情報処理装置、電子機器、情報処理方法
【課題】電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する際に、放送情報のデータ量を削減して記憶させることが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として記憶部35へ記憶させる情報処理部を備える。
【解決手段】電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として記憶部35へ記憶させる情報処理部を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、電子機器、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載機によってテレビ(以下、TVと記載する)やラジオの番組を受信・視聴する際に、車両の現在位置によって受信可能なチャンネルが異なってくるため、効率よく受信可能なチャンネルに変更する技術が開発されている。例えば、車載機に設置されたTV受信機が、受信強度や放送局名等の受信状態情報を統合的に管理するサーバーにアクセスすることによって、受信状態情報を取得することが可能な技術が開示されている(特許文献1を参照)。また、地域探索リストを広域探索リストと県域探索リストに階層化することにより、より効率よく県域を特定し、受信可能なチャンネルを検索することが可能な技術が開示されている(特許文献2を参照)。他に、放送チャンネル受信地域において、受信可能なチャンネルからなるチャンネルパターンに対応する地域コードと、データ放送あるいは文字多重放送の放送波に含まれる放送局コードに対応する地域コードを比較して、一致する地域コードに対応する地域別放送チャンネルデータに基づいてチャンネルを設定するようにした技術が開示されている(特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−165729号公報
【特許文献2】特開2006−13765号公報
【特許文献3】特開2002−101361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車載機が各地域で受信可能なTVやラジオの放送局を判別する際に必要となるデータベースは、例えば、道路地図データの3次メッシュ毎にそれぞれ受信可能な放送情報をそのまま持つような仕組みが考えられる。3次メッシュとは、標準地域メッシュ・システム(昭和48年7月12日 行政管理庁告示第143号「統計に用いる標準地域メッシュ及び標準地域メッシュコード」)に基づくもので、一定の経線、緯線で地域を網の目状に区画する方法である。図1は、1次メッシュで区画した日本地図であり、1次メッシュのメッシュコードを示す。図2は、図1の部分的な拡大図であり、1次メッシュを示す。図3は、1次メッシュを更に区画した2次メッシュを示す。図4は、2次メッシュを更に区画した3次メッシュを示す。1次メッシュは、図1及び図2に示すように、経度差1度、緯度差40分で区画された範囲を指し、約80km×約80kmの範囲である。2次メッシュは、図3に示すように、1次メッシュを縦横8等分にしたものであり、経度差7.5分、緯度差5分である。1つの2次メッシュの区画の範囲は、約10km×約10kmである。3次メッシュは、図4に示すように、2次メッシュを縦横10等分したものであり、緯度差0.5分、経度差0.75分である。1つの3次メッシュの区画の範囲は、約1km×約1kmである。データベースが各放送情報を3次メッシュ毎に持つと、該データベースのデータ量が膨大となり、車載機の記憶容量もそれに対応したものにする必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記した問題に鑑み、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する際に、放送情報のデータ量を削減して記憶させることが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために、所定地域が区分けされた区分け地域内で電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、各々の該区分け地域とを関連付ける点を工夫した。
【0007】
詳細には、本発明に係る情報処理装置は、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させる情報処理部を備える。
【0008】
本発明に係る情報処理装置は、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する。所定地域とは、一定の経線及び緯線で地域を網の目状に区画したメッシュ、地上波放送の区域である関東広域圏、中京広域圏、近畿広域圏等、又は都道府県等であるが、これらに限定されない。また、区分け地域とは、所定地域が区分けされた地域であり、区分けされる区分数は特に限定されない。放送情報とは、電子機器が電波によって発信される放送波を受信するために必要な情報であり、所定地域毎に受信可能なTV放送の放送局チャンネル、放送局ID、及びラジオ放送の受信周波数等である。また、放送情報は、シミュレーション等により仮想した情報でもよいし、実際に電子機器が受信した情報でもよく、特に限定されない。
【0009】
従来は、区分け地域毎に、該区分け地域内で電子機器が受信可能な放送局のグループが記憶されていたため、放送情報のデータ量が膨大であった。更に、隣接し合う区分け地域では、受信可能な放送局のグループが同じ場合がある。そこで、本発明に係る情報処理装置は、放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、区分け地域とを関連付けて記憶させることにより、放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。尚、所定の区分け地域内で電子機器が受信可能な放送局のグループは、第1の記憶部に記憶されている関連情報の中から、該所定の区分け地域と関連付けられた符号を読み出し、該符号と関連付けられたパターンを読み出すことによって、導き出すことが可能である。また、第1の記憶部は、情報処理装置に備えられてもよいし、情報処理装置とは別に備えられてもよい。
【0010】
更に、本発明に係る情報処理装置において、前記情報処理部は、所定の前記区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンが、既存のパターンにあるか否かを判別し、前記パターンが前記既存のパターンにないと判別した場合に、該パターンを新しいパターンとして作成し、且つ該新しいパターンを識別する符号を作成し、前記符合を前記所定の区分け地域に割り付けてもよい。
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、受信可能な放送局が増える等の放送情報に更新があった場合であっても、情報処理部が、更新された放送情報に基づいて新たにパターン及び符号を作成することが可能である。更に、本発明に係る情報処理装置は、新たに放送局のパターンが発生した場合、第1の記憶部に既に記憶されているパターンと重複することなく、新たなパターンを作成することが可能である。更に、本発明に係る情報処理装置は、第1の記憶部にパターンが記憶されていない場合であっても、情報処理部が、パターン及び符号を作成し、関連付けたパターン及び符号と、関連付けた符号及び区分け地域を第1の記憶部に記憶させることが可能である。以上により、本発明に係る情報処理装置は、第1の記憶部に記憶させる関連情報のデータ量を最小限にすることが可能である。
【0012】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記情報処理部は、前記パターンが前記既存のパターンにあると判別した場合に、該既存のパターンを識別する前記符号を、前記所定の区分け地域に割り付けてもよい。
【0013】
情報処理部は、放送局のグループのパターンが、第1の記憶部に関連情報として記憶されている既存のパターンにあると判別した場合、該既存のパターンを利用することが可能である。既存のパターンを識別する符号は、関連情報から導きだされる。そして、情報処理部が、既存のパターンを識別する符号を、所定の区分け地域に割り付ける。従って、本発明に係る情報処理装置は、情報処理部が重複して放送局のグループを記憶させず、第1の記憶部に記憶させる関連情報のデータ量を最小限にすることが可能である。
【0014】
ここで、本発明に係る情報処理装置において、前記放送情報は、前記所定地域内で前記電子機器が受信した放送に関する情報と、該電子機器が該放送情報を受信した際に該電子機器の位置に関する情報とを含んでもよい。所定地域内で電子機器が受信した放送に関する情報と、電子機器が放送情報を受信した際に電子機器の位置に関する情報は、現実に即した情報である。従って、本発明に係る情報処理装置は、高層ビル等により電波障害が起こり、シミュレーション等により仮想した放送情報とは現実に異なる場合、現実に即した放送情報に基づいて、パターン及び符号を区分け地域と関連付けることが可能であるため、第1の記憶部に記憶させる関連情報も現実に即した正確な情報となる。更に、本発明に係る情報処理装置は、受信可能な放送局が増える等の放送情報に更新があった場合であっても、第1の記憶部に記憶させる関連情報が更新された正確な情報となる。
【0015】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記情報処理部は、前記第1の記憶部に記憶させた前記関連情報から、前記電子機器が位置する区分け地域に対応する前記符合から前記パターンを検索し、検索した該区分け地域に対応する該パターンを該電子機器へ送信してもよい。
【0016】
その結果、本発明に係る情報処理装置は、現在、電子機器が位置する区分け地域内で受信可能な放送局のグループに該当するパターンを、電子機器へ送信することが可能である。また、本発明に係る情報処理装置は、情報処理部が、第1の記憶部が記憶する関連情報を電子機器側に全て送信させる必要がなく、電子機器が位置する区分け地域等と関連付けられた必要な関連情報のみを送信することが可能である。その結果、電子機器は、パターンを受信する際に、最小限のデータ量で受信することが可能である。
【0017】
本発明に係る情報処理装置において、前記電子機器は、車載機でもよい。車載機が持つハードディスクの容量が限られており、膨大なデータ量を記憶することが不可能である。本発明に係る情報処理装置は、データ量が大幅に削減された放送情報を車載機へ送信することが可能である。また、電子機器が車載等の移動体に搭載される場合、電子機器が位置する区分け地域が変わり、電子機器が受信可能な放送局のグループが変わる場合がある。その場合、本発明に係る情報処理装置は、移動先の区分け地域に対応する、第1の記憶部に記憶されている関連情報の符合及びパターンを読み出し、移動先の区分け地域において受信可能な放送波を導き出すことが可能である。
【0018】
ここで、本発明に係る電子機器は、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が電波によって発信される放送を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させる情報処理部と、前記関連情報を前記電子機器へ送信する情報送信部と、を備える情報処理装置から、前記関連情報を受信する電子機器であって、前記情報送信部から送信された前記関連情報を受信する電子機器受信部と、前記電子機器受信部が受信した前記関連情報を第2の記憶部に記憶させ、前記電子機器が位置する区分け地域に対応する該パターンを、該第2の記憶部内に記憶させた該関連情報から読み出し、読み出した該パターンに基づいて前記放送情報を受信する電子機器処理部と、を備えてもよ
い。
【0019】
電子機器受信部は、情報処理装置が備える情報送信部によって送信される関連情報を受信する。尚、電子機器受信部は、第1の記憶部に記憶されている全ての関連情報を受信する必要がなく、電子機器が位置する区分け地域等の必要な関連情報のみを受信することが可能である。また、第2の記憶部は、電子機器受信部が受信した関連情報を記憶する。尚、第2の記憶部は、電子機器に備えられてもよいし、電子機器とは別に備えられてもよい。また、第1の記憶部が記憶する関連情報のデータ量が少量であるため、第2の記憶部が記憶する関連情報も少量であるが、電子機器受信部が必要な関連情報のみを受信した場合は、第2の記憶部が記憶する関連情報はより少量となる。更に、電子機器処理部は、電子機器が位置する区分け地域に対応するパターンを、第2の記憶部に記憶されている関連情報から読み出し、読み出したパターンに基づいて放送情報を受信する事が可能である。以上により、本発明に係る電子機器は、該電子機器が位置する所定地域内で受信可能な放送をユーザに提供することが可能である。
【0020】
更に、本発明に係る電子機器において、前記電子機器は、移動体に搭載され、又は可搬体であり、前記電子機器処理部は、前記電子機器が受信している電波の受信感度が所定値以下であるか否かを判断し、前記受信感度が所定値以下であると判断した場合に、前記電子機器が次に位置する区分け地域を該電子機器の移動方向に基づいて予測し、前記第2の記憶部に記憶させた前記関連情報の中の前記区分け地域に、予測した前記区分け地域があるか否かを判断し、予測した前記区分け地域が前記関連情報の中の前記区分け地域にあると判断した際に、前記第2の記憶部に記憶させた前記関連情報に基づいて、予測した前記区分け地域に対応するパターンを読み出し、読み出した前記パターンに基づいて、前記電子機器が受信している放送局から他の放送局へ切り替えてもよい。
【0021】
電子機器が移動体に搭載される場合は、例えば、車両に搭載される車載機である。また、電子機器が持ち運び可能な可搬体である場合は、例えば、携帯端末である。電子機器処理部は、電子機器が受信している放送波の受信感度が所定値以下であるか否かを判断する。受信感度が弱まる場合とは、高層ビル等により受信電波が遮られる場合、県境等に電子機器が位置し放送局エリアが変わる場合、天候が不順である場合等である。受信感度の所定値は特に限定されないが、ユーザが放送情報を良好に視聴可能となる受信感度が好ましい。
【0022】
更に、電子機器処理部は、受信感度が所定値以下であると判断した際に、電子機器が次に位置する区分け地域を電子機器の移動方向に基づいて予測する。受信感度が所定値以下である場合は、例えば、ユーザが放送情報を良好に視聴可能ではない場合である。電子機器処理部は、例えば、予め電子機器の移動経路が設定されている場合、該移動経路が位置する区分け地域を次に位置する区分け地域として予測してもよい。また、電子機器処理部は、例えば、現在電子機器の移動する方向の先に位置する区分け地域を次に位置する区分け地域として予測してもよい。更に、電子機器処理部は、第2の記憶部に記憶させた区分け地域内に予測した区分け地域があるか否かを判断する。
【0023】
電子機器処理部は、予測した区分け地域が第2の記憶部内にあると判断した場合に、第2の記憶部内に記憶させた関連情報に基づいて、予測した区分け地域に対応するパターンを読み出す。第2の記憶部に記憶されている関連情報は、上述したように、パターン、符号、区分け地域が関連付けられた情報である。電子機器処理部は、予測した区分け地域と関連付けられた符合を読み出し、該符合と関連付けたパターンを読み出す。その結果、本発明に係る電子機器は、読み出されたパターンから、予測した区分け地域内で受信可能な放送局のグループを読み出す事が可能である。電子機器処理部は、読み出したパターンに基づいて、電子機器が受信している放送局から他の放送局へ切り替える。以上により、本
発明に係る電子機器は、電子機器の移動に伴って、該電子機器が受信している放送波の受信感度が低下した際に、電子機器が受信可能な放送波に自動に切り替え、TV放送やラジオ放送等の視聴可能な放送をユーザに提供することが可能である。
【0024】
更に、本発明に係る電子機器において、前記電子機器処理部は、予測した前記区分け地域が前記第2の記憶部にないと判断した場合に、前記第1の記憶部に記憶されている前記関連情報の中から、予測した前記区分け地域に対応する前記符号及び前記パターンを該第2の記憶部へ記憶させてもよい。
【0025】
第2の記憶部は、電子機器が実際に位置した所定地域に対応する関連情報や、電子機器が位置する予定の所定地域に対応する関連情報が記憶されていれば十分である。つまり、第2の記憶部は、第1の記憶部に記憶されている関連情報を全て記憶する必要はない。そして、第2の記憶部に記憶されている区分け地域に、電子機器処理部によって予測された区分け地域がない場合、電子機器処理部は、第1の記憶部に記憶されている関連情報の中から、予測した区分け地域に対応する符合及びパターンを、第2の記憶部へ記憶させればよい。その結果、本発明に係る電子機器は、第2の記憶部が記憶するデータ量を最小限にする事が可能である。更に、本発明に係る電子機器は、上述したように、電子機器処理部が、第2の記憶部に記憶された、予測した区分け地域に対応する符合及びパターンを読み出し、他の放送局へ切り替えることが可能である。また、予測された区分け地域が第1の記憶部にない場合は、上述したように、情報処理装置が、情報処理部によってパターン及び符合を作成し、該符合をパターンに該当する区分け地域に割り付け、関連情報を第1の記憶部へ記憶させることが可能である。
【0026】
本発明に係る記憶装置は、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を記憶する記憶装置であって、前記放送情報を取得し、該放送情報に含まれる、前記所定地域が区分けされた区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号とを関連付け、該符号と、各々の該区分け地域とを関連付け、関連付けた該パターン、該符号、該区分け地域とを関連情報として第1の記憶部へ記憶してもよい。その結果、本発明に係る記憶装置は、放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、区分け地域とを関連付けて記憶することにより、記憶する放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。
【0027】
本発明に係る情報処理方法は、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理方法であって、前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させてもよい。その結果、本発明に係る情報処理方法は、放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、区分け地域とを関連付けて記憶させることにより、記憶させる放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。
【0028】
本発明に係るプログラムは、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報の処理をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、前記コンピュータに、前記放送情報を取得し、該放送情報に含まれる、前記所定地域が区分けされた区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号とを関連付け、該符号と、各々の該区分け地域とを関連付け、関連付けた該パターン、該符号、該区分け地域とを関連情報として第1の記憶部へ記憶させる処理を実行させてもよい。その結果、本発明に係るプログラムは、放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、区分け地域とを関連付けて記憶させることにより、記憶させる放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。
【0029】
本発明に係る情報処理システムは、電子機器と、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、前記放送情報を取得し、該放送情報に含まれる、前記所定地域が区分けされた区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号とを関連付け、該符号と、各々の該区分け地域とを関連付け、関連付けた該パターン、該符号、該区分け地域とを関連情報として第1の記憶部へ記憶させる情報処理部を有する情報処理装置と、を備えてもよい。その結果、本発明に係る情報処理システムは、放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、区分け地域とを関連付けて記憶させることにより、記憶させる放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する際に、放送情報のデータ量を削減して情報処理をすることが可能な情報処理装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】1次メッシュで区画した日本地図である。
【図2】図1の部分的な拡大図であり、1次メッシュを示す。
【図3】1次メッシュを更に区画した2次メッシュを示す。
【図4】2次メッシュを更に区画した3次メッシュを示す。
【図5】電子機器及び情報処理装置を用いたサービスの概要図である。
【図6】電子機器を示す機能ブロック図である。
【図7】受信情報を示す。
【図8】情報処理装置を示すハードウェア構成図である。
【図9】情報処理装置を示す機能ブロック図である。
【図10】パターン関連情報を示す。
【図11】メッシュ関連情報を示す。
【図12】所定の2次メッシュ内における各々の3次メッシュのパターンNO.が関連付けられたメッシュ関連情報を示す。
【図13】情報処理装置がパターン及び符合を作成するフロー図である。
【図14】処理部が抽出する抽出情報を示す。
【図15】車載機が情報処理装置からの情報を利用する処理フロー図である。
【図16】従来技術を用いた場合によるデータ量を示す。
【図17】パターン関連情報のデータ量を示す。
【図18】メッシュ関連情報のデータ量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここで、本発明の実施例に係る情報処理装置10と、電子機器1について、図面に基づいて説明する。以下に示す実施例は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。ここでは、電子機器1として、車載用の電子機器を実施の形態の一つとして記載するが、本願に係る構成は、車載用の電子機器に限定されず、例えば、可搬型の携帯端末(例えば、PND、携帯電話、携帯型表示装置など)においても実現可能である。
【0033】
先ず、本発明の実施例に係る電子機器1及び情報処理装置10がどのようなサービスに使用可能であるか簡単に説明する。尚、本発明の実施例に係る電子機器1及び情報処理装置10において、下記に示すサービスは一例にすぎず、下記のサービスに限定されない。図5は、本発明の実施例に係る情報処理装置10を用いたサービスの概要図である。
【0034】
情報処理装置10は、放送情報を一括して処理するセンター等に設置される。電子機器1は、車両に搭載される。A中継局は、TV放送やラジオ放送等の放送波を発信する。B
中継局は、TV放送やラジオ放送のA中継局とは異なる放送波を発信する。車両がA中継局エリアに位置する場合は、A中継局から発信される放送波を電子機器1が受信することが可能である。車両がB中継局エリアに位置する場合は、B中継局から発信される放送波を電子機器1が受信することが可能である。車両がA中継局エリアからB中継局エリアへ移動した際、電子機器1は、A中継局から発信される放送波の受信感度が低下し、A中継局から発信されるTV放送やラジオ放送を受信することができなくなる。従って、電子機器1は、A中継局から発信される放送波から、B中継局から発信される放送波に切り替える必要がある。そこで、本発明の実施例に係る情報処理装置10は、所定のエリアで電子機器1が受信可能な放送情報を電子機器1へデータ配信する。電子機器1は、センターから配信されたデータと、車両がどのエリアに位置しているかの位置情報に基づいて、電子機器1が受信可能な放送波を導きだし、受信感度の良好なTV放送やラジオ放送をユーザに提供することが可能である。また、電子機器1は、A中継局から発信される放送波の受信感度が低下した際に、自動にB中継局から発信される放送波に切り替えることが可能となる。更に、電子機器1は、A中継局エリア内で実際に受信した放送情報と、B中継局エリア内で実際に受信した放送情報を、センターへ送信する。その結果、センターは、電子機器1から受信した放送情報を基に、所定のエリアで電子機器1が受信可能な放送情報を処理し、処理した放送情報を電子機器1へデータ配信することによって、正確なデータを電子機器1へ提供することが可能となる。以下、本発明の実施例に係る電子機器1及び情報処理装置10について、具体的に説明する。
【0035】
<電子機器の構成>
先ず、電子機器1の構成について説明する。図6は、本発明の実施例に係る電子機器1(オーディオ機能、ビジュアル機能、ナビゲーション機能を一体的に有する電子機器)を示す機能ブロック図である。図7は、電子機器1内のメモリ117が記憶する放送情報を示す。電子機器1は、ラジオ受信部102、TV(Television)受信部103、セレクタ113、GPS(Global Positioning System)情報受信部112、ナビゲーション部1
06、分配回路107、画像表示処理部108、画像出力部110、表示部122、音声調整回路109、メモリ117(第2の記憶部)、通信ユニット121、制御部100(電子機器処理部)、を含む。なお、電子機器1は、このような構成に限定されるものではなく、他の構成を有してもよい。また、電子機器1は、例えば、AVN一体機である。
【0036】
ラジオ受信部102は、アンテナにより受信された各ラジオ局から発信されるAM又はFMの放送波から、特定の周波数の放送波を選択して受信し、復調して当該放送の音声信号を出力する。TV受信部103は、アンテナにより受信された各放送局から発信される放送波から、セレクタ113により特定の周波数の放送波を受信し、受信した映像信号、音声信号及びデータ信号を出力する。TV受信部103は、アナログ放送、デジタル放送、BS放送、CS放送等を受信可能であり、受信する放送の種類は限定されない。ラジオ受信部102及びTV受信部103は、同調回路、復調及び復号回路等を備え、制御部100からの制御信号により、オン/オフ、受信周波数等の各種動作が制御される。また、ラジオ受信部102は、AM又はFMのどちらの放送波を受信したかを示す受信種別、受信した周波数、受信感度情報、受信した日時(月、日、時、分)等を、メモリ117に送る(図7参照)。TV受信部103は、受信した放送局チャンネル、受信した放送局チャンネルのネットワークID、フルセグ及びワンセグの受信感度情報等を、メモリ117に送る(図7参照)。尚、受信感度情報は、受信感度が第1の所定値以下である場合は「0」、第1の所定値から第2の所定値の間である場合は「1」、第2の所定値以上である場合は「2」とする。第1の所定値以下である場合は、ユーザが視聴するには困難な受信感度である。第1の所定値から第2の所定値の間である場合は、ユーザが一般的に視聴することが可能な受信感度である。第2の所定値以上である場合は、ユーザが良好に視聴することが可能な受信感度である。
【0037】
GPS情報受信部112は、GPS衛星からのGPS信号に基づき自車位置を検出し、検出した現在位置情報を出力する。GPS情報受信部112は、GPS信号を受信する受信回路、受信したGPS信号に基づき自車位置を算出する演算部等を備える。また、GPS情報受信部112は、ラジオ受信部102がラジオ放送波を受信した際の緯度経度情報をメモリ117に送信し、TV受信部103がTV放送波を受信した際の緯度経度情報をメモリ117に送信する(図7参照)。
【0038】
ナビゲーション部106は、地図上に自車位置や目的地までの経路を表示したり、交差点等で音声等により右左折等の進行方向案内を行ったり、GPS情報受信部112から自車位置情報を受信して表示したりして、目的地までの経路案内を行う。ナビゲーション部106は、ナビゲーションの為に利用される地図情報を記録するハードディスク、各種演算処理を行うCPU(Central Processing unit)、各種処理のためにデータを記憶する
RAM(Random Access Memory)等のメモリを備える。ナビゲーション部106は、制御部100からの制御信号により、オン/オフ、各種動作が制御される。
【0039】
分配回路107は、制御部100の制御信号により、出力することが指定された各種ソース(ラジオ受信部102、TV受信部103、及びナビゲーション部106)の音声信号と画像信号とを画像表示処理部108及び音声調整回路109に出力する。分配回路107は、リレーまたはスイッチングトランジスタ等の電子回路で構成されたスイッチ群を備える。
【0040】
画像表示処理部108は、制御部100の制御信号により、入力された画像信号に対し、輝度や色調、コントラストなどを調整し、調整した各画像信号を出力する。画像表示処理部108は、画像データを記憶するメモリ、画像データを演算処理するデジタルシグナリングプロセッサ等の演算回路等を備える。
【0041】
画像出力部110は、画像表示処理部108から入力された画像信号と、制御部100から表示部122に表示させる表示画像信号とを入力して画像合成等の処理を施し、当該処理を施した画像信号に基づき表示部122を駆動する。画像出力部110は、例えば、演算処理により、画像処理を行う画像用に特化された演算処理回路である画像ASIC、画像処理及び出力用に画像データを記憶するビデオメモリ、画像出力用ビデオメモリに記憶された画像データに基づき表示部を駆動する画像駆動回路等を備える。
【0042】
音声調整回路109は、制御部100の制御信号により、入力された音声信号に対し、音量、音声を調整し、調整した音声信号を出力する。音声調整回路109は、音声データを記憶するメモリ、音声データを演算処理するデジタルシグナルプロセッサ等の演算回路、トランジスタ、抵抗、コイル等により構成される増幅又は減衰回路や共振回路等を備える。スピーカ16は、音声調整回路109から出力された音声信号を音声として出力する。
【0043】
表示部122は、画像出力部110から入力された画像信号に基づき画像を表示する。表示部122は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、冷陰極フラットパネルディスプレイ等である。表示部122は、バックライト200、液晶パネル201、タッチパネル202を備える。バックライト200は、液晶パネル201の照明である。タッチパネル202は、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、及び静電容量方式の何れであってもよい。タッチパネル202は、ユーザによって押下された座標の座標情報を制御部100に出力し、制御部100は、この座標情報と表示画面とから、ユーザによって選択されたスイッチを判定する。
【0044】
メモリ117(第2の記憶部)は、電子機器1に内蔵された、各種データやプログラム
を記憶するメモリである。メモリ117は、例えば、RAMやフラッシュROM等を含む。また、メモリ117は、各々の電子機器1に個別に与えられている車載機端末IDを記憶する。また、メモリ117は、ラジオ受信部102、TV受信部103、GPS情報受信部112から受信する受信情報を記憶する。具体的に説明すると、メモリ117は、図7に示すように、所定の2次メッシュ毎に、TV受信部103が受信した放送局チャンネル、TV受信部103が受信した放送局の放送局ID(ネットワークID)、フルセグ及びワンセグの受信感度情報、受信した日時(月、日、時、分)等の受信情報を記憶する。更に、メモリ117は、所定の2次メッシュ毎に、ラジオ受信部102がAM又はFMのどちらの放送波を受信したかを示す受信種別、ラジオ受信部102が受信した受信周波数、受信感度情報、受信した日時(月、日、時、分)等の受信情報を記憶する。また、メモリ117は、所定の2次メッシュ毎に、GPS情報受信部112から受信した、ラジオ受信部102がラジオ局を受信した際の緯度経度情報と、TV受信部103が受信した際の緯度経度情報等の受信情報を記憶する。同一の2次メッシュコード内で取得した受信情報が同一である場合は、メモリ117は、図7の「データ項目」に示す「情報取得場所数」の数を増やして記憶する。尚、メモリ117は、2次メッシュ毎に記憶することに限定されず、1次メッシュ毎、3次メッシュ毎等に記憶してもよい。また、図7では、TV受信部103がデジタルTVを受信し、ラジオ受信部102がFMを受信した場合の受信情報であるが、これらに限定されない。
【0045】
更に、メモリ117は、本発明の実施例に係る情報処理装置10から送信される、パターン及びパターンNO.が関連付けられたパターン関連情報と、パターンNO.及びメッシュコードが関連付けられたメッシュ関連情報とを有する関連情報を記憶する。情報処理装置10から送信される情報については、後述する。
【0046】
通信ユニット121は、アンテナに接続され、無線通信のための通信インターフェースである。通信ユニット121は、メモリ117に記憶された受信情報を情報処理装置10へ送信する。また、通信ユニット121は、情報処理装置10からの放送情報を受信する。
【0047】
制御部100は、CPU、メモリ等を含むコンピュータと、コンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。また、制御部100は、電子機器1の各部又は接続された外部機器からの信号に基づき、電子機器1の各部、又は、外部機器を統括的に制御する。制御部100は、例えば、マイクロコンピュータ(マイコン)を備え、該マイコンがROM等のメモリに記憶された各種プログラムを実行することによって、各機能を実現する。尚、制御部100の具体的な処理については、放送情報利用行程において詳しく説明する。
【0048】
制御部100は、現在受信している放送波の受信感度が第1の所定値以下であるか否かを判断する。制御部100は、ナビゲーション部106が示す目的地までの経路案や、GPS情報受信部112から受信した自車位置情報に基づき、次に車両が到達する2次メッシュ又は該2次メッシュコードを予測する。尚、制御部100が予測するメッシュ(メッシュコード)は、2次メッシュ(2次メッシュコード)に限定されず、3次メッシュ(3次メッシュコード)、1/2次メッシュ(1/2次メッシュコード)、1/4次メッシュ(1/4次メッシュコード)等でもよい。制御部100は、予測した2次メッシュのメッシュコードに基づいて、上述したメモリ117に記憶されているパターン関連情報、及びメッシュ関連情報から、予測した2次メッシュが該当する放送局のパターンを割り出す。制御部100は、割り出した放送局のパターンの中に、現在受信している放送局と同一の放送局IDがあるか否かを判断する。尚、同一の放送局IDを有する放送局は、同一の放送内容を放送していることを示す。制御部100は、割り出した放送局のパターンの中に、現在受信している放送局と同一の放送局IDがあると判断した場合、割り出した放送局
のパターン内の同一の放送局IDを有する放送チャンネルに切り替える。一方、制御部100は、割り出した放送局のパターンの中に、現在受信している放送局と同一の放送局IDが無いと判断した場合、割り出した放送局のパターン内の、受信感度が所定値以上であると確認された別の放送チャンネルに切り替える。
【0049】
<情報処理装置の構成>
本発明の実施例に係る情報処理装置10の構成について説明する。図8は、本発明の実施例に係る情報処理装置10のハードウェア構成図である。本発明の実施例に係る情報処理装置10は、図8に示すように、プログラムやデータを記憶するROM(Read O
nly Memory)34と、このROM34に記憶されたプログラムを実行する中央
処理装置(Central Processing Unit、以下CPUと称す)30と、このCPU30で処理されるプログラムやデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)31と、CPU30で処理されるプログラムやデータを記憶するハードディスク35(第1の記憶部)と、データを入力する入力部としてのキーボード32と、CPU30からの指令に従いネットワークを介して通信データの送受信を行う通信ユニット33がバス(BUS)36を介して接続されている。また、ROM34には、情報制御装置10の制御を司るメインプログラムをはじめ、各種機能を実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0050】
通信ユニット33は、アンテナに接続され、無線通信のための通信インターフェースである。更に、通信ユニット33は、電子機器1内のメモリ117が記憶する受信情報を、電子機器1内の通信ユニット121を介して無線通信によって受信する。通信ユニット33が受信する受信情報は、図7を参照する。また、通信ユニット33が受信した受信情報は、データベース37としてハードディスク35に格納される。尚、本実施例では、通信ユニット33が受信する受信情報は、デジタルTV放送、AMラジオ放送、及びFMラジオ放送からの情報とするが、これらの放送に限定されない。
【0051】
また、ハードディスク35には、図7に示す受信情報に関するデータベース37、後述するパターン関連情報に関するデータベース38及びメッシュ関連情報に関するデータベース39が格納されている。このようなハードウェア構成により情報制御装置10のCPU30は、通信ユニット33を介して電子機器1との通信を行う。
【0052】
図9は、本発明の実施例に係る情報処理装置10を示す機能ブロック図である。処理部12(情報処理部)は、CPU30、メモリ等を含むコンピュータと、コンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。以下、処理部12について説明する。
【0053】
処理部12は、通信ユニット33によって受信した受信情報を取得し、データベース37としてハードディスク35に格納する。そして、処理部12は、該受信情報に基づき、パターン及び該パターンを識別する符号を作成する。パターン及び符合を作成する処理については、パターン及び符合作成処理工程において詳しく説明する。尚、処理部12は、キーボード32によって、シミュレーション等により仮想した放送情報である入力情報を取得し、ハードディスク35に格納してもよい。また、処理部12は、入力情報に基づき、パターン及び該パターンを識別する符号を作成してもよい。
【0054】
処理部12は、パターン関連情報に関するデータベース38をハードディスク35に格納する。パターン関連情報は、後述するパターン及び符合作成処理工程において詳しく説明する。図10は、ハードディスク35に格納されたパターン関連情報について示す。具体的に説明すると、2次メッシュのメッシュコードが「5438−23」である場合は、パターン1からパターン8までの放送情報を有する。パターン1からパターン8まで、電
子機器1が受信可能な、デジタルTV、AMラジオ、及びFMラジオの放送局のパターンが異なる。
【0055】
更に、処理部12は、メッシュ関連情報に関するデータベース39をハードディスク35に格納する。メッシュ関連情報は、後述するパターン及び符合作成処理工程において詳しく説明する。尚、パターンNO.は、パターン関連情報に関するデータベース38のパ
ターンNO.と一致する。図11は、パターン関連情報に関するデータベース38に格納
された3次メッシュのメッシュコードが「5438−2397」である場合の、該メッシュコードと関連付けられたパターンNO.を示す。図11に示すように、3次メッシュコ
ードが「5438−2397」の場合のパターンNO.は、「8」である。パターンNO.が「8」である場合は、図10に示すパターン8に対応する。図12は、2次メッシュのメッシュコードが「5438−23」である場合の、各々の3次メッシュが関連付けられたパターンNO.を示すメッシュ関連情報である。図12に示すように、3次メッシュの
メッシュコードと関連付けられたパターン数は、パターンNO.が「1」から「8」まで
存在する。従って、本発明の実施例に係る情報処理装置10は、3次メッシュのメッシュコード毎に各々の放送情報を記憶せず、関連付けられたパターン及びパターンNO.のパ
ターン関連情報と、関連付けられたパターンNO.及び3次メッシュのメッシュコードの
メッシュ関連情報を記憶するため、放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。
【0056】
処理部12は、通信ユニット33を介して、ハードディスク35に格納されているパターン関連情報とメッシュ関連情報を有する関連情報を、電子機器1内の通信ユニット121に向けて送信する。処理部12が関連情報を送信するタイミングは、特に限定されないが、パターン関連情報とメッシュ関連情報とのうち少なくともどちらか一方が更新されれば、更新された情報を、通信ユニット35を介して電子機器1に向けて送信するようにしてもよい。また、処理部12は、電子機器1側の制御部100からの要求があった際に、パターン関連情報とメッシュ関連情報を電子機器1側に送信させてもよい。また、処理部12は、ハードディスク35に記憶されている全てのパターン関連情報及びメッシュ関連情報を電子機器1内の通信ユニット121に向けて送信させる必要はない。例えば、処理部12は、車両が現在位置する緯度経度から所定の距離内に該当するメッシュにおいて、該メッシュのメッシュコードに対応するパターン関連情報とメッシュ関連情報を電子機器1側に送信させてもよい。その結果、電子機器1は、情報処理装置100から膨大な情報を受信しなくてもよい。また、処理部12は、ハードディスク35に格納されているパターン関連情報に関するデータベース38と、メッシュ関連情報に関するデータベース39をひとつのデータベースにして格納してもよい。
【0057】
<パターン及び符合作成処理フロー>
本発明の実施例に係る情報処理装置10がパターン及び符合を作成する行程について説明する。図13は、本発明の実施例に係る情報処理装置10における処理部12がパターンを作成するフロー図である。図6及び図9に示す機能ブロック図を参照しながら、以下具体的にパターン情報作成部12について説明する。尚、処理部12が電子機器1からの受信情報に基づいてパターン及び符合を作成する場合について説明するが、キーボード32等の入力部によって入力される入力情報に基づいてパターン及び符合を作成してもよい。
【0058】
ステップS01では、電子機器1側の制御部100が、通信ユニット121を介して、電子機器1内のメモリ117に記憶された受信情報を情報処理装置10に向けて送信した際に、処理部12が、該受信情報を、通信ユニット33を介して無線通信によって取得し、ハードディスク37に格納する。受信情報とは、図7に示すように、デジタルTV放送に関しては、放送局チャンネル、放送局ID、TVの受信感度情報(フルセグ及びワンセ
グ)、受信した日時(月、日、時、分)、及びTV受信部103が受信した際の緯度経度情報及び該緯度経度が属する3次メッシュコードであり、ラジオ放送に関しては、AM又はFMのどちらの放送波を受信したかを示す受信種別、受信した周波数、ラジオの受信感度情報、受信した日時(月、日、時、分)、ラジオ受信部102がラジオ局を受信した際の緯度経度情報及び該緯度経度が属する3次メッシュコード等である。受信情報の取得が完了するとステップS02へ進む。
【0059】
ステップS02では、処理部12が、受信情報を3次メッシュ毎に抽出する。図14は、処理部12が抽出した抽出情報の一例を示す。例えば、図14に示すように、メッシュコードが「5438−2397」である3次メッシュ内において、処理部12は、「放送局1」から「放送局10」までのデジタルTVの放送情報を抽出し、各々の放送局の放送局チャンネル、放送局ID、及び受信対象情報を抽出する。デジタルTVの「放送局1」が有する放送情報は、放送局チャンネルが「16」であり、放送局IDが「210」であり、受信対象がワンセグ及びフルセグで受信可能であることを示す「1」である。尚、受信対象がワンセグの場合は「0」とし、受信対象がワンセグ及びフルセグの場合は「1」とする。また、メッシュコードが「5438−2397」である3次メッシュ内において、処理部12は、「放送局1」から「放送局10」までのAMラジオ、FMラジオの放送情報を抽出し、各々の放送局の放送局周波数、放送局IDを抽出する。AMラジオの「放送局1」が有する放送情報は、放送周波数(kHz)が「558」であり、放送局IDが「128」である。FMラジオの「放送局1」が有する放送情報は、放送周波数(kHz)が「77600」であり、放送局IDが「136」である。尚、処理部12が抽出する放送局は、デジタルTV放送、AMラジオ放送、FMラジオ放送において、各々10局とするが、これらに限定されない。また、本実施例では、処理部12が各々の3次メッシュ毎に放送局のグループを抽出するが、3次メッシュ毎に限定されない。3次メッシュ毎の放送情報の抽出が完了するとステップS03へ進む。
【0060】
ステップS03では、処理部12が、抽出した各々の3次メッシュ内の放送局のグループのパターンが、ハードディスク35に格納されているパターン関連情報に関するデータベース38に記憶されている既存のパターンにあるか否かを判別する。処理部12が、パターンがデータベース38に記憶されている既存のパターンにないと判別した場合は、ステップS04へ進む。一方、処理部12が、パターンがデータベース38に記憶されている既存のパターンにあると判別した場合は、ステップS05へ進む。例えば、3次メッシュのメッシュコードが「5438−2397」である場合、パターンは、図10に示すパターン8に該当する。この場合、処理部12は、データベース38に記憶されている既存のパターンにあると判別し、ステップS05へ進む。また、本発明の実施例に係る情報処理装置10が初めて使用される場合は、ハードディスク35にパターン関連情報に関するデータベース38が格納されていない状態であり、処理部12は既存のパターンが無いと判別する。
【0061】
ステップS04では、処理部12が、データベース38に記憶されている既存のパターンにないと判別したパターンを、新しいパターンとして作成し、且つ、新しいパターンを識別するパターンNO.を作成する。例えば、複数のパターンがデータベース38に無い
と判別され、複数のパターンが各々異なる場合は、異なるパターン毎に新しいパターンが作成される。新しいパターン及びパターンNO.の作成が完了するとステップS05へ進
む。
【0062】
ステップS05では、処理部12が、ステップS04において、作成した新しいパターンを識別するパターンNO.を、新しいパターンに該当する3次メッシュに割り付け、該
パターンNO.と該3次メッシュのメッシュコードとを関連付けさせる。また、ステップ
S03において、処理部12によって、パターンがデータベース38に記憶されている既
存のパターンにあると判別された場合は、該パターンを識別するパターンNO.を、該パ
ターンに該当する3次メッシュに割り付け、該パターンNO.と該3次メッシュのメッシ
ュコードとを関連付けさせる。例えば、3次メッシュのメッシュコードが「5438−2397」である場合、パターン8とメッシュコード「5438−2397」とを関連付けさせる。パターンNO.の割り付けが完了するとステップS06へ進む。
【0063】
ステップS06では、処理部12が、作成した新しいパターンと新しいパターンを識別するパターンNO.を関連付け、データベース38に記憶させる。更に、処理部12は、
割り付けた3次メッシュのメッシュコードと、割り付けたパターンNO.を関連付け、デ
ータベース39に記憶させる。また、処理部12は、パターンが、データベース38に記憶されている既存のパターンに該当する場合は、該パターンを識別するパターンNO.と
、該3次メッシュコードを関連付け、データベース39に記憶させる。従って、本発明の実施例に係る情報処理装置10は、3次メッシュのメッシュコード毎に各々の放送情報を記憶せず、関連付けられたパターン及びパターンNO.のパターン関連情報と、関連付け
られたパターンNO.及び3次メッシュのメッシュコードのメッシュ関連情報とを記憶す
るため、放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。データベース38、39への記憶が完了するとステップS06へ進む。
【0064】
ステップS07では、処理部12が、データベース37に格納されている受信情報が全てデータベース38に格納されているパターンに変換され、パターン変換が完了したか否かを判断する。処理部12が、パターン変換が完了したと判断した場合は、パターン作成処理が終了する。一方、処理部12が、パターン変換が完了していないと判断した場合は、ステップS02へ戻る。
【0065】
<放送情報利用行程>
次に、本発明の実施例に係る電子機器1を備える車両が情報処理装置10からの情報を利用する行程について説明する。図15は、電子機器1が情報処理装置10からの情報を利用する処理フロー図である。図6に示す機能ブロック図を参照しながら、以下具体的に説明する。尚、電子機器1が有するメモリ117には、本発明の実施例に係る情報処理装置10から関連情報が配信され、記憶されているものとする。
【0066】
ステップS11では、ラジオ受信部102又はTV受信部103が放送波を受信し、受信した映像信号又は音声信号、及びデータ信号を出力した際に、制御部100が、現在、電子機器1によって視聴しているTV局又はラジオ局の受信感度を確認する。制御部100は、受信感度が、第1の所定値以下であるか、第1の所定値から第2の所定値の間であるか、第2の所定値以上であるかを確認するが、受信感度が第1の所定値以下であるか否かだけを確認してもよい。受信感度の確認が完了するとステップS12へ進む。
【0067】
ステップS12では、制御部100が、確認した受信感度が第1の所定値以下であるか否かを判断する。受信感度が第1の所定値以下である場合は、ステップS13へ進む。受信感度が第1の所定値以下でない場合は、ステップS11へ戻る。尚、第1の所定値は、ユーザが視聴するには困難な受信感度である。
【0068】
ステップS13では、制御部100が、ナビゲーション部106が示す目的地までの経路案内や、GPS情報受信部112から受信した自車位置情報に基づき、車両が次に到達する3次メッシュ又は該3次メッシュのメッシュコードを予測する。例えば、制御部100は、車両が次に到達する3次メッシュのメッシュコードが「5438−2397」であると予測する。尚、制御部100が予測するメッシュは、3次メッシュに限定されない。次に車両が到達する3次メッシュの予測が完了するとステップS14へ進む。
【0069】
ステップS14では、制御部100が、情報処理装置10から配信された関連情報を記憶するメモリ117から、次に車両が到達する3次メッシュが該当する放送局のパターンを割り出す。例えば、制御部100が予測したメッシュコードが「5438−2397」である場合、制御部100が割り出したパターンは、図11及び図12に示すように、パターン8である。放送局のパターンの割り出しが完了するとステップS15へ進む。
【0070】
ステップS15では、制御部100が、割り出したパターンの中に、現在視聴している放送局IDと同一の放送局IDがあるか否かを判断する。同一の放送局IDがあると判断された場合は、ステップS16へ進む。同一の放送局IDがないと判断された場合は、ステップS17へ進む。
【0071】
ステップS16では、制御部100が、現在視聴している放送局IDと同じ放送局IDを有する別の放送チャンネルに切り替える。尚、同じ放送局IDである場合は、放送の内容は同一であるため、ユーザが視聴する放送内容が変わらない。制御部100による別の放送局チャンネルへの切り替えが完了すると、ステップS11に戻る。
【0072】
ステップS17では、ステップS15で制御部100が、同一放送局IDがないと判断した場合は、制御部100が、受信感度が所定値以上であると確認された別の放送チャンネルに切り替える。制御部100は、別の放送チャンネルが複数ある場合は、例えば、表示部122に複数の放送チャンネルを表示させ、ユーザがタッチパネル202に押下することによって別の放送チャンネルを選択させ、別の放送チャンネルに切り替えてもよいし、現在受信している放送局の放送局IDと最も近い放送局IDを持つ放送チャンネルに自動的に切り替えてもよい。制御部100による別の放送局チャンネルへの切り替えが完了すると、ステップS01に戻る。
【0073】
以上により、本発明の実施例に係る電子機器1及び情報処理装置10は、車両の移動に伴って、現在ユーザが視聴しているTV又はラジオの放送局の受信可能エリアから車両が外れ、ラジオ受信部102又はTV受信部103が受信している放送波の受信感度が低下した際に、放送局チャンネルを自動に切り替え、ユーザが視聴している放送局と同様の内容を視聴することが可能であり、また、他の放送局に切り替えることが可能である。更に、本発明の実施例に係る電子機器1は、情報処理装置10からデータ量が削減された関連情報が配信されるため、ハードディスクの容量が限られており、膨大なデータ量を記憶することが不可能な車載機にとって好適である。
【0074】
<従来とのデータ量の比較>
従来技術として3次メッシュ毎に受信可能な放送情報を各々記憶する場合と、本発明の実施例に係る情報処理装置10によって、パターン関連情報に関するデータベース38及びメッシュ関連情報に関するデータベース39としてハードディスク35に記憶する場合とのデータ量を比較する。データ量を比較する前提条件として、受信放送局リストは、デジタルTV放送、AMラジオ放送、FMラジオ放送に各々10局あると仮定する。また、所定の2次メッシュ内における放送局パターンは、8パターンと仮定する。また、ハードディスク35は、1つの2次メッシュ内の放送情報を記憶しているものと仮定する。図16は、従来技術を用いた場合によるデータ量を示す。図17は、パターン関連情報のデータ量を示す。図18は、メッシュ関連情報のデータ量を示す。
【0075】
従来技術を用いた場合によるデータ量から説明する。図16に示すように、1つ3次メッシュのメッシュコードが有するデータ量は、4Byteである。1つの3次メッシュ内で受信可能なデジタルTV放送局は、放送局データ1から放送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が6Byteであるため、合計で60Byteのデータ量を有する。所定の3次メッシュ内で受信可能なAM放送局は、放送局データ1から放
送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が4Byteであるため、合計で40Byteのデータ量を有する。所定の3次メッシュ内で受信可能なFM放送局は、放送局データ1から放送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が4Byteであるため、合計で40Byteのデータ量を有する。以上により、1つの3次メッシュ当たりのデータ量は、144Byteである。2次メッシュ内には100の3次メッシュがある。従って、2次メッシュ当たりのデータ量は、14,400Byteである。
【0076】
次に、本発明の実施例に係る情報処理装置10において、パターン関連情報及びメッシュ関連情報のデータ量について説明する。図17に示すように、パターン関連情報は、2次メッシュコード、受信可能放送局のパターン数、パターン1からパターン8である。2次メッシュコードのデータ量は、3Byteである。受信可能放送局のデータ数は、1Byteである。パターン1として、デジタルTV放送局は、放送局データ1から放送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が6Byteであるため、合計で60Byteのデータ量を有する。また、パターン1として、AM放送局は、放送局データ1から放送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が4Byteであるため、合計で40Byteのデータ量を有する。更に、パターン1として、FM放送局は、放送局データ1から放送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が4Byteであるため、合計で40Byteのデータ量を有する。パターン1全体のデータ量は、140Byteとなり、パターン1からパターン8までのデータ量は、1,120Byteである。従って、パターン関連情報のデータ量は、1,124Byteである。次に、メッシュ関連情報は、図18に示すように、3次メッシュコードと、パターンNO.である。3次メッシュコードのデータ量は、3Byteである。パターン
NO.のデータ量は、1Byteである。2次メッシュ内には100の3次メッシュがあ
る。従って、メッシュ関連情報のデータ量は、500Byteである。以上により、パターン関連情報及びメッシュ関連情報の放送情報のデータ量は、1,624Byteである。
【0077】
以上により、従来技術のデータ量が14,400Byteと膨大のデータ量であるのに比べ、本発明の実施例に係る情報処理装置10におけるパターン関連情報及びメッシュ関連情報のデータ量が1,624Byteと少なく、大幅にデータ量を削減することが可能である。また、所定の2次メッシュ内における放送局パターンが100通りと仮定した場合、パターン関連情報のデータ量が14,004Byteとなり、メッシュ関連情報のデータ量が500Byteとなる。放送情報のデータ量は、合計で14,504Byteとなり、従来技術とほぼ同じデータ量になる。近隣地域では放送局が似通っているため、約10Km×約10Kmの所定の2次メッシュ内で放送局パターンが100通りもあることはなく、パターンが数通りであることが考えられ、確実に、大幅にデータ量を削減することが可能である。
【0078】
<変形例>
以上、本発明に係る電子機器1及び情報処理装置10について説明したが、本発明に係る電子機器1及び情報処理装置10はこれらに限定されるものではない。例えば、制御部100は、電子機器1内のメモリ117にパターン関連情報及びメッシュ関連情報を記憶させなくてもよい。車両が現在位置するメッシュのメッシュコード、又は車両が次に位置する予測されたメッシュのメッシュコードを情報処理装置10へ送信する。情報処理装置10の処理部12は、メッシュコードを取得し、ハードディスク35に格納された、パターン関連情報に関するデータベース38及びメッシュ関連情報に関するデータベース39から、電子機器1から送信されたメッシュコードに対応するパターンを検索する。そして、処理部12は、該メッシュコードに対応するパターンを電子機器1へ送信してもよい。その結果、本発明の変形例に係る電子機器1は、車両が現在位置するメッシュ内で受信可
能な放送局のグループのパターンを取得することが可能である。車載機がメッシュコードを情報処理装置10へ送信するタイミングは、車両が現在位置するメッシュから隣のメッシュに所定の距離まで近づいた際に送信してもよいし、特に限定されない。また、電子機器1が備える制御部100が、車両が位置する経度緯度情報又はメッシュ情報を常に情報処理装置10へ送信させ、情報処理装置10が備える処理部12が、車両の位置するメッシュ内で受信可能な放送局のパターンを、車両の移動に伴って電子機器1へ送信させてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1・・・電子機器
100・・・制御部
102・・・ラジオ受信部
103・・・TV受信部
106・・・ナビゲーション部
107・・・分配回路
108・・・画像表示処理部
109・・・音声調整回路
110・・・画像出力部
112・・・GPS情報受信部
113・・・セレクタ
117・・・メモリ
121・・・通信ユニット
122・・・表示部
200・・・バックライト
201・・・液晶パネル
202・・・タッチパネル
16・・・スピーカ
10・・・情報処理装置
11・・・受信部
12・・・処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、電子機器、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載機によってテレビ(以下、TVと記載する)やラジオの番組を受信・視聴する際に、車両の現在位置によって受信可能なチャンネルが異なってくるため、効率よく受信可能なチャンネルに変更する技術が開発されている。例えば、車載機に設置されたTV受信機が、受信強度や放送局名等の受信状態情報を統合的に管理するサーバーにアクセスすることによって、受信状態情報を取得することが可能な技術が開示されている(特許文献1を参照)。また、地域探索リストを広域探索リストと県域探索リストに階層化することにより、より効率よく県域を特定し、受信可能なチャンネルを検索することが可能な技術が開示されている(特許文献2を参照)。他に、放送チャンネル受信地域において、受信可能なチャンネルからなるチャンネルパターンに対応する地域コードと、データ放送あるいは文字多重放送の放送波に含まれる放送局コードに対応する地域コードを比較して、一致する地域コードに対応する地域別放送チャンネルデータに基づいてチャンネルを設定するようにした技術が開示されている(特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−165729号公報
【特許文献2】特開2006−13765号公報
【特許文献3】特開2002−101361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車載機が各地域で受信可能なTVやラジオの放送局を判別する際に必要となるデータベースは、例えば、道路地図データの3次メッシュ毎にそれぞれ受信可能な放送情報をそのまま持つような仕組みが考えられる。3次メッシュとは、標準地域メッシュ・システム(昭和48年7月12日 行政管理庁告示第143号「統計に用いる標準地域メッシュ及び標準地域メッシュコード」)に基づくもので、一定の経線、緯線で地域を網の目状に区画する方法である。図1は、1次メッシュで区画した日本地図であり、1次メッシュのメッシュコードを示す。図2は、図1の部分的な拡大図であり、1次メッシュを示す。図3は、1次メッシュを更に区画した2次メッシュを示す。図4は、2次メッシュを更に区画した3次メッシュを示す。1次メッシュは、図1及び図2に示すように、経度差1度、緯度差40分で区画された範囲を指し、約80km×約80kmの範囲である。2次メッシュは、図3に示すように、1次メッシュを縦横8等分にしたものであり、経度差7.5分、緯度差5分である。1つの2次メッシュの区画の範囲は、約10km×約10kmである。3次メッシュは、図4に示すように、2次メッシュを縦横10等分したものであり、緯度差0.5分、経度差0.75分である。1つの3次メッシュの区画の範囲は、約1km×約1kmである。データベースが各放送情報を3次メッシュ毎に持つと、該データベースのデータ量が膨大となり、車載機の記憶容量もそれに対応したものにする必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記した問題に鑑み、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する際に、放送情報のデータ量を削減して記憶させることが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために、所定地域が区分けされた区分け地域内で電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、各々の該区分け地域とを関連付ける点を工夫した。
【0007】
詳細には、本発明に係る情報処理装置は、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させる情報処理部を備える。
【0008】
本発明に係る情報処理装置は、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する。所定地域とは、一定の経線及び緯線で地域を網の目状に区画したメッシュ、地上波放送の区域である関東広域圏、中京広域圏、近畿広域圏等、又は都道府県等であるが、これらに限定されない。また、区分け地域とは、所定地域が区分けされた地域であり、区分けされる区分数は特に限定されない。放送情報とは、電子機器が電波によって発信される放送波を受信するために必要な情報であり、所定地域毎に受信可能なTV放送の放送局チャンネル、放送局ID、及びラジオ放送の受信周波数等である。また、放送情報は、シミュレーション等により仮想した情報でもよいし、実際に電子機器が受信した情報でもよく、特に限定されない。
【0009】
従来は、区分け地域毎に、該区分け地域内で電子機器が受信可能な放送局のグループが記憶されていたため、放送情報のデータ量が膨大であった。更に、隣接し合う区分け地域では、受信可能な放送局のグループが同じ場合がある。そこで、本発明に係る情報処理装置は、放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、区分け地域とを関連付けて記憶させることにより、放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。尚、所定の区分け地域内で電子機器が受信可能な放送局のグループは、第1の記憶部に記憶されている関連情報の中から、該所定の区分け地域と関連付けられた符号を読み出し、該符号と関連付けられたパターンを読み出すことによって、導き出すことが可能である。また、第1の記憶部は、情報処理装置に備えられてもよいし、情報処理装置とは別に備えられてもよい。
【0010】
更に、本発明に係る情報処理装置において、前記情報処理部は、所定の前記区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンが、既存のパターンにあるか否かを判別し、前記パターンが前記既存のパターンにないと判別した場合に、該パターンを新しいパターンとして作成し、且つ該新しいパターンを識別する符号を作成し、前記符合を前記所定の区分け地域に割り付けてもよい。
【0011】
本発明に係る情報処理装置は、受信可能な放送局が増える等の放送情報に更新があった場合であっても、情報処理部が、更新された放送情報に基づいて新たにパターン及び符号を作成することが可能である。更に、本発明に係る情報処理装置は、新たに放送局のパターンが発生した場合、第1の記憶部に既に記憶されているパターンと重複することなく、新たなパターンを作成することが可能である。更に、本発明に係る情報処理装置は、第1の記憶部にパターンが記憶されていない場合であっても、情報処理部が、パターン及び符号を作成し、関連付けたパターン及び符号と、関連付けた符号及び区分け地域を第1の記憶部に記憶させることが可能である。以上により、本発明に係る情報処理装置は、第1の記憶部に記憶させる関連情報のデータ量を最小限にすることが可能である。
【0012】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記情報処理部は、前記パターンが前記既存のパターンにあると判別した場合に、該既存のパターンを識別する前記符号を、前記所定の区分け地域に割り付けてもよい。
【0013】
情報処理部は、放送局のグループのパターンが、第1の記憶部に関連情報として記憶されている既存のパターンにあると判別した場合、該既存のパターンを利用することが可能である。既存のパターンを識別する符号は、関連情報から導きだされる。そして、情報処理部が、既存のパターンを識別する符号を、所定の区分け地域に割り付ける。従って、本発明に係る情報処理装置は、情報処理部が重複して放送局のグループを記憶させず、第1の記憶部に記憶させる関連情報のデータ量を最小限にすることが可能である。
【0014】
ここで、本発明に係る情報処理装置において、前記放送情報は、前記所定地域内で前記電子機器が受信した放送に関する情報と、該電子機器が該放送情報を受信した際に該電子機器の位置に関する情報とを含んでもよい。所定地域内で電子機器が受信した放送に関する情報と、電子機器が放送情報を受信した際に電子機器の位置に関する情報は、現実に即した情報である。従って、本発明に係る情報処理装置は、高層ビル等により電波障害が起こり、シミュレーション等により仮想した放送情報とは現実に異なる場合、現実に即した放送情報に基づいて、パターン及び符号を区分け地域と関連付けることが可能であるため、第1の記憶部に記憶させる関連情報も現実に即した正確な情報となる。更に、本発明に係る情報処理装置は、受信可能な放送局が増える等の放送情報に更新があった場合であっても、第1の記憶部に記憶させる関連情報が更新された正確な情報となる。
【0015】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記情報処理部は、前記第1の記憶部に記憶させた前記関連情報から、前記電子機器が位置する区分け地域に対応する前記符合から前記パターンを検索し、検索した該区分け地域に対応する該パターンを該電子機器へ送信してもよい。
【0016】
その結果、本発明に係る情報処理装置は、現在、電子機器が位置する区分け地域内で受信可能な放送局のグループに該当するパターンを、電子機器へ送信することが可能である。また、本発明に係る情報処理装置は、情報処理部が、第1の記憶部が記憶する関連情報を電子機器側に全て送信させる必要がなく、電子機器が位置する区分け地域等と関連付けられた必要な関連情報のみを送信することが可能である。その結果、電子機器は、パターンを受信する際に、最小限のデータ量で受信することが可能である。
【0017】
本発明に係る情報処理装置において、前記電子機器は、車載機でもよい。車載機が持つハードディスクの容量が限られており、膨大なデータ量を記憶することが不可能である。本発明に係る情報処理装置は、データ量が大幅に削減された放送情報を車載機へ送信することが可能である。また、電子機器が車載等の移動体に搭載される場合、電子機器が位置する区分け地域が変わり、電子機器が受信可能な放送局のグループが変わる場合がある。その場合、本発明に係る情報処理装置は、移動先の区分け地域に対応する、第1の記憶部に記憶されている関連情報の符合及びパターンを読み出し、移動先の区分け地域において受信可能な放送波を導き出すことが可能である。
【0018】
ここで、本発明に係る電子機器は、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が電波によって発信される放送を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させる情報処理部と、前記関連情報を前記電子機器へ送信する情報送信部と、を備える情報処理装置から、前記関連情報を受信する電子機器であって、前記情報送信部から送信された前記関連情報を受信する電子機器受信部と、前記電子機器受信部が受信した前記関連情報を第2の記憶部に記憶させ、前記電子機器が位置する区分け地域に対応する該パターンを、該第2の記憶部内に記憶させた該関連情報から読み出し、読み出した該パターンに基づいて前記放送情報を受信する電子機器処理部と、を備えてもよ
い。
【0019】
電子機器受信部は、情報処理装置が備える情報送信部によって送信される関連情報を受信する。尚、電子機器受信部は、第1の記憶部に記憶されている全ての関連情報を受信する必要がなく、電子機器が位置する区分け地域等の必要な関連情報のみを受信することが可能である。また、第2の記憶部は、電子機器受信部が受信した関連情報を記憶する。尚、第2の記憶部は、電子機器に備えられてもよいし、電子機器とは別に備えられてもよい。また、第1の記憶部が記憶する関連情報のデータ量が少量であるため、第2の記憶部が記憶する関連情報も少量であるが、電子機器受信部が必要な関連情報のみを受信した場合は、第2の記憶部が記憶する関連情報はより少量となる。更に、電子機器処理部は、電子機器が位置する区分け地域に対応するパターンを、第2の記憶部に記憶されている関連情報から読み出し、読み出したパターンに基づいて放送情報を受信する事が可能である。以上により、本発明に係る電子機器は、該電子機器が位置する所定地域内で受信可能な放送をユーザに提供することが可能である。
【0020】
更に、本発明に係る電子機器において、前記電子機器は、移動体に搭載され、又は可搬体であり、前記電子機器処理部は、前記電子機器が受信している電波の受信感度が所定値以下であるか否かを判断し、前記受信感度が所定値以下であると判断した場合に、前記電子機器が次に位置する区分け地域を該電子機器の移動方向に基づいて予測し、前記第2の記憶部に記憶させた前記関連情報の中の前記区分け地域に、予測した前記区分け地域があるか否かを判断し、予測した前記区分け地域が前記関連情報の中の前記区分け地域にあると判断した際に、前記第2の記憶部に記憶させた前記関連情報に基づいて、予測した前記区分け地域に対応するパターンを読み出し、読み出した前記パターンに基づいて、前記電子機器が受信している放送局から他の放送局へ切り替えてもよい。
【0021】
電子機器が移動体に搭載される場合は、例えば、車両に搭載される車載機である。また、電子機器が持ち運び可能な可搬体である場合は、例えば、携帯端末である。電子機器処理部は、電子機器が受信している放送波の受信感度が所定値以下であるか否かを判断する。受信感度が弱まる場合とは、高層ビル等により受信電波が遮られる場合、県境等に電子機器が位置し放送局エリアが変わる場合、天候が不順である場合等である。受信感度の所定値は特に限定されないが、ユーザが放送情報を良好に視聴可能となる受信感度が好ましい。
【0022】
更に、電子機器処理部は、受信感度が所定値以下であると判断した際に、電子機器が次に位置する区分け地域を電子機器の移動方向に基づいて予測する。受信感度が所定値以下である場合は、例えば、ユーザが放送情報を良好に視聴可能ではない場合である。電子機器処理部は、例えば、予め電子機器の移動経路が設定されている場合、該移動経路が位置する区分け地域を次に位置する区分け地域として予測してもよい。また、電子機器処理部は、例えば、現在電子機器の移動する方向の先に位置する区分け地域を次に位置する区分け地域として予測してもよい。更に、電子機器処理部は、第2の記憶部に記憶させた区分け地域内に予測した区分け地域があるか否かを判断する。
【0023】
電子機器処理部は、予測した区分け地域が第2の記憶部内にあると判断した場合に、第2の記憶部内に記憶させた関連情報に基づいて、予測した区分け地域に対応するパターンを読み出す。第2の記憶部に記憶されている関連情報は、上述したように、パターン、符号、区分け地域が関連付けられた情報である。電子機器処理部は、予測した区分け地域と関連付けられた符合を読み出し、該符合と関連付けたパターンを読み出す。その結果、本発明に係る電子機器は、読み出されたパターンから、予測した区分け地域内で受信可能な放送局のグループを読み出す事が可能である。電子機器処理部は、読み出したパターンに基づいて、電子機器が受信している放送局から他の放送局へ切り替える。以上により、本
発明に係る電子機器は、電子機器の移動に伴って、該電子機器が受信している放送波の受信感度が低下した際に、電子機器が受信可能な放送波に自動に切り替え、TV放送やラジオ放送等の視聴可能な放送をユーザに提供することが可能である。
【0024】
更に、本発明に係る電子機器において、前記電子機器処理部は、予測した前記区分け地域が前記第2の記憶部にないと判断した場合に、前記第1の記憶部に記憶されている前記関連情報の中から、予測した前記区分け地域に対応する前記符号及び前記パターンを該第2の記憶部へ記憶させてもよい。
【0025】
第2の記憶部は、電子機器が実際に位置した所定地域に対応する関連情報や、電子機器が位置する予定の所定地域に対応する関連情報が記憶されていれば十分である。つまり、第2の記憶部は、第1の記憶部に記憶されている関連情報を全て記憶する必要はない。そして、第2の記憶部に記憶されている区分け地域に、電子機器処理部によって予測された区分け地域がない場合、電子機器処理部は、第1の記憶部に記憶されている関連情報の中から、予測した区分け地域に対応する符合及びパターンを、第2の記憶部へ記憶させればよい。その結果、本発明に係る電子機器は、第2の記憶部が記憶するデータ量を最小限にする事が可能である。更に、本発明に係る電子機器は、上述したように、電子機器処理部が、第2の記憶部に記憶された、予測した区分け地域に対応する符合及びパターンを読み出し、他の放送局へ切り替えることが可能である。また、予測された区分け地域が第1の記憶部にない場合は、上述したように、情報処理装置が、情報処理部によってパターン及び符合を作成し、該符合をパターンに該当する区分け地域に割り付け、関連情報を第1の記憶部へ記憶させることが可能である。
【0026】
本発明に係る記憶装置は、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を記憶する記憶装置であって、前記放送情報を取得し、該放送情報に含まれる、前記所定地域が区分けされた区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号とを関連付け、該符号と、各々の該区分け地域とを関連付け、関連付けた該パターン、該符号、該区分け地域とを関連情報として第1の記憶部へ記憶してもよい。その結果、本発明に係る記憶装置は、放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、区分け地域とを関連付けて記憶することにより、記憶する放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。
【0027】
本発明に係る情報処理方法は、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理方法であって、前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させてもよい。その結果、本発明に係る情報処理方法は、放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、区分け地域とを関連付けて記憶させることにより、記憶させる放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。
【0028】
本発明に係るプログラムは、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報の処理をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、前記コンピュータに、前記放送情報を取得し、該放送情報に含まれる、前記所定地域が区分けされた区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号とを関連付け、該符号と、各々の該区分け地域とを関連付け、関連付けた該パターン、該符号、該区分け地域とを関連情報として第1の記憶部へ記憶させる処理を実行させてもよい。その結果、本発明に係るプログラムは、放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、区分け地域とを関連付けて記憶させることにより、記憶させる放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。
【0029】
本発明に係る情報処理システムは、電子機器と、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、前記放送情報を取得し、該放送情報に含まれる、前記所定地域が区分けされた区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号とを関連付け、該符号と、各々の該区分け地域とを関連付け、関連付けた該パターン、該符号、該区分け地域とを関連情報として第1の記憶部へ記憶させる情報処理部を有する情報処理装置と、を備えてもよい。その結果、本発明に係る情報処理システムは、放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、区分け地域とを関連付けて記憶させることにより、記憶させる放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する際に、放送情報のデータ量を削減して情報処理をすることが可能な情報処理装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】1次メッシュで区画した日本地図である。
【図2】図1の部分的な拡大図であり、1次メッシュを示す。
【図3】1次メッシュを更に区画した2次メッシュを示す。
【図4】2次メッシュを更に区画した3次メッシュを示す。
【図5】電子機器及び情報処理装置を用いたサービスの概要図である。
【図6】電子機器を示す機能ブロック図である。
【図7】受信情報を示す。
【図8】情報処理装置を示すハードウェア構成図である。
【図9】情報処理装置を示す機能ブロック図である。
【図10】パターン関連情報を示す。
【図11】メッシュ関連情報を示す。
【図12】所定の2次メッシュ内における各々の3次メッシュのパターンNO.が関連付けられたメッシュ関連情報を示す。
【図13】情報処理装置がパターン及び符合を作成するフロー図である。
【図14】処理部が抽出する抽出情報を示す。
【図15】車載機が情報処理装置からの情報を利用する処理フロー図である。
【図16】従来技術を用いた場合によるデータ量を示す。
【図17】パターン関連情報のデータ量を示す。
【図18】メッシュ関連情報のデータ量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここで、本発明の実施例に係る情報処理装置10と、電子機器1について、図面に基づいて説明する。以下に示す実施例は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。ここでは、電子機器1として、車載用の電子機器を実施の形態の一つとして記載するが、本願に係る構成は、車載用の電子機器に限定されず、例えば、可搬型の携帯端末(例えば、PND、携帯電話、携帯型表示装置など)においても実現可能である。
【0033】
先ず、本発明の実施例に係る電子機器1及び情報処理装置10がどのようなサービスに使用可能であるか簡単に説明する。尚、本発明の実施例に係る電子機器1及び情報処理装置10において、下記に示すサービスは一例にすぎず、下記のサービスに限定されない。図5は、本発明の実施例に係る情報処理装置10を用いたサービスの概要図である。
【0034】
情報処理装置10は、放送情報を一括して処理するセンター等に設置される。電子機器1は、車両に搭載される。A中継局は、TV放送やラジオ放送等の放送波を発信する。B
中継局は、TV放送やラジオ放送のA中継局とは異なる放送波を発信する。車両がA中継局エリアに位置する場合は、A中継局から発信される放送波を電子機器1が受信することが可能である。車両がB中継局エリアに位置する場合は、B中継局から発信される放送波を電子機器1が受信することが可能である。車両がA中継局エリアからB中継局エリアへ移動した際、電子機器1は、A中継局から発信される放送波の受信感度が低下し、A中継局から発信されるTV放送やラジオ放送を受信することができなくなる。従って、電子機器1は、A中継局から発信される放送波から、B中継局から発信される放送波に切り替える必要がある。そこで、本発明の実施例に係る情報処理装置10は、所定のエリアで電子機器1が受信可能な放送情報を電子機器1へデータ配信する。電子機器1は、センターから配信されたデータと、車両がどのエリアに位置しているかの位置情報に基づいて、電子機器1が受信可能な放送波を導きだし、受信感度の良好なTV放送やラジオ放送をユーザに提供することが可能である。また、電子機器1は、A中継局から発信される放送波の受信感度が低下した際に、自動にB中継局から発信される放送波に切り替えることが可能となる。更に、電子機器1は、A中継局エリア内で実際に受信した放送情報と、B中継局エリア内で実際に受信した放送情報を、センターへ送信する。その結果、センターは、電子機器1から受信した放送情報を基に、所定のエリアで電子機器1が受信可能な放送情報を処理し、処理した放送情報を電子機器1へデータ配信することによって、正確なデータを電子機器1へ提供することが可能となる。以下、本発明の実施例に係る電子機器1及び情報処理装置10について、具体的に説明する。
【0035】
<電子機器の構成>
先ず、電子機器1の構成について説明する。図6は、本発明の実施例に係る電子機器1(オーディオ機能、ビジュアル機能、ナビゲーション機能を一体的に有する電子機器)を示す機能ブロック図である。図7は、電子機器1内のメモリ117が記憶する放送情報を示す。電子機器1は、ラジオ受信部102、TV(Television)受信部103、セレクタ113、GPS(Global Positioning System)情報受信部112、ナビゲーション部1
06、分配回路107、画像表示処理部108、画像出力部110、表示部122、音声調整回路109、メモリ117(第2の記憶部)、通信ユニット121、制御部100(電子機器処理部)、を含む。なお、電子機器1は、このような構成に限定されるものではなく、他の構成を有してもよい。また、電子機器1は、例えば、AVN一体機である。
【0036】
ラジオ受信部102は、アンテナにより受信された各ラジオ局から発信されるAM又はFMの放送波から、特定の周波数の放送波を選択して受信し、復調して当該放送の音声信号を出力する。TV受信部103は、アンテナにより受信された各放送局から発信される放送波から、セレクタ113により特定の周波数の放送波を受信し、受信した映像信号、音声信号及びデータ信号を出力する。TV受信部103は、アナログ放送、デジタル放送、BS放送、CS放送等を受信可能であり、受信する放送の種類は限定されない。ラジオ受信部102及びTV受信部103は、同調回路、復調及び復号回路等を備え、制御部100からの制御信号により、オン/オフ、受信周波数等の各種動作が制御される。また、ラジオ受信部102は、AM又はFMのどちらの放送波を受信したかを示す受信種別、受信した周波数、受信感度情報、受信した日時(月、日、時、分)等を、メモリ117に送る(図7参照)。TV受信部103は、受信した放送局チャンネル、受信した放送局チャンネルのネットワークID、フルセグ及びワンセグの受信感度情報等を、メモリ117に送る(図7参照)。尚、受信感度情報は、受信感度が第1の所定値以下である場合は「0」、第1の所定値から第2の所定値の間である場合は「1」、第2の所定値以上である場合は「2」とする。第1の所定値以下である場合は、ユーザが視聴するには困難な受信感度である。第1の所定値から第2の所定値の間である場合は、ユーザが一般的に視聴することが可能な受信感度である。第2の所定値以上である場合は、ユーザが良好に視聴することが可能な受信感度である。
【0037】
GPS情報受信部112は、GPS衛星からのGPS信号に基づき自車位置を検出し、検出した現在位置情報を出力する。GPS情報受信部112は、GPS信号を受信する受信回路、受信したGPS信号に基づき自車位置を算出する演算部等を備える。また、GPS情報受信部112は、ラジオ受信部102がラジオ放送波を受信した際の緯度経度情報をメモリ117に送信し、TV受信部103がTV放送波を受信した際の緯度経度情報をメモリ117に送信する(図7参照)。
【0038】
ナビゲーション部106は、地図上に自車位置や目的地までの経路を表示したり、交差点等で音声等により右左折等の進行方向案内を行ったり、GPS情報受信部112から自車位置情報を受信して表示したりして、目的地までの経路案内を行う。ナビゲーション部106は、ナビゲーションの為に利用される地図情報を記録するハードディスク、各種演算処理を行うCPU(Central Processing unit)、各種処理のためにデータを記憶する
RAM(Random Access Memory)等のメモリを備える。ナビゲーション部106は、制御部100からの制御信号により、オン/オフ、各種動作が制御される。
【0039】
分配回路107は、制御部100の制御信号により、出力することが指定された各種ソース(ラジオ受信部102、TV受信部103、及びナビゲーション部106)の音声信号と画像信号とを画像表示処理部108及び音声調整回路109に出力する。分配回路107は、リレーまたはスイッチングトランジスタ等の電子回路で構成されたスイッチ群を備える。
【0040】
画像表示処理部108は、制御部100の制御信号により、入力された画像信号に対し、輝度や色調、コントラストなどを調整し、調整した各画像信号を出力する。画像表示処理部108は、画像データを記憶するメモリ、画像データを演算処理するデジタルシグナリングプロセッサ等の演算回路等を備える。
【0041】
画像出力部110は、画像表示処理部108から入力された画像信号と、制御部100から表示部122に表示させる表示画像信号とを入力して画像合成等の処理を施し、当該処理を施した画像信号に基づき表示部122を駆動する。画像出力部110は、例えば、演算処理により、画像処理を行う画像用に特化された演算処理回路である画像ASIC、画像処理及び出力用に画像データを記憶するビデオメモリ、画像出力用ビデオメモリに記憶された画像データに基づき表示部を駆動する画像駆動回路等を備える。
【0042】
音声調整回路109は、制御部100の制御信号により、入力された音声信号に対し、音量、音声を調整し、調整した音声信号を出力する。音声調整回路109は、音声データを記憶するメモリ、音声データを演算処理するデジタルシグナルプロセッサ等の演算回路、トランジスタ、抵抗、コイル等により構成される増幅又は減衰回路や共振回路等を備える。スピーカ16は、音声調整回路109から出力された音声信号を音声として出力する。
【0043】
表示部122は、画像出力部110から入力された画像信号に基づき画像を表示する。表示部122は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、冷陰極フラットパネルディスプレイ等である。表示部122は、バックライト200、液晶パネル201、タッチパネル202を備える。バックライト200は、液晶パネル201の照明である。タッチパネル202は、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、及び静電容量方式の何れであってもよい。タッチパネル202は、ユーザによって押下された座標の座標情報を制御部100に出力し、制御部100は、この座標情報と表示画面とから、ユーザによって選択されたスイッチを判定する。
【0044】
メモリ117(第2の記憶部)は、電子機器1に内蔵された、各種データやプログラム
を記憶するメモリである。メモリ117は、例えば、RAMやフラッシュROM等を含む。また、メモリ117は、各々の電子機器1に個別に与えられている車載機端末IDを記憶する。また、メモリ117は、ラジオ受信部102、TV受信部103、GPS情報受信部112から受信する受信情報を記憶する。具体的に説明すると、メモリ117は、図7に示すように、所定の2次メッシュ毎に、TV受信部103が受信した放送局チャンネル、TV受信部103が受信した放送局の放送局ID(ネットワークID)、フルセグ及びワンセグの受信感度情報、受信した日時(月、日、時、分)等の受信情報を記憶する。更に、メモリ117は、所定の2次メッシュ毎に、ラジオ受信部102がAM又はFMのどちらの放送波を受信したかを示す受信種別、ラジオ受信部102が受信した受信周波数、受信感度情報、受信した日時(月、日、時、分)等の受信情報を記憶する。また、メモリ117は、所定の2次メッシュ毎に、GPS情報受信部112から受信した、ラジオ受信部102がラジオ局を受信した際の緯度経度情報と、TV受信部103が受信した際の緯度経度情報等の受信情報を記憶する。同一の2次メッシュコード内で取得した受信情報が同一である場合は、メモリ117は、図7の「データ項目」に示す「情報取得場所数」の数を増やして記憶する。尚、メモリ117は、2次メッシュ毎に記憶することに限定されず、1次メッシュ毎、3次メッシュ毎等に記憶してもよい。また、図7では、TV受信部103がデジタルTVを受信し、ラジオ受信部102がFMを受信した場合の受信情報であるが、これらに限定されない。
【0045】
更に、メモリ117は、本発明の実施例に係る情報処理装置10から送信される、パターン及びパターンNO.が関連付けられたパターン関連情報と、パターンNO.及びメッシュコードが関連付けられたメッシュ関連情報とを有する関連情報を記憶する。情報処理装置10から送信される情報については、後述する。
【0046】
通信ユニット121は、アンテナに接続され、無線通信のための通信インターフェースである。通信ユニット121は、メモリ117に記憶された受信情報を情報処理装置10へ送信する。また、通信ユニット121は、情報処理装置10からの放送情報を受信する。
【0047】
制御部100は、CPU、メモリ等を含むコンピュータと、コンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。また、制御部100は、電子機器1の各部又は接続された外部機器からの信号に基づき、電子機器1の各部、又は、外部機器を統括的に制御する。制御部100は、例えば、マイクロコンピュータ(マイコン)を備え、該マイコンがROM等のメモリに記憶された各種プログラムを実行することによって、各機能を実現する。尚、制御部100の具体的な処理については、放送情報利用行程において詳しく説明する。
【0048】
制御部100は、現在受信している放送波の受信感度が第1の所定値以下であるか否かを判断する。制御部100は、ナビゲーション部106が示す目的地までの経路案や、GPS情報受信部112から受信した自車位置情報に基づき、次に車両が到達する2次メッシュ又は該2次メッシュコードを予測する。尚、制御部100が予測するメッシュ(メッシュコード)は、2次メッシュ(2次メッシュコード)に限定されず、3次メッシュ(3次メッシュコード)、1/2次メッシュ(1/2次メッシュコード)、1/4次メッシュ(1/4次メッシュコード)等でもよい。制御部100は、予測した2次メッシュのメッシュコードに基づいて、上述したメモリ117に記憶されているパターン関連情報、及びメッシュ関連情報から、予測した2次メッシュが該当する放送局のパターンを割り出す。制御部100は、割り出した放送局のパターンの中に、現在受信している放送局と同一の放送局IDがあるか否かを判断する。尚、同一の放送局IDを有する放送局は、同一の放送内容を放送していることを示す。制御部100は、割り出した放送局のパターンの中に、現在受信している放送局と同一の放送局IDがあると判断した場合、割り出した放送局
のパターン内の同一の放送局IDを有する放送チャンネルに切り替える。一方、制御部100は、割り出した放送局のパターンの中に、現在受信している放送局と同一の放送局IDが無いと判断した場合、割り出した放送局のパターン内の、受信感度が所定値以上であると確認された別の放送チャンネルに切り替える。
【0049】
<情報処理装置の構成>
本発明の実施例に係る情報処理装置10の構成について説明する。図8は、本発明の実施例に係る情報処理装置10のハードウェア構成図である。本発明の実施例に係る情報処理装置10は、図8に示すように、プログラムやデータを記憶するROM(Read O
nly Memory)34と、このROM34に記憶されたプログラムを実行する中央
処理装置(Central Processing Unit、以下CPUと称す)30と、このCPU30で処理されるプログラムやデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)31と、CPU30で処理されるプログラムやデータを記憶するハードディスク35(第1の記憶部)と、データを入力する入力部としてのキーボード32と、CPU30からの指令に従いネットワークを介して通信データの送受信を行う通信ユニット33がバス(BUS)36を介して接続されている。また、ROM34には、情報制御装置10の制御を司るメインプログラムをはじめ、各種機能を実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0050】
通信ユニット33は、アンテナに接続され、無線通信のための通信インターフェースである。更に、通信ユニット33は、電子機器1内のメモリ117が記憶する受信情報を、電子機器1内の通信ユニット121を介して無線通信によって受信する。通信ユニット33が受信する受信情報は、図7を参照する。また、通信ユニット33が受信した受信情報は、データベース37としてハードディスク35に格納される。尚、本実施例では、通信ユニット33が受信する受信情報は、デジタルTV放送、AMラジオ放送、及びFMラジオ放送からの情報とするが、これらの放送に限定されない。
【0051】
また、ハードディスク35には、図7に示す受信情報に関するデータベース37、後述するパターン関連情報に関するデータベース38及びメッシュ関連情報に関するデータベース39が格納されている。このようなハードウェア構成により情報制御装置10のCPU30は、通信ユニット33を介して電子機器1との通信を行う。
【0052】
図9は、本発明の実施例に係る情報処理装置10を示す機能ブロック図である。処理部12(情報処理部)は、CPU30、メモリ等を含むコンピュータと、コンピュータ上で実行されるプログラムによって実現することができる。以下、処理部12について説明する。
【0053】
処理部12は、通信ユニット33によって受信した受信情報を取得し、データベース37としてハードディスク35に格納する。そして、処理部12は、該受信情報に基づき、パターン及び該パターンを識別する符号を作成する。パターン及び符合を作成する処理については、パターン及び符合作成処理工程において詳しく説明する。尚、処理部12は、キーボード32によって、シミュレーション等により仮想した放送情報である入力情報を取得し、ハードディスク35に格納してもよい。また、処理部12は、入力情報に基づき、パターン及び該パターンを識別する符号を作成してもよい。
【0054】
処理部12は、パターン関連情報に関するデータベース38をハードディスク35に格納する。パターン関連情報は、後述するパターン及び符合作成処理工程において詳しく説明する。図10は、ハードディスク35に格納されたパターン関連情報について示す。具体的に説明すると、2次メッシュのメッシュコードが「5438−23」である場合は、パターン1からパターン8までの放送情報を有する。パターン1からパターン8まで、電
子機器1が受信可能な、デジタルTV、AMラジオ、及びFMラジオの放送局のパターンが異なる。
【0055】
更に、処理部12は、メッシュ関連情報に関するデータベース39をハードディスク35に格納する。メッシュ関連情報は、後述するパターン及び符合作成処理工程において詳しく説明する。尚、パターンNO.は、パターン関連情報に関するデータベース38のパ
ターンNO.と一致する。図11は、パターン関連情報に関するデータベース38に格納
された3次メッシュのメッシュコードが「5438−2397」である場合の、該メッシュコードと関連付けられたパターンNO.を示す。図11に示すように、3次メッシュコ
ードが「5438−2397」の場合のパターンNO.は、「8」である。パターンNO.が「8」である場合は、図10に示すパターン8に対応する。図12は、2次メッシュのメッシュコードが「5438−23」である場合の、各々の3次メッシュが関連付けられたパターンNO.を示すメッシュ関連情報である。図12に示すように、3次メッシュの
メッシュコードと関連付けられたパターン数は、パターンNO.が「1」から「8」まで
存在する。従って、本発明の実施例に係る情報処理装置10は、3次メッシュのメッシュコード毎に各々の放送情報を記憶せず、関連付けられたパターン及びパターンNO.のパ
ターン関連情報と、関連付けられたパターンNO.及び3次メッシュのメッシュコードの
メッシュ関連情報を記憶するため、放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。
【0056】
処理部12は、通信ユニット33を介して、ハードディスク35に格納されているパターン関連情報とメッシュ関連情報を有する関連情報を、電子機器1内の通信ユニット121に向けて送信する。処理部12が関連情報を送信するタイミングは、特に限定されないが、パターン関連情報とメッシュ関連情報とのうち少なくともどちらか一方が更新されれば、更新された情報を、通信ユニット35を介して電子機器1に向けて送信するようにしてもよい。また、処理部12は、電子機器1側の制御部100からの要求があった際に、パターン関連情報とメッシュ関連情報を電子機器1側に送信させてもよい。また、処理部12は、ハードディスク35に記憶されている全てのパターン関連情報及びメッシュ関連情報を電子機器1内の通信ユニット121に向けて送信させる必要はない。例えば、処理部12は、車両が現在位置する緯度経度から所定の距離内に該当するメッシュにおいて、該メッシュのメッシュコードに対応するパターン関連情報とメッシュ関連情報を電子機器1側に送信させてもよい。その結果、電子機器1は、情報処理装置100から膨大な情報を受信しなくてもよい。また、処理部12は、ハードディスク35に格納されているパターン関連情報に関するデータベース38と、メッシュ関連情報に関するデータベース39をひとつのデータベースにして格納してもよい。
【0057】
<パターン及び符合作成処理フロー>
本発明の実施例に係る情報処理装置10がパターン及び符合を作成する行程について説明する。図13は、本発明の実施例に係る情報処理装置10における処理部12がパターンを作成するフロー図である。図6及び図9に示す機能ブロック図を参照しながら、以下具体的にパターン情報作成部12について説明する。尚、処理部12が電子機器1からの受信情報に基づいてパターン及び符合を作成する場合について説明するが、キーボード32等の入力部によって入力される入力情報に基づいてパターン及び符合を作成してもよい。
【0058】
ステップS01では、電子機器1側の制御部100が、通信ユニット121を介して、電子機器1内のメモリ117に記憶された受信情報を情報処理装置10に向けて送信した際に、処理部12が、該受信情報を、通信ユニット33を介して無線通信によって取得し、ハードディスク37に格納する。受信情報とは、図7に示すように、デジタルTV放送に関しては、放送局チャンネル、放送局ID、TVの受信感度情報(フルセグ及びワンセ
グ)、受信した日時(月、日、時、分)、及びTV受信部103が受信した際の緯度経度情報及び該緯度経度が属する3次メッシュコードであり、ラジオ放送に関しては、AM又はFMのどちらの放送波を受信したかを示す受信種別、受信した周波数、ラジオの受信感度情報、受信した日時(月、日、時、分)、ラジオ受信部102がラジオ局を受信した際の緯度経度情報及び該緯度経度が属する3次メッシュコード等である。受信情報の取得が完了するとステップS02へ進む。
【0059】
ステップS02では、処理部12が、受信情報を3次メッシュ毎に抽出する。図14は、処理部12が抽出した抽出情報の一例を示す。例えば、図14に示すように、メッシュコードが「5438−2397」である3次メッシュ内において、処理部12は、「放送局1」から「放送局10」までのデジタルTVの放送情報を抽出し、各々の放送局の放送局チャンネル、放送局ID、及び受信対象情報を抽出する。デジタルTVの「放送局1」が有する放送情報は、放送局チャンネルが「16」であり、放送局IDが「210」であり、受信対象がワンセグ及びフルセグで受信可能であることを示す「1」である。尚、受信対象がワンセグの場合は「0」とし、受信対象がワンセグ及びフルセグの場合は「1」とする。また、メッシュコードが「5438−2397」である3次メッシュ内において、処理部12は、「放送局1」から「放送局10」までのAMラジオ、FMラジオの放送情報を抽出し、各々の放送局の放送局周波数、放送局IDを抽出する。AMラジオの「放送局1」が有する放送情報は、放送周波数(kHz)が「558」であり、放送局IDが「128」である。FMラジオの「放送局1」が有する放送情報は、放送周波数(kHz)が「77600」であり、放送局IDが「136」である。尚、処理部12が抽出する放送局は、デジタルTV放送、AMラジオ放送、FMラジオ放送において、各々10局とするが、これらに限定されない。また、本実施例では、処理部12が各々の3次メッシュ毎に放送局のグループを抽出するが、3次メッシュ毎に限定されない。3次メッシュ毎の放送情報の抽出が完了するとステップS03へ進む。
【0060】
ステップS03では、処理部12が、抽出した各々の3次メッシュ内の放送局のグループのパターンが、ハードディスク35に格納されているパターン関連情報に関するデータベース38に記憶されている既存のパターンにあるか否かを判別する。処理部12が、パターンがデータベース38に記憶されている既存のパターンにないと判別した場合は、ステップS04へ進む。一方、処理部12が、パターンがデータベース38に記憶されている既存のパターンにあると判別した場合は、ステップS05へ進む。例えば、3次メッシュのメッシュコードが「5438−2397」である場合、パターンは、図10に示すパターン8に該当する。この場合、処理部12は、データベース38に記憶されている既存のパターンにあると判別し、ステップS05へ進む。また、本発明の実施例に係る情報処理装置10が初めて使用される場合は、ハードディスク35にパターン関連情報に関するデータベース38が格納されていない状態であり、処理部12は既存のパターンが無いと判別する。
【0061】
ステップS04では、処理部12が、データベース38に記憶されている既存のパターンにないと判別したパターンを、新しいパターンとして作成し、且つ、新しいパターンを識別するパターンNO.を作成する。例えば、複数のパターンがデータベース38に無い
と判別され、複数のパターンが各々異なる場合は、異なるパターン毎に新しいパターンが作成される。新しいパターン及びパターンNO.の作成が完了するとステップS05へ進
む。
【0062】
ステップS05では、処理部12が、ステップS04において、作成した新しいパターンを識別するパターンNO.を、新しいパターンに該当する3次メッシュに割り付け、該
パターンNO.と該3次メッシュのメッシュコードとを関連付けさせる。また、ステップ
S03において、処理部12によって、パターンがデータベース38に記憶されている既
存のパターンにあると判別された場合は、該パターンを識別するパターンNO.を、該パ
ターンに該当する3次メッシュに割り付け、該パターンNO.と該3次メッシュのメッシ
ュコードとを関連付けさせる。例えば、3次メッシュのメッシュコードが「5438−2397」である場合、パターン8とメッシュコード「5438−2397」とを関連付けさせる。パターンNO.の割り付けが完了するとステップS06へ進む。
【0063】
ステップS06では、処理部12が、作成した新しいパターンと新しいパターンを識別するパターンNO.を関連付け、データベース38に記憶させる。更に、処理部12は、
割り付けた3次メッシュのメッシュコードと、割り付けたパターンNO.を関連付け、デ
ータベース39に記憶させる。また、処理部12は、パターンが、データベース38に記憶されている既存のパターンに該当する場合は、該パターンを識別するパターンNO.と
、該3次メッシュコードを関連付け、データベース39に記憶させる。従って、本発明の実施例に係る情報処理装置10は、3次メッシュのメッシュコード毎に各々の放送情報を記憶せず、関連付けられたパターン及びパターンNO.のパターン関連情報と、関連付け
られたパターンNO.及び3次メッシュのメッシュコードのメッシュ関連情報とを記憶す
るため、放送情報のデータ量を大幅に削減することが可能である。データベース38、39への記憶が完了するとステップS06へ進む。
【0064】
ステップS07では、処理部12が、データベース37に格納されている受信情報が全てデータベース38に格納されているパターンに変換され、パターン変換が完了したか否かを判断する。処理部12が、パターン変換が完了したと判断した場合は、パターン作成処理が終了する。一方、処理部12が、パターン変換が完了していないと判断した場合は、ステップS02へ戻る。
【0065】
<放送情報利用行程>
次に、本発明の実施例に係る電子機器1を備える車両が情報処理装置10からの情報を利用する行程について説明する。図15は、電子機器1が情報処理装置10からの情報を利用する処理フロー図である。図6に示す機能ブロック図を参照しながら、以下具体的に説明する。尚、電子機器1が有するメモリ117には、本発明の実施例に係る情報処理装置10から関連情報が配信され、記憶されているものとする。
【0066】
ステップS11では、ラジオ受信部102又はTV受信部103が放送波を受信し、受信した映像信号又は音声信号、及びデータ信号を出力した際に、制御部100が、現在、電子機器1によって視聴しているTV局又はラジオ局の受信感度を確認する。制御部100は、受信感度が、第1の所定値以下であるか、第1の所定値から第2の所定値の間であるか、第2の所定値以上であるかを確認するが、受信感度が第1の所定値以下であるか否かだけを確認してもよい。受信感度の確認が完了するとステップS12へ進む。
【0067】
ステップS12では、制御部100が、確認した受信感度が第1の所定値以下であるか否かを判断する。受信感度が第1の所定値以下である場合は、ステップS13へ進む。受信感度が第1の所定値以下でない場合は、ステップS11へ戻る。尚、第1の所定値は、ユーザが視聴するには困難な受信感度である。
【0068】
ステップS13では、制御部100が、ナビゲーション部106が示す目的地までの経路案内や、GPS情報受信部112から受信した自車位置情報に基づき、車両が次に到達する3次メッシュ又は該3次メッシュのメッシュコードを予測する。例えば、制御部100は、車両が次に到達する3次メッシュのメッシュコードが「5438−2397」であると予測する。尚、制御部100が予測するメッシュは、3次メッシュに限定されない。次に車両が到達する3次メッシュの予測が完了するとステップS14へ進む。
【0069】
ステップS14では、制御部100が、情報処理装置10から配信された関連情報を記憶するメモリ117から、次に車両が到達する3次メッシュが該当する放送局のパターンを割り出す。例えば、制御部100が予測したメッシュコードが「5438−2397」である場合、制御部100が割り出したパターンは、図11及び図12に示すように、パターン8である。放送局のパターンの割り出しが完了するとステップS15へ進む。
【0070】
ステップS15では、制御部100が、割り出したパターンの中に、現在視聴している放送局IDと同一の放送局IDがあるか否かを判断する。同一の放送局IDがあると判断された場合は、ステップS16へ進む。同一の放送局IDがないと判断された場合は、ステップS17へ進む。
【0071】
ステップS16では、制御部100が、現在視聴している放送局IDと同じ放送局IDを有する別の放送チャンネルに切り替える。尚、同じ放送局IDである場合は、放送の内容は同一であるため、ユーザが視聴する放送内容が変わらない。制御部100による別の放送局チャンネルへの切り替えが完了すると、ステップS11に戻る。
【0072】
ステップS17では、ステップS15で制御部100が、同一放送局IDがないと判断した場合は、制御部100が、受信感度が所定値以上であると確認された別の放送チャンネルに切り替える。制御部100は、別の放送チャンネルが複数ある場合は、例えば、表示部122に複数の放送チャンネルを表示させ、ユーザがタッチパネル202に押下することによって別の放送チャンネルを選択させ、別の放送チャンネルに切り替えてもよいし、現在受信している放送局の放送局IDと最も近い放送局IDを持つ放送チャンネルに自動的に切り替えてもよい。制御部100による別の放送局チャンネルへの切り替えが完了すると、ステップS01に戻る。
【0073】
以上により、本発明の実施例に係る電子機器1及び情報処理装置10は、車両の移動に伴って、現在ユーザが視聴しているTV又はラジオの放送局の受信可能エリアから車両が外れ、ラジオ受信部102又はTV受信部103が受信している放送波の受信感度が低下した際に、放送局チャンネルを自動に切り替え、ユーザが視聴している放送局と同様の内容を視聴することが可能であり、また、他の放送局に切り替えることが可能である。更に、本発明の実施例に係る電子機器1は、情報処理装置10からデータ量が削減された関連情報が配信されるため、ハードディスクの容量が限られており、膨大なデータ量を記憶することが不可能な車載機にとって好適である。
【0074】
<従来とのデータ量の比較>
従来技術として3次メッシュ毎に受信可能な放送情報を各々記憶する場合と、本発明の実施例に係る情報処理装置10によって、パターン関連情報に関するデータベース38及びメッシュ関連情報に関するデータベース39としてハードディスク35に記憶する場合とのデータ量を比較する。データ量を比較する前提条件として、受信放送局リストは、デジタルTV放送、AMラジオ放送、FMラジオ放送に各々10局あると仮定する。また、所定の2次メッシュ内における放送局パターンは、8パターンと仮定する。また、ハードディスク35は、1つの2次メッシュ内の放送情報を記憶しているものと仮定する。図16は、従来技術を用いた場合によるデータ量を示す。図17は、パターン関連情報のデータ量を示す。図18は、メッシュ関連情報のデータ量を示す。
【0075】
従来技術を用いた場合によるデータ量から説明する。図16に示すように、1つ3次メッシュのメッシュコードが有するデータ量は、4Byteである。1つの3次メッシュ内で受信可能なデジタルTV放送局は、放送局データ1から放送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が6Byteであるため、合計で60Byteのデータ量を有する。所定の3次メッシュ内で受信可能なAM放送局は、放送局データ1から放
送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が4Byteであるため、合計で40Byteのデータ量を有する。所定の3次メッシュ内で受信可能なFM放送局は、放送局データ1から放送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が4Byteであるため、合計で40Byteのデータ量を有する。以上により、1つの3次メッシュ当たりのデータ量は、144Byteである。2次メッシュ内には100の3次メッシュがある。従って、2次メッシュ当たりのデータ量は、14,400Byteである。
【0076】
次に、本発明の実施例に係る情報処理装置10において、パターン関連情報及びメッシュ関連情報のデータ量について説明する。図17に示すように、パターン関連情報は、2次メッシュコード、受信可能放送局のパターン数、パターン1からパターン8である。2次メッシュコードのデータ量は、3Byteである。受信可能放送局のデータ数は、1Byteである。パターン1として、デジタルTV放送局は、放送局データ1から放送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が6Byteであるため、合計で60Byteのデータ量を有する。また、パターン1として、AM放送局は、放送局データ1から放送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が4Byteであるため、合計で40Byteのデータ量を有する。更に、パターン1として、FM放送局は、放送局データ1から放送局データ10まであり、一つの放送局データが有するデータ量が4Byteであるため、合計で40Byteのデータ量を有する。パターン1全体のデータ量は、140Byteとなり、パターン1からパターン8までのデータ量は、1,120Byteである。従って、パターン関連情報のデータ量は、1,124Byteである。次に、メッシュ関連情報は、図18に示すように、3次メッシュコードと、パターンNO.である。3次メッシュコードのデータ量は、3Byteである。パターン
NO.のデータ量は、1Byteである。2次メッシュ内には100の3次メッシュがあ
る。従って、メッシュ関連情報のデータ量は、500Byteである。以上により、パターン関連情報及びメッシュ関連情報の放送情報のデータ量は、1,624Byteである。
【0077】
以上により、従来技術のデータ量が14,400Byteと膨大のデータ量であるのに比べ、本発明の実施例に係る情報処理装置10におけるパターン関連情報及びメッシュ関連情報のデータ量が1,624Byteと少なく、大幅にデータ量を削減することが可能である。また、所定の2次メッシュ内における放送局パターンが100通りと仮定した場合、パターン関連情報のデータ量が14,004Byteとなり、メッシュ関連情報のデータ量が500Byteとなる。放送情報のデータ量は、合計で14,504Byteとなり、従来技術とほぼ同じデータ量になる。近隣地域では放送局が似通っているため、約10Km×約10Kmの所定の2次メッシュ内で放送局パターンが100通りもあることはなく、パターンが数通りであることが考えられ、確実に、大幅にデータ量を削減することが可能である。
【0078】
<変形例>
以上、本発明に係る電子機器1及び情報処理装置10について説明したが、本発明に係る電子機器1及び情報処理装置10はこれらに限定されるものではない。例えば、制御部100は、電子機器1内のメモリ117にパターン関連情報及びメッシュ関連情報を記憶させなくてもよい。車両が現在位置するメッシュのメッシュコード、又は車両が次に位置する予測されたメッシュのメッシュコードを情報処理装置10へ送信する。情報処理装置10の処理部12は、メッシュコードを取得し、ハードディスク35に格納された、パターン関連情報に関するデータベース38及びメッシュ関連情報に関するデータベース39から、電子機器1から送信されたメッシュコードに対応するパターンを検索する。そして、処理部12は、該メッシュコードに対応するパターンを電子機器1へ送信してもよい。その結果、本発明の変形例に係る電子機器1は、車両が現在位置するメッシュ内で受信可
能な放送局のグループのパターンを取得することが可能である。車載機がメッシュコードを情報処理装置10へ送信するタイミングは、車両が現在位置するメッシュから隣のメッシュに所定の距離まで近づいた際に送信してもよいし、特に限定されない。また、電子機器1が備える制御部100が、車両が位置する経度緯度情報又はメッシュ情報を常に情報処理装置10へ送信させ、情報処理装置10が備える処理部12が、車両の位置するメッシュ内で受信可能な放送局のパターンを、車両の移動に伴って電子機器1へ送信させてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1・・・電子機器
100・・・制御部
102・・・ラジオ受信部
103・・・TV受信部
106・・・ナビゲーション部
107・・・分配回路
108・・・画像表示処理部
109・・・音声調整回路
110・・・画像出力部
112・・・GPS情報受信部
113・・・セレクタ
117・・・メモリ
121・・・通信ユニット
122・・・表示部
200・・・バックライト
201・・・液晶パネル
202・・・タッチパネル
16・・・スピーカ
10・・・情報処理装置
11・・・受信部
12・・・処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、
前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させる情報処理部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理部は、
所定の前記区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンが、既存のパターンにあるか否かを判別し、
前記パターンが前記既存のパターンにないと判別した場合に、該パターンを新しいパターンとして作成し、且つ該新しいパターンを識別する符号を作成し、
前記符合を前記所定の区分け地域に割り付ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理部は、
前記パターンが前記既存のパターンにあると判別した場合に、該既存のパターンを識別する前記符号を、前記所定の区分け地域に割り付ける、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理部は、
前記第1の記憶部に記憶させた前記関連情報から、前記電子機器が位置する区分け地域に対応する前記符合から前記パターンを検索し、検索した該区分け地域に対応する該パターンを該電子機器へ送信する、
請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が電波によって発信される放送を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させる情報処理部と、前記関連情報を前記電子機器へ送信する情報送信部と、を備える情報処理装置から、前記関連情報を受信する電子機器であって、
前記情報送信部から送信された前記関連情報を受信する電子機器受信部と、
前記電子機器受信部が受信した前記関連情報を第2の記憶部に記憶させ、前記電子機器が位置する区分け地域に対応する該パターンを、該第2の記憶部内に記憶させた該関連情報から読み出し、読み出した該パターンに基づいて前記放送情報を受信する電子機器処理部と、を備える、
電子機器。
【請求項6】
前記電子機器は、移動体に搭載され、又は可搬体であり、
前記電子機器処理部は、
前記電子機器が受信している放送波の受信感度が所定値以下であるか否かを判断し、
前記受信感度が所定値以下であると判断した場合に、前記電子機器が次に位置する区分け地域を該電子機器の移動方向に基づいて予測し、
前記第2の記憶部に記憶させた前記関連情報の中の前記区分け地域に、予測した前記区分け地域があるか否かを判断し、
予測した前記区分け地域が前記関連情報の中の前記区分け地域にあると判断した際に、前記第2の記憶部に記憶させた前記関連情報に基づいて、予測した前記区分け地域に対応
するパターンを読み出し、
読み出した前記パターンに基づいて、前記電子機器が受信している放送局から他の放送局へ切り替える、
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記電子機器処理部は、
予測した前記区分け地域が前記第2の記憶部に記憶させた前記関連情報の中の前記区分け地域にないと判断した場合に、前記第1の記憶部に記憶されている前記関連情報の中から、予測した前記区分け地域に対応する前記符号及び前記パターンを該第2の記憶部へ記憶させる、
請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理方法であって、
前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させる、
情報処理方法。
【請求項1】
電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、
前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させる情報処理部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理部は、
所定の前記区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンが、既存のパターンにあるか否かを判別し、
前記パターンが前記既存のパターンにないと判別した場合に、該パターンを新しいパターンとして作成し、且つ該新しいパターンを識別する符号を作成し、
前記符合を前記所定の区分け地域に割り付ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理部は、
前記パターンが前記既存のパターンにあると判別した場合に、該既存のパターンを識別する前記符号を、前記所定の区分け地域に割り付ける、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理部は、
前記第1の記憶部に記憶させた前記関連情報から、前記電子機器が位置する区分け地域に対応する前記符合から前記パターンを検索し、検索した該区分け地域に対応する該パターンを該電子機器へ送信する、
請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が電波によって発信される放送を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理装置であって、前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させる情報処理部と、前記関連情報を前記電子機器へ送信する情報送信部と、を備える情報処理装置から、前記関連情報を受信する電子機器であって、
前記情報送信部から送信された前記関連情報を受信する電子機器受信部と、
前記電子機器受信部が受信した前記関連情報を第2の記憶部に記憶させ、前記電子機器が位置する区分け地域に対応する該パターンを、該第2の記憶部内に記憶させた該関連情報から読み出し、読み出した該パターンに基づいて前記放送情報を受信する電子機器処理部と、を備える、
電子機器。
【請求項6】
前記電子機器は、移動体に搭載され、又は可搬体であり、
前記電子機器処理部は、
前記電子機器が受信している放送波の受信感度が所定値以下であるか否かを判断し、
前記受信感度が所定値以下であると判断した場合に、前記電子機器が次に位置する区分け地域を該電子機器の移動方向に基づいて予測し、
前記第2の記憶部に記憶させた前記関連情報の中の前記区分け地域に、予測した前記区分け地域があるか否かを判断し、
予測した前記区分け地域が前記関連情報の中の前記区分け地域にあると判断した際に、前記第2の記憶部に記憶させた前記関連情報に基づいて、予測した前記区分け地域に対応
するパターンを読み出し、
読み出した前記パターンに基づいて、前記電子機器が受信している放送局から他の放送局へ切り替える、
請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記電子機器処理部は、
予測した前記区分け地域が前記第2の記憶部に記憶させた前記関連情報の中の前記区分け地域にないと判断した場合に、前記第1の記憶部に記憶されている前記関連情報の中から、予測した前記区分け地域に対応する前記符号及び前記パターンを該第2の記憶部へ記憶させる、
請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
電子機器が位置する所定地域内で該電子機器が放送波を受信するために必要な放送情報を処理する情報処理方法であって、
前記所定地域を区分した区分け地域内で前記電子機器が受信可能な放送局のグループのパターンと、該パターンを識別する符号と、該区分け地域とを関連付けた関連情報として第1の記憶部へ記憶させる、
情報処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−257032(P2012−257032A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128194(P2011−128194)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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