微粒子を調製する乳剤基調プロセス、及び、プロセスで利用されるワークヘッド構造体
本発明は、微粒子を調製するための乳剤及び二重乳剤基調プロセスに関する。本発明は、2つ以上の流体を混合するのに利用され得る、インライン貫通式混合装置用のワークヘッド構造体にも関する。ワークヘッド構造体は、微粒子を調製するプロセスで利用され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年12月22日に出願され、その全ての内容が本明細書に参照により組み込まれる、米国暫定出願番号第61/288,973号からの優先権の便宜を主張する。
【背景技術】
【0002】
微粒子は、一般に直径が2ミリメートル未満の粒子であり、通常は、球状である。通常の微粒子は、一般に、ポリマー等の材料形成母材を含んでいる。微粒子により、様々な物質を被包することができる。これらの物質は、微粒子から、様々な機構を通じて放出され得る。その機構として、物質が微粒子母材を徐々に通り抜ける、制御された放出機構が挙げられ、微粒子母材が徐々に破裂、劣化して又は浸食されて物質が放出される、破裂放出機構又は劣化機構も挙げられる。
【0003】
微粒子を調製するプロセスは、幾つか存在する。微粒子を作製する乳剤基調プロセスは、通常、異なる2つの相を準備することで始まり、第1相は、通常、分散相と呼ばれ、一般に、第1溶媒中のポリマー分散液又は溶液中に、被包されるべき物質である製剤の分散液又は溶液を含み、第2相は、通常、連続相と呼ばれ、一般に、分散相の第1溶媒と少なくとも部分的に混合しない第2溶媒を含む。第1相と第2相が準備された後に、駆動式混合又は動力不要式混合を用いて、これらの相を配合し、乳剤を形成する。その乳剤中には、第1相の微小液滴が、連続相中に分散される。次に、微小液滴を硬化して、製剤を含む微粒子を形成する。硬化工程は、微小液滴から第1溶媒を除去することにより、一般に、抽出工程又は蒸発工程により実行される。
【0004】
乳剤形成工程は、混合装置を利用して実行されることが多い。1つの特定例では、図1Aを参照して、混合装置は、配合される分散相及び連続相を構成する液体及び固体1104a材料をワークヘッド構造体1100内に注入するための吸入口1101を有する、回転子/整流子型ワークヘッド構造体1100を含む。液体及び固体1104a材料は、軸1102により、回転される回転刃を含む回転部品1106により作り出される強力な吸引によりワークヘッド構造体1100内に引き込まれる。回転刃は、整流部品1107と実質的に垂直に配置される。材料は、排出口1103で、ワークヘッド構造体から出る。
【0005】
ここで図1Bを参照して、液体及び固体1104a材料がワークヘッド構造体1100内に引き込まれると、回転部品1106により作り出される遠心力は、材料を、整流部品1107へ押し出す。
【0006】
ここで図1Cを参照して、次に、材料は、整流部品1107内の穴を通過し、ワークヘッド構造体1100の周囲に押し出される。材料は、材料が強力な液圧剪断を受ける速度で、整流部品1107の穴に押し通される。次に、材料は、排出口1103で、ワークヘッド構造体から出る。ワークヘッド構造体の混合動作により、分散相が連続相内に入り、連続相中に分散相の微小液滴を含む乳剤が形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1A〜1Cに示される構造体等のワークヘッド構造体を利用する際の1つの不都合な点は、微粒子調製プロセス全体で収率が低く、粒径分布が幅広くなり得ることである。従って、微粒子製造プロセスに通常の混合構造体を利用する際に頻繁に直面する不都合な点を克服する、新たな混合構造体及びその混合構造体を利用したプロセスが必要とされる。この必要性および他の必要性は本発明によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、(a)(i)ポリマー及び製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む分散相と(ii)第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第2溶媒を含む連続相とを含むプロセス流を与えることと、(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、工程(a)又は(b)の間に、分散相の微小液滴が連続相内に形成されることと、(c)微小液滴から第1溶媒を少なくとも実質的に除去し、微粒子を形成することとを含む、微粒子を作製するプロセスが開示される。
【0009】
別の態様では、(a)(i)製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む第1分散相と(ii)第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合せずにポリマーがその中に溶解又は分散された第2溶媒を含む第2分散相との微小液滴を含む1次乳剤と、第2溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第3溶媒を含む連続相とを含む、プロセス流を与えることと、(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、工程(a)又は(b)の間に、二重乳剤が形成されることと、(c)二重乳剤から第2溶媒を少なくとも実質的に除去し、微粒子を形成することとを含む、微粒子を作製するプロセスが開示される。
【0010】
更に別の態様では、混合チャンバを形成し、混合チャンバに連通する流体吸入口と混合チャンバに連通する流体吐出口とを定める、筐体と、吸入口に広がるように延びる篩メッシュと、篩と流体吐出口との間の筐体内に位置し、回転時に流体が吸入口から篩メッシュを通って吐出口へ誘導されるような、回転子とを含む、動力不要ではない貫流式混合機用のワークヘッド構造体が開示される。
【0011】
本発明の利点は、以下の記載の中で部分的に説明されることになり、記載から部分的に明らかになる、又は、以下に記載される態様の実施により教示され得る。以下に記載される利点は、付属の請求項中に特に指摘される部品及びそれらの組み合わせにより実現され、達成され得る。上記の一般的な記載と以下の詳細な記載の両方は、単に模範的で例示的なものであり、限定するものではないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】回転子/整流子型混合機上に従来の混合ヘッドを利用して実行されるような、混合プロセスの図面である。
【図1B】回転子/整流子型混合機上に従来の混合ヘッドを利用して実行されるような、混合プロセスの図面である。
【図1C】回転子/整流子型混合機上に従来の混合ヘッドを利用して実行されるような、混合プロセスの図面である。
【図2A】本発明による模範的ワークヘッド構造体の図面である。
【図2B】吸入管に接続されている、ワークヘッドの一部の図面である。
【図2C】二重管として設定された吸入管に接続されている、ワークヘッドの一部の変形実施形態の図面である。
【図3】以下に記載される実施例2の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図4】以下に記載される実施例4の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図5】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図6】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図7】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図8】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図9】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図10】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図11】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図12】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本化合物、組成物、複合物、物品、装置及び/又は方法を開示、記載する前に、以下に記載される態様は、特定の化合物、組成物、複合物、物品、装置、方法又は用途に限定されず、当然、変化し得ると理解されるべきである。本明細書で利用される用語は、単に特定の態様を記載する目的のためのものであり、限定することを意図していないことも理解されるべきである。
【0014】
本明細書及び後続の請求項では、以下の意味を有するように定義される数多く用語を参照することになる。
【0015】
本明細書を通じて、特に必要のない限り、単語「含む(複数)」、又は「含む(単数)」又は「含んでいる」等のその変異体は、一定の整数又は工程若しくは整数群又は工程群の組み入れを暗示するが、いずれの他の整数又は工程若しくは整数群又は工程群の除外も暗示していないと理解されるべきである。
【0016】
単数形「a」「an」及び「the」は、本明細書及び付属の請求項で用いられる場合、特に明確な指示のない限り、複数の指示対象を含むことを留意しなければならない。従って、例えば、製剤(単数)の参照は、2つ以上のそのような製剤等の混合を含む。
【0017】
「任意選択の」又は「任意選択で」は、続いて記載される事象又は状況が起こる場合も、起こらない場合もあり、その記載が、その事象又は状況が起こるような事例と、その事象又は状況が起こらない事例とを含むことを意味する。
【0018】
範囲は、本明細書では、「おおよそ」一方の特定値から、及び/又は「おおよそ」他方の特定値までの範囲として表記されてもよい。そのような範囲が表記される場合、別の態様では、その一方の特定値から及び/又はその他方の特定値までの範囲が含まれる。同様に、値が、先行詞「約」を用いて近似で表示される場合、特定値が、別の態様を成すことが理解されることになる。各々の範囲の終点が、他の終点に関連してと、他の終点から独立しての両方で、有意であることが更に理解されることになる。
【0019】
開示される方法及び組成物に利用され得る、それらと組み合わせて利用され得る、それらの調製に利用され得る、又はそれらの製品である、化合物、組成物、及び成分が開示される。これらの及び他の材料が、本明細書で開示される。これらの材料の組み合わせ、副集合、相互作用、群等が開示される場合、これらの化合物の各々の様々な個別の及び総合の組み合わせ及び順列の特定の参照は、明確には開示され得ないが、各々が、具体的に考察され、本明細書に記載されることが理解される。例えば、複数の異なるポリマー及び製剤が開示、考察される場合、ポリマー及び製剤の各々のあらゆる組み合わせ及び順列は、特に相反することが示されない限り、具体的に考察される。このように、分子A、B、及びCの部類と分子D、E、及びFの部類が開示され、分子A〜Dの組み合わせの実例が開示される場合、各々が個別に詳述されなくても、各々は、個別に及び総合的に考察される。このように、この実例では、組み合わせA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E及びC−Fの各々は、具体的に考察され、A、B及びC、D、E及びF、並びに、例示の組み合わせA−Dの開示から開示されると見なされるべきである。その上、これらのいずれかの副集合又は組み合わせも、具体的に考慮、開示される。このように、例えば、A−E、B−F、及びC−Eの副次群は、具体的に考察され、A、B、及びC、D、E、及びF、並びに、例示の組み合わせA−Dの開示から開示されると見なされるべきである。この概念は、開示された組成物を作製し、利用する方法内の工程を含むが、これらに限定されない、本開示の全ての態様に適用される。このように、実行され得る様々な追加の工程がある場合、これらの追加の工程の各々は、開示された方法のいずれかの特定の実施形態又は実施形態の組み合わせで実行することができ、各々のそのような組み合わせが、具体的に考察され、開示されると見なされるべきであると理解される。
【0020】
「篩」は、本明細書で利用される場合、本発明のプロセス流が通過し得る多孔性材料を指す。篩の多孔性は、以下に考察されるような特定のプロセスに従って、大いに変化し得る。
【0021】
「混合環境」は、本明細書で用いられる場合、2つ以上の流体を混合してプロセス流中の流体が組み合わされる、例えば、分散相を連続相に入れて乳剤が形成される、混合条件を指す。
【0022】
「動力不要ではない貫流式混合機」は、本明細書で用いられる場合、部品が流体及び/又は固体の流れ内を移動する、混合機を指す。
【0023】
一態様では、本発明のプロセスは、(a)(i)ポリマー及び製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む分散相と(ii)第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第2溶媒を含む連続相とを含むプロセス流を与えることと、(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、分散相で構成され、連続相中に分散される、微小液滴が、工程(a)又は(b)若しくはそれらの両方の間に形成されることと、(c)微小液滴から第1溶媒を除去し、微粒子を形成することとを含む。
【0024】
別の態様では、本発明のプロセスは、(a)(i)ポリマー及び製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む第1分散相と(ii)第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第2溶媒を含む第2分散相との微小液滴を含む1次乳剤と、第2溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第3溶媒を含む連続相とを含む、プロセス流を与えることと、(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、第1及び第2分散相を連続相中に含む二重乳剤が、工程(a)又は(b)の間に形成されることと、(c)二重乳剤から第1溶媒を除去し、微粒子を形成することとを含む。このように、本発明のプロセスは、乳剤式微小被包方法と二重乳剤式微小被包方法の両方に利用することができる。
【0025】
意外にも、最初にプロセス流を多孔質篩に通過させ、次に、プロセス流を混合環境に曝すことにより、ある態様では、混合環境自体の中で後続の篩又は貫通孔付き整流子を用いずに、複数の利点が実現されることがわかった。図1A〜1Cに示されるもののような通常のインライン混合装置のワークヘッドを利用するプロセスとは対照的に、開示されたプロセスは、最初に、プロセス流を多孔質篩に通過させ、その篩は、混合工程の前に微小液滴を形成するのを助ける、及び/又は、ある径の粒子を削減する。通常の混合ワークヘッドでは、プロセス流は、初めに選別されずに、最初に、混合環境内に入り、次に、混合装置内の回転子により作り出される遠心力により、整流子に向かって押し出され、次に、図1A〜1Cを参照しつつ上に考察されたような、整流子内の穴(通常は、大きな穴)を通過する。これにより、高剪断環境が作り出され、従って、微細な粒子の密度が高くなることにより、収率が低減し、粒径分布が増加し得る。
【0026】
理論に拘束されることを望まずに、本発明のプロセスで、極めて大きな粒子と並んで、極めて細かい粒子のより低い密度を作り出すことにより、混合プロセスのエネルギーが削減されると考えられる。そのように、プロセスは、最終微細粒子のより狭い全粒径分布を与えるのに有用である。本発明のプロセスは、従来の環境の混合に比べてより良い収率も与える。本発明の混合環境は、図1A〜1Cに示されるもののような、混合機で作り出される通常の高剪断混合環境よりも剪断が小さくなると考えられる。
【0027】
開示されるプロセスによれば、最初に、連続相と併せた分散相又は連続相と併せた1次乳剤のどちらかを含むプロセス流が与えられる。プロセス流は、分散相又は乳剤を連続相と混合することにより調製される。配合後、分散相又は1次乳剤と連続相の混合物は、混合されても、混合されなくてもよい。その上、プロセス流を与えた後に、乳剤が、混合前に形成され始める。
【0028】
次に、プロセス流は、多孔質である篩を通過する。プロセスの性質に応じて、様々な篩を利用することができ、それらの篩は、一般に、孔径が、0.1〜1000μm又はそれよりも大きいが、好ましくは、約1〜400μmである。例えば、一態様では、篩は、公称の孔径の範囲を包含し得る。例えば、篩は、メッシュ寸法が、14(1.4mm)〜500(25ミクロン)であり、それよりも高いメッシュ寸法(より小さな公称孔径)である。
【0029】
篩は、様々な材料を含み得る。一態様では、篩は、所望の孔径を有するステンレス鋼メッシュ布又は織布である。そのような篩を作製するために、例えば、濾過篩材料は、粒子を篩い掛けするのに通常利用される75ミクロン(200メッシュ)試験篩等の、所望の孔径から切り抜かれ得る。そのような材料の実例は、フィッシャーブランド米国標準ステンレス鋼試験篩である。類似のステンレス鋼メッシュ織布は、市場において、スモールパーツ社(マイアミレイク、フロリダ州)から得ることができ、それは、ステンレス鋼メッシュフィルタ(120メッシュ又は200メッシュ)であり、平織り設計である。
【0030】
他の適切な篩材料として、シリカ及びアルミナ等の、様々な種類のガラス、金属、ポリマー、及び無機材料が挙げられる。そのような篩の特定例として、焼結ガラス篩又はプレート、焼結金属篩又はプレート、及び、多孔質シリカ篩が挙げられる。篩は、疎水性又は親水性膜材料から作製される膜等の、多孔質選別膜から調製することができ、例えば、それらの膜は、フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、PVDF(ポリ弗化ビニリデン)、PCTE、セルロースエステル、混合セルロースエステル、ニトロセルロース、ナイロン、ポリカーボネート、金属類、銀、金、ステンレス、シリカ、及び、アルミナ材料を含む。
【0031】
他の態様では、篩は、孔径が約1〜約500μm又はそれよりも大きい、より好ましくは、約10〜200μmである、金属材料を含む。特定例では、篩は、平均孔径が約50〜約150μm、例えば、75又は125μmであり得る。篩は、微粒子の所望の最終利用に基づいて選択され得る。例えば、生きた被験体内に注入される微粒子では、より小さな粒径が望まれる場合があり、従って、より小さな篩が利用され得る。
【0032】
他の態様では、篩は、例えば、セルロースエステル又はナイロンの混合繊維膜中の紆曲した母材、不織布母材、又は焼結金属、又はガラスディスクから調製することができる、又は、正確に穿孔された有機又は無機膜、レーザ穿孔膜、無機孔(例えば、アノポア・アルミナ膜)、及び溝エッチ膜(例えば、ニュークレポア膜)等の薄膜表面を通る孔径が比較的変化しない、エッチ設計から作製することができる。
【0033】
プロセス流は、分散相又は1次乳剤が連続相と混合される、混合環境内に入る。混合工程中は、分散相又は1次乳剤が、連続相内に押しやられ、分散相の微小液滴が形成される、又は、二重乳剤が形成される。微小液滴の形成は、上に考察されたような選別工程により補助される。混合環境を作り出すために、様々な方法が存在する。混合工程に利用され得る適切な装置として、動力不要式混合機及び駆動式混合機が挙げられるが、これらに限定されない。そのような混合機として、例えば、攪拌機、均質攪拌機、超音波装置、及び当該分野で周知の他のプロセス設備が挙げられる。
【0034】
別の態様では、混合は、分散相又は1次乳剤と連続相とを一緒に汲み上げ、適切な混合を作り出すのに十分な条件で、即ち、乳剤形成を誘導又は増強するのに十分な攪乱で一定長さのパイプ又は管に通すことにより実行され得る。
【0035】
制限板(整流壁)及びフィルタを利用して、必要な混合環境も作り出すこともできる。他の適切な混合機として、動力のないタービン、及び、ボール式指示計等の流れ指示計がある。別の実例は、市販の混合機上のワークヘッド等の貫流式混合機のワークヘッドであり、例えば、シルバーソン社製混合機(シルバーソン精機株式会社、イーストロングメドー、マサチューセッツ州、米国)であり、又は、より好ましくは、以下に記載される本発明の開示されるワークヘッドである。シルバーソン社製混合機は、篩を用いずに、回転子の後に整流子を用いる市販の標準混合機であり得る、又は、以下に考察されるように、整流子を取り除き、篩を吸入口に広がるように配置することにより変更されている混合機であり得る。一態様では、プロセス流は、最初に篩を通過した後に、混合環境の後の、又は、第1選別工程後ではあるが混合環境中の、後続の篩を通過しない。別の態様では、プロセス流は、混合環境内に入る前に、同じである又は異なる2つ以上の篩を通過する。
【0036】
開示された二重乳剤プロセスでは、1次乳剤が、同様に、即ち、分散相と連続相を共に混合することにより形成され得る。一態様では、1次乳剤は、最初に、開示されるプロセスを利用して形成され得る。次に、二重乳剤が、開示される同じプロセスを利用して形成され得る。代わりに、1次乳剤及び二重乳剤は、異なる混合法を利用して作り出され得る。
【0037】
一態様では、混合環境は、後続の篩、又は、図1A〜1Cに表される混合装置内に示される整流子等の貫通孔付き整流子を含まない。そのように、幾つかの態様では、プロセス流は、最初に選別され、次に混合環境内に入り、混合環境内では選別されず、又は、貫通孔付き整流子を通過せず、それは、プロセス流が選別されずに混合環境内に入り、次に回転子により作り出される遠心力により貫通孔付き整流子に押し出される、回転子/整流子型混合装置で作り出される混合環境とは対照的である。
【0038】
乳剤又は二重乳剤が形成された後に、ポリマー用の溶媒(単一乳剤中の第1溶媒及び二重乳剤中の第2溶媒)が取り除かれ、微粒子が与えられる。実質的には、溶媒を取り除いて微粒子を与える当該分野で周知のいずれかの方法が利用され得る。適切な方法として、噴霧乾燥、冷凍乾燥、空気乾燥、真空乾燥、流動層乾燥、粉砕、共沈法、溶媒抽出法、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。噴霧乾燥、冷凍乾燥、空気乾燥、真空乾燥、流動層乾燥、及び臨界流体抽出の場合。粉砕の場合では、成分が、乾燥形態で混合され、当該分野で周知のいずれかの方法で粉砕される。共沈法の場合では、成分が、有機条件で混合され、以下に記載されるように処理される。成分は、混合され、精密ノズルを用いて乾燥され、乾燥チャンバ中に、極めて均一な小滴が作り出される。適切な噴霧乾燥機として、ビュッヒ社製噴霧乾燥機、ニロ社製噴霧乾燥機、APV社製噴霧乾燥機及びラブプラント社製噴霧乾燥機が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、溶媒除去工程の性質は、プロセスがバッチプロセス、連続プロセス、又は、バッチプロセスと連続プロセスの組み合わせであるかに応じて、プロセスが、単一乳剤又は二重乳剤を含むかに応じて、大きく変化することになる。一態様では、溶媒除去は、以下に考察されるような、抽出、蒸発、又は、抽出及び蒸発の組み合わせプロトコルにより達成される。
【0039】
一態様では、溶媒は、抽出、続いて蒸発により取り除かれ得る。この態様によれば、抽出により、第1溶媒の一部を取り除き、次に、蒸発を利用して、微小液滴又は二重乳剤から残りの溶媒の全てを実質的に取り除いて、微粒子を提供する。具体的に、プロセスは、好ましくは、乳剤又は二重乳剤を抽出相の流れの中に注入することにより、乳剤又は二重乳剤を抽出相に添加し、分散相又は分散相(複数)を濃縮して、又は、分散相と連続相との間の界面での角質形成を誘導して、微細球を形成することを含む。抽出相は、一般に、ポリマー用の非溶媒と連続相成分用の溶媒と、分散相溶媒用の限定溶媒とを含む。一実例では、分散相溶媒は、溶解度が、抽出相中の重量で0.1%〜25%である。次に、プロセスは、蒸発工程利用して、好ましくは、微細球が抽出相内に滞留している間に、微細球から第1溶媒を更に取り除く。次に、形成された微細球は、当該分野で周知の方法を利用して収集、洗浄、乾燥、及び梱包される。プロセスは、微粒子を寸法で分類するための当該分野で周知の分離技術、又は分粒技術を利用することも含み得る。
【0040】
この態様によれば、抽出と蒸発とを続けて実行する目的は、二重である。最初に、プロセスは、結果として得られる微粒子の表面及び内部構造が所望の放出特性を有するように、分散相小滴から溶媒を除去する割合を制御することができる。第2に、プロセスは、必要とされる抽出相の量を、従って、全プロセスの費用を最小限にしつつ、所望の微粒子特性を与えることができる。溶媒除去、抽出及び蒸発工程では、溶媒は、分散相小滴又は二重乳剤から、周囲媒体中へ仕分けされ得る。仕分けの割合は、分散相と抽出相溶媒との間に存在する界面にわたる分散相溶媒の濃度勾配に比例し、従って、プロセスを通じて抽出相中の分散相溶媒の濃度を制御することにより制御され得る。これは、抽出相を更に加えることにより、抽出相の全体積を調節することにより制御され得る。
【0041】
溶媒除去率の制御は、後段の被包プロセスの間に、所望の溶媒除去率に整合する割合で抽出相から溶媒を蒸発させることにより達成され得る。一般に、低い溶媒除去率は、密度の高い内部構造を有する微粒子を作り出し、速い溶媒除去率は、多孔質内部構造を有する微粒子を作り出す。内部構造と溶媒除去率との間の関係は、製剤、ポリマー(組成及び分子量)、分散相溶媒又は溶媒(複数)の物理化学特性、及び、分散相中の製剤及びポリマーの濃度等の因子に依存する。
【0042】
この態様の抽出工程の目的は、初期に分散相中の溶媒を迅速に低減することに影響を与え、所望の角質と内部構造とを設けることである。特定の製剤に必要とされる抽出の所望の程度及び割合が定められた後に、所望の抽出時間枠内に、所定の組の条件での所望の程度の抽出に必要とされる抽出相の最小量が、経験的に定められ、又は周知の数学モデルを利用して算出され得る。蒸発工程の目的は、分散相溶媒を区分けするために比較的高い駆動力を保ち、それにより、全プロセス時間を最小限にすることである。この目的を達成するのに必要とされる蒸発率は、経験的な方法により、又は、数学モデルを利用することにより定められ得る。好ましい態様では、約10%〜約90%、より好ましくは、約20%〜70%の溶媒が、抽出により取り除かれる。
【0043】
この態様によれば、蒸発工程は、当該分野で周知の技術を利用して実行され得る。蒸発は、大気圧条件又は減圧条件下で、室温で、又は、それよりの高い、製剤に害を与えない温度で実行され得る。連続蒸発工程の実例は、抽出工程から出るプロセス流が、落下膜式蒸発器又は掻き落とし式蒸発器を通過するものである。
【0044】
別の態様では、溶媒除去は、連続蒸発プロセスを利用して実行され得る。この態様によれば、溶媒は、連続乳化プロセスに続く連続プロセス中の蒸発のみを利用して除去される。抽出は、必要とされず、その結果、必要とされるプロセス流及びプロセス設備は、抽出を含むものよりも少ない。
【0045】
この態様では、分散相又は分散相(複数)及び連続相は、上記のように準備される。乳化に続いて、乳剤又は二重乳剤は、蒸発プロセスに直接送られる。好ましい態様では、乳剤は、溶媒蒸気を引き出しながら真空又は減圧下に維持されている大型槽の中を流れる。その槽は、蒸発率を高めるために、例えば、内部流コイル又は外被を利用して加熱されてもよい。選択される圧力及び/又は温度は、選択される溶媒、ポリマー、及び薬剤、並びに、これらの材料の相対量に依存する。
【0046】
更に別の態様では、溶媒除去工程は、薄膜分離法による溶媒抽出を利用して実行され得る。この態様によれば、最初に、乳化に、抽出が続き、次に、薄膜分離工程が続いて、角質形成抽出工程の後に、溶媒の残りが除去される。例えば、分散相溶媒用に選択された半透過膜、適切な分画分子量の限外濾過膜、又は、適切な孔径のマイクロ濾過膜が、抽出相、即ち、抽出延滞管の注入点から、配管下流の一部の適所に利用され得る。
【0047】
この態様によれば、溶媒除去率は、薄膜の特性及び流体相の溶媒保持能力により制御される。この溶媒除去プロセスは、好ましくは、連続的に実行される。薄膜分離プロセスにより、溶媒抽出率の精密な制御も与えられ、当業者が、抽出分布の正確な微小被包プロセスを作り出すことが可能になり、例えば、その抽出分布は、コンピュータを用いて、連続操作の間に、例えば、周囲の抽出流体の流速を調節することにより制御、調節することができる。
【0048】
更に別の態様では、段階抽出法を利用して、溶媒除去工程を実行することができる。この態様によれば、溶媒除去工程は、単一の供給流ではなく複数の供給流を通じて、抽出相を乳剤又は二重乳剤内に注入することを含む。これにより、抽出相は、好ましくは連続プロセスで、1箇所ではなく、抽出延滞管に沿って2つ以上の場所で乳剤と配合される。
【0049】
この態様では、抽出相の各々の段階的添加は、その能力が、分散相溶媒を保つように等しい場合もあり、その増分が異なる場合もある。更に、抽出遅延管に沿った段階的添加位置は、抽出分布が慎重に組み込まれ得るように制御することができる。抽出相の吸入口の数が十分にある場合、抽出工程は、抽出相の添加率により、即ち、乳剤の希釈により抽出率が確定される、連続プロセスになり、効率的である。
【0050】
この態様では、この段階抽出法を利用して、微粒子から除去されるべき全ての溶媒を除去することができる。又は、段階抽出後に残っている溶媒を除去するために、部分的な抽出プロセスに、蒸発工程が続く場合もある。所定の組の条件での所望の抽出時間枠内での所望の抽出の程度は、経験的に定めることができる、又は、数学モデルを利用して算出することができる。
【0051】
更に別の態様では、溶媒除去プロセスは、2相溶媒抽出を利用して実行され得る。この溶媒抽出プロセスは、通常の3相ではなく2相のみを利用する。両方に対して同じ相を利用して、乳剤又は二重乳剤が形成され、溶媒が抽出される。このプロセスでは、必要とされるプロセス設備が、微小被包用の3相連続プロセスよりも少ない。本質的に簡易であるが、このプロセスでは、プロセス変数を注意深く制御する必要があり、なぜなら、一般に、乳剤又は二重乳剤は、抽出によりポリマーが沈降する前に球状分散相小滴を形成するのに十分に安定するような操作帯域が極めて狭いからである。
【0052】
この態様によれば、抽出に利用され得る2つの1次プロセス条件がある。第1条件は、溶媒の飽和レベルで操作することであり、溶媒抽出ではなく溶媒蒸発条件を作り出す。溶媒は、可能であれば、真空補助装置を利用して、急冷槽から取り除かれる。第2条件は、溶媒飽和レベル以下で操作することであり、溶媒抽出条件を作り出す。しかしながら、この条件のプロセス変数は、準安定な乳剤又は二重乳剤を与え、所望の直径及び表面特性を有する分散相小滴を形成するように注意深く調節されなければならない。
【0053】
第1溶媒が、抽出を利用して、例えば、上記の抽出手続のいずれかを利用して取り除かれる場合、抽出相は、一般に、連続相成分用の溶媒と、分散相溶媒用の限定溶媒と、ポリマー用の非溶媒とを含む。第1溶媒(又は、溶媒混合物が第1溶媒に利用される場合、最大の割合の第1溶媒成分)は、一般に、抽出相中への溶解度が、重量で約0.1%〜25%であるべきである。水不可溶性ポリマーが利用される場合、抽出相は、好ましくは、脱イオン水である。抽出相は、緩衝液を含み、抽出相中への薬剤の溶解度を限定し得る。
【0054】
燐酸塩、酢酸塩、又はトリス等のいずれかの共通の緩衝液は、抽出相での利用に適しているが、選択される表面活性系と相溶することが条件である。塩化ナトリウム、塩化カリウム等のような塩類も利用することができる。医薬用途又は生体医療用途の微粒子を作製する際、緩衝液は、その上、医薬上許容されるものであるべきである。緩衝系は、抽出相中への、活性剤の溶解度を最小にするようなpHを与えるように選択されるべきである。
【0055】
別の態様では、溶媒除去は、低温抽出工程を利用して、全体的に又は部分的に実行され得る。これは、冷却抽出媒体を利用して、乳剤又は二重乳剤中でポリマー、ポリマー用の溶媒、又はそれらの両方を凍結させるプロセスである。低温工程は、薬剤の移動度を制御する能力を増強し、溶媒及び温度の適切な選択に基づいて、その薬剤を微粒子に保つ。低温は、薬剤、特に、生体活性剤も安定させ得る。
【0056】
二重乳剤プロセスの場合に第3溶媒を含み、プロセスで利用される、分散相用の溶媒の選択は、一般に、選択されたポリマー及び薬剤、並びに、用いられるべき特定の溶媒除去手段に依存する。1つを超える溶媒は、分散相に利用される場合があり、例えば、同じであり得る又は異なり得る第1及び第3溶媒を含む。アセトン、メチルエチルケトン、乳酸エチル、酢酸エチル、ジクロロメタン、酢酸エチル/エチルアルコール混合物等の有機溶媒が、ポリラクチド、ポリグリコリド、ラクチド・グリコリド共重合体、ポリカプロラクトン、又はそれらの組み合わせ等のポリエステル類、並びに、セルロースエーテル類、セルロースエステル類、及びアクリル類との利用に好まれる。ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及びカルボキシメチルセルロース等の他のポリマーでは、第1溶媒として水が好まれ得る。
【0057】
分散相のポリマーは、多岐にわたる異なるポリマー類であり得る。ポリマーは、ブロック若しくはブロッキー共重合体又は三元重合体、ランダム共重合体又はランダム三元重合体、星形高分子、樹状高分子を含む、同種重合体類又は共重合体類であり得る。いずれかの所望の分子量ポリマーが、微粒子の所望の特性に応じて利用され得る。高強度のポリマーが望まれる場合、高分子量ポリマー類を利用して、例えば、強度要求に応じることができる。他の態様では、低分子量又は中間分子量のポリマー類が、例えば、微粒子強度ではなくポリマーの吸収時間が望まれる場合に、利用され得る。好ましくは、プロセスに利用されるポリマー類は、生体融合性と生体分解性の両方のものである。
【0058】
分解性微粒子では、分子量がポリマー分解速度に影響を与えることを踏まえて、ポリマーの分子量は、重要であり得る。拡散性の放出機構では、全ての製剤がポリマーから放出され、次に分解されるまで、ポリマーは、無傷のままであるべきである。製剤は、ポリマーが侵食される際にも、ポリマーから放出され得る。ポリマー材料を適切に選択することにより、結果として得られるポリマーが、拡散性放出特性と分解性放出特性の両方を表すように、ポリマー製剤を作製することができる。分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー、粘度、光散乱などの当該分野で周知の方法により測定し得る。
【0059】
ポリマーは、特定の媒体内に存在した後に、所望の時間間隔内で分解するように調合される。幾つかの態様では、時間間隔は、約1日未満〜約1ヶ月であり得る。より長い時間間隔は、6ヶ月まで延長し得る。例えば、ポリマーは、約0以上〜約6ヶ月間で、又は、約1〜約6ヶ月間で分解する。他の態様では、ポリマーは、2年又はそれ以上の、より長い時間で分解し、例えば、約0以上〜約2年、又は約1ヶ月〜約2年を含む。微粒子及び製剤の持続放出性調合物は、いずれかのこれらの期間にわたり、多岐にわたる放出分布の基で製剤を放出することができる。
【0060】
望ましい製剤放出機構は、ポリマーの選択に影響を与え得る。生体融合性ポリマーは、例えば、微粒子が被験体に投与された後に所望の経過時間で、そのポリマーから製剤を放出するように又は放出を可能にするように選択され得る。例えば、ポリマーは、製剤がその活性を低下し始める前に、製剤を放出するように又は放出を可能にするように選択することができ、なぜなら、製剤は、その活性を低下し始めるからであり、活性が部分的に低下する、例えば、少なくとも25%、少なくとも50%又は少なくとも75%低下する場合であり、活性が実質的に低下する場合であり、又は、製剤が完全になくなるか又は活性がもはやない場合である。
【0061】
適切なポリマーの特定例として、1つ以上のポリラクチド、ポリグリコリド、ラクチド・グリコリド共重合体、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ酪酸を含む共重合体、乳酸・カプロラクトン共重合体、ポリカーボネート、ポリエステルアミド、ポリ無水物、ポリジオキサノン、ポリアルキレンアルキレート、ポリエチレングリコール及びポリオルトエステルの共重合体、生体分解性ポリウレタン、ポリアミノ酸、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体、ポリアセタール類、ポリケタール類、ポリ燐酸エステル類、ポリヒドロキシ吉草酸類又はポリヒドロキシ吉草酸を含む共重合体、蓚酸ポリアルキレン類、琥珀酸ポリアルキレン、ポリマレイン酸、及び、それらの共重合体類、三元重合体類、組み合わせ又は混合物が挙げられる。
【0062】
乳酸系ポリマーは、Lラクチド、Dラクチド、及びD、Lラクチド、又はこれらの混合物を含むが、これらに限定されない、ラクチドの全てのラセミ体及び立体異性体を含む、いずれかのラクチド残留物を含み得る。ラクチドを含む有用なポリマー類として、ポリLラクチド、ポリDラクチド及びポリDLラクチド、並びに、Lラクチド・グリコリド共重合体、Dラクチド・グリコリド共重合体、及びDLラクチド・グリコリド共重合体を含むラクチド・グリコリド共重合体、若しくは、それらの共重合体類、三元重合体類、組み合わせ又は混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ラクチド/グリコリドポリマー類は、都合良く、ラクチド及びグリコリド単量体の開環を通じての溶融重合により作製され得る。加えて、ラセミDLラクチド、Lラクチド、及びDラクチドポリマー類は、市販されている。Lポリマー類は、更に結晶性であり、DLポリマー類よりも遅く再吸収される。グリコリド及びDLラクチド又はLラクチドを含む共重合体類に加えて、Lラクチド及びDLラクチドの共重合体類が、市販されている。ラクチド又はグリコリドの同種重合体類も、市販されている。
【0063】
特定の態様では、生体分解性ポリマーは、ラクチド・グリコリド共重合体、又は、ポリラクチドとポリグリコリドの混合物である場合、ポリマー中のラクチド及びグリコリドの量は、変化し得る。別の態様では、生体分解性ポリマーは、0〜100モル%、40〜100モル%、50〜100モル%、60〜100モル%、70〜100モル%、又は、80〜100モル%のラクチドと、0〜100モル%、0〜60モル%、10〜40モル%、20〜40モル%、又は30〜40モル%のグリコリドとを含み、ラクチド及びグリコリドの量は、100モル%である。別の態様では、生体分解性ポリマーは、ポリラクチド、モル比で、95:5ラクチド・グリコリド共重合体、85:15ラクチド・グリコリド共重合体、75:25ラクチド・グリコリド共重合体、65:35ラクチド・グリコリド共重合体、又は50:50ラクチド・グリコリド共重合体であり得る。同様に、ラクチド・カプロラクトン共重合体は、0:100モル%、40〜100モル%、50〜100モル%、60〜100モル%、70〜100モル%、又は80〜100モル%のラクチドと、0〜100モル%、0〜60モル%、10〜40モル%、20〜40モル%、又は30〜40モル%のカプロラクトンであり得る。
【0064】
本明細書で開示されるプロセスを利用して、様々な材料、幾つかの態様では、生体融合性及び生体分解性材料から微粒子を形成することができる。「生体分解性」は、本明細書で定義される場合、ポリマーが生体内で分解する又は侵食されて、より小さな化学種を形成することを意味し、例えば、酵素プロセス、化学プロセス、及び物理プロセスから、その分解が生じる。用語「生体融合性の」は、本明細書で用いられる場合、移植患者に無毒であり、移植患者の身体に有害な影響のない、ポリマーと、そのポリマーのいずれかの分解性生成物とを指す。適切な生体融合性、生体分解性ポリマー類の実例として、ポリエステル類(ポリヒドロキシ酸類)等の、上に考察されたもの多くが挙げられ、例えば、ポリラクチド類、ポリグリコリド類、ラクチド・グリコリド共重合体類、ポリ乳酸類、ポリグリコール酸類、乳酸・グリコール酸共重合体類、ラクチド・カプロラクトン共重合体類、ラクチド・グリコリド・カプロラクトン共重合体類、ポリ無水物類、ポリオルトエステル類、ポリエーテルエステル類、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド類、ポリホスファゼン類、ポリカーボネート類、ポリアミド類、並びに、それらの共重合体類及び混合物である。本明細書に記載されるプロセスでの利用に適した生体融合性、非生体分解性ポリマーとして、ポリアクリレート類、エチレン酢酸ビニル共重合体類、セルロースエーテル類及びセルロースエステル等の改質セルロース類、非分解性ポリウレタン類、ポリスチレン類、ポリ塩化ビニル、ポリ弗化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルイミダゾール、クロロスルホン化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、並びに、それらの共重合体類及び混合物が挙げられる。そのようなポリマー類の特定例が、上で考察される。
【0065】
実際には、微粒子から放出され得るいずれかの製剤が、本発明で利用され得る。その製剤は、生体活性剤である場合もあり、非生体活性剤である場合もある。本方法により被包され得る非生体活性剤の実例として、接着剤類、殺虫剤類、芳香剤類、防汚剤類、染料類、塩類、油類、インク類、美容剤、触媒類、洗浄剤類、硬化剤類、香味料類、食品類、燃料類、除草剤類、金属類、塗料類、写真薬剤類、殺生物剤類、顔料類、可塑剤類、推進剤類、溶媒類、安定剤類、ポリマー添加物類等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0066】
その上、ポリマーから媒体、例えば、被験体中へ放出され得る様々な種類の生体活性剤を利用することができる。「生体活性剤」は、本明細書で利用される場合、生体活性を有する製剤を指す。幾つかの態様では、生物剤を利用して、被験体内に存在する疾病、障害、又は感染を処置、診断、治癒、緩和、防止(即ち、予防措置で)、向上、変更する、又は、そうでない場合好ましい効果を有することができる。液体又は固体の生体活性剤を利用することができる。生体活性剤は、開示されるプロセスの性質に応じて、水溶性である場合もあり、水不溶性である場合もある。幾つかの態様では、生体活性剤は、少なくとも僅かに水溶性であり、好ましくは、中程度に水溶性である。生体活性剤として、活性成分の塩類が挙げられ得る。そのように、生体活性剤は、酸塩、塩基塩、又は両性塩であり得る。それらは、非イオン性分子、極性分子、又は水素結合し得る分子錯体であり得る。生体活性剤は、組成物内に、例えば、無帯電分子、分子錯体、塩、エーテル、エステル、アミド、ポリマー薬剤抱合体の形態で、又は、効果的な生体又は生理活性を与える他の形態で含まれ得る。
【0067】
利用され得る生体活性剤の実例として、小分子、ペプチド、ホルモン等の蛋白質、酵素、抗体、抗体片、抗体抱合体、アプタマー等の核酸、iRNA、siRNA、DNA、RNA、アンチセンス核酸等、アンチセンス核酸類似体等、VWEGF阻害剤、大環式ラクトン、ドーパミン刺激薬、ドーパミン拮抗薬、低分子量化合物、高分子量化合物、又は共役生体活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。開示される組成物に利用するために考慮される生体活性剤として、同化剤、酸中和物、抗喘息薬、抗コレステロール剤及び抗脂質剤、抗凝血剤、抗痙攣薬、止痢剤、鎮吐薬、抗菌剤及び抗微生物剤を含む抗感染症薬、消炎薬、抗躁薬、代謝拮抗剤、抗嘔吐薬、抗腫瘍薬、抗肥満薬、解熱剤及び鎮痛薬、鎮けい剤、抗血栓剤、鎮咳薬、抗尿酸薬、抗狭心症薬、抗ヒスタミン薬、食欲抑制薬、生物学的製剤、脳拡張薬、冠動脈拡張薬、気管支拡張薬、細胞毒薬物、充血緩和剤、利尿剤、診断薬、赤血球形成剤、去痰薬、消化管鎮静剤、血糖上昇薬、催眠薬、血糖降下薬、免疫修飾剤、イオン交換樹脂、緩下剤、鉱物補助剤、粘液溶解薬、神経筋肉薬、末梢血管拡張薬、向精神薬、鎮静剤、興奮剤、甲状腺薬及び抗甲状腺薬、組織増殖剤、子宮弛緩薬、ビタミン、又は抗原物質が挙げられる。
【0068】
他の生体活性剤として、アンドロゲン抑制剤、多糖類、成長因子、ホルモン、抗血管新生因子、デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、クエン酸カルベタペンテン、塩酸クロフェジアノール、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸フェニンダミン、マレイン酸ピリラミン、琥珀酸ドキシラミン、クエン酸フェニルトロキサミン、塩酸フェニレフリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸プソイドエフェドリン、エフェドリン、燐酸コデイン、硫酸コデインモルヒネ、鉱物補足物、コレスチラミン、N−アセチルプロカインアミド、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、塩酸フェニルプロパノールアミン、カフェイン、グアイフェネシン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質、アミノ酸、ホルモン、インターフェロン、サイトカイン、及びワクチンが挙げられる。
【0069】
他の生体活性剤として、ペプチド薬、蛋白質薬、治療用抗体、減感物質、抗原、抗生物質等の抗感染症薬、抗微生物剤、抗ウイルス物質と抗菌物質と駆虫物質と抗カビ物質及びそれらの組み合わせ、抗アレルギー薬、アンドロジェニックステロイド、充血緩和剤、催眠薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗コリン作用薬、交感神経興奮薬、鎮静剤、縮瞳薬、精神エネルガイザ、精神安定剤、ワクチン、エストロゲン、プロゲステロン作用薬、体液製剤、プロスタグランジン、鎮痛剤、鎮痙薬、抗マラリア薬、抗ヒスタミン剤、心作用薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗パーキンソン病薬、抗高血圧薬、β−アドレナリン遮断因子、栄養剤、及びベンゾフェナントリジンアルカロイドが挙げられるが、これらに限定されない。製剤は、更に、興奮剤、鎮静剤、睡眠薬、鎮痛剤、抗痙攣薬等として作用する能力のある物質であり得る。
【0070】
更に他の生体活性剤として、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸等の鎮痛剤、リドカイン、キシロカイン等の麻酔剤、デキセドリン、酒石酸フェンジメトラジン等の食欲不振薬、メチルプレドニゾロン、イブプロフェン等の抗関節炎薬、硫酸テルブタリン、テオフィリン、エフェドリン等の抗喘息薬、スルフイソキサゾール、ペニシリンG、アンピシリン、アミカシン、ゲンタマイシン、セファロスポリン類、テトラサイクリン類、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クリンダマイシン、イソニアジド、リファンピシン等の抗生物質、アムホテリシンB、ナイスタチン、ケトコナゾール等の抗真菌薬、アシクロビル、アマンタジン等の抗ウイルス薬、シクロホスファミド、メトトレキサート、エトレチナート等の抗がん剤、ヘパリン、ワルファリン等の抗凝血剤、フェニトインナトリウム、ジアゼパム等の抗痙攣薬、イソカルボキサジド、アモキサピン等の抗うつ薬、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤、インスリン、プロゲスチン群、エストロゲン群、コルチコイド群、糖性グルココルチコイド群、アンドロゲン群等のホルモン、ソラジン、ジアゼパム、塩酸クロルプロマジン、レセルピン、塩酸クロルジアゼポキシド等の精神安定剤、ベラドンナアルカロイド、塩酸ジシクロミン等の鎮頸剤、主要アミノ酸類、カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛、ビタミンB12等のビタミン及び鉱物、塩酸プラゾシン、ニトログリセリン、プロプラノロール塩酸塩、塩酸ヒドララジン、パンクレリパーゼ、琥珀酸デヒドロゲナーゼ等の心臓血管作用薬、LHRH、ソマトスタチン、カルシトニン、成長ホルモン、グルカゴン様ペプチド、成長ホルモン放出因子、アンギオテンシン、FSH、EGF、骨形成蛋白質(BMP)、エリスロポエチン(EPO)、インターフェロン、インターロイキン、コラーゲン、フィブリノゲン、インスリン、第VIII因子、第IX因子、エンブレル(登録商標)、リツキサン(登録商標)、ハーセプチン(登録商標)、アルファグルコシダーゼ、セレザイム/セレドーズ(登録商標)、バソプレッシン、ACTH、ヒト血清アルブミン、ガンマグロブリン、構造蛋白質、血液製剤蛋白質、蛋白質複合体、酵素、抗体、モノクロナル抗体等のペプチド及び蛋白質、プロスタグランジン群、核酸、炭水化物、脂質、モルヒネ、コデイン等の麻薬、精神治療薬、抗マラリア薬、L−ドーパ、フロセミドとスピロノラクトン等の利尿剤、塩酸ラニチジン、塩酸シメチジン等の抗潰瘍薬が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
生体活性剤は、免疫調節剤である場合もあり、例えば、サイトカイン、インターレクチン、インターフェロン、コロニー刺激因子、腫瘍壊死因子等、猫の鱗屑、カバノキ花粉、イエダニ、牧草花粉等のアレルギー源、肺炎連鎖球菌、ヘモフィルスインフルエンザ、黄色ブドウ球菌、化膿連鎖球菌、ジフテリア菌、リステリア菌、炭疽菌、破傷風菌、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌、髄膜炎菌、淋菌、ミュータンス菌、緑膿菌、腸チフス菌、パラインフルエンザ菌、百日咳菌、野兎病、ペスト菌、コレラ菌、レジオネラ菌、結核菌、らい菌、梅毒トレポネーマ、レプトスピラインタロガンス、ライム病ボレリア、カンピロバクタージェジュニ等の細菌生物の抗原、天然痘、インフルエンザA及びB、呼吸系発疹、パラインフルエンザ、はしか、HIV、SARS、水痘帯状疱疹、単純ヘルペス1型及び2型、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、乳頭腫ウイルス、ポリオウイルス、ムンプスウイルス、狂犬病、風疹、コクサッキーウイルス、馬脳炎、日本脳炎、黄熱、リフトバレー熱、リンパ球性脈絡髄膜炎、B型肝炎等のウイルスの抗原、クリプトコックス・ネオフォルマンス、ヒストプラスマ・カプスラーツム、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・トロピカリス、ノカルジア・アステロイデス、斑点熱リケッチア、発疹熱リケッチア、肺炎マイコプラズマ、クラミジア・シッタシ、クラミジア・トラコマチス、マラリヤ原虫、トリパノソーマ・ブルーセイ、赤痢アメーバ、トキソプラズマ、膣トリコモナス、マンソン住血吸虫等の真菌、原生動物、及び寄生生物の抗原が挙げられる。これらの抗原は、完全に殺傷された生物、ペプチド、蛋白質、糖蛋白質、炭水化物、又はこれらの組み合わせの形態であってもよい。
【0072】
別の特定の態様では、生体活性剤は、抗生物質を含む。抗生物質は、例えば、1つ以上のアミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、アンサマイシン類、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、カルバセフェム、ロラカルベフ、カルバペネム類、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファロスポリン類(第1世代)、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン(Cefalotin又はCefalothin)、セファレキシン、セファロスポリン類(第2世代)、セファクロル、セファマンドル、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セファロスポリン類(第3世代)、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジディム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロスポリン類(第4世代)、セフェピム、セファロスポリン類(第5世代)、セフトビプロール、糖ペプチド類、タイコプラニン、バンコマイシン、マクロライド、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、モノバクタム系抗生物質、アズトレオナム、ペニシリン類、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン、ピペラシリン、チカルシリン、ポリペプチド類、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、キノロン剤、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、スルホンアミド類、マフェナイド、プロントジル(初期)、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニルアミド(初期)、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム・スルファメトキサゾール(コトリモキサゾール)(TMP−SMX)、デメクロサイクリンとドキシサイクリンとミノサイクリンとオキシテトラサイクリンとテトラサイクリン等を含むテトラサイクリン類、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファンピシン(米国ではリファンピシン)、チニダゾール、ロピニロール、イベルメクチン、モキシデクチン、アファメラノタイド、シレンジタイド又はこれらの組み合わせであり得る。一態様では、生体活性剤は、リファンピシン(米国では、リファンピン)とミノサイクリンの組み合わせであり得る。
【0073】
開示されるプロセスにより調製される微粒子は、化粧品、農業、薬品等のような様々な用途に利用され得る。1つの特定の態様では、微粒子は、医薬組成物に利用され得る。医薬組成物では、製剤は、一般に、生体活性剤であるが、それである必要はない。例えば、放出可能な製剤は、生体不活性物質であり、医薬組成物でも利用される場合がある。微粒子を含む様々な医薬組成物は、都合良く、例えば、単位投与形態又は制御放出形態を含む所望の形態で調製され、医薬品分野で周知のいずれかの方法により調製され得る。一般に、医薬組成物は、必要であれば、担体又は細かく分割された固体担体若しくはそれらの両方と微粒子を均一に密接に対合させることにより調製される。幾つかの態様では、微粒子自体は、担体である場合がある、及び/又は、他の担体又は添加物と配合することができる。他の医薬担体も利用することができる。ポリマー(固体の場合)ではない固体担体の実例として、乳糖、白土、蔗糖、滑石、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸が挙げられる。ポリマー(液体の場合)ではない液体担体の実例は、液糖、ピーナッツ油、オリーブ油、及び水である。気体担体の実例として、二酸化炭素及び窒素が挙げられる。生体活性剤と混合され得る他の医薬上許容される担体又は成分として、例えば、脂肪酸、砂糖、又は塩が挙げられ得る。
【0074】
連続相は、分散相で利用される溶媒と部分的に又は全体的に混合しない溶媒を少なくとも含む。一般に、分散相が有機性である場合は、連続相の溶媒が水性であり、分散相が水性である場合は、連続相が水性ではない。このように、乳剤は、水中油型乳剤の場合もあり、油中水型乳剤の場合もある。その上、二重乳剤は、水−油−水型二重乳剤の場合もあり、油−水−油型二重乳剤の場合もある。
【0075】
幾つかの態様では、連続相は、水性である場合があり、少なくとも1つの界面活性剤又は乳化剤を更に含み得る。水が連続相溶媒として利用される場合は、ポリビニルアルコール(PVA)が、好ましい界面活性剤である。他の利用され得る乳化剤又は界面活性剤として、多くの乳化剤が挙げられ、例えば、卵レシチン又は大豆レシチン、若しくは、例えば、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン又はジステアロイルホスファチジルコリン等の飽和合成レシチン、又は、ジオレオイルホスファチジルコリン又はジリノレイルホスファチジルコリン等の非飽和合成レシチン等の合成レシチンが挙げられる。乳剤として、界面活性剤も挙げられ、例えば、遊離脂肪酸、ポリオキシプロピレングリコール及びポリオキシエチレングリコールのようなポリオキシアルキレン化合物と脂肪酸のエステル、ポリオキシアルキレングリコールと脂肪アルコールのエーテル、ポリオキシアルキル化ソルビタンと脂肪酸のエステル、石鹸、ステアリン酸グリセロールポリアルキレン、リシノール酸グリセロールポリオキシエチレン、ポリアルキレングリコールの同種重合体及び共重合体、ポリエトキシ化大豆油及びヒマシ油と水素化誘導体、脂肪酸類、脂肪アルコール類と蔗糖又は他の炭水化物のエーテル及びエステル、任意選択でポリオキシアルキル化されたもの、飽和又は不飽和脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリド、グリセリド類又は大豆油及び蔗糖である。他の乳剤として、タウロデオキシコール酸塩等のアミノ酸と抱合したものと抱合していないものの胆汁酸塩又は胆汁酸の天然及び合成形態、及びコール酸が挙げられる。
【0076】
連続相が、界面活性剤を含む場合、その界面活性剤は、選択された混合手段を利用して、分散相で安定した乳剤を形成するのに十分な濃度で存在しなければならない。例えば、プロセスが、乳剤遅延管乱流(以下に記載される)等の低い程度の乳化に依存する場合、連続相の表面張力を低下させるのに十分な界面活性剤が、存在しなければならない。好ましくは、界面活性剤は、重量で連続相の約0.1〜20%で構成されるべきである。
【0077】
連続相は、好ましくは、乳化中の分散相から連続相への溶媒の区分けを低減又は削除する分散相溶媒も含む。連続相に添加される分散相溶媒の量は、利用される特定のポリマー/製剤組み合わせに応じて変化し得る。一般に、分散相溶媒の量は、連続相を飽和させるのに必要とされる量の約5%〜100%であり、例えば、約7.5%である。上に考察されたように、抽出相と同様、連続相は、上に考察されたように、緩衝液又は塩を任意選択で更に含むことができる。連続相は、その相のpHを調節することにより更に操作され得る。
【0078】
本発明は、流体及び/又は固体の2つ以上の流れを混合するために、例えば動力不要ではない貫流式混合機に利用され、本発明のプロセスに利用され得るワークヘッド構造体にも関する。図2Aを参照して、動力不要ではない貫流式混合機に好ましいワークヘッド構造体3000は、混合チャンバ3150を形成し、混合チャンバ3150に連通する流体吸入口3201と、混合チャンバ3150に連通する流体吐出口3250とを定める、筐体3100を含む。ワークヘッド構造体3100は、吸入口3201に広がるように延びる篩メッシュ3300を含む。流体は、最初に、流体吸入口3201に入る際に、混合チャンバ3150に入る前に、流体吸入口3201に広がるように延びる篩3300を通過することになる。混合チャンバ3150では、筐体3100内に、篩3350と流体吐出口3250との間に位置する回転子3350があるので、回転子3350が回転する際、流体は、流体吸入口3201から篩メッシュ3300を介して吐出口3250へ誘導される。図2Aに示されるように、図1A〜1Cに示される装置とは対照的に、ワークヘッドは、混合チャンバ自体の中に篩の後に位置する貫通孔付き整流子又は篩や、回転子と流体吐出口との間に位置する篩がない。
【0079】
篩メッシュ3300は、上に考察されたようないずれかの所望の材料から作製することができるが、好ましくは、入ってくる流体に直面する際に腐食しない材料である。そのように、様々な種類の材料を篩に利用することができるが、一般に、特定の混合プロセスにより限定される。ワークヘッドの篩は、そのプロセスの選別工程を参照しつつ上に考察されたそれらの材料のいずれかを含み得る。
【0080】
篩の多孔率は、ワークヘッド構造体が利用される際の混合プロセスに応じて大きく変化し得る。例えば、ワークヘッド構造体が開示されたプロセスの連続相と分散相を混合するのに利用されている場合、その篩は、好ましくは、多孔率が、約0.1〜約1000μmであり、より好ましくは、約10〜500μmである。ワークヘッド構造体が開示されたプロセスで利用される特定例では、その篩は、多孔率が、約125μm又は約75μmである。
【0081】
操作中では、図2Aを再び参照して、流体は、流体吸入口3201に入り、吸入口3201に広がるように延びる篩3300を通過する際に、回転刃を一般に有するスピン回転装置3350に直面する。回転装置3350は、吸入口3201内の吸引を作り出すように機能し、流体を混合させ、流体を出口3250に向かって送り出す。回転装置は、所望の速度で回転子を回すための回転可能な軸3351を含み得る。そのような回転装置3350は、一般に、回転装置を駆動させる電源に応じて、1分当たり高い回転数で動作する。例えば、ワークヘッド構造体が、開示されるプロセスで利用される場合、回転装置3350の速度は、一般に、範囲が、1分当たり約10回転(RPM)〜約12,000RPMであり、好ましくは、約500RPM〜約1200RPMである。回転装置3350はスピンすると、上に混合環境と呼ばれているものを作り出す。
【0082】
流体吸入口3201及び吐出口3250は、混合チャンバ3150に流入及び流出する流体を含み得、特定のプロセスで混合工程を別の工程と接続させ得る、配管に接続され得る。ここで、図2Bを参照して、流体吸入口3201は、流体吸入管3200と連通し得る。流体吸入管3200は、他のプロセス流体を含み得る1つ以上の他の配管に分岐し得、又はその1つ以上の他の配管を含み得る。例えば、図2Bを参照して、主要吸入管3200と連通する、副次吸入管3202がある。プロセスに応じて、副次吸入管3202の場所は、主要吸入管3200を通り抜ける流体と2つ以上の流体を配合することになる時と方法に影響を与えるので、重要であり得る。例えば、開示されたプロセスのように、ワークヘッド構造体が微小被包プロセスに利用されている場合、副次吸入管は、範囲が約0〜約20cm、好ましくは、約0〜5.5cm、より好ましくは、約0〜約0.6cmである、例えば、0.32cmと0.64cmとを含む、距離3353に位置し得る。
【0083】
図2Cを参照して、流体吸入口3201は、流体吸入管3200と連通し、分散相等の流体を導入可能な内部吸入管3260とも連通し得る。内部吸入管3260は、外部流体吸入口管3200内に位置する。内部管3260は、いずれかの適切な手段を介して、例えば、外部管内で内部管を支える支柱を介して、外部管に固定され得る。この実施形態では、内部管3260は、篩から距離3355に位置し得る。この距離は、一般に、範囲が、0〜20cm、好ましくは、約0〜約5.5cm、より好ましくは、約0〜約0.6cmであり、例えば、0.32cmと0.64cmを含む。距離3355は、篩の近くに又は篩から遠くに内部管3260を滑らせることにより変化し得る。副次吸入管の位置と同様に、内部管の位置は、一般に、分散相及び連続相等の2つの流体が混合する点に影響を与えることになり、従って、適切に調節され得る。
【0084】
開示されるプロセス及び図2A〜2Cを参照して、分散相は、主要吸入管3200(又は、内部管3260)を通り抜けることができるのに対し、連続相は、副次吸入管3202を通り抜けることができる。連続相が、副次吸入管3202(又は、内部管3260)を通り抜ける際に、分散相(又は、1次乳剤)及び連続相は、配合されるが、必ずしも混合させる必要はない。配合相は、上では、プロセス流と呼ばれている。次に、プロセス流は、吸入口3201に入り込み、乳剤中で微小液滴を形成するのに役立ち得る篩3300を通り抜ける。次に、プロセス流は、回転装置3350に直面し、回転装置3350により作り出される混合環境中で混合される。次に、乳剤又は二重乳剤は、流体吐出口3250に押し通され、微小被包プロセスに沿って進む。幾つかの態様では、開示されるプロセスによる次の段階は、抽出又は乾燥段階であり、溶媒が、微小液滴又は二重乳剤から部分的に又は完全に取り除かれることにより、微粒子が与えられる。
【0085】
いずれかの所望の方法に従って、ワークヘッド構造体を作製することができる。好ましい態様では、ワークヘッド構造体は、シルバーソン社製混合機等の貫流式混合装置の従来の又は市販のワークヘッドを変更することにより作製される。その変更は、ワークヘッド(例えば、図1A〜1Cでは、部品1107)から整流子を取り除くこと、篩を流体吸入口に広がるように設置することを含む。
【0086】
実施例
以下の実施例は、本明細書で特許請求される化合物、組成物、物品、装置及び/又は方法がどのように作り出され、評価されるのかを当業者に完全に開示し、記述するように示されており、本発明の単なる例示であると意図され、発明者が発明と見なすものの範囲を限定するものと意図されていない。数量(量、温度等)に関して精度を確保するように努力されているが、ある誤差及び逸脱が考慮されるべきである。特に指示がなければ、部は、重量部であり、温度は、℃であるか又は室温であり、圧力は、大気圧又はその付近である。粒径分析は、レーザ回折により実行された。報告される寸法は、体積平均統計に基づく。
【0087】
実施例1.ワークヘッド構造体の準備
動力不要ではない貫流式混合機用のワークヘッド構造体は、市販のシルバーソン社製L4R−TAインライン型混合機ヘッド(シルバーソン精機株式会社、イーストロングメドー、マサチューセッツ州、米国)を変更することにより以下のように準備された。篩は、シルバーソン社製L4R−TAインライン型混合機ヘッドから取り除かれ、孔径が75μm〜125μmの篩は、混合機ヘッドの底板上の取り込み(吸入)口の開口部に配置された。整流子(例えば、図1では、部品1107)が、混合機ヘッドから取り除かれた。分散相用の注入管は、篩の前に配置された。注入管は、篩の前に、注入管と篩との間の距離が0インチ〜0.125インチ又は約0.25インチのどちらかであるように配置された。これらの距離は、注入管に最も近い篩の側面から、篩に最も近い注入管の頂部までで計測された。分散相用の配管の直径は、0.125インチ又は0.25インチのどちらかであった。連続相用の注入管は、ワークヘッド構造体の吸入口に直列に配置された。
【0088】
実施例2.125μmの篩を利用して準備された偽薬微粒子
微粒子のバッチは、実施例1に記載されるような125μm篩を備えたワークヘッド構造体を利用したプロセスで準備された。平均分散相(DP)の流速は、約25g/分であり、平均連続相(CP)の流速は、約200g/分であったので、その篩を通る全流速(DP+CP速度、g/分)は、約225g/分であった。本実施例では、全流速(DP+CP速度)が、初期の75%(約170g/分)又は初期の50%(約112g/分)のどちらかに下げられたが、CP流速対DP流速の固定比率は保持された。平均抽出相の流速は、約1500g/分であった。全てのバッチに対する分散相中のポリマー濃度は、酢酸エチル中で20%であった。利用されたポリマーは、固有粘度(IV)が約0.36dL/gのポリ(D、L−ラクチド)であった。連続相は、7.5%の酢酸エチルで飽和された2重量%のポリビニルアルコール(PVA)溶液であった。表1に示される粒径データは、硬化槽から取得された。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。表1は、結果を示す。これらの微粒子は、「偽薬」微粒子であり、薬剤を含まなかった。粒径分布の幅は、粒子の50%がD50の値よりも大きいか又は小さい、パラメータD50ばかりでなく、粒子の10%がD10よりも小さい粒径を表記するD10も利用することにより表記された。その上、D90は、粒子の90%がD90の値よりも小さい粒径を表記する。粒径分布の幅は、以下の式:幅=(D90−D10)/D50により表記され得る。幅の値が小さいほど、粒径分布は狭くなる。
【0089】
【表1】
【0090】
ロット番号00210−119−00から得られるデータから導出された粒径分布の線図が、図3に示される。
【0091】
実施例3.75μmの篩を利用して準備された偽薬微粒子
微粒子のバッチは、実施例1に記載されるような75μm篩を備えたワークヘッド構造体を利用したプロセスで準備された。平均分散相(DP)の流速は、約25g/分であった。平均連続相(CP)の流速は、約200g/分であった。平均分散相(DP)の流速は、25g/分であった。本実施例では、全流速(DP+CP速度)は、初期の75%(約170g/分)又は初期の50%(約112g/分)のどちらかに下げられたが、CP流速対DP流速の固定比率は保持された。平均抽出相の流速は、約1500g/分であった。全てのバッチに対する分散相中のポリマー濃度は、酢酸エチル中で20%であった。利用されたポリマーは、固有粘度(IV)が約0.36dL/gのポリ(D、L−ラクチド)であった。連続相は、7.5%の酢酸エチルで飽和された2重量%のポリビニルアルコール(PVA)溶液であった。表2に示される粒径データは、硬化槽から取得された。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。表2は、結果を示す。これらの微粒子は、「偽薬」微粒子であり、活性剤を含まなかった。
【0092】
【表2】
【0093】
実施例4.篩/回転子ワークヘッドとの比較のための、回転子/整流子ワークヘッドを利用して準備された偽薬微粒子(ロット00277−039)
微粒子のバッチは、実施例1に記載されるような市販のシルバーソン社製L4R−TAインライン混合機(変更されていないシルバーソン社製L4R−TA)上の標準的な回転子/整流子型ワークヘッド構造体を利用したプロセスで準備された。平均分散相(DP)の流速は、約50g/分であり、平均連続相(CP)の流速は、約250g/分であった。平均抽出相の流速は、約1500g/分であった。全てのバッチに対する分散相中のポリマー濃度は、酢酸エチル中で20%であった。利用されたポリマーは、固有粘度(IV)が約0.36dL/gのポリ(D、L−ラクチド)であった。連続相は、7.5%の酢酸エチルで飽和された2重量%のポリビニルアルコール(PVA)溶液であった。表3に示される粒径データは、硬化槽から取得された。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。表3は、結果を示す。これらの微粒子は、「偽薬」微粒子であり、活性剤を含まなかった。比較のために、「偽薬」微粒子は、125ミクロン篩と500rpmの回転速度を用いた本発明の方法により作製された。DP流速は、約50g/分であり、CP流速は、約250g/分であり、EP流速は、約2500g/分であった(ロット00277−039−00)。
【0094】
【表3】
【0095】
ロット番号00277−090−00から得られたデータから導かれた粒径分布の線図が、図4に示される。
【0096】
実施例5.125μm篩を用いて準備されたゴセレリン充填微粒子
ゴセレリン充填微粒子のバッチは、実施例1に記載されるような125μm篩を備えたワークヘッド構造体を利用したプロセスで準備された。理論的なゴセレリンの充填率は、10重量%であり、実際のゴセレリンの充填率は、4.2%であった。平均分散相(DP)の流速は、約25g/分であった。平均連続相(CP)の流速は、約200g/分であった。平均抽出相の流速は、約1500g/分であった。全てのバッチに対する分散相中のポリマー濃度は、酢酸エチル中で20%であった。利用されたポリマーは、固有粘度(IV)が約0.36dL/gのポリ(D、L−ラクチド)であった。連続相は、7.5%の酢酸エチルで飽和された2重量%のポリビニルアルコール(PVA)溶液であった。粒径データは、硬化槽から取得された。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。表4は、結果を示す。
【0097】
【表4】
【0098】
実施例6.125μm篩を利用して準備されたナルトレソン充填微粒子
ナルトレソン充填微粒子のバッチは、実施例1に記載されるような125μm篩を備えたワークヘッド構造体を利用したプロセスで準備された。理論的なナルトレソンの充填率は、25重量%であり、実際のナルトレソンの充填率は、20重量%であった。平均分散相(DP)の流速は、約52g/分であった。平均連続相(CP)の流速は、約249g/分であった。平均抽出相の流速は、約2500g/分であった。分散相中のポリマー濃度は、酢酸エチル中で20%であった。利用されたポリマーは、固有粘度(IV)が約0.36dL/gのポリ(D、L−ラクチド)であった。連続相は、7.5%の酢酸エチルで飽和された2重量%のポリビニルアルコール(PVA)溶液であった。粒径データは、硬化槽から取得された。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。表5は、結果を示す。
【0099】
【表5】
【0100】
実施例7.ワークヘッド構造体を利用したプロセス中のパラメータの変化
あるプロセスパラメータは、実施例1に記載された修正されたワークヘッド構造体を利用したプロセス中に変えられた。微粒子は、固有粘度が約0.4dL/gの75:25ラクチド・グリコリド共重合体(75%ラクチド、25%グリコリド)(756、トム・マーチンドライブ、バーミンガム、アラバマ州、35211のレイクショア・バイオマテリアルズ社から入手可能)から調製された。分散相は、酢酸エチル中に20重量%のポリマーを含んでいた。連続相は、7.5%酢酸エチルとして飽和された溶液中に1重量%のポリビニルアルコールを含んでいた。バッチ寸法は、10グラムであった。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。実験の設定では、連続相の流速、CP/DP比、回転子の速度、篩の孔径、分散相管の直径、篩に対する分散相管の位置は、全てが、異なるプロセス実行で変えられた。プロセスパラメータは、表6及び表8に示され、これらのプロセスパラメータを利用して調製された粒子で観測された粒子特性は、表7及び表9にそれぞれ示される。表6に示されたプロセスパラメータと共に利用された篩は、125μmであった。表8に示されたプロセスパラメータと共に利用された篩は、75μmであった。表8に示されるプロセスパラメータでは、分散相管の位置は、篩から短距離に置かれた。
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】
ロット番号00339−006及び00339−027の粒径分布の線図は、それぞれ、図5及び図6に示される。これらのロットは、篩から0.25インチ離れた分散相管を用いて調製された。ロット番号00339−033及び00339−143の粒径分布の線図は、それぞれ、図7及び図8に示される。これらのロットは、おおよそ篩位置での、又は、篩から約0cm離れた分散相管を用いて調製された。
【0104】
表7からの結果は、CP流速、配管位置、配管直径、回転子速度及びCP/DP比を変えつつ、125μmの篩寸法を利用することにより、複数の粒径が生成され得たことを示す。一般に、流速が速く、配管直径が小さくなれば、粒径がより小さくなった。8調合物のうち4つでは、130ミクロン未満の粒径が、125ミクロン篩で生成された。全てのバッチでは、80%超過の極めて高い収率が示された。
【0105】
【表8】
【0106】
【表9】
【0107】
ロット番号00339−107及び00339−063の粒径分布の線図は、それぞれ、図9及び図10に示される。これらのロットは、篩から0.25インチ離れた分散相管を用いて調製された。ロット番号00339−116及び00339−069の粒径分布の線図は、それぞれ、図11及び図12に示される。これらのロットは、おおよそ篩位置での、又は、篩から約0.125インチ離れた分散相管を用いて調製された。
【0108】
表9からの結果は、CP流速が速くなり、DP配管直径が大きくなれば、粒径がより大きくなる傾向があったことを示す。回転子速度、CP/DP比又はCP流速を変えることにより、配管直径の影響を相殺し易くなった。一般に、D90/D10寸法比の低いバッチは、D90寸法が、ほぼ70ミクロンであった。ここでは、孔径未満の粒子を生成する75ミクロン篩の影響が示される。75ミクロン篩の利用は、注射可能な微粒子製品に利用され得る所望の粒径を生成するのに役立った。
【0109】
表7及び表9の両方に示されるように、微粒子製品の収率は、75%を超えた。幾つかの事例では、粒径が許容されるものである、90%超過の収率が得られた。収集では、いずれの場合も、より大きな粒子を取り除くための125ミクロン選別工程は利用されなかった。幾つかの場合では、粒径分析により、125ミクロン超過の粒子がないことが示されたが、得られた収率は、例えば、ロット番号00339−063で、極めて高かった。
【0110】
本明細書に記載される化合物、複合物、用具一式、物品、装置、組成物、及び方法は、様々に修正、変更することができる。本明細書に記載される化合物、複合物、用具一式、物品、装置、組成物、及び方法の他の態様は、本明細書に記載される化合物、複合物、用具一式、物品、装置、組成物、及び方法の仕様及び実施を考慮することで明らかになる。本明細書及び実施例は、例示として見なされることが意図されている。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年12月22日に出願され、その全ての内容が本明細書に参照により組み込まれる、米国暫定出願番号第61/288,973号からの優先権の便宜を主張する。
【背景技術】
【0002】
微粒子は、一般に直径が2ミリメートル未満の粒子であり、通常は、球状である。通常の微粒子は、一般に、ポリマー等の材料形成母材を含んでいる。微粒子により、様々な物質を被包することができる。これらの物質は、微粒子から、様々な機構を通じて放出され得る。その機構として、物質が微粒子母材を徐々に通り抜ける、制御された放出機構が挙げられ、微粒子母材が徐々に破裂、劣化して又は浸食されて物質が放出される、破裂放出機構又は劣化機構も挙げられる。
【0003】
微粒子を調製するプロセスは、幾つか存在する。微粒子を作製する乳剤基調プロセスは、通常、異なる2つの相を準備することで始まり、第1相は、通常、分散相と呼ばれ、一般に、第1溶媒中のポリマー分散液又は溶液中に、被包されるべき物質である製剤の分散液又は溶液を含み、第2相は、通常、連続相と呼ばれ、一般に、分散相の第1溶媒と少なくとも部分的に混合しない第2溶媒を含む。第1相と第2相が準備された後に、駆動式混合又は動力不要式混合を用いて、これらの相を配合し、乳剤を形成する。その乳剤中には、第1相の微小液滴が、連続相中に分散される。次に、微小液滴を硬化して、製剤を含む微粒子を形成する。硬化工程は、微小液滴から第1溶媒を除去することにより、一般に、抽出工程又は蒸発工程により実行される。
【0004】
乳剤形成工程は、混合装置を利用して実行されることが多い。1つの特定例では、図1Aを参照して、混合装置は、配合される分散相及び連続相を構成する液体及び固体1104a材料をワークヘッド構造体1100内に注入するための吸入口1101を有する、回転子/整流子型ワークヘッド構造体1100を含む。液体及び固体1104a材料は、軸1102により、回転される回転刃を含む回転部品1106により作り出される強力な吸引によりワークヘッド構造体1100内に引き込まれる。回転刃は、整流部品1107と実質的に垂直に配置される。材料は、排出口1103で、ワークヘッド構造体から出る。
【0005】
ここで図1Bを参照して、液体及び固体1104a材料がワークヘッド構造体1100内に引き込まれると、回転部品1106により作り出される遠心力は、材料を、整流部品1107へ押し出す。
【0006】
ここで図1Cを参照して、次に、材料は、整流部品1107内の穴を通過し、ワークヘッド構造体1100の周囲に押し出される。材料は、材料が強力な液圧剪断を受ける速度で、整流部品1107の穴に押し通される。次に、材料は、排出口1103で、ワークヘッド構造体から出る。ワークヘッド構造体の混合動作により、分散相が連続相内に入り、連続相中に分散相の微小液滴を含む乳剤が形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1A〜1Cに示される構造体等のワークヘッド構造体を利用する際の1つの不都合な点は、微粒子調製プロセス全体で収率が低く、粒径分布が幅広くなり得ることである。従って、微粒子製造プロセスに通常の混合構造体を利用する際に頻繁に直面する不都合な点を克服する、新たな混合構造体及びその混合構造体を利用したプロセスが必要とされる。この必要性および他の必要性は本発明によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、(a)(i)ポリマー及び製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む分散相と(ii)第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第2溶媒を含む連続相とを含むプロセス流を与えることと、(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、工程(a)又は(b)の間に、分散相の微小液滴が連続相内に形成されることと、(c)微小液滴から第1溶媒を少なくとも実質的に除去し、微粒子を形成することとを含む、微粒子を作製するプロセスが開示される。
【0009】
別の態様では、(a)(i)製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む第1分散相と(ii)第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合せずにポリマーがその中に溶解又は分散された第2溶媒を含む第2分散相との微小液滴を含む1次乳剤と、第2溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第3溶媒を含む連続相とを含む、プロセス流を与えることと、(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、工程(a)又は(b)の間に、二重乳剤が形成されることと、(c)二重乳剤から第2溶媒を少なくとも実質的に除去し、微粒子を形成することとを含む、微粒子を作製するプロセスが開示される。
【0010】
更に別の態様では、混合チャンバを形成し、混合チャンバに連通する流体吸入口と混合チャンバに連通する流体吐出口とを定める、筐体と、吸入口に広がるように延びる篩メッシュと、篩と流体吐出口との間の筐体内に位置し、回転時に流体が吸入口から篩メッシュを通って吐出口へ誘導されるような、回転子とを含む、動力不要ではない貫流式混合機用のワークヘッド構造体が開示される。
【0011】
本発明の利点は、以下の記載の中で部分的に説明されることになり、記載から部分的に明らかになる、又は、以下に記載される態様の実施により教示され得る。以下に記載される利点は、付属の請求項中に特に指摘される部品及びそれらの組み合わせにより実現され、達成され得る。上記の一般的な記載と以下の詳細な記載の両方は、単に模範的で例示的なものであり、限定するものではないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】回転子/整流子型混合機上に従来の混合ヘッドを利用して実行されるような、混合プロセスの図面である。
【図1B】回転子/整流子型混合機上に従来の混合ヘッドを利用して実行されるような、混合プロセスの図面である。
【図1C】回転子/整流子型混合機上に従来の混合ヘッドを利用して実行されるような、混合プロセスの図面である。
【図2A】本発明による模範的ワークヘッド構造体の図面である。
【図2B】吸入管に接続されている、ワークヘッドの一部の図面である。
【図2C】二重管として設定された吸入管に接続されている、ワークヘッドの一部の変形実施形態の図面である。
【図3】以下に記載される実施例2の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図4】以下に記載される実施例4の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図5】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図6】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図7】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図8】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図9】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図10】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図11】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【図12】以下に記載される実施例7の微粒子バッチから得られるデータから導出された粒径分布の線図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本化合物、組成物、複合物、物品、装置及び/又は方法を開示、記載する前に、以下に記載される態様は、特定の化合物、組成物、複合物、物品、装置、方法又は用途に限定されず、当然、変化し得ると理解されるべきである。本明細書で利用される用語は、単に特定の態様を記載する目的のためのものであり、限定することを意図していないことも理解されるべきである。
【0014】
本明細書及び後続の請求項では、以下の意味を有するように定義される数多く用語を参照することになる。
【0015】
本明細書を通じて、特に必要のない限り、単語「含む(複数)」、又は「含む(単数)」又は「含んでいる」等のその変異体は、一定の整数又は工程若しくは整数群又は工程群の組み入れを暗示するが、いずれの他の整数又は工程若しくは整数群又は工程群の除外も暗示していないと理解されるべきである。
【0016】
単数形「a」「an」及び「the」は、本明細書及び付属の請求項で用いられる場合、特に明確な指示のない限り、複数の指示対象を含むことを留意しなければならない。従って、例えば、製剤(単数)の参照は、2つ以上のそのような製剤等の混合を含む。
【0017】
「任意選択の」又は「任意選択で」は、続いて記載される事象又は状況が起こる場合も、起こらない場合もあり、その記載が、その事象又は状況が起こるような事例と、その事象又は状況が起こらない事例とを含むことを意味する。
【0018】
範囲は、本明細書では、「おおよそ」一方の特定値から、及び/又は「おおよそ」他方の特定値までの範囲として表記されてもよい。そのような範囲が表記される場合、別の態様では、その一方の特定値から及び/又はその他方の特定値までの範囲が含まれる。同様に、値が、先行詞「約」を用いて近似で表示される場合、特定値が、別の態様を成すことが理解されることになる。各々の範囲の終点が、他の終点に関連してと、他の終点から独立しての両方で、有意であることが更に理解されることになる。
【0019】
開示される方法及び組成物に利用され得る、それらと組み合わせて利用され得る、それらの調製に利用され得る、又はそれらの製品である、化合物、組成物、及び成分が開示される。これらの及び他の材料が、本明細書で開示される。これらの材料の組み合わせ、副集合、相互作用、群等が開示される場合、これらの化合物の各々の様々な個別の及び総合の組み合わせ及び順列の特定の参照は、明確には開示され得ないが、各々が、具体的に考察され、本明細書に記載されることが理解される。例えば、複数の異なるポリマー及び製剤が開示、考察される場合、ポリマー及び製剤の各々のあらゆる組み合わせ及び順列は、特に相反することが示されない限り、具体的に考察される。このように、分子A、B、及びCの部類と分子D、E、及びFの部類が開示され、分子A〜Dの組み合わせの実例が開示される場合、各々が個別に詳述されなくても、各々は、個別に及び総合的に考察される。このように、この実例では、組み合わせA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E及びC−Fの各々は、具体的に考察され、A、B及びC、D、E及びF、並びに、例示の組み合わせA−Dの開示から開示されると見なされるべきである。その上、これらのいずれかの副集合又は組み合わせも、具体的に考慮、開示される。このように、例えば、A−E、B−F、及びC−Eの副次群は、具体的に考察され、A、B、及びC、D、E、及びF、並びに、例示の組み合わせA−Dの開示から開示されると見なされるべきである。この概念は、開示された組成物を作製し、利用する方法内の工程を含むが、これらに限定されない、本開示の全ての態様に適用される。このように、実行され得る様々な追加の工程がある場合、これらの追加の工程の各々は、開示された方法のいずれかの特定の実施形態又は実施形態の組み合わせで実行することができ、各々のそのような組み合わせが、具体的に考察され、開示されると見なされるべきであると理解される。
【0020】
「篩」は、本明細書で利用される場合、本発明のプロセス流が通過し得る多孔性材料を指す。篩の多孔性は、以下に考察されるような特定のプロセスに従って、大いに変化し得る。
【0021】
「混合環境」は、本明細書で用いられる場合、2つ以上の流体を混合してプロセス流中の流体が組み合わされる、例えば、分散相を連続相に入れて乳剤が形成される、混合条件を指す。
【0022】
「動力不要ではない貫流式混合機」は、本明細書で用いられる場合、部品が流体及び/又は固体の流れ内を移動する、混合機を指す。
【0023】
一態様では、本発明のプロセスは、(a)(i)ポリマー及び製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む分散相と(ii)第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第2溶媒を含む連続相とを含むプロセス流を与えることと、(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、分散相で構成され、連続相中に分散される、微小液滴が、工程(a)又は(b)若しくはそれらの両方の間に形成されることと、(c)微小液滴から第1溶媒を除去し、微粒子を形成することとを含む。
【0024】
別の態様では、本発明のプロセスは、(a)(i)ポリマー及び製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む第1分散相と(ii)第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第2溶媒を含む第2分散相との微小液滴を含む1次乳剤と、第2溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第3溶媒を含む連続相とを含む、プロセス流を与えることと、(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、第1及び第2分散相を連続相中に含む二重乳剤が、工程(a)又は(b)の間に形成されることと、(c)二重乳剤から第1溶媒を除去し、微粒子を形成することとを含む。このように、本発明のプロセスは、乳剤式微小被包方法と二重乳剤式微小被包方法の両方に利用することができる。
【0025】
意外にも、最初にプロセス流を多孔質篩に通過させ、次に、プロセス流を混合環境に曝すことにより、ある態様では、混合環境自体の中で後続の篩又は貫通孔付き整流子を用いずに、複数の利点が実現されることがわかった。図1A〜1Cに示されるもののような通常のインライン混合装置のワークヘッドを利用するプロセスとは対照的に、開示されたプロセスは、最初に、プロセス流を多孔質篩に通過させ、その篩は、混合工程の前に微小液滴を形成するのを助ける、及び/又は、ある径の粒子を削減する。通常の混合ワークヘッドでは、プロセス流は、初めに選別されずに、最初に、混合環境内に入り、次に、混合装置内の回転子により作り出される遠心力により、整流子に向かって押し出され、次に、図1A〜1Cを参照しつつ上に考察されたような、整流子内の穴(通常は、大きな穴)を通過する。これにより、高剪断環境が作り出され、従って、微細な粒子の密度が高くなることにより、収率が低減し、粒径分布が増加し得る。
【0026】
理論に拘束されることを望まずに、本発明のプロセスで、極めて大きな粒子と並んで、極めて細かい粒子のより低い密度を作り出すことにより、混合プロセスのエネルギーが削減されると考えられる。そのように、プロセスは、最終微細粒子のより狭い全粒径分布を与えるのに有用である。本発明のプロセスは、従来の環境の混合に比べてより良い収率も与える。本発明の混合環境は、図1A〜1Cに示されるもののような、混合機で作り出される通常の高剪断混合環境よりも剪断が小さくなると考えられる。
【0027】
開示されるプロセスによれば、最初に、連続相と併せた分散相又は連続相と併せた1次乳剤のどちらかを含むプロセス流が与えられる。プロセス流は、分散相又は乳剤を連続相と混合することにより調製される。配合後、分散相又は1次乳剤と連続相の混合物は、混合されても、混合されなくてもよい。その上、プロセス流を与えた後に、乳剤が、混合前に形成され始める。
【0028】
次に、プロセス流は、多孔質である篩を通過する。プロセスの性質に応じて、様々な篩を利用することができ、それらの篩は、一般に、孔径が、0.1〜1000μm又はそれよりも大きいが、好ましくは、約1〜400μmである。例えば、一態様では、篩は、公称の孔径の範囲を包含し得る。例えば、篩は、メッシュ寸法が、14(1.4mm)〜500(25ミクロン)であり、それよりも高いメッシュ寸法(より小さな公称孔径)である。
【0029】
篩は、様々な材料を含み得る。一態様では、篩は、所望の孔径を有するステンレス鋼メッシュ布又は織布である。そのような篩を作製するために、例えば、濾過篩材料は、粒子を篩い掛けするのに通常利用される75ミクロン(200メッシュ)試験篩等の、所望の孔径から切り抜かれ得る。そのような材料の実例は、フィッシャーブランド米国標準ステンレス鋼試験篩である。類似のステンレス鋼メッシュ織布は、市場において、スモールパーツ社(マイアミレイク、フロリダ州)から得ることができ、それは、ステンレス鋼メッシュフィルタ(120メッシュ又は200メッシュ)であり、平織り設計である。
【0030】
他の適切な篩材料として、シリカ及びアルミナ等の、様々な種類のガラス、金属、ポリマー、及び無機材料が挙げられる。そのような篩の特定例として、焼結ガラス篩又はプレート、焼結金属篩又はプレート、及び、多孔質シリカ篩が挙げられる。篩は、疎水性又は親水性膜材料から作製される膜等の、多孔質選別膜から調製することができ、例えば、それらの膜は、フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、PVDF(ポリ弗化ビニリデン)、PCTE、セルロースエステル、混合セルロースエステル、ニトロセルロース、ナイロン、ポリカーボネート、金属類、銀、金、ステンレス、シリカ、及び、アルミナ材料を含む。
【0031】
他の態様では、篩は、孔径が約1〜約500μm又はそれよりも大きい、より好ましくは、約10〜200μmである、金属材料を含む。特定例では、篩は、平均孔径が約50〜約150μm、例えば、75又は125μmであり得る。篩は、微粒子の所望の最終利用に基づいて選択され得る。例えば、生きた被験体内に注入される微粒子では、より小さな粒径が望まれる場合があり、従って、より小さな篩が利用され得る。
【0032】
他の態様では、篩は、例えば、セルロースエステル又はナイロンの混合繊維膜中の紆曲した母材、不織布母材、又は焼結金属、又はガラスディスクから調製することができる、又は、正確に穿孔された有機又は無機膜、レーザ穿孔膜、無機孔(例えば、アノポア・アルミナ膜)、及び溝エッチ膜(例えば、ニュークレポア膜)等の薄膜表面を通る孔径が比較的変化しない、エッチ設計から作製することができる。
【0033】
プロセス流は、分散相又は1次乳剤が連続相と混合される、混合環境内に入る。混合工程中は、分散相又は1次乳剤が、連続相内に押しやられ、分散相の微小液滴が形成される、又は、二重乳剤が形成される。微小液滴の形成は、上に考察されたような選別工程により補助される。混合環境を作り出すために、様々な方法が存在する。混合工程に利用され得る適切な装置として、動力不要式混合機及び駆動式混合機が挙げられるが、これらに限定されない。そのような混合機として、例えば、攪拌機、均質攪拌機、超音波装置、及び当該分野で周知の他のプロセス設備が挙げられる。
【0034】
別の態様では、混合は、分散相又は1次乳剤と連続相とを一緒に汲み上げ、適切な混合を作り出すのに十分な条件で、即ち、乳剤形成を誘導又は増強するのに十分な攪乱で一定長さのパイプ又は管に通すことにより実行され得る。
【0035】
制限板(整流壁)及びフィルタを利用して、必要な混合環境も作り出すこともできる。他の適切な混合機として、動力のないタービン、及び、ボール式指示計等の流れ指示計がある。別の実例は、市販の混合機上のワークヘッド等の貫流式混合機のワークヘッドであり、例えば、シルバーソン社製混合機(シルバーソン精機株式会社、イーストロングメドー、マサチューセッツ州、米国)であり、又は、より好ましくは、以下に記載される本発明の開示されるワークヘッドである。シルバーソン社製混合機は、篩を用いずに、回転子の後に整流子を用いる市販の標準混合機であり得る、又は、以下に考察されるように、整流子を取り除き、篩を吸入口に広がるように配置することにより変更されている混合機であり得る。一態様では、プロセス流は、最初に篩を通過した後に、混合環境の後の、又は、第1選別工程後ではあるが混合環境中の、後続の篩を通過しない。別の態様では、プロセス流は、混合環境内に入る前に、同じである又は異なる2つ以上の篩を通過する。
【0036】
開示された二重乳剤プロセスでは、1次乳剤が、同様に、即ち、分散相と連続相を共に混合することにより形成され得る。一態様では、1次乳剤は、最初に、開示されるプロセスを利用して形成され得る。次に、二重乳剤が、開示される同じプロセスを利用して形成され得る。代わりに、1次乳剤及び二重乳剤は、異なる混合法を利用して作り出され得る。
【0037】
一態様では、混合環境は、後続の篩、又は、図1A〜1Cに表される混合装置内に示される整流子等の貫通孔付き整流子を含まない。そのように、幾つかの態様では、プロセス流は、最初に選別され、次に混合環境内に入り、混合環境内では選別されず、又は、貫通孔付き整流子を通過せず、それは、プロセス流が選別されずに混合環境内に入り、次に回転子により作り出される遠心力により貫通孔付き整流子に押し出される、回転子/整流子型混合装置で作り出される混合環境とは対照的である。
【0038】
乳剤又は二重乳剤が形成された後に、ポリマー用の溶媒(単一乳剤中の第1溶媒及び二重乳剤中の第2溶媒)が取り除かれ、微粒子が与えられる。実質的には、溶媒を取り除いて微粒子を与える当該分野で周知のいずれかの方法が利用され得る。適切な方法として、噴霧乾燥、冷凍乾燥、空気乾燥、真空乾燥、流動層乾燥、粉砕、共沈法、溶媒抽出法、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。噴霧乾燥、冷凍乾燥、空気乾燥、真空乾燥、流動層乾燥、及び臨界流体抽出の場合。粉砕の場合では、成分が、乾燥形態で混合され、当該分野で周知のいずれかの方法で粉砕される。共沈法の場合では、成分が、有機条件で混合され、以下に記載されるように処理される。成分は、混合され、精密ノズルを用いて乾燥され、乾燥チャンバ中に、極めて均一な小滴が作り出される。適切な噴霧乾燥機として、ビュッヒ社製噴霧乾燥機、ニロ社製噴霧乾燥機、APV社製噴霧乾燥機及びラブプラント社製噴霧乾燥機が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、溶媒除去工程の性質は、プロセスがバッチプロセス、連続プロセス、又は、バッチプロセスと連続プロセスの組み合わせであるかに応じて、プロセスが、単一乳剤又は二重乳剤を含むかに応じて、大きく変化することになる。一態様では、溶媒除去は、以下に考察されるような、抽出、蒸発、又は、抽出及び蒸発の組み合わせプロトコルにより達成される。
【0039】
一態様では、溶媒は、抽出、続いて蒸発により取り除かれ得る。この態様によれば、抽出により、第1溶媒の一部を取り除き、次に、蒸発を利用して、微小液滴又は二重乳剤から残りの溶媒の全てを実質的に取り除いて、微粒子を提供する。具体的に、プロセスは、好ましくは、乳剤又は二重乳剤を抽出相の流れの中に注入することにより、乳剤又は二重乳剤を抽出相に添加し、分散相又は分散相(複数)を濃縮して、又は、分散相と連続相との間の界面での角質形成を誘導して、微細球を形成することを含む。抽出相は、一般に、ポリマー用の非溶媒と連続相成分用の溶媒と、分散相溶媒用の限定溶媒とを含む。一実例では、分散相溶媒は、溶解度が、抽出相中の重量で0.1%〜25%である。次に、プロセスは、蒸発工程利用して、好ましくは、微細球が抽出相内に滞留している間に、微細球から第1溶媒を更に取り除く。次に、形成された微細球は、当該分野で周知の方法を利用して収集、洗浄、乾燥、及び梱包される。プロセスは、微粒子を寸法で分類するための当該分野で周知の分離技術、又は分粒技術を利用することも含み得る。
【0040】
この態様によれば、抽出と蒸発とを続けて実行する目的は、二重である。最初に、プロセスは、結果として得られる微粒子の表面及び内部構造が所望の放出特性を有するように、分散相小滴から溶媒を除去する割合を制御することができる。第2に、プロセスは、必要とされる抽出相の量を、従って、全プロセスの費用を最小限にしつつ、所望の微粒子特性を与えることができる。溶媒除去、抽出及び蒸発工程では、溶媒は、分散相小滴又は二重乳剤から、周囲媒体中へ仕分けされ得る。仕分けの割合は、分散相と抽出相溶媒との間に存在する界面にわたる分散相溶媒の濃度勾配に比例し、従って、プロセスを通じて抽出相中の分散相溶媒の濃度を制御することにより制御され得る。これは、抽出相を更に加えることにより、抽出相の全体積を調節することにより制御され得る。
【0041】
溶媒除去率の制御は、後段の被包プロセスの間に、所望の溶媒除去率に整合する割合で抽出相から溶媒を蒸発させることにより達成され得る。一般に、低い溶媒除去率は、密度の高い内部構造を有する微粒子を作り出し、速い溶媒除去率は、多孔質内部構造を有する微粒子を作り出す。内部構造と溶媒除去率との間の関係は、製剤、ポリマー(組成及び分子量)、分散相溶媒又は溶媒(複数)の物理化学特性、及び、分散相中の製剤及びポリマーの濃度等の因子に依存する。
【0042】
この態様の抽出工程の目的は、初期に分散相中の溶媒を迅速に低減することに影響を与え、所望の角質と内部構造とを設けることである。特定の製剤に必要とされる抽出の所望の程度及び割合が定められた後に、所望の抽出時間枠内に、所定の組の条件での所望の程度の抽出に必要とされる抽出相の最小量が、経験的に定められ、又は周知の数学モデルを利用して算出され得る。蒸発工程の目的は、分散相溶媒を区分けするために比較的高い駆動力を保ち、それにより、全プロセス時間を最小限にすることである。この目的を達成するのに必要とされる蒸発率は、経験的な方法により、又は、数学モデルを利用することにより定められ得る。好ましい態様では、約10%〜約90%、より好ましくは、約20%〜70%の溶媒が、抽出により取り除かれる。
【0043】
この態様によれば、蒸発工程は、当該分野で周知の技術を利用して実行され得る。蒸発は、大気圧条件又は減圧条件下で、室温で、又は、それよりの高い、製剤に害を与えない温度で実行され得る。連続蒸発工程の実例は、抽出工程から出るプロセス流が、落下膜式蒸発器又は掻き落とし式蒸発器を通過するものである。
【0044】
別の態様では、溶媒除去は、連続蒸発プロセスを利用して実行され得る。この態様によれば、溶媒は、連続乳化プロセスに続く連続プロセス中の蒸発のみを利用して除去される。抽出は、必要とされず、その結果、必要とされるプロセス流及びプロセス設備は、抽出を含むものよりも少ない。
【0045】
この態様では、分散相又は分散相(複数)及び連続相は、上記のように準備される。乳化に続いて、乳剤又は二重乳剤は、蒸発プロセスに直接送られる。好ましい態様では、乳剤は、溶媒蒸気を引き出しながら真空又は減圧下に維持されている大型槽の中を流れる。その槽は、蒸発率を高めるために、例えば、内部流コイル又は外被を利用して加熱されてもよい。選択される圧力及び/又は温度は、選択される溶媒、ポリマー、及び薬剤、並びに、これらの材料の相対量に依存する。
【0046】
更に別の態様では、溶媒除去工程は、薄膜分離法による溶媒抽出を利用して実行され得る。この態様によれば、最初に、乳化に、抽出が続き、次に、薄膜分離工程が続いて、角質形成抽出工程の後に、溶媒の残りが除去される。例えば、分散相溶媒用に選択された半透過膜、適切な分画分子量の限外濾過膜、又は、適切な孔径のマイクロ濾過膜が、抽出相、即ち、抽出延滞管の注入点から、配管下流の一部の適所に利用され得る。
【0047】
この態様によれば、溶媒除去率は、薄膜の特性及び流体相の溶媒保持能力により制御される。この溶媒除去プロセスは、好ましくは、連続的に実行される。薄膜分離プロセスにより、溶媒抽出率の精密な制御も与えられ、当業者が、抽出分布の正確な微小被包プロセスを作り出すことが可能になり、例えば、その抽出分布は、コンピュータを用いて、連続操作の間に、例えば、周囲の抽出流体の流速を調節することにより制御、調節することができる。
【0048】
更に別の態様では、段階抽出法を利用して、溶媒除去工程を実行することができる。この態様によれば、溶媒除去工程は、単一の供給流ではなく複数の供給流を通じて、抽出相を乳剤又は二重乳剤内に注入することを含む。これにより、抽出相は、好ましくは連続プロセスで、1箇所ではなく、抽出延滞管に沿って2つ以上の場所で乳剤と配合される。
【0049】
この態様では、抽出相の各々の段階的添加は、その能力が、分散相溶媒を保つように等しい場合もあり、その増分が異なる場合もある。更に、抽出遅延管に沿った段階的添加位置は、抽出分布が慎重に組み込まれ得るように制御することができる。抽出相の吸入口の数が十分にある場合、抽出工程は、抽出相の添加率により、即ち、乳剤の希釈により抽出率が確定される、連続プロセスになり、効率的である。
【0050】
この態様では、この段階抽出法を利用して、微粒子から除去されるべき全ての溶媒を除去することができる。又は、段階抽出後に残っている溶媒を除去するために、部分的な抽出プロセスに、蒸発工程が続く場合もある。所定の組の条件での所望の抽出時間枠内での所望の抽出の程度は、経験的に定めることができる、又は、数学モデルを利用して算出することができる。
【0051】
更に別の態様では、溶媒除去プロセスは、2相溶媒抽出を利用して実行され得る。この溶媒抽出プロセスは、通常の3相ではなく2相のみを利用する。両方に対して同じ相を利用して、乳剤又は二重乳剤が形成され、溶媒が抽出される。このプロセスでは、必要とされるプロセス設備が、微小被包用の3相連続プロセスよりも少ない。本質的に簡易であるが、このプロセスでは、プロセス変数を注意深く制御する必要があり、なぜなら、一般に、乳剤又は二重乳剤は、抽出によりポリマーが沈降する前に球状分散相小滴を形成するのに十分に安定するような操作帯域が極めて狭いからである。
【0052】
この態様によれば、抽出に利用され得る2つの1次プロセス条件がある。第1条件は、溶媒の飽和レベルで操作することであり、溶媒抽出ではなく溶媒蒸発条件を作り出す。溶媒は、可能であれば、真空補助装置を利用して、急冷槽から取り除かれる。第2条件は、溶媒飽和レベル以下で操作することであり、溶媒抽出条件を作り出す。しかしながら、この条件のプロセス変数は、準安定な乳剤又は二重乳剤を与え、所望の直径及び表面特性を有する分散相小滴を形成するように注意深く調節されなければならない。
【0053】
第1溶媒が、抽出を利用して、例えば、上記の抽出手続のいずれかを利用して取り除かれる場合、抽出相は、一般に、連続相成分用の溶媒と、分散相溶媒用の限定溶媒と、ポリマー用の非溶媒とを含む。第1溶媒(又は、溶媒混合物が第1溶媒に利用される場合、最大の割合の第1溶媒成分)は、一般に、抽出相中への溶解度が、重量で約0.1%〜25%であるべきである。水不可溶性ポリマーが利用される場合、抽出相は、好ましくは、脱イオン水である。抽出相は、緩衝液を含み、抽出相中への薬剤の溶解度を限定し得る。
【0054】
燐酸塩、酢酸塩、又はトリス等のいずれかの共通の緩衝液は、抽出相での利用に適しているが、選択される表面活性系と相溶することが条件である。塩化ナトリウム、塩化カリウム等のような塩類も利用することができる。医薬用途又は生体医療用途の微粒子を作製する際、緩衝液は、その上、医薬上許容されるものであるべきである。緩衝系は、抽出相中への、活性剤の溶解度を最小にするようなpHを与えるように選択されるべきである。
【0055】
別の態様では、溶媒除去は、低温抽出工程を利用して、全体的に又は部分的に実行され得る。これは、冷却抽出媒体を利用して、乳剤又は二重乳剤中でポリマー、ポリマー用の溶媒、又はそれらの両方を凍結させるプロセスである。低温工程は、薬剤の移動度を制御する能力を増強し、溶媒及び温度の適切な選択に基づいて、その薬剤を微粒子に保つ。低温は、薬剤、特に、生体活性剤も安定させ得る。
【0056】
二重乳剤プロセスの場合に第3溶媒を含み、プロセスで利用される、分散相用の溶媒の選択は、一般に、選択されたポリマー及び薬剤、並びに、用いられるべき特定の溶媒除去手段に依存する。1つを超える溶媒は、分散相に利用される場合があり、例えば、同じであり得る又は異なり得る第1及び第3溶媒を含む。アセトン、メチルエチルケトン、乳酸エチル、酢酸エチル、ジクロロメタン、酢酸エチル/エチルアルコール混合物等の有機溶媒が、ポリラクチド、ポリグリコリド、ラクチド・グリコリド共重合体、ポリカプロラクトン、又はそれらの組み合わせ等のポリエステル類、並びに、セルロースエーテル類、セルロースエステル類、及びアクリル類との利用に好まれる。ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及びカルボキシメチルセルロース等の他のポリマーでは、第1溶媒として水が好まれ得る。
【0057】
分散相のポリマーは、多岐にわたる異なるポリマー類であり得る。ポリマーは、ブロック若しくはブロッキー共重合体又は三元重合体、ランダム共重合体又はランダム三元重合体、星形高分子、樹状高分子を含む、同種重合体類又は共重合体類であり得る。いずれかの所望の分子量ポリマーが、微粒子の所望の特性に応じて利用され得る。高強度のポリマーが望まれる場合、高分子量ポリマー類を利用して、例えば、強度要求に応じることができる。他の態様では、低分子量又は中間分子量のポリマー類が、例えば、微粒子強度ではなくポリマーの吸収時間が望まれる場合に、利用され得る。好ましくは、プロセスに利用されるポリマー類は、生体融合性と生体分解性の両方のものである。
【0058】
分解性微粒子では、分子量がポリマー分解速度に影響を与えることを踏まえて、ポリマーの分子量は、重要であり得る。拡散性の放出機構では、全ての製剤がポリマーから放出され、次に分解されるまで、ポリマーは、無傷のままであるべきである。製剤は、ポリマーが侵食される際にも、ポリマーから放出され得る。ポリマー材料を適切に選択することにより、結果として得られるポリマーが、拡散性放出特性と分解性放出特性の両方を表すように、ポリマー製剤を作製することができる。分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー、粘度、光散乱などの当該分野で周知の方法により測定し得る。
【0059】
ポリマーは、特定の媒体内に存在した後に、所望の時間間隔内で分解するように調合される。幾つかの態様では、時間間隔は、約1日未満〜約1ヶ月であり得る。より長い時間間隔は、6ヶ月まで延長し得る。例えば、ポリマーは、約0以上〜約6ヶ月間で、又は、約1〜約6ヶ月間で分解する。他の態様では、ポリマーは、2年又はそれ以上の、より長い時間で分解し、例えば、約0以上〜約2年、又は約1ヶ月〜約2年を含む。微粒子及び製剤の持続放出性調合物は、いずれかのこれらの期間にわたり、多岐にわたる放出分布の基で製剤を放出することができる。
【0060】
望ましい製剤放出機構は、ポリマーの選択に影響を与え得る。生体融合性ポリマーは、例えば、微粒子が被験体に投与された後に所望の経過時間で、そのポリマーから製剤を放出するように又は放出を可能にするように選択され得る。例えば、ポリマーは、製剤がその活性を低下し始める前に、製剤を放出するように又は放出を可能にするように選択することができ、なぜなら、製剤は、その活性を低下し始めるからであり、活性が部分的に低下する、例えば、少なくとも25%、少なくとも50%又は少なくとも75%低下する場合であり、活性が実質的に低下する場合であり、又は、製剤が完全になくなるか又は活性がもはやない場合である。
【0061】
適切なポリマーの特定例として、1つ以上のポリラクチド、ポリグリコリド、ラクチド・グリコリド共重合体、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ酪酸を含む共重合体、乳酸・カプロラクトン共重合体、ポリカーボネート、ポリエステルアミド、ポリ無水物、ポリジオキサノン、ポリアルキレンアルキレート、ポリエチレングリコール及びポリオルトエステルの共重合体、生体分解性ポリウレタン、ポリアミノ酸、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体、ポリアセタール類、ポリケタール類、ポリ燐酸エステル類、ポリヒドロキシ吉草酸類又はポリヒドロキシ吉草酸を含む共重合体、蓚酸ポリアルキレン類、琥珀酸ポリアルキレン、ポリマレイン酸、及び、それらの共重合体類、三元重合体類、組み合わせ又は混合物が挙げられる。
【0062】
乳酸系ポリマーは、Lラクチド、Dラクチド、及びD、Lラクチド、又はこれらの混合物を含むが、これらに限定されない、ラクチドの全てのラセミ体及び立体異性体を含む、いずれかのラクチド残留物を含み得る。ラクチドを含む有用なポリマー類として、ポリLラクチド、ポリDラクチド及びポリDLラクチド、並びに、Lラクチド・グリコリド共重合体、Dラクチド・グリコリド共重合体、及びDLラクチド・グリコリド共重合体を含むラクチド・グリコリド共重合体、若しくは、それらの共重合体類、三元重合体類、組み合わせ又は混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ラクチド/グリコリドポリマー類は、都合良く、ラクチド及びグリコリド単量体の開環を通じての溶融重合により作製され得る。加えて、ラセミDLラクチド、Lラクチド、及びDラクチドポリマー類は、市販されている。Lポリマー類は、更に結晶性であり、DLポリマー類よりも遅く再吸収される。グリコリド及びDLラクチド又はLラクチドを含む共重合体類に加えて、Lラクチド及びDLラクチドの共重合体類が、市販されている。ラクチド又はグリコリドの同種重合体類も、市販されている。
【0063】
特定の態様では、生体分解性ポリマーは、ラクチド・グリコリド共重合体、又は、ポリラクチドとポリグリコリドの混合物である場合、ポリマー中のラクチド及びグリコリドの量は、変化し得る。別の態様では、生体分解性ポリマーは、0〜100モル%、40〜100モル%、50〜100モル%、60〜100モル%、70〜100モル%、又は、80〜100モル%のラクチドと、0〜100モル%、0〜60モル%、10〜40モル%、20〜40モル%、又は30〜40モル%のグリコリドとを含み、ラクチド及びグリコリドの量は、100モル%である。別の態様では、生体分解性ポリマーは、ポリラクチド、モル比で、95:5ラクチド・グリコリド共重合体、85:15ラクチド・グリコリド共重合体、75:25ラクチド・グリコリド共重合体、65:35ラクチド・グリコリド共重合体、又は50:50ラクチド・グリコリド共重合体であり得る。同様に、ラクチド・カプロラクトン共重合体は、0:100モル%、40〜100モル%、50〜100モル%、60〜100モル%、70〜100モル%、又は80〜100モル%のラクチドと、0〜100モル%、0〜60モル%、10〜40モル%、20〜40モル%、又は30〜40モル%のカプロラクトンであり得る。
【0064】
本明細書で開示されるプロセスを利用して、様々な材料、幾つかの態様では、生体融合性及び生体分解性材料から微粒子を形成することができる。「生体分解性」は、本明細書で定義される場合、ポリマーが生体内で分解する又は侵食されて、より小さな化学種を形成することを意味し、例えば、酵素プロセス、化学プロセス、及び物理プロセスから、その分解が生じる。用語「生体融合性の」は、本明細書で用いられる場合、移植患者に無毒であり、移植患者の身体に有害な影響のない、ポリマーと、そのポリマーのいずれかの分解性生成物とを指す。適切な生体融合性、生体分解性ポリマー類の実例として、ポリエステル類(ポリヒドロキシ酸類)等の、上に考察されたもの多くが挙げられ、例えば、ポリラクチド類、ポリグリコリド類、ラクチド・グリコリド共重合体類、ポリ乳酸類、ポリグリコール酸類、乳酸・グリコール酸共重合体類、ラクチド・カプロラクトン共重合体類、ラクチド・グリコリド・カプロラクトン共重合体類、ポリ無水物類、ポリオルトエステル類、ポリエーテルエステル類、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド類、ポリホスファゼン類、ポリカーボネート類、ポリアミド類、並びに、それらの共重合体類及び混合物である。本明細書に記載されるプロセスでの利用に適した生体融合性、非生体分解性ポリマーとして、ポリアクリレート類、エチレン酢酸ビニル共重合体類、セルロースエーテル類及びセルロースエステル等の改質セルロース類、非分解性ポリウレタン類、ポリスチレン類、ポリ塩化ビニル、ポリ弗化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルイミダゾール、クロロスルホン化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、並びに、それらの共重合体類及び混合物が挙げられる。そのようなポリマー類の特定例が、上で考察される。
【0065】
実際には、微粒子から放出され得るいずれかの製剤が、本発明で利用され得る。その製剤は、生体活性剤である場合もあり、非生体活性剤である場合もある。本方法により被包され得る非生体活性剤の実例として、接着剤類、殺虫剤類、芳香剤類、防汚剤類、染料類、塩類、油類、インク類、美容剤、触媒類、洗浄剤類、硬化剤類、香味料類、食品類、燃料類、除草剤類、金属類、塗料類、写真薬剤類、殺生物剤類、顔料類、可塑剤類、推進剤類、溶媒類、安定剤類、ポリマー添加物類等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0066】
その上、ポリマーから媒体、例えば、被験体中へ放出され得る様々な種類の生体活性剤を利用することができる。「生体活性剤」は、本明細書で利用される場合、生体活性を有する製剤を指す。幾つかの態様では、生物剤を利用して、被験体内に存在する疾病、障害、又は感染を処置、診断、治癒、緩和、防止(即ち、予防措置で)、向上、変更する、又は、そうでない場合好ましい効果を有することができる。液体又は固体の生体活性剤を利用することができる。生体活性剤は、開示されるプロセスの性質に応じて、水溶性である場合もあり、水不溶性である場合もある。幾つかの態様では、生体活性剤は、少なくとも僅かに水溶性であり、好ましくは、中程度に水溶性である。生体活性剤として、活性成分の塩類が挙げられ得る。そのように、生体活性剤は、酸塩、塩基塩、又は両性塩であり得る。それらは、非イオン性分子、極性分子、又は水素結合し得る分子錯体であり得る。生体活性剤は、組成物内に、例えば、無帯電分子、分子錯体、塩、エーテル、エステル、アミド、ポリマー薬剤抱合体の形態で、又は、効果的な生体又は生理活性を与える他の形態で含まれ得る。
【0067】
利用され得る生体活性剤の実例として、小分子、ペプチド、ホルモン等の蛋白質、酵素、抗体、抗体片、抗体抱合体、アプタマー等の核酸、iRNA、siRNA、DNA、RNA、アンチセンス核酸等、アンチセンス核酸類似体等、VWEGF阻害剤、大環式ラクトン、ドーパミン刺激薬、ドーパミン拮抗薬、低分子量化合物、高分子量化合物、又は共役生体活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。開示される組成物に利用するために考慮される生体活性剤として、同化剤、酸中和物、抗喘息薬、抗コレステロール剤及び抗脂質剤、抗凝血剤、抗痙攣薬、止痢剤、鎮吐薬、抗菌剤及び抗微生物剤を含む抗感染症薬、消炎薬、抗躁薬、代謝拮抗剤、抗嘔吐薬、抗腫瘍薬、抗肥満薬、解熱剤及び鎮痛薬、鎮けい剤、抗血栓剤、鎮咳薬、抗尿酸薬、抗狭心症薬、抗ヒスタミン薬、食欲抑制薬、生物学的製剤、脳拡張薬、冠動脈拡張薬、気管支拡張薬、細胞毒薬物、充血緩和剤、利尿剤、診断薬、赤血球形成剤、去痰薬、消化管鎮静剤、血糖上昇薬、催眠薬、血糖降下薬、免疫修飾剤、イオン交換樹脂、緩下剤、鉱物補助剤、粘液溶解薬、神経筋肉薬、末梢血管拡張薬、向精神薬、鎮静剤、興奮剤、甲状腺薬及び抗甲状腺薬、組織増殖剤、子宮弛緩薬、ビタミン、又は抗原物質が挙げられる。
【0068】
他の生体活性剤として、アンドロゲン抑制剤、多糖類、成長因子、ホルモン、抗血管新生因子、デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、クエン酸カルベタペンテン、塩酸クロフェジアノール、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸フェニンダミン、マレイン酸ピリラミン、琥珀酸ドキシラミン、クエン酸フェニルトロキサミン、塩酸フェニレフリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸プソイドエフェドリン、エフェドリン、燐酸コデイン、硫酸コデインモルヒネ、鉱物補足物、コレスチラミン、N−アセチルプロカインアミド、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、塩酸フェニルプロパノールアミン、カフェイン、グアイフェネシン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質、アミノ酸、ホルモン、インターフェロン、サイトカイン、及びワクチンが挙げられる。
【0069】
他の生体活性剤として、ペプチド薬、蛋白質薬、治療用抗体、減感物質、抗原、抗生物質等の抗感染症薬、抗微生物剤、抗ウイルス物質と抗菌物質と駆虫物質と抗カビ物質及びそれらの組み合わせ、抗アレルギー薬、アンドロジェニックステロイド、充血緩和剤、催眠薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗コリン作用薬、交感神経興奮薬、鎮静剤、縮瞳薬、精神エネルガイザ、精神安定剤、ワクチン、エストロゲン、プロゲステロン作用薬、体液製剤、プロスタグランジン、鎮痛剤、鎮痙薬、抗マラリア薬、抗ヒスタミン剤、心作用薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗パーキンソン病薬、抗高血圧薬、β−アドレナリン遮断因子、栄養剤、及びベンゾフェナントリジンアルカロイドが挙げられるが、これらに限定されない。製剤は、更に、興奮剤、鎮静剤、睡眠薬、鎮痛剤、抗痙攣薬等として作用する能力のある物質であり得る。
【0070】
更に他の生体活性剤として、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸等の鎮痛剤、リドカイン、キシロカイン等の麻酔剤、デキセドリン、酒石酸フェンジメトラジン等の食欲不振薬、メチルプレドニゾロン、イブプロフェン等の抗関節炎薬、硫酸テルブタリン、テオフィリン、エフェドリン等の抗喘息薬、スルフイソキサゾール、ペニシリンG、アンピシリン、アミカシン、ゲンタマイシン、セファロスポリン類、テトラサイクリン類、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クリンダマイシン、イソニアジド、リファンピシン等の抗生物質、アムホテリシンB、ナイスタチン、ケトコナゾール等の抗真菌薬、アシクロビル、アマンタジン等の抗ウイルス薬、シクロホスファミド、メトトレキサート、エトレチナート等の抗がん剤、ヘパリン、ワルファリン等の抗凝血剤、フェニトインナトリウム、ジアゼパム等の抗痙攣薬、イソカルボキサジド、アモキサピン等の抗うつ薬、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤、インスリン、プロゲスチン群、エストロゲン群、コルチコイド群、糖性グルココルチコイド群、アンドロゲン群等のホルモン、ソラジン、ジアゼパム、塩酸クロルプロマジン、レセルピン、塩酸クロルジアゼポキシド等の精神安定剤、ベラドンナアルカロイド、塩酸ジシクロミン等の鎮頸剤、主要アミノ酸類、カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛、ビタミンB12等のビタミン及び鉱物、塩酸プラゾシン、ニトログリセリン、プロプラノロール塩酸塩、塩酸ヒドララジン、パンクレリパーゼ、琥珀酸デヒドロゲナーゼ等の心臓血管作用薬、LHRH、ソマトスタチン、カルシトニン、成長ホルモン、グルカゴン様ペプチド、成長ホルモン放出因子、アンギオテンシン、FSH、EGF、骨形成蛋白質(BMP)、エリスロポエチン(EPO)、インターフェロン、インターロイキン、コラーゲン、フィブリノゲン、インスリン、第VIII因子、第IX因子、エンブレル(登録商標)、リツキサン(登録商標)、ハーセプチン(登録商標)、アルファグルコシダーゼ、セレザイム/セレドーズ(登録商標)、バソプレッシン、ACTH、ヒト血清アルブミン、ガンマグロブリン、構造蛋白質、血液製剤蛋白質、蛋白質複合体、酵素、抗体、モノクロナル抗体等のペプチド及び蛋白質、プロスタグランジン群、核酸、炭水化物、脂質、モルヒネ、コデイン等の麻薬、精神治療薬、抗マラリア薬、L−ドーパ、フロセミドとスピロノラクトン等の利尿剤、塩酸ラニチジン、塩酸シメチジン等の抗潰瘍薬が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
生体活性剤は、免疫調節剤である場合もあり、例えば、サイトカイン、インターレクチン、インターフェロン、コロニー刺激因子、腫瘍壊死因子等、猫の鱗屑、カバノキ花粉、イエダニ、牧草花粉等のアレルギー源、肺炎連鎖球菌、ヘモフィルスインフルエンザ、黄色ブドウ球菌、化膿連鎖球菌、ジフテリア菌、リステリア菌、炭疽菌、破傷風菌、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌、髄膜炎菌、淋菌、ミュータンス菌、緑膿菌、腸チフス菌、パラインフルエンザ菌、百日咳菌、野兎病、ペスト菌、コレラ菌、レジオネラ菌、結核菌、らい菌、梅毒トレポネーマ、レプトスピラインタロガンス、ライム病ボレリア、カンピロバクタージェジュニ等の細菌生物の抗原、天然痘、インフルエンザA及びB、呼吸系発疹、パラインフルエンザ、はしか、HIV、SARS、水痘帯状疱疹、単純ヘルペス1型及び2型、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、乳頭腫ウイルス、ポリオウイルス、ムンプスウイルス、狂犬病、風疹、コクサッキーウイルス、馬脳炎、日本脳炎、黄熱、リフトバレー熱、リンパ球性脈絡髄膜炎、B型肝炎等のウイルスの抗原、クリプトコックス・ネオフォルマンス、ヒストプラスマ・カプスラーツム、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・トロピカリス、ノカルジア・アステロイデス、斑点熱リケッチア、発疹熱リケッチア、肺炎マイコプラズマ、クラミジア・シッタシ、クラミジア・トラコマチス、マラリヤ原虫、トリパノソーマ・ブルーセイ、赤痢アメーバ、トキソプラズマ、膣トリコモナス、マンソン住血吸虫等の真菌、原生動物、及び寄生生物の抗原が挙げられる。これらの抗原は、完全に殺傷された生物、ペプチド、蛋白質、糖蛋白質、炭水化物、又はこれらの組み合わせの形態であってもよい。
【0072】
別の特定の態様では、生体活性剤は、抗生物質を含む。抗生物質は、例えば、1つ以上のアミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、アンサマイシン類、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、カルバセフェム、ロラカルベフ、カルバペネム類、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファロスポリン類(第1世代)、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン(Cefalotin又はCefalothin)、セファレキシン、セファロスポリン類(第2世代)、セファクロル、セファマンドル、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セファロスポリン類(第3世代)、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジディム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロスポリン類(第4世代)、セフェピム、セファロスポリン類(第5世代)、セフトビプロール、糖ペプチド類、タイコプラニン、バンコマイシン、マクロライド、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、モノバクタム系抗生物質、アズトレオナム、ペニシリン類、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン、ピペラシリン、チカルシリン、ポリペプチド類、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、キノロン剤、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、スルホンアミド類、マフェナイド、プロントジル(初期)、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニルアミド(初期)、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム・スルファメトキサゾール(コトリモキサゾール)(TMP−SMX)、デメクロサイクリンとドキシサイクリンとミノサイクリンとオキシテトラサイクリンとテトラサイクリン等を含むテトラサイクリン類、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファンピシン(米国ではリファンピシン)、チニダゾール、ロピニロール、イベルメクチン、モキシデクチン、アファメラノタイド、シレンジタイド又はこれらの組み合わせであり得る。一態様では、生体活性剤は、リファンピシン(米国では、リファンピン)とミノサイクリンの組み合わせであり得る。
【0073】
開示されるプロセスにより調製される微粒子は、化粧品、農業、薬品等のような様々な用途に利用され得る。1つの特定の態様では、微粒子は、医薬組成物に利用され得る。医薬組成物では、製剤は、一般に、生体活性剤であるが、それである必要はない。例えば、放出可能な製剤は、生体不活性物質であり、医薬組成物でも利用される場合がある。微粒子を含む様々な医薬組成物は、都合良く、例えば、単位投与形態又は制御放出形態を含む所望の形態で調製され、医薬品分野で周知のいずれかの方法により調製され得る。一般に、医薬組成物は、必要であれば、担体又は細かく分割された固体担体若しくはそれらの両方と微粒子を均一に密接に対合させることにより調製される。幾つかの態様では、微粒子自体は、担体である場合がある、及び/又は、他の担体又は添加物と配合することができる。他の医薬担体も利用することができる。ポリマー(固体の場合)ではない固体担体の実例として、乳糖、白土、蔗糖、滑石、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸が挙げられる。ポリマー(液体の場合)ではない液体担体の実例は、液糖、ピーナッツ油、オリーブ油、及び水である。気体担体の実例として、二酸化炭素及び窒素が挙げられる。生体活性剤と混合され得る他の医薬上許容される担体又は成分として、例えば、脂肪酸、砂糖、又は塩が挙げられ得る。
【0074】
連続相は、分散相で利用される溶媒と部分的に又は全体的に混合しない溶媒を少なくとも含む。一般に、分散相が有機性である場合は、連続相の溶媒が水性であり、分散相が水性である場合は、連続相が水性ではない。このように、乳剤は、水中油型乳剤の場合もあり、油中水型乳剤の場合もある。その上、二重乳剤は、水−油−水型二重乳剤の場合もあり、油−水−油型二重乳剤の場合もある。
【0075】
幾つかの態様では、連続相は、水性である場合があり、少なくとも1つの界面活性剤又は乳化剤を更に含み得る。水が連続相溶媒として利用される場合は、ポリビニルアルコール(PVA)が、好ましい界面活性剤である。他の利用され得る乳化剤又は界面活性剤として、多くの乳化剤が挙げられ、例えば、卵レシチン又は大豆レシチン、若しくは、例えば、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン又はジステアロイルホスファチジルコリン等の飽和合成レシチン、又は、ジオレオイルホスファチジルコリン又はジリノレイルホスファチジルコリン等の非飽和合成レシチン等の合成レシチンが挙げられる。乳剤として、界面活性剤も挙げられ、例えば、遊離脂肪酸、ポリオキシプロピレングリコール及びポリオキシエチレングリコールのようなポリオキシアルキレン化合物と脂肪酸のエステル、ポリオキシアルキレングリコールと脂肪アルコールのエーテル、ポリオキシアルキル化ソルビタンと脂肪酸のエステル、石鹸、ステアリン酸グリセロールポリアルキレン、リシノール酸グリセロールポリオキシエチレン、ポリアルキレングリコールの同種重合体及び共重合体、ポリエトキシ化大豆油及びヒマシ油と水素化誘導体、脂肪酸類、脂肪アルコール類と蔗糖又は他の炭水化物のエーテル及びエステル、任意選択でポリオキシアルキル化されたもの、飽和又は不飽和脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリド、グリセリド類又は大豆油及び蔗糖である。他の乳剤として、タウロデオキシコール酸塩等のアミノ酸と抱合したものと抱合していないものの胆汁酸塩又は胆汁酸の天然及び合成形態、及びコール酸が挙げられる。
【0076】
連続相が、界面活性剤を含む場合、その界面活性剤は、選択された混合手段を利用して、分散相で安定した乳剤を形成するのに十分な濃度で存在しなければならない。例えば、プロセスが、乳剤遅延管乱流(以下に記載される)等の低い程度の乳化に依存する場合、連続相の表面張力を低下させるのに十分な界面活性剤が、存在しなければならない。好ましくは、界面活性剤は、重量で連続相の約0.1〜20%で構成されるべきである。
【0077】
連続相は、好ましくは、乳化中の分散相から連続相への溶媒の区分けを低減又は削除する分散相溶媒も含む。連続相に添加される分散相溶媒の量は、利用される特定のポリマー/製剤組み合わせに応じて変化し得る。一般に、分散相溶媒の量は、連続相を飽和させるのに必要とされる量の約5%〜100%であり、例えば、約7.5%である。上に考察されたように、抽出相と同様、連続相は、上に考察されたように、緩衝液又は塩を任意選択で更に含むことができる。連続相は、その相のpHを調節することにより更に操作され得る。
【0078】
本発明は、流体及び/又は固体の2つ以上の流れを混合するために、例えば動力不要ではない貫流式混合機に利用され、本発明のプロセスに利用され得るワークヘッド構造体にも関する。図2Aを参照して、動力不要ではない貫流式混合機に好ましいワークヘッド構造体3000は、混合チャンバ3150を形成し、混合チャンバ3150に連通する流体吸入口3201と、混合チャンバ3150に連通する流体吐出口3250とを定める、筐体3100を含む。ワークヘッド構造体3100は、吸入口3201に広がるように延びる篩メッシュ3300を含む。流体は、最初に、流体吸入口3201に入る際に、混合チャンバ3150に入る前に、流体吸入口3201に広がるように延びる篩3300を通過することになる。混合チャンバ3150では、筐体3100内に、篩3350と流体吐出口3250との間に位置する回転子3350があるので、回転子3350が回転する際、流体は、流体吸入口3201から篩メッシュ3300を介して吐出口3250へ誘導される。図2Aに示されるように、図1A〜1Cに示される装置とは対照的に、ワークヘッドは、混合チャンバ自体の中に篩の後に位置する貫通孔付き整流子又は篩や、回転子と流体吐出口との間に位置する篩がない。
【0079】
篩メッシュ3300は、上に考察されたようないずれかの所望の材料から作製することができるが、好ましくは、入ってくる流体に直面する際に腐食しない材料である。そのように、様々な種類の材料を篩に利用することができるが、一般に、特定の混合プロセスにより限定される。ワークヘッドの篩は、そのプロセスの選別工程を参照しつつ上に考察されたそれらの材料のいずれかを含み得る。
【0080】
篩の多孔率は、ワークヘッド構造体が利用される際の混合プロセスに応じて大きく変化し得る。例えば、ワークヘッド構造体が開示されたプロセスの連続相と分散相を混合するのに利用されている場合、その篩は、好ましくは、多孔率が、約0.1〜約1000μmであり、より好ましくは、約10〜500μmである。ワークヘッド構造体が開示されたプロセスで利用される特定例では、その篩は、多孔率が、約125μm又は約75μmである。
【0081】
操作中では、図2Aを再び参照して、流体は、流体吸入口3201に入り、吸入口3201に広がるように延びる篩3300を通過する際に、回転刃を一般に有するスピン回転装置3350に直面する。回転装置3350は、吸入口3201内の吸引を作り出すように機能し、流体を混合させ、流体を出口3250に向かって送り出す。回転装置は、所望の速度で回転子を回すための回転可能な軸3351を含み得る。そのような回転装置3350は、一般に、回転装置を駆動させる電源に応じて、1分当たり高い回転数で動作する。例えば、ワークヘッド構造体が、開示されるプロセスで利用される場合、回転装置3350の速度は、一般に、範囲が、1分当たり約10回転(RPM)〜約12,000RPMであり、好ましくは、約500RPM〜約1200RPMである。回転装置3350はスピンすると、上に混合環境と呼ばれているものを作り出す。
【0082】
流体吸入口3201及び吐出口3250は、混合チャンバ3150に流入及び流出する流体を含み得、特定のプロセスで混合工程を別の工程と接続させ得る、配管に接続され得る。ここで、図2Bを参照して、流体吸入口3201は、流体吸入管3200と連通し得る。流体吸入管3200は、他のプロセス流体を含み得る1つ以上の他の配管に分岐し得、又はその1つ以上の他の配管を含み得る。例えば、図2Bを参照して、主要吸入管3200と連通する、副次吸入管3202がある。プロセスに応じて、副次吸入管3202の場所は、主要吸入管3200を通り抜ける流体と2つ以上の流体を配合することになる時と方法に影響を与えるので、重要であり得る。例えば、開示されたプロセスのように、ワークヘッド構造体が微小被包プロセスに利用されている場合、副次吸入管は、範囲が約0〜約20cm、好ましくは、約0〜5.5cm、より好ましくは、約0〜約0.6cmである、例えば、0.32cmと0.64cmとを含む、距離3353に位置し得る。
【0083】
図2Cを参照して、流体吸入口3201は、流体吸入管3200と連通し、分散相等の流体を導入可能な内部吸入管3260とも連通し得る。内部吸入管3260は、外部流体吸入口管3200内に位置する。内部管3260は、いずれかの適切な手段を介して、例えば、外部管内で内部管を支える支柱を介して、外部管に固定され得る。この実施形態では、内部管3260は、篩から距離3355に位置し得る。この距離は、一般に、範囲が、0〜20cm、好ましくは、約0〜約5.5cm、より好ましくは、約0〜約0.6cmであり、例えば、0.32cmと0.64cmを含む。距離3355は、篩の近くに又は篩から遠くに内部管3260を滑らせることにより変化し得る。副次吸入管の位置と同様に、内部管の位置は、一般に、分散相及び連続相等の2つの流体が混合する点に影響を与えることになり、従って、適切に調節され得る。
【0084】
開示されるプロセス及び図2A〜2Cを参照して、分散相は、主要吸入管3200(又は、内部管3260)を通り抜けることができるのに対し、連続相は、副次吸入管3202を通り抜けることができる。連続相が、副次吸入管3202(又は、内部管3260)を通り抜ける際に、分散相(又は、1次乳剤)及び連続相は、配合されるが、必ずしも混合させる必要はない。配合相は、上では、プロセス流と呼ばれている。次に、プロセス流は、吸入口3201に入り込み、乳剤中で微小液滴を形成するのに役立ち得る篩3300を通り抜ける。次に、プロセス流は、回転装置3350に直面し、回転装置3350により作り出される混合環境中で混合される。次に、乳剤又は二重乳剤は、流体吐出口3250に押し通され、微小被包プロセスに沿って進む。幾つかの態様では、開示されるプロセスによる次の段階は、抽出又は乾燥段階であり、溶媒が、微小液滴又は二重乳剤から部分的に又は完全に取り除かれることにより、微粒子が与えられる。
【0085】
いずれかの所望の方法に従って、ワークヘッド構造体を作製することができる。好ましい態様では、ワークヘッド構造体は、シルバーソン社製混合機等の貫流式混合装置の従来の又は市販のワークヘッドを変更することにより作製される。その変更は、ワークヘッド(例えば、図1A〜1Cでは、部品1107)から整流子を取り除くこと、篩を流体吸入口に広がるように設置することを含む。
【0086】
実施例
以下の実施例は、本明細書で特許請求される化合物、組成物、物品、装置及び/又は方法がどのように作り出され、評価されるのかを当業者に完全に開示し、記述するように示されており、本発明の単なる例示であると意図され、発明者が発明と見なすものの範囲を限定するものと意図されていない。数量(量、温度等)に関して精度を確保するように努力されているが、ある誤差及び逸脱が考慮されるべきである。特に指示がなければ、部は、重量部であり、温度は、℃であるか又は室温であり、圧力は、大気圧又はその付近である。粒径分析は、レーザ回折により実行された。報告される寸法は、体積平均統計に基づく。
【0087】
実施例1.ワークヘッド構造体の準備
動力不要ではない貫流式混合機用のワークヘッド構造体は、市販のシルバーソン社製L4R−TAインライン型混合機ヘッド(シルバーソン精機株式会社、イーストロングメドー、マサチューセッツ州、米国)を変更することにより以下のように準備された。篩は、シルバーソン社製L4R−TAインライン型混合機ヘッドから取り除かれ、孔径が75μm〜125μmの篩は、混合機ヘッドの底板上の取り込み(吸入)口の開口部に配置された。整流子(例えば、図1では、部品1107)が、混合機ヘッドから取り除かれた。分散相用の注入管は、篩の前に配置された。注入管は、篩の前に、注入管と篩との間の距離が0インチ〜0.125インチ又は約0.25インチのどちらかであるように配置された。これらの距離は、注入管に最も近い篩の側面から、篩に最も近い注入管の頂部までで計測された。分散相用の配管の直径は、0.125インチ又は0.25インチのどちらかであった。連続相用の注入管は、ワークヘッド構造体の吸入口に直列に配置された。
【0088】
実施例2.125μmの篩を利用して準備された偽薬微粒子
微粒子のバッチは、実施例1に記載されるような125μm篩を備えたワークヘッド構造体を利用したプロセスで準備された。平均分散相(DP)の流速は、約25g/分であり、平均連続相(CP)の流速は、約200g/分であったので、その篩を通る全流速(DP+CP速度、g/分)は、約225g/分であった。本実施例では、全流速(DP+CP速度)が、初期の75%(約170g/分)又は初期の50%(約112g/分)のどちらかに下げられたが、CP流速対DP流速の固定比率は保持された。平均抽出相の流速は、約1500g/分であった。全てのバッチに対する分散相中のポリマー濃度は、酢酸エチル中で20%であった。利用されたポリマーは、固有粘度(IV)が約0.36dL/gのポリ(D、L−ラクチド)であった。連続相は、7.5%の酢酸エチルで飽和された2重量%のポリビニルアルコール(PVA)溶液であった。表1に示される粒径データは、硬化槽から取得された。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。表1は、結果を示す。これらの微粒子は、「偽薬」微粒子であり、薬剤を含まなかった。粒径分布の幅は、粒子の50%がD50の値よりも大きいか又は小さい、パラメータD50ばかりでなく、粒子の10%がD10よりも小さい粒径を表記するD10も利用することにより表記された。その上、D90は、粒子の90%がD90の値よりも小さい粒径を表記する。粒径分布の幅は、以下の式:幅=(D90−D10)/D50により表記され得る。幅の値が小さいほど、粒径分布は狭くなる。
【0089】
【表1】
【0090】
ロット番号00210−119−00から得られるデータから導出された粒径分布の線図が、図3に示される。
【0091】
実施例3.75μmの篩を利用して準備された偽薬微粒子
微粒子のバッチは、実施例1に記載されるような75μm篩を備えたワークヘッド構造体を利用したプロセスで準備された。平均分散相(DP)の流速は、約25g/分であった。平均連続相(CP)の流速は、約200g/分であった。平均分散相(DP)の流速は、25g/分であった。本実施例では、全流速(DP+CP速度)は、初期の75%(約170g/分)又は初期の50%(約112g/分)のどちらかに下げられたが、CP流速対DP流速の固定比率は保持された。平均抽出相の流速は、約1500g/分であった。全てのバッチに対する分散相中のポリマー濃度は、酢酸エチル中で20%であった。利用されたポリマーは、固有粘度(IV)が約0.36dL/gのポリ(D、L−ラクチド)であった。連続相は、7.5%の酢酸エチルで飽和された2重量%のポリビニルアルコール(PVA)溶液であった。表2に示される粒径データは、硬化槽から取得された。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。表2は、結果を示す。これらの微粒子は、「偽薬」微粒子であり、活性剤を含まなかった。
【0092】
【表2】
【0093】
実施例4.篩/回転子ワークヘッドとの比較のための、回転子/整流子ワークヘッドを利用して準備された偽薬微粒子(ロット00277−039)
微粒子のバッチは、実施例1に記載されるような市販のシルバーソン社製L4R−TAインライン混合機(変更されていないシルバーソン社製L4R−TA)上の標準的な回転子/整流子型ワークヘッド構造体を利用したプロセスで準備された。平均分散相(DP)の流速は、約50g/分であり、平均連続相(CP)の流速は、約250g/分であった。平均抽出相の流速は、約1500g/分であった。全てのバッチに対する分散相中のポリマー濃度は、酢酸エチル中で20%であった。利用されたポリマーは、固有粘度(IV)が約0.36dL/gのポリ(D、L−ラクチド)であった。連続相は、7.5%の酢酸エチルで飽和された2重量%のポリビニルアルコール(PVA)溶液であった。表3に示される粒径データは、硬化槽から取得された。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。表3は、結果を示す。これらの微粒子は、「偽薬」微粒子であり、活性剤を含まなかった。比較のために、「偽薬」微粒子は、125ミクロン篩と500rpmの回転速度を用いた本発明の方法により作製された。DP流速は、約50g/分であり、CP流速は、約250g/分であり、EP流速は、約2500g/分であった(ロット00277−039−00)。
【0094】
【表3】
【0095】
ロット番号00277−090−00から得られたデータから導かれた粒径分布の線図が、図4に示される。
【0096】
実施例5.125μm篩を用いて準備されたゴセレリン充填微粒子
ゴセレリン充填微粒子のバッチは、実施例1に記載されるような125μm篩を備えたワークヘッド構造体を利用したプロセスで準備された。理論的なゴセレリンの充填率は、10重量%であり、実際のゴセレリンの充填率は、4.2%であった。平均分散相(DP)の流速は、約25g/分であった。平均連続相(CP)の流速は、約200g/分であった。平均抽出相の流速は、約1500g/分であった。全てのバッチに対する分散相中のポリマー濃度は、酢酸エチル中で20%であった。利用されたポリマーは、固有粘度(IV)が約0.36dL/gのポリ(D、L−ラクチド)であった。連続相は、7.5%の酢酸エチルで飽和された2重量%のポリビニルアルコール(PVA)溶液であった。粒径データは、硬化槽から取得された。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。表4は、結果を示す。
【0097】
【表4】
【0098】
実施例6.125μm篩を利用して準備されたナルトレソン充填微粒子
ナルトレソン充填微粒子のバッチは、実施例1に記載されるような125μm篩を備えたワークヘッド構造体を利用したプロセスで準備された。理論的なナルトレソンの充填率は、25重量%であり、実際のナルトレソンの充填率は、20重量%であった。平均分散相(DP)の流速は、約52g/分であった。平均連続相(CP)の流速は、約249g/分であった。平均抽出相の流速は、約2500g/分であった。分散相中のポリマー濃度は、酢酸エチル中で20%であった。利用されたポリマーは、固有粘度(IV)が約0.36dL/gのポリ(D、L−ラクチド)であった。連続相は、7.5%の酢酸エチルで飽和された2重量%のポリビニルアルコール(PVA)溶液であった。粒径データは、硬化槽から取得された。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。表5は、結果を示す。
【0099】
【表5】
【0100】
実施例7.ワークヘッド構造体を利用したプロセス中のパラメータの変化
あるプロセスパラメータは、実施例1に記載された修正されたワークヘッド構造体を利用したプロセス中に変えられた。微粒子は、固有粘度が約0.4dL/gの75:25ラクチド・グリコリド共重合体(75%ラクチド、25%グリコリド)(756、トム・マーチンドライブ、バーミンガム、アラバマ州、35211のレイクショア・バイオマテリアルズ社から入手可能)から調製された。分散相は、酢酸エチル中に20重量%のポリマーを含んでいた。連続相は、7.5%酢酸エチルとして飽和された溶液中に1重量%のポリビニルアルコールを含んでいた。バッチ寸法は、10グラムであった。微粒子は、20μm篩上で収集され、次に、凍結乾燥された。収率は、初期のポリマー入力と、20ミクロン篩での篩掛け及び凍結乾燥の後に収集された微粒子の重量とに基づく。125μmのスカルピング篩は、利用されなかった。実験の設定では、連続相の流速、CP/DP比、回転子の速度、篩の孔径、分散相管の直径、篩に対する分散相管の位置は、全てが、異なるプロセス実行で変えられた。プロセスパラメータは、表6及び表8に示され、これらのプロセスパラメータを利用して調製された粒子で観測された粒子特性は、表7及び表9にそれぞれ示される。表6に示されたプロセスパラメータと共に利用された篩は、125μmであった。表8に示されたプロセスパラメータと共に利用された篩は、75μmであった。表8に示されるプロセスパラメータでは、分散相管の位置は、篩から短距離に置かれた。
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】
ロット番号00339−006及び00339−027の粒径分布の線図は、それぞれ、図5及び図6に示される。これらのロットは、篩から0.25インチ離れた分散相管を用いて調製された。ロット番号00339−033及び00339−143の粒径分布の線図は、それぞれ、図7及び図8に示される。これらのロットは、おおよそ篩位置での、又は、篩から約0cm離れた分散相管を用いて調製された。
【0104】
表7からの結果は、CP流速、配管位置、配管直径、回転子速度及びCP/DP比を変えつつ、125μmの篩寸法を利用することにより、複数の粒径が生成され得たことを示す。一般に、流速が速く、配管直径が小さくなれば、粒径がより小さくなった。8調合物のうち4つでは、130ミクロン未満の粒径が、125ミクロン篩で生成された。全てのバッチでは、80%超過の極めて高い収率が示された。
【0105】
【表8】
【0106】
【表9】
【0107】
ロット番号00339−107及び00339−063の粒径分布の線図は、それぞれ、図9及び図10に示される。これらのロットは、篩から0.25インチ離れた分散相管を用いて調製された。ロット番号00339−116及び00339−069の粒径分布の線図は、それぞれ、図11及び図12に示される。これらのロットは、おおよそ篩位置での、又は、篩から約0.125インチ離れた分散相管を用いて調製された。
【0108】
表9からの結果は、CP流速が速くなり、DP配管直径が大きくなれば、粒径がより大きくなる傾向があったことを示す。回転子速度、CP/DP比又はCP流速を変えることにより、配管直径の影響を相殺し易くなった。一般に、D90/D10寸法比の低いバッチは、D90寸法が、ほぼ70ミクロンであった。ここでは、孔径未満の粒子を生成する75ミクロン篩の影響が示される。75ミクロン篩の利用は、注射可能な微粒子製品に利用され得る所望の粒径を生成するのに役立った。
【0109】
表7及び表9の両方に示されるように、微粒子製品の収率は、75%を超えた。幾つかの事例では、粒径が許容されるものである、90%超過の収率が得られた。収集では、いずれの場合も、より大きな粒子を取り除くための125ミクロン選別工程は利用されなかった。幾つかの場合では、粒径分析により、125ミクロン超過の粒子がないことが示されたが、得られた収率は、例えば、ロット番号00339−063で、極めて高かった。
【0110】
本明細書に記載される化合物、複合物、用具一式、物品、装置、組成物、及び方法は、様々に修正、変更することができる。本明細書に記載される化合物、複合物、用具一式、物品、装置、組成物、及び方法の他の態様は、本明細書に記載される化合物、複合物、用具一式、物品、装置、組成物、及び方法の仕様及び実施を考慮することで明らかになる。本明細書及び実施例は、例示として見なされることが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子を作製するプロセスであって、
(a)(i)ポリマー及び製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む分散相と、(ii)前記第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第2溶媒を含む連続相と、を含むプロセス流を与えることと、
(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、工程(a)及び/又は(b)の間に、前記連続相中に分散相の微小液滴を含む乳剤が形成されることと、
(c)前記微小液滴から前記第1溶媒を少なくとも実質的に除去し、前記微粒子を形成することと、
を含む、プロセス。
【請求項2】
第1溶媒が有機溶媒である、請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
前記プロセス流が、前記混合環境内で実質的に選別されない、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第2溶媒が水性溶媒である、請求項1乃至3の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記連続相が界面活性剤を更に含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記ポリマーが生体分解性又は生体融合性ポリマーである、請求項1乃至5の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記ポリマーが、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、又はそれらの共重合体若しくは組み合わせを含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記製剤が生体活性剤である、請求項1乃至7の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記溶媒除去工程が、凍結乾燥又は低温抽出により実行される、請求項1乃至8の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
微粒子を作製するプロセスであって、
(a)(i)製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む第1分散相と、(ii)第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合せずにポリマーがその中に溶解又は分散された第2溶媒を含む第2分散相との微小液滴を含む1次乳剤と、第2溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第3溶媒を含む連続相と、を含む、プロセス流を与えることと、
(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、工程(a)又は(b)の間に、連続相中に前記第1分散相及び第2分散相を含む二重乳剤が形成されることと、
(c)前記二重乳剤から前記第2溶媒を少なくとも実質的に除去し、前記微粒子を形成することと、
を含む、プロセス。
【請求項11】
前記第1溶媒が水性溶媒である、請求項10記載のプロセス。
【請求項12】
前記第2溶媒が有機溶媒である、請求項10又は11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第3溶媒が水性溶媒である、請求項10乃至12の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記連続相が界面活性剤を更に含む、請求項10乃至13の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記ポリマーが生体分解性ポリマーである、請求項10乃至14の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記ポリマーが、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、又はそれらの共重合体若しくは組み合わせを含む、請求項10乃至15の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記製剤が生体活性剤である、請求項10乃至16の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
動力不要ではない貫流式混合機用のワークヘッド構造体であって、
混合チャンバを形成し、前記混合チャンバに連通する流体吸入口と前記混合チャンバに連通する流体吐出口とを定める、筐体と、
前記吸入口に広がるように延びる篩メッシュと、
前記篩と前記流体吐出口との間の前記筐体内に位置し、回転時に流体が前記吸入口から前記篩メッシュを通って前記吐出口へ誘導されるような、回転子と
を含む、ワークヘッド構造体。
【請求項19】
前記回転子と前記流体吐出口との間に、篩が配置されていない、請求項18記載のワークヘッド構造体。
【請求項20】
前記回転子と前記流体吐出口との間に、貫通穴付き整流子が配置されていない、請求項18又は19に記載のワークヘッド構造体。
【請求項21】
前記篩メッシュの平均孔径が、約0.1〜約1000μmである、請求項18乃至20の何れか1項に記載のワークヘッド構造体。
【請求項22】
前記篩メッシュの平均孔径が、約1〜約500μmである、請求項18乃至21の何れか1項に記載のワークヘッド構造体。
【請求項23】
前記篩メッシュの平均孔径が、約10〜約200μmである、請求項18乃至22の何れか1項に記載のワークヘッド構造体。
【請求項24】
前記流体吸入口が、流体吸入管と連通している、請求項18乃至23の何れか1項に記載のワークヘッド構造体。
【請求項1】
微粒子を作製するプロセスであって、
(a)(i)ポリマー及び製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む分散相と、(ii)前記第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第2溶媒を含む連続相と、を含むプロセス流を与えることと、
(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、工程(a)及び/又は(b)の間に、前記連続相中に分散相の微小液滴を含む乳剤が形成されることと、
(c)前記微小液滴から前記第1溶媒を少なくとも実質的に除去し、前記微粒子を形成することと、
を含む、プロセス。
【請求項2】
第1溶媒が有機溶媒である、請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
前記プロセス流が、前記混合環境内で実質的に選別されない、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第2溶媒が水性溶媒である、請求項1乃至3の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記連続相が界面活性剤を更に含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記ポリマーが生体分解性又は生体融合性ポリマーである、請求項1乃至5の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記ポリマーが、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、又はそれらの共重合体若しくは組み合わせを含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記製剤が生体活性剤である、請求項1乃至7の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記溶媒除去工程が、凍結乾燥又は低温抽出により実行される、請求項1乃至8の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
微粒子を作製するプロセスであって、
(a)(i)製剤がその中に溶解又は分散された第1溶媒を含む第1分散相と、(ii)第1溶媒中に部分的に又は全体的に混合せずにポリマーがその中に溶解又は分散された第2溶媒を含む第2分散相との微小液滴を含む1次乳剤と、第2溶媒中に部分的に又は全体的に混合しない第3溶媒を含む連続相と、を含む、プロセス流を与えることと、
(b)前記プロセス流を篩に通し、混合環境内に通過させることにより、工程(a)又は(b)の間に、連続相中に前記第1分散相及び第2分散相を含む二重乳剤が形成されることと、
(c)前記二重乳剤から前記第2溶媒を少なくとも実質的に除去し、前記微粒子を形成することと、
を含む、プロセス。
【請求項11】
前記第1溶媒が水性溶媒である、請求項10記載のプロセス。
【請求項12】
前記第2溶媒が有機溶媒である、請求項10又は11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第3溶媒が水性溶媒である、請求項10乃至12の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記連続相が界面活性剤を更に含む、請求項10乃至13の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記ポリマーが生体分解性ポリマーである、請求項10乃至14の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記ポリマーが、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、又はそれらの共重合体若しくは組み合わせを含む、請求項10乃至15の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記製剤が生体活性剤である、請求項10乃至16の何れか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
動力不要ではない貫流式混合機用のワークヘッド構造体であって、
混合チャンバを形成し、前記混合チャンバに連通する流体吸入口と前記混合チャンバに連通する流体吐出口とを定める、筐体と、
前記吸入口に広がるように延びる篩メッシュと、
前記篩と前記流体吐出口との間の前記筐体内に位置し、回転時に流体が前記吸入口から前記篩メッシュを通って前記吐出口へ誘導されるような、回転子と
を含む、ワークヘッド構造体。
【請求項19】
前記回転子と前記流体吐出口との間に、篩が配置されていない、請求項18記載のワークヘッド構造体。
【請求項20】
前記回転子と前記流体吐出口との間に、貫通穴付き整流子が配置されていない、請求項18又は19に記載のワークヘッド構造体。
【請求項21】
前記篩メッシュの平均孔径が、約0.1〜約1000μmである、請求項18乃至20の何れか1項に記載のワークヘッド構造体。
【請求項22】
前記篩メッシュの平均孔径が、約1〜約500μmである、請求項18乃至21の何れか1項に記載のワークヘッド構造体。
【請求項23】
前記篩メッシュの平均孔径が、約10〜約200μmである、請求項18乃至22の何れか1項に記載のワークヘッド構造体。
【請求項24】
前記流体吸入口が、流体吸入管と連通している、請求項18乃至23の何れか1項に記載のワークヘッド構造体。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−515059(P2013−515059A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546038(P2012−546038)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/060473
【国際公開番号】WO2011/087689
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512069658)エボニック デグサ コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/060473
【国際公開番号】WO2011/087689
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512069658)エボニック デグサ コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】
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