説明

情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、画像処理装置、情報処理システム、及び応答処理プログラム

【課題】MFPがプッシュ方式により移行通知を行うことなく、MFPがスリープ状態である間は、画像データの問合せを停止することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置3は、MFP1がスリープ状態でも応答可能なプロトコルに従って生成され、通常状態かを問い合わせるSNMP状態取得要求を送信する第1の要求部41と、通常状態である旨の応答を受信する第1の応答取得部42と、通常状態である旨の応答が受信された場合に、MFP1が新規の画像データを蓄積した状態か否か、及び、MFP1がスリープ状態に移行するか否かを問い合わせるHTTP状態取得要求を送信する第2の要求部43と、スリープ状態に移行する旨の応答をMFP1から受信する第2の応答取得部44とを備え、第1の要求部41は、スリープ状態に移行する旨の応答が受信された場合、SNMP状態取得要求を再び送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置から画像データを取得する情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、該情報処理装置に対応する画像処理装置、該情報処理装置及び画像処理装置を備える情報処理システム、及び応答処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ、FAX等の画像処理装置には、生成されたスキャンデータ、送受信されたFAXデータ等の画像データを自機内のストレージに蓄積するものがある。この種の画像処理装置から画像データを取得する情報処理装置が知られている。例えば、情報処理装置は、画像データが蓄積されたか否かを画像処理装置に問合せ、画像データが蓄積されている場合に、該画像データを要求する。この要求に応じて画像データが情報処理装置に提供される。
【0003】
ところで、画像処理装置には、省電力化のために、スリープ状態に移行するものがある。例えば、下記特許文献1に記載の画像処理装置は、スリープ状態において、パケットを受信する部分を除いて通電が停止される。一方、画像処理装置と接続されたパーソナルコンピュータ(PC)は、一般的に、画像処理装置を監視するために、定期的にSNMPパケットを送信する。特許文献1の画像処理装置は、スリープ状態においてPCからSNMPパケットを受信した場合、応答するために、通常状態に復帰する。
【0004】
上記のように、スリープ状態に移行したにも関わらず、通常状態に復帰すると、省電力効果が低下する。そこで、下記特許文献1の画像処理装置は、電力状態がスリープ状態に移行する際に、その旨の通知をPCに行う。また、画像処理装置は、通常状態に復帰した際に、その旨の通知をPCに行う。このように、画像処理装置が電力状態の移行通知を行うので、PCは、画像処理装置がスリープ状態であることを把握することができる。そして、PCは、画像処理装置がスリープ状態である間は、SNMPパケットの送信を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−102630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、PC等の情報処理装置が、スリープ状態の上記画像処理装置に対して、画像データが蓄積されたか否かを問合せると、画像処理装置は、応答するために通常状態に復帰する。このため、省電力効果が低下する。そこで、上記特許文献1に記載されたように、画像処理装置が、移行通知を情報処理装置に送信することが考えられる。これにより、情報処理装置が、画像処理装置が通常状態であるか否かを把握し、通常状態である場合に、画像データの問合せを行うことができる。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の画像処理装置は、ネットワークに接続された全てのPCに対して、自ら、すなわちプッシュ方式で通知を行っている。SNMPパケットは、一般的に、ネットワークに接続された全てのPCが画像処理装置に送信する。このため、上記特許文献1の画像処理装置は、自機がスリープ状態である間、SNMPパケットの送信を停止させるために、全てのPCに移行通知を送信している。
【0008】
これに対して、上記の画像データの問合せは、ネットワークに接続された全ての情報処理装置(PC)が行うとは限らない。このため、ネットワークに接続された全ての情報処理装置が画像処理装置の移行通知を受信する必要があるわけではない。従って、画像処理装置がスリープ状態である間、画像データの問合せを停止させるために、ネットワークに接続された全てのPCにプッシュ方式で移行通知を行うことは、無駄な処理となる虞がある。
【0009】
そこで本発明は、画像処理装置がプッシュ方式により移行通知を行うことなく、画像処理装置がスリープ状態である間は、画像データの問合せを停止することが可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、該情報処理装置に対応する画像処理装置、該情報処理装置及び画像処理装置を備える情報処理システム、及び応答処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る情報処理装置は、通信制御部が搭載された画像処理装置から画像データを取得するために、画像処理装置に問合せを行う情報処理装置であって、画像処理装置が、通信制御部の一部に対する通電が停止されたスリープ状態であっても、該通信制御部によって応答可能なプロトコルに従って生成され、画像処理装置が、該通信制御部の一部に対して通電されることによりプロトコルを含む複数のプロトコルに対して応答可能な通常状態か否かを問い合わせる第1の状態取得要求を送信する第1の要求部と、画像処理装置が通常状態である場合に、第1の状態取得要求に対して、通常状態である旨の応答を画像処理装置から受信する第1の応答取得部と、通常状態である旨の応答が受信された場合に、画像処理装置が画像データを蓄積した状態か否か、及び、画像処理装置がスリープ状態に移行するか否かを問い合わせる第2の状態取得要求を画像処理装置へ送信する第2の要求部と画像処理装置がスリープ状態に移行する場合に、第2の状態取得要求に対して、スリープ状態に移行する旨の応答を画像処理装置から受信する第2の応答取得部とを備え、第1の要求部は、スリープ状態に移行する旨の応答が受信された場合、第1の状態取得要求を送信することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る情報処理方法は、通信制御部が搭載された画像処理装置から画像データを取得する情報処理装置において、画像処理装置に問合せを行う情報処理方法であって、画像処理装置が、通信制御部の一部に対する通電が停止されたスリープ状態であっても、該通信制御部によって応答可能なプロトコルに従って生成され、画像処理装置が、該通信制御部の一部に対して通電されることによりプロトコルを含む複数のプロトコルに対して応答可能な通常状態か否かを問い合わせる第1の状態取得要求を送信する第1の要求ステップと、画像処理装置が通常状態である場合に、第1の状態取得要求に対して、通常状態である旨の応答を画像処理装置から受信する第1の応答取得ステップと、通常状態である旨の応答が受信された場合に、画像処理装置が画像データを蓄積した状態か否か、及び、画像処理装置がスリープ状態に移行するか否かを問い合わせる第2の状態取得要求を画像処理装置へ送信する第2の要求ステップと、画像処理装置がスリープ状態に移行する場合に、第2の状態取得要求に対して、スリープ状態に移行する旨の応答を画像処理装置から受信する第2の応答取得ステップとを備え、スリープ状態に移行する旨の応答が受信された場合、第1の要求ステップが再び行われることを特徴とする。
【0012】
本発明では、画像処理装置が通常状態か否かを問い合わせる第1の状態取得要求が、情報処理装置から画像処理装置へ送信される。画像処理装置は、スリープ状態であっても第1の状態取得要求に対して通常状態へ復帰せずに応答することができる。よって、情報処理装置は、画像処理装置を復帰させずに、画像処理装置の電力状態を把握することができる。また、情報処理装置から問合せを行うので、画像処理装置がプッシュ方式により移行通知を行う必要もない。そして、画像処理装置が通常状態である場合、第1の状態取得要求に対して、通常状態である旨の応答が、画像処理装置から情報処理装置へ送信される。この場合、画像処理装置が画像データを蓄積した状態か否か、及び、画像処理装置がスリープ状態に移行するか否かを問い合わせる第2の状態取得要求が、情報処理装置から画像処理装置へ送信される。よって、画像処理装置が通常状態である間に、画像データの問合せを行うことができる。一方、画像処理装置がスリープ状態に移行する場合、第2の状態取得要求に対して、スリープ状態に移行する旨の応答が、画像処理装置から情報処理装置へ送信される。このため、情報処理装置は、画像処理装置がスリープ状態に移行する前に、その旨を把握することができる。そして、スリープ状態であっても応答可能な上記の第1の状態取得要求が、再び情報処理装置から画像処理装置へ送信される。すなわち、スリープ状態に移行することが把握された後は、通常状態に復帰させずに、電力状態の問合せを行うように、切り替えられる。従って、画像処理装置がプッシュ方式により移行通知を行うことなく、画像処理装置がスリープ状態である間は、画像データの問合せを停止することが可能となる。
【0013】
本発明に係る情報処理装置では、第2の要求部が、画像処理装置が通常状態である間、第2の状態取得要求を定期的に画像処理装置へ送信し、第2の応答取得部は、第2の状態取得要求に対して、蓄積された画像データの有無、又は、スリープ状態に移行する予定のタイミングを通知する応答を画像処理装置から受信し、第1の要求部は、スリープ状態に移行するタイミングの通知を受信した場合、該タイミングが経過した後に、第1の状態取得要求を送信することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、画像処理装置が通常状態である間は、第2の状態取得要求が、定期的に画像処理装置へ送信される。この定期的な問合せに対して、蓄積された画像データの有無、又は、スリープ状態に移行する予定のタイミングを通知する応答が、画像処理装置から送信される。そして、スリープ状態に移行するタイミングの通知が受信された場合、該タイミングが経過した後に、第1の状態取得要求が画像処理装置に送信される。従って、画像処理装置がスリープ状態に移行するタイミングを把握し、スリープ状態に移行した後に、上記第1の状態取得要求が送信される。すなわち、スリープ状態であっても応答可能な上記の第1の状態取得要求が、再び情報処理装置から画像処理装置へ送信される。従って、情報処理装置は、画像処理装置がスリープ状態に移行するタイミングを把握し、スリープ状態に移行した後は、通常状態に復帰させずに、電力状態の問合せを行うことができる。
【0015】
本発明に係る情報処理装置では、第2の応答取得部が、画像処理装置の通信制御部がロングポーリングを用いて、第2の状態取得要求に対する応答を行う場合、画像処理装置がスリープ状態に移行する際に、第2の状態取得要求に対する応答として、画像処理装置からスリープ状態に移行する旨を受信し、第1の要求部は、スリープ状態に移行する旨が受信された場合、第1の状態取得要求を送信することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、画像処理装置がロングポーリングを用いて第2の応答取得要求に対する応答を行う場合、スリープ状態に移行する際に、その旨が、情報処理装置に送信される。この場合、情報処理装置は、画像処理装置がスリープ状態に移行することを、リアルタイムで把握することができる。そして、第1の状態取得要求が、情報処理装置から画像処理装置へ送信される。すなわち、スリープ状態であっても応答可能な上記の第1の状態取得要求が、再び情報処理装置から画像処理装置へ送信される。従って、情報処理装置は、画像処理装置がスリープ状態に移行するタイミングを把握し、スリープ状態に移行した後は、通常状態に復帰させずに、電力状態の問合せを行うことができる。
【0017】
本発明に係る情報処理装置では、第2の状態取得要求に対する応答として、画像データを蓄積した状態である旨が受信された場合に、画像データを要求するデータ取得要求を画像処理装置へ送信する画像要求部を更に備えることが好ましい。
【0018】
本発明に係る情報処理方法では、画像処理装置がスリープ状態に移行しない場合に、第2の状態取得要求に対して、蓄積された画像データの有無を示す応答を画像処理装置から受信する第3の応答取得ステップと、第3の応答取得ステップにおいて、画像データを蓄積した状態である旨が受信された場合に、画像データを要求するデータ取得要求を画像処理装置へ送信するデータ取得要求ステップとを備えることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、第2の状態取得要求に対する応答として、画像データが蓄積された状態である旨が受信された場合、データ取得要求が、画像処理装置に送信される。画像処理装置は、データ取得要求に応じて画像データを提供するので、情報処理装置は、画像データを取得することができる。
【0020】
本発明に係る画像処理装置は、情報処理装置による問合せに応答し、画像データを該情報処理装置に提供する画像処理装置であって、複数のプロトコルに対応して応答を行うバックエンド部、及び、該バックエンド部が対応可能な複数のプロトコルのうち一部のプロトコルに対応して応答を行うフロントエンド部を有する通信制御部と、バックエンド部に対する通電が停止されると共にフロントエンド部に対して通電されたスリープ状態と、バックエンド部に対して通電された通常状態との間の移行を制御する移行制御部とを備え、フロントエンド部によって応答可能なプロトコルに従って生成され、通常状態か否かを問い合わせる第1の状態取得要求が、スリープ状態において受信された場合、フロントエンド部は、スリープ状態である旨の応答を情報処理装置に返信し、第1の状態取得要求が、通常状態において受信された場合、フロントエンド部は、通常状態である旨の応答を情報処理装置に返信し、画像データを蓄積した状態か否か、及び、スリープ状態に移行するか否かの状態を問い合わせる第2の状態取得要求が、通常状態において受信された場合、バックエンド部は、スリープ状態に移行するときには、スリープ状態に移行する旨の応答を情報処理装置へ返信することを特徴とする。
【0021】
本発明に係る画像処理装置によれば、通常状態か否かを問い合わせる第1の状態取得要求が、スリープ状態において受信された場合、フロントエンド部によってスリープ状態である旨の応答を返信することができる。よって、通常状態に復帰せずに、自機の電力状態を情報処理装置に通知することができる。よって、省電力効果の低下を防止することができる。また、画像データを蓄積した状態か否か、及び、スリープ状態に移行するか否かの状態を問い合わせる第2の状態取得要求が、通常状態において受信された場合、スリープ状態に移行するときには、スリープ状態に移行する旨の応答が返信される。このため、スリープ状態に移行する前に、その旨を情報処理装置に通知することができる。よって、情報処理装置は、スリープ状態に移行することが把握された後は、通常状態に復帰させずに、電力状態の問合せを行うことができる。従って、画像処理装置がプッシュ方式により移行通知を行うことなく、画像処理装置がスリープ状態である間は、画像データの問合せを停止することが可能となる。
【0022】
本発明に係る画像処理装置では、第2の状態取得要求が、通常状態において受信された場合、バックエンド部は、スリープ状態に移行しないときには、蓄積された画像データの有無を示す応答を情報処理装置へ返信することが好ましい。この構成によれば、情報処理装置が、画像処理装置に画像データが蓄積されたことを把握することができる。
【0023】
本発明に係る情報処理システムは、上記いずれかの情報処理装置と、上記の画像処理装置とを備えることを特徴とする。本発明に係る情報処理システムによれば、上記の情報処理装置と、上記の画像処理装置とを備えるので、画像処理装置がプッシュ方式により移行通知を行うことなく、画像処理装置がスリープ状態である間は、画像データの問合せを停止することが可能となる。
【0024】
本発明に係る情報処理プログラムは、コンピュータを上記いずれかの情報処理装置として機能させることを特徴とする。本発明に係る情報処理プログラムによれば、コンピュータを上記の情報処理装置として機能させることができるので、画像処理装置がプッシュ方式により移行通知を行うことなく、画像処理装置がスリープ状態である間は、画像データの問合せを停止することが可能となる。
【0025】
本発明に係る応答処理プログラムは、複数のプロトコルに対応して応答を行うバックエンド部、及び、該バックエンド部が対応可能な複数のプロトコルのうち一部のプロトコルに対応して応答を行うフロントエンド部を有する通信制御部、バックエンド部に対する通電が停止されると共にフロントエンド部に対して通電されたスリープ状態と、バックエンド部に対して通電された通常状態との間の移行を制御する移行制御部、としてコンピュータを機能させ、更に、フロントエンド部によって応答可能なプロトコルに従って生成され、通常状態か否かを問い合わせる第1の状態取得要求が、スリープ状態において受信された場合、フロントエンド部は、スリープ状態である旨の応答を情報処理装置に返信し、第1の状態取得要求が、通常状態において受信された場合、フロントエンド部は、通常状態である旨の応答を情報処理装置に返信し、画像データを蓄積した状態か否か、及び、スリープ状態に移行するか否かの状態を問い合わせる第2の状態取得要求が、通常状態において受信された場合、バックエンド部は、スリープ状態に移行するときには、スリープ状態に移行する旨の応答を情報処理装置へ返信するように、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る応答処理プログラムによれば、コンピュータを上記の画像処理装置が備える移行制御部及び通信制御部として機能させることができる。従って、画像処理装置がプッシュ方式により移行通知を行うことなく、画像処理装置がスリープ状態である間は、情報処理装置による画像データの問合せを停止することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、画像処理装置がプッシュ方式により移行通知を行うことなく、画像処理装置がスリープ状態である間は、画像データの問合せを停止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態に係るMFP、情報処理装置、及び情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ユーザが情報処理装置において画像データを取得した場合の画面を示す図である。
【図3】情報処理装置による問合せ処理とMFPによる応答処理の概要を示すシーケンス図である。
【図4】情報処理装置による問合せ処理を示すフローチャートの前半部分である。
【図5】情報処理装置による問合せ処理を示すフローチャートの後半部分である。
【図6】MFPによる応答処理を示すフローチャートの前半部分である。
【図7】MFPによる応答処理を示すフローチャートの後半部分である。
【図8】情報処理装置による問合せ処理とMFPによる応答処理の変形例についての概要を示すシーケンス図である。
【図9】情報処理装置による問合せ処理の変形例を示すフローチャートの前半部分である。
【図10】情報処理装置による問合せ処理の変形例を示すフローチャートの後半部分である。
【図11】MFPによる応答処理の変形例を示すフローチャートの前半部分である。
【図12】MFPによる応答処理の変形例を示すフローチャートの後半部分である。
【図13】実施形態に係る情報処理プログラムの構成を示すブロック図である。
【図14】実施形態に係る応答処理プログラムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。最初に、図1を参照して、実施形態に係る画像処理装置として機能するMFP1、実施形態に係る情報処理装置3、及び、実施形態に係る情報処理システム5の構成について説明する。図1は、MFP1、情報処理装置3、及び情報処理システム5の構成を示すブロック図である。情報処理システム5は、ネットワーク91を介して互いに接続されたMFP1及び情報処理装置3を備えている。情報処理装置3は、1台であっても複数台であってもよい。
【0030】
MFP1は、プリント機能、スキャン機能、及びFAX機能を含む複数の画像処理機能を有する。このMFP1は、生成されたスキャンデータ、及び送受信されたFAXデータ等の画像データをストレージ10に蓄積する。情報処理装置3は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等である。情報処理装置3は、MFP1に蓄積された画像データを利用するために、MFP1に画像データが蓄積されたか否かを問合せる。そして、情報処理装置3は、画像データの問合せに対して、画像データが蓄積されている旨の応答が得られた場合、該画像データを取得する。
【0031】
MFP1は、省電力化を図るために、通常状態からスリープ状態へ移行する。通常状態は、MFP1の各構成要素に対して通電された状態で、ネットワーク応答及び画像処理を行うことができる。スリープ状態は、FAXの受信を検知する部分及び通信制御部11のフロントエンド部22以外に対する通電が停止される。MFP1が、スリープ状態において画像データの問合せを受信した場合、通常状態に復帰してから応答を行う。このため、省電力効果が低下する。そこで、情報処理装置3は、MFP1を通常状態に復帰させずに、電力状態の問合せを行い、MFP1が通常状態である場合に、画像データの問合せを行う。
【0032】
以下、上記機能を発揮するための構成を説明する。MFP1は、上記のストレージ10及び通信制御部11に加えて、操作パネル12、ディスプレイ13、プリンタ14、スキャナ15、NCU16、モデム17、及び制御部18を備えている。
【0033】
操作パネル12は、ユーザがMFP1を操作するために、複数の操作ボタンを備えている。ディスプレイ13は、例えば液晶ディスプレイで構成され、各種の設定内容等を表示する。プリンタ14は、電子写真方式により、用紙に画像データを印刷する。スキャナ15は、CCD等の読取デバイスを備え、原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。NCU16は、モデム17と公衆交換電話網(PSTN)90との接続を制御する。このNCU16及びモデム17によって、FAXの送受信が行われる。
【0034】
スキャナ15によって生成された画像データ、及びFAXにより送受信された画像データ等は、ストレージ10に蓄積される。MFP1は、情報処理装置3から送信される画像データの取得要求に応じて、ストレージ10に蓄積された画像データを提供する。本実施形態では、ストレージ10の容量が比較的小さくても済むように、情報処理装置3に提供された画像データは、ストレージ10から削除される。
【0035】
通信制御部11は、ネットワーク91を介して接続された情報処理装置3とデータの送受信を行う。通信制御部11が情報処理装置3から受信するデータには、ジョブ要求、SNMP要求、HTTP要求(HTTP Get)等が含まれる。ジョブ要求は、プリント、スキャン等のジョブを要求するパケットである。SNMP要求は、SNMP(Simple Network Management Protocol)に従って、MFP1に問い合わせを行うためのパケットである。HTTP要求は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)に従って、MFP1に問合せを行うためのパケットである。本実施形態では、電力状態の問合せを行う際には、SNMP要求が用いられ、画像データの問合せを行う際には、HTTP要求が用いられる。
【0036】
通信制御部11は、バックエンド部21とフロントエンド部22とを備える。バックエンド部21は、CPU、ROM、RAM等を備えて構成されている。バックエンド部21は、通常状態において通電され、スリープ状態において通電が停止される。このバックエンド部21は、通常状態において、通信制御部11としての機能を発揮する。すなわち、バックエンド部21は、SNMP及びHTTPを含む複数のプロトコルに対応して応答を行う。
【0037】
フロントエンド部22は、CPU、ROM、RAM等を備えて構成されている。フロントエンド部22は、スリープ状態及び通常状態において通電される。フロントエンド部22は、スリープ状態において、バックエンド部21を代理して、通信機能を発揮する。このフロントエンド部22は、バックエンド部21より消費電力量が小さく、且つ、コストを抑えるために、比較的スペックの低いCPU、ROM、及びRAMにより構成されている。このため、フロントエンド部22の通信機能は、バックエンド部21と比較して制限がある。
【0038】
具体的には、フロントエンド部22は、SNMPに対応し、SNMP要求に対して応答を行うことができるが、HTTPには対応していない。このため、スリープ状態において、フロントエンド部22がHTTP要求を受信した場合、MFP1は、通常状態に復帰し、通電が開始されたバックエンド部21が、HTTP要求に対して応答する。
【0039】
制御部18は、物理的な構成要素として、CPU、ROM、及びRAM等を備えて構成されている。ROMには、上記のハードウエアを統合的に制御するための制御プログラムが記憶されている。また、制御部18は、機能的な構成要素として、移行制御部23を備えている。
【0040】
移行制御部23は、通常状態とスリープ状態との間の移行を制御する。通常状態では、MFP1の全ての構成要素に対して電力が供給される。スリープ状態では、構成要素の一部を除いて、電力の供給が停止される。スリープ状態において通電される構成要素の一部には、上記のフロントエンド部22と、NCU16のFAXの着信を検知する部分が含まれる。
【0041】
移行制御部23は、通常状態において、所定時間以上、ジョブ要求がなかった場合、自機をスリープ状態へ移行させる。スリープ状態において、ジョブ要求、HTTP要求等のフロントエンド部22が応答できないパケットが受信された場合、フロントエンド部22は、起動信号を移行制御部23へ出力する。起動信号を入力した移行制御部23は、自機を通常状態に復帰させ、バックエンド部21による応答が行われる。
【0042】
続いて、情報処理装置3の構成について説明する。情報処理装置3は、入力デバイス31、ディスプレイ32、ストレージ33、制御部34、及び通信制御部40等を備えて構成される。
【0043】
入力デバイス31は、キーボード、マウス等のデバイスである。ストレージ33には、MFP1から取得した画像データ等を蓄積することができる。制御部34は、物理的な構成要素として、CPU35、ROM36、及びRAM等を備えている。ROM36には、情報処理装置3のハードウエアを統合的に制御するための制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムには、MFP1に問合せを行うためのプログラムも記憶されている。このため、制御部34は、問合せを行うための要求パケットを生成し、要求パケットに対する応答を処理するアプリケーション機能を有している。
【0044】
制御部34は、MFP1が通常状態か否かを問い合わせるSNMP状態取得要求を生成する。SNMP状態取得要求は、特許請求の範囲に記載の第1の状態取得要求に相当する。このSNMP状態取得要求は、MFP1の電力状態を問い合わせるためのSNMP要求である。このSNMP状態取得要求は、MFP1に対して、スリープ状態、アイドル状態、及びプリント状態のうちどの状態かを問い合わせる。なお、アイドル状態は、通常状態において、ジョブを実行せずに待機している状態である。プリント状態は、通常状態において、プリントジョブを実行している状態である。制御部34は、生成したSNMP状態取得要求を通信制御部40によってMFP1へ送信させる。これにより、通信制御部40は、SNMP状態取得要求を送信する第1の要求部41として機能する。
【0045】
MFP1は、通常状態においてSNMP状態取得要求を受信した場合、フロントエンド部22が、アイドル状態、プリント状態のいずれかの通常状態である旨のSNMP応答を返信する。MFP1は、スリープ状態においてSNMP状態取得要求を受信した場合、フロントエンド部22が、スリープ状態である旨のSNMP応答を返信する。MFP1は、SNMP状態取得要求に対して、スリープ状態であっても通常状態に復帰せずに応答することができる。フロントエンド部22は、SNMP応答をするために、例えば、スリープ状態に移行する際に、SNMP状態取得要求を特定可能な情報と、スリープ状態である旨の情報を記憶する。そして、フロントエンド部22は、SNMP状態取得要求を受信した場合に、予め記憶しているスリープ状態である旨の情報を含む応答パケットをSNMP応答として返信する。
【0046】
情報処理装置3の通信制御部40は、SNMP状態取得要求に対してMFP1から返信されるSNMP応答を受信する。すなわち、通信制御部40は、SNMP応答を受信する第1の応答取得部42として機能する。通信制御部40は、受信したSNMP応答を制御部34へ出力する。
【0047】
制御部34は、通常状態である旨のSNMP応答が得られるまで、定期的にSNMP状態取得要求を通信制御部40に送信させる。制御部34は、通常状態である旨のSNMP応答が受信された場合に、HTTP状態取得要求を生成する。HTTP状態取得要求は、MFP1に画像データの問合せをするためのHTTP要求である。HTTP状態取得要求は、MFP1が新規の画像データを蓄積した状態か否か、及び、MFP1がスリープ状態に移行するか否かの状態を問い合わせる。このHTTP要求は、特許請求の範囲に記載の第2の状態取得要求に相当する。制御部34は、生成したHTTP状態取得要求を通信制御部40によってMFP1へ送信させる。これにより、通信制御部40は、HTTP状態取得要求を送信する第2の要求部43として機能する。
【0048】
MFP1のバックエンド部21は、HTTP状態取得要求に対して、蓄積された新規画像データの有無、又は、スリープ移行予告を含むHTTP応答を返信する。蓄積された新規画像データがある旨のHTTP応答には、新規に蓄積された画像データを特定するための文書番号が含まれている。スリープ移行予告は、スリープ状態に移行する予定のタイミングを通知する応答である。スリープ移行予告には、例えば、数十秒後にスリープ状態に移行する旨の情報が含まれている。
【0049】
情報処理装置3の通信制御部40は、HTTP状態取得要求に対して、MFP1から返信されるHTTP応答を受信する。すなわち、通信制御部40は、HTTP応答を受信する第2の応答取得部44として機能する。通信制御部40は、受信したHTTP応答を制御部34へ出力する。
【0050】
制御部34は、蓄積された新規画像データがある旨のHTTP応答を入力した場合、データ取得要求を生成する。データ取得要求は、新規の画像データ及びその属性データを要求するHTTP要求である。属性データは、画像データの生成日時、画像データの種類等を示す情報である。画像データの種類には、スキャンデータ、FAXの受信データ、FAXの送信データ等がある。制御部34は、生成したデータ取得要求を通信制御部40によってMFP1へ送信させる。これにより、通信制御部40は、データ取得要求を送信する画像要求部45として機能する。
【0051】
データ取得要求に応じて、MFP1から画像データ及びその属性データが情報処理装置3に提供された場合、ユーザは、情報処理装置3において画像データを利用することができる。図2は、ユーザが情報処理装置3において画像データを取得した場合の画面を示す図である。例えば、ユーザは、図2に示される画面上において、文書番号(ファイル名)を選択することにより、画像データをディスプレイ32において閲覧することができる。
【0052】
制御部34は、MFP1が通常状態である間は、スリープ移行予告が入力されるまで、HTTP状態取得要求を通信制御部40によってMFP1へ定期的に送信させる。これにより、定期的に新規画像データの蓄積があるか否かの問合せを行うことができる。よって、新規画像データが蓄積された場合に、該画像データを取得することができる。情報処理装置3に提供された画像データは、MFP1のストレージ33から削除されるので、ストレージ33の容量を比較的小さくすることができる。
【0053】
制御部34は、スリープ移行予告が入力された場合、SNMPマネージャを起動する。そして、制御部MFP1がスリープ状態に移行するタイミングが経過した後に、SNMP状態取得要求を再び通信制御部40に送信させる。これにより、MFP1の電力状態を問い合わせるので、MFP1が通常状態に復帰した際に、その旨を把握することができる。
【0054】
引き続いて、MFP1及び情報処理装置3の動作について説明する。まず、図3を参照して、情報処理装置3による問合せ処理とMFP1による応答処理の概要について説明する。図3は、情報処理装置3による問合せ処理とMFP1による応答処理の概要を示すシーケンス図である。
【0055】
まず、ステップS101では、第1の要求ステップが行われる。第1の要求ステップでは、通常状態か否かを問い合わせるSNMP状態取得要求が、情報処理装置3からMFP1へ送信される。MFP1が通常状態である場合、ステップS102では、第1の応答取得ステップが行われる。第1の応答取得ステップでは、通常状態である旨のSNMP応答が、MFP1のフロントエンド部22によって情報処理装置3へ送信される。
【0056】
続いて、ステップS103では、第2の要求ステップが行われる。第2の要求ステップでは、蓄積した新規画像データがあるか否か及びスリープ状態に移行するか否かを問い合わせるHTTP状態取得要求が、情報処理装置3からMFP1へ送信される。続いて、ステップS104では、第3の応答取得ステップが行われる。第3の応答取得ステップでは、第2の状態取得要求に対して、蓄積された画像データの有無を示す応答が送信される。新規画像データの蓄積が無い場合、その旨のHTTP応答が、MFP1のバックエンド部21によって情報処理装置3へ送信される。
【0057】
新規画像データが蓄積された(ステップS105)後に、再びHTTP状態取得要求が送信された場合(ステップS106)、ステップS107が行われる。ステップS107では、新規画像データを蓄積した旨のHTTP応答が、MFP1のバックエンド部21によって情報処理装置3へ送信される(第3の応答取得ステップ)。続いて、ステップS108では、データ取得要求ステップが行われる。データ取得要求ステップでは、HTTPによるデータ取得要求が、情報処理装置3からMFP1へ送信される。ステップS109では、画像データを含むHTTP応答が、MFP1のバックエンド部21によって情報処理装置3へ送信される。これにより、情報処理装置3は、画像データを取得することができる。
【0058】
ステップS110では、引き続き、HTTP状態取得要求が、定期的に情報処理装置3からMFP1へ送信される。MFP1がスリープ状態へ移行する場合、ステップS111では、第2の応答取得ステップが行われる。第2の応答取得ステップでは、スリープ移行予告を含むHTTP応答が、MFP1のバックエンド部21によって情報処理装置3へ送信される。ステップS112では、スリープ移行予告通りに、MFP1がスリープ状態へ移行する。その後、ステップS113では、再び、第1の要求ステップが行われる。すなわち、SNMP状態取得要求が、情報処理装置3からMFP1へ送信される。ステップS114では、スリープ状態である旨のSNMP応答が、MFP1のフロントエンド部22によって情報処理装置3へ送信される。
【0059】
MFP1が、通常状態へ復帰した(ステップS115)後に、SNMP状態取得要求が送信された場合(ステップS116)、ステップS117では、通常状態である旨のSNMP応答が、MFP1のフロントエンド部22によって情報処理装置3へ送信される。その後、ステップS118では、再び、HTTP状態取得要求が、MFP1へ送信される。以上のように、情報処理装置3は、SNMP状態取得要求とHTTP状態取得要求とを切り替えて、問合せを行う。
【0060】
次に、図4及び図5を参照して、情報処理装置3による問合せ処理についてより詳細に説明する。図4は、問合せ処理を示すフローチャートの前半部分であり、図5は、後半部分である。
【0061】
まず、起動後、ステップS121では、記憶しているMFP1の状態情報がクリアされる。この状態情報は、スリープ状態、アイドル状態又はプリント状態のいずれかの電力状態を示す情報である。ステップS122では、MFP1の状態情報が記憶されているか否かが判断される。記憶されていない場合、ステップS123へ処理が進む。ステップS123では、SNMP状態取得要求が、MFP1へ送信される。続いて、SNMP応答が取得された後、処理がステップS124へ進む。ステップS124では、SNMP応答がスリープ状態を示しているか否かが判断される。スリープ状態ではない場合、ステップS125に処理が進む。ステップS125では、SNMP応答に含まれたアイドル状態又はプリント状態の情報が記憶される。その後、処理がステップS122へ戻る。一方。SNMP応答がスリープ状態である場合、ステップS126において、その旨が記憶され、処理がステップS122へ戻る。
【0062】
上記のステップS122において、MFP1の状態情報が記憶されていると判断された場合、ステップS127へ処理が進む。ステップS127では、所定時間T1が経過したか否かが判断される。所定時間T1は、SNMP状態取得要求を定期的に送信する間隔である。経過していない場合は、処理がステップS128へ進む。ステップS128では、最後のSNMP応答がスリープ移行予告であり、移行時刻を経過したか否かが判断される。最後のSNMP応答がスリープ移行予告ではない場合、及び、移行時刻を経過していない場合は、処理がステップS122へ戻る。移行時刻を経過している場合は、処理がステップS129へ進む。ステップS129では、MFP状態としてスリープ状態である旨が記憶される。その後、処理がステップS122へ戻る。
【0063】
上記のステップS127において、所定時間T1が経過したと判断された場合、処理がステップS130へ進む。ステップS130では、記憶されている情報に基づいて、MFP1がスリープ状態か否かが判断される。スリープ状態である場合、処理がステップS131へ進む。ステップS131では、SNMP状態取得要求がMFP1へ送信される。続いて、SNMP応答があった後、ステップS132では、スリープ状態、アイドル状態、プリント状態のいずれかの電力状態が記憶される。その後、処理がステップS122へ戻る。
【0064】
上記のステップS130において、MFP1がスリープ状態ではないと判断された場合、処理が図6のステップS133へ進む。ステップS133では、HTTP状態取得要求が、送信される。続いて、HTTP応答があった後、ステップS134では、HTTP応答がスリープ移行予告か否かが判断される。スリープ移行予告である場合、処理がステップS135へ進む。ステップS135では、スリープ移行予告に含まれている移行タイミングの情報に基づいて、スリープ状態に移行する時刻が特定され、該時刻が記憶される。その後、処理がステップS122へ戻る。
【0065】
上記ステップS134において、HTTP応答がスリープ移行予告ではないと判断された場合、HTTP応答に新規画像データが蓄積された旨が含まれている否かが判断される。新規の画像データを蓄積した状態でない場合、処理がステップS122へ戻る。新規の画像データを蓄積した状態である場合、処理がステップS137へ移行する。ステップS137では、画像データを取得するために、HTTPによるデータ取得要求が、MFP1へ送信される。ステップS138では、画像データを含むHTTP応答を受信したか否かが判断される。HTTP応答を受信した場合、処理がステップS139へ移行する。
【0066】
ステップS139では、受信した画像データ及び属性データが、情報処理装置3のストレージ33に記憶される。続いて、ステップS140では、全ての画像データを受信したか否かが判断される。未だ受信していない画像データがある場合は、ステップS137へ処理が戻る。全ての画像データを受信した場合は、処理がステップS122へ戻る。以上の処理により、情報処理装置3は、MFP1の電力状態を問合せ、画像データを取得する。
【0067】
次に、図6及び図7を参照して、MFP1による応答処理についてより詳細に説明する。図6は、応答処理を示すフローチャートの前半部分であり、図7は、後半部分である。
【0068】
まず、ステップS151では、SNMP情報取得要求を受信したか否かが判断される。受信した場合、処理がステップS152へ進む。ステップS152では、MFP1がスリープ状態か否かが判断される。スリープ状態でない場合は、処理がステップS153へ進む。ステップS153では、MFP1がプリント状態か否かが判断される。プリント状態でない場合は、処理がステップS154へ進む。ステップS154では、MIB(Management Information Base)に「アイドル状態」がセットされたSNMP応答が、フロントエンド部22によって情報処理装置3へ送信される。その後、処理がステップS151へ戻る。
【0069】
上記ステップS153において、プリント状態である場合、処理がステップS155へ進む。ステップS155では、MIBに「プリント状態」がセットされたSNMP応答が、フロントエンド部22によって情報処理装置3へ送信される。その後、処理がステップS151へ戻る。また、上記ステップS152において、MFP1がスリープ状態である場合、処理がステップS156へ進む。ステップS156では、MIBに「スリープ状態」がセットされたSNMP応答が、フロントエンド部22によって情報処理装置3へ送信される。その後、処理がステップS151へ戻る。
【0070】
上記ステップS151において、SNMP状態取得要求を受信していないと判断された場合、処理がステップS157へ進む。ステップS157では、HTTP要求を受信したか否かが判断される。HTTP要求を受信していない場合は、処理がステップS151に戻る。HTTP要求を受信している場合は、処理が図7のステップS158へ進む。
【0071】
ステップS158では、HTTP要求が、HTTP状態取得要求か否かが判断される。HTTP要求がHTTP状態取得要求でない場合、ステップS159へ処理が進む。ステップS159では、HTTP要求がHTTPのデータ取得要求か否かが判断される。HTTPデータ取得要求でない場合は、HTTP要求に従って処理をした後、処理がステップS151に戻る。HTTPデータ取得要求である場合、処理がステップS160へ進む。ステップS160では、画像データを含むHTTP応答が、バックエンド部21によって情報処理装置3へ送信される。その後、処理がステップS151に戻る。
【0072】
上記ステップS158において、HTTP要求がHTTP状態取得要求であると判断された場合、処理がステップS161へ進む。ステップS161では、新規の画像データが蓄積されているか否かが判断される。蓄積されている場合は、処理がステップS162へ進む。ステップS162では、新規の画像データが蓄積されている旨のHTTP応答が、バックエンド部21によって情報処理装置3へ送信され、処理がステップS151に戻る。新規の画像データが蓄積されていない場合は、処理がステップS163へ進む。
【0073】
ステップS163では、所定時間T1以内にスリープ状態へ移行するか否かが判断される。所定時間T1以内にスリープ状態へ移行する場合、処理がステップS164へ進む。ステップS164では、スリープ移行予告を含むHTTP応答が、バックエンド部21によって情報処理装置3へ送信され、処理がステップS151に戻る。一方、所定時間T1以内にスリープ状態へ移行しない場合、処理がステップS165へ進む。ステップS165では、新規の画像データの蓄積がない旨のHTTP応答データが、バックエンド部21によって情報処理装置3に送信され、処理がステップS151に戻る。以上の処理により、MFP1は、情報処理装置3による状態の問合せに応答し、画像データを提供する。
【0074】
以上説明したように、実施形態に係るMFP1及び情報処理装置3によれば、MFP1がスリープ状態であっても応答可能なSNMP状態取得要求が、情報処理装置3からMFP1へ送信される。よって、情報処理装置3は、MFP1を復帰させずに電力状態を把握することができる。そして、MFP1が通常状態である場合、画像データについて問い合わせるHTTP状態取得要求が、情報処理装置3からMFP1へ送信される。よって、MFP1が通常状態である間に、画像データの問合せを行うことができる。一方、MFP1がスリープ状態に移行する場合、HTTP状態取得要求に対して、スリープ移行通知が、情報処理装置3へ送信される。このため、情報処理装置3は、MFP1がスリープ状態に移行するタイミングを把握することができる。そして、スリープ状態であっても応答可能なSNMP状態取得要求が、再び情報処理装置3からMFP1へ送信される。すなわち、スリープ状態に移行することが把握された後は、問合せ内容を画像データの問合せから電力状態の問合せに切り替え、プロトコルをHTTPからSNMPへ切り替える。従って、MFP1がプッシュ方式により移行通知を行うことなく、MFP1がスリープ状態である間は、画像データの問合せを停止することが可能となる。
【0075】
また、上記のMFP1によれば、フロントエンド部22が、SNMP状態取得要求に対して応答することができる。従って、MFP1は通常状態へ復帰せずに、電力状態の問合せ(SNMP状態取得要求)に応答することができる。よって、省電力効果の低下を防止することができる。
【0076】
(変形例)
引き続いて、変形例について説明する。上記実施形態では、HTTP状態取得要求が、定期的にMFP1へ送信され、MFP1は、HTTP状態取得要求を受信するたびに応答を行っていた。変形例では、MFP1が、ロングポーリングを用いて応答を行う。この場合、MFP1は、新規画像データを蓄積したか、又は、スリープ状態に移行するというイベントが発生した場合に、応答を返信する。
【0077】
図8を参照して、ロングポーリングを用いる場合の情報処理装置3による問合せ処理とMFP1による応答処理の概要について説明する。図8は、情報処理装置3による問合せ処理とMFP1による応答処理の変形例についての概要を示すシーケンス図である。
【0078】
ステップS201及びステップS202は、上述した図3のステップS101(第1の要求ステップ)及びステップS102(第1の応答取得ステップ)と同様であるため、説明を省略する。このステップS201及びステップS202においてMFP1が通常状態であることが、把握された後、続いて、ステップS203では、第2の要求ステップが行われる。この第2の要求ステップでは、上述した図3のステップS103と同様に、HTTP状態取得要求が、情報処理装置3からMFP1へ送信される。
【0079】
一般的に、HTTP Getを用いて要求が行われる場合、HTTP Getに先立って、スリーウェイハンドシェイクによるTCP/IPレベルのセッションが確立される。その後、本実施形態では、HTTP状態取得要求(HTTP Get)が、情報処理装置3からMFP1へ送信される。そして、ACK応答がMFP1から情報処理装置1へ送信される。その後、ロングポーリングを用いて応答が行われる場合、接続が維持され、新規画像データを蓄積したか、又は、スリープ状態に移行することになったタイミングで、HTTP応答が返信される。
【0080】
新規画像データが蓄積された(ステップS204)場合、ステップS205において、新規画像データを蓄積した旨のHTTP応答が、MFP1のバックエンド部21によって情報処理装置3へ送信される。その後、セッションの接続が切断される。続いて行われる、画像データを取得するためのステップS206及びステップS207は、上述した図3のステップS108及びS109と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
画像データが取得された後、ステップS208では、再び、HTTP状態取得要求が、情報処理装置3からMFP1へ送信される。MFP1は、ロングポーリングを用いて応答を行うので、セッションが確立された状態が維持され、MFP1がスリープ状態に移行する際に、スリープ移行通知が、HTTP応答として、MFP1から情報処理装置へ送信される。なお、スリープ移行通知は、スリープ状態に移行する旨の通知である。
【0082】
ステップS209では、第2の応答取得ステップが行われる。すなわち、第2の応答取得ステップでは、スリープ移行通知が、情報処理装置3によって受信される。MFP1は、スリープ移行通知を情報処理装置3へ送信した後、続いて、スリープ状態に移行する(ステップS210)。次に、ステップS211では、再び、電力状態を問い合わせるために第1の要求ステップが行われる。このステップS211〜ステップS216は、上述した図3のステップS113〜ステップS118と同様であるため、説明を省略する。
【0083】
続いて、図9及び図10を参照して、ロングポーリングを用いた場合の情報処理装置3による問合せ処理についてより詳細に説明する。図9は、問合せ処理の変形例を示すフローチャートの前半部分であり、図10は、後半部分である。HTTP状態取得要求の応答に、MFP1がロングポーリングを用いる点が上述した図4及び図5の場合と異なるので、その点を主に説明し、同様な点は説明を省略する。
【0084】
まず、ステップS221〜ステップS226は、図4のステップS121〜ステップS126と同様であるため、説明を省略する。ステップS222において、MFP1の状態情報が記憶されていると判断された場合、ステップS227へ処理が進む。ステップS227では、記憶されているMFP1の状態がスリープ状態か否かが判断される。スリープ状態である場合、処理がステップS228へ進む。
【0085】
ステップS228では、所定時間T1が経過したか否かが判断される。所定時間T1が経過するまで、ステップS228の処理が繰り返される。ここでは、記憶されているMFP1の状態がスリープ状態であるため、次のSNMP状態取得要求を送信するタイミングまで待機する。所定時間T1が経過したと判断された場合、処理がステップS229へ進む。ステップS229では、SNMP状態取得要求が、MFP1へ送信される。このステップS229及びステップS230は、上述した図4のステップS131及びステップS132と同様な処理であるため、説明を省略する。
【0086】
ステップS227において、記憶されているMFP1の状態がスリープ状態ではない場合、処理が図10のステップS231へ進む。ステップS231では、HTTP状態取得要求が、MFP1へ送信される。続いて、ステップS232では、HTTP応答を受信したか否かが判断される。MFP1がロングポーリングにより応答するので、応答が来るまでステップS232の処理を繰り返し、待機する。HTTP応答が情報処理装置3において受信された場合、処理がステップS233へ進む。
【0087】
ステップS233では、HTTP応答がスリープ移行通知か否かが判断される。スリープ移行通知である場合、処理がステップS234へ進む。ステップS234では、MFPがスリープ状態である旨が記憶され、処理がステップS222へ戻る。HTTP応答がスリープ移行通知でなかった場合、ステップS235へ処理が進む。ステップS235では、MFPがアイドル状態である旨が記憶される。次のステップS236〜ステップS240では、HTTP応答が新規の画像データを蓄積した状態である場合、新規の画像データが取得される。このステップS236〜ステップS240は、上述した図5のステップS136〜ステップS140と同様であるため、説明を省略する。以上の処理により、情報処理装置3は、MFP1の状態を問合せ、画像データを取得する。
【0088】
次に、図11及び図12を参照して、ロングポーリングを用いた場合のMFP1による応答処理についてより詳細に説明する。図11は、応答処理の変形例を示すフローチャートの前半部分であり、図12は、後半部分である。HTTP状態取得要求の応答に、MFP1がロングポーリングを用いる点が上述した図6及び図7の場合と異なるので、その点を主に説明し、同様な点は説明を省略する。
【0089】
まず、ステップS251〜ステップS260は、図6及び図7のステップS151〜ステップS160と同様であるため、説明を省略する。ステップS258において、HTTP要求がHTTP状態取得要求であると判断された場合、処理がステップS261へ進む。ステップS261では、MFP1に状態の変化があったか否かが判断される。すなわち、新規画像データを蓄積したか、又は、スリープ状態に移行するというイベントが発生したか否かが判断される。MFP1に状態の変化があるまで、ステップS261が繰り返し行われる。状態の変化が発生した場合、処理がステップS262へ進む。
【0090】
ステップS262では、状態の変化が、画像データの蓄積か、スリープ状態への移行かが、判断される。すなわち、MFP1に新規画像データが蓄積されたか否かが判断される。新規画像データが蓄積されている場合、処理がステップS263へ進む。ステップS263では、新規データの蓄積がある旨のHTTP応答が、バックエンド部21によって情報処理装置3へ送信され、処理がステップ251へ戻る。
【0091】
新規の画像データが格納されていない場合は、状態の変化がスリープ状態への移行であるため、処理がステップS264へ進む。ステップS264では、スリープ移行通知を含むHTTP応答が、バックエンド部21によって情報処理装置3へ送信され、処理がステップ251へ戻る。以上の処理により、MFP1は、情報処理装置3による状態の問合せに応答し、画像データを提供する。
【0092】
以上説明したように、MFP1がロングポーリングを用いてHTTP応答取得要求に対する応答を行う場合、スリープ状態に移行する際に、その旨が、情報処理装置に送信される。この場合、情報処理装置は、画像処理装置がスリープ状態に移行することを、リアルタイムで把握することができる。
【0093】
(情報処理プログラム)
上述した情報処理装置3は、実施形態に係る情報処理プログラムをインストールしたコンピュータを用いて実現することができる。図13は、実施形態に係る情報処理プログラム100のモジュール構成を示す図である。
【0094】
コンピュータは、図1に示された情報処理装置3のハードウエア構成と同様な構成を有している。すなわち、コンピュータは、入力デバイス、ディスプレイ、CPU、ROM、RAM、通信装置等を備えている。また、コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読取可能な装置を備えていてもよい。情報処理プログラム100は、例えば、コンピュータがLANインターフェースと接続されている場合、ネットワークを介してコンピュータに提供される。なお、情報処理プログラム100は、記録媒体111に記録された状態で流通してもよい。記録媒体111としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、CD−ROMなどが該当する。
【0095】
情報処理プログラム100は、処理を統括するメインモジュール101、第1の要求モジュール102、第1の応答取得モジュール103、第2の要求モジュール104、第2の応答取得モジュール105、及び画像要求モジュール106を備えている。ここで、第1の要求モジュール102、第1の応答取得モジュール103、第2の要求モジュール104、第2の応答取得モジュール105、及び画像要求モジュール106を上記のコンピュータにおいて動作させることによって実現する機能は、上記情報処理装置3の制御部34、通信制御部40の第1の要求部41、第1の応答取得部42、第2の要求部43、第2の応答取得部44、及び画像要求部45と同様である。従って、情報処理プログラム100が実行されることにより、上記コンピュータを情報処理装置3として機能させることができる。よって、MFP1がプッシュ方式により移行通知を行うことなく、MFP1がスリープ状態である間は、画像データの問合せを停止することが可能となる。
【0096】
(応答処理プログラム)
上述したMFP1の移行制御部28及び通信制御部11は、実施形態に係る応答処理プログラムをインストールしたコンピュータを用いて実現することができる。図14は、応答処理プログラム200のモジュール構成を示す図である。
【0097】
コンピュータは、図1に示されたMFP1が有する制御部18及び通信制御部11のハードウエア構成と同様な構成を有している。すなわち、コンピュータは、CPU、ROM、及びRAM等を備えている。また、コンピュータは、操作パネル、ディスプレイ、プリンタ、スキャナ、NCU、モデム、ストレージ等と接続されている。応答処理プログラム200は、例えば、コンピュータがLANインターフェースと接続されている場合、ネットワークを介してコンピュータに提供される。なお、応答処理プログラム200は、記録媒体211に記録された状態で流通してもよい。記録媒体211としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、CD−ROMなどが該当する。
【0098】
応答処理プログラム200は、処理を統括するメインモジュール201、移行制御モジュール202、及び通信制御モジュール203を備えている。このメインモジュール201、移行制御モジュール202、及び通信制御モジュール203を上記のコンピュータにおいて動作させることによって実現する機能は、上記MFP1の移行制御部23及び通信制御部11によって発揮される上述した機能と同様である。従って、応答処理プログラム200が実行されることにより、上記コンピュータをMFP1の移行制御部23及び通信制御部11として機能させることができる。よって、MFP1がプッシュ方式により移行通知を行うことなく、MFP1がスリープ状態である間は、情報処理装置3による画像データの問合せを停止することが可能となる。
【0099】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記変形例では、MFP1が、ロングポーリングを用いてHTTP状態取得要求に対して応答したが、Web Socket等を用いて応答を行ってもよい。また、例えば、MFP1のフロントエンド22が応答可能なプロトコルとして、SNMPを採用したが、他のプロトコルであってもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 MFP
10 ストレージ
11 通信制御部
21 バックエンド部
22 フロントエンド部
23 移行制御部
3 情報処理装置
34 制御部
40 通信制御部
41 第1の要求部
42 第1の応答取得部
43 第2の要求部
44 第2の応答取得部
45 画像要求部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信制御部が搭載された画像処理装置から画像データを取得するために、前記画像処理装置に問合せを行う情報処理装置であって、
前記画像処理装置が、前記通信制御部の一部に対する通電が停止されたスリープ状態であっても、該通信制御部によって応答可能なプロトコルに従って生成され、前記画像処理装置が、該通信制御部の前記一部に対して通電されることにより前記プロトコルを含む複数のプロトコルに対して応答可能な通常状態か否かを問い合わせる第1の状態取得要求を送信する第1の要求部と、
前記画像処理装置が前記通常状態である場合に、前記第1の状態取得要求に対して、前記通常状態である旨の応答を前記画像処理装置から受信する第1の応答取得部と、
前記通常状態である旨の応答が受信された場合に、前記画像処理装置が画像データを蓄積した状態か否か、及び、前記画像処理装置が前記スリープ状態に移行するか否かを問い合わせる第2の状態取得要求を前記画像処理装置へ送信する第2の要求部と、
前記画像処理装置が前記スリープ状態に移行する場合に、前記第2の状態取得要求に対して、前記スリープ状態に移行する旨の応答を前記画像処理装置から受信する第2の応答取得部と、
を備え、
前記第1の要求部は、前記スリープ状態に移行する旨の応答が受信された場合、前記第1の状態取得要求を送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の要求部は、前記画像処理装置が通常状態である間、前記第2の状態取得要求を定期的に前記画像処理装置へ送信し、
前記第2の応答取得部は、前記第2の状態取得要求に対して、蓄積された画像データの有無、又は、前記スリープ状態に移行する予定のタイミングを通知する応答を前記画像処理装置から受信し、
前記第1の要求部は、前記スリープ状態に移行するタイミングの通知を受信した場合、該タイミングが経過した後に、前記第1の状態取得要求を送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の応答取得部は、前記画像処理装置の通信制御部がロングポーリングを用いて、前記第2の状態取得要求に対する応答を行う場合、前記画像処理装置がスリープ状態に移行する際に、前記第2の状態取得要求に対する応答として、前記画像処理装置から前記スリープ状態に移行する旨を受信し、
前記第1の要求部は、前記スリープ状態に移行する旨が受信された場合、前記第1の状態取得要求を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の状態取得要求に対する応答として、画像データを蓄積した状態である旨が受信された場合に、画像データを要求するデータ取得要求を前記画像処理装置へ送信する画像要求部を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置による問合せに応答し、画像データを該情報処理装置に提供する画像処理装置であって、
複数のプロトコルに対応して応答を行うバックエンド部、及び、該バックエンド部が対応可能な複数のプロトコルのうち一部のプロトコルに対応して応答を行うフロントエンド部を有する通信制御部と、
前記バックエンド部に対する通電が停止されると共に前記フロントエンド部に対して通電されたスリープ状態と、前記バックエンド部に対して通電された通常状態との間の移行を制御する移行制御部と、
を備え、
前記フロントエンド部によって応答可能なプロトコルに従って生成され、前記通常状態か否かを問い合わせる第1の状態取得要求が、前記スリープ状態において受信された場合、前記フロントエンド部は、前記スリープ状態である旨の応答を前記情報処理装置に返信し、
前記第1の状態取得要求が、前記通常状態において受信された場合、前記フロントエンド部は、前記通常状態である旨の応答を前記情報処理装置に返信し、
画像データを蓄積した状態か否か、及び、前記スリープ状態に移行するか否かの状態を問い合わせる第2の状態取得要求が、前記通常状態において受信された場合、前記バックエンド部は、前記スリープ状態に移行するときには、前記スリープ状態に移行する旨の応答を前記情報処理装置へ返信することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記第2の状態取得要求が、前記通常状態において受信された場合、前記バックエンド部は、前記スリープ状態に移行しないときには、蓄積された画像データの有無を示す応答を前記情報処理装置へ返信することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置と、請求項5又は6に記載の画像処理装置とを備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
通信制御部が搭載された画像処理装置から画像データを取得する情報処理装置において、前記画像処理装置に問合せを行う情報処理方法であって、
前記画像処理装置が、前記通信制御部の一部に対する通電が停止されたスリープ状態であっても、該通信制御部によって応答可能なプロトコルに従って生成され、前記画像処理装置が、該通信制御部の前記一部に対して通電されることにより前記プロトコルを含む複数のプロトコルに対して応答可能な通常状態か否かを問い合わせる第1の状態取得要求を送信する第1の要求ステップと、
前記画像処理装置が前記通常状態である場合に、前記第1の状態取得要求に対して、前記通常状態である旨の応答を前記画像処理装置から受信する第1の応答取得ステップと、
前記通常状態である旨の応答が受信された場合に、前記画像処理装置が画像データを蓄積した状態か否か、及び、前記画像処理装置が前記スリープ状態に移行するか否かを問い合わせる第2の状態取得要求を前記画像処理装置へ送信する第2の要求ステップと、
前記画像処理装置が前記スリープ状態に移行する場合に、前記第2の状態取得要求に対して、前記スリープ状態に移行する旨の応答を前記画像処理装置から受信する第2の応答取得ステップと、
を備え、
前記スリープ状態に移行する旨の応答が受信された場合、前記第1の要求ステップが再び行われることを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
前記画像処理装置が前記スリープ状態に移行しない場合に、前記第2の状態取得要求に対して、蓄積された画像データの有無を示す応答を前記画像処理装置から受信する第3の応答取得ステップと、
前記第3の応答取得ステップにおいて、画像データを蓄積した状態である旨が受信された場合に、画像データを要求するデータ取得要求を前記画像処理装置へ送信するデータ取得要求ステップと、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項11】
複数のプロトコルに対応して応答を行うバックエンド部、及び、該バックエンド部が対応可能な複数のプロトコルのうち一部のプロトコルに対応して応答を行うフロントエンド部を有する通信制御部、
前記バックエンド部に対する通電が停止されると共に前記フロントエンド部に対して通電されたスリープ状態と、前記バックエンド部に対して通電された通常状態との間の移行を制御する移行制御部、
としてコンピュータを機能させ、更に、
前記フロントエンド部によって応答可能なプロトコルに従って生成され、前記通常状態か否かを問い合わせる第1の状態取得要求が、前記スリープ状態において受信された場合、前記フロントエンド部は、前記スリープ状態である旨の応答を情報処理装置に返信し、
前記第1の状態取得要求が、前記通常状態において受信された場合、前記フロントエンド部は、前記通常状態である旨の応答を前記情報処理装置に返信し、
画像データを蓄積した状態か否か、及び、前記スリープ状態に移行するか否かの状態を問い合わせる第2の状態取得要求が、前記通常状態において受信された場合、前記バックエンド部は、前記スリープ状態に移行するときには、前記スリープ状態に移行する旨の応答を前記情報処理装置へ返信するように、コンピュータを機能させることを特徴とする応答処理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−21526(P2013−21526A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153569(P2011−153569)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】