説明

情報保護装置、情報保護方法およびプログラム

【課題】被保護対象が記録の中で保護されているかを容易に確認することができる情報保護装置、情報保護方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】情報保護装置1は、所定の事象の記録をし、該事象の記録を取得する事象情報取得部11と、事象の記録の対象の物体に保持されるタグから識別情報を取得する識別情報取得部12と、識別情報と特定の範囲とを対応付けるマッチング部13aと、識別情報に対応付けられた事象の記録の、隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する要否情報取得部13と、マスクレベル情報にしたがって特定の範囲をマスクする開示制御部14と、識別情報に対応付けられた宛先を取得する確認部15と、事象の記録や識別情報およびマスクレベル情報などを記憶する記憶部16と、事象の記録を宛先に送信する送信部17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報保護装置、情報保護方法およびプログラムに関する。より詳しくは、個人情報や機密情報などの保護すべき情報を管理するための装置である情報保護装置、情報保護方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサデバイスが小型化されて低価格になり、オフィス内等の生活環境に複数のカメラを設置することが可能になってきている。それらを用いて、社員の行動を記録し、行動のロスを検出する試みなどがなされるなど、活動記録の活用が行われることがある。しかしながら、活動記録の中には、機密性の高い情報(人を含む)が含まれたり、また、個人情報が含まれる。
【0003】
特許文献1には、監視領域のプライバシを保護することを課題とする監視装置が記載されている。撮像手段により撮像された監視領域の画像データを当該監視領域を監視する監視センタにネットワークを介して送信する方法である。
【0004】
特許文献2には、マスク解除権を有する監視者が複数存在する場合であっても監視者の権限に応じて解除されるマスクを異ならせた監視システムが記載されている。その方法は、監視システムは、撮像部で撮像された原画像に一つ以上のマスクすべきオブジェクトが含まれる場合該オブジェクトにマスキングを施したマスク画像を作成し且つ各オブジェクトに関するマスク領域の原画像上の位置・大きさ及び該オブジェクトの種類を表すマスク情報に基づいてマスク画像のマスクを解除するアンマスク処理部と、監視者から入力部を介して指令を受けると、監視者が観察可能なオブジェクトの種類との対応を示すテーブルを参照して、該監視者に対応する種類のオブジェクトに関するマスクのみ解除するようアンマスク処理部を制御する制御部とを備える方法である。
【0005】
特許文献3の画像撮影システムでは、撮影された画像中において、画像処理の対象となる顔画像領域を候補領域として検出する顔領域検出部と、プライバシ保護の対象となる保護領域を検出するための隠蔽部分選択部と、選択的にプライバシを保護するための画像処理を行った保護画像データを生成するための顔領域隠蔽画像生成部とを備え、撮影された画像において、選択的に、プライバシ保護の必要な領域に、ぼかし処理等の画像処理を施すことができる。
【0006】
特許文献4のカメラシステムでは、所定の撮影領域を有するカメラと、撮影領域に対応した信号送信領域を有する通知装置とを備えており、通知装置が、信号送信領域に向けてカメラの撮影領域内に入っていることを示す信号を送信することで、監視カメラ等の撮影装置において、その撮影領域に入っていることを通知できる。
【0007】
特許文献5には、対象人物だけにカメラの撮影範囲を合わせたりする必要がなく、対象以外の人物のプライバシを保護できる監視システムが記載されている。その方法は、データセンタは、無線ICタグを保持した対象人物が撮影装置の近くを通過した際に撮影した撮影画像を入力し、顔領域検出装置で撮影画像の中から特定領域として顔領域を検出する。また、顔識別装置で無線ICタグから得られる個人識別情報を基にデータベースに登録された対象人物の顔特徴量を取得し、検出された顔領域の中から対象人物に合致する顔領域を識別する。そして、識別した対象人物の顔領域以外の顔領域をマスキング装置でマスキングしてマスク画像を生成し、画像データ管理装置でマスク画像を個人識別情報と関連付けて公開用に保持する。閲覧用端末から閲覧要求があると、認証された個人識別情報に対応するマスク画像を送信する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−61076号公報
【特許文献2】特開2005−286468号公報
【特許文献3】特開2006−217161号公報
【特許文献4】特開2007−166352号公報
【特許文献5】特開2008−17093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
関連する技術では、プライバシ保護の必要な領域に、ぼかし処理等(モザイクや塗りつぶし、マスキングなどを含む)の画像処理を施すことが可能な画像撮影システムを提供している。このとき処理対象となるものは、予め設定されたもの、もしくは、システムの管理側により選択されたものである。
【0010】
処理対象が予め設定されたものである場合、人物など、大まかな取り決めとなり、保護したい対象を含む条件に合致する情報を包括して保護することとなり、開示が必要な情報まで画像処理が行われるという問題がある。
【0011】
また、システムの管理側により保護範囲が選択されたものである場合、被撮影側のプライバシが考慮されてなく、個人情報の問題に抵触するおそれがある。また、システムの管理側による選択する範囲が過度となるおそれがある。さらに、このような場合において、記録を利用する利用者や、被撮影側の物体を所有する利用者自身が、情報がどのように保護されたかを確認することができず、利用者にとって充分な保護とならない場合があった。
【0012】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、被保護対象が記録の中で保護されているかを容易に確認することができる情報保護装置、情報保護方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点に係る情報保護装置は、
所定の事象の記録を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した前記事象の記録の対象の物体に保持されるタグから識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報と前記情報取得手段で取得した前記記録のなかの特定の範囲とを対応付ける手段と、
前記識別情報取得手段で取得した前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲の、隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する要否情報取得手段と、
前記マスクレベル情報にしたがって、前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲をマスクする開示制御手段と、
前記識別情報に対応付けられた、前記事象の記録を送信する宛先を取得する手段と、
前記開示制御手段で前記特定の範囲をマスクした前記事象の記録を、前記宛先に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の観点に係る情報保護方法は、
事象の記録の一部を隠蔽する情報保護装置が行う情報保護方法であって、
所定の事象の記録を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した前記事象の記録の対象の物体に保持されるタグから識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報と前記情報取得ステップで取得した前記記録のなかの特定の範囲とを対応付けるステップと、
前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲の、隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する要否情報取得ステップと、
前記マスクレベル情報にしたがって、前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲をマスクする開示制御ステップと、
前記識別情報に対応付けられた、前記事象の記録を送信する宛先を取得するステップと、
前記開示制御ステップで前記特定の範囲をマスクした前記事象の記録を、前記宛先に送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータに、
所定の事象の記録を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した前記事象の記録の対象の物体に保持されるタグから識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報と前記情報取得ステップで取得した前記記録のなかの特定の範囲とを対応付けるステップと、
前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲の、隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する要否情報取得ステップと、
前記マスクレベル情報にしたがって、前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲をマスクする開示制御ステップと、
前記識別情報に対応付けられた、前記事象の記録を送信する宛先を取得するステップと、
前記開示制御ステップで前記特定の範囲をマスクした前記事象の記録を、前記宛先に送信する送信ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の情報保護装置、情報保護方法およびプログラムによれば、被保護対象が記録の中で保護されているかを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係る情報保護装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1におけるタグ情報の、位置情報の例を示す図である。
【図3】実施の形態1におけるタグ情報の、マスクレベル情報の例を示す図である。
【図4】実施の形態1における事象情報の例を示す図である。
【図5】実施の形態1におけるタグ情報の、観測した情報の例を示す図である。
【図6】実施の形態1におけるタグ情報の、確認結果の例を示す図である。
【図7】実施の形態1における事象情報の、宛先の例を示す図である。
【図8】実施の形態1に係る情報保護装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係る情報保護装置の構成例を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2に係る情報保護装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に係る情報保護装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明で事象とは、人が観測しうる対象であって、その対象を記録した情報を後に閲覧する可能性のあるものすべてを指す。事象には例えば、会話、会議、講演、実演、実験、または、人が器具を用いずにもしくは器具を用いて観測可能な現象を含む。また事象には、会議または講演などで作成される板書、または音声もしくは画像などを含むコンテンツを再生することを含む。さらに、通信ネットワークを介した会話、会議、文字によるチャット、共同で文書データを作成することなども含まれる。
【0019】
以下に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または相当部分には同じ符号を付す。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る情報保護装置の構成例を示すブロック図である。情報保護装置1は、事象情報取得部11、識別情報取得部12、要否情報取得部13、開示制御部14、確認部15、記憶部16および送信部17を備える。
【0021】
事象情報取得部11は、利用者が保護したい情報を含む所定の事象を記録する。例えば、事象情報取得部11は、記録部101で記録する事象の記録を、事象情報として取得する。記録部101は、例えば、画像または映像を撮影してデジタルまたはアナログの画像データに変換するカメラを備える。マイクなどであってもよい。また、事象は、会議もしくは講演などで作成される板書、または、会議もしくは講演で再生されたコンテンツを取り込むエージェント、あるいは、通信ネットワークを介した会議もしくはチャット、または共同で作成される文書データを取り込んで記録するエージェントなども含まれる。
【0022】
識別情報取得部12は、事象の対象の物体に保持されるタグからタグIDを含む識別情報を取得する。図1に示すように、タグがRFタグ102の場合、アンテナを有するデータ受信部(図示せず)を備えておき、RFタグ102へ向けて電波を送受信し、電波を復調して検出することで、RFタグ102の識別情報を取得することができる。また、識別情報取得部12は、識別情報の取得の際に、アンテナに電波が到達する時間差をもとに到来方向を算出することで、RFタグ102の位置情報を併せて取得することができる。
【0023】
識別情報取得部12は、対象の物体に保持されるタグにRFタグ102のように電磁界や電波などを用いた無線通信方式を用いない場合、例えば二次元バーコードなどを用いる場合は、事象情報取得部11で事象情報を取得する際に映像を走査し、二次元バーコードを読み取り、識別情報の取得を行ってもよい。
【0024】
識別情報を有するタグは、予め事象の対象の物体に貼付しておく。例えば対象がパソコンなどの場合は、その表示画面の片隅にタグを貼付し、予め物にタグを付けておけばよい。また、例えば対象が人である場合は、首に下げるタイプの入館許可証などのホルダにIDタグを付けておく。ホルダを所持してもらうことで、その対象となる人に識別情報を付けることができ、タグ付け忘れを防止することができる。
【0025】
要否情報取得部13は、事象情報取得部11と識別情報取得部12で取得した記録のなかの特定の範囲とを対応付け、識別情報取得部12で取得した識別情報に対応付けられた、記録された情報の隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する。特に、事象情報取得部11と識別情報取得部12で取得した記録のなかの特定の範囲との対応付けは、マッチング部13aにて行われる。
【0026】
特定の範囲とは、開示制御処理を施す際の、その制御範囲をいう。事象の記録が画像の場合は、記録のなかの、対象の物体の一部もしくは全部を隠蔽する画像処理を施す。このとき記録のなかの対象が人であれば、例えば、顔、目などの特定部分や人を含む所定の画像の範囲が特定の範囲となり、対象が物であれば物全体もしくは物の所定の一部の範囲が特定の範囲に該当する。また、事象の記録が音声の場合は、例えば、対象の物体(人物)が音声を発生している間の録音部分が特定の範囲に該当する。
【0027】
例えば、タグBを付された物は保護すべき対象であることが予め設定されており、そのタグBに対応する識別情報が情報保護装置1の記憶部16に記憶されているものとする。また、このとき、事象情報取得部11で取得した情報にタグBを含む事象Aが記録されているものとする。まず情報保護装置1の制御部(図示せず)は、事象Aの記録から取得したタグBの識別情報、もしくは、外部から取得したタグBの位置情報と識別情報の組み合わせより、事象Aの記録にタグBを記録していることを確認し、そしてマッチング部13aにより、タグBの保護すべき範囲である特定の範囲を事象Aの記録と対応付けが行われる。
【0028】
開示制御部14は、要否情報取得部13で取得したマスクレベル情報にしたがって、識別情報取得部12で取得した識別情報に対応付けられた、事象情報取得部11で取得した情報の、記録のなかの特定の範囲をマスクする。具体的には、情報が画像であれば画像処理、音声であれば音声処理を施すことによりマスクする。
【0029】
確認部15は、識別情報取得部12で取得した識別情報に対応付けられた、所定の事象の記録を送信する宛先を取得する。宛先とは、表示部を備える端末103などの個別IDであって、個別IDをもとに特定の機器へ情報が伝送され、利用者はその機器を用いて所定の事象の記録を確認(再生して閲覧)する。
【0030】
記憶部16は、事象情報取得部11で取得した事象の記録や、開示制御部14で開示制御し処理した処理済情報などの情報を記憶する。また、識別情報取得部12で取得したタグIDと対応する識別情報の情報や、タグの位置情報、その他の情報保護装置1に予め記憶しておくマスクレベル情報などの情報や、随時、情報保護装置1で取得する情報などを記憶する。
【0031】
送信部17は、開示制御部14で開示制御した事象の記録、すなわち記憶部16に記憶している処理済情報を、確認部15で取得した宛先に送信する。例えば、パソコンや携帯電話などの指定された端末103へ送信する。
【0032】
図2は、実施の形態1におけるタグ情報の、位置情報の例を示す図である。例えば識別情報取得部12は、RFタグ102へ送信した電波をアンテナを介して受信し、その電波の到来方向などから、そのタグのタグIDと、タグ位置情報を取得することができる。位置情報は、3次元位置情報と3軸姿勢座標から構成される。
【0033】
図3は、実施の形態1におけるタグ情報の、マスクレベル情報の例を示す図である。範囲とは、開示制御処理を施す際の、その制御範囲であり、特定の範囲をいう。例えばタグを付したものについて、開示制御を行う範囲について全体か一部かを示す。また、タグを付したものが人物の場合には、開示制御を行う範囲について顔か目か体全体かを示す。開示制御方法とは、マスク処理の方法であり、映像の場合であれば塗り潰しやモザイク処理などがある。また、音声の場合であれば、効果音をかぶせたり、無音にしたり、変声させたりしてもよい。優先度とは、開示制御処理を施す際の、処理の順番を決定するためのもので、優先度の数値が高いほど先に処理を行う。タグIDの位置が近接していて、開示制御する所定の範囲が重なる場合、優先度の数値の高いタグID周辺へマスク処理が先に施されるため、優先度の数値の低いタグIDへのマスク処理は、マスク処理された箇所へ上書きされるように重なって表示される。
【0034】
マスクレベル情報については、予め、タグIDと、そのタグが貼付された物体がどのくらい保護すべき対象であるか、どのように保護すべきか(開示制御すべきか)という条件を設定し、これらの情報をタグIDと対応付けて記憶部16へ記憶しておく。情報保護装置1は、識別情報取得部12で位置情報と同時にタグIDを取得することで、記憶部16に記憶していたタグのマスクレベル情報を参照し、タグのマスクレベル情報を得ることができる。
【0035】
図4は、実施の形態1における事象情報の例を示す図である。図4(a)は、記録部101で事象を記録した画像である。図4(b)および図4(c)は、その記録に、開示制御部14での開示制御による処理を施した画像である。図4(b)では、タグを備えた対象物を一様に塗り潰して情報の保護を行っている。図4(c)では、一方は全体にモザイク、他方は周辺四方を枠の様に塗りつぶしている。例えば、全体にマスクせずに一部にのみマスクすることは、テレビの画像は記録したいが、テレビに付されている記載されたメーカー名のみを伏せたい場合などに適用される。
【0036】
図5は、実施の形態1におけるタグ情報の、観測した情報の例を示す図である。識別情報取得部12はRFタグ102からタグ情報を受け取り、その日時とタグIDを記録する。
【0037】
図6は、実施の形態1におけるタグ情報の、確認結果の例を示す図である。図5で示す観測した情報に、画像処理が施されているかを確認した結果が追加して記載されている。確認結果は、情報保護装置1にて開示制御による処理を施した記録に対して、利用者がきちんと保護されているかどうかを端末103で確認し、その結果を示す。利用者が端末103で開示制御について確認した結果を、保護情報装置1にフィードバックする仕組みを備え、保護情報装置1の制御部(図示せず)は開示制御部14へマスクレベルの再設定を指示してもよい。
【0038】
図7は、実施の形態1における事象情報の宛先の例を示す図である。識別情報に対応付けられた情報の送信先となる宛先について、予め記憶部16に記憶しておく。宛先は、記録された情報を利用する者である利用者が利用する端末103の識別コードなどを指す。
【0039】
図8は、実施の形態1に係る情報保護装置の動作の一例を示すフローチャートである。まず、情報保護装置1の事象情報取得部11は、記録部101で記録した事象情報の取得を行う(ステップS11)。また、識別情報取得部12は、RFタグ102のタグIDおよび位置情報などの、識別情報の取得を行う(ステップS12)。
【0040】
要否情報取得部13のマッチング部13aは、事象情報取得部11と識別情報取得部12で取得した情報と、記録のなかの特定の範囲との対応付けを行う(ステップS13)。そして、要否情報取得部13はマッチング部13aでの情報と特定の範囲との対応付けを終え、その事象情報に含まれる識別情報のタグIDより、識別情報の開示制御を決定するマスクレベル情報を取得する(ステップS14)。
【0041】
マスクレベル情報に保護対象のタグIDを有する識別情報が含まれていれば(ステップS15;YES)、開示制御部14はマスクレベル情報をもとに、対象となる事象情報に対してマスク処理を行い(ステップS16)、その処理した情報を記憶部16へ記憶する(ステップS17)。マスクレベル情報に保護対象のタグIDを有する識別情報が含まれていなければ(ステップS15;NO)、事象情報取得部11で取得した情報をそのまま記憶部16へ記憶する(ステップS17)。
【0042】
確認部15は、識別情報に対応付けられた、処理した情報を送る宛先を取得し(ステップS18)、送信部17は、その宛先(端末103)に向けて情報を送信する(ステップS19)。次に記録すべき情報があれば(ステップS20;YES)、ステップS11に戻り、処理を繰り返す。また、次に記録すべき情報がなければ(ステップS20;NO)、情報保護動作処理を終える。
【0043】
以上説明したように、実施の形態1によれば、被保護対象が記録の中で保護されているかを確認することができる。
【0044】
予め、利用者が保護したい情報に対して、識別のためのタグを貼付し、かつ、その識別情報と隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を入力しておくことで、事象の記録に対して特定の範囲をマスクした記録とすることができる。また、マスクされた記録が対応する端末などの表示装置に送信されるので、事象の記録に所定の保護が行われているかの確認を容易に行うことが可能となる。
【0045】
具体的には、首に下げるタイプの入館許可証などのホルダにIDタグを付けておき、そのIDタグに対応するマスクレベル情報の開示制御方法にタグを含む所定の範囲をモザイクするように設定しておく。訪客時、利用者本人に、そのIDタグを貼付した入館許可証を使用してもらうことで、容易に情報を保護することができる。その結果、プライバシ侵害のおそれや、秘密情報などの漏洩のおそれを低減させることが可能となる。また、実際に情報が保護されている様子をその場で表示することができ、利用者自身が情報の保護の有無を容易に確認することができる。
【0046】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る情報保護装置の構成例を示すブロック図である。情報保護装置1は、実施の形態1に係る情報保護装置1に追加して、事象情報を取得する記録部101の位置を取得することにより、保護すべき対象の物体と記録部101との位置関係、および複数の記録部101の相対位置関係が分かり、事象情報に含まれる物体の位置を取得することができる。また、利用者が端末103で確認した結果に対して保護が不充分とした場合において、その結果を情報保護装置1へフィードバックする機能を追加して備える。
【0047】
実施の形態2に係る情報保護装置1は、実施の形態1の構成に加えて、位置情報取得部18および受信部19を備える。また、結果が送信される宛先に表される端末103は、入力部機能を有する入力部付端末104とする。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0048】
位置情報取得部18は、記録部101の位置情報について取得する。合わせてビデオカメラやマイクなどの記録手段についても取得することが好ましい。情報保護装置1を利用する利用者が入力部付端末104で情報を確認する際に、事象情報の記録と合わせて記録手段および位置情報を表示することで、利用者は、どの記録部101でどの位置から記録しているかを把握することができる。
【0049】
また、位置情報取得部18を備えることで、保護すべき対象の物体と記録部101との位置関係、および複数の記録部101の相対位置関係が分かり、事象情報に含まれる物体の位置を取得することができる。特に、同じ事象について記録する範囲における記録部101を複数備える場合に有効である。少なくとも1つの記録部101を介して事象情報取得部11で取得した事象情報に対して、識別情報取得部12が所定の識別情報を特定した場合、他の記録部101で取得した事象情報に対しても、その記録に含まれる所定の識別情報に、開示制御部14で開示制御しマスク処理を施すことができる。位置情報取得部18を備え上述の様に制御することで、所定の識別情報を含む特定の範囲に対して、より確実にマスク処理を行うことができる。
【0050】
受信部19は、送信部17を介して入力部付端末104に表示された情報を見た利用者が、入力部付端末104に保護の有無に対する評価を入力し、その評価結果を受信する。例えば、図5に示す観測した情報が、図4(c)に示す処理情報とともに入力部付端末104に表示される。
【0051】
利用者は表示された情報を確認し、特定の範囲にある必要な情報が保護されているかをチェックし、図6に示す確認結果のような形式で結果を入力する。受信部19は全てOKの場合は、問題無しであることを情報保護装置1の制御部(図示せず)に伝送する。また、NGが含まれる場合は、情報保護装置1の制御部(図示せず)に伝送し、制御部の指示により、記憶部16および開示制御部14への制御が行われる。そして記憶部16ではマスクレベル情報の更新、開示制御部14では事象情報の記録に対して、新たに設定された方法で特定の範囲にマスク処理が行われる。具体的にマスクレベル情報の更新とは、図3に示すタグ情報の、マスクレベル情報で、周辺1m四方を塗り潰しという設定から、全体塗り潰しの設定にするなどして、開示制御、すなわちマスク処理の方法を変更することをいう。
【0052】
図10は、実施の形態2に係る情報保護装置の動作の一例を示すフローチャートである。基本的な動作は、実施の形態1と同様であり、ステップS11とステップS12との間にステップS31を追加して備える。また、ステップS19とステップS20との間に、ステップS41およびステップS42を追加して備える。
【0053】
ステップS31は、記録部101の情報である、記録部101の記録手段および位置情報について、位置情報取得部18で取得する(ステップS31)。取得した位置情報および記録部101の記録手段は、対応する事象記録および処理情報と合わせて記憶し、送信される。すなわち、記憶動作(ステップS17)および送信動作(ステップS19)に記載の情報は、事象情報をマスク処理した処理情報に加えて、記録部101の情報である、記録部101の記録手段および位置情報について、あわせて記憶し送信するものとする。
【0054】
ステップS41およびステップS42について説明する。ステップS19にある、記録位置情報を含む情報の送信を終えると、受信部19は利用者からの結果入力の有無を確認する。ここではNGという結果の入力があれば(ステップS41;YES)、情報のマスクが不充分であるものとして、情報保護装置1の制御部(図示せず)は、記憶部16にあるマスクレベル情報の更新を行う(ステップS42)。例えば、NGと入力されたタグIDに対応する開示制御方法を、マスク処理不要から全体モザイクへとマスクレベル情報を更新する。また、一部NGと入力されたタグIDに対応する開示制御でマスク処理を施す位置について、タグ位置の周辺30cm四方塗り潰しの設定からタグ位置の周辺50cm四方塗り潰しの設定にマスクレベル情報を更新してもよい。予め、NGと入力された場合におけるマスクレベル情報について、どのように設定変更するかの条件を入力しておき、NGの場合は利用者の選択により、より好ましい条件となるように設定してもかまわない。
【0055】
マスクレベル情報の更新が行われると(ステップS42)、再度、要否情報取得部13は、識別情報の開示制御を決定するマスクレベル情報を取得し(ステップS14)、以後は、マスク処理および情報の記録および送信と、情報保護動作処理が行われる。
【0056】
記録位置情報を含む情報の送信(ステップS19)を終えた後にNGという結果の入力がなければ(ステップS41;NO)、次に記録すべき情報があれば(ステップS20;YES)、ステップS11に戻り、処理を繰り返す。また、次に記録すべき情報がなければ(ステップS20;NO)、情報保護動作処理を終える。
【0057】
ステップS41では、利用者が入力部付端末104を用いてNGであることを入力した場合に、マスクレベル情報の更新(ステップS42)を行っているが、判定の方法は特に上述の方法に限定しない。判定の方法は、情報の送信(ステップS19)から所定時間が経過した場合はそのまま問題ないものとみなしたり、全ての項目でOKの判定が入力された場合にのみ問題ないものとみなしたり、また、NGのものについて、マスクレベル情報を更新する内容を入力するなど、事象の記録について、利用者に好ましい保護が施されているかを判定できればよい。
【0058】
以上説明したように、実施の形態2の情報保護装置によれば、被保護対象が記録の中で保護されているかを容易に確認することができる。
【0059】
事象を記録するカメラなどの記録部の位置を、事象の記録とともに送信することで、どの記録部で記録を行っているかを利用者が知ることができる。また、複数の記録部で記録する場合において、保護したい対象の物体に貼付されたタグを、いずれかの記録部で認識することができなかった場合においても、少なくとも1つの記録部がタグを認識することでタグの位置情報を共用化できる。記録部の位置の相互関係によりタグ位置を抽出し保護すべき対象の物体の位置を取得できるので、結果として、全ての記録部で取得した事象の記録について、保護すべき対象の物体にマスク処理を施すことができる。
【0060】
さらに、利用者が確認した結果を、情報保護装置へフィードバックすることで、保護が不充分と思われる保護対象に対するマスクレベル情報を更新し、利用者にとって好ましいマスク処理を施すことが可能となる。好ましい処理とは、ぼかしやモザイクなどの、開示制御の方法を変更したり、所定の範囲の変更をしたりすることにより、事象の記録について、保護したい情報について確実に充分な保護を行い、他の情報について開示が明確となるように処理することをいう。
【0061】
なお、本実施の形態において、記録部をカメラなどの画像の記録を行う機器を対象にして説明したが、マイクなどの音声の記録であってもかまわない。また、ビデオなどの、画像と音声の組み合わせてあってもよい。音声の場合は、音を消したり変えたり、効果音をかぶせるなどの方法でマスク処理を施すことができる。また、音声のみマスク処理を施し画像はそのままであったり、画像のみマスク処理を施し音声はそのままであったり、両方にマスク処理を施すなど、マスクレベル情報については、任意に設定可能であり、対応する開示制御は、設定されたマスクレベル情報に対応して施されることが好ましい。
【0062】
図11は、図1または図9に示す情報保護装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。情報保護装置1は、図11に示すように、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35、入出力部36および送受信部37を備える。主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35、入出力部36および送受信部37はいずれも内部バス30を介して制御部31に接続されている。
【0063】
制御部31はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39に従って、情報保護装置1の処理を実行する。
【0064】
主記憶部32はRAM(Random−Access Memory)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39をロードし、制御部31の作業領域として用いられる。
【0065】
外部記憶部33は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random−Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、上述の処理を制御部31に行わせるための制御プログラム39を予め記憶し、また、制御部31の指示に従って、制御プログラム39が記憶するデータを制御部31に供給し、制御部31から供給されたデータを記憶する。
【0066】
操作部34はキーボードおよびマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス30に接続するインタフェース装置から構成されている。操作部34を介して、事象情報を取得する記録部101の種類や、識別情報の属性、すなわちタグIDやそのタグを有する情報の開示制御の方法(マスクレベル情報)、対応する送信宛先などの入力を受け付ける。
【0067】
表示部35は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、マスク処理を施された記録を表示する。
【0068】
入出力部36は、事象情報取得部11および識別情報取得部12と接続するシリアルインタフェースまたはパラレルインタフェースから構成されている。事象情報取得部11は、例えば、カメラ、マイクなどを備え、事象を記録した情報を取得する。また、識別情報取得部12は、例えば、RFタグ102の位置を受信するアンテナなどを備え、保護対象となる識別情報を有するタグの位置と方向を検出する。識別情報は、必ずしもRFタグ102でなくてもよく、例えば二次元バーコードなどであり、識別情報取得部12は取得した事象情報を走査することでバーコードを読み取る方法であってもよい。保護を行う対象の物体にタグを貼付でき、識別情報取得部12でそのタグ情報を読み取り可能であれば、上述の例に限定されない。
【0069】
送受信部37は、通信装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。送受信部37は、マスク処理を施された記録を情報保護装置1から端末103および入力部付端末104へ送信し、および利用者によるその確認結果を入力部付端末104から情報保護装置1へ受信する。
【0070】
図1または図9にある情報保護装置1の、事象情報取得部11、識別情報取得部12、要否情報取得部13、マッチング部13a、開示制御部14、確認部15、記憶部16、送信部17、位置情報取得部18および受信部19の処理は、制御プログラム39が、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35、入出力部36および送受信部37などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0071】
その他、前記のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0072】
制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、送受信部37、内部バス30などから構成される情報保護装置1のための処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する情報保護装置1を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで情報保護装置1を構成してもよい。
【0073】
また、データ要約システムの機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0074】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0075】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0076】
(付記1)所定の事象の記録を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した前記事象の記録の対象の物体に保持されるタグから識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報と前記情報取得手段で取得した前記記録のなかの特定の範囲とを対応付ける手段と、
前記識別情報取得手段で取得した前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲の、隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する要否情報取得手段と、
前記マスクレベル情報にしたがって、前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲をマスクする開示制御手段と、
前記識別情報に対応付けられた、前記事象の記録を送信する宛先を取得する手段と、
前記開示制御手段で前記特定の範囲をマスクした前記事象の記録を、前記宛先に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報保護装置。
【0077】
(付記2)前記送信手段は、前記事象の記録と共に、該事象の記録をする手段の種類を表す情報および該手段の位置情報を、前記宛先に送信することを特徴とする付記1に記載の情報保護装置。
【0078】
(付記3)複数の前記情報取得手段と、
前記特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体の位置情報を抽出する対象位置取得手段を備え、
前記情報取得手段は、前記所定の事象の複数の記録を取得し、
少なくとも1つの前記情報取得手段で取得した事象の記録に前記開示制御手段によりマスクされた特定の範囲を含む場合に、
前記対象位置取得手段は、前記マスクされた特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体の位置情報を抽出し、
前記開示制御手段は、前記対象の物体の位置情報に基づいて、全ての前記情報取得手段で取得した事象の記録の、前記マスクされた特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体に対応付けられる特定の範囲をマスクする、
ことを特徴とする付記1または2に記載の情報保護装置。
【0079】
(付記4)前記対象の物体は、人および/または物であることを特徴とする付記1ないし3のいずれかに記載の情報保護装置。
【0080】
(付記5)事象の記録の一部を隠蔽する情報保護装置が行う情報保護方法であって、
所定の事象の記録を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した前記事象の記録の対象の物体に保持されるタグから識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報と前記情報取得ステップで取得した前記記録のなかの特定の範囲とを対応付けるステップと、
前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲の、隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する要否情報取得ステップと、
前記マスクレベル情報にしたがって、前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲をマスクする開示制御ステップと、
前記識別情報に対応付けられた、前記事象の記録を送信する宛先を取得するステップと、
前記開示制御ステップで前記特定の範囲をマスクした前記事象の記録を、前記宛先に送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とする情報保護方法。
【0081】
(付記6)前記送信ステップは、前記事象の記録と共に、該事象の記録をするステップの種類を表す情報および該ステップの位置情報を、前記宛先に送信することを特徴とする付記5に記載の情報保護方法。
【0082】
(付記7)前記特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体の位置情報を抽出する対象位置取得ステップを備え、
前記情報取得ステップは、前記所定の事象の複数の記録を取得し、
少なくとも1つの前記情報取得ステップで取得した事象の記録に前記開示制御ステップによりマスクされた特定の範囲を含む場合に、
前記対象位置取得ステップは、前記マスクされた特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体の位置情報を抽出し、
前記開示制御ステップは、前記対象の物体の位置情報に基づいて、全ての前記情報取得ステップで取得した事象の記録の、前記マスクされた特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体に対応付けられる特定の範囲をマスクする、
ことを特徴とする付記5または6に記載の情報保護方法。
【0083】
(付記8)前記対象の物体は、人および/または物であることを特徴とする付記5ないし7のいずれかに記載の情報保護方法。
【0084】
(付記9)コンピュータに、
所定の事象の記録を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した前記事象の記録の対象の物体に保持されるタグから識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報と前記情報取得ステップで取得した前記記録のなかの特定の範囲とを対応付けるステップと、
前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲の、隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する要否情報取得ステップと、
前記マスクレベル情報にしたがって、前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲をマスクする開示制御ステップと、
前記識別情報に対応付けられた、前記事象の記録を送信する宛先を取得するステップと、
前記開示制御ステップで前記特定の範囲をマスクした前記事象の記録を、前記宛先に送信する送信ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明によれば、オフィスの作業管理や高齢者の見守りなど環境内にカメラを設置する場合に、被撮影者による動的なプライバシ保護を行えるサービスとして利用できる。
【符号の説明】
【0086】
1 情報保護装置
11 事象情報取得部
12 識別情報取得部
13 要否情報取得部
13a マッチング部
14 開示制御部
15 確認部
16 記憶部
17 送信部
18 位置情報取得部
19 受信部
31 制御部
32 主記憶部
33 外部記憶部
34 操作部
35 表示部
36 入出力部
37 送受信部
39 制御プログラム
101 記録部
102 RFタグ
103 端末
104 入力部付端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の事象の記録を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した前記事象の記録の対象の物体に保持されるタグから識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報と前記情報取得手段で取得した前記記録のなかの特定の範囲とを対応付ける手段と、
前記識別情報取得手段で取得した前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲の、隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する要否情報取得手段と、
前記マスクレベル情報にしたがって、前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲をマスクする開示制御手段と、
前記識別情報に対応付けられた、前記事象の記録を送信する宛先を取得する手段と、
前記開示制御手段で前記特定の範囲をマスクした前記事象の記録を、前記宛先に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報保護装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記事象の記録と共に、該事象の記録をする手段の種類を表す情報および該手段の位置情報を、前記宛先に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報保護装置。
【請求項3】
前記特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体の位置情報を抽出する対象位置取得手段を備え、
前記情報取得手段は、前記所定の事象の複数の記録を取得し、
少なくとも1つの前記情報取得手段で取得した事象の記録に前記開示制御手段によりマスクされた特定の範囲を含む場合に、
前記対象位置取得手段は、前記マスクされた特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体の位置情報を抽出し、
前記開示制御手段は、前記対象の物体の位置情報に基づいて、全ての前記情報取得手段で取得した事象の記録の、前記マスクされた特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体に対応付けられる特定の範囲をマスクする、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報保護装置。
【請求項4】
前記対象の物体は、人および/または物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報保護装置。
【請求項5】
事象の記録の一部を隠蔽する情報保護装置が行う情報保護方法であって、
所定の事象の記録を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した前記事象の記録の対象の物体に保持されるタグから識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報と前記情報取得ステップで取得した前記記録のなかの特定の範囲とを対応付けるステップと、
前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲の、隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する要否情報取得ステップと、
前記マスクレベル情報にしたがって、前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲をマスクする開示制御ステップと、
前記識別情報に対応付けられた、前記事象の記録を送信する宛先を取得するステップと、
前記開示制御ステップで前記特定の範囲をマスクした前記事象の記録を、前記宛先に送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とする情報保護方法。
【請求項6】
前記送信ステップは、前記事象の記録と共に、該事象の記録をするステップの種類を表す情報および該ステップの位置情報を、前記宛先に送信することを特徴とする請求項5に記載の情報保護方法。
【請求項7】
前記特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体の位置情報を抽出する対象位置取得ステップを備え、
前記情報取得ステップは、前記所定の事象の複数の記録を取得し、
少なくとも1つの前記情報取得ステップで取得した事象の記録に前記開示制御ステップによりマスクされた特定の範囲を含む場合に、
前記対象位置取得ステップは、前記マスクされた特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体の位置情報を抽出し、
前記開示制御ステップは、前記対象の物体の位置情報に基づいて、全ての前記情報取得ステップで取得した事象の記録の、前記マスクされた特定の範囲に対応付けられる前記対象の物体に対応付けられる特定の範囲をマスクする、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の情報保護方法。
【請求項8】
前記対象の物体は、人および/または物であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の情報保護方法。
【請求項9】
コンピュータに、
所定の事象の記録を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得した前記事象の記録の対象の物体に保持されるタグから識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記識別情報と前記情報取得ステップで取得した前記記録のなかの特定の範囲とを対応付けるステップと、
前記識別情報取得ステップで取得した前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲の、隠蔽の要否を表すマスクレベル情報を取得する要否情報取得ステップと、
前記マスクレベル情報にしたがって、前記識別情報に対応付けられた前記事象の記録の特定の範囲をマスクする開示制御ステップと、
前記識別情報に対応付けられた、前記事象の記録を送信する宛先を取得するステップと、
前記開示制御ステップで前記特定の範囲をマスクした前記事象の記録を、前記宛先に送信する送信ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−78900(P2012−78900A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220997(P2010−220997)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】