微小電気機械システム機能を有する医療装置およびその製造方法
埋め込み可能な医療装置であって、その装置の区域を有するステント、グラフト(graft)、カバーされたステント(covered stent)、カテーテル、パッチ(patch)などを含み、機能化されてマイクロ電気機械システムを用い、それは電気機械センサまたはバイオセンサとして作動可能である。そのセンサは、組織増殖、生化学的エベント、圧力変化のような内因性エベントに応じ、あるいは、RFエネルギーなどの外部から与えられる刺激に応じて、発振信号の誘発等、装置の状態の変化を生じさせる。その信号は、本体の外部から呼びかけられかつ読み取ることができ、あるいは、装置内に誘電または電磁ポテンシャルを発生させることができ、マイクロモータを作動させて装置内の幾何学的変化をもたらす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移植可能な装置、留置装置、カテーテル、および配送システムのような生体内の使用に好適な医療装置の分野に広く関する。より詳しくは、本発明は、エンドルミナルステント(endoluminal stents)のような移植可能な医療装置に関し、それは、生体内のセンサおよび/またはアクチュエータとして動作可能である。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMs)技術の出現により、極めて小型の装置の製造が可能となった。MEMs技術の主要の用途は、これまでは、電気機械技術、特定の流体工学、および流体センサであった。しかし本発明は、MEMs技術を医療装置の分野、特に、移植可能な医療装置の分野に適合させ、その医療装置は、生体内の状態を検出するように設計され、装置の形状、および/または生体内の生物活性物質の定量配送を変更する。
【0003】
医療装置に基づく移植可能なMEMsの分野は、小型の質量分析計、分子認識バイオセンサ、およびマイクロ流体プロセッサを含む診断マイクロシステム、マイクロセンサやマイクロモータのような外科マイクロシステム、および移植可能な経皮薬配送マイクロシステムのような治療マイクロシステムに及んでいる。このようなタイプのマイクロデバイスは、PollaらによるAnn. Rev. Biomed. Eng. 2000, 02:551-575の”医学におけるマイクロデバイス(Microdevices in Medicine)”に説明されており、それは、参照することによりここに含まれる。移植可能な医療センサの更なる説明は、米国特許6,201,980号にあり、それは、参照することによりここに含まれる。コントロールされた医薬移送用のマイクロアクチュエータの更なる説明は、L.Mらによるセンサおよびアクチュエータ(Sensors and Actuators)のB 678 (2000) 149-160の”コントロールされた医薬移送に応答するためのマイクロバルブに関するマイクロアクチュエータ(Microactuators toward microvalves for responsive controlled drug delivery)”に見つけることができ、それも参照することによりここに含まれる。
【0004】
マイクロポンプ、高分解能マイクロ加速度計、および静電リニアモータは、低電圧および低電力消費の要求に頼る微小電気機械設備の例である。例えば、Yun,K.SらによるJ. Microelectromechanical Sys,11:5,Oct.2002,454-461の”低電圧および低電力運転用の表面張力駆動マイクロポンプ(A Surface-Tension Driven Micropump for Low-voltage and Low-Power Operations)”、Yeh,R.らによるJ. Microelectromechanical Sys,11:4,Aug.2002,330-336の”シングルマスク、強力、および大変位の静電リニアインチオームモータ(Single Mask, Large force, and large Displacement Electrostatic Linear Inchworm Motors)”、およびLof,N.C.らによるJ. Microelectromechanical Sys,11:3,june.2002,182-187の”ナノグラム分解能の10cm3未満干渉加速度計(Sub-10cm3 Interferometric Accelerometer with Nano-g Resolution)”が参照され、それらは、参照することによりここに含まれる。
【0005】
誘導性高分子は、個人のセンシングユニット用としてナノ構造フィルムを加工することによって、電子舌開発用のセンサとして用いられている。そのフィルムは、1−1MHzの周波数範囲内の信号伝達用のインピーダンス分光法により作用して、液体システムにおける味物質や無機汚染物質の微小量を検出し、Riul,Jr.,A.らによるBiosensors and Bioelectronics,00(2003)1-5の”誘導性高分子に基づく人工的な味覚センサ(An Artificial Taste Sensor Based On Conducting Polymers)”は、参照することによりここに含まれる。血管に関連して、ヒドルグルおよび誘導性高分子は、電気活性ヒドルグル複合材料として結合され、それは、バイオセンサ構造用、および化学的な刺激制御放出(chemically stimulated controlled release)用の複合マトリクス内に酵素を捕捉する。ブドウ糖、コレステロール、およびガラクトース電流測定バイオセンサ(glactose amperometric biosensors)は、この複合材料を用いて作られ、それは、60秒未満の応答時間をもって、10−5から10−2Mの間の延長された直線応答範囲を表す。pHセンサは、メタクリル酸ジメチルアミノエチルモノマーによるヒドルグル構造の架橋結合によって作られる。Brahim,S.らによるBiosensors and Bioelectronics,17(2003)973-981の”バイオスマートヒドルグル:バイオセンサ構造および薬物配送における相互結合分子識別および信号伝達(Bio-joined Molecular Recognition and Signal Transduction in Biosensor Fabrication and Drug Delivery)”が参照でき、それは、参照することによりここに含まれる。
【0006】
ガリウムとしての単結晶MgOナノチューブは、広い温度範囲のナノサーモメーターとして用いられる。例えば、Li,Y.B.らによるApp.Phys.Let.,83:5,Aug.2003,999-1001の”GA充填単結晶MgOなのチューブ:広い温度範囲のナノサーモメーター(Ga-filled Single-Crystalline MgO Nanotube: Wide-temperature Range Nanothermometer)”が参照でき、それは、参照することによりここに含まれる。
【0007】
イオンチャンネルスイッチはバイオセンサに使用可能であること、および、そのイオンチャンネルを通るイオン通過によって生じる電流は、与えられた状況を検出するためのバイアスとして供給可能であること、認識される。例えば、イオンチャンネルスイッチは、抗体にリンクされ、かつ金電極に繋がれたグラミシジンイオンチャンネルを含む脂質膜によって、作られる。この繋がれる膜は、金電極と、その金電極との接続部を通して電気的にアクセスされる部材と、の間のイオン貯留層を作成する。加電圧(applied potential)の存在において、チャンネルが導電性であるときに、イオンは、貯留層と外液(external solution)との間を流れる。イオン電流がスイッチオフされたときに、その膜の外側半分に拡散する移動チャンネルは、抗体と架橋結合し、かつ固定される。Cornell,B.A.らによるLetters to Nature,1997の”イオンチャンネルスイッチを用いるバイオセンサ(A Biosensor that uses Ion-channel Switches)”を参照。
【0008】
最後に、今日では電界効果内皮細胞移動(electrical fields effect endothelial cell migration)が知られている。Li,X.らによるJ.Vasc.Res.,2002;39:391-404の”細胞移動における直流電界の効果、およびウシ血管内皮細胞内のアクチンフィラメント配送(Effects of Direct Current Electric Fields on Cell Migration and Actin Filament Distribution in Bovine Vascular Endothelial Cells)”を参照することができ、それは、参照することによりここに含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
内皮細胞移動の制御は、大きな治癒反応を示す移植可能な装置を設計する上において、重要な行程である。したがって、制御された電界を用いる移植可能な装置を設計することにより、内皮細胞は、その装置に対してより結合しやすくなり、その装置の表面に沿って増殖して、完全な治癒を早めて、平滑筋細胞増殖または血栓形成作用を最小限にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
制御された電界を有する移植可能な装置を設計するために、互いにかみ合う電極(interdigitated electrodes)によって有利な利用法がもたらされて、ガルバノタクチック医学装置(galvanotactic medical device)を作成することができる。互いにかみ合う電極は、誘電誘導(dielectrophoresis)において用いられ、生細胞と死細胞との間の誘電特性の差を利用することにより、互いにかみ合う電極に用いられる微細加工装置上において、生細胞と、熱処理されたリステリア菌細胞(heated-treated Listeria innocua cells)と、を分け、Li,H.らによるhttp://www.nnf.cornell.edu/2002cnfra/2002/cnfra54.pdf、およびLi,H.によるJ.Sensors and Actuators, Apr.2002の”互いにかみ合う電極をもつ微細加工装置上における生細胞と、熱処理されたリステリア菌の細胞と、の誘電浮動分離および操作(Dielectrophoretic Separation and Manipulation of Life and Heat-Treated Cells of Listeria on Microfabricated Devices with Interdigitated Electrodes)”は、参照されることによりここに含まれる。互いにかみ合うマイクロセンサ電極もまた、互いにかみ合うアレイと称されて、絶縁基板チップ上に堆積された貴金属のパターンから微細加工される。これらの装置は、マイクロ電気化学、および電気/電気化学インピーダンス分光において、重合体フィルムやコーティングの電気、電気化学、または光学特性の同時測定(simultaneous interrogation)用に設計される。例えば、Guiseppi-Elie,A.によるAn ABTECH Application Note,http://www.abtechsci.com/pdfs/resist0501.pdf,May,2001の”微細加工されて互いにかみ合うマイクロセンサの電極(IMEs)を用いた電気材料特性の測定(Measuring Electrical Material Properties Using Microfabricated Interdigitated microsensor Electrodes (IMEs))”を参照することができ、それは、参照することによりここに含まれる。
【0011】
本発明は、ステントベースやグラフトベース(stent-based or graft-based)のセンサやアクチュエータの種々の実施形態をもたらす。本発明の第1の実施形態おいてはガルバステントを提供し、そのステント素材は、少なくとも一部が多層物理的気相成長法によって作られる。第1の基板層は積層され、そして導電膜が積層されて、それは導電層の中に形成された電極と互いに入り込み、隣接する電極は誘電体によって離される。最終表面の絶縁層が積層され、そして複数の開口は、中間導電層内において互いに入り込む電極の位置に適合するように、形成されてパターン化される。この装置に電流が与えられたときに、互いに入り込む電極は変化した状態となり、集中電流は、表面の絶縁層内の開口から放射されて、表面層内の開口のパターンに対応するようにパターン化される。
【0012】
好適な電源は外部に適用されるRF源を含んでもよく、それは、ステント内の共振器回路を誘発して、ステント内に形成されるソリッドステイトキャパシタを変化させ、そして、ステント内に総合電源装置を備えて、互いに入り込む電極用の充電源を維持する。電源は限定されず、他のものとしては、外部から付与される電磁場、超音波、紫外線(UV)、または光電子放出エネルギー(photoemissive energy)、あるいは熱エネルギーを含む。
与えられる場の影響下における内皮細胞は既知であるため、ステントを伴う電界移動の存在は、ステント表面の適用された場の影響下において、内皮細胞の移動が知られているため、ステントを伴う電界全体(electrical field integral)の存在は、ステント表面の内皮化(endothelialization)の向上、および健康な新生内膜組織の形成の促進が見込まれ、その上、ステントの移植と関連する再狭窄の発生を低下させる。
【0013】
また、本発明によれば、エンドルミナルステント(endoluminal stent)が生物元素をもつ導電性ポリマーを含むことが意図され、それはステント内の埋め込み回路を形成し、それは、体の生理学的状態の変化に反応して、その生理学的状態の変化と既知の関係の導電率の変化を引き起こす。このタイプの動作のメカニズムの例は、食品産業において人工の舌として用いられるポリピロール(polypyroles)およびポリピロリドン(polypyrolidone)のような導電性ポリマーである。
【0014】
本発明の他の形態として、ステント上の導電性ポリマーは、酸化酵素結合および過酸化物の発生に用いて、自由電子を引き起こし、ステントのセンサ装置用の電流源を提供することができる。あるいは、イオンチャンネル活動によって、仲介イベント(mediated events)に結合する受容体から生じる電圧を用いて、ステンドベースセンサ(stent-based sensor)用の電圧を生じさせてもよい。
【0015】
本発明によって意図される独創的なマイクロセンサ装置の各タイプについては、そのマイクロセンサ装置を応答させて、その状態を決定させるための外部の手段をもつ必要がある。経皮的に付与されるRFエネルギー(transcutaneously applied RF nergy)は、好ましくは、独創的なマイクロセンサ装置を応答させるため、つまり薬剤配送あるいはマイクロマシンのいずれかの作動を独創的なマイクロセンサ装置にもたらすために用いられる。周波数と、与えられた周波数を伝わるデータ密度と、の間には指数関数的な関係があり、それはこの分野においては知られている。同様に、周波数とレンジとの間には、反比例の関係がある。例えば、2002年5月のLeeper,D.G.サイエンティックアメリカンを参照し、それは参照することによりここに含まれる。超広帯域周波数において、多くのギガバイトレベルのデータ密度は、数メートルの比較的短い距離を介してであるが得られる。本発明においては、テラヘルツ周波数にて、より高いデータ密度が犠牲的レンジの間でさえも得られることが期待されることを意図する。数センチメートルだけのレンジは、埋め込み医療装置を経皮的に応答させるために要求されるため、テラヘルツレンジ内の非常に高い周波数は、イールディングテラバイトデータ密度(yielding terabyte data densities)の付随的な作用をもって用いられ、それらは、充分なデータストリーム(data streams)を生じさせて、埋め込みマイクロセンサ医療装置の状態を代表するリアルタイム3次元画像(real-time 3D images)を構成することが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
添付の図1−18は本発明の異なる形態を示し、
マイクロセンサあるいは薬剤配送流体ポンプとして用いられる物理的気相成長法およびマイクロカンチレバーの構成と、
体外の呼び掛け回路と、体内に移植される受動的な共振器センサ回路と、の通信の典型的な可変共振回路と、
RF周波数の相関関係を示すグラフと、
特別なキャパシティおよびレンジと、
ナノサーモメーターと、
双方向性の移植可能ステントの基本要素と、
MEMs技術を用いて製造された横加速度計と、
内皮細胞移動を与えるための場の勾配を生じさせるダイアグラムガルバノ配列装置(diagrammatic galvanotactic device)と、
血栓の形成と組織の厚みを検出するセンサをベースにしたマイクロカンチレバーと、
結合事象に基づいて分子種を検出するセンサをベースにしたマイクロカンチレバーと、
電子バイオセンサのための異なる意図されたアプローチのテーブルと、
導電性重合体とインピーダンス分光法用脂質との複合によって成るダイアグラム装置と、
過酸化物による電流測定用のシステムと、
バイオセンサとしての抗体/イオンチャンネルスイッチと、
電食によって作動される薬剤解放バルブと、
人工筋肉による薬剤解放バルブと、
マイクロポンプと、
互いにかみ合う各素子と、トラックに沿って相互に入り込む各素子の相対移動用の対応するトラックと、を用いるリニアマイクロモータの動きを示す連続的な図(図17A−17D)と、
各リニアマイクロモータと、リニアモータに与えられる電流に応じて作動ステントを放射状に広げることを目的とする作動リングユニットを形成する各トラックと、を有する作動ステントと、
を含む。
【0017】
本発明の好適な実施形態において、ステント、ステントグラフト(stent-graft)、カバーされたステント(covered stent)、グラフト(graft)、または他の同様の装置のような移植可能な医療装置は、MEMs装置に適応させるような方法によって、それに、医療装置に結合される個別部品として製造されることが意図され、しかし好ましくは、その医療装置は、2002年8月2日提出の同時継続出願番号第10/211,489号であって、2003年3月27日に米国にて公開されたUS2003/0059640に記載さているような物理的気相技術を用いて製造され、それは、その全体について参照することによりここに含まれる。
【0018】
また、独創的な医療装置の製造中に、本発明のMEMsセンサおよび/またはアクチュエータは、その装置の製造中に形成されて、その装置の不可欠な要素となることが意図される。説明図だけのために、複数の構成要素を有する腔内ステント(endoluminal stent)が言及され、それは、複数の構成要素の少なくとも1つと関連するように説明されるMEMsセンサおよび/またはアクチュエータをもつ。この分野における通常の技術では、医療装置の幅広い種類が本発明によって意図されて、パッチ(patches)、グラフト、カーテル、バルーン、フィルター、コイル、カバーされたステントなどを制限なく含む本発明のMEMsセンサおよび/またはアクチュエータ用のキャリア基板として役立つことが理解されるであろう。
【0019】
本発明の第1の実施形態10は、図1に示される。ステント12の構成部材には、少なくとも1つの凹所13が形成される。その少なくとも1つの凹所には、犠牲材料(sacrificial material)14が充填され、マイクロカンチレバー層16が構成部材12上に形成されて、犠牲材料を覆う。随意的に、圧電材料18を備えて、マイクロカンチレバー層16を覆ってもよい。圧電材料18とマイクロカンチレバー層16は、部分的に除去されて、マイクロカンチレバー層16の範囲と、要求されるマイクロカンチレバー16の範囲に対応する圧電材料18と、を形成し、犠牲材料14の一部が露出される。コンタクト20と、隣接するカンチレバー22の間の空間と、が与えられる。カンチレバー16の下からの犠牲材料14の除去は、凹所13を再び開き、カンチレバーの末端と、そのカンチレバーが自由に振動する凹所の末端と、の間の空間24を残す。
【0020】
図8および図9に示すように、マイクロカンチレバーのコンセプトの他の実施形態90および100は、それぞれの医療装置92,102に結合する血栓98や血管組織、すなわち実施形態90においては、カンチレバー部材94,104に対する抗体105、DNA、アンチセンスDNAなどの細胞成分の生理化学結合の探知に用いることができ、それは、関連するマイクロカンチレバー94,104の能力を弱め、外部信号の付与により振動を起こして、装置の状態を示す変化した信号を戻す。同様に、マイクロカンチレバーは、薬剤配送のための開口を開閉するためのゲートとして用いることができ、また付与される外部RF信号、または内因性や外因性物質の結合イベントのいずれかに応じて、開閉が刺激されてもよい。
【0021】
生体外の呼び掛け回路30と、生体内の受動的な共振回路32と、を有する共振回路の一例は、図2Aおよび2Bに示される。呼び掛け回路30は、主に、発信器34、抵抗36、および電源38を有する閉ループ回路から成り、一方、共振回路32は、主に、電源40と可変コンデンサ42を有するループ回路から成る。
【0022】
図3に示されるように、通信周波数と、バンド幅の空間キャパシティと、の間に重要な関係がある。同様に、信号のレンジと空間キャパシティとの間には、逆の関係がある。したがって、本発明の医療用途として超広帯域周波数を用いることが望ましく、それは、1,000kbps/m2を越える空間キャパシティと、医療用途用の充分な量を超えた10メートルのレンジと、を有する。
【0023】
図4はナノ温度計を表し、それは、医療装置の構成要素に組み込まれ、あるいは結合することができる。そのナノ温度計は、淡結晶MgOチューブ52が充填されたガリウムの列から成る。
【0024】
図5は、ステントのような医療装置における各構成要素を相対移動させるための作動システムの概略を表す。そのシステムの一般的な構成要素は、ロジックコントロール回路66に接続される発電機68、そのロジックコントロール回路66は通信モジュール64に接続され、それは、医療装置の各構成部分に結合するアクチュエータアッセンブリ62と交信する。したがって、各構成部分の他に対しての相対移動は、ロジック回路66によって制御され、そして通信モジュール64によって監視される。67,65,63の相互接続は、電気的、RF、電磁気、磁気、あるいは当分野において知られている他の機能的な相互接続であってもよい。ロジック回路66と通信モジュール64を設計およびプログラムすることは、過度の実験の実行なしに、技術者の技術の範囲内であるとみなされる。
【0025】
図6は、本発明の1つの実施形態による加速度計70を表す。その加速度計70は、圧力、パルス、および流れなどの患者のバイタルサインの監視を目的とする医療装置に組み込むことができる。加速度計70は、主に、医療装置内の構成要素の一部、またはそれに付けられた静止要素74と、可動要素72と、から成る。可動要素72は、その可動要素72との相対移動を許容するスプリング要素73によって、静止要素74内に吊り下げられている。各第2突起76内における第1突起75の動きが静止要素74内に電流を誘起するように、可動要素72からの第1突起75は、静止要素74上の各第2突起76と組み合わされる。誘起される電流の相対的な強さは、可動要素72上の圧力と関連し、検出される刺激物を示す。
【0026】
ガルバノ場勾配(galvanotactic field gradient)80を用いる本発明の医療装置の実施形態は、図7に表される。本発明の実施形態によれば、ガルバノステントが備えられ、そのステント素材は、多層物理的気相成長法(multi-layer physical vapor deposition)によって少なくとも部分的が製造される。第1の基材層が積層されてから、隣接する電極が誘電体によって隔てられるように互いにかみ合う電極が形成された導電層が積層され、最終上端絶縁層(final top insulating layer)が積層され、そこには、中間導電層内において互いにかみ合う電極の位置に適合するパターンとされた複数の開口が形成される。装置に電流を流すと、互いにかみ合う電極は帯電し、上端絶縁層内の各開口から集中電流(focused current)が生じ、それは上端層の各開口のパターンに対応するパターンとされる。
【0027】
適する電源は、外部印加RF源(externally applied RF source)であり、ステント内の共振器回路を誘発して、ステント内に形成されている固体キャパシターを誘起し、そしてステントに総合的な電力供給をもたらして、互いにかみ合う電極のための充電源を維持する。
【0028】
適用された場の影響下において、内皮細胞が移動することが知られているため、ステントを伴う電界全体(electrical field integral)の存在は、ステント表面の内皮化(endothelialization)の向上、および健康な新生内膜組織の形成の促進が見込まれ、その上、ステントの移植と関連する再狭窄の発生を低下させる。
【0029】
したがって、医療装置の構成要素82内に配列されたパターンの複数の開口84を形成し、かつ複数の開口84の近傍に隣接する他のもの88に電気的に接続される電極86の列を備えて、各電極86に電圧81を印加することにより、医療装置の構成表面82を横切る内皮細胞移動85の通路に沿って、電界傾斜83が引き起こされる。したがって、加えられる電界傾斜83は、ステントのような医療装置と共に用いることができ、内皮細胞の結合と移動を好ましく向上させて、装置の表面被覆の癒合をもたらす。
【0030】
図10は、低感度をもつインピーダンス分光法と、高感度をもつ受容体/イオン−チャンネルコンプリーティング(receptor/ion-channel completing)と、により、感度に基づくバイオセンシングへの異なったアプローチを区別する。したがって、腔内ステントは、脂質のような生物元素をもつ導電ポリマーを含んでもよく、それはステント内に埋め込み回路を形成し、それは体の生理的状態の変化に応答して、生理的状態の変化との既知の関係において導電率の変化を生じさせる。このタイプの動作のメカニズムの例は、ポリピロール(polypyroles)のような導電性ポリマー、および食品産業において人工の舌として用いられるポリピロリドン(polypyrolidone)である。図11は、分光装置110の代表的なタイプを表す。導電性ポリマーの合わせフィルムと、膜の資質と、を用いるインピーダンス分光法として適する装置110の例は、図11に示される。導電性ポリマー膜112は、第1電極114と第2電極116とを含み、それらは互いに組み合わされている。ポリマー膜に対する外部部品の結合は、第1および第2電極112,116の間の電圧にインピーダンス変化を生じさせ、それはインピーダンス分光法によって検出される。
【0031】
本発明の他の形態として、ステント上の導電性ポリマーは、酸化酵素結合による電流測定用の装置120であってもよく、それは過酸化膜を発生して自由電子を引き起こし、かつ図12に表すようなセンサ装置から検出可能な信号をもたらす。したがって、ポリHEMA(polyhydroxyethyl methacrylate)126またはポリエチレングリコールは、カウンタラニオン(counteranion)としての酵素と協働して、ポリピロル(polypyrole)をもつヒドロゲルマトリクスとして用いて、使用しもよい。導電性ポリマーは、ステントや他の医療装置を覆って、血糖のような化学作用による部分結合を検知し、かつ化学作用による部分結合を示す電流測定を実現する。
【0032】
あるいは、図13Aおよび図13Bに示すように、イオンチャンネル活動によって、仲介イベント(mediated events)に結合する受容体から生じる電圧を用いて、ステンドベースセンサ(stent-based sensor)130電圧信号を生じさせてもよい。固定化イオンチャンネル(GT)、合成古細菌膜貫通脂質(synthetic archaebacterial membrane spanning lipids)、および半古細菌膜貫通連結脂質(half-membrane-spanning tethered lipids)は、ポウラリンカー(polar linkers)および硫黄ボンド(sulphur bonds)を介して、導電性の面に直接付けられる。ポウラスペーサー分子(polar spacer molecules)は、同じ化学的性質を用いて導電性の面に直接付けられる。移動性の半古細菌膜貫通連結脂質、および移動性のイオンチャンネル(Ga)は、膜を完成する。各移動性イオンチャンネルはビオチニル化され、ビオチニル化された抗体フラグメントFab9 132,134に、ストレプトアビジン(SA)中間体を用いて連結される。いくつかの膜貫通脂質は、ビオチン連結Fab9 132,134をもつ。検体(A)がない場合には、移動性のイオンチャンネルが連結膜の外側単分子内に拡散して、導電ダイマー(conducting dimers)(GD)を断続的に形成する。ターゲットの検体の追加は、各脂質上の各FabとGaと交差結合させ、それらの固定内層パートナーから離れてGaを拘束する複合体を形成する。これは、チャンネルダイマーの形成を防ぎ、膜の導電率を低下させる。
【0033】
図14は薬剤配送メカニズムのタイプを示し、それは電食140によって機能し、ステントのような埋め込み型医療装置に組み込むことができる。その装置は、主として導電性金属箔142により構成され、それは、生体活性物質を収容するリザーバー148上のカップ144を形成する。全体のアセンブリは医療装置の表面上に形成され、それは、シール層46として動作して生体活性物質を保持することができる。導電性金属箔142に電界を加えたときに、カップ144は既知の速度で腐食し、カップが腐食した後に性活性物質の流れ145を放つであろう。したがって、制御された薬剤の溶出は、本発明の電食を利用した医薬移送装置140を用いて、達成することができる。
【0034】
図15Aおよび図15Bは、それぞれ、マイクロバルブ150の第1閉状態および第1開状態を表す。マイクロバルブ15は、主として、ポリHEMA(poly HEMA)によって覆うことができる骨格(scaffold)152と、可変開口として機能して、マイクロバルブ154を通る生体活性物質のような流体の通路を制御する駆動可能なマイクロバルブ154と、によって構成される。マイクロバルブ154は、ポリアナリン(polyanaline)のような形状記憶材料または導電性ポリマーによって製造することができる。マイクロバルブ150は、好ましくは、列状に備えられて、医療装置の構成要素内に形成される医薬溶離リザーバーと結合される。
【0035】
図16Aおよび16Bは、エレクトロウエッティング・マイクロポンプ160を表し、それらの構造の間には、ナノ技術や技術による流体流路が形成される。第1リザーバ161は第1ゲートバルブ166をもって終了し、それは、第1リザーバ161と第2リザーバ173との間の流体の流れを許容し、または規制する。電解ポンプ185は第1ダイアフラム165を駆動し、それは、第2リザーバ173に通じて第1ゲートバルブ166を閉じ、また第2ダイアフラム169を引き、その第2ダイアフラムは、第2ゲートバルブ168を開いき、第2リザーバ173から第3リザーバ173への流体を動かす。電解ポンプ185は、そのポンプの第1ゲートバルブ16側上の第1膜162のエレクトロウエッティング(electrowetting)によって駆動される。第2膜163のエレクトロウエッティングをスイッチングすることにより、図16Bに表されるように、第3リザーバ内の流体は、第2ダイアフラム169の動作によって出口開口170から放出される。
【0036】
本発明によって意図される独創的なマイクロセンサ装置のタイプのそれぞれに関しては、マイクロセンサ装置を応答させて、その状態を決定させるための外部の手段をもつ必要がある。外部印加RFエネルギー(externally applied RF nergy)は、好ましくは、独創的なマイクロセンサ装置を応答させるため、つまり、薬剤配送あるいはマイクロマシンの作動のいずれかの作動を独創的なマイクロセンサ装置にもたらすために用いられる。周波数と、与えられた周波数を伝わるデータ密度と、の間には指数関数的な関係があり、それはこの分野においては知られている。同様に、周波数とレンジとの間には、反比例の関係がある。例えば、図3、および2002年5月のLeeper,D.G.サイエンティックアメリカンを参照し、それは参照することによりここに含まれる。超広帯域周波数において、多くのギガバイトレベルのデータ密度は、数メートルの比較的短い距離を介してであるが得られる。本発明においては、テラヘルツ周波数にて、より高いデータ密度が犠牲的レンジの間でさえも得られることが期待されることを意図する。数センチメートルだけのレンジは、埋め込み医療装置を経皮的に応答させるために要求されるため、テラヘルツレンジ内の非常に高い周波数は、イールディングテラバイトデータ密度(yielding terabyte data densities)の付随的な作用をもって用いられ、それらは、充分なデータストリーム(data streams)を生じさせて、埋め込みマイクロセンサ医療装置の状態を代表するリアルタイム3次元画像(real-time 3D images)を構成することが期待される。
【0037】
上述したように、ステントベースのアクチュエータは、図5に示されるような発電機、ロジック回路、通信モジュール、およびアクチュエータアセンブリの基本要素を有してもよい。ステントの直径の拡大が可能なステントアクチュエータの特定の実施形態は、図17−17D、および18A,18Bに示され、そこにおいて、少なくとも2つの協業要素194,196を有するリニアマイクロメータは、ステント202、204、または206の少なくとも1つの弓状部と関連する駆動トラック192と共に用いられて、弓状ステント部202,204,206を軸方向に駆動し、これにより、図18Bに示すようにステントを正反対に広げる。ステントは、複数のマイクロモータと、複数の湾曲トラックと、によって作ることができ、それぞれの湾曲トラックがナノスケールにおいてほぼ直線であることは理解される。マイクロモータ194,196のそれぞれは、"シャクトリムシ(inchworm)"タイプの装置として構成され、そこには、第1および第2のインターレース櫛部材191および193があり、第1および第2の櫛部材191および193のそれぞれはコンタクト195に電気機械的に結合され、そのコンタクト195は、第1および第2の櫛部材191および193の一方を他方に対して相対移動させる。第1の櫛部材191は、そこから延出する複数の突起を有し、それは、ステント部202,204,または206と関連する駆動トラック192上の複数のはめ合い突起192とかみ合う。操作中において、コンタクト195を通して送られる電気信号は、第1の櫛部材191をコンタクトに向かって駆動し、これにより、その櫛部材191を駆動トラック192に向かって、かつ第2の櫛部材193に向かってずらし、すると直ぐに、第1の櫛部材上の突起199が駆動トラック上の突起107とかみ合う。コンタクト195に付与される他の電気信号は、第2の櫛部材193のずれを引き起こし、これにより、駆動トラック192に対して軸方向に第1の櫛部材191と駆動トラック192を動かす。隣接するマイクロモータ196は、階段状形式(step-wise fashion)において連続的な同一のステップを受けて、”シャクトリムシ”形式において駆動トラック192を軸方向に移動させる。
【0038】
本発明は、その好適な実施形態を参照して説明されたが、この分野において通常の技術をもつ者は、装置の設計、装置の選択、埋め込み可能な医療装置と一体のMEMs装置の設計の変形が理解および認識できるであろう。また、MEMs装置の機能性は、本発明の範囲から逸脱することなく作られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】MEMs装置内のカンチレバー構造の製造を説明するためのパネルA−Gによる一連の図である。
【図2A】第1の電気信号を生成するための呼び掛け回路を表す回路図である。
【図2B】第1の電気信号を送信しかつ可変コンデンサを駆動するための受動的共振回路を表す回路図である。
【図3】従来の無線通信様式の異なるバンド幅における空間的キャパシティの相関関係を説明するためのグラフである。
【図4】本発明の独創的な医療装置に有用なナノサーモメータ構造体の斜視図である。
【図5】独創的な機能の医療装置の各基本要素と、それらの相互作用と、を表す線図である。
【図6】本発明の独創的な医療装置に有用な加速度計構造体の線図である。
【図7】本発明の独創的な医療装置の一実施形態の部分斜視図であり、内皮細胞アタッチメントを活性化するためのガルバノ配列(galvanotactic)構造体と、その独創的な医療装置の表面に沿う増殖を表す。
【図8】カンチレバーの周囲に成長する組織による抑制を伴うMEMs機能医療装置のカンチレバー構造体の正面図である。
【図9】生化学的な種の親和結合のための本発明のMEMs機能医療装置におけるカンチレバー構造体の実施形態の正面図である。
【図10】MEMs装置の機能性の特異性と、特異性の程度に基づいて適用可能な機能性のタイプと、の関係を説明するためのテーブルである。
【図11】機能的なアプローチとしてインピーダンス分光法を用いる本発明の実施形態の斜視図である。
【図12】複合生体活性ヒドルグル膜内の過酸化物生成による電流測定を用いる本発明の実施形態の線図である。
【図13A】合成バイオセンサとしての抗体/イオンチャンネルスイッチを用いる本発明の実施形態の線図である。
【図13B】合成バイオセンサとしての抗体/イオンチャンネルスイッチを用いる本発明の実施形態の線図である。
【図14】生体活性物質を解放する電食を用いる本発明の実施形態の一部切欠き斜視図である。
【図15A】人工筋肉バルブを形成する本発明の他の実施形態のMEMs装置を表す顕微鏡写真であり、そのバルブは、開き位置において生体活性物質の解放を調整する。
【図15B】人工筋肉バルブを形成する本発明の他の実施形態のMEMs装置を表す顕微鏡写真であり、そのバルブは、閉じ位置において生体活性物質の解放を調整する。
【図16A】本発明のMEMs機能医療装置の他の実施形態の連続エレクトロウエッティングマイクロポンプ(continuous electro-wetting micropump)の負荷状態における断面図である。
【図16B】本発明のMEMs機能医療装置の他の実施形態の連続エレクトロウエッティングマイクロポンプ(continuous electro-wetting micropump)の負荷状態における断面図である。
【図17A】マイクロモータを有するステント(stent)の作動およびステントを広げるためのレールの作動と、マイクロモータの作動および作動レールの動きの行程と、を表す部分図である。
【図17B】マイクロモータを有するステント(stent)の作動およびステントを広げるためのレールの作動と、マイクロモータの作動および作動レールの動きの行程と、を表す部分図である。
【図17C】マイクロモータを有するステント(stent)の作動およびステントを広げるためのレールの作動と、マイクロモータの作動および作動レールの動きの行程と、を表す部分図である。
【図17D】マイクロモータを有するステント(stent)の作動およびステントを広げるためのレールの作動と、マイクロモータの作動および作動レールの動きの行程と、を表す部分図である。
【図18A】独創的な作動レールを示す分解図である。
【図18B】充分に正反対に開いた状態における独創的な作動レールを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、移植可能な装置、留置装置、カテーテル、および配送システムのような生体内の使用に好適な医療装置の分野に広く関する。より詳しくは、本発明は、エンドルミナルステント(endoluminal stents)のような移植可能な医療装置に関し、それは、生体内のセンサおよび/またはアクチュエータとして動作可能である。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMs)技術の出現により、極めて小型の装置の製造が可能となった。MEMs技術の主要の用途は、これまでは、電気機械技術、特定の流体工学、および流体センサであった。しかし本発明は、MEMs技術を医療装置の分野、特に、移植可能な医療装置の分野に適合させ、その医療装置は、生体内の状態を検出するように設計され、装置の形状、および/または生体内の生物活性物質の定量配送を変更する。
【0003】
医療装置に基づく移植可能なMEMsの分野は、小型の質量分析計、分子認識バイオセンサ、およびマイクロ流体プロセッサを含む診断マイクロシステム、マイクロセンサやマイクロモータのような外科マイクロシステム、および移植可能な経皮薬配送マイクロシステムのような治療マイクロシステムに及んでいる。このようなタイプのマイクロデバイスは、PollaらによるAnn. Rev. Biomed. Eng. 2000, 02:551-575の”医学におけるマイクロデバイス(Microdevices in Medicine)”に説明されており、それは、参照することによりここに含まれる。移植可能な医療センサの更なる説明は、米国特許6,201,980号にあり、それは、参照することによりここに含まれる。コントロールされた医薬移送用のマイクロアクチュエータの更なる説明は、L.Mらによるセンサおよびアクチュエータ(Sensors and Actuators)のB 678 (2000) 149-160の”コントロールされた医薬移送に応答するためのマイクロバルブに関するマイクロアクチュエータ(Microactuators toward microvalves for responsive controlled drug delivery)”に見つけることができ、それも参照することによりここに含まれる。
【0004】
マイクロポンプ、高分解能マイクロ加速度計、および静電リニアモータは、低電圧および低電力消費の要求に頼る微小電気機械設備の例である。例えば、Yun,K.SらによるJ. Microelectromechanical Sys,11:5,Oct.2002,454-461の”低電圧および低電力運転用の表面張力駆動マイクロポンプ(A Surface-Tension Driven Micropump for Low-voltage and Low-Power Operations)”、Yeh,R.らによるJ. Microelectromechanical Sys,11:4,Aug.2002,330-336の”シングルマスク、強力、および大変位の静電リニアインチオームモータ(Single Mask, Large force, and large Displacement Electrostatic Linear Inchworm Motors)”、およびLof,N.C.らによるJ. Microelectromechanical Sys,11:3,june.2002,182-187の”ナノグラム分解能の10cm3未満干渉加速度計(Sub-10cm3 Interferometric Accelerometer with Nano-g Resolution)”が参照され、それらは、参照することによりここに含まれる。
【0005】
誘導性高分子は、個人のセンシングユニット用としてナノ構造フィルムを加工することによって、電子舌開発用のセンサとして用いられている。そのフィルムは、1−1MHzの周波数範囲内の信号伝達用のインピーダンス分光法により作用して、液体システムにおける味物質や無機汚染物質の微小量を検出し、Riul,Jr.,A.らによるBiosensors and Bioelectronics,00(2003)1-5の”誘導性高分子に基づく人工的な味覚センサ(An Artificial Taste Sensor Based On Conducting Polymers)”は、参照することによりここに含まれる。血管に関連して、ヒドルグルおよび誘導性高分子は、電気活性ヒドルグル複合材料として結合され、それは、バイオセンサ構造用、および化学的な刺激制御放出(chemically stimulated controlled release)用の複合マトリクス内に酵素を捕捉する。ブドウ糖、コレステロール、およびガラクトース電流測定バイオセンサ(glactose amperometric biosensors)は、この複合材料を用いて作られ、それは、60秒未満の応答時間をもって、10−5から10−2Mの間の延長された直線応答範囲を表す。pHセンサは、メタクリル酸ジメチルアミノエチルモノマーによるヒドルグル構造の架橋結合によって作られる。Brahim,S.らによるBiosensors and Bioelectronics,17(2003)973-981の”バイオスマートヒドルグル:バイオセンサ構造および薬物配送における相互結合分子識別および信号伝達(Bio-joined Molecular Recognition and Signal Transduction in Biosensor Fabrication and Drug Delivery)”が参照でき、それは、参照することによりここに含まれる。
【0006】
ガリウムとしての単結晶MgOナノチューブは、広い温度範囲のナノサーモメーターとして用いられる。例えば、Li,Y.B.らによるApp.Phys.Let.,83:5,Aug.2003,999-1001の”GA充填単結晶MgOなのチューブ:広い温度範囲のナノサーモメーター(Ga-filled Single-Crystalline MgO Nanotube: Wide-temperature Range Nanothermometer)”が参照でき、それは、参照することによりここに含まれる。
【0007】
イオンチャンネルスイッチはバイオセンサに使用可能であること、および、そのイオンチャンネルを通るイオン通過によって生じる電流は、与えられた状況を検出するためのバイアスとして供給可能であること、認識される。例えば、イオンチャンネルスイッチは、抗体にリンクされ、かつ金電極に繋がれたグラミシジンイオンチャンネルを含む脂質膜によって、作られる。この繋がれる膜は、金電極と、その金電極との接続部を通して電気的にアクセスされる部材と、の間のイオン貯留層を作成する。加電圧(applied potential)の存在において、チャンネルが導電性であるときに、イオンは、貯留層と外液(external solution)との間を流れる。イオン電流がスイッチオフされたときに、その膜の外側半分に拡散する移動チャンネルは、抗体と架橋結合し、かつ固定される。Cornell,B.A.らによるLetters to Nature,1997の”イオンチャンネルスイッチを用いるバイオセンサ(A Biosensor that uses Ion-channel Switches)”を参照。
【0008】
最後に、今日では電界効果内皮細胞移動(electrical fields effect endothelial cell migration)が知られている。Li,X.らによるJ.Vasc.Res.,2002;39:391-404の”細胞移動における直流電界の効果、およびウシ血管内皮細胞内のアクチンフィラメント配送(Effects of Direct Current Electric Fields on Cell Migration and Actin Filament Distribution in Bovine Vascular Endothelial Cells)”を参照することができ、それは、参照することによりここに含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
内皮細胞移動の制御は、大きな治癒反応を示す移植可能な装置を設計する上において、重要な行程である。したがって、制御された電界を用いる移植可能な装置を設計することにより、内皮細胞は、その装置に対してより結合しやすくなり、その装置の表面に沿って増殖して、完全な治癒を早めて、平滑筋細胞増殖または血栓形成作用を最小限にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
制御された電界を有する移植可能な装置を設計するために、互いにかみ合う電極(interdigitated electrodes)によって有利な利用法がもたらされて、ガルバノタクチック医学装置(galvanotactic medical device)を作成することができる。互いにかみ合う電極は、誘電誘導(dielectrophoresis)において用いられ、生細胞と死細胞との間の誘電特性の差を利用することにより、互いにかみ合う電極に用いられる微細加工装置上において、生細胞と、熱処理されたリステリア菌細胞(heated-treated Listeria innocua cells)と、を分け、Li,H.らによるhttp://www.nnf.cornell.edu/2002cnfra/2002/cnfra54.pdf、およびLi,H.によるJ.Sensors and Actuators, Apr.2002の”互いにかみ合う電極をもつ微細加工装置上における生細胞と、熱処理されたリステリア菌の細胞と、の誘電浮動分離および操作(Dielectrophoretic Separation and Manipulation of Life and Heat-Treated Cells of Listeria on Microfabricated Devices with Interdigitated Electrodes)”は、参照されることによりここに含まれる。互いにかみ合うマイクロセンサ電極もまた、互いにかみ合うアレイと称されて、絶縁基板チップ上に堆積された貴金属のパターンから微細加工される。これらの装置は、マイクロ電気化学、および電気/電気化学インピーダンス分光において、重合体フィルムやコーティングの電気、電気化学、または光学特性の同時測定(simultaneous interrogation)用に設計される。例えば、Guiseppi-Elie,A.によるAn ABTECH Application Note,http://www.abtechsci.com/pdfs/resist0501.pdf,May,2001の”微細加工されて互いにかみ合うマイクロセンサの電極(IMEs)を用いた電気材料特性の測定(Measuring Electrical Material Properties Using Microfabricated Interdigitated microsensor Electrodes (IMEs))”を参照することができ、それは、参照することによりここに含まれる。
【0011】
本発明は、ステントベースやグラフトベース(stent-based or graft-based)のセンサやアクチュエータの種々の実施形態をもたらす。本発明の第1の実施形態おいてはガルバステントを提供し、そのステント素材は、少なくとも一部が多層物理的気相成長法によって作られる。第1の基板層は積層され、そして導電膜が積層されて、それは導電層の中に形成された電極と互いに入り込み、隣接する電極は誘電体によって離される。最終表面の絶縁層が積層され、そして複数の開口は、中間導電層内において互いに入り込む電極の位置に適合するように、形成されてパターン化される。この装置に電流が与えられたときに、互いに入り込む電極は変化した状態となり、集中電流は、表面の絶縁層内の開口から放射されて、表面層内の開口のパターンに対応するようにパターン化される。
【0012】
好適な電源は外部に適用されるRF源を含んでもよく、それは、ステント内の共振器回路を誘発して、ステント内に形成されるソリッドステイトキャパシタを変化させ、そして、ステント内に総合電源装置を備えて、互いに入り込む電極用の充電源を維持する。電源は限定されず、他のものとしては、外部から付与される電磁場、超音波、紫外線(UV)、または光電子放出エネルギー(photoemissive energy)、あるいは熱エネルギーを含む。
与えられる場の影響下における内皮細胞は既知であるため、ステントを伴う電界移動の存在は、ステント表面の適用された場の影響下において、内皮細胞の移動が知られているため、ステントを伴う電界全体(electrical field integral)の存在は、ステント表面の内皮化(endothelialization)の向上、および健康な新生内膜組織の形成の促進が見込まれ、その上、ステントの移植と関連する再狭窄の発生を低下させる。
【0013】
また、本発明によれば、エンドルミナルステント(endoluminal stent)が生物元素をもつ導電性ポリマーを含むことが意図され、それはステント内の埋め込み回路を形成し、それは、体の生理学的状態の変化に反応して、その生理学的状態の変化と既知の関係の導電率の変化を引き起こす。このタイプの動作のメカニズムの例は、食品産業において人工の舌として用いられるポリピロール(polypyroles)およびポリピロリドン(polypyrolidone)のような導電性ポリマーである。
【0014】
本発明の他の形態として、ステント上の導電性ポリマーは、酸化酵素結合および過酸化物の発生に用いて、自由電子を引き起こし、ステントのセンサ装置用の電流源を提供することができる。あるいは、イオンチャンネル活動によって、仲介イベント(mediated events)に結合する受容体から生じる電圧を用いて、ステンドベースセンサ(stent-based sensor)用の電圧を生じさせてもよい。
【0015】
本発明によって意図される独創的なマイクロセンサ装置の各タイプについては、そのマイクロセンサ装置を応答させて、その状態を決定させるための外部の手段をもつ必要がある。経皮的に付与されるRFエネルギー(transcutaneously applied RF nergy)は、好ましくは、独創的なマイクロセンサ装置を応答させるため、つまり薬剤配送あるいはマイクロマシンのいずれかの作動を独創的なマイクロセンサ装置にもたらすために用いられる。周波数と、与えられた周波数を伝わるデータ密度と、の間には指数関数的な関係があり、それはこの分野においては知られている。同様に、周波数とレンジとの間には、反比例の関係がある。例えば、2002年5月のLeeper,D.G.サイエンティックアメリカンを参照し、それは参照することによりここに含まれる。超広帯域周波数において、多くのギガバイトレベルのデータ密度は、数メートルの比較的短い距離を介してであるが得られる。本発明においては、テラヘルツ周波数にて、より高いデータ密度が犠牲的レンジの間でさえも得られることが期待されることを意図する。数センチメートルだけのレンジは、埋め込み医療装置を経皮的に応答させるために要求されるため、テラヘルツレンジ内の非常に高い周波数は、イールディングテラバイトデータ密度(yielding terabyte data densities)の付随的な作用をもって用いられ、それらは、充分なデータストリーム(data streams)を生じさせて、埋め込みマイクロセンサ医療装置の状態を代表するリアルタイム3次元画像(real-time 3D images)を構成することが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
添付の図1−18は本発明の異なる形態を示し、
マイクロセンサあるいは薬剤配送流体ポンプとして用いられる物理的気相成長法およびマイクロカンチレバーの構成と、
体外の呼び掛け回路と、体内に移植される受動的な共振器センサ回路と、の通信の典型的な可変共振回路と、
RF周波数の相関関係を示すグラフと、
特別なキャパシティおよびレンジと、
ナノサーモメーターと、
双方向性の移植可能ステントの基本要素と、
MEMs技術を用いて製造された横加速度計と、
内皮細胞移動を与えるための場の勾配を生じさせるダイアグラムガルバノ配列装置(diagrammatic galvanotactic device)と、
血栓の形成と組織の厚みを検出するセンサをベースにしたマイクロカンチレバーと、
結合事象に基づいて分子種を検出するセンサをベースにしたマイクロカンチレバーと、
電子バイオセンサのための異なる意図されたアプローチのテーブルと、
導電性重合体とインピーダンス分光法用脂質との複合によって成るダイアグラム装置と、
過酸化物による電流測定用のシステムと、
バイオセンサとしての抗体/イオンチャンネルスイッチと、
電食によって作動される薬剤解放バルブと、
人工筋肉による薬剤解放バルブと、
マイクロポンプと、
互いにかみ合う各素子と、トラックに沿って相互に入り込む各素子の相対移動用の対応するトラックと、を用いるリニアマイクロモータの動きを示す連続的な図(図17A−17D)と、
各リニアマイクロモータと、リニアモータに与えられる電流に応じて作動ステントを放射状に広げることを目的とする作動リングユニットを形成する各トラックと、を有する作動ステントと、
を含む。
【0017】
本発明の好適な実施形態において、ステント、ステントグラフト(stent-graft)、カバーされたステント(covered stent)、グラフト(graft)、または他の同様の装置のような移植可能な医療装置は、MEMs装置に適応させるような方法によって、それに、医療装置に結合される個別部品として製造されることが意図され、しかし好ましくは、その医療装置は、2002年8月2日提出の同時継続出願番号第10/211,489号であって、2003年3月27日に米国にて公開されたUS2003/0059640に記載さているような物理的気相技術を用いて製造され、それは、その全体について参照することによりここに含まれる。
【0018】
また、独創的な医療装置の製造中に、本発明のMEMsセンサおよび/またはアクチュエータは、その装置の製造中に形成されて、その装置の不可欠な要素となることが意図される。説明図だけのために、複数の構成要素を有する腔内ステント(endoluminal stent)が言及され、それは、複数の構成要素の少なくとも1つと関連するように説明されるMEMsセンサおよび/またはアクチュエータをもつ。この分野における通常の技術では、医療装置の幅広い種類が本発明によって意図されて、パッチ(patches)、グラフト、カーテル、バルーン、フィルター、コイル、カバーされたステントなどを制限なく含む本発明のMEMsセンサおよび/またはアクチュエータ用のキャリア基板として役立つことが理解されるであろう。
【0019】
本発明の第1の実施形態10は、図1に示される。ステント12の構成部材には、少なくとも1つの凹所13が形成される。その少なくとも1つの凹所には、犠牲材料(sacrificial material)14が充填され、マイクロカンチレバー層16が構成部材12上に形成されて、犠牲材料を覆う。随意的に、圧電材料18を備えて、マイクロカンチレバー層16を覆ってもよい。圧電材料18とマイクロカンチレバー層16は、部分的に除去されて、マイクロカンチレバー層16の範囲と、要求されるマイクロカンチレバー16の範囲に対応する圧電材料18と、を形成し、犠牲材料14の一部が露出される。コンタクト20と、隣接するカンチレバー22の間の空間と、が与えられる。カンチレバー16の下からの犠牲材料14の除去は、凹所13を再び開き、カンチレバーの末端と、そのカンチレバーが自由に振動する凹所の末端と、の間の空間24を残す。
【0020】
図8および図9に示すように、マイクロカンチレバーのコンセプトの他の実施形態90および100は、それぞれの医療装置92,102に結合する血栓98や血管組織、すなわち実施形態90においては、カンチレバー部材94,104に対する抗体105、DNA、アンチセンスDNAなどの細胞成分の生理化学結合の探知に用いることができ、それは、関連するマイクロカンチレバー94,104の能力を弱め、外部信号の付与により振動を起こして、装置の状態を示す変化した信号を戻す。同様に、マイクロカンチレバーは、薬剤配送のための開口を開閉するためのゲートとして用いることができ、また付与される外部RF信号、または内因性や外因性物質の結合イベントのいずれかに応じて、開閉が刺激されてもよい。
【0021】
生体外の呼び掛け回路30と、生体内の受動的な共振回路32と、を有する共振回路の一例は、図2Aおよび2Bに示される。呼び掛け回路30は、主に、発信器34、抵抗36、および電源38を有する閉ループ回路から成り、一方、共振回路32は、主に、電源40と可変コンデンサ42を有するループ回路から成る。
【0022】
図3に示されるように、通信周波数と、バンド幅の空間キャパシティと、の間に重要な関係がある。同様に、信号のレンジと空間キャパシティとの間には、逆の関係がある。したがって、本発明の医療用途として超広帯域周波数を用いることが望ましく、それは、1,000kbps/m2を越える空間キャパシティと、医療用途用の充分な量を超えた10メートルのレンジと、を有する。
【0023】
図4はナノ温度計を表し、それは、医療装置の構成要素に組み込まれ、あるいは結合することができる。そのナノ温度計は、淡結晶MgOチューブ52が充填されたガリウムの列から成る。
【0024】
図5は、ステントのような医療装置における各構成要素を相対移動させるための作動システムの概略を表す。そのシステムの一般的な構成要素は、ロジックコントロール回路66に接続される発電機68、そのロジックコントロール回路66は通信モジュール64に接続され、それは、医療装置の各構成部分に結合するアクチュエータアッセンブリ62と交信する。したがって、各構成部分の他に対しての相対移動は、ロジック回路66によって制御され、そして通信モジュール64によって監視される。67,65,63の相互接続は、電気的、RF、電磁気、磁気、あるいは当分野において知られている他の機能的な相互接続であってもよい。ロジック回路66と通信モジュール64を設計およびプログラムすることは、過度の実験の実行なしに、技術者の技術の範囲内であるとみなされる。
【0025】
図6は、本発明の1つの実施形態による加速度計70を表す。その加速度計70は、圧力、パルス、および流れなどの患者のバイタルサインの監視を目的とする医療装置に組み込むことができる。加速度計70は、主に、医療装置内の構成要素の一部、またはそれに付けられた静止要素74と、可動要素72と、から成る。可動要素72は、その可動要素72との相対移動を許容するスプリング要素73によって、静止要素74内に吊り下げられている。各第2突起76内における第1突起75の動きが静止要素74内に電流を誘起するように、可動要素72からの第1突起75は、静止要素74上の各第2突起76と組み合わされる。誘起される電流の相対的な強さは、可動要素72上の圧力と関連し、検出される刺激物を示す。
【0026】
ガルバノ場勾配(galvanotactic field gradient)80を用いる本発明の医療装置の実施形態は、図7に表される。本発明の実施形態によれば、ガルバノステントが備えられ、そのステント素材は、多層物理的気相成長法(multi-layer physical vapor deposition)によって少なくとも部分的が製造される。第1の基材層が積層されてから、隣接する電極が誘電体によって隔てられるように互いにかみ合う電極が形成された導電層が積層され、最終上端絶縁層(final top insulating layer)が積層され、そこには、中間導電層内において互いにかみ合う電極の位置に適合するパターンとされた複数の開口が形成される。装置に電流を流すと、互いにかみ合う電極は帯電し、上端絶縁層内の各開口から集中電流(focused current)が生じ、それは上端層の各開口のパターンに対応するパターンとされる。
【0027】
適する電源は、外部印加RF源(externally applied RF source)であり、ステント内の共振器回路を誘発して、ステント内に形成されている固体キャパシターを誘起し、そしてステントに総合的な電力供給をもたらして、互いにかみ合う電極のための充電源を維持する。
【0028】
適用された場の影響下において、内皮細胞が移動することが知られているため、ステントを伴う電界全体(electrical field integral)の存在は、ステント表面の内皮化(endothelialization)の向上、および健康な新生内膜組織の形成の促進が見込まれ、その上、ステントの移植と関連する再狭窄の発生を低下させる。
【0029】
したがって、医療装置の構成要素82内に配列されたパターンの複数の開口84を形成し、かつ複数の開口84の近傍に隣接する他のもの88に電気的に接続される電極86の列を備えて、各電極86に電圧81を印加することにより、医療装置の構成表面82を横切る内皮細胞移動85の通路に沿って、電界傾斜83が引き起こされる。したがって、加えられる電界傾斜83は、ステントのような医療装置と共に用いることができ、内皮細胞の結合と移動を好ましく向上させて、装置の表面被覆の癒合をもたらす。
【0030】
図10は、低感度をもつインピーダンス分光法と、高感度をもつ受容体/イオン−チャンネルコンプリーティング(receptor/ion-channel completing)と、により、感度に基づくバイオセンシングへの異なったアプローチを区別する。したがって、腔内ステントは、脂質のような生物元素をもつ導電ポリマーを含んでもよく、それはステント内に埋め込み回路を形成し、それは体の生理的状態の変化に応答して、生理的状態の変化との既知の関係において導電率の変化を生じさせる。このタイプの動作のメカニズムの例は、ポリピロール(polypyroles)のような導電性ポリマー、および食品産業において人工の舌として用いられるポリピロリドン(polypyrolidone)である。図11は、分光装置110の代表的なタイプを表す。導電性ポリマーの合わせフィルムと、膜の資質と、を用いるインピーダンス分光法として適する装置110の例は、図11に示される。導電性ポリマー膜112は、第1電極114と第2電極116とを含み、それらは互いに組み合わされている。ポリマー膜に対する外部部品の結合は、第1および第2電極112,116の間の電圧にインピーダンス変化を生じさせ、それはインピーダンス分光法によって検出される。
【0031】
本発明の他の形態として、ステント上の導電性ポリマーは、酸化酵素結合による電流測定用の装置120であってもよく、それは過酸化膜を発生して自由電子を引き起こし、かつ図12に表すようなセンサ装置から検出可能な信号をもたらす。したがって、ポリHEMA(polyhydroxyethyl methacrylate)126またはポリエチレングリコールは、カウンタラニオン(counteranion)としての酵素と協働して、ポリピロル(polypyrole)をもつヒドロゲルマトリクスとして用いて、使用しもよい。導電性ポリマーは、ステントや他の医療装置を覆って、血糖のような化学作用による部分結合を検知し、かつ化学作用による部分結合を示す電流測定を実現する。
【0032】
あるいは、図13Aおよび図13Bに示すように、イオンチャンネル活動によって、仲介イベント(mediated events)に結合する受容体から生じる電圧を用いて、ステンドベースセンサ(stent-based sensor)130電圧信号を生じさせてもよい。固定化イオンチャンネル(GT)、合成古細菌膜貫通脂質(synthetic archaebacterial membrane spanning lipids)、および半古細菌膜貫通連結脂質(half-membrane-spanning tethered lipids)は、ポウラリンカー(polar linkers)および硫黄ボンド(sulphur bonds)を介して、導電性の面に直接付けられる。ポウラスペーサー分子(polar spacer molecules)は、同じ化学的性質を用いて導電性の面に直接付けられる。移動性の半古細菌膜貫通連結脂質、および移動性のイオンチャンネル(Ga)は、膜を完成する。各移動性イオンチャンネルはビオチニル化され、ビオチニル化された抗体フラグメントFab9 132,134に、ストレプトアビジン(SA)中間体を用いて連結される。いくつかの膜貫通脂質は、ビオチン連結Fab9 132,134をもつ。検体(A)がない場合には、移動性のイオンチャンネルが連結膜の外側単分子内に拡散して、導電ダイマー(conducting dimers)(GD)を断続的に形成する。ターゲットの検体の追加は、各脂質上の各FabとGaと交差結合させ、それらの固定内層パートナーから離れてGaを拘束する複合体を形成する。これは、チャンネルダイマーの形成を防ぎ、膜の導電率を低下させる。
【0033】
図14は薬剤配送メカニズムのタイプを示し、それは電食140によって機能し、ステントのような埋め込み型医療装置に組み込むことができる。その装置は、主として導電性金属箔142により構成され、それは、生体活性物質を収容するリザーバー148上のカップ144を形成する。全体のアセンブリは医療装置の表面上に形成され、それは、シール層46として動作して生体活性物質を保持することができる。導電性金属箔142に電界を加えたときに、カップ144は既知の速度で腐食し、カップが腐食した後に性活性物質の流れ145を放つであろう。したがって、制御された薬剤の溶出は、本発明の電食を利用した医薬移送装置140を用いて、達成することができる。
【0034】
図15Aおよび図15Bは、それぞれ、マイクロバルブ150の第1閉状態および第1開状態を表す。マイクロバルブ15は、主として、ポリHEMA(poly HEMA)によって覆うことができる骨格(scaffold)152と、可変開口として機能して、マイクロバルブ154を通る生体活性物質のような流体の通路を制御する駆動可能なマイクロバルブ154と、によって構成される。マイクロバルブ154は、ポリアナリン(polyanaline)のような形状記憶材料または導電性ポリマーによって製造することができる。マイクロバルブ150は、好ましくは、列状に備えられて、医療装置の構成要素内に形成される医薬溶離リザーバーと結合される。
【0035】
図16Aおよび16Bは、エレクトロウエッティング・マイクロポンプ160を表し、それらの構造の間には、ナノ技術や技術による流体流路が形成される。第1リザーバ161は第1ゲートバルブ166をもって終了し、それは、第1リザーバ161と第2リザーバ173との間の流体の流れを許容し、または規制する。電解ポンプ185は第1ダイアフラム165を駆動し、それは、第2リザーバ173に通じて第1ゲートバルブ166を閉じ、また第2ダイアフラム169を引き、その第2ダイアフラムは、第2ゲートバルブ168を開いき、第2リザーバ173から第3リザーバ173への流体を動かす。電解ポンプ185は、そのポンプの第1ゲートバルブ16側上の第1膜162のエレクトロウエッティング(electrowetting)によって駆動される。第2膜163のエレクトロウエッティングをスイッチングすることにより、図16Bに表されるように、第3リザーバ内の流体は、第2ダイアフラム169の動作によって出口開口170から放出される。
【0036】
本発明によって意図される独創的なマイクロセンサ装置のタイプのそれぞれに関しては、マイクロセンサ装置を応答させて、その状態を決定させるための外部の手段をもつ必要がある。外部印加RFエネルギー(externally applied RF nergy)は、好ましくは、独創的なマイクロセンサ装置を応答させるため、つまり、薬剤配送あるいはマイクロマシンの作動のいずれかの作動を独創的なマイクロセンサ装置にもたらすために用いられる。周波数と、与えられた周波数を伝わるデータ密度と、の間には指数関数的な関係があり、それはこの分野においては知られている。同様に、周波数とレンジとの間には、反比例の関係がある。例えば、図3、および2002年5月のLeeper,D.G.サイエンティックアメリカンを参照し、それは参照することによりここに含まれる。超広帯域周波数において、多くのギガバイトレベルのデータ密度は、数メートルの比較的短い距離を介してであるが得られる。本発明においては、テラヘルツ周波数にて、より高いデータ密度が犠牲的レンジの間でさえも得られることが期待されることを意図する。数センチメートルだけのレンジは、埋め込み医療装置を経皮的に応答させるために要求されるため、テラヘルツレンジ内の非常に高い周波数は、イールディングテラバイトデータ密度(yielding terabyte data densities)の付随的な作用をもって用いられ、それらは、充分なデータストリーム(data streams)を生じさせて、埋め込みマイクロセンサ医療装置の状態を代表するリアルタイム3次元画像(real-time 3D images)を構成することが期待される。
【0037】
上述したように、ステントベースのアクチュエータは、図5に示されるような発電機、ロジック回路、通信モジュール、およびアクチュエータアセンブリの基本要素を有してもよい。ステントの直径の拡大が可能なステントアクチュエータの特定の実施形態は、図17−17D、および18A,18Bに示され、そこにおいて、少なくとも2つの協業要素194,196を有するリニアマイクロメータは、ステント202、204、または206の少なくとも1つの弓状部と関連する駆動トラック192と共に用いられて、弓状ステント部202,204,206を軸方向に駆動し、これにより、図18Bに示すようにステントを正反対に広げる。ステントは、複数のマイクロモータと、複数の湾曲トラックと、によって作ることができ、それぞれの湾曲トラックがナノスケールにおいてほぼ直線であることは理解される。マイクロモータ194,196のそれぞれは、"シャクトリムシ(inchworm)"タイプの装置として構成され、そこには、第1および第2のインターレース櫛部材191および193があり、第1および第2の櫛部材191および193のそれぞれはコンタクト195に電気機械的に結合され、そのコンタクト195は、第1および第2の櫛部材191および193の一方を他方に対して相対移動させる。第1の櫛部材191は、そこから延出する複数の突起を有し、それは、ステント部202,204,または206と関連する駆動トラック192上の複数のはめ合い突起192とかみ合う。操作中において、コンタクト195を通して送られる電気信号は、第1の櫛部材191をコンタクトに向かって駆動し、これにより、その櫛部材191を駆動トラック192に向かって、かつ第2の櫛部材193に向かってずらし、すると直ぐに、第1の櫛部材上の突起199が駆動トラック上の突起107とかみ合う。コンタクト195に付与される他の電気信号は、第2の櫛部材193のずれを引き起こし、これにより、駆動トラック192に対して軸方向に第1の櫛部材191と駆動トラック192を動かす。隣接するマイクロモータ196は、階段状形式(step-wise fashion)において連続的な同一のステップを受けて、”シャクトリムシ”形式において駆動トラック192を軸方向に移動させる。
【0038】
本発明は、その好適な実施形態を参照して説明されたが、この分野において通常の技術をもつ者は、装置の設計、装置の選択、埋め込み可能な医療装置と一体のMEMs装置の設計の変形が理解および認識できるであろう。また、MEMs装置の機能性は、本発明の範囲から逸脱することなく作られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】MEMs装置内のカンチレバー構造の製造を説明するためのパネルA−Gによる一連の図である。
【図2A】第1の電気信号を生成するための呼び掛け回路を表す回路図である。
【図2B】第1の電気信号を送信しかつ可変コンデンサを駆動するための受動的共振回路を表す回路図である。
【図3】従来の無線通信様式の異なるバンド幅における空間的キャパシティの相関関係を説明するためのグラフである。
【図4】本発明の独創的な医療装置に有用なナノサーモメータ構造体の斜視図である。
【図5】独創的な機能の医療装置の各基本要素と、それらの相互作用と、を表す線図である。
【図6】本発明の独創的な医療装置に有用な加速度計構造体の線図である。
【図7】本発明の独創的な医療装置の一実施形態の部分斜視図であり、内皮細胞アタッチメントを活性化するためのガルバノ配列(galvanotactic)構造体と、その独創的な医療装置の表面に沿う増殖を表す。
【図8】カンチレバーの周囲に成長する組織による抑制を伴うMEMs機能医療装置のカンチレバー構造体の正面図である。
【図9】生化学的な種の親和結合のための本発明のMEMs機能医療装置におけるカンチレバー構造体の実施形態の正面図である。
【図10】MEMs装置の機能性の特異性と、特異性の程度に基づいて適用可能な機能性のタイプと、の関係を説明するためのテーブルである。
【図11】機能的なアプローチとしてインピーダンス分光法を用いる本発明の実施形態の斜視図である。
【図12】複合生体活性ヒドルグル膜内の過酸化物生成による電流測定を用いる本発明の実施形態の線図である。
【図13A】合成バイオセンサとしての抗体/イオンチャンネルスイッチを用いる本発明の実施形態の線図である。
【図13B】合成バイオセンサとしての抗体/イオンチャンネルスイッチを用いる本発明の実施形態の線図である。
【図14】生体活性物質を解放する電食を用いる本発明の実施形態の一部切欠き斜視図である。
【図15A】人工筋肉バルブを形成する本発明の他の実施形態のMEMs装置を表す顕微鏡写真であり、そのバルブは、開き位置において生体活性物質の解放を調整する。
【図15B】人工筋肉バルブを形成する本発明の他の実施形態のMEMs装置を表す顕微鏡写真であり、そのバルブは、閉じ位置において生体活性物質の解放を調整する。
【図16A】本発明のMEMs機能医療装置の他の実施形態の連続エレクトロウエッティングマイクロポンプ(continuous electro-wetting micropump)の負荷状態における断面図である。
【図16B】本発明のMEMs機能医療装置の他の実施形態の連続エレクトロウエッティングマイクロポンプ(continuous electro-wetting micropump)の負荷状態における断面図である。
【図17A】マイクロモータを有するステント(stent)の作動およびステントを広げるためのレールの作動と、マイクロモータの作動および作動レールの動きの行程と、を表す部分図である。
【図17B】マイクロモータを有するステント(stent)の作動およびステントを広げるためのレールの作動と、マイクロモータの作動および作動レールの動きの行程と、を表す部分図である。
【図17C】マイクロモータを有するステント(stent)の作動およびステントを広げるためのレールの作動と、マイクロモータの作動および作動レールの動きの行程と、を表す部分図である。
【図17D】マイクロモータを有するステント(stent)の作動およびステントを広げるためのレールの作動と、マイクロモータの作動および作動レールの動きの行程と、を表す部分図である。
【図18A】独創的な作動レールを示す分解図である。
【図18B】充分に正反対に開いた状態における独創的な作動レールを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔側および反管腔側の壁面を形成する複数の構成要素と、中心ルーメンと、前記管腔側と反管腔側の壁面を通る複数の開口と、を有する腔内ステントにおいて、
前記複数の構成要素の少なくとも1つと操作可能に関連する少なくとも1つのマイクロ電気機械システムを含むことを特徴とする腔内ステント。
【請求項2】
前記少なくとも1つのマイクロ電気機械システムは、
カンチレバー、加速度計、ガルバノ配列アッセンブリ、インピーダンス分光計、電流測定法、抗体/イオンチャンネル・センサ、電食センサ、マイクロポンプ、およびマイクロアクチュエータと、
駆動アセンブリと、
の群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の腔内ステント。
【請求項3】
前記複数の構成要素は、さらに、複数の第1の突起を有する複数の作動要素を含み、
前記ステントは、さらに、前記複数の作動要素と操作可能に関連する複数のマイクロモータを含み、
前記複数のマイクロモータは、複数の第2の突起を有する少なくとも1つの駆動要素を有し、
前記複数の第2の突起は、前記複数の第1の突起の少なくともいくつかとかみ合い、
前記複数のマイクロモータの作動は、前記駆動要素の少なくとも1つに、前記複数の第2の突起の少なくともいくつかと、前記複数の作動要素の少なくとも1つにおける前記複数の第1の突起の少なくともいくつかと、のかみ合わせを引き起こさせ、かつ前記複数の作動要素の少なくとも1つを軸方向にずらす
ことを特徴とする請求項1に記載の腔内ステント。
【請求項4】
前記複数のマイクロモータのそれぞれは、さらに、少なくとも2つのインターレース櫛部材を含むことを特徴とする請求項3に記載の腔内ステント。
【請求項5】
前記少なくとも2つのインターレース櫛部材は、少なくとも1つの誘導部材と電気的に関連することを特徴とする請求項4に記載の腔内ステント。
【請求項6】
前記ステントは、さらに、前記複数の構成要素の少なくとも1つに複数の凹所を含み、
前記複数の凹所のそれぞれは、少なくとも1つのカンチレバー部材を有し、
そのカンチレバー部材は、関連する凹所を超えて突き出るものであり、
前記少なくとも1つのカンチレバー部材は、それに外部エネルギーを加えることによって振動が可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の腔内ステント。
【請求項7】
前記少なくとも1つのカンチレバー部材のそれぞれは、さらに圧電素子を含むことを特徴とする請求項6に記載の腔内ステント。
【請求項8】
前記少なくとも1つのカンチレバー部材に、少なくとも1つの細胞とサブ細胞との構成要素を充分に弱く結合させることは、それに外部エネルギーを加えることによって振動を可能とすることであり、これにより振動の呼びかけは減衰振動を表現する信号を戻すことを特徴とする請求項6に記載の腔内ステント。
【請求項9】
振動の呼びかけは超広帯域周波数において生じることを特徴とする請求項8に記載の腔内ステント。
【請求項10】
前記複数の構成要素のいくつかに貫通する複数の開口と、
交互に電気的に結合し、かつ前記複数の開口に隣接して位置し、前記複数の電極に電圧が印加されたときに、前記複数の開口を越える電界勾配を伝える複数の電極と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の腔内ステント。
【請求項11】
エンドルミナルステントに操作可能に関連する少なくとも1つのアクチュエータ部材と、
前記少なくとも1つのアクチュエータ部材と操作可能に通信する少なくとも1つの通信回路と、
前記通信回路と電気的に結合する少なくとも1つのロジック回路と、
少なくとも1つの電源と、
を含むことを特徴とする腔内ステント作動用システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのアクチュエータ部材は、さらに、少なくとも2つのインターレース櫛部材を含み。
前記少なくとも2つの櫛部材は、コンタクトと操作可能に結合し、前記エンドルミナルステントの構成要素と通信するための複数の駆動突起を有する
ことを特徴とする請求項11に記載の腔内ステント作動用システム。
【請求項13】
前記コンタクトは、前記通信回路と操作可能に通信する状況にあることを特徴とする請求項12に記載の腔内ステント作動用システム。
【請求項14】
少なくとも1つの電源は、前記少なくとも1つのアクチュエータ部材に誘導結合される外部電源源を含むことを特徴とする請求項11に記載の腔内ステント作動用システム。
【請求項1】
管腔側および反管腔側の壁面を形成する複数の構成要素と、中心ルーメンと、前記管腔側と反管腔側の壁面を通る複数の開口と、を有する腔内ステントにおいて、
前記複数の構成要素の少なくとも1つと操作可能に関連する少なくとも1つのマイクロ電気機械システムを含むことを特徴とする腔内ステント。
【請求項2】
前記少なくとも1つのマイクロ電気機械システムは、
カンチレバー、加速度計、ガルバノ配列アッセンブリ、インピーダンス分光計、電流測定法、抗体/イオンチャンネル・センサ、電食センサ、マイクロポンプ、およびマイクロアクチュエータと、
駆動アセンブリと、
の群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の腔内ステント。
【請求項3】
前記複数の構成要素は、さらに、複数の第1の突起を有する複数の作動要素を含み、
前記ステントは、さらに、前記複数の作動要素と操作可能に関連する複数のマイクロモータを含み、
前記複数のマイクロモータは、複数の第2の突起を有する少なくとも1つの駆動要素を有し、
前記複数の第2の突起は、前記複数の第1の突起の少なくともいくつかとかみ合い、
前記複数のマイクロモータの作動は、前記駆動要素の少なくとも1つに、前記複数の第2の突起の少なくともいくつかと、前記複数の作動要素の少なくとも1つにおける前記複数の第1の突起の少なくともいくつかと、のかみ合わせを引き起こさせ、かつ前記複数の作動要素の少なくとも1つを軸方向にずらす
ことを特徴とする請求項1に記載の腔内ステント。
【請求項4】
前記複数のマイクロモータのそれぞれは、さらに、少なくとも2つのインターレース櫛部材を含むことを特徴とする請求項3に記載の腔内ステント。
【請求項5】
前記少なくとも2つのインターレース櫛部材は、少なくとも1つの誘導部材と電気的に関連することを特徴とする請求項4に記載の腔内ステント。
【請求項6】
前記ステントは、さらに、前記複数の構成要素の少なくとも1つに複数の凹所を含み、
前記複数の凹所のそれぞれは、少なくとも1つのカンチレバー部材を有し、
そのカンチレバー部材は、関連する凹所を超えて突き出るものであり、
前記少なくとも1つのカンチレバー部材は、それに外部エネルギーを加えることによって振動が可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の腔内ステント。
【請求項7】
前記少なくとも1つのカンチレバー部材のそれぞれは、さらに圧電素子を含むことを特徴とする請求項6に記載の腔内ステント。
【請求項8】
前記少なくとも1つのカンチレバー部材に、少なくとも1つの細胞とサブ細胞との構成要素を充分に弱く結合させることは、それに外部エネルギーを加えることによって振動を可能とすることであり、これにより振動の呼びかけは減衰振動を表現する信号を戻すことを特徴とする請求項6に記載の腔内ステント。
【請求項9】
振動の呼びかけは超広帯域周波数において生じることを特徴とする請求項8に記載の腔内ステント。
【請求項10】
前記複数の構成要素のいくつかに貫通する複数の開口と、
交互に電気的に結合し、かつ前記複数の開口に隣接して位置し、前記複数の電極に電圧が印加されたときに、前記複数の開口を越える電界勾配を伝える複数の電極と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の腔内ステント。
【請求項11】
エンドルミナルステントに操作可能に関連する少なくとも1つのアクチュエータ部材と、
前記少なくとも1つのアクチュエータ部材と操作可能に通信する少なくとも1つの通信回路と、
前記通信回路と電気的に結合する少なくとも1つのロジック回路と、
少なくとも1つの電源と、
を含むことを特徴とする腔内ステント作動用システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのアクチュエータ部材は、さらに、少なくとも2つのインターレース櫛部材を含み。
前記少なくとも2つの櫛部材は、コンタクトと操作可能に結合し、前記エンドルミナルステントの構成要素と通信するための複数の駆動突起を有する
ことを特徴とする請求項11に記載の腔内ステント作動用システム。
【請求項13】
前記コンタクトは、前記通信回路と操作可能に通信する状況にあることを特徴とする請求項12に記載の腔内ステント作動用システム。
【請求項14】
少なくとも1つの電源は、前記少なくとも1つのアクチュエータ部材に誘導結合される外部電源源を含むことを特徴とする請求項11に記載の腔内ステント作動用システム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図18A】
【図18B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図18A】
【図18B】
【公表番号】特表2007−515195(P2007−515195A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527092(P2006−527092)
【出願日】平成16年9月20日(2004.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/030664
【国際公開番号】WO2005/027785
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(504006054)アドヴァンスド バイオ プロスセティック サーフェシーズ リミテッド (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月20日(2004.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/030664
【国際公開番号】WO2005/027785
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(504006054)アドヴァンスド バイオ プロスセティック サーフェシーズ リミテッド (11)
【Fターム(参考)】
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