説明

情報処理端末、出退勤管理装置及び出退勤管理システム

【課題】事業所外で勤務する者の出勤を管理する場合、従来の事業所内に設置したタイムレコーダに被雇用者のIDカードを読取らせることなく、更に、携帯端末を必要としない。
【解決手段】操作者Aから個人を特定する個人情報を読取り、通信回線を介してセンタサーバ3に対して当該個人情報を送信する情報処理端末1において、操作者Aを特定する個人情報を読取る個人情報読取手段と、当該端末1が設置されている設置場所情報を記憶する場所記憶手段と、前記センタサーバ3に対して情報の送信を行なう送信手段と、更に、前記個人情報読取手段で読取った個人情報と、前記場所記憶手段に記憶する設置場所情報を、前記送信手段によりセンタサーバ3への送信を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出退勤管理を行なう情報処理端末及び出退勤管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばイベントの撤去作業等の作業者を現地集合させて、作業後現地解散させるケースのように、事業所外で勤務する者の出退勤を管理する場合があった。特開2003−30394号公報(特許文献1)には、出退勤管理の対象者にPHS端末を配布し、当該PHS端末と情報処理装置との間でネットワークを介してデータ通信を行なって、出退勤管理を行なう技術が開示されている。被雇用者が所持するPHS端末からは、被雇用者の位置情報と時刻情報をセンタの情報処理装置へ送信するものである。
【0003】
また、特開2004−252723号公報(特許文献2)には、同じく携帯端末を利用して出退勤管理を行なう技術であるが、勤務者の出勤の認定に際し、携帯端末からの位置情報と、予め設定された位置情報とに基づいて行なう技術が記載されている。上記特許文献1及び特許文献2は、携帯端末を利用するものであるため、従来の事業所内に設置したタイムレコーダに被雇用者のIDカードを読取らせることなく、事業所外で勤務する者の出勤を管理することができるという利点がある。
【0004】
一方、特開平10−171897号公報(特許文献3)には、被雇用者が所有するIDカードをATMに挿入し、IDカードに関連付けされた出退勤情報に基づいて、電子マネーをATMから払い出す技術が記載されている。
【特許文献1】特開2003−30394号公報
【特許文献2】特開2004−252723号公報
【特許文献3】特開平10−171897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2は、携帯端末を利用するものであるため、事業所外で勤務する者の出勤を管理することができるという利点があるが、出退勤管理の対象者にPHS端末を配布する場合には、使用者がPHS端末の端末費用を負担しなければならなかった。また、出勤管理の対象者の個人所有の携帯端末を利用する場合は、通信費は個人が負担する必要があった。一方、上記特許文献3はATMを利用した出退勤管理の決済処理に関する技術であり、これによりや退勤情報の発生を管理することはできない。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、事業所外で勤務する者の出勤を管理する場合、従来の事業所内に設置したタイムレコーダに被雇用者のIDカードを読取らせることなく、事業所外で勤務する者の出勤を管理することにある。更に、PHS端末等の携帯端末を必要とせず、従って、使用者も個人も経済的負担を軽減することを可能とする出退勤管理を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、特許請求の範囲の請求項1記載の発明は、操作者から個人を特定する個人情報を読取り、通信回線を介してセンタサーバに対して当該個人情報を送信する情報処理端末において、操作者を特定する個人情報を読取る個人情報読取手段と、当該端末が設置されている設置場所情報を記憶する場所記憶手段と、前記センタサーバに対して情報の送信を行なう送信手段と、更に、前記個人情報読取手段で読取った個人情報と、前記場所記憶手段に記憶する設置場所情報を、前記送信手段によりセンタサーバへの送信を制御する制御手段を有することを特徴とする情報処理端末である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、事業所外で勤務する者の出勤を管理する場合、コンビニエンスストア等に設置された既存のATM1を利用することができるので、従来の事業所内に設置したタイムレコーダに被雇用者のIDカードを読取らせることなく、また、専用の出退勤端末を必要とせず、事業所外で勤務する者の出勤を管理することが可能となる。更に、PHS端末等の携帯端末を必要とせず、従って、使用者も個人も経済的負担を軽減することを可能とする出退勤管理を得ることができる。更に、本発明によれば、確かに出勤したという情報を直ちに入手することができるので、迅速確実な出退勤管理が可能となるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下に第1の実施の形態について図面に基づいて説明する。図2は第1の実施の形態に関する現金自動取引装置の外観図である。1は金融機関の営業店舗やコンビニエンスストア、ガソリンスタンド、スーパーマーケット等に設置されている自動取引装置(以後、ATMという)であり、金融機関と取引を行なうため金融機関が管理し維持する後述する金融機関ホストコンピュータ2と通信回線4を介して接続されている。前記ATM1は今やどこにでも設置されており、更に金融機関ホストコンピュータ2と接続されているため、情報の即時性を利用することにより、事業所外で勤務する者の出勤を管理するのに適する。
【0010】
11は顧客の取引操作のための顧客操作表示部であって、金融取引の場合の顧客や出退勤管理の場合の被雇用者Aが取引操作をするための誘導表示を行なう取引誘導表示部と、取引操作を入力するタッチパネルで構成されている。12は後述する個人識別カード(以後IDカードという)Dの情報を読取るカード読取部である。当該カード読取部12の前面側に接続されたカード挿入返却口により、前記IDカードDが挿入され、また取引終了時に返却が行われる。当該IDカードDには、被雇用者Aの個人情報が記憶されている。以下の説明において個人情報とは、被雇用者Aを特定する氏名、被雇用者番号等が該当し、更に当該雇用者と雇用関係にある使用者を特定する情報、即ち使用者の名称、電話番号等の使用者情報が含まれる場合がある。なお、前記雇用関係とは、正社員、請負、出向、日雇等いかなる雇用関係であってもよい。出退勤管理の場合には、被雇用者AがIDカードDを前記カード読取部12に挿入することにより、IDカードDに記憶された個人情報(誰が)と後述する設置場所情報(どこで)が出退勤情報として後述するセンタサーバ3に送信される。
【0011】
13は金融取引の場合に顧客に発行されるレシートの発行処理を行うレシート処理部である。当該レシート処理部13は、金融取引において取引明細の印字を行い、顧客に発行されるレシートの発行処理を行う。14は金融取引において使用される紙幣及び硬貨を処理するための貨幣入出金部である。顧客により入金される媒体としての貨幣を真偽鑑別し、計数し、搬送して図示しない金種別のカセット部に収納し、又は顧客に支払われる貨幣を金種別のカセット部より繰出すものである。
【0012】
図3はATM1のブロック図である。前述の如く顧客操作表示部11における誘導表示を行なう取引誘導表示部の制御及び取引操作を入力するタッチパネルの制御、並びにカード読取部12における読取制御は、制御部18によって行われる。また、当該制御部18は、レシート処理部13のレシート印字動作、貨幣入出金部14の入出金動作の制御を行なう。これらの機能は一般の自動取引装置として機能するものであるが、本発明のATM1は以下に示すように出退勤管理を行なう情報処理装置としても機能するものである。
【0013】
16は前記ATM1が設置されている場所を特定する設置場所情報が記憶される場所情報記憶部である。設置場所情報とは、ATM1が設置されているコンビニエンスストアの店舗名であり又は住所でもよい。更に、GPSシステムで測位した測位情報そのものでもよい。更にまた、前記ATM1の機番情報と住所が対応表により管理されているのであれば、ATM1の当該機番情報でもよい。当該機番情報が特定されることにより、住所が特定可能なら、当該機番情報は前記設置場所情報に含まれる。この設置場所情報も後述するように使用者に通知され、当該使用者はその場所に被雇用者Aが出勤したものとみなしてもよいデータとなる。前記場所情報記憶部16は制御部18の制御により情報の読出しが行われる。
【0014】
2はATM1の上位装置である金融機関ホストコンピュータであり、ATM1と接続され、ATM1と送受信を行なう。これにより、入金取引、支払取引、為替取引等の各種金融取引を実行する。3は前記金融機関ホストコンピュータ2を介して、被雇用者Aが前記ATM1で入力した出退勤情報を受信するセンタサーバである。当該センタサーバ3は後述するように例えば出勤情報の場合当該出勤情報を現地監督者Bに送信する等の出退勤管理装置として機能する。なお、金融機関ホストコンピュータ2は、前記ATM1からの情報が出退勤情報であるときは、前記センタサーバ3に当該出退勤情報を転送するのみである。
【0015】
前記制御部18は前記ATM1の各部を制御する制御プログラムが記憶されたRAM、ROM又はハードディスクなどで構成された図示しない記憶部を有する。更にまた前記制御部18は、前記金融機関ホストコンピュータ2との接続口である図示しないインターフェース部を有している。前述のように前記制御部18は、カード読取部12で読取った個人情報(誰が)と、場所情報記憶部16に記憶する設置場所情報(どこで)、前記金融機関ホストコンピュータ2を経由して、センタサーバ3へ送信する。
【0016】
情報処理装置としての前記ATM1が出退勤管理を行なう場合は、前記カード読取部12は被雇用者Aが挿入したIDカードDに記憶された個人情報を読取る。前記制御部18は前記カード読取部12で読取った個人情報と、前記場所情報記憶部16に記憶した設置場所情報が前記センタサーバ3に送信される。これにより、前記センタサーバ3は誰がどこにATM1の付近にいるかを確認することができる。
【0017】
図1は第1の実施の形態を示すシステム構成図である。前記ATM1は前記金融機関ホストコンピュータ2と金融機関の専用線である通信回線4で接続される。更に、前記金融機関ホストコンピュータ2は通信回線5を介して出退勤管理装置としての前記センタサーバ3と接続される。
【0018】
ATM1は当該取引が金融取引である場合、顧客によって操作され、金融取引に関する電文は、前記ATM1から前記通信回線4を介して前記金融機関ホストコンピュータ2へ送信される。前記金融機関ホストコンピュータ2では、金融取引に関する電文を送受信部22で受信すると、勘定系処理部21で処理することになる。
【0019】
一方、被雇用者AがATM1を利用して出退勤情報を入力する場合、出退勤情報を含む電文は、同様に前記ATM1から前記通信回線4を介して前記金融機関ホストコンピュータ2へ送信される。しかし、前記金融機関ホストコンピュータ2では、出退勤情報を含む電文を送受信部22で受信すると、通信回線5を介してセンタサーバ3に転送する。センタサーバ3では、この情報を基に後述する出退勤管理を行なう。被雇用者AがATM1を利用して出退勤情報を入力した時点で、被雇用者Aが出勤又は退勤したものとみなすことができる。
【0020】
更に出勤管理の場合、前記センタサーバ3は、被雇用者Aが近くのコンビニエンスストアにいること、即ち被雇用者Aが出勤したことを現地監督者Bの所持する携帯端末6へ送信する。これにより、被雇用者Aと現地監督者Bは予め約束された集合場所へ集合することにより、事業所外で勤務を開始する。また、作業終了後に、指定されたATM1に被雇用者AがIDカードDを挿入することにより、退勤したことが管理可能となる。
【0021】
図4は出退勤管理装置としてのセンタサーバ3のブロック図である。同図において、31は前記金融機関ホストコンピュータ2から通信回線5を介して送信される出退勤情報を受信する受信部であり、32は出勤管理の場合に、被雇用者Aの出勤情報を現地監督者Bの所持する携帯端末6へ送信する送信部である。また、33は管理者Cが出退勤予定情報を予め入力する入力部であり、34は入力情報等を表示する表示部である。
【0022】
更に、35は前記管理者Cが入力部33により入力した出退勤予定情報を記憶する出退勤予定記憶部である。当該出退勤予定記憶部35に記憶する出退勤予定情報とは、被雇用者Aの氏名、被雇用者番号、緊急連絡先、集合場所、出退勤予定時刻、現地監督者Bの携帯メールアドレス、電話番号等が該当する。36は前記被雇用者Aの実際の出退勤情報を記憶する出退勤実績記憶部である。前記被雇用者Aから送られる出退勤情報とは、被雇用者Aの個人情報(例えば被雇用者番号と使用者情報を含む)と、前記ATM1の設置場所情報である。
【0023】
37は前記出退勤実績記憶部36に記憶する出退勤情報と、前記出退勤予定記憶部35に記憶する出退勤予定情報とを比較し、出退勤管理を行なう出退勤情報管理部である。例えば、出退勤時刻になっても被雇用者Aからの出退勤情報が送られてこない場合をチェックする。この場合、出退勤情報管理部37は管理装置制御部39に指示し、表示部34に遅刻者がいることを表示させ、管理者Cは前記表示部34を確認することにより、被雇用者Aに緊急連絡することができる。また、時間内に被雇用者Aから出退勤情報があった場合、出退勤予定記憶部35に記憶する現地監督者Bの携帯メールアドレスに自動的に出退勤情報を送るように管理装置制御部39に指示する。また、現地監督者Bからの照会により、その時点での出退勤状況を確認し、管理装置制御部39に返信するように指示する機能も有する。更にまた、出勤時の出勤情報と、退勤時の退勤情報が前記出退勤実績記憶部36に記憶され、被雇用者Aに対する給料の計算の基礎データとする。
【0024】
38は、前記ATM1から前記出退勤情報が送信された現在時刻を生成するための時刻生成部である。前記ATM1はタイムレコーダの役割を有するため、前記ATM1から送信された時点の現在時刻は重要であるので、前記出退勤実績記憶部36に記憶され、その時刻に出勤したものとみなされる。更に、その出勤時刻は現地監督者Bに通知してもよい。39はこれらの各部を制御する管理装置制御部である。
【0025】
次に、第1の実施の形態についての動作を説明する。図5は第1の実施の形態のATM1の動作を示すフローチャートであり、図6は第1の実施の形態に関する前記ATM1の前記顧客操作表示部11の表示例を示す説明図である。まず、前提として、被雇用者Aは使用者と雇用契約を交わし、使用者から、事業所外でイベントの撤去作業を指示されている。そして、集合時間と集合場所が指定され、その後は使用者の現地監督者Bの指示によるものとする。その際、出退勤管理のタイムレコーダとして、集合場所付近のコンビニエンスストアに設置してある情報処理端末としてのATM1に出退勤情報を入力するものとする。
【0026】
まず、被雇用者Aは、指定された集合場所付近のコンビニエンスストアに設置してあるATM1の前記顧客操作表示部11に指を触れる。そうすると、制御部18は顧客操作表示部11を制御して、図6(a)のメニュー選択画面を表示する(S101)。被雇用者Aがメニュー選択画面の「その他情報入力」のボタン41に触れたことを検知すると、制御部18は顧客操作表示部11を制御して、図6(b)の情報入力画面を表示する(S102)。被雇用者Aが情報入力画面の「出退勤情報入力」のボタン42に触れ、更に図示しない「出勤情報入力」のボタンに触れたことを検知すると(S103)、制御部18は顧客操作表示部11を制御して図6(c)のIDカードD挿入画面を表示する(S104)。
【0027】
制御部18は前記カード読取部12を制御して、被雇用者AがIDカードDを挿入したかどうか監視する。制御部18はIDカードDの挿入を検知すると(S105)、カード読取部12を制御して、IDカードDに記録されている被雇用者Aの個人情報(使用者情報を含む)を読取る(S106)。更に、制御部18は、前記場所情報記憶部16を制御して場所情報記憶部16に記憶してある設置場所情報即ちコンビニエンスストアの店舗名を読取る(S107)。
【0028】
その後、制御部18は顧客操作表示部11を制御して、図6(d)の確認画面を表示する。即ち「あなたが、○○コンビニエンスストア△△駅前店にいることを○○会社に知らせます。よろしいですか?」と表示し、被雇用者Aの確認を求める(S108)。被雇用者Aが「はい」のボタン43に触れたことを検知すると(S109)、制御部18は図示しない送信部を制御し、電文を金融機関ホストコンピュータ2に送信する(S110)。電文には、前記被雇用者Aの個人情報(使用者情報を含む)及び場所情報が含まれる。その後、制御部18は被雇用者Aに前記IDカードDを返却する(S111)。
【0029】
前記金融機関ホストコンピュータ2において、送受信部22がこの電文を受信すると、図示しない制御部の制御により、この電文の内容から当該電文が出退勤情報であると判断する。出退勤情報であると判断すると、そのまま、通信回線5を介して前記センタサーバ3に転送する。
【0030】
前記センタサーバ3では、これに先立ち、前記出退勤予定記憶部35に出退勤予定情報を記憶させている。即ち、被雇用者Aの氏名、被雇用者番号、緊急連絡先、集合場所、出退勤予定時刻、現地監督者Bの携帯メールアドレス、電話番号等である。前記センタサーバ3の前記管理装置制御部39は、前記金融機関ホストコンピュータ2から受信した電文から使用者情報を抽出する。抽出した使用者情報から、前記出退勤予定記憶部35を参照し、当該使用者の現地監督者Bの携帯端末6のメールアドレスを読取る。
【0031】
前記管理装置制御部39は、読取ったメールアドレスに対し、前記被雇用者Aの個人情報、時刻情報及び場所情報を転送する。即ち、「被雇用者Aさんが、本日午前8時15分に○○コンビニエンスストア△△駅前店のATMに出勤情報を入力しました。」という内容の電子メールをメール送信する。このメール文を携帯端末6で受信した現地監督者Bは、約束の集合場所に行き、被雇用者Aと集合することができる。
【0032】
前記ATMから送られた出退勤情報は前記出退勤実績記憶部36に格納される。更に、被雇用者Aが事業所外の勤務を終了し、退勤時の退勤情報前記センタサーバに送られてくると、同様に前記出退勤実績記憶部36に記憶される。これにより被雇用者Aに対する給料の計算の基礎データとする。
【0033】
前記第1の実施の形態において、センタサーバ3に時刻生成部38を設けたが、ATM1に設けるようにしてもよい。この場合、ATM1の制御部18は個人情報や場所情報とともに時刻情報をセンタサーバ3に送信することになる。さらに、前記第1の実施の形態において、使用者情報が前記IDカードDに格納され、前記カード読取部12によって読取り、前記ATM1から個人情報に含めてセンタサーバ3に送信するものであるが、使用者情報が前もって特定されている場合はこの必要はない。即ち、センタサーバ3は出勤時の出勤情報を受信すると、管理装置制御部39は、出退勤情報管理部37を制御し、予め定められた現地監督者Bのメールアドレスに対し、前記被雇用者Aの個人情報、時刻情報及び場所情報を転送する。
【0034】
以上のように第1の実施の形態によれば、事業所外で勤務する者の出勤を管理する場合、コンビニエンスストア等に設置された既存のATM1を利用することができるので、事業所内に設置したタイムレコーダに被雇用者AのIDカードDを読取らせることなく、また、専用の出退勤端末を必要とせず、事業所外で勤務する者の出勤を管理することが可能となる。更に、PHS端末等の携帯端末を必要とせず、従って、使用者も個人も経済的負担を軽減することを可能とする出退勤管理を得ることができる。更に、集合時間当日にセンタサーバ3に図示しない管理者Cを設置すれば、当該管理者Cが、被雇用者Aの出勤状況を確認することができるので、遅刻者への督促等の対応が現地監督者Bに代わって行なうことが可能となる。従って、現地監督者Bの負担が軽減することが可能となる。
【0035】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。前記第1の実施の形態では、IDカードDを利用し、IDカードDに記憶した被雇用者Aの個人情報(使用者情報を含む)をカード読取部12により読取るものであるが、第2の実施の形態ではこれら被雇用者Aの個人情報(使用者情報を含む)を被雇用者Aが入力操作で入力するものである。また、前記第1の実施の形態では、被雇用者Aの出退勤情報が、前記ATM1から前記金融機関ホストコンピュータ2を介して、センタサーバ3に送信されるものであるのに対し、第2の実施の形態では、前記ATM1から直接センタサーバ3に送信されるものである。
【0036】
図7は第2の実施の形態を示すシステム構成図である。前記ATM1は通信回線5を介して出退勤管理装置としての前記センタサーバ3と接続される。被雇用者AはATM1を利用して出退勤情報を入力する。出退勤情報を含む電文は、前記ATM1から前記通信回線5を介してセンタサーバ3に送信する。センタサーバ3では、この情報をもとに出退勤管理を行なう。被雇用者AがATM1を利用して出退勤情報を入力した時点で、被雇用者Aが出勤又は退勤したものとみなすことができる。
【0037】
更に、前記センタサーバ3は、被雇用者Aが近くのコンビニエンスストアにいること、即ち被雇用者Aが出勤したことを現地監督者Bの所持する携帯端末6へ送信する。これにより、被雇用者Aと現地監督者Bは予め約束された集合場所へ集合することにより、事業所外で勤務を開始する。
【0038】
次に、第2の実施の形態についての動作を説明する。図8は第2の実施の形態のATM1の動作を示すフローチャートであり、図9は第2の実施の形態に関する前記ATM1の前記顧客操作表示部11の表示例を示す説明図である。前記第1の実施の形態と共通する部分は前記第1の実施の形態の説明を援用する。
【0039】
まず、被雇用者Aは、指定された集合場所付近のコンビニエンスストアに設置してあるATM1の前記顧客操作表示部11に指を触れる。そうすると、制御部18は顧客操作表示部11を制御して、前記図6(a)のメニュー選択画面を表示する(S201)。被雇用者Aがメニュー選択画面の「その他情報入力」のボタン41に触れたことを検知すると、制御部18は顧客操作表示部11を制御して、図6(b)の情報入力画面を表示する(S202)。被雇用者Aが情報入力画面の「出退勤情報入力」のボタン42に触れ、更に図示しない「出勤情報入力」のボタンに触れたことを検知すると(S203)、制御部18は顧客操作表示部11を制御して、図9(a)のパスワード入力画面を表示する(S204)。制御部18は前記顧客操作表示部11を制御して、被雇用者Aが入力したパスワードを読取る。
【0040】
次に、制御部18は前記顧客操作表示部11を制御して、図9(b)の氏名入力画面を表示する(S205)。被雇用者Aが氏名をひらがなキー45により入力すると、制御部18は前記顧客操作表示部11を制御して、被雇用者Aが入力した氏名を読取る。次に、制御部18は前記顧客操作表示部11を制御して、図9(c)の使用者情報入力画面を表示する(S206)。使用者情報は、使用者名と電話番号である。被雇用者Aは使用者名をひらがなキー45により入力し、電話番号を数字キー46により入力する。制御部18は前記顧客操作表示部11を制御して、使用者名と、電話番号を読取る。更に、制御部18は、前記場所情報記憶部16を制御して場所情報記憶部16に記憶してある設置場所情報即ちコンビニエンスストアの店舗名を読取る(S207)。
【0041】
その後、制御部18は顧客操作表示部11を制御して、図6(d)の確認画面を表示する。即ち「あなたが、○○コンビニエンスストア△△駅前店にいることを○○会社に知らせます。よろしいですか?」と表示し、被雇用者Aの確認を求める(S208)。被雇用者Aが「はい」のボタン43に触れたことを検知すると(S209)、制御部18は図示しない送信部を制御し、電文を前記センタサーバ3に送信する(S210)。電文には、前記被雇用者Aの個人情報(パスワード、氏名、使用者情報を含む)及び場所情報が含まれる。
【0042】
前記センタサーバ3では、これに先立ち、前記出退勤予定記憶部35に出退勤予定情報を記憶させている。即ち、被雇用者Aの氏名、被雇用者番号、緊急連絡先、集合場所、出退勤予定時刻、現地監督者Bの携帯メールアドレス、電話番号等である。出退勤情報があった場合に、センタサーバ3の管理者Cが、当該使用者の現地監督者Bの携帯端末6のメールアドレス又は電話番号を使って現地監督者Bに通知するためである。
【0043】
前記センタサーバ3の前記管理装置制御部39は、前記ATM1から受信した電文から使用者情報を抽出する。抽出した使用者情報から、前記出退勤予定記憶部35を参照し、当該使用者の現地監督者Bの携帯端末6のメールアドレスを読取る。
【0044】
前記管理装置制御部39は、読取ったメールアドレスに対し、前記被雇用者Aの個人情報、時刻情報及び場所情報を転送する。即ち、「被雇用者Aさんが、本日午前8時15分に○○コンビニエンスストア△△駅前店のATMに出勤情報を入力しました。」という内容の電子メールである。このメール文を携帯端末6で受信した現地監督者Bは、約束の集合場所に行き、被雇用者Aと集合することができる。
【0045】
前記第2の実施の形態の説明では、ATM1に対してパスワードと氏名の両方を入力したが、パスワードだけで被雇用者Aが特定できるのであれば、パスワードだけでもよい。また、被雇用者Aの氏名をひらがなキー45で入力するようにしてもよい。第2の実施の形態によれば、被雇用者Aの使用者情報を含む個人情報を被雇用者Aが入力操作で入力するものであるため、被雇用者AはIDカードを持ち歩かなくて済む出退勤管理システムを実現することが可能となる。
【0046】
前述の実施の形態の説明では、事業所外で勤務する被雇用者Aの出勤を管理する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、雇用関係にない単なる個人的な集合を管理する場合であっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】第1の実施の形態に関する現金自動取引装置の外観図である。
【図3】現金自動取引装置のブロック図である。
【図4】出退勤管理装置としてのセンタサーバのブロック図である。
【図5】第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に関する顧客操作表示部の表示例を示す説明図である。
【図7】第2の実施の形態を示すシステム構成図である。
【図8】第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に関する顧客操作表示部の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
A 被雇用者
B 現地監督者
C 管理者
1 ATM
2 金融機関ホストコンピュータ
3 センタサーバ
6 携帯端末


【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者から個人を特定する個人情報を読取り、通信回線を介してセンタサーバに対して当該個人情報を送信する情報処理端末において、
操作者を特定する個人情報を読取る個人情報読取手段と、
当該端末が設置されている設置場所情報を記憶する場所記憶手段と、
前記センタサーバに対して情報の送信を行なう送信手段と、
更に、前記個人情報読取手段で読取った個人情報と、前記場所記憶手段に記憶する設置場所情報を、前記送信手段によりセンタサーバへの送信を制御する制御手段を有することを特徴とする情報処理端末。
【請求項2】
操作者が操作し入力する操作者入力手段を有し、
前記制御手段は、前記操作者入力手段での操作に基づいて、センタサーバに送信するものであることを特徴とする請求項1記載の情報処理端末。
【請求項3】
現在時刻を記憶する時計手段を有し、
更に、前記制御手段は、前記送信手段により、前記個人情報と設置場所情報に加えて、前記時計手段に記憶する現在時刻を送信することを特徴とする請求項1記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記操作者は被雇用者であり、
更に、前記個人情報読取手段は、前記被雇用者に関わる使用者の使用者情報も読取り、
更に前記制御手段は、前記送信手段により、前記個人情報と前記設置場所情報に加えて、前記使用者情報を送信することを特徴とする請求項1記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記個人情報読取手段により読取る個人情報は、操作者が所持するIDカードから読取ることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一記載の情報処理端末。
【請求項6】
前記個人情報読取手段により読取る個人情報は、操作者が入力するパスワードであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一記載の情報処理端末。
【請求項7】
前記個人情報読取手段により読取る個人情報は、操作者の氏名であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一記載の情報処理端末。
【請求項8】
前記場所記憶手段が記憶している設置場所情報は、当該端末が設置されている店舗の名称又は住所であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一記載の情報処理端末。
【請求項9】
前記場所記憶手段が記憶している設置場所情報は、当該端末が設置されている位置の測位情報であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一記載の情報処理端末。
【請求項10】
前記個人情報読取手段により読取る使用者情報は、操作者が所持するIDカードから読取ることを特徴とする請求項4記載の情報処理端末。
【請求項11】
操作者が操作し入力する操作者入力手段を有し、
前記個人情報読取手段により読取る使用者情報は、前記操作者入力手段により前記操作者が入力する情報であることを特徴とする請求項4記載の情報処理端末。
【請求項12】
遠隔地の情報処理端末から取得した個人を特定する個人情報及び前記情報処理端末が設置されている設置場所情報を受信する受信手段と、
前記受信部により受信した前記個人情報及び前記設置場所情報を格納する勤務実績情報格納手段と、
前記受信手段により受信した前記個人情報及び前記設置場所情報を予め定めた通知先に送信するように制御する制御手段を有することを特徴とする出退勤管理装置。
【請求項13】
時刻情報を格納する時刻生成手段を有し、
前記制御手段は、前記個人情報及び前記設置場所情報に含め前記時刻生成手段に格納する時刻情報を送信するように制御することを特徴とする請求項12記載の出退勤管理装置。
【請求項14】
出退勤する予定の被雇用者を特定する個人情報と、使用者に関連する予め定めた前記通知先の通知先情報を格納する出退勤予定記憶手段を有することを特徴とする請求項12記載の出退勤管理装置。
【請求項15】
操作者を特定する個人情報を読取る個人情報読取手段と、
端末が固定的に設置されている設置場所情報を記憶する場所記憶手段と、
センタサーバに対して情報を送信する送信手段を有し、
更に、前記個人情報読取手段で読取った個人情報と、前記場所記憶手段に記憶する設置場所情報を前記送信手段によってセンタサーバに送信することを制御する制御手段を有する情報処理端末と、
前記個人情報と設置場所情報を、予め定めた通知先に送信する送信手段を有する出退勤管理装置とからなることを特徴とする出退勤管理システム。
【請求項16】
前記操作者は被雇用者であり、
前記個人情報読取手段は、前記操作者と雇用関係にある使用者の使用者情報も読取り、
更に、前記出退勤管理装置は前記使用者情報に基づいて予め定められた通知先に送信することを特徴とする請求項15記載の出退勤管理システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−3105(P2010−3105A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161227(P2008−161227)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】