情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
【課題】外形のみを表示することを課題とする。
【解決手段】物体を構成する部品ごとに、部品の形状を示す数値を用いて部品が含まれる最小の直方体を算出し、物体を構成する部品全てを直方体に置換し、置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出、算出された外形を示す数値と部品の形状を示す数値とを用いて、外形に部品が接するか否かを部品ごとに判定し、接すると判定された部品のみで構成される物体を表示部に表示する。また、部品の形状のうち一面でも接する場合には接すると判定する。
【解決手段】物体を構成する部品ごとに、部品の形状を示す数値を用いて部品が含まれる最小の直方体を算出し、物体を構成する部品全てを直方体に置換し、置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出、算出された外形を示す数値と部品の形状を示す数値とを用いて、外形に部品が接するか否かを部品ごとに判定し、接すると判定された部品のみで構成される物体を表示部に表示する。また、部品の形状のうち一面でも接する場合には接すると判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物体を3次元で表現することを目的として、3次元CAD(3D Computer Aided Design)が用いられている。なお、CADとは、JIS B3401によれば、「製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピュータの内部に作成し解析・処理することによって進める設計」と定義されている。
【0003】
従来の3次元CADでは、物体の外形のみを表示する際には、内部にある部品を削除した物体の形状を示すデータを利用者が作成し、装置が、当該データを用いて物体の外形を表示していた。また、当該データは、外形だけの物体を表示する上で不要な部品が利用者によって選択され、装置が、利用者によって選択された部品に関するデータを削除することで作成されていた。なお、複数の部品を一つに統合して表示することで、物体を簡略化する統合手法などが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−143682号公報(第1−3頁、第1図)
【特許文献2】特開平5−250445号公報(第1−4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した従来の手法では、外形のみを表示することができないという課題があった。すなわち、外形のみを示すデータが利用者によって作成されない限り、装置は、外形のみを表示することができなかった。なお、上記の統合手法などでは、物体の形状が変わることになり、外形だけのモデルを表示できない。
【0006】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、外形のみを表示することが可能である情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出手段を備える。また、前記算出手段によって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出手段を備える。また、前記外形算出手段によって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定手段を備える。また、前記判定手段によって接すると判定された部品のみで構成される物体を表示部に表示する表示手段を備える。
【発明の効果】
【0008】
外形のみを表示することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、実施例1に係る情報処理装置の概要、情報処理装置の構成および処理の流れを順に説明し、その後、その他の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
[情報処理装置の概要]
まず最初に、図1を用いて、実施例1に係る情報処理装置の概要を説明する。図1は、実施例1に係る情報処理装置の概要を説明するための図である。
【0011】
図1の(1)に示すように、実施例1に係る情報処理装置は、直方体算出部が、物体を構成する部品ごとに、部品の形状を示す数値を用いて部品が含まれる最小の直方体を算出する。例えば、「部品A」〜「部品F」から物体が構成される場合に、直方体算出部は、部品それぞれについて直方体を算出する。なお、部品各々は、三次元空間内における形状を有するものであるが、説明の便宜上、二次元平面上の図形として記載する。
【0012】
そして、図1の(2)に示すように、実施例1に係る情報処理装置は、物体外形算出部が、直方体算出部によって算出された直方体に物体を構成する部品全てを置換し、置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する。
【0013】
そして、図1の(3)に示すように、実施例1に係る情報処理装置は、判定部が、物体外形算出部によって算出された外形を示す数値と部品の形状を示す数値とを用いて、外形に部品が接するか否かを部品ごとに判定する。例えば、判定部は、「部品A」〜「部品F」それぞれについて、接するか否かを判定する。そして、判定部は、図1の(3−1)に示すように、「部品A」〜「部品D」について接すると判定し、図1の(3−2)に示すように、「部品E」と「部品F」とについて接しないと判定する。
【0014】
そして、図1の(4)に示すように、実施例1に係る情報処理装置は、表示部が、判定部によって接すると判定された部品のみで構成される物体を表示部に表示する。例えば、表示部は、「部品A」〜「部品D」のみで構成される物体を表示部に表示する。
【0015】
このようなことから、実施例1に係る情報処理装置は、外形を表示する上で不要な部品を省略した上で物体を表示することができ、外形(外装)のみを表示することが可能である。
【0016】
[情報処理装置の構成]
次に、図2を用いて、図1に示した情報処理装置100の構成を説明する。図2は、実施例1に係る情報処理装置の構成を説明するためのブロック図である。同図に示すように、情報処理装置100は、入力部101と表示部102と記憶部200と制御部300とを有する。
【0017】
なお、以下では、具体的な例をあげて説明する際には、特に言及しない限り、図3に示す物体を用いて説明し、物体を構成する部品が「部品A」〜「部品F」であるとして説明する。なお、部品各々は、三次元空間内における形状を有するものであるが、説明の便宜上、二次元平面上の図形として記載する。図3は、実施例1における物体の一例を説明するための図である。
【0018】
ここで、情報処理装置100とは、例えば、CADや、シミュレーション装置や、物体の形状を解析する解析装置などが該当し、例えば、物体についての外形のみを表示する場面において用いられる。
【0019】
ここで、物体についての外形のみを表示する場面の一例について簡単に説明する。従来より、例えば、ロボットや自動車などの製品設計では、部品数が数千点〜数万点にもなる。ここで、解析装置は、干渉チェックなどの解析ではこれらの部品全てを必要とするが、一方、アニメーションやマニュアル作成などでは、外形部分だけを必要とする。具体的な例あげると、解析装置は、ロボットの動作をアニメーションにて表示する場合、ロボット内部の部品は必要ない。情報処理装置100は、このように、外形部分だけが必要になる場面において用いられる。
【0020】
入力部101は、後述する直方体算出部301と接続され、各種の情報の入力を利用者から受付ける。具体的には、入力部101は、キーボードやマウス、マイクなどを備え、利用者から外形を表示する旨の指示を受け付け、直方体算出部301に送る。
【0021】
表示部102は、後述する表示制御部304と接続され、各種の情報を表示する。具体的には、表示部102は、モニタなどが該当し、表示制御部304に制御されることによって物体の形状を表示する。
【0022】
記憶部200は、制御部300と接続され、制御部300による各種処理に必要なデータを格納し、CADデータ記憶部201を備える。ここで、CADデータ記憶部201は、直方体算出部301と後述する判定部303と表示制御部304と接続する。
【0023】
図4に示すように、CADデータ記憶部201は、部品各々について部品の形状を示す数値を記憶し、例えば、物体を構成する部品各々を識別する「部品ID」各々に対応付けて、部品の形状を示す数値である「CADデータ」を記憶する。なお、図4は、実施例1におけるCADデータ記憶部を説明するための図である。なお、このCADデータとは、例えば、3次元空間内における座標情報などが該当する。
【0024】
図4に示す例では、CADデータ記憶部201は、部品ID「部品A」に対応付けてCADデータ「CADデータA」を記憶し、また、同様に、「部品B」〜「部品F」各々についてもCADデータを記憶する。
【0025】
また、図4に示すように、CADデータ記憶部201は、部品各々について、判定部303によって接しないと判定された部品を示す「接しない部品」を記憶する。なお、判定部303による判定処理については、後述するため、ここでは説明を省略する。具体的には、CADデータ記憶部201は、判定部303によって接しないと判定された部品について、接しない部品「○」を記憶する。図4に示す例では、CADデータ記憶部201は、「部品E」と「部品F」とに対応付けて、接しない部品「○」を記憶する。
【0026】
また、CADデータ記憶部201に記憶されている情報の内、部品ID各々に対応付けられたCADデータ各々は予め利用者によって入力され、また、直方体算出部301によって用いられる。また、CADデータ記憶部201に記憶されている情報の内、部品ID各々に対応付けられた「接しない部品」については、判定部303によって入力され、表示制御部304によって用いられる。
【0027】
制御部300は、入力部101と表示部102と記憶部200と接続され、各種の形状表示処理手順などを規定したプログラムを格納するための内部メモリを有し、種々の形状表示処理を実行する。また、制御部300は、直方体算出部301と物体外形算出部302と判定部303と表示制御部304とを備える。
【0028】
直方体算出部301は、入力部101とCADデータ記憶部201と物体外形算出部302と接続される。また、直方体算出部301は、外形を表示する旨の指示を入力部101から受信すると、図5に示すように、物体を構成する部品ごとに、部品の形状を示す数値を用いて部品が含まれる最小の直方体を算出する。なお、図5は、実施例1における直方体算出部を説明するための図である。例えば、直方体算出部301は、「部品A」〜「部品F」各々について、部品が含まれる最小の直方体を算出する。
【0029】
例えば、直方体算出部301は、「部品A」についての最小の直方体を算出する際には、「部品A」に対応付けられたCADデータである「CADデータA」をCADデータ記憶部201から取得する。そして、直方体算出部301は、「CADデータA」を用いて、部品Aが含まれる最小となる直方体を示すCADデータを算出する。
【0030】
また、直方体算出部301は、算出した直方体を示す数値各々を物体外形算出部302に送り、例えば、「部品A」〜「部品F」各々について算出した直方体を示すCADデータ各々を送る。
【0031】
物体外形算出部302は、直方体算出部301と判定部303と接続され、部品各々について直方体算出部301によって算出された直方体を示す数値各々を受信する。そして、図6に示すように、物体外形算出部302は、直方体算出部301によって算出された直方体に物体を構成する部品全てを置換し、置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する。なお、図6は、実施例1における物体外形算出部を説明するための図である。
【0032】
例えば、物体外形算出部302は、「部品A」〜「部品F」各々について算出された直方体を示すCADデータ各々を受信する。そして、物体外形算出部302は、図6の(1)に示す物体の形状について、図6の(2)に示すように、「部品A」〜「部品F」各々の形状を直方体算出部301によって算出された直方体各々に置換する。
【0033】
また、例えば、物体外形算出部302は、図6の(2)に示す部品の形状各々を直方体に置換した物体について、集合演算を行い、図6の(3)に示すように、当該物体に含まれる「部品A」〜「部品F」を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する。つまり、例えば、物体外形算出部302は、「部品A」〜「部品F」各々について算出された直方体を示すCADデータ各々を集合演算してなる物体について、外形を示すCADデータを算出する。
【0034】
また、物体外形算出部302は、直方体に置換した部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を判定部303に送り、例えば、外形を示すCADデータを送る。
【0035】
ここで、図7を用いて、物体外形算出部302によって算出される外形について、さらに説明する。図7の(1)に示すように、部品401とネジ402とで構成される物体があり、部品401の外側が一部凹んでネジ穴となっており、ネジ402が、当該ネジ穴に位置している場合を用いて説明する。なお、図7は、実施例1における物体外形算出部によって算出される外形を説明するための図である。
【0036】
図7の(1)に示すように、部品401の外側にある一部凹んだネジ穴にネジ402が位置する。ここで、部品401とネジ402との形状を直方体に置換すると、図7の(2)に示すように、ネジ402についての直方体は、部品401についての直方体の内部に位置することになる。物体外形算出部302は、部品各々についての直方体を集合演算して一つの物体とした物体について、外形を算出するので、図7の(3)に示すように、ネジ402についての直方体に関係なく、部品401についての直方体の外形を示す数値を算出する。
【0037】
判定部303は、CADデータ記憶部201と物体外形算出部302と表示制御部304と接続され、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を物体外形算出部302から受信し、例えば、外形を示すCADデータを受信する。また、判定部303は、部品各々についての形状を示す数値をCADデータ記憶部201から取得し、例えば、「部品A」〜「部品F」各々についてのCADデータを取得する。
【0038】
また、図8に示すように、判定部303は、物体外形算出部302によって算出された外形を示す数値と、CADデータ記憶部201から取得した部品の形状を示す数値とを用いて、外形に部品が接するか否かを部品ごとに判定する。また、判定部303は、部品の形状のうち一面でも接する場合には接すると判定する。なお、図8は、実施例1における判定部を説明するための図である。
【0039】
図8に示す例では、判定部303は、「部品A」〜「部品F」それぞれについて、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形とが接するかを判定する。例えば、図8の太線に示すように、判定部303は、「部品A」について、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と接するので、接すると判定する。また、判定部303は、「部品F」について、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と接しないので、接しないと判定する。なお、図8の太線は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の形状とが接する箇所を示す。
【0040】
例えば、判定部303は、部品を一つ選択し、「部品A」〜「部品F」の内一つの部品を選択し、その後、選択した部品の面のうち一つを選択する。そして、判定部303は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の面とについて法線ベクトルが一致するかを判定し、また、法線ベクトルが一致すると判定する場合には、干渉があるかを判定する。ここで、判定部303は、法線ベクトルが一致すると判定し、その後、干渉すると判定した場合には、接すると判定する。一方、判定部303は、法線ベクトルが一致しないと判定した場合や、法線ベクトルが一致すると判定した後に干渉しないと判定した場合には、接しないと判定する。
【0041】
なお、ここでいう面とは、直方体を例に説明すると、直方体を構成する6つの面各々が該当する。また、法線ベクトルとは、ある面に対して垂直なベクトルを示す。また、干渉するかは、法線ベクトルが一致する場合であっても、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の面とが、平行に位置する場合と、一致する場合とがあるため、当該二つの場合を区別するために行う処理である。すなわち、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の面とが干渉する場合には、外形と面とが接することになり、平行に位置する可能性がなくなり、一致することなり、接すると判定する。
【0042】
また、例えば、判定部303は、接しない部品と判定した場合には、当該部品についてすべての面について判定処理を行ったかを判定する。ここで、判定部303は、すべての面について判定処理を行っていないと判定する場合には、当該部品の面の内未選択な面を一つ選択し、判定処理を繰り返す。
【0043】
また、例えば、判定部303は、すべての面について判定処理を行ったと判定する場合や、接すると判定した場合には、すべての部品について判定処理を行ったかを判定する。ここで、判定部303は、すべての部品について判定処理を行ったと判定しない場合には、部品の内未選択な部品を一つ選択し、判定処理を繰り返す。また、例えば、判定部303は、すべての部品について判定処理を行ったと判定部303が判定した場合には、処理を終了する。
【0044】
また、例えば、判定部303は、接すると判定した部品について、当該部品を識別する部品IDに対応付けて接しない部品「○」をCADデータ記憶部201に入力する。例えば、判定部303は、接しないと判定した「部品E」と「部品F」とに対応付けて、接しない部品「○」を入力する。
【0045】
また、判定部303は、判定処理が終了した旨を表示制御部304に送る。
【0046】
ここで、図9を用いて、判定部303による接するか否かの判定についてさらに説明する。なお、図9は、実施例1における判定部による判定を説明するための図である。なお、図9は、図7にて説明した部品401とネジ402との例を用いた図である。
【0047】
図9の(1)に示すように、判定部303は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品401とが接するため、接すると判定する。一方、図9の(2)に示すように、判定部303は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形とネジ402とが接しないため、接しないと判定する。つまり、判定部303は、物体を構成する部品の内、外側から見える部品であっても、ネジのように外形の中で凹んだ箇所に位置する部品については接しないと判定する。なお、図9の太線は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の形状とが接する箇所を示す。
【0048】
表示制御部304は、表示部102とCADデータ記憶部201と判定部303と接続され、判定処理が終了した旨を判定部303から受信し、図10に示すように、接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を表示するよう表示部102を制御する。
【0049】
具体的には、表示制御部304は、判定処理が終了した旨を判定部303から受信すると、CADデータ記憶部201から、接しない部品「○」が対応付けられた部品IDについてのCADデータ各々を取得する。そして、表示制御部304は、取得したCADデータ各々を用いて、物体を表示するよう表示部102を制御する。
【0050】
例えば、表示制御部304は、図10の(1)に示すように、接すると判定された部品である「部品A」〜「部品D」を用いて、図10の(2)に示すように、「部品A」〜「部品D」によって構成される物体を表示するよう制御する。つまり、表示制御部304は、表示部102にて、接しないと判定された部品である「部品E」と「部品F」とを除いた部品のみで構成される物体を表示するよう制御する。なお、図10の太線は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の形状とが接する箇所を示す。
【0051】
[情報処理装置による処理]
次に、図11を用いて、情報処理装置100による処理を説明する。図11は、実施例1に係る情報処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
同図に示すように、情報処理装置100では、表示指示があると(ステップS101肯定)、例えば、外形を表示する旨を利用者から入力されると、直方体算出部301が、部品ごとに、当該部品が含まれる最小の直方体を算出する(ステップS102)。例えば、直方体算出部301は、「部品A」〜「部品F」各々について、部品が含まれる最小の直方体を算出する。
【0053】
そして、物体外形算出部302は、物体を構成する部品全てを直方体に置換し、置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する(ステップS103)。例えば、物体外形算出部302は、直方体に置換した「部品A」〜「部品F」を一つに集合してなる物体の外形を算出する。
【0054】
そして、判定部303は、部品を一つ選択し(ステップS104)、例えば、「部品A」〜「部品F」の内一つの部品を選択し、その後、選択した部品の面のうち一つを選択する(ステップS105)。そして、判定部303は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の面とについて法線ベクトルが一致するかを判定し(ステップS106)、法線ベクトルが一致すると判定する場合には(ステップS106肯定)、干渉があるかを判定する(ステップS107)。
【0055】
ここで、判定部303は、法線ベクトルが一致すると判定し(ステップS106肯定)、その後、干渉すると判定した場合には(ステップS107肯定)、接すると判定する(ステップS108)。一方、判定部303は、法線ベクトルが一致しないと判定した場合や(ステップS106否定)、法線ベクトルが一致すると判定した後に干渉しないと判定した場合には(ステップS106肯定およびステップS107否定)、接しないと判定する(ステップS109)。
【0056】
そして、判定部303は、接しない部品と判定した場合には(ステップS109)、当該部品についてすべての面について判定処理を行ったかを判定する(ステップS110)。ここで、判定部303は、すべての面について判定処理を行っていないと判定する場合には(ステップS110否定)、上記したステップS105に戻り、処理を繰り返す。一方、判定部303は、すべての面について判定処理を行ったと判定する場合や(ステップS110肯定)、接すると判定した場合には(ステップS108)、すべての部品について判定処理を行ったかを判定する(ステップS111)。ここで、判定部303は、すべての部品について判定処理を行ったと判定しない場合には(ステップS111否定)、上記したステップS104に戻り処理を繰り返す。一方、すべての部品について判定処理を行ったと判定部303が判定した場合には(ステップS111肯定)、表示制御部304は、接すると判定された部品のみで構成される物体を表示するよう表示部102を制御する(ステップS112)。つまり、表示制御部304は、接しないと判定した部品である「部品E」と「部品F」とを除いた部品のみで構成される物体を表示する。
【0057】
[実施例1の効果]
上記したように、実施例1によれば、物体を構成する部品ごとに、部品の形状を示す数値を用いて部品が含まれる最小の直方体を算出し、物体を構成する部品全てを直方体に置換し、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する。また、外形を示す数値と部品の形状を示す数値とを用いて、外形に部品が接するか否かを部品ごとに判定し、接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を表示部に表示するので、外形のみを表示することが可能である。
【0058】
また、情報処理装置100は、物体を構成する部品の内、外側から見えない部品だけでなく、外側から見える部品であっても、外形を表示する上では不要である凹んだ箇所に位置する部品を省略した上で、物体を表示することが可能である。なお、ここで、不要な部品とは、例えば、ネジなどの細かな接合部品が該当する。
【0059】
また、実施例1によれば、物体の形状を示す数値のみを用いて物体の外形を表示するので、フィーチャなどを用いず、CADを扱う装置やプログラムに依存することなく外形を表示することが可能である。なお、フィーチャとは、特定の形状に対してあらかじめ決めておいた操作手順や、または、その手順によって作成したモデルのことを示す。
【0060】
すなわち、例えば、異なるCADにおいては、実行可能な操作の種類が異なることがあり、異なるCADに対してフィーチャを送ったとしても、受け取ったCADにて実行できるとは限らなかった。これに対して、実施例1によれば、フィーチャを利用せず、物体の形状を示す数値のみを用いるので、CADの種類に係らず、外形を表示することが可能である。
【0061】
また、実施例1によれば、別途アセンブリを組む必要なく、外形を表示することが可能である。なお、アセンブリとは、別々に作成された複数の部品(パーツ)を組み合わせたデータを示す。すなわち、別途外形を表示するために必要な部品を選択し、選択した部品についてのデータを集めた外形表示用データを予め作成することなく、実施例1によれば、外形を表示することが可能である。
【0062】
また、実施例1によれば、部品の形状のうち一面でも接する場合には接すると判定するので、一面でも接する場合には、他の面についての判定処理を行うことなく接すると判定することができ、処理を迅速に実行することが可能である。
【実施例2】
【0063】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、その他の実施例にて実施されてよいものである。そこで、以下に、その他の実施例について説明する。
【0064】
[CADデータ記憶部]
例えば、実施例1では、情報処理装置100が、CADデータ記憶部201を備え、CADデータ記憶部201に予め記憶されているCADデータを用いる手法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、情報処理装置100は、CADデータ記憶部201を備えず、CADデータをその都度利用者から入力されることで処理を実行してもよい。
【0065】
[実施例の組み合わせについて]
また、実施例1では、判定部303による判定処理において、部品の形状のうち一面でも接すると判定された場合には、接すると判定する手法について説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、すべての面について判定処理を行ってもよい。
【0066】
また、判定部303は、部品各々について接するか否かを判定する際に、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と接する面積を算出し、当該面積が予め設定した面積よりも小さい場合にのみ、接しないと判定してもよい。つまり、例えば、凹んだ位置にある部品であっても、大きい部品であり、外形を表示する際に表示したほうがよい場合には、当該部品を表示することが可能である。
【0067】
[システム構成]
また、この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については(例えば、図1〜図11)、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0068】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0069】
例えば、図2に示す例を用いて説明すると、表示部102を別の装置とし、情報処理装置100が、物体の外形を表示する上で必要な部品についての情報を別の装置である表示部102に送信し、表示部102が、受信した情報を用いて物体の外形を表示してもよい。例えば、情報処理装置100は、部品についての情報としては、部品を識別する部品IDや、当該部品についてのCADデータを送信してもよい。
【0070】
[プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図12を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。なお、図12は、実施例1に係る情報処理装置のプログラムを説明するための図である。
【0071】
同図に示すように、実施例1における情報処理装置3000は、操作部3001、マイク3002、スピーカ3003、ディスプレイ3005、通信部3006、CPU3010、ROM3011、HDD3012、RAM3013をバス3009などで接続して構成されている。
【0072】
ROM3011には、上記の実施例1で示した直方体算出部301と、物体外形算出部302と、判定部303と、表示制御部304と同様の機能を発揮する制御プログラム、つまり、同図に示すように、直方体算出プログラム3011aと、物体外形算出プログラム3011bと、判定プログラム3011cと、表示制御プログラム3011dとが予め記憶されている。なお、これらのプログラム3011a〜3011dについては、図2に示した情報処理装置の各構成要素と同様、適宜統合または分離してもよい。
【0073】
そして、CPU3010が、これらのプログラム3011a〜3011dをROM3011から読み出して実行することにより、図12に示すように、各プログラム3011a〜3011dについては、直方体算出プロセス3010aと、物体外形算出プロセス3010bと、判定プロセス3010cと、表示制御プロセス3010dとして機能するようになる。なお、各プロセス3010a〜3010dは、図2に示した、直方体算出部301と、物体外形算出部302と、判定部303と、表示制御部304とにそれぞれ対応する。
【0074】
そして、HDD3012には、CADデータテーブル3012aが設けられている。なお、CADデータテーブル3012aは、図2に示した、CADデータ記憶部201にそれぞれ対応する。
【0075】
そして、CPU3010は、CADデータテーブル3012aを読み出してRAM3013に格納し、RAM3013に格納されたCADデータ3013aとし、また、直方体データ3013bと、外形データ3013cとを用いて、プログラムを実行する。なお、外形データ3013cは、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値が該当する。
【0076】
[その他]
なお、本実施例で説明した情報処理装置は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0077】
以上の実施例1〜2を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0078】
(付記1)画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる情報処理装置であって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出手段と、
前記外形算出手段によって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定手段と、
前記判定手段によって接すると判定された部品のみで構成される物体を前記画像形成装置に出力させる表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【0079】
(付記2)前記判定手段は、前記部品の形状のうち一面でも接する場合には接すると判定することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0080】
(付記3)画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる情報処理方法であって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出工程と、
前記外形算出工程によって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定工程と、
前記判定工程によって接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を前記画像形成装置に出力させる表示工程と、
を含んだことを特徴とする情報処理方法。
【0081】
(付記4)画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出ステップと、
前記算出ステップによって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出ステップと、
前記外形算出ステップによって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を前記画像形成装置に出力させる表示ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施例1に係る情報処理装置の概要を説明するための図である。
【図2】実施例1に係る情報処理装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】実施例1における物体の一例を説明するための図である。
【図4】実施例1におけるCADデータ記憶部201を説明するための図である。
【図5】実施例1における直方体算出部を説明するための図である。
【図6】実施例1における物体外形算出部を説明するための図である。
【図7】実施例1における物体外形算出部によって算出される外形を説明するための図である。
【図8】実施例1における判定部を説明するための図である。
【図9】実施例1における判定部による判定を説明するための図である。
【図10】実施例1における表示制御部を説明するための図である。
【図11】実施例1における情報処理装置の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図12】実施例1に係る情報処理装置のプログラムを説明するための図である。
【符号の説明】
【0083】
100 情報処理装置
101 入力部
102 表示部
200 記憶部
201 CADデータ記憶部
300 制御部
301 直方体算出部
302 物体外形算出部
303 判定部
304 表示制御部
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物体を3次元で表現することを目的として、3次元CAD(3D Computer Aided Design)が用いられている。なお、CADとは、JIS B3401によれば、「製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピュータの内部に作成し解析・処理することによって進める設計」と定義されている。
【0003】
従来の3次元CADでは、物体の外形のみを表示する際には、内部にある部品を削除した物体の形状を示すデータを利用者が作成し、装置が、当該データを用いて物体の外形を表示していた。また、当該データは、外形だけの物体を表示する上で不要な部品が利用者によって選択され、装置が、利用者によって選択された部品に関するデータを削除することで作成されていた。なお、複数の部品を一つに統合して表示することで、物体を簡略化する統合手法などが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−143682号公報(第1−3頁、第1図)
【特許文献2】特開平5−250445号公報(第1−4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した従来の手法では、外形のみを表示することができないという課題があった。すなわち、外形のみを示すデータが利用者によって作成されない限り、装置は、外形のみを表示することができなかった。なお、上記の統合手法などでは、物体の形状が変わることになり、外形だけのモデルを表示できない。
【0006】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、外形のみを表示することが可能である情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出手段を備える。また、前記算出手段によって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出手段を備える。また、前記外形算出手段によって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定手段を備える。また、前記判定手段によって接すると判定された部品のみで構成される物体を表示部に表示する表示手段を備える。
【発明の効果】
【0008】
外形のみを表示することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、実施例1に係る情報処理装置の概要、情報処理装置の構成および処理の流れを順に説明し、その後、その他の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
[情報処理装置の概要]
まず最初に、図1を用いて、実施例1に係る情報処理装置の概要を説明する。図1は、実施例1に係る情報処理装置の概要を説明するための図である。
【0011】
図1の(1)に示すように、実施例1に係る情報処理装置は、直方体算出部が、物体を構成する部品ごとに、部品の形状を示す数値を用いて部品が含まれる最小の直方体を算出する。例えば、「部品A」〜「部品F」から物体が構成される場合に、直方体算出部は、部品それぞれについて直方体を算出する。なお、部品各々は、三次元空間内における形状を有するものであるが、説明の便宜上、二次元平面上の図形として記載する。
【0012】
そして、図1の(2)に示すように、実施例1に係る情報処理装置は、物体外形算出部が、直方体算出部によって算出された直方体に物体を構成する部品全てを置換し、置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する。
【0013】
そして、図1の(3)に示すように、実施例1に係る情報処理装置は、判定部が、物体外形算出部によって算出された外形を示す数値と部品の形状を示す数値とを用いて、外形に部品が接するか否かを部品ごとに判定する。例えば、判定部は、「部品A」〜「部品F」それぞれについて、接するか否かを判定する。そして、判定部は、図1の(3−1)に示すように、「部品A」〜「部品D」について接すると判定し、図1の(3−2)に示すように、「部品E」と「部品F」とについて接しないと判定する。
【0014】
そして、図1の(4)に示すように、実施例1に係る情報処理装置は、表示部が、判定部によって接すると判定された部品のみで構成される物体を表示部に表示する。例えば、表示部は、「部品A」〜「部品D」のみで構成される物体を表示部に表示する。
【0015】
このようなことから、実施例1に係る情報処理装置は、外形を表示する上で不要な部品を省略した上で物体を表示することができ、外形(外装)のみを表示することが可能である。
【0016】
[情報処理装置の構成]
次に、図2を用いて、図1に示した情報処理装置100の構成を説明する。図2は、実施例1に係る情報処理装置の構成を説明するためのブロック図である。同図に示すように、情報処理装置100は、入力部101と表示部102と記憶部200と制御部300とを有する。
【0017】
なお、以下では、具体的な例をあげて説明する際には、特に言及しない限り、図3に示す物体を用いて説明し、物体を構成する部品が「部品A」〜「部品F」であるとして説明する。なお、部品各々は、三次元空間内における形状を有するものであるが、説明の便宜上、二次元平面上の図形として記載する。図3は、実施例1における物体の一例を説明するための図である。
【0018】
ここで、情報処理装置100とは、例えば、CADや、シミュレーション装置や、物体の形状を解析する解析装置などが該当し、例えば、物体についての外形のみを表示する場面において用いられる。
【0019】
ここで、物体についての外形のみを表示する場面の一例について簡単に説明する。従来より、例えば、ロボットや自動車などの製品設計では、部品数が数千点〜数万点にもなる。ここで、解析装置は、干渉チェックなどの解析ではこれらの部品全てを必要とするが、一方、アニメーションやマニュアル作成などでは、外形部分だけを必要とする。具体的な例あげると、解析装置は、ロボットの動作をアニメーションにて表示する場合、ロボット内部の部品は必要ない。情報処理装置100は、このように、外形部分だけが必要になる場面において用いられる。
【0020】
入力部101は、後述する直方体算出部301と接続され、各種の情報の入力を利用者から受付ける。具体的には、入力部101は、キーボードやマウス、マイクなどを備え、利用者から外形を表示する旨の指示を受け付け、直方体算出部301に送る。
【0021】
表示部102は、後述する表示制御部304と接続され、各種の情報を表示する。具体的には、表示部102は、モニタなどが該当し、表示制御部304に制御されることによって物体の形状を表示する。
【0022】
記憶部200は、制御部300と接続され、制御部300による各種処理に必要なデータを格納し、CADデータ記憶部201を備える。ここで、CADデータ記憶部201は、直方体算出部301と後述する判定部303と表示制御部304と接続する。
【0023】
図4に示すように、CADデータ記憶部201は、部品各々について部品の形状を示す数値を記憶し、例えば、物体を構成する部品各々を識別する「部品ID」各々に対応付けて、部品の形状を示す数値である「CADデータ」を記憶する。なお、図4は、実施例1におけるCADデータ記憶部を説明するための図である。なお、このCADデータとは、例えば、3次元空間内における座標情報などが該当する。
【0024】
図4に示す例では、CADデータ記憶部201は、部品ID「部品A」に対応付けてCADデータ「CADデータA」を記憶し、また、同様に、「部品B」〜「部品F」各々についてもCADデータを記憶する。
【0025】
また、図4に示すように、CADデータ記憶部201は、部品各々について、判定部303によって接しないと判定された部品を示す「接しない部品」を記憶する。なお、判定部303による判定処理については、後述するため、ここでは説明を省略する。具体的には、CADデータ記憶部201は、判定部303によって接しないと判定された部品について、接しない部品「○」を記憶する。図4に示す例では、CADデータ記憶部201は、「部品E」と「部品F」とに対応付けて、接しない部品「○」を記憶する。
【0026】
また、CADデータ記憶部201に記憶されている情報の内、部品ID各々に対応付けられたCADデータ各々は予め利用者によって入力され、また、直方体算出部301によって用いられる。また、CADデータ記憶部201に記憶されている情報の内、部品ID各々に対応付けられた「接しない部品」については、判定部303によって入力され、表示制御部304によって用いられる。
【0027】
制御部300は、入力部101と表示部102と記憶部200と接続され、各種の形状表示処理手順などを規定したプログラムを格納するための内部メモリを有し、種々の形状表示処理を実行する。また、制御部300は、直方体算出部301と物体外形算出部302と判定部303と表示制御部304とを備える。
【0028】
直方体算出部301は、入力部101とCADデータ記憶部201と物体外形算出部302と接続される。また、直方体算出部301は、外形を表示する旨の指示を入力部101から受信すると、図5に示すように、物体を構成する部品ごとに、部品の形状を示す数値を用いて部品が含まれる最小の直方体を算出する。なお、図5は、実施例1における直方体算出部を説明するための図である。例えば、直方体算出部301は、「部品A」〜「部品F」各々について、部品が含まれる最小の直方体を算出する。
【0029】
例えば、直方体算出部301は、「部品A」についての最小の直方体を算出する際には、「部品A」に対応付けられたCADデータである「CADデータA」をCADデータ記憶部201から取得する。そして、直方体算出部301は、「CADデータA」を用いて、部品Aが含まれる最小となる直方体を示すCADデータを算出する。
【0030】
また、直方体算出部301は、算出した直方体を示す数値各々を物体外形算出部302に送り、例えば、「部品A」〜「部品F」各々について算出した直方体を示すCADデータ各々を送る。
【0031】
物体外形算出部302は、直方体算出部301と判定部303と接続され、部品各々について直方体算出部301によって算出された直方体を示す数値各々を受信する。そして、図6に示すように、物体外形算出部302は、直方体算出部301によって算出された直方体に物体を構成する部品全てを置換し、置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する。なお、図6は、実施例1における物体外形算出部を説明するための図である。
【0032】
例えば、物体外形算出部302は、「部品A」〜「部品F」各々について算出された直方体を示すCADデータ各々を受信する。そして、物体外形算出部302は、図6の(1)に示す物体の形状について、図6の(2)に示すように、「部品A」〜「部品F」各々の形状を直方体算出部301によって算出された直方体各々に置換する。
【0033】
また、例えば、物体外形算出部302は、図6の(2)に示す部品の形状各々を直方体に置換した物体について、集合演算を行い、図6の(3)に示すように、当該物体に含まれる「部品A」〜「部品F」を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する。つまり、例えば、物体外形算出部302は、「部品A」〜「部品F」各々について算出された直方体を示すCADデータ各々を集合演算してなる物体について、外形を示すCADデータを算出する。
【0034】
また、物体外形算出部302は、直方体に置換した部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を判定部303に送り、例えば、外形を示すCADデータを送る。
【0035】
ここで、図7を用いて、物体外形算出部302によって算出される外形について、さらに説明する。図7の(1)に示すように、部品401とネジ402とで構成される物体があり、部品401の外側が一部凹んでネジ穴となっており、ネジ402が、当該ネジ穴に位置している場合を用いて説明する。なお、図7は、実施例1における物体外形算出部によって算出される外形を説明するための図である。
【0036】
図7の(1)に示すように、部品401の外側にある一部凹んだネジ穴にネジ402が位置する。ここで、部品401とネジ402との形状を直方体に置換すると、図7の(2)に示すように、ネジ402についての直方体は、部品401についての直方体の内部に位置することになる。物体外形算出部302は、部品各々についての直方体を集合演算して一つの物体とした物体について、外形を算出するので、図7の(3)に示すように、ネジ402についての直方体に関係なく、部品401についての直方体の外形を示す数値を算出する。
【0037】
判定部303は、CADデータ記憶部201と物体外形算出部302と表示制御部304と接続され、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を物体外形算出部302から受信し、例えば、外形を示すCADデータを受信する。また、判定部303は、部品各々についての形状を示す数値をCADデータ記憶部201から取得し、例えば、「部品A」〜「部品F」各々についてのCADデータを取得する。
【0038】
また、図8に示すように、判定部303は、物体外形算出部302によって算出された外形を示す数値と、CADデータ記憶部201から取得した部品の形状を示す数値とを用いて、外形に部品が接するか否かを部品ごとに判定する。また、判定部303は、部品の形状のうち一面でも接する場合には接すると判定する。なお、図8は、実施例1における判定部を説明するための図である。
【0039】
図8に示す例では、判定部303は、「部品A」〜「部品F」それぞれについて、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形とが接するかを判定する。例えば、図8の太線に示すように、判定部303は、「部品A」について、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と接するので、接すると判定する。また、判定部303は、「部品F」について、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と接しないので、接しないと判定する。なお、図8の太線は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の形状とが接する箇所を示す。
【0040】
例えば、判定部303は、部品を一つ選択し、「部品A」〜「部品F」の内一つの部品を選択し、その後、選択した部品の面のうち一つを選択する。そして、判定部303は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の面とについて法線ベクトルが一致するかを判定し、また、法線ベクトルが一致すると判定する場合には、干渉があるかを判定する。ここで、判定部303は、法線ベクトルが一致すると判定し、その後、干渉すると判定した場合には、接すると判定する。一方、判定部303は、法線ベクトルが一致しないと判定した場合や、法線ベクトルが一致すると判定した後に干渉しないと判定した場合には、接しないと判定する。
【0041】
なお、ここでいう面とは、直方体を例に説明すると、直方体を構成する6つの面各々が該当する。また、法線ベクトルとは、ある面に対して垂直なベクトルを示す。また、干渉するかは、法線ベクトルが一致する場合であっても、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の面とが、平行に位置する場合と、一致する場合とがあるため、当該二つの場合を区別するために行う処理である。すなわち、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の面とが干渉する場合には、外形と面とが接することになり、平行に位置する可能性がなくなり、一致することなり、接すると判定する。
【0042】
また、例えば、判定部303は、接しない部品と判定した場合には、当該部品についてすべての面について判定処理を行ったかを判定する。ここで、判定部303は、すべての面について判定処理を行っていないと判定する場合には、当該部品の面の内未選択な面を一つ選択し、判定処理を繰り返す。
【0043】
また、例えば、判定部303は、すべての面について判定処理を行ったと判定する場合や、接すると判定した場合には、すべての部品について判定処理を行ったかを判定する。ここで、判定部303は、すべての部品について判定処理を行ったと判定しない場合には、部品の内未選択な部品を一つ選択し、判定処理を繰り返す。また、例えば、判定部303は、すべての部品について判定処理を行ったと判定部303が判定した場合には、処理を終了する。
【0044】
また、例えば、判定部303は、接すると判定した部品について、当該部品を識別する部品IDに対応付けて接しない部品「○」をCADデータ記憶部201に入力する。例えば、判定部303は、接しないと判定した「部品E」と「部品F」とに対応付けて、接しない部品「○」を入力する。
【0045】
また、判定部303は、判定処理が終了した旨を表示制御部304に送る。
【0046】
ここで、図9を用いて、判定部303による接するか否かの判定についてさらに説明する。なお、図9は、実施例1における判定部による判定を説明するための図である。なお、図9は、図7にて説明した部品401とネジ402との例を用いた図である。
【0047】
図9の(1)に示すように、判定部303は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品401とが接するため、接すると判定する。一方、図9の(2)に示すように、判定部303は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形とネジ402とが接しないため、接しないと判定する。つまり、判定部303は、物体を構成する部品の内、外側から見える部品であっても、ネジのように外形の中で凹んだ箇所に位置する部品については接しないと判定する。なお、図9の太線は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の形状とが接する箇所を示す。
【0048】
表示制御部304は、表示部102とCADデータ記憶部201と判定部303と接続され、判定処理が終了した旨を判定部303から受信し、図10に示すように、接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を表示するよう表示部102を制御する。
【0049】
具体的には、表示制御部304は、判定処理が終了した旨を判定部303から受信すると、CADデータ記憶部201から、接しない部品「○」が対応付けられた部品IDについてのCADデータ各々を取得する。そして、表示制御部304は、取得したCADデータ各々を用いて、物体を表示するよう表示部102を制御する。
【0050】
例えば、表示制御部304は、図10の(1)に示すように、接すると判定された部品である「部品A」〜「部品D」を用いて、図10の(2)に示すように、「部品A」〜「部品D」によって構成される物体を表示するよう制御する。つまり、表示制御部304は、表示部102にて、接しないと判定された部品である「部品E」と「部品F」とを除いた部品のみで構成される物体を表示するよう制御する。なお、図10の太線は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の形状とが接する箇所を示す。
【0051】
[情報処理装置による処理]
次に、図11を用いて、情報処理装置100による処理を説明する。図11は、実施例1に係る情報処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
同図に示すように、情報処理装置100では、表示指示があると(ステップS101肯定)、例えば、外形を表示する旨を利用者から入力されると、直方体算出部301が、部品ごとに、当該部品が含まれる最小の直方体を算出する(ステップS102)。例えば、直方体算出部301は、「部品A」〜「部品F」各々について、部品が含まれる最小の直方体を算出する。
【0053】
そして、物体外形算出部302は、物体を構成する部品全てを直方体に置換し、置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する(ステップS103)。例えば、物体外形算出部302は、直方体に置換した「部品A」〜「部品F」を一つに集合してなる物体の外形を算出する。
【0054】
そして、判定部303は、部品を一つ選択し(ステップS104)、例えば、「部品A」〜「部品F」の内一つの部品を選択し、その後、選択した部品の面のうち一つを選択する(ステップS105)。そして、判定部303は、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と部品の面とについて法線ベクトルが一致するかを判定し(ステップS106)、法線ベクトルが一致すると判定する場合には(ステップS106肯定)、干渉があるかを判定する(ステップS107)。
【0055】
ここで、判定部303は、法線ベクトルが一致すると判定し(ステップS106肯定)、その後、干渉すると判定した場合には(ステップS107肯定)、接すると判定する(ステップS108)。一方、判定部303は、法線ベクトルが一致しないと判定した場合や(ステップS106否定)、法線ベクトルが一致すると判定した後に干渉しないと判定した場合には(ステップS106肯定およびステップS107否定)、接しないと判定する(ステップS109)。
【0056】
そして、判定部303は、接しない部品と判定した場合には(ステップS109)、当該部品についてすべての面について判定処理を行ったかを判定する(ステップS110)。ここで、判定部303は、すべての面について判定処理を行っていないと判定する場合には(ステップS110否定)、上記したステップS105に戻り、処理を繰り返す。一方、判定部303は、すべての面について判定処理を行ったと判定する場合や(ステップS110肯定)、接すると判定した場合には(ステップS108)、すべての部品について判定処理を行ったかを判定する(ステップS111)。ここで、判定部303は、すべての部品について判定処理を行ったと判定しない場合には(ステップS111否定)、上記したステップS104に戻り処理を繰り返す。一方、すべての部品について判定処理を行ったと判定部303が判定した場合には(ステップS111肯定)、表示制御部304は、接すると判定された部品のみで構成される物体を表示するよう表示部102を制御する(ステップS112)。つまり、表示制御部304は、接しないと判定した部品である「部品E」と「部品F」とを除いた部品のみで構成される物体を表示する。
【0057】
[実施例1の効果]
上記したように、実施例1によれば、物体を構成する部品ごとに、部品の形状を示す数値を用いて部品が含まれる最小の直方体を算出し、物体を構成する部品全てを直方体に置換し、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する。また、外形を示す数値と部品の形状を示す数値とを用いて、外形に部品が接するか否かを部品ごとに判定し、接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を表示部に表示するので、外形のみを表示することが可能である。
【0058】
また、情報処理装置100は、物体を構成する部品の内、外側から見えない部品だけでなく、外側から見える部品であっても、外形を表示する上では不要である凹んだ箇所に位置する部品を省略した上で、物体を表示することが可能である。なお、ここで、不要な部品とは、例えば、ネジなどの細かな接合部品が該当する。
【0059】
また、実施例1によれば、物体の形状を示す数値のみを用いて物体の外形を表示するので、フィーチャなどを用いず、CADを扱う装置やプログラムに依存することなく外形を表示することが可能である。なお、フィーチャとは、特定の形状に対してあらかじめ決めておいた操作手順や、または、その手順によって作成したモデルのことを示す。
【0060】
すなわち、例えば、異なるCADにおいては、実行可能な操作の種類が異なることがあり、異なるCADに対してフィーチャを送ったとしても、受け取ったCADにて実行できるとは限らなかった。これに対して、実施例1によれば、フィーチャを利用せず、物体の形状を示す数値のみを用いるので、CADの種類に係らず、外形を表示することが可能である。
【0061】
また、実施例1によれば、別途アセンブリを組む必要なく、外形を表示することが可能である。なお、アセンブリとは、別々に作成された複数の部品(パーツ)を組み合わせたデータを示す。すなわち、別途外形を表示するために必要な部品を選択し、選択した部品についてのデータを集めた外形表示用データを予め作成することなく、実施例1によれば、外形を表示することが可能である。
【0062】
また、実施例1によれば、部品の形状のうち一面でも接する場合には接すると判定するので、一面でも接する場合には、他の面についての判定処理を行うことなく接すると判定することができ、処理を迅速に実行することが可能である。
【実施例2】
【0063】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、その他の実施例にて実施されてよいものである。そこで、以下に、その他の実施例について説明する。
【0064】
[CADデータ記憶部]
例えば、実施例1では、情報処理装置100が、CADデータ記憶部201を備え、CADデータ記憶部201に予め記憶されているCADデータを用いる手法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、情報処理装置100は、CADデータ記憶部201を備えず、CADデータをその都度利用者から入力されることで処理を実行してもよい。
【0065】
[実施例の組み合わせについて]
また、実施例1では、判定部303による判定処理において、部品の形状のうち一面でも接すると判定された場合には、接すると判定する手法について説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、すべての面について判定処理を行ってもよい。
【0066】
また、判定部303は、部品各々について接するか否かを判定する際に、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形と接する面積を算出し、当該面積が予め設定した面積よりも小さい場合にのみ、接しないと判定してもよい。つまり、例えば、凹んだ位置にある部品であっても、大きい部品であり、外形を表示する際に表示したほうがよい場合には、当該部品を表示することが可能である。
【0067】
[システム構成]
また、この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については(例えば、図1〜図11)、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0068】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0069】
例えば、図2に示す例を用いて説明すると、表示部102を別の装置とし、情報処理装置100が、物体の外形を表示する上で必要な部品についての情報を別の装置である表示部102に送信し、表示部102が、受信した情報を用いて物体の外形を表示してもよい。例えば、情報処理装置100は、部品についての情報としては、部品を識別する部品IDや、当該部品についてのCADデータを送信してもよい。
【0070】
[プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図12を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。なお、図12は、実施例1に係る情報処理装置のプログラムを説明するための図である。
【0071】
同図に示すように、実施例1における情報処理装置3000は、操作部3001、マイク3002、スピーカ3003、ディスプレイ3005、通信部3006、CPU3010、ROM3011、HDD3012、RAM3013をバス3009などで接続して構成されている。
【0072】
ROM3011には、上記の実施例1で示した直方体算出部301と、物体外形算出部302と、判定部303と、表示制御部304と同様の機能を発揮する制御プログラム、つまり、同図に示すように、直方体算出プログラム3011aと、物体外形算出プログラム3011bと、判定プログラム3011cと、表示制御プログラム3011dとが予め記憶されている。なお、これらのプログラム3011a〜3011dについては、図2に示した情報処理装置の各構成要素と同様、適宜統合または分離してもよい。
【0073】
そして、CPU3010が、これらのプログラム3011a〜3011dをROM3011から読み出して実行することにより、図12に示すように、各プログラム3011a〜3011dについては、直方体算出プロセス3010aと、物体外形算出プロセス3010bと、判定プロセス3010cと、表示制御プロセス3010dとして機能するようになる。なお、各プロセス3010a〜3010dは、図2に示した、直方体算出部301と、物体外形算出部302と、判定部303と、表示制御部304とにそれぞれ対応する。
【0074】
そして、HDD3012には、CADデータテーブル3012aが設けられている。なお、CADデータテーブル3012aは、図2に示した、CADデータ記憶部201にそれぞれ対応する。
【0075】
そして、CPU3010は、CADデータテーブル3012aを読み出してRAM3013に格納し、RAM3013に格納されたCADデータ3013aとし、また、直方体データ3013bと、外形データ3013cとを用いて、プログラムを実行する。なお、外形データ3013cは、直方体に置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値が該当する。
【0076】
[その他]
なお、本実施例で説明した情報処理装置は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0077】
以上の実施例1〜2を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0078】
(付記1)画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる情報処理装置であって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出手段と、
前記外形算出手段によって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定手段と、
前記判定手段によって接すると判定された部品のみで構成される物体を前記画像形成装置に出力させる表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【0079】
(付記2)前記判定手段は、前記部品の形状のうち一面でも接する場合には接すると判定することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0080】
(付記3)画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる情報処理方法であって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出工程と、
前記外形算出工程によって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定工程と、
前記判定工程によって接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を前記画像形成装置に出力させる表示工程と、
を含んだことを特徴とする情報処理方法。
【0081】
(付記4)画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出ステップと、
前記算出ステップによって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出ステップと、
前記外形算出ステップによって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を前記画像形成装置に出力させる表示ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施例1に係る情報処理装置の概要を説明するための図である。
【図2】実施例1に係る情報処理装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】実施例1における物体の一例を説明するための図である。
【図4】実施例1におけるCADデータ記憶部201を説明するための図である。
【図5】実施例1における直方体算出部を説明するための図である。
【図6】実施例1における物体外形算出部を説明するための図である。
【図7】実施例1における物体外形算出部によって算出される外形を説明するための図である。
【図8】実施例1における判定部を説明するための図である。
【図9】実施例1における判定部による判定を説明するための図である。
【図10】実施例1における表示制御部を説明するための図である。
【図11】実施例1における情報処理装置の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図12】実施例1に係る情報処理装置のプログラムを説明するための図である。
【符号の説明】
【0083】
100 情報処理装置
101 入力部
102 表示部
200 記憶部
201 CADデータ記憶部
300 制御部
301 直方体算出部
302 物体外形算出部
303 判定部
304 表示制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる情報処理装置であって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出手段と、
前記外形算出手段によって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定手段と、
前記判定手段によって接すると判定された部品のみで構成される物体を前記画像形成装置に出力させる表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記部品の形状のうち一面でも接する場合には接すると判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる情報処理方法であって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出工程と、
前記外形算出工程によって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定工程と、
前記判定工程によって接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を前記画像形成装置に出力させる表示工程と、
を含んだことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出ステップと、
前記算出ステップによって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出ステップと、
前記外形算出ステップによって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を前記画像形成装置に出力させる表示ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項1】
画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる情報処理装置であって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出手段と、
前記外形算出手段によって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定手段と、
前記判定手段によって接すると判定された部品のみで構成される物体を前記画像形成装置に出力させる表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記部品の形状のうち一面でも接する場合には接すると判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる情報処理方法であって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出工程と、
前記外形算出工程によって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定工程と、
前記判定工程によって接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を前記画像形成装置に出力させる表示工程と、
を含んだことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
画像を形成する画像形成装置に座標軸上の数値を用いて物体の形状を表示させる処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記物体を構成する部品ごとに、当該部品の形状を示す数値を用いて当該部品が含まれる最小の直方体を算出する算出ステップと、
前記算出ステップによって算出された直方体に当該物体を構成する部品全てを置換し、当該置換された部品各々を一つに集合してなる物体の外形を示す数値を算出する外形算出ステップと、
前記外形算出ステップによって算出された外形を示す数値と前記部品の形状を示す数値とを用いて、当該外形に当該部品が接するか否かを当該部品ごとに判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって接すると判定された部品のみで構成される物体の外形を前記画像形成装置に出力させる表示ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−33185(P2010−33185A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192592(P2008−192592)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]