説明

情報処理装置及びその制御方法、並びにプログラム、撮像装置及び撮像システム

【課題】ライブ映像のピント合わせとフォーカス調整をより簡便に行うことができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】撮像装置150と通信手段で接続される情報処理装置100において、撮像装置150から画像データを取得する画像取得部10と、撮像装置150を制御する遠隔撮影制御部8とを備える。また、画像データに基くライブ映像を表示する表示部4と、撮像装置150の状態情報を取得する状態取得部9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びその制御方法、並びにプログラム、撮像装置及び情報処理装置と撮像装置からなる撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、CCDセンサのような撮像素子から得られる映像情報をメモリカード等の記録媒体に静止画として記録するようにした電子カメラに代表される撮像装置と、パソコン等の情報処理装置からなる撮像システム(遠隔制御システム)が知られている。
【0003】
この撮像システムにおいては、情報処理装置から撮像装置に対して制御コマンドを送信することで、情報処理装置から撮遠隔撮影を行うことができる。
【0004】
上記撮像システムは、撮像装置内の記憶メディアの容量に左右されず、転送先の情報処理装置が有する大容量の外部記憶(記録)装置へ画像を転送するため、大量の撮影画像を記憶媒体の容量を気にせずに撮影することができる。
【0005】
また、上記撮像システムは、撮像データの転送先として、情報処理装置上に有している外部記憶装置等を指定しておき、遠隔撮影後、生成された画像データを予め設定しておいた所望の保存先に転送格納することができる。
【0006】
また、撮像装置においても、被写体のライブ映像を表示するいわゆるライブビュー表示を、例えば、液晶表示装置等に表示することが可能なものが知られている。
【0007】
このような撮像装置において、ピント確認ボタンを備えて、このボタン押下により、所定の領域が拡大され、更に再度ピント確認ボタンを押下すると、より拡大されて表示される技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
また、マニュアルフォーカスによるピント合わせを容易に行うことができるように、ピントを合わせる測距フレームでの合焦評価値の度合いによりライブ映像の拡大率を変化させる撮像装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0009】
一方、撮像装置からライブビュー画像を情報処理装置側に転送して、情報処理装置に接続される表示装置上に表示して、遠隔制御しながら、ライブ映像を確認できるような撮像システムも存在している。
【0010】
このような撮像システムでは、情報処理装置側の操作系に拡大ボタン等のユーザーインターフェースがある。そして、ユーザー(操作者)が必要に応じて、ライブ映像の拡大をするために拡大ボタンを押下することで、撮像装置に拡大命令を送って、ピント合わせをしやすい表示状態に変更している。
【特許文献1】特開2005−3957号公報
【特許文献2】特開2008−79124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1、2に記載されているような、撮像装置におけるライブ映像の表示部は、装置本体に備えられている比較的小さな液晶表示装置である。そのために、仮令、拡大したとしても、表示画素が少ないという問題から、ライブ映像全体として間引いた縮小画像を表示しているため、拡大するとぼやけてしまう等の弊害があった。
【0012】
また、撮像システムにおいては、撮影画像の表示が情報処理装置に接続される別の表示装置で行われるので、上記の問題を回避することができる。しかし、ユーザーが自ら拡大したいという意図をもって情報処理装置上で遠隔操作をする必要があり、自動化がされておらず、ピント調整を意識した操作系になっていなかった。
【0013】
本発明の目的は、ライブ映像のピント合わせとフォーカス調整をより簡便に行うことができる情報処理装置及びその制御方法、並びにプログラム、撮像装置及び撮像システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1記載の情報処理装置は、撮像装置と通信手段で接続される情報処理装置において、前記撮像装置から画像データを取得する画像取得手段と、前記撮像装置を制御する遠隔制御手段と、前記画像データに基くライブ映像を表示する表示手段と、前記撮像装置の状態情報を取得する状態取得手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の情報処理装置の制御方法は、通信手段で撮像装置と接続される情報処理装置の制御方法において、前記撮像装置から画像データを取得する画像取得ステップと、前記撮像装置を制御する遠隔制御ステップと、前記画像データに基くライブ映像を表示する表示ステップと、前記撮像装置の状態情報を取得する状態取得ステップとを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項10記載のプログラムは、通信手段で撮像装置と接続される情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、前記情報処理装置の制御方法は、前記撮像装置から画像データを取得する画像取得ステップと、前記撮像装置を制御する遠隔制御ステップと、前記画像データに基くライブ映像を表示する表示ステップと、前記撮像装置の状態情報を取得する状態取得ステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項11記載の撮像装置は、情報処理装置と通信手段で接続される撮像装置において、前記情報処理装置の遠隔操作により要求される前記撮像装置の状態情報を通知する通知手段と、前記情報処理装置の遠隔操作により要求される画像データの領域のライブ映像の拡大処理を行う拡大処理手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項12記載の撮像システムは、請求項1記載の情報処理装置と請求項11記載の撮像装置とから構成される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の情報処理装置によれば、ライブ映像のピント合わせとフォーカス調整をより簡便に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に示す撮像システムは、デジタルカメラ等の電子カメラからなる撮像装置150と、撮像装置150と通信手段で論理接続される情報処理装置100とを有して構成されている。尚、ここでいう論理接続とは、撮像装置150と外部制御装置である情報処理装置100とを、例えば、IEEE1394やUSB2.0等の通信手段(通信回線)を介して双方向に接続することを意味する。
【0023】
撮像装置150は、撮影レンズ101、撮像素子としてのCCD102、A/D変換器103、メモリコントローラ104、撮影画像等を表示する表示部105、信号処理部(拡大処理手段)110、画像格納メモリ111、中央処理装置としてのカメラCPU112を備える。
【0024】
また、撮像装置150は、圧縮伸張回路部113、操作部114、メモリカード130が着脱されるカードインターフェース(I/F)115、撮像装置150の動作を規定する制御プログラムを格納するカメラROM120を備える。
【0025】
図2(a)(b)は、図1における撮影レンズ101の構成と表示部4のライブビュー表示を示す図である。
【0026】
図2に示すように、撮影レンズ101においては、例として。固定レンズ200と220、そして、倍率を変化させるための可動レンズ210、更に、焦点の調節を行うための可動レンズ230が構成されている。実際のピントの調整は、焦点調節用可動レンズ230を移動させることで行われる。
【0027】
尚、図1、図2には示していないが、撮影レンズ101には、焦点を合わせるためにレンズユニットを駆動するための駆動ユニット、絞り羽を動作させるためのモータや、その制御を行うレンズCPUが含まれている。
【0028】
図1に戻り、情報処理装置100は、中央処理装置としてのCPU20、ROM1、通信部2、RAM3、CRTやLCDディスプレイ等の表示部4、キーボードに代表される入力部5、プログラムや画像データ、各種の情報等を保存する外部記憶部6を備える。
【0029】
また、情報処理装置100において、CPU20とRAM3に展開される制御プログラムから、通信処理部7、遠隔撮影制御部8及び状態取得部(設定取得部)9、そして画像取得部10が構成される。
【0030】
つまり、情報処理装置100の画像取得部10、状態取得部9、遠隔撮影を行い制御するための遠隔撮影制御部8及び通信処理部7が、情報処理装置100のRAM3で動作しており、状態取得部9により、撮像装置150の現在の撮影設定状態(状態情報)を取得する。
【0031】
この状態取得部9により取得された撮像装置150の撮影設定に係る状態情報は、例えば、外部記憶部6に保存される。そして、遠隔撮影制御部8及び通信処理部7、画像取得部10により、新しい状態情報を撮像装置150に対して送信する。これにより、撮影装置100の設定の変更を行い、その設定で撮影した画像に係る画像データを情報処理装置100の外部記憶部6に取り込むことができる。
【0032】
更に、撮像装置150のカメラROM120は、カメラCPU112がその制御プログラムを実行することにより、情報処理装置100との通信を司る通信部121と、撮像装置150の制御を行う制御部122とで構成される。この制御部122による制御により、実際の撮像(撮影)動作が行われている。
【0033】
撮像装置150と情報処理装置100との組み合わせによる撮像システムにおいて、ライブ映像表示が行うことができる。尚、ライブビュー表示(ライブ映像表示)を行うには、通常は、以下のような動作制御を行う。
【0034】
即ち、レンズ101を通して到達した撮影光束がCCD102に到達し、所定のフレームレート(1秒間の撮影画像数)での撮影でCCD102が取得した画像データが、連続的にA/D変換器103、信号処理部110等の映像化に必要な処理ブロックを通る。
【0035】
そして、その画像データが、動画像として、撮像装置150の通信部121、情報処理装置100の通信部2を連続的に経由して、情報処理装置100内の表示部4に表示される。
【0036】
こうして、ユーザーは、撮像装置150のファインダあるいは、背面等に装備される表示部105を覗かなくても、遠隔制御している情報処理装置100上で、そのライブ映像を確認することができる。
【0037】
更に、第1の実施の形態において、情報処理装置100は、撮像装置150に対して、ライブ映像の送信中に、撮像装置150の作動状態として、撮影レンズ101の駆動量の大きさを一定時間毎に通知するよう指示する。あるいは、一定時間毎でなくて、駆動量が変化したらでもよいし、あるいは一定量以下になったら、通知するように指示してもよい。
【0038】
これにより、情報処理装置100が受信しているライブ映像のフォーカス調整状態が、ピントが合いつつある状態なのか、あるいは撮影レンズ101を大きく移動させている最中で、まったくピントがまだ合っていない状態なのか、把握することができる。
【0039】
ピントが合いつつあれば、情報処理装置100は、撮像装置150に対して、全体表示でライブ映像を送信するのではなく、ある所定の倍率で拡大した画像を送信するように指示する。これにより、撮像装置150から拡大されたライブ映像を受信し、この拡大ライブ映像を表示することにより、更にピントを確認しやすくなる。
【0040】
このとき、AFセンサ(オートフォーカスセンサ)が作動している領域を中心に拡大してもよいし、ライブ映像中に人物が撮影されているのであれば、その認識した人物像を中心に拡大してもよい。
【0041】
そして、更に、撮影レンズ101の駆動量が小さくなれば、そのライブ映像はピントがあっている状態にまで、フォーカスの調整が済みつつある。そこで、情報処理装置100は、最大倍率で拡大するように撮像装置150に対して、拡大命令を発行する。
【0042】
これにより、レンズ駆動量というトリガでもって、ピント調整において情報処理装置100が適切な表示倍率を選択して、撮像装置150に対してライブ映像の拡大指示を出すことで、ユーザーの手間を煩わすことなく、簡便にピントを確認し調整することができる。
【0043】
(第1の動作例)
図3は、図1の撮像システムにおける情報処理装置100によって実行されるライブ映像表示処理の第1の動作例の手順を示すフローチャートである。
【0044】
本処理は、情報処理装置100のCPU20の制御の下に実行される。
【0045】
まず、ステップS301において、情報処理装置100(のCPU20)は、撮像装置150にライブ映像の送信を要求し、撮像装置150から送られてくるライブ映像の、情報処理装置100の表示部4におけるライブビュー表示を開始する。
【0046】
ステップS302において、情報処理装置100は、撮像装置150のフォーカス調整情報として、レンズ駆動量を通知するように、その通知命令を発行する。これにより、逐次、撮影レンズ101がピントを合わせようとして移動するたびに、どの程度の移動を行ったかが情報処理装置100に通知される。
【0047】
ステップS303において、情報処理装置100は、撮像装置150からライブ映像を受信する。
【0048】
ここで、撮像装置150からレンズ駆動量の受信があれば(ステップS304)、更に、その通知された駆動量に応じて、処理が分岐される。
【0049】
本動作例においては、駆動量の大きさを3つに区分して、駆動量少(移動区分A)、駆動量中(移動区分B)、そして移動量大(移動区分C)としている。
【0050】
ステップS305において、移動区分Aにあるときは、ほとんど、撮影レンズ101の駆動量がない、つまり、ピントが合いつつあるということで、情報処理装置100は、ライブ映像の10倍拡大命令を撮像装置100に発行する(ステップS306)。
【0051】
また、ステップS307において、移動区分Bにあるときは、情報処理装置100は、5倍拡大命令を撮像装置150に発行する(ステップS308)。
【0052】
移動区分AでもBでもない、つまりC区分(移動量大)の場合は、フォーカスを合わせるために、大きく撮影レンズ101が移動中ということで、情報処理装置100は、撮像装置150に全体表示命令を発行する(ステップS309)。
【0053】
そして、処理はステップS303に戻り、情報処理装置100は、撮像装置150から送信される指定された倍率に変倍されたライブ映像を表示することになる。
【0054】
これらの一連の動作の例を前述した図2に示す。
【0055】
図2においては、焦点調節用の可動レンズ230の位置の変化に応じて、情報処理装置100上のライブビュー表示画面が変化している様子を図示している。
【0056】
つまり、(a)に示すように、可動レンズ230がピントを合わせるために、レンズ初期位置L0からL1に大きく移動している場合(つまり駆動量はL1−L0で、区分C)は、以下の表示となる。即ち、表示部4のライブビュー表示画面に表示されるライブ映像は全体表示になる。
【0057】
そして、(b)に示すように、ピントがあってきて、可動レンズ230の移動量が徐々に少なくなり、L1からL2に入る(駆動量はL2−L1で区分B)と、ライブビュー表示画面に表示されるライブ映像は5倍拡大モードに移行する。更に、駆動量が小さくなり、区分Aに入れば、10倍拡大モードに遷移する。
【0058】
このように、撮影レンズ101の駆動量に応じて、ライブ映像の拡大率が変化することで、フォーカスの調整状態に応じて、画面表示が切り替わり、ピントの状態を確認しやすくなる。
【0059】
本動作例においては、適宜、駆動量が変化するたびに、通知するように設定したが、区分A、B、Cのいずれかの領域に相当する駆動量範囲に移動した場合にのみ、通知するように指示してもよい。
【0060】
また、拡大表示する領域は、撮像装置150が焦点を合わせているオートフォーカスフレームを中心に拡大するが、ライブ映像に主被写体として人物が撮影されている場合は、人物の顔認識を同時に行い、主被写体の人物の顔を中心に拡大してもよい。
【0061】
また、拡大表示後の領域が全体画面のどの部分かを別画面に表示して、ユーザーが自在に領域を指定できるような形態も考えられる。
【0062】
(第2の動作例)
次に、ライブ映像表示処理の第2の動作例について説明する。
【0063】
第1の動作例においては、フォーカス調整情報として、撮影レンズ101の駆動量情報を取り上げた。第2の動作例においては、AFセンサの評価値出力情報を通知させて、実際にオートフォーカスがどの程度作動しているかを確認してライブ映像の倍率を変化させようというものである。
【0064】
図4は、図1の撮像システムにおける情報処理装置100によって実行されるライブ映像表示処理の第2の動作例の手順を示すフローチャートである。また、図5は、図1の撮像システムの合焦評価値と撮影レンズ101の位置の関係を示す図である。即ち、AFセンサの評価値出力が、ピントの調節度合いにどのような変化をするか一般的な出力例を示す図である。
【0065】
図5において、撮影レンズ101が駆動命令を受けて移動を始めると、合焦の度合い、つまりピントの合い具合を示すAFセンサの出力が変化する。横軸は撮影レンズ101の移動量を示している。ピントが合い始めると、その評価出力値は、急激に上昇して、焦点が合った位置を境に、評価値は減少し始める。
【0066】
そこで、第2の動作例では、AFセンサの予めわかっている特性出力を、AF1未満、AF1以上、最大値(AFピーク)に分けて、それぞれを検出した場合に、情報処理装置100に送信するように設定し、以下のように制御する。
【0067】
以下、図4のフローチャートを説明する。
【0068】
まず、ステップS401において、情報処理装置100は、ライブ映像の送信を要求し、撮像装置150から送られてくるライブ映像の表示部4におけるライブビュー表示を開始する。
【0069】
ステップS402において、情報処理装置100は、撮像装置150のフォーカス調整情報(状態情報)として、AF評価値出力の指示命令を発行する。これにより撮影レンズ101が駆動され、AFセンサの評価値出力が変化していくたびに、その評価値が、撮像装置150から情報処理装置100に送信される。
【0070】
ステップS403において、情報処理装置100は、撮像装置150からライブ映像を受信する。
【0071】
ステップS404において、情報処理装置100は、AFセンサの評価値の出力を受信すると、出力区分により処理が以下のように分岐する。
【0072】
ステップS405において、評価値がAF1未満であれば、情報処理装置100は、AFを合わせるために急激に評価値が変わっているものと判断して、全体表示を行う(ステップS406)。
【0073】
ステップS407において、情報処理装置100は、撮像装置150がAFピークを検出しているかどうかを判断する。そうであれば、ステップS408において、情報処理装置100は、使用しているAFフレームを中心として表示領域を10倍に拡大する。そうでないならば、ステップS409において、情報処理装置100は、表示領域を5倍に拡大する。
【0074】
更に、AF1未満の出力に戻ったら、再度全体表示に戻るような構成にすれば、より拡大、全体表示の自動切り替えの利便性が高くなる。
【0075】
また、使用している撮影レンズ101の種類によって、そのAF評価値出力カーブは変化するので、レンズ毎にAF1の設定が変更できるようにしてもよい。
【0076】
第2の動作例の場合も、ピントの合い具合を示すAFセンサ評価値の出力に応じて、ライブ映像の拡大率が自動的に変化することで、画面表示が切り替わり、ピントの微調整をしやすくできる。
【0077】
(第3の動作例)
次に、ライブ映像表示処理の第3の動作例について説明する。
【0078】
前述の2つの動作例は、撮影レンズ101の駆動量の値と、AFセンサの評価値に応じて、ライブ映像表示の内容を変更させたものであった。
【0079】
第3の動作例においては、手ぶれ補正機構の動作を検出するものである。
【0080】
即ち、手ぶれ補正機構が動作している場合は、画像の上下、あるいは左右の手ぶれによる振動が減少している状態にあるので、ライブ映像の表示は、注視しても、画像のゆれがなく、じっくりとピントを調整するような状態になっている。そこで、このときに、自動的に拡大してライブ映像をより見やすくするものである。
【0081】
図6は、図1における情報処理装置100の表示部4に表示されるライブ映像のイメージを示す図である。
【0082】
図6(a)に示すように、手ぶれ補正装置がオフの状態では、ライブ映像は上下左右に細かい手ぶれによる振動が見受けられる。このとき、手ぶれ補正装置の動作がオン状態になると、この上下左右の微細振動が補正されて、ライブ映像は安定した状態で表示されるようになる。
【0083】
ここで、情報処理装置100は、予め設定されている拡大率でライブ映像の送信を、撮像装置150に命令し、(b)に示すように、この拡大されたライブ映像を、表示部4に表示する。これにより、ピントの調整が容易に行えるようになる。
【0084】
手ぶれ補正装置には、レンズユニット内に備えるものや、撮像装置本体内に備えられて、撮像センサであるCCD自体の位置を補正するもの等、いくつかのタイプがあるが、いずれのものも適用することができる。
【0085】
図7は、図1の撮像システムにおける情報処理装置100によって実行されるライブ映像表示処理の第3の動作例の手順を示すフローチャートである。
【0086】
まず、ステップS701において、情報処理装置100は、ライブビューの表示を開始する。
【0087】
ステップS702において、情報処理装置100は、撮像装置150に対して、手ぶれ補正装置の状態(オンかオフか)を通知するよう命令を発行する。
【0088】
ステップS703において、情報処理装置100は、撮像装置150からのライブ映像の受信を行い、これを表示部4に表示する。
【0089】
ステップS704において、情報処理装置100は、手ぶれ補正装置の状態通知を撮像装置150から受信した場合は、次のステップS705において、手ぶれ補正装置がオンの状態なのかどうかを判断する。
【0090】
手ぶれ補正装置がオン状態であれば、ステップS706において、情報処理装置100は、予め設定してあるN倍の拡大表示命令を撮像装置150に対して発行する。これは、ユーザーの選択可能な初期設定値として、AFフレームを中心とした領域に対して倍率選択できるようになっていてもよい。例えば、手ぶれ補正装置が作動開始したら、N=5として、通常の5倍拡大モードに移行する。
【0091】
手ぶれ補正装置がオフ状態であれば、ステップS707において、情報処理装置100は、N=1である全体表示命令を撮像装置150に対して発行して、再度、フレーミングを確認しやすいように全体表示を行う。
【0092】
このように、手ぶれ補正装置の動作状況を鑑みて、ライブ映像の詳細な確認がしやすい状況になったところで、拡大率を変化させるので、ピントの状態を容易に確認することができる。
【0093】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
【0094】
第2の実施の形態のシステム構成は、図1に準じているが、情報処理装置100において、更に、情報処理装置100から撮像装置150の撮影レンズ101を駆動するためのユーザーインターフェースを持つフォーカス調整部11を備えている。
【0095】
本実施の形態は、撮像装置150の状態情報として、オートフォーカスモードなのか、マニュアルフォーカスモードなのかを示す情報を利用する。
【0096】
特に、マニュアルフォーカスモードに設定された場合には、撮像装置150において、撮影レンズ101のフォーカス調整のためのレンズ駆動制御はしないので、情報処理装置100から撮影レンズ101の移動命令を発行する必要がある。
【0097】
第2の実施の形態によれば、マニュアルモードを検出すると、自動的に、フォーカス調整部11に用意されるフォーカス調整画面をライブビュー画面が表示されている画面に加えて、同時に使用できるように表示する。こうして、情報処理装置100から撮影レンズ101を駆動する。
【0098】
図9は、図8の撮像システムの動作概略と表示画面の例を示す図である。
【0099】
図9に示すように、撮影レンズ101の駆動量が大(<<<または>>>)、中(<<または>>)、少(<または>)の3段階で用意され、そのボタンの種類によって撮影レンズ101の移動量を変化させることができる。
【0100】
これによって、即座に、撮影レンズ101の位置制御に入ることができ、かつ、調整状態が進めば、自動的に適切な拡大表示へとライブ映像の表示も変化する。ユーザーが自らの操作で、調整画面を表示したり、拡大ボタンを押下する必要がないというメリットがある。
【0101】
尚、ボタンの種類に応じて、表示領域の倍率指定を変化させてもよい。例えば、レンズ移動量大のボタンの押下の場合は、全体表示、中の場合は、5倍拡大、少の場合は、10倍拡大のように、設定しておいてもよい。
【0102】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0103】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0104】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0105】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基き、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0106】
更に、上述した実施の形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基き、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1における撮影レンズ101の構成と表示部4のライブビュー表示を示す図である。
【図3】図1の撮像システムにおける情報処理装置100によって実行されるライブ映像表示処理の第1の動作例の手順を示すフローチャートである。
【図4】図1の撮像システムにおける情報処理装置100によって実行されるライブ映像表示処理の第2の動作例の手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の撮像システムの合焦評価値と撮影レンズ101の位置の関係を示す図である。
【図6】図1における情報処理装置100の表示部4に表示されるライブ映像のイメージを示す図である。
【図7】図1の撮像システムにおける情報処理装置100によって実行されるライブ映像表示処理の第3の動作例の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
【図9】図8の撮像システムの動作概略と表示画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0108】
1 ROM
2 通信部
3 RAM
4 表示部
5 入力部
6 外部記憶部
7 通信処理部
8 遠隔撮影制御部
9 状態取得部
10 画像取得部
11 フォーカス調整部
20 CPU
100 情報処理装置
110 信号処理部
112 カメラCPU
122 制御部
150 撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と通信手段で接続される情報処理装置において、
前記撮像装置から画像データを取得する画像取得手段と、
前記撮像装置を制御する遠隔制御手段と、
前記画像データに基くライブ映像を表示する表示手段と、
前記撮像装置の状態情報を取得する状態取得手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記画像取得手段は、前記画像データを前記撮像装置から読み出す機能を有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記遠隔制御手段は、前記撮像装置に対して、前記ライブ映像の所定の領域の映像を転送するように指示するライブ映像の拡大命令を発行することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記状態取得手段は、前記撮像装置のフォーカス調整情報を取得することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記フォーカス調整情報は、オートフォーカスセンサの評価値であることを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記フォーカス調整情報は、前記撮像装置の撮影レンズの駆動量であることを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記フォーカス調整情報は、前記撮像装置の手ぶれ補正装置の動作状況であることを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記状態取得手段は、前記撮像装置がマニュアルフォーカスモードかオートフォーカスモードかの情報を取得し、
前記撮像装置の撮影レンズを駆動するフォーカス調整手段を備えることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項9】
通信手段で撮像装置と接続される情報処理装置の制御方法において、
前記撮像装置から画像データを取得する画像取得ステップと、
前記撮像装置を制御する遠隔制御ステップと、
前記画像データに基くライブ映像を表示する表示ステップと、
前記撮像装置の状態情報を取得する状態取得ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
通信手段で撮像装置と接続される情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記情報処理装置の制御方法は、
前記撮像装置から画像データを取得する画像取得ステップと、
前記撮像装置を制御する遠隔制御ステップと、
前記画像データに基くライブ映像を表示する表示ステップと、
前記撮像装置の状態情報を取得する状態取得ステップと、
を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
情報処理装置と通信手段で接続される撮像装置において、
前記情報処理装置の遠隔操作により要求される前記撮像装置の状態情報を通知する通知手段と、
前記情報処理装置の遠隔操作により要求される画像データの領域のライブ映像の拡大処理を行う拡大処理手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
請求項1記載の情報処理装置と請求項11記載の撮像装置とから構成される撮像システム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図6】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−103903(P2010−103903A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275466(P2008−275466)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】