説明

情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】 実行したジョブに理条件として設定され情報を、実行しようとするジョブに利用し、ジョブを実行できるように管理することで、ユーザの利便性の向上を図る。
【解決手段】 実行したジョブの設定情報を実行情報として管理しておき、処理を試みる場合、管理する実行情報のリストからユーザが選択する実行情報を利用する。処理を実行する前に、現時点で、同じ処理条件でジョブが実行可能か否かをチェックする(S102)。SIPサーバを用いるIP−FAX送信を選択し、この実行情報通りにSIPサーバと接続できず、チェック結果が、ジョブの実行不可となった場合、ユーザに宛先のIPアドレスの入力を指示し(S105)、直接宛先端末と接続する設定に変更できるようして(S107)、無駄な処理を行うことを未然に防止して、利便性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部から入力されるコマンドに応じジョブを実行する画像形成装置、ファクシミリ、プリンタ、複合機等を含む情報処理装置に関し、より詳細には、実行したジョブのコマンドに設定した機能、処理手順及び機器に設定された動作パラメータ等の処理条件を実行情報として管理し、実行するジョブに利用することを可能にした情報処理装置、情報処理方法、該情報処理方法プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、操作部を通して入力されるコマンドに応じジョブを実行する情報処理装置として、画像形成装置、ファクシミリ、プリンタ、複合機等の機器が知られている。これらの機器は、ユーザが望む処理結果に適応する条件で機器を使用するためには、複数の処理条件から適当な条件を選択し、設定する入力操作が必要であり、近頃では、多機能化の進展とともに、ネットワークが利用可能となって、これらを使用するための操作が加わることで、最適な処理結果を得るための設定をより困難にしている面がある。
【0003】
ネットワークに接続して使用するファクシミリ(以下、「FAX」という)を例にとると、近年、VoIP(Voice over IP)の発呼接続仕様であるSIP(Session Initiation Protocol、RFC(Request For Comment)3261、参照)を使用してIP(Internet Protocol)ネットワーク上でリアルタイムなFAX通信を行うIP−FAXが実用に供されている。IP−FAXでは、SIPにより相手機と接続する場合、IP−FAXの端末情報が登録されたSIPサーバを経由する方法と、SIPサーバを経由せずに相手機に直接接続する方法を用いることができる。この2通りの方法のいずれを選択するかは、IP−FAXに設定され、記憶されたスイッチ(ソフトスイッチ)情報に従って行われるようになっている。
【0004】
この様なIP−FAXでは、設定で接続方法を選択する際、SIPサーバを経由する場合に指定する宛先は、SIPサーバに登録されたFAX番号(例えば、「1234」)であり、SIPサーバを経由しない場合に指定する宛先は、相手のIP−FAXのホスト名またはIPアドレスである。
従って、SIPサーバを経由する場合に指定する宛先として、相手のIP−FAXのホスト名やIPアドレスを指定すると、接続ができない。また、SIPサーバを経由しない場合に指定する宛先として、FAX番号を指定すると、この場合も接続ができない。
【0005】
ところで、FAX送信する時の操作手順を操作部のキーに関連付けて記憶しておき、その後、送信指令の入力操作を行うときに、このキーを押すことで記憶された操作手順に従った動作を実行する、いわゆるプログラムキーを用いることで、複雑な送信機能の設定を簡単な入力によって行える方法が、従来、提案されており、下記特許文献1(特許第2694435号公報)を例示することができる。
また、下記特許文献2(特開2007−67875号公報)には、ジョブを実行する装置の機能やその機能を実行する時の設定内容(ジョブ記録)を管理装置が記憶し、ジョブを実行したい装置が管理装置から記憶されたジョブ記録をダウンロードして、ジョブ記録の一覧を表示し、その中からユーザにより選択されたジョブを実行できるようにする方法が提案されている。
【特許文献1】特許第2694435号公報
【特許文献2】特開2007−67875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記記特許文献1では、操作手順をキーに記憶しておくことができるが、その操作手順に従った動作を実行する時に参照する、FAXの接続方法を決める上記したスイッチ情報のような、機器が独自に動作を選択するために設定する情報がジョブ記録に一緒に記憶されていない。従って、操作手順をキーに記憶した後に、こうした機器の設定情報が変えられた場合、キーに記憶された操作手順に従った動作が実行できない、といった不具合が生じる。
【0007】
また、上記記特許文献2では、ジョブ記録の一覧を表示し、その中からユーザにより選択されたジョブを実行することができるが、管理装置からダウンロードしたジョブ記録を変更することができないため、FAXの接続方法を決める上記したスイッチ情報のような、機器が独自に動作を選択するために設定する情報が、ジョブ記録と異なる場合は、ジョブ記録と異なる動作を実行してしまう、といった不具合が生じる。
また、上記特許文献1,2のいずれも、FAXの接続方法を複数の方法から選択できる環境で、1方法で接続ができない場合に、設定を変更して接続できるようにするための手順を備えていないので、複数の接続方法が有効に利用されない。さらにプラグインで得られた機能を利用して実行したジョブの設定情報を利用し、ジョブを実行できるようにするための方法が示されていないので、プラグインがアンインストールされてしまうと、設定情報を利用して要求されるジョブの処理を実行できない、という不具合が生じる。
【0008】
この発明は、上記従来技術における不具合を生じることなく、実行したジョブに条理条件として設定され情報を、実行しようとするジョブの設定に利用し、ユーザが要求する処理を実行できるように管理することで、ユーザの利便性の向上を図ることを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、処理条件を設定するための入力部及び表示部をユーザインターフェースとして持つ操作手段と、実行されたジョブに設定された機能、処理手順及び機器に設定された動作パラメータ等の処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶手段と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶手段に記憶された中から前記操作手段により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定手段と、前記処理条件設定手段によって設定された処理条件に従ってジョブを処理する処理手段を有する情報処理装置であって、前記処理条件設定手段の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定された処理条件に基づいて、当該実行情報の記憶時と同じ処理が実行可能か否かを判断する実行可否判断手段と、前記実行可否判断手段により同じ処理が実行できないと判断されたときに、実行不可理由を含む判断結果の表示を前記操作手段の表示部に行わせる手段と、前記処理条件設定手段による処理条件の設定を変更するための操作を前記操作手段の操作部で行えるようにする手段を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、処理条件を設定するための入力部及び表示部をユーザインターフェースとして持つ操作手段と、実行されたジョブに設定された機能、処理手順及び機器に設定された動作パラメータ等の処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶手段と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶手段に記憶された中から前記操作手段により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定手段と、前記処理条件設定手段によって設定された処理条件に従ってジョブを処理する処理手段を有する情報処理装置であって、前記実行情報記憶手段に記憶された実行情報による場合と同一処理結果を得るために代替して実行可能な処理条件を記憶する代替実行情報記憶手段と、前記処理条件設定手段の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定された処理条件に基づいて、当該実行情報の記憶時と同じ処理が実行可能か否かを判断する実行可否判断手段と、前記実行可否判断手段により同じ処理が実行できないと判断されたときに、前記代替実行情報記憶手段に記憶された処理条件により当該ジョブの設定を変更する設定変更手段を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、処理条件を設定するための入力部及び表示部をユーザインターフェースとして持つ操作手段と、プラグイン機能の実行に要する情報を管理するプラグイン管理手段と、実行されたジョブに設定されたプラグイン機能を含む処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶手段と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶手段に記憶された中から前記操作手段により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定手段と、前記処理条件設定手段によって設定されたプラグイン機能を含む処理条件に従ってジョブを処理する処理手段を有する情報処理装置であって、前記処理条件設定手段の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定されたプラグイン機能を有するか否かをプラグイン管理手段で管理する情報に基づいて判断する実行プラグイン有無判断手段と、前記実行プラグイン有無判断手段によりプラグイン機能がないと判断されたときに、当該プラグイン機能の取得要求コマンドをサーバに対して送信するコマンド送信手段と、前記サーバから送信されてくるプラグイン機能を受信するプラグイン受信手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された情報処理装置において、前記実行情報記憶手段に記憶された中から前記操作手段により指定される実行情報を外部機がアクセスできる記憶場所を指定して転送する手段と、前記実行情報記憶手段を指定の記憶場所として転送されてきた外部機の実行情報を受取る手段を備えたことを特徴とする。
請求項5の発明は、処理条件を設定するための入力部及び表示部をユーザインターフェースとして持つ操作手段と、プラグイン機能の実行に要する情報を管理するプラグイン管理手段と、実行されたジョブに設定されたプラグイン機能を含む処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶手段と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶手段に記憶された中から前記操作手段により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定手段と、前記処理条件設定手段によって設定されたプラグイン機能を含む処理条件に従ってジョブを処理する処理手段を有する情報処理装置であって、前記処理条件設定手段の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定されたプラグイン機能を有するか否かをプラグイン管理手段で管理する情報に基づいて判断する実行プラグイン有無判断手段と、前記実行プラグイン有無判断手段によりプラグイン機能がないと判断されたときに、当該プラグイン機能の取得を、プラグイン機能の取得要求コマンドをサーバに対して送信するプラグイン記憶機器に指示するプラグイン取得指示手段と、前記プラグイン記憶機器が取得し、転送してくるプラグイン機能を受取る手段を備えたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項3乃至5のいずれかに記載された情報処理装置において、前記サーバから取得したプラグイン機能を用いた処理の実行後、前記実行情報記憶手段に記憶された当該プラグイン機能を削除する手段を備えたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載された情報処理装置において、ユーザ認証手段を備え、前記ユーザ認証手段による認証を条件に、前記操作手段における処理条件を設定するための入力を有効とすることを特徴とする。
請求項8の発明は、実行されたジョブに設定された機能、処理手順及び機器に設定された動作パラメータ等の処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶工程と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶工程で記憶された中から入力操作により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定工程と、前記処理条件設定工程によって設定された処理条件に従ってジョブを処理する処理工程を有する情報処理方法であって、前記処理条件設定工程の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定された処理条件に基づいて、当該実行情報の記憶時と同じ処理が実行可能か否かを判断する実行可否判断工程と、前記実行可否判断工程により同じ処理が実行できないと判断されたときに、実行不可理由を含む判断結果の表示をする表示工程と、前記処理条件設定工程による処理条件の設定を変更する入力操作を受付け、設定を変更する設定変更工程をさらに有することを特徴とする。
請求項9の発明は、実行されたジョブに設定された機能、処理手順及び機器に設定された動作パラメータ等の処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶工程と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶工程で記憶された中から入力操作により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定工程と、前記処理条件設定工程によって設定された処理条件に従ってジョブを処理する処理工程を有する情報処理方法であって、前記実行情報記憶工程で記憶された実行情報による場合と同一処理結果を得るために代替して実行可能な処理条件を記憶する代替実行情報記憶工程と、前記処理条件設定工程の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定された処理条件に基づいて、当該実行情報の記憶時と同じ処理が実行可能か否かを判断する実行可否判断工程と、前記実行可否判断工程により同じ処理が実行できないと判断されたときに、前記代替実行情報記憶工程で記憶された処理条件により当該ジョブの設定を変更する設定変更工程をさらに有することを特徴とする。
請求項10の発明は、実行されたジョブに設定されたプラグイン機能を含む処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶工程と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶工程で記憶された中から入力操作により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定工程と、前記処理条件設定工程によって設定されたプラグイン機能を含む処理条件に従ってジョブを処理する処理工程を有する情報処理方法であって、前記処理条件設定工程の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定されたプラグインによる機能を有するか否かをプラグイン管理情報に基づいて判断する実行プラグイン有無判断工程と、前記実行プラグイン有無判断工程によりプラグインによる機能がないと判断されたときに、当該プラグイン機能の取得要求コマンドをサーバに対して送信するコマンド送信工程と、前記サーバから送信されてくるプラグイン機能を受信するプラグイン受信工程をさらに有することを特徴とする。
請求項11の発明は、実行されたジョブに設定されたプラグイン機能を含む処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶工程と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶工程で記憶された中から入力操作により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定工程と、前記処理条件設定工程によって設定されたプラグイン機能を含む処理条件に従ってジョブを処理する処理工程を有する情報処理方法であって、前記処理条件設定工程の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定されたプラグイン機能を有するか否かをプラグイン管理情報に基づいて判断する実行プラグイン有無判断工程と、前記実行プラグイン有無判断工程によりプラグイン機能がないと判断されたときに、当該機能の取得を、プラグイン機能の取得要求コマンドをサーバに対して送信するプラグイン記憶機器に指示するプラグイン取得指示工程と、前記プラグイン記憶機器が取得し、転送してくるプラグイン機能を受取る工程をさらに有することを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項8乃至11いずれかに記載された情報処理方法が有する各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
請求項13の発明は、請求項12に記載されたプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、実行したジョブに条理条件として設定された実行情報を、実行しようとするジョブの設定に利用し、ユーザの入力操作の負担を少なくするとともに、ユーザの要求に応じた処理を確実に実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の情報処理装置に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の実施形態に係る情報処理装置は、IPネットワークにおける拠点の構成要素をなす複合機を例にする。この複合機は、IP−FAX機能を持ち、IPネットワークを構成するSIP(Session Initiation Protocol)サーバや他の拠点の複合機等の情報処理装置と接続し、情報を交換が可能である(図1、参照)。ここでは、複合機が自身の操作部やネットワークのクライアント機から入力されるコマンドに応じ、複合機能の1つとして有するFAX機能によって実行するFAX送信ジョブを例に、ジョブの実行情報の管理及び管理される実行情報の利用に係る1実施形態を説明する。ただ、ジョブは、FAX送信に限定する趣旨ではなく、ユーザ操作により入力されるコマンドに応じ、各種の機能を用いて行われるジョブの処理についても同様に適用できる。
【0012】
この実施形態では、複合機で実行したジョブの実行情報を、複合機内でジョブごとに管理する。管理されるジョブの実行情報は、ジョブを要求したユーザのID及び実行時刻と、実行されたジョブに設定された機能、処理手順及び機器に設定された動作パラメータ等の処理条件とを関連付けて構成する情報(後記で図5、図10を参照して詳述)である。このようにして管理されるジョブの実行情報は、処理されたジョブの単なる履歴というだけではなく、その後、処理を要求するジョブに設定する処理条件として利用される。
【0013】
本実施形態における特徴の1つは、ジョブの実行情報として、複合機が独自に動作を選択するために行われるモード設定(例えば、後述する使用する通信モードの設定)もサポートしていることで、ユーザ操作による設定と複合機の設定の齟齬をチェックすることで、上記[発明が解決しようとする課題]の項で述べた従来技術の不具合をなくすことができ、ユーザの入力操作の負担を少なくするとともに、ユーザの要求に応じた処理を確実に実行できるようにする。
以下には、上記したジョブの実行情報の管理方法及び当該実行情報を利用して行われるジョブの設定方法を採用する実施形態として、「実施形態1」〜「実施形態4」を分説する。「実施形態1」及び「実施形態2」は、複合機内の機能のみにより実施する例を示し、また、「実施形態3」及び「実施形態4」は、複合機へのプラグインを利用して実施する例を示す。
【0014】
「実施形態1」
図1は、この実施形態に係るネットワーク構成を示す図である。
図1に示すように、IPネットワーク1には、SIPサーバ2と拠点A及び拠点Bが接続されている。拠点Aに存在するIP−FAX機能を持つ複合機10、PC11、IP電話12等と拠点Bに存在するIP−FAX機能を持つ複合機20、PC21、IP電話22等は、互いにIPネットワーク1を介して通信できるようになっている。
SIPサーバ2は、登録されたIP−FAXの端末情報(端末番号)による接続要求を受け、複合機10と複合機20間の発呼接続をサポートする。
【0015】
図2は、IP−FAX機能をそれぞれ持つ複合機10、複合機20のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、複合機10,20は、CPU(Central Processing Unit)30メインメモリ31、フラッシュROM(Read Only Memory)32、クロック33、バスコントローラ34、PCI(Peripheral Component Interconnect)ブリッジ35、キャッシュメモリ36、スキャナコントローラ37、スキャナ38、プリントコントローラ39、プリントエンジン40、ハードディスク41、HD(Hard Disk)コントローラ42、LCD表示コントローラ43、LCD(Liquid Crystal Display)44、LAN(Local Area Network)コントローラ45、LAN I/F(Interface)46、ICカードリーダ47、アンテナ48、キー入力コントローラ49、ハードキー50、タッチパネルコントローラ51、タッチパネル52、RTC(Real Time Clock)53、CPUバス54、PCIバス55、Xバス(内部バス)56等を有する。
【0016】
CPU30は、フラッシュROM32に記憶された制御処理プログラムやOS( Operating System )を実行、処理し、バスで接続された各種デバイスを直接、或いはそれぞれを分散制御するコントローラを介して制御することによって、複合機全体を統合して制御する。
メインメモリ31は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)を用いて構成し、CPU30のワークエリア等として使用する。フラッシュROM32は、電源を切ってもデータが消去されず、電気的に書き換え可能なROMであり、電源オン時のシステム立ち上げや複合機10,20の機能を実現するための各種プログラムが予め書き込まれる。なお、後述する処理フロー(図8、参照)を実行するためのプログラムもここにインストールすることにより、実施し得る。
また、フラッシュROM32には、プログラムの実行時に参照される、機器の動作モードといった選択可能な動作条件を設定するスイッチや動作パラメータ等のデータも記憶される。
クロック33は、水晶発振子と分周回路から構成されており、CPU30やバスコントローラ34の動作タイミングを制御するためのクロックを生成している。
【0017】
バスコントローラ34は、CPUバス54とXバス56でのデータ転送を制御する。
PCIブリッジ35は、キャッシュメモリ36を使用して、PCIバス53とCPU30との間のデータ転送を行う。キャッシュメモリ36は、DRAMより構成されており、PCIブリッジ35により使用される。
スキャナコントローラ37は、スキャナ38の原稿読み取り動作を制御する。スキャナ38は、CCDラインセンサにより紙面画像を読み取る。
プリントコントローラ39は、プリントエンジン40の動作を制御する。プリントエンジン40はトナーを使用して、紙面にカラー画像またはモノクロ画像をプリントする。
【0018】
ハードディスク41は、スキャナ38から入力された画像データや通信により受信した画像データ、またユーザから指定された機能を実行するための処理手順やその処理を実行する時に参照するパラメータ等の実行情報(図5、参照)の記憶場所に用いられる。
HDコントローラ42は、ハードディスク41とのインターフェースとして例えばIDE(Integrated Device Electronics)インターフェースを持ち、ハードディスク41と高速データ転送を行う。
LCD表示コントローラ43は、文字データやグラフィックデータ等をD/A(Digital / Analog)変換するとともに、これらのデータをLCD44に表示するための制御を行う。
LANコントローラ45は、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3規格に準拠した通信プロトコルを実行して、LAN I/F46を介してイーサネット(登録商標)に接続された他の機器との通信を制御する。IP−FAX通信は、ここを用いる。
【0019】
ICカードリーダ47は、非接触ICカード方式であるFeliCa(登録商標)技術の仕様に従った動作を行い、アンテナ48から13.56MHzの周波数の電波を発生し、ICカード57から送信された同周波数帯の電波をアンテナ48で受信してICカード57に記憶された識別データ(ID)を得る。このICカードリーダ47は、複合機10,20が有する操作部の近傍に取り付けられ、操作入力が可能なユーザを認証するために利用される。
キー入力コントローラ49は、ハードキー50から入力されたシリアルデータからパラレルデータへの変換を行う。
タッチパネルコントローラ51は、タッチパネル52上で指等の物体が接触した部分を検出し、その位置情報を取り込む。タッチパネル52は、LCD44と重ね合わせて、GUI(Graphical User Interface)機能を提供する。
RTC53は、日付時計であり、図示していないバッテリーによりバックアップされている。
【0020】
以下に、複合機10,20が有する、FAX送信ジョブの実行情報の管理及び当該実行情報を利用して行われるジョブの設定に係る処理機能について説明する。この処理機能は、特に明記しない限り、CPU30がフラッシュROM32に記憶された制御処理プログラムに従い、メインメモリ31をワークエリアとして使用して実行、処理する。
図3は、本実施形態の複合機10,20のFAX送信ジョブに係る機能構成図を示す。図3に示すように、画像取得部60は、スキャナ38により原稿を読取り、FAX送信すべき画像データを取得する。画像送信部61は、画像取得部60により取得された画像データを、RFC3261で規定されたSIPを使用した発呼接続、ITU−T勧告T.38で規定されたIP−FAXプロトコルを実行して、送り先の複合機(IP−FAX)に送信する。
【0021】
表示制御部62は、LCD44に表示する各種画面等の表示処理を制御する。具体的には、表示制御部62は、各種機能を指定するためのメニューを表示する画面、管理されているジョブ実行情報のリストを表示する画面、ハードディスク41等に記憶された処理手順や各種動作パラメータ等の実行情報を表示する画面等の表示処理を制御する。
操作部63は、ハードキー50から入力されたキーデータやタッチパネル52から入力された座標データから操作処理を制御する。
実行情報記憶部64は、設定された機能による処理が実行された時に、実行されたジョブの処理手順や各種動作パラメータ等を実行情報として記憶するものであり、この実施形態では、ハードディスク41を記憶場所として使用される。
実行情報実行判断部65は、実行しようとするジョブに対し、実行情報記憶部64に記憶された中から、ユーザが指定した実行情報をもとに処理条件を設定した場合に、現時点で実行情報を記憶した時と同じ処理が、実行できるか否かを判断する。実行情報実行判断部65は、また、同じ処理ができないと判断した場合には、実行不可理由を含む判断結果を表示する。
【0022】
SIPサーバ2は、PC/AT(Personal Computer / Advanced Technology)ベースのハードウェア上に、ソフトウェアとして実行動作するレジストラサーバとプロキシサーバ機能を持ち、クライアント機(IP−FAX機能を有する複合機10,20)からのリクエストに応え、下記の動作を行う。
複合機10,20は、SIPサーバ2を使用した通信を行う場合、自端末のFAX番号等の端末情報を予めSIPサーバ2に登録しておく。SIPサーバ2におけるこの登録処理はレジストラサーバ機能を用いて行われる。SIPサーバ2に登録する端末情報は、端末に与えられたFAX番号(0〜9の数字)、TCP(Transmission Control Protocol)又はUDP( User Datagram Protocol)のトランスポート種別等の情報であり、複合機10,20は、REGISTERメッセージにより自端末のFAX番号をSIPサーバ2に送信する。
【0023】
SIPサーバ2は、受信したこのREGISTERメッセージから端末のFAX番号を、また、この受信パケットから送信元の端末のIPアドレスとトランスポート種別(TCP又はUDP)を取得して、これらのデータを対応付けて内蔵のハードディスクに記憶する。なお、SIPサーバ2に登録する端末の識別情報としては、0〜9の数字から成るFAX番号に限定されないが、一般的にIP電話は電話番号(0〜9の数字)、IP−FAXは、FAX番号が用いられるため、この実施形態では、0〜9の数字から成るFAX番号とする。
複合機10,20は、SIPサーバ2に登録された端末情報の有効期間を管理しており、有効期間を過ぎる前に再度SIPサーバ2にREGISTERメッセージを送信して、端末情報の登録更新を行う。
【0024】
図4は、複合機10と複合機20のFAX番号とIPアドレス、及びSIPサーバ2のIPアドレスの例を示す表である。
複合機10,20は、SIPサーバ2のIPアドレスがフラッシュROM32に記憶されており、SIPサーバ2を使用した発呼接続を行う場合、宛先のFAX番号とSIPサーバ2のIPアドレスから宛先のSIP URI(Uniform Resource Identifier)を生成する。
例えば、複合機20に接続する時に、SIPサーバ2に向けた(SIPメッセージのToヘッダフィールドに入れる)SIP URIは、「sip:2000@192.168.50.100」のように表される。SIPサーバ2は、このSIPメッセージ「INVITE」を受信すると、レジストラサーバ機能を用いて、このSIP URIの「@」の前にあるFAX番号「2000」に対応して記憶されたIPアドレスを特定し、このIPアドレス宛て、すなわち複合機20に、このSIPメッセージ「INVITE」を送信する。複合機20は、これに対して「200 OK」を返信して、複合機10がこれに対して「ACK」を返すことにより、複合機10と複合機20との間で、FAX通信のためのセッションが確立する(図9、参照)。
【0025】
複合機10がIP−FAXによる発呼接続を行う時の処理について説明する。
複合機10では、SIPサーバ2を使用して発呼接続を行う通信モードと、SIPサーバ2を使用しないで相手端末に直接発呼接続を行う通信モードとをスイッチで切り替えられるようになっている。なお、スイッチの切り替えで選択できる使用通信モードの設定は、操作部63からの操作により行うことができる。また、このスイッチ情報は、フラッシュROM32に記憶される。
現在、このスイッチが、SIPサーバ2を使用した通信モードに設定されているとする。
【0026】
複合機10は、ユーザからの操作が無いアイドル状態の時は、パスワード入力画面を表示しており、ユーザによるユーザ名とパスワードの入力で認証が成功するか、またはICカードリーダ47がICカード57からユーザIDを読み取ることで認証が成功するまで、ユーザによるキー入力やタッチパネル入力を無効にしている。
ユーザが、ICカード57を複合機10の操作部近傍に設けたICカードリーダ47に近接させると、ICカードリーダ47は、ICカード57からユーザIDを読み取り、読取ったユーザIDに依って、複合機10の操作を許可されているか否かをチェックする。チェックの方法は、複合機10を操作する権限があるユーザIDのリストがハードディスク41に記憶、管理されているので、ICカード57から読み取ったユーザIDをハードディスク41で管理されているユーザIDのリストと照合する。
【0027】
このチェックによって、ユーザの認証ができれば、パスワード入力画面からジョブの設定操作を行う画面に切り替える。ユーザは、FAX機能を選択するFAXキーを押して、FAX送信原稿をスキャナ38にセットして、読み取り画素密度を設定して、複合機20にFAX送信するために、宛先アドレスとして、FAX番号「2000」を入力してスタートキーを押す。なお、読み取り画素密度のような、デフォルトの設定があるものについては、設定を変更する必要がなければ、設定の操作は不要となる。
複合機10は、FAX送信機能を実行して、複合機20に画像データを送信する。複合機10の実行情報記憶部64は、このFAX送信機能を実行した時の処理手順、この処理で参照されたスイッチ等の動作パラメータを対応付けて、実行情報としてフラッシュROM32に記憶する。
【0028】
ところで、複合機10が実行する処理には、処理ごとにIDが付与されており、上記の処理手順とは、この処理IDを複数個組み合わせたものである。また、この実行情報には、機能コードとして「FAX送信」という分類コードと認証用のユーザID、さらに実行情報を記憶する時の時刻情報も含める。
図5は、上記の実施形態で実行されたジョブについて管理される実行情報の1例を表にまとめて示すものである。図5に示すように、ジョブを特定するためのユーザIDと時刻に、機能コード(この例では、「FAX送信」)、実行した各処理のIDを記入した処理手順及び機器に設定された動作パラメータが実行情報として管理される。なお、動作パラメータに記入されたSIPサーバ使用モードは、スイッチの切り替えで選択できる使用通信モードの設定を示している。
【0029】
次に、上記のようにして管理される実行情報を利用して、同じ処理条件を、実行しようとするジョブに設定して、処理を試みる場合について、説明する。
ユーザがICカード57を使用してユーザ認証を行った後に、LCD44に表示されたメニュー画面で「機能履歴」を選択すると、実行情報記憶部64によって記憶された実行情報の中からユーザ認証により得たユーザIDの付されたジョブに関するものだけを選択してLCD44にリストとして表示する。
図6は、ユーザに表示される実行情報リストの例を示す。この実行情報のリストは、基本的に、管理された実行情報(図5、参照)を示すが、読取画素密度のような、ユーザに提示する意味のある数値以外は、予め決められたキーワードのみを表示するようになっている。ユーザがこのリストの中から実行するジョブに用いる実行情報を選択する操作は、リストの表示領域をタッチすることによって行われる。表示領域がタッチされると、複合機10は、その表示領域に対応した実行情報が選択されたと判断する。上記のFAX送信を選択する場合に、ユーザがタッチしなければならない領域は、図7の太線枠で示した範囲である。
【0030】
実行情報のリストからFAX送信が選択されると、複合機10の制御処理プログラムは、実行情報として記憶された処理手順を実行情報として記憶されたパラメータを参照しながら処理を実行する。ここで、複合機10のハードウェア及びソフトウェアの構成が、参照する実行情報を記憶した時と同じであり、また通信する相手端末やSIPサーバ2と接続できる場合には、実行情報に従った処理を、実行情報を記憶した時と同様に実行することができる。即ち、ユーザは、FAX送信原稿をスキャナ38にセットして、実行情報のリストから「FAX送信」を選択するだけで、複合機20に画像データをFAX送信することができる。
ただ、実行情報を利用して処理を試みる場合、SIPサーバ2がダウンした場合のように、実行情報の設定通りにSIPサーバ2と接続できないという状況になる場合もある。
【0031】
次に、こうした場合の複合機10の処理について説明する。
複合機10は、SIPサーバ2に登録された自端末情報の有効期間を管理しており、有効期間を過ぎる前に、SIPサーバ2にREGISTERメッセージを送信して、端末情報の登録更新を行っている。SIPの標準規格であるRFC3261では、この有効期間の標準的な値として1時間としている。
従って、複合機10は、REGISTERメッセージのExpiresヘッダフィールドにセットする、端末情報の登録有効期間を1時間として、SIPサーバ2に通知し、このREGISTERメッセージの送信から1時間以内、例えば45分が経過した時点で、端末情報の登録更新を行うために、再度REGISTERメッセージを送信する。
SIPサーバ2がダウンしている場合、このREGISTERメッセージに対する応答が返って来ないため、複合機10は、SIPサーバ2に自端末情報が登録されていないという情報を持っている。
【0032】
そこで、この情報によって、実際に処理手順を行う前に、チェックを掛け、未然に無駄な処理を行うことなく、設定を変更できるような手順を用意する。
図8は、こうした処理条件のチェック手順を有する、ジョブ実行時の処理条件を設定する処理フローを示す図である。
図8に示す処理フローによると、まず、実行情報のリスト(図7、参照)からFAX送信が選択されたかどうかチェックする(ステップS101)、ここで、選択されると(ステップS101-YES)、実行情報実行判断部65は、図5に示した処理手順に示された処理を実行する前に、現時点で、同じ処理条件でジョブが実行可能か否かをチェックする(ステップS102)。ここでは、SIPによる発呼接続処理のチェックにて、実行情報のSIPサーバ使用モードがオンになっている場合に、SIPサーバ2に自端末情報が登録されていないと、実行情報に従った処理ができないと判断し、SIPサーバ2に自端末情報が登録されていれば、実行情報に従った処理ができると判断する。
【0033】
この判断の結果、ジョブの実行が可能な場合に(ステップS103-YES)、実行情報実行判断部65からこの判断を受け、複合機10は、実行情報に従った処理を実行する(ステップS104)。
他方、ジョブの実行が可能ではない場合に(ステップS103-NO)、実行情報実行判断部65は、表示制御部62に、「SIPサーバが使用できないため、宛先端末のIPアドレスを入力して下さい」というメッセージを表す文字列の表示依頼を出し、表示制御部62は、このメッセージをLCD44に表示する(ステップS105)。
【0034】
次いで、表示制御部62は、宛先IPアドレスの入力画面も表示する。この入力画面で、ユーザが複合機20のIPアドレスを入力してスタートキーを押すと(ステップS106-YES)、複合機10は、実行情報として記憶された動作パラメータの中のSIPサーバ使用モードをオンからオフへ、宛先アドレスをFAX番号の「2000」からIPアドレスの「192.168.20.60」に置き換えて、実行情報に従った処理を実行する(ステップS107)。この場合、SIPによる発呼接続処理では、SIPサーバ2に発呼接続するのではなく、複合機20へ直接発呼接続して、接続を確立した後、複合機20に画像データをFAX送信する。
【0035】
以上のように、実施形態1によると、FAX送信する時のジョブの実行情報を記憶、管理しておき、その後実行するジョブに、管理する実行情報を選択、適用することで記憶された機能、処理手順、及び動作パラメータに従って同じ処理を設定できるようにするが、その際、同じ設定によりジョブが実行可能か否かをチェックする。このチェックで、実行できない場合に、実行情報として管理されていない処理手順やパラメータへの変更を操作入力によって、実行できるようにするための手順を備えたことで、実行情報を記憶した時とスイッチの設定が異なっていても、相手端末と接続ができるようになり、利便性及び機器の信頼性が向上する。
また、ユーザ認証を行うことにより、複数のユーザで共用する機器において、当該実行情報を利用する場合にも、セキュリティを護ることができ、信頼性が向上する。
【0036】
「実施形態2」
この実施形態は、実施形態1の一部を改変したものである。実施形態1では、実行するジョブに実行情報を選択、適用し、同じ処理を設定できるようにする際、同じ設定によりジョブが実行可能か否かをチェックし、実行できない場合に、その原因となる処理手順やパラメータを操作入力によって変更し、実行できるようにする、とした。この実施形態では、最初に適用した設定で実行ができない場合に、実行を可能にする方法として、実行できないと判断された設定を変更し、次に適用する実行情報(以下、「代替実行情報」という)を、実行情報と一緒に予め記憶、管理しておくことによって、実施形態1のような操作入力を行うことなく、自動で設定を変更することで、実行を可能とする。
【0037】
まず、代替実行情報を予め記憶、管理しておく処理について説明する。
この処理は、複合機10が、SIPサーバ2を使用して複合機20と接続し、複合機20に画像データを送信する時のSIPのシーケンスと連携して行われる。そこで、図9に示すSIPのシーケンスを参照して、このFAX送信動作を次に説明する。
複合機10は、SIPサーバ2を使用した発呼接続を行う場合、複合機20のFAX番号とSIPサーバ2のIPアドレスから宛先のSIP URIを生成する。よって、複合機10は、発呼接続を行う前の、「INVITE」「100 Trying」「180 Ringing」「200 OK」の各手順を行う際には、複合機20のIPアドレスを知る必要が無い。
【0038】
しかし、複合機10は、SIPサーバ2から「200 OK」レスポンスを受信すると、このレスポンスのContactヘッダフィールドに含まれたIPアドレス(複合機20のIPアドレス)宛に、ACK以降のSIPメッセージやFAX画像データを送信する。つまり、複合機10は、「INVITE」メッセージの送信から「200 OK」レスポンスの受信まではSIPサーバ2を経由した通信を行い、それ以降はSIPサーバ2を経由しないで、複合機20と直接通信を行う。
この実施形態では、この「200 OK」レスポンスのContactヘッダフィールドに含まれたIPアドレス(複合機20のIPアドレス)も、SIPサーバ2に指示する宛先「AD:2000」の代替実行情報として、実行情報の動作パラメータの記憶箇所で管理する。
図10は、SIPのシーケンスを経て、記憶されたこの実施形態の実行情報を例示する図である。この例では、図5に対して宛先IPアドレス「192.168.20.60」(複合機20のIPアドレス)だけが追加されている。
【0039】
次に、実行情報をもとに設定する処理条件のチェック手順を経て、代替実行情報により設定の変更を可能にした、この実施形態における設定処理を以下に説明する。
ユーザがICカード57を使用してユーザ認証を行った後に、LCD44に表示されたメニュー画面で「機能履歴」を選択すると、実行情報記憶部64によって記憶された実行情報の中からユーザ認証により得たユーザIDの付されたジョブに関するものだけを選択してLCD44にリストとして表示する。
この後、実行情報のリストから、使用する機能を選択すると、実行するジョブの設定処理のフローが開始される。図11は、この実施形態の処理フローを示す図である。
【0040】
図11に示す処理フローによると、まず、実行情報のリスト(図10、参照)からFAX送信が選択されたかどうかチェックする(ステップS201)、ここで、選択されると(ステップS201-YES)、実行情報実行判断部65は、図5に示した処理手順に示された処理を実行する前に、現時点で、同じ処理条件でジョブが実行可能か否かをチェックする(ステップS202)。ここでは、SIPによる発呼接続処理のチェックにて、実行情報のSIPサーバ使用モードがオンになっている場合に、SIPサーバ2に自端末情報が登録されていないと、実行情報に従った処理ができないと判断し、SIPサーバ2に自端末情報が登録されていれば、実行情報に従った処理ができると判断する。
【0041】
この判断の結果、ジョブの実行が可能な場合に(ステップS203-YES)、実行情報実行判断部65からこの判断を受け、複合機10は、実行情報に従った処理を実行する(ステップS204)。
他方、ジョブの実行が可能ではない場合に(ステップS203-NO)、SIPサーバ2を使用した発呼接続から、宛先IPアドレス(複合機20のIPアドレス)への直接発呼接続に処理を切り替える。つまり、実行情報として記憶されたパラメータの中のSIPサーバ使用モードをオンからオフへ、また、宛先アドレスをFAX番号の「2000」から実行情報として管理するIPアドレスの「192.168.20.60」に置き換えて、代替実行情報に従った処理を実行する(ステップS205)。
【0042】
この場合、SIPによる発呼処理の動作は、SIPサーバ2に発呼接続するのではなく、複合機20へ直接発呼接続して、接続を確立した後、複合機20に画像データをFAX送信する。
なお、SIPによる発呼接続処理のチェックにて、SIPサーバ2に自端末情報が登録されていないという情報があった場合、SIPサーバ2を使用した発呼接続から、宛先IPアドレス(複合機20のIPアドレス)への直接発呼接続に処理を切り替えるか否かのメッセージをLCD44に表示して、ユーザから確認の操作があった後に、上記の代替実行情報に従った処理を実行するようにしてもよい。
【0043】
以上のように、実施形態2によると、FAX送信する時のジョブの実行情報を記憶、管理しておき、その後実行するジョブに、管理する実行情報を選択、適用することで記憶された機能、処理手順、及び動作パラメータに従って同じ処理を設定できるようにするが、その際、同じ設定によりジョブが実行可能か否かをチェックする。このチェックで、実行できない場合に、代替実行情報として管理されている処理手順やパラメータへの変更を自動的に行い、実行できるようにするための手順を備えたことで、実行情報を記憶した時とスイッチの設定が異なっていても、相手端末と接続ができるようになり、利便性をさらに向上させることができる。
【0044】
「実施形態3」
この実施形態は、ジョブの実行情報を記憶、管理しておき、その後実行するジョブに、管理する実行情報を選択、適用する、という処理条件の設定方法を採るための手段を有する点で上記実施形態1,2と基本的に同じであるが、ジョブの処理にプラグインされる機能を利用できるようにすること、及び複合機同士で実行情報を共有できるようにすることが構成要素として付加される。
この実施形態では、プラグインによる機能は、IPネットワークを介してサーバから提供され、また、実行情報は、記憶媒体(SDカード)或いは携帯電話等のポータブルな記憶手段を持つ機器(以下、「記憶機器」という)を利用する例を示す。
【0045】
図12は、この実施形態に係るネットワーク構成を示す図である。
図12に示すように、IPネットワーク1には、SIPサーバ2、プラグイン管理サーバ70、拠点B、拠点C及び拠点Dが接続されている。拠点B,C,Dにそれぞれ存在するIP−FAX機能を持つ複合機20,80,90、PC21,81,91及びIP電話22,82,92は、互いにIPネットワーク1を介して通信できるようになっている。
SIPサーバ2は、登録されたIP−FAXの端末情報(端末番号)による接続要求を受け、複合機20,80,90間の発呼接続をサポートする。
プラグイン管理サーバ70は、複合機20,80,90等にプラグインによる機能(プログラム)を提供する。
【0046】
図13は、IP−FAX機能をそれぞれ持つ複合機80,90のハードウェア構成を示す図である。なお、拠点Bの複合機20は、この実施形態では、上記実施形態1,2で示した図2の構成を有するものとするが、ただ、図13と同じ構成であってもよい。また、この実施形態で示す図13と上記実施形態1,2で示した図2のハードウェア構成において、同じ構成要素には、同じ符号を当て、説明を省略しているので、図2の説明を参照することとする。
図13の構成において、図2の構成に対し付加した要素は、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)100、Bluetooth(登録商標)モジュール101、アンテナ102、携帯電話110、SD(Secure Digital)カードコントローラ103、SDカードスロット104、SDカード111である。
UART100は、CPU30とBluetoothモジュール101との間でシリアルデータの授受を行うインターフェースであり、FIFO(First In - First Out)やシフトレジスタ等から構成される。
Bluetoothモジュール101は、RF部とベースバンド部から構成されており、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を実行する。また、携帯電話110はBluetooth通信機能を持っているので、複合機80,90との間でデータの交信ができる。
【0047】
図14は、本実施形態の複合機80,90のFAX送信ジョブに係る機能構成図を示す。なお、この実施形態で示す図14と上記実施形態1,2で示した図3の機能構成において、同じ構成要素には、同じ符号を当て、説明を省略しているので、図3の説明を参照することとする。
図14に示す構成において、図3の構成に対し付加した要素は、プラグイン管理部120、SOAP(Simple Object Access Protocol)コマンド送信部121、プラグイン受信部122、Bluetoothデータ通信部123、SDカード書込・読取部124である。
プラグイン管理部120は、複合機80,90に存在しているプラグインのIDとファイル名とを対応付けてハードディスク41に記憶、管理し、また、プラグインのインストールやアンインストール(削除)を実行する。
【0048】
SOAPコマンド送信部121は、プラグイン管理サーバ70に対して、プラグインの取得要求コマンドを、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)プロトコルを使用したSOAPコマンドで送信する。
プラグイン受信部122は、プラグイン管理サーバ70から「SOAP Messages with Attachments」仕様に従ってSOAPメッセージに添付されたプラグインデータを受信する。
Bluetoothデータ通信部123は、Bluetooth規格に従って、外部のBluetooth通信機能を持った機器(ここでは、携帯電話110)へ実行情報を送信し、また、実行情報を記憶、保持している機器(ここでは、携帯電話110)から実行情報を受信する。
SDカード書込・読取部124は、SDカードに実行情報を書き込み、また、SDカードから実行情報を読み取る。
【0049】
複合機80,90では、ユーザから指定された機能を1つ又は複数のプラグインが実行する。このため、プラグインの実行プラットフォームとして、OSGi(Open Services Gateway Initiative)フレームワークが使用される。このOSGiフレームワークの仕様は、OSGiアライアンスによって作成されている。
OSGiアライアンスでは、プラグインをバンドルと呼んでおり、IP−FAX機能はFAX用のGUI(Graphical User Interface)を提供するGUIバンドル、FAX送信画像をスキャナ38から読み取る画像読み取りバンドル、時刻指定や接続できなかった時の再発呼を行うためのスケジューリング等を実行するFAX通信管理バンドル、SIPとITU−T勧告T.38のプロトコルを実行するプロトコル実行バンドル及び受信した画像データをプリントするプリントバンドルによって実現される。
【0050】
これらのバンドルの中で、画像読み取りバンドルとプリントバンドルは、IP−FAX以外の機能、例えばコピー機能でも使用される。複合機80,90で使用される全てのバンドルにはバンドルIDが付与されており、複合機80,90内に存在するバンドルIDは、プラグイン管理部120が管理している。
プラグインにより取得できるバンドルのファイルは、プラグイン管理サーバ70でもバンドルIDと対応付けて保存、管理されており、複合機80,90は、バンドルのファイルを随時プラグイン管理サーバ70からダウンロードして、インストールすることもできる。
【0051】
次に、上記したネットワークの構成(図12〜14)で、プラグインにより取得されるIP−FAX送信機能を利用して行うFAX送信動作を説明する。
今、複合機80にはIP−FAX送信に必要な全てのバンドルがインストールされているが、複合機90には、IP−FAX送信に必要なFAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルがインストールされていないものとする。
複合機80,90は、ユーザから指定された機能を実行した時に得られた実行情報を、Bluetooth通信やSDカードを介して外部の機器へ渡し、また、実行情報を外部の機器から受け取ることができる。
【0052】
“IP−FAX送信(複合機80→複合機20)”
先ず、拠点Cにいるユーザが、複合機80から拠点Bの複合機20のFAX番号を宛先としてIP−FAX送信操作をすると、複合機80は、SIPサーバ2を使用して複合機20と接続し、複合機20に画像データを送信する。このとき、実行したFAX送信ジョブの処理手順とこの処理で参照されたスイッチ等の動作パラメータに加えて、このIP−FAX送信を実行したプラグインのバンドルのバンドルIDも対応付けて、実行情報としてフラッシュROM32に記憶し、管理する。
図15は、プラグインを利用して実行されたFAX送信ジョブについて管理される実行情報の1例を示す図である。図15に示すように、実行情報にプラグインのバンドルとして、FAX用GUIバンドル、画像読み取りバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルのバンドルIDが追加されており、この点が上記実施形態1の実行情報(図5、参照)との違いである。
【0053】
“他機の実行情報を利用するジョブの設定”
拠点Cの複合機80で行ったFAX送信の実行情報に従った処理を、拠点Dの複合機90でも実行させたい、というユーザの要求がある。
この要求を実現するためには、まず、実行情報を持たない複合機90へ、複合機80で複合機20へFAX送信を行ったときに上記のようにして記憶、管理した実行情報を転送する必要がある。転送方法としては、複合機80のフラッシュROM32に記憶された実行情報をSDカードにコピーして、このSDカードに記憶された実行情報を拠点Dの複合機90で読み取る方法と、複合機80のフラッシュROM32に記憶された実行情報をBluetooth通信により携帯電話110へ転送し、この携帯電話110から実行情報をBluetooth通信により拠点Dの複合機90へさらに転送する方法とがある。
なお、以下に示す実施形態では、Bluetooth通信を使用した方法による例を示す。
【0054】
実行情報を転送する際には、セキュリティを確保する必要があるので、認証手順に従いユーザ認証を行う。Bluetoothでは、認証用のキーとしてPIN(Personal Id Number)コードを用いることができる。
携帯電話110を所有するユーザのPINコードを複合機80と複合機90に登録しておき、複合機80,90は、BluetoothのPINコードを用いた認証手順により携帯電話110を認証して、携帯電話110とのBluetooth通信の実行を許可する。
【0055】
実行情報の転送動作としては、まず、携帯電話110を所有するユーザは、携帯電話110を持って複合機80の前に行くと、携帯電話110と複合機80は、それぞれBluetoothの電波信号を検出して、Bluetooth規格に従った通信手順を開始する。
通信手順の始めに、Bluetoothのインクワイアリ手順により、複合機80は、携帯電話110からユーザ名を取得する。次いで、複合機80は、PINコードを用いた認証手順により携帯電話110を認証して、携帯電話110とのBluetooth通信の実行を許可して、Bluetooth通信コネクションを確立する。
他方、ユーザは、ICカード57を使用して複合機80に対して、ユーザ認証を行った後に、LCD44に表示されたメニュー画面で「機能履歴」を選択すると、実行情報記憶部64によって記憶された実行情報の中からユーザ認証により得たユーザIDの付されたジョブに関するものだけを選択してLCD44にリストとして表示する。
【0056】
ここで、ユーザがジョブの実行情報リストの中から、複合機20への送信(図15、参照)を選択すると、その実行情報に従った処理の実行を開始させるためのスタートキーと、その実行情報の出力先を指定する画面を表示する。
この出力先として、先にBluetooth通信で取得した携帯電話110のユーザ名を表示する。ユーザが出力先としてこの携帯電話110のユーザ名を指定すると、複合機80はBluetoothのOBEX(Object Exchange Protocol)プロトコルにより実行情報を携帯電話110に転送する。
【0057】
次に、Bluetooth通信を使用して、複合機80で実行したジョブの実行情報を取得し、取得した実行情報によって、複合機90において、複合機80で行ったFAX送信と同じ処理を行わせるためのジョブの設定処理の手順を説明する。
この処理の手順は、プラグインを利用して行われた他機の実行情報に従い処理条件を設定する処理のフローを示す図16を参照する。
携帯電話110を所有するユーザは、FAX送信を行うために拠点Dに移動して、まず、携帯電話110を持って複合機90の前に行く。なお、この時点では、ユーザは複合機90がIP−FAX送信機能を実行できない、ということを知らない。
図16に示す処理フローによると、複合機90は、拠点Dに移動したユーザが所有する携帯電話110からのBluetoothの電波信号を検出して(ステップS301-YES)、Bluetooth規格に従った通信手順を開始する。
次いで、上述した拠点Cにおいて複合機80の前で行ったと同様にして、複合機90は、PINコードを用いた認証手順により携帯電話110を認証して(ステップS302)、携帯電話110とのBluetooth通信の実行を許可して、Bluetooth通信コネクションを確立する。
【0058】
他方、このユーザは、ICカード57を使用して、複合機90に対してユーザ認証を行い(ステップS303)、複合機90を操作できるようにする。
この実施形態では、実行情報を外部機器(ここでは、携帯電話110)から転送するための操作を行う入力画面が用意されている。この入力画面に遷移すると、複合機90はBluetoothのインクワイアリ手順により取得した携帯電話110のユーザ名を表示する。
ユーザが、入力画面に表示された携帯電話110から取得したユーザ名を指定して、実行情報の取得を指示するキーを押すと(ステップS304-YES)、複合機90は、BluetoothのOBEXプロトコルにより、携帯電話110からの転送を受け、実行情報を取得する。この後、複合機90は、取得した実行情報を、ユーザに対して示す図6と同様の書式にて、LCD44に表示する(ステップS305)。
【0059】
ここで、ユーザが、送信原稿をスキャナ38にセットして、LCD44に表示された実行情報を選択すると(ステップS306-YES)、実行情報実行判断部65は、図15に示した処理手順に示された処理を実行する前に、現時点で、同じ処理条件でジョブが実行可能か否かをチェックする(ステップS307)。
この実施形態では、実行情報実行判断部65は、チェック項目の1つとして、実行情報をもとに処理条件として設定するバンドル(図15、参照)のインストールの有無をチェックする。このため、プラグイン管理部120から、現在インストールされているバンドルIDを取得し、実行情報のバンドルIDと照合し、有無を確認する。
ここでは、先に記したように、現在、プラグインがない状態である、としたので、IP−FAX送信に必要なFAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルの各バンドルIDが、無いと判断する。
【0060】
このように、IP−FAX送信に必要なバンドルが無く、ジョブが実行できない場合には(ステップS308-NO)、複合機90は、IP−FAX送信に必要なこれらのバンドルをプラグイン管理サーバ70から取得する処理を実行する(ステップS310)。すなわち、SOAPコマンド送信部121は、プラグイン管理サーバ70に対して、FAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルの各バンドルIDを含めたプラグインの取得要求コマンドを、HTTPプロトコルを使用したSOAPコマンドで送信する。このコマンドを受信するプラグイン管理サーバ70は、このコマンドに応答して、FAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルの各ファイルをSOAP Messages with Attachments仕様に従ってSOAPメッセージに添付して複合機90へ送信する。
【0061】
複合機90は、プラグイン管理サーバ70からこれらのファイルを受信すると、プラグイン管理部120が、これらのファイルに含まれた各バンドルをインストールして、各バンドルを起動する。同時に、プラグイン管理部120は、FAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルが追加されたことを実行情報実行判断部65に通知する。
この通知を受ける実行情報実行判断部65は、図15の実行情報に示した処理手順に示された処理を実行可能と判断して、この処理手順に従って、スキャナ38から送信原稿を読み取って、この画像データを複合機20へ送信する処理を実行し(ステップS311)、処理フローを終了する。
他方、ステップS308でジョブが実行可能か否かをチェックし、実行可能と判断した場合には(ステップS308-YES)、図15の実行情報に示した処理手順に従い、直ちに送信処理を実行し(ステップS309)、処理フローを終了する。
なお、FAX送信が完了した後、プラグイン管理部120は、プラグイン管理サーバ70からインストールしたFAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルをアンインストールして、これらのバンドルファイルを削除できるようにしてもよい。このようにすると、バンドルファイルを保存するための記憶容量を節約できる。
【0062】
以上のように、実施形態3によると、FAX送信する時のジョブの実行情報を記憶、管理しておき、その後実行するジョブに、管理する実行情報を選択、適用することで記憶された機能、処理手順、及び動作パラメータに従って同じ処理を設定できるようにするが、その際、ジョブの処理にプラグインされる機能を利用できるようにし、実行に必要なプラグインが無い場合は、プラグイン管理サーバからそのプラグインをダウンロードして、選択された実行情報に従った動作が実行できるため、ユーザがそのプラグインを再度インストールする手間が不要となり、さらに、SDカードや携帯電話等のポータブルな記憶機器を利用して、複合機(端末)同士で実行情報を共有できるようにし、任意の端末にて実行情報に従った送信処理が実行できるようになるので、利便性が向上する。
【0063】
「実施形態4」
この実施形態は、実施形態3の一部を改変したものである。実施形態3では、実行するジョブに実行情報を選択、適用し、同じ処理を設定できるようにする際、実行に必要なプラグインが無い場合は、複合機(端末)は、プラグイン管理サーバからそのプラグインをダウンロードでき、また、携帯電話等のポータブルな記憶機器を利用して、複合機(端末)同士で実行情報を共有できるようにしている。本実施形態では、ネットワークに接続した複合機(端末)は、プラグイン管理サーバを利用できることを前提とした実施形態3を改変して、プラグイン管理サーバからそのプラグインをダウンロードできない複合機(端末)がある場合にも、プラグインを取得できるような構成を採用する。プラグインを取得するための構成として、本実施形態では、実施形態3で実行情報の転送に用いた携帯電話等のポータブルな記憶機器をプラグインの転送にも利用する。なお、本実施形態において、ネットワークの構成及びネットワークの構成要素としての複合機の構成は、実施形態3において図12〜14を参照して示した構成を有する。
【0064】
以下に、携帯電話110がIP−FAX送信に必要なバンドルをプラグイン管理サーバ70から取得し、複合機90へ転送する動作を説明する。
ユーザが、複合機80のフラッシュROM32に記憶されたIP−FAX送信の実行情報をBluetooth通信により携帯電話110へ転送するまでの処理は、上記実施形態3と同様である。
携帯電話110は、複合機80から実行情報を受け取ると、これに含まれた、FAX用GUIバンドル、画像読み取りバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルの各バンドルIDを含めたプラグインの取得要求コマンドをプラグイン管理サーバ70へHTTPプロトコルを使用したSOAPコマンドで送信する。プラグイン管理サーバ70は、このコマンドを受信すると、指定されたバンドルの各ファイルをSOAP Messages with Attachments仕様に従ってSOAPメッセージに添付して携帯電話110へ送信する。携帯電話110は、受信したこれらのバンドルファイルを複合機80から受け取った実行情報と対応付け、内蔵する記憶部に保存する。
【0065】
次に、携帯電話110を所有するユーザは、FAX送信を行うために拠点Dに移動して、まず、携帯電話110を持って複合機90の前に行く。なお、この時点では、ユーザは複合機90がIP−FAX送信機能を実行できない、ということを知らない。
ここで、実施形態3におけると同様に、複合機90は、PINコードを用いた認証手順により携帯電話110を認証して、携帯電話110とのBluetooth通信の実行を許可して、Bluetooth通信コネクションを確立する。
【0066】
他方、ユーザはICカード57を使用して複合機90に対してユーザ認証を行い、複合機90を操作できるようにする。この実施形態では、実行情報を外部機器(ここでは、携帯電話110)から転送するための操作を行う入力画面が用意されている。この入力画面に遷移すると、複合機90はBluetoothのインクワイアリ手順により取得した携帯電話110のユーザ名を表示する。
ユーザが、入力画面に表示された携帯電話110から取得したユーザ名を指定して、実行情報の取得を指示するキーを押すと、複合機90は、BluetoothのOBEXプロトコルにより、携帯電話110からの転送を受け、実行情報を取得する。この後、複合機90は、取得した実行情報を、ユーザに対して示す図6と同様の書式にて、LCD44に表示する。
【0067】
ここで、ユーザが、送信原稿をスキャナ38にセットして、LCD44に表示された実行情報を選択すると、実行情報実行判断部65は、図15に示した処理手順に示された処理を実行する前に、現時点で、同じ処理条件でジョブが実行可能か否かをチェックする。
この実施形態では、実行情報実行判断部65は、チェック項目の1つとして、実行情報をもとに処理条件として設定するバンドル(図15、参照)のインストールの有無をチェックする。このため、プラグイン管理部120から、現在インストールされているバンドルIDを取得し、実行情報のバンドルIDと照合し、有無を確認する。
ここでは、先に記したように、現在、プラグインがない状態である、としたので、IP−FAX送信に必要なFAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルの各バンドルIDが、無いと判断する。
【0068】
このように、IP−FAX送信に必要なバンドルが無く、ジョブが実行できない場合には、複合機90は、IP−FAX送信に必要なこれらのバンドルを携帯電話110から取得する処理を実行する。すなわち、複合機90は、FAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルの各バンドルIDを含めたプラグインの取得要求コマンドをBluetoothのOBEXプロトコルにより携帯電話110へ送信する。
このコマンドを受信する携帯電話110は、このコマンドに応答して、先に内蔵の記憶部に保存しておいたFAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルの各ファイルをBluetoothのOBEXプロトコルにより複合機90へ送信する。
【0069】
複合機90は、携帯電話110からこれらのファイルを受信すると、プラグイン管理部120が、これらのファイルに含まれた各バンドルをインストールして、各バンドルを起動する。同時に、プラグイン管理部120は、FAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルが追加されたことを実行情報実行判断部65に通知する。
この通知を受ける実行情報実行判断部65は、図15の実行情報に示した処理手順に示された処理を実行可能と判断して、この処理手順に従って、スキャナ38から送信原稿を読み取って、この画像データを複合機20へ送信する処理を実行する。
FAX送信が完了すると、プラグイン管理部120は、携帯電話110から転送し、インストールしたFAX用GUIバンドル、FAX通信管理バンドル、プロトコル実行バンドルをアンインストールして、これらのバンドルファイルを削除する。
【0070】
以上のように、実施形態4によると、実施形態3と同様に、記憶しておいた実行情報に従って、プラグインされる機能を利用するFAX送信処理を設定できるようにし、実行に必要なプラグインが無い場合は、プラグイン管理サーバからそのプラグインを取得するが、その際、複合機(端末)同士で実行情報を共有するために用いる携帯電話等のポータブルな記憶機器を利用して、プラグイン管理サーバからそのプラグインをダウンロードし、その後、携帯電話等を介して複合機(端末)に転送できるようにしたので、プラグイン管理サーバからプラグインを直接ダウンロードできない複合機(端末)でも、当該FAX送信処理が実行できるようになり、利便性が向上する。
また、プラグイン管理サーバから携帯電話等のポータブルな記憶機器を介してインストールした実行情報を、FAX送信動作が終了した時点でアンインストールするようにしたので、複合機(端末)のメモリを効率よく使用することができ、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態1,2に係るネットワーク構成を示す図である。
【図2】図1のネットワークを構成する複合機(IP−FAX)のハードウェア構成を示す図である。
【図3】図2の複合機(IP−FAX)のFAX送信に係る機能構成を示す図である。
【図4】各複合機のFAX番号とIPアドレス、及びSIPサーバのIPアドレスの1例を表にまとめて示す図である。
【図5】実行されたジョブについて管理される実行情報の1例を示す図である。
【図6】ユーザに表示される実行情報リストの例を示す図である。
【図7】実行情報リスト(図6)において選択する実行情報がFAX送信であるときに指定する表示領域(太線枠)を示す図である。
【図8】実行するジョブに処理条件を設定する処理のフローを示す図である。
【図9】SIPサーバを介して行うFAX通信のシーケンスを示す図である。
【図10】SIPのシーケンスを経て行われるジョブについて管理される実行情報の1例を示す図である。
【図11】代替実行情報により設定の変更を可能にした、処理条件の設定処理のフローを示す図である。
【図12】本発明の実施形態3,4に係るネットワーク構成を示す図である。
【図13】図12のネットワークを構成する複合機(IP−FAX)のハードウェア構成を示す図である。
【図14】図13の複合機(IP−FAX)のFAX送信に係る機能構成を示す図である。
【図15】プラグインを利用して実行されたFAX送信ジョブについて管理される実行情報の1例を示す図である。
【図16】プラグインを利用する処理条件の設定処理のフローを示す図である。
【符号の説明】
【0072】
1:IPネットワーク、2:SIPサーバ、10,20,80,90:複合機(IP−FAX)、30:CPU、31:メインメモリ、32:フラッシュROM、38:スキャナ、40:プリントエンジン、41:ハードディスク、44:LCD、46:LANI/F、47:ICカードリーダ、50:ハードキー、52:タッチパネル、60:画像取得部、61:画像送信部、62:表示制御部、63:操作部、64:実行情報記憶部、65:実行情報実行判断部、101:Bluetoothモジュール、110:携帯電話、111:SDカード、120:プラグイン管理部、121:SOAPコマンド送信部、122:プラグイン受信部、123:Bluetoothデータ通信部、124:SDカード書込・読取部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理条件を設定するための入力部及び表示部をユーザインターフェースとして持つ操作手段と、実行されたジョブに設定された機能、処理手順及び機器に設定された動作パラメータ等の処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶手段と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶手段に記憶された中から前記操作手段により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定手段と、前記処理条件設定手段によって設定された処理条件に従ってジョブを処理する処理手段を有する情報処理装置であって、
前記処理条件設定手段の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定された処理条件に基づいて、当該実行情報の記憶時と同じ処理が実行可能か否かを判断する実行可否判断手段と、
前記実行可否判断手段により同じ処理が実行できないと判断されたときに、実行不可理由を含む判断結果の表示を前記操作手段の表示部に行わせる手段と、
前記処理条件設定手段による処理条件の設定を変更するための操作を前記操作手段の操作部で行えるようにする手段を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
処理条件を設定するための入力部及び表示部をユーザインターフェースとして持つ操作手段と、実行されたジョブに設定された機能、処理手順及び機器に設定された動作パラメータ等の処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶手段と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶手段に記憶された中から前記操作手段により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定手段と、前記処理条件設定手段によって設定された処理条件に従ってジョブを処理する処理手段を有する情報処理装置であって、
前記実行情報記憶手段に記憶された実行情報による場合と同一処理結果を得るために代替して実行可能な処理条件を記憶する代替実行情報記憶手段と、
前記処理条件設定手段の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定された処理条件に基づいて、当該実行情報の記憶時と同じ処理が実行可能か否かを判断する実行可否判断手段と、
前記実行可否判断手段により同じ処理が実行できないと判断されたときに、前記代替実行情報記憶手段に記憶された処理条件により当該ジョブの設定を変更する設定変更手段を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
処理条件を設定するための入力部及び表示部をユーザインターフェースとして持つ操作手段と、プラグイン機能の実行に要する情報を管理するプラグイン管理手段と、実行されたジョブに設定されたプラグイン機能を含む処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶手段と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶手段に記憶された中から前記操作手段により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定手段と、前記処理条件設定手段によって設定されたプラグイン機能を含む処理条件に従ってジョブを処理する処理手段を有する情報処理装置であって、
前記処理条件設定手段の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定されたプラグイン機能を有するか否かをプラグイン管理手段で管理する情報に基づいて判断する実行プラグイン有無判断手段と、
前記実行プラグイン有無判断手段によりプラグイン機能がないと判断されたときに、当該プラグイン機能の取得要求コマンドをサーバに対して送信するコマンド送信手段と、
前記サーバから送信されてくるプラグイン機能を受信するプラグイン受信手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された情報処理装置において、
前記実行情報記憶手段に記憶された中から前記操作手段により指定される実行情報を外部機がアクセスできる記憶場所を指定して転送する手段と、
前記実行情報記憶手段を指定の記憶場所として転送されてきた外部機の実行情報を受取る手段を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
処理条件を設定するための入力部及び表示部をユーザインターフェースとして持つ操作手段と、プラグイン機能の実行に要する情報を管理するプラグイン管理手段と、実行されたジョブに設定されたプラグイン機能を含む処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶手段と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶手段に記憶された中から前記操作手段により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定手段と、前記処理条件設定手段によって設定されたプラグイン機能を含む処理条件に従ってジョブを処理する処理手段を有する情報処理装置であって、
前記処理条件設定手段の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定されたプラグイン機能を有するか否かをプラグイン管理手段で管理する情報に基づいて判断する実行プラグイン有無判断手段と、
前記実行プラグイン有無判断手段によりプラグイン機能がないと判断されたときに、当該プラグイン機能の取得を、プラグイン機能の取得要求コマンドをサーバに対して送信するプラグイン記憶機器に指示するプラグイン取得指示手段と、
前記プラグイン記憶機器が取得し、転送してくるプラグイン機能を受取る手段を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかに記載された情報処理装置において、
前記サーバから取得したプラグイン機能を用いた処理の実行後、前記実行情報記憶手段に記憶された当該プラグイン機能を削除する手段を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載された情報処理装置において、
ユーザ認証手段を備え、
前記ユーザ認証手段による認証を条件に、前記操作手段における処理条件を設定するための入力を有効とすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
実行されたジョブに設定された機能、処理手順及び機器に設定された動作パラメータ等の処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶工程と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶工程で記憶された中から入力操作により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定工程と、前記処理条件設定工程によって設定された処理条件に従ってジョブを処理する処理工程を有する情報処理方法であって、
前記処理条件設定工程の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定された処理条件に基づいて、当該実行情報の記憶時と同じ処理が実行可能か否かを判断する実行可否判断工程と、
前記実行可否判断工程により同じ処理が実行できないと判断されたときに、実行不可理由を含む判断結果の表示をする表示工程と、
前記処理条件設定工程による処理条件の設定を変更する入力操作を受付け、設定を変更する設定変更工程をさらに有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
実行されたジョブに設定された機能、処理手順及び機器に設定された動作パラメータ等の処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶工程と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶工程で記憶された中から入力操作により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定工程と、前記処理条件設定工程によって設定された処理条件に従ってジョブを処理する処理工程を有する情報処理方法であって、
前記実行情報記憶工程で記憶された実行情報による場合と同一処理結果を得るために代替して実行可能な処理条件を記憶する代替実行情報記憶工程と、
前記処理条件設定工程の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定された処理条件に基づいて、当該実行情報の記憶時と同じ処理が実行可能か否かを判断する実行可否判断工程と、
前記実行可否判断工程により同じ処理が実行できないと判断されたときに、前記代替実行情報記憶工程で記憶された処理条件により当該ジョブの設定を変更する設定変更工程をさらに有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
実行されたジョブに設定されたプラグイン機能を含む処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶工程と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶工程で記憶された中から入力操作により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定工程と、前記処理条件設定工程によって設定されたプラグイン機能を含む処理条件に従ってジョブを処理する処理工程を有する情報処理方法であって、
前記処理条件設定工程の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定されたプラグインによる機能を有するか否かをプラグイン管理情報に基づいて判断する実行プラグイン有無判断工程と、
前記実行プラグイン有無判断工程によりプラグインによる機能がないと判断されたときに、当該プラグイン機能の取得要求コマンドをサーバに対して送信するコマンド送信工程と、
前記サーバから送信されてくるプラグイン機能を受信するプラグイン受信工程をさらに有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
実行されたジョブに設定されたプラグイン機能を含む処理条件を実行情報として記憶する実行情報記憶工程と、実行するジョブに対し、前記実行情報記憶工程で記憶された中から入力操作により指定される実行情報に示される処理条件を利用し、処理を要求するジョブに設定する処理条件設定工程と、前記処理条件設定工程によって設定されたプラグイン機能を含む処理条件に従ってジョブを処理する処理工程を有する情報処理方法であって、
前記処理条件設定工程の設定に従って処理を実行するのに先だって、設定されたプラグイン機能を有するか否かをプラグイン管理情報に基づいて判断する実行プラグイン有無判断工程と、
前記実行プラグイン有無判断工程によりプラグイン機能がないと判断されたときに、当該機能の取得を、プラグイン機能の取得要求コマンドをサーバに対して送信するプラグイン記憶機器に指示するプラグイン取得指示工程と、
前記プラグイン記憶機器が取得し、転送してくるプラグイン機能を受取る工程をさらに有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
請求項8乃至11いずれかに記載された情報処理方法が有する各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載されたプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−135763(P2009−135763A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310455(P2007−310455)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】