説明

情報処理装置、印刷制御装置、画像形成装置、印刷システム及び印刷制御プログラム

【課題】 配布対象者毎に、その配布対象者のレベルにあった分かり易い内容で、しかも、見易い配布文書を印刷可能にする。
【解決手段】 ホスト端末10で、文書変換制御情報管理TB131は、各学年に対応して、文字の大きさを示す文字大きさ情報を含む文書変換制御情報を保持する。ある学年を指定した文書情報の印刷指示に際し、文書変換処理部143は、該文書情報を、該学年に対応して文書変換制御情報管理TB131に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換し、印刷ジョブ生成部142は、変換処理後の当該文書情報に基づき、プリンタ20に印刷指示し、指定した学年に対応する大きさの文字から成り、1行が該文字の大きさに対応する文字数で改行される文書を印刷させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、印刷制御装置、画像形成装置、印刷システム及び印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小学校などでは、第一学年から第六学年の生徒の間で、漢字等の学習レベルが大きく異なるため、先生が、自分の受け持つ学級の生徒に配布するプリントを印刷する場合、例えば、その学級が属する学年の生徒が読める漢字を含む原稿(文書情報)を作って印刷するという配慮が必要になる。
【0003】
これを実現するために、例えば、下記特許文献1には、小学校の学年を指定することにより、各学年別の教育漢字が記憶されている学年別文字記憶装置から、文部省の学習指導要領に従って指定された学年以下の漢字を使用した文章でコンピュータのディスプレイに表示させたり、印字できる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−339300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、配布対象者毎に、該配布対象者のレベルに応じた内容で、かつ、見易い配布文書を印刷可能な情報処理装置、印刷制御装置、画像形成装置、印刷システム及び印刷制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の情報処理装置の発明は、印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する情報保持手段と、印刷物の配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して前記情報保持手段に保持される前記文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、前記変換手段による変換処理後の文書情報に基づき印刷装置に対する印刷指示を行なう印刷指示手段とを具備する。
【0006】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記文書変換制御情報は、文字の大きさを示す文字大きさ情報を含み、前記変換手段は、前記印刷指示された文書情報を、前記情報保持手段に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する。
【0007】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記文書変換制御情報は、語句と、該語句の意味を表す意味表現語句情報を含み、前記変換手段は、前記印刷指示された文書情報中の語句を、前記情報保持手段に保持される意味表現語句情報に対応する意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する。
【0008】
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3のいずれか記載の発明において、前記情報保持手段に対して前記配布対象者と前記文書変換制御情報を対応付けて登録及び更新処理する処理手段を具備する。
【0009】
請求項5記載の印刷システムの発明は、情報処理装置と、前記情報処理装置及び印刷装置に接続される印刷制御装置とを有し、前記情報処理装置は、前記印刷制御装置に対し、印刷物の配布対象者を指定した文書情報の印刷指示を行う印刷指示手段を具備し、前記印刷制御装置は、印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する情報保持手段と、前記情報処理装置からの配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して前記情報保持手段に保持される前記文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、前記変換手段による変換処理後の文書情報に基づき前記印刷装置に対する印刷指示を行なう印刷指示手段とを具備する。
【0010】
請求項6記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、前記文書変換制御情報は、文字の大きさを示す文字大きさ情報を含み、前記変換手段は、前記印刷指示された文書情報を、前記情報保持手段に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する。
【0011】
請求項7記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、前記文書変換制御情報は、語句と、該語句の意味を表す意味表現語句情報を含み、前記変換手段は、前記印刷指示された文書情報中の語句を、前記情報保持手段に保持される意味表現語句情報に対応する意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する。
【0012】
請求項8記載の印刷制御装置の発明は、印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する情報保持手段と、情報処理装置からの配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して前記情報保持手段に保持される前記文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、前記変換手段による変換処理後の文書情報に基づき印刷装置に対する印刷指示を行なう印刷指示手段とを具備する。
【0013】
請求項9記載の発明は、上記請求項8記載の発明において、前記文書変換制御情報は、文字の大きさを示す文字大きさ情報を含み、前記変換手段は、前記印刷指示された文書情報を、前記情報保持手段に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する。
【0014】
請求項10記載の発明は、上記請求項8記載の発明において、前記文書変換制御情報は、語句と、該語句の意味を表す意味表現語句情報を含み、前記変換手段は、前記印刷指示された文書情報中の語句を、前記情報保持手段に保持される意味表現語句情報に対応する意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する。
【0015】
請求項1記載の画像形成装置の発明は、印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する情報保持手段と、情報処理装置からの配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して前記情報保持手段に保持される前記文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、前記変換手段による変換処理後の文書情報に基づいて印刷を行う印刷手段とを具備する。
【0016】
請求項12記載の発明は、上記請求項11記載の発明において、前記文書変換制御情報は、文字の大きさを示す文字大きさ情報を含み、前記変換手段は、前記印刷指示された文書情報を、前記情報保持手段に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する。
【0017】
請求項13記載の発明は、上記請求項11記載の発明において、前記文書変換制御情報は、語句と、該語句の意味を表す意味表現語句情報を含み、前記変換手段は、前記印刷指示された文書情報中の語句を、前記情報保持手段に保持される意味表現語句情報に対応する意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する。
【0018】
請求項14記載の印刷制御プログラムの発明は、コンピュータを、印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する情報保持手段と、印刷物の配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して前記情報保持手段に保持される前記文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、前記変換手段による変換処理後の文書情報に基づき印刷装置に対する印刷指示を行なう印刷指示手段ととして機能させる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1,5,8,11及び14記載の各発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、配布対象者毎に、該配布対象者のレベルに応じた内容で、かつ、見易い配布文書を印刷できる。
【0020】
請求項2,6,9及び12記載の各発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、配布対象者の学習レベルが低い場合にも、該学習レベルに応じた大きな文字で、かつ、該文字の大きさに対応するレイアウトで文書情報内容を印刷し、配布文書上の文章の読み易さを向上させることができる。
【0021】
請求項3,7,10及び13記載の各発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、配布対象者の学習レベルに応じて語句の意味を分かり易い表現に置き換えて印刷することで、文書内容が理解し易くなる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、配布対象者が変った場合にも、該配布対象者とって理解し易い内容で、しかも、見易い配布文書の印刷に容易に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、実施例1に係わる印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0025】
この印刷システムは、文書の編集や管理、印刷要求(印刷ジョブ)送出等の文書処理機能を有するホスト端末10と、ホスト端末10から受信した印刷ジョブに基づき該印刷ジョブ中の印刷データを記録媒体(記録用紙)印刷して出力するプリンタ20とをLANケーブル等の伝送路30を介して構成される。
【0026】
図2は、実施例1に係わるホスト端末10の機能構成を示すブロック図である。
【0027】
ホスト端末10は、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)により実現され、図2に示すように、キーボードやマウス等の入力デバイスから成る入力/操作部11、操作ガイダンスや動作状態等の各種情報を表示する表示部12、動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部13、装置全体の制御を行う制御部14、伝送路30を介してプリンタ20と通信する際の通信インタフェースを司る外部インタフェース(I/F)部15を備えて構成される。
【0028】
ホスト端末10において、記憶部13には、該ホスト端末10の印刷制御によりプリンタ20で印刷出力される印刷物を配布する対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する文書変換制御情報管理テーブル(TB)131が設けられる。
【0029】
また、ホスト端末10において、制御部14には、入力/操作部11での所定の操作に応じて文書情報(文書ファイル)などの操作、保存、表示、編集、印刷指示操作などの処理を行うアプリケーション部141、入力/操作部11での所定の印刷指示操作に基づき文書ファイルの印刷データとその処理命令から成る印刷ジョブを生成してプリンタ20に送出する印刷ジョブ生成部142、利用者(ユーザ)による文書情報の印刷指示を受付け、その際に該文書情報に基づく印刷物の配布対象者が指定されている場合、該配布対象者に対応して文書変換制御情報管理TB131に保持される文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する文書変換処理部143、文書変換制御情報管理TB131に対して配布対象者と文書変換制御情報を対応付けて登録する処理及び更新する処理を含む文書変換制御情報管理処理を行なう文書変換制御情報管理部144が設けられる。
【0030】
図3は、実施例1に係わるプリンタ20の機能構成を示すブロック図である。
【0031】
図3に示すように、プリンタ20は、伝送路30を介してホスト端末10と通信する際の通信インタフェースを司る外部インタフェース(I/F)部21、外部 I/F部21を通じてホスト端末10から受信した印刷ジョブから抽出した印刷データや動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部22、受信した印刷データを画像処理して得られる印刷イメージデータに基づき電子写真プロセスを実行して記録媒体(記録用紙)に画像を形成(印刷)する画像形成部23、タッチパネル機能を有する大型ビットマップディスプレイ等から成る表示/操作部24、装置全体の制御を行なう制御部25を具備して構成される。
【0032】
プリンタ20において、制御部25には、ホスト端末10から外部 I/F部21を通じて受信した印刷ジョブの解析、及び、該解析結果に基づく印刷イメージデータの生成処理を行う印刷ジョブ解析部251、印刷イメージデータを画像形成部23に送信して記録媒体上に画像を印刷出力させる印刷制御部252が設けられる。
【0033】
この印刷システムは、例えば、学校の職員室に設置され、先生が、ある学年の生徒に配布する配布文書を印刷するために用いられる。
【0034】
そして、この印刷システムでは、所望の配布文書を印刷して配布しようとした時、ホスト端末10での文書情報(上記配布文書の元原稿に相当)の印刷指示に際して、配布対象者としてある学年を指定すると、ホスト端末10は、該指定された配布対象者に対応して文書変換制御情報管理TB131に保持される文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換したうえで、該変換処理後の文書情報に対応する画像内容を有する配布文書をプリンタ20から印刷出力させるように制御する。
【0035】
より具体的には、文書変換制御情報管理TB131に、文字の大きさを示す文字大きさ情報を含む文書変換制御情報を保持し、印刷指示された文書情報を、配布対象者として指定された学年に対応して文書変換制御情報管理TB131に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換し、該変換処理後の文書情報に基づき、プリンタ20に印刷指示して、指定した学年に対応する大きさの文字から成り、1行が該文字の大きさに対応する文字数で改行される配布文書を印刷出力させる。
【0036】
かかる運用を実現するために、ユーザ(先生)は、ホスト端末10を用い、文書変換制御情報管理TB131に、以下の示すような内容の文書変換制御情報を事前に登録しておく必要がある。
【0037】
図4は、実施例1に係わるホスト端末10の文書変換制御情報管理TB131に登録(保持)される文書変換制御情報の一例を示す表図である。
【0038】
図4に示すように、この文書変換制御情報管理TB131には、配布対象者である、例えば、小学校の第一学年〜第六学年に対応して、それぞれ、文書情報の変換に適用する文書変換制御情報として、文字の大きさを示す文字大きさ情報が登録されている。
【0039】
この例では、第一学年に対応して、文字の大きさ(=18ポイント)が登録され、以下、第二学年,第三学年,…と学年が上がるに従って、漸次、文字の大きさが小さい値(=16ポイント,14ポイント,…)となるように文字大きさ情報が登録されている。
【0040】
次に、ホスト端末10での文書変換制御情報管理TB131に対する文書変換制御情報の登録、更新処理について、図5に示すフローチャートを参照して詳述する。
【0041】
文書変換制御情報の登録、更新処理は、ホスト端末10の制御部14に設けられる文書変換制御情報管理部144により行なわれる。
【0042】
文書変換制御情報管理部144は、例えば、アプリケーション部141の制御下の文書変換制御情報登録(更新)アプリケーションとして備わるものであり(文書処理アプリケーションの一処理機能として設けても良い)、ユーザ(先生)が、例えば、表示部12に表示される画面(デスクトップ画面)上の対応するアイコンを選択指定することにより起動され(ステップS101)、起動後、表示部12に、「登録開始」ボタン等を含むメニュー選択画面が表示される。
【0043】
メニュー選択画面の表示中、文書変換制御情報管理部144は、「登録開始」ボタンの押下等による文書変換制御情報の登録開始操作があったか否かを監視する(ステップS103)。
【0044】
ここで、ユーザによって、文書変換制御情報登録開始操作が行なわれると(ステップS103YES)、文書変換制御情報管理部144は、文書変換制御情報管理TB131からその時点で登録されている情報を読み出して表示部12に一覧表示する(ステップS105)。
【0045】
ここで、表示部12に表示される一覧表示画面は、図4に示す文書変換制御情報管理TB131における各情報項目〔配布対象者(学年)、文字の大きさ等の文書変換制御情報〕に対応する情報入力欄を有し、所望の情報項目に対応する情報入力欄を選んで該情報入力欄に所望の情報(該当する項目の情報)をそれぞれ入力できる構成となっている。
【0046】
上記一覧表画面の表示中、文書変換制御情報管理部144は、該画面上に設けられる、例えば、「登録完了」ボタンの押下操作等による登録終了操作が行なわれた否かを監視し(ステップS107)、登録終了操作が行なわれない場合(ステップS107NO)は、更に、該一覧表示画面上の各情報入力欄に対する登録情報(または、変更情報)の入力がなされたか否かを監視する(ステップS109)。
【0047】
ここで、配布対象者(学年)や文字の大きさ等の登録情報(または、変更情報)がユーザによって入力されると(ステップS109YES)、該入力された情報を、文書変換制御情報管理TB131の該当する情報項目の欄に登録し(ステップS111)、以後、登録終了操作がなされない間(ステップS107NO)は、同様にして、入力された登録情報(または、変更情報)の登録(更新)処理を続ける(ステップS109YES→S111)。
【0048】
そして、この間、登録終了操作がなされた場合(ステップS107YES)、一覧表示画面を閉じ、一連の登録(更新)処理を終了する。
【0049】
このように、ホスト端末10では、文書変換制御情報管理部144の処理により、文書変換制御情報管理TB131に対する文書変換制御情報の登録(あるいは、更新)を適宜行なうことができる。
【0050】
なお、ここでは、小学校の各学年に対応して文字の大きさ情報を登録する例を挙げたが、情報入力欄を追加設定し、該各欄に該当項目の情報の値を入力することにより、任意の種別の配布対象者に対応して任意の項目の文書変換制御情報(例えば、書式、書体、レイアウト等)を登録あるいは更新できることはいうまでもない。
【0051】
次に、本実施例に係わる印刷システムのホスト端末10における印刷処理動作について図6に示すフローチャートを参照して詳述する。
【0052】
図6に示すように、ホスト端末10では、ユーザによる入力/操作部11での所望のアプリケーション(文書処理アプリケーション)の選択起動操作に応じて、アプリケーション部141が該アプリケーションを起動する(ステップS201)。
【0053】
以後、このアプリケーションは、アプリケーション部141の制御下で、ユーザによる印刷を希望する文書情報の選択操作に応じて、該アプリケーションが管理している文書情報の中から該選択された文書情報を読み出してその編集画面を表示する文書情報選択処理(ステップS202)と、編集画面上での該当メニューボタン(「印刷」ボタン)の操作に応じて、例えば、図7に示すような印刷設定画面125を開いてユーザからの印刷設定(印刷制御情報)の入力を受付ける処理(ステップS203)を実施する。
【0054】
ここで、印刷設定画面125には、図7に示すように、印刷部数、レイアウト(縦/横)、用紙サイズ(B4,A4,B5,…)、拡大/縮小(1枚当たりの頁数,用紙サイズ指定)、印刷範囲(全頁,現在の頁,指定頁)等の一般的な設定項目の入力欄の他、ステップS202で選択した文書情報に基づく印刷物の配布対象者を指定する配布対象者指定欄が設けられる。
【0055】
この配布対象指定欄は、配布対象者として、例えば、第一学年〜第六学年の各学年が選択候補として設定され、その中から、所望の配布対象者(学年)を選択指定する機能を有するコンボ・ボックス(CMBと略称)を備えて成る。
【0056】
これにより、ユーザ(先生)は、例えば、第一学年のあるクラスに配布する配布文書を印刷する場合に、上記ステップS202でその配布文書の元原稿に当たる文書情報を選択し、上記ステップS203で印刷部数として該クラスの生徒の人数(例えば、40人)に対応する印刷部数=40部を指定する等の印刷設定を行った後、更に、配布対象指定欄のコンボ・ボックスを操作して「第一学年」を選択するといった印刷指示操作が可能になる。
【0057】
一方、アプリケーション部141では、印刷設定画面125上の配布対象指定欄を用いて行われる配布対象指定操作を監視して該配布対象者の指定(例えば、コンボ・ボックスを用いて選択された配布対象者を示すコード情報)を受付け(ステップS204)、該受付けた配布対象者の情報(識別コード)を、文書変換制御情報管理TB131の検索キーとして保持する。
【0058】
上記ステップS202、S203及びS204での文書情報の選択、印刷設定及び配布対象指定の受付処理を続けながら、アプリケーション部141は、印刷設定画面125上で「開始」ボタンを押下する等の印刷開始指示操作が行われたか否かを監視する(ステップS205)。
【0059】
この間、印刷開始指示操作が行なわれると(ステップS205YES)、印刷ジョブ生成部142は、上記ステップS202で選択された文書情報を上記ステップS203で指定された印刷設定で印刷する処理命令を含む印刷ジョブの生成準備を行う。
【0060】
その際、印刷設定と共に、配布対象の指定があるか否か(配布対象者の識別コードが保持されているか否か)をチェックし(ステップS206)、配布対象指定がないと判別された場合(ステップS206NO)は、通常の印刷制御(ステップS221)を行う。
【0061】
この通常の印刷制御において、印刷ジョブ生成部142は、上記ステップS202で選択された文書情報を基に印刷データを生成すると共に、該印刷データと印刷部数を40部とする処理命令を含む印刷ジョブを生成してプリンタ20に送出し、該プリンタ20に該印刷ジョブに基づき印刷物(文書情報に対応する画像)を指定部数(40部)分印刷出力させる。
【0062】
これに対し、配布対象指定があると判別された場合(ステップS206YES)は、保持している配布対象者の情報(識別コード)をキーに文書変換制御情報管理TB131中の当該配布対象者に対応する文字大きさ情報を検索し、該文字大きさ情報を基に文字の大きさを判別する(ステップS207)。
【0063】
次いで、文書変換処理部143は、印刷指示された(上記ステップS202で選択された)文書情報を読み出して、該文書情報を、上記ステップS207で判別した文字大きさ情報に対応する大きさの文字から成る文書情報に変換し(ステップS208)、所定の作業エリアに格納する。
【0064】
引き続き、文書変換処理部143は、上記ステップS207で判別した文字の大きさと、上記ステップS203での印刷設定で指定された用紙サイズとに基づき、1行あたりの文字数(改行する文字数:改行文字数)を算出する(ステップS209)。
【0065】
その後、文書変換処理部143は、上記作業エリアに格納されている、文字の大きさ変換済の文書情報を一文字ずつ順に読出して、文字数をカウントし(ステップS210)、該カウント値(=1)を文字数nに加算することにより、該文字数nを更新する(ステップS211)。
【0066】
次いで、文書変換処理部143は、今回読み出した文字が句読点であるか否かをチェックし(ステップS212)、句読点ではないと判別された場合(ステップS212NO)は、更に、次の文字があるか否かをチェックする(ステップS216)。
【0067】
ここで、次の文字がある旨が判別された場合(ステップS216YES)は、次の文字を読出して文字数をカウントする処理(ステップS210)に進み、引き続き、ステップS211以降の処理を続行する。
【0068】
この間、読み出した文字が句読点であると判別された場合(ステップS212YES)、文書変換処理部143は、更に、現時点の文字数nが、上記ステップS209で算出した改行文字数よりも大きいか否かをチェックする(ステップS213)。
【0069】
ここで、現時点の文字数nが改行する文字数よりも大きくないと判定された場合(ステップS213NO)は、句読点ではないと判別された場合(ステップS212NO)と同様、次の文字があるか否かをチェックし(ステップS216)、次の文字がある旨が判別された場合(ステップS216YES)は、ステップS210以降の処理を続行する。
【0070】
これに対し、現時点の文字数nが改行する文字数よりも大きいと判定された場合(ステップS213YES)、文書変換処理部143は、当該文字の後に改行を指令する制御情報を挿入する(ステップS214)と共に、文字数nを、現時点の文字数nから改行する文字数を減算して算出した、改行後の余り文字数n0に更新する(ステップS215)。
【0071】
その後、文書変換処理部143は、次の文字があるか否かをチェックし(ステップS216)、次の文字がある旨が判別されている間(ステップS216YES)は、ステップS210以降の処理を続行する。
【0072】
そして、当該処理の続行中、次の文字がないと判別された場合(ステップS216NO)は、文書変換処理の終了を印刷ジョブ生成部142に通知する。
【0073】
印刷ジョブ生成部142は、文書変換処理終了の旨の通知を受けると、上記ステップ214で改行文字数毎に改行が挿入された文書情報(配布対象者に対応する大きさの文字で、かつ、該文字の大きさに対応する改行文字数で改行するように変換処理された文書情報)を基に印刷データを生成し、該生成した印刷データを基にプリンタ20への印刷指示を行なう(ステップS217)。
【0074】
具体的には、上記の如くに生成した印刷データに、上記ステップS203での印刷設定に基づく処理命令(印刷部数を含む)を付加した印刷ジョブを生成し、該印刷ジョブをプリンタ20に送出する。
【0075】
一方、プリンタ20は、ホスト端末10から印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブ解析部251で該印刷ジョブを解析して該印刷ジョブに含まれる印刷データから印刷イメージデータを生成し、印刷制御部252が該印刷イメージデータを画像形成部23に転送して該印刷イメージデータに基づく画像を記録媒体(用紙)に印刷して出力させる動作を印刷部数に達するまで実行させる。
【0076】
その際、ホスト端末10から受信した印刷ジョブに含まれる印刷データは、ホスト端末10の文書変換処理部143による文書変換処理(図6のステップS206YES〜S216参照)後の文書情報(ステップS203で選択された文書情報を、ステップS204で指定された配布対象者に対応して文書変換制御情報管理TB131に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行されるように変換した文書情報)を基に印刷ジョブ生成部142により生成された印刷データである。
【0077】
これにより、プリンタ20における当該印刷データに基づく印刷出力結果は、ユーザが、ホスト端末10で、配布対象者を指定して印刷指示した文書情報に対して、上記ステップS206〜S216での文書変換処理が反映された文書内容(配布対象者に対応付けられた文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書内容)画像が形成されたものとなる。
【0078】
図8は、ホスト端末10の印刷処理(図6参照)に基づくプリンタ20での印刷出力例を示す概念図である。
【0079】
図8の印刷出力例は、ユーザにより印刷指示される文書情報が、いずれも、「朝礼では、校歌をせい唱する。つづいて、校長先生のあいさつがある。」という内容の文書情報aである場合の例であるが、その際にユーザが指定する配布対象者がそれぞれ異なるものである。
【0080】
図8(a)は、ホスト端末10において、ユーザが文書情報aの印刷指示に際して配布対象者として第一学年を指定した場合における印刷出力例を示している。
【0081】
この場合、ホスト端末10では、図6のステップS207において、配布対象者=第一学年を基に、該第一学年に対応して文書変換制御情報管理TB131に記憶されている文字の大きさ(=18ポイント)が判別され、同、ステップS208では、文書情報aが各文字が18ポイントの大きさから成る文書情報に変換される。
【0082】
次いで、同、ステップS209〜S216では、上記文字サイズ変換後の文書情報が、当該文字の大きさ(=18ポイント)に対応した改行文字数で改行され、同、ステップS217で、該文字サイズ変換がなされ、かつ、該文字サイズに対応した改行文字数での改行が施された文書情報を基に印刷データが生成されてプリンタ20に対する印刷指示が行なわれる。
【0083】
その結果、プリンタ20では、図8(a)に示すように、文書情報aの文書内容画像が、全ての文字が18ポイントの文字サイズで、かつ、1行が当該18ポイントの文字サイズに対応した改行文字数(この例では、便宜的に、改行文字数を“7”としているが、実際には、文字サイズ=18ポイントと用紙サイズから算出される適宜な文字数となる。)で形成された配布文書231aが指定部数分出力される。
【0084】
図8(b)は、ホスト端末10において、ユーザが文書情報aの印刷指示に際して配布対象者として第三学年を指定した場合における印刷出力例を示している。
【0085】
この場合、ホスト端末10では、図6のステップS207において、配布対象者=第三学年を基に、該第三学年に対応して文書変換制御情報管理TB131に記憶されている文字の大きさ(=14ポイント)が判別され、同、ステップS208では、文書情報aが各文字が14ポイントの大きさから成る文書情報に変換される。
【0086】
次いで、同、ステップS209〜S216では、上記文字サイズ変換後の文書情報が、当該文字の大きさ(=14ポイント)に対応した改行文字数で改行され、同、ステップS217で、該文字サイズ変換がなされ、かつ、該文字サイズに対応した改行文字数での改行が施された文書情報を基に印刷データが生成されてプリンタ20に対する印刷指示が行なわれる。
【0087】
その結果、プリンタ20では、図8(b)に示すように、文書情報aの文書内容画像が、全ての文字が14ポイントの文字サイズで、かつ、1行が当該14ポイントの文字サイズに対応した改行文字数(この例では、便宜的に、改行文字数を“9”としているが、実際には、文字サイズ=14ポイントと用紙サイズから算出される適宜な文字数となる。)で形成された配布文書231bが指定部数分出力される。
【0088】
なお、上記の説明では、文書変換制御情報管理TB131に、各学年に対応する文書変換制御情報として文字大きさ情報のみを登録した例を挙げたが、各学年に対応して、更に、人数を登録し、配布対象者としてある学年を指定すると、印刷指示された文書情報を、該学年に対応する大きさの文字から成り、かつ、該文字の大きさに対応する改行文字数を有する文書情報に変換して、当該学年に対応して登録される人数に相当する部数の配布文書を印刷出力するようにしても良い。
【0089】
この場合、使い勝手を考えると、各学年をクラスに分けて該各クラス別の人数を登録し、配布対象者としてある学年のあるクラスを指定すると、印刷指示された文書情報を、該学年に対応する大きさの文字から成り、かつ、該文字の大きさに対応する改行文字数を有する文書情報に変換して、当該クラスの人数に相当する部数の配布文書を印刷出力する運用も可能である。
【0090】
このように、実施例1に係わるホスト端末10(情報処理端末)は、配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該文書情報を、当該配布対象者に対応して保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換して、プリンタ20から印刷出力させる印刷制御機能を有する。
【実施例2】
【0091】
実施例2に係わる印刷システムは、実施例1に係わるホスト端末10と同等の機能ブロック構成を有するホスト端末10Bとプリンタ20を伝送路30により接続して構成される(接続関係は図1と同等)。
【0092】
但し、本実施例に係わるホスト端末10Bが、実施例1に係わるホスト端末10(図2参照)と異なる点としては、まず、記憶部13に設けられる文書変換制御情報管理TB131(以下、便宜的に131bと呼称)に、例えば、図9に示す如く、配布対象者である小学校第一学年〜第六学年に対応して、任意の語句(「校歌」,「校長先生」,「せい唱」等)と、該語句の意味を表す意味表現語句(「学校のうた」,「きむら先生」,「うたう」等)の情報を登録している。
【0093】
また、ホスト端末10Bにおいて、文書変換処理部143(以下、便宜的に143bと呼称)は、ある学年を配布対象者として指定する文書情報の印刷指示を受付けた際、該文書情報を、該学年に対応して文書変換制御情報管理TB131bに保持される語句を、該語句に対応して文書変換制御情報管理TB131bに保持される意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する処理機能を有する。
【0094】
次に、本実施例に係わる印刷システムのホスト端末10Bにおける印刷処理動作について図10に示すフローチャートを参照して詳述する。
【0095】
図10において、実施例1に係わるホスト端末10による図6中の処理と同一の処理には同一のステップ符号を付している。
【0096】
図10に示すように、ホスト端末10Bにおいて、アプリケーションを起動(ステップS201)した後、文書情報の選択(ステップS202)、印刷設定(ステップS203)及び配布対象指定(ステップS204)の各処理を受付けながら、印刷開始指示操作(ステップS205YES)を待って、配布対象の指定があるか否かチェックし(ステップS206)、配布対象指定がないと判別された場合(ステップS206NO)には通常の印刷制御を行う(ステップS221)処理の流れは実施例1と同様である。
【0097】
これに対し、配布対象指定があると判別された場合(ステップS206YES)は、ホスト端末10Bでは、以下のステップS231〜S237に示す、本実施例特有の文書変換処理を行う。
【0098】
すなわち、本実施例のホスト端末10Bでは、印刷開始指示操作(ステップS205YES)後、配布対象指定があると判別されると(ステップS206YES)、文書変換処理部143bは、まず、文書変換制御情報管理TB131bに当該配布対象者(識別コード)に対応して格納されている語句を読出し、該読み出した語句を比較照合情報エリアに保持する(ステップS231)。
【0099】
次いで、文書変換処理部143bは、上記ステップS202で選択された文書情報を図示しないファイル管理エリアから読出し、該文字情報を所定の作業エリアに保持する(ステップS232)。
【0100】
引き続き、文書変換処理部143bは、上記作業エリアに保持された文書情報の全ての語句を抽出し(ステップS233)、全ての語句を抽出した後、該抽出した語句を1つずつ順に読み出し(ステップS234)、該読み出した語句と上記ステップS231で比較照合情報エリアに保持されている全ての語句と比較照合し、一致するものがあるか否かによって、当該印刷指示された文書情報から抽出した当該語句が文書変換制御情報管理TB131bに事前登録されている語句(登録済の語句)であるか否かをチェックする(ステップS235)。
【0101】
ここで、印刷指示された文書情報から抽出した当該語句が登録済の語句ではないと判別された場合(ステップS235NO)、ステップS237の処理へと進む。
【0102】
これに対し、印刷指示された文書情報から抽出した当該語句が登録済の語句であると判別された場合(ステップS235YES)、文書変換処理部143bは、該語句に対応して文書変換制御情報管理TB131bに格納されている意味表現語句(該語句の意味を別の表現で表す語句)を読み出すと共に、印刷指示された文書情報を、該文書情報中の上記登録済の語句を、上記読み出した意味表現語句に置き換えた文書内容に変換する(ステップS236)。
【0103】
なお、ここで、登録済の語句に対して複数の意味表現語句が登録されている場合〔例えば、図9示す文書変換制御情報管理TB131b中、第一学年に対応して登録される語句「せい唱」と、意味表現語句「うたう,うたい,うたった,…」の関係〕は、これら登録済の全語句を選択候補として表示し、その中から、ユーザに所望の語句を選択させるようにすることができる。
【0104】
上記ステップS236での文書変換処理後、引き続き、文書変換処理部143bは、次の語句があるか否かをチェックし(ステップS237)、次の語句がある場合(ステップS2373YES)、ステップS234に戻って該語句を読み出し、以後、ステップS235以降の処理を続行する。
【0105】
このように、ステップS234〜S237の処理を経て、印刷指示された文書情報から、この時の配布対象者に対応する登録済の語句が抽出される毎に、該文書情報を、当該文書情報中の登録済の語句を、該語句に対応して登録されている意味表現単語に置き換えた文書情報に変換する処理を続けるうちに、当該処理対象の語句がなくなったと判別された場合(ステップS237YES)、文書変換処理の終了を印刷ジョブ生成部142に通知する。
【0106】
印刷ジョブ生成部142は、文書変換処理終了の旨の通知を受けると、上記ステップ236で、登録済の語句を、該語句に対応して登録されている意味表現語句に置き換え変換処理した文書情報を基に印刷データを生成し、該生成した印刷データを基にプリンタ20への印刷指示を行なう(ステップS217b)。
【0107】
具体的には、上記の如くの処理により生成した印刷データに、上記ステップS203での印刷設定に基づく処理命令(印刷部数を含む)を付加した印刷ジョブを生成し、該印刷ジョブをプリンタ20に送出する。
【0108】
一方、プリンタ20は、ホスト端末10Bから印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブ解析部251で該印刷ジョブを解析して該印刷ジョブに含まれる印刷データから印刷イメージデータを生成し、印刷制御部252が該印刷イメージデータを画像形成部23に転送して該印刷イメージデータに基づく画像を記録媒体(用紙)に印刷して出力させる動作を印刷部数に達するまで実行させる。
【0109】
その際、ホスト端末10Bから受信した印刷ジョブに含まれる印刷データは、ホスト端末10Bの文書変換処理部143bによる文書変換処理(図9のステップS206〜S237参照)後の文書情報(ステップS203で選択された文書情報を、該文書情報中のステップS204で指定された配布対象者に対応して文書変換制御情報管理TB131bに保持される語句を、該語句に対応して登録されている意味表現語句に置き換え変換処理した文書情報)を基に印刷ジョブ生成部142により生成されたものである。
【0110】
これにより、プリンタ20における当該印刷データに基づく印刷出力結果は、ユーザが、ホスト端末10Bで、配布対象者を指定して印刷指示した文書情報に対して、上記ステップS206〜S237での文書変換処理が反映された文書内容(該文書情報中の配布対象者に対応する語句が、当該語句に対応して登録されている意味表現語句に置き換えられた文書内容)画像が形成されたものとなる。
【0111】
図11は、ホスト端末10Bの印刷処理(図10参照)に基づくプリンタ20での印刷出力例を示す概念図である。
【0112】
図11において、同図(a)は、ホスト端末10Bにおいて、ユーザが、「朝礼では、校歌をせい唱する。つづいて、校長先生のあいさつがある。」という内容の文書情報aの印刷指示に際して配布対象者として第六学年を指定した場合における印刷出力例を示している。
【0113】
この場合、文書変換制御情報管理TB131b(図9参照)には、配布対象者である第六学年に対応して当該文書情報a中のいずれの語句に対応する意味表現語句も登録されていないため、ホスト端末10Bでは、図10のステップS236での文書変換処理は行われず、同、ステップS217bでは、文書情報aから生成された印刷データに基づく印刷指示がプリンタ20に対してなされ、その結果、プリンタ20では、図11(a)に示すように、文書情報aのオリジナルの文書内容画像が形成された配布文書233aが指定印刷部数分印刷出力される。
【0114】
図11(b)は、ホスト端末10Bにおいて、ユーザが文書情報aの印刷指示に際して配布対象者として第一学年を指定した場合における印刷出力例を示している。
【0115】
この場合、文書変換制御情報管理TB131b(図9参照)には、配布対象者である第一学年に対応して、当該文書情報a中の「朝礼」、「校歌」、「せい唱」、「校長先生」及び「あいさつ」の各語句が登録されており、これら語句には、それぞれ、「あさのあつまり」、「学校のうた」、「うたい、うたう,うたって,…」、「きむら先生」及び「おはなし」という意味表現語句が登録されている。
【0116】
これにより、配布対象者として第一学年を指定した文書情報aの印刷指示に際し、ホスト端末10Bでは、図10のステップS235で「朝礼」、「校歌」、「せい唱」、「校長先生」及び「あいさつ」の各語句が登録済と判別され、同、ステップS236では、これら各語句が、それぞれ、「あさのあつまり」、「学校のうた」、「うたう」、「きむら先生」及び「おはなし」という意味表現語句に変換され、同、ステップS217bでは、文書情報a中の第一学年に対応して登録済みの上記各語句が、該各語句に対応する各意味表現語句に変換された文書情報を基に生成された印刷データに基づく印刷指示がプリンタ20に対して行なわれる。
【0117】
その結果、プリンタ20では、図11(b)に示すように、文書情報aに元々あった「朝礼」、「校歌」、「せい唱」、「校長先生」及び「あいさつ」の各語句が、それぞれ、これら各語句に対応する意味表現語句「あさのあつまり」、「学校のうた」、「うたう」、「きむら先生」及び「おはなし」に変換されて、「あさのあつまりでは、学校のうたをうたう。つづいて、きむら先生のおはなしがある。」という文書内容画像から成る配布文書233bが指定印刷部数分印刷出力される。
【0118】
図11(c)は、ホスト端末10Bにおいて、ユーザが文書情報aの印刷指示に際して配布対象者として第二学年を指定した場合における印刷出力例を示している。
【0119】
この場合、文書変換制御情報管理TB131b(図9参照)には、配布対象者である第二学年に対応して、当該文書情報a中の「朝礼」、「校歌」、「せい唱」の各語句が登録されており、これら語句には、それぞれ、「朝のしゅう会」、「“学びや”」、「みんなで歌い、みんなで歌う,みんなで歌って,…」という意味表現語句が登録されている。
【0120】
これにより、配布対象者として第二学年を指定した文書情報aの印刷指示に際し、ホスト端末10Bでは、図10のステップS235で「朝礼」、「校歌」、「せい唱」の各語句が登録済と判別され、同、ステップS236では、これら各語句が、それぞれ、「朝のしゅう会」、「“学びや”」、「みんなで歌う」という意味表現語句に変換され、同、ステップS217bでは、文書情報a中の第二学年に対応して登録済みの上記各語句が、該各語句に対応する各意味表現語句に変換された文書情報を基に生成された印刷データに基づく印刷指示がプリンタ20に対して行なわれる。
【0121】
その結果、プリンタ20では、図11(c)に示すように、文書情報aに元々あった「朝礼」、「校歌」、「せい唱」の各語句が、それぞれ、これら各語句に対応する意味表現語句「朝のしゅう会」、「“学びや”」、「みんなで歌う」に変換されて、「朝のしゅう会では、“学びや”をみんなで歌う。つづいて、校長先生のあいさつがある。」という文書内容画像から成る配布文書233bが指定印刷部数分印刷出力される。
【0122】
このように、実施例2に係わるホスト端末10B(情報処理端末)は、配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該文書情報を、当該配布対象者に対応して保持される語句を、該語句に対応して保持される意味表現語句に置き換えた文書情報に変換して、プリンタ20により印刷出力させる印刷制御機能を有する。
【実施例3】
【0123】
図12は、実施例3に係わる印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0124】
この印刷システムは、ホスト端末10C、プリンタ20及び印刷サーバ50をLANケーブル等の伝送路30を介して接続して構成される。
【0125】
本実施例において、ホスト端末10Cは、PC等によって実現され、例えば、図12に示すように、実施例1に係わるホスト端末10から、文書変換制御情報管理TB131、文書変換処理部143、文書変換制御情報管理部144の各機能を取り去った構成を有する。
【0126】
かかる構成において、ホスト端末10Cは、実施例1と同様、アプリケーション部141によりアプリケーションを起動し、文書を選択して編集画面上に表示し、印刷設定画面125(図8参照)を用いて印刷設定を行なう際、必要に応じて、配布対象指定欄中のコンボ・ボックスを操作して該文書情報に基づく配布対象者を指定できるようになっている。
【0127】
その後、印刷開始操作がなされると、印刷ジョブ生成部142は、該文書情報に基づき生成した印刷データと上記印刷設定に基づく処理命令を含む印刷ジョブを生成する。その際、上記印刷設定時に配布対象指定が受付けられている場合は、該指定された配布対象者の情報を上記印刷ジョブに付加して印刷サーバ50に送信する。
【0128】
すなわち、本実施例に係わるホスト端末10Cは、印刷サーバ50に対して、配布対象者を指定した文書の印刷指示を行う印刷指示機能を有する。
【0129】
一方、印刷サーバ50は、コンピュータ等の情報処理装置により実現され、例えば、図13に示すように、伝送路30を介してホスト端末10Cやプリンタ20と通信する際の通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部51、動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部53、装置全体の制御を行う制御部55を具備して構成される。
【0130】
印刷サーバ50において、記憶部53には、文書変換制御情報管理テーブル(TB)531が設けられる。文書変換制御情報管理TB531には、実施例1に係わるホスト端末10の記憶部13に設けられる文書変換制御情報管理TB131(図4参照)と同等の情報が格納されている。
【0131】
また、印刷サーバ50の制御部55には、印刷ジョブ(JOB)送受信部551、印刷制御部552、文書変換処理部553及び文書変換制御情報管理部554が設けられる。
【0132】
印刷ジョブ(JOB)送受信部551は、ホスト端末10Cから送出される印刷ジョブの受信と、プリンタ20に対する印刷ジョブの送信を通信 I/F部51を介して行なう。
【0133】
印刷制御部552は、ホスト端末10Cから受信した印刷ジョブに基づく通常の印刷制御の他、該受信した印刷ジョブに配布対象者の情報が含まれるか否かにより配布対象者指定があるか否かを判別し、配布対象指定がある場合は、該印刷ジョブ中の印刷データ(印刷指示された文書情報)を文書変換処理部553により文書変換処理して得られる文書情報を基に印刷データを生成して印刷指示する処理機能を有する。
【0134】
文書変換処理部553は、実施例1に係わるホスト端末10における文書変換処理部143と同等の機能を有するものであり、ホスト端末10Cからの受信印刷ジョブに配布対象指定が付加されている場合、該受信印刷ジョブ中の印刷データ(印刷指示された文書情報)を、配布対象者に対応して文書変換制御情報管理TB131に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する処理機能を有する。
【0135】
文書変換制御情報管理部554は、文書変換制御情報管理TB531に保持されている文書変換制御情報の登録と更新に関する管理処理を、例えば、ホスト端末10Bの制御部14cと協働して実施する。
【0136】
この文書変換制御情報の登録(更新)処理について、図5を援用して簡単に説明する。
【0137】
本実施例において、ホスト端末10Cは、図5におけるステップS103で文書変換制御情報の登録開始指示があると、制御部14cが、印刷サーバ50に対して文書変換制御情報の取得要求を送出し、他方、印刷サーバ50では、該取得要求を受信すると、文書変換制御情報管理部554が、文書変換制御情報管理TB531に保持されている文書変換制御情報を読出してホスト端末10Cに送出する。
【0138】
これにより、ホスト端末10Cでは、印刷サーバ50から送出される文書変換制御情報を受信して一覧表示し(ステップS105)、登録情報(あるいは、変更情報)の入力を受付ける(ステップS107、S109)。
【0139】
ここで、登録情報(あるいは、変更情報)の入力があると(ステップS109YES)、ホスト端末10Cの制御部14cは、印刷サーバ50に対して、当該入力された情報とその登録要求を送出し、他方、印刷サーバ50では、該登録要求を受信すると、文書変換制御情報管理部554が、該登録要求と共に送られている入力情報を文書変換制御情報管理TB531に登録する(あるいは、上書きして更新する)。
【0140】
次に、本実施例に係わる印刷サーバ50の印刷処理動作について、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
【0141】
図14に示すように、印刷サーバ50では、待機中、ホスト端末10Cから印刷ジョブを受信したか否かを監視している(ステップS301)。
【0142】
ここで、印刷ジョブ送受信部551を通じて印刷ジョブが受信されると(ステップS301YES)、印刷制御部552は、該印刷ジョブに付加して、配布対象の指定があるか否か(配布対象者の識別コードが保持されているか否か)をチェックし(ステップS302)、配布対象指定がないと判別された場合(ステップS302NO)は、通常の印刷制御(ステップS321)を行う。
【0143】
これに対して、上記ステップS302において、配布対象指定があると判別された場合(ステップS302YES)、保持している配布対象者の情報(識別コード)をキーに文書変換制御情報管理TB531中の当該配布対象者に対応する文字大きさ情報を検索し、該文字大きさ情報を基に文字の大きさを判別する(ステップS303)。
【0144】
これ以後、印刷サーバ50では、印刷制御部552と文書変換処理部553とが協働し、例えば、文書変換処理部553が、受信した印刷ジョブ中の印刷データ(ホスト端末10Cで印刷指示された文書情報に相当)を、ホスト端末10Cから指定された配布対象者に対応して文書変換制御情報管理TB531に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する一方で、印刷制御部552が、該変換処理後の文書情報を基に印刷データを生成してプリンタ20に印刷指示することにより、該プリンタ20に、ホスト端末10Cから指定された配布対象者に対応付けられた文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書内容画像が形成された配布文書を指定部数分印刷出力させるように制御する(ステップS304〜S313)。
【0145】
このステップS303〜S313での一連の文書変換/印刷制御は、実施例1に係わるホスト端末10における、図6のステップS207〜S217に示した一連の処理と同様であるため、ここでの詳しい説明は割愛する。
【0146】
このように、実施例3では、ホスト端末10Cからの配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該文書情報を、当該配布対象者に対応して保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換して、プリンタ20から印刷出力させる印刷制御機能を印刷サーバ50(印刷制御装置)に設ける。
【実施例4】
【0147】
実施例4に係わる印刷システムは、実施例3に係わるホスト端末10Cと、プリンタ20と、実施例3に係わる印刷サーバ50と同等の機能ブロック構成を有する印刷サーバ50Bとを伝送路30により接続して構成される(接続関係は図12と同等)。
【0148】
但し、本実施例に係わる印刷サーバ50Bが、実施例3に係わる印刷サーバ50(図13参照)と異なる点としては、まず、記憶部53に設けられる文書変換制御情報管理TB531(以下、便宜的に531bと呼称)に、例えば、図9に示す如く、配布対象者である小学校第一学年〜第六学年に対応して、任意の語句(「校歌」,「校長先生」,「せい唱」等)と、該語句の意味を表す意味表現語句(「学校のうた」,「きむら先生」,「うたう」等)の情報を登録している。
【0149】
また、本実施例の印刷サーバ50Bにおいて、文書変換処理部553(以下、便宜的に553bと呼称)は、ホスト端末10Cでのある学年を配布対象者として指定する文書情報の印刷指示に基づく印刷ジョブを受信した際、該受信した印刷ジョブ中の印刷データ(ホスト端末10Cで印刷指示した文書情報に相当)を、該学年に対応して文書変換制御情報管理TB531bに保持される語句を、該語句に対応して文書変換制御情報管理TB531bに保持される意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する処理機能を有する。
【0150】
この文書変換処理部553bの文書変換処理は、例えば、実施例2に係わるホスト端末10Bにおける、図10のステップS206YES→S231〜S237に示す一連の処理と同様の処理により実現できる。
【0151】
これにより、本実施例に係わる印刷システムでは、ホスト端末10Cでのユーザ(先生)によるある学年を指定した文書情報の印刷指示に基づく印刷ジョブを受信した際、印刷サーバ50Bでは、文書変換処理部553bが、該印刷ジョブ中の印刷データ(ホスト端末10Cから印刷指示された文書情報に相当)を、配布対象者として指定された学年に対応して文書変換制御情報管理TB531bに保持される語句を、該語句に対応して文書変換制御情報管理TB531bに保持される意味表現語句に置き換えた文書情報に変換し、印刷制御部552が、該変換処理後の文書情報を基に、該文書情報中の当該学年に対応して事前に登録された語句が、該語句に対応して事前登録されている意味表現語句に置き換えられた文書内容画像から成る配布文書をプリンタ20から印刷出力させる。
【0152】
このように、実施例4では、ホスト端末10Cからの配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該文書情報を、当該配布対象者に対応して保持される語句を、該語句に対応して保持される意味表現語句に置き換えた文書情報に変換して、プリンタ20により印刷出力させる印刷制御機能を印刷サーバ50B(印刷制御装置)に設ける。
【実施例5】
【0153】
図15は、実施例5に係わる印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0154】
この印刷システムは、実施例3及び4に係わるホスト端末10Cと、本実施例特有の構成を有するプリンタ20BをLANケーブル等の伝送路30を介して接続して構成される。
【0155】
プリンタ20Bには、上記各実施例に係わるプリンタ20(図3参照)にはない構成要素として、記憶部22に設けられる文書変換制御情報管理テーブル(TB)221と、制御部25に設けられる印刷制御部252b、文書変換処理部253及び文書変換制御情報管理部253を備える。
【0156】
文書変換制御情報管理TB221は、例えば、実施例3に係わる印刷サーバ50における文書変換制御情報管理TB531と同等の文書変換制御情報(図4参照)を保持する。
【0157】
また、印刷制御部252b、文書変換処理部253、文書変換制御情報管理部254も、それぞれ、実施例3に係わる印刷サーバ50における印刷制御部552、文書変換処理部553、文書変換制御情報管理部554と同等のものである。
【0158】
かかる構成において、プリンタ20Bは、ホスト端末10Cから印刷ジョブを受信すると、印刷制御部252bが、該印刷ジョブに付加して配布対象の指定があるか否か(配布対象者の識別コードが保持されているか否か)をチェックし、配布対象指定があると判別された場合は、文書変換処理部253が、保持している配布対象者の情報(識別コード)をキーに文書変換制御情報管理TB221中の当該配布対象者に対応する文字大きさ情報を検索し、該文字大きさ情報を基に文字の大きさを判別する(実施例3に係わる印刷サーバ50での図14のステップS302,S303の処理と同等)。
【0159】
これ以後、プリンタ20Bでは、印刷制御部252bと文書変換処理部253とが協働し、例えば、文書変換処理部253が、受信した印刷ジョブ中の印刷データ(ホスト端末10Cで印刷指示された文書情報に相当)を、ホスト端末10Cから指定された配布対象者に対応して文書変換制御情報管理TB221に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する(実施例3に係わる印刷サーバ50での図14のステップS304〜S312の処理と同等の処理により可能)一方で、印刷制御部252bが、該変換処理後の文書情報を基に印刷データを生成して画像形成部23に送り、該画像形成部23で、ホスト端末10Cから指定された配布対象者に対応付けられた文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書内容画像が形成された配布文書を指定部数分印刷出力させるように制御する。
【0160】
このように、実施例5では、実施例3に係わる印刷サーバ50に準じた印刷制御機能、すなわち、ホスト端末10Cからの配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該文書情報を、当該配布対象者に対応して保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換して印刷出力させる印刷制御機能をプリンタ20B(画像形成装置)に設ける。
【実施例6】
【0161】
実施例6に係わる印刷システムは、実施例3乃至5に係わるホスト端末10Cと、実施例5に係わるプリンタ20Bと同等の機能ブロック構成を有するプリンタ20Cを伝送路30により接続して構成される(接続関係は図15と同等)。
【0162】
但し、本実施例に係わるプリンタ20Cが、実施例5に係わるプリンタ20B(図15参照)と異なる点としては、まず、記憶部22に設けられる文書変換制御情報管理TB221(以下、便宜的に221cと呼称)に、例えば、図9に示す如く、配布対象者である小学校第一学年〜第六学年に対応して、任意の語句(「校歌」,「校長先生」,「せい唱」等)と、該語句の意味を表す意味表現語句(「学校のうた」,「きむら先生」,「うたう」等)の情報を登録している。
【0163】
また、本実施例のプリンタ20Cにおいて、文書変換処理部253(以下、便宜的に253cと呼称)は、ホスト端末10Cでのある学年を配布対象者として指定する文書情報の印刷指示に基づく印刷ジョブを受信した際、該受信した印刷ジョブ中の印刷データ(ホスト端末10Cで印刷指示した文書情報に相当)を、該学年に対応して文書変換制御情報管理TB221cに保持される語句を、該語句に対応して文書変換制御情報管理TB221cに保持される意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する処理機能を有する。
【0164】
この文書変換処理部253cの文書変換処理は、例えば、実施例4に係わる印刷サーバ50Bでの文書変換処理(すなわち、実施例2に係わるホスト端末10Bにおける、図10のステップS206YES→S231〜S237に示す一連の処理と同様の処理)により実現できる。
【0165】
かかる構成において、プリンタ20Cは、ホスト端末10Cから印刷ジョブを受信すると、印刷制御部252bが、該印刷ジョブに付加して配布対象の指定があるか否か(配布対象者の識別コードが保持されているか否か)をチェックし、配布対象指定があると判別された場合は、文書変換処理部253cが、保持している配布対象者の情報(識別コード)をキーに文書変換制御情報管理TB221cを検索して、該配布対象者に対応して登録されている語句を読み出す(図10のステップS206,S231の処理と同等)。
【0166】
これ以後、プリンタ20Cでは、印刷制御部252bと文書変換処理部253cとが協働し、例えば、文書変換処理部253cが、受信した印刷ジョブ中の印刷データ(ホスト端末10Cで印刷指示された文書情報に相当)を、配布対象者として指定された学年に対応して文書変換制御情報管理TB221cに保持される語句を、該語句に対応して文書変換制御情報管理TB221cに保持される意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する(図10のステップS232〜S237の処理と同等の処理により可能)一方で、印刷制御部252bが、該変換処理後の文書情報を基に印刷データを生成して画像形成部23に送り、該画像形成部23で、該文書情報中の当該学年に対応して事前に登録された語句が、該語句に対応して事前登録されている意味表現語句に置き換えられた文書内容画像から成る配布文書を指定部数分印刷出力させるように制御する。
【0167】
このように、実施例6では、実施例4に係わる印刷サーバ50Bに準じた印刷制御機能、すなわち、ホスト端末10Cからの配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該文書情報を、当該配布対象者に対応して保持される語句を、該語句に対応して保持される意味表現語句に置き換えた文書情報に変換して印刷出力させる印刷制御機能をプリンタ20C(画像形成装置)に設ける。
【0168】
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0169】
例えば、上記各実施例では、学校で配布する配布文書を印刷するシステムを前提に、小学校の第一学年〜第六学年のいずれかを配布対象者として指定し、実施例1,3及び5では、該配布対象者に対応して登録される文字の大きさを持つ文書情報内容画像から成る配布文書を印刷出力し、実施例2,4及び6では、該配布対象者に対応して登録される語句を対応する意味表現語句に変換した文書情報内容画像から成る配布文書を印刷出力する例を挙げたが、配布対象者の種別はこれに限るものではなく、また、文書変換方法も、文字の大きさの変換や、語句を意味表現語句に変換するものに限るものではない。
【0170】
要は、本発明は、印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に適用する制御情報を情報保持手段に保持し、印刷物の配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して情報保持手段に保持される制御情報に基づいて当該文書情報を変換したうえで、該変換処理後の文書情報に基づき印刷装置に対する印刷指示を行なう情報処理装置、印刷制御装置、画像形成装置及び印刷システム全般に適用できる。
【0171】
また、上記実施例では、ホスト端末10,10B、印刷サーバ50,50Bあるいはプリンタ20B,20C(以上、コンピュータ)に印刷制御プログラムを実装し、該プログラムに基づき、該コンピュータを、印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に適用する制御情報を保持する情報保持手段と、印刷物の配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して情報保持手段に保持される制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、前記変換手段による変換処理後の前記文書情報に基づき印刷装置に対する印刷指示を行なう印刷指示手段ととして機能させるようにしているが、当該印刷制御プログラムをCDROM等の記憶媒体に格納して提供するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明は、PC、PCに接続される印刷サーバやプリンタ、PC及びプリンタと印刷サーバを接続した印刷システム、PCや印刷サーバあるいはプリンタに実装する印刷制御プログラムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】実施例1に係わる印刷システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】実施例1に係わるホスト端末の機能構成を示すブロック図。
【図3】プリンタの機能構成を示すブロック図。
【図4】実施例1に係わる文書変換制御情報管理テーブルの登録情報の一例を示す表図。
【図5】実施例1のホスト端末の文書変換制御情報登録処理動作を示すフローチャート。
【図6】実施例1に係わるホスト端末の印刷処理動作を示すフローチャート。
【図7】印刷設定画面の表示例を示す図。
【図8】実施例1の印刷処理に基づく印刷出力の一例を示す図。
【図9】実施例2に係わる文書変換制御情報管理テーブルの登録情報の一例を示す表図。
【図10】実施例2に係わるホスト端末の印刷処理動作を示すフローチャート。
【図11】実施例1の印刷処理に基づく印刷出力の一例を示す図。
【図12】実施例3に係わる印刷システムの全体構成を示すブロック図。
【図13】実施例3に係わる印刷サーバの機能構成を示すブロック図。
【図14】実施例3に係わる印刷サーバの印刷処理動作を示すフローチャート。
【図15】実施例5に係わる印刷システムの全体構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0174】
10,10C…ホスト端末(PC)、11…入力/操作部、12…表示部、125…印刷設定画面、13…記憶部、131,131b…文書変換制御情報管理テーブル(TB)、14,14c…制御部、141…アプリケーション部、142…印刷ジョブ生成部、143…文書変換処理部、144…文書変換制御情報管理部、15…外部インタフェース(I/F)部、15c…通信インタフェース(I/F)部、20,20B…プリンタ、21…外部インタフェース(I/F)部、22…記憶部、221…文書変換制御情報管理テーブル(TB)、23…画像形成部、231a,231b,233a,233b,233c…配布文書、24…表示/操作部、25…制御部、251…印刷ジョブ(JOB)解析部、252,252b…印刷制御部、253…文書変換処理部、254…文書変換制御情報管理部、30…伝送路、50…印刷サーバ、51…通信インタフェース(I/F)部、53…記憶部、531…文書変換制御情報管理テーブル(TB)、55…制御部、551…印刷ジョブ(JOB)送受信部、552…印刷制御部、553…文書変換処理部、554…文書変換制御情報管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する情報保持手段と、
印刷物の配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して前記情報保持手段に保持される前記文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、
前記変換手段による変換処理後の文書情報に基づき印刷装置に対する印刷指示を行なう印刷指示手段と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記文書変換制御情報は、
文字の大きさを示す文字大きさ情報を含み、
前記変換手段は、
前記印刷指示された文書情報を、前記情報保持手段に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記文書変換制御情報は、
語句と、該語句の意味を表す意味表現語句情報を含み、
前記変換手段は、
前記印刷指示された文書情報中の語句を、前記情報保持手段に保持される意味表現語句情報に対応する意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報保持手段に対して前記配布対象者と前記文書変換制御情報を対応付けて登録及び更新処理する処理手段
を具備する請求項1乃至3のいずれか記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置と、
前記情報処理装置及び印刷装置に接続される印刷制御装置と
を有し、
前記情報処理装置は、
前記印刷制御装置に対し、印刷物の配布対象者を指定した文書情報の印刷指示を行う印刷指示手段
を具備し、
前記印刷制御装置は、
印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する情報保持手段と、
前記情報処理装置からの配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して前記情報保持手段に保持される前記文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、
前記変換手段による変換処理後の文書情報に基づき前記印刷装置に対する印刷指示を行なう印刷指示手段と
を具備する印刷システム。
【請求項6】
前記文書変換制御情報は、
文字の大きさを示す文字大きさ情報を含み、
前記変換手段は、
前記印刷指示された文書情報を、前記情報保持手段に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する
請求項5記載の印刷システム。
【請求項7】
前記文書変換制御情報は、
語句と、該語句の意味を表す意味表現語句情報を含み、
前記変換手段は、
前記印刷指示された文書情報中の語句を、前記情報保持手段に保持される意味表現語句情報に対応する意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する
請求項5記載の印刷システム。
【請求項8】
印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する情報保持手段と、
情報処理装置からの配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して前記情報保持手段に保持される前記文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、
前記変換手段による変換処理後の文書情報に基づき印刷装置に対する印刷指示を行なう印刷指示手段と
を具備する印刷制御装置。
【請求項9】
前記文書変換制御情報は、
文字の大きさを示す文字大きさ情報を含み、
前記変換手段は、
前記印刷指示された文書情報を、前記情報保持手段に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する
請求項8記載の印刷制御装置。
【請求項10】
前記文書変換制御情報は、
語句と、該語句の意味を表す意味表現語句情報を含み、
前記変換手段は、
前記印刷指示された文書情報中の語句を、前記情報保持手段に保持される意味表現語句情報に対応する意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する
請求項8記載の印刷制御装置。
【請求項11】
印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する情報保持手段と、
情報処理装置からの配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して前記情報保持手段に保持される前記文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、
前記変換手段による変換処理後の文書情報に基づいて印刷を行う印刷手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項12】
前記文書変換制御情報は、
文字の大きさを示す文字大きさ情報を含み、
前記変換手段は、
前記印刷指示された文書情報を、前記情報保持手段に保持される文字大きさ情報に対応する文字から成り、かつ、1行が当該文字大きさ情報に対応する文字数で改行される文書情報に変換する
請求項11記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記文書変換制御情報は、
語句と、該語句の意味を表す意味表現語句情報を含み、
前記変換手段は、
前記印刷指示された文書情報中の語句を、前記情報保持手段に保持される意味表現語句情報に対応する意味表現語句に置き換えた文書情報に変換する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項14】
コンピュータを、
印刷物の配布対象者に対応して、文書情報の変換に用いる文書変換制御情報を保持する情報保持手段と、
印刷物の配布対象者を指定した文書情報の印刷指示に際し、該指定された配布対象者に対応して前記情報保持手段に保持される前記文書変換制御情報に基づいて当該文書情報を変換する変換手段と、
前記変換手段による変換処理後の文書情報に基づき印刷装置に対する印刷指示を行なう印刷指示手段と
として機能させる印刷制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−117281(P2008−117281A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301663(P2006−301663)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】