説明

情報処理端末のアプリケーション起動方法、情報処理端末及びプログラム

【課題】簡単な操作によりタスク起動、切替えを可能とする情報処理端末のアプリケーション起動方法、情報処理端末及びプログラムを提供する。
【解決手段】タッチパネルを備える情報処理端末のアプリケーションの起動方法であって、タッチパネルからの所定の形状の入力操作により当該形状に割り当てられたアプリケーションプログラムを起動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末に関し、特にタッチパネル操作によるタスク起動、切替えを可能とする情報処理端末のアプリケーション起動方法、情報処理端末及びプログラムに関する。
【発明の背景】
【0002】
マルチタスク機能を有する携帯端末においては、タスクの起動やタスクの切替え操作はキー操作部からメニューを表示させ、所望のタスクの起動、切替えを行うという複数ステップの操作を必要とするように構成されていた。
【0003】
また、表示パネル上のタッチパネルに対し、ユーザが指などで図形(直線、円、山形、谷形、文字、記号等)を入力することで、起動中のアプリケーションに関して、該図形に割り当てられた処理を実行させる情報処理端末が特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2007−305039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように携帯端末のタスク起動、切替えでは、タスク起動、切替えのためのメニュー表示と、当該メニューから所望の機能を選択するキー操作とでなり、複数ステップの操作を必要とするから、タスク起動、切替え等を実行するまでの操作が極めて煩雑であるという点で問題があった。
【0005】
また、特許文献1に記載の情報処理端末は表示パネル上のタッチパネルから図形を入力することで、情報処理端末に所望の処理を実行させることができるから、ユーザの操作が簡単化するという利点を有する。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の情報処理端末では、ブラウザ、マルチメディア、テレビジョン放送番組を表示させるアプリケーションプログラム等のその他のアプリケーションプログラムを処理の対象とするアプリケーションプログラムとして、それぞれのアプリケーションプログラムに係る下位の機能の処理、例えばブラウザの場合は閲覧のページ送り/ページ戻り、音量大/小等、下位の機能の処理を図形の入力により実行させるものであり、起動状態のアプリケーションプログラムにかかわらず、他のアプリケーションプログラム等の起動、切替えを行うことはできなかった。
【0007】
しかも、同一アプリケーションプログラムにおける下位の機能の処理もそれぞれ異なる図形の入力により行うものであるから、同文献1にも記載されているように入力する図形の種類が増加することにより、図形と図形に割り当てた処理との関係を思い出せなくなるという点で問題があった。
【0008】
本発明は、以上の問題を解決するものであり、簡単な操作によりタスク起動、切替えを可能とする情報処理端末のアプリケーション起動方法、情報処理端末及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の情報処理端末のアプリケーションの起動方法は、タッチパネルを備える情報処理端末のアプリケーションの起動方法であって、タッチパネルからの所定の形状の入力操作により当該形状に割り当てられたアプリケーションプログラムを起動することを特徴とする。
【0010】
本発明の第1の情報処理端末は、タッチパネルを備える情報処理端末であって、タッチパネルからの所定の形状の入力操作により当該形状に割り当てられたアプリケーションプログラムを起動する制御部を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第1のプログラムは、タッチパネルを備える情報処理端末のプログラムであって、タッチパネルからの所定の形状の入力操作を検出する第1のステップと、前記入力操作により検出した所定の形状に割り当てられたアプリケーションプログラムを特定する第2のステップと、特定したアプリケーションプログラムを読み込み当該アプリケーションプログラムの機能を起動する第3のステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、タッチパネルの1ステップの操作で、タスクの起動を行うことが可能である。また、特定のタッチパネルの入力操作(ジェスチャ)で、起動中のアプリケーションに依存せずに該操作に割り当てられたタスクを起動切替えを行うことが可能である。
【0013】
これにより、どのアプリケーションを起動し表示している場合でも、1ステップで別タスクを起動することが可能である。タッチパネルによる1ステップでのタスク起動、切替え操作によりユーザビリティの改善が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の情報処理端末のアプリケーション起動方法、情報処理端末及びプログラムの実施形態について詳細に説明する。以下、本発明の情報処理端末の実施形態として、携帯電話機等の携帯端末への適用例により以下説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
(構成の説明)
図1は本発明の第1の実施形態の携帯端末の外観を示す図である。本実施形態の携帯端末は、上部筺体1と下部筺体2がヒンジ部3で開閉可能に連結された携帯端末に関し、上部筺体1に液晶パネル等の表示パネル部11とその上面に配置されたタッチパネル部12とを備え、下部筺体2にキー入力部15を備える。
【0016】
図2は第1の実施形態の携帯端末の機能ブロックの構成を示す図である。本携帯端末は、前記表示パネル部11、タッチパネル部12、キー入力部15、形状検出部13、アプリケーション特定部14、送受信部16、記憶部17及び制御部18とから構成されている。各部の機能は以下のとおりである。
【0017】
前記表示パネル部11は制御部18の制御により、待ち受け画面等、各種の画面表示、アプリケーションプログラムに応じたウインドウの表示等、所定の機能表示を行う。タッチパネル部12は表示パネル部11上に配置されており、ユーザによるスタイラス又は指の接触により当該接触座標の情報(座標情報)を出力する。キー入力部15は文字キー、方向キー、スイッチ等を備え、各種の文字入力、機能選択等の入力機能を有する。送受信部16は、図示しない基地局と接続して携帯端末としての位置登録、発着信、通話等の機能に加え、ネットワークと接続し、所定サイトのWEBページの閲覧、電子メールの送受信等、送受信機能を有する。
【0018】
形状検出部13はタッチパネル部12から座標情報を入力し、ユーザがスタイラスや指により入力した形状を検出(判定)し、検出した形状の情報(形状情報)をアプリケーション特定部14に出力する。アプリケーション特定部14は、予めタッチパネル部12から入力する形状と該形状の入力時に起動させるべきアプリケーションプログラムとを対応させて記憶しており、形状検出部13で検出した形状の情報が入力すると、当該形状に割り当てられたアプリケーションプログラムを特定し、当該アプリケーションプログラムの情報を制御部16に出力する。記憶部17は起動可能なアプリケーションプログラム、例えば、WEBページの閲覧ソフト(ブラウザ)、電子メール機能、スケジュール(カレンダー)機能等のアプリケーションプログラムを格納する。
【0019】
制御部18は、キー入力部15からの入力による携帯端末の通話等の制御に加え、キー入力部15からの入力やアプリケーション特定部14からの入力等に基づいて記憶部17に格納されているアプリケーションプログラムを起動し、更に、該アプリケーションプログラムの機能の下位の機能の処理を実行し、表示パネル部11に当該アプリケーションプログラムに係る表示を行う機能を有する。
【0020】
(動作の説明)
次に第1の実施形態の動作について詳細に説明する。本実施形態の動作例として、携帯端末のマルチタスク機能によりWEBコンテンツをブラウジングしている時に、別のタスクであるメーラの機能を呼び出し、さらにメーラの起動状態で、別のタスクであるスケジューラを呼び出す場合の動作について説明する。
【0021】
本実施形態の動作の前提条件として、タッチパネル操作(スタイラスや指の接触状態での移動による形状の入力操作)と、該操作に対して起動するメーラ及びスケジューラ等の機能(タスク)が割り当てられており、アプリケーション特定部14に予め設定されている。
【0022】
具体的には、アプリケーション特定部14には事前に次のようなタッチパネル操作と起動タスクの情報が格納される。
(1)タッチパネル(表示パネルの画面)の左上→左下→右下へのタッチパネル操作に対しメールタスク(メール機能)の起動を割り当てる。
(2)タッチパネル(表示パネルの画面)の左下→左上→右上へのタッチパネル操作に対しスケジュールタスク(スケジュール機能)の起動を割り当てる。
【0023】
図3は第1の実施形態の動作例を示す図である。ユーザが携帯端末をネットワークに接続し、表示パネル部11にブラウザ画面100を表示している状態で、一定時間内にユーザが指(又はスタイラス)をタッチパネル部12の左上→左下→右下へと移動するタッチパネル操作101を行うと、形状検出部13はタッチパネル部12から指の接触点の座標情報を入力し、その経時的な座標情報の変化に基づいて、L字状の入力形状を検出し、当該形状を特定する情報をアプリケーションプログラム特定部14に出力する。アプリケーション特定部14は、前記情報を入力し、該情報により電子メール機能のアプリケーションプログラムを特定し、割り当てられたアプリケーションプログラムとしての情報を制御部18に出力する。
【0024】
制御部18は、アプリケーション特定部14から起動すべき電子メール機能のアプリケーションプログラムの情報を入力すると、記憶部17に格納されている当該アプリケーションプログラムを読み込んで動作し、表示パネル部11に電子メール機能のメールメニューを表示する等のメール画面表示102の制御等を行う。
【0025】
この後、ユーザによるキー入力部15からの入力により、制御部18は受信BOXを開く、送信BOXを開く等の処理から電子メール機能の終了までの処理を実行する。
【0026】
次に、ユーザは携帯端末の電子メール機能の起動状態である、表示パネル部11のメールメニュー等のメール画面表示中においても、一定時間内に指(又はスタイラス)をタッチパネル部12の左下→左上→右上へと移動するタッチパネル操作103を行うと、形状検出部13はタッチパネル部12から指の接触点の座標情報を入力し、その経時的な座標情報の変化に基づいて、逆L字状の入力形状を検出し、当該形状を特定する情報をアプリケーションプログラム特定部14に出力する。アプリケーション特定部14は、前記情報を入力し、当該情報によりスケジュール機能のアプリケーションプログラムを特定し、割り当てられたアプリケーションプログラムとしての情報を制御部18に出力する。
【0027】
制御部18は、アプリケーション特定部14から起動すべきスケジュール機能のアプリケーションプログラムの情報を入力すると、記憶部17に格納されている当該アプリケーションプログラムを読み込んで動作し、表示パネル部11に前記形状に割り当てられているスケジュール機能のカレンダーを表示する等のスケジュール画面表示104の制御等を行う。
【0028】
この後、ユーザによるキー入力部15からの入力により、制御部18は新規スケジュールの入力、スケジュールの削除等の処理からスケジュール機能の終了までの処理を実行する。
【0029】
前述の動作例ではWEBページの閲覧ソフト(ブラウザ)の起動中のタッチパネル操作による動作を説明したが、他のアプリケーションプログラムの起動中でも同様に動作するように構成することができる。つまり、起動中のアプリケーションに依存せずにタッチパネル操作(入力形状)に割り当てられた他のアプリケーションプログラムを一義的に起動させることが可能である。
【0030】
したがって、本実施形態として、タッチパネル操作前にブラウザ等のアプリケーションプログラムの起動中でなくてもタッチパネル操作により当該タッチパネル操作に割り当てられたアプリケーションプログラムを起動させるように構成することができる。
【0031】
図4は基本的な起動方法の処理フローチャートの例を示す図である。本起動方法は、形状検出部13がユーザによるタッチパネル操作による入力形状を検出すると(S101)、アプリケーション特定部14は、前記形状の情報によりアプリケーションプログラムを特定して該特定情報を制御部18に出力する(S102)。制御部18は、アプリケーション特定部14から入力した前記特定情報に基づいて当該アプリケーションプログラムを読み込み(S103)、読み込んだアプリケーションプログラムにより制御され、各部を制御してアプリケーション機能を起動する(S104)。
【0032】
また、以上のメールタスク起動、スケジュールタスク起動等の何れのタッチパネル操作を行った際においても、制御部18は割り当てられているアプリケーションプログラムによるタスクが起動していない場合に当該タスクの起動を行うものとし、既にタスクが起動中だった場合は、タスクの切替えを行って、当該タスクのウインドウを前面に表示する制御を行うように構成することができる。
【0033】
図5は第1の実施形態の起動方法の処理フローチャートの例を示す図である。本起動方法は、形状検出部13がユーザによるタッチパネル操作による入力形状を検出すると(S201)、アプリケーション特定部14は、前記形状の情報によりアプリケーションプログラムを特定して該特定情報を制御部18に出力する(S202)。制御部18は、現時点で当該アプリケーションプログラムが起動中であるか否かを判断し(S203)、起動中でなければ、記憶部17から当該アプリケーションプログラムを読み込み(S204)、アプリケーション機能を起動する(S205)。ステップS203でアプリケーションが起動中であれば、次に当該アプリケーション機能がアクティブ状態か否かを判断し(S206)、アクティブ状態でない場合はそのウインドウを前面に表示する等、アクティブ状態に切替え(S207)、また、アクティブ状態の場合は切換え処理を行なわない。
【0034】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、タッチパネル操作により起動したアプリケーションプログラムにおいて、更に当該プログラムの個別の機能の処理を実行させる操作は、ユーザのキー入力部15からの入力操作で行うように構成した例を示したが、前記個別の機能の処理を実行させる操作も同様にタッチパネル操作で行うように構成することができる。
【0035】
第2の実施形態では、タッチパネル部12を複数の領域に分割し、ユーザによる同一の形状のタッチパネル操作でも、アプリケーションプログラムの起動に係る領域のタッチパネル操作か、当該アプリケーションプログラムの起動後の個別の機能の処理に係る領域のタッチパネル操作か否か、を識別可能とし、煩雑なキー入力操作を回避して前記個別の機能の処理の入力の簡易化をも図るように構成したものである。
【0036】
(構成の説明)
図6は本発明の第2の実施形態を示す図である。第2の実施形態の構成は、図2に示す第1の実施形態の構成と同様であり、同一の符号のブロックは同様の機能を有しているが、形状検出部(領域別)19、アプリケーション特定部(アプリケーション/機能)20及び制御部21は第1の実施形態と機能が異なる。
【0037】
図7は第2の実施形態のタッチパネル部に関する形状検出部(領域別)19の機能を示す図である。形状検出部(領域別)19は、表示パネル部11上のタッチパネル部12から入力される座標情報により検出される形状情報に関し、該形状情報が何れの領域のタッチパネル操作かをも判断し、それぞれ領域別の形状情報として出力する。図7に示す領域の分割例では、領域201をアプリケーションプログラムの起動に係る入力操作領域とし、領域202、203、204、205及び206をそれぞれ当該アプリケーションプログラムの起動後の個別の処理機能等の入力操作領域とする。例えば、電子メール機能のアプリケーションプログラムの場合、前記領域202〜206をそれぞれ受信BOX、送信BOX、メール作成、メール送信及びメール機能終了等に割り当てることができる。
【0038】
アプリケーション特定部(アプリケーション/機能)20は、予めタッチパネル部12の領域201で入力された形状と該形状の入力時に起動させるアプリケーションプログラムとを対応して記憶するとともに、領域202〜206で入力された同一形状の入力時に当該形状で処理する前記アプリケーションプログラムの個々の処理機能とを対応して記憶する。アプリケーション特定部(アプリケーション/機能)20は、形状検出部(領域別)19で検出した領域別の入力形状の情報が入力すると、当該形状に対応するアプリケーションプログラム又は該アプリケーションプログラムの個々の処理機能を特定し、当該アプリケーションプログラム又は該アプリケーションプログラムの個々の処理機能の情報を制御部21に出力する。
【0039】
制御部21は、アプリケーション特定部(アプリケーション/機能)20から起動すべきアプリケーションプログラムの情報が入力すると、記憶部17に格納されている当該アプリケーションプログラムを読み込んで動作し、更に、起動中のアプリケーションプログラムの個々の処理機能に係る情報が入力すると、当該アプリケーションプログラムの個々の処理機能の処理を実行する。
【0040】
例えば、メール機能のアプリケーションプログラムが起動中は、ユーザによるタッチパネル操作により制御部21は受信BOXを開く、送信BOXを開く等の機能から電子メールの終了機能までの処理を実行する。また、カレンダー機能の起動中は、ユーザによるタッチパネル操作により制御部21は新規スケジュールの入力、スケジュールの削除等の機能からスケジュールの終了機能までの処理を実行する。
【0041】
(動作の説明)
次に第2の実施形態の動作について詳細に説明する。本実施形態の動作例として、携帯端末のマルチタスク機能によりコンテンツをブラウジングしている時に、別のタスクであるメーラの機能を呼び出し、さらにメーラの下位の機能である受信BOXないしメーラの終了等の処理を行う場合の動作例について説明する。
【0042】
図8は第2の実施形態の動作例を示す図である。ユーザが携帯端末をネットワークに接続し、表示パネル部11にブラウザ画面100を表示している状態で、一定時間内にユーザが指(又はスタイラス)をタッチパネル部12の領域201の左上→左下→右下へと移動するタッチパネル操作101を行うと、形状検出部(領域別)19はタッチパネル部12から指の接触点の座標情報が入力され、その経時的な座標情報の変化に基づいて、L字状の入力形状を検出し、当該形状及び領域を特定する情報をアプリケーションプログラム特定部(アプリケーション/機能)20に出力する。
【0043】
アプリケーション特定部(アプリケーション/機能)20は、前記情報を入力し、当該情報によりアプリケーションプログラムを特定し、対応するアプリケーションプログラムの情報を制御部21に出力する。
【0044】
制御部21は、アプリケーション特定部(アプリケーション/機能)20から起動すべきアプリケーションプログラムの情報を入力すると、記憶部17に格納されている当該アプリケーションプログラムを読み込んで動作し、表示パネル部11に電子メール機能のメールメニューを表示する等のメール画面表示102の制御等を行う。
【0045】
この後、例えばユーザがタッチパネル部12の領域202において、左上→左下→右下へと移動するタッチパネル操作を行うと、制御部21は受信BOXの内容を表示する処理を実行する。また、例えばユーザがタッチパネル部12の領域206において、左上→左下→右下へと移動するタッチパネル操作を行うと、制御部21は電子メールを送信する処理を実行する。
【0046】
以上の処理に加えて、メーラの処理の何れの段階においても、ユーザがタッチパネルの領域201において左下→左上→右上へのタッチパネル操作を行うことによりメーラとは別のタスクであるスケジューラ等を呼び出すことが可能である。更に、スケジューラ等の起動後にもタッチパネルの領域別に同一の左下→左上→右上へのタッチパネル操作によりそれぞれの処理を実行させるように構成できることは明らかである。
【0047】
図9は第2の実施形態の起動及び機能処理方法の処理フローチャートの例を示す図である。
本実施形態の起動処理方法は、ユーザによるタッチパネル操作により形状検出部19が形状及び領域の情報の入力を検出すると(S301)、アプリケーション特定部20は、タッチパネル操作の形状及び領域を判断し(S302)、領域201の場合は入力形状の情報によりアプリケーションプログラムを特定して該特定情報を制御部21に出力する(S303)。制御部21は、現時点で当該アプリケーションプログラムが起動中であるか否かを判断し(S304)、起動中でなければ、記憶部17から当該アプリケーションプログラムを読み込み(S305)、アプリケーション機能を起動する(S306)。ステップS304でアプリケーションが既に起動中であれば、当該アプリケーション機能がアクティブ状態か否かを判断し(S307)、アクティブ状態でない場合はそのウインドウを前面に表示する等、アクティブ状態に切替え(S308)、また、アクティブ状態の場合は切換え処理を行なわない。
【0048】
この後、ユーザによる新たなタッチパネル操作により前回と同一形状及び異なる領域の情報の入力が検出されると(S301)、アプリケーション特定部20はその領域が領域202か否かを判断し(S309)、領域202の場合は、起動したアプリケーションに係る当該領域202に割り当てられている機能を特定する情報を制御部21に出力し(S310)、制御部21は前記情報を入力して当該機能の処理を実行する。また、ステップS309で、領域の情報が領域202でない場合は、順次次の領域か否かを判断し、最後の領域206まで同様の処理を繰り返し、何れかの処理でその機能の特定と制御部21によるその機能の処理の実行を行う。また、例えば領域206等、何れかの領域に処理の終了又はアプリケーションプログラムの終了を割り当てることにより、同一のタッチパネル操作により図示しない処理の終了を実行させるように構成できる。
【0049】
以上のようにステップS301の入力形状の選択、領域の選択により、起動中のアプリケーションに依存せずに異なるアプリケーションプログラムの起動、切替えを行うことが可能である。また、アプリケーションプログラムの個々の処理機能の選択等をユーザのタッチパネル操作の領域の選択により適宜設定可能である。
【0050】
なお、所定のアプリケーションプログラムの起動状態又は個々の機能の処理実行状態では、キー入力部15からより詳細な処理の実行を指示することが可能であり、データ入力等も可能である。また、ユーザのタッチパネル操作やキー入力部15の操作がアプリケーションプログラムの処理終了である場合には本処理フローチャートは終了となる。
【0051】
以上のように第2の実施形態においても起動中のアプリケーションに依存せずにタッチパネル操作に割り当てられた他のアプリケーションプログラムを起動させることが可能である。また、起動したアプリケーションプログラムと同一の形状を入力するタッチパネル操作をイメージし易いタッチパネルの異なる領域で行うことにより、それぞれの処理を容易に実行させることが可能であり、プログラムの起動、該プログラムの処理機能の選択の操作の利便性を向上させることができる。また、表示パネル部11の異なる領域に対応する位置にアプリケーションプログラム機能の起動領域、該アプリケーションプログラムの処理機能領域としてニュー表示を行うことにより、ユーザはタッチパネル操作の領域を判断しやすくなり、一層の利便性を向上させることができる。
【0052】
(他の実施形態)
以上の実施形態において、所定のアプリケーションプログラムの個々の機能に対応する形状入力を所定の領域(例えば、受信メールBOX、送信メールBOX等の領域)で行うことにより、直接、アプリケーションプログラムの起動と受信メールBOXの表示段階に設定させるように構成することが可能である。また、アプリケーションプログラムの起動とその個々の機能の動作とを異なるタッチパネル操作により行うように形状入力を設定することが可能である。
【0053】
更に、タッチパネル操作による形状情報とアプリケーションプログラム又は該アプリケーションプログラムの下位の個々の機能との関係をユーザ設定可能に構成することができる。また、タッチパネル部に所定の形状を入力することにより、該形状に割り当てられたアプリケーションプログラムを起動し、その機能の処理を実行させる例を説明したが、形状としては所定の文字、記号などを含む図形とすることが可能である。
【0054】
次に、以上の実施形態の処理は、ハードウェアにより実行させることが可能であるとともに、ソフトウェアにより実行させることが可能である。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶装置を端末(装置)に備え、その端末(装置)のコンピュータ(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit))が前記記憶装置に格納されたプログラムコードを読み込み、実行するように構成することができる。
【0055】
また、プログラムコードを記憶した記憶媒体を使用し、この記憶媒体からプログラムコードを読み出し、前記記憶装置に格納することができる。この場合、前記記憶媒体から読み出されたプログラムコード及び記憶装置に格納されたプログラムコード自体が以上説明した各実施形態の機能を実現することとなる。
【0056】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、磁気ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROM(Read Only Memory)等とすることができる。記憶装置としては、ハードディスク、不揮発性のメモリーカード、ROM等とすることができる。
【0057】
図10は各実施形態の処理をプログラムにより実行する情報処置端末の構成例を示す図である。本情報処理端末200は、バス20により相互に接続されたコンピュータを構成するCPU21、ROM22、RAM(Random Access Memory)23、記憶部24、表示パネル部25、タッチパネル部26、キー入力部27、通信部28等を備える。
【0058】
ROM22又は記憶部24には以上の実施形態のアプリケーションプログラムを含む各種プログラムが格納され、ROM22、RAM23又は記憶部24には、タッチパネル操作による入力形状及びこれに対応するアプリケーションプログラムの情報等が格納される。RAM23にはCPU21が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。
【0059】
ROM22又は記憶部24へのプログラムの格納は、必要に応じて通信部28を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、有線または無線の通信媒体を利用して行われるように構成することができる。
【0060】
CPU21はROM22又は記憶部24のプログラムを読み込み、読み込んだプログラムにより制御され、タッチパネル部26及びキー入力部27から入力される指令に応じて各種の処理を実行し、処理の結果を表示パネル部25や図示しない出力部に出力する。
【0061】
通信部28は、基地局との無線通信等により位置登録、通信制御、通話制御に加え、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークとの接続によりWEB閲覧、メールの送受信機能を実現するための通信機能を備える。
【0062】
以上の構成によりマルチタスク機能を備える携帯端末において、タッチパネル操作に各タスクの起動を割り当てる。タッチ操作を行うことで表示している画面に依存せずに、割り当てられたタスクの起動、切換えを快適に行うことが可能である。
【0063】
以上のように本発明においては、タッチパネルでの操作に各タスクを割り当て、1ステップでタスク起動、切替えを実現する。つまり同一操作(ジェスチャ)には同一タスクの起動、切換えを割り当て、起動状態で表示しているアプリケーションに依存せずに別のタスクの起動を可能とする。つまり、あらかじめタッチパネル操作にタスクを割り当てておき、一定時間内に割り当てたタッチパネル操作を行うことによりタスクの起動/切替え及び表示を実現する。これにより、どのアプリケーションを表示している場合でも、1ステップで別タスクを起動、切替えを行うことが可能となる。
【0064】
なお、本発明の各実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は起動中のアプリケーションに依存せずにタッチパネル上の同一ジェスチャで所定のタスクを起動するものであるから、携帯電話機等の携帯端末に限られるものではなく、パーソナルコンピュータ等、タッチパネルを搭載している任意の情報処理端末に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施形態の携帯端末の外観を示す図である。
【図2】第1の実施形態の携帯端末の機能ブロック構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態の動作例を示す図である。
【図4】基本的な起動方法の処理フローチャートの例を示す図である。
【図5】第1の実施形態の起動方法の処理フローチャートの例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図7】第2の実施形態のタッチパネル部に関する形状検出部(領域別)の機能を示す図である。
【図8】第2の実施形態の動作例を示す図である。
【図9】第2の実施形態の起動及び機能処理方法の処理フローチャートの例を示す図である。
【図10】各実施形態の処理をプログラムにより実行する情報処置端末の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 上部筺体
2 下部筺体
3 ヒンジ部
11 表示パネル部
12 タッチパネル部
13 形状検出部
14 アプリケーション特定部
15 キー入力部
16 送受信部
17 記憶部
18、21 制御部
19 形状検出部(領域別)
20 アプリケーション特定部(アプリケーション/機能)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備える情報処理端末のアプリケーションの起動方法であって、
タッチパネルからの所定の形状の入力操作により当該形状に割り当てられたアプリケーションプログラムを起動することを特徴とする情報処理端末のアプリケーションの起動方法。
【請求項2】
前記情報処理端末は、マルチタスク機能を備え、起動中のアプリケーションプログラムの種類にかかわらず、前記形状の入力操作により割り当てられたアプリケーションプログラムが別タスクとして起動することを特徴とする請求項1記載の情報処理端末のアプリケーションの起動方法。
【請求項3】
前記タッチパネルは入力操作の検出領域が複数の領域に分割されており、分割された特定の領域での前記形状の入力操作で前記アプリケーションプログラムが起動し、他の領域での前記形状の入力操作により前記アプリケーションプログラムの下位の機能の処理が実行されることを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理端末のアプリケーションの起動方法。
【請求項4】
前記所定の形状に割り当てられたアプリケーションプログラムは、電子メール機能のアプリケーションプログラムであり、前記下位の機能の処理は、少なくともメール一覧表示機能、メール作成編集機能、送受信機能及び電子メール機能の終了機能の何れかを含むことを特徴とする請求項3記載の情報処理端末のアプリケーションの起動方法。
【請求項5】
前記所定の形状に割り当てられたアプリケーションプログラムは、スケジュール機能のアプリケーションプログラムであり、前記下位の機能の処理は、少なくともスケジュール作成編集機能、スケジュール表示機能及びスケジュール機能の終了機能の何れかを含むことを特徴とする請求項3記載の情報処理端末のアプリケーションの起動方法。
【請求項6】
前記形状の入力操作時に前記形状に割り当てられたアプリケーションプログラムが別タスクとして起動中の場合は、アプリケーションプログラムの起動に代えて起動中の前記別タスクに切替えることを特徴とする請求項2ないし5の何れかの請求項記載の情報処理端末のアプリケーションの起動方法。
【請求項7】
タッチパネルを備える情報処理端末であって、
タッチパネルからの所定の形状の入力操作により当該形状に割り当てられたアプリケーションプログラムを起動する制御部を備えることを特徴とする情報処理端末。
【請求項8】
前記制御部はマルチタスク機能を備え、起動中のアプリケーションプログラムの種類にかかわらず、前記形状の入力操作により当該形状の入力操作に割り当てられたアプリケーションプログラムを別タスクとして起動することを特徴とする請求項7記載の情報処理端末。
【請求項9】
前記タッチパネルは入力操作の検出領域が複数の領域に分割されており、前記制御部は、分割された特定の領域での前記形状の入力操作で前記アプリケーションプログラムを起動し、他の領域での前記形状の入力操作により前記アプリケーションプログラムの下位の機能の処理が実行することを特徴とする請求項7又は8記載の情報処理端末。
【請求項10】
前記所定の形状に割り当てられたアプリケーションプログラムは、電子メール機能のアプリケーションプログラムであり、前記下位の機能の処理は、少なくともメール一覧表示機能、メール作成編集機能、送受信機能及び電子メール機能の終了機能の何れかを含むことを特徴とする請求項9記載の情報処理端末。
【請求項11】
前記所定の形状に割り当てられたアプリケーションプログラムは、スケジュール機能のアプリケーションプログラムであり、前記下位の機能の処理は、少なくともスケジュール作成編集機能、スケジュール表示機能及びスケジュール機能の終了機能の何れかを含むことを特徴とする請求項93記載の情報処理端末。
【請求項12】
前記形状の入力操作時に前記形状に割り当てられたアプリケーションプログラムが別タスクとして起動中の場合は、前記制御部はアプリケーションプログラムの起動に代えて起動中の前記別タスクに切替えることを特徴とする請求項8ないし11の何れかの請求項記載の情報処理端末。
【請求項13】
タッチパネルを備える情報処理端末のプログラムであって、
タッチパネルからの所定の形状の入力操作を検出する第1のステップと、前記入力操作により検出した所定の形状に割り当てられたアプリケーションプログラムを特定する第2のステップと、特定したアプリケーションプログラムを読み込み当該アプリケーションプログラムの機能を起動する第3のステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
前記情報処理端末は、マルチタスク機能を備え、前記第3のステップは、起動中のアプリケーションプログラムの種類にかかわらず、前記形状の入力操作により割り当てられたアプリケーションプログラムを別タスクとして起動するステップであることを特徴とする請求項13記載のプログラム。
【請求項15】
前記タッチパネルは入力操作の検出領域が複数の領域に分割されており、前記第1のステップは、分割された特定の領域での前記形状の入力操作を検出し、前記アプリケーションプログラムの起動状態で他の領域での前記形状の入力操作により、前記アプリケーションプログラムの下位の機能を処理する第4のステップをコンピュータに実行させることを特徴とする請求項13又は14記載のプログラム。
【請求項16】
前記所定の形状に割り当てられたアプリケーションプログラムは、電子メール機能のアプリケーションプログラムであり、前記下位の機能の処理は、少なくともメール一覧表示機能、メール作成編集機能、送受信機能及び電子メール機能の終了機能の何れかを含むことを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【請求項17】
前記所定の形状に割り当てられたアプリケーションプログラムは、スケジュール機能のアプリケーションプログラムであり、前記下位の機能の処理は、少なくともスケジュール作成編集機能、スケジュール表示機能及びスケジュール機能の終了機能の何れかを含むことを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【請求項18】
前記形状の入力操作の検出時に前記形状に割り当てられたアプリケーションプログラムが別タスクとして起動中の場合は、前記第3のステップは、アプリケーションプログラムの起動に代えて起動中の前記別タスクに切替えるステップであることを特徴とする請求項14ないし17の何れかの請求項記載の情報処理端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−55177(P2010−55177A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216748(P2008−216748)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】