説明

情報処理装置及び情報処理方法

【課題】表示部に表示された画像の拡大又は縮小表示を迅速かつ簡潔に行うことが可能な情報処理装置及び情報処理方法を提供すること。
【解決手段】画像データに基づいて画面上に画像を表示する表示部124と、接触体と表示部との接触又は近接を検出する接近検出部122と、表示部の画面と平行な面内における表示部の回転を検出する角度検出部106と、接触又は近接が検出されている間、検出された回転の回転角度に応じて、表示部の画面に表示された要素を拡大又は縮小して画面に表示する拡大縮小処理部172とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA等の情報処理装置は、液晶ディスプレイ等の表示装置を介して情報をユーザに提供する。ユーザに提供される情報には、例えば、文字情報や、写真や動画等の画像データがある。また、キーボードやボタン等の操作部材を介してユーザから情報処理装置に各種情報が入力される。
【0003】
表示装置には、液晶ディスプレイなどの表示部の表面に静電容量方式や抵抗膜方式のタッチセンサーを設けるタッチパネル(タッチスクリーン)がある。タッチパネルによれば、表示部の画面に触れることで情報処理装置への情報の入力が可能となり、ユーザが容易に情報処理装置を扱うことができるようになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、情報処理装置が表示装置に写真等の画像を表示する際、情報処理装置はユーザによる操作によって画像を拡大したり縮小したりできる。画像を拡大又は縮小する操作(ズーム操作)は、従来、ズームボタンによる操作や、スライドバーによる操作によって実現される。しかし、通常、ズーム操作が入力されると、表示された画像は、画像の中心を基準として拡大処理又は縮小処理がされる。
【0005】
したがって、画像の中心ではなく、画像の端の方に拡大して注目したい対象が存在するときには、ズーム操作に加えて、画像の移動操作を行う必要があった。画像の移動操作は、十字キーやドラッグアンドドロップによる操作で実現される。例えば、注目したい対象を拡大して、画面の中心に移動させるためには、ズーム操作による拡大表示と、移動操作による注目対象の移動を交互に行っていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、表示部に表示された画像の拡大又は縮小表示を迅速かつ簡潔に行うことが可能な、新規かつ改良された情報処理装置及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、画像データに基づいて画面上に画像を表示する表示部と、接触体と表示部との接触又は近接を検出する接近検出部と、表示部の画面と平行な面内における表示部の回転を検出する角度検出部と、接触又は近接が検出されている間、検出された回転の回転角度に応じて、表示部の画面に表示された要素を拡大又は縮小して画面に表示する拡大縮小処理部とを有する情報処理装置が提供される。
【0008】
上記拡大縮小処理部は、検出された接触又は近接の画面上における位置を基準に、要素を拡大又は縮小してもよい。
【0009】
上記接触又は近接が検出されている間、検出された接触又は近接の位置の変化に応じて、表示部の画面に表示された要素を移動して画面に表示する移動処理部を有してもよい。
【0010】
上記接触又は近接が検出されている間、検出された回転の回転角度に応じて、表示部の画面に表示された要素を回転して画面に表示する回転処理部を有してもよい。
【0011】
上記接近検出部が接触又は近接を検出した後、所定時間経過後に、拡大縮小処理部が要素を拡大又は縮小処理することが可能な拡大縮小モードを開始してもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、表示部が画像データに基づいて画面上に画像を表示するステップと、接近検出部が接触体と表示部との接触又は近接を検出するステップと、表示部の画面と平行な面内における表示部の回転を検出するステップと、拡大縮小処理部が接触又は近接が検出されている間、検出された回転の回転角度に応じて、表示部の画面に表示された要素を拡大又は縮小して画面に表示するステップとを有する情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表示部に表示された画像の拡大又は縮小表示を迅速かつ簡潔に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.一実施形態の構成
2.一実施形態の動作
【0015】
<1.一実施形態の構成>
まず、本発明の一実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理装置100を示すブロック図である。
本実施形態に係る情報処理装置100は、例えば、制御部102と、メモリ104と、ストレージ105と、ジャイロセンサー106と、入力I/F107と、画像信号処理部110と、タッチパネル112と、音声出力I/F116などからなる。
【0016】
情報処理装置100は、例えば、利用者が容易に携帯可能なパーソナルコンピュータ、オーディオプレイヤー、メディアプレイヤー、PDA(personal digital assistant)、携帯電話、デジタルカメラなどである。
【0017】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などが組み合わされて構成されるマイクロコンピュータなどを有する。制御部102は、プログラムによって演算処理装置及び制御装置として機能し、情報処理装置100における上記各構成要素などを制御する。制御部102は、外部からの操作を受け付けるタッチパネル112から信号が入力される。
【0018】
メモリ104は、例えば、RAM、ROM、キャッシュメモリなどの記憶部で構成されており、制御部102のCPUの処理に関するデータ、CPUの動作プログラムなどを一時的に記憶する機能を有する。
【0019】
ストレージ105は、例えば、ハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどであり、データを長期に亘って格納するための記憶部である。ストレージ105は、例えば、音楽データやビデオ、写真などの映像データを記憶する。ストレージ105は、音楽データや映像データを、制御部102におけるデータ受信制御処理、蓄積制御処理を経て記録する。
【0020】
ジャイロセンサー106は、角度検出部の一例であり、タッチパネル112の画面と平行な面内におけるタッチパネル112の回転を検出する。ジャイロセンサー106は、検出された回転角度を制御部102に送る。ジャイロセンサー106は、図3に示すように、情報処理装置100内部に設けられ、タッチパネル112の画面に対して垂直方向を回転軸とする回転を検出する。図3は、本実施形態に係る情報処理装置100の外観を示す斜視図である。なお、本実施形態では、ジャイロセンサー106がタッチパネル112の回転を検出するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、2軸以上の回転を検出できるセンサーを使用してもよいし、加速度センサーを使用してもよい。
【0021】
入力I/F107は、例えば、USB端子、IEEE 1394端子等であり、外部装置と接続可能なインターフェースである。各種データは、入力I/F107を介して、情報処理装置100に各種情報や指令が入力される。
【0022】
画像信号処理部110は、画像信号を復号処理したり、復号処理した画像信号を信号処理したりする。画像信号処理部110は、画像信号について、表示部124の画素数に変換する解像度変換、輝度補正、色補正、ガンマ補正など各種所要の信号処理を実行する。
【0023】
タッチパネル112は、タッチセンサー122と、表示部124などからなり、表示部124の画面上の接触を検知することで、利用者の操作を受け付ける。そして、タッチパネル112は、接触動作や接触位置に応じて、画面に表示された項目を選択したり、画面のスクロール、拡大又は縮小表示など表示を変化させたりする。
【0024】
表示部124は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、表示制御部126によって制御される。表示部124は、データのタイトルなどを表示するメニュー画面や、画像データによる写真や動画等の画像を表示する。表示制御部126は、入力された画像信号を利用して表示部124を駆動する。これによって、表示部124の画面には、画像信号に応じた画像が表示される。表示制御部126は、画像信号処理部110から受けた画像信号の再生処理をする。また、表示制御部126は、表示データの合成処理をして、表示部124で利用者が視聴可能となるデータを生成する。表示制御部126で生成されたデータは、表示部124に出力される。
【0025】
タッチセンサー122は、表示部124上に設けられる面状の透明部材である。タッチセンサー122は、利用者の指やスタイラスペンなどの操作体による接触又は近接(以下、接触及び近接を総称して接触という場合もある。)や、接触位置又は近接位置(以下、接触位置及び近接位置を総称して接触位置という場合もある。)を検出する。タッチセンサー122は接近検出部の一例である。タッチセンサー122によって検出した接触位置と、表示部124に表示された画面とは対応付けされる。タッチパネル112の構成、動作方式には、抵抗膜方式、静電容量方式などがある。タッチパネル112は、通常の技術で実現可能な構成とすることができ、ここでは詳細な説明は省略する。タッチパネル112は、接触位置などに基づいて操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部102に送る。例えば、タッチセンサー122は、接触動作や接触位置に応じて、画面の表示を変化させたり、画面に表示されたカーソルの表示位置を移動させたりする。
【0026】
音声出力I/F116は、例えばフォーンプラグなどの端子であり、ヘッドフォン、スピーカ等の外部装置と接続される。音声出力I/F116は、再生された音声データを外部装置に出力する。
【0027】
次に、本実施形態に係る情報処理装置100の制御部102について説明する。制御部102は、更に拡大縮小処理部172、移動処理部174、回転処理部176などを有する。
【0028】
拡大縮小処理部172は、ジャイロセンサー106で検出された回転角度に応じて、タッチパネル112に表示された写真等の画像、又は文字といった要素を拡大、又は縮小処理する。そして、拡大縮小処理部172は、拡大又は縮小処理した要素をタッチパネル112に表示させる。これにより、写真等の画像、又は文字を通常のサイズより大きく表示したり小さく表示したりできる。拡大縮小処理部172は、回転角度と拡大縮小倍率とを対応付けておいて拡大縮小処理する。例えば、右回転で、回転量に応じて拡大倍率が大きくなるように対応付けし、左回転で、回転量に応じて縮小倍率が小さくなるように対応付けする。
【0029】
移動処理部174は、タッチセンサー122で検出された接触や移動位置に応じて、タッチパネル112に表示された写真等の画像、又は文字といった要素を移動処理する。そして、移動処理部174は、移動処理した要素をタッチパネル112に表示させる。これにより、写真等の画像、又は文字を移動して表示でき、例えば画面から外れて表示できない部分を画面内に移動して表示することができる。
【0030】
回転処理部176は、ジャイロセンサー106で検出された回転角度に応じて、タッチパネル112に表示された写真等の画像、又は文字といった要素を回転処理する。そして、回転処理部176は、回転処理した要素をタッチパネル112に表示させる。これにより、例えば、写真等の画像、又は文字をユーザに対して常に正対するように表示できる。タッチパネル112を画面と平行な面内で回転させると、回転処理しない場合はユーザ側から見たとき画像又は文字が斜めや垂直になる。そこで、回転処理部176がタッチパネル112の回転方向と反対方向に画像又は文字を回転させる回転処理をすることで、ユーザ側から見たとき常に水平となるような表示をすることができる。回転処理部176による回転処理と、拡大縮小処理部172による拡大縮小処理は同時に処理することができ、画像又は文字を回転させながら、拡大又は縮小することができる。
また、回転処理部176は、拡大縮小処理が完了したとき、拡大縮小モードの間、回転処理していた要素を情報処理装置100の画面の水平方向を基準とした方向に回転処理する。これにより、写真又は文字などが画面内で水平になるため、情報処理装置100がもとの向きに戻されたとき、ユーザに対して正対する。
【0031】
<2.一実施形態の動作>
次に、本実施形態に係る情報処理装置100の動作について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理装置100の動作を示すフローチャートである。特に、情報処理装置100が、デジタルカメラ等の携帯可能な機器であり、写真等の対象を拡大して部分的に表示したり、縮小して表示したりする場合について説明する。例えば、デジタルカメラでは、撮影後、撮影した写真の合焦状態の確認や手振れの確認が必要なため、被写体の主要部分を迅速に拡大表示する場合がある。本実施形態は、このような状況で有効である。
【0032】
まず、情報処理装置100において、ユーザによる操作を介して写真閲覧モードが選択され、図4に示すように写真が画面に表示される(ステップS101)。図4は、本実施形態の情報処理装置100に設けられたタッチパネル112を示す正面図である。図4では、タッチパネル112に写真130が表示されている。以下では、写真に対して表示処理する場合について説明するが、本発明は、例えば写真以外の画像、又は文字などに対して表示処理してもよい。
【0033】
次に、拡大又は縮小処理の際の基準点とする点をユーザが指示する。情報処理装置100は、タッチパネル112にユーザの指やスタイラスペンなどで接触又は近接によるポイントがされたか否かを判定する(ステップS102)。ユーザが指示するポイントは、写真の特に注目したい場所であるとよい。そして、ユーザによるポイントがされたときは、情報処理装置100は、拡大縮小モードの開始であるか否かを判定する(ステップS103)。例えば、ユーザによるタッチパネル112への接触又は近接が、所定時間以上継続しているときに拡大縮小モードを開始する。これにより、ユーザによるタッチパネル112への接触又は近接が他の操作(例えば、画面上のボタンの押圧、ドラッグアンドドロップなど)を意図している場合と区別することができる。
【0034】
情報処理装置100が、拡大縮小モードの開始であると判定したときは、拡大縮小モードに移行する。このとき、例えば、図5に示すように、画面上のポイントされた場所にカーソル140を表示するとよい。図5のカーソル140は、拡大縮小モードの状態にあることを示し、ポイントされた場所を基準に、右回転で拡大(ズームイン)処理がされ、左回転で縮小(ズームアウト)処理がされることを示している。図5は、本実施形態の情報処理装置100に設けられたタッチパネル112を示す正面図である。図5では、ユーザの指10がタッチパネル112を指示している様子が示されており、タッチパネル112に、写真130及び写真130上に重畳したカーソル140が表示されている。
【0035】
一方、例えば、ユーザによるタッチパネル112への接触又は近接が、所定時間未満であり、他の操作が行われたときは、拡大縮小処理以外の処理が行われる(ステップS109)。
【0036】
拡大縮小モードが開始した後、ユーザによるタッチパネル112への接触又は近接が継続している間に、ユーザが情報処理装置100自体をタッチパネル112の画面と平行な面内で回転することで、画面上の写真が拡大又は縮小表示される。このとき、情報処理装置100に設けられたジャイロセンサー106が検出した回転(回転角度)の変化量に応じて、写真の拡大縮小処理がされる(ステップS104)。回転が検出されると、ポイントされた場所を基準に、右回転で拡大(ズームイン)処理がされ、左回転で縮小(ズームアウト)処理がされる。このとき、基準点は、拡大縮小処理によって移動しない。
【0037】
情報処理装置100において右回転がされると、図4及び図5に示した写真130が、図6に示すように拡大された写真132がタッチパネル112上で表示される。図6は、本実施形態の情報処理装置100に設けられたタッチパネル112を示す正面図である。図6では、ユーザの指10がタッチパネル112を指示している様子が示されており、タッチパネル112に、拡大された写真132及び写真132上に重畳したカーソル140が表示されている。
【0038】
なお、回転に応じた拡大縮小処理は、限定値を接触してもよい。即ち、画像を拡大処理できる範囲、又は縮小処理できる範囲を設定してもよい。
【0039】
次に、拡大縮小モードの継続中に、ユーザによるタッチパネル112への接触又は近接が継続している間に、ユーザが指10をドラッグすることで、写真全体を指10の動きに合わせて移動する。情報処理装置100は、タッチパネル112への接触又は近接を検出しており、ユーザによってポイントされた位置の変化に応じた写真の移動処理をする(ステップS105)。
【0040】
情報処理装置100のタッチパネル112上において、指10による接触位置が変化されると、図6に示した拡大後の写真132が、図7に示すように移動して写真134がタッチパネル112上で表示される。図7は、本実施形態の情報処理装置100に設けられたタッチパネル112を示す正面図である。図7では、ユーザの指10がタッチパネル112を指示している様子が示されており、タッチパネル112に、移動された写真134及び写真134上に重畳したカーソル140が表示されている。
【0041】
拡大縮小モードが開始した後、ユーザによる接触又は近接が継続している間は、移動処理がされたとしても、カーソル140を継続して表示する。そして、移動先で更にユーザが情報処理装置100を回転させて、写真134を更に拡大又は縮小させることもできる。情報処理装置100は、タッチパネル112上のユーザによるポイントがリリースされたか否かを判定する(ステップS106)。リリースされるまでは、写真の拡大縮小処理、又は移動処理を繰り返すことができる。
【0042】
ポイントがリリースされたときは、図3に示すように、拡大縮小処理、又は移動処理後の写真136がタッチパネル112上で表示される(ステップS107)。図3では、図6に示す拡大処理後の写真132や図7に示す移動処理後の写真134が表示されたあと、ユーザによって情報処理装置100の向きが元に戻され、最終的に拡大縮小処理、又は移動処理された写真136が示されている。
【0043】
処理後の写真が表示された後は、情報処理装置100は写真閲覧モードで表示処理が終了したか否かを判定している(ステップS108)。表示処理が終了するまでは、更にタッチパネル112上でのユーザによるポイントを受け付け、再び拡大縮小処理などの表示処理が可能である。
【0044】
なお、上記実施形態では、情報処理装置100の回転と共に、タッチパネル112上の表示内容(写真等)が使用者から見て回転する。即ち、タッチパネル112を画面と平行な面内で回転させると、表示内容に対して回転処理しない場合はユーザ側から見たとき画像又は文字が斜めや垂直になる。そこで、情報処理装置100の回転処理部176がタッチパネル112の回転方向と反対方向に画像又は文字を回転させる回転処理をすることで、ユーザ側から見たとき常に水平となるような表示をすることができる。図8は、図5に示した写真130に対して拡大処理しながら、ユーザに正対する方向に回転処理した写真150を示す。
【0045】
そして、ステップS106でユーザによるポイントがリリースされて、拡大縮小処理が完了したとき、拡大縮小モードの間、回転処理していた表示内容を情報処理装置100の画面の水平方向を基準とした方向に回転処理する。これにより、図3に示すように写真136又は文字などが画面内で水平になるため、情報処理装置100がもとの向きに戻されたとき、ユーザに対して正対する。
【0046】
なお、情報処理装置100が、回転処理部176がタッチパネル112の回転方向と反対方向に画像又は文字を回転させる回転処理をする際、情報処理装置100がもとの向きに戻されたときの写真のサイズを図8に示すようにユーザに示してもよい。図8は、本実施形態の情報処理装置100に設けられたタッチパネル112を示す正面図である。図8では、ユーザの指10がタッチパネル112を指示している様子が示されており、タッチパネル112に、拡大処理及び回転処理された写真150及び写真150上に重畳したカーソル140が表示されている。
【0047】
そして、タッチパネル112上には、写真閲覧モードにおける枠152A,152B,152C,152Dが表示される。そして、回転処理された写真150にも枠154A,154B,154C,154Dが表示される。これにより、ステップS106でユーザによるポイントがリリースされて、拡大縮小処理が完了し、図3に示すように写真136が画面内で水平になったときの写真の位置や相対的な大きさが明らかになる。
【0048】
従来、画像の拡大処理では、画像の中心を基準に拡大処理されていたため、写真における任意の点(中心以外、例えば写真の端に近い部分等)を基準に拡大処理する場合、拡大処理及び移動処理について複数のステップが必要であった。一方、本実施形態によれば、タッチパネル112への指示、及び情報処理装置100自体の回転という2つのステップで拡大処理をすることができる。その結果、任意の点を基準にした、画像の拡大又は縮小処理を迅速かつ簡潔にすることができる。
【0049】
上述した操作は、カメラにおける写真撮影時のレンズのズーム操作を連想させる操作であり、直感的にユーザは拡大縮小処理について操作できる。また、情報処理装置100に設けられたタッチパネル112のみで行う操作であるため、情報処理装置100に別途ボタンを配置する必要がないため、情報処理装置100の小型化を図ることができる。更に、タッチパネル112の画面上にカーソル140以外の表示を別途表示する必要がない。従って、GUI(グラフィックユーザインターフェース)においても、写真をメインに表示することができ、シンプルかつ美しい表示が可能となる。
【0050】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】同実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図である。
【図4】同実施形態の情報処理装置に設けられたタッチパネルを示す正面図である。
【図5】同実施形態の情報処理装置に設けられたタッチパネルを示す正面図である。
【図6】同実施形態の情報処理装置に設けられたタッチパネルを示す正面図である。
【図7】同実施形態の情報処理装置に設けられたタッチパネルを示す正面図である。
【図8】同実施形態の情報処理装置に設けられたタッチパネルを示す正面図である。
【符号の説明】
【0052】
100 情報処理装置
102 制御部
104 メモリ
105 ストレージ
106 ジャイロセンサー
107 入力I/F
110 画像信号処理部
112 タッチパネル
116 音声出力I/F
122 タッチセンサー
124 表示部
126 表示制御部
172 拡大縮小処理部
174 移動処理部
176 回転処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて画面上に画像を表示する表示部と、
接触体と前記表示部との接触又は近接を検出する接近検出部と、
前記表示部の画面と平行な面内における前記表示部の回転を検出する角度検出部と、
前記接触又は近接が検出されている間、検出された前記回転の回転角度に応じて、前記表示部の画面に表示された要素を拡大又は縮小して前記画面に表示する拡大縮小処理部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記拡大縮小処理部は、検出された前記接触又は近接の前記画面上における位置を基準に、前記要素を拡大又は縮小する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記接触又は近接が検出されている間、検出された前記接触又は近接の位置の変化に応じて、前記表示部の画面に表示された要素を移動して前記画面に表示する移動処理部を有する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記接触又は近接が検出されている間、検出された前記回転の回転角度に応じて、前記表示部の画面に表示された要素を回転して前記画面に表示する回転処理部を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記接近検出部が前記接触又は近接を検出した後、所定時間経過後に、前記拡大縮小処理部が前記要素を拡大又は縮小処理することが可能な拡大縮小モードを開始する、請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
表示部が画像データに基づいて画面上に画像を表示するステップと、
接近検出部が接触体と前記表示部との接触又は近接を検出するステップと、
前記表示部の画面と平行な面内における前記表示部の回転を検出するステップと、
拡大縮小処理部が前記接触又は近接が検出されている間、検出された前記回転の回転角度に応じて、前記表示部の画面に表示された要素を拡大又は縮小して前記画面に表示するステップと、
を有する、情報処理方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−55511(P2010−55511A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221859(P2008−221859)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】