説明

情報の選択開示が可能な保険販売システム

【課題】
代理店を通じて保険商品を販売する保険販売形態において,個人情報を秘匿しながら保険商品を販売可能とし,また審査結果を照会可能とする。
【解決手段】
代理店内での保険商品販売において,保険商品についての説明と,保険契約とを分離し,保険商品についての説明は対面で行い,保険契約は申込情報入力装置を保険契約希望者が一人で操作する。そして,申込情報入力装置で初めて被保険者の持病などの告知情報を入力し,代理店担当者には告知情報を開示しないようにする。審査結果を代理店担当者に通知する際にも,告知情報等は秘匿しながら通知する審査結果開示装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,保険会社が引き受ける保険を,代理店を通じて保険契約希望者に販売する保険販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
窓口などで,対面型の保険販売のメリットを活かしながら,申込手続きの書類などを削減し,端末(携帯なども含む)上から,直接申込情報を入力することによって,代理店や保険会社の保険事務処理を軽減できる保険契約計上システムがある(特許文献1)。
【0003】
このシステムでは,代理店認証を行った端末装置に対して,保険会社側装置から申込情報を入力するための情報を送信し,代理店側端末で申込みに必要な情報を入力する。さらに,保険会社側装置が,代理店側端末から申込み確認完了の情報を受信した上で,保険契約情報を計上する。これにより,予め代理店認証情報を付与した端末に申込情報を送付できると共に,申込みで入力した情報に対する確認完了を送付することで,顧客が保険契約締結の意思を有していることを,保険会社側から確認できる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−331126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術は,代理店の担当者と対面しながら端末上で契約手続きを進めるものである。したがって,契約時の契約者の個人情報は,申込情報としてそのまま代理店担当者に開示されたままであり,個人情報保護が行われているとは言えない。特に,契約者の告知情報などは,悪用される可能性もあり,契約者にとっては代理店窓口の担当者にも見られたくない情報でもある。
【0006】
したがって,個人情報の漏洩をより確実に防止できる,利用者により確かな安心感を与える仕組みが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は,保険契約希望者が,対面型で代理店担当者から予め商品説明を受け,保険契約希望者が承諾したことを前提に,担当者には開示することなく,保険契約希望者自身が申込みに必要な個人情報を追加入力することで,契約に必要な手続を完了させる保険販売システムを提供する。
【0008】
本発明は,また,保険契約審査完了後,代理店から保険会社に審査結果が照会された際にも,保険契約希望者の個人情報が漏洩しないようにし,かつ保険契約希望者の個人情報を開示しなくても,保険会社が正当な審査結果を開示していることが,代理店に分かる保険販売システムを提供する。
【0009】
本発明が提供する保険販売システムを用いる場合,保険契約希望者に対する説明は,代理店担当者が保険契約希望者と対面し,窓口説明支援システムを用いながら行う。また,保険契約希望者の身体や病気にかかわる告知情報は入力せずに,代わりに保険契約希望者が申込情報入力装置を操作して一人で入力する。この結果,保険契約希望者の身体や病気にかかわる告知情報には,代理店担当者が触れないため,代理店担当者経由の告知情報漏洩を防止できる。
【0010】
また,代理店担当者が契約審査結果を照会する際に,保険契約希望者の身体や病気にかかわる告知情報が,代理店側に漏洩しないようにするために,審査結果開示装置は,契約審査結果の内部用情報については,内部用情報自体は開示しない。ただし,その際,保険会社の開示が真正であることを,代理店に示すために,内部用情報が改竄されていない事実が分かる情報を開示する。
【0011】
本発明は,より具体的には,保険会社が引き受ける保険を,代理店を通じて保険契約希望者に販売する際に用いる保険販売システムであって,代理店に設置する,窓口説明支援システムと,申込情報入力装置と,審査結果照会装置と,保険会社に設置する,契約申込受付装置と,契約申込審査装置と,審査結果開示装置と,は,互いにネットワークで接続されている保険販売システムを提供する。
【0012】
上記システムにおいて,窓口説明支援システムは,保険契約希望者から,説明を受けたことを示す情報の入力を受け付けて,申込内容データを記録した申込書を作成する手段を備え,
申込情報入力装置は,保険契約希望者を認証する手段と,保険契約希望者を対象とした申込書を認証する手段と,申込書に記録された申込内容データと,保険契約希望者が追加する契約追加情報とを含む,契約申込情報を作成する手段と,窓口説明支援システムを介さずに,契約申込情報を保険会社の契約申込受付装置に送信する手段と,を備え,
審査結果照会装置は,契約申込情報の審査結果を照会する手段を備え,
契約申込受付装置は,申込情報入力装置から送信された申込情報を受信する手段を備え,
契約申込審査装置は,契約申込情報を審査し,審査結果を保存する手段を備え,
審査結果開示装置は,審査結果照会装置から契約申込情報の審査結果照会を受け付ける手段と,照会された審査結果のうち,内部用情報を除く,内部用情報の真正性を示す情報と,開示用情報と,開示用情報の真正性を示す情報と,を含む照会結果を,審査結果開示装置に送信する手段と,を備えることを特徴とする。
【0013】
さらに,申込情報入力装置の契約申込情報を作成する手段は,申込書に記録された申込内容データと,保険契約希望者が追加する契約追加情報とを含む,元契約申込情報を作成する手段と,元契約申込情報にさらにタイムスタンプを付与した契約申込情報を作成する手段と,を備えてもよい。
【0014】
さらに,申込情報入力装置は,申込書をスキャンするスキャナと,スキャナによる申込書のスキャン画像を,契約申込情報と共に,保険会社の契約申込受付装置に送信する手段と,を備えてもよい。
【0015】
さらに,審査結果照会装置は,受信した照会結果に含まれる,内部用情報の真正性を示す情報と,開示用情報の真正性を示す情報と,を検証し,照会結果の正当性を確認する手段を備えてもよい。
【0016】
さらに,審査結果は,申込書のスキャン画像を含んでもよい。
【0017】
上記態様によれば,代理店担当者には保険契約者または保険契約希望者の身体や病気にかかわる告知情報が開示されないので,代理店側には告知情報が漏洩しない。この結果,保険契約希望者は心理的な抵抗をより感ぜずに保険契約を代理店に申し込むことが可能となる。
【0018】
また,代理店担当者は保険契約希望者の身体や病気にかかわる告知情報に触れずに業務を遂行できるため,個人情報の取り扱いが容易となる。
【0019】
また,保険会社は,代理店における保険契約希望者の告知情報漏洩の懸念が少なくなるため,個人情報の取り扱いが容易となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば,個人情報の漏洩をより確実に防止できるようになる。また,利用者により確かな安心感を与えることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下,本発明の実施形態について,図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は,本実施形態における代理店と保険会社にまたがるシステムの装置構成図である。
【0023】
代理店100には,窓口説明支援システム101と申込情報入力装置102と審査結果照会装置103が設置される。
【0024】
タイムスタンプ局装置110はインターネット120を通じてアクセス可能である。
【0025】
保険会社130には,契約申込受付装置131と契約申込審査装置133と審査結果開示装置134と商品情報入力装置135と商品情報データベース(以下,データベースをDBという)(保険会社)装置136と審査ログDB装置137が設置され,契約申込受付装置131と契約申込審査装置133と審査結果開示装置134と審査ログDB装置137はローカルエリアネットワーク(以下,LANという)132で接続されている。
【0026】
図1における各装置は,典型的には図2に示したようなPCシステムで実現される。すなわち,CPU201と主記憶装置202と通信装置203と補助記憶装置204とディスプレイインターフェース(以下,IFという)206とキーボードIF207とプリンタIF208を持ち,CPU201と通信装置203と補助記憶装置204とディスプレイIF206とキーボードIF207とプリンタIF208がバス205で互いに接続され,ディスプレイIF206とディスプレイ210,キーボードIF207とキーボード220,プリンタIF208とプリンタ230とが接続されているシステムである。
【0027】
図1における各装置を実現する際には,図2に示したようなPCシステムで,各装置の機能をPCシステムで実現するためのソフトウェアプログラムを用意し,これを補助記憶装置204に蓄えておき,随時,主記憶装置202にロードしてCPU201で実行する。ただし,補助記憶装置204に蓄えておく代わりに,通信装置203を通じて主記憶装置202にロードしても良いし,キーボード220を通じて主記憶装置202にロードしても良い。
【0028】
以下,代理店100内のシステムの構成について説明する。
【0029】
図3は窓口説明支援システム101の内部構成その他を示した図である。窓口説明支援システム101は,代理店窓口端末装置300とプリンタ310と商品情報DB(代理店)装置320からなる。代理店窓口端末装置300は,代理店の窓口に置かれて代理店担当者が主として操作する。代理店窓口端末装置300は,典型的には図2に示したようなPCシステムで実現され,保険商品説明プログラム301を実行することによって実現されている。代理店窓口端末装置300は,プリンタIFを通じてプリンタ310と接続されている。このプリンタ310も典型的には代理店担当者のすぐ近くに設置される。また,代理店窓口端末装置300は,通信装置を介してタイムスタンプ局装置110と,商品情報DB(代理店)装置320と接続されている。
【0030】
商品情報DB(代理店)装置320は,典型的には図2に示したようなPCシステムで実現され,補助記憶装置の中に商品情報DB321と申込書スタイルシートDB322が格納される。また,通信装置を介して,代理店窓口端末装置300と商品情報DB(保険会社)装置136と接続されている。
【0031】
図4は申込情報入力装置102の内部構成その他を示した図である。申込情報入力装置102は典型的には図2に示したようなPCシステムで実現され,申込情報入力プログラム403が実行されて実現される。また,図2に示したようなPCシステムに,バス205と接続されるようにスキャナIF402が追加されている。そしてスキャナIF402を通じてスキャナ401と接続されている。また,通信装置を介して契約申込受付装置131と接続されている。
【0032】
審査結果照会装置103は典型的には図2に示したようなPCシステムで実現され,審査結果照会プログラムが実行されて実現される。また,通信装置を介して審査結果開示装置134と接続されている。
【0033】
タイムスタンプ局装置110は,時刻を認証し,電子署名を付与するサービスを行っている機関で用いる装置である。典型例では,サービスを行っている事業者が運用する装置を用いるが,保険会社130内に設置して,保険会社130が独自に運用しても良い。事業者のサービスを用いると典型的には一枚あたり数円から数十円のコストがかかるが,独自運用の場合,一枚当たりいくらというように課金されなくて済むため,タイムスタンプにかかるコストを下げられる可能性がある。
【0034】
インターネット120は,インターネットプロトコルを用いて通信が行われるネットワークである。典型例では,全世界的に構築されたインターネットを利用するが,専用線を用いて独自に構築したネットワークを用いてもよく,その場合にはインターネットプロトコルでなく,他のプロトコルを用いても良い。
【0035】
以下,保険会社130内のシステム構成について述べる。
【0036】
契約申込受付装置131は典型的には図2に示したようなPCシステムで実現され,契約申込受付プログラムが実行されて実現される。また,通信装置を介して申込情報入力装置102と接続されている。また,通信装置を介して保険会社内のLAN132とも接続されている。
【0037】
LAN132は保険会社内のネットワークであり,一般のLAN装置を用いて実現できる。
【0038】
契約申込審査装置133は典型的には図2に示したようなPCシステムで実現され,契約申込審査プログラムが実行されて実現される。また,通信装置およびLAN132を介して審査ログDB装置137と接続されている。
【0039】
審査結果開示装置134は典型的には図2に示したようなPCシステムで実現され,審査結果開示プログラムが実行されて実現される。また,通信装置およびLAN132を介して審査ログDB装置137および審査結果照会装置103と接続されている。
【0040】
商品情報入力装置135は典型的には図2に示したようなPCシステムで実現され,商品情報入力プログラムが実行されて実現される。また,通信装置およびLAN132を介して商品情報DB(保険会社)装置136と接続されている。
【0041】
図5は商品情報DB(保険会社)装置136の内部構成その他を示した図である。商品情報DB(保険会社)装置136は典型的には図2に示したようなPCシステムで実現され,補助記憶装置の中に商品情報DB(保険会社)1001が保持されている。また,通信装置およびLANを介して商品情報入力装置135と接続され,また,通信装置およびインターネット120を介して窓口説明支援システム101と接続されている。なお,商品情報DB(保険会社)装置136を実現するためには,窓口説明支援システム101からのリクエストに応じて商品情報DB(保険会社)1001を検索し,対応するレコードを返すためのプログラムが必要となるが,これは一般的なデータベースソフトウェアを利用すれば実現可能である。
【0042】
図6は審査ログDB装置137の内部構成を示した図である。審査ログDB装置137は典型的には図2に示したようなPCシステムで実現され,補助記憶装置の中に審査ログ1101が保持されている。なお,審査ログDB装置137を実現するためには,リクエストに応じて審査ログ1101を検索し,対応するレコードを返すためのプログラムが必要となるが,これは一般的なデータベースソフトウェアを利用すれば実現可能である。なお,審査ログDB装置137は通信装置を介し,保険会社内のLAN132に接続されている。
【0043】
以上,本実施形態の装置構成について説明した。
【0044】
次に,本実施形態の各装置の動作について説明する。
【0045】
まず,実際に保険契約希望者を代理店で受け付ける前に,行っておく前処理について説明する。
【0046】
保険会社130は,あらかじめ保険商品を開発し,その保険商品に関する情報を,商品情報DB321の一レコードとして,商品情報入力装置135を用いて商品情報DB(保険会社)装置136に入力しておく。
【0047】
図7は商品情報DB321に含まれているレコードの一例である。商品情報DB321は,保険商品の情報を格納したデータベースである。データベースの中には,商品名,申込書スタイルシートID,概略説明,説明情報,保険料などが含まれている。なお,これらは例であり,これらの一部を省略しても良いし,手数料情報等,他の情報を追加しても良い。
【0048】
また,保険会社130は,開発した商品に合わせ,その商品の申込書フォーマットを策定し,それを申込書スタイルシートDB322の一レコードとして,商品情報入力装置135を用いて商品情報DB(保険会社)装置136に入力しておく。
【0049】
図8は申込書スタイルシートDB322に含まれているレコードの一例である。申込書スタイルシートは,申込書スタイルシートIDのほか,どの位置にどのような大きさでどのような情報を書くか,という情報が収められている。例えば図8の例であれば,申込書スタイルシートIDが001のスタイルシートについて書かれている。このスタイルシートでは,図8の第2行目によれば,申込書の左上から右方向に5cm,下方向に5cm行った場所から,右方向に10cm,下方向に3cmの大きさの領域を取り,その領域の左上から15ptの大きさの文字で右方向に「がん保険申込書」と印刷することが指示されている。また,第3行目によれば,商品情報DB321に含まれている「概略説明」を,申込書の左上から右方向に5cm,下方向に8cm行った場所から,右方向に10cm,下方向に3cmの大きさの領域を取って外枠を印刷し,その領域の左上から10ptの大きさの文字で右方向に印刷することが指示されている。なお,概略説明は適宜折り返して表示してもよい。
【0050】
特徴的な点は,第6行目にある。第6行目によれば,申込書の左上から右方向に5cm,下方向に14cm行った場所から,右方向に10cm,下方向に3cmの大きさの領域を取って外枠を印刷し,その領域の左上から10ptの大きさの文字で右方向に「告知情報自由記述欄」と印刷することが指示されている。その他に,この領域は秘匿されるべきことを指示している。この秘匿されるべき領域を備えることが特徴的な点であり,この指示が付いている領域の内容は,内部用情報として扱い,後に,申込書のスキャン画像を審査結果として開示するときに,審査結果開示装置134によって秘匿される。
【0051】
なお,上記の例では,説明のために独自のスタイルシート記述方法を用いたが,典型的な例としては,XSL(Extensible Stylesheet Language)を元に,秘匿用のタグや属性を付け加えたものを利用しても良い。
【0052】
代理店は,あらかじめ商品情報DB321と申込書スタイルシートDB322を,インターネット120を介して商品情報DB(保険会社)装置から,窓口説明支援システム101内の商品情報DB(代理店)装置320内の補助記憶装置にダウンロードしておく。これは,保険会社が商品情報DB321や申込書スタイルシートDB322を変更した後,なるべく早期に行われることが望ましい。このため,例えば商品情報DB(代理店)装置320が商品情報DB(保険会社)装置に対し,毎日自動的に変更がないかどうか,インターネット120を通じてチェックしたり,あるいは商品情報DB(保険会社)装置にあらかじめ商品情報DB(代理店)装置320が購読申請をしておき,変更があると商品情報DB(保険会社)装置から商品情報DB(保険会社)装置に自動的に通知したりしても良い。また,不正な商品情報DB(保険会社)装置からの通信を避けるために,通信を始める前に,お互いを認証しても良い。これは,一般的な暗号技術や電子署名技術を用いて実行可能である。
【0053】
以上,実際に保険契約希望者を代理店で受け付ける前に,行っておく前処理について説明した。
【0054】
次に,保険契約受付の際の業務フローに対する,本システムの動作について,保険契約希望者が保険を契約しに代理店に出向き,説明を受け,契約手続きを取った後,保険会社内で当該契約手続きに関わる審査が実施され,その後代理店が当該契約手続きの審査経緯について照会するという一連の動作に即して説明する。
【0055】
まず,保険契約希望者が保険を契約しに代理店に来ると,代理店側では窓口説明支援システム101を用いて保険商品の案内と説明,それに申込書の交付などを実施する。窓口説明支援システム101は既に説明したとおり,代理店窓口端末装置300を含んでおり,実際には代理店窓口端末装置300にて動作する保険商品説明プログラム301が処理を担う。
【0056】
図12は保険商品説明処理の処理フローを説明した図である。
【0057】
まず,ステップ1201において,保険契約希望者の氏名・住所・年齢および意向等を聞きながら,保険契約希望者に適合していると代理店担当者が考える保険商品を,代理店担当者が検索し,その保険商品について説明する。このとき,代理店担当者は,保険契約希望者の氏名・住所・年齢などの情報を代理店窓口端末装置300を用いて入力する。入力された情報は,代理店窓口端末装置300の主記憶装置もしくは補助記憶装置に格納される。次に,代理店担当者からの要求によって,代理店窓口端末装置300は商品情報DB321にアクセスし,商品名に「がん」という言葉が含まれる,などの検索条件に合致する保険商品を検索する。なお,この検索に関しては,一般的なデータベースソフトウェアを用いて実現可能である。検索後,ディスプレイその他の出力装置によって,たとえば図7に示すような,商品情報DB321の内容を出力する。出力内容には,保険商品の説明情報が含まれており,代理店担当者は,保険契約希望者に対し,この説明情報を読み上げるなどの方法によって,保険商品を説明する。
【0058】
ステップ1202において,保険契約希望者から,説明した保険商品の申込書を請求されると,代理店担当者は,保険契約希望者から説明の承諾を取る。これは,保険契約希望者が,該当する保険商品については説明を受け,理解したことを証明するものである。保険契約希望者による説明承諾では,保険契約希望者が該当する保険商品については説明を受けて理解したことを,保険契約希望者に意思表示してもらい,その事実を代理店窓口端末装置300に入力する。
【0059】
ここで,保険契約希望者による意思表示は,保険契約希望者にある特定のキーを押してもらう,あるいは,意思表示の証拠を残すために,保険契約希望者に電子署名を付与してもらう,保険契約希望者に指の静脈パターンなどの生体情報を登録してもらう,などの方法を用いても良いし,これらの意思表示方法を複数併用してもよい。また,さらに保険契約希望者に紙面に署名もしくは捺印もしくは署名と捺印をもらい,紙面上に保険契約希望者の意思表示の証拠を残しておいても良い。
【0060】
また,保険契約希望者に典型的にはアルファベットと数字8文字からなるパスワードを決めてもらい,代理店窓口端末装置300に入力してもらう。
【0061】
次に,ステップ1203において,代理店担当者は,申込書を発行する。申込書発行は,以下のステップに従って代理店窓口端末装置300が実行する。
【0062】
まず,申込書スタイルシートを用いて,保険契約希望者用の保険商品申込書を作成する。利用する申込書スタイルシートは,選択した商品の商品情報DB321のレコードに,申込書スタイルシートIDが入っており,この申込書スタイルシートIDによって申込書スタイルシートDB322を検索して入手する。この検索は一般的なデータベースソフトウェアを用いて実現可能である。申込書スタイルシートの例を図8に示す。この申込書スタイルシートを用いた申込書作成に関しては,既に説明しているので,ここでは繰り返さない。要点は,申込書スタイルシートと,商品情報DB321のレコードと,商品説明(ステップ1201)で入力した保険契約希望者の名前その他の情報とを組み合わせて,申込書が作成されることである。なお,ここで作成される申込書は,まだ紙の媒体に印刷されていない電子データであり,たとえばPDFである。
【0063】
次に,ステップ1204において,申込内容にタイムスタンプを押印する処理に移る。図9はタイムスタンプ押印後の申込内容データ901の例である。図9に示す,データのうち,パスワードのハッシュ値とタイムスタンプ以外のデータは,本例では代理店担当者が商品説明の際に入力しているが,代理店名や説明者名についてはあらかじめ入力しておいても良い。なお,タイムスタンプとは押印したデータがその時刻以前に存在していたことと,タイムスタンプ押印後にこれらのデータが変化していないことを証明するための,公知技術である。また,パスワードのハッシュ値はステップ1202において,保険契約希望者が入力したパスワードのハッシュ値をとったものである。なお,ハッシュ値の作成方法としては,MD5などが公知技術として知られている。
【0064】
次に,タイムスタンプを押印する組織であるタイムスタンプ局装置110に,インターネット120を介して押印を依頼し,その結果を,やはりインターネット120を介して受領する。受領後のデータ例は,申込内容データ901である。なお,図9では説明のため,十進数4桁の署名値を表示しているが,署名値は典型例では二進数で64桁から2048桁程度の長さになる。また,これより長い署名値や短い署名値を用いても構わない。署名の長さは,図2に示すようなPCの主記憶装置および補助記憶装置の記憶容量と,CPUの演算能力に主に影響される。
【0065】
次にステップ1205において,地紋透かしを用いて,申込書に申込内容データを重畳する。ここでは,申込内容データ901を,ステップ1203において,申込書スタイルシートを用いて作成した,PDF等の申込書に重畳する。重畳の実現方法は複数考えられるが,本実施例では,特許文献「特開2005−286963号公報」に開示されている,印刷用媒体への情報埋め込み装置によって実行することが可能である。以降の説明は,「特開2005−286963号公報」に開示されている技術を前提とし,この技術,または,当該技術による透かしを地紋透かしと呼ぶ。
【0066】
上記ステップの結果PDF等の申込書の背景部分には,点が無数に印刷されたように見える。この結果,申込内容データ901がPDF等の申込書に画像として重畳され,印刷後にスキャンして適切に処理すれば,申込内容データ901が復元可能となる。
【0067】
次にステップ1206において,申込書を印刷する。ここでは,地紋透かしが入った申込書を,プリンタ310を用いて印刷する。
【0068】
以上で申込書が印刷されたため,代理店担当者は保険契約希望者に紙の申込書を渡して業務を終わる。保険契約希望者は,契約を希望する場合,この紙の申込書を持って申込情報入力装置102の設置場所に移動する。典型例では,申込情報入力装置102は代理店内に設置されており,移動距離は30m以下である。
【0069】
図13は申込情報入力装置102における申込情報入力処理の処理フローを示した図である。
【0070】
まず,ステップ1301において,保険契約希望者は,申込情報入力装置102に申込書を入力する。入力の方法は,銀行のATMのように,穴に申込書を差し込むと,紙の自動送り機構が紙を読み込む方法が一例である。申込情報入力装置102は,保険契約希望者が紙の申込書を申込情報入力装置102内のスキャナ401に入れると,その紙の申込書をスキャナ401で読み込み,主記憶装置又は補助記憶装置内に画像として保存する。読み込んだ紙の申込書は,スキャン後に申込情報入力装置102内の貯蔵場所に保管され,保険契約希望者には紙の申込書は残らないようになっている。次に,地紋透かし技術を用いて,スキャン後の画像から申込内容データ901を再生する。また,地紋透かし技術の位置合わせ点情報も保存しておき,後に紙のゆがみを補正した座標合わせができるようにしておく。
【0071】
次に,ステップ1302において,申込書のタイムスタンプを検証する処理を行う。具体的には,申込内容データ901に含まれるタイムスタンプを検証し,申込内容データ901が改竄されていないか検証する。ここで改竄が判明すれば,申込情報入力装置102は,もう一度代理店担当者に連絡を取るよう,保険契約希望者に促して,処理を終わる。
【0072】
ステップ1303において,契約者にパスワードを入力させ,そのハッシュ値を計算し,申込内容データ901に含まれるパスワードのハッシュ値と一致するか確認する。もし,パスワードのハッシュ値が一致しなければ申込情報入力装置102は,もう一度代理店担当者に連絡を取るよう,保険契約希望者に促して,処理を終わる。
ステップ1304において,申込情報入力装置102は,契約追加情報を入力させ,元契約申込情報を作成する処理に移る。ここでは,契約追加情報として,病歴等の告知情報について,キーボード等を利用して保険契約希望者に入力させる。
【0073】
次に,ステップ1305において,元契約申込情報にタイムスタンプを押印し,契約申込情報を作成する処理に移る。ここでは,元契約申込情報にタイムスタンプを押印し,そのタイムスタンプを付与して契約申込情報とする。
【0074】
次に,ステップ1306において,契約申込情報を送信する処理に移る。ここでは,契約申込情報と,前記の紙の申込書を読み込んだ画像データと,前記の地紋透かし技術の位置合わせ点情報とを,保険会社130内の契約申込受付装置131に送信し,処理を終わる。処理終了後,申込情報入力装置102は,スキャナに新たな申込書が入ってくるのを待つことになる。
【0075】
以上で,代理店100での保険契約申込処理が終わる。次に,保険会社130における審査の処理について説明する。
【0076】
図14は契約申込受付装置131の処理を概説した処理フローである。
【0077】
ステップ1401において,契約申込受付装置131は,まず契約申込情報を受信する処理を行う。ここでは,代理店100の申込情報入力装置102からの契約申込情報と,前記の紙の申込書を読み込んだ画像データと,前記の地紋透かし技術の位置合わせ点情報とを,受信する。
【0078】
次に,ステップ1402において,契約申込情報のタイムスタンプを検証する処理に移る。ここでは,申込情報入力装置102で付与された,契約申込情報に付加されているタイムスタンプを検証し,契約申込情報が改竄されていないことを検証する。
【0079】
次に,ステップ1403において,契約申込情報の不備を検査する処理を実行する。
【0080】
次に,ステップ1404において,審査IDを付与し,契約申込情報を契約審査装置に送信する処理を行う。ここでは,受信した契約申込情報を,契約申込審査装置133に審査IDと共に送信する。また,審査結果の照会に対応できるように,前記の紙の申込書を読み込んだ画像データと,前記の地紋透かし技術の位置合わせ点情報を,審査ログDB装置に審査IDと共に保存しておいてもよい.これらは後述する墨塗り申込書の作成の際に,利用される。
図15は契約申込審査装置133における処理を概説した処理フローである。
【0081】
まず,ステップ1501において,契約申込審査装置133は,契約申込情報を受信する処理を実行する。次に,告知情報等に問題がなければ保険引受する処理を実行する。ここでは,契約申込情報内の病歴などの告知情報に問題がないかどうか検査する。
【0082】
ステップ1502において,もし,特に告知する情報がなく,他,自動的に行われる既払い保険金額審査等の審査でも問題がなければ,保険引受処理に移る。もし,告知情報が何か存在し,有人審査の方がふさわしい場合は有人審査処理に移る。
【0083】
ステップ1503において,有人審査処理では,保険会社内で,保険を引き受けるかどうか審査担当者が審査する。
【0084】
そして,ステップ1504において,審査結果を審査ログに記録し,保険引き受け業務を続行する処理を実行する。審査ログの例は図10に示すような審査ログ1101である。
【0085】
図10に示す審査ログ1101の作成法について詳しく説明する。なお,審査ログ1101作成の処理フローは図16になる。
【0086】
まず,ステップ1601において,審査ログとして内部用情報を作成し,ステップ1602において,審査ログとして開示用情報を作成する。なお,この内部用情報と開示用情報は,審査ログ1101のように,項目ごとに作成される。
【0087】
ステップ1603において,項目ごとにRとして,乱数が付与される。ただし,ある項目において,内部用情報がなくてもよく,開示用情報がなくても良い。内部用情報がない場合,開示用情報を内部用情報にも用いる。また,開示用情報がない場合,内部用情報を開示用情報にも用いるが,開示用情報がある場合は,内部用情報は開示不可情報として扱う。また,項目ごとに乱数を付与する代わりに,内部用情報,開示用情報ごとに別の乱数を用いても良い。
【0088】
ステップ1604において,それぞれの情報には,ハッシュ値Hが計算される。これは,それぞれの情報と,項目に付与されている乱数から一方向関数によって算出される値である。使用可能な一方向関数としては,例えばMD5などがある。例えば図10では,審査担当項目では,乱数が03,内部用情報が○×太郎であってハッシュ値が24,開示用情報がAであってハッシュ値が37となっている。内部用情報のハッシュ値は,乱数03と内部用情報○×太郎から算出されている。開示用情報のハッシュ値は,乱数03と開示用情報Aから算出されている。前記のハッシュ値の算出方法は,例えば乱数と開示用情報あるいは内部用情報とをビット列で表現した後,そのビット列を連結するという方法が考えられる。なお,説明のためハッシュ値は十進数2けたで表示しているが,典型的には128ビットから2048ビット程度の長さになり,主記憶装置や補助記憶装置の記憶容量が許す限り,より長大なハッシュ値を用いても良い。
【0089】
ステップ1605において,審査ログ1101に,全体の電子署名を付与する。この電子署名は,内部用情報のハッシュ値と,開示用情報のハッシュ値をすべて組み合わせたものに,審査担当者の秘密鍵情報を用いて電子署名を施したものである。ここで組み合わせるとは,例えばビット列の連結などが実現例であり,図11のように実行される。なお,電子署名自体は公知の技術であり,その技術を用いる。例えば図10では電子署名値が8124になっている。なお,説明のため電子署名は十進数4けたで表示しているが,典型的には128ビットから2048ビット程度の長さになり,主記憶装置や補助記憶装置の記憶容量が許し,CPUの処理能力が許す限り,より長大な電子署名を用いても良い。
【0090】
このようにしておくことで,後に審査ログ1101の開示を要求された際に,後述するように,審査ログが改竄されていないことを証明可能となる。
【0091】
審査後,保険を引き受ける場合は保険証作成などの保険引受処理が開始され,保険を引き受けない場合は引受拒絶処理が開始される。
【0092】
審査後に,代理店から保険契約審査の照会を受ける場合がある。その際の処理について説明する。
【0093】
代理店担当者は,保険契約審査の照会を行うために,審査結果照会装置103を操作する。
【0094】
図18は審査結果照会装置103と,審査結果開示装置134における処理を説明したシーケンス図である。
【0095】
まず,ステップ1801で,審査結果照会装置103は,保険会社130内の審査結果開示装置134に,インターネット120を介して接続要求を出す。
【0096】
ステップ1802で,審査結果開示装置134は,審査結果照会装置103からの接続を承認する。なお,ここでIDとパスワードを用いた,代理店担当者の認証や,暗号技術を用いた,代理店担当者や審査結果照会装置103の認証を実行してもよい。
【0097】
次に,ステップ1803で,契約者名などから審査ログを検索する審査ログ検索要求が,審査結果照会装置103から審査結果開示装置134に出される。審査ログの検索は,契約者名や保険契約申込日などを基準にして実行する。
【0098】
これに対し,ステップ1804で,審査結果開示装置134は審査結果照会装置103に検索結果を回答する。
【0099】
ステップ1805で,代理店担当者は,審査結果照会装置103がディスプレイなどに表示した検索結果を元に,検索結果が所望のものかどうか判断し,所望の審査結果であれば審査ログ閲覧要求を,審査結果照会装置103から審査結果開示装置134に出す。
【0100】
ステップ1806,1807で,審査結果開示装置134は,審査ログ閲覧要求に対し,開示用データを作成する。開示用データは,審査ログ中の,項目,乱数R,内部用情報のハッシュ値(図10の審査ログ1101の例では左から4列目),開示用情報,開示用情報のハッシュ値であり,内部用情報は含まない。審査結果開示装置134は,この開示用データと審査ログの電子署名値と墨塗り申込書を開示する。
【0101】
なお,墨塗り申込書は,例えば図19に示すようなものである。すなわち,紙の申込書をスキャンした図19(a)には,手書きの健康情報告知欄などが存在している可能性がある。このような,保険商品説明時に代理店担当者が見なかった情報は,代理店に開示するべきではないため,図19(b)のように,その部分を墨で塗って非開示とすることが望まれる。墨塗り申込書の作成方法については,後述する。
【0102】
ステップ1808では,審査ログの署名を検証する。まず,ステップ1605と同様に,図11(b)のように,審査ログ中の乱数R,内部用情報のハッシュ値,開示用情報のハッシュ値を連結する。次に,その連結した値を,審査ログの電子署名値と,審査担当者の公開鍵情報を用いて,検証する。検証方法は公知の電子署名検証方法と同様である。また,審査担当者の公開鍵情報も,インターネットからダウンロードするなど,既存の技術を用いて審査結果開示装置134に予めロードしておくことが可能である。
【0103】
上記の検証で,審査ログにつけられている署名値に矛盾がないことが確認できれば,個々の項目の記述の検証に移る。それは,ステップ1605同様,乱数値と項目の内容からハッシュ値を作成し,審査ログ中の,当該項目のハッシュ値と比較すれば良い。同じ値が得られれば当該項目は改ざんされていない可能性が高く,違う値が得られれば当該項目が改ざんされている可能性が高いことを指している。
【0104】
もし,上記ハッシュ値の比較の結果,違う値が得られ,改ざんされている可能性が高いことが示されれば,審査結果照会装置103はその旨を画面に表示するなどの方法により,代理店担当者に伝える.
もし,上記ハッシュ値の比較の結果,同じ値が得られ,改ざんされていない可能性が高いことが示されれば,ステップ1809で,代理店担当者に審査ログを閲覧させる。審査ログの閲覧は審査ログを任意の表示形式で表示することによって実現される。
墨塗り申込書の作成方法について説明する。
【0105】
図17は,画像墨塗り機能の処理フローの概説図である。
【0106】
ステップ1701において,審査ログ1101から,審査IDと申込書スタイルシートIDを読み出す。次に,審査IDを元に申込書のスキャン画像と,位置合わせ点情報を検索し,また申込書スタイルシートIDから,申込書スタイルシート(図8)を検索する。
【0107】
ステップ1702において,申込書スタイルシートで,「秘匿」マークが内容に書かれている項目を探し,その位置と大きさを読み出す。例えば図8では,第6行目が該当し,申込書左上隅から,右方向に5cm,下方向に14cm行った場所を基点に,右10cm下3cmの矩形領域が秘匿領域である。
【0108】
ステップ1703において,この位置情報を,位置合わせ点情報を元に,申込書のスキャン画像内の画素座標に変換する。この変換は地紋透かし技術を用いて可能である。
【0109】
次に,ステップ1704において,変換された申込書のスキャン画像内の画素座標を元に,対象領域を黒または任意の画像で塗りつぶす。
【0110】
ステップ1705において,申込書スタイルシートで,また処理すべき項目があるかどうか確認し,まだ処理すべき項目があればステップ1702に戻る。
【0111】
このようにしておくことで,開示すべきでない,画像内の内部用情報を,人手を介すことなく秘匿することができ,申込書上の手書きの告知情報が処理を誤ったことにより漏洩する,といった危険を避けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】実施形態のシステム構成を例示する図である。
【図2】各装置を実現する一般的なPCの内部構成を例示する図である。
【図3】実施形態における窓口説明支援システムの構成を例示する図である。
【図4】実施形態における申込情報入力装置の構成を例示する図である。
【図5】実施形態における商品情報DB(保険会社)装置の構成を例示する図である。
【図6】実施形態における審査ログDB装置の構成を例示する図である。
【図7】商品情報DB内のレコードを例示する図である。
【図8】申込書スタイルシートDB内のレコードを例示する図である。
【図9】申込内容データを例示する図である。
【図10】審査ログを例示する図である。
【図11】審査ログから電子署名値を計算する方法と,開示用情報を生成する方法を例示する図である。
【図12】保険商品説明の処理フローの概略を例示する図である。
【図13】申込情報入力の処理フローの概略を例示する図である。
【図14】契約申込受付の処理フローの概略を例示する図である。
【図15】審査処理フローの概略を例示する図である。
【図16】審査ログ作成処理の概略を例示する図である。
【図17】審査ログ作成処理の概略を例示する図である。
【図18】審査結果照会処理における,審査結果照会装置と審査結果開示装置の処理フローの概略を例示するシーケンス図である。
【図19】申込書に墨塗りを施した一例を例示する図である。
【符号の説明】
【0113】
100:代理店
101:窓口説明支援システム
102:申込情報入力装置
103:審査結果照会装置
110:タイムスタンプ局装置
120:インターネット
130:保険会社
131:契約申込受付装置
132:LAN
133:契約申込審査装置
134:審査結果開示装置
135:商品情報入力装置
136:商品情報DB(保険会社)装置
137:審査ログDB装置
201:CPU
202:主記憶装置
203:通信装置
204:補助記憶装置
205:バス
206:ディスプレイIF
207:キーボードIF
208:プリンタIF
210:ディスプレイ
220:キーボード
230:プリンタ
300:代理店窓口端末装置
301:保険商品説明プログラム
310:プリンタ
320:商品情報DB(代理店)装置
321:商品情報DB
322:申込書スタイルシートDB
401:スキャナ
402:スキャナIF
403:申込情報入力プログラム
901:申込内容データ
1101:審査ログ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険会社が引き受ける保険を,代理店を通じて保険契約希望者に販売する際に用いる保険販売システムであって,
代理店に設置する,窓口説明支援システムと,申込情報入力装置と,審査結果照会装置と,
保険会社に設置する,契約申込受付装置と,契約申込審査装置と,審査結果開示装置と,は,互いにネットワークで接続され,
前記窓口説明支援システムは,
保険契約希望者から,説明を受けたことを示す情報の入力を受け付けて,申込内容データを記録した申込書を作成する手段を備え,
前記申込情報入力装置は,
前記保険契約希望者を認証する手段と,
前記保険契約希望者を対象とした前記申込書を認証する手段と,
前記申込書に記録された前記申込内容データと,前記保険契約希望者が追加する契約追加情報とを含む,契約申込情報を作成する手段と,
前記窓口説明支援システムを介さずに,前記契約申込情報を保険会社の契約申込受付装置に送信する手段と,を備え,
前記審査結果照会装置は,前記契約申込情報の審査結果を照会する手段を備え,
前記契約申込受付装置は,前記申込情報入力装置から送信された前記申込情報を受信する手段を備え,
前記契約申込審査装置は,前記契約申込情報を審査し,審査結果を保存する手段を備え,
前記審査結果開示装置は,
前記審査結果照会装置から前記契約申込情報の審査結果照会を受け付ける手段と,
照会された審査結果のうち,内部用情報を除く,前記内部用情報の真正性を示す情報と,開示用情報と,前記開示用情報の真正性を示す情報と,を含む照会結果を,前記審査結果開示装置に送信する手段と,を備える
ことを特徴とする保険販売システム。
【請求項2】
請求項1に記載の保険販売システムにおいて,
前記申込情報入力装置の契約申込情報を作成する手段は,
前記申込書に記録された申込内容データと,前記保険契約希望者が追加する契約追加情報とを含む,元契約申込情報を作成する手段と,
前記元契約申込情報にさらにタイムスタンプを付与した契約申込情報を作成する手段と,を備える
ことを特徴とする保険販売システム。
【請求項3】
請求項1に記載の保険販売システムにおいて,
前記申込情報入力装置は,
前記申込書をスキャンするスキャナと,
前記スキャナによる前記申込書のスキャン画像を,前記契約申込情報と共に,前記保険会社の契約申込受付装置に送信する手段と,を備える
ことを特徴とする保険販売システム。
【請求項4】
請求項1に記載の保険販売システムにおいて,
前記審査結果照会装置は,
受信した照会結果に含まれる,前記内部用情報の真正性を示す情報と,前記開示用情報の真正性を示す情報と,を検証し,
照会結果の正当性を確認する手段を備える
ことを特徴とする保険販売システム。
【請求項5】
請求項4に記載の保険販売システムにおいて,
前記審査結果は,前記申込書のスキャン画像を含む
ことを特徴とする保険販売システム。
【請求項6】
保険会社が引き受ける保険を,代理店を通じて保険契約希望者に販売する際に用いる保険販売方法であって,
代理店において,
窓口説明支援システムを用いて,
代理店担当者が,保険契約希望者へ保険商品の説明を行い,
保険契約希望者から,説明を受けたことを示す情報の入力を受けて,申込内容データを記録した申込書を作成し,
申込情報入力装置を用いて,
前記保険契約希望者を対象とした前記申込書を認証し,
前記申込書に記録された前記申込内容データと,前記保険契約希望者が追加する契約追加情報とを含む,契約申込情報を作成し,
前記窓口説明支援システムを介さずに,前記契約申込情報を保険会社の契約申込受付装置に送信し,
保険会社において,
契約申込受付装置を用いて,前記申込情報入力装置から送信された前記契約申込情報を受信し,
契約申込審査装置を用いて,前記契約申込情報を審査して,審査結果を保存し,
前記審査結果照会装置から,前記契約申込情報の審査結果照会を受け付けた場合に,
照会された審査結果のうち,内部用情報を除く,前記内部用情報の真正性を示す情報と,開示用情報,前記開示用情報の真正性を示す情報と,を含む照会結果を前記審査結果照会装置に送信する
ことを特徴とする保険販売方法。
【請求項7】
請求項6に記載の保険販売方法において,
前記契約審査結果は,前記申込書のスキャン画像を含む
ことを特徴とする保険販売方法。
【請求項8】
保険会社が引き受ける保険を,代理店を通じて保険契約希望者に販売する際に用いる保険販売システムにおいて,保険会社に設置する審査結果開示装置であって,
前記代理店から受信した前記契約申込情報を審査した審査結果について,前記代理店から照会を受けた場合に,
内部用情報を除き,前記内部用情報の真正性を示す情報と,開示用情報と,前記開示用情報の真正性を示す情報と,を含む照会結果を,前記代理店に送信する
ことを特徴とする審査結果開示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の審査結果開示装置であって,
保険契約の申込内容データを記録する申込書の領域毎に,開示用情報,内部用情報の区別を示す情報を記録した申込書スタイルシートを参照する手段と,
参照した前記スタイルシートに基づき,照会された前記申込書のスキャン画像の前記内部用情報の領域を特定し,前記内部用情報の領域を非開示処理する手段と,を備える
ことを特徴とする審査結果開示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−210161(P2008−210161A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46384(P2007−46384)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】