説明

情報処理装置、制御方法、及びプログラム

【課題】 1台目のHDDが既に装着されている状態で2台目のHDDが新たに装着された際に、新たに装着されたHDDに対してデータの書き込みが行われてしまうことを防止しつつ、新たに装着されたHDDが所定の基準を満たしているか否か確認すること。
【解決手段】 初期リビルド機能をOFFにする(S104)。
ディスクアレイ装置200をシングルモードからミラーリングモードへ移行させる(S105)。
新たに装着されたHDDの型番を取得する(S106)。
新たなHDDがMFP1で使用されるための基準を満たすか否か判断する(S107)。
ディスクアレイ装置200をミラーステートからリビルドステートへ移行させる(S108)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置では、記憶媒体としてHDDが用いられる。
近年、情報処理装置の動作保証の観点から、所定の基準を満たしていないHDDを使用不可とすることがある。所定の基準には、例えば、温度特性、振動特性、消費電力、電波ノイズ、転送速度、記憶容量等が該当する。HDDが所定の基準を満たしているかは、HDDから取得した型番を、基準を満たす型番のリストと照合することによって判断する。
【0003】
一方、HDDの信頼性を向上させる技術として、ミラーリングが存在する。ミラーリングでは、2台のHDDに同じデータを書き込むことにより、一方のHDDが故障しても、そのHDDを新たなHDDに交換すれば、もう一方のHDDを用いてデータを復旧することが可能である(特許文献1)。ミラーリングを行う際には、情報処理装置の内部において、メインコントローラと2台のHDDとを、ディスクアレイ装置を介して接続することになる。この場合、ミラーリングの制御はディスクアレイ装置が行うことになり、メインコントローラ側から見るとあたかも1台のHDDが接続されているだけのように認識される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−252451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ミラーリングを行う構成において、1台目のHDDが既に装着されている状態で2台目のHDDが新たに装着された際に、新たに装着されたHDDが所定の基準を満たしているか否か確認しようとすると、以下のような問題が生じる。
【0006】
ディスクアレイ装置は、1台のHDDで動作するシングルモードと、2台のHDDで動作するミラーリングモードを有する。シングルモードでは、1台のHDDにしかアクセスしないため、新たに装着されたHDDから型番を取得するためには、ミラーリングモードに移行しなければならない。しかしながら、通常の方法でミラーリングモードに移行すると、新たに装着されたHDDが所定の基準を満たしているか否か確認する前に、新たに装着されたHDDに対してデータの書き込みが行われてしまうことがある。
【0007】
本発明は、2台目のHDDが新たに装着された際に、新たに装着されたHDDに対してデータの書き込みが行われてしまうことを防止しつつ、新たに装着されたHDDが所定の基準を満たしているか否か確認することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理装置は、第1の記憶装置及び第2の記憶装置に記憶制御装置を介して接続される情報処理装置であって、前記記憶制御装置に前記第2の記憶装置が接続された際に、前記記憶制御装置の初期リビルド機能をOFFに設定する設定手段と、前記設定手段が前記初期リビルド機能をOFFに設定した後に、前記記憶制御装置をシングルモードからミラーステートへ移行させる第1の移行手段と、前記記憶制御装置が前記ミラーステートで動作している際に、前記第2の記憶装置の型番を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記型番に基づいて、前記第2の記憶装置を使用すべきか否か判断する判断手段と、前記判断手段が前記第2の記憶装置を使用すべきと判断した場合に、前記記憶制御装置をミラーステートからリビルドステートへ移行させる第2の移行手段とを有することを特徴とする情報処理装置とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2台目のHDDが新たに装着された際に、新たに装着されたHDDに対してデータの書き込みが行われてしまうことを防止しつつ、新たに装着されたHDDが所定の基準を満たしているか否か確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】MFP1の構成を示すブロック図
【図2】ディスクアレイ装置200の状態遷移図
【図3】MFP1において新たなHDDを装着した際の制御を示すフローチャート(第1の実施例)
【図4】MFP1において電源がONになった際の制御を示すフローチャート(第1の実施例)
【図5】MFP1において新たなHDDを装着した際の制御を示すフローチャート(第2の実施例)
【図6】MFP1において電源がONになった際の制御を示すフローチャート(第2の実施例)
【発明を実施するための形態】
【0011】
1台目のHDDが既に装着されている状態で2台目のHDDが新たに装着されるシチュエーションとしては、2つのシチュエーションが考えられる。
【0012】
1つ目のシチュエーションは、ミラーリングを開始するために、新たにHDDを増設する場合である。2つ目のシチュエーションは、ミラーリングを実行している最中に片方のHDDが故障し、故障したHDDを新たなHDDに交換する場合である。
【0013】
第1の実施例では、1つ目のシチュエーションについて説明する。第2の実施例では、2つ目のシチュエーションについて説明する。
【0014】
〔第1の実施例〕
第1の実施例では、ミラーリングを開始するために、新たにHDDを増設する場合について説明する。
【0015】
図1は、MFP1の構成を示すブロック図である。
MFP1は、情報処理装置の一例であり、メインコントローラ100、ディスクアレイ装置200、HDD301、HDD302、UI400、スキャナ500、プリンタ600を有する。なお、情報処理装置はMFP以外(例えばPC等)であってもよい。また、ディスクアレイ装置200、HDD301、HDD302は、MFP1の外部に存在することとしてもよい。ディスクアレイ装置200及びHDD302は、MFP1のオプションとして着脱可能である。ディスクアレイ装置200及びHDD302が装着されないとき、HDD301はメインコントローラ100と直接接続されることになる。
【0016】
メインコントローラ100は、MFP1の制御全般を司る。
CPU101は、メインコントローラ100の各構成、ディスクアレイ装置200、UI400、スキャナ500、プリンタ600等を制御する。
【0017】
ROM102は、CPU101が用いるプログラム等を記憶する。
RAM103は、CPU101が動作する際のワーク領域等として機能する。
SRAM104は、CPU101が動作する際に用いる各種データを記憶する。
【0018】
ディスクアレイ装置200(記憶制御装置)は、メインコントローラ100からの指示により、HDD301及びHDD302に対してデータの書き込み又は読み出しを行う。
ミラーリング制御部201は、HDD301及びHDD302のミラーリングを行う(図2を用いて後述する)。ミラーリングとは、2台のHDDに同じデータを書き込むことにより、1台のHDDが故障した場合に、もう1台のHDDのデータを用いてデータを復元することが可能な技術である。
【0019】
データ記憶部202は、ミラーリングの際に使用する各種データを記憶する。データ記憶部202には、フラッシュROMやボタン型電池でデータが保持されるSRAM等が使用される。データ記憶部202に記憶されるデータとしては、HDDの種類や個数等が含まれる。
【0020】
HDD301及びHDD302は、データを記憶する不揮発性の記憶装置である。なお、記憶装置としては、HDD以外の記憶装置(例えばSSD等)であってもよい。また、以下の説明では、初めから接続されたままのHDDが第1の記憶装置に対応し、故障などによって新たに接続されたHDDが第2の記憶装置に対応する。
【0021】
UI400は、ディスプレイを介してユーザに各種情報を提供し、ボタン等を介してユーザから様々な指示を入力する。
スキャナ500は、原稿を読み取り画像データを入力する。
プリンタ600は、スキャナ500により入力された画像データ等に基づいて印刷を行う。
【0022】
図2は、ディスクアレイ装置200の状態遷移図である。
ディスクアレイ装置200は、シングルモードとミラーリングモードの2つの動作モードを有する。
シングルモードは、1台のHDDのみで動作するモードである。
ミラーリングモードは、2台のHDDを装着した状態で動作するモードである。ミラーリングモードには、ミラーステート、デグレードステート、リビルドステート、ホールトステートの4つの状態が存在する。
【0023】
ミラーステートは、2台のHDDで正常に動作している状態である。ミラーステートでは、2台のHDDのうち、読み出しはマスターHDDのみに対して行い、書き込みはマスターHDDとスレーブHDDの両方に対して行う。ミラーステートにおいて、片方のHDD(1台目のHDD)が故障すると、デグレードステートへ移行する。ミラーステートにおいて、CPU101からリビルドステートへの移行命令があると、リビルドステートへ移行する。
【0024】
デグレードステートは、一方のHDD(故障していないHDD)のみで動作している状態で、もう一方のHDD(故障しているHDD)へはアクセスが発生していない状態である。デグレードステートにおいて、自動リビルド機能がONの状態(デフォルトの設定)で、故障しているHDDの代わりに新たなHDDが装着されると、リビルドステートへ移行する。デグレードステートにおいて、自動リビルド機能がOFFの状態で、CPU101からリビルドステートへの移行命令があると、リビルドステートへ移行する。デグレードステートにおいて、故障していないHDD(2台目のHDD)も故障すると、ホールトステートへ移行する。
【0025】
リビルドステートは、片方のHDD(前から装着され故障しなかったHDD)のみで動作している状態だが、そのHDDからもう片方のHDD(故障したHDDの代わりに新たに装着されたHDD)へデータをコピー(リビルド)している状態である。この時、コピー元のHDD(前から装着され故障しなかったHDD)をマスターHDD、コピー先のHDD(故障したHDDの代わりに新たに装着されたHDD)をスレーブHDDと呼ぶ。リビルドステートにおいて、リビルドが完了すると、ミラーステートへ移行する。リビルドステートにおいて、スレーブHDDが故障すると、デグレードステートへ移行する。リビルドステートにおいて、マスターHDDが故障すると、ホールトステートへ移行する。
【0026】
ホールトステートは、両方のHDDが故障したことにより、ミラーリングが継続できなくなった状態である。
シングルモードにおいて、初期リビルド機能がONの状態(デフォルトの設定)で、ユーザからミラーリングモードへの移行指示があると、リビルドステートへ移行する。シングルモードにおいて、初期リビルド機能がOFFの状態で、ユーザからミラーリングモードへの移行指示があると、ミラーステートへ移行する。
ミラーリングモードにおいて、何れの状態であっても、ユーザからシングルモードへの移行指示を受け付けると、シングルモードへ移行する。
【0027】
図3は、MFP1において新たなHDDを装着した際の制御を示すフローチャートである。
まず、ディスクアレイ装置200は、シングルモードで動作している(S101)。
【0028】
次に、CPU101は、UI400を介して、ミラーリングモードへの移行指示をユーザから受け付けたか否か判断する(S102)。S102でYESだった場合、S103へ進む。S102でNOだった場合、S102でYESとなるまで待機する。
【0029】
S102でYESだった場合、CPU101は、SRAM104にアクセスして、仮ミラーフラグをONにする(S103)。仮ミラーフラグとは、S104以降の処理が正常に終了したことを示すデータのことである。
【0030】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介してデータ記憶部202にアクセスして、初期リビルド機能をOFFにする(S104)。初期リビルド機能とは、シングルモードからミラーリングモードへ移行する際にリビルドを実行する機能のことである。
【0031】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201に命令を送信して、ディスクアレイ装置200をシングルモードからミラーリングモードへ移行させる(S105)。これが、第1の移行に対応する。ミラーリング制御部201は、CPU101から命令を受信すると、データ記憶部202に記憶された初期リビルド機能のON/OFF状態を確認する。そして、ミラーリングモードのうち何れのステートへ移行するかを決定し、ディスクアレイ装置200を決定したステートへ移行させる。本実施例では、S104で初期リビルド機能がOFFにされているので、移行すべきステートとしてミラーステートが決定される。なお、従来は、デフォルト設定で初期リビルド機能がONにされているため、移行すべきステートとしてリビルドステートが決定されてしまい、新たなHDDがMFP1で使用されるための基準を満たすか否か確認する前に、リビルドが実行されてしまっていた。
【0032】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201に命令を送信して、新たに装着されたHDDの型番を取得する(S106)。HDDの型番は、HDDのモデルごとに独自のものが決定され、HDDの工場出荷時等に予め記憶される。ミラーリング制御部201は、新たなHDDが装着された時点で、そのHDDから型番を取得してデータ記憶部202に記憶しておく。そして、ミラーリング制御部201は、CPU101から命令を受信すると、データ記憶部202に記憶された新たなHDDの型番をCPU101に送信する。
【0033】
次に、CPU101は、S106で取得した型番をSRAM104に記憶された型番のリストと比較し、新たなHDDがMFP1で使用されるための基準を満たすか否か判断する(S107)。基準としては、昇温、ノイズ、消費電力、記憶容量、アクセス速度等が該当する。具体的には、S106で取得した型番がSRAM104に記憶された型番のリストに存在する場合には、新たなHDDが基準を満たすと判断する。また、S106で取得した型番がSRAM104に記憶された型番のリストに存在しない場合には、新たなHDDが基準を満たさないと判断する。なお、S106やS107では、型番の代わりに、HDDのスペック(温度特性、振動特性、消費電力、電波ノイズ、転送速度、記憶容量等)を示す情報を用いることとしてもよい。S107でYESだった場合、S108に進む。S107でNOだった場合、S111に進む。
【0034】
S107でYESだった場合、CPU101は、ミラーリング制御部201に命令を送信して、ディスクアレイ装置200をミラーステートからリビルドステートへ移行させる(S108)。これが、第2の移行に対応する。ミラーリング制御部201は、CPU101から命令を受信すると、その命令に従って、ディスクアレイ装置200をリビルドステートへ移行させる。
【0035】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介してデータ記憶部202にアクセスして、初期リビルド機能をONにする(S109)。
次に、CPU101は、SRAM104にアクセスして、仮ミラーフラグをOFFにする(S110)。
【0036】
S107でNOだった場合、CPU101は、UI400を介して、ユーザにエラーを通知する(S111)。エラーの内容としては、新たなHDDがMFP1で使用されるための基準を満たさないということや、新たなHDDを別のHDD(MFP1で使用されるための基準を満たすHDD)に交換するようにユーザに促すこと等が該当する。
【0037】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介して、新たなHDDが取外されたか否か判断する(S112)。S112でYESだった場合、S113へ進む。S112でNOだった場合、S112でYESとなるまで待機する。
S112でYESだった場合、CPU101は、ミラーリング制御部201に命令を送信して、ディスクアレイ装置200をミラーリングモードからシングルモードへ移行させる(S113)。ミラーリング制御部201は、CPU101から命令を受信すると、その命令に従って、ディスクアレイ装置200をシングルモードへ移行させる。
【0038】
図4は、MFP1において電源がONになった際の制御を示すフローチャートである。
まず、MFP1が起動する(S201)。
【0039】
次に、CPU101は、SRAM104にアクセスして、仮ミラーフラグがONになっているか否か判断する(S202)。S202でYESだった場合、S203に進む。S202でNOだった場合、処理を終了する。
S202でYESだった場合、CPU101は、ミラーリング制御部201を介して、新たなHDDが装着されたままになっているか否か判断する(S203)。S203でYESだった場合、S204に進む。S202でNOだった場合、S206に進む。
【0040】
S203でYESだった場合、CPU101は、UI400を介して、ユーザにエラーを通知する(S204)。エラーの内容としては、HDDの増設が正常に終了しなかったということや、新たなHDDを別のHDD(MFP1で使用されるための基準を満たすHDD)に交換するようにユーザに促すこと等が該当する。
【0041】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介して、新たなHDDが取外されたか否か判断する(S205)。S205でYESだった場合、S206へ進む。S205でNOだった場合、S205でYESとなるまで待機する。
【0042】
S205でYESだった場合、CPU101は、ミラーリング制御部201に命令を送信して、ディスクアレイ装置200をミラーリングモードからシングルモードへ移行させる(S206)。ミラーリング制御部201は、CPU101から命令を受信すると、その命令に従って、ディスクアレイ装置200をシングルモードへ移行させる。
【0043】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介してデータ記憶部202にアクセスして、初期リビルド機能をONにする(S207)。
次に、CPU101は、SRAM104にアクセスして、仮ミラーフラグをOFFにする(S208)。
【0044】
第1の実施例によれば、ミラーリングを行うために新たなHDDを増設した際において、新たなHDDがMFP1で使用されるための基準を満たすか否か確認する前にリビルドが実行されてしまうのを防止できる。
【0045】
〔第2の実施例〕
第2の実施例では、ミラーリングを実行している最中に片方のHDDが故障し、故障したHDDを新たなHDDに交換する場合について説明する。
MFP1の構成を示すブロック図は、第1の実施例と同様(図1を用いて前述)なので、説明を省略する。
ディスクアレイ装置200の状態遷移図は、第1の実施例と同様(図2を用いて前述)なので、説明を省略する。
【0046】
図5は、MFP1において新たなHDDを装着した際の制御を示すフローチャートである。
まず、ディスクアレイ装置200は、デグレードステートで動作している(S301)。
【0047】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介して、故障したHDDが取外されたか否か判断する(S302)。S302でYESだった場合、S303へ進む。S302でNOだった場合、S302でYESとなるまで待機する。
【0048】
S302でYESだった場合、CPU101は、SRAM104にアクセスして、仮デグレードフラグをONにする(S303)。仮デグレードフラグとは、S304以降の処理が正常に終了したことを示すデータのことである。
【0049】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介してデータ記憶部202にアクセスして、自動リビルド機能をOFFにする(S304)。自動リビルド機能とは、デグレードステートでHDDが交換された際に自動でリビルドを実行する機能のことである。
【0050】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介して、新たなHDDが装着されたか否か判断する(S305)。S305でYESだった場合、S306へ進む。S305でNOだった場合、S305でYESとなるまで待機する。本実施例では、S304で自動リビルド機能がOFFにされているので、デグレードステートで新たなHDDが装着されてもすぐにリビルドステートに移行することはない。なお、従来は、デフォルト設定で自動リビルド機能がONにされていた。このため、デグレードステートで新たなHDDが装着されるとすぐにリビルドステートに移行しまい、新たなHDDがMFP1で使用されるための基準を満たすか否か確認する前に、リビルドが実行されてしまっていた。
【0051】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201に命令を送信して、新たに装着されたHDDの型番を取得する(S306)。HDDの型番は、HDDのモデルごとに独自のものが決定され、HDDの工場出荷時等に予め記憶される。ミラーリング制御部201は、新たなHDDが装着された時点で、そのHDDから型番を取得してデータ記憶部202に記憶しておく。そして、ミラーリング制御部201は、CPU101から命令を受信すると、データ記憶部202に記憶された新たなHDDの型番をCPU101に送信する。
【0052】
次に、CPU101は、S306で取得した型番をSRAM104に記憶された型番のリストと比較し、新たなHDDがMFP1で使用されるための基準を満たすか否か判断する(S307)。基準としては、昇温、ノイズ、消費電力、記憶容量、アクセス速度等が該当する。具体的には、S306で取得した型番がSRAM104に記憶された型番のリストに存在する場合には、新たなHDDが基準を満たすと判断する。また、S306で取得した型番がSRAM104に記憶された型番のリストに存在しない場合には、新たなHDDが基準を満たさないと判断する。なお、S306やS307では、型番の代わりに、HDDのスペック(温度特性、振動特性、消費電力、電波ノイズ、転送速度、記憶容量等)を示す情報を用いることとしてもよい。S307でYESだった場合、S308に進む。S307でNOだった場合、S311に進む。
【0053】
S307でYESだった場合、CPU101は、ミラーリング制御部201に命令を送信して、ディスクアレイ装置200をデグレードステートからリビルドステートへ移行させる(S308)。ミラーリング制御部201は、CPU101から命令を受信すると、その命令に従って、ディスクアレイ装置200をリビルドステートへ移行させる。
【0054】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介してデータ記憶部202にアクセスして、自動リビルド機能をONにする(S309)。
次に、CPU101は、SRAM104にアクセスして、仮デグレードフラグをOFFにする(S310)。
【0055】
S307でNOだった場合、CPU101は、UI400を介して、ユーザにエラーを通知する(S311)。エラーの内容としては、新たなHDDがMFP1で使用されるための基準を満たさないということや、新たなHDDを別のHDD(MFP1で使用されるための基準を満たすHDD)に交換するようにユーザに促すこと等が該当する。
【0056】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介して、新たなHDDが取外されたか否か判断する(S312)。S312でYESだった場合、S313へ進む。S312でNOだった場合、S312でYESとなるまで待機する。
【0057】
図6は、MFP1において電源がONになった際の制御を示すフローチャートである。
まず、MFP1が起動する(S401)。
次に、CPU101は、SRAM104にアクセスして、仮デグレードフラグがONになっているか否か判断する(S402)。S402でYESだった場合、S403に進む。S402でNOだった場合、処理を終了する。
【0058】
S402でYESだった場合、CPU101は、ミラーリング制御部201を介して、新たなHDDが装着されたままになっているか否か判断する(S403)。S403でYESだった場合、S404に進む。S402でNOだった場合、S406に進む。
【0059】
S403でYESだった場合、CPU101は、UI400を介して、ユーザにエラーを通知する(S404)。エラーの内容としては、HDDの増設が正常に終了しなかったということや、新たなHDDを別のHDD(MFP1で使用されるための基準を満たすHDD)に交換するようにユーザに促すこと等が該当する。
【0060】
次に、CPU101は、ミラーリング制御部201を介して、新たなHDDが取外されたか否か判断する(S405)。S405でYESだった場合、S406へ進む。S405でNOだった場合、S405でYESとなるまで待機する。
次に、CPU101は、SRAM104にアクセスして、仮デグレードフラグをOFFにする(S406)。
【0061】
第2の実施例によれば、ミラーリングを実行している最中に片方のHDDが故障し故障したHDDを新たなHDDに交換した際において、新たなHDDがMFP1で使用されるための基準を満たすか否か確認する前にリビルドが実行されてしまうのを防止できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の記憶装置及び第2の記憶装置に記憶制御装置を介して接続される情報処理装置であって、
前記記憶制御装置に前記第2の記憶装置が接続された際に、前記記憶制御装置の初期リビルド機能をOFFに設定する設定手段と、
前記設定手段が前記初期リビルド機能をOFFに設定した後に、前記記憶制御装置をシングルモードからミラーステートへ移行させる第1の移行手段と、
前記記憶制御装置が前記ミラーステートで動作している際に、前記第2の記憶装置の型番を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記型番に基づいて、前記第2の記憶装置を使用すべきか否か判断する判断手段と、
前記判断手段が前記第2の記憶装置を使用すべきと判断した場合に、前記記憶制御装置をミラーステートからリビルドステートへ移行させる第2の移行手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
第1の記憶装置及び第2の記憶装置に記憶制御装置を介して接続される情報処理装置の制御方法であって、
前記記憶制御装置に前記第2の記憶装置が接続された際に、前記記憶制御装置の初期リビルド機能をOFFに設定する設定工程と、
前記設定工程で前記初期リビルド機能をOFFに設定した後に、前記記憶制御装置をシングルモードからミラーステートへ移行させる第1の移行工程と、
前記記憶制御装置が前記ミラーステートで動作している際に、前記第2の記憶装置の型番を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記型番に基づいて、前記第2の記憶装置を使用すべきか否か判断する判断工程と、
前記判断工程で前記第2の記憶装置を使用すべきと判断した場合に、前記記憶制御装置をミラーステートからリビルドステートへ移行させる第2の移行工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項3】
第1の記憶装置及び第2の記憶装置に記憶制御装置を介して接続される情報処理装置に、
前記記憶制御装置に前記第2の記憶装置が接続された際に、前記記憶制御装置の初期リビルド機能をOFFに設定する設定工程と、
前記設定工程で前記初期リビルド機能をOFFに設定した後に、前記記憶制御装置をシングルモードからミラーステートへ移行させる第1の移行工程と、
前記記憶制御装置が前記ミラーステートで動作している際に、前記第2の記憶装置の型番を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記型番に基づいて、前記第2の記憶装置を使用すべきか否か判断する判断工程と、
前記判断工程で前記第2の記憶装置を使用すべきと判断した場合に、前記記憶制御装置をミラーステートからリビルドステートへ移行させる第2の移行工程とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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