説明

情報入力装置、顧客操作機器

【課題】キー数不足を解消するために追加の機能キーを設け、かつ視覚障害者がその機能キーの位置を容易に知ることのできる情報入力装置を得る。
【解決手段】テンキーを備えた情報入力装置であって、テンキーと同列に配置された機能キーを少なくとも1つ備え、機能キーは、テンキーと異なる形状に形成され、かつ表面に突起を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テンキーを備えた情報入力装置、及びこれを備えた顧客操作機器に関し、特に視覚障害者向けのものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、『視覚障害者であっても特急券等の購入を可能とし、一般客にとってはより簡便に特急券等の購入を可能ととする自動券売機の提供を目的とする。』ものとして、『購入条件を表示する画面4と、該画面に表示された購入条件を選択することにより購入条件を特定するための確定手段5とを備えた自動券売機において、音声により操作を案内する案内手段7と、該案内手段の案内にしたがって行き先駅、発車時刻等の購入条件を入力するためのテンキー6とを備え、購入条件の入力が終了したときに入力した購入条件を音声出力し、特定のキーの押下により購入条件を確定する。』という技術が提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−109571号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のような従来のテンキーは、当該テンキーが設けられる機器の機能によっては、キーの数が不足してしまうという課題がある。
一方、キー数不足を解消するために追加の機能キーを設けたとしても、視覚障害者にとってはその機能キーの位置を容易に知る手段がないという課題がある。この点、上記特許文献1では、購入操作を取り消すためのキーを設けることが記載されているが、その位置を視覚障害者が容易に知るための手段が提供されていない。
そのため、キー数不足を解消するために追加の機能キーを設け、かつ視覚障害者がその機能キーの位置を容易に知ることのできる情報入力装置、及びこれを備えた顧客操作機器が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報入力装置は、
テンキーを備えた情報入力装置であって、
前記テンキーと同列に配置された機能キーを少なくとも1つ備え、
前記機能キーは、
前記テンキーと異なる形状に形成され、かつ表面に突起を設けた
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る情報入力装置によれば、キー数不足を解消するために追加の機能キーを設け、各機能キーはテンキーと同列に配置され、かつテンキーと異なる形状に形成された上で表面に突起を設けているので、視覚障害者はその位置を容易に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る情報入力装置のテンキー周辺を表す図である。ここでいう情報入力装置とは、キーボード、操作パネル等、ユーザが操作情報を入力するための手段を備えた装置のことをいう。
図1(1)において、テンキーは「0」〜「9」の数字キー、「#」(シャープ)キー、「*」(アスタリスク)キーからなる。
これらの配置パターンは、電話機に用いられる配置パターンや、事務機器等に用いられる配置パターンがあるが、ここでは図1のような配置パターンを前提に説明する。
また、テンキーに加えて新たに設けた機能キーが、テンキーの周辺に配置されている。各機能キーは、テンキーの各キーと同じ直線上に位置するように配置されており、例えば「1キーの左」といった指定の仕方により、各機能キーの位置を特定できるようになっている。
なお、必ずしも全てのテンキーの隣に機能キーを設ける必要はなく、要求される機能の数に応じて適切な数・配置で設ければよい。
【0008】
各機能キーの形状は、テンキーの各キーとは異なる形状に形成されている。図1(1)では、テンキーを四角形、機能キーを円形に形成した例を図示しているが、これに限るものではない。
また、各機能キーの形状を、それぞれ異なる形状に形成してもよい。例えば、「1キーの左」の機能キーを円形、「1キーの上」の機能キーを三角形、「2キーの上」の機能キーを星形、といったように形成することもできる。
このように、機能キーの形状をテンキーの形状と異なるものとすることで、視覚障害者がキーに触れた際に、テンキーと機能キーの違いを認識できるようになっている。
【0009】
図1(2)に示すように、各機能キーの表面には突起が設けられており、視覚障害者がキーの表面に触れた際に、テンキーと機能キーの違いを認識できるようになっている。図1(2)では、円形の突起を機能キーの表面に設けた例を示しているが、突起の形状はこれに限るものではなく、任意の形状でよい。
また、全ての機能キーに突起を設ける必要はなく、例えば1つ置きに突起を設けるなどとしてもよい。
【0010】
各機能キーの表面の突起の形状は、機能キー毎に異なる形状としてもよい。例えば、「1キーの左」の機能キーの突起を円形、「1キーの上」の機能キーの突起を三角形、「2キーの上」の機能キーの突起を星形、といったように形成することもできる。
その他、各機能キーの形状をそれぞれ異なる形状に形成するとともに、機能キーの形状と突起の形状を同一に形成すれば、視覚障害者にとって各機能キーの識別がさらに容易になる。
【0011】
以上のように、本実施の形態1によれば、テンキーの周辺に追加の機能キーを設け、各機能キーはテンキーの各キーと同じ直線上に位置するように配置されているので、視覚障害者は、テンキーの配置を基準として各機能キーの位置を容易に知ることができる。
また、各機能キーの形状は、テンキーの各キーとは異なる形状に形成されているので、視覚障害者が機能キーの位置を容易に認識することができる。さらには、機能キーの表面に突起を設けているので、機能キーの識別がより容易になる。
なお、各機能キー又はその表面の突起の形状を機能キー毎に異なる形状とすることにより、個々の機能キーの識別が容易になるので、視覚障害者にとって便宜である。
【0012】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係る券売機の外観図と機能ブロック図である。
図2(1)に示すように、本実施の形態2に係る券売機は、画面の近傍にテンキー及び機能キーを備えている。現金投入口近傍に配置してもよい。
これらテンキーと機能キーは、実施の形態1の図1で説明したような構成を備えるものとする。
【0013】
本実施の形態2に係る情報入力装置は、テンキー、機能キー、及び音声案内装置202を備える。また、本実施の形態2に係る券売機は、上記情報入力装置、及び制御部201を備える。
制御部201は、テンキー及び機能キーが押下された際に、その旨の信号をこれらのキーより受け取り、各キーに対応付けられた券売機の機能を実行する。また、音声案内装置202の動作を制御する。
音声案内装置202は、券売機が備える機能キーに関する案内情報を音声出力する機能を備える。詳細は後述する。
【0014】
制御部201は、その機能を実現する回路デバイス等のハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置と、その上で動作するソフトウェアとの組み合わせで構成することもできる。
音声案内装置202は、(1)指定された音声を合成出力する音声合成装置、(2)規定の音声ファイルを格納した記憶装置を備える音声出力装置、などにより構成することができる。音声合成装置として構成する場合には、必要なソフトウェア、記憶装置、データファイル等を適宜備えるものとする。
【0015】
次に、ユーザ(視覚障害者)が本実施の形態2に係る券売機を使用する手順について、券売機の内部動作とともに説明する。
【0016】
(1)ユーザは、券売機の前に来ると、テンキーのうちあらかじめ定められたキー、例えばアスタリスクキーを押下する。
(2)アスタリスクキーが押下された旨の信号が、制御部201に出力される。
(3)制御部201は、券売機の動作モードを「テンキー操作モード」に設定する。以後の全ての操作はテンキーによって行われる。
(4)制御部201は、音声案内装置202に対し、機能キーに関する案内情報を音声出力するように指示を出す。
(5)音声案内装置202は、制御部201の指示に基づき、規定の音声案内メッセージを出力する。
(6)ユーザは、音声案内装置202の音声案内メッセージに基づき、実行したい機能に対応した機能キーを押下する。
(7)押下された機能キーに対応した信号が制御部201に出力される。
(8)制御部201は、押下された機能キーに対応した券売機機能を実行する。
【0017】
なお、ステップ(5)における音声案内メッセージとは、機能キーの配置を説明する音声メッセージであり、例えば「Aキーは1の上、Bキーは2の上、Cキーは3の上に配置されています。」といった内容を音声出力するものとする。
また、機能キーの配置とともに、各機能キーの機能を説明するようにしてもよい。例えば、「機能Aを実行する場合は1の上のキーを、機能Bを実行する場合は2の上のキーを、機能Cを実行する場合は3の上のキーを、押してください。」といった内容を音声出力するようにしてもよい。
さらには、テンキーの配置パターンについて、同時にアナウンスするようにしてもよい。これは、テンキーの配置パターンは上述の実施の形態1で説明したようにいくつかのパターンが存在し、いずれの配置パターンを前提に以後の操作を行うべきか、ユーザに通知する必要があるためである。テンキーの配置パターンがユーザにとって周知であれば、このようなアナウンスはしなくともよい。
【0018】
以上の説明において、テンキー及び機能キーを押下した旨の信号は、制御部201を介して音声案内装置202に出力されることとしたが、制御部201を介さずに直接音声案内装置202に出力するように構成してもよい。
また、券売機の動作を制御する制御部と、情報入力装置を制御する制御部とを別個に設けてもよい。
【0019】
なお、図2において券売機を例に取り説明したが、券売機以外の機器に同様の構成を設けることにより、同様の効果が得られる。
例えば、現金自動預け払い機(ATM)など、顧客が自ら操作して所望の結果を得るように構成された自動応答機器(顧客操作機器)全般について、本実施の形態2と同様の構成を適用可能である。ATMの場合には、テンキーと機能キーは、ハンドセット又は画面近傍等に配置すればよい。
以下の実施の形態についても同様である。
【0020】
以上のように、本実施の形態2によれば、機能キーに関する案内情報を音声出力する音声案内装置202を備えたので、ユーザは初めて接する機器であっても、各機能キーの位置を容易に知ることができる。
また、音声案内装置202より、各機能キーの配置とともにその機能を説明するメッセージを音声出力することにより、ユーザは初めて接する機器であっても、各機能キーの位置と機能を容易に知ることができる。
また、各機能キーは、実施の形態1で説明した図1のように配置・構成されているので、視覚障害者は音声案内により各機能キーの位置を容易に特定することができる。
【0021】
実施の形態3.
実施の形態2では、音声案内装置202により、各機能キーの配置や機能を説明する音声案内メッセージを出力することを説明した。しかし、機能キーの数が多いような場合には、最初に全ての機能キーの説明をまとめてされても覚えきれない場合がある。
そこで、本発明の実施の形態3に係る情報入力装置では、各機能キーにタッチセンサを備え、ユーザが各機能キーに触れた際に、その機能キーの機能を説明する音声メッセージを出力する動作例について説明する。
なお、タッチセンサ以外の構成は実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
【0022】
音声案内装置202は、各機能キーの機能説明をする音声メッセージをあらかじめ格納し、若しくは同音声メッセージを合成出力する機能を備える。
ここでいう音声メッセージは、例えば「これは機能Aを実行するキーです。」といったように、その機能キーを押下することにより実行される機能を説明するメッセージが含まれるものとする。
【0023】
次に、動作手順について説明する。
(1)ユーザが機能キーに触れると、その機能キーのタッチセンサが接触を検知し、接触検知の旨の信号を制御部201に出力する。
(2)制御部201は、タッチセンサより接触検知の旨の信号を受け取ると、そのタッチセンサを備える機能キーに対応した音声メッセージを出力するように、音声案内装置202に対して指示を出す。
(3)音声案内装置202は、制御部201の指示に基づき、ユーザが触れた機能キーの機能を説明するメッセージを音声出力する。音声メッセージの内容は、情報入力装置を搭載する顧客操作機器の機能に応じて適宜設定しておく。
【0024】
なお、実施の形態2で説明したような、各機能キーの配置を説明する音声案内メッセージを、本実施の形態3において併用してもよい。ユーザが各機能キーに触れた際に機能説明メッセージが音声出力されるので、それで十分とする場合には、同音声案内メッセージは省略してもよい。
【0025】
以上の説明において、タッチセンサによる接触検知の旨の信号は、制御部201を介して音声案内装置202に出力されることとしたが、制御部201を介さずに直接音声案内装置202に出力するように構成してもよい。
【0026】
以上のように、本実施の形態3によれば、各機能キーはタッチセンサを備え、ユーザが機能キーに触れた際にその機能キーの機能説明メッセージを音声出力するので、ユーザは機能キーの機能説明をいつでも得ることができる。
これにより、ユーザが初めて使用する機器であっても、機能キーの位置や機能を容易に知ることができるので、視覚障害者にとって使いやすい情報入力装置、及びこれを備えた顧客操作機器を得ることができる。
【0027】
実施の形態4.
先の実施の形態1〜3で説明した構成と動作により、視覚障害者は、機能キーの配置と機能をあらかじめ知ることができる。しかし、あらかじめこれらを通知したとしても、キーの押し間違い等が発生する可能性がある。
そこで、本発明の実施の形態4に係る券売機では、機能キー押下時に、そのキーの機能を説明するメッセージを音声出力し、当該機能を実行してもよいか否か、ユーザに確認を促す動作例について説明する。
なお、本実施の形態4に係る券売機の構成は図2と同様であるため、説明を省略する。
【0028】
図3は、本実施の形態4に係る券売機の動作フローである。以下、各ステップについて説明する。
【0029】
(S301)
ユーザは、券売機の前に来ると、テンキーのうちあらかじめ定められたキー、例えばアスタリスクキーを押下する。アスタリスクキーが押下された旨の信号が、制御部201に出力される。
制御部201は、券売機の動作モードを「テンキー操作モード」に設定する。次に、制御部201は、音声案内装置202に対し、機能キーに関する案内情報を音声出力するように指示を出す。
音声案内装置202は、制御部201の指示に基づき、規定の音声案内メッセージを出力する。
【0030】
(S302)
ユーザは、音声案内装置202の音声案内メッセージに基づき、実行したい機能に対応した機能キーを押下する。押下された機能キーに対応した信号が制御部201に出力される。
(S303)
制御部201は、音声案内装置202に対し、押下された機能キーの機能と、再度押下を促す音声メッセージを出力するように指示を出す。
音声案内装置202は、制御部201の指示に基づき、例えば以下のような音声メッセージを出力する。
「今押したキーは機能Aキーです。よろしければ再度押してください。」
【0031】
(S304)
制御部201は、ユーザが再度ステップS302と同じ機能キーを押下したか否かを判定する。再度押した場合はステップS305へ進み、他のキーを押した場合はステップS302に戻って同様の処理を繰り返す。
(S305)
制御部201は、押下された機能キーに対応した券売機機能を実行する。
【0032】
このように、機能キーを押下した際にその機能を直ぐに実行せず、一旦確認メッセージを音声出力するので、ユーザが間違った機能キーを押下した際にも、容易に正しい操作をやり直すことができる。
なお、実施の形態3で説明したようなタッチセンサを備える構成と、本実施の形態4で説明した動作とを併用してもよいが、キーに触れた際と押下時で2度音声メッセージを出力するのが煩雑である場合には、タッチセンサを省略してもよい。
【0033】
以上のように、本実施の形態4によれば、機能キー押下時に確認メッセージを音声出力するので、ユーザ誤操作した際にも容易に正しい操作に復帰することができる。また、機能キーの配置が分からない場合にも、ひとまずキーを押下してみることで、そのキーの機能を容易に知ることができる。
【0034】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5では、券売機が「入力をやり直す」「購入を取り消す」「前の操作に戻る」の3つの機能キーを備えている場合を例にとり、具体的な動作について説明する。
【0035】
図4は、本実施の形態5に係る券売機の動作フローである。以下、各ステップについて説明する。
【0036】
(S401)
ユーザは、券売機の前に来ると、テンキーのうちあらかじめ定められたキー、例えばアスタリスクキーを押下する。アスタリスクキーが押下された旨の信号が、制御部201に出力される。
制御部201は、券売機の動作モードを「テンキー操作モード」に設定する。次に、制御部201は、音声案内装置202に対し、機能キーに関する案内情報を音声出力するように指示を出す。
音声案内装置202は、制御部201の指示に基づき、規定の音声案内メッセージを出力する。メッセージは、例えば以下のようにする。
「乗車券購入は1を、チャージは2を、履歴印字は3を押してください。」
ここでは、ユーザが「1」を押下したものとする。
制御部201は、「1」に対応した信号を受け取り、音声案内装置202に対し、機能キーに関する案内情報を音声出力するように指示を出す。
音声案内装置202は、制御部201の指示に基づき、規定の音声案内メッセージを出力する。メッセージは、例えば以下のようにする。
「購入金額を入力後にシャープ(#)キーを押してください。前の操作に戻る場合は1の上のキーを、金額を入力し直す場合には2の上のキーを、購入をやめる場合は3の上のキーを押してください。」
【0037】
(S402)
ユーザは、テンキーを押下して購入金額を入力する。ユーザが押下した各テンキーに対応した信号が制御部201に出力される。
制御部201は、音声案内装置202に対し、押下されたキーに関する案内情報を音声出力するように指示を出す。音声案内装置202は、制御部201の指示に基づき、音声案内メッセージを出力する。
【0038】
(S403)
ユーザがシャープ(#)キーを押下して購入を確定した場合は、発券を行って処理を終了する。それ以外の場合は、ステップS404へ進む。
【0039】
(S404)
ここで、ユーザが誤操作に気づき、「入力をやり直す」「購入を取り消す」「前の操作に戻る」の3つの機能キーのうちいずれかを押下するものとする。押下する機能キーに応じて、以下のステップS405、S408、S411のいずれかに進む。
【0040】
(S405)
ユーザは、「入力をやり直す」機能キーを押下する。押下された機能キーに対応した信号が制御部201に出力される。
(S406)
制御部201は、音声案内装置202に対し、押下された機能キーの機能説明と、再度押下を促すメッセージを音声出力するように指示を出す。
音声案内装置202は、制御部201の指示に基づき、例えば以下のような音声メッセージを出力する。
「今押したキーは入力をやり直すためのキーです。入力をやり直す場合は再度押してください。」
(S407)
ユーザは、「入力をやり直す」機能キーを再度押下する。押下された機能キーに対応した信号が制御部201に出力される。
制御部201は、ステップS402に戻って再度同様の処理を行う。
【0041】
(S408)
ユーザは、「購入を取り消す」機能キーを押下する。押下された機能キーに対応した信号が制御部201に出力される。
(S409)
制御部201は、音声案内装置202に対し、押下された機能キーの機能説明と、再度押下を促すメッセージを音声出力するように指示を出す。
音声案内装置202は、制御部201の指示に基づき、例えば以下のような音声メッセージを出力する。
「今押したキーは購入を取り消すためのキーです。購入を取り消す場合は再度押してください。」
(S410)
ユーザは、「購入を取り消す」機能キーを再度押下する。押下された機能キーに対応した信号が制御部201に出力される。
制御部201は、購入処理を終了する。
【0042】
(S411)
ユーザは、「前の操作に戻る」機能キーを押下する。押下された機能キーに対応した信号が制御部201に出力される。
(S412)
制御部201は、音声案内装置202に対し、押下された機能キーの機能説明と、再度押下を促すメッセージを音声出力するように指示を出す。
音声案内装置202は、制御部201の指示に基づき、例えば以下のような音声メッセージを出力する。
「今押したキーは前の操作に戻るためのキーです。前の操作に戻る場合は再度押してください。」
(S413)
ユーザは、「前の操作に戻る」機能キーを再度押下する。押下された機能キーに対応した信号が制御部201に出力される。
制御部201は、ステップS401に戻って再度同様の処理を行う。
【0043】
ここで、券売機が「入力をやり直す」「購入を取り消す」「前の操作に戻る」の3つの機能キーを備えていない場合について考える。
券売機がこれらのキーを備えていない場合、ユーザはテンキーのみを使用して、これら機能キーと同様の操作を行うことになる。
テンキーのみを使用してこれらの機能を指示する場合、券売機から見ると、ユーザは数字を入力しているのか、それとも機能キーに相当する指示をしているのかが判断できないという課題がある。
機能キーを設けることにより、こうした課題は解決される。また、各機能キーの位置については、上述の実施の形態で説明した手法により認識可能である。
【0044】
以上、本実施の形態5に係る券売機が「入力をやり直す」「購入を取り消す」「前の操作に戻る」の3つの機能キーを備えている場合を例に説明した。
また、音声案内装置202による音声メッセージは、(1)ステップS401、(2)ステップS402、(3)各機能キー押下時、の3箇所で出力するようにした。このように、ユーザが操作を行う毎に適切な音声メッセージを出力することで、ユーザビリティが一層向上する。
さらには、例えば定期券購入に関する「購入を取り消す」キーと、乗車券購入に関する「購入を取り消す」キーとを共通にすることで、機能キーの位置に一貫性を持たせることができるので、ユーザにとってキーの位置の識別が容易になる。他の操作に関しても同様にキー位置に一貫性を持たせることが好ましい。
【0045】
実施の形態6.
以上の実施の形態1〜5では、機能キーの形状をテンキーの形状とは異なるように形成し、さらに機能キーの表面に突起を設けた構成を説明した。これにより、視覚障害者は機能キーを触れることによりテンキーとの違いを認識可能となっている。また、最初に機能キーの配置に関する案内メッセージを音声出力することにより、各機能キーの位置を知ることができる。
機能キーとテンキーの違いを識別するその他の手法として、例えば次のようなものが考えられる。
【0046】
(1)機能キーとテンキーに温度差を設け、キーに触れたときの温度により両者の違いを識別させる。温度差を設ける方法は任意のものでよいが、キー周辺の材質は温度に耐えうるもので構成する必要がある。
(2)機能キーにタッチセンサを備えるとともに、キーに触れた際に振動するように小型モータを機能キー毎に配置しておく。機能キーに触れるとキーが振動するので、テンキーとの違いを認識することができる。
(3)機能キーの表面に点字を印字しておき、各機能キーの機能説明と、テンキーとの識別機能とを兼ね備えさせる。
(4)機能キーの配置に関する説明文を、点字によりキー周辺に印字しておく。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施の形態1に係る情報入力装置のテンキー周辺を表す図である。
【図2】実施の形態2に係る券売機の外観図と機能ブロック図である。
【図3】実施の形態4に係る券売機の動作フローである。
【図4】実施の形態5に係る券売機の動作フローである。
【符号の説明】
【0048】
201 制御部、202 音声案内装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テンキーを備えた情報入力装置であって、
前記テンキーと同列に配置された機能キーを少なくとも1つ備え、
前記機能キーは、
前記テンキーと異なる形状に形成され、かつ表面に突起を設けた
ことを特徴とする情報入力装置。
【請求項2】
前記機能キーに関する案内情報を音声出力する音声案内装置を備え、
前記音声案内装置は、
前記テンキーのうち所定のキーが押下された際に、
各機能キーの配置に関する案内情報を音声出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項3】
前記音声案内装置は、
各機能キーの配置とともに、各機能キーに割り当てられた機能説明を音声出力する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報入力装置。
【請求項4】
前記機能キーはタッチセンサを備え、
前記タッチセンサは、
接触検知時にその旨の信号を前記音声案内装置に出力し、
前記音声案内装置は、
そのタッチセンサを備える機能キーに割り当てられた機能説明を音声出力する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記音声案内装置は、
前記機能キーが押下された際に、少なくともその機能キーの機能を特定できる情報を音声出力する
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の情報入力装置。
【請求項6】
前記音声案内装置は、
前記機能キーが押下された際に、その機能キーに割り当てられた機能を実行するためには再度同キーを押下すべき旨の案内を音声出力する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報入力装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の情報入力装置を備えた
ことを特徴とする顧客操作機器。
【請求項8】
請求項5又は請求項6に記載の情報入力装置を備えるとともに、
当該顧客操作機器の機能を実行する制御部を備え、
前記制御部は、前記機能キーが押下された際に、
その機能キーに割り当てられた当該顧客操作機器の機能を実行する
ことを特徴とする顧客操作機器。
【請求項9】
請求項6に記載の情報入力装置を備えるとともに、
当該顧客操作機器の機能を実行する制御部を備え、
前記制御部は、前記機能キーが押下された上で、
他のキーが押下される前に再度その機能キーが押下されると、
その機能キーに割り当てられた当該顧客操作機器の機能を実行する
ことを特徴とする顧客操作機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−203920(P2008−203920A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35930(P2007−35930)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】