説明

情報処理装置及び制御プログラム

【課題】オペレーティングシステムの不要な再起動をより適切に減らすことができる情報処理装置を提供する
【解決手段】情報処理装置100は、ソフトウェアプログラムD1をインストールするインストール手段S102と、インストールされたソフトウェアプログラムD1がMFP1の複数の機能のうちのいずれの機能の作動に関連するものであるかを判断する第1判断手段S105と、第1判断手段S105により、関連すると判断された機能のそれぞれについて、OSの再起動の要否を判断する第2判断手段S106と、第1判断手段S105による判断結果に基づいて、ソフトウェアプログラムD1と関連する機能をユーザが判別可能に表示画面に表示するとともに、第2判断手段S106による判断結果に基づいて、ソフトウェアプログラムD1と関連する機能のそれぞれについて、再起動の要否を表示画面に表示する第1表示手段S108とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の情報処理装置の例として、外部に接続される外部装置を作動させるソフトウェアプログラムとしてのデバイスドライバを備える情報処理装置が開示されている。
【0003】
この情報処理装置は、デバイスドライバをインストールするインストール手段と、インストール手段によりデバイスドライバをインストールする際に、オペレーティングシステムの再起動の要否を判断する判断手段と、判断手段による判断結果に基づいて、例えば再起動を促す表示画面を表示する等の表示制御を行う表示手段とを備えており、必要な再起動を行いつつ、不要な再起動を減らすようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−308215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の情報処理装置は、例えば、オペレーティングシステムの種別や、新規の又は更新用のソフトウェアプログラムの指定フォルダへの格納状況等の大きな概念に基づいて再起動の要否を判断する構成である。このため、自動的に再起動の要否を判断できる反面、より小さな概念に基づいて、きめ細かく再起動の要否を判断することが難しい。
【0006】
具体例の一つとして、装置内部で作動する機能や外部に接続される外部装置で作動する機能である複数の機能を作動させるためのソフトウェアプログラムを備える情報処理装置において、そのソフトウェアプログラムの更新プログラムをインストールする場合が挙げられる。この場合、更新プログラムが複数の機能のうちの特定の機能にのみ関連するものであれば、その機能を引き続き使用するユーザにとっては再起動が必要になるが、その機能を使用する予定のないユーザにとっては直ちに再起動をする必要がない。それにも関らず、オペレーティングシステムの種別に基づいて、再起動の要否を判断してしまうと、直ちに再起動する必要のないユーザに対しても再起動を行うことになる。このように、上記特許文献1の方式では、不要な再起動をより適切に減らすことが難しい。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、オペレーティングシステムの不要な再起動をより適切に減らすことができる情報処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報処理装置は、装置内部で作動する機能及び/又は外部に接続される外部装置で作動する機能である複数の機能を作動させるためのソフトウェアプログラムを備え、オペレーティングシステム上で前記ソフトウェアプログラムを起動することにより、前記ソフトウェアプログラムに基づく情報処理を行う情報処理装置であって、
前記ソフトウェアプログラムをインストールするインストール手段と、
前記インストール手段によりインストールされたソフトウェアプログラムが前記複数の機能のうちのいずれの機能の作動に関連するものであるかを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段により、関連すると判断された機能のそれぞれについて、前記オペレーティングシステムの再起動の要否を判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段による判断結果に基づいて、前記インストールされたソフトウェアプログラムと関連する機能をユーザが判別可能に表示画面に表示するとともに、前記第2判断手段による判断結果に基づいて、前記インストールされたソフトウェアプログラムと関連する機能のそれぞれについて、前記再起動の要否を前記表示画面に表示する第1表示手段とを備えることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
本発明の情報処理装置によれば、ユーザは、表示画面の表示内容から、インストールされたソフトウェアプログラムが複数の機能のうちのいずれの機能の作動に関連するものであるかを容易に認識できるだけでなく、インストールされたソフトウェアプログラムに関連する機能のそれぞれについてのオペレーティングシステム(以下、単に、「OS」という。)の再起動の要否も容易に認識できる。このため、インストールされたソフトウェアプログラムに関連する機能を使用する場合にはOSの再起動を行い、逆にその機能を使用しない場合にはOSの再起動を行わない、といった判断をユーザが容易に行うことができる。したがって、オペレーティングシステムの不要な再起動をより適切に減らすことができる。
【0010】
なお、インストール手段が行うインストールには、ソフトウェアプログラムを新規にインストールする場合と、更新のためにインストールする場合とが含まれる。
【0011】
本発明の情報処理装置において、表示画面は、ユーザ操作に基づいて、再起動を指示するための再起動指示部を有することが望ましく、さらに、この情報処理装置は、第1表示手段による表示後に、再起動指示部に対する指示の有無に基づいて、再起動の要否を検出する第1検出手段と、第1検出手段により再起動が必要であることが検出された場合、再起動を実行する実行手段とを備えることが望ましい(請求項2)。
【0012】
この構成によれば、ユーザがOSの再起動を行うと判断した場合、再起動の操作を迅速かつ簡易に実行できる。
【0013】
本発明の情報処理装置は、インストールされたソフトウェアプログラムと関連する機能についての詳細情報を取得する詳細情報取得手段と、詳細情報を表示画面に表示する第2表示手段とを備えることが望ましい(請求項3)。
【0014】
この構成によれば、インストールされたソフトウェアプログラムに関連する機能について、より詳細な情報をユーザに提供することができるので、ユーザは、機能の中でもさらに細かい内容に基づいて、再起動の要否を判断できる。よって、不要な再起動を一層減らすことができる。
【0015】
本発明の情報処理装置において、表示画面は、ユーザ操作に基づいて、詳細情報の表示要求を指示するための詳細情報指示部を有することが望ましく、さらに、この情報処理装置は、第1表示手段による表示後に、詳細情報指示部に対する指示の有無に基づいて、詳細情報の表示の要否を検出する第2検出手段を備え、第2表示手段は、第2検出手段により詳細情報の表示が必要であることが検出された場合、詳細情報を表示するものであることが望ましい(請求項4)。
【0016】
この構成によれば、詳細情報を確認してから再起動の要否を判断したいユーザには詳細情報を提供することができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0017】
本発明の情報処理装置は、複数の機能の中から、ユーザにより作動要求のあった特定の機能を判別する判別手段と、判別手段により判別された特定の機能を作動させるためには、インストール手段によりソフトウェアプログラムが新たにインストールされたことによる再起動を行う必要があるにも関わらず、再起動が行われていない場合、再起動を促す報知を行う報知手段とを備えることが望ましい(請求項5)。
【0018】
この構成によれば、インストール時には、再起動する必要がないとユーザが判断した場合でも、その後、OSの再起動を行う必要がある機能をユーザが選択したタイミングで再起動の必要があることが報知されるため、ユーザは直ちに再起動を行うことができる。
【0019】
本発明の情報処理装置において、ソフトウェアプログラムは、外部装置の作動を制御するためのデバイスドライバであることが望ましい(請求項6)。この場合、本発明の作用効果を確実に享受できる。
【0020】
外部装置は、例えば、モノクロ印刷機能、カラー印刷機能、拡大縮小機能等の複数の機能を備えるプリンタであり、デバイスドライバは、例えば、プリンタの作動を制御するプリンタドライバである。
【0021】
本発明の情報処理装置において、外部装置は、スキャン機能及び印刷機能を含む複数の機能を実行可能な複合機であり、デバイスドライバは、複合機が備える複数の機能の作動を制御するための複合機のドライバであることが望ましい(請求項7)。
【0022】
複合機のドライバは、複合機の多くの機能について複雑な制御を行うため、修正や改善のための更新が頻繁に行われる。そして、更新内容やユーザの使用状況によっては、OSの再起動を直ちに実行しなくてもよい場合が多い。このため、本発明の作用効果をより確実に享受できる。
【0023】
また、ソフトウェアプログラムは、文書作成機能、表計算機能、作画機能その他の装置内部で作動する機能である複数の機能を備えるアプリケーションソフトウェアであってもよい。
【0024】
本発明の制御プログラムは、装置内部で作動する機能及び/又は外部に接続される外部装置で作動する機能である複数の機能を作動させるためのソフトウェアプログラムを備え、オペレーティングシステム上で前記ソフトウェアプログラムを起動することにより、前記ソフトウェアプログラムに基づく情報処理を行う情報処理装置に搭載される制御プログラムであって、
前記情報処理装置を、前記ソフトウェアプログラムをインストールするインストール手段と、
前記インストール手段によりインストールされたソフトウェアプログラムが前記複数の機能のうちのいずれの機能の作動に関連するものであるかを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段により、関連すると判断された機能のそれぞれについて、前記オペレーティングシステムの再起動の要否を判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段による判断結果に基づいて、前記インストールされたソフトウェアプログラムと関連する機能をユーザが判別可能に表示画面に表示するとともに、前記第2判断手段による判断結果に基づいて、前記インストールされたソフトウェアプログラムと関連する機能のそれぞれについて、前記再起動の要否を前記表示画面に表示する第1表示手段として機能させることを特徴とする(請求項8)。
【0025】
本発明の制御プログラムによれば、情報処理装置に搭載されることにより、上述の作用効果を情報処理装置に奏させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施例の情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施例の情報処理装置に係り、「更新時の再起動要否確認」処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】実施例の情報処理装置に係り、「各機能使用時の再起動要否確認」処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】実施例の情報処理装置に係り、MFPドライバの更新情報を示す説明図である。
【図5】実施例の情報処理装置に係り、「再起動の確認」ユーザインターフェース画面の説明図である。
【図6】実施例の情報処理装置に係り、「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面の説明図である。
【図7】実施例の情報処理装置に係り、通常の「スキャン機能の実行」ユーザインターフェース画面の説明図である。
【図8】実施例の情報処理装置に係り、再起動のメッセージが付加された「スキャン機能の実行」ユーザインターフェース画面の説明図である。
【図9】「再起動の確認」ユーザインターフェース画面の変形例を示す説明図である。
【図10】「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0028】
(実施例)
図1に示すように、本実施例の情報処理装置の具体的態様であるパーソナルコンピュータ(以下、単に「PC」と呼ぶ。)100は、情報処理部10と、HDD(Hard Disk Drive)14と、ディスプレイ15と、入力部16と、PC100をネットワーク5に接続するためのLANアダプタ等のNIC(Network Interface Card)17と、CD−ROMに記憶されたデータを読み出すCD−ROMドライブ18とを備え、これらの各構成要素が内部バス19を介して相互に通信可能に接続されて構成されている。なお、本発明の情報処理装置に相当する装置としては、このようなPC100に限らず、例えば、PDA(Personal Digital Assistance)端末などの情報端末装置であってもよい。
【0029】
PC100は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク5を介して接続された外部装置としての多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す。)1等とともにネットワークシステムを構成している。なお、PC100には、プリンタ、スキャナー、外部記憶装置等、その他の一般的な外部装置が接続され得る。本実施例では、外部装置の具体例としてのMFP1について説明するが、その他の外部装置についてもMFP1と同様に本発明を適用できる。
【0030】
MFP1は、スキャン機能、印刷機能、コピー機能、FAX送受信機能、及び電話機能等の複数の機能を有する。例えば、MFP1の印刷機能は、PC100から送信された印刷データに基づいて、画像や文書を記録用紙に印刷する機能である。MFP1は、PC100からの命令や、ユーザがMFP1の操作パネル(図示せず)を介して直接行う操作によって、上記の各機能を作動させる。
【0031】
PC100において、情報処理部10は、PC100の各構成要素を統括的に制御するものであり、周知のCPU11、ROM12及びRAM13等を備える。なお、情報処理部10を構成するCPU11、ROM12及びRAM13等の各モジュールが基板上に配置されたものを、一般にマザーボードと称する。
【0032】
PC100には、オペレーティングシステム(Operating System。以下、単に「OS」と呼ぶ。)がインストールされており、このOSの環境下で後述するアプリケーションソフトウェアやデバイスドライバ等の各種ソフトウェアプログラムが作動する。なお、本実施例では、PC100にWindows(登録商標)系のOSがインストールされているものとして、以下の説明を行う。もちろん、他のOSがインストールされた情報処理装置にも本発明は適用され得る。
【0033】
ディスプレイ15は、LCD(Liquid Cristal Display)等の表示デバイスであり、図示しないビデオボード又はグラフィックボードを介して情報処理部10に接続されている。ディスプレイ15の表示画面には、後述するユーザインターフェース画面や、情報処理部10において実行される各種の情報処理の結果等が適宜表示される。
【0034】
入力部16は、キーボードや、マウス等により構成される入力デバイスである。入力部16は、図示しないUSB端子やPS/2端子を介して情報処理部10に接続されており、ユーザが操作することで、情報処理部10に対して各種の情報を入力できる。
【0035】
HDD14は、高容量ディスクと読取装置とが一体化して構成されたものであり、各種のソフトウェアプログラムやデータファイルが格納されている。より詳しくは、このHDD14には、システムフォルダ14S、プログラムフォルダ14P及びレジストリ14R等が設けられている。システムフォルダ14Sには、OSの動作に必要な各種システムファイルやデバイスドライバが格納されている。本実施例では、システムフォルダ14Sにデバイスドライバの一種である複合機のドライバ(以下、単に「MFPドライバ」と呼ぶ。)D1等が格納されているものとする。プログラムフォルダ14Pには、各種のアプリケーションソフトウェア(例えば、アプリケーションA1)のプログラムが格納されている。レジストリ14Rには、システムフォルダ14Sやプログラムフォルダ14Pに格納されたデータファイルとデバイスとの対応関係(例えば、後述するMFPドライバD1の新旧更新情報の差分情報)等からなるデバイス情報が登録されている。
【0036】
アプリケーションA1は、文書作成機能、表計算機能、及び作画機能等のPC100内部で作動する機能に関わるアプリケーションソフトウェアである。アプリケーションA1は、OSの環境下で作動して、上述の情報処理部10、HDD14、ディスプレイ15、及び入力部16等を連携させることにより、文書の作成、数値計算等の情報処理を行う。本実施例では説明の簡略化のため、ソフトウェアプログラムの具体例としてのMFPドライバD1について説明するが、アプリケーションA1についてもMFPドライバD1と同様に本発明を適用できる。
【0037】
MFPドライバD1は、MFP1が備えるスキャン機能、印刷機能、コピー機能、FAX送受信機能、及び電話機能等の複数の機能の作動を制御するためのものである。例えば、アプリケーションA1等により行われる情報処理の結果として作成されるデータファイルについて、ユーザがPC100を操作してMFP1に印刷を実行させようとする場合、アプリケーションA1の操作画面上で印刷実行を指定したり、ディスプレイ15の表示画面上に表示されているデータファイルのアイコンをクリックして印刷実行を指定したりする。そうすると、MFPドライバD1が起動して、周知の印刷設定ユーザインターフェース画面(図示しない。)をディスプレイ15の表示画面に表示する。そして、ユーザが入力部16を操作して、印刷設定の入力を行い印刷の実行を指令すると、MFPドライバD1は、その印刷設定に基づいて情報処理部10に印刷データを生成させる。そして、MFPドライバD1は、MFP1に対して、その印刷データをNIC17を介して送信して、印刷を実行させる。なお、印刷データをPC100側ではなく、MFP1側で生成する構成もあり得る。
【0038】
MFPドライバD1及びアプリケーションA1のインストールは、例えば、CD−ROMドライブ18により、MFPドライバD1及びアプリケーションA1のプログラムが記録されたCD−ROMからデータを読み出して、情報処理部10により各種の設定を行った上で、HDD14に記録することにより実施される。
【0039】
このように機能するPC100では、一般的に、MFPドライバや、アプリケーションのプログラム(ソフトウェアプログラム)を新規に又は更新のためにインストールした後、そのソフトウェアプログラムを起動する前にOSの再起動が必要とされている。これは、MFPドライバD1に含まれる印刷機能を制御するドライバや、スキャン機能を制御するドライバ等の多くは、OS起動時にHHD14からRAM12に既に読み込まれており、実際に各ドライバの起動指示があった場合には、RAM12に読み込まれているドライバプログラムに従ってCPU11は動作することになる。そのため、ソフトウェアプログラムを新規に又は更新のためにインストールしても、RAM12の方のプログラムが更新されないため、新たにインストールされたソフトウェアプログラムは適用されない。新たにインストールされたプログラムを適用するためには、OSを再起動しなければならないことが多いからである。OSを再起動することにより、新たにインストールされたプログラムがRAM12に読み込まれ、適用可能な状態となる。
【0040】
しかし、ソフトウェアプログラムの更新の内容やユーザの使用状況によっては、必ずしもOSの再起動が必要ない場合があり得る。具体例としては、MFP1の複数の機能の作動を制御するMFPドライバD1を更新する場合、MFPドライバD1の更新プログラムの内容が複数の機能のうちの特定の機能にのみ関連するものであれば、その機能を引き続き使用するユーザにとっては再起動が必要になるが、その機能を使用する予定のないユーザにとっては直ちに再起動をする必要がない。また、ソフトウェアプログラムの更新自体に緊急性のないものや、OSの再起動を必要としないもの(ソフトウェアプログラムの一部モジュールの変更のみの場合等)もある。
【0041】
このため、PC100では、情報処理部10のCPU11が以下に詳述する「更新時の再起動要否確認」処理ルーチン(図2に示すステップS101〜S116)及び「各機能使用時の再起動要否確認」処理ルーチン(図3に示すステップS201〜S207)を実行することにより、OSの不要な再起動を減らすようになっている。
【0042】
まず、図2に示す「更新時の再起動要否確認」処理ルーチンについて、各ステップ毎に説明する。ユーザがMFPドライバD1の更新インストールを開始する操作を行うと、情報処理部10のCPU11が「更新時の再起動要否確認」処理ルーチンを開始する。
【0043】
ステップS101では、システムフォルダ14Sに格納されているMFPドライバD1の現行プログラムの更新情報を読み込む。
【0044】
次に、ステップS102に移行して、MFPドライバD1の更新プログラムD1’(図1に示す。)をインストールして、システムフォルダ14Sに格納する。
【0045】
次にステップS103に移行して、MFPドライバD1の更新プログラムD1’の更新情報を読み込み、システムフォルダ14Sに格納する。通常、更新情報は、更新プログラムD1’と一緒に提供される。
【0046】
図4に、更新プログラムD1’の更新情報の具体例を示す。システムフォルダ14Sに格納されるMFPドライバD1の更新情報は、「更新プログラムのバージョン番号」、「その更新プログラムによって更新されるMFP1の機能」、「その機能についてのOSの再起動の要否」、「その機能の更新内容」及び「その機能の更新内容詳細」等の情報を有している。そして、MFPドライバD1の更新プログラムD1’を更新インストールすると、少なくとも、現行のMFPドライバD1に付随する更新情報と、新たなMFPドライバD1に付随する更新情報とがシステムフォルダ14Sに存在する。また、図4に示されるように、更新情報には、最新のバージョンに関わる更新内容だけでなく、それ以前のバージョンの更新内容についても含まれている。
【0047】
本実施例では、MFPドライバD1の現行プログラムのバージョンが図4に示す「1.0.7」であり、更新プログラムD1’のバージョンが図4に示す「1.1.0」であるものとして以下の説明を行う。
【0048】
次にステップS104に移行して、MFPドライバD1の現行プログラムの更新情報と更新プログラムD1’の更新情報とを比較して差分情報を抽出する。図4の例では、二重枠で囲われた情報を差分情報として抽出する。すなわち、現行プログラムの更新情報には、バージョンが「1.0.7」までの情報が書き込まれており、更新プログラムD1’の更新情報には、バージョンが「1.1.0」までの情報が書き込まれているため、2つの更新情報の差分を抽出することで、バージョンが「1.1.0」に関わる更新情報のみを抽出する。なお、抽出された差分情報は、RAM13等のメモリに一旦記憶される。
【0049】
次にステップS105に移行して、差分情報に基づいて、更新プログラムD1’がMFP1の複数の機能のうちのいずれの機能の作動に関連するものであるかを判断する。図4の例では、更新プログラムD1’がMFP1の印刷機能及びスキャン機能の作動に関連するものであると判断する。
【0050】
次にステップS106に移行して、更新プログラムD1’と関連する機能のそれぞれについて、差分情報に基づいて、OSの再起動の要否を判断する。図4の例では、印刷機能の更新についてはOSの再起動が不要であると判断する。一方、スキャン機能のうち「ノイズ除去機能の修正」という更新についてはOSの再起動が必要であると判断し、「スキャンスピードの向上」という更新についてはOSの再起動が不要であると判断する。
【0051】
次にステップS107に移行して、OSの再起動が必要か否かを判断する。更新プログラムD1’と関連する機能の全てについてOSの再起動が不要である場合、ステップS107において「No」となり、「更新時の再起動要否確認」処理ルーチンを終了する。
【0052】
一方、更新プログラムD1’と関連する機能のいずれかについてOSの再起動が必要である場合、ステップS107において「Yes」となり、ステップS108に移行する。
【0053】
ステップS108では、ステップS105、S106の判断結果に基づいて、図5に示す「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91をディスプレイ15の表示画面に表示する。
【0054】
「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91の左方には、ステップS105における判断結果に基づいて、MFP1の各機能についての更新の有無が表示される。例えば、図4の例に基づくと、図5に示すように、「印刷機能」、「スキャン機能」、「FAX機能」及び「その他」について、「更新の有無」を意味する「○」又は「×」が表示される。なお、図5では、MFP1の複数の機能のうちの印刷機能、スキャン機能及びFAX機能以外の機能については、更新が無いので「その他」としてまとめて表示して、情報過多とならないようにしている。これにより、ユーザは、MFP1の複数の機能のうちのいずれの機能が更新されたかを容易に判別することができる。
【0055】
「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91の中央には、ステップS106における判断結果に基づいて、更新が有ると表示されたMFP1の機能のそれぞれについて、再起動が必要か否かが表示される。図4の例に基づくと、図5に示すように、「印刷機能」及び「スキャン機能」について、「再起動の必要」を意味する「○」又は「×」が表示される。これにより、ユーザは、更新プログラムD1’により更新されたMFP1の機能のそれぞれについて、OSの再起動の要否を容易に判別することができる。
【0056】
「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91の右方には、更新が有ると表示されたMFP1の機能のそれぞれに対応する「詳細」ボタン91C、91Dが表示される。
【0057】
「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91の下方には、「更新内容を全て有効にするにはOSの再起動が必要です。再起動しますか?」というメッセージが表示されるとともに、「再起動しない」ボタン91Aと、「再起動する」ボタン91Bとが表示される。
【0058】
次に、ステップS109に移行して、ユーザによる入力操作が行われるまで待機する状態となる。
【0059】
ユーザによる入力操作が行われると、ステップS110に移行して、「詳細」ボタン91C、91Dが押されたか否かを判断する。ステップS110において「No」の場合、ステップS114に移行する。
【0060】
一方、ステップS110において「Yes」の場合、ステップS111に移行して、ステップS104で抽出した差分情報に基づいて「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面を表示する。例えば、「詳細」ボタン91Dが押された場合、図6に示す「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面92を表示して、「スキャン機能」の更新内容と、更新内容詳細とを表示する。図4の例に基づくと、図6に示すように、「スキャン機能」について、「ノイズ除去機能の修正」と「スキャンスピードの向上」とを内容とする更新が行われたことが表示され、それぞれの更新内容詳細が表示される。また、「ノイズ除去機能の修正」及び「スキャンスピードの向上」のぞれぞれについて、OSの再起動の要否も右方に表示される。図示は省略するが、「詳細」ボタン91Cが押された場合、同様に「印刷機能」の「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面を表示する。これにより、ユーザは、MFP1の更新された機能について、より詳細な内容を容易に認識することができる。
【0061】
「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面92の下方には、「戻る」ボタン92Cと、「再起動しない」ボタン92Aと、「再起動する」ボタン92Bとが表示される。
【0062】
次に、ステップS112に移行して、ユーザによる入力操作が行われるまで待機する状態となる。
【0063】
ユーザによる入力操作が行われると、ステップS113に移行して、「戻る」ボタン92Cが押されたか否かを判断する。ステップS113において「Yes」の場合、ステップS108に戻って、再び、「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91を表示する。
【0064】
一方、ステップS113において「No」の場合、ステップS114に移行する。
【0065】
ステップS110又はS113からステップS114に移行すると、ユーザが再起動を了承したか否かを判断する。「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91の「再起動する」ボタン91B又は「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面92の「再起動する」ボタン92Bが押された場合、ステップS114において、ユーザが再起動を了承したとして「Yes」となり、ステップS115に移行する。そして、ステップS115においてOSの再起動を実行し、この処理を終了する。その結果、レジストリ14Rに格納された更新プログラムD1’がMFPドライバD1の現行プログラムに切り替わる。
【0066】
一方、「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91の「再起動しない」ボタン91A又は「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面92の「再起動しない」ボタン92Aが押された場合、ステップS114において、ユーザが再起動を了承しなかったとして「No」となり、ステップS116に移行する。そして、ステップS116において、ステップS104で抽出した差分情報のデータをレジストリ14R内の特定場所に保存して、この処理を終了する。なお、この差分情報のデータは、OSが再起動された際に、自動的に削除されるように設定しておく。
【0067】
こうして、ユーザは、「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91及び「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面92の内容から、自分の使用状況ではOSの再起動が必要か否かを容易に判断することが可能となっている。
【0068】
次に、図3に示す「各機能使用時の再起動要否確認」処理ルーチンについて、各ステップ毎に説明する。図2に示す「更新時の再起動要否確認」処理ルーチンの終了後、情報処理部10のCPU11は、「各機能使用時の再起動要否確認」処理ルーチンを開始する。この処理は、PC100の起動中に繰り返し実行される。
【0069】
ステップS201では、MFP1のいずれかの機能を作動させるため、MFPドライバD1の機能が使用されようとしていることを検出する。検出しない間は待機状態となっており、検出するとステップS202に移行する。本実施例では、ユーザがPC100を操作して、MFP1にスキャン機能を実行させるためにMFPドライバD1を起動する指令を入力したものとして、以下の説明を行う。
【0070】
ステップS202に移行すると、更新インストール時に抽出される差分情報のデータがレジストリ14Rの特定場所に保存されているか否かを判断する。図2に示す「更新時の再起動要否確認」処理ルーチンにおいて、ユーザがOSの再起動を了承した場合、差分情報のデータはレジストリ14Rの特定場所に保存されないので、ステップS202において「No」となり、ステップS206に移行する。そして、ステップS206において、図7に示すように、通常の「スキャン機能の実行」ユーザインターフェース画面93を表示画面に表示して、この処理を終了する。すなわち、差分情報のデータがレジストリ14Rの特定場所に保存されないということは、更新プログラムD1’のインストール後にOSの再起動が実行されているので、更新されたMFPドライバD1を問題なく起動できることを意味する。
【0071】
一方、図2に示す「更新時の再起動要否確認」処理ルーチンにおいて、ユーザがOSの再起動を了承しなかった場合、差分情報のデータがレジストリ14Rの特定場所に保存されるので、ステップS202において「Yes」となり、ステップS203に移行する。そして、ステップS203において、レジストリ14Rの特定場所に保存されている差分情報のデータをRAM13等のメモリに読み込む。
【0072】
次に、ステップS204に移行して、MFPドライバD1に対する起動指令の情報等に基づいて、MFP1のどの機能が使用されようとしているかを判別する。本実施例では、「スキャン機能」が使用されようとしていると判別する。
【0073】
次に、ステップS205に移行して、先のステップS203において読み込んだ差分情報に基づいて、使用する機能の更新が無効のままか、すなわち、再起動の必要があるか否かを判断する。再起動が必要ない場合、ステップS205において「No」となり、ステップS206に移行する。そして、ステップS206において、図7に示すように、通常の「スキャン機能の実行」ユーザインターフェース画面93を表示画面に表示して、この処理を終了する。ステップS206以降の処理の内容は上述した通りである。
【0074】
一方、再起動が必要である場合、ステップS205において「Yes」となり、ステップS207に移行する。そして、ステップS207において、図8に示すように、再起動のメッセージが付加された「スキャン機能の実行」ユーザインターフェース画面94を表示画面に表示して、この処理を終了する。
【0075】
図7の「スキャン機能の実行」ユーザインターフェース画面93に対する図8の「スキャン機能の実行」ユーザインターフェース画面94の相違点は、下方に「更新したドライバの機能が有効になっていません。更新した機能を有効にするには、OSの再起動が必要です。」というメッセージが追加表示される点である。
【0076】
ユーザは、更新した機能を有効にすることを望む場合、「スキャン機能の実行」ユーザインターフェース画面94の下方の「キャンセル」ボタン94Dを押して、スキャン機能の実行をキャンセルした後、PC100を操作してOSを再起動する。その結果、レジストリ14Rに格納された更新プログラムD1’がMFPドライバD1の現行プログラムに切り替わる。
【0077】
一方、ユーザは、更新した機能を有効にしなくてもよい場合、「スキャン機能の実行」ユーザインターフェース画面94の下方の「スキャン」ボタン94Cを押して、スキャン機能の実行を指示する。その結果、更新プログラムD1’に切り替わっていないMFPドライバD1により、MFP1のスキャン機能を作動させることになる。その後、情報処理部10のCPU11は、再び「各機能使用時の再起動要否確認」処理ルーチンを開始して、OSの再起動が実行されるまで、上記処理を繰り返す。
【0078】
なお、説明は省略するが、図2に示す「更新時の再起動要否確認」処理ルーチン及び図3に示す「各機能使用時の再起動要否確認」処理ルーチンは、MFPドライバD1を新規にインストールする場合にも当然に適用できる。この場合、図2のステップS104では、MFPドライバD1の更新情報そのものが差分情報として抽出される。また、ユーザインターフェース画面91、92に表示されるメッセージも適宜「更新」から「新規インストール」に変更される。
【0079】
また、図5に示す「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91では、再起動の必要がない「印刷機能」の更新についても「詳細」ボタン91Cを表示しているが、例えば、図9に示すように、再起動の必要がない「印刷機能」の更新については「詳細」ボタンを表示しないようにしてもよい。さらに、図6に示す「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面92では、再起動の必要がない「スキャンスピードの向上」という更新についても更新内容及び更新内容詳細を表示しているが、図10に示すように、再起動の必要がない「スキャンスピードの向上」という更新については更新内容及び更新内容詳細を表示しないようにしてもよい。こうすることにより、ユーザに提供する情報を絞り込むことができる。
【0080】
<発明特定事項との対応関係>
ステップS102が、ソフトウェアプログラムとしてのMFPドライバD1をインストールするインストール手段に相当する。
【0081】
ステップS105が、インストール手段S102によりインストールされたMFPドライバD1の更新プログラムD1’がMFP1の複数の機能のうちのいずれの機能の作動に関連するものであるかを判断する第1判断手段に相当する。
【0082】
ステップS106が、第1判断手段S105により、関連すると判断された機能のそれぞれについて、OSの再起動の要否を判断する第2判断手段に相当する。
【0083】
ステップS108が、第1判断手段S105による判断結果に基づいて、インストールされた更新プログラムD1’と関連する機能をユーザが判別可能に表示画面に表示するとともに、第2判断手段S106による判断結果に基づいて、インストールされた更新プログラムD1’と関連する機能のそれぞれについて、再起動の要否を表示画面に表示する第1表示手段に相当する。
【0084】
「再起動する」ボタン91B、92Bが、ユーザ操作に基づいて、再起動を指示するための再起動指示部に相当する。
【0085】
ステップS114が、第1表示手段S108による表示後に、再起動指示部に対する指示の有無に基づいて、再起動の要否を検出する第1検出手段に相当する。
【0086】
ステップS115が、第1検出手段S114により再起動が必要であることが検出された場合、再起動を実行する実行手段に相当する。
【0087】
「詳細」ボタン91C、91Dが、ユーザ操作に基づいて、詳細情報の表示要求を指示するための詳細情報指示部に相当する。
【0088】
ステップS104が、インストールされた更新プログラムD1’と関連する機能についての詳細情報を取得する詳細情報取得手段に相当する。
【0089】
ステップS110が、第1表示手段S108による表示後に、詳細情報指示部に対する指示の有無に基づいて、詳細情報の表示の要否を検出する第2検出手段に相当する。
【0090】
ステップS111が、第2検出手段S110により詳細情報の表示が必要であることが検出された場合、詳細情報を表示画面に表示する第2表示手段に相当する。
【0091】
ステップS204が、MFP1の複数の機能の中から、ユーザにより作動要求のあった特定の機能を判別する判別手段に相当する。
【0092】
ステップS207が、判別手段S204により判別された特定の機能を作動させるためには、インストール手段S102により更新プログラムD1’がインストールされたことによる再起動を行う必要があるにも関わらず、再起動が行われていない場合、再起動を促す報知を行う報知手段に相当する。
【0093】
<作用効果>
【0094】
実施例のPC100は、インストール手段S102と、第1判断手段S105と、第2判断手段S106と、第1表示手段S108とを備える。このPC100によれば、ユーザは、表示画面に表示される「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91の表示内容から、インストールされたMFPドライバD1の更新プログラムD1’がMFP1の複数の機能のうちのいずれの機能の作動に関連するものであるかを容易に認識できるだけでなく、更新プログラムD1’に関連する機能のそれぞれについてのOSの再起動の要否も容易に認識できる。このため、更新プログラムD1’に関連する機能を使用する場合にはOSの再起動を行い、逆にその機能を使用しない場合にはOSの再起動を行わない、といった判断をユーザが容易に行うことができる。したがって、OSの不要な再起動をより適切に減らすことができる。
【0095】
また、PC100は、「再起動の確認」ユーザインターフェース画面91又は「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面92中に表示される「再起動する」ボタン91B、92Bに対するユーザ操作に基づいて、第1検出手段S114と実行手段S115とによりOSの再起動を行う。これにより、ユーザがOSの再起動を行うと判断した場合、再起動の操作を迅速かつ簡易に実行できる。
【0096】
さらに、PC100は、詳細情報取得手段S104と第2表示手段S111とにより、「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面92を表示画面に表示する。このため、更新プログラムD1’に関連する機能について、より詳細な情報をユーザに提供することができるので、ユーザは、機能の中でもさらに細かい内容に基づいて、再起動の要否を判断できる。よって、不要な再起動を一層減らすことができる。
【0097】
また、PC100は、「詳細」ボタン91C、91Dに対するユーザ操作に基づいて、第2検出手段S110と第2表示手段S111とにより、「更新内容詳細」ユーザインターフェース画面92を表示画面に表示する。このため、詳細情報を確認してから再起動の要否を判断したいユーザには詳細情報を提供することができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。この際、ユーザが詳細情報を知りたいと望む機能に対応する「詳細」ボタン91C、91Dだけを選択することにより、ユーザが必要とする機能だけに限定して、詳細情報を提供することができるので、ユーザが判断し易い。
【0098】
さらに、PC100は、判別手段S204と報知手段S207とにより、特定の機能を使用するためには更新プログラムD1’がインストールされたことによる再起動を行う必要があるにも関わらず再起動が行われていない場合、再起動を促す報知を行う。このため、更新プログラムD1’のインストール時には、再起動する必要がないとユーザが判断した場合でも、その後、OSの再起動を行う必要がある機能をユーザが選択したタイミングで再起動の必要があることが報知されるため、ユーザは直ちに再起動を行うことができる。
【0099】
また、PC100において、外部装置は、スキャン機能及び印刷機能を含む複数の機能を実行可能な複合機MFP1であり、ソフトウェアプログラムは、MFP1が備える複数の機能の作動を制御するためのMFPドライバD1である。MFPドライバD1は、MFP1の多くの機能について複雑な制御を行うため、修正や改善のための更新が頻繁に行われる。そして、更新内容やユーザの使用状況によっては、OSの再起動を直ちに実行しなくてもよい場合が多い。このため、本発明の作用効果をより確実に享受できる。
【0100】
また、「更新時の再起動要否確認」処理ルーチン(図2に示すステップS101〜S116)及び「各機能使用時の再起動要否確認」処理ルーチン(図3に示すステップS201〜S207)は、PC100に搭載されることにより、上述の作用効果をPC100に奏させることができる。
【0101】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0102】
例えば、上記実施例のように、MFP1のドライバは、複数の機能に関して一つのドライバにまとめられてインストールされる場合に限らず、機能毎にドライバが分割されていて、機能単位でドライバがインストールされる構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は情報処理装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0104】
1…外部装置(複合機(MFP))
D1、A1…ソフトウェアプログラム(D1…デバイスドライバ(複合機のドライバ)、A1…アプリケーションソフトウェア)
100…情報処理装置(PC)
S102…インストール手段
S105…第1判断手段
S106…第2判断手段
S108…第1表示手段
91B、92B…再起動指示部(「再起動する」ボタン)
S114…第1検出手段
S115…実行手段
S104…詳細情報取得手段
S111…第2表示手段
91C、91D…詳細情報指示部(「詳細」ボタン)
S110…第2検出手段
S204…判別手段
S207…報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内部で作動する機能及び/又は外部に接続される外部装置で作動する機能である複数の機能を作動させるためのソフトウェアプログラムを備え、オペレーティングシステム上で前記ソフトウェアプログラムを起動することにより、前記ソフトウェアプログラムに基づく情報処理を行う情報処理装置であって、
前記ソフトウェアプログラムをインストールするインストール手段と、
前記インストール手段によりインストールされたソフトウェアプログラムが前記複数の機能のうちのいずれの機能の作動に関連するものであるかを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段により、関連すると判断された機能のそれぞれについて、前記オペレーティングシステムの再起動の要否を判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段による判断結果に基づいて、前記インストールされたソフトウェアプログラムと関連する機能をユーザが判別可能に表示画面に表示するとともに、前記第2判断手段による判断結果に基づいて、前記インストールされたソフトウェアプログラムと関連する機能のそれぞれについて、前記再起動の要否を前記表示画面に表示する第1表示手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示画面は、ユーザ操作に基づいて、前記再起動を指示するための再起動指示部を有し、
前記第1表示手段による表示後に、前記再起動指示部に対する指示の有無に基づいて、前記再起動の要否を検出する第1検出手段と、
前記第1検出手段により前記再起動が必要であることが検出された場合、前記再起動を実行する実行手段とを備える請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記インストールされたソフトウェアプログラムと関連する機能についての詳細情報を取得する詳細情報取得手段と、
前記詳細情報を前記表示画面に表示する第2表示手段とを備える請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示画面は、ユーザ操作に基づいて、前記詳細情報の表示要求を指示するための詳細情報指示部を有し、
前記第1表示手段による表示後に、前記詳細情報指示部に対する指示の有無に基づいて、前記詳細情報の表示の要否を検出する第2検出手段を備え、
第2表示手段は、前記第2検出手段により前記詳細情報の表示が必要であることが検出された場合、前記詳細情報を表示するものである請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の機能の中から、ユーザにより作動要求のあった特定の機能を判別する判別手段と、
前記判別手段により判別された前記特定の機能を作動させるためには、前記インストール手段により前記ソフトウェアプログラムが新たにインストールされたことによる前記再起動を行う必要があるにも関わらず、前記再起動が行われていない場合、前記再起動を促す報知を行う報知手段とを備える請求項1乃至4のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ソフトウェアプログラムは、前記外部装置の作動を制御するためのデバイスドライバである請求項1乃至5のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記外部装置は、スキャン機能及び印刷機能を含む前記複数の機能を実行可能な複合機であり、
前記デバイスドライバは、前記複合機が備える前記複数の機能の作動を制御するための複合機のドライバである請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
装置内部で作動する機能及び/又は外部に接続される外部装置で作動する機能である複数の機能を作動させるためのソフトウェアプログラムを備え、オペレーティングシステム上で前記ソフトウェアプログラムを起動することにより、前記ソフトウェアプログラムに基づく情報処理を行う情報処理装置に搭載される制御プログラムであって、
前記情報処理装置を、前記ソフトウェアプログラムをインストールするインストール手段と、
前記インストール手段によりインストールされたソフトウェアプログラムが前記複数の機能のうちのいずれの機能の作動に関連するものであるかを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段により、関連すると判断された機能のそれぞれについて、前記オペレーティングシステムの再起動の要否を判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段による判断結果に基づいて、前記インストールされたソフトウェアプログラムと関連する機能をユーザが判別可能に表示画面に表示するとともに、前記第2判断手段による判断結果に基づいて、前記インストールされたソフトウェアプログラムと関連する機能のそれぞれについて、前記再起動の要否を前記表示画面に表示する第1表示手段として機能させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−176517(P2010−176517A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20056(P2009−20056)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】