説明

微粒子状イプシロン−銅フタロシアニン−顔料調合物

本発明は、C.I.ピグメントブルー15:6の顔料調合物に関し、該顔料調合物は、それぞれC.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて、C.I.ピグメントブルー80、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド177及びジケトピロロピロール系顔料からなる群から選択される調色用着色剤0.1〜50重量%、および次式(1)の添加剤0.5%〜15重量%を含む。
【化1】


本発明の顔料調合物は、湿式粉砕、特にソルトニーディングの使用によって製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イプシロン変態の微細な銅フタロシアニン(ピグメントブルー15:6、CI74160)、及び有機系の青色顔料、紫色顔料、又は赤色顔料から選択される少なくとも一つの更なる顔料からなる顔料調合物、及び特にカラーフィルターでのその使用に関する。
【0002】
青色顔料は、カラーフィルターに使用される場合に、色強度(Farbstaeke)、色相の純度、透明性、レオロジー及びそれらのコントラスト値に関して向上させる必要がしばしばある。カラーフィルターに使用される青色顔料は、主として銅フタロシアニン顔料、特にイプシロン変態の銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)をベースとする。
【0003】
商業的に重要な銅フタロシアニンの三つの結晶変態、すなわちアルファ変態(C.I.ピグメントブルー15:1と15:2)、ベータ変態(C.I.ピグメントブルー15:3と15:4)、及びイプシロン変態(C.I.ピグメントブルー15:6)のうち、イプシロン変態は、最も赤みを有する青色の結晶相を示す。それ以外に、この変態は高い色強度を有し、かつ特別純粋な色相を示す。これらの特徴により、C.I.ピグメントブルー15:6は、特定の用途、例えばコーティング、印刷、又はプラスチック、並びに光学ディスプレイに使用されるカラーフィルターの分野に、あるいは顔料着色フォトレジストとしても、特に関心が持たれている。イプシロン相の熱力学的安定性は、アルファ相とベータ相の間である。これは相的に純粋なイプシロン変態の製造の障害となる。
【0004】
イプシロン変態の製造は、様々な方法に従って、すなわち特定の粗製青色合成(米国特許第3,051,721号明細書(特許文献1)、米国特許第4,135,944号明細書(特許文献2))、有機溶剤及びそれらと水の混合物中での銅フタロシアニンの処理(独国特許出願公開第2210072号明細書(特許文献3)、欧州特許出願公開第1580239号明細書(特許文献4))によって、あるいはソルトニーディング(欧州特許出願公開第1130065号明細書(特許文献5))によって行うことができる。
【0005】
特に、相を安定化させる添加剤を使用する方法の場合、このような添加剤は、溶剤処理の際だけでなくソルトニーディング中においても相安定化効果を有することが求められる。しかしながら、これまでのところ、フタロシアニンベースの添加剤だけが、そのように広く有用な効力を有するものとして開示されている。しかしながら、それらのほとんが、色相を緑色の方へ変化させるという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,051,721号明細書
【特許文献2】米国特許第4,135,944号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第2210072号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1580239号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1130065号明細書
【特許文献6】独国特許出願番号第102007001851.9号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第2210072号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、特に自動車製造及び工業用塗料における効果塗料、カラーフィルター、インクジェットインキ、電子写真用トナー及び現像剤、電子インキ(e−inks)における使用のための、赤みがかった青色色相を有する高い透明性の着色剤を提供することであった。
【0008】
本発明の更なる課題は、できる限り相が純粋なイプシロン変態を有し、そしてできる限り赤みがかった色相を有する銅フタロシアニン調合物の製造を可能にする添加剤を見出すことであった。更に、目的の添加剤は、フタロシアニン合成の様々な工程段階において相安定化効果を有することが望まれる。
【0009】
驚くべきことに、上記課題は以下に述べる顔料調合物によって解決された。
【0010】
本発明の対象は、C.I.ピグメントブルー15:6の顔料調合物であり、それぞれC.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて、C.I.ピグメントブルー80、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド177及びジケトピロロピロール系顔料、特に、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255及びC.I.ピグメントレッド264からなる群から選択される調色用着色剤(Nuancierfarbmittels)0.1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%、及び次式(1)で表される添加剤0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、特に2〜5重量%を含む、上記顔料調合物である。
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、
、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素; C−C22アルキル又はC−C22アルケニル(これら炭素鎖のそれぞれは、−O−、−S−、−NR−、−CO−又はSO−の一つ又はより多くの基(Gruppierungen)によって割り込まれることができ、及び/又はヒドロキシル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルコキシ及び/又はアセチルで一回又は複数回置換されることができる); C−C−シクロアルキル(その炭素骨格は、−O−、−S−、−NR10−、−CO−又はSO−の一つ又はより多くの基によって割り込まれることができ、及び/又はヒドロキシ、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−C−アルコキシ及び/又はアセチルで一回又は複数回置換されることができる); デヒドロアビエチル又はアリール又はヘテロアリールを意味し、ここで、R及びR10は、互いに独立して、水素又はC−C22−アルキルを意味するか、あるいは、R、R、R及びRは、場合によっては末端がアルキル化されいるポリオキシアルキレン鎖を意味する)
【0013】
ここで、アリールは、好ましくはC−C10−アリール、特にフェニル又はナフチルを意味する。ヘテロアリールはここで、好ましくは、場合によってはベンゾ縮合された(benzoanneliert)5−又は6−員のヘテロ芳香環であり、N、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子を1、2、3又は4個有する。
【0014】
、R、R及びRは、好ましくは水素を意味する。
【0015】
及びRは、好ましくは(C−C−アルキレン)−O−(C−C16−アルキル)を意味する。
【0016】
本発明の目的における好ましい添加剤は、次の一般式(2)で表される化合物である。
【0017】
【化2】

【0018】
(式中、
及びRは、互いに独立して、水素; C−C19アルキル又はC−C19アルケニル(これら炭素鎖のぞれぞれは、−O−、−S−、−NR−、−CO−又はSO−の一つ又はより多くの基によって割り込まれることができ、及び/又はヒドロキシル、ハロゲン、C−Cアルコキシ及び/又はアセチルで一回又は複数回置換されることができる)、あるいは式−(AO)−Zの基(式中、Aはエチレン又はプロピレンであり、Zは水素又はC−C16−アルキルであり、そしてnは1〜200、好ましくは10〜100の数である); C−C−シクロアルキル(その炭素骨格は、−O−、−S−、−NR10−、−CO−又はSO−の一つ又はより多くの基によって割り込まれることができ、及び/又はヒドロキシ、ハロゲン、C−C−アルコキシ及び/又はアセチルで一回又は複数回置換されることができる)を意味し、ここで、R及びR10は、互いに独立して、水素又はC−C22−アルキルを意味する)
【0019】
本発明の目的において特に好ましいのは、次式(3)で表される添加剤である。
【0020】
【化3】

【0021】
上記式(1)、式(2)及び式(3)の添加剤は、ナフチルジイソシアナートと対応するアミンとの反応による既知の方法で製造することができる。
【0022】
特に好ましいのは、それぞれC.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて、2.5〜20重量%のC.I.ピグメントブルー80、及び0.5〜15重量%、特に1〜10重量%、例えば2〜5重量%の上記式(1)の添加剤を含む、C.I.ピグメントブルー15:6の顔料調合物である。
【0023】
特に好ましいのは、それぞれC.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて、2.5〜25重量%のC.I.ピグメントバイオレット23、及び0.5〜15重量%、特に1〜10重量%、例えば2〜5重量%の上記式(1)の添加剤を含む、C.I.ピグメントブルー15:6の顔料調合物である。
【0024】
特に好ましいのは、それぞれC.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて、20〜40重量%のC.I.ピグメントレッド122、及び0.5〜15重量%、特に1〜10重量%、例えば2〜5重量%の上記式(1)の添加剤を含む、C.I.ピグメントブルー15:6の顔料調合物である。
【0025】
特に好ましいのは、それぞれC.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて、1〜25重量%のC.I.ピグメントバイオレット19、及び0.5〜15重量%、特に1〜10重量%、例えば2〜5重量%の上記式(1)の添加剤を含む、C.I.ピグメントブルー15:6の顔料調合物である。
【0026】
特に好ましいのは、それぞれC.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて、1〜20重量%のC.I.ピグメントレッド177、及び0.5〜15重量%、特に1〜10重量%、例えば2〜5重量%の上記式(1)の添加剤を含む、C.I.ピグメントブルー15:6の顔料調合物である。
【0027】
特に好ましいのは、それぞれC.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて、1〜20重量%のC.I.ピグメントレッド254、及び0.5〜15重量%、特に1〜10重量%、例えば2〜5重量%の上記式(1)の添加剤を含む、C.I.ピグメントブルー15:6の顔料調合物である。
【0028】
上述の特に好ましい顔料調合物は、好ましくは上記式(2)、特に式(3)の添加剤を含む。
【0029】
本発明による顔料調合物は、更に別の慣用の助剤又は添加剤、例えば、界面活性剤、非顔料系分散剤、顔料系分散剤、好ましくはフタロシアニン−スルホン酸及び−スルホン酸塩、特に第一、第二、又は第三アンモニウム−フタロシアニン−スルホナート、充填剤、規定剤(Stellmittel)、樹脂、ワックス、消泡剤、防塵剤、エキステンダー、帯電防止剤、保存料、乾燥遅延剤、レオロジーを制御する添加剤、湿潤剤、酸化防止剤、UV吸収剤、及び光安定剤を、好ましくは顔料調合物の全重量に基づいて、0.1〜25重量%、特に0.5〜15重量%の量で含むこともできる。
【0030】
界面活性剤としては、アニオン性又はアニオン活性、カチオン性又はカチオン活性、及びノニオン性又は両性の物質、又はそれら剤の混合物が挙げられる。
【0031】
本発明の対象はまた、本発明による顔料調合物の製造方法であり、該方法は、個々の成分を上述の混合比率で一緒に混合することを特徴とする。この場合、これらの成分は、乾燥形態、あるいは懸濁体又はプレスケークとして使用することができ、そして、普通の混合装置又は混練装置で混合される。
【0032】
更に、驚くことに、銅フタロシアニンの表面を覆う際に、上記式(1)の添加剤と自然に競合関係となる、本発明に従って使用される調色用着色剤が、イプシロン結晶相の形成を損なわないことが見出された。従って、以下に述べる製造方法を行う場合に、アルファ相又はガンマ相の銅フタロシアニンから出発することも可能である。
【0033】
従って、本発明の対象はまた、イプシロン変態の銅フタロシアニンを含む本発明の顔料調合物の製造方法でもあり、該方法は、アルファ変態の銅フタロシアニン、ガンマ変態の銅フタロシアニン、あるいはアルファ変態とガンマ変態の混合物が、1〜50重量%、好ましくは5〜15重量%の結晶性イプシロン変態の存在下で、およびC.I.ピグメントブルー80、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド177、及びジケトピロロピロール系顔料、特にC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255及びC.I.ピグメントレッド264の群からの、0.1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%の調色用着色剤の存在下で;及び0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、特に2〜5重量%の上記式(1)、好ましくは上記式(2)、特に好ましくは上記(3)の添加剤の存在下で、30〜250℃の温度において、湿式粉砕及び/又は有機溶剤中での溶剤処理に供されることを特徴とし、ここで上記重量%は銅フタロシアニンの全使用量に基づく。
【0034】
湿式粉砕とは、ビードミル又は撹拌装置ボールミル中の通例の粉砕方法と理解される。粉砕媒体としては、文献中で知られる全てのもの、例えばボールが、及び材料として鋼、磁器、ステアタイト、酸化物、例えば酸化アルミニウム、あるいは場合によっては安定化された酸化ジルコニウム、混合酸化物、例えばジルコニウム混合酸化物、あるいはガラス、例えば石英ガラスが考慮される。粉砕は、150℃までの温度で行うことができ、通常100℃を下回る温度が使用される。滞留時間は相転移の速度に依存する。
【0035】
湿式粉砕の特に好ましい形態は、有機溶剤存在下での結晶塩によるソルトニーディングである。結晶塩としては、好ましくは無機塩、例えば硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、又は塩化ナトリウムが考慮され、好ましくは硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び塩化カリウムである。使用される塩は、粉砕により、微粒状の微小化された(mikronisierte)形態に変えるのが有利である。
【0036】
有機溶剤としては、例えば、ケトン類、エステル類、アミド類、スルホン類、スルホキシド類、ニトロ化合物、C−C−アルキル及び一つ又はより多くのヒドロキシ基で置換されることができるモノ−、ビス−又はトリス−ヒドロキシ−C−C12−アルカンが考慮される。特に好ましいのは、モノマー性、オリゴマー性及びポリマー性C−C−アルキレングリコール、例えばジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、及び液体のポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、N−メチルピロリドン、並びに更にはトリアセチン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、ブチルアセテート、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド、及びスルホランをベースとする、水混和性の高沸点有機溶剤である。
【0037】
結晶塩と銅フタロシアニンの間の重量比は、好ましくは(2〜8):1、特に(5〜6):1である。
【0038】
有機溶剤と結晶塩の間の重量比は、好ましくは(1ml:6g)〜(3ml:7g)である。
【0039】
有機溶剤と、結晶塩と銅フタロシアニンの合計の間の重量比は、好ましくは(1ml:2.5g)〜(1ml:7.5g)である。
【0040】
混練中の温度は、40〜140℃、好ましくは60〜120℃であることができる。混練期間は、合目的的には4時間〜32時間、好ましくは8時間〜20時間である。
【0041】
ソルトニーディング後、結晶塩及び有機溶剤は、合目的的には、水での洗浄によって除去され、そしてそのようにして得られた顔料組成物は慣用の方法に従って乾燥される。
【0042】
場合によっては、湿式粉砕、特にソルトニーディングに溶剤仕上げが続く。溶
剤処理のための適当な溶剤は、例えば、まだ未公開の独国特許出願番号第AZ102007001851.9号明細書(特許文献6)中に挙げられている。溶剤処理は、合目的的には1〜8時間、及び30〜200℃、好ましくは50〜120℃の温度で行われる。
【0043】
本発明の添加剤、及び調色用着色剤は、湿式粉砕の前及び/又はその間、あるいは溶剤処理の前及び/又はその間に、上述の量を一回で又は複数回で添加することができる。多量の(15重量%より多い)添加剤の場合、アルファ相からイプシロン相への相転移が非常に遅くなるため、該方法はもはや経済的ではないことが明らかになっている。
【0044】
本発明に従って使用されるナフチル系添加剤が、単純な溶剤処理においてだけでなく、湿式粉砕工程、例えばソルトニーディングにおいても相安定性効果を発揮することが見出された。
【0045】
更に、本発明の方法の際の添加剤は、その大部分がC.I.ピグメントブルー15:6の表面上及び調色用着色剤上に残ることが見出された。
【0046】
本発明の対象は上述の方法に従って製造される顔料調合物でもある。
【0047】
使用されるアルファ−銅フタロシアニンは、既知の方法、例えば、60〜100重量%濃度の硫酸中で膨潤−又は溶解工程から出発する方法で製造することができる。ガンマ−銅フタロシアニン、及びアルファ/ガンマ−相の混合物の使用も同様に可能である。
【0048】
アルファ相及び/又はガンマ相へのイプシロン種結晶の添加は、事前に粉砕してまたはせずに行うことができるが、好ましくは、混合物はスウィングミル、ロールミル、ボールミル、遊星ボールミル、あるいはビードミルによって製造される。
【0049】
上記の調色用着色剤は、顔料合成直接由来の粗製顔料として、顔料調製由来の微細な中間生成物として、あるいは既製の商業製品の形態で使用することができる。調色用着色剤はまた、プレスケークの形態で添加することもできる。同様に、加えられた調色用着色剤は、通例の方法に従って乾式粉砕又は湿式粉砕(例えばボールミル、スウィングミル、エアジェットミル、あるいはソルトニーディング)によって前処理されていることができる。
【0050】
本発明に従って製造される顔料調合物は、好ましくは20〜300nm、特に20〜90nmの一次粒度、及び(1.0〜6.0):1、好ましくは(1.0〜3.0):1の長さ/幅比を有する。比表面積(BET)は好ましくは50〜100m/gである。
【0051】
本発明の顔料調合物は、一般に、天然由来又は合成由来の高分子量有機材料、例えば、プラスチック、樹脂、塗料、特に金属塗料、ペイント、電子写真用トナー及び現像剤、カラーフィルター並びにインキ、好ましくはインクジェットインキ、及び印刷インキの顔料着色に使用することができる。
【0052】
本発明の顔料調合物で顔料着色できる高分子量有機材料は、例えば、セルロース化合物、例えばセルロースエーテル及びセルロースエステル、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートもしくはセルロースブチラート、天然のバインダー、例えば脂肪酸、脂肪油、樹脂及びそれらの転化生成物、又は合成樹脂、例えば重縮合物、重付加物、重合体及び共重合体、例えばアミノプラスト、特に尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フェノプラスト及びフェノール樹脂、例えばノボラックやレゾール、尿素樹脂、ポリビニル類、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニルもしくはポリビニルエーテル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えばポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンもしくはポリプロピレン、ポリアクリレート並びにポリ(メタ)アクリレートおよびそれらの共重合体、例えばポリアクリル酸エステルまたはポリアクリルニトリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、クマロン−インデン樹脂、炭化水素樹脂、エポキシド樹脂、様々な硬化機序を有する不飽和合成樹脂(ポリエステル、アクリレート)、ワックス、アルデヒド樹脂、ケトン樹脂、天然ゴム(Gummi)、弾性ゴム(Kautschuk)及びその誘導体、及びラテックス、カゼイン、シリコーンおよびシリコーン樹脂、の個々のもの、あるいは混合物である。
【0053】
その際、上述の高分子量有機化合物が、可塑性材料、溶融物として、あるいは紡糸液、分散物、塗料(Lacken)、ペイント(Anstrichstoffen)又は印刷インキの形態で存在するかどうかはここでは重要ではない。使用目的に応じて、本発明の顔料−組成物を、調剤(Praeparation)や分散物の形態で利用するのが有利であることが判明している。
【0054】
従って本発明の対象はまた、本発明による顔料調合物を着色有効量で含有する高分子量有機材料でもある。
【0055】
顔料着色する高分子量有機材料に基づいて、本発明による顔料調合物は、多くの場合に0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜15重量%の量で使用される。カラーフィルターにおける使用のためには、以下に挙げるようなより高い量で使用することもできる。
【0056】
本発明による顔料調合物はまた、電子写真用トナーと現像剤、例えば、一成分又は二成分粉体トナー(一成分又は二成分現像剤とも称される)、磁気トナー、液体トナー、重合トナー並びに特殊トナーにおける着色剤としても適している。
【0057】
そのうえ、本発明による顔料調合物は、水系や非水系のインクジェットインキ、並びにホットメルト法に従って作用するようなインキの着色剤としても適している。
【0058】
とりわけ、本発明の顔料調合物は、カラーフィルター用の加法発色および減法発色のための着色剤として、例えば、電子光学システム、例えばテレビ画像スクリーン、LCD(液晶ディスプレイ)、電荷結合素子、プラズマディスプレイ又はエレクトロルミネッセンスディスプレイ(これらはまた、アクティブ(ねじれネマチック)又はパッシブ(超ねじれネマチック)の強誘電性ディスプレイや発光ダイオードであることができる)における着色剤として、並びに電子インキ(“electronic inks”または“eインキ”)や電子ペーパー(“eペーパー”)の着色剤としても適している。
【0059】
反射型カラーフィルターと透過型カラーフィルターの両方のカラーフィルターを製造する際、顔料を適当なバインダー(アクリレート、アクリルエステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エポキシド、ポリエステル、メラミン、ゼラチン、カゼイン)中のペーストの形態で、又は顔料着色されたフォトレジストとして、個々のLCD素子(例えば、TFT−LCD=薄膜トランジスタ液晶ディスプレイや、例えば、((S)TN−LCD)=(超)ねじれネマチックLCD)上に塗布する。高い熱安定性以外に、安定なペーストまたは着色されたフォトレジストのためには、高い顔料純度も前提条件である。更には、顔料着色されたカラーフィルターは、インクジェット印刷法またはその他の適当な印刷法によっても適用できる。
【0060】
本発明の顔料組成物の赤みがかった青い色相は、カラーフィルターのカラーセットである赤−緑−青(R、G、B)に非常に好ましく適している。これらの三つの色は、相並んで独立したカラー画素として存在し、後ろから透過されてフルカラー画像を与える。
【0061】
赤いカラー画素の典型的な着色剤は、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料及びアゾ系顔料、例えば、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242の個々のもの、又はC.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド48:1及びC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ71並びにC.I.ピグメントイエロー139との混合物である。
【0062】
緑のカラー画素については、典型的にはフタロシアニン系着色剤が使用され、例えば、C.I.ピグメントグリーン36であり、そして調色用着色剤にはC.I.ピグメントイエロー139及びC.I.ピグメントイエロー214が使用される。
【0063】
色の試験において、本発明の顔料組成物が、明度の高いカラーフィルター用途に適した色相を有し、そしてマストーンにおいて高い透明性を達成することが判明した。
【0064】
カラーフィルターの製造は通例の方法に従って行うことができる:
本発明の顔料調合物は、追加の成分、例えば、バインダーを更に含み得る、水系又は非水系中に分散される。バインダーは、熱可塑性、熱硬化性、又は感光性であることができる。熱可塑性バインダー及び熱硬化性バインダーの例には、アクリレート、アクリルエステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エポキシド、ポリエステル、メラミン、ゼラチン、カゼインが含まれる。感光性バインダーはそれ自体が公知である。そのように製造されたカラーフィルターペーストは、2.5〜80重量%の顔料調合物濃度を有する。
【0065】
従って、これらの分散体(カラーフィルターペースト)は、スピンコート又はその他適当な従来の印刷方法(例えば、フレキソ−、オフセット−、スクリーン−、凹版−又はパッド−印刷)あるいは非接触式印刷方法(例えばインクジェット)によって、カラーフィルター支持体、典型的にはガラスプレート上に塗布することができる。
【0066】
画素はまた、熱昇華、熱転写、電着又はその他適当な適用法で作ることもできる。
【0067】
設けられたカラーフィルターフィルム中の本発明の顔料調合物の典型的な使用濃度は、カラーフィルターフィルムの全重量に基づいて5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは40〜60重量%である。
【0068】
最も頻繁に使用される方法はスピンコート法又はスリットコート法である。この場合、画素、例えばR、G、Bは、適当なフォトレジスト系中で順次塗布される。
【0069】
塗布されたフォトレジスト層は、カラー層の個々の画素だけが後に残るように、例えば放射線に曝され、それから現像される。
【0070】
それから、この方法は別の色のために繰り返されるため、結果的に同じサイズのR、G、B−又はY、M、C−画素(ピクセル)が相並ぶ。
【実施例】
【0071】
例1
1リットルの実験用混練機(Werner&Pfleiderer)を、54gのアルファ−銅フタロシアニン、13.5gの商業的に入手可能なC.I.ピグメントバイオレット23(Hostaperm(登録商標)Violett RL−COF VP2777)、核として7.5gのイプシロン−銅フタロシアニン、3gの上記式(3)の添加剤、450gの微小化NaCl、及び120mlのジエチレングリコールからなる混合物で満たした。混練時間は16時間であり、そして混練温度は約95℃であった。混練終了後、混練された材料は、6リットルフラスコ中に移され、そして4000mlの希塩酸(5重量%濃度)と、室温で2時間撹拌された。この溶剤処理後、懸濁液をろ別し、プレスケークを水で、50℃で洗浄し、対流式オーブン中、80℃で16時間乾燥させて、そしてIKAミルを用いて粉末化した。74.4gのPB15:6/PV23調合物が得られた。
【0072】
例2
54gのアルファ−銅フタロシアニン、13.5gのC.I.ピグメントブルー80(Hostaperm(登録商標) Blau R5R)、核として7.5gのイプシロン−銅フタロシアニン、3gの上記式(3)の添加剤、450gの微小化NaCl、及び120mlのジエチレングリコールからなる混合物を例1と同様に処理した。74.1gのPB15:6/PB80調合物が得られた。
【0073】
例3
8.1gのアルファ−銅フタロシアニン、6.0gの商業的に入手可能なC.I.ピグメントレッド122(Hostaperm(登録商標) Rosa EB Transp)、核として0.9gのイプシロン−銅フタロシアニン、0.6gの上記式(3)の添加剤、90gの微小化NaCl、及び27mlのジエチレングリコールからなる混合物を例1と同様に処理した。14.1gのPB15:6/PR122調合物が得られた。
【0074】
例4
12.7gのアルファ−銅フタロシアニン、1.4gのC.I.ピグメントブルー80(Hostaperm(登録商標) Blau R5R)、核として0.9gのイプシロン−銅フタロシアニン、0.6gの上記式(3)の添加剤、90gの微小化NaCl、及び27mlのジエチレングリコールの混合物を、例1と同様に処理した。13.6gのPB15:6/PB80調合物が得られた。
【0075】
例5
IKAユニバーサルミルM20中での混合により、C.I.ピグメントブルー15:6(未公開の独国特許出願第AZ102007001851.9号明細書(特許文献6)の例6に従って製造されたナフチル系添加剤(3)を有する顔料組成物として)、及び商業的に入手可能なC.I.ピグメントバイオレット23(Hostaperm(登録商標) Violett RL−COF VP2777)から比80/20で、均質な粉末混合物が製造された。
【0076】
例6
IKAユニバーサルミルM20中での混合により、C.I.ピグメントブルー15:6(未公開の独国特許出願第AZ102007001851.9号明細書(特許文献6)の例6に従って製造されたナフチル系添加剤(3)を有する顔料組成物として)、及びC.I.ピグメントブルー80(Hostaperm(登録商標) Blau R5R)から比80/20で、均質な粉末混合物が製造された。
【0077】
例7
IKAユニバーサルミルM20中での混合により、C.I.ピグメントブルー15:6(未公開の独国特許出願第AZ102007001851.9号明細書(特許文献6)の例6に従って製造されたナフチル系添加剤(3)を有する顔料組成物として)、及び商業的に入手可能なC.I.ピグメントレッド122(Hostaperm(登録商標) Rosa EB Transp)から比60/40で、均質な粉末混合物が製造された。
【0078】
例8
IKAユニバーサルミルM20中での混合により、C.I.ピグメントブルー15:6(未公開の独国特許出願第AZ102007001851.9号明細書(特許文献6)の例6に従って製造されたナフチル系添加剤(3)を有する顔料組成物として)、及びC.I.ピグメントブルー80(Hostaperm(登録商標) Blau R5R)から比94/6で、均質な粉末混合物が製造された。
【0079】
例9
12.4gのアルファ−銅フタロシアニン、1.2gの商業的に入手可能なC.I.ピグメントレッド254(Irgaphor(登録商標) Rot BT−CF)、核として1.4gのイプシロン−銅フタロシアニン、0.6gの上記式(3)の添加剤、90gの微小化NaCl、及び29mlのジエチレングリコールからなる混合物を、例1と同様に処理した。13.9gのPB15:6/PR254調合物が得られた。
【0080】
例10
IKAユニバーサルミルM20中での混合により、C.I.ピグメントブルー15:6(未公開の独国特許出願第AZ102007001851.9号明細書(特許文献6)の例6に従って製造されたナフチル系添加剤(3)を有する顔料組成物として)、及び商業的に入手可能なC.I.ピグメントレッド254(Irgaphor(登録商標) Rot BT−CF)から比92/8で、均質な粉末混合物が製造された。
【0081】
カラーフィルター試験結果:
10gの顔料(又は10.0gの顔料調合物)、17gのDisperbyk(登録商標) 161 (BYK)、1gのSolsperse(登録商標) 5000 (Avecia)及び72gのPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を、ペイントシェイカー(Disperse(登録商標) DAS 200 Lau GmbH)内で、250gの酸化ジルコニウムビード(0.3mm)を含む250mlの粉砕用カップ中で5時間で分散させる。
【0082】
コントラスト値及び明度を測定するために、そのようにして製造されたミルベースを、スピンコーター(POLOS Wafer Spinner)を使用してガラスプレート(SCHOTT、レーザーで10x10cmに切断)上に塗布し、500〜1300nmの層厚におけるコントラスト値を測定する(TSUBOSAKA ELECTRIC CO. LTD、Model CT−1)。コントラスト値は、色値yで特徴付けられる色相に正規化する。明度値は、1000nmの層厚に正規化され、絶対値として相互に比較される。
【0083】
値Y、x及びyは、CIE系における色の特性データであり、Yは明度を特徴づけ、xおよびyは色相を決定する。
【0084】
【表1】

【0085】
全ての例が、カラーフィルター用途に必要な高い明度を示している。形成されたイプシロン−青色変態の相純度は、赤外分光法及び粉末X線回折によって証明された。銅フタロシアニンのアルファ、ベータ、及びイプシロン変態それぞれの振動バンドあるいは反射のみの評価を行った。全ての例は、一次粒度<90nm及び長さ/幅比<3.0:1を有する。粒度及び粒形の測定は、透過電子顕微鏡で行った。
【0086】
コーティング試験の結果:
独国特許出願公開第2210072号明細書(特許文献7、例4)に従って製造された参照試料C.I.ピグメントブルー15:6に対して、アルキド−メラミン焼付け塗料における色相、透明性、及び色強度を試験した。結晶相は、透過測定における粉体X線回折によって測定した。
【0087】
透明性を測定するために、顔料着色されたアルキド−メラミン焼付け塗料を、マストーン塗料として、比較試料と相並べて黒色横帯のある白色のボール紙カード片上に塗りつけた。マストーン塗料の製造は、顔料又は顔料調合物4部、及びブタノール中のココアルデヒド−メラミン樹脂の60重量%濃度溶液50部とキシレン10部とエチレングリコールモノメチルエーテル10部からなる混合物96部からなる混合物を、ビードミル中で30分間粉砕することによって行った。得られたマストーン塗料は、上述のボール紙カードの試料片上に塗布され、30分間の空気乾燥後、140℃で30分間焼き付けられた。
【0088】
色強度及び色相を測定するために、6.0gのアルキド−メラミンマストーン塗料と、20.0gの白色塗料を混合することによって淡色化塗料(Aufhellungslack)を製造した。得られた淡色化塗料は、比較試料と相並んでボール紙カード片上に塗り付けられ、30分間の空気乾燥後、140℃で30分間焼き付けられた。
【0089】
色相は、DataColor(CIELAB system)で測定された:参照試料と比較した場合に、dH=正の数=赤みがかった青色であり、dH=負の数=緑がかった青色である。色強度及びその測定法は、DIN EN ISO787−26に従って定義される。比較(色強度100%)として、然るべき参照試料が使用される。
【0090】
透明性とは、黒色を背景として、顔料着色された塗層の低減された暗効果(Dunkelwirkung)と理解される。これは、参照試料に対して目視により−6〜+6の尺度で評価される:負の値=より隠ぺい性が高い、正の値=より透明である。前述の例において製造された顔料又は顔料調合物の色特性データを表に示す。
【0091】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
C.I.ピグメントブルー15:6の顔料調合物であり、それぞれC.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて、C.I.ピグメントブルー80、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド177及びジケトピロロピロール系顔料からなる群から選択される調色用着色剤0.1〜50重量%、、及び次式(1)の添加剤0.5%〜15重量%を含む、上記顔料調合物。
【化1】

(式中、
、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素; C−C22アルキル又はC−C22アルケニル(これら炭素鎖のそれぞれは、−O−、−S−、−NR−、−CO−又はSO−の一つ又はより多くの基で割り込まれることができ、及び/又はヒドロキシル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルコキシ及び/又はアセチルで一回又は複数回置換されることができる); C−C−シクロアルキル(その炭素骨格は、-O−、−S−、−NR10−、−CO−又はSO−の一つ又はより多くの基で割り込まれることができ、及び/又はヒドロキシ、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−C−アルコキシ及び/又はアセチルで一回又は複数回置換されることができる); デヒドロアビエチル又はアリール又はヘテロアリールを意味し、ここで、R及びR10は、互いに独立して、水素又はC−C22−アルキルを意味するか、あるいは、
、R、R及びRは、場合によっては末端がアルキル化されているポリオキシアルキレン鎖を意味する)
【請求項2】
前記式(1)の添加剤が、2重量%〜5重量%の量で含まれることを特徴とする、請求項1に記載の顔料調合物。
【請求項3】
前記調色用着色剤がC.I.ピグメントブルー80であり、そして、C.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて2.5重量%〜20重量%の量で含まれることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の顔料調合物。
【請求項4】
前記調色用着色剤がC.I.ピグメントバイオレット23であり、そして、C.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて2.5重量%〜25重量%の量で含まれることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の顔料調合物。
【請求項5】
前記調色用着色剤がC.I.ピグメントレッド122であり、そして、C.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて20重量%〜40重量%の量で含まれることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の顔料調合物。
【請求項6】
前記調色用着色剤がC.I.ピグメントレッド254であり、そして、C.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて1重量%〜20重量%の量で含まれることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の顔料調合物。
【請求項7】
前記調色用着色剤がC.I.ピグメントレッド177であり、そして、C.I.ピグメントブルー15:6の重量に基づいて1重量%〜20重量%の量で含まれることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の顔料調合物。
【請求項8】
C.I.ピグメントブルー15:6、前記調色用着色剤及び前記式(1)の添加剤を一緒に混合することを特徴とする、請求項1〜7の一つ又はより多くに記載の顔料調合物の製造方法。
【請求項9】
アルファ変態、ガンマ変態、又はアルファ変態とガンマ変態との混合物の銅フタロシアニンを、1〜50重量%の結晶性イプシロン変態の存在下で、及び0.1〜50重量%の前記調色用着色剤の存在下で、並びに0.5〜15重量%の前記式(1)の添加剤の存在下で、湿式粉砕及び/又は有機溶剤中での溶剤処理に30〜250℃の温度で供され、ここで、重量%は銅フタロシアニンの全使用量に基づくことを特徴とする、請求項1〜7の一つ又はより多くに記載の顔料調合物の製造方法。
【請求項10】
前記湿式粉砕が、有機溶剤の存在下での結晶塩とのソルトニーディングであることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項8又は9又は10に記載の方法に従って製造される顔料調合物。
【請求項12】
高分子量有機材料を顔料着色するための請求項1〜7及び11の一つ又はより多くに記載の顔料調合物の使用。
【請求項13】
プラスチック、樹脂、塗料、好ましくは金属塗料、ペイント、電子写真用トナー及び現像剤、インキ、例えばインクジェットインキ及び印刷インキの顔料着色ための、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
カラーフィルターの顔料着色のための、請求項11に記載の顔料調合物の使用。

【公表番号】特表2010−533745(P2010−533745A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516384(P2010−516384)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004855
【国際公開番号】WO2009/010141
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】