説明

情報処理制御装置、情報処理プログラム

【課題】節電モードから通常モードへの移行頻度を軽減して、節電効率を向上する。
【解決手段】複写処理等の指示を受けると共に、画像処理装置10へ当該指示を送出する情報処理端末装置18において、指示の種類を少なくとも「即時処理」指示と「待機処理」指示との2種類に分類し、それぞれの指示の種類を含む予め定めた条件に基づいて、節電モードから通常モードへの復帰の是非を判定するようにした。複写処理の指示は「即時処理」指示と判定する。「即時処理」指示は、節電モードから通常モードへ遅滞なく復帰させるようにしている。設定変更指示は「待機処理」指示と判定する。「待機処理」指示は、基本的には直ちに節電モードから通常モードへ復帰させず、節電モードを維持する。節電モードを維持する場合、指示を受けた情報は記憶しておき、次の復帰後に、当該記憶された情報に基づく「待機処理」指示に従い、処理(設定変更)を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理制御装置、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷データ等の即時処理が必要な通知と、設定変更通知等の即時処理の必要がない通知とを区別することなく、一意的にデバイスに送信する前に、節電復帰が必要な機器に節電復帰指示をしてから、印刷データを送信するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−272596公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、処理の指示を受け付けると常に節電状態を解除するものと比して、節電状態が解除される頻度を軽減できる情報処理装置およびプログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、処理実行装置への処理の指示を受け付ける受付手段と、前記処理実行装置へ当該処理実行装置の節電状態を解除して前記受付手段で受け付けた指示に対応する処理を実行するよう指示する指示手段と、前記受け付けた指示に関する情報を記憶する記憶手段とを有し、前記受け付けた指示に対応する処理が予め定められた処理である場合に、当該指示に関する情報を前記記憶手段に記憶させ、前記受け付けた指示に対応する処理が予め定められた処理でない場合に、当該指示に対応する処理に加え、前記記憶手段に記憶された指示に関する情報に基づく処理を実行するよう前記指示手段により前記処理実行装置へ指示することを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記処理実行装置が節電状態か否かを判断する判断手段を具備し、前記処理実行装置が節電状態でない場合は、前記受け付けた指示に対応する処理が予め定められた処理であるときであっても、当該指示に対応する処理を実行するよう前記指示手段により前記処理実行装置へ指示することを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記予め定められた処理でないと判断される処理は利用者の介在が必要な処理であって、前記記憶手段に記憶された指示に関する情報の処理情報量が予め定められた値を超えた場合は、前記記憶手段に記憶された指示に関する情報に基づく処理を実行するよう前記指示手段により指示することを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、処理の指示を受け付ける受付手段と、節電状態を解除して前記受付手段で受け付けた指示に対応する処理を実行する実行手段と、前記受け付けた指示に関する情報を記憶する記憶手段とを有し、前記受け付けた指示に対応する処理が予め定められた処理である場合に、当該指示に関する情報を前記記憶手段に記憶させ、受け付けた指示に対応する処理が予め定められた処理でない場合に、当該指示に対応する処理に加え、前記記憶手段に記憶された指示に関する情報に基づく処理を前記手段により実行することを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、コンピュータを、請求項1に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラムである。
【0010】
請求項6に記載の発明は、コンピュータを、請求項4に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,4,5,6に記載の発明によれば、処理の指示を受け付けると常に節電状態を解除するものと比して、節電状態が解除される頻度を軽減できる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有さないものに比して、実行処理装置の節電状態が解除される頻度を軽減したまま、予め定められた処理であっても、予め定められた処理でない処理の指示を受け付ける前に実行処理装置へ実行を指示できる処理が増加する。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有さないものに比して、実行処理装置の節電状態が解除される頻度を軽減し、かつ、利用者の介在が必要な処理を行なう際に、利用者が待たされる時間を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態に係る画像処理装置の外観を示す正面図である。
【図2】本実施の形態に係る画像処理装置の制御系の概略を示すブロック図である。
【図3】画像処理制御部のメインコントローラにおける、動作モード制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態に係る情報処理端末装置における節電復帰制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本実施の形態の構成である、サービスセンターサーバー、情報処理端末装置、メインコントローラとの間で実行される処理である(実施例1)
【図6】本実施の形態の構成である、サービスセンターサーバー、情報処理端末装置、メインコントローラとの間で実行される処理である(実施例2)
【図7】本実施の形態の構成である、サービスセンターサーバー、情報処理端末装置、メインコントローラとの間で実行される処理である(実施例3)
【図8】本実施の形態の構成である、サービスセンターサーバー、情報処理端末装置、メインコントローラとの間で実行される処理である(実施例4)
【図9】本実施の形態の構成である、サービスセンターサーバー、情報処理端末装置、メインコントローラとの間で実行される処理である(実施例5)
【図10】本実施の形態の構成である、サービスセンターサーバー、情報処理端末装置、メインコントローラとの間で実行される処理である(実施例6)
【図11】本実施の形態の変形例の構成である、サービスセンターサーバー、メインコントローラとの間の処理である(実施例7)。
【図12】本実施の形態の変形例の構成である、サービスセンターサーバー、メインコントローラとの間の処理ルである(実施例8)。
【図13】本実施の形態の変形例の構成である、サービスセンターサーバー、メインコントローラとの間の処理である(実施例9)。
【図14】本実施の形態の変形例の構成である、サービスセンターサーバー、メインコントローラとの間の処理である(実施例10)。
【図15】本実施の形態の変形例の構成である、サービスセンターサーバー、メインコントローラとの間の処理である(実施例11)。
【図16】本実施の形態の変形例の構成である、サービスセンターサーバー、メインコントローラとの間の処理である(実施例12)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1には、画像処理装置10が示されている。画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部12と、原稿画像を読み取る画像読取部14とを備えている。画像読取部14で読み取った原稿画像は、画像処理制御部16により画像処理されて画像形成部12へ送出されるようになっている。
【0016】
上記画像処理制御部16には、情報処理端末装置18が接続されている。情報処理端末装置18には、インターネット等のネットワーク通信回線網20及び電話回線網22にそれぞれ接続されている。情報処理端末装置18は、例えば、ネットワーク通信回線網20又は電話回線網22を介して、外部サーバーや画像処理装置10のメンテナンスを実行するサービスセンター等と画像処理装置10との間で情報を送受信する役目を有している。
【0017】
画像形成部12は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、顕像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0018】
なお、本実施の形態では、情報処理端末装置18に、課金処理機能が搭載されており、情報処理端末装置18は、正規の課金があった時点で、画像処理装置10へ画像処理の許可信号を送出する場合がある。
【0019】
図2に示される如く、画像処理制御部16は、メインコントローラ24を備え、このメインコントローラ24には、画像読取制御管理部26及び画像形成制御管理部28が接続されている。
【0020】
画像読取制御管理部26は、前記画像読取部14における原稿搬送系や、画像を読み取るための走査駆動系、画像を読み取るための光電変換素子等が接続されて、それぞれを制御する。
【0021】
画像形成制御管理部28は、前記画像形成部12における搬送系や、画像形成のための走査露光系、現像系等の各処理系が接続されて、それぞれを制御する。
【0022】
メインコントローラ24には、UI(ユーザ・インターフェイス)30、ハードディスク31が接続されている。
【0023】
情報処理端末装置18は、前記画像処理制御部16に接続されている。情報処理端末装置18は、CPU32、RAM34、ROM36、I/O(入出力部)38、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス40を有している。
【0024】
I/O40には、UI42が接続されている。UI42は、ユーザーからの入力指示を受け付け、かつユーザーへ画像処理に関する情報を報知する役目を有している。さらに、I/O38には、ハードディスク44が接続されている。また、I/O38は、I/F46を介して前記ネットワーク通信回線網20及び電話回線網22に接続されている。
【0025】
ハードディスク44などに記録されているプログラムに基づいてCPU32が動作することによって、情報処理端末装置18の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU32が動作することにより情報処理端末装置18の機能を実現してもよい。
【0026】
ところで、本実施の形態の画像処理装置10には、少なくとも、通常モードと節電モードとの2つのモード(状態)がある。ここで、節電モードは通常モードよりも画像形成装置の消費電力が少ないモードであり、節電モードにおいては、通常モードで実行できる処理の少なくとも一部は実行できないものとする。節電モードを実現するための方法には様々なものがあるが、例えば、画像形成部12における定着部による記録用紙の加熱及び加圧による定着処理に必要なヒータ温度を調整することが考えられる。ヒータ温度は、通常モード時の温度を維持するには相当量の電力が必要であるため、節電モード時には、その温度を下げて電力消費を抑制する、或いは完全に電力を遮断する。
【0027】
その他、外部から画像形成指示等を受信する以外の全ての機器への電力を遮断する場合もある。或いは、節電モードから通常モードに復帰(変更)し、1枚目の画像形成処理までの期間を短縮するために、電力を遮断する機器を選択する場合がある。
【0028】

本実施の形態では、前記複写処理等の指示を受けると共に、画像処理装置10へ当該指示を送出する情報処理端末装置18において、指示の種類を少なくとも「即時処理」指示と「待機処理」指示との2種類に分類し、節電モードから通常モードへの復帰(節電モードの解除)の是非を判定(判断)するようにした。
【0029】
受け付けた指示に係る処理が「即時処理」か「待機処理」かは、ハードディスク44などに保持されている情報(例えば、処理と処理の分類[「即時処理」か「待機処理」か]とが予め対応づけられたテーブル)に基づき分類する。指示に当該指示に係る処理が「即時処理」か「待機処理」かを示す情報が含まれていてもよい。
【0030】
ここで、どのような処理を「即時処理」(指示を受け付けたらなるべく早く実行すべきものと想定される処理)とするかは任意であるが、例として、当該処理の実行中あるいは処理後にユーザの介在が必要な処理が考えられる。
【0031】
例えば、情報処理端末装置18がユーザの指示を受けて、画像処理装置10へ送出する、複写処理の指示は、「即時処理」指示と判定する。複写処理は、原稿を画像処理装置10のプラテンへ置くなどといったユーザの介在を必要とするからである。
【0032】
一方、「待機処理」(指示を受け付けても即時の実行は必要がないと想定される処理)としては、例えば「即時処理」実行の直前に実行されていれば十分な処理であって、以下の例が考えられる。
【0033】
前述したネットワーク通信回線網20には、画像処理装置10を管理するサーバー(以下、「サービスセンターサーバー48」という)が接続されており、このサービスセンターサーバー48から、情報処理端末装置18を介して、画像処理装置10に対して、バージョンアップや情報書換等の設定変更指示を行うことがある。この設定変更指示は、画像処理装置10が節電モード中に受信することがあり、本実施の形態では、この設定変更指示は、「待機処理」指示と判定(分類)する。当該設定変更は、例えば複写処理を実行する際に反映されていれば十分だからである。
【0034】
この場合、当該指示に関する情報は記憶しておき、次の復帰後に、当該記憶された情報に基づく「待機処理」指示に従い、処理(設定変更)を実行する。
【0035】
次の復帰には、以下の形態がある。
【0036】
(復帰1) 「即時処理」指示があったとき
(復帰2) 「待機処理」指示の処理情報量(後述)が予め定めたしきい値を超えたとき
上記の復帰条件が成立すると、画像処理装置10は、復帰モードから通常モードへ復帰すると共に、当該「待機処理」指示並びに、それまでに保存(記憶)しておいた「待機処理」指示、或いは「復帰1」の場合には、当該「即時処理」指示が実行される。
【0037】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0038】
(画像処理(複写)手順)
画像読取部14では、原稿画像を読み取り、その読み取った原稿画像は、画像読取管理制御部26から画像処理制御部16へ送出される。画像処理制御部16では、原稿画像が画像データに変換され、画像形成制御管理部28へ送出される。
【0039】
画像形成制御管理部28では、受け取った画像データに基づいて画像形成部12を制御して画像形成処理を実行する。
【0040】
走査露光部では、画像データに基づいて光ビームを感光体へ走査する。前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像は画像現像部によって現像される。
【0041】
顕像化された感光体上の画像は、転写部において、記録用紙へ転写され、当該記録用紙は、定着部を通過し、装置筐体から排出される。
【0042】
ここで、本実施の形態の情報処理端末装置18は、図3に示される如く、メインコントローラ24の処理ルーチンの1つとして、予め定められた期間中、画像処理が実行されない状態が継続すると(ステップ50での肯定判定)、節電モードへ移行する(ステップ52)。
【0043】
この節電モードにより、例えば、定着処理に必要なヒータ温度を通常モード時の温度を維持せず、その温度を下げて電力消費を抑制する、或いは完全に電力を遮断する。
【0044】
この節電モード中においても、情報処理端末装置18は、画像処理複写指示、設定変更指示を受信する。
【0045】
以下、図4のフローチャートに従い、情報処理端末装置18における、画像処理装置10のモード制御ルーチンを説明する。
【0046】
ステップ54では、処理の指示があったか否かが判断される。このステップ54で否定判定された場合は、このルーチンは終了する。また、ステップ54で肯定判定されると、ステップ56へ移行して、受けた指示が「即時処理」指示か、「待機処理」指示かを判定する。このステップ56で「即時処理」指示であると判定されると、ステップ58へ移行する。
【0047】
ステップ58では、現在の画像処理装置10のモードが通常モードか節電モードかを判断する。ステップ58で節電モードと判定された場合は、ステップ60へ移行して、復帰処理を実行し、画像処理装置10を、画像読取処理及び画像形成処理が可能な状態として、ステップ62へ移行する。また、ステップ58で通常モードと判定された場合は、既に、画像処理装置10は、画像読取処理及び画像形成処理が可能な状態になっているため、ステップ62へ移行する。
【0048】
ステップ62では、情報処理端末装置18に節電モード中に記憶した「待機処理」指示に関する情報(指示された「待機処理」の内容を把握できる情報)が保存されているか否かが判断される。
【0049】
ステップ62で肯定判定されると、ステップ64へ移行して、当該保存された「待機処理」指示に関する情報に対応する「待機処理」を実行し、ステップ66へ移行する。また、ステップ62で否定判定されると、ステップ66へ移行する。
【0050】
ステップ66では、前記ステップ56で判定された「即時処理」指示に従い、「即時処理」を実行し、このルーチンは終了する。
【0051】
一方、前記ステップ56における「即時処理」指示か「待機処理」指示かの判定において、「待機処理」指示と判定された場合は、ステップ56からステップ68へ移行する。
【0052】
ステップ68では、前記ステップ58と同様に、現在の画像処理装置10のモードが通常モードか節電モードかを判断する。ステップ68で通常モードと判定された場合は、既に、画像処理装置10は、画像読取処理及び画像形成処理が可能な状態になっているため、ステップ70へ移行して「待機処理」を実行し、このルーチンは終了する。
【0053】
また、ステップ68で、節電モードと判定された場合は、ステップ72へ移行して、「待機処理」指示に関する情報の保存処理を実行して、ステップ74へ移行する。ステップ74では、保存された(複数の)「待機処理」指示に関する情報に対応する「待機処理」を実行した場合に要すると予想される時間の合計値を算出し、その合計値が予め定めたしきい値を超えたか否かが判断され、否定判定、すなわち、合計値がしきい値以下と判定された場合は、現時点では、「待機処理」の実行を行なわず、このルーチンは終了する。また、ステップ74で肯定判定、すなわち、合計値がしきい値を超えたと判定された場合は、ステップ76へ移行して、強制復帰処理を実行し、ステップ70へ移行する。ここで、「待機処理」を実行した場合に要すると予想される時間は、「待機処理」の種類ごとに情報処理端末装置18に予め記憶されているものとする。
【0054】
なお、しきい値は、例えば、画像処理装置10において復帰モードから通常モードへ移行するときに必要な時間が好ましい。復帰モードから通常モードへ移行するときに必要な時間内に、保存された(複数の)「待機処理」指示に関する情報に対応する複数の「待機処理」が完了するのであれば(ここでは、復帰モードから通常モードへの移行処理と「待機処理」とは並行して実行されるものとしている)、「即時処理」指示を受け付けたときに「待機処理」を実行した後で当該「即時処理」を実行したとしても、「即時処理」指示を指示したユーザが、「即時処理」が実行されるまでに、必要以上の時間を待つことがないからである。
【0055】
なお、ステップ74において、「待機処理」を実行した場合に要すると予想される時間に基づいて判定するのではなく、保存された「待機処理」指示に関する情報の個数に基づいて判定してもよい。すなわち、保存された「待機処理」指示に関する情報の個数が予め定めた個数を超えたか否かを判定してもよい。
上記以外にも、ステップ74において用いる情報は、(保存された「待機処理」指示に関する情報に対応する)「待機処理」を実行した場合に要する時間が、おおよそ判断できる情報であればよい。以下、このような情報を「処理情報量」とも称することとする。
【0056】
(変形例)
なお、本実施の形態では、ネットワーク通信回線網20から複写指示等の「即時処理」や、設定変更等の「待機処理」を受け、画像処理装置10へ送出する中継として、情報処理端末装置18を設けたが、情報処理端末装置18としての機能を、画像処理装置10の内部のメインコントローラ24で行なうようにしてもよい。
【実施例】
【0057】

実施例1〜実施例6は、本実施の形態の構成である、サービスセンターサーバー48、情報処理端末装置18、画像処理装置10(メインコントローラ24)との間の処理として説明する。
【0058】
また、実施例7〜実施例12は、本実施の形態の変形例である、サービスセンターサーバー48、画像処理装置10(メインコントローラ24)との間の処理として説明する。
(実施例1)
図5に示される如く、実施例1は、通常モード時に「待機処理」が指示された際の処理であり、情報処理端末装置18を主体としてその処理を説明する。なお、「即時処理」指示として「複写」指示、「待機処理」指示として「設定変更(更新)」指示を例に挙げて説明する。
【0059】
まず、情報処理端末装置18が、サービスセンターサーバー48から設定変更(更新)指示を受信する。
【0060】
次に、情報処理端末装置18は、受信した内容が「即時処理」指示か「待機処理」指示かを判断し、ここでは、「待機処理」指示と判断して、画像処理制御16のメインコントローラ24に対して、モードの問い合わせを行なう。この結果、メインコントローラ24からの回答を受ける。
【0061】
ここでは、画像処理装置10が通常モードであるため、設定変更(更新)指示に関する情報(設定変更(更新)情報)をメインコントローラ24へ送出する。
【0062】
この結果、画像処理装置10では、設定変更(更新)処理が実行される。
(実施例2)
図6に示される如く、実施例2は、節電モード時に「即時処理」が指示された際の処理であり、情報処理端末装置18を主体としてその処理を説明する。なお、「即時処理」指示として「複写」指示、「待機処理」指示として「設定変更(更新)」指示を例に挙げて説明する。
【0063】
まず、情報処理端末装置18が、ユーザから情報処理端末装置18のUI42を介して複写指示を受け付ける。
【0064】
次に、情報処理端末装置18は、受信した内容が「即時処理」か「待機処理」かを判断し、ここでは、「即時処理」と判断して、画像処理制御部16のメインコントローラ24に対して、節電復帰を指示する。
【0065】
メインコントローラ24は、復帰指示を受けて節電モードから通常モードへの復帰処理を実行する。
【0066】
画像処理装置10が通常モードになると、情報処理端末装置18からメインコントローラ24へ複写処理の開始を指示する情報が送出される
この結果、画像処理装置10では、複写処理が実行(開始)される(ユーザが画像処理装置10を用いて複写を行なえるようになる)。
(実施例3)
図7に示される如く、実施例3は、節電モード時に「待機処理」、続いて「即時処理」が指示された際の処理であり、情報処理端末装置18を主体としてその処理を説明する。なお、「即時処理」指示として「複写」指示、「待機処理」指示として「設定変更(更新)」指示を例に挙げて説明する。
【0067】
まず、情報処理端末装置18が、サービスセンターサーバー48から設定変更(更新)指示を受信する。
【0068】
次に、情報処理端末装置18は、受信した内容が「即時処理」か「待機処理」かを判断し、ここでは、「待機処理」と判断して、画像処理制御部16のメインコントローラ24に対して、モードの問い合わせを行なう。この結果、メインコントローラ24からの回答を受ける。
【0069】
ここでは、画像処理装置10が節電モードであるため、設定変更(更新)情報を情報処理端末装置18に保存する処理を行なう。
【0070】
保存後、現在までに保存した設定変更(更新)情報の処理情報量が制限以下(しきい値以下)か否かを判定する。ここでは、制限以下なので、節電モードは維持される。
【0071】
その後、情報処理端末装置18が、複写指示を受信する。
【0072】
次に、情報処理端末装置18は、受信した内容が「即時処理」か「待機処理」かを判断し、ここでは、「即時処理」と判断して、まず、設定変更(更新)情報が保存の有無を判定した後、画像処理制御部16のメインコントローラ24に対して、節電復帰を指示する。
【0073】
メインコントローラ24は、復帰指示を受けて節電モードから通常モードへの復帰処理を実行する。
【0074】
画像処理装置10が通常モードになると、情報処理端末装置18からメインコントローラ24へ、保存された設定変更(更新)情報を送出し、次いで複写処理の開始を指示する情報を送出する。なお、情報処理端末装置18は復帰指示を送信せず、複写処理の開始を指示する情報が復帰指示を兼ねることとしてもよい。つまり、画像処理装置10は、節電モードの場合に複写処理の開始を指示する情報を受信すると、節電モードから通常モードへ移行するよう構成してもよい。
【0075】
この結果、画像処理装置10では、設定変更(更新)処理、次いで複写処理が実行される。
【0076】
その後、画像処理装置10での処理が一定時間実行されないと、再び節電モードへ移行する。
(実施例4)
図8に示される如く、実施例4は、節電モード時に「待機処理」が連続して指示されたときの処理であり、情報処理端末装置18を主体としてその処理を説明する。なお、「待機処理」指示として「設定変更(更新)」指示を例に挙げて説明する。
【0077】
まず、情報処理端末装置18が、サービスセンターサーバー48から設定変更(更新)指示を受信する。
【0078】
次に、情報処理端末装置18は、受信した内容が「即時処理」か「待機処理」かを判断し、ここでは、「待機処理」と判断して、画像処理制御部16のメインコントローラ24に対して、モードの問い合わせを行なう。この結果、メインコントローラ24からの回答を受ける。
【0079】
ここでは、画像処理装置10が節電モードであるため、設定変更(更新)情報を情報処理端末装置18に保存する処理を行なう。
【0080】
保存後、現在までに保存した設定変更(更新)情報の処理情報量が制限以下(しきい値以下)か否かを判定する。ここでは、制限を超えたと判断され、画像処理制御部16のメインコントローラ24に対して、節電復帰を指示する。
【0081】
メインコントローラ24は、復帰指示を受けて節電モードから通常モードへの復帰処理を実行する。
【0082】
画像処理装置10が通常モードになると、情報処理端末装置18からメインコントローラ24へ、保存された全ての設定変更(更新)情報を送出する。
【0083】
この結果、画像処理装置10では、複数の設定変更(更新)処理が実行される。
【0084】
その後、画像処理装置10での処理が一定時間実行されないと、再び節電モードへ移行する。
(実施例5)
図9に示される如く、実施例5は、実施例1〜実施例4から選択された複合的な処理であり、前記実施例2(図6)と実施例3(図7)とが続けて実行された場合を示す。なお、通信手順は、実施例2の手順後、一旦節電モードへ移行し、その後実施例3を実行するため、詳細な手順については省略する。
(実施例6)
図10に示される如く、実施例6は、実施例1〜実施例4から選択された複合的な処理であり、前記実施例2(図6)と実施例4(図8)とが続けて実行された場合を示す。なお、通信手順は、実施例2の手順後、一旦節電モードへ移行し、その後実施例4を実行するため、詳細な手順については省略する。
(実施例7)
図11に示される如く、実施例7は、通常モード時に「待機処理」が指示された際の処理である。なお、「即時処理」指示として「複写」指示、「待機処理」指示として「設定変更(更新)」指示を例に挙げて説明する。
【0085】
まず、画像処理装置10のメインコントローラ24が、サービスセンターサーバー48から設定変更(更新)指示を受信する。
【0086】
ここでは、画像処理装置10が通常モードであるため、設定変更(更新)情報をメインコントローラ24へ送出する。
【0087】
この結果、画像処理装置10では、設定変更(更新)処理が実行される。
(実施例8)
図12に示される如く、実施例8は、節電モード時の「即時処理」の処理である。なお、「即時処理」指示として「複写」指示、「待機処理」指示として「設定変更(更新)」指示を例に挙げて説明する。
【0088】
まず、画像処理装置10のメインコントローラ24が、ユーザからUI30を介して複写指示を受信する。
【0089】
次に、画像処理装置10のメインコントローラ24は、受信した内容が「即時処理」か「待機処理」かを判断し、ここでは、「即時処理」と判断して、節電復帰を実行する。
【0090】
画像処理装置10が通常モードになると、画像情報が送出される。この結果、画像処理装置10では、複写処理が実行される。
(実施例9)
図13に示される如く、実施例9は、節電モード時に「待機処理」、続いて「即時処理」が指示された際の処理である。なお、「即時処理」指示として「複写」指示、「待機処理」指示として「設定変更(更新)」指示を例に挙げて説明する。
【0091】
まず、画像処理装置10のメインコントローラ24が、サービスセンターサーバー48から設定変更(更新)指示を受信する。
【0092】
次に、画像処理装置10のメインコントローラ24は、受信した内容が「即時処理」か「待機処理」かを判断し、ここでは、「待機処理」と判断し、かつ、画像処理装置10が節電モードであるため、設定変更(更新)情報を画像形成装置10に保存する処理を行なう。
【0093】
保存後、現在までに保存した設定変更(更新)情報の処理情報量が制限以下(しきい値以下)か否かを判定する。ここでは、制限以下なので、節電モードは維持される。
【0094】
その後、画像処理装置10のメインコントローラ24が、複写指示を受信する。
【0095】
次に、画像処理装置10のメインコントローラ24は、復帰処理を実行する。
【0096】
画像処理装置10が通常モードになると、保存された設定変更(更新)処理、次いで複写処理が実行される。
【0097】
その後、画像処理装置10での処理が一定時間実行されないと、再び節電モードへ移行する。
(実施例10)
図14に示される如く、実施例10は、節電モード時に「待機処理」が連続して指示されたときの処理である。なお、「待機処理」指示として「設定変更(更新)」指示を例に挙げて説明する。
【0098】
まず、画像処理装置10のメインコントローラ24が、サービスセンターサーバー48から設定変更(更新)指示を受信する。
【0099】
次に、画像処理装置10のメインコントローラ24は、受信した内容が「即時処理」か「待機処理」かを判断し、ここでは、「待機処理」と判断し、かつ、画像処理装置10が節電モードであるため、設定変更(更新)情報を画像処理装置10に保存する処理を行なう。
【0100】
保存後、現在までに保存した設定変更(更新)情報の処理情報量が制限以下(しきい値以下)か否かを判定する。ここでは、制限を超えたと判断され、画像処理制御部16のメインコントローラ24は節電復帰を実行する。
【0101】
画像処理装置10が通常モードになると、保存された全ての設定変更(更新)処理が実行される。
【0102】
その後、画像処理装置10での処理が一定時間実行されないと、再び節電モードへ移行する。
(実施例11)
図15に示される如く、実施例11は、実施例7〜実施例10から選択された複合的な処理であり、前記実施例8(図12)と実施例9(図13)とが続けて実行された場合を示す。なお、通信手順は、実施例8の手順後、一旦節電モードへ移行し、その後実施例9を実行するため、詳細な手順については省略する。
(実施例12)
図16に示される如く、実施例12は、実施例7〜実施例10から選択された複合的な処理であり、前記実施例8(図12)と実施例10(図14)とが続けて実行された場合を示す。なお、通信手順は、実施例8の手順後、一旦節電モードへ移行し、その後実施例10を実行するため、詳細な手順については省略する。
【符号の説明】
【0103】
10 画像処理装置
12 画像形成部
14 画像読取部
16 画像処理制御部
18 情報処理端末装置
20 ネットワーク通信回線網
22 電話回線網
24 メインコントローラ
26 画像読取制御管理部
28 画像形成制御管理部
30 UI
31 ハードディスク
32 CPU
34 RAM
36 ROM
38 I/O
40 バス
42 UI
44 ハードディスク
46 I/F
48 サービスセンターサーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理実行装置への処理の指示を受け付ける受付手段と、
前記処理実行装置へ当該処理実行装置の節電状態を解除して前記受付手段で受け付けた指示に対応する処理を実行するよう指示する指示手段と、
前記受け付けた指示に関する情報を記憶する記憶手段とを有し、
前記受け付けた指示に対応する処理が予め定められた処理である場合に、当該指示に関する情報を前記記憶手段に記憶させ、
前記受け付けた指示に対応する処理が予め定められた処理でない場合に、当該指示に対応する処理に加え、前記記憶手段に記憶された指示に関する情報に基づく処理を実行するよう前記指示手段により前記処理実行装置へ指示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理実行装置が節電状態か否かを判断する判断手段を具備し、
前記処理実行装置が節電状態でない場合は、前記受け付けた指示に対応する処理が予め定められた処理であるときであっても、当該指示に対応する処理を実行するよう前記指示手段により前記処理実行装置へ指示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予め定められた処理でないと判断される処理は利用者の介在が必要な処理であって、
前記記憶手段に記憶された指示に関する情報の処理情報量が予め定められた値を超えた場合は、前記記憶手段に記憶された指示に関する情報に基づく処理を実行するよう前記指示手段により指示することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
処理の指示を受け付ける受付手段と、
節電状態を解除して前記受付手段で受け付けた指示に対応する処理を実行する実行手段と、
前記受け付けた指示に関する情報を記憶する記憶手段とを有し、
前記受け付けた指示に対応する処理が予め定められた処理である場合に、当該指示に関する情報を前記記憶手段に記憶させ、
受け付けた指示に対応する処理が予め定められた処理でない場合に、当該指示に対応する処理に加え、前記記憶手段に記憶された指示に関する情報に基づく処理を前記手段により実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項4に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−150407(P2011−150407A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9105(P2010−9105)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】