説明

情報処理装置および通信制御方法

【課題】できるだけ多くのアンテナの使用を維持しつつ、電波干渉を効率よく低減することが可能な情報処理装置を実現する。
【解決手段】コンピュータ10は、BTアンテナ5を用いて無線通信を実行するBluetoothモジュール120と、無線LANアンテナ1,2,3を用いて無線通信を実行する無線LANモジュール123とを備えている。無線LANモジュール123のベースバンド処理部201は、Bluetoothモジュール120が電源オンされた場合、無線LANアンテナ1,2,3をBTアンテナ5とのアイソレーションレベルが低い順に順次使用停止する処理を実行する。これにより、できるだけ多くの無線LANアンテナの使用を維持しつつ、電波干渉を効率よく低減することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置に関し、特に複数種の無線通信方式をサポートする情報処理装置および同装置で用いられる通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IEEE802.11規格(無線LAN)に対応する無線通信デバイスとBluetooth規格に対応する無線通信デバイスの双方を搭載したパーソナルコンピュータが開発されている。
【0003】
これらの無線通信デバイスは、2.4GHzのISM(Industrial Scientific and Medical)バンドを利用する。そのため、無線LANとBluetoothを同時に使用すると、電波干渉により通信速度が著しく低下するという問題が発生する。
【0004】
Bluetooth Ver1.2においては、電波干渉を軽減するために、AFH(Adaptive Frequency Hopping)技術が利用されている。AFH技術は、無線LANによって使用されているチャネルを避けて周波数ホッピングを実行する技術である。しかし、AFH技術を用いても、完全に干渉を無くすことはできない。また、AFH技術を用いることによる効果は、無線LANのアンテナとBluetoothのアンテナとの間のアイソレーション(Isolation)レベルによっても変わる。一般には、無線LANのアンテナとBluetoothのアンテナとの間のIsolationレベルを少なくとも40dB確保すべきことが推奨されている。
【0005】
しかしながら、40dBのIsolationレベルは空間距離に換算するとおよそ1メートルの距離に対応するため、パーソナルコンピュータにおいて40dBのIsolationレベルを確保することは実際上困難である。
【0006】
特許文献1には、無線LANとBluetoothとの干渉を防止するために、無線LANが使用するアンテナを単純に1つのみに制限する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−32462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、一般に、使用するアンテナの数が多いほど、無線通信の性能は向上する。このため、使用するアンテナを単純に1つのみに制限すると、これによって却って無線通信性能が低下されてしまうことになる。
【0008】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、できるだけ多くのアンテナの使用を維持しつつ、電波干渉を効率よく低減することが情報処理装置および通信制御情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明の情報処理装置は、第1の無線通信方式に対応するアンテナと、前記第1の無線通信方式に対応するアンテナを使用することによって第1の無線通信方式で無線通信を実行する第1の無線通信部と、第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナと、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを使用することによって第2の無線通信方式で無線通信を実行する第2の無線通信部と、前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部がそれぞれ動作している場合、前記第1の無線通信方式に対応するアンテナと前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナとの間のアイソレーションレベルに基づいて予め決定された前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナ間の順位付けを示す情報に従って、前記第1の無線通信方式にて実行される無線通信と前記第2の無線通信方式にて実行される無線通信との間で生じる信号干渉が所定レベルに低減されるまで、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを前記アイソレーションレベルの低い順に使用停止する処理を実行する制御手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、できるだけ多くのアンテナの使用を維持しつつ、電波干渉を効率よく低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成について説明する。この情報処理装置は、例えばノートブック型パーソナルコンピュータ10として実現されている。
【0013】
図1は、ノートブック型パーソナルコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における正面図である。本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成される。ディスプレイユニット12には、LCD17(Liquid Crystal Display)から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD17の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0014】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対して開放位置と閉塞位置との間を回動自由に取り付けられている。コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはキーボード13、本コンピュータ10を電源オン/オフするためのパワーボタン14、およびタッチパッド16などが配置されている。また、コンピュータ本体11内部には、第1の無線通信部として機能するBluetoothモジュール120と、第2の無線通信部として機能する無線LANモジュール123とが設けられている。
【0015】
このBluetoothモジュール(BTモジュール)120および無線LANモジュール123は、ともに2.4GHzの周波数帯域を使用する。
【0016】
Bluetoothモジュール120は、例えば、Bluetooth Ver1.2規格に対応する無線通信を実行する無線通信部である。このBluetoothモジュール120のアンテナ5は、ディスプレイユニット12の筐体上部に配置されている。Bluetoothモジュール120とアンテナ5との間は、アンテナケーブル5Aによって接続されている。Bluetoothモジュール120は、アンテナ5を用いて外部のBluetoothデバイスとの無線通信を実行する。以下では、アンテナ5をBTアンテナ5と称する。
【0017】
無線LANモジュール123は、例えばIEEE802.11規格に準拠した無線通信を実行する無線通信部である。この無線LANモジュール123は、複数のアンテナ1,2,3を用いて外部の無線LANデバイスとの無線通信を実行する。例えば、無線LANモジュール123は、アンテナ1,2,3を用いたダイバーシティ方式で無線通信を実行する。この場合、無線LANモジュール123は、信号受信時には、アンテナ1,2,3の中で最も受信信号レベルの高いアンテナを選択して使用する。送信時には、無線LANモジュール123は、前回の受信時に選択されたアンテナを用いて無線信号を送信する。アンテナ1,2,3は、ディスプレイユニット12の筐体上の互いに異なる位置にそれぞれ設けられている。例えば、アンテナ1は、ディスプレイユニット12の筐体上部の左端に配置され、アンテナ2は、ディスプレイユニット12の筐体上部の右端に配置され、アンテナ3は、ディスプレイユニット12の筐体の右側部に配置されている。
【0018】
ダイバーシティ方式においては、各アンテナ間の距離を3/4λ以上に設定することが好ましい。このため、本実施形態においても、アンテナ1,2,3の配置位置は、互いに3/4λ以上離れるように決定されている。
【0019】
アンテナ1,2,3は、それぞれアンテナケーブル1A、2A、3Aを介して無線LANモジュール123に接続されている。以下では、アンテナ1,2,3を、それぞれ無線LANアンテナ1,2,3と称する。
【0020】
次に、図2を参照して、本コンピュータ10のシステム構成について説明する。
【0021】
本コンピュータ10は、図2に示されているように、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、グラフィックスコントローラ114、LCD17、サウスブリッジ116、ハードディスクドライブ(HDD)117、光ディスクドライブ(ODD)118、USB(Universal Serial Bus)コントローラ119、Bluetoothモジュール120、BIOS−ROM121、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)122、および無線LANモジュール123等を備えている。
【0022】
CPU111は、本コンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、ハードディスクドライブ(HDD)117から主メモリ113にロードされた各プログラムを実行する。また、CPU111は、BIOS−ROM120に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0023】
ノースブリッジ112はCPU111のローカルバスとサウスブリッジ116との間を接続するブリッジデバイスである。また、ノースブリッジ112は、AGP(Accelerated Graphics Port)バスなどを介してグラフィクスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。
【0024】
グラフィクスコントローラ114は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。このグラフィクスコントローラ114は、ビデオメモリ(VRAM)114Aに書き込まれた映像データからLCD17に送出すべき表示信号を生成する。サウスブリッジ116は、LPC(Low Pin Count)バス上の各デバイス、およびPCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ116には、HDD117、ODD118を制御する機能、およびUSBコントローラ119をアクセス制御するための機能も有している。
【0025】
また、サウスブリッジ119は、HDD117、ODD118を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。
【0026】
HDD117は、各種ソフトウェア及びデータを格納する記憶装置である。光ディスクドライブ(ODD)118は、例えばDVD、CDなどの記憶メディアを駆動するためのドライブユニットである。
【0027】
USBコントローラ119は、本コンピュータ10とUSB規格に対応する周辺機器との間を接続するバスインターフェースである。このUSBコントローラ119にはBluetoothモジュール120が接続されている。
【0028】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)122は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13、パワーボタン14、およびタッチパッド16を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。
【0029】
次に図3を参照して、無線LANモジュール123の構成を説明する。
【0030】
無線LANモジュール123は、PCIインターフェース200を介してPCIバスに接続されている。この無線LANモジュール123は、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201と、EEPROM202と、モデム(Modem)203と、中間周波(IF)/高周波(RF)変換器(IF/RF変換器)204と、バンドパスフィルタ(BPF)およびパワーアンプ(PA)を含む送信部(TX−BPF/PA)205と、送信/受信切り替えスイッチ(TX/RX SW)206と、アンテナスイッチ(ANT SW)207と、ローノイズアンプ(LNA)およびバンドパスフィルタ(BPF)を含む受信部(RX−BPF/LNA)208とから構成されている。
【0031】
EEPROM202には、アンテナ制御情報300が格納されている。このアンテナ制御情報300は、BTアンテナ5との間のIsolationレベルに関する、
無線LANアンテナ1,2,3間の順位付けを示す制御情報である。無線LANアンテナ1、2、3間の順位付けは、BTアンテナ5と無線LANアンテナ1、2、3それぞれとの間のIsolationレベルに基づいて予め決定されている。BTアンテナ5と各無線LANアンテナ1,2,3との間のIsolationレベルは、BTアンテナ5と各無線LANアンテナ1,2,3との間の距離のみならず、各無線LANアンテナ1,2,3周辺に存在する金属部材、絶縁部材の有無によって大きく影響される。このため、本実施形態においては、BTアンテナ5と無線LANアンテナ1,2,3それぞれとの間のIsolationレベルは、本コンピュータ10の製造時に、ネットワークアナライザ等を用いて実際にIsolationレベルの測定を行うことによって決定される。無線LANアンテナ1,2,3間の順位付けは、測定によって決定されたBTアンテナ5と無線LANアンテナ1,2,3それぞれとの間のIsolationレベルに基づいて決められている。例えば、Isolationレベルが最も低い無線LANアンテナの順位は最下位に設定され、Isolationレベルが最も高い無線LANアンテナの順位は最上位に設定される。
【0032】
ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ制御情報300に基づいて、無線LANアンテナ1,2,3をIsolationレベルの低い順に順次使用停止するアンテナ切断処理を実行する。ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、例えば、CPU111からBluetoothモジュール120がパワーオンされたことを示すBT Status信号を受信した場合、つまり無線LANモジュール123およびBluetoothモジュール120の双方が動作中である場合に、アンテナ切断処理を実行する。アンテナ切断処理においては、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ制御信号によって、使用中止すべき無線LANアンテナをアンテナスイッチ(ANT SW)207に指示する。また、アンテナ制御信号は、ダイバーシティ方式を実現するために、送信アンテナ/受信アンテナを選択するための信号としても利用される。
【0033】
また、アンテナ切断処理は、無線LANモジュール123によって実行される無線通信のスループット(実効通信速度)およびBluetoothモジュール120によって実行される無線通信のスループット(実効通信速度)のいずれかが所定値よりも低下したことを条件に、実行してもよい。無線LANモジュール123のスループットは、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201によって検出される。また、Bluetoothモジュール120のスループットは、Bluetoothモジュール120を制御するソフトウェアであるBluetoothドライバによって検出される。検出されたBluetoothモジュール120のスループットは、スループットStatus信号によってベースバンド処理部(Mac/Baseband)201に通知される。
【0034】
ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、送信信号をI/Q(In-phase/Quadrature-phase)信号に変調してModem203に送出する。また、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、Modem203から受信されたI/Q信号を復調する機能も有している。
【0035】
Modem203は、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201からのI/Q信号をIF信号に変調してIF/RF変換器204に送出する。また、Modem203は、IF/RF変換器204から受信されたIF信号をI/Q信号に復調する機能を有する。
【0036】
IF/RF変換器204は、Modem203から送信されたIF信号をRF信号に変換してTX−BPF/PA205に送出する。また、IF/RF変換器204は、RX−BPF/LNA208から受信されたRF信号をIF信号に復調する機能を有する。
【0037】
TX−BPF/PA205は、IF/RF変換器204から送信されたRF信号をTX/RXスイッチ206を介してANTスイッチ207に送信する機能を有する。
【0038】
TX/RXスイッチ206は、TX−BPF/PA205からのRF信号をANTスイッチ207に送信するための機能と、ANTスイッチ207から受信されたRF信号をRX−BPF/LNA208に送出する機能を有する。
【0039】
ANTスイッチ207は、無線LANアンテナ1,2,3の中で、アンテナ制御信号で指定されたアンテナの使用を中止する機能、およびアンテナ制御信号で指定されたアンテナを用いてRF信号の送受信を行う機能を有している。
【0040】
次に、図4および図5を参照して、アンテナ制御情報300の構成を説明する。図4に示されているように、このアンテナ制御情報300は、無線LANアンテナ1,2,3間の順位付けを示す制御情報から構成されている。例えば、アンテナ制御情報300は、アンテナ番号をそれぞれ示す3つのデータ部311、312、313を含んでいる。データ部311は最もIsolationレベルの低いアンテナ番号を示し、データ部312は2番目にIsolationレベルの低いアンテナ番号を示し、データ部313は最もIsolationレベルの高いアンテナ番号を示す。いま、無線LANアンテナ3(アンテナ番号=3)が最もIsolationレベルが低く、無線LANアンテナ2(アンテナ番号=2)が2番目にIsolationレベルが低く、無線LANアンテナ1(アンテナ番号=1)が最もIsolationレベルが高い場合を想定する。この場合、データ部311はアンテナ番号=3を示す2ビットデータ“11”、データ部312はアンテナ番号=2を示す2ビットデータ“10”、データ部313はアンテナ番号=1を示す2ビットデータ“01”となる。
【0041】
ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、EEPROM202内のアンテナ制御情報300を参照して、アンテナ切断処理を実行する。最初に使用停止されるアンテナは、データ部311によって指定される無線LANアンテナ3である。無線LANアンテナ3が使用停止された場合、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANアンテナ1,2を用いることによって、ダイバーシティ方式で無線通信を実行する。無線LANアンテナ3の次に使用停止されるアンテナは、無線LANアンテナ2である。無線LANアンテナ2が使用停止された場合、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANアンテナ1のみを用いて無線通信を実行する。
【0042】
また、図5に示されているように、アンテナ制御情報300は、BIOS−ROM121に格納しておいてもよい。BIOS−ROM121に格納されたアンテナ制御情報300は、例えば無線LANモジュール123の初期化時に、無線LANドライバ301によってEEPROM202に書き込まれる。無線LANドライバ301は、無線LANモジュール123を制御するためのソフトウェアである。また、無線LANドライバ301は、IEEE 802.11a, IEEE 802.11b, IEEE 802.11gのいずれを用いて無線通信を実行すべきかを、無線LANモジュール123のベースバンド処理部(Mac/Baseband)201に指示する機能も有している。
【0043】
次に、図6のフローチャートを参照して、無線LANモジュール123のベースバンド処理部(Mac/Baseband)201によって実行される処理手順の第1の例を説明する。
【0044】
ここでは、無線LANモジュール123に既に電源が投入されており、無線LANモジュール123が無線LANアンテナ1,2,3を用いて無線通信を実行している場合を想定する。
【0045】
ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、まず、BT Status信号を用いて、Bluetoothモジュール(BT)120が電源オンされたか否かを判別する(ステップS101)。
【0046】
Bluetoothモジュール(BT)120が電源オフ状態であれば、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、全ての無線LANアンテナ1,2,3を継続して使用する(ステップS109)。
【0047】
Bluetoothモジュール(BT)120が電源オンされた場合、つまりBluetoothモジュール(BT)120および無線LANモジュール123の双方が動作中である場合(ステップS101のYES)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、IEEE802.11bまたはIEEE802.11gの無線通信方式が現在使用されているか否かを判別する(ステップS102)。もし無線LANモジュール123によって使用されている無線通信方式がIEEE802.11aであれば(ステップS102のNO)、Bluetoothモジュール(BT)120と無線LANモジュール123との間の電波干渉は発生しない。したがって、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、全ての無線LANアンテナ1,2,3を継続して使用する(ステップS109)。IEEE802.11aが使用されているならば(ステップS102のNO)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、全ての無線LANアンテナ1,2,3を継続して使用する(ステップS109)。
【0048】
もし、IEEE802.11bあるいはIEEE802.11gが使用中であれば(ステップS102のYES)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANモジュール123によって実行される無線通信の現在のスループットを検出し、その検出されたスループットが一定値以上であるかどうかを判別する(ステップS103)。
【0049】
もし、無線LANモジュール123の現在のスループットが一定値よりも低いならば(ステップS103のNO)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ切断処理を開始する。一方、もし、無線LANモジュール123の現在のスループットが一定値以上であるならば(ステップS103のYES)、アンテナ切断処理は実行されない。
【0050】
アンテナ切断処理においては、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、まず、無線LANアンテナ1,2,3の内で、BTアンテナ5と間のIsolationレベルが最も低いアンテナの使用を停止する(ステップS104)。このステップS104では、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ制御情報300を参照して、データ部311によって指定されるアンテナ番号の無線LANアンテナ(本例では無線LANアンテナ3)の使用を停止する。これによって、現在使用されている無線LANアンテナは、アンテナ1およびアンテナ2の2本のアンテナとなる。無線LANモジュール123は、アンテナ1およびアンテナ2の2本のアンテナを用いて無線通信を実行する。
【0051】
次に、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANモジュール123とBluetoothモジュール(BT)120との間の信号干渉レベル、つまり、無線LANモジュール123に対応する無線通信(電波)とBluetooth(BT)モジュール120に対応する無線通信(電波)との間の信号干渉レベル、が所定レベルにまで低減されたか否かを判断するために、無線LANモジュール123によって実行中の無線通信のスループットを再び検出し、その検出されたスループットが一定値以上であるかどうかを判別する(ステップS105)。
【0052】
無線LANモジュール123の現在のスループットが一定値以上であれば(ステップS105のYES)、すなわち、信号干渉レベルが所定レベルにまで低減されたならば、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ切断処理を終了する。以降、無線LANモジュール123は、アンテナ1およびアンテナ2の2本のアンテナを使用して無線通信を実行する。
【0053】
もし、現在のスループットが一定値よりも低いならば(ステップS105のNO)、つまり、信号干渉レベルが所定レベルにまで低減されていないならば、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANアンテナ1,2,3の内で、BTアンテナ5と間のIsolationレベルが2番目に低いアンテナの使用を停止する(ステップS106)。このステップS106では、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ制御情報300を参照して、データ部312によって指定されるアンテナ番号の無線LANアンテナ(本例では無線LANアンテナ2)の使用を停止する。これによって、現在使用されている無線LANアンテナは、アンテナ1のみとなる。無線LANモジュール123は、アンテナ1のみを用いて無線通信を実行する。
【0054】
次に、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANモジュール123とBluetooth(BT)モジュール120との間の信号干渉レベルが所定レベルにまで低減されたか否かを判断するために、無線LANモジュール123によって実行中の無線通信のスループットを再び検出し、その検出されたスループットが一定値以上であるかどうかを判別する(ステップS107)。無線LANモジュール123の現在のスループットが一定値以上であれば(ステップS107のYES)、すなわち、信号干渉レベルが所定レベルにまで低減されたならば、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ切断処理を終了する。以降、無線LANモジュール123は、無線LANアンテナ1のみを使用して無線通信を実行する。
【0055】
もし、現在のスループットが一定値よりも低いならば(ステップS107のNO)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、電界強度レベルのヌル点近傍に無線LANアンテナ1が存在していると判断する。そして、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANアンテナ1の使用を停止するとともに、Isolationレベルが2番目に高い無線LANアンテナ2の使用を再開する(ステップS108)。以降、無線LANモジュール123は、無線LANアンテナ2のみを用いて無線通信を実行する。無線LANアンテナ2によって受信される電波の電界強度レベルは、無線LANアンテナ1によって受信される電波の電界強度レベルよりも高いことが期待される。しかも、無線LANアンテナ2は、無線LANアンテナ1の次にIsolationレベルが高いアンテナである。よって、無線LANアンテナ1の代わりに無線LANアンテナ2を使用することにより、スループットを改善することができる。
【0056】
次に、図7のフローチャートを参照して、使用停止中の無線LANアンテナの使用を再開する処理について説明する。この再開処理は、Bluetoothモジュール(BT)120が動作停止されたことに応答して実行される。
【0057】
すなわち、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、Bluetooth Status信号を監視し、Bluetoothモジュール(BT)120が電源オフされたかどうかを判別する(ステップS201)。Bluetoothモジュール120が電源オフされた場合(ステップS201のYES)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、現在使用停止中の全ての無線LANアンテナの使用を再開する(ステップS202)。これにより、無線LANモジュール123は、無線LANアンテナ1,2,3全てを用いて無線通信を実行する。
【0058】
以上説明したように、本実施形態においては、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ制御情報300に基づいて、信号干渉が所定レベルに低減されるまで、無線LANアンテナ1,2,3をアイソレーションレベルの低い順に順次使用停止する処理を実行する。これにより、できるだけ多くの無線LANアンテナの使用を維持しつつ、電波干渉を効率よく低減することが可能となる。
【0059】
次に、図8のフローチャートを参照して、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201によって実行される処理手順の第2の例を説明する。
【0060】
ここでは、無線LANモジュール123に既に電源が投入されており、無線LANモジュール123が無線LANアンテナ1,2,3を用いて無線通信を実行している場合を想定する。
【0061】
ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、まず、BT Status信号を用いて、Bluetoothモジュール(BT)120が電源オンされたか否かを判別する(ステップS301)。
【0062】
Bluetoothモジュール(BT)120が電源オフ状態であれば、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、全ての無線LANアンテナ1,2,3を継続して使用する(ステップS312)。
【0063】
Bluetoothモジュール(BT)120が電源オンされた場合、つまりBluetoothモジュール(BT)120および無線LANモジュール(WLAN)123の双方が動作中である場合(ステップS301のYES)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、IEEE802.11bまたはIEEE802.11gの無線通信方式が現在使用されているか否かを判別する(ステップS302)。もし無線LANモジュール(WLAN)123によって使用されている無線通信方式がIEEE802.11aであれば(ステップS302のNO)、Bluetoothモジュール(BT)120と無線LANモジュール(WLAN)123との間の電波干渉は発生しない。したがって、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、全ての無線LANアンテナ1,2,3を継続して使用する(ステップS312)。
【0064】
もし、IEEE802.11bあるいはIEEE802.11gが使用中であれば(ステップS302のYES)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、Bluetoothモジュール(BT)120と無線LANモジュール(WLAN)123との間の電波干渉が発生しているかどうかを判定するために、まず、BluetoothドライバからのスループットStatus信号に基づいて、Bluetoothモジュール(BT)120によって実行される無線通信の現在のスループットを検出する(ステップS303)。
【0065】
検出されたBluetoothモジュール(BT)120の現在のスループットが一定値よりも低いならば(ステップS303のNO)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ切断処理を開始する。一方、検出されたBluetoothモジュール(BT)120の現在のスループットが一定値以上ならば(ステップS303のYES)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANモジュール(WLAN)123によって実行される無線通信の現在のスループットを検出し、その検出されたスループットが一定値以上であるかどうかを判別する(ステップS303)。もし、無線LANモジュール(WLAN)123の現在のスループットが一定値よりも低いならば(ステップS309のNO)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ切断処理を開始する。一方、もし無線LANモジュール123の現在のスループットが一定値以上であれば、アンテナ切断処理は実行されない。
【0066】
アンテナ切断処理においては、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、まず、無線LANアンテナ1,2,3の内で、BTアンテナ5と間のIsolationレベルが最も低いアンテナの使用を停止する(ステップS304)。このステップS304では、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ制御情報300を参照して、データ部311によって指定されるアンテナ番号の無線LANアンテナ(本例では無線LANアンテナ3)の使用を停止する。これによって、現在使用されているアンテナは、アンテナ1およびアンテナ2の2本のアンテナとなる。無線LANモジュール123は、アンテナ1およびアンテナ2の2本のアンテナを用いて無線通信を実行する。
【0067】
次に、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANモジュール(WLAN)123とBluetoothモジュール(BT)120との間の信号干渉レベルが所定レベルにまで低減されたか否かを判断するために、Bluetoothモジュール(BT)120および無線LANモジュール123それぞれの現在のスループットを検出する(ステップS305,S310)。Bluetoothモジュール(BT)120および無線LANモジュール123のスループットがそれぞれ一定値以上であれば(ステップS310のYES)、すなわち、信号干渉レベルが所定レベルにまで低減されたならば、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ切断処理を終了する。以降、無線LANモジュール123は、アンテナ1およびアンテナ2の2本のアンテナを使用して無線通信を実行する。
【0068】
一方、もし、Bluetoothモジュール(BT)120および無線LANモジュール123のどちらかのスループットが一定値よりも低いならば(ステップS305のNOまたはステップS310のNO)、つまり、信号干渉レベルが所定レベルにまで低減されていないならば、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANアンテナ1,2,3の内で、BTアンテナ5と間のIsolationレベルが2番目に低いアンテナの使用を停止する(ステップS306)。このステップS306では、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ制御情報300を参照して、データ部312によって指定されるアンテナ番号の無線LANアンテナ(本例では無線LANアンテナ2)の使用を停止する。これによって、現在使用されているアンテナは、アンテナ1のみとなる。無線LANモジュール123は、アンテナ1のみを用いて無線通信を実行する。
【0069】
次に、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANモジュール(WLAN)123の現在のスループットを再び検出する(ステップS307)。無線LANモジュール(WLAN)123の現在のスループットが一定値以上であれば(ステップS307のYES)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、アンテナ切断処理を終了する。以降、無線LANモジュール(WLAN)123は、アンテナ1のみを使用して無線通信を実行する。
【0070】
もし、無線LANモジュール(WLAN)123の現在のスループットが一定値よりも低いならば(ステップS307のNO)、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、電界強度レベルのヌル点近傍に無線LANアンテナ1が存在していると判断する。そして、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANアンテナ1の使用を停止するとともに、Isolationレベルが2番目に高い無線LANアンテナ2の使用を再開する(ステップS308)。以降、無線LANモジュール123は、無線LANアンテナ2のみを用いて無線通信を実行する。
【0071】
このように、第2の例においては、ベースバンド処理部(Mac/Baseband)201は、無線LANモジュール123のスループットを監視するだけではなく、Bluetoothモジュール120のスループットも監視して、無線LANモジュール123とBluetoothモジュール120との間の信号干渉レベルが所定レベルにまで低減されたか否かを判断する。これによって、より正確に信号干渉レベルを判定することができる。
【0072】
また、アンテナ切断処理は、無線LANモジュール123によって実行される無線通信のスループット(実効通信速度)およびBluetoothモジュール120によって実行される無線通信のスループット(実効通信速度)のいずれかが所定値よりも低下したことを条件に、実行してもよい。
【0073】
なお、本実施形態では、無線LANモジュール123によって実行される無線通信およびBluetoothモジュール120によって実行される無線通信のスループット(実効通信速度)を検出したが、BER(Bit Error Rate)のような誤り率を検出し、その検出された誤り率に応じて信号干渉レベルを判定してもよい。また、アンテナ切断処理の開始条件としてスループットの代わりにBERのような誤り率を使用してもよい。
【0074】
また、本実施形態では、複数のアンテナを使用する例としてダイバーシティ方式を説明したが、例えば、複数のアンテナをアダプティブアレイアンテナとして使用してもよい。アダプティブアレイアンテナにおいても、使用されるアンテナの数が多いほど、その性能は向上する。
【0075】
なお本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の外観を示す図。
【図2】同実施形態の情報処理装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の情報処理装置に設けられた無線LANモジュールの構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態の情報処理装置によって用いられるアンテナ制御情報の構成例を示す図。
【図5】同実施形態の情報処理装置に設けられたBIOS−ROMに図4のアンテナ制御情報を格納した例を示す図。
【図6】同実施形態の情報処理装置によって実行されるアンテナ切断処理の第1の例を示すフローチャート。
【図7】同実施形態の情報処理装置によって実行されるアンテナ使用再開処理を示すフローチャート。
【図8】同実施形態の情報処理装置によって実行されるアンテナ切断処理の第2の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0077】
1…無線LANアンテナ、2…無線LANアンテナ、3…無線LANアンテナ、5…BTアンテナ、10…コンピュータ、11…コンピュータ本体、12…ディスプレイユニット、111…CPU、120…Bluetoothモジュール、123…無線LANモジュール、201…Mac/Baseband、202…EEPROM、207…アンテナスイッチ、300…アンテナ制御情報、301…無線LANドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信方式に対応するアンテナと、
前記第1の無線通信方式に対応するアンテナを使用することによって第1の無線通信方式で無線通信を実行する第1の無線通信部と、
第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナと、
前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを使用することによって第2の無線通信方式で無線通信を実行する第2の無線通信部と、
前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部がそれぞれ動作している場合、前記第1の無線通信方式に対応するアンテナと前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナとの間のアイソレーションレベルに基づいて予め決定された前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナ間の順位付けを示す情報に従って、前記第1の無線通信方式にて実行される無線通信と前記第2の無線通信方式にて実行される無線通信との間で生じる信号干渉が所定レベルに低減されるまで、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを前記アイソレーションレベルの低い順に使用停止する処理を実行する制御手段とを具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナの内で前記アイソレーションレベルが最も低いアンテナの使用が停止された場合、前記第1の無線通信方式にて実行される無線通信と前記第2の無線通信方式にて実行される無線通信との間で生じる信号干渉が所定レベルにまで低減されたか否かを判別する手段と、前記信号干渉が前記所定レベルにまで低減されなかった場合、前記情報に基づいて、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナの内で前記アイソレーションレベルが2番目に低いアンテナの使用を停止する手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを用いて前記第2の無線通信部によって実行される無線通信のスループットを検出する手段と、検出されたスループットが所定値よりも低い場合、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを前記アイソレーションレベルの低い順に使用停止する処理を開始する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の無線通信部によって実行される無線通信のスループットを検出する手段と、検出されたスループットが所定値よりも低い場合、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを前記アイソレーションレベルの低い順に使用停止する処理を開始する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナの内で前記アイソレーションレベルが最も高いアンテナ以外の他の全てのアンテナの使用が停止された場合、前記アイソレーションレベルが最も高いアンテナを用いて前記第2の無線通信部によって実行される無線通信のスループットを検出する手段と、検出されたスループットが所定値よりも低い場合、前記アイソレーションレベルが最も高いアンテナの使用を停止し、且つ前記アイソレーションレベルが2番目に高いアンテナの使用を再開する手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第1の無線通信部の動作が停止された場合、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナの内で使用が停止されている各アンテナの使用を再開する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
筐体と、
前記筐体に設けられた第1アンテナと、
前記筐体内に設けられ、前記第1アンテナを使用することによって第1の無線通信方式で無線通信を実行する第1の無線通信部と、
前記筐体の互いに異なる位置にそれぞれ設けられた第2アンテナ、第3アンテナ、および第4アンテナと、
前記筐体内に設けられ、前記第2アンテナ、前記第3アンテナ、および前記第4アンテナを使用することによって第2の無線通信方式で無線通信を実行する第2の無線通信部と、
前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部がそれぞれ動作している場合、前記第1アンテナと前記第2アンテナ、前記第3アンテナ、および前記第4アンテナそれぞれとの間のアイソレーションレベルに基づいて予め決定された前記第2アンテナ、前記第3アンテナ、および前記第4アンテナ間の順位付けを示す情報に基づいて、前記第2アンテナ、前記第3アンテナ、および前記第4アンテナ内で前記第1アンテナとの間のアイソレーションレベルが最も低いアンテナの使用を停止する手段と、
前記アイソレーションレベルが最も低いアンテナの使用が停止された場合、前記第1の無線通信方式にて実行される無線通信と前記第2の無線通信方式にて実行される無線通信との間で生じる信号干渉が所定レベルに低減されたか否かを判別する手段と、
前記信号干渉が前記所定レベルにまで低減されなかった場合、前記情報に基づいて、前記第2アンテナ、前記第3アンテナ、および前記第4アンテナ内で前記第1アンテナとの間のアイソレーションレベルが2番目に低いアンテナの使用を停止する手段とを具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第1の無線通信部の動作が停止された場合、前記第2アンテナ、前記第3アンテナ、および前記第4アンテナの内で使用が停止されている各アンテナの使用を再開する手段を含むことを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
第1の無線通信方式に対応するアンテナを使用することによって第1の無線通信方式で無線通信を実行する第1の無線通信部と、第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを使用することによって第2の無線通信方式で無線通信を実行する無線通信を実行する第2の無線通信部との間で生じる信号干渉を防止するための通信制御方法であって、
前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部がそれぞれ動作している場合、前記第1の無線通信方式に対応するアンテナと前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナとの間のアイソレーションレベルに基づいて予め決定された前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナ間の順位付けを示す情報に基づいて、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナ内で前記第1の無線通信方式に対応するアンテナとの間のアイソレーションレベルが最も低いアンテナの使用を停止するステップと、
前記アイソレーションレベルが最も低いアンテナの使用が停止された場合、前記第1の無線通信方式にて実行される無線通信と前記第2の無線通信方式にて実行される無線通信との間で生じる信号干渉が所定レベルに低減されたか否かを判別するステップと、
前記信号干渉が前記所定レベルにまで低減されなかった場合、前記情報に基づいて、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナの内で前記第1の無線通信方式に対応するアンテナとの間のアイソレーションレベルが2番目に低いアンテナの使用を停止するステップとを具備することを特徴とする通信制御方法。
【請求項10】
前記停止するステップは、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを用いて前記第2の無線通信部によって実行される無線通信のスループットを検出するステップと、検出されたスループットが所定値よりも低い場合、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを前記アイソレーションレベルの低い順に使用を停止するステップを含むことを特徴とする請求項9記載の通信制御方法。
【請求項11】
前記停止するステップは、前記第1の無線通信部によって実行される無線通信のスループットを検出するステップと、検出されたスループットが所定値よりも低い場合、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナを前記アイソレーションレベルの低い順に使用を停止するステップを含むことを特徴とする請求項9記載の通信制御方法。
【請求項12】
前記停止するステップは、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナの内で前記アイソレーションレベルが最も高いアンテナ以外の他の全てのアンテナの使用が停止された場合、前記アイソレーションレベルが最も高いアンテナを用いて前記第2の無線通信部によって実行される無線通信のスループットを検出するステップと、検出されたスループットが所定値よりも低い場合、前記アイソレーションレベルが最も高いアンテナの使用を停止し、且つ前記アイソレーションレベルが2番目に高いアンテナの使用を再開するステップとを含むことを特徴とする請求項9記載の通信制御方法。
【請求項13】
前記第1の無線通信部の動作が停止された場合、前記第2の無線通信方式に対応する複数のアンテナの内で使用が停止されている各アンテナの使用を再開するステップをさらに具備することを特徴とする請求項9記載の通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−129247(P2006−129247A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316723(P2004−316723)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】