理水が希釈されるので、水洗便器5の使用頻度によってろ過水の色度が高くなるのを防止できる。さらに、本実施形態では、オゾン脱色部80に供給されるろ過水の色度に応じて、このオーバーフロー水量を制御することで、オゾン脱色部80におけるオゾン脱色処理を効率的かつ安定して行うことができる。
【0134】
また、貯留槽9から脱色水をオーバーフローさせた直後は貯留槽90は満水ではなくなるので、生物処理槽6にオーバーフロー水を供給できない。この場合、ろ過装置17からろ過水をオーバーフローさせることで、ろ過水オーバーフロー配管77を介して生物処理槽6に供給されるようになっている。これにより、ろ過槽7には生物処理水が供給され、ろ過装置17周囲の生物処理水の流れが維持されるので、ろ過膜の目詰まりを防止できる。
【0135】
次に、水洗便器5の使用頻度とろ過水の色度との関係について説明する。例えば、水洗便器5の使用頻度が高い場合、生物処理槽6に流入する汚水量は多くなる。この場合、生物処理槽6では、汚水中の有機物を処理しきれないため、生物処理水には微生物分解できなかった有機物が残留して蓄積される。つまり、その残留する有機物が色度成分となるので、生物処理水をろ過して得られるろ過水の色度は高くなる傾向になる。これとは逆に、水洗便器5の使用頻度が低い場合、生物処理槽6に流入する汚水量は少なくなる。この場合、生物処理槽6では、汚水中の有機物を処理できるため、生物処理水には有機物が残留しない。よって、生物処理水をろ過して得られるろ過水の色度は低くなる傾向になる。つまり、第1反応槽31に供給されるろ過水の色度を検知することで、水洗便器5の使用頻度を推測できる。そして、本実施形態のCPU120aは、オゾン脱色部80に供給されたろ過水の色度に基づいて、オーバーフロー水量を制御することで、ろ過水の色度を一定レベルに安定して保つことができる。
【0136】
次に、ろ過水基準色度と脱色水基準色度とについて説明する。ろ過水の色度は、図17に示す第1反応槽31の色度センサ85によって検知される。そして、ろ過水基準色度は、貯留槽90の脱色水をオーバーフローさせるか否かの基準となる色度値として設定される。よって、ろ過水基準色度は、オゾン脱色部80の規模や処理能力に応じて設定される。一方、脱色水基準色度は、第3の実施形態と同様に、目標色度(例えば、30度)の脱色水を脱色水供給管50の出口で得るために、脱色水供給流路を開放する際の色度(例えば、100度)として設定すればよい。
【0137】
次に、CPU120aによるオゾン脱色部80の制御動作について、図18,図19に示す各フローチャートを参照して説明する。はじめに、循環式水洗トイレシステム100の起動スイッチ(図示外)がオンされると、第1反応槽脱色処理(図18参照)と、第2反応槽脱色処理(図19参照)とが同時に実行される。そして、第1乃至第3の実施形態と同じように、第1反応槽脱色処理を第2反応槽脱色処理よりも先に進行させる。よって、図19に示す第2反応槽脱色処理では、まず、第1反応槽脱色処理において、第2反応槽32の処理開始を許可するための後述する第2反応槽処理開始信号が出力されたか否かが判断される(S151)。そして、第2反応槽処理開始信号が出力されるまでは(S151:NO)、処理を進行せず、第2反応槽処理開始信号が出力されるまでは待機状態とされる(S151)。
【0138】
まず、第1反応槽脱色処理について説明する。図18に示すように、はじめに、第1反応槽31が上限水位未満か否かが判断される(S131)。ここで、既に、第1反応槽31が上限水位以上であると判断された場合は(S131:NO)、第2反応槽32の処理の開始を許可する第2反応槽処理開始信号が出力される(S134)。また、第1反応槽31のろ過水の水位が上限水位未満の場合(S131:YES)、電磁弁51におけるろ過水配管38側の弁座が開かれ、ろ過水が第1反応槽31内に供給される(S132)。
【0139】
次に、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上か否かが判断される(S133)。そして、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上でないと判断された場合は(S133:NO)、S132に戻って、ろ過水が引き続き供給される。さらに、ろ過水が供給され、第1反応槽31内のろ過水が上限水位以上と判断された場合は(S133:YES)、第1反応槽31にろ過水を供給する必要がないので、第2反応槽32の処理の開始を許可する第2反応槽処理開始信号が出力される(S134)。
【0140】
次いで、第2反応槽32が循環脱色処理中か否かが判断される(S135)。ここで、第2反応槽32のろ過水が循環脱色処理中である場合、循環配管45,47を使用できない。よって、第2反応槽32が循環脱色処理中の場合は(S135:YES)、S133に戻って処理が繰り返される。また、第2反応槽32が循環脱色処理中でない場合は(S135:NO)、第1反応槽31に貯留されたろ過水の色度が検出される(S136)。なお、第1反応槽31のろ過水の色度は、色度センサ85によって検知される。さらに、貯留槽90が満水であって、かつろ過水の色度がろ過水基準色度以下か否かが判断される(S137)。ここで、貯留槽90が満水でない場合は(S137:NO)、水洗便器5の使用頻度が高く、貯留槽90の脱色水が使用されているので、貯留槽90に脱色水を溜めるために通常の循環脱色が行われる。よって、電磁弁52,53,54が切り換えられ、第1循環流路が開放され(S138)、オゾン発生器13が運転され(S139)、混合ポンプ12が運転される(S140)。なお、貯留槽90が満水でないということは、水洗便器5の使用頻度の高い昼間であると推測される。
【0141】
一方、休日夜間のように水洗便器5が使用されない場合は、貯留槽90は満水になる。そして、貯留槽90が満水であって、ろ過水の色度がろ過水基準色度を超えている場合は(S137:NO)、昼間の水洗便器5の使用頻度が高かったと推測される。この場合、貯留槽90の脱色水をオーバーフローさせ、生物処理槽6の生物処理水を希釈して、ろ過水色度を下げるのが望ましい。そこで、貯留槽90からオーバーフローさせるために、
通常の循環脱色を行う。つまり、電磁弁52,53,54が切り換えられ、第1循環流路が開放され(S138)、オゾン発生器13が運転され(S139)、混合ポンプ12が運転される(S140)。
【0142】
そして、第1循環流路を循環する脱色水の色度が検出される(S141)。そして、その色度値が脱色水基準色度以下(例えば、100度以下)まで低下したか否かが判断される(S142)。ここで、第1循環流路を循環する脱色水の色度がまだ脱色水基準色度以下まで低下していない場合(S142:NO)、S141に戻って、循環脱色処理がそのまま継続されるとともに、引き続き色度が監視される(S142)。そして、脱色水の色度が脱色水基準色度以下まで低下した場合(S142:YES)、オゾン発生器13を停止せないで、電磁弁54が切り換えられる(S143)。すると、循環配管45及び脱色水供給管50で構成される脱色水供給流路が開放される。
【0143】
これにより、第1反応槽31内の脱色水は、循環配管43、循環配管47を通過して、混合ポンプ12ではさらにオゾンが混合され、脱色水供給管50を通過する間にさらに脱色される。よって、脱色水供給管50の出口通過時には、脱色水は目標色度(例えば、30度)にまで脱色されるので、貯留槽90に目標色度の脱色水を供給することができる。
【0144】
そして、貯留槽90が満水の時に脱色水が供給されると、脱色水がオーバーフローするので、そのオーバーフロー水は、オーバーフロー水配管99を介して、生物処理槽6に供給される。これにより、生物処理槽6内の生物処理水が希釈されるので、ろ過槽7のろ過装置17から供給されるろ過水の色度を低下させることができる。
【0145】
次いで、第1反応槽31の脱色水の水位が下限水位未満か否かが判断される(S144)。ここで、水位が下限水位以上の場合は(S144:NO)、S144に戻り、脱色水が貯留槽90に引き続き供給され、水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合は(S144:YES)、オゾン発生器13が停止され(S145)、混合ポンプ12が停止される(S146)。続いて、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が閉塞される(S147)。さらに、後述する第2反応槽開始処理において、第1反応槽処理開始信号が出力されたか否かが判断される(S148)。この第1反応槽処理開始信号が出力されていない間は(S148:NO)、第2反応槽32にろ過水が供給されているので、S148に戻って待機状態とされる。そして、第2反応槽32へのろ過水の供給が終了し、第1反応槽処理開始信号が出力された場合(S148:YES)、S131に戻って処理が繰り返される。
【0146】
また、休日夜間に貯留槽90が満水になった時に、ろ過水の色度がろ過水基準色度以下の場合(S137:YES)、昼間の水洗便器5の使用頻度が低かったと推測される。この場合、ろ過水の色度は十分低いので、貯留槽90の脱色水をオーバーフローさせて生物処理槽6内の生物処理水を希釈する必要がない。この場合、オゾン循環脱色を行わずに、S133に戻って、ろ過水の色度と、貯留槽90の水位とが監視される。このように、貯留槽90には脱色水が十分にあって、ろ過水の色度が十分低い場合は、各反応槽の循環脱色処理を行わず、オーバーフローさせないので、オゾン発生器13及び混合ポンプ12等を無駄に運転させることがない。よって、オゾン脱色部80の動作にかかるオゾン発生器13及び混合ポンプ12の電力コストを節約できる。
【0147】
次に、第2反応槽脱色処理について説明する。図19に示すように、まず、第2反応槽処理開始信号があったか否かが判断される(S151)。まだ、第2反応槽処理開始信号がない場合(S151:NO)、第1反応槽31にろ過水が供給されていると推測できるので、S151に戻って待機状態とされる。そして、第2反応槽処理開始信号があった場合(S151:YES)、第1反応槽31へのろ過水供給が終了しているので、続いて、第2反応槽32のろ過水の水位が上限水位未満か否かが判断される(S152)。ここで、既に、第2反応槽32が上限水位以上であると判断された場合は(S152:NO)、第1反応槽31の処理の開始を許可する第1反応槽処理開始信号が出力される(S155)。また、上限水位未満の場合(S152:YES)、電磁弁51のろ過水配管39側の弁座を開くことで、ろ過水が第2反応槽32内に供給される(S153)。次いで、第2反応槽32のろ過水の水位が上限水位以上か否かが判断される(S154)。
【0148】
ここで、水位が上限水位以上でない場合は(S154:NO)、S153に戻り、第2反応槽32に引き続きろ過水が供給される。そして、第2反応槽32が上限水位以上の場合(S154:YES)は、第2反応槽32にろ過水を供給する必要がないので、第2反応槽32の処理の開始を許可する第1反応槽処理開始信号が出力される(S155)。これにより、第1反応槽脱色処理において、第2反応槽脱色処理で出力された第1反応槽処理開始信号を認識することによって(図18のS148:YES)、第1反応槽脱色処理のS131からの処理が実行される。
【0149】
次いで、第1反応槽31が循環脱色処理中か否かが判断される(S156)。そして、第1反応槽31が循環脱色処理中の場合は(S156:YES)、S154に戻って処理が繰り返される。また、第1反応槽31が循環脱色処理中でない場合は(S156:NO)、第2反応槽32に貯留されたろ過水の色度が検出される(S157)。そして、貯留槽90が満水であって、かつろ過水の色度がろ過水基準色度以下か否かが判断される(S158)。ここで、貯留槽90がまだ満水でない場合(S158:NO)、貯留槽90に脱色水を溜めるために通常の循環脱色が行われる。つまり、電磁弁52,53,54が切り換えられて、第2循環流路が開放され(S159)、オゾン発生器13が運転され(S160)、混合ポンプ12が運転される(S161)。
【0150】
また、貯留槽90が満水であって、ろ過水の色度がろ過水基準色度を超えている場合は(S158:YES)、第1反応槽オゾン脱色処理と同様に、貯留槽90からオーバーフローさせるために通常の循環脱色が行われる。つまり、電磁弁52,53,54が切り換えられて、第2循環流路が開放され(S159)、オゾン発生器13が運転され(S160)、混合ポンプ12が運転される(S161)。
【0151】
その後、第2循環流路を循環するろ過水の色度が検出される(S162)。そして、その色度値が脱色水基準色度以下(例えば、100度以下)まで低下したか否かが判断される(S163)。ここで、第2循環流路を循環する脱色水の色度がまだ脱色水基準色度以下まで低下していない場合(S163:NO)、S162に戻って、循環脱色処理がそのまま継続されるとともに、引き続き色度が監視される(S163)。そして、脱色水の色度が脱色水基準色度以下まで低下した場合(S163:YES)、オゾン発生器13を停止せないで、電磁弁54が切り換えられる(S164)。すると、循環配管45及び脱色水供給管50で構成される脱色水供給流路が開放され、脱色水供給管50の出口通過時には、脱色水は目標色度(例えば、30度)にまで脱色されるので、貯留槽90に目標色度の脱色水を供給できる。
【0152】
そして、上記したように、貯留槽90が満水の時に脱色水が順次供給されると、脱色水がオーバーフローするので、そのオーバーフロー水は、オーバーフロー水配管99を介して、生物処理槽6に供給される。これにより、生物処理槽6内の生物処理水が希釈されるので、ろ過槽7のろ過装置17から供給されるろ過水の色度を低下させることができる。
【0153】
さらに、第2反応槽32の脱色水の水位が下限水位未満か否かが判断される(S165)。ここで、水位が下限水位以上の場合は(S165:NO)、S165に戻り、脱色水が貯留槽90に引き続き供給され、水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合(S165:YES)は、オゾン発生器13が停止され(S166)、混合ポンプ12が停止される(S167)。続いて、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が閉塞される(S168)。その後、S151に戻って処理が繰り返される。
【0154】
以上説明したように、第4の実施形態の循環式水洗トイレシステム100は、貯留槽90の脱色水をオーバーフローさせて、生物処理槽6に供給する仕組みを備えている。そして、第1反応槽31又は第2反応槽32に供給されるろ過水の色度を検知し、その検知された色度に応じて、貯留槽90が満水時のオーバーフロー水量を制御することができる。これにより、オゾン脱色部80に供給されるろ過水の色度を一定レベルに維持できるので、オゾン脱色部80にかかるオゾン脱色処理を効率よく行うことができる。さらに、ろ過水の色度が低い場合は、オゾン脱色部80を動作させないことによって脱色水をオーバーフローさせないので、オゾン脱色部80の動作にかかる電力コストを低減することができる。
【0155】
次に、第5の実施形態である循環式水洗トイレシステムについて説明する。図20は、オゾン脱色部80及びコントローラ150の構成を示す構成図であり、図21は、コントローラ150内のROM150bの記憶エリアを示す模式図であり、図22は、CPU150aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートであり、図23は、CPU150aによる第2反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートであり、図24は、CPU150aによる満水時脱色処理の制御動作を示すフローチャートである。
【0156】
この循環式水洗トイレシステムは、第4の実施形態の循環式水洗トイレシステム100の変形例であり、水洗便器5の使用頻度に応じて休日夜間における脱色水のオーバーフロー水量を制御できるものである。そして、昼間における水洗便器5の使用頻度(即ち、オゾン脱色部80の脱色処理回数)に応じて、オーバーフロー水量を制御できる点に特徴を備えている。
【0157】
なお、第5の実施形態の循環式水洗トイレシステムは、図20に示すように、第4の実施形態である循環式水洗トイレシステム100(図16参照)の構造を基本的に備え、オゾン脱色部80と、コントローラ120(図17参照)とは異なる制御動作を実行するコントローラ150とを備えている。そこで、第4の実施形態の循環式水洗トイレシステム100と構造が同じ部分については同符号を付して説明を省略し、コントローラ150と、そのCPU150aの制御動作を中心に説明する。
【0158】
まず、コントローラ150について説明する。図20に示すように、コントローラ150は、中央演算処理装置としてのCPU150aと、該CPU150aを中心に相互に接続されたROM150bと、RAM150cとを備えている。さらに、CPU150aにはI/Oインタフェイス150dが設けられている。このI/Oインタフェイス150dには、図示外の配線を介して、電磁弁51,52,53,54と、ブロワー18と、混合ポンプ12と、オゾン発生器13と、第1上限フロート70、第1下限フロート71、第2上限フロート73、第2下限フロート74と、色度センサ85,86と、満水フロート75とが各々接続されている。
【0159】
次に、ROM150bの各記憶エリアについて説明する。図21に示すように、ROM150bにはCPU150aが実行するプログラムを記憶したプログラム記憶エリア150b1と、昼間における脱色処理回数とそれに対応した夜間における脱色処理回数との関係を示した夜間処理回数テーブルを記憶する夜間処理回数テーブル記憶エリア150b2が各々設けられている。この夜間処理回数テーブルには、昼間の脱色処理回数の値が所定回数毎に区切られ、所定回数毎に区切られた昼間脱色処理回数に対応して、休日夜間に脱色処理させる夜間処理設定回数nが各々設定されている。例えば、昼間脱色処理回数は、0回以上d1回未満と、d1回以上d2回未満と、d2回以上との3つの範囲に区切られている。そして、夜間処理設定回数nは、昼間脱色処理回数が0回以上d1回未満の時に3回、昼間脱色処理回数(昼間処理回数カウンタpの値)がd1回以上d2回未満の時に5回、昼間脱色処理回数がd2回以上の時に10回に各々設定されている。なお、夜間処理回数テーブルにおける昼間脱色処理回数を各範囲に区切る数、昼間脱色処理回数の設定回数等は上記に限定されるものではない。
【0160】
次に、昼間と休日夜間との判別方法について説明する。例えば、昼間は休日夜間に比べて、水洗便器5の使用頻度が高い。よって、貯留槽90に貯留された脱色水が洗浄水として利用される回数が多いので、貯留槽90に貯留された脱色水が満水になることはほとんどない。一方、休日夜間は、昼間に比べて、水洗便器5の使用頻度が低い。よって、貯留槽90に貯留された脱色水が洗浄水として利用される回数が少ないので、貯留槽90に貯留された脱色水が満水になることが多い。そこで、本実施形態におけるコントローラ150のCPU150aは、この貯留槽90における脱色水が満水か否かを満水フロート75で検知することで満水だったら休日夜間、満水でなかったら昼間と判断する。そして、CPU150aは、満水とならない昼間のオゾン脱色部80の脱色処理回数をカウントし、そのカウント値に基づいて、休日夜間における脱色処理回数を設定する。
【0161】
次に、オゾン脱色部80における脱色処理回数のカウント方法について説明する。この脱色処理回数は、オゾン脱色部80から貯留槽90に脱色水を供給した回数、即ち、電磁弁54(図20参照)における脱色水供給流路を開いて閉じた回数でカウントされる。例えば、第1反応槽31の脱色処理が終了し、脱色水供給流路の開放により第1反応槽31の脱色水が貯留槽90に供給され、脱色水供給流路が閉じられることによって、脱色処理回数は1回とカウントされる。次いで、第2反応槽32の脱色処理が終了し、脱色水供給流路の開放により第2反応槽32の脱色水が貯留槽90に供給され、脱色水供給流路が閉じられることによって、脱色処理回数は2回とカウントされる。そして、貯留槽90が満水とならない昼間にこの脱色処理回数をカウントすることによって、昼間における水洗便器5の使用頻度を推測することができる。例えば、昼間の脱色処理回数が多い場合、水洗便器5の使用頻度は高く、ろ過水の色度が高いと推測される。一方、昼間の脱色回数が少ない場合、水洗便器5の使用頻度が低く、ろ過水の色度は低いと推測される。なお、昼間における脱色回数は、昼間処理回数カウンタpによってカウントされる。
【0162】
次に、休日夜間における脱色処理回数の設定方法について説明する。上記したように、休日夜間は、脱色水が利用されないので貯留槽90は満水になる。よって、オゾン脱色部80から満水になった貯留槽90に脱色水が供給されると、貯留槽90の脱色水がオーバーフローするので、そのオーバーフロー水は、オーバーフロー水配管99を介して生物処理槽6に供給される。そこで、昼間の脱色処理回数に応じて、休日夜間における脱色水供給回数(脱色処理回数)を調整することで、休日夜間におけるオーバーフロー水量を制御できる。そして、昼間の脱色処理回数は水洗便器5の使用頻度に比例し、その使用頻度に比例してろ過水の色度が比例する。つまり、ろ過水の色度に応じて、オーバーフロー水量を制御することになるので、ろ過水の色度を一定レベルに維持できる。そして、本実施形態では、CPU150aが、ROM150bに設けられた夜間処理回数テーブル記憶エリア150b2に記憶された夜間処理回数テーブルに基づき、昼間にカウントされた昼間脱色処理回数に対応する休日夜間における夜間処理設定回数nが設定される。
【0163】
次に、CPU150aによるオゾン脱色部80の制御動作について、図22,図23,図24に示す各フローチャートを参照して説明する。はじめに、循環式水洗トイレシステムの起動スイッチ(図示外)がオンされると、第1反応槽脱色処理(図22参照)と、第2反応槽脱色処理(図23参照)とが同時に実行される。そして、第1乃至第4の実施形態と同様に、第1反応槽脱色処理を第2反応槽脱色処理よりも先に進行させる。よって、図23に示す第2反応槽脱色処理では、まず、第1反応槽脱色処理において、第2反応槽32の処理開始を許可するための後述する第2反応槽処理開始信号が出力されたか否かが判断される(S221)。そして、第2反応槽処理開始信号が出力されるまでは(S221:NO)、S221に戻って、処理を進行せず、第2反応槽処理開始信号が出力されるまでは待機状態とされる。
【0164】
一方、第1反応槽脱色処理では、図22に示すように、はじめに、昼間の脱色処理回数をカウントする昼間処理回数カウンタpと、夜間における処理回数をカウントする夜間処理回数カウンタsとが共にリセットされる(S171)。次いで、第1反応槽31が上限水位未満か否かが判断される(S172)。ここで、第1反応槽31のろ過水の水位が上限水位未満の場合(S172:YES)、電磁弁51におけるろ過水配管38側の弁座が開かれ、ろ過水が第1反応槽31内に供給される(S173)。一方、第1反応槽31が上限水位以上の場合(S172:NO)は、第1反応槽31にろ過水を供給する必要がないので、第2反応槽32の処理の開始を許可する第2反応槽処理開始信号が出力される(S175)。
【0165】
そして、第1反応槽31内にろ過水が供給され(S173)、第1反応槽31が上限水位以上か否かが判断される(S174)。ここで、まだ上限水位未満である場合は(S174:NO)、S173に戻り、脱色水が貯留槽9に引き続き供給され、水位の監視が行われる(S174)。その後、水位が上限水位以上になった場合は(S174:YES)、第2反応槽処理開始信号が出力される(S175)。次に、第2反応槽32が循環脱色処理中か否かが判断される(S176)。そして、第2反応槽32が循環脱色処理中の場合は(S176:YES)、第1反応槽31で循環脱色できないので、S174に戻って処理が繰り返される。
【0166】
また、第2反応槽32が循環脱色処理中でない場合は(S176:NO)、続いて、貯留槽90が満水か否かが判断される(S177)。ここで、昼間の場合について説明すると、貯留槽90のろ過水が洗浄水として随時利用されるので、貯留槽90が満水になることはない。つまり、貯留槽90が空にならないように脱色水を供給しなければならない。よって、貯留槽90が満水でない場合は(S177:NO)、電磁弁52,53,54が切り換えられて、第1循環流路が開放され(S178)、オゾン発生器13が運転され(S179)、混合ポンプ12が運転される(S180)。こうして、第1反応槽31のろ過水の循環脱色が開始される。
【0167】
そして、第1反応槽31のろ過水の循環脱色が開始されると、その後、第1循環流路を循環するろ過水の色度が検知される(S181)。さらに、検知された色度値が脱色水基準色度以下(例えば、100度以下)まで低下したか否かが判断される(S182)。ここで、第1循環流路を循環する脱色水の色度がまだ脱色水基準色度以下まで低下していない場合(S182:NO)、S181に戻って、循環脱色処理がそのまま継続され、引き続き色度が監視される(S182)。そして、脱色水の色度が脱色水基準色度以下まで低下した場合(S182:YES)、オゾン発生器13を停止せないで、電磁弁54が切り換えられる(S183)。すると、循環配管45及び脱色水供給管50で構成される脱色水供給流路が開放される。
【0168】
これにより、第1反応槽31内の脱色水は、混合ポンプ12でさらにオゾンが混合され、脱色水供給管50を通過する間にさらに脱色される。そして、脱色水供給管50の出口通過時には、脱色水は目標色度(例えば、30度)にまで脱色され、貯留槽90に供給される。
【0169】
次に、第1反応槽31の脱色水の水位が下限水位未満か否かが判断される(S184)。ここで、水位が下限水位以上の場合は(S184:NO)、S184に戻り、脱色水が貯留槽90に引き続き供給され、水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合(S184:YES)は、オゾン発生器13が停止され(S185)、混合ポンプ12が停止され(S186)、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が閉塞される(S187)。そして、昼間処理回数カウンタpが1インクリメントされる(S188)。これにより、オゾン脱色部80における昼間の処理回数が1回としてカウントされる。
【0170】
次いで、後述する第2反応槽開始処理において、第1反応槽処理開始信号が出力されたか否かが判断される(S189)。この第1反応槽処理開始信号が出力されていない間は(S189:NO)、第2反応槽32にろ過水が供給されているので、S189に戻って待機状態とされる。そして、第2反応槽32へのろ過水の供給が終了し、第1反応槽処理開始信号が出力された場合(S189:YES)、S172に戻って処理が繰り返される。
【0171】
一方、第2反応槽脱色処理では、図23に示すように、まず、第2反応槽処理開始信号があったか否かが判断される(S221)。まだ、第2反応槽処理開始信号がない場合(S221:NO)、第1反応槽31にろ過水が供給されていると推測できるので、S221に戻って待機状態とされる。そして、第2反応槽処理開始信号があった場合(S221:YES)、第1反応槽31へのろ過水供給が終了しているので、続いて、第2反応槽32のろ過水の水位が上限水位未満か否かが判断される(S222)。ここで、第2反応槽32のろ過水の水位が上限水位以上の場合は(S222:NO)、第1反応槽31の処理を許可する第1反応槽処理開始信号が出力される(S225)。
【0172】
また、ろ過水の水位が上限水位未満の場合(S222:YES)、電磁弁51のろ過水配管39側の弁座が開かれ、ろ過水が第2反応槽32内に供給される(S223)。次いで、第2反応槽32のろ過水の水位が上限水位以上か否かが判断される(S224)。ここで、まだ上限水位以上でない場合は(S224:NO)、S223に戻り、第2反応槽32に引き続きろ過水を供給する。そして、第2反応槽32が上限水位以上の場合(S224:YES)は、第2反応槽32にろ過水を供給する必要がないので、第1反応槽処理開始信号が出力される(S225)。
【0173】
次いで、第1反応槽31が循環脱色処理中か否かが判断される(S226)。そして、第1反応槽31が循環脱色処理中の場合は(S226:YES)、S224に戻って処理が繰り返される。また、第1反応槽31が循環脱色処理中でない場合は(S226:NO)、第1反応槽脱色処理と同様に、貯留槽90が満水か否かが判断される(S227)。ここで、例えば、昼間の場合、貯留槽90のろ過水が利用されるので、貯留槽90が満水にはならない。つまり、貯留槽90が空にならないように脱色水を供給しなければならないので、貯留槽90が満水でないと判断された場合は(S227:NO)、通常の循環脱色処理が行われる。よって、電磁弁52,53,54が切り換えられて、第2循環流路が開放され(S228)、オゾン発生器13が運転され(S229)、混合ポンプ12が運転される(S230)。これにより、第2反応槽32のろ過水の循環脱色が開始される。
【0174】
そして、第2反応槽32の循環脱色が開始されると、続いて、第2循環流路を循環する脱色水の色度が検出される(S231)。そして、その色度値が脱色水基準色度以下(例えば、100度以下)まで低下したか否かが判断される(S232)。ここで、第2循環流路を循環する脱色水の色度がまだ脱色水基準色度以下まで低下していない場合(S232:NO)、S231に戻って、循環脱色処理がそのまま継続され、引き続き色度が監視される(S232)。そして、脱色水の色度が脱色水基準色度以下まで低下した場合(S232:YES)、オゾン発生器13を停止せないで、電磁弁54が切り換えられる(S233)。すると、循環配管45及び脱色水供給管50で構成される脱色水供給流路が開放される。
【0175】
これにより、第2反応槽32内の脱色水は、混合ポンプ12でさらにオゾンが混合され、脱色水供給管50を通過する間にさらに脱色される。そして、脱色水供給管50の出口通過時には、脱色水は目標色度(例えば、30度)にまで脱色され、貯留槽90に供給される。
【0176】
さらに、第2反応槽32の脱色水の水位が下限水位未満か否かを判断する(S234)。ここで、水位が下限水位以上の場合は(S234:NO)、S234に戻り、脱色水が貯留槽9に引き続き供給され、水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合(S234:YES)は、オゾン発生器13が停止される(S235)。さらに、混合ポンプ12が停止される(S236)。続いて、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が閉塞される(S237)。さらに、昼間処理回数カウンタpが1インクリメントされる(S238)。これにより、第1反応槽脱色処理における昼間の処理に続いて、昼間における脱色処理回数が2回としてカウントされる。次いで、S221に戻って処理が繰り返される。
【0177】
このように、水洗便器5の使用頻度の高い昼間では、貯留槽90の脱色水が洗浄水として随時利用される。そして、オゾン脱色部80では、上記したように、第1反応槽脱色処理と第2反応槽脱色処理とが交互に行われ、脱色水は貯留槽90に随時供給される。よって、昼間において、貯留槽90に脱色水を安定して確保することができる。
【0178】
次に、休日夜間における第1反応槽脱色処理と、第2反応槽脱色処理とについて説明する。まず、第1反応槽脱色処理では、例えば、休日夜間になると、貯留槽90の脱色水は利用されなくなるので、貯留槽90には脱色水が蓄積される。そして、図22に示すS171〜S176の処理が終了すると、貯留槽90が満水か否かが判断される(S177)。そして、貯留槽90が満水であると判断された場合は(S177:YES)、休日夜間における脱色処理を実行するための満水時脱色処理が行われる(S190)。
【0179】
ここで、S190の満水時脱色処理について説明する。図24に示すように、満水時脱色処理では、まず、夜間処理回数カウンタsの値が0を超えているか否かが判断される(S251)。なお、夜間処理回数カウンタsは、休日夜間の貯留槽90が満水時において、電磁弁54が脱色水供給流路を開いて閉じた回数をカウントする。そして、貯留槽90が満水になってからろ過水の脱色処理をまだ行っていない場合(S251:NO)、続いて、昼間処理回数カウンタpの値が0回以上d1回未満であるか否かが判断される(S252)。そして、pの値が0回以上d1回未満であると判断された場合は(S252:YES)、満水時における脱色処理回数を設定する回数設定処理が行われる(S256)。この処理回数設定処理では、図21に示すROM150bの夜間処理回数テーブル記憶エリア150b2に記憶された夜間処理回数テーブルに基づいて、夜間における夜間処理設定回数nが設定される。この場合、pが0回以上d1回未満であるので、n=3回が設定される。また、pがd1以上d2未満である場合は(S252:NO、S253:YES)、回数設定処理ではn=5回が設定される(S255)。さらに、pがd2以上である場合は、処理回数設定処理ではn=10回が設定される(S254)。
【0180】
こうして、S254〜S256の回数設定処理が終了すると、続いて、電磁弁52,53,54が切り換えられて、第1循環流路が開放される(S257)。そして、オゾン発生器13が運転され(S258)、混合ポンプ12が運転される(S259)。こうして、第1反応槽31のろ過水の循環脱色が開始される。
【0181】
次いで、第1循環流路を循環する脱色水の色度が検出される(S260)。そして、その色度値が脱色水基準色度以下(例えば、100度以下)まで低下したか否かが判断される(S261)。ここで、第1循環流路を循環する脱色水の色度がまだ脱色水基準色度以下まで低下していない場合(S261:NO)、S260に戻って、循環脱色処理をそのまま継続させ、引き続き色度が監視される(S261)。そして、脱色水の色度が脱色水基準色度以下まで低下した場合(S261:YES)、オゾン発生器13を停止せないで、電磁弁54が切り換えられ(S262)、脱色水供給流路が開放される。そして、混合ポンプ12では脱色水にさらにオゾンが混合されるので、脱色水供給管50を通過する間にさらに脱色され、貯留槽90に目標色度の脱色水が供給される。
【0182】
そして、満水となった貯留槽90に脱色水が供給されると、脱色水がオーバーフローする。さらに、そのオーバーフロー水は、オーバーフロー水配管99を介して、生物処理槽6に供給される。次いで、第1反応槽31の脱色水の水位が下限水位未満か否かが判断される(S263)。ここで、水位が下限水位以上の場合は(S263:NO)、S263に戻り、脱色水が貯留槽9に引き続き供給され、水位の監視が行われる。そして、水位が下限水位未満まで低下した場合(S263:YES)は、オゾン発生器13が停止され(S264)、混合ポンプ12が停止される(S265)。続いて、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が閉塞された後に(S266)、夜間処理回数カウンタsの値が1インクリメントされる(S267)。これにより、夜間における脱色処理回数が1回とカウントされる。そして、図22に示す第1反応槽脱色処理のS191に移行する。
【0183】
次いで、図22に示すように、満水時脱色処理(S190)が終了し、夜間処理回数カウンタsの値が、回数設定処理(S254,S255,S256)で設定された夜間処理設定回数n未満か否かが判断される(S191)。ここでは、まだ夜間処理設定回数nに到達していないので(S191:YES)、S189の処理に進み、第1反応槽処理開始信号の出力を待って(S189)、処理が繰り返される。なお、夜間処理回数カウンタsの値が、夜間処理設定回数nに到達した場合(S191:NO)については後述する。
【0184】
一方、第2反応槽脱色処理(図23参照)でも同様に、貯留槽90が満水となった場合は(S227)、満水時脱色処理が行われる(S239)。そして、図24に示すフローチャートにしたがって満水時脱色処理が同様に実行される。そして、図24に示すように、夜間における脱色処理が既に実行中の場合は、夜間処理回数カウンタsの値は少なくとも1回以上であるので(S251:YES)、S251〜S256の処理が行われずに、S257に進んで第2循環流路が開放され、ろ過水の脱色処理が実行される(S258,S259)。さらに、第2循環流路を循環する脱色水の色度が検出され(S260)、その色度値が脱色水基準色度以下(例えば、100度以下)まで低下したか否かが判断される(S261)。ここで、第2循環流路を循環する脱色水の色度がまだ脱色水基準色度以下まで低下していない場合(S261:NO)、S260に戻って、循環脱色処理がそのまま継続され、引き続き色度が監視される(S261)。
【0185】
そして、脱色水の色度が脱色水基準色度以下まで低下した場合(S261:YES)、オゾン発生器13を停止せないで、電磁弁54が切り換えられ(S262)、脱色水供給流路が開放されて脱色水が貯留槽90に供給される。次に、第2反応槽32の水位が下限数水位未満か否かが判断され(S263)、下限数水位未満まで低下しない間は(S263:NO)、S263に戻って処理が繰り返される。そして、第2反応槽32の水位が下限数水位未満まで減ったら(S263:YES)、オゾン発生器13、混合ポンプ12が停止され(S264,S265)、電磁弁54が切り換えられて脱色水供給流路が閉じられる(S266)。そして、夜間処理回数カウンタsの値が1インクリメントされる(S267)。よって、上述した第1反応槽脱色処理の満水時脱色処理(図22:S190)に引き続いて処理されたので、夜間における夜間処理回数は2回となる。そして、図23に示す第2反応槽脱色処理のS240に移行される。
【0186】
次いで、図23に示すように、満水時脱色処理(S239)が終了し、夜間処理回数カウンタsの値が、回数設定処理(S254,S255,S256)で設定された夜間処理設定回数n未満か否かが判断される(S240)。ここでは、まだ夜間処理設定回数nに到達していないので(S240:YES)、S221に戻って処理が繰り返される。
【0187】
このように、貯留槽90の満水時では、第1反応脱色処理における満水時脱色処理(図22に示すS190)と、第2反応槽脱色処理における満水時脱色処理(図23に示すS239)とが交互に実行される。そして、例えば、図22に示すように、第1反応槽脱色処理の満水時脱色処理(S190)が終了して、夜間処理回数カウンタsの値が夜間処理設定回数n未満か否かが判断され(S191)、夜間処理回数カウンタsの値が夜間処理設定回数nに到達したと判断された場合は(S191:NO)、続いて、貯留槽90がまだ満水であるか否かが検知される(S192)。そして、貯留槽90がまだ満水の場合(S192:YES)、貯留槽90の満水時に既にn回オーバーフローさせているので、これ以上は貯留槽90からオーバーフローさせる必要がない。よって、S192に戻って引き続き水位の監視が行われる。
【0188】
そして、水洗便器5が再び使用され始めた場合、貯留槽90に貯留された脱色水が利用されるので、貯留槽90の水位が下がる。そこで、貯留槽90が満水でないと判断された場合は(S192:NO)、昼間処理回数カウンタpと、夜間処理回数カウンタsとが共にリセットされる(S193)。次いで、S189の処理に進み、第1反応槽処理開始信号の出力を待って、処理が繰り返される。
【0189】
これとは別に、例えば、第2反応槽脱色処理の満水時脱色処理(S239)が終了して、夜間処理回数カウンタsの値が夜間処理設定回数n未満か否かが判断され(S240)、夜間処理回数カウンタsの値が夜間処理設定回数nに到達したと判断された場合は(S240:NO)、続いて、貯留槽90がまだ満水であるか否かが検知される(S241)。そして、貯留槽90がまだ満水のままの場合(S241:YES)、これ以上は貯留槽90からオーバーフローさせないため、S241に戻って引き続き水位の監視が行われる。
【0190】
そして、水洗便器5が再び使用され始めると、貯留槽90に貯留された脱色水が利用される。よって、貯留槽90の水位が下がるので、貯留槽90が満水でない場合は(S241:NO)、昼間処理回数カウンタpと、夜間処理回数カウンタとが共にリセットされる(S242)。次いで、S221の処理に進み、第2反応槽処理開始信号の出力を待って、処理が繰り返される。
【0191】
以上説明したように、第5の実施形態の循環式水洗トイレシステムでは、コントローラ150のCPU150aが、貯留槽90が満水とならない昼間のオゾン脱色部80の脱色処理回数をカウントし、そのカウント値に基づいて、満水時の脱色処理回数を設定して、オーバーフロー水量を制御することができる。
【0192】
このコントローラ150のCPU150aは、ROM150bに設けられた夜間処理回数テーブル記憶エリア150b2に記憶された夜間処理回数テーブルに基づき、昼間脱色処理回数に対応する休日夜間における夜間処理設定回数nを設定できる。この夜間処理設定回数nは、昼間脱色処理回数に比例するように各々設定されている。そして、その昼間脱色処理回数は水洗便器5の使用頻度に応じて比例するため、ろ過水の色度に比例する。つまり、ろ過水の色度に対応して、夜間処理設定回数nが設定されている。したがって、貯留槽90の満水時に、満水時設定処理で設定されたn回だけ脱色処理することで、n回オーバーフローさせることができるので、昼間の水洗便器5の使用頻度、即ち、ろ過水の色度に応じてオーバーフロー水を生物処理槽6に供給できる。これにより、ろ過水の色度を一定レベルに維持できるので、オゾン脱色部80を稼働させる消費電力を節約できる。
【0193】
なお、第1の実施形態において、オゾン発生器13が「オゾン発生手段」に相当し、電磁弁51が「ろ過水流路切換手段」に相当し、電磁弁54が「脱色水供給流路開閉手段」に相当し、第1上限フロート70及び第1下限フロート71が「第1水量検知手段」に相当し、第2上限フロート73及び第2下限フロート74が「第2水量検知手段」に相当する。そして、S20の処理を実行するCPU10aが「時間計測手段」に相当し、S23の処理を実行するCPU10aが「第1下限判断手段」に相当し、S11,S13の処理を実行するCPU10aが「第1上限判断手段」に相当し、S44の処理を実行するCPU10aが「第2下限判断手段」に相当し、S32,S34の処理を実行するCPU10aが「第2上限判断手段」に相当し、S12の処理を実行するCPU10aが「第1切換指示手段」に相当し、S33の処理を実行するCPU10aが「第2切換指示手段」に相当し、S18,S39の処理を実行するCPU10aが「ポンプ動作指示手段」に相当し、S16の処理を実行するCPU10aが「第1循環流路切換制御手段」に相当し、S37の処理を実行するCPU10aが「第2循環流路切換制御手段」に相当し、S17,S38の処理を実行するCPU10aが「オゾン発生指示手段」に相当し、S21,S42の処理を実行するCPU10aが「オゾン発生停止手段」に相当し、S22,S43の処理を実行するCPU10aが「脱色水供給流路開放指示手段」に相当し、S24,S45の処理を実行するCPU10aが「ポンプ停止手段」に相当する。
【0194】
また、第2の実施形態において、S59,S80の処理を実行するCPU10aが「時間計測手段」に相当し、S60,S81の処理を実行するCPU10aが「時間判断手段」に相当し、S62の処理を実行するCPU10aが「第1下限判断手段」に相当し、S51,S53の処理を実行するCPU10aが「第1上限判断手段」に相当し、S83の処理を実行するCPU10aが「第2下限判断手段」に相当し、S72,S74の処理を実行するCPU10aが「第2上限判断手段」に相当し、S52の処理を実行するCPU10aが「第1切換指示手段」に相当し、S73の処理を実行するCPU10aが「第2切換指示手段」に相当し、S58,S79の処理を実行するCPU10aが「ポンプ動作指示手段」に相当し、S56の処理を実行するCPU10aが「第1循環流路切換制御手段」に相当し、S77の処理を実行するCPU10aが「第2循環流路切換制御手段」に相当し、S57,S78の処理を実行するCPU10aが「オゾン発生指示手段」に相当し、S61,S82の処理を実行するCPU10aが「脱色水供給流路開放指示手段」に相当し、S63,S84の処理を実行するCPU10aが「オゾン発生指示手段」に相当し、S64,S85の処理を実行するCPU10aが「ポンプ停止手段」に相当する。
【0195】
さらに、第3の実施形態において、色度センサ85が「第1色度検知手段」に相当し、色度センサ86が「第2色度検知手段」に相当し、S102の処理を実行するCPU110aが「第1下限判断手段」に相当し、S91,S93の処理を実行するCPU110aが「第1上限判断手段」に相当し、S123の処理を実行するCPU110aが「第2下限判断手段」に相当し、S112,S114の処理を実行するCPU110aが「第2上限判断手段」に相当し、S100の処理を実行するCPU110aが「第1色度判断手段」に相当し、S121の処理を実行するCPU110aが「第2色度判断手段」に相当し、S92の処理を実行するCPU110aが「第1切換指示手段」に相当し、S113の処理を実行するCPU110aが「第2切換指示手段」に相当し、S98,S119の処理を実行するCPU110aが「ポンプ動作指示手段」に相当し、S96の処理を実行するCPU110aが「第1循環流路切換制御手段」に相当し、S117の処理を実行するCPU110aが「第2循環流路切換制御手段」に相当し、S97,S118の処理を実行するCPU110aが「オゾン発生指示手段」に相当し、S101,S122の処理を実行するCPU110aが「脱色水供給流路開放指示手段」に相当し、S103,S124の処理を実行するCPU110aが「オゾン発生停止手段」に相当し、S104,S125の処理を実行するCPU110aが「ポンプ停止手段」に相当する。
【0196】
また、第4の実施形態において、満水フロート75が「満水検知手段」に相当し、色度センサ85,86が「ろ過水色度検知手段」に相当する。
【0197】
さらに、第5の実施形態において、S188,S238の処理を実行するCPU150aが「脱色回数カウント手段」に相当し、S254,S255,S256の処理を実行するCPU150aが「オーバーフロー回数設定手段」に相当し、d1,d2が「所定回数」に相当する。
【0198】
なお、本発明は、上記の第1乃至第5の実施形態に限定されることなく、各種の変形が可能である。例えば、第1乃至第3の実施形態では、貯留槽9は、生物処理槽6、ろ過槽7とは独立した槽としたが、第4,第5の実施形態のように、各処理槽と一体となった貯留槽90としてもよい。また、これとは反対に、第4,第5の実施形態の貯留槽90を、各処理槽とは独立した槽としてもよい。
【0199】
また、第1乃至第3の実施形態の循環式水洗トイレシステムに、オーバーフロー水配管、ろ過水オーバーフロー水配管を設けても良い。
【0200】
さらに、第4,第5の実施形態の循環式水洗トイレシステムでは、各反応槽の脱色処理において、各反応槽の脱色水の色度を検知することで、脱色水供給流路を開放するタイミングを決定しているが、第1,第2の実施形態のように、オゾン発生器13の運転時間で決定してもよい。
【0201】
また、第3,第4,第5の実施形態の循環式水洗トイレシステムでは、第1反応槽31に色度センサ85を設け、第2反応槽32に色度センサ86を設け、各色度センサによって検出された各色度値に基づいて、第1反応槽31及び第2反応槽32の脱色処理を別々に行っているが、第1反応槽31及び第2反応槽32の何れか一方の槽内だけに色度センサを設置し、他方の槽においても同様の脱色処理を行うようにしてもよい。この場合、色度センサが1つで足りるのでコストを低減することができる。
【0202】
さらに、第1反応槽31若しくは第2反応槽32に設けられたフロート70〜74でろ過水量を測定することによって、ろ過装置17内のろ過膜の交換時期を推測してもよい。これにより、ろ過膜の目詰まりが起きる前にろ過膜を適宜交換することができる。
【産業上の利用可能性】
【0203】
本発明の循環式水洗トイレシステムは、水洗便器を備えたトイレシステムのみならず、廃水を処理する廃水処理装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】循環式水洗トイレシステム1のブロック図である。
【図2】循環式水洗トイレシステム1の構成図である。
【図3】オゾン脱色部8及びコントローラ10の構成を示す構成図である。
【図4】オゾン脱色部8における処理の流れを示す説明図(第1反応槽31にろ過水供給)である。
【図5】オゾン脱色部8における処理の流れを示す説明図(第1反応槽31の循環脱色処理:第2反応槽32にろ過水供給)である。
【図6】オゾン脱色部8における処理の流れを示す説明図(第1反応槽31から貯留槽9に脱色水供給)である。
【図7】オゾン脱色部8における処理の流れを示す説明図(第2反応槽32の循環脱色処理:第1反応槽31にろ過水供給)である。
【図8】オゾン脱色部8における処理の流れを示す説明図(第2反応槽32から貯留槽9に脱色水供給)である。
【図9】CPU10aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャート(第1の実施形態)である。
【図10】CPU10aによる第2反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャート(第1の実施形態)である。
【図11】CPU10aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャート(第2の実施形態)である。
【図12】CPU10aによる第2反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャート(第2の実施形態)である。
【図13】オゾン脱色部80及びコントローラ110の構成を示す構成図である。
【図14】CPU110aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図15】CPU110aによる第2反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図16】循環式水洗トイレシステム100の構成図である。
【図17】オゾン脱色部80及びコントローラ120の構成を示す構成図である。
【図18】CPU120aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図19】CPU120aによる第2反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図20】オゾン脱色部80及びコントローラ150の構成を示す構成図である。
【図21】コントローラ150内のROM150bの記憶エリアを示す模式図である。
【図22】CPU150aによる第1反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図23】CPU150aによる第2反応槽脱色処理の制御動作を示すフローチャートである。
【図24】CPU150aによる満水時脱色処理の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0205】
1 循環式水洗トイレシステム
5 水洗便器
6 生物処理槽
7 ろ過槽
8 オゾン脱色部
9 貯留槽
10a CPU
10e タイマ
12 混合ポンプ
13 オゾン発生器
25 ろ過水供給管
31 第1反応槽
32 第2反応槽
38 ろ過水配管
39 ろ過水配管
41〜47 循環配管
50 脱色水供給管
51〜54 電磁弁
70 第1上限フロート
71 第1下限フロート
73 第2上限フロート
74 第2下限フロート
75 満水フロート
80 オゾン脱色部
85,86 色度センサ
90 貯留槽
99 オーバーフロー水配管
100 循環式水洗トイレシステム
110a CPU
120a CPU
150a CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水洗便器と、当該水洗便器からの汚水を受け入れ、生物処理を行う生物処理槽と、当該生物処理槽で処理された生物処理水をろ過するろ過槽と、当該ろ過槽でろ過されたろ過水を受け入れる第1反応槽及び第2反応槽と、オゾンを発生するオゾン発生手段と、当該オゾン発生手段、前記第1反応槽及び前記第2反応槽に各々連結され、ろ過水にオゾンを混合して脱色反応させて脱色水を生成する混合脱色手段と、当該混合脱色手段によって生成した脱色水を受け入れて貯留する貯留槽とを備え、当該貯留槽に貯留された脱色水を洗浄水として前記水洗便器に循環させる循環式水洗トイレシステムにおいて、
前記混合脱色手段は、
前記オゾン発生手段に連結され、ろ過水にオゾンを混合させる混合ポンプと、
当該混合ポンプと、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられ、前記混合ポンプが動作することによってオゾンが混合されたろ過水が循環する循環配管と
から構成され、
前記ろ過槽と、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられたろ過水供給管と、
当該ろ過水供給管に設けられ、前記ろ過槽から前記第1反応槽への流路、又は前記ろ過槽から前記第2反応槽への流路に切換可能なろ過水流路切換手段と、
前記循環配管に設けられ、前記第1反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路、又は前記第2反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路に切換可能な循環流路切換手段と、
前記循環配管に接続され、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内の脱色水を前記貯留槽に供給する脱色水供給管と、
当該脱色水供給管と前記循環配管との接続部分に設けられ、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開閉する脱色水供給流路開閉手段と、
前記第1反応槽内の貯水量を検知する第1水量検知手段と、
前記第2反応槽内の貯水量を検知する第2水量検知手段と、
前記ポンプの動作時間を計測する時間計測手段と、
当該時間計測手段によって計測された計測時間が、所定時間以上か否かを判断する時間判断手段と、
前記第1水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第1下限判断手段と、
前記第1水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第1上限判断手段と、
前記第2水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第2下限判断手段と、
前記第2水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第2上限判断手段と、
前記第1上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第1反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第1切換指示手段と、
前記第2上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第2反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第2切換指示手段と、
前記第1上限判断手段、又は第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合、前記混合ポンプの動作を指示するポンプ動作指示手段と、
前記第1上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第1反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第1循環流路切換制御手段と、
前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第2反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第2循環流路切換制御手段と、
前記第1上限判断手段、又は前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記オゾン発生手段の動作を指示するオゾン発生指示手段と、
前記時間判断手段が所定時間以上であると判断した場合に、前記オゾン発生手段を停止させるオゾン発生停止手段と、
前記時間判断手段が所定時間以上であると判断した場合に、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開くように、前記脱色水供給流路開閉手段を指示する脱色水供給流路開放指示手段と、
当該脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路が開かれ、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内の脱色水が、前記脱色水供給管を介して前記貯留槽内に供給され、前記第1下限判断手段又は前記第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、前記混合ポンプを停止させるポンプ停止手段と
を備えていることを特徴とする循環式水洗トイレシステム。
【請求項2】
前記所定時間は、前記第1反応槽及び前記第2反応槽内のろ過水が目標色度まで脱色されるのに要する時間に調整されたことを特徴とする請求項1に記載の循環式水洗トイレシステム。
【請求項3】
水洗便器と、当該水洗便器からの汚水を受け入れ、生物処理を行う生物処理槽と、当該生物処理槽で処理された生物処理水をろ過するろ過槽と、当該ろ過槽でろ過されたろ過水を受け入れる第1反応槽及び第2反応槽と、オゾンを発生するオゾン発生手段と、当該オゾン発生手段、前記第1反応槽及び前記第2反応槽に各々連結され、ろ過水にオゾンを混合して脱色反応させて脱色水を生成する混合脱色手段と、当該混合脱色手段によって生成した脱色水を受け入れて貯留する貯留槽とを備え、当該貯留槽に貯留された脱色水を洗浄水として前記水洗便器に循環させる循環式水洗トイレシステムにおいて、
前記混合脱色手段は、
前記オゾン発生手段に連結され、ろ過水にオゾンを混合させる混合ポンプと、
当該混合ポンプと、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられ、前記混合ポンプが動作することによってオゾンが混合されたろ過水が循環する循環配管と
から構成され、
前記ろ過槽と、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられたろ過水供給管と、
当該ろ過水供給管に設けられ、前記ろ過槽から前記第1反応槽への流路、又は前記ろ過槽から前記第2反応槽への流路に切換可能なろ過水流路切換手段と、
前記循環配管に設けられ、前記第1反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路、又は前記第2反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路に切換可能な循環流路切換手段と、
前記循環配管に接続され、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内の脱色水を前記貯留槽に供給する脱色水供給管と、
当該脱色水供給管と前記循環配管との接続部分に設けられ、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開閉する脱色水供給流路開閉手段と、
前記第1反応槽内の貯水量を検知する第1水量検知手段と、
前記第2反応槽内の貯水量を検知する第2水量検知手段と、
前記ポンプの動作時間を計測する時間計測手段と、
当該時間計測手段によって計測された計測時間が、所定時間以上か否かを判断する時間判断手段と、
前記第1水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第1下限判断手段と、
前記第1水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第1上限判断手段と、
前記第2水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第2下限判断手段と、
前記第2水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第2上限判断手段と、
前記第1上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第1反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第1切換指示手段と、
前記第2上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第2反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第2切換指示手段と、
前記第1上限判断手段、又は第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合、前記混合ポンプの動作を指示するポンプ動作指示手段と、
前記第1上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第1反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第1循環流路切換制御手段と、
前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第2反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第2循環流路切換制御手段と、
前記第1上限判断手段、又は前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記オゾン発生手段の動作を指示するオゾン発生指示手段と、
前記時間判断手段が所定時間以上であると判断した場合に、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開くように、前記脱色水供給流路開閉手段を指示する脱色水供給流路開放指示手段と、
当該脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路が開かれた状態で、前記第1下限判断手段又は前記第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、前記オゾン発生手段を停止させるオゾン発生停止手段と、
前記脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路が開かれた状態で、前記第1下限判断手段又は前記第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、前記混合ポンプを停止させるポンプ停止手段と
を備えていることを特徴とする循環式水洗トイレシステム。
【請求項4】
前記所定時間は、前記第1反応槽及び前記第2反応槽内のろ過水が目標色度よりも高い所定色度まで脱色されるのに要する時間に調整されていることを特徴とする請求項3に記載の循環式水洗トイレシステム。
【請求項5】
前記所定色度は、前記脱色水供給管の出口通過時の脱色水の色度が、前記目標色度にまで脱色されている程度に調整されていることを特徴とする請求項4に記載の循環式水洗トイレシステム。
【請求項6】
前記貯留槽と前記生物処理槽との間に設けられ、前記貯留槽内の脱色水を前記生物処理槽にオーバーフローさせるオーバーフロー水配管と、
前記貯留槽内の満水を検知する満水検知手段と
当該満水検知手段が満水を検知しない時に、前記第1反応槽及び前記第2反応槽における脱色処理回数をカウントする脱色回数カウント手段と、
当該脱色回数カウント手段のカウント値に基づいて、前記満水検知手段が満水を検知した時に、前記脱色水供給流路開閉手段を開放して、前記貯留槽の脱色水をオーバーフローさせるオーバーフロー回数を設定するオーバーフロー回数設定手段と
を備え、
前記脱色水供給流路開放指示手段は、前記満水検知手段が満水を検知した時に、前記オーバーフロー回数にしたがって、前記脱色水供給流路開閉手段の開放を指示することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の循環式水洗トイレシステム。
【請求項7】
前記オーバーフロー回数設定手段は、前記カウント値が所定回数以上の場合は、前記カウント値が所定回数未満の場合よりも、前記オーバーフロー回数を多く設定することを特徴とする請求項6に記載の循環式水洗トイレシステム。
【請求項8】
前記脱色槽と前記生物処理槽との間に設けられ、前記貯留槽内の脱色水を前記生物処理槽にオーバーフローさせるオーバーフロー水配管と、
前記貯留槽に設けられ、前記貯留槽内における脱色水の満水を検知する満水検知手段と、
前記第1反応槽及び前記第2反応槽の少なくとも何れかに設けられ、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内に供給されたろ過水の色度を検知するろ過水色度検知手段と
を備え、
前記ポンプ動作指示手段は、
前記満水検知手段が満水を検知し、かつ前記ろ過水色度検知手段の検知した色度が基準色度未満の場合、前記混合ポンプを動作させないことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の循環式水洗トイレシステム。
【請求項9】
水洗便器と、当該水洗便器からの汚水を受け入れ、生物処理を行う生物処理槽と、当該生物処理槽で処理された生物処理水をろ過するろ過槽と、当該ろ過槽でろ過されたろ過水を受け入れる第1反応槽及び第2反応槽と、オゾンを発生するオゾン発生手段と、当該オゾン発生手段、前記第1反応槽及び前記第2反応槽に各々連結され、ろ過水にオゾンを混合して脱色反応させて脱色水を生成する混合脱色手段と、当該混合脱色手段によって生成した脱色水を受け入れて貯留する貯留槽とを備え、当該貯留槽に貯留された脱色水を洗浄水として前記水洗便器に循環させる循環式水洗トイレシステムにおいて、
前記混合脱色手段は、
前記オゾン発生手段に連結され、ろ過水にオゾンを混合させる混合ポンプと、
当該混合ポンプと、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられ、前記混合ポンプが動作することによってオゾンが混合されたろ過水が循環する循環配管と
から構成され、
前記ろ過槽と、前記第1反応槽及び前記第2反応槽との間に設けられたろ過水供給管と、
当該ろ過水供給管に設けられ、前記ろ過槽から前記第1反応槽への流路、又は前記ろ過槽から前記第2反応槽への流路に切換可能なろ過水流路切換手段と、
前記循環配管に設けられ、前記第1反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路、又は前記第2反応槽と前記混合ポンプとをつなぐ環状の循環流路に切換可能な循環流路切換手段と、
前記循環配管に接続され、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内の脱色水を前記貯留槽に供給する脱色水供給管と、
当該脱色水供給管と前記循環配管との接続部分に設けられ、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開閉する脱色水供給流路開閉手段と、
前記第1反応槽内の貯水量を検知する第1水量検知手段と、
前記第2反応槽内の貯水量を検知する第2水量検知手段と、
前記第1反応槽内の貯水の色度を検知する第1色度検知手段と、
前記第2反応槽内の貯水の色度を検知する第2色度検知手段と、
前記第1水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第1下限判断手段と、
前記第1水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第1上限判断手段と、
前記第2水量検知手段の検知水量が下限水量以上か未満かを判断する第2下限判断手段と、
前記第2水量検知手段の検知水量が上限水量以上か未満かを判断する第2上限判断手段と、
前記第1色度検知手段の検知色度が所定色度以下か否かを判断する第1色度判断手段と、
前記第2色度検知手段の検知色度が所定色度以下か否かを判断する第2色度判断手段と、
前記第1上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第1反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第1切換指示手段と、
前記第2上限判断手段が上限水量未満であると判断した場合に、前記第2反応槽への流路を開くように前記ろ過水流路切換手段を指示する第2切換指示手段と、
前記第1上限判断手段、又は第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合、前記混合ポンプの動作を指示するポンプ動作指示手段と、
前記第1上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第1反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第1循環流路切換制御手段と、
前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記循環配管の流路を前記第2反応槽と前記混合手段とをつなぐ流路に切り換えるように、前記循環流路切換手段を指示する第2循環流路切換制御手段と、
前記第1上限判断手段、又は前記第2上限判断手段が上限水量以上であると判断した場合に、前記オゾン発生手段の動作を指示するオゾン発生指示手段と、
前記第1色度判断手段、又は前記第2色度判断手段が所定色度以下と判断した場合に、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路を開くように、前記脱色水供給流路開閉手段を指示する脱色水供給流路開放指示手段と、
当該脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路が開かれた状態で、前記第1下限判断手段又は前記第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、前記オゾン発生手段を停止させるオゾン発生停止手段と、
前記脱色水供給流路開放指示手段の指示によって、前記循環配管から前記脱色水供給管への流路が開かれた状態で、前記第1下限判断手段又は前記第2下限判断手段が下限水量未満であると判断した場合に、前記混合ポンプを停止させるポンプ停止手段と
を備えていることを特徴とする循環式水洗トイレシステム。
【請求項10】
前記所定色度は、前記脱色水供給管の出口通過時の脱色水の色度が、前記目標色度にまで脱色されている程度に調整されていることを特徴とする請求項9に記載の循環式水洗トイレシステム。
【請求項11】
前記貯留槽と前記生物処理槽との間に設けられ、前記貯留槽内の脱色水を前記生物処理槽にオーバーフローさせるオーバーフロー水配管と、
前記貯留槽内の満水を検知する満水検知手段と
当該満水検知手段が満水を検知しない時に、前記第1反応槽及び前記第2反応槽における脱色処理回数をカウントする脱色回数カウント手段と、
当該脱色回数カウント手段のカウント値に基づいて、前記満水検知手段が満水を検知した時に、前記脱色水供給流路開閉手段を開放して、前記貯留槽の脱色水をオーバーフローさせるオーバーフロー回数を設定するオーバーフロー回数設定手段と
を備え、
前記脱色水供給流路開放指示手段は、前記満水検知手段が満水を検知した時に、前記オーバーフロー回数にしたがって、前記脱色水供給流路開閉手段の開放を指示することを特徴とする請求項9又は10に記載の循環式水洗トイレシステム。
【請求項12】
前記オーバーフロー回数設定手段は、前記カウント値が所定回数以上の場合は、前記カウント値が所定回数未満の場合よりも、前記オーバーフロー回数を多く設定することを特徴とする請求項11に記載の循環式水洗トイレシステム。
【請求項13】
前記脱色槽と前記生物処理槽との間に設けられ、前記貯留槽内の脱色水を前記生物処理槽にオーバーフローさせるオーバーフロー水配管と、
前記貯留槽に設けられ、前記貯留槽内における脱色水の満水を検知する満水検知手段と、
前記第1反応槽及び前記第2反応槽の少なくとも何れかに設けられ、前記第1反応槽又は前記第2反応槽内に供給されたろ過水の色度を検知するろ過水色度検知手段と
を備え、
前記ポンプ動作指示手段は、
前記満水検知手段が満水を検知し、かつ前記ろ過水色度検知手段の検知した色度が基準色度未満の場合、前記混合ポンプを動作させないことを特徴とする請求項9又は10に記載の循環式水洗トイレシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−270524(P2007−270524A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97835(P2006−97835)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】