説明

情報処理装置

【課題】例えば、挿入口が待機時に常に塞がれる情報処理装置であっても、記録媒体を収容する際の操作を減らすことができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置としてのCDチェンジャ1はCD2を機器本体3に出し入れするディスク搬送部4とCD2を機器本体3に出し入れする際にCD2が通る挿入口31を開閉するとともにディスク搬送部4がCD2を出し入れする時のみ挿入口31を開放する開閉部17とを備えている。ディスク搬送部4を開閉部17よりも機器本体3の外側に配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器本体に記録媒体を出し入れする挿入口を開閉する開閉部を備えた情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のインストルメントパネルには、記録媒体としてのコンパクトディスク(以下、CDと記す)を複数枚収容して、これら複数のCDのうちの任意の一枚のCDの情報を再生する情報処理装置としてのCDチェンジャ(例えば、特許文献1参照)が取り付けられることがある。
【0003】
この種のCDチェンジャは、機器本体と、この機器本体に設けられた挿入口を開閉する開閉部と、開閉部よりも機器本体の内側に配置されてこの機器本体にCDを出し入れする搬送部と、機器本体内に収容された複数のCDのうち任意の一つのCDから情報を読み出して再生する再生部と、を備えている。
【0004】
前述した従来のCDチェンジャは、機器本体内に過度の枚数のCDが挿入されることを防止するために、開閉部が、CDを出し入れする時のみ挿入口を開放し、CDを出し入れしない時には挿入口を塞ぐ。即ち、従来のCDチェンジャは、その待機時には、挿入口 を常に塞いでおく。
【特許文献1】特開2005−276356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献1に示されたCDチェンジャは、開閉部が、CDを出し入れする時以外即ち待機時では、常に挿入口を塞いでいる。このため、特許文献1に示されたCDチェンジャは、CDを機器本体内に収容するための専用のスイッチを設けて、当該スイッチを操作された後に、開閉部が挿入口を開放するようになっている。
【0006】
よって、前述した特許文献1に示されたCDチェンジャは、CDを直接挿入口に挿入して、当該CDの収容動作を開始することができない。したがって、CDチェンジャ内にCDを収容する際には、必ず、前述したスイッチを操作する必要が生じて、使用者の手間が増加してしまう。
【0007】
したがって、本発明の目的は、例えば、挿入口が待機時に常に塞がれる情報処理装置であっても、記録媒体を収容する際の操作を減らすことができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の情報処理装置は、記録媒体を機器本体に出し入れする搬送部と、記録媒体を機器本体に出し入れする際に前記記録媒体が通る挿入口を開閉するとともに、前記搬送部が記録媒体を出し入れする時のみ前記挿入口を開放する開閉部と、を備えた情報処理装置において、前記搬送部を前記開閉部よりも機器本体の外側に配置したことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明における情報処理装置の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態にかかる情報処理装置は、搬送部を開閉部よりも機器本体の外側に配置したので、開閉部が挿入口を塞いだ状態であっても、搬送部に記録媒体を挿入することを可能としている。このため、搬送部に記録媒体が挿入されたことを検出すると、開閉部が挿入口を開放するようにすることで、記録媒体を搬送部に挿入することのみによって、当該記録媒体を機器本体内に収容することができるようにしたものである。こうすることで、挿入口が待機時に常に塞がれる情報処理装置であっても、記録媒体を搬送部に挿入することのみによって当該記録媒体を機器本体内に収容でき、記録媒体を収容する際の操作を減らすことを可能としている。
【0010】
また、本発明の情報処理装置は、搬送部の一対の挟持部材間に記録媒体を挿入することを可能とし、これら一対の挟持部材間に記録媒体が挿入されたことを検出する検出手段と、検出手段が一対の挟持部材間に記録媒体が挿入されたことを検出すると開閉部に挿入口を開放させかつ搬送部に出し入れを行わせる制御手段とを備えても良い。
【0011】
この場合、記録媒体を搬送部に挿入することのみによって、当該記録媒体を機器本体内に収容することができるようになり、挿入口が待機時に常に塞がれる情報処理装置であっても、記録媒体を搬送部に挿入することのみによって当該記録媒体を機器本体内に収容でき、記録媒体を収容する際の操作を減らすことが確実に可能となる。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の一実施例にかかる情報処理装置の一例としてのCDチェンジャ1を、図1ないし図5に基づいて説明する。図1などに示すCDチェンジャ1は、自動車などの移動体に装備されて、記録媒体としてのCD2(図2などに示す)を複数収容して、これらのCD2から任意のCD2に記録された情報を読み出(再生)して、音声として出力する装置である。CD2は、勿論、円板状即ちディスク状に形成されており、コンピュータなどの電子機器で読みとることのできる情報を記録した記録媒体である。
【0013】
CDチェンジャ1は、図2に示すように、機器本体3(図1に示す)と、図示しない操作部と、開閉部17(図4及び図5に示す)と、搬送部としてのディスク搬送部4と、内側搬送部15と、ディスク再生部5と、ディスク収容部6と、ディスク移動機構7と、制御手段としてのマイクロプロセッサ(MPU)16(図4に示す)と、を備えている。なお、以下、図2中の矢印XをCDチェンジャ1の幅方向と記し、矢印YをCDチェンジャ1の奥行き方向と記し、矢印ZをCDチェンジャ1の厚み方向と記す。
【0014】
機器本体3は、合成樹脂からなる挿入口10を備えた図1に示す外側ケース8と、板金などからなる図2などに示す固定シャーシ9などを備えている。外側ケース8は、扁平な箱状に形成されている。外側ケース8には、CD2を出し入れ可能な挿入口10が設けられている。挿入口10は、外側ケース8の外壁を貫通している。挿入口10は、内側にCD2を通すことができる。挿入口10は、横長の扁平な孔である。挿入口10と後述の挿入口31を通して、前記CD2は、外側ケース8即ち機器本体3内に収容されたり、該機器本体3内から排出される。
【0015】
固定シャーシ9は、外側ケース8内に収容されているとともに、該外側ケース8に固定されている。固定シャーシ9は、図2に示すように、板状の底板11と、この底板11の外縁から立設した周板12とを備えている。底板11は、外側ケース8の図1中下側に位置する壁上に重ねられている。
【0016】
操作部は、機器本体3と別体でかつこの機器本体3に接続している。操作部は、CDチェンジャ1の使用者により押圧されるなどして操作される。操作部は、使用者に操作されることで、挿入口10を通して機器本体3内に挿入されるCD2を保持する後述のホルダ19を設定するために用いられる。操作部は、使用者に操作されることで、挿入口10を通して機器本体3外に排出されるCD2を保持したホルダ19を設定するために用いられる。操作部は、使用者に操作されることで、複数のホルダ19に保持されたCD2のうち情報を読み出すCD2を設定するために用いられる。
【0017】
開閉部17は、CD2を機器本体3の内外に搬送する際に、内側にCD2を通す前述した挿入口10と後述の移動部材としての移動シャッタ28に設けられた挿入口31を開閉する。この開閉部17の詳細な構成は、後ほど、説明する。
【0018】
ディスク搬送部4は、機器本体3の外側ケース8内に収容され、かつ固定シャーシ9外に配置されており、後述の内側搬送部15と協働して、機器本体3の内外にCD2を搬送する。ディスク搬送部4の詳細な構成は、後ほど、説明する。
【0019】
内側搬送部15は、機器本体3の固定シャーシ9内に収容され、図2に示すように、ローラアーム13と、ローラ14とを備えている。ローラアーム13は、板金などからなり、長手方向が機器本体3の幅方向Xに沿った帯状に形成されている。ローラアーム13は、挿入口10の近傍に配され、機器本体3の固定シャーシ9に取り付けられている。
【0020】
ローラ14は、ローラアーム13に軸芯周りに回転自在に支持されている。ローラ14の軸芯即ち長手方向は、CDチェンジャ1の幅方向Xに沿っている。ローラ14は、外周面に挿入口10内を通されるCD2が接触する。ローラ14の端部には、当該ローラ14と一体に回転自在な伝達歯車20が取り付けられている。この伝達歯車20には、複数の歯車21を介して固定シャーシ9に固定されたモータ22の駆動力が伝達される。ローラ14は、複数の歯車21及び伝達歯車20などを介して伝達されたモータ22の駆動力により、軸芯周りに回転される。ローラ14の外周面にCD2が接触し、ローラ14がモータ22により回転駆動されることで、ディスク搬送部4は、挿入口10,31内にCD2を通す。ディスク搬送部4は、挿入口10,31内にCD2を通すことで、CD2を機器本体3の内外に搬送する(出し入れする)。
【0021】
ディスク再生部5は、機器本体3内に収容されており、移動シャーシと、この移動シャーシに揺動自在に支持された揺動シャーシと、クランプ再生部とを備えている。移動シャーシは、枠状に形成され、厚み方向Z即ちCD2同士が重ねられる方向に沿って移動自在に固定シャーシ9に支持されている。
【0022】
揺動シャーシは、帯板状に形成されている。揺動シャーシは、一端部を中心として回動自在に移動シャーシに支持されている。揺動シャーシは、一端部を中心として回動することで、ディスク収容部6に収容される複数のCD2間に他端部が侵入する状態と、ディスク収容部6に収容される複数のCD2間から他端部が抜け出る状態とに亘って変位自在になっている。
【0023】
クランプ再生部は、揺動シャーシ上に設けられている。クランプ再生部は、CD2をクランプするターンテーブルと、当該ターンテーブルを回転するスピンドルモータと、ターンテーブルにクランプされたCD2の径方向に移動自在でかつCD2からの情報を読み出すピックアップなどを備えている。クランプ再生部は、揺動シャーシの他端部がCD2間に侵入して、ターンテーブルが該CD2をクランプして、スピンドルモータが当該CD2を回転する。そして、クランプ再生部は、ターンテーブルが回転しているCD2からピックアップが情報を読み出す。
【0024】
ディスク再生部5は、揺動シャーシの他端部がCD2間に侵入して、ターンテーブルがCD2をクランプするとともに、ターンテーブルがCD2を回転する。ディスク再生部5は、ピックアップが、ターンテーブルにより回転されたCD2から情報を読み出す。
【0025】
ディスク収容部6は、機器本体3内に収容されており、図2に示すように、移動シャーシ18と、複数の保持部材としてのホルダ19とを備えている。移動シャーシ18は、板金などからなり、板状に形成されている。移動シャーシ18は、固定シャーシ9の底板11と間隔をあけて平行に配されている。移動シャーシ18は、固定シャーシ9の底板11との間にディスク再生部5を位置付けることが可能である。移動シャーシ18は、前述した厚み方向Z即ちCD2同士が重ねられる方向に沿って移動自在に固定シャーシ9の周板12などに支持されている。
【0026】
ホルダ19は、合成樹脂からなり、板状に形成されている。ホルダ19の平面形状は、C字状に形成されている。ホルダ19は、底板11と移動シャーシ18との双方と平行な状態で、図示せぬ円柱カムに支持されている。ホルダ19は、そのC字状に形成された開口部が挿入口10と相対する状態に配されている。
【0027】
ホルダ19は、挿入口10を通して機器本体3に挿入されたCD2が、開口部を通して内側に侵入することで、このCD2を保持する。複数のホルダ19は、各々が保持するCD2の表面が互いに平行になるように、互いに重ねられて配されている。ホルダ19は、前記厚み方向Zに沿って移動自在に移動シャーシ18などに支持されている。ディスク収容部6は、CD2を保持可能な複数のホルダ19を積層配列して収容する。
【0028】
ディスク移動機構7は、機器本体3内に収容されており、ディスク再生部5とディスク収容部6の双方の移動シャーシ18を厚み方向Zに沿って移動させるとともに、ディスク収容部6の各ホルダ19を厚み方向Zに沿って移動させる。ディスク移動機構7は、機器本体3内のCD2から情報を読み出す際には、ディスク収容部6の移動シャーシ18を底板11から最も遠ざけて即ち最も上昇させて、ディスク再生部5の移動シャーシを厚み方向Zに沿って移動させる。そして、ディスク移動機構7は、ディスク収容部6のホルダ19を厚み方向Zに沿って移動させて、一つのCD2を保持したホルダ19を他のホルダ19から遠ざけて、これらのホルダ19間に揺動シャーシの他端部を侵入させて、ディスク再生部5のクランプ再生部に前述した一つのCD2から情報を読み出させる。
【0029】
ディスク移動機構7は、機器本体3の内外にCD2を出し入れする際には、ディスク再生部5の移動シャーシを底板11に最も近づけて即ち最も降下させて、ディスク収容部6の移動シャーシ18を厚み方向Zに沿って移動させる。そして、ディスク移動機構7は、ディスク収容部6のホルダ19を厚み方向Zに沿って移動させて、機器本体3に挿入されたCD2を保持する又は保持したCD2を機器本体3外に排出する一つのホルダ19を他のホルダ19から遠ざけるとともに、この一つのホルダ19をディスク搬送部4の後述のローラアーム13とディスクガイド40との間と奥行き方向Yに沿って並ぶ位置に位置付けて、機器本体3に挿入されたCD2を前述した一つのホルダ19に保持させたり、前述した一つのホルダ19に保持されたCD2を機器本体3外に排出させる。
【0030】
開閉部17は、図4及び図5に示すように、固定部材としての固定シャッタ27と、移動部材としての移動シャッタ28と、スライド案内手段としてのスライド案内部29と、スライド駆動部30とを備えている。
【0031】
固定シャッタ27は、板金からなり矩形状の平板に形成されている。固定シャッタ27は、固定シャーシ9の図4中の幅方向Xの両端に位置する周板12と一体に連なっている。このため、固定シャッタ27は、機器本体3に固定されている。固定シャッタ27は、その長手方向が機器本体3の幅方向Xと平行な状態に配されている。固定シャッタ27は、前述した挿入口10が設けられた外側ケース8の外壁の内側に配され、該外壁に重ねられている。固定シャッタ27は、挿入口10より図1中の上方に配されている。固定シャッタ27は、移動シャッタ28を移動自在に設けている。
【0032】
移動シャッタ28は、板金からなり矩形状の平板に形成されている。移動シャッタ28は、スライド案内部29などにより、固定シャッタ27に対し移動自在に支持されている。移動シャッタ28は、その長手方向が機器本体3の幅方向Xと平行な状態に配されている。移動シャッタ28は、図4中の上方に位置する縁部が前記固定シャッタ27に重ねられ、固定シャッタ27より機器本体3の内側に配されている。このため、固定シャッタ27と移動シャッタ28とは、重ねられて配置されている。また、移動シャッタ28には、内側にCD2を通すことのできる挿入口31が設けられている。挿入口31は、勿論、移動シャッタ28を貫通して、CD2を機器本体3に出し入れする際に、内側にCD2が通る。
【0033】
さらに、移動シャッタ28には、後述のモータ36によりスライド移動する移動アーム37(図4などに示す)の一端部37a(図4などに示す)が係止している。移動シャッタ28は、モータ36の駆動力により移動アーム37がスライド移動すると、挿入口10,31の長手方向(矢印X方向)即ちこれらの挿入口10,31内に通されるCD2の表面即ち幅方向Xに沿って移動する。
【0034】
スライド案内部29は、一対の突起32と、一対の孔33とを備えている。一対の突起32は、それぞれ、移動シャッタ28に設けられている。突起32は、移動シャッタ28の固定シャッタ27と重なる縁部に設けられている。一対の突起32は、移動シャッタ28の長手方向の両端部即ち移動シャッタ28の機器本体3の幅方向Xの両端部に設けられている。一対の突起32は、互いの間に前述した挿入口31を位置付けている。突起32は、移動シャッタ28から固定シャッタ27に向かって凸に形成されている(突出している)。
【0035】
一対の孔33は、それぞれ、固定シャッタ27に設けられている。孔33は、勿論、固定シャッタ27を貫通している。一対の孔33は、固定シャッタ27の長手方向の両端部即ち固定シャッタ27の機器本体3の幅方向Xの両端部に設けられている。一対の孔33内には、移動シャッタ28に設けられた突起32が侵入する。
【0036】
孔33は、平行部34と、傾斜部35とを備えている。平行部34は、機器本体3の幅方向X即ち挿入口10,31内に通されるCD2の表面に沿って直線状に延びている。傾斜部35は、平行部34に連なり、該平行部34から移動シャッタ28の固定シャッタ27から露出した縁部に向かって延びている。即ち、傾斜部35は、後述の開放位置で、平行部34から移動シャッタ28の挿入口31に向かって延びている。こうして、傾斜部35は、機器本体3の幅方向X即ち挿入口10,31内を通されるCD2の表面と、該CD2の表面に対し直交する方向と、の双方に対し交差する方向に沿って直線状に延びている。
【0037】
前述したスライド案内部29は、孔33内に突起32を位置付けることで、図4に示す閉鎖位置と、図5に示す開放位置とに亘って、移動シャッタ28が移動するように案内する。このため、移動シャッタ28は、前述した閉鎖位置と開放位置とに亘って、移動自在である。
【0038】
閉鎖位置では、突起32は、平行部34又は傾斜部35の平行部34寄りの端に位置している。閉鎖位置では、移動シャッタ28と固定シャッタ27との重なる部分が大きくなって(即ち、移動シャッタ28が固定シャッタ27寄りに位置して)、移動シャッタ28に設けられた挿入口31は、固定シャッタ27により塞がれている。即ち、閉鎖位置では、挿入口31は、塞がれている。
【0039】
前述したように閉鎖位置では、突起32が平行部34又は傾斜部35の平行部34寄りの端に位置しているので、スライド案内部29は、移動シャッタ28が機器本体3の幅方向X即ち挿入口10,31内を通されるCD2の表面に沿って移動することを許容し、移動シャッタ28が機器本体3の幅方向即ち挿入口10,31内を通されるCD2の表面に対し交差する方向に沿って移動することを規制する。
【0040】
開放位置では、突起32は、傾斜部35の中央部に位置している。開放位置では、移動シャッタ28と固定シャッタ27との重なる部分が小さくなって(即ち、移動シャッタ28が固定シャッタ27から離れて)、移動シャッタ28に設けられた挿入口31は、固定シャッタ27により塞がれることなく、開放されている。即ち、開放位置では、挿入口31は、開放されている。
【0041】
また、開放位置では、移動シャッタ28に設けられた挿入口31は、機器本体3の外側ケース8の外壁に設けられた挿入口10と重なる(連なる)。前述した閉鎖位置では突起32が平行部34又は平行部34の傾斜部35寄りの端に位置し、開放位置では突起32が傾斜部35の中央部に位置するので、移動シャッタ28が閉鎖位置と開放位置とに亘って移動する際に、突起32は、傾斜部35内に位置する。
【0042】
スライド駆動部30は、駆動源としてのモータ36と、移動アーム37とを備えている。モータ36は、機器本体3の固定シャーシ9に固定されている。移動アーム37は、移動シャッタ28の内側に重ねられて、幅方向Xに沿ってスライド自在に設けられている。移動アーム37は、その一端部37aが移動シャッタ28に係止し、他端部にモータ36の出力軸に取り付けられたピニオンと噛み合うラック部37bが設けられている。スライド駆動部30は、モータ36の駆動力によって、移動アーム37を幅方向Xに沿ってスライドさせて、移動シャッタ28を閉鎖位置と開放位置とに亘って、移動させる。
【0043】
前述した開閉部17は、機器本体3内にCD2を挿入する際又は機器本体3内のCD2を機器本体3外に排出する際(CD2を機器本体3に出し入れする時のみ)に、移動シャッタ28を開放位置に位置付けて、挿入口10,31を開放する。前述した開閉部17は、機器本体3内のCD2を再生する際、待機時などには、移動シャッタ28を閉鎖位置に位置付けて、挿入口10,31を閉鎖する(閉じる)。また、開閉部17は、モータ36の駆動力により移動アーム37がスライド移動して、移動シャッタ28が機器本体3の幅方向X即ち挿入口10,31内を通されるCD2の表面に沿って移動することで、移動シャッタ28が前述した閉鎖位置と開放位置とに亘って移動する。
【0044】
ディスク搬送部4は、図3及び図4に示すように、搬送部本体としての本体シャーシ38と、挟持部材としてのローラアーム39と、挟持部材としてのディスクガイド40と、伝達歯車41とを備えている。
【0045】
本体シャーシ38は、板金で構成されて、固定シャッタ27の外面に取り付けられている。本体シャーシ38即ちディスク搬送部4は、開閉部17よりも固定シャーシ9の外側に位置付けられている。
【0046】
ローラアーム39は、板金などからなり、長手方向が機器本体3の幅方向Xに沿った帯状に形成されている。ローラアーム39は、挿入口31の近傍に配され、奥行き方向Yの機器本体3の奥寄りの一端部を中心として、本体シャーシ38に幅方向X回りに回転自在に支持されている。ローラアーム39は、その他端部に搬送ローラ42を回転自在に支持している。
【0047】
搬送ローラ42は、その軸芯が幅方向Xと平行に配置され、ローラアーム39の他端部に軸芯周りに回転自在に支持されている。搬送ローラ42の図4中手前側の端部には、ローラ駆動用の歯車43が同軸的に固定されている。搬送ローラ42は、外周面に機器本体3に出し入れされるCD2が接触する。また、搬送ローラ42は、当該搬送ローラ42即ちローラアーム39の他端部をディスクガイド40に向かって付勢するコイルばね44が取り付けられている。即ち、このコイルばね44は、搬送ローラ42即ちローラアーム39とディスクガイド40とを互いに近づける方向に付勢する付勢手段となっている。
【0048】
ディスクガイド40は、CD2との摩擦係数の小さな合成樹脂で構成され、帯板状に形成されている。ディスクガイド40は、その長手方向が幅方向Xと平行に配置され、かつ本体シャーシ38に固定されている。ディスクガイド40は、コイルばね44によって搬送ローラ42が付勢されることで、表面上に位置付けるCD2を搬送ローラ42との間に挟みこむ。
【0049】
伝達歯車41は、固定シャッタ27に回転自在に支持され、内側搬送部15のローラ の端部に取り付けられた伝達歯車20と、搬送ローラ42の端部に取り付けられたローラ駆動用の歯車43との双方と噛み合っている。
【0050】
前述した構成によれば、ディスク搬送部4は、搬送ローラ42即ちローラアーム39とディスクガイド40との間にCD2を挟み込んで、モータ22の駆動力により搬送ローラ42が回転されて、当該CD2を機器本体3に出し入れする。こうして、ディスク搬送部4は、内側搬送部15と協働して、CD2を機器本体3に出し入れする。
【0051】
また、ディスク搬送部4は、検出手段としての検出部45を備えている。検出部45は、図4に示すように、一対の検知ピン46と、検出スイッチ47とを備えている、一対の検知ピン46は、幅方向Xに沿って互いに間隔をあけて配置され、各々がディスクガイド40に幅方向Xに沿って移動自在に設けられている。また、検知ピン46は、ディスクガイド40と搬送ローラ42との間に挿入されたCD2の外縁と接触する。
【0052】
一対の検知ピン46は、図示しない付勢手段によって、互いに近づく方向に付勢されている。このため、一対の検知ピン46は、ディスクガイド40と搬送ローラ42との間にCD2が挿入されると、当該CD2の外縁に押圧されて、互いに離れる方向に移動する。
【0053】
検出スイッチ47は、ディスクガイド40に設けられ、一対の検知ピン46がディスクガイド40と搬送ローラ42との間にCD2が挿入されたときと同様に互いに離れると、検知ピン46によってオンされて、ディスクガイド40と搬送ローラ42との間にCD2が挿入されたことを検出する。検出スイッチ47は、ディスクガイド40と搬送ローラ42との間にCD2が挿入されたことをMPU16に向かって出力する。
【0054】
このように、検出部45は、検出スイッチ47がディスクガイド40と搬送ローラ42との間にCD2が挿入されたことを検出する。
【0055】
MPU16は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)と、CPUのためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROMと、各種のデータを格納するとともにCPUの処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM等を有して構成しており、MPU16には、検出部45の検出スイッチ47と、モータ22,36、ディスク移動機構7などが電気的に接続されて、ディスク搬送部4及び開閉部17等即ちCDチェンジャ1全体の制御をつかさどる。
【0056】
MPU16は、CDチェンジャ1の待機時やCD2に記憶された情報の再生時には、モータ36を制御して、開閉部17に挿入口31を閉じさせておく(即ち、移動シャッタ28を前述した閉鎖位置に位置付けておく)。このように、CDチェンジャ1は、その待機時に常に挿入口10,31を閉じておく。さらに、MPU16は、CDチェンジャ1の待機時やCD2に記憶された情報の再生時には、モータ22を停止して、搬送ローラ42及びローラ14を停止させておく。
【0057】
そして、CDチェンジャ1の待機時に、MPU16は、検出部45の検出スイッチ47がディスクガイド40と搬送ローラ42との間にCD2が挿入されたことを検出し、ホルダ19に空きがあると(CD2を保持していないホルダ19が存在すると)、ディスク移動機構7にこのCD2を保持していないホルダ19を挿入口10,31と奥行き方向Yに並ぶ位置に位置付けさせ、モータ22を駆動して、CD2を機器本体3に収容する方向に搬送ローラ42及びローラ14を回転させて、ディスク搬送部4にCD2の出し入れを行わせる。そして、ディスクガイド40と搬送ローラ42との間に挟まれたCD2が移動シャッタ28に当接すると、MPU16が、モータ36を駆動して、移動シャッタ28を移動させて、開閉部17に挿入口31を開放させる(即ち、移動シャッタ28を前述した開放位置に位置付ける)。すると、ディスクガイド40と搬送ローラ42との間に挿入されたCD2が挿入口31を通って、機器本体3内に収容されて、前述したホルダ19に保持される。
【0058】
そして、前述したMPU16は、操作部からの命令とおりに、ディスク再生部5及びディスク移動機構7などを制御して、所望のCD2の所望のプログラムを再生する。さらに、前述したMPU16は、操作部からの命令とおりに、ディスク移動機構7、内側搬送部15、開閉部17及びディスク搬送部4などを制御して、所望のホルダ19に保持されたCD2を機器本体3外に排出する。
【0059】
本実施例によれば、ディスク搬送部4を開閉部17よりも機器本体3の固定シャーシ9の外側に配置したので、開閉部17が挿入口31を塞いだ状態であっても、ディスク搬送部4にCD2を挿入することが可能である。このため、ディスク搬送部4にCD2が挿入されたことを検出すると、開閉部17が挿入口31を開放してディスク搬送部4に出し入れを行わせることで、CD2をディスク搬送部4に挿入することのみによって、当該CD2を機器本体3内に収容することができる。したがって、挿入口31が待機時に常に塞がれるCDチェンジャ1であっても、CD2をディスク搬送部4に挿入することのみによって、当該CD2を機器本体3内に収容でき、CD2を収容する際の操作を減らすことが可能となる。
【0060】
また、本発明のCDチェンジャ1は、ディスク搬送部4のローラアーム39即ち搬送ローラ42とディスクガイド40との間にCD2を挿入することを可能とし、これらの搬送ローラ42とディスクガイド40との間にCD2が挿入されたことを検出する検出部45と、検出部45が搬送ローラ42とディスクガイド40との間にCD2が挿入されたことを検出すると開閉部17に挿入口31を開放させかつディスク搬送部4に出し入れを行わせるMPU16を備えている。
【0061】
このため、CD2をディスク搬送部4に挿入することのみによって、当該CD2を機器本体3内に確実に収容できるようになり、挿入口31が待機時に常に塞がれるCDチェンジャ1であっても、CD2をディスク搬送部4に挿入することのみによって当該CD2を機器本体3内に収容でき、CD2を収容する際の操作を減らすことが確実に可能となる。
【0062】
前述した実施例では、記録媒体としてのCD2を複数収容するCDチェンジャ1を示している。しかしながら、本発明では、例えば、ディスク形記録媒体としてのMD(Mini Disc)を複数収容するMDチェンジャや、例えば、DVD(Digital VersatileDisc)などの他のディスク形記録媒体を複数収容する情報処理装置に適用しても良い。さらに、本発明は、前述したMD、DVDなどの記録媒体を一枚のみ収容して、収容した一枚の記録媒体の情報を再生する情報処理装置にも適用することができる。また、本発明では、固定シャッタ27に挿入口31を設けても良いことは勿論である。さらに、本発明では、内側搬送部15を設けなくても良いことは勿論である。
【0063】
前述した実施例によれば、以下のCDチェンジャ1が得られる。
【0064】
(付記) CD2を機器本体3に出し入れするディスク搬送部4と、
CD2を機器本体3に出し入れする際に前記CD2が通る挿入口31を開閉するとともに、前記ディスク搬送部4がCD2を出し入れする時のみ前記挿入口31を開放する開閉部17と、を備えたCDチェンジャ1において、
前記ディスク搬送部4を前記開閉部17よりも機器本体3の外側に配置したことを特徴とするCDチェンジャ1。
【0065】
付記に記載のCDチェンジャ1によれば、ディスク搬送部4を開閉部17よりも機器本体3の固定シャーシ9の外側に配置したので、開閉部17が挿入口31を塞いだ状態であっても、ディスク搬送部4にCD2を挿入することが可能である。このため、ディスク搬送部4にCD2が挿入されたことを検出すると、開閉部17が挿入口31を開放してディスク搬送部4に出し入れを行わせることで、CD2をディスク搬送部4に挿入することのみによって、当該CD2を機器本体3内に収容することができる。したがって、挿入口31が待機時に常に塞がれるCDチェンジャ1であっても、CD2をディスク搬送部4に挿入することのみによって、当該CD2を機器本体3内に収容でき、CD2を収容する際の操作を減らすことが可能となる。
【0066】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施例にかかる情報処理装置としてのCDチェンジャの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたCDチェンジャの互いに組み付けられた固定シャーシとディスク再生部とディスク収容部とディスク移動機構と開閉部を示す斜視図である。
【図3】図2に示された開閉部に取り付けられたディスク搬送部などを拡大して示す斜視図である。
【図4】図1に示されたCDチェンジャの開閉部が挿入口を閉じた状態を示す正面図である。
【図5】図4に示された開閉部が挿入口を開放した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 CDチェンジャ(情報処理装置)
2 CD(記録媒体)
3 機器本体
10 挿入口
16 MPU(制御手段)
17 開閉部
31 挿入口
39 ローラアーム(挟持部材)
40 ディスクガイド(挟持部材)
45 検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を機器本体に出し入れする搬送部と、
記録媒体を機器本体に出し入れする際に前記記録媒体が通る挿入口を開閉するとともに、前記搬送部が記録媒体を出し入れする時のみ前記挿入口を開放する開閉部と、を備えた情報処理装置において、
前記搬送部を前記開閉部よりも機器本体の外側に配置したことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記搬送部が、互いの間に前記記録媒体を挟みこんで当該記録媒体を出し入れする一対の挟持部材と、これら一対の挟持部材間に前記記録媒体が挿入されたことを検出する検出手段とを備え、
前記検出手段が前記一対の挟持部材間に前記記録媒体が挿入されたことを検出すると、前記搬送部に記録媒体の出し入れを行わせるとともに、前記開閉部に前記挿入口を開放させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−251125(P2008−251125A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94470(P2007−94470)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】