説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラム

【課題】複数の基本方向に対応する複数の押下部を含み、ユーザが複数の押下部のうちの少なくとも一つを押下することによって方向を指示する情報処理装置において、ユーザが指示可能な方向の数を増やすことが可能な情報処理装置を提供すること。
【解決手段】方向取得手段(72)は、複数の押下部の各々に加えられた押下力に関する押下力情報を取得する。方向取得手段(72)は、第1押下部及び第2押下部が押下された場合、第1基本方向と第2基本方向との間の方向を、第1押下部及び第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて取得する。第1押下部及び第2押下部が押下された場合に方向取得手段(72)によって取得される方向は、第1押下部及び第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて変わる。処理実行手段(74)は、方向取得手段(72)によって取得された方向に基づいて処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の基本方向に対応する複数の押下部を含み、ユーザが複数の押下部のうちの少なくとも一つを押下することによって方向を指示する情報処理装置が知られている。このような情報処理装置としては、例えば、上下左右の四方向に対応する四つのボタンを含むコントローラ、又は十字ボタンを含むコントローラを備えたゲーム装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−158862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような情報処理装置ではユーザが指示可能な方向が比較的限られていた。例えば、上下左右の四方向に対応する四つのボタンを含むコントローラ、又は十字ボタンを含むコントローラを備えたゲーム装置では、ユーザが指示可能な方向が、45度間隔の八方向(上、下、左、右、右上、左上、右下、及び左下)に限られていた。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数の基本方向に対応する複数の押下部を含み、ユーザが複数の押下部のうちの少なくとも一つを押下することによって方向を指示する情報処理装置において、ユーザが指示可能な方向の数を増やすことが可能な情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、複数の基本方向に対応する複数の押下部を含み、ユーザが前記複数の押下部のうちの少なくとも一つを押下することによって方向を指示する情報処理装置において、前記複数の押下部の押下状態に基づいて方向を取得する方向取得手段と、前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて処理を実行する処理実行手段と、を含み、前記方向取得手段は、前記複数の押下部の各々に加えられた押下力に関する押下力情報を取得する手段と、前記複数の押下部のうちの第1押下部及び第2押下部が押下された場合、前記第1押下部に対応する第1基本方向と前記第2押下部に対応する第2基本方向との間の方向を、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて取得する手段と、を含み、前記第1押下部及び前記第2押下部が押下された場合に前記方向取得手段によって取得される方向は、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて変わることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、複数の基本方向に対応する複数の押下部を含み、ユーザが前記複数の押下部のうちの少なくとも一つを押下することによって方向を指示する情報処理装置の制御方法において、前記複数の押下部の押下状態に基づいて方向を取得する方向取得ステップと、前記方向取得ステップによって取得された方向に基づいて処理を実行する処理実行ステップと、を含み、前記方向取得ステップは、前記複数の押下部の各々に加えられた押下力に関する押下力情報を取得するステップと、前記複数の押下部のうちの第1押下部及び第2押下部が押下された場合、前記第1押下部に対応する第1基本方向と前記第2押下部に対応する第2基本方向との間の方向を、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて取得するステップと、を含み、前記第1押下部及び前記第2押下部が押下された場合に前記方向取得ステップによって取得される方向は、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて変わることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、複数の基本方向に対応する複数の押下部を含むコンピュータを、ユーザが前記複数の押下部のうちの少なくとも一つを押下することによって方向を指示する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、前記複数の押下部の押下状態に基づいて方向を取得する方向取得手段、及び、前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて処理を実行する処理実行手段、として前記コンピュータを機能させ、前記方向取得手段は、前記複数の押下部の各々に加えられた押下力に関する押下力情報を取得する手段と、前記複数の押下部のうちの第1押下部及び第2押下部が押下された場合、前記第1押下部に対応する第1基本方向と前記第2押下部に対応する第2基本方向との間の方向を、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて取得する手段と、を含み、前記第1押下部及び前記第2押下部が押下された場合に前記方向取得手段によって取得される方向は、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて変わることを特徴とするプログラムである。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、複数の基本方向に対応する複数の押下部を含み、ユーザが複数の押下部のうちの少なくとも一つを押下することによって方向を指示する情報処理装置において、ユーザが指示可能な方向の数を増やすことが可能になる。
【0011】
また本発明の一態様では、前記方向取得手段は、前記第1押下部及び前記第2押下部が押下された場合、前記第1基本方向を示し、かつ、前記第1押下部に加えられた押下力に対応する大きさを有する第1基本方向ベクトルと、前記第2基本方向を示し、かつ、前記第2押下部に加えられた押下力に対応する大きさを有する第2基本方向ベクトルと、を合成してなる合成ベクトルが示す方向を取得するようにしてもよい。
【0012】
また本発明の一態様では、前記処理実行手段は、前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて移動対象を移動させる手段を含むようにしてもよい。前記方向取得手段は、前記第1基本方向ベクトル及び前記第2基本方向ベクトルのうちの少なくとも一方の大きさの上限又は下限を、前記移動対象の位置に基づいて設定する手段を含むようにしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記処理実行手段は、前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて移動対象を移動させる手段を含むようにしてもよい。前記方向取得手段は、前記移動対象のパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段に記憶される前記パラメータを取得する手段と、前記第1基本方向ベクトルの大きさを、前記第1押下部に加えられた押下力に応じて段階的に変化するように設定する手段と、前記第2基本方向ベクトルの大きさを、前記第2押下部に加えられた押下力に応じて段階的に変化するように設定する手段と、前記第1基本方向ベクトル及び前記第2基本方向ベクトルのうちの少なくとも一方の大きさの段階の数を、前記パラメータに基づいて設定する手段と、を含むようにしてもよい。前記パラメータは、前記移動対象の能力又は性能に関するパラメータと、前記移動対象の移動又は時間経過に伴って増加又は減少されるパラメータと、の少なくとも一方を含むようにしてもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記処理実行手段は、移動対象を移動させる手段と、前記移動対象の移動方向を前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて設定する手段と、前記移動対象が移動する場合の速さを前記合成ベクトルの大きさに基づいて設定する手段と、を含むようにしてもよい。
【0015】
また本発明の一態様では、前記方向取得手段は、前記第1基本方向又は前記第2基本方向との間の角度を、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて決定する手段と、前記第1基本方向と前記第2基本方向との間の前記方向を、決定された前記角度に基づいて取得する手段と、を含むようにしてもよい。
【0016】
また本発明の一態様では、前記処理実行手段は、前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて移動対象を移動させる手段を含むようにしてもよい。前記方向取得手段は、前記第1基本方向又は前記第2基本方向との間の角度の上限又は下限を、前記移動対象の位置に基づいて設定する手段を含むようにしてもよい。
【0017】
また本発明の一態様では、前記処理実行手段は、前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて移動対象を移動させる手段を含むようにしてもよい。前記方向取得手段は、前記移動対象のパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段に記憶される前記パラメータを取得する手段と、前記第1基本方向又は前記第2基本方向との間の角度を、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に応じて段階的に変化するように決定する手段と、前記第1基本方向又は前記第2基本方向との間の角度の段階の数を、前記パラメータに基づいて設定する手段と、を含むようにしてもよい。前記パラメータは、前記移動対象の能力又は性能に関するパラメータと、前記移動対象の移動又は時間経過に伴って増加又は減少されるパラメータと、の少なくとも一方を含むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置(情報処理装置)のハードウェア構成を示す図である。
【図2A】コントローラの一例を示す図である。
【図2B】コントローラの一例を示す図である。
【図3】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図4】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図6】方向取得部の機能について説明するための図である。
【図7】基本方向ベクトルデータの一例を示す図である。
【図8】ゲーム装置が実行する処理の一例を示すフロー図である。
【図9】実施形態1aにおける上限データの一例を示す図である。
【図10】ピッチ内の領域について説明するための図である。
【図11】実施形態1aにおける方向取得部の機能を説明するための図である。
【図12】実施形態1aの効果について説明するための図である。
【図13】実施形態1aにおける基本方向ベクトルデータの一例を示す図である。
【図14】実施形態1bにおける基本方向ベクトルデータの一例を示す図である。
【図15】実施形態2における方向取得部の機能を説明するための図である。
【図16】実施形態2における角度データの一例を示す図である。
【図17】実施形態2aにおける下限データの一例を示す図である。
【図18】実施形態2aにおける方向取得部の機能を説明するための図である。
【図19】実施形態2bにおける角度データの一例を示す図である。
【図20】実施形態3aにおける方向取得部の機能を説明するための図である。
【図21】実施形態3bにおける方向取得部の機能を説明するための図である。
【図22】実施形態3cにおける代表方向データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。ここでは、情報処理装置の一態様であるゲーム装置に本発明を適用した場合について説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置(情報処理装置)は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータなどによって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0020】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。表示部32及び音声出力部34は家庭用ゲーム機11に接続される。表示部32としては例えば家庭用テレビ受像機又は液晶ディスプレイなどが用いられ、音声出力部34としては例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカ又はヘッドホンなどが用いられる。
【0021】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスクドライブ24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。コントローラ30以外の構成要素は家庭用ゲーム機11の筐体内に収容される。
【0022】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、情報処理を実行する。主記憶16は例えばRAMを含み、光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータが主記憶16に書き込まれる。主記憶16はマイクロプロセッサ14の作業用メモリとしても用いられる。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0023】
画像処理部18はVRAMを含み、マイクロプロセッサ14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面はビデオ信号に変換されて所定のタイミングで表示部32に出力される。
【0024】
入出力処理部20はマイクロプロセッサ14が音声処理部22、光ディスクドライブ24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された音声データを音声出力部34から出力する。通信インタフェース28はインターネットなどの通信ネットワークに家庭用ゲーム機11を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0025】
光ディスクドライブ24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。ここでは、プログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えば通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。なお、光ディスク36に記憶されることとして説明するプログラムやデータはハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0026】
コントローラ30はゲーム操作を受け付けるための汎用操作手段である。家庭用ゲーム機11には一又は複数のコントローラ30が有線又は無線接続される。図2A及び図2Bはコントローラ30の一例を示す。なお、図2Aにおいて、X軸はコントローラ30の長軸方向(左右方向)に対応し、Y軸はコントローラ30の短軸方向(上下方向)に対応しており、X軸とY軸とは直交している。以下では、Y軸正方向のことを「上方向」と呼び、Y軸負方向のことを「下方向」と呼ぶことがある。また、X軸正方向のことを「右方向」と呼び、X軸負方向のことを「左方向」と呼ぶことがある。
【0027】
コントローラ30の表面30aには、方向ボタン群40と、ボタン42A,42B,42X,42Yと、が設けられている。さらに、コントローラ30はスティック(レバー)42L,42Rも備えている。方向ボタン群40は、上方向に対応する上方向ボタン40Uと、下方向に対応する下方向ボタン40Dと、左方向に対応する左方向ボタン40Lと、右方向に対応する右方向ボタン40Rと、を含む。方向ボタン群40は例えば方向を指示する操作に用いられる。
【0028】
上方向ボタン40Uは感圧ボタンとして構成されている。例えば、上方向ボタン40Uには感圧センサが設けられ、上方向ボタン40Uに加えられた押下力が検出される。そして、上方向ボタン40Uに加えられた押下力に関する押下力情報が家庭用ゲーム機11に入力される。上方向ボタン40Uに加えられた押下力は、例えば0〜255の数値(以下「押下力値」と呼ぶ。)によって表される。上方向ボタン40Uに加えられた押下力が大きくなるほど、押下力値も大きくなる。上方向ボタン40Uの押下力値が0である状態とは、上方向ボタン40Uが押下されていない状態である。
【0029】
下方向ボタン40D、左方向ボタン40L、及び右方向ボタン40Rも、それぞれ、上方向ボタン40Uと同様に感圧ボタンとして構成され、これらのボタンの各々に加えられた押下力も検出される。
【0030】
スティック44L,44Rは、コントローラ30の筐体の表面30aに直立しており、この直立状態から全方位に所定角度だけ傾倒自在に構成されている。スティック44Lの上下方向及び左右方向の傾き情報が家庭用ゲーム機11に入力される。
【0031】
例えば、左右方向の傾きは、例えば−127〜+127の数値で表される。値「0」は、スティック44Lが左右方向に傾いていないことを示す。また、値「+127」は、スティック44Lが右方向に限界まで倒れていることを示す。さらに、値「−127」は、スティック44Lが左方向に限界まで倒れていることを示す。上下方向についても同様である。また、スティック44Rもスティック44Lと同様である。
【0032】
スティック44L,44Rも例えば方向を指示する操作に用いられる。ボタン42A,42B,42X,42Yは各種ゲーム操作に用いられる。なお、ボタン42A,42B,42X,42Yも、それぞれ、方向ボタン群40と同様に感圧ボタンとして構成され、これらのボタンの各々に加えられた押下力が検出される。
【0033】
入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の各操作部材の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に供給する。上方向ボタン40U、下方向ボタン40D、左方向ボタン40L、及び右方向ボタン40Rの各々の押下力値や、スティック44L,44Rの各々の傾き情報も操作信号としてマイクロプロセッサ14に供給される。マイクロプロセッサ14は操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。
【0034】
ゲーム装置10では、光ディスク36から読み出されたゲームプログラムが実行されることによって、例えばサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームでは、ユーザが操作するチーム(以下「ユーザチーム」と呼ぶ。)と、対戦相手チームと、の試合が行われる。
【0035】
サッカーゲームを実現するために、ゲーム空間が主記憶16に構築される。図3はゲーム空間の一例を示す。図3に示すゲーム空間50は、互いに直交する三つの座標軸(Xw軸、Yw軸、及びZw軸)が設定された仮想的な3次元空間になっている。図3に示すように、ゲーム空間50には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド52が配置される。フィールド52上にはゴールライン54a,54bやタッチライン56a,56bが表されている。なお、ゴールライン54a,54b及びタッチライン56a,56bによって囲まれた領域のことを「ピッチ」と呼ぶ。
【0036】
また、フィールド52上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール58と、サッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ60と、サッカーボールを表すオブジェクトであるボール62と、が配置される。図3では省略されているが、フィールド52上には、ユーザチームに所属する11体の選手キャラクタ60と、対戦相手チームに所属する11体の選手キャラクタ60と、が配置される。
【0037】
ゴール58の一方はユーザチームに対応づけられ、他方は対戦相手チームに対応づけられる。いずれか一方のチームに対応づけられたゴール58内にボール62が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0038】
また、ゲーム空間50には仮想カメラ64(視点)が設定される。ゲーム空間50を仮想カメラ64から見た様子を表すゲーム画面が表示部32に表示される。本実施形態の場合、仮想カメラ64の視線方向64aは、視線方向64aをフィールド52(Xw−Zw平面)に投影してなる方向がZw軸正方向と一致するように設定される。また、仮想カメラ64はゲーム空間50内をXw軸方向と平行に移動する。
【0039】
図4はゲーム画面の一例を示す。図4に示すゲーム画面には、ユーザチームに所属する選手キャラクタ60a,60bと、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ60c,60dと、が表示されている。
【0040】
ユーザチームに所属する選手キャラクタ60のうちのいずれかがユーザの操作対象に設定される。ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ60は、ユーザの操作に基づいて行動する。図4に示すゲーム画面では、三角形状のカーソル66が選手キャラクタ60aの頭上に表示されている。カーソル66は、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ60を案内する役割を果たしている。なお以下では、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ60のことを「ユーザキャラクタ」と呼ぶ。
【0041】
ユーザは方向ボタン群40を用いてユーザキャラクタを移動させることができる。すなわち、ユーザキャラクタは方向ボタン群40の押下状態に基づく方向に移動する。本実施形態の場合、コントローラ30における上方向(図2におけるY軸正方向)はZw軸正方向に対応し、下方向(Y軸負方向)はZw軸負方向に対応する。また、コントローラ30における左方向(X軸負方向)はXw軸負方向に対応し、右方向(X軸正方向)はXw軸正方向に対応する。
【0042】
このため、例えば、上方向ボタン40Uのみが押下されている場合、ユーザキャラクタはZw軸正方向に移動する。また例えば、右方向ボタン40Rのみが押下されている場合、ユーザキャラクタはXw軸正方向に移動する。なお、ユーザキャラクタがボール62を保持している場合、ユーザキャラクタの移動動作はドリブル動作になる。
【0043】
また、ユーザは方向ボタン群40とボタン42A,42B,42X,42Yとを用いて、ボール62を蹴る動作をユーザキャラクタに行わせることができる。例えば、ユーザキャラクタがボール62を保持している状態でボタン42Aが押下されると、ユーザキャラクタはパス動作を行う。この場合、パス方向(ユーザキャラクタによって蹴られたボール62の移動方向)は、ボタン42Aが押下された時点の方向ボタン群40の押下状態に基づいて設定される。
【0044】
例えば、ボタン42Aが押下された時点で上方向ボタン40Uのみが押下されていた場合、ユーザキャラクタはZw軸正方向にパスを行う。すなわち、ユーザキャラクタによって蹴られたボール62はZw軸正方向に移動する。また例えば、ボタン42Aが押下された時点で右方向ボタン40Rのみが押下されていた場合、ユーザキャラクタはXw軸正方向にパスを行う。
【0045】
以下、上記のゲーム装置10において、ユーザキャラクタ(又はユーザキャラクタによって蹴られたボール62)の移動方向として、45度間隔の八方向(上、下、左、右、右上、左上、右下、及び左下方向)よりも多い方向をユーザが指示できるようにするための技術について説明する。
【0046】
図5は、ゲーム装置10で実現される機能を示す機能ブロック図である。図5に示すように、ゲーム装置10は記憶部70、方向取得部72、及び処理実行部74を含む。記憶部70は例えば主記憶16、ハードディスク26、又は/及び光ディスク36によって実現され、方向取得部72及び処理実行部74はマイクロプロセッサ14が光ディスク36から読み出されたプログラムを実行することによって実現される。
【0047】
記憶部70は各種データを記憶する。本実施形態の場合、記憶部70はサッカーゲームに関するデータを記憶する。
【0048】
例えば、記憶部70は、各選手キャラクタ60の能力を示す能力パラメータを記憶する。例えば、移動能力やパス能力などを示す能力パラメータが記憶される。例えば、能力パラメータは0〜100の値をとり、能力が高いほど、能力パラメータの値は高くなる。
【0049】
また例えば、記憶部70は、各選手キャラクタ60の疲労度を示す疲労度パラメータを記憶する。疲労度パラメータも0〜100の値をとり、疲労度が高いほど、疲労度パラメータの値は高くなる。例えば、疲労度パラメータの初期値は0に設定され、疲労度パラメータの値は時間経過に伴って増加される。また例えば、選手キャラクタ60が行動(例えば移動)を行うのに伴って、疲労度パラメータの値は増加される。
【0050】
なお、疲労度パラメータの代わりに、スタミナを示すスタミナパラメータが記憶されるようにしてもよい。スタミナパラメータも0〜100の値をとり、スタミナが高いほど、スタミナパラメータの値は高くなる。例えば、スタミナパラメータの初期値は100に設定され、スタミナパラメータの値は時間経過に伴って減少される。また例えば、選手キャラクタ60が行動(例えば移動)を行うのに伴って、スタミナパラメータの値は減少される。
【0051】
さらに例えば、記憶部70は現在のゲーム状況を示すゲーム状況データを記憶する。例えば、下記に示すようなデータがゲーム状況データに含まれる。
(a)各選手キャラクタ60の状態データ
(b)ボール62の状態データ(例えば位置、移動方向、及び移動速度など)
(c)仮想カメラ64の状態データ(例えば位置、視線方向、及び画角など)
(d)両チームの得点データ
(e)経過時間データ
【0052】
なお、選手キャラクタ60の状態データには、例えば、選手キャラクタ60の位置、向き(姿勢)、動作種類、移動方向、移動速度などを示すデータが含まれる。また、選手キャラクタ60の状態データには、例えば、選手キャラクタ60がユーザの操作対象に設定されているか否かを示すデータや、選手キャラクタ60がボール62を保持しているか否かを示すデータも含まれる。
【0053】
方向取得部72は、複数の基本方向に対応する複数の押下部の押下状態に基づいて方向を取得する。本実施形態の場合、上方向ボタン40U、下方向ボタン40D、左方向ボタン40L、及び右方向ボタン40Rが「複数の押下部」に相当する。また、「基本方向」や「方向」は、コントローラ30における方向(X−Y平面における方向)であってもよいし、ゲーム空間50における方向(Xw−Zw平面における方向)であってもよい。
【0054】
以下では、「基本方向」や「方向」が、コントローラ30における方向である場合について説明する。この場合、上方向(図2におけるY軸正方向)、下方向(Y軸負方向)、左方向(X軸負方向)、右方向(X軸正方向)が「複数の基本方向」に相当する。ところで、「基本方向」がゲーム空間50における方向である場合には、Xw軸正方向及び負方向、Zw軸正方向及び負方向が「複数の基本方向」に相当する。
【0055】
方向取得部72は、複数の押下部の各々に加えられた押下力に関する押下力情報を取得する。本実施形態の場合、方向取得部72は、上方向ボタン40U、下方向ボタン40D、左方向ボタン40L、及び右方向ボタン40Rの各々の押下力値を「押下力情報」として取得する。
【0056】
また、方向取得部72は、複数の押下部のうちの2つの押下部、例えば、第1押下部及び第2押下部が押下された場合、第1押下部に対応する第1基本方向と第2押下部に対応する第2基本方向との間の方向を、第1押下部及び第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて取得する。方向取得部72によって取得される方向は、第1押下部及び第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて変わる。
【0057】
例えば、第1押下部及び第2押下部が押下された場合、方向取得部72は、第1押下部に対応する第1基本方向を示す第1基本方向ベクトルを取得する。第1基本方向ベクトルの大きさは、第1押下部に加えられた押下力に対応する大きさに設定される。また、方向取得部72は、第2押下部に対応する第2基本方向を示す第2基本方向ベクトルを取得する。第2基本方向ベクトルの大きさは、第2押下部に加えられた押下力に対応する大きさに設定される。そして、方向取得部72は、第1基本方向ベクトル及び第2基本方向ベクトルを合成してなる合成ベクトルが示す方向を取得する。
【0058】
図6は、方向取得部72の機能の一例について説明するための図である。なお上述したように、本実施形態の場合、上方向(図2におけるY軸正方向)はZw軸正方向に対応し、右方向(X軸正方向)はXw軸正方向に対応している。また、図6において、X軸(Xw軸)とY軸(Zw軸)とは直交しており、X軸とY軸との交点は、コントローラ30の方向ボタン群40に囲まれた領域の中心に対応している。
【0059】
ここで、上方向ボタン40U(第1押下部)及び右方向ボタン40R(第2押下部)が押下された場合を想定する。上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rが押下された場合、図6に示すように、方向取得部72は、上方向(第1基本方向)を示す上方向ベクトルVu(第1基本方向ベクトル)を取得する。また、方向取得部72は、右方向(第2基本方向)を示す右方向ベクトルVr(第2基本方向ベクトル)を取得する。上方向ベクトルVuの大きさは、上方向ボタン40Uの押下力値に対応する大きさに設定され、右方向ベクトルVrの大きさは、右方向ボタン40Rの押下力値に対応する大きさに設定される。
【0060】
本実施形態の場合、第1基本方向ベクトルや第2基本方向ベクトルの大きさを押下力に対応する大きさに設定するためのデータが記憶部70に記憶される。より具体的には、押下力に関する情報と、基本方向ベクトルの大きさに関する情報と、を対応づけた基本方向ベクトルデータが記憶される。図7は基本方向ベクトルデータの一例を示す図である。なお、図7に示す基本方向ベクトルデータはテーブル形式のデータとなっているが、基本方向ベクトルデータは数式形式のデータであってもよい。
【0061】
図7に示す基本方向ベクトルデータでは、基本方向ベクトルの大きさが押下力値に応じて段階的に変化するようになっている。基本方向ベクトルの大きさは0〜10のいずれかに設定されるようになっている。方向ボタンが押下されていない場合、すなわち押下力値が0である場合、基本方向ベクトルの大きさは0に設定される。
【0062】
図7に示す基本方向ベクトルデータによれば、例えば、上方向ボタン40Uの押下力値が「150」である場合、上方向ベクトルVuの大きさが「6」に設定される。また例えば、右方向ボタン40Rの押下力値が「70」である場合、右方向ベクトルVrの大きさが「3」に設定される。
【0063】
そして、図6に示すように、方向取得部72は、上方向ベクトルVuと右方向ベクトルVrとを合成してなる合成ベクトルVoを取得し、合成ベクトルVoが示す方向を取得する。本実施形態の場合、上方向ベクトルVuと右方向ベクトルVrの大きさが、上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rに加えられる押下力が変わることによって変わるため、この合成ベクトルVoが示す方向も、上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rに加えられる押下力が変わることによって変わる。このため、ユーザは上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rに加える押下力を調整することによって、この合成ベクトルVoが示す方向を変えることが可能である。
【0064】
なお、例えば、上方向ボタン40U及び左方向ボタン40Lが押下された場合、下方向ボタン40D及び左方向ボタン40Lが押下された場合、又は、下方向ボタン40D及び右方向ボタン40Rが押下された場合にも、同様にして、方向取得部72による方向の取得が実行される。
【0065】
処理実行部74は、方向取得部72によって取得された方向に基づいて処理を実行する。例えば、処理実行部74は、方向取得部72によって取得された方向に基づいて、移動対象を移動させる。本実施形態の場合、ユーザキャラクタが「移動対象」に相当する。また、ユーザキャラクタによって蹴られたボール62も「移動対象」に相当し得る。
【0066】
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。図8はゲーム装置10が所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行する処理のうちの、本発明に関連する処理を主に示すフロー図である。マイクロプロセッサ14は光ディスク36から読み出されたプログラムに従って、図8に示す処理を実行する。マイクロプロセッサ14が図8に示す処理を実行することによって、方向取得部72及び処理実行部74が実現される。
【0067】
図8に示す処理では、まずマイクロプロセッサ14は、方向ボタン群40のうちの一つの方向ボタンのみが押下されているか否かを、コントローラ30から供給される操作信号に基づいて判定する(S101)。一つの方向ボタンのみが押下されている場合、マイクロプロセッサ14(方向取得部72)は、その方向ボタンに対応する基本方向をユーザの指示方向として取得する(S102)。例えば、上方向ボタン40Uのみが押下されている場合、上方向ボタン40Uに対応する基本方向である上方向が、ユーザの指示方向として取得される。
【0068】
一方、方向ボタン群40のうちの一つの方向ボタンのみが押下されている状態でない場合、マイクロプロセッサ14は、方向ボタン群40のうちの二つの方向ボタンのみが押下されており、かつ、それら二つの方向ボタンの組み合わせが所定の組み合わせであるか否かを、コントローラ30から供給される操作信号に基づいて判定する(S103)。ここで、「所定の組み合わせ」とは上方向ボタン40U及び下方向ボタン40Dの一方と、左方向ボタン40L及び右方向ボタン40Rの一方と、の組み合わせである。
【0069】
二つの方向ボタンのみが押下されており、かつ、それら二つの方向ボタンの組み合わせが所定の組み合わせである場合、マイクロプロセッサ14(方向取得部72)は、それら二つの方向ボタンに対応する二つの基本方向ベクトルを取得する(S104)。
【0070】
例えば、上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rのみが押下されている場合、マイクロプロセッサ14は、上方向ボタン40Uに対応する基本方向を示す上方向ベクトルVu(図6参照)と、右方向ボタン40Rに対応する基本方向を示す右方向ベクトルVr(図6参照)と、を取得する。この場合、基本方向ベクトルデータ(図7参照)に基づいて、上方向ベクトルVuの大きさは、上方向ボタン40Uの押下力値に対応する大きさに設定され、右方向ベクトルVrの大きさは、右方向ボタン40Rの押下力値に対応する大きさに設定される。
【0071】
その後、マイクロプロセッサ14(方向取得部72)は、ステップS104で取得された二つの基本方向ベクトルを合成し(S105)、合成ベクトル(例えば、図6における合成ベクトルVo)が示す方向をユーザの指示方向として取得する(S106)。
【0072】
ステップS101〜S106の処理が実行された後、マイクロプロセッサ14(処理実行部74)はユーザキャラクタの状態を更新する(S107)。例えば、マイクロプロセッサ14は、ユーザキャラクタの移動方向を、ステップS102又はS106で取得されたユーザの指示方向に基づいて設定し、その移動方向に基づいて、ユーザキャラクタの位置を更新する。その結果、ユーザキャラクタがユーザの指示方向に従って移動するようになる。
【0073】
なお、マイクロプロセッサ14(処理実行部74)は、ユーザキャラクタが移動する場合の速さを、ステップS105において取得された合成ベクトルの大きさに基づいて設定するようにしてもよい。例えば、合成ベクトルが大きいほど、ユーザキャラクタが移動する場合の速さが速くなるようにしてもよい。こうすれば、ユーザが方向ボタン群40を押下する力を調整することによってユーザキャラクタの速さを指示できるようなユーザインタフェースを実現できるようになる。
【0074】
またステップS107において、例えば、マイクロプロセッサ14はユーザがボタン42Aを押下したか否かを判定する。そして、ユーザがボタン42Aを押下した場合、マイクロプロセッサ14はユーザキャラクタにパス動作を行わせる。例えば、パス動作を行うように、ユーザキャラクタの状態(例えば姿勢)が更新される。
【0075】
その後、マイクロプロセッサ14(処理実行部74)は、ユーザキャラクタ以外の選手キャラクタ60と、ボール62と、の状態を更新する(S108)。例えば、ユーザキャラクタ以外の選手キャラクタ60はAI(人工知能)に従って行動するため、ユーザキャラクタ以外の選手キャラクタ60の状態(例えば位置など)はAIに従って更新される。
【0076】
また例えば、いずれかの選手キャラクタ60によってボール62が蹴られた場合、ステップS108において、目標方向に向けて移動するように、ボール62の状態(例えば位置や移動方向など)が更新される。特に、ユーザキャラクタによってボール62が蹴られた場合、ボール62の移動方向が、ステップS102又はS106で取得されたユーザの指示方向に基づいて設定され、その移動方向に基づいて、ボール62の位置が更新される。その結果、ユーザキャラクタによって蹴られたボール62がユーザの指示方向に従って移動するようになる。
【0077】
なお、マイクロプロセッサ14は、ユーザキャラクタによって蹴られたボール62の速さを、ステップS105において取得された合成ベクトルの大きさに基づいて設定するようにしてもよい。例えば、合成ベクトルが大きいほど、ボール62の速さが速くなるようにしてもよい。
【0078】
その後、マイクロプロセッサ14はゲーム画面を更新する(S109)。ゲーム空間50を仮想カメラ64から見た様子を表すゲーム画面が生成され、そのゲーム画面が表示部32に表示される。そして、本処理は終了する。
【0079】
以上説明したゲーム装置10によれば、方向ボタン群40を押下する力を調整することによって、45度間隔の八方向(上、下、左、右、右上、左上、右下、及び左下方向)よりも多くの方向を指示できるようになる。例えば、ユーザは上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rを押下する力を調整することによって、上方向と右方向との間の方向をより細かく指示できるようになる。
【0080】
なお、方向ボタン群40の代わりに、ボタン42A,42B,42X,42Yを用いてユーザキャラクタ(又はユーザキャラクタに蹴られたボール62)の移動方向を指示できるようにしてもよい。例えば、ボタン42Yを上方向に対応するボタンとして上方向ボタン40Uの代わりに用いるようにし、ボタン42Aを下方向に対応するボタンとして下方向ボタン40Dの代わりに用いるようにしてもよい。さらに、ボタン42Xを左方向に対応するボタンとして左方向ボタン40Lの代わりに用いるようにし、ボタン42Bを右方向に対応するボタンとして右方向ボタン40Rの代わりに用いるようにしてもよい。
【0081】
そして、例えばボタン42Yとボタン42Bとが押下された場合、方向取得部72は、上方向と右方向との間の方向を、ボタン42Y及びボタンの42Bの各々の押下力値に基づいて取得するようにしてもよい。
【0082】
[実施形態1a]
実施形態1において、移動対象が境界線を越えて所定領域内から外に移動し難くなるように図るようにしてもよい。例えば、ユーザキャラクタ(又はボール62)がピッチ外に移動し難くなるように図るようにしてもよい。
【0083】
実施形態1aにおける方向取得部72は、第1押下部及び第2押下部が押下された場合に、第1押下部に対応する第1基本方向ベクトルと、第2押下部に対応する第2基本方向ベクトルと、の少なくとも一方の大きさの上限又は下限を、移動対象の位置に基づいて設定する。
【0084】
実施形態1aでは、第1基本方向ベクトルと第2基本方向ベクトルとの少なくとも一方の大きさの上限又は下限を移動対象の位置に基づいて設定するためのデータが記憶部70に記憶される。例えば、ユーザキャラクタ(又はボール62)の位置に関する情報と、基本方向ベクトルの大きさの上限又は下限に関する情報と、を対応づけたデータが記憶部70に記憶される。図9は、基本方向ベクトルの大きさの上限データの一例を示す。図9に示す上限データは、ピッチ内の領域と、基本方向ベクトルの大きさの上限と、を対応づけたデータになっている。
【0085】
なお図9では、上方向ボタン40Uに対応し、かつ、上方向(Y軸正方向)を示す基本方向ベクトルのことを「上方向ベクトル」と記載している。同様に、下方向ボタン40Dに対応し、かつ、下方向(Y軸負方向)を示す基本方向ベクトルのことを「下方向ベクトル」と記載している。また、左方向ボタン40Lに対応し、かつ、左方向(X軸負方向)を示す基本方向ベクトルのことを「左方向ベクトル」と記載している。同様に、右方向ボタン40Rに対応し、かつ、右方向(X軸正方向)を示す基本方向ベクトルのことを「右方向ベクトル」と記載している。
【0086】
図10は、ピッチ内の領域A1〜A9について説明するための図である。図10に示すように、領域A1,A2,A3はいずれも、タッチライン56aからの距離が基準距離d未満である領域である。このうち、領域A1は、ゴールライン54aからの距離が基準距離d未満である領域であり、領域A3は、ゴールライン54bからの距離が基準距離d未満である領域である。領域A2は、ゴールライン54a,54bからの距離が基準距離d以上である領域である。
【0087】
領域A4,A5,A6はいずれも、タッチライン56bからの距離が基準距離d未満である領域である。このうち、領域A4は、ゴールライン54aからの距離が基準距離d未満である領域であり、領域A5は、ゴールライン54bからの距離が基準距離d未満である領域である。領域A6は、ゴールライン54a,54bからの距離が基準距離d以上である領域である。
【0088】
領域A7,A8,A9はいずれも、タッチライン56a,56bからの距離が基準距離d以上である領域である。このうち、領域A7は、ゴールライン54aからの距離が基準距離d未満である領域であり、領域A8は、ゴールライン54bからの距離が基準距離d未満である領域である。領域A9は、ゴールライン54a,54bからの距離が基準距離d以上である領域である。
【0089】
例えば領域A2はタッチライン56aと隣接しており、領域A2内に位置しているユーザキャラクタ(又はボール62)がZw軸正方向に移動すると、タッチライン56aを越えてピッチ外に移動してしまう。この点を踏まえて、図9に示す上限データでは、領域A2に関して、Zw軸正方向に対応する基本方向ベクトルである上方向ベクトルの大きさの上限が、通常の値(10)よりも小さい値(2)に設定されており、他の基本方向ベクトルの上限が、通常の値(10)に設定されている。他の領域に関しても、同様の考え方に基づいて、基本方向ベクトルの上限が設定されている。
【0090】
実施形態1aでは、図8のステップS104において取得される二つの基本方向ベクトルの大きさの上限が、図9に示す上限データに基づいて設定される。
【0091】
図11は、実施形態1aにおける方向取得部72の機能について説明するための図である。ここでは、例えばボール62を保持しているユーザキャラクタが領域A2内に位置している状態において、上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rが押下された場合を想定する。また、上方向ボタン40Uの押下力値は「150」であり、かつ、右方向ボタン40Rの押下力値は「70」であることとする。
【0092】
この場合、図7に示す基本方向ベクトルデータによれば、上方向ボタン40Uに対応する上方向ベクトルVuの大きさとして「6」が取得される。しかし、図9に示す上限データによれば、ユーザキャラクタ(又はボール62)が領域A2内にいる場合の上方向ベクトルの大きさの上限が「2」であるため、上方向ベクトルVuの大きさは「2」に変更される。図11において、上方向ベクトルVu’は変更後の上方向ベクトルを示している。
【0093】
一方、図7に示す基本方向ベクトルデータによれば、右方向ボタン40Rに対応する右方向ベクトルVrの大きさとして「3」が取得される。図9に示す上限データによれば、ユーザキャラクタ(又はボール62)が領域A2内にいる場合の右方向ベクトルの大きさの上限は「10」であるため、右方向ベクトルVrの大きさは「3」のままとなる。
【0094】
この場合、ステップS105では、上方向ベクトルVu’及び右方向ベクトルVrを合成してなる合成ベクトルVo’が取得され、ステップS107(又はステップS108)では、この合成ベクトルVo’が示す方向に基づいて、ユーザキャラクタ(又はユーザキャラクタによって蹴られたボール62)の移動方向が設定される。
【0095】
図12は実施形態1aの効果について説明するための図であり、領域A2に位置しているユーザキャラクタの移動方向が、合成ベクトルVo’に基づいて設定された場合と、変更前の上方向ベクトルVuと右方向ベクトルVrとを合成してなる合成ベクトルVoに基づいて設定された場合と、を比較した図である。図12において、移動方向M’は合成ベクトルVo’に基づいて設定された移動方向であり、移動方向Mは合成ベクトルVoに基づいて設定された移動方向である。図12に示すように、移動方向M’に移動する場合の方が移動方向Mに移動する場合に比べて、タッチライン56aを越えてピッチ外に移動し難くなっている。
【0096】
このように、実施形態1aによれば、例えば、ユーザキャラクタ(又はボール62)がピッチ外に移動し難くなるように図ることが可能になる。なお、この機能(ユーザキャラクタ又はボール62がピッチ外に移動し難くなるようにする機能)は、例えば初心者ユーザの操作をアシストする機能として用いるようにすればよい。すなわち、この機能は、初心者ユーザがユーザチームを操作する場合にのみ有効となるようにすればよい。
【0097】
なお、実施形態1aでは、図7に示した基本方向ベクトルデータと、図9に示した上限データと、を組み合わせたようなデータが基本方向ベクトルデータとして記憶されるようにしてもよい。図13は、この場合の基本方向ベクトルデータの一例を示す図である。図13に示す基本方向ベクトルデータでは、押下力値と基本方向ベクトルの大きさとの対応関係が領域A1〜A9ごとに定められている。
【0098】
また、図9に示す上限データの代わりに、基本方向ベクトルの大きさの下限データが記憶されるようにしてもよい。この場合、例えば領域A2に関して、Zw軸正方向に対応する基本方向ベクトルである上方向ベクトルの大きさの下限が通常の値(0)に設定され、上方向ベクトル以外の基本方向ベクトルの大きさの下限が、通常の値(0)よりも大きい値(9)に設定されるようにすればよい。他の領域に関しても、同様の考え方に基づいて、基本方向ベクトルの下限を設定するようにすればよい。こうしても、ユーザキャラクタ(又はボール62)がピッチ外に移動し難くなるように図ることが可能になる。
【0099】
[実施形態1b]
実施形態1において、ユーザに移動対象の能力(又は性能)を実感させるようにしてもよい。例えば、ユーザにユーザキャラクタの能力を実感させるようにしてもよい。
【0100】
実施形態1では、第1基本方向ベクトル及び第2基本方向ベクトルの大きさが、第1押下部及び第2押下部の各々に加えられた押下力に応じて段階的に変わるようになっている(図7参照)。この点、実施形態1bにおける方向取得部72は、第1基本方向ベクトル及び第2基本方向ベクトルの少なくとも一方の大きさの段階の数を、移動対象のパラメータに基づいて設定する。
【0101】
移動対象のパラメータとは、例えばユーザキャラクタの能力(性能)に関するパラメータであり、より具体的には、移動能力又はパス能力などに関するパラメータである。
【0102】
実施形態1bでは、例えば図14に示すような基本方向ベクトルデータが記憶される。図14に示す基本方向ベクトルデータでは、押下力と基本方向ベクトルの大きさとの対応関係がユーザキャラクタのパラメータの範囲ごとに定められている。
【0103】
図14に示す基本方向ベクトルデータでは、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)以上である場合の基本方向ベクトルの大きさの段階の数は11段階(0〜10)になっている。一方、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)未満である場合の基本方向ベクトルの大きさの段階の数は6段階(0,2,4,6,8,10)になっている。すなわち、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)未満である場合には、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)以上である場合に比べて、基本方向ベクトルの大きさの段階の数が少なくなっている。
【0104】
実施形態1bでは、図8のステップS104において、二つの基本方向ベクトルの大きさが、ユーザキャラクタのパラメータと、二つの方向ボタンの押下力値と、図14に示す基本方向ベクトルデータと、に基づいて設定される。
【0105】
ここで、上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rが押下された場合を想定する。なお、上方向ボタン40Uの押下力値は「150」であり、かつ、右方向ボタン40Rの押下力値は「70」であることとする。
【0106】
この場合、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)以上であれば、上方向ベクトルの大きさが「6」に設定され、右方向ベクトルの大きさが「3」に設定される。一方、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)未満であれば、上方向ベクトルの大きさが「6」に設定され、右方向ベクトルの大きさが「4」に設定される。そして、図8のステップS105では、このようにして設定された上方向ベクトル及び右方向ベクトルが合成され、ステップS107(又はステップS108)では、合成ベクトルが示す方向に基づいて、ユーザキャラクタ(又はユーザキャラクタによって蹴られたボール62)の移動方向が設定される。
【0107】
実施形態1bによれば、ユーザにユーザキャラクタの能力を実感させるようなユーザインターフェースを実現できるようになる。基本方向ベクトルの大きさの段階の数が多いほど、ステップS106で取得される合成ベクトルが示す方向は、方向ボタン群40に加えられる押下力に応じて細かく変化するようになる。すなわち、基本方向ベクトルの大きさの段階の数が多いほど、ユーザはユーザキャラクタの移動方向(又はユーザキャラクタによって蹴られたボール62の移動方向)をより細かく指示できるようになる。
【0108】
このため、実施形態1bによれば、ユーザキャラクタの能力によって、ユーザキャラクタの移動方向(又はユーザキャラクタによって蹴られたボール62の移動方向)を細かく指示できたり、できなくなったりするようになる。その結果、ユーザにユーザキャラクタの能力を実感させるようなユーザインターフェースを実現できるようになる。
【0109】
なお、ユーザキャラクタのパラメータは疲労度パラメータ(又はスタミナパラメータ)であってもよい。この場合、図14に示す基本方向ベクトルデータは、ユーザキャラクタの疲労度が高くなるほど(又はユーザキャラクタのスタミナが少なくなるほど)、基本方向ベクトルの大きさの段階の数が少なくなるように設定すればよい。
【0110】
このようにすれば、ユーザキャラクタの疲労度(スタミナ)によって、ユーザキャラクタの移動方向(又はユーザキャラクタによって蹴られたボール62の移動方向)を細かく指示できたり、できなくなったりするようになる。その結果、ユーザにユーザキャラクタの疲労度(スタミナ)を実感させるようなユーザインターフェースを実現できるようになる。
【0111】
[実施形態2]
実施形態2は、第1押下部及び第2押下部が押下された場合に、第1押下部に対応する第1基本方向(又は第2押下部に対応する第2基本方向)との間の角度を、第1押下部及び第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて決定することによって、第1基本方向と第2基本方向との間の方向を取得する点に特徴がある。
【0112】
実施形態2に係るゲーム装置10は実施形態1と同様のハードウェア構成を有する(図1,2A,2B参照)。また実施形態2では、実施形態1と同様に、例えばサッカーゲームが実行される。すなわち、実施形態1と同様のゲーム空間50(図3参照)が構築され、実施形態1と同様のゲーム画面(図4参照)が表示される。
【0113】
さらに、実施形態2に係るゲーム装置10は実施形態1と同様の機能ブロックを含む(図5参照)。ただし、実施形態2における方向取得部72の機能は実施形態1と異なる点がある。このため、以下、方向取得部72の機能について説明する。
【0114】
実施形態2における方向取得部72は、第1押下部及び第2押下部が押下された場合に、第1基本方向又は第2基本方向との間の角度を、第1押下部及び第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて決定し、該決定された角度に基づいて、第1基本方向と第2基本方向との間の方向を取得する。
【0115】
図15は、実施形態2における方向取得部72の機能について説明するための図である。ここでは、上方向ボタン40U(第1押下部)及び右方向ボタン40R(第2押下部)が押下された場合を想定する。上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rが押下された場合、図15に示すように、上方向ボタン40Uに対応する基本方向(上方向)との間の角度θ1と、右方向ボタン40Rに対応する基本方向(右方向)との間の角度θ2とが、上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rの各々の押下力値に基づいて決定される。そして、角度θ1,θ2が、決定された角度となるような方向Doが取得される。
【0116】
実施形態2では、第1基本方向又は第2基本方向との間の角度を、第1押下部及び第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて決定するためのデータが記憶部70に記憶される。例えば、図16に示すような角度データが記憶部70に記憶される。図16において、「R」は、第1押下部の押下力値(F1)と第2押下部の押下力値(F2)との合計に対する、第1押下部の押下力値(F1)の割合を示している。
【0117】
図16に示す角度データは、第1押下部及び第2押下部の各々に加えられた押下力に関する情報と、第1基本方向又は第2基本方向との間の角度に関する情報と、を対応づけたデータとなっている。なお、第1基本方向又は第2基本方向との間の角度によって、第1基本方向と第2基本方向との間の方向が特定されるため、「第1基本方向又は第2基本方向との間の角度に関する情報」は、第1基本方向と第2基本方向との間の方向に関する情報ともいうことができる。図16に示す角度データでは、第1押下部の押下力値の割合(R)が大きくなると(すなわち、第1押下部に加えられた押下力が大きくなると)、第1基本方向との間の角度(θ1)が小さくなるようになっている。
【0118】
なお、図16に示す角度データは、第1押下部及び第2押下部の組み合わせが、上方向ボタン40U及び下方向ボタン40Dの一方と、左方向ボタン40L及び右方向ボタン40Rの一方と、の組み合わせである場合のみを想定している。このような場合、第1基本方向と第2基本方向との間の角度は90度であるため、角度θ1,θ2の合計は90度になる。角度θ1,θ2の一方が分かれば、他方も分かるため、図16に示す角度データでは角度θ1,θ2の一方を省略するようにしてもよい。
【0119】
例えば、上方向ボタン40U(第1押下部)及び右方向ボタン40R(第2押下部)が押下された場合、方向取得部72は、上方向(第1基本方向)と右方向(第2基本方向)との間の方向を、上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rの各々の押下力値と、図16に示した角度データと、に基づいて取得する。すなわち、方向取得部72は、上方向(第1基本方向)との間の角度θ1と、右方向(第2基本方向)との間の角度θ2とを、上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rの各々の押下力値と、図16に示した角度データと、に基づいて取得する。
【0120】
例えば、上方向ボタン40Uの押下力値(F1)が「150」であり、かつ、右方向ボタン40Rの押下力値(F2)が「70」である場合、上方向ボタン40Uの押下力値の割合(R)は「0.68」になる。このため、方向取得部72は、上方向との間の角度θ1として「36度」を取得し、右方向との間の角度θ2として「54度」を取得する。そして、方向取得部72は、上方向からの角度θ1が「36度」であり、かつ、右方向からの角度θ2が「54度」であるような方向Doを取得する。
【0121】
なお、図16に示した角度データはテーブル形式のデータであったが、角度データはテーブル形式のデータでなくてもよく、例えば数式データであってもよい。例えば、下記の式(1)〜(3)によって、角度θ1,θ2が算出されるようにしてもよい。なお、下記の式(2)及び(3)において、「90度」は第1基本方向と第2基本方向との間の角度である。
【0122】
R=F1/(F1+F2) ・・・(1)
θ1=90度*(1−R) ・・・(2)
θ2=90度−θ1 ・・・(3)
【0123】
上記の式(1)〜(3)では、第1押下部の押下力値(F1)が第2押下部の押下力値(F2)に比べて大きいほど、第1基本方向との間の角度(θ1)が小さくなるようになっている。
【0124】
実施形態2によっても、方向ボタン群40を押下する力を調整することによって、45度間隔の八方向(上、下、左、右、右上、左上、右下、及び左下方向)よりも多くの方向を指示できるようになる。例えば、ユーザは上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rの各々を押下する力を調整することによって、上方向と右方向との間の方向をより細かく指示できるようになる。
【0125】
[実施形態2a]
実施形態2において、実施形態1aと同様に、移動対象が境界線を越えて所定領域内から外に移動し難くなるように図るようにしてもよい。例えば、ユーザキャラクタ(又はボール62)がピッチ外に移動し難くなるように図るようにしてもよい。
【0126】
実施形態2aにおける方向取得部72は、第1押下部及び第2押下部が押下された場合に、第1押下部に対応する第1基本方向(又は第2押下部に対応する第2基本方向)との間の角度の上限又は下限を、移動対象の位置に基づいて設定する。
【0127】
実施形態2aでは、第1基本方向又は第2基本方向との間の角度の上限又は下限を、移動対象の位置に基づいて設定するためのデータが記憶部70に記憶される。例えば、ユーザキャラクタ(又はボール62)の位置に関する情報と、基本方向との間の角度の上限又は下限に関する情報と、を対応づけてなるデータが記憶される。図17は、基本方向との間の角度の下限データの一例を示す。図17に示す下限データは、ピッチ内の領域A1〜A9(図10参照)と、基本方向との間の角度の下限と、を対応づけたデータになっている。
【0128】
例えば領域A2はタッチライン56aと隣接しており、領域A2内に位置しているユーザキャラクタ(又はボール62)がZw軸正方向に移動すると、タッチライン56aを越えてピッチ外に移動してしまう。この点を踏まえて、図17に示す下限データでは、領域A2に関して、Zw軸正方向に対応する基本方向である上方向との間の角度の下限が、通常の値(0度)よりも大きい値(70度)に設定されており、他の基本方向との間の角度の下限が、通常の値(0度)に設定されている。他の領域に関しても、同様の考え方に基づいて、基本方向との間の角度の下限が設定されている。
【0129】
なお例えば、領域A1はゴールライン54a及びタッチライン56aとの両方に隣接している。このような領域に関しては、ゴールライン54aに着目して、基本方向との間の角度の下限が設定されるようになっている。すなわち、領域A1内に位置しているユーザキャラクタ(又はボール62)がXw軸負方向に移動すると、ゴールライン54aを越えてピッチ外に移動してしまう。この点を踏まえて、図17に示す下限データでは、領域A1に関して、Xw軸負方向に対応する基本方向である左方向との間の角度の下限が、通常の値(0度)よりも大きい値(70度)に設定されており、他の基本方向との間の角度の下限が、通常の値(0度)に設定されている。
【0130】
図18は、実施形態2aにおける方向取得部72の機能について説明するための図である。ここでは、例えばボール62を保持しているユーザキャラクタが領域A2内に位置している状態において、上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rが押下された場合を想定する。なお、上方向ボタン40Uの押下力値は「150」であり、かつ、右方向ボタン40Rの押下力値は「70」であることとする。
【0131】
この場合、例えば図16に示した角度データが参照され、上方向ボタン40Uに対応する基本方向(上方向)との間の角度θ1として「36度」が取得される。しかし、図17に示した下限データによれば、ユーザキャラクタ(又はボール62)が領域A2内に位置している場合における上方向との間の角度の下限は「70度」であるため、上方向との間の角度θ1は「70度」に変更される。また、上記の式(3)に従って、右方向ボタン40Rに対応する基本方向(右方向)との間の角度θ2として「20度」が取得される。そして、上方向からの角度が「70度」であり、かつ、右方向からの角度が「20度」であるような方向Doが取得される。
【0132】
この場合、実施形態1aと同様に、ユーザキャラクタ(又はボール62)がピッチ外に移動し難くなる(図12参照)。
【0133】
[実施形態2b]
実施形態2において、実施形態1bと同様に、ユーザに移動対象の能力(又は性能)を実感させるようにしてもよい。例えば、ユーザにユーザキャラクタの能力を実感させるようにしてもよい。
【0134】
実施形態2では、第1基本方向又は第2基本方向との間の角度が、第1押下部及び第2押下部の各々に加えられた押下力に応じて段階的に変わるようになっている(図16参照)。この点、実施形態2bにおける方向取得部72は、第1基本方向又は第2基本方向との間の角度の段階の数を、移動対象のパラメータに基づいて設定する。
【0135】
移動対象のパラメータとは、例えばユーザキャラクタの能力(性能)に関するパラメータであり、より具体的には、移動能力又はパス能力などに関するパラメータである。
【0136】
実施形態2bでは、例えば図19に示すような角度データが記憶部70に記憶される。図19に示す角度データでは、押下力値と、第1基本方向又は第2基本方向との間の角度と、の対応関係がユーザキャラクタのパラメータの範囲ごとに定められている。
【0137】
図19に示す角度データでは、ユーザキャラクタのパラメータ(例えば移動能力パラメータ)の値が基準値(50)以上である場合、角度θ1,θ2が9段階で変化するようになっている。一方、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)未満である場合、角度θ1,θ2が5段階で変化するようになっている。すなわち、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)未満である場合には、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)以上である場合に比べて、角度θ1,θ2の段階の数が少なくなっている。
【0138】
実施形態2bでは、第1押下部及び第2押下部が押下された場合、第1基本方向又は第2基本方向との間の角度が、ユーザキャラクタのパラメータと、第1押下部及び第2押下部の各々の押下力値と、図19に示した角度データと、に基づいて決定される。
【0139】
ここで、上方向ボタン40U及び右方向ボタン40Rが押下された場合を想定する。なお、上方向ボタン40Uの押下力値は「150」であり、かつ、右方向ボタン40Rの押下力値は「70」であることとする。
【0140】
この場合、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)以上であれば、上方向ボタン40Uに対応する基本方向(上方向)との間の角度θ1が「36度」に決定され、右方向ボタン40Rに対応する基本方向(右方向)との間の角度θ2が「54度」に決定される。一方、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)未満であれば、上方向ボタン40Uに対応する基本方向(上方向)との間の角度θ1が「27度」に決定され、右方向ボタン40Rに対応する基本方向(右方向)との間の角度θ2が「63度」に決定される。そして、上方向との間の角度θ1と右方向との間の角度θ2が、決定された角度になるような方向Doが取得され(図15参照)、その方向に基づいて、ユーザキャラクタ(又はユーザキャラクタによって蹴られたボール62)の移動方向が設定される。
【0141】
実施形態2bによれば、実施形態1bと同様に、ユーザにユーザキャラクタの能力を実感させるようなユーザインターフェースを実現できるようになる。角度θ1,θ2の段階の数が多いほど、方向取得部72によって取得される方向は、方向ボタン40群に加えられる押下力に応じて細かく変化するようになる。すなわち、角度θ1,θ2の段階の数が多いほど、ユーザはユーザキャラクタの移動方向(又はパスの際のボール62の移動方向)をより細かく指示できるようになる。
【0142】
このため、実施形態2bによれば、例えばユーザキャラクタの能力(性能)によって、ユーザキャラクタの移動方向(又はユーザキャラクタによって蹴られたボール62の移動方向)をより細かく指示できたり、できなくなったりするようになる。実施形態2bによれば、ユーザキャラクタの能力(性能)をユーザに実感させるようなユーザインターフェースを実現できるようになる。
【0143】
なお、ユーザキャラクタのパラメータは疲労度パラメータ(又はスタミナパラメータ)であってもよい。この場合、図19に示した角度データでは、ユーザキャラクタの疲労度が高い場合(又はユーザキャラクタのスタミナが少ない場合)には、ユーザキャラクタの疲労度が低い場合(又はユーザキャラクタのスタミナが多い場合)に比べて、角度θ1,θ2の段階の数が少なくなるように設定されるようにすればよい。
【0144】
このようにすれば、ユーザキャラクタの疲労度(スタミナ)によって、ユーザキャラクタの移動方向(又はパスの際のボール62の移動方向)をより細かく指示できたり、できなくなったりするようになる。その結果として、ユーザキャラクタの疲労度(スタミナ)をユーザに実感させるようなユーザインターフェースを実現できるようになる。
【0145】
[実施形態3]
実施形態3は、方向ボタン群40の代わりに、スティック44Lが用いられる点で実施形態1,2とは異なる。すなわち、実施形態3では、ユーザがスティック44Lを傾けることによって、ユーザキャラクタの移動方向や、ユーザキャラクタが蹴ったボール62の移動方向を指示するようになっている。
【0146】
実施形態3に係るゲーム装置10は実施形態1と同様のハードウェア構成を有する(図1,2A,2B参照)。また実施形態3では、実施形態1と同様に、例えばサッカーゲームが実行される。すなわち、実施形態1と同様のゲーム空間50(図3参照)が構築され、実施形態1と同様のゲーム画面(図4参照)が表示される。
【0147】
さらに、実施形態3に係るゲーム装置10は実施形態1と同様の機能ブロックを含む(図5参照)。ただし、実施形態3における方向取得部72は、スティック44Lの傾倒方向に基づいて方向を取得する点で実施形態1,2と相違する。
【0148】
[実施形態3a]
実施形態3においても、実施形態1a,2aと同様、移動対象が境界線を越えて所定領域内から外に移動し難くなるように図るようにしてもよい。例えば、ユーザキャラクタ(又はボール62)がピッチ外に移動し難くなるように図るようにしてもよい。
【0149】
実施形態3aにおける方向取得部72は、スティック44Lの傾倒方向が第1基本方向と第2基本方向との間に含まれる場合、第1基本方向又は第2基本方向との間の角度の上限又は下限を、移動対象の位置に基づいて設定する。
【0150】
図20は、実施形態3aにおける方向取得部72の機能について説明するための図である。ここでは、例えばボール62を保持しているユーザキャラクタが領域A9内に位置している状態において、スティック44Lの傾倒方向Diが上方向(第1基本方向)と右方向(第2基本方向)との間に含まれる場合を想定する。なお、スティック44Lの傾倒方向Diと上方向との間の角度は「30度」であり、スティック44Lの傾倒方向Diと右方向との間の角度が「60度」であることとする。
【0151】
実施形態3aでは、移動対象の位置に関する情報と、基本方向との間の角度の大きさの上限又は下限に関する情報と、を対応づけたデータが記憶部70に記憶される。例えば図17に示した下限データと同様のデータが記憶される。
【0152】
この場合、図17に示した下限データに基づいて、領域A9に対応づけられた上方向との間の角度の下限として「0度」が取得され、この上限に基づいて、上方向との角度の大きさが変更される。この場合、上方向との角度の大きさ(30度)は下限(0度)よりも大きいため、上方向との角度は「30度」のままとなる。同様に、領域A9に対応づけられた右方向との間の角度の下限として「0度」が取得され、この上限に基づいて、右方向との角度の大きさが変更される。この場合、右方向との角度の大きさ(60度)は下限(0度)よりも大きいため、右方向との角度は「60度」のままとなる。すなわち、この場合、方向取得部72は、スティック44Lの傾倒方向Diに対応する方向を取得する。例えば、スティック44Lの傾倒方向Diがそのまま取得される。
【0153】
一方、例えばボール62を保持しているユーザキャラクタが領域A2内に位置している状態において、スティック44Lの傾倒方向Diが上方向(第1基本方向)と右方向(第2基本方向)との間に含まれる場合を想定する。なお、スティック44Lの傾倒方向Diと上方向との間の角度は「30度」であり、スティック44Lの傾倒方向Diと右方向との間の角度が「60度」であることとする。
【0154】
この場合、図17に示した下限データに基づいて、領域A2に対応づけられた上方向との間の角度の下限として「70度」が取得され、この上限に基づいて、上方向との角度の大きさが変更される。この場合、上方向との角度の大きさ(30度)は下限(70度)よりも小さいため、上方向との角度は「70度」に変更される。この場合、方向取得部72は、上方向との間の角度が「70度」であり、かつ、右方向との間の角度が「20度」である方向Doを取得する。
【0155】
この場合、実施形態1a,2aと同様に、ユーザキャラクタ(又はボール62)がピッチ外に移動し難くなる(図12参照)。
【0156】
[実施形態3b]
実施形態3では、移動対象が境界線を越えて所定領域内から外に移動し難くなるように図ることを、実施形態3aとは異なる方法によって実現するようにしてもよい。
【0157】
図21は、実施形態3bにおける方向取得部72の機能について説明するための図である。
【0158】
実施形態3bにおける方向取得部72は、スティック44Lの傾倒方向が第1基本方向と第2基本方向との間に含まれる場合、スティック44Lの傾倒方向に対応する傾倒方向ベクトルViを取得する。なお、傾倒方向ベクトルViの大きさはスティック44Lの傾倒の程度を示す。
【0159】
次に、方向取得部72は、傾倒方向ベクトルViを、第1基本方向を示す第1基本方向ベクトルと、第2基本方向を示す第2基本方向ベクトルと、に分解する。例えば図21に示す場合、スティック44Lの傾倒方向(Vi)が上方向と右方向との間に含まれるため、傾倒方向ベクトルViが上方向ベクトルVuと右方向ベクトルVrとに分解されている。上方向ベクトルVuは傾倒方向ベクトルViの上方向成分を示すベクトルであり、右方向ベクトルVrは傾倒方向ベクトルViの右方向成分を示すベクトルである。図21に示す場合には、上方向ベクトルVuの大きさが「6」になっており、右方向ベクトルVrの大きさが「3」になっている。
【0160】
その後、方向取得部72は、第1基本方向ベクトル及び第2基本方向ベクトルの少なくとも一方の大きさの上限又は下限を、ユーザキャラクタ(又はボール62)の位置に基づいて設定する。
【0161】
実施形態3aでは、移動対象の位置に関する情報と、複数の基本方向ベクトルの大きさの上限又は下限に関する情報と、を対応づけたデータが記憶部70に記憶される。例えば図9に示した上限データと同様のデータが記憶される。
【0162】
ここで、ボール62を保持しているユーザキャラクタが領域A2内に位置している場合を想定する。例えば図21に示す場合には、図9に示した上限データに基づいて、領域A2に対応づけられた上方向ベクトルの大きさの上限として「2」が取得され、この上限に基づいて、上方向ベクトルVuの大きさが「2」に変更される。図21において、上方向ベクトルVu’は変更後の上方向ベクトルを示している。
【0163】
また、図21に示す場合には、図9に示した上限データに基づいて、領域A2に対応づけられた右方向ベクトルの大きさの上限として「10」が取得され、この上限に基づいて、右方向ベクトルVrの大きさが変更される。この場合、右方向ベクトルVrの大きさ(3)は上限(10)よりも小さいため、右方向ベクトルVrの大きさは「3」のままとなる。
【0164】
方向取得部72は、大きさの変更処理が行われた後の第1基本方向ベクトル及び第2基本方向ベクトルを合成してなる合成ベクトルが示す方向を取得する。例えば図21に示す場合であれば、方向取得部72は、上方向ベクトルVu’及び右方向ベクトルVrを合成してなる合成ベクトルVoを取得し、この合成ベクトルVoが示す方向を取得する。
【0165】
この場合、実施形態1a,2a,3aと同様に、ユーザキャラクタ(又はボール62)がピッチ外に移動し難くなる(図12参照)。
【0166】
[実施形態3c]
実施形態3において、実施形態1b,2bと同様に、ユーザに移動対象の能力(又は性能)を実感させるようにしてもよい。例えば、ユーザにユーザキャラクタの能力を実感させるようにしてもよい。
【0167】
実施形態3cでは、方向取得部72によって取得される方向が、スティック44Lの傾倒方向に応じて段階に変わるようになっている。この点、実施形態3cにおける方向取得部72は、方向取得部72によって取得される方向の段階の数を、移動対象のパラメータに基づいて設定する。
【0168】
移動対象のパラメータとは、例えばユーザキャラクタの能力(性能)に関するパラメータであり、より具体的には、移動能力又はパス能力などに関するパラメータである。
【0169】
実施形態3cでは、例えば図22に示すような代表方向データが記憶される。図22に示す代表方向データでは、スティック44Lの傾倒方向の範囲に関する情報と、代表方向に関する情報と、の対応関係が、ユーザキャラクタのパラメータの範囲ごとに定められている。
【0170】
図22に示す代表方向データでは、スティック44Lの傾倒方向を、上方向(Y軸正方向)からの角度θiで表している。すなわち、上方向を0度とし、かつ、時計回りを正方向とした場合の角度θiで表している。代表方向も、上方向からの角度θoで表している。上方向を0度とし、かつ、時計回りを正方向とした場合の角度θoで表している。
【0171】
方向取得部72は、ユーザキャラクタのパラメータと、スティック44Lの傾倒方向と、図22に示した代表方向データと、に基づいて方向を取得する。すなわち、方向取得部72は、ユーザキャラクタのパラメータと、スティック44Lの傾倒方向と、に対応する代表方向を取得する。
【0172】
ここで、上方向(Y軸正方向)からの角度が50度である方向にスティック44Lが傾倒された場合を想定する。この場合、ユーザキャラクタのパラメータ(例えば移動能力パラメータ)の値が基準値(50)以上であれば、方向取得部72は、図22に示した代表方向データに基づいて、上方向からの角度が「57度」である方向を取得する。一方、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)未満であれば、方向取得部72は、図22に示した代表方向データに基づいて、上方向からの角度が「45度」である方向を取得する。
【0173】
そして例えば、処理実行部74は、方向取得部72によって取得された方向に基づいて、ユーザキャラクタ(又はユーザキャラクタによって蹴られたボール62)の移動方向を設定する。
【0174】
なお、図22に示す代表方向データでは、ユーザキャラクタのパラメータ(例えば移動能力パラメータ)の値が基準値(50)以上である場合、代表方向が12段階で変化するようになっている。一方、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)未満である場合、代表方向が8段階で変化するようになっている。すなわち、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)未満である場合には、ユーザキャラクタのパラメータの値が基準値(50)以上である場合に比べて、代表方向の段階の数が少なくなっている。
【0175】
代表方向の段階の数が多いほど、方向取得部72によって取得される方向は、スティック44Lの傾倒方向に応じて細かく変化するようになる。すなわち、代表方向の段階の数が多いほど、ユーザはユーザキャラクタの移動方向(又はパスの際のボール62の移動方向)をより細かく指示できるようになる。
【0176】
この実施形態3cによれば、例えばユーザキャラクタの能力(性能)によって、ユーザキャラクタの移動方向(又はパスの際のボール62の移動方向)をより細かく指示できたり、できなくなったりするようになる。このため、実施形態3cによれば、ユーザキャラクタの能力(性能)をユーザに実感させるようなユーザインターフェースを実現できるようになる。
【0177】
なお、ユーザキャラクタのパラメータは疲労度パラメータ(又はスタミナパラメータ)であってもよい。この場合、図22に示す代表方向データでは、ユーザキャラクタの疲労度が高い場合(又はユーザキャラクタのスタミナが少ない場合)には、ユーザキャラクタの疲労度が低い場合(又はユーザキャラクタのスタミナが多い場合)に比べて、代表方向の段階の数が少なくなるように設定される。
【0178】
このようにすれば、ユーザキャラクタの疲労度(スタミナ)によって、ユーザキャラクタの移動方向(又はパスの際のボール62の移動方向)をより細かく指示できたり、できなくなったりするようになる。実施形態3cによれば、ユーザキャラクタの疲労度(スタミナ)をユーザに実感させるようなユーザインターフェースを実現できるようになる。
【0179】
[他の実施形態]
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0180】
実施形態1aと実施形態1bとを組み合わせるようにしてもよい。実施形態2aと実施形態2bとを組み合わせるようにしてもよい。実施形態3a,3bと実施形態3cとを組み合わせるようにしてもよい。
【0181】
例えば、コントローラ30は、方向ボタン群40の代わりに、十字形状を有する十字ボタンを備えるようにしてもよい。例えば、十字ボタンは、上方向に対応する上押下部と、下方向に対応する下押下部と、左方向に対応する左押下部と、右方向に対応する右押下部と、が一体的に形成されたボタンである。
【0182】
また例えば、ゲーム空間は、選手キャラクタやボールの位置などが2つの座標要素で管理されるような2次元ゲーム空間であってもよい。
【0183】
また例えば、本発明は、サッカーゲーム以外のスポーツゲームを実行するゲーム装置10にも適用することができる。例えば、バスケットボールゲーム、アイスホッケーゲーム、アメリカンフットボールゲーム、野球ゲーム、テニスゲーム、又は卓球ゲームなどを実行するゲーム装置10にも本発明は適用することができる。また、本発明はスポーツゲーム以外のゲーム(例えばアクションゲーム、ロールプレイングゲーム、又はシミュレーションゲーム)を実行するゲーム装置10にも適用することができる。
【0184】
また例えば、本発明は、ゲーム装置10以外の情報処理装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0185】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスクドライブ、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、30a 表面、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、40 方向ボタン群、40U 上方向ボタン、40D 下方向ボタン、40L 左方向ボタン、40R 右方向ボタン、42A,42B,42X,42Y ボタン、44L,44R スティック、50 ゲーム空間、52 フィールド、54a,54b ゴールライン、56a,56b タッチライン、58 ゴール、60,60a,60b,60c,60d 選手キャラクタ、62 ボール、64 仮想カメラ、64a 視線方向、66 カーソル、70 記憶部、72 方向取得部、74 処理実行部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基本方向に対応する複数の押下部を含み、ユーザが前記複数の押下部のうちの少なくとも一つを押下することによって方向を指示する情報処理装置において、
前記複数の押下部の押下状態に基づいて方向を取得する方向取得手段と、
前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて処理を実行する処理実行手段と、
を含み、
前記方向取得手段は、
前記複数の押下部の各々に加えられた押下力に関する押下力情報を取得する手段と、
前記複数の押下部のうちの第1押下部及び第2押下部が押下された場合、前記第1押下部に対応する第1基本方向と前記第2押下部に対応する第2基本方向との間の方向を、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて取得する手段と、を含み、
前記第1押下部及び前記第2押下部が押下された場合に前記方向取得手段によって取得される方向は、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて変わる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記方向取得手段は、前記第1押下部及び前記第2押下部が押下された場合、前記第1基本方向を示し、かつ、前記第1押下部に加えられた押下力に対応する大きさを有する第1基本方向ベクトルと、前記第2基本方向を示し、かつ、前記第2押下部に加えられた押下力に対応する大きさを有する第2基本方向ベクトルと、を合成してなる合成ベクトルが示す方向を取得することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記処理実行手段は、前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて移動対象を移動させる手段を含み、
前記方向取得手段は、前記第1基本方向ベクトル及び前記第2基本方向ベクトルのうちの少なくとも一方の大きさの上限又は下限を、前記移動対象の位置に基づいて設定する手段を含む、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の情報処理装置において、
前記処理実行手段は、前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて移動対象を移動させる手段を含み、
前記方向取得手段は、
前記移動対象のパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段に記憶される前記パラメータを取得する手段と、
前記第1基本方向ベクトルの大きさを、前記第1押下部に加えられた押下力に応じて段階的に変化するように設定する手段と、
前記第2基本方向ベクトルの大きさを、前記第2押下部に加えられた押下力に応じて段階的に変化するように設定する手段と、
前記第1基本方向ベクトル及び前記第2基本方向ベクトルのうちの少なくとも一方の大きさの段階の数を、前記パラメータに基づいて設定する手段と、を含み、
前記パラメータは、前記移動対象の能力又は性能に関するパラメータと、前記移動対象の移動又は時間経過に伴って増加又は減少されるパラメータと、の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載の情報処理装置において、
前記処理実行手段は、
移動対象を移動させる手段と、
前記移動対象の移動方向を前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて設定する手段と、
前記移動対象が移動する場合の速さを前記合成ベクトルの大きさに基づいて設定する手段と、を含む、
ことを特徴とする情報処置装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記方向取得手段は、
前記第1基本方向又は前記第2基本方向との間の角度を、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて決定する手段と、
前記第1基本方向と前記第2基本方向との間の前記方向を、決定された前記角度に基づいて取得する手段と、を含む、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置において、
前記処理実行手段は、前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて移動対象を移動させる手段を含み、
前記方向取得手段は、前記第1基本方向又は前記第2基本方向との間の角度の上限又は下限を、前記移動対象の位置に基づいて設定する手段を含む、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の情報処理装置において、
前記処理実行手段は、前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて移動対象を移動させる手段を含み、
前記方向取得手段は、
前記移動対象のパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段に記憶される前記パラメータを取得する手段と、
前記第1基本方向又は前記第2基本方向との間の角度を、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に応じて段階的に変化するように決定する手段と、
前記第1基本方向又は前記第2基本方向との間の角度の段階の数を、前記パラメータに基づいて設定する手段と、を含み、
前記パラメータは、前記移動対象の能力又は性能に関するパラメータと、前記移動対象の移動又は時間経過に伴って増加又は減少されるパラメータと、の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
複数の基本方向に対応する複数の押下部を含み、ユーザが前記複数の押下部のうちの少なくとも一つを押下することによって方向を指示する情報処理装置の制御方法において、
前記複数の押下部の押下状態に基づいて方向を取得する方向取得ステップと、
前記方向取得ステップによって取得された方向に基づいて処理を実行する処理実行ステップと、
を含み、
前記方向取得ステップは、
前記複数の押下部の各々に加えられた押下力に関する押下力情報を取得するステップと、
前記複数の押下部のうちの第1押下部及び第2押下部が押下された場合、前記第1押下部に対応する第1基本方向と前記第2押下部に対応する第2基本方向との間の方向を、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて取得するステップと、を含み、
前記第1押下部及び前記第2押下部が押下された場合に前記方向取得ステップによって取得される方向は、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて変わる、
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
複数の基本方向に対応する複数の押下部を含むコンピュータを、ユーザが前記複数の押下部のうちの少なくとも一つを押下することによって方向を指示する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記複数の押下部の押下状態に基づいて方向を取得する方向取得手段、及び、
前記方向取得手段によって取得された方向に基づいて処理を実行する処理実行手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記方向取得手段は、
前記複数の押下部の各々に加えられた押下力に関する押下力情報を取得する手段と、
前記複数の押下部のうちの第1押下部及び第2押下部が押下された場合、前記第1押下部に対応する第1基本方向と前記第2押下部に対応する第2基本方向との間の方向を、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて取得する手段と、を含み、
前記第1押下部及び前記第2押下部が押下された場合に前記方向取得手段によって取得される方向は、前記第1押下部及び前記第2押下部の各々に加えられた押下力に基づいて変わる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−65425(P2011−65425A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215558(P2009−215558)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】