説明

情報処理システム、情報処理システムの制御方法及びプログラム

【課題】 複数の入力手段の各々からの入力に応じた出力を、その入力手段に対応する入力変換基準に基づいて行う情報処理システムにおいて、各入力手段からの入力に応じて行われる出力が、他の入力手段からの入力に応じて行われる出力との関係において好適なものとなるように図ることが可能となる情報処理システムを提供すること。
【解決手段】 入力変換基準データ補正部72は、複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準を、複数の入力手段のうちの他の入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正する。出力制御部75は、複数の入力手段の各々からの入力に応じた出力を「入力変換基準データ補正部72によって補正された、その入力手段に対応する入力変換基準」に基づいて、少なくともその入力手段に対応する出力手段(表示部80)に対して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理システム、情報処理システムの制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
入力手段からの入力に応じた出力を入力変換基準に基づいて行う情報処理システムが知られている。例えば、入力手段からの入力を入力変換基準に従って変換してなる出力を行う情報処理システムや、入力手段からの入力が入力判定基準を満足するか否かを判定し、その判定結果に応じて所定の処理を実行し、その判定結果に応じた出力を行う情報処理システムが知られている。後者の具体的な例としては、入力手段からの入力に応じて取得される入力値が所定の基準範囲に含まれるか否かを判定し、入力値が基準範囲に含まれると判定された場合に、その基準範囲に対応する動作をコミュニケーションキャラクタが行う様子をモニタに表示するコミュニケーションシステムが挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記情報処理システムでは、入力変換基準にユーザの癖や傾向等が反映されるようになると、例えば所望の出力を行わせるための入力をユーザが円滑に行えるようになり、好適である。
【0004】
また、複数の入力手段を備え、各入力手段からの入力に応じた出力を、その入力手段に対応する入力変換基準に基づいて行う情報処理システムを実現する場合にも、各ユーザが自らの癖や傾向等が反映された入力変換基準に基づいて入力を行えるようになると好適である。例えば、複数のユーザが参加してコミュニケーションを図るコミュニケーションシステムにおいて、各ユーザが自らの癖や傾向等が反映された入力変換基準に基づいて入力を行えるようになると、コミュニケーションを円滑に行えるようになる。
【0005】
この場合、各入力手段からの入力に応じて行われる出力が、他の入力手段からの入力に応じて行われる出力との関係において好適なものとなるように図る必要が生じる場合がある。例えば、上記コミュニケーションシステムの一態様である対戦ネットワークゲームシステムでは、プレイヤ間で入力変換基準が大きく異なっていると、同様の入力が行われた場合の出力が大きく異なることとなり、プレイヤ間で不公平を生じ、対戦ゲームの面白さ(コミュニケーションの面白さ)が損なわれてしまう場合がある。このような場合、各入力手段間で同様の入力が行われた場合の出力が大きく異なることとならないように図る必要がある。また例えば、複数の入力手段からの入力に応じて画像が変化する様子を楽しむようなコミュニケーションシステムでは、同様の入力が行われた場合の出力をあえて異ならせることにより、画像に与えられる変化を多様化させることができ、その面白みを向上できるようになる場合がある。このような場合、各入力手段間で同様の入力が行われた場合の出力が似たものとならないように図る必要がある。
【0006】
また、先述のゲームシステムのように、入力手段からの入力に応じて取得される入力値が所定の基準範囲に含まれる場合に、その基準範囲に対応する処理(例えば、その基準範囲に対応する出力を行う処理)を実行する情報処理システムでは、その処理(出力)を変化に富んだものとすることが望まれる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数の入力手段を備え、各入力手段からの入力に応じた出力を、その入力手段に対応する入力変換基準に基づいて行う情報処理システムにおいて、各入力手段からの入力に応じて行われる出力が、他の入力手段からの入力に応じて行われる出力との関係において好適なものとなるように図ることが可能となり、例えば好適なコミュニケーションを成立させるコミュニケーションシステムを実現できるようになる情報処理システム、情報処理システムの制御方法及びプログラムを提供することにある。
【0008】
また、他の目的は、入力変換基準に過去の入力結果を好適に反映させることにより、入力変換基準がユーザの癖や傾向等を反映したものとなるよう図ることが可能となる情報処理システム、情報処理システムの制御方法及びプログラムを提供することにある。
【0009】
また、他の目的は、入力手段からの入力に応じて取得される入力値が所定の基準範囲に含まれる場合に、その基準範囲に対応する処理(例えば、その基準範囲に対応する出力を行う処理)を実行する情報処理システムにおいて、その処理(出力)に変化を好適に与えることが可能となる情報処理システム、情報処理システムの制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理システムは、複数の入力手段を含む情報処理システムにおいて、前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準であって、その入力手段からの入力結果に基づいて所定のタイミングで更新される入力変換基準を取得する入力変換基準取得手段と、前記入力変換基準取得手段によって取得される前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準を、前記複数の入力手段のうちの他の入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正する入力変換基準補正手段と、前記複数の入力手段の各々からの入力に応じた出力を、その入力手段に対応する入力変換基準であって、前記入力変換基準補正手段によって補正された入力変換基準に基づいて、少なくともその入力手段に対応する出力手段に対して行う出力制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る情報処理システムの制御方法は、複数の入力手段を含む情報処理システムの制御方法において、前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準であって、その入力手段からの入力結果に基づいて所定のタイミングで更新される入力変換基準を取得する入力変換基準取得ステップと、前記入力変換基準取得ステップによって取得される前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準を、前記複数の入力手段のうちの他の入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正する入力変換基準補正ステップと、前記複数の入力手段の各々からの入力に応じた出力を、その入力手段に対応する入力変換基準であって、前記入力変換基準補正手段によって補正された入力変換基準に基づいて、少なくともその入力手段に対応する出力手段に対して行う出力制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るプログラムは、複数の入力手段を含む情報処理システムとしてコンピュータを機能させるプログラムにおいて、前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準であって、その入力手段からの入力結果に基づいて所定のタイミングで更新される入力変換基準を取得する入力変換基準取得手段、前記入力変換基準取得手段によって取得される前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準を、前記複数の入力手段のうちの他の入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正する入力変換基準補正手段、及び、前記複数の入力手段の各々からの入力に応じた出力を、その入力手段に対応する入力変換基準であって、前記入力変換基準補正手段によって補正された入力変換基準に基づいて、少なくともその入力手段に対応する出力手段に対して行う出力制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0013】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0014】
本発明では、「複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準であって、その入力手段からの入力結果に基づいて所定のタイミングで更新される入力変換基準」が取得される。そして、その複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準が、その複数の入力手段のうちの他の入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正される。そして、その複数の入力手段の各々からの入力に応じた出力が、「その入力手段に対応する入力変換基準であって、補正された入力変換基準」に基づいて、少なくともその入力手段に対応する出力手段に対して行われる。本発明によれば、複数の入力手段を備え、各入力手段からの入力に応じた出力を、その入力手段に対応する入力変換基準に基づいて行う情報処理システムにおいて、複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準が他の入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正されるため、各入力手段からの入力に応じて行われる出力が、他の入力手段からの入力に応じて行われる出力との関係において好適なものとなるように図ることが可能となる。例えば、各入力手段間で同様の入力が行われた場合の出力が大きく異なることとならないように、或いは似たものとならないように図ることが可能となる。その結果、例えば好適なコミュニケーションを成立させるコミュニケーションシステムを実現できるようになる。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記出力制御手段は、前記複数の入力手段の各々からの入力が、その入力手段に対応する入力変換基準であって、前記入力変換基準補正手段によって補正された入力変換基準を満足するか否かを判定する判定手段を含み、その判定結果に応じた出力を少なくともその入力手段に対応する出力手段に対して行うようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準は、その入力手段からの入力に対する前記判定手段の判定結果に基づいて更新されるようにしてもよい。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記入力変換基準は、前記入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かの基準であり、前記入力変換基準補正手段は、前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準に係る基準範囲を、前記複数の入力手段のうちの他の入力手段に対応する入力変換基準に係る基準範囲に基づいて補正し、前記判定手段は、前記複数の入力手段の各々からの入力に基づいて取得される入力値が、その入力手段に対応する入力変換基準に係る基準範囲であって、前記入力変換基準補正手段によって補正された基準範囲に含まれるか否かを判定するようにしてもよい。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記情報処理システムは、複数の情報処理装置を含んで構成され、前記複数の入力手段は、前記複数の情報処理装置の各々に備えられる入力手段であってもよい。
【0019】
この態様では、前記入力変換基準取得手段は、前記複数の情報処理装置の各々に設けられ、前記入力変換基準補正手段は、前記複数の情報処理装置の各々に設けられ、その情報処理装置に備えられる入力手段に対応する入力変換基準を、前記複数の情報処理装置のうちの他の情報処理装置に備えられる入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正し、前記出力制御手段は、前記複数の情報処理装置の各々に設けられ、その情報処理装置に備えられる入力手段からの入力に応じた出力を、その情報処理装置に備えられる入力手段に対応する入力変換基準であって、その情報処理装置に備えられる入力変換基準補正手段によって補正された入力変換基準に基づいて、少なくともその情報処理装置に備えられる出力手段に対して行うようにしてもよい。
【0020】
また、本発明に係る情報処理システムは、入力手段を含み、前記入力手段からの入力が入力判定基準を満足するか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムにおいて、前記入力判定基準を満足すると判定された前記入力の特徴を示す特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、前記特徴情報取得手段によって取得される特徴情報に基づいて、前記入力判定基準を更新する入力判定基準更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る情報処理システムの制御方法は、入力手段を含み、前記入力手段からの入力が入力判定基準を満足するか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムの制御方法において、前記入力判定基準を満足すると判定された前記入力の特徴を示す特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、前記特徴情報取得ステップによって取得される特徴情報に基づいて、前記入力判定基準を更新する入力判定基準更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係るプログラムは、入力手段を含み、前記入力手段からの入力が入力判定基準を満足するか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記入力判定基準を満足すると判定された前記入力の特徴を示す特徴情報を取得する特徴情報取得手段、及び、前記特徴情報取得手段によって取得される特徴情報に基づいて、前記入力判定基準を更新する入力判定基準更新手段と、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0023】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0024】
本発明は、入力手段を含み、前記入力手段からの入力が入力判定基準を満足するか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムに関するものである。本発明では、入力判定基準を満足すると判定された前記入力の特徴を示す特徴情報が取得される。そして、その特徴情報に基づいて、入力判定基準が更新される。本発明によれば、入力判定基準に過去の入力結果を好適に反映できるようになる。その結果、入力判定基準にユーザの癖や傾向等を反映させることが可能となり、ユーザの癖や傾向等が好適に反映されたユーザインタフェースを構築できるようになる。
【0025】
また、本発明の一態様では、前記情報処理システムは、前記入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行し、前記特徴情報取得手段は、前記基準範囲に含まれると判定された前記入力値の特徴量を取得し、前記入力判定基準更新手段は、前記特徴情報取得手段によって取得される特徴量に基づいて、前記基準範囲を更新するようにしてもよい。
【0026】
この態様では、前記特徴情報取得手段は、前記基準範囲に含まれると判定された前記入力値の平均値及び分散値を取得し、前記入力判定基準更新手段は、前記特徴情報取得手段によって取得された平均値に対して、前記特徴情報取得手段によって取得された分散値を増減して得られる第1数値と第2数値との間の範囲を前記基準範囲とするようにしてもよい。
【0027】
また、本発明に係る情報処理システムは、入力手段を含み、当該入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムにおいて、前記入力値が前記基準範囲に含まれると判定される場合、当該入力値と当該基準範囲に含まれる所定の基準値との差と、前記所定処理の実行履歴に関連する実行履歴情報と、に基づいて、前記所定処理に関連する処理関連情報を取得する処理関連情報取得手段を含み、前記所定処理は、前記処理関連情報取得手段によって取得される処理関連情報にさらに基づいて実行されることを特徴とする。
【0028】
また、本発明に係る情報処理システムの制御方法は、入力手段を含み、当該入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムの制御方法において、前記入力値が前記基準範囲に含まれると判定される場合、当該入力値と当該基準範囲に含まれる所定の基準値との差と、前記所定処理の実行履歴に関連する実行履歴情報と、に基づいて、前記所定処理に関連する処理関連情報を取得する処理関連情報取得ステップを含み、前記所定処理は、前記処理関連情報取得手段によって取得される処理関連情報にさらに基づいて実行されることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係るプログラムは、入力手段を含み、当該入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記入力値が前記基準範囲に含まれると判定される場合、当該入力値と当該基準範囲に含まれる所定の基準値との差と、前記所定処理の実行履歴に関連する実行履歴情報と、に基づいて、前記所定処理に関連する処理関連情報を取得する処理関連情報取得手段、として前記コンピュータを機能させ、前記所定処理は、前記処理関連情報取得手段によって取得される処理関連情報にさらに基づいて実行されることを特徴とするプログラムである。
【0030】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0031】
本発明は、入力手段を含み、当該入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムに関するものである。本発明では、入力値が基準範囲に含まれると判定される場合、当該入力値と当該基準範囲に含まれる所定の基準値との差と、上記所定処理の実行履歴に関連する実行履歴情報と、に基づいて、上記所定処理に関連する処理関連情報が取得される。そして、上記所定処理は、その取得された処理関連情報にさらに基づいて実行される。本発明によれば、情報処理システムによって実行される処理に好適に変化を与えることが可能となる。
【0032】
また、本発明の一態様では、前記処理関連情報取得手段は、前記基準値との差を示す情報と、前記処理関連情報と、を対応づけてなる対応情報を、前記実行履歴情報に基づいて取得する対応情報取得手段を含み、前記入力値が前記基準範囲に含まれると判定される場合、当該入力値と前記基準値との差に対応する処理関連情報を、前記対応情報取得手段によって取得される対応情報に基づいて取得するようにしてもよい。
【0033】
また、本発明に係る情報処理システムは、1又は複数の入力手段を含む情報処理システムにおいて、前記入力手段からの入力が複数の入力判定基準のいずれかを満足するか否かを判定する判定手段と、前記複数の入力判定基準の各々について、前記入力手段からの入力がその入力判定基準を満足するか否かの前記判定手段による判定結果の履歴に関する判定履歴情報を取得する判定履歴情報取得手段と、前記入力手段からの入力が前記複数の入力判定基準のいずれかを満足すると前記判定手段によって判定された場合、前記判定履歴情報取得手段によって取得される当該入力判定基準についての判定履歴情報と、前記判定履歴情報取得手段によって取得される前記複数の入力判定基準のうちの他の入力判定基準についての判定履歴情報と、に応じた出力を出力手段に対して行う出力制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0034】
また、本発明に係る情報処理システムの制御方法は、1又は複数の入力手段を含む情報処理システムの制御方法において、前記入力手段からの入力が複数の入力判定基準のいずれかを満足するか否かを判定するための判定ステップと、前記複数の入力判定基準の各々について、前記入力手段からの入力がその入力判定基準を満足するか否かの前記判定ステップによる判定結果の履歴に関する判定履歴情報を取得するための判定履歴情報取得ステップと、前記入力手段からの入力が前記複数の入力判定基準のいずれかを満足すると前記判定ステップによって判定された場合、前記判定履歴情報取得ステップによって取得される当該入力判定基準についての判定履歴情報と、前記判定履歴情報取得ステップによって取得される前記複数の入力判定基準のうちの他の入力判定基準についての判定履歴情報と、に応じた出力を出力手段に対して行う出力制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0035】
また、本発明に係るプログラムは、1又は複数の入力手段を含む情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記入力手段からの入力が複数の入力判定基準のいずれかを満足するか否かを判定する判定手段、前記複数の入力判定基準の各々について、前記入力手段からの入力がその入力判定基準を満足するか否かの前記判定手段による判定結果の履歴に関する判定履歴情報を取得する判定履歴情報取得手段、及び、前記入力手段からの入力が前記複数の入力判定基準のいずれかを満足すると前記判定手段によって判定された場合、前記判定履歴情報取得手段によって取得される当該入力判定基準についての判定履歴情報と、前記判定履歴情報取得手段によって取得される前記複数の入力判定基準のうちの他の入力判定基準についての判定履歴情報と、に応じた出力を出力手段に対して行う出力制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0036】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0037】
本発明は、1又は複数の入力手段を含む情報処理システムに関するものである。本発明では、入力手段からの入力が複数の入力判定基準のいずれかを満足するか否かが判定される。また、複数の入力判定基準の各々について、前記入力手段からの入力がその入力判定基準を満足するか否かの判定結果の履歴に関する判定履歴情報が取得される。入力手段からの入力が複数の入力判定基準のいずれかを満足すると判定された場合、当該入力判定基準についての判定履歴情報と、複数の入力判定基準のうちの他の入力判定基準についての判定履歴情報と、に応じた出力が出力手段に対して行われる。本発明によれば、情報処理システムにおける出力に好適に変化を与えることが可能となる。
【0038】
また、本発明の一態様では、前記判定履歴情報取得手段は、前記複数の入力判定基準の各々について、前記入力手段からの入力がその入力判定基準を満足すると前記判定手段によって判定された回数を計数し、前記出力制御手段は、前記入力手段からの入力が前記複数の入力判定基準のいずれかを満足すると前記判定手段によって判定された場合、当該入力判定基準についての計数結果と、前記複数の入力判定基準のうちの他の入力判定基準についての計数結果と、に応じた出力を前記出力手段に対して行うようにしてもよい。
【0039】
この態様では、前記出力制御手段は、前記入力手段からの入力が前記複数の入力判定基準のいずれかを満足すると前記判定手段によって判定された場合、当該入力判定基準についての計数結果と、前記複数の入力判定基準の各々についての計数結果の和と、の比に応じた出力を前記出力手段に対して行うようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。ここでは、複数のユーザが参加してコミュニケーションを図るコミュニケーションシステムに本発明を適用することにより、各ユーザの癖、嗜好や傾向等を考慮しつつ、好適なコミュニケーションを成立させることが可能となる点について説明する。なお、ここでは、コミュニケーションシステムの一態様であるネットワークゲームシステム、すなわち複数のユーザ(プレイヤ)がゲームを通じてコミュニケーションを図るネットワークゲームシステムに本発明を適用した場合の例について説明する。ただし、本発明はネットワークゲームシステム以外のコミュニケーションシステムにも適用できるものであり、また、コミュニケーションシステム以外の情報処理システムにも適用できるものである。
【0041】
図1は、本発明の実施形態に係るネットワークゲームシステム(情報処理システム)の全体構成を示す図である。同図に示すように、ネットワークゲームシステム10は、ゲームサーバ14と、複数のゲーム装置16(情報処理装置)とを含んで構成される。ゲームサーバ14は、通信ネットワーク12を介して、各ゲーム装置16と相互にデータを授受可能になっている。同様に、各ゲーム装置16は、通信ネットワーク12を介して、他のゲーム装置16と相互にデータを授受可能になっている。なお、通信ネットワーク12は、インターネットなどを含んで構成される。
【0042】
ゲームサーバ14は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ハードディスク記憶装置、ディスプレイ及び入力装置を備えた公知のサーバコンピュータを含んで構成される。ゲームサーバ12には、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体や通信ネットワークを介して供給される各種プログラムがインストールされている。特に、ゲームサーバ12は、ネットワークゲーム管理プログラムをインストールされており、各ゲーム装置16に対してネットワークゲームを提供するようになっている。
【0043】
ゲーム装置16は、例えば家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末、パーソナルコンピュータなどのコンピュータを主として構成される。
【0044】
図2は、ゲーム装置16の構成の一例を示す図である。同図に示す例では、ゲーム装置16は、家庭用ゲーム機18に情報記憶媒体たる光ディスク46及びメモリカード50が装着され、さらにモニタ20及びスピーカ22が接続されることによって構成される。例えば、モニタ20には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。
【0045】
家庭用ゲーム機18は、MPU(Micro Processing Unit)24、RAM(Random Access Memory)26、バス28、画像処理部30、IOP(Input Output Processor)36、音声処理部38、光ディスク読み取り部44、コントローラ48、インタフェース(I/F)52を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。
【0046】
MPU24は、図示しないROM(Read Only Memory)に記憶されるオペレーティングシステム、通信ネットワーク12を介して供給されるプログラム、DVD(Degital Versatile Disk)−ROMやCD(Compact Disc)−ROMなどの光ディスク46から読み出されるプログラムや、メモリカード50から読み出されるデータなどに基づいて、家庭用ゲーム機18の各部を制御する。
【0047】
RAM26には、通信ネットワーク12を介して供給されたプログラム、光ディスク46から読み出されたプログラムや、メモリカード50から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。RAM26はMPU24の作業用としても用いられる。
【0048】
バス28は、アドレス及びデータを家庭用ゲーム機18の各部でやり取りするためのものである。MPU24、画像処理部30、IOP36、I/F52は、バス28を介して相互にデータ授受可能に接続される。
【0049】
画像処理部30は、GPU(Graphical Processing Unit)32とフレームバッファ34とを含んで構成される。GPU32は、MPU24から供給される画像データに基づいてフレームバッファ34にゲーム画面を描画する。フレームバッファ34に形成されたゲーム画面は、所定のタイミングでビデオ信号に変換されてモニタ20に出力される。
【0050】
IOP36は入出力用プロセッサである。IOP36には、MPU24と、音声処理部38、光ディスク読み取り部44、コントローラ48及びメモリカード50とが接続される。IOP36は、MPU24と、音声処理部38、光ディスク読み取り部44、コントローラ48及びメモリカード50との間のデータ授受を制御する。
【0051】
音声処理部38は、SPU(Sound Processing Unit)40とサウンドバッファ42とを含んで構成される。サウンドバッファ42には、光ディスク46から読み出されたゲーム音楽、ゲーム効果音やメッセージなどの各種音声データが記憶される。SPU40は、これらの各種音声データを再生してスピーカ22から出力させる。
【0052】
光ディスク読み取り部44は、MPU24からの指示に従って光ディスク46に記憶されたプログラムやデータを読み取る。なお、家庭用ゲーム機18は、光ディスク46以外の他の情報記憶媒体に記憶されたプログラムやデータを読み取るようにしてもよい。そして、その情報記憶媒体に記憶されるプログラムやデータがRAM26に読み出されるようにしてもよい。
【0053】
コントローラ48(入力手段)は汎用操作入力手段であり、プレイヤが各種ゲーム操作を入力するために用いられる。IOP36は、所定時間(例えば1/60秒)ごとにコントローラ48の各部の状態をスキャンし、その結果を表す操作信号をバス28を介してMPU24に渡す。MPU24は、プレイヤによって行われたゲーム操作の内容をその操作信号に基づいて判断する。なお、家庭用ゲーム機18は複数のコントローラ48を接続可能に構成されており、各コントローラ48から入力される操作信号に基づいて、MPU24がゲーム制御を行うようになっている。
【0054】
メモリカード50は、例えばEEPROM(Electrically Eracable and Programmable ROM)などの不揮発性メモリを含んで構成される。家庭用ゲーム機18はメモリカード50を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード50を同時に装着可能となっている。メモリカード50は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に形成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを保持させるために用いられる。
【0055】
I/F52は、カメラユニット54などの各種周辺機器を家庭用ゲーム機18に接続するためのインタフェースを含んでいる。かかるインタフェースとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。また、I/F52は、家庭用ゲーム機18を通信ネットワーク12に接続するためのインタフェースを含んでいる。
【0056】
カメラユニット54(入力手段)は、例えば公知のデジタルカメラを含んで構成され、白黒、グレイスケール又はカラーの撮影画像を所定時間(例えば1/60秒)ごとに家庭用ゲーム機18に入力する。本実施の形態において、カメラユニット54はプレイヤの姿を撮影するために用いられる。すなわち、カメラユニット54は、レンズをプレイヤに向けた状態でモニタ20の上に設置され、所定のケーブルを介してI/F52に接続される。こうして、所定時間ごとに取得されたプレイヤの画像がリアルタイムに家庭用ゲーム機18に供給されるようになっている。
【0057】
ゲーム装置16は、プレイヤがカメラユニット54の前で手などを動かした場合、その動作内容を検出するようになっている。具体的には、所定時間(例えば1/60秒)ごとに、カメラユニット54から入力された最新画像とその直前画像との差分画像を取得し、その重心位置を取得する。そして、例えば図3に示すように、過去の複数のタイミングの各々において取得された重心位置56を直線近似することによって、プレイヤの動作ベクトル58を取得し、その動作ベクトル58と水平方向とがなす角θinを、プレイヤの動作内容を示す数値情報として取得する。
【0058】
ゲーム装置16では、以上のようにして取得されるθinに基づいて、プレイヤの操作対象であるゲームキャラクタ(コミュニケーションキャラクタ)が各種動作を行うキックボクシングゲーム及び相撲ゲームが実行される。すなわち、これらのゲームでは、プレイヤがコントローラ48を操作する代わりに、カメラユニット54のレンズの前で手などを動かすことによって、操作対象キャラクタに動作指示を与えるようになっている。なお、これらのゲームは、光ディスク46から読み出されるゲームプログラム、又は通信ネットワーク12を介して供給されるゲームプログラムがMPU24によって実行されることによって実現されるものである。
【0059】
ゲーム装置16では、例えば図4に示すような動作データが保持されている。この動作データでは、キックボクシングゲームや相撲ゲームにおいてプレイヤが操作対象のゲームキャラクタ(操作対象キャラクタ)に指示し得る動作内容(動作種類)が定められている。
【0060】
また、ゲーム装置16では、例えば図5に示すような入力変換基準データが保持されている。この入力変換基準データでは、各動作を操作対象キャラクタに行わせるために入力されるべきθinの範囲(基準範囲)が定められている。なお、同図では、入力されるべきθinの範囲が基準角度θと角度幅αとによって示されている。具体的には、θとαの組み合わせは、θにαを増減して得られる第1の値(θ−α)と第2の値(θ+α)の間の範囲、すなわちθ−α以上であってθ+α以下の範囲を示している。
【0061】
同図の例では、例えば動作ID「3」の動作(キックボクシングゲームでは「キック」、相撲ゲームでは「足技」)を操作対象キャラクタに行わせるために入力されるべきθinの範囲は「40度以上50度以下」となっている。このため、θinの値が「40度以上50度以下」となるように、プレイヤがカメラユニット54のレンズの前で手等を斜めに動かすと、操作対象キャラクタが動作ID「3」の動作を行う様子がモニタ20に表示される。
【0062】
以上に説明したキックボクシングゲーム及び相撲ゲームは、スタンドアロンモードとネットワークプレイモードとの2つのゲームモードを備えている。スタンドアロンプレイモードは、一のゲーム装置16においてMPU24によって動作指示がなされる対戦相手キャラクタとの対戦を行うゲームモードである。ネットワークプレイモードは、通信ネットワーク12を介して他のゲーム装置16に係るプレイヤとの対戦を行うゲームモードである。すなわち、他のゲーム装置16に係るプレイヤによって動作指示がなされる対戦相手キャラクタとの対戦を行うゲームモードである。
【0063】
なお、ネットワークプレイモードのゲームはゲームサーバ14を介して開始されるようになっている。すなわち、ゲームサーバ14には、プレイヤIDなどのプレイヤの属性情報とともに、通信ネットワーク12を介して各プレイヤのゲーム装置16に接続するための接続情報(例えばIPアドレス)が記憶されている。そして、ネットワークプレイモードのゲームが開始される場合、対戦を行うプレイヤに係る各ゲーム装置16に、対戦相手のゲーム装置16への接続情報が送信されるようになっている。かかる接続情報が各ゲーム装置16によって受信されると、それらのゲーム装置16の間で各種データの授受が開始され、ネットワークプレイモードのゲームが開始される。
【0064】
以上のような構成を有するネットワークゲームシステム10では、操作対象キャラクタへの動作指示をプレイヤが円滑に行えるようにすべく、各ゲーム装置16において保持される入力変換基準データ(図5)の内容が、そのゲーム装置16において過去に入力されたθinの履歴に基づいて更新されるようになっている。すなわち、各ゲーム装置16において保持される入力変換基準データに、そのゲーム装置16のプレイヤの癖や傾向等が反映されるように図られており、各ゲーム装置10において、そのゲーム装置16のプレイヤの癖や傾向等が反映されたユーザインタフェースが構築されるように図られている。
【0065】
そして、スタンドアロンモード及びネットワークプレイモードのいずれのゲームモードにおいても、ゲームは各ゲーム装置16に保持される入力変換基準データに基づいて行われるようになっている。すなわち、ネットワークプレイモードにおいても、プレイヤは自らの癖や傾向等が反映されたユーザインタフェースに基づいて、ゲームをプレイできるようになっている。
【0066】
このとき、ネットワークプレイモードにおいては、プレイヤ(ゲーム装置16)間で入力変換基準データの内容が大きく異なっていると、プレイヤ間で不公平が生じ、対戦ゲームのゲームバランスを損なってしまう。そこで、ネットワークゲームシステム10では、ネットワークプレイモードのゲームが行われる場合、各ゲーム装置16に保持される入力変換基準データの内容が、対戦相手のゲーム装置16に保持される入力変換基準データの内容に基づいて補正されるようになっている。すなわち、各プレイヤの癖や傾向等を考慮しつつ、コミュニケーションの一態様であるネットワークプレイモードのゲーム(対戦ゲーム)が好適に行われるように図られている。
【0067】
ここで、各ゲーム装置16において実現される機能ブロックについて説明する。図6は、各ゲーム装置16において実現される機能ブロックのうち、本発明に関するものを中心として示す図である。
【0068】
同図に示すように、各ゲーム装置16は、動作データ記憶部60、入力変換基準データ記憶部62、入力変換履歴データ記憶部64、ゲーム開始制御部66、ゲーム実行制御部74、通信制御部76、入力情報取得部78、表示部80を含んでいる。これらの機能は、光ディスク46や通信ネットワーク12を介して供給されるプログラムがゲーム装置16によって実行されることによって実現される。
【0069】
[1.動作データ記憶部]
動作データ記憶部60はRAM26を主として構成され、例えば光ディスク46から読み出される動作データを記憶する。図4に示すように、動作データは、キックボクシングゲーム又は相撲ゲームにおいて操作対象キャラクタがプレイヤの指示に応じて行い得る動作内容(動作種類)を識別する情報(動作ID)と、その動作内容を示す情報とが対応づけられたデータである。各動作IDには、キックボクシングゲーム又は相撲ゲームにおける同種の動作内容が対応づけられている。なお、ゲーム装置16(ゲーム実行制御部74)は操作対象キャラクタがこれらの動作を行うようゲーム制御を行うため、動作データは、ゲーム制御の内容を識別する情報と、そのゲーム制御の内容を直接的又は間接的に示す情報と、が対応づけられたデータともいうことができる。また、この動作データはゲームプログラムの一部として構成されるようにしてもよい。
【0070】
[2.入力変換基準データ記憶部]
入力変換基準データ記憶部62はRAM26を主として構成され、そのゲーム装置16に対応する入力変換基準データを記憶する。入力変換基準データ記憶部62には、例えば光ディスク46又はメモリカード50から読み出される入力変換基準データが記憶される。入力変換基準データは、ゲーム装置16に備えられる入力手段(コントローラ48やカメラユニット54)からの入力に応じた出力を、そのゲーム装置16及び対戦相手のゲーム装置16に備えられるモニタ20に対して行うための入力変換基準(入力判定基準)を示すデータである。入力変換基準データは、入力手段からの入力を出力に直接変換する関数形式ようなのものであってもよいし、例えば図5に示すようにテーブル形式のものであってもよい。本実施の形態に係る入力変換基準データ(図5)は、入力情報取得部78によって取得されるθinに対する入力変換基準を示している。より具体的には、各動作IDに係る動作を操作対象キャラクタが行う様子を表示部80に表示させるために入力されるべきθinの範囲(基準範囲)を示している。なお、後述するように、入力変換基準データ記憶部62に記憶される入力変換基準データは、入力情報取得部78によるθinの取得結果(カメラユニット54からの入力結果)に基づいて、所定のタイミングで更新されるようになっている。
【0071】
[3.入力変換履歴データ記憶部]
入力変換履歴データ記憶部64は、入力情報取得部78によって取得されるθinとその変換結果(判定結果)との組み合わせの履歴に関するデータを記憶する。なお、θinとその変換結果との組み合わせの履歴に関するデータとは、その履歴そのものを示すデータであってもよいし、その履歴に基づいて得られる統計データであってもよい。ここでは、入力変換履歴データ記憶部64がθinとその変換結果との組み合わせの履歴そのものを示すデータを記憶することとして説明する。入力変換履歴データ記憶部64は、例えば図7に示すようなプレイ履歴データや、図8に示すような入力変換履歴データを記憶する。
【0072】
プレイ履歴データは、そのゲーム装置16においてプレイされたゲームの履歴を示すデータである。すなわち、そのゲーム装置16において実行されたゲームの履歴を示すデータである。図7に示すように、本実施の形態に係るプレイ履歴データは、プレイID欄と、ゲームID欄と、対戦相手ID欄と、開始日時欄と、終了日時欄とを含んでいる。
【0073】
また、入力変換履歴データは、そのゲーム装置16において実行されたゲームにおいて、入力取得部78によって取得されたθinの値と、そのθinに対する判定結果との履歴を示すデータである。図8に示すように、本実施の形態に係る入力変換履歴データは、プレイID欄と、入力値(θin)欄と、動作ID欄とを含んでいる。
【0074】
ゲーム装置16において、キックボクシングゲーム又は相撲ゲームのプレイが開始される際、そのプレイを識別するプレイIDと、そのプレイに係るゲームを識別するゲームIDと、そのプレイの開始日時との組み合わせがプレイ履歴データに追加登録される。このとき、キックボクシングゲームのプレイが開始される場合には、そのゲームID「1」がゲームID欄に登録され、相撲ゲームのプレイが開始される場合には、そのゲームID「2」がゲームID欄に登録される。また、ゲームモードがネットワークプレイモードである場合には、対戦相手のプレイヤを識別するプレイヤIDが対戦相手ID欄に登録される。
【0075】
そして、ゲームが開始されると、後述の入力情報取得部78によってθinが取得され、後述の出力制御部75によってそのθinに対応する動作IDが入力変換基準データ(図5)に基づいて取得されるごとに、そのθinと動作ID(判定結果)との組み合わせが、そのプレイのプレイIDとともに入力変換履歴データに追加登録されていく。また、ゲームが終了となると、プレイ履歴データにおいて、そのプレイのプレイIDに対応する終了日時欄にその日時が登録される。
【0076】
なお、図8に示すような入力変換履歴データの代わりに、動作IDと、その動作IDに対応すると判定されたθinの統計量(例えば、合計、回数、平均値、分散値等)とを対応づけてなるデータが入力変換履歴データとして記憶されるようにしてもよい。この場合、ゲーム中においては、入力情報取得部78によってθinが取得され、出力制御部75によってそのθinに対応する動作IDが取得されるごとに、そのθinと動作ID(判定結果)との組み合わせをRAM26に追加記憶させていき、ゲーム終了時に、RAM26に保持された内容と、入力変換履歴データの内容とに基づいて、入力変換履歴データの内容を更新するようにすればよい。
【0077】
[4.ゲーム開始制御部]
ゲーム開始制御部66はMPU24を主として構成され、キックボクシングゲーム又は相撲ゲームの実行を開始するための処理を実行する。すなわち、ゲーム開始制御部66は、キックボクシングゲーム又は相撲ゲームのプレイが開始される場合に各種処理を実行する。例えば、上述したように、ゲーム開始制御部66は、これから開始されるゲームについてプレイ履歴データ(図7)に所定の情報を登録する。
【0078】
ゲーム開始制御部66は、ゲームレベル決定部68と、入力判定基準データ更新部70と、入力変換基準データ補正部72とを含んでいる。以下、これらの機能ブロックによって行われる処理を、ネットワークプレイモードのゲームが開始される場合に行われる処理を主として説明する。
【0079】
[5.ゲームレベル決定部]
ゲームレベル決定部68は、そのゲーム装置16及び対戦相手のゲーム装置16、すなわちゲームの参加者に係るゲーム装置16の入力変換履歴データ記憶部64に記憶されるプレイ履歴データ(図7)の内容に基づいて、ゲームレベル係数μを決定する。
【0080】
具体的には、ゲームレベル決定部68は、そのゲーム装置16の入力変換履歴データ記憶部64に記憶されるプレイ履歴データの内容を取得する。また、通信制御部76を介して、対戦相手のゲーム装置16の入力変換履歴データ記憶部64に記憶されるプレイ履歴データの内容を取得する。
【0081】
次に、ゲームレベル決定部68は、それらのプレイ履歴データ(実行履歴情報)の内容に基づいて、これから開始されるゲーム(キックボクシングゲーム又は相撲ゲーム)がそのゲーム装置16及び対戦相手のゲーム装置16において実行された回数Cを取得する。すなわち、これから開始されるゲームをゲームの参加者がプレイした回数Cを取得する。
【0082】
そして、ゲームレベル決定部68は、ゲームレベル係数μをμ=(C−Ct)/ΔCtの算出式に従って算出する。なお、Ctは基準回数を示しており、ΔCtは基準差を示しており、いずれも所定の定数である。このように、ゲームレベル係数μは、実行回数Cが基準回数Ctより大きくなると0より大きい値となり、実行回数Cと基準回数Ctとの差が基準差ΔCtと等しくなると1となる数値である。なお、ゲームレベル決定部68は、ゲームレベル係数μが0未満の値となった場合には0とし、1より大きい値となった場合には1とする。
【0083】
ゲームレベル決定部68は、以上にようにして算出したゲームレベル係数μをRAM26に保持させる。後述するように、RAM26に保持されたゲームレベル係数μは、ゲーム実行制御部74によって参照される(図13)。
【0084】
なお、スタンドアロンプレイモードのゲームが開始される場合、ゲームレベル決定部68は、そのゲーム装置16の入力変換履歴データ記憶部64に記憶されるプレイ履歴データの内容のみに基づいて、ゲームレベル係数μを決定する。この場合、上記の算出式における基準回数Ctや基準差ΔCtの値はネットワークプレイモードの場合よりも小さくなるようにしてもよい。
【0085】
また、ネットワークプレイモードのゲームが開始される場合にも、ゲームレベル決定部68は、そのゲーム装置16の入力変換履歴データ記憶部64に記憶されるプレイ履歴データの内容のみに基づいて、ゲームレベル係数μを決定するようにしてもよい。すなわち、各ゲーム装置16ごとにゲームレベル係数μの値が異なるようにしてもよい。
【0086】
また、ここでは、ゲームレベル係数μをゲームのプレイ回数Cに基づいて決定するようにしたが、ゲームレベル係数μはプレイ履歴データに基づいて決定するようにすればよく、例えばゲームの参加者のプレイ頻度に基づいて決定するようにしてもよい。
【0087】
[6.入力変換基準データ更新部]
入力変換基準データ更新部70は、入力変換履歴データ記憶部64に記憶される入力変換履歴データの内容に基づいて、入力変換基準データ記憶部62に記憶される入力変換基準データ(入力変換基準)を更新する。
【0088】
入力変換基準データ更新部70は、例えば図9に示すよう入力変換基準データ更新処理を実行し、入力変換基準データにおいて各動作IDに対応づけられたθ及びαの値(入力判定基準)を、そのθ及びαが示す基準範囲に含まれると判断されたθinの特徴量(特徴情報)に基づいて更新する。
【0089】
図9に示すように、入力変換基準データ更新処理では、まず入力変換基準データに記憶された動作IDのうちの一の動作IDが注目動作IDとしてセットされる(S101)。
【0090】
次に、入力変換基準データ更新部70は、注目動作IDに対応づけられたθinのリストを入力変換履歴データから取得する(S102)。すなわち、過去のプレイにおいて取得されたθinであって、注目動作IDに係るθinの範囲(その注目動作IDの動作を操作対象キャラクタに行わせるために入力されるべきθinの範囲)に含まれると判定されたθinのリストを取得する。
【0091】
入力変換基準データ更新部70(特徴情報取得手段)は、θinのリストが取得された場合(S103)、そのリストを対象としてθinの平均値m(特徴量)を算出する(S104)。そして、入力変換基準データ更新部70(入力判定基準更新手段)は、入力変換基準データにおいて注目動作IDに対応づけられたθの値をその平均値mに更新する(S105)。
【0092】
また、入力変換基準データ更新部70(特徴情報取得手段)は、S102において取得したθinのリストを対象としてθinの分散値v(特徴量)を算出する(S106)。そして、入力変換基準データ更新部70(入力判定基準更新手段)は、その分散値vが所定値以上である場合には、入力変換基準データにおいて注目動作IDに対応づけられたαの値をその分散値vに更新する(S107及びS108)。一方、分散値vが所定値未満である場合には、入力変換基準データにおいて注目動作IDに対応づけられたαの値を当該所定値に更新する(S107及びS109)。αの値が小さくなりすぎてしまうと、その動作(注目動作IDに係る動作)を行わせるための入力が困難になってしまうため、入力変換基準データ更新部70では、αの値が小さくなりすぎることがないように担保されている。
【0093】
次に、入力変換基準データ更新部70は、入力変換基準データに記憶される動作IDのうちに未だ注目動作IDとなっていないものが存在するか否かを判断する(S110)。そして、そのような動作IDが存在する場合、そのような動作IDのいずれかを注目動作IDとし(S111)、S102乃至S110の処理を実行する。一方、そのような動作IDが存在しない場合、すなわち入力変換基準データに記憶されるすべての動作IDについて、S102乃至S110の処理が実行された場合、本処理は終了する。
【0094】
以上の入力変換基準データ更新処理が実行されると、入力変換基準データ記憶部62に記憶される入力変換基準データにおいて各動作IDに対応づけられたθinの各範囲が、そのゲーム装置16において過去に入力されたθinであって、その範囲に含まれると判断されたθinのリストに基づいて更新される。例えば図5に示す状態から図10に示す状態へと入力変換基準データが更新される。
【0095】
また、以上の入力変換基準データ更新処理では、キックボクシングゲームのプレイ時に入力(取得)されたθinに関する履歴と、相撲ゲームのプレイ時に入力されたθinに関する履歴とに基づいて、入力変換基準データが更新されるようになっている。このため、キックボクシングゲームのプレイ時に入力されたθinに関する履歴は、キックボクシングゲームをプレイする場合の入力変換基準データのみならず、相撲ゲームをプレイする場合の入力変換基準データにも反映されるようになっている。また同様に、相撲ゲームのプレイ時に入力されたθinに関する履歴は、相撲ゲームをプレイする場合の入力変換基準データのみならず、キックボクシングゲームをプレイする場合の入力変換基準データにも反映されるようになっている。
【0096】
なお、S102において入力変換履歴データからθinのリストを取得する場合、動作IDとともに、ゲームID及び対戦相手IDの少なくとも一方を指定するようにしてもよい。例えば、ゲームIDとして「1」を指定すれば、キックボクシングゲームのプレイ時に入力されたθinのリストが取得されることになり、そのリストに基づいて入力変換基準データを更新することができるようになる。また例えば、対戦相手IDとして任意のプレイヤのプレイヤIDを指定すれば、そのプレイヤとの対戦時に入力されたθinのリストが取得されることになり、そのリストに基づいて入力変換基準データを更新することができるようになる。
【0097】
また、ここでは、ゲームが開始される際に入力変換基準データ更新処理が実行されることして説明しているが、この処理はゲームの終了時に行われるようにしてもよい。
【0098】
また、スタンドアロンプレイモードの場合にも入力変換基準データ更新部70は同様の処理を実行する。
【0099】
[7.入力変換基準データ補正部]
入力変換基準データ補正部72は、そのゲーム装置16の入力変換基準データ記憶部62に記憶される入力変換基準データ(そのゲーム装置16に対応する入力変換基準データ)を、対戦相手のゲーム装置16の入力変換基準データ記憶部62に記憶される入力変換基準データ(対戦相手のゲーム装置16に対応する入力変換基準データ)に基づいて補正し、ゲーム実行制御部74に供給する。
【0100】
具体的には、入力変換基準データ補正部72は、例えば図11に示すような入力変換基準データ補正処理を実行し、そのゲーム装置16の入力変換基準データにおいて各動作IDに対応づけられたθ及びαの値を、対戦相手のゲーム装置16の入力変換基準データにおいてその動作IDに対応づけられたθ及びαの値に基づいて補正する。すなわち、各動作IDに係る動作を操作対象キャラクタが行う様子を表示部80に表示させるために入力されるべきθinの範囲(基準範囲)を補正する。
【0101】
同図に示すように、入力変換基準データ補正処理では、まず入力変換基準データ補正部72(入力変換基準取得手段)が、対戦相手のゲーム装置16に記憶される入力変換基準データを取得する(S201)。具体的には、通信制御部76を介して、対戦相手のゲーム装置16に入力変換基準データの送信要求を送信する。そして、その送信要求に応じて当該対戦相手のゲーム装置16から送信される入力変換基準データを受信する。
【0102】
なお、入力変換基準データ補正部72は、対戦相手のゲーム装置16から入力変換基準データの送信要求を受信した場合、入力変換基準データ記憶部62に記憶される入力変換基準データを読み出し、通信制御部76を介して、それを当該対戦相手のゲーム装置16に送信する。
【0103】
次に、入力変換基準データ補正部70は、そのゲーム装置16の入力変換基準データ記憶部62に記憶された入力変換基準データの内容を参照し、そこに記憶される動作IDのうちのいずれかを注目動作IDとしてセットする(S202)。
【0104】
次に、入力変換基準データ補正部70(入力変換基準取得手段)は、そのゲーム装置16の入力変換基準データ記憶部62に記憶された入力変換基準データの内容を参照し、注目動作IDに対応づけられたθ及びα(入力変換基準)をθ1及びα1として取得する(S203)。
【0105】
また、入力変換基準データ補正部70(入力変換基準取得手段)は、S201において取得した対戦相手の入力変換基準データの内容を参照し、対象動作IDに対応づけられたθ及びα(入力変換基準)をθ2及びα2として取得する(S204)。
【0106】
次に、入力変換基準データ補正部70(入力変換基準補正手段)は、S203において取得したθ1と、S204において取得したθ2との差が所定値以上か否かを判断する(S205)。そして、その差が所定値以上である場合、入力変換基準データ補正部70は、ΔθをΔθ=(θ2−θ1)/10の算出式に従って算出する(S206)。一方、その差が所定値未満である場合、入力変換基準データ補正部70はΔθを零とする(S207)。そして、入力変換基準データ補正部70は、θをθ=θ1+Δθの算出式に従って算出する。(S208)。
【0107】
なお、Δθ及びθは以上のようにして算出されるため、θ1とθ2との差が所定値以上の場合、θの値はθ1とθ2との差の10%分だけθ1の値をθ2の値に近付けた値となり、θ1とθ2との差が所定値未満の場合、θの値はθ1の値となる。
【0108】
また、入力変換基準データ補正部70(入力変換基準補正手段)は、S203において取得したα1と、S204において取得したα2との差が所定値以上か否かを判断する(S209)。そして、その差が所定値以上である場合、入力変換基準データ補正部70は、ΔαをΔα=(α2−α1)/10の算出式に従って算出する(S210)。一方、その差が所定値未満である場合、入力変換基準データ補正部70はΔαを零とする(S211)。そして、入力変換基準データ補正部70は、αをα=α1+Δαの算出式に従って算出する。(S212)。
【0109】
なお、Δα及びαは以上のようにして算出されるため、α1とα2との差が所定値以上の場合、αの値はα1とα2との差の10%分だけα1の値をα2の値に近付けた値となり、α1とα2との差が所定値未満の場合、αの値はα1の値となる。
【0110】
そして、入力変換基準データ補正部70(入力変換基準補正手段)は、注目動作IDと、S208において算出したθと、S212において算出したαとの組み合わせをRAM26に保持させる(S213)。
【0111】
次に、入力変換基準データ補正部70は、そのゲーム装置16の入力変換基準データ記憶部62に記憶された入力変換基準データの内容を参照し、その入力変換基準データに記憶される動作IDのうちに未だ注目動作IDとなっていない動作IDが存在するか否かを判断する(S214)。そして、そのような動作IDが存在する場合、そのような動作IDのいずれかを注目動作IDとし(S215)、S203乃至S214の処理を実行する。
【0112】
一方、入力変換基準データ補正部70(入力変換基準補正手段)は、入力変換基準データに記憶されるすべての動作IDについてS203乃至S214の処理を実行した場合、各動作IDに対応づけて保持されるθ及びαによって特定される範囲(θ−α以上であってθ+α以下の範囲)について、他の動作IDに対応づけて保持されるθ及びαによって特定される範囲と重なるか否かを判断する(S216)。
【0113】
そして、範囲の少なくとも一部が重なるような動作IDの組み合わせが存在した場合、入力変換基準データ補正部70(入力変換基準補正手段)は、その組み合わせに係る動作IDに係る範囲が重ならないように、それらの動作IDに対応づけられたαの値を更新する(S217)。
【0114】
以上の入力変換基準データ補正処理が実行されると、例えば図12に示すような補正済み入力変換基準データが生成され、RAM26に保持される。この補正済み入力変換基準データは、そのゲーム装置16の入力変換基準データにおいて各動作IDに対応づけられたθ及びαが、他のゲーム装置16の入力判定基準データにおいてその動作IDに対応づけられたθ及びαとの差が所定値以上である場合、当該θ及びαに当該差の10%分だけ近づくように補正されたものとなっている。後述するように、この補正済み入力変換基準データはゲーム実行制御部74(出力制御部75)に参照される。
【0115】
[8.入力情報取得部]
入力情報取得部78は、例えばコントローラ48、IOP36、カメラユニット54、I/F52などを含んで構成される。
【0116】
本実施の形態では、入力情報取得部78は上述したように(図3)、カメラユニット54によって撮影された画像(入力手段による入力)に基づいてθin(入力値)を取得する。すなわち、入力情報取得部78は、カメラユニット54によって撮影された最新画像とその直前画像とに基づいてその差分画像を取得し、その重心位置を取得する。また、過去に算出された重心位置に基づいて、プレイヤの動作ベクトルを取得する。そして、その動作ベクトルと水平方向とがなす角θinを取得する。
【0117】
なお、コントローラ48(入力手段)が感圧ボタンを備えており、プレイヤの押下力に応じて例えば256段階のディジタル値を家庭用ゲーム機18に入力するように構成されている場合、入力情報取得部78は、そのディジタル値(入力値)を取得するようにしてもよい。また、コントローラ48がスティック状の操作部材を備えており、その操作部材の姿勢(傾き方向及び傾き度)を示すディジタル値を家庭用ゲーム機18に入力するように構成されている場合、操作入力情報取得部78は、そのディジタル値(入力値)を取得するようにしてもよい。
【0118】
[9.ゲーム実行制御部]
ゲーム実行制御部74はMPU24を主として構成される。ゲーム実行制御部74は出力制御部75を含んでいる。出力制御部75は、入力情報取得部78によって取得されるθinの値に応じた出力を、入力変換基準データ補正部72によって補正された入力変換基準データに基づいて、表示部80に対して行う。ゲーム実行制御部74は、ゲーム開始後において所定時間(例えば1/60秒)ごとにゲーム処理を実行する。ゲーム実行制御部74(出力制御部75)は、ゲーム処理の一部として例えば図13に示すような入力変換処理を実行する。
【0119】
同図に示すように、入力変換処理では、まず出力制御部75が、入力情報取得部78によって取得されたθinを取得する(S301)。
【0120】
次に、出力制御部75は、補正済み入力変換基準データ(図12)の内容を参照し、そこに保持される動作IDのいずれかを注目動作IDとする(S302)。そして、補正済み入力変換基準データにおいて、注目動作IDに対応づけられているθ及びαを取得する(S303)。
【0121】
次に、出力制御部75(判定手段)は、S301で取得したθinが、S303で取得したθ及びαによって特定される条件θ−α≦θin≦θ+α(入力変換基準)を満足するか否かを判定する(S304)。すなわち、S301で取得したθinが、S303で取得したθ及びαによって特定される範囲に含まれるか否かを判定する。
【0122】
S301で取得したθinが、S303で取得したθ及びαによって特定される条件θ−α≦θin≦θ+αを満足しなかった場合、出力制御部75は、補正済み入力変換基準データの内容を参照し、未だ注目動作IDとなっていない動作IDが存在するか否かを判断する(S311)。そして、そのような動作IDが存在した場合、そのような動作IDのいずれかを注目動作IDとし(S312)、S303及びS304の処理を実行する。
【0123】
一方、S301で取得したθinが、S303で取得したθ及びαによって特定される条件θ−α≦θin≦θ+αを満足した場合、出力制御部75は、注目動作IDを実行動作IDとする(S305)。ここで、実行動作IDとは、操作対象キャラクタに行わせる動作を示すものである。また、ゲーム実行制御部74は、その実行動作IDと、S301で取得されたθinとの組み合わせを入力変換履歴データ(図8)に追加登録する(S306)。
【0124】
次に、ゲーム実行制御部74は、ゲームレベル決定部68によって決定され、RAM26に保持されたゲームレベル係数μの値を取得する(S307)。そして、ゲーム実行制御部74は、そのゲームレベル係数μと、S301において取得されたθinとに基づいて、ゲーム効果係数Eを算出する(S308乃至S310)。
【0125】
ここで、ゲーム効果係数E(処理関連情報)はゲーム処理に関連する情報である。例えば、ゲーム処理に供され、ゲームにおける出力値や表示部80への出力に影響を与える数値情報である。
【0126】
本実施の形態では、対戦相手キャラクタに攻撃を行う類いの動作(例えば、パンチ、キック、はり手、足技)が操作対象キャラクタに対して指示された場合、その対戦相手キャラクタに与えるダメージ値(出力値)がゲーム効果係数Eに基づいて決定されるようになっている。具体的には、ゲーム効果係数Eが大きくなると、対戦相手キャラクタに与えるダメージ値が大きくなるようにして、対戦相手キャラクタに与えるダメージ値が決定されるようになっている。なお、以上のようにして決定されたダメージ値は表示部80に出力されるようにしてもよい。また、この場合、表示部80に表される操作対象キャラクタや対戦相手キャラクタの動作もゲーム効果係数Eに基づいて変化するようにしてもよい。例えば、ゲーム効果係数Eが大きくなると、操作対象キャラクタや対戦相手キャラクタの動作が大きくなるようにしてもよい。
【0127】
また、本実施の形態では、対戦相手キャラクタからの攻撃を防ぐ類いの動作(例えば、手ガード、足ガード、手をよける、足をよける)が操作対象キャラクタに対して指示された場合、その対戦相手キャラクタから与えられるダメージ値(出力値)がゲーム効果係数Eに基づいて決定されるようになっている。具体的には、ゲーム効果係数Eが大きくなると、対戦相手キャラクタから与えられるダメージ値が小さくなるようにして、対戦相手キャラクタから与えられるダメージ値が決定されるようになっている。なお、以上のようにして決定されたダメージ値は表示部80に出力されるようにしてもよい。また、この場合、表示部80に表される操作対象キャラクタや対戦相手キャラクタの動作もゲーム効果係数Eに基づいて変化するようにしてもよい。例えば、ゲーム効果係数Eが大きくなると、操作対象キャラクタや対戦相手キャラクタの動作が大きくなるようにしてもよい。
【0128】
なお、ゲーム効果係数Eはプレイヤに与えられる得点(出力値)の決定に用いられるようにしてもよい。この場合、ゲーム効果係数Eの値が大きくなると、プレイヤに与えられる得点が高くなるようにして、プレイヤに与えられる得点が決定されるようにしてもよい。なお、以上のようにして決定された得点は表示部80に出力されるようにしてもよい。
【0129】
ゲーム実行制御部74は、S301で取得されたθinとS303で取得されたθとの差と、ゲーム効果係数Eとを対応づけてなる対応情報(対応関係を示す情報)をゲームレベル係数μに基づいて取得する。そして、その対応情報に基づいて、S301で取得されたθinとS303で取得されたθとの差に対応するゲーム効果係数Eを取得する。
【0130】
本実施の形態では、θinとゲーム効果係数Eとゲームレベル係数μとは、例えば図14に示すような関係を有するようになっている。同図では、かかる関係の一例として、ゲームレベル係数μが「0」,「0.5」,「1」である場合のθinとゲーム効果係数Eとの関係を示している。
【0131】
同図に示すように、本実施の形態では、ゲーム効果係数Eの最大値Emax及び最小値Eminがゲームレベル係数μに基づいて決定されるようになっている。より具体的には、最大値EmaxはEmax=Ec+μ×Edの算出式に基づいて算出されるようになっている。すなわち、最大値Emaxは、ゲームレベル係数μの値が大きくなるにつれて、大きくなるようになっている。また、最小値EminはEmin=Ec−μ×Edの算出式に基づいて算出されるようになっている。すなわち、最小値Eminは、ゲームレベル係数μの値が大きくなるにつれて、小さくなるようになっている。なお、Edは所定の定数である。
【0132】
また、ゲーム効果係数Eの値は、S301で取得されたθinとS303で取得されたθとの差に基づいて決定されるようになっている。より具体的には、ゲーム効果係数Eの値はE=((Emax−Emin)/α)×(θin−θ)の算出式(対応情報)に基づいて算出されるようになっている。すなわち、ゲーム効果係数Eの値は、θinの値がθとなる場合に最大値となる。また、θinとθとの差が大きくなるにつれて減少していく。さらに、θinの値がθ−α又はθ+αとなる場合に最小値となる。なお、αはS303でθとともに取得されるものである。
【0133】
このように、本実施の形態では、ゲームレベル係数μが0の場合、すなわちゲームの参加者たるプレイヤがそれまでにそのゲームをプレイした回数Cが基準回数Ctに達していない場合、ゲーム効果係数Eの値はθinの値によらず一定となる。一方、ゲームレベル係数μが0より大きくなると、すなわちゲームの参加者たるプレイヤがそれまでにそのゲームをプレイした回数Cが基準回数Ctに達していると、ゲーム効果係数Eの値は、θinの値がθとなる場合に最大となり、θ−α又はθ+αとなる場合に最小となる。また、ゲームレベル係数μが大きくなるにつれて、ゲーム効果係数Eの最大値と最小値との差が大きくなるようになっている。
【0134】
このため、本実施の形態では、プレイ回数の多いプレイヤ同士が対戦する場合、各プレイヤは、より威力の高い攻撃等を行うことができるようになる反面、θinがθに近いものとなるように手などを動かすことが求められることになる。このように、本発明によれば、ゲームに参加するプレイヤのプレイ回数に応じた変化がゲーム処理に与えられ、その結果、ゲームに参加するプレイヤのプレイ回数に応じた新たな楽しみがゲームに与えられるようになっている。
【0135】
なお、ここでは、θinとθとの差と、ゲーム効果係数Eとを対応づけてなる対応情報が関数の形式で取得されることとしたが、かかる対応情報はテーブル形式の情報であってもよい。例えば、ゲーム実行制御部74は、θinとθとの差を示す情報と、ゲーム効果係数Eの値を示す情報とを対応づけてなるテーブル形式の対応情報を複数記憶し、その各々に対応づけてゲームレベル係数μの範囲を示す情報を記憶するようにしてもよい。そして、ゲーム実行制御部74は、S307で取得したゲームレベル係数μに対応する対応情報を取得し、その対応情報の内容に基づいて、S301で取得されたθinとS303で取得されたθとの差に対応するゲーム効果係数Eを取得するようにしてもよい。
【0136】
また、ゲーム実行制御部74は、そのゲーム装置16(或いは、そのゲーム装置16及び及び対戦相手のゲーム装置16)の入力変換履歴データ記憶部64に記憶される入力変換履歴データ(判定履歴情報)に基づいて、ゲーム効果係数Eを決定するようにしてもよい。例えば、ゲーム実行制御部74は、S308乃至S310においてゲーム効果係数Eを決定する場合、そのゲーム中において入力情報取得部78によって取得されたθinが、S305において特定された実行動作IDに対応する基準範囲に含まれると判定された回数に基づいて、ゲーム効果係数Eを決定するようにしてもよい。
【0137】
この場合、ゲーム実行制御部74は、各動作IDに対応する基準範囲に含まれるθinが、そのゲーム装置16及び対戦相手のゲーム装置16の操作入力情報取得部78によって取得された回数を計数し、その回数を保持するようにすればよい。すなわち、各動作IDに対応づけて、そのゲーム装置16及び対戦相手のゲーム装置16において当該動作IDが実行動作IDとされた回数を記憶するようにすればよい。例えば、ゲーム実行制御部74は、図15に示すような判定回数テーブルを記憶するようにすればよい。
【0138】
そして、ゲーム実行制御部74は、S305において特定された動作IDに対応づけて記憶された判定回数Nを取得し、ゲーム効果係数EをE=E0−(N/Ns)の算出式に従って算出するようにしてもよい。なお、ここで、E0は所定の定数を示している。また、Nsは、各動作IDに対応づけられた判定回数の合計を示している。
【0139】
このようにしてゲーム効果係数Eを算出するようにすれば、S305において特定された実行動作IDに係る動作が、そのゲーム中において他の動作に比べて多く指示されているような場合には、ゲーム効果係数Eが小さくなるようにすることができる。例えば、戦相手キャラクタに攻撃を行う類いの動作(例えば、パンチ、キック、はり手、足技)が操作対象キャラクタに対して指示された場合において、そのゲームにおいてその動作が他の動作に比べて多く指示されている場合には、そのダメージ量(出力値)が小さくすることができるようになる。その結果、ゲームの面白さを向上させることができるようになる。
【0140】
なお、ここで説明した構成は、本実施の形態における構成と組み合わせるようにしてもよい。例えば、図14におけるEcやEdの値が上記の算出式(E=E0−(N/Ns))に基づいて決定されるようにしてもよい。こうすれば、ゲーム性をより高めることができるようになる。
【0141】
出力制御部75は、以上の入力判定処理において取得した実行動作IDとゲーム効果係数Eとに基づいて、さらにゲーム処理を実行し、ゲーム画面を表示部80に表示させる。例えば、操作対象キャラクタが実行動作IDに係る動作を行う様子を表すゲーム画面を表示部80に表示させる。また例えば、実行動作IDに係る動作が対戦相手キャラクタにダメージを与える類のものである場合、そのダメージ値をゲーム効果係数Eに基づいて決定し、操作対象キャラクタが対戦相手キャラクタにそのダメージを与える様子をゲーム画面に表示させるとともに、そのダメージ値をゲーム画面に表示させる。
【0142】
なお、ネットワークプレイモードでは、かかるゲーム処理(入力判定処理において取得した実行動作IDとゲーム効果係数Eとに基づいて実行されるゲーム処理)が、対戦ゲームに係るゲーム装置16の一方において実行されるようになっている。すなわち、本実施の形態では、対戦ゲームに係るゲーム装置16の一方がサーバとして機能し、他方がクライアントとして機能するようになっている。クライアント側のゲーム装置16(クライアントとして機能するゲーム装置16)では、出力制御部75が、入力判定処理のS305において特定された実行動作IDと、S310において取得されたゲーム効果係数Eとを含んでなるゲームデータを、サーバ側のゲーム装置16(サーバとして機能するゲーム装置16)に通信制御部76を介して送信する。そして、サーバ側のゲーム装置16では、出力制御部75が、自らが実行した入力判定処理のS305において特定された実行動作IDと、S310において取得されたゲーム効果係数Eと、クライアント側のゲーム装置16から送信されたゲームデータに含まれる実行動作IDとゲーム効果係数Eとに基づいて、ゲーム制御内容を決定する。そして、サーバ側のゲーム装置16では、出力制御部75がその制御内容を表すゲーム画面を表示部80に表示させるとともに、そのゲーム画面を表示するためのゲームデータをクライアント側のゲーム装置16に通信制御部76を介して送信する。この場合、クライアント側のゲーム装置16では、出力制御部75が、受信したゲームデータに基づくゲーム画面を表示部80に表示させる。
【0143】
[10.通信制御部]
通信制御部76はI/F52に含まれる通信インタフェースを主として構成され、通信ネットワーク12を介して他のゲーム装置16にデータを送信したり、他のゲーム装置16から送信されるデータを受信する。
【0144】
[11.表示部]
表示部80(出力手段)はモニタ20を主として構成され、各種ゲーム画面を表示する。
【0145】
以上に説明したように、ネットワークゲームシステム10では、操作対象キャラクタへの動作指示をプレイヤが円滑に行えるようにすべく、各ゲーム装置16において保持される入力変換基準データ(図5)の内容が、そのゲーム装置16において過去に入力されたθinの統計量に基づいて好適に更新されるようになっている。このため、各ゲーム装置16において保持される入力変換基準データには、そのゲーム装置16のプレイヤの癖や傾向等が反映されるようになっている。言い換えれば、各ゲーム装置10において、そのゲーム装置16のプレイヤの癖や傾向等が反映されたユーザインタフェースが構築されるようになっている。そして、スタンドアロンモード及びネットワークプレイモードのいずれのゲームモードにおいても、ゲームは各ゲーム装置16に保持される入力変換基準データに基づいて行われるようになっている。すなわち、ネットワークプレイモードにおいても、プレイヤは自らの癖や傾向等が反映されたユーザインタフェースに基づいて、ゲームをプレイできるようになっている。この結果、プレイヤが好適にゲームをプレイできるようになっている。
【0146】
また、ネットワークプレイモードにおいては、プレイヤ(ゲーム装置16)間で入力変換基準データの内容が大きく異なっていると、プレイヤ間で不公平が生じ、対戦ゲームのゲームバランスを損なうこととなってしまう。この点、ネットワークゲームシステム10では、ネットワークプレイモードのゲームが行われる場合、各ゲーム装置16に保持される入力変換基準データの内容が、対戦相手のゲーム装置16に保持される入力変換基準データの内容に基づいて補正され、同様の入力が行われた場合の出力が大きく異なることがないように図られている。その結果、各プレイヤの癖や傾向等を考慮しつつ、コミュニケーションの一態様であるネットワークプレイモードのゲーム(対戦ゲーム)が好適に行われるように図られている。
【0147】
また、ネットワークゲームシステム10では、ネットワークプレイモードのゲーム中に各ゲーム装置16において取得されたθinと、そのθinに対する判定結果(そのθinに対応する動作ID)との履歴が、そのゲーム装置16に入力変換履歴データ(図8)として記憶されるようになっている。そして、各ゲーム装置16における次回ゲーム実行時には、その入力変換履歴データに基づいて入力変換基準データが更新されるようになっている。このため、ネットワークゲームシステム10では、プレイヤ同士の対戦が繰り返し行われることによって、各ゲーム装置16に保持される入力変換基準データの内容が、ネットワークゲームシステム10に参加するプレイヤの傾向に適応したものへと収束していき、各ゲーム装置16に保持される入力変換基準データの内容が自律的に発展していくことが期待できるようになっている。言い換えれば、各ゲーム装置16におけるユーザインタフェースが自律的に発展していくことが期待できるようになる。
【0148】
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0149】
例えば、各ゲーム装置16において備えられることとして説明した機能ブロック(動作データ記憶部60、入力判定基準データ記憶部62、入力判定履歴データ記憶部64、ゲーム開始制御部66(ゲームレベル決定部68、入力判定基準データ更新部70、入力判定基準データ補正部72)、ゲーム実行制御部74、通信制御部76、入力情報取得部78、表示部80)の全部又は一部は、ネットワークゲームシステム10のいずれに設けられるようにしてもよい。例えばゲームサーバ14に設けられるようにしてもよい。
【0150】
また例えば、図16に示すように、ネットワークゲームシステム10には、ゲームサーバ14が含まれないようにしてもよい。すなわち、ゲームサーバ14を介さずに、ゲーム装置16間でデータの送受信が開始されるようにしてもよい。この場合、本実施の形態においてゲームサーバ14によって提供された機能は、ネットワークゲームシステム10に含まれるゲーム装置16の全部又は一部によって提供されるようにしてもよい。
【0151】
また例えば、キックボクシングゲームと相撲ゲームとでは、操作対象キャラクタに指示できる動作の数が異なるようにしてもよい。また、ゲーム装置16によって提供されるゲームは2種類に限られず、3種類以上のゲームが提供されるようにしてもよい。
【0152】
また例えば、ゲーム装置16によって提供されるゲームは、1対1で行われる対戦ゲームに限られず、3人以上のプレイヤが参加して行われる対戦ゲーム(例えばチーム対チームの形式の対戦ゲームや、いわゆるバトルロワイヤル形式の対戦ゲームなど)であってもよい。また、ゲーム装置16によって提供されるゲームは、対戦ゲーム以外のゲームであってもよい。
【0153】
また例えば、以上では、各ゲーム装置16に保持された入力変換基準データが大きく異ならないようにすべく、入力変換基準データ補正部72による補正が行われるようにしたが、入力変換基準データ補正部72による補正の態様はこの態様に限られない。例えば、各ゲーム装置16に保持された入力変換基準データがあえて異なるものとなるように、入力変換基準データ補正部72による補正が行われるようにしてもよい。こうすることによって、ゲームの面白み(コミュニケーションの面白み)を向上させるようにしてもよい。
【0154】
また例えば、以上では、入力手段からの入力に応じて取得される入力値(θin)が所定の基準範囲(θ−α以上θ+α以下の範囲)に含まれるか否かを判定し、入力値が基準範囲に含まれると判定された場合に、その基準範囲に対応する処理(その基準範囲に対応する動作を操作対象キャラクタが行う様子を画面表示するための処理)を行う情報処理システム(ネットワークゲームシステム10)を例として説明した。しかしながら、本発明が適用される情報処理システムは、この態様に限られない。本発明は、入力手段からの入力に応じた出力を入力変換基準に基づいて行う情報処理システム全般に適用できるものである。例えば、上記のような「判定」を伴うことなく、入力手段からの入力を入力変換基準に従って出力に変換する情報処理システムにも適用できるものである。
【0155】
また例えば、以上では、複数のユーザが参加してコミュニケーションを図るコミュニケーションシステムの一態様であるネットワークゲームシステムに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は他のコミュニケーションシステムにも適用できるものである。すなわち、コミュニケーションの態様は「ゲーム」に限られず、例えば複数のユーザによって共同創作される「インタラクティブアート」を実現するコミュニケーションシステムにも本発明を適用することができる。例えば、複数の入力手段からの入力に応じて画像が変化する様子を楽しむコミュニケーションシステム、すなわち複数の入力手段の各々からの入力に応じた変化が、各入力手段に対応する入力変換基準に基づいて、画面表示される画像に与えられるようなコミュニケーションシステムにも本発明を適用することができる。コミュニケーションシステムに本発明を適用することにより、各ユーザの癖、嗜好や傾向を考慮して円滑にコミュニケーションを成立させるコミュニケーションシステムを実現できるようになる。
【0156】
なお、ゲーム効果係数Eに関する構成と同様の構成は、ネットワークゲームシステム10以外の情報処理システムにも適用できるものである。例えば、先述の「複数の入力手段の各々からの入力に応じた変化が、各入力手段に対応する入力変換基準に基づいて、画面表示される画像に与えられるようなコミュニケーションシステム」にも適用できるものである。この場合、例えば同様の入力が行われた場合であっても、効果係数E(ゲーム効果係数Eに相当する係数)に応じて、画像に与えられる変化の大きさが変わるようにすることが可能となる。
【0157】
また例えば、本発明はコミュニケーションシステム以外の情報処理システムにも適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の実施の形態に係るネットワークゲームシステムの全体構成を示す図である。
【図2】ゲーム装置の構成を示す図である。
【図3】入力値θinの取得方法を示す図である。
【図4】動作データの一例を示す図である。
【図5】入力変換基準データの一例を示す図である。
【図6】ゲーム装置の機能ブロック図である。
【図7】プレイ履歴データの一例を示す図である。
【図8】入力変換履歴データの一例を示す図である。
【図9】入力変換基準データ更新処理について示すフロー図である。
【図10】入力変換基準データの一例を示す図である。
【図11】入力変換基準データ補正処理の一例を示すフロー図である。
【図12】補正済み入力変換基準データの一例を示す図である。
【図13】入力変換処理の一例を示すフロー図である。
【図14】入力値θinとゲーム効果係数Eとゲームレベル係数μとの関係の一例を示す図である。
【図15】判定回数テーブルの一例を示す図である。
【図16】本発明の他の実施の形態に係るネットワークゲームシステムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0159】
10 ネットワークゲームシステム、12 通信ネットワーク、14 ゲームサーバ、16 ゲーム装置、18 家庭用ゲーム機、20 モニタ、22 スピーカ、24 MPU、26 RAM、28 バス、30 画像処理部、32 GPU、34 フレームバッファ、36 IOP、38 音声処理部、40 SPU、42 サウンドバッファ、44 光ディスク読み取り部、46 光ディスク、48 コントローラ、50 メモリカード、52 I/F、54 カメラユニット、56 重心位置、58 動作ベクトル、60 動作データ記憶部、62 入力変換基準データ記憶部、64 入力変換履歴データ記憶部、66 ゲーム開始制御部、68 ゲームレベル決定部、70 入力変換基準データ更新部、72 入力変換基準データ補正部、74 ゲーム実行制御部、75 出力制御部、76 通信制御部、78 入力情報取得部、80 表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力手段を含む情報処理システムにおいて、
前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準であって、その入力手段からの入力結果に基づいて所定のタイミングで更新される入力変換基準を取得する入力変換基準取得手段と、
前記入力変換基準取得手段によって取得される前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準を、前記複数の入力手段のうちの他の入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正する入力変換基準補正手段と、
前記複数の入力手段の各々からの入力に応じた出力を、その入力手段に対応する入力変換基準であって、前記入力変換基準補正手段によって補正された入力変換基準に基づいて、少なくともその入力手段に対応する出力手段に対して行う出力制御手段と、
を含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記出力制御手段は、前記複数の入力手段の各々からの入力が、その入力手段に対応する入力変換基準であって、前記入力変換基準補正手段によって補正された入力変換基準を満足するか否かを判定する判定手段を含み、その判定結果に応じた出力を少なくともその入力手段に対応する出力手段に対して行うことを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準は、その入力手段からの入力に対する前記判定手段の判定結果に基づいて更新されることを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の情報処理システムにおいて、
前記入力変換基準は、前記入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かの基準であり、
前記入力変換基準補正手段は、前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準に係る基準範囲を、前記複数の入力手段のうちの他の入力手段に対応する入力変換基準に係る基準範囲に基づいて補正し、
前記判定手段は、前記複数の入力手段の各々からの入力に基づいて取得される入力値が、その入力手段に対応する入力変換基準に係る基準範囲であって、前記入力変換基準補正手段によって補正された基準範囲に含まれるか否かを判定する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、
前記情報処理システムは、複数の情報処理装置を含んで構成され、
前記複数の入力手段は、前記複数の情報処理装置の各々に備えられる入力手段である、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記入力変換基準取得手段は、前記複数の情報処理装置の各々に設けられ、
前記入力変換基準補正手段は、前記複数の情報処理装置の各々に設けられ、その情報処理装置に備えられる入力手段に対応する入力変換基準を、前記複数の情報処理装置のうちの他の情報処理装置に備えられる入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正し、
前記出力制御手段は、前記複数の情報処理装置の各々に設けられ、その情報処理装置に備えられる入力手段からの入力に応じた出力を、その情報処理装置に備えられる入力手段に対応する入力変換基準であって、その情報処理装置に備えられる入力変換基準補正手段によって補正された入力変換基準に基づいて、少なくともその情報処理装置に備えられる出力手段に対して行う、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
複数の入力手段を含む情報処理システムの制御方法において、
前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準であって、その入力手段からの入力結果に基づいて所定のタイミングで更新される入力変換基準を取得する入力変換基準取得ステップと、
前記入力変換基準取得ステップによって取得される前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準を、前記複数の入力手段のうちの他の入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正する入力変換基準補正ステップと、
前記複数の入力手段の各々からの入力に応じた出力を、その入力手段に対応する入力変換基準であって、前記入力変換基準補正手段によって補正された入力変換基準に基づいて、少なくともその入力手段に対応する出力手段に対して行う出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項8】
複数の入力手段を含む情報処理システムとしてコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準であって、その入力手段からの入力結果に基づいて所定のタイミングで更新される入力変換基準を取得する入力変換基準取得手段、
前記入力変換基準取得手段によって取得される前記複数の入力手段の各々に対応する入力変換基準を、前記複数の入力手段のうちの他の入力手段に対応する入力変換基準に基づいて補正する入力変換基準補正手段、及び、
前記複数の入力手段の各々からの入力に応じた出力を、その入力手段に対応する入力変換基準であって、前記入力変換基準補正手段によって補正された入力変換基準に基づいて、少なくともその入力手段に対応する出力手段に対して行う出力制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
入力手段を含み、前記入力手段からの入力が入力判定基準を満足するか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムにおいて、
前記入力判定基準を満足すると判定された前記入力の特徴を示す特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、
前記特徴情報取得手段によって取得される特徴情報に基づいて、前記入力判定基準を更新する入力判定基準更新手段と、
を含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
前記情報処理システムは、前記入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行し、
前記特徴情報取得手段は、前記基準範囲に含まれると判定された前記入力値の特徴量を取得し、
前記入力判定基準更新手段は、前記特徴情報取得手段によって取得される特徴量に基づいて、前記基準範囲を更新する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記特徴情報取得手段は、前記基準範囲に含まれると判定された前記入力値の平均値及び分散値を取得し、
前記入力判定基準更新手段は、前記特徴情報取得手段によって取得された平均値に対して、前記特徴情報取得手段によって取得された分散値を増減して得られる第1数値と第2数値との間の範囲を前記基準範囲とする、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項12】
入力手段を含み、前記入力手段からの入力が入力判定基準を満足するか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムの制御方法において、
前記入力判定基準を満足すると判定された前記入力の特徴を示す特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、
前記特徴情報取得ステップによって取得される特徴情報に基づいて、前記入力判定基準を更新する入力判定基準更新ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項13】
入力手段を含み、前記入力手段からの入力が入力判定基準を満足するか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記入力判定基準を満足すると判定された前記入力の特徴を示す特徴情報を取得する特徴情報取得手段、及び、
前記特徴情報取得手段によって取得される特徴情報に基づいて、前記入力判定基準を更新する入力判定基準更新手段と、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項14】
入力手段を含み、当該入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムにおいて、
前記入力値が前記基準範囲に含まれると判定される場合、当該入力値と当該基準範囲に含まれる所定の基準値との差と、前記所定処理の実行履歴に関連する実行履歴情報と、に基づいて、前記所定処理に関連する処理関連情報を取得する処理関連情報取得手段を含み、
前記所定処理は、前記処理関連情報取得手段によって取得される処理関連情報にさらに基づいて実行されることを特徴とする情報処理システム。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理システムにおいて、
前記処理関連情報取得手段は、前記基準値との差を示す情報と、前記処理関連情報と、を対応づけてなる対応情報を、前記実行履歴情報に基づいて取得する対応情報取得手段を含み、前記入力値が前記基準範囲に含まれると判定される場合、当該入力値と前記基準値との差に対応する処理関連情報を、前記対応情報取得手段によって取得される対応情報に基づいて取得する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項16】
入力手段を含み、当該入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムの制御方法において、
前記入力値が前記基準範囲に含まれると判定される場合、当該入力値と当該基準範囲に含まれる所定の基準値との差と、前記所定処理の実行履歴に関連する実行履歴情報と、に基づいて、前記所定処理に関連する処理関連情報を取得する処理関連情報取得ステップを含み、
前記所定処理は、前記処理関連情報取得手段によって取得される処理関連情報にさらに基づいて実行されることを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項17】
入力手段を含み、当該入力手段からの入力に基づいて取得される入力値が基準範囲に含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて所定処理を実行する情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記入力値が前記基準範囲に含まれると判定される場合、当該入力値と当該基準範囲に含まれる所定の基準値との差と、前記所定処理の実行履歴に関連する実行履歴情報と、に基づいて、前記所定処理に関連する処理関連情報を取得する処理関連情報取得手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記所定処理は、前記処理関連情報取得手段によって取得される処理関連情報にさらに基づいて実行されることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
1又は複数の入力手段を含む情報処理システムにおいて、
前記入力手段からの入力が複数の入力判定基準のいずれかを満足するか否かを判定する判定手段と、
前記複数の入力判定基準の各々について、前記入力手段からの入力がその入力判定基準を満足するか否かの前記判定手段による判定結果の履歴に関する判定履歴情報を取得する判定履歴情報取得手段と、
前記入力手段からの入力が前記複数の入力判定基準のいずれかを満足すると前記判定手段によって判定された場合、前記判定履歴情報取得手段によって取得される当該入力判定基準についての判定履歴情報と、前記判定履歴情報取得手段によって取得される前記複数の入力判定基準のうちの他の入力判定基準についての判定履歴情報と、に応じた出力を出力手段に対して行う出力制御手段と、
を含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項19】
請求項18に記載の情報処理システムにおいて、
前記判定履歴情報取得手段は、前記複数の入力判定基準の各々について、前記入力手段からの入力がその入力判定基準を満足すると前記判定手段によって判定された回数を計数し、
前記出力制御手段は、前記入力手段からの入力が前記複数の入力判定基準のいずれかを満足すると前記判定手段によって判定された場合、当該入力判定基準についての計数結果と、前記複数の入力判定基準のうちの他の入力判定基準についての計数結果と、に応じた出力を前記出力手段に対して行う、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項20】
請求項19に記載の情報処理システムにおいて、
前記出力制御手段は、前記入力手段からの入力が前記複数の入力判定基準のいずれかを満足すると前記判定手段によって判定された場合、当該入力判定基準についての計数結果と、前記複数の入力判定基準の各々についての計数結果の和と、の比に応じた出力を前記出力手段に対して行う、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項21】
1又は複数の入力手段を含む情報処理システムの制御方法において、
前記入力手段からの入力が複数の入力判定基準のいずれかを満足するか否かを判定するための判定ステップと、
前記複数の入力判定基準の各々について、前記入力手段からの入力がその入力判定基準を満足するか否かの前記判定ステップによる判定結果の履歴に関する判定履歴情報を取得するための判定履歴情報取得ステップと、
前記入力手段からの入力が前記複数の入力判定基準のいずれかを満足すると前記判定ステップによって判定された場合、前記判定履歴情報取得ステップによって取得される当該入力判定基準についての判定履歴情報と、前記判定履歴情報取得ステップによって取得される前記複数の入力判定基準のうちの他の入力判定基準についての判定履歴情報と、に応じた出力を出力手段に対して行う出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項22】
1又は複数の入力手段を含む情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記入力手段からの入力が複数の入力判定基準のいずれかを満足するか否かを判定する判定手段、
前記複数の入力判定基準の各々について、前記入力手段からの入力がその入力判定基準を満足するか否かの前記判定手段による判定結果の履歴に関する判定履歴情報を取得する判定履歴情報取得手段、及び、
前記入力手段からの入力が前記複数の入力判定基準のいずれかを満足すると前記判定手段によって判定された場合、前記判定履歴情報取得手段によって取得される当該入力判定基準についての判定履歴情報と、前記判定履歴情報取得手段によって取得される前記複数の入力判定基準のうちの他の入力判定基準についての判定履歴情報と、に応じた出力を出力手段に対して行う出力制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−223636(P2006−223636A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42139(P2005−42139)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】