説明

情報処理プログラム、情報処理方法及び情報処理装置

【課題】情報の消去中でも、情報の秘匿性に影響を与えずに、可搬型記憶媒体に対するアクセスを可能にする。
【解決手段】PC100が、消去ボタン20が押されたか否かに基づいて設定される消去フラグを取得する消去フラグ取得部32と、USBメモリ200が接続された時刻を取得する現在時刻取得部34と、起動されるプログラムが、USBメモリ200に記憶されているファイルを消去するためのデータ消去プログラム30であるか否かを判断するデータ消去プログラム判断部60と、消去フラグがオンであり、かつ、データ消去プログラムでない場合に、USBメモリ200に記憶されている情報のうち、USBメモリ200が接続された時刻に基づいて分類される消去対象のファイルを隠蔽するファイル隠蔽部64、として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、情報処理プログラム、情報処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、USBメモリなどの可搬型記憶媒体には、紛失や盗難が生じたときの情報漏洩を防止するために、PC(Personal Computer)に接続したときに、記憶しているデータを消去する技術が採用されつつある。この種のUSBメモリの技術には、PCとの接続時にUSBメモリ中のデータ消去プログラムが起動され、一時的に展開されたデータを自動的に消去するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、データ消去プログラムにより、有効期間を過ぎたファイルの削除等を行うものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−195629号公報
【特許文献2】特開2008−140127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1、2では、USBメモリをPCに接続した時点で、データ消去を開始するため、接続直後のデータ消去中には、別のデータへのアクセスを行うことができない。例えば、1GBのデータを消去する場合に3分程度の時間を要するとすると、ユーザは、この3分の間、USBメモリにアクセスできないため、USBメモリ接続後、データの消去が終わるまで待つ必要がある。
【0005】
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、情報の消去中でも、情報の秘匿性に影響を与えずに、可搬型記憶媒体に対するアクセスを可能とする情報処理プログラム、情報処理方法及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載の情報処理プログラムは、コンピュータを、予め定められているルールに基づいて設定される消去フラグを取得する消去フラグ取得部、可搬型記憶媒体の接続が行われた時刻を取得する接続時刻取得部、起動されているプログラムが、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報を消去するための消去プログラムであるか否かを判断する判断部、及び前記消去フラグがオンであり、かつ、前記起動されているプログラムが消去プログラムでない場合に、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報のうち、前記接続時刻取得部で取得される接続時刻に基づいて分類される消去対象の情報を隠蔽する情報隠蔽部、として機能させる。
【0007】
本明細書に記載の情報処理方法は、予め定められているルールに基づいて設定される消去フラグを取得する消去フラグ取得工程と、情報処理装置に対する可搬型記憶媒体の接続が行われた時刻を取得する接続時刻取得工程と、前記情報処理装置で起動されているプログラムが、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報を消去するための消去プログラムであるか否かを判断する判断工程と、前記消去フラグがオンであり、かつ、前記情報処理装置で起動されているプログラムが消去プログラムでない場合に、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報のうち、前記接続時刻取得部で取得される接続時刻に基づいて分類される消去対象の情報を隠蔽する情報隠蔽工程と、を含んでいる。
【0008】
本明細書に記載の情報処理装置は、予め定められているルールに基づいて設定される消去フラグを取得する消去フラグ取得部と、可搬型記憶媒体の接続が行われた時刻を取得する接続時刻取得部と、起動されているプログラムが、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報を消去するための消去プログラムであるか否かを判断する判断部と、前記消去フラグがオンであり、かつ、前記起動されているプログラムが消去プログラムでない場合に、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報のうち、前記接続時刻取得部で取得される接続時刻に基づいて分類される消去対象の情報を隠蔽する情報隠蔽部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に記載の情報処理プログラム、情報処理方法及び情報処理装置は、情報の消去中でも、情報の秘匿性に影響を与えずに、可搬型記憶媒体に対するアクセスができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態に係るPCの構成を示すブロック図である。
【図2】PC及びUSBメモリの機能構成を示すブロック図である。
【図3】PCに接続される以前におけるUSBメモリの処理について示すフローチャートである。
【図4】USBメモリがPCに接続された後における処理を示すフローチャートである。
【図5】図4の処理が完了した時点における、PCの状態及びUSBメモリの状態を模式的に示す図である。
【図6】図4の処理でステップS32が実行された後に行われる処理を示すフローチャートである。
【図7】プログラムがFSを経由して、USBメモリのディレクトリをリクエストしたときに、FSフィルタに返されるディレクトリを示す図である。
【図8】一実施形態の作用効果を説明するための図である。
【図9】図9(a)は比較例を示すブロック図であり、図9(b)は、比較例における処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、情報処理プログラム、情報処理方法及び情報処理装置の一実施形態について、図1〜図9に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1には、情報処理装置としてのPC100が示されている。このPC100は、CPU10と、ROM12と、RAM14と、ハードディスクドライブ(HDD)17と、入力手段18と、出力手段19と、USB接続インタフェース16と、を備え、これらはバスにより接続されている。入力手段18としてはキーボードやマウス等があり、出力手段19としてはCRT、LCD等のディスプレイやプリンタ等がある。USB接続インタフェース16を介して接続されたUSBメモリとの情報のやりとりが行われる。HDD17には、汎用プログラムが格納されており、HDD17に格納されているプログラムをCPU10が実行することにより、PC100は各種機能を実現することができる。
【0013】
図2は、本発明の一実施例を示す図である。図2の例ではPC上にロードされたOS(Operation System)13及びFS(File System)15が動作することでUSBメモリ200との間の情報のやり取り等の制御が行われる。
【0014】
USBメモリ200は、図2に示すように、消去ボタン20と、コントローラ22と、電池24と、消去フラグ格納部26と、情報格納領域27と、プログラム領域28とを有する。
【0015】
消去ボタン20は、ユーザがUSBメモリ200内のデータを消去したいときに、オンされるボタンである。コントローラ22は、USBメモリ200内での処理を統括的に制御する。電池24は、消去ボタン20が押されたときにコントローラ22に対して電力供給を行う。消去フラグ格納部26は、消去ボタン20が押されるまでの間、消去フラグとして値「0」を格納し、消去ボタン20が押された後は、消去フラグとして値「1」を格納する。情報格納領域27は、ユーザが作成したファイル等を格納する。プログラム領域28は、仮想CD−ROMドライブとも呼ばれ、データ消去プログラム30とFSフィルタ50とを格納している。
【0016】
データ消去プログラム30は、USBメモリ200がPC100のUSB接続インタフェース16に接続されると、PC100側に自動的にロードされ、PC100のCPU10を、消去フラグ取得部32と、接続時刻取得部としての現在時刻取得部34と、FSフィルタロード部36と、消去部としての削除処理部38と、情報格納領域切替部40と、フラグ設定部42と、時刻管理部44として機能させるものである。
【0017】
FSフィルタ50は、USBメモリ200がUSB接続インタフェース16に接続されると、OS13上で、接続時刻記憶領域52と、データ消去プログラム属性記憶領域54と、ファイル属性取得部56と、プログラム属性取得部58と、判断部としてのデータ消去プログラム判断部60と、消去ファイル判断部62と、情報隠蔽部としてのファイル隠蔽部64として機能する。
【0018】
なお、データ消去プログラム30及びFSフィルタ50の各部の詳細については、後述する。
【0019】
次に、PC100及びUSBメモリ200における処理について、図3〜図8に基づいて詳細に説明する。図3には、PC100に接続される以前におけるUSBメモリ200の処理について示すフローチャートである。この図3に示すように、ステップS10において、ユーザにて消去ボタン20が押されると、ステップS12において、コントローラ22が起動される。この起動は、USBメモリ200に内蔵されている電池24から供給される電力を用いて行われる。次いで、ステップS14では、コントローラ22が、消去フラグをオンにして(値を「0」から「1」変更して)、消去フラグ格納部26に格納する。以上のようにして、消去フラグの設定が完了すると、図3の処理を終了する。
【0020】
図4は、USBメモリ200がPC100に接続された後における処理を示すフローチャートである。この図4に示すように、USBメモリ200がPC100のUSB接続インタフェース16に接続されると、ステップS20において、プログラム領域28のオートラン機能により、データ消去プログラム30が、PC100のCPU10により自動起動される。なお、プログラム領域28のオートラン機能が無効になっているような場合には、ステップS20では、ユーザがデータ消去プログラム30を実行するまで待機する。なお、このステップS20が終了した時点では、情報格納領域27は、PC100側と接続されていないので、ユーザはPC100上からは、情報格納領域27にアクセスできないようになっている。
【0021】
次いで、ステップS22では、データ消去プログラム30の消去フラグ取得部32が、消去フラグ格納部26を参照して、消去フラグの値(0又は1)を取得する。
【0022】
次いで、ステップS24では、消去フラグの値が「1」であるか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ユーザにより消去ボタン20が押されていないため、データを消去する必要はない。したがって、図4の全処理を終了し、PC100では、汎用プログラム11による通常の処理が行われることになる。一方、ステップS24の判断が肯定された場合には、ユーザにより消去ボタン20が押されていることから、情報格納領域27のデータ消去を行う必要がある。この場合、ステップS26に移行する。
【0023】
ステップS26では、FSフィルタロード部36が、FSフィルタ50をUSBメモリ200のプログラム領域28からPC100(OS13)にロードする。次いで、ステップS28では、現在時刻取得部34が、現在時刻(T1とする)を取得し、FSフィルタ50の接続時刻記憶領域52に記憶する。次いで、ステップS30において、情報格納領域切替部40が、PC100と情報格納領域27とを接続する。すなわち、ステップS30により、ユーザは、PC100上から情報格納領域27へのアクセスが可能になる。その後、ステップS32において、削除処理部38を起動して、図4の全処理を終了する。なお、図5には、図4の処理が完了した時点における、PC100の状態及びUSBメモリ200の状態が模式的に示されている。この図5に示すように、データ消去プログラム30とFSフィルタ50がPC100側にロードされ、起動されており、FSフィルタ50の接続時刻記憶領域52には、USBメモリ200の挿入時刻が記憶され、データ消去プログラム属性記憶領域54には、データ消去プログラムの属性(例えば、プログラム名など)が記憶されている。PC100の汎用プログラム11がUSBメモリ200とデータ等のやりとりを行う場合には、必ず、FSフィルタ50を通過する。更に、データ消去プログラム30(削除処理部38)からUSBメモリ200のディレクトリ情報をリクエストした場合、FSフィルタ50は処理をしないが、FS15が読み込んだUSBメモリのディレクトリ情報は、FSフィルタ50によって改ざんされる。これにより、プログラムを区別したうえで、USBメモリ200の異なるディレクトリ情報を返すことができる。
【0024】
次に、図4の処理でステップS32が実行された後に行われる図6の処理について説明する。
【0025】
図6の処理では、ステップS50において、削除処理部38が、OS13に対して、USBメモリ200のディレクトリをリクエストする。次いで、ステップS52では、OS13がUSBメモリ200のディレクトリを取得し、FSフィルタ50に返す。図7には、汎用プログラム11とデータ消去プログラム30がFS15を経由して、USBメモリ200のディレクトリをリクエストしたときに、FSフィルタ50に返されるディレクトリが示されている。この図7に示すように、ディレクトリは、ファイルの種々属性を含めたデータ構造を有している。
【0026】
次いで、ステップS54では、削除処理部38が、ディレクトリの全てを走査する。次いで、ステップS56では、削除処理部38が、全てのディレクトリの走査が完了したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS58に移行する。
【0027】
ステップS58では、プログラム属性取得部58が、実行しようとしているプログラムの属性を取得する。ここでは、汎用プログラム又はデータ消去プログラムのいずれかの属性が取得されることになる。
【0028】
次いで、ステップS60では、データ消去プログラム判断部60が、プログラムの属性(汎用プログラム又はデータ消去プログラム)を確認する。
【0029】
次いで、ステップS62では、実行しようとしているプログラムがデータ消去プログラムであるか否かを、データ消去プログラム判断部60が判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS74に移行するが、判断が肯定された場合には、ステップS64に移行する。
【0030】
ステップS64では、ファイル属性取得部56が、ファイルの属性を取得する。ここで、ファイルの属性とは、一例として、図7の最終更新日時であるものとする。すなわち、図7のディレクトリの1段目の場合、最終更新日時として「2009年11月2日13時00分25秒」を取得する。
【0031】
次いで、ステップS68では、消去ファイル判断部62がファイルの属性を確認する。具体的には、ファイルの最終更新日時が、現在時刻T1より前のファイルであるかを判断する。最終更新日時が現在時刻T1より前のファイルは、消去対象のファイルであり、最終更新日時が現在時刻T1より後のファイルは、消去対象ではないことを意味する。
【0032】
次いで、ステップS70では、ファイルが消去対象であったか否かを、消去ファイル判断部62が判断する。ここでの判断が否定され場合には、ステップS56に戻るが、判断が肯定された場合には、ステップS72に移行する。ステップS72では、削除処理部38がファイルの消去を実行する。
【0033】
一方、ステップS62の判断が否定され、ステップS74に移行した場合にも、ステップS64と同様に、ファイル属性取得部56がファイルの属性を取得する。また、次のステップS76では、ステップS68と同様、消去ファイル判断部62がファイルの属性(消去対象か否か)を確認する。そして、ステップS78では、ファイルの属性が消去対象であったか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、当該ファイルは消去対象ではないため、汎用プログラム11が当該ファイルの処理を実行することになる。その後は、ステップS56に戻る。
【0034】
一方、ステップS78の判断が肯定された場合、すなわち、ファイルが消去対象であった場合には、ステップS82において、データ隠蔽部64がファイルを隠蔽する。
【0035】
このように、本実施形態では、汎用プログラム11による処理を行う場合に、ファイルが消去対象であれば、そのファイルを隠蔽し、ファイルが消去対象でなければ、ファイルを実行するようにする。また、データ消去プログラム30であった場合には、ファイルが消去対象であれば消去する。このため、図8に示すように、USBメモリ200をPC100に接続すると、オートランなどの初期処理を経た後にデータの消去処理を開始するが、消去を終了する以前(消去開始とほぼ同時期)から、USBメモリ200の情報格納領域27を利用することが可能となる。
【0036】
図6に戻り、以降、全てのディレクトリの走査が完了するまで、ステップS56以降の処理を繰り返す。そして、全てのディレクトリの走査が完了し、ステップS56の判断が肯定された段階で、ステップS84に移行する。このようにステップS84に移行する段階では、消去すべきファイルは全て消去された状態となっている。
【0037】
ステップS84では、フラグ設定部42がUSBメモリ200の消去フラグ格納部26に格納されているフラグを「0」にする。そして、ステップS86では、時刻管理部44が、接続時刻記憶領域52に記憶されている時刻T1をクリアし、図6の全処理を終了する。その後は、ユーザの操作等に応じて、汎用プログラム11による処理が行われることになる。
【0038】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、PC100が、消去ボタン20が押されたか否かに基づいて設定される消去フラグ(「1」又は「0」)を取得する消去フラグ取得部32と、USBメモリ200が接続された時刻を取得する現在時刻取得部34と、起動されるプログラムが、USBメモリ200に記憶されているファイルを消去するためのデータ消去プログラム30であるか否かを判断するデータ消去プログラム判断部60と、消去フラグがオン(値が「1」)であり、かつ、データ消去プログラムでない場合に、USBメモリ200に記憶されている情報のうち、USBメモリ200が接続された時刻に基づいて分類される消去対象のファイルを隠蔽するファイル隠蔽部64、として機能する。これにより、本実施形態では、USBメモリ200において消去対象のファイルに対して、データ消去プログラム30以外のプログラム(汎用プログラム11)がアクセスしようとしても、消去対象のファイルを隠蔽することができる。したがって、消去対象のファイルを消去する以前から、ユーザがUSBメモリ200にアクセスできるようにしても、ファイルの秘匿性に問題が生じることがない。これにより、ファイルの消去中でも、ファイルの秘匿性に影響を与えずに、USBメモリ200に対するアクセスを可能にすることができる。
【0039】
図9(a)は、従来からある、データを消去する機能を有するUSBメモリの一例(比較例)を模式的に示す図である。この図9(a)に示すように、従来は、USBメモリに、USB接続インタフェースと情報格納領域との接続をオン・オフするスイッチが設けられていた。そして、コントローラ(データ消去プログラム)が情報格納領域に格納されているファイル(データ)を消去している間は、他のファイルへのPC側からのアクセスができないように、スイッチがオフされるようになっていた。すなわち、図9(a)のUSBメモリでは、図9(b)に示すように、消去処理を行っている間は、USBメモリが利用できないことになる。これに対し、本実施形態では、前述のように、消去中であっても、汎用プログラムによるファイルの実行を可能にし、汎用プログラムが消去対象のファイルを実行しようとしても、ファイル隠蔽部64が、当該ファイルを隠蔽する。このため、ファイルの秘匿性を維持しつつ、従来と比較して、ユーザの使い勝手を向上することが可能となる。
【0040】
また、本実施形態では、PC100は、消去フラグがオン(1)であり、かつ、プログラムがデータ消去プログラムである場合に、消去対象のファイルを消去する削除処理部38、として機能するので、USBメモリ200を紛失・盗難等があっても、ファイルの流出を抑制することができる。
【0041】
なお、上記実施形態では、消去フラグがオン(1)にされる条件が、消去ボタン20が押されたこと、である場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、消去フラグは、所定の基準時(前の消去をした時点)から所定時間を経過した場合に、オンされても良い。または、その他の基準に基づいて、消去フラグがオンされても良い。この場合、消去ボタン20を省略しても良い。
【0042】
なお、上記実施形態では、消去対象のファイルか否かを、最終更新日時が、USBメモリ200の接続時刻よりも前であるか否かにより判定することとしたが、これに限られるものではない。例えば、最終更新日時に代えて、他の日時(例えば、最終アクセス日時)を用いることとしても良い。また、最終更新日時や採集アクセス日時などが、接続時刻を基準として所定時間前である場合に、消去対象のファイルと判定することとしても良い。
【0043】
なお、上記実施形態では、可搬型記憶媒体がUSBメモリである場合について説明したが、これに限らず、SD(Secure Digital)カード(登録商標)などの他の記憶媒体であっても良い。
【0044】
上記実施形態で説明した処理をコンピュータに実行させるプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納することができる。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ等の可搬型の記録媒体や、ハードディスクやフラッシュメモリ等記録媒体などがある。
【0045】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0046】
32 消去フラグ取得部
34 現在時刻取得部(接続時刻取得部)
38 削除処理部(消去部)
60 データ消去プログラム判断部(判断部)
64 ファイル隠蔽部(情報隠蔽部)
100 PC(コンピュータ)
200 USBメモリ(可搬型記憶媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
予め定められているルールに基づいて設定される消去フラグを取得する消去フラグ取得部、
可搬型記憶媒体の接続が行われた時刻を取得する接続時刻取得部、
起動されているプログラムが、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報を消去するための消去プログラムであるか否かを判断する判断部、及び
前記消去フラグがオンであり、かつ、前記起動されているプログラムが消去プログラムでない場合に、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報のうち、前記接続時刻取得部で取得される接続時刻に基づいて分類される消去対象の情報を隠蔽する情報隠蔽部、として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
前記情報隠蔽部は、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報のうち、前記接続時刻取得部で取得される接続時刻に基づいて分類される消去対象以外の情報は隠蔽しないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記消去フラグがオンであり、かつ、前記起動されているプログラムが消去プログラムである場合に、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報のうち、前記接続時刻取得部で取得される接続時刻に基づいて分類される消去対象の情報を消去する消去部、として更に機能させることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記消去フラグの設定において用いられるルールは、ユーザからの消去指示があった場合、又は予め定められた基準時から所定時間が経過した場合、に消去フラグをオンに設定する、というルールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
予め定められているルールに基づいて設定される消去フラグを取得する消去フラグ取得工程と、
情報処理装置に対する可搬型記憶媒体の接続が行われた時刻を取得する接続時刻取得工程と、
前記情報処理装置で起動されているプログラムが、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報を消去するための消去プログラムであるか否かを判断する判断工程と、
前記消去フラグがオンであり、かつ、前記情報処理装置で起動されているプログラムが消去プログラムでない場合に、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報のうち、前記接続時刻取得部で取得される接続時刻に基づいて分類される消去対象の情報を隠蔽する情報隠蔽工程と、を含む情報処理方法。
【請求項6】
予め定められているルールに基づいて設定される消去フラグを取得する消去フラグ取得部と、
可搬型記憶媒体の接続が行われた時刻を取得する接続時刻取得部と、
起動されているプログラムが、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報を消去するための消去プログラムであるか否かを判断する判断部と、
前記消去フラグがオンであり、かつ、前記起動されているプログラムが消去プログラムでない場合に、前記可搬型記憶媒体に記憶されている情報のうち、前記接続時刻取得部で取得される接続時刻に基づいて分類される消去対象の情報を隠蔽する情報隠蔽部と、を備える情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−198040(P2011−198040A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64164(P2010−64164)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】