説明

微細気泡発生装置およびそれを用いたシャワー装置

【課題】気泡量や気泡径を容易に可変できる微細気泡発生装置とそれを用いたシャワー装置を提供することを目的とする。
【解決手段】調節機構10を外部から回転させることにより、積層した整流板12,13,14を周回方向に一定の偏角比率でずらせて、整流体9の通路27のねじれ傾きを任意かつ連続的に変化させるようにした。これにより、気泡量と気泡径を容易に変えることができ、また、使用者自らが調節機構10を調節することで、微細気泡の破裂で生ずる衝撃波とシャワー水流の相乗作用による皮膚面の洗浄効果や保温効果を容易にコントロールできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細気泡発生装置、およびそれを用いたシャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の気泡発生装置は、図8、図9に示されているように、ポンプ等で加圧溶解された気液混合流体100を噴出口101から吐出させるもので、噴出口101の入口102と出口103との間に設けられた気体吸込口104と、気体吸込口104を開閉させる開閉弁105と、噴出口101の気体吸込口104と合流する位置よりも上流側に設けられ、噴出口101内に流入する液体に渦流106を発生させるひねり状の貫通孔107が形成された整流体108からなるものであった。
【0003】
そして、開閉弁105を介して気泡109を微細気泡と大きな気泡との切替えるようにしていた。つまり、開閉弁105が閉状態の場合には微細気泡が、逆に開状態の場合は、大きな気泡がそれぞれ発生される。
【0004】
さらに述べると、開閉弁105を開いた状態では、外気と噴出口101内との間が連通され、気液混合流体100が整流体108のひねり状の貫通孔107から噴出口101内に流入した際に渦流106を発生させることにある。ただ、渦流106を発生させて気泡109を発生させることは公知の技術であるが、この渦流が第二の吸込口110との合流点を通過する際には、直流状態で合流点を通過する場合より強い負圧が発生し、外気からより大量の気体を吸引することになり、その結果、気泡109の気泡径や気泡量を増大させることが可能となるとしている。
【特許文献1】特許第3264714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来の気泡発生装置の場合、整流体の貫通孔のひねり傾きは単一の種類であり、外気からの気体の吸引量や気泡の気泡径を変更するためには、一旦、気泡発生装置を分解して、違ったひねり傾きの貫通孔を持つ別の整流体に交換する必要があり、気泡発生装置の外部から任意に変更することはできなかった。したがって、空気の吸引量、ひいては気泡の気泡径、量そのもの必要仕様に応じて整流体が一品一様となってしまい、気泡の状態を変える際には、整流体を多種類用意する必要があった。また、整流体のひねり状の貫通孔を成型する際には、単一工程でのプレス成型が困難であり、加工が複雑となるという課題もあった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、整流体の種類を増やすことなく、かつ容易な加工によって、整流体の通路のねじれ傾きを任意かつ連続的に形成でき、気泡量や気泡径を任意かつ連続的に外部から可変できる微細気泡発生装置を構成し、さらにそれを用いたシャワー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の微細気泡発生装置は、気液混合流体の流れの下流側に設けた整流管と、この整流管に配設され、かつ旋回流生成用の複数の通路を設けた整流体と、この整流体の通路の開口状態を調節する調節機構と、前記整流体の下流側に設けられたベンチュリー管をもつ減圧機構とを備え、前記整流体は、それぞれ周方向に複数の開口部を有するとともに、周方向変位自在に設定した複数の円板状の整流板を積層して構成するとともに、前記調節機構により整流板を周方向に一定の偏角比率で任意にず
らせて、最上流側の開口部から最下流側の開口部に至るまでを任意のねじれ傾きを持つ通路として連通させたさせたものである。
【0008】
このように、積層した整流板を周方向に任意にずらせることにより、最上流側の整流板の最上流開口部から最下流側の整流板の最下流開口部に至るまでを容易に任意のねじれ傾きを持つ通路として形成できる。また、ねじれ傾きを変更する場合には、整流管から整流体をはずして組替える必要がなく、調節機構を用いて各整流板を周回方向に一定の偏角比率でずらせることによって、連続的かつ任意に整流体のねじれ傾きを変えることができる。したがって、整流体の通路を通過することで発生する旋回流の状態を、調節機構によって任意に可変でき、整流体の下流側に設けたベンチュリー管で構成した減圧機構により、整流体を気液混合水流が旋回流として流出した後、ベンチュリー管の最狭小部を通過する際に急激に圧縮された後、テーパー部で急激に拡散することで発生する負圧によりキャビテーションを発生させ、その結果、微細気泡を含んだ液体流を生成することができる。このように、減圧機構で発生する負圧の強弱を可変でき、減圧機構の下流側で発生する気液混合流体のキャビテーションの状態を可変して、気泡量、および気泡径を容易に変化させ得る微細気泡発生装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の微細気泡発生装置は、各整流板を周回方向に一定の偏角比率でずらせることによって、連続的かつ任意に整流体の通路のねじれ傾きを変えることが可能で、その結果整流体の下流側に設けた減圧機構で発生する負圧の強弱を可変できる。特に、微細気泡発生装置の外部から、気泡量と気泡径を対象物に合わせて、任意かつ容易に変化させることができる。また、気体を空気とし、液体を水または温水とした気液混合流体である場合、この微細気泡発生装置の下流側にシャワーヘッドを配設したことで、微細気泡が人体の皮膚面などで破裂する際に発生する衝撃波とシャワー水流の水勢の相乗作用により、皮膚面の洗浄効果や保温効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、気液混合流体の流れの下流側に設けた整流管と、この整流管に配設され、かつ旋回流生成用の複数の通路を設けた整流体と、この整流体の通路の開口状態を調節する調節機構と、前記整流体の下流側に設けられたベンチュリー管をもつ減圧機構とを備え、前記整流体は、それぞれ周方向に複数の開口部を有するとともに、周方向変位自在に設定した複数の円板状の整流板を積層して構成するとともに、前記調節機構により整流板を周方向に一定の偏角比率で任意にずらせて、最上流側の開口部から最下流側の開口部に至るまでを任意のねじれ傾きを持つ通路として連通させたものである。
【0011】
したがって、最上流側の整流板の開口部から最下流側の整流板の開口部に至るまでを容易に任意のねじれ傾きを持つ通路として形成でき、そのねじれ傾きを変更する場合には、整流管から整流体をはずして組替える必要がなく、調節機構を用いて整流板を周方向にずらせる割合を変化させることによって、任意に整流体の通路のねじれ傾きを変えることができる。したがって、整流体の通路を通過することで発生する旋回流の状態を調節機構によって可変でき、結果として整流体の下流側に設けた減圧機構で発生する負圧の強弱を可変でき、減圧機構の下流側で発生する気液混合流体のキャビテーションの状態を可変して気泡量、およぴ気泡径を容易に変化させることができる。
【0012】
第2の発明は、特に前記第1の発明における調節機構を、各整流板と平行に複数の回転板を配置して構成し、前記各整流板の外周に各回転板の外周を当接させたものである。
【0013】
第3の発明は、特に前記第1の発明における調節機構を、各整流板と平行に複数の回転板を配置して構成し、前記各整流板の外周と各回転板の外周とには相噛合する歯車機構を
設けたもので、これら第2,3の発明によって各整流板の周方向変位調整、すなわち最上流側の整流板の開口部から最下流側の整流板の開口部に至るまでの通路のねじれ傾きを調節できる。
【0014】
第4の発明は、特に前記第2,3の発明における各整流板の外径と各回転板の外径とは、気液混合流体の流れ方向に対して相反するように変化させて通路のねじれ傾きを合理的に調節するようにした。
【0015】
第5の発明は、特に前記第1〜4のいずれか一つの発明の微細気泡発生装置をシャワーヘッドに至る温水系に接続したシャワー装置である。
【0016】
このシャワー装置では、微細気泡が対象物の表面などで破裂する際に発生する衝撃波とシャワーの流勢の相乗作用により、対象物に対する高い洗浄効果が得られる。
【0017】
第6の発明は、特に前記第5のシャワー装置において、微細気泡発生装置をシャワーヘッドと一体的に配置することで、発生した微細気泡の自然消滅を可及的に少なくしたものである。
【0018】
第7の発明は、特に前記第5,6のシャワー装置において、微細気泡発生装置の上流側に酸素富化装置を設け、気体として空気中の酸素濃度より高濃度の酸素を含有する空気を前記微細気泡発生装置に供給するようにしたものである。
【0019】
したがって、シャワー浴として使用する場合、人体の皮膚面の高い洗浄効果や保温効果が得られるだけでなく、浴室などでシャワーを使用する際に浴室内に比較的高濃度の酸素を放出できるため、浴室内に充満する水蒸気などによる不快感を緩和することができる。
【0020】
(実施の形態1)
図1〜図3において、微細気泡発生装置1は、黄銅、ステンレスなどの金属、または硬質樹脂からなる減圧機構2と、この減圧機構2の上流側に接続した同様の材質からなる整流部3で構成している。
【0021】
減圧機構2は、下流側方向に徐々に内径が狭小化するテーパー部4、中間部の最狭小部5、下流側方向に内径が徐々に拡大化するテーパー部6を有するベンチュリー管7から構成してある。
【0022】
整流部3は、外郭を形成する整流管8と、この整流管8内に設けた整流体9と、同整流体9の開口状態を整流管8の外部から調節するための調節機構10とから構成してある。
【0023】
そして、整流体9は、それぞれ周方向に所定の角度(本実施の形態においては90°)をおいて複数の円孔状開口部11を形成した4枚の略円板状の整流板12、13、14、15を上流側から下流側へ積層するとともに、それらの中心に中心軸16を貫通させて周方向へ摺動可能に構成したものとなっている。これら整流板12〜15は、黄銅、ステンレスなどの金属、または硬質樹脂からなる。
【0024】
また、整流板14,15は同一外径であるが、それより上流側に位置する整流板12,13は上流側方向に次第に外径が小さくなるように設定してある。
【0025】
一方、調節機構10は、整流管8内に隔壁17を介して区画形成した空間内に設置してあって、整流板12、13、14の各外周縁部に接触する円盤状の回転板18、19、20を有するものである。これら回転板18、19、20は、整流体9の中心軸16と平行
に配置した回転軸21に連結されている。
【0026】
また、回転軸21は、その一端が減圧機構2の上流側のフランジ部に設けた軸穴22に嵌合し、他端部が整流管8を貫通している。回転軸21が貫通する整流管8の貫通部にはゴムなどの弾性を有する固定環23を封止部24を介して取付け、当該部分のシール性を保持するようにしてある。
【0027】
なお、最下流側の整流板15は、調節機構10とは非接触の状態であり、回転しない構成である。
【0028】
減圧機構2と整流管8とは、シール材25を介在して4個所の固定ネジ26によって結合してある。
【0029】
以上のように構成された微細気泡発生装置について、以下動作、作用について説明する。
図2に示すように、調節機構10の回転軸21を反時計回り方向にある程度回転させると、回転板18,19,20が同様に矢印の方向に回転する。
【0030】
一方、回転板18,19,20に接触している整流板12,13,14は逆に時計回り方向に回転する。
【0031】
ここで、整流板12,13,14は順次その外径が漸増しているところから、回転により一定の偏角比率で回転する。したがって、前記偏角比率での回転によって各整流板の開口部11は周方向に所定の角度C°ずれたような状態、すなわち、任意のねじれ傾きをもった4箇所の通路27を形成することができる。
【0032】
前記通路27のねじれ傾きは、調節機構10の回転板18,19,20が一定の偏角比率で回転するため、いびつなものにならない。
【0033】
本実施の形態では、整流板12,13,14と調節機構10の回転板18,19,20を円板構成としているが、これらは歯車構成であっても同様の作用が得られる。
【0034】
この状態で、気体として空気を、液体として水または温水を用い、水中に空気を加圧溶解した気液混合流体28が整流管8の上流側から流入し、整流体9の4箇所の通路27を通過することによって、そのねじれ傾きに沿って流出した気液混合流体28はそれぞれ干渉しあうことによって旋回流状態を形成し、整流体9の下流側からベンチュリー管7の上流側に流出する。
【0035】
さらに、旋回流状態の気液混合流体28は、ベンチュリー管7の最狭小部5を通過する際に急激に圧縮された後、テーパー部6以降で急激に拡散することで発生する負圧により、気液混合流体28に溶解していた空気の一部が過飽和となって大量の微細気泡29に変化する。
【0036】
したがって、気液混合流体28は、ベンチュリー管7の下流側では、大量の微細気泡29が混入して乳白色に白濁した状態で流出する。
【0037】
一方、図3に示すように、調節機構10の回転軸21を図2の状態よりさらに反時計回り方向に回転D°させると、各整流板の開口部11のずれがおおきくなり、さらに大きなねじれ傾きをもった通路30に設定される。
【0038】
結果として、気液混合流体28の旋回の程度を強くすることができ、ベンチュリー管7のテーパー部6以降で発生する負圧を変化させて異なったキャビテーション状態を形成し、微細気泡29の気泡径や気泡量を変化させることができる。
【0039】
このように、整流体9の通路27、30のねじれ傾きを変更する場合に、整流管8から整流体9をはずして組替える必要がなく、整流管8の外部から調節機構10を用いて連続的、かつ任意に整流板12,13,14を一定の偏角比率で周方向にずらせるだけでよいものとなる。
【0040】
以上のように、減圧機構2の下流側で発生するキャビテーションの状態を連続的に可変して、微細気泡29の気泡径およぴ気泡量を、容易に変化させ得る微細気泡発生装置1を提供することができる。
【0041】
(実施の形態2)
図4は前記した微細気泡発生装置1を搭載した実施の形態2におけるシャワー装置40を示すものである。
【0042】
ガス給湯機41は、ガスバーナ42の上方に、多数の曲部43を構成した給水管44と多数の集熱フィン45とを一体構成にした熱交換部46を配置したもので、この熱交換部46の下流側に気液混合装置47と、微細気泡発生装置1とが接続されている。
【0043】
気液混合装置47に加圧空気を送入するエアポンプ48は本体ケース49内に内蔵してある。また、気液混合装置47には水中に溶解しきれなかった過剰空気を本体ケース49外へ排出する排気管50が設けられている。
【0044】
一方、微細気泡発生装置1の下流側に接続された給湯管51の先端側には、台所または洗面台に設けられた複数の噴出孔52を穿設したシャワーヘッド53が構成されている。
【0045】
本実施の形態においては、加熱源としてガスバーナ42を用いたが、石油バーナであっても電気ヒータであっても差支えなく、加熱に使用するエネルギーの種類は多様に選択可能である。
【0046】
以上のように構成されたシャワー装置40について、以下その動作、作用について説明する。
【0047】
図4に示すように、給水管44内を流動する水などの液体流54は熱交換部46を介してガスバーナ42の燃焼熱を吸収し、次いで、昇温された液体流54が気液混合装置47内に流入する。
【0048】
一方、気液混合装置47内にエアポプ48を介して圧送された加圧空気は昇温された液体流54内に強制溶解し、気液混合流体55として微細気泡発生装置1内に至る。
【0049】
このようにして微細気泡発生装置1内に流入した気液混合流体55は、実施の形態1で説明した作用により、微細気泡(図示せず)を含んだものとなり、給湯管51内を流通してその先端側に設けられたシャワーヘッド53の噴出孔52からシャワー水流56として噴出される。
【0050】
対象物が食器、鍋などの場合、シャワー水流56中の微細気泡がその表面に衝突して破裂する際に発生する衝撃波とシャワーの流勢の相乗作用により、高い洗浄効果が得られる。また、対象物が人体の皮膚面である場合、高い洗浄効果だけでなく、比較的長時間の保
温効果が得られる。
【0051】
このように、ガス給湯機41に実施の形態1の微細気泡発生装置1を内蔵した場合、給湯能力に応じた気泡量、気泡径を設定する際には、調節機構10の回転軸21を調節するだけで容易に設定が可能である。
【0052】
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3におけるシャワー装置40を示し、図4の実施の形態2と異なる点は、微細気泡発生装置1をシャワーヘッド53の上流側に直結したものである。
【0053】
なお、実施の形態2と同一作用の構成については同一符号を付し、具体的説明は実施の形態2のものを援用する。
【0054】
本実施の形態3では、シャワーヘッド53と微細気泡発生装置1との間の配管長が短く、必要な気泡量を合理的に維持できる。
【0055】
(実施の形態4)
図6は実施の形態4におけるシャワー装置40を示し、実施の形態2と異なる点は、気液混合装置47に加圧空気を送入するエアポンプ48の上流側に酸素富化装置57を配設したところである。
【0056】
なお、実施の形態2と同一作用の構成については同一符号を付し、具体的説明は実施の形態1のものを援用する。
【0057】
本実施の形態4では、シャワーヘッド53の噴出孔52から微細気泡を含んだシャワー水流56が噴出する。この時、シャワー水流56には酸素富化装置57の作用によって、空気中の酸素濃度よりも比較的高濃度(例えば25〜35%)の酸素濃度を有する空気が微細気泡となって含有されているため、シャワー浴に用いる場合、人体の皮膚面の高い洗浄効果や保温効果が得られるだけでなく、浴室内に比較的高濃度の酸素を放出することになり、浴室内に充満する水蒸気などによる不快感を緩和することができ、浴室内環境の快適化が向上する。
【0058】
(実施の形態5)
図7は実施の形態5におけるシャワー装置40を示し、図5の実施の形態3と異なる点は、気液混合装置47に加圧空気を送入するエアポンプ48の上流側に酸素富化装置57を配設したところである。
【0059】
なお、実施の形態3と同一作用の構成については同一符号を付し、具体的説明は実施の形態3のものを援用する。
【0060】
本実施の形態5でも、シャワーヘッド53の噴出孔52から微細気泡を含んだシャワー水流56が噴出する。この時、シャワー水流56には酸素富化装置57の作用によって、空気中の酸素濃度よりも比較的高濃度(例えば25〜35%)の酸素濃度を有する空気が微細気泡となって含有されているため、シャワー浴に用いる場合、人体の皮膚面の高い洗浄効果や保温効果が得られるだけでなく、浴室内に比較的高濃度の酸素を放出することになり、浴室内に充満する水蒸気などによる不快感を緩和することができ、浴室内環境の快適化が向上する。
【0061】
そして、特に、調節機構10の回転軸21を使用者自らがコントロールでき、使いやすい多機能なシャワー装置40が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明にかかる微細気泡発生装置およびそれを用いたシャワー装置は、対象物に合わせて気泡量と気泡径を容易に変化させることができるので、気体と液体の組合せを適正に選択することで、人体だけでなく多様な対象物の洗浄などに応用でき、給湯機だけでなく、食器洗浄機、洗濯機、工業用洗浄機など多くの用途に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1における微細気泡発生装置の要部縦断面図
【図2】本発明の実施の形態1における整流体の整流板の積層状態の一例を正断面図
【図3】本発明の実施の形態1における整流体の整流板の積層状態の他の形態を示す正断面図
【図4】本発明の実施の形態2におけるシャワー装置の概念図
【図5】本発明の実施の形態3におけるシャワー装置の概念図
【図6】本発明の実施の形態4におけるシャワー装置の概念図
【図7】本発明の実施の形態5におけるシャワー装置の概念図
【図8】従来の気泡発生装置の要部縦断面図
【図9】同従来の気泡発生装置における整流体を上流側から見た正面図
【符号の説明】
【0064】
1 微細気泡発生装置
2 減圧機構
7 ベンチュリー管
8 整流管
9 整流体
10 調節機構
11 開口部
12,13,14,15 整流板
16 中心軸
18,19,20 回転板
21 回転軸
27,30 通路
28 気液混合流体
29 微細気泡
40 シャワー装置
47 気液混合装置
52 噴出孔
53 シャワーヘッド
57 酸素富化装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液混合流体の流れの下流側に設けた整流管と、この整流管に配設され、かつ旋回流生成用の複数の通路を設けた整流体と、この整流体の通路の開口状態を調節する調節機構と、前記整流体の下流側に設けられたベンチュリー管をもつ減圧機構とを備え、前記整流体は、それぞれ周方向に複数の開口部を有するとともに、周方向変位自在に設定した複数の円板状の整流板を積層して構成するとともに、前記調節機構により整流板を周方向に一定の偏角比率で任意にずらせて、最上流側の開口部から最下流側の開口部に至るまでを任意のねじれ傾きを持つ通路として連通させた微細気泡発生装置。
【請求項2】
調節機構は、各整流板と平行に複数の回転板を配置して構成し、前記各整流板の外周に各回転板の外周を当接させた請求項1に記載の微細気泡発生装置。
【請求項3】
調節機構は、各整流板と平行に複数の回転板を配置して構成し、前記各整流板の外周と各回転板の外周とには相噛合する歯車機構を設けた請求項1に記載の微細気泡発生装置。
【請求項4】
各整流板の外径と各回転板の外径とは、気液混合流体の流れ方向に対して相反するように変化させた請求項1〜4いずれか1項に記載の微細気泡発生装置。
【請求項5】
請求項1から5のいずれか1項に記載の微細気泡発生装置をシャワーヘッドに至る温水系に接続したシャワー装置。
【請求項6】
微細気泡発生装置をシャワーヘッドと一体的に配置した請求項5に記載のシャワー装置。
【請求項7】
微細気泡発生装置の上流側に酸素富化装置を設け、気体として空気中の酸素濃度より高濃度の酸素を含有する空気を前記微細気泡発生装置に供給するようにした請求項6または7に記載のシャワー装置。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−209509(P2007−209509A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32216(P2006−32216)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】