説明

情報処理装置

【課題】所定の契機によって動作させる処理部の切り替えが行われる場合、その契機の後に切り替え前の処理部による表示がされることがない。
【解決手段】上下筐体が閉状態でキーロックが施され、上下筐体が開状態に変化したことを契機として(T17)、キーロック解除処理部が起動される(T18、T19)場合、上下筐体が閉状態になった際に(T13)、表示部への表示の禁止を要求する(T16)。そして、キーロック解除処理部は、表示部への表示の禁止解除を要求する(T20)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に係り、特に、表示制御処理に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置は、制御部と所望の動作を行う複数の処理部とを有し、制御部は、それらの処理部に優先度を付し、その優先度に従って動作させ、また、画像表示部を含む入出力部を使用させる権利を与える制御処理が知られている。ソフトウェアによって実装された情報処理装置においては、制御部は、オペレーティングシステムのタスク管理機能及びリソース管理機能であり、処理部は、各種のアプリケーションプログラムによるタスクである。
【0003】
複数の処理部が同時に動く場合、特に画像表示制御機能、即ち、画像表示部を使用させる処理部の決定及び切り替えには念入りな処理が必須である。なぜなら、画像表示部に表示された画像は使用者によって直接視認されるので、乱れた表示は装置の使い心地に大きな悪影響を与えるからである。
【0004】
そこで、画像表示部を有する情報処理装置は、画像表示部を使用させる処理部の切り替えに際して、表示が途切れないこと及び無用な表示が行われないことを満たす制御を行う画像表示制御機能を有する。
【0005】
なお、複数のグループに属する処理部を1台の情報処理装置に統合して動作させる際、各グループには、それぞれ画面表示制御機能を有する制御部が備えられている。そこで、動作させる処理部を異なるグループに属する処理部に切り替えるために、動作させる画面表示制御機能も切り替える際、画像表示部の表示が乱れる、例えば、何も表示されないことを避ける必要がある。
【0006】
そのため、各グループに画像表示部の表示を変化させないダミー処理部を設けることが知られている。即ち、切り替え前に動作する処理部が属するグループのダミー処理部を動作させることによって表示を維持させた後、切り換え後に動作する処理部を起動させ、その起動の完了を待って、その処理部が属するグループの画面表示制御機能を動作させる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−148813号公報(第2頁、図1、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている方法では、使用者が動作させる処理部を明示的に指示することなく、所定の契機によって動作させる処理部の切り替えが行われる場合、その契機の後にも切り替え前の処理部による表示がされ、使用者に違和感を与える可能性があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、所定の契機によって動作させる処理部の切り替えが行われる場合、その契機の後に切り替え前の処理部による表示がされることがない情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、表示手段と、前記表示手段に表示をさせ、又は、させない制御を行う表示制御手段と、前記表示制御手段に要求して前記表示手段に表示をさせない制御をさせると共に、装置をキーロック状態に置くキーロック制御手段と、前記表示制御手段に要求してキーロック解除用暗証情報の入力を促す画像を前記表示手段に表示させた後、キーロック状態を解除するキーロック解除処理手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定の契機によって動作させる処理部の切り替えが行われる場合、その契機の後に切り替え前の処理部による表示がされることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る移動通信装置の上下筐体の折畳みを開いた時の外観図。
【図2】本発明の実施形態に係る移動通信装置の上下筐体の折畳みを閉じた時の外観図。
【図3】本発明の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係る第1の処理管理部の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施形態に係る第2の処理管理部の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の実施形態に係る総合制御部の処理部起動の制御動作のフローチャート(その1、動作中の処理部と新たに起動される処理部とが同じ処理管理部に属す場合)。
【図7】本発明の実施形態に係る総合制御部の処理部起動の制御動作のフローチャート(その2、動作中の処理部と新たに起動される処理部とが異なる処理管理部に属す場合)。
【図8】本発明の実施形態に係る総合制御部の処理部終了の制御動作のフローチャート。
【図9】本発明の実施形態に係る移動通信装置で、上下筐体が閉状態へ変化してキーロックが行われた後、上下筐体が開状態へ変化してキーロック解除が行われる動作のシーケンス図。
【図10】本発明の実施形態に係る処理部の優先度を示す図(第1の例、上下筐体が開状態にあり、ブラウザ処理部が動作中。)。
【図11】本発明の実施形態に係る処理部の優先度を示す図(第2の例、上下筐体が開状態になった直後に、第2のダミー処理部が動作中で、キーロック解除処理部が未起動。)。
【図12】本発明の実施形態に係る処理部の優先度を示す図(第3の例、上下筐体が開状態にあり、キーロック解除処理部が動作中。)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明による情報処理装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係わる開閉自在の折畳み型移動通信装置の、上下筐体の折畳みを開いた時の外観図を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。
【0014】
この移動通信装置は、上筐体MS1と下筐体MS2とが、ヒンジ部MS3によって軸A−Aを中心に回動自在に連結されてなることによって、上下筐体MS1、MS2の角度が略0度(閉状態)から略180度(開状態)の間で開閉自在に構成されている。
【0015】
上筐体MS1の内面には、受話に用いられるスピーカ14aと、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示や、装置の動作状態の表示などに用いられるバックライト付きのLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部15とが設置されている。
【0016】
下筐体MS2の内面には、送話に用いられるマイクロフォン14bと、入力素子であるキーパッドからなる入力装置16とが設けられている。また、下筐体MS2の内部には、電波の送受に用いられるアンテナ(図示せず)が設置されている。入力装置16には、電話番号を含む数字の入力などの入力に用いられるダイヤルキーと、移動通信装置の電源の投入及び切断などの動作指示などを入力するために用いられる機能キーとが設けられている。
【0017】
上筐体MS1の上部の内部(ヒンジ部MS3から遠い部分。)に磁石MS4が埋め込まれ、下筐体MS2の下部の内部(ヒンジ部MS3から遠い部分。)に開閉検出部17が埋め込まれている。そして、上下筐体MS1、MS2が閉状態にある場合、磁石MS4と、開閉検出部17との間の距離が近いように配置してある。開閉検出部17は、磁石MS4に起因する磁力の多寡によって、上下筐体MS1、MS2が開状態にあるか、又は、閉状態にあるかを検出する。
【0018】
図2は、この移動通信装置の上筐体MS1をヒンジ部MS3によって回動させ、下筐体MS2に近づけて折畳みを閉じた時の外観を示し、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。折畳みが閉じられた状態では、表示部15と、入力装置16とは、折畳みの内側にあるため、使用者は、表示部15に行われた表示を視認することができず、また、入力装置16のキーを操作することができない。
【0019】
図3は、本発明の実施形態に係る情報処理装置が適用された移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、装置全体の制御を行う総合制御部11と、総合動作状況記憶部11aと、基地局(図示せず)との間で電波の送受信を行うアンテナ12aと、通信部12bと、送受信部13と、通話用のスピーカ14aと、通話用のマイクロフォン14bと、通話部14cと、表示部15と、入力装置16と、開閉検出部17と、第1の処理管理部21と、第2の処理管理部31とからなる。総合動作状況記憶部11aには、総合動作状況11bが記憶される。
【0020】
図4は、第1の処理管理部21の詳細な構成を示すブロック図である。第1の処理管理部21は、第1の処理管理部21の各部による表示部15への画像の表示の制御を含む、第1の処理管理部21の制御を行う第1の制御部22と、第1の動作状況記憶部23と、第1のダミー処理部24と、待ち受け処理部25と、通話処理部26と、アドレス帳処理部27と、アドレス帳記憶部28と、キーロック解除処理部29とからなる。
【0021】
第1の動作状況記憶部23には、第1の動作状況23aが記憶される。アドレス帳記憶部28には、アドレス帳28aが記憶される。アドレス帳28aは、少なくとも氏名と、電話番号と、電子メールアドレスとが関連付けられた情報からなる。
【0022】
図5は、第2の処理管理部31の詳細な構成を示すブロック図である。第2の処理管理部31は、データ通信機能を処理する処理部のグループである。そして、第2の処理管理部31の各部による表示部15への画像の表示の制御を含む、第2の処理管理部31の制御を行う第2の制御部32と、第2の動作状況記憶部33と、第2のダミー処理部34と、電子メール処理部35と、ブラウザ処理部36とからなる。第2の動作状況記憶部33には、第2の動作状況33aが記憶される。
【0023】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る情報処理装置の各部の動作を、図3〜図5を参照して説明する。
【0024】
総合制御部11は、入力装置16の所定のキー操作に従って、キーロックを行うか否かを設定する。キーロックが行われないと設定された場合、総合制御部11は、入力装置16から通知された操作されたキーの識別子に従って、装置を制御し、その識別子によって示される文字を表示部15に表示させ、また、その識別子を第1の制御部22と、第2の制御部32とに送って、それぞれに、第1の処理管理部21内の各部と、第2の処理管理部31内の各部を動作させる。
【0025】
キーロックが行われると設定された場合、総合制御部11は、開閉検出部17から上下筐体MS1、MS2が開状態から閉状態に変化したとの通知を受けた際、装置にキーロックを施し、入力装置16から通知された操作されたキーの識別子を第1の制御部22を経てキーロック解除処理部29へ送り、それ以外の処理部には送らない。そして、キーロック解除処理部29からキーロック解除の通知を受けた場合、キーロックを解除して、キーロックが行われないと設定された場合と同じ動作をする。
【0026】
総合制御部11は、開閉検出部17から上下筐体MS1、MS2の開閉状態が変化したとの通知を受けた場合、その通知を第1の制御部22と、第2の制御部32とに通知する。
【0027】
総合制御部11は、開閉検出部17から上下筐体MS1、MS2が閉状態から開状態に変化したとの通知を受けた以降、表示部15を制御して、画像データを表示させる。ここで、表示させることは、バックライトを点灯させることを含む。一方、開閉検出部17から上下筐体MS1、MS2が開状態から閉状態に変化したとの通知を受けた以降、表示部15を制御して、表示させない。ここで、表示させないことは、バックライトを消灯させることを含む。
【0028】
上記に係らず、表示部15の表示禁止が装置の各部から要求された場合、総合制御部11は、開閉検出部17から上下筐体MS1、MS2が閉状態から開状態に変化したとの通知を受けた以降であっても、表示部15を制御して表示させることをしない。そして、上下筐体MS1、MS2が開状態であって、装置の各部から表示部15の表示禁止解除の要求がされた以降、表示部15を制御して表示させる。
【0029】
通信部12bは、アンテナ12aが受信した高周波信号を送受信部13へ出力し、また、送受信部13から出力される高周波信号をアンテナ12aより送信する。
【0030】
送受信部13は、通信部12bからの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによって得られたディジタル音声信号を通話部14cへ、また、制御信号を総合制御部11に送る。更には、通話部14cから出力されるディジタル音声信号、及び総合制御部11から出力される制御信号を変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを通信部12bに送る。
【0031】
通話部14cは、送受信部13から出力されるディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ14aに送る。また、マイクロフォン14bから出力されるアナログ音声信号を増幅し、それをディジタル音声信号に変換して送受信部13に送信する。
【0032】
表示部15は、総合制御部11に制御されることで、カーソルを含む文字・数字を含む画像データの表示動作を行い、表示されているデータは、入力装置16からの入力操作や着信信号に応答して総合制御部11からの指示を受けることで切換わる。
【0033】
入力装置16は、通信相手の電話番号などを指定し、また、トグル式の入力方式によってひらがな文字、アルファベット文字及び記号文字を入力するための数字キーと、カーソル移動キーやスクロールキーを含む複数の機能キーとを含むキーからなる。そして、入力装置16のキーが押下されると、そのキーの識別子を総合制御部11に通知する。
【0034】
開閉検出部17は、上下筐体MS1、MS2が開状態にあるか、閉状態にあるかを検出する。更に、その検出結果によって、上下筐体MS1、MS2が開状態から閉状態に変化した場合と、上下筐体MS1、MS2が閉状態から開状態に変化した場合とに、その変化を総合制御部11に通知する。
【0035】
第1の処理管理部21は、前述の通りの構成であり、通話機能等を処理する処理部のグループであって、第1の処理管理部21の各部の中で制御された処理部が入力装置16のキー操作等に従って動作し、動作の結果を表示部15への画像表示として出力する。
【0036】
第1の制御部22は、第1の処理管理部21内の処理部の動作状態を制御する。
【0037】
待ち受け処理部25は、装置の電源が投入された際に起動され、所定の待ち受け画面を表示部15に表示する。なお、起動処理については、後で詳述する。ここで、待ち受け画面は、静止画像であっても良く、動画像であっても良い。そして、待ち受け処理部25は、入力装置16のキーが操作されると、総合制御部11を経由してそのキーに対応付けられた処理部を起動する。また、基地局から通話着信信号が受信された際に入力装置16の通話キーが操作されると、通話処理部26を起動する。待ち受け処理部25は、装置の電源の切断に至るまで動作を終了しない。
【0038】
通話処理部26は、通話を行う処理部であり、待ち受け処理部25が動作中に入力装置16の所定のキーが操作された際、及び、アドレス帳処理部27が動作中にアドレス帳28aに含まれる電話番号が表示され、入力装置16の所定のキーが操作された際に起動され、通信部12b、送受信部13及び通話部14cを起動して、発信処理及び通話処理をさせ、所定の画像を表示部15に表示する。
【0039】
また、通話処理部26は、送受信部13によって通話着信信号が受信されると総合制御部11によって起動され、通信部12b、送受信部13及び通話部14cを起動して、着信処理及び通話処理をさせ、所定の画像を表示部15に表示する。通話中に入力装置16の所定のキーが操作された際、通話処理部26は、動作を終了する。
【0040】
アドレス帳処理部27は、アドレス帳28aを管理する処理部であり、待ち受け処理部25が動作中に入力装置16の所定のキーが操作された際に起動され、アドレス帳記憶部28に記憶されたアドレス帳28aを読み出して表示部15に表示、アドレス帳28aに情報の格納、アドレス帳28aの情報の更新、及び、アドレス帳28aの情報の削除を行う。
【0041】
また、アドレス帳28aに含まれる電話番号が表示されている際、入力装置16の所定のキーが操作されると、アドレス帳処理部27は、総合制御部11を経由して通話処理部26を起動する。また、アドレス帳28aに含まれる電子メールアドレスが表示されている際、入力装置16の所定のキーが操作されると、総合制御部11を経由して第2の処理管理部31の電子メール処理部35を起動する。アドレス帳処理部27は、入力装置16の所定のキーが操作された際、動作を終了する。
【0042】
キーロック解除処理部29は、第1に、キーロック解除暗証番号登録の動作を行う。即ち、入力装置16の所定のキー操作に基づいて総合制御部11によって起動され、所定のキーロック解除暗証番号の入力を促す画像を表示部15に表示させる。そして、入力装置16の所定のキー操作によってキーロック解除暗証番号を入力し、キーロック解除処理部29内に記憶する。
【0043】
第2に、キーロック解除処理部29は、装置の使用者の認証の上、キーロック解除の動作を行う。即ち、キーロック解除暗証番号の入力を促す画像を表示部15に表示させ、総合制御部11に対して表示部15の表示禁止解除を要求する。そして、入力装置16の所定のキー操作によって入力されたキーロック解除暗証番号と、キーロック解除暗証番号とが等しい場合、キーロック解除を総合制御部11に通知する。
【0044】
なお、このキーロック解除処理部29のキーロック解除の動作は、上下筐体MS1、MS2が閉状態から開状態に変化した場合に起動される。上下筐体MS1、MS2が開状態になった際、直前に動作していた処理部による表示が表示部15にされると、装置の使用者は、あたかも残像のように感じ、違和感を覚える。また、装置の使用者が秘密としたい情報が他の者によって視認される恐れがある。
【0045】
そこで、上記のように、キーロック解除処理部29は、キーロック解除暗証番号の入力を促す画像を表示部15に表示させる動作の後に、表示部15の表示禁止解除を要求する。この要求と対をなす、表示部15の表示禁止の要求は、キーロックが施された際に動作していた処理部が属する処理管理部の制御部(第1の制御部22又は第2の制御部32)によってなされる。
【0046】
第2の処理管理部31は、前述の通りの構成であり、データ通信機能を処理する処理部のグループであって、第2の処理管理部31内の各部の中で制御された処理部が入力装置16のキー操作等に従って動作し、動作の結果を表示部15への画像表示として出力する。
【0047】
第2の制御部32は、第2の処理管理部31内の処理部の動作状態を制御する。
【0048】
電子メール処理部35は、電子メールの送信及び受信を行う処理部であり、電子メール処理部35の電子メール送信動作は、入力装置16の所定のキー操作がされた際、及びアドレス帳処理部27が動作中にアドレス帳28aに含まれる電子メールアドレスが表示されて入力装置16の所定のキーが操作された際に起動され、入力装置16の所定のキー操作によって作成された電子メールの標題と本文とを総合制御部11及び送受信部13を経由して送信して、動作を終了する。
【0049】
また、電子メール処理部35の電子メール受信動作は、送受信部13によって電子メールが受信されると総合制御部11によって起動され、受信された電子メールをメールボックス(図示せず)に記憶して、動作を終了する。
【0050】
ブラウザ処理部36は、ウェブサイトへアクセスする処理部である。即ち、ブラウザ処理部36は、入力装置16の所定のキーが操作された際、総合制御部11によって起動され、ウェブサイトへアクセスする動作を開始する。ブラウザ処理部36は、続いて、入力装置16のキー操作によってウェブサイトのアドレスを作成し、作成されたアドレスによって識別されるウェブサイトへ総合制御部11及び送受信部13を経由してアクセスし、そのウェブサイトから送信された情報を送受信部13及び総合制御部11を経由して受信して、表示部15に表示する。ブラウザ処理部36は、入力装置16の所定のキーが操作された際、動作を終了する。
【0051】
以下、本実施形態に係る移動通信装置の、処理部の管理処理、特に、動作中の処理部の切り替えの際の表示制御に関する動作を説明する。
【0052】
(処理部の状態及び優先度)
まず、処理部の状態を説明する。第1の処理管理部21に属する処理部(第1のダミー処理部24、待ち受け処理部25、通話処理部26及びアドレス帳処理部27)と、第2の処理管理部31に属する処理部(第2のダミー処理部34、電子メール処理部35及びブラウザ処理部36)は、実行可能状態(Ready、表示部15への表示の権利と、入力装置16のキー操作を受け取る権利とを得れば、直ちに動作できる状態。)、一時停止状態(Suspend、表示部15への表示の権利と、入力装置16のキー操作を受け取る権利とを得ても直ちには動作できない状態。)及び終了状態のいずれかの状態にあるように制御される。
【0053】
第1の処理管理部21に属する処理部であって、実行可能状態または一時停止状態にある処理部には、第1の処理管理部21内での優先度が付される。第2の処理管理部31に属する処理部についても、同様である。後述するように、新たに実行可能状態におかれた処理部には最高の優先度が付されるが原則である。
【0054】
第1の処理管理部21に属する実行可能状態であって、第1の処理管理部21内で最も優先度が高い処理部が動作中(Active、表示部15への表示の権利と、入力装置16のキー操作を受け取る権利とを得て、動作している状態。)であると第1の処理管理部21内でみなされる。また同様に、第2の処理管理部31に属する実行可能状態であって、第2の処理管理部31内で最も優先度が高い処理部が動作中であると第2の処理管理部31内でみなされる。
【0055】
また、第1の処理管理部21は、実行可能状態である処理部がなく、一時停止状態である処理部がある場合、一時停止状態である処理部の少なくとも1つが実行可能状態に移される。また、第2の処理管理部31についても同様である。
【0056】
なお、上述したように、動作中とみなされる処理部は、第1の処理管理部21に属する処理部が1つと、第2の処理管理部31に属する処理部が1つの合計2つであるが、後述するように、総合制御部11によって表示部15への表示の権利と、入力装置16のキー操作を受け取る権利とは1つの処理部に与えられ、動作中の処理部は1つであるように制御される。また、動作中であると制御される処理部は、最後に動作中であるとみなされるに至った処理部である。
【0057】
第1の処理管理部21に属する処理部は、1つまたは2つが実行可能状態にある。また、第2の処理管理部31に属する処理部は、1つまたは2つが実行可能状態にある。そして、実行可能状態にある処理部は、実行可能状態に移されつつある処理部、動作中の処理部及びダミー処理部に限るように制御されることによって、処理部の消費電力を削減するが、これに限るものではない。上記以外の処理部が実行可能状態にあるように制御することによって、動作中の処理部を迅速に切り替えるとしても良い。
【0058】
第1の処理管理部21に属する処理部について、処理部をいずれの状態に移すかの判断は、総合制御部11及び第1の制御部22によって制御される。また、第2の処理管理部31に属する処理部については、総合制御部11及び第2の制御部32によって制御される。そして、処理部を実行可能状態に移すことは、第1の制御部22及び第2の制御部32を経由して、総合制御部11によって制御される(この制御を起動と記す。)。
【0059】
そして、起動の完了とは、新たに起動された処理部が表示部15に表示させる画像の作成を完了し、かつ、操作された入力装置16のキーの識別子を得た際に、その識別子に対応する処理を行うことができることになったこと(即ち、その処理部は、入力装置16の操作されたキーに基づいた処理が行えなかったが、行えるように変わったこと。)を意味する。
【0060】
総合制御部11は、第1の制御部22又は第2の制御部32を経由して起動させた処理部を、起動させた順を付して、また、優先度を付して総合動作状況11bに記憶する。更に、第1の処理管理部21と第2の処理管理部31との中で、いずれが高い優先度であるかを総合動作状況11bに記憶する。そして、第1の処理管理部21と第2の処理管理部31との中で高い優先度である処理管理部の制御部(第1の制御部22または第2の制御部32)に表示部15への表示の権利と、入力装置16のキー操作を受け取る権利との制御を委ねる。なお、高い優先度である処理管理部は、原則として、最後に起動された処理部が属する処理管理部であるが、詳細は後述する。
【0061】
ここで、第1のダミー処理部24と第2のダミー処理部34とは、装置の電源投入に伴って起動され、終了することはない。また、装置の電源投入の際、第1のダミー処理部24と第2のダミー処理部34との起動に続いて待ち受け処理部25が起動され、終了することはないため、第1のダミー処理部24と、第2のダミー処理部34と、待ち受け処理部25とは常に実行可能状態か、一時停止状態にある。そのため、第1の処理管理部21と第2の処理管理部31との中でいずれが優先度が高いかが不定であることはない。
【0062】
第1の制御部22は、第1の処理管理部21に属する処理部であって、実行可能状態にある処理部及び一時停止状態にある処理部と、総合制御部11の制御に従ってそれらの処理部に付された優先度とを第1の動作状況23aに記憶する。そして、第1の処理管理部21に表示部15への表示の権利と、入力装置16のキー操作を受け取る権利との制御を委ねられている場合、最も高い優先度が付された処理部にそれらの権利を与える。
【0063】
また、最も高い優先度が付された処理部のみを実行可能状態に置くため、その処理部は動作中となり、その他の処理部を一時停止状態に置く。しかし、後述するように、処理部の起動中、又は終了処理中に総合制御部11によって指示された場合、最も高い優先度が付された処理部以外の処理部を実行可能状態に置くことがある。
【0064】
また、一時停止状態の処理部は、例えば、送受信部13からの信号を受信することによって処理をすることがあるが(ソフトウェアによって実装された情報処理装置においては、割り込み発生による処理である。)、総合制御部11によって起動されない場合、優先度は変わらず、その結果、動作中とは見なされない。また、一時停止状態の処理部は、表示部15への表示の権利と、入力装置16のキー操作を受け取る権利が与えられることはない。
【0065】
第1の制御部22は、第1の処理管理部21に属する処理部が動作中に、総合制御部11から上下筐体MS1、MS2が閉状態に変化したとの通知を受けた場合、第1のダミー処理部24を実行可能状態に置いて、動作中とさせ、第1の処理管理部21に属する実行可能状態であった処理部を一時停止状態に置く。更に、キーロックが施される設定であれば、第1の制御部22は、その場合、総合制御部11に、表示部15の表示禁止を要求する。
【0066】
また、第1の制御部22は、総合制御部11から上下筐体MS1、MS2が開状態に変化したとの通知を受けた場合、キーロックが施される設定であり、かつ、第1の処理管理部21に属する処理部が動作中であれば(上述したように、この処理部は、第1のダミー処理部24である。)、キーロック解除処理部29の起動を総合制御部11に要求する。
【0067】
第2の制御部32は、第2の処理管理部31に属する処理部を管理し、状況を第2の動作状況33aに記憶するが、動作は、第1の制御部22と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0068】
(ダミー処理部の動作)
第1のダミー処理部24の動作と、第2のダミー処理部34の動作を説明する。ここで、これらの動作は同一であり、第1のダミー処理部24の動作のみを説明し、第2のダミー処理部34の動作の説明を省略する。
【0069】
第1のダミー処理部24は、最も高い優先度が付され、実行可能状態に置かれた場合、表示部15への表示の権利が与えられるが、表示部15への表示を行わない。この表示を行わないことによって、第1のダミー処理部24が実行可能状態に置かれる前の表示を表示部15に維持させる。また、第1のダミー処理部24は、実行可能状態に置かれた場合、入力装置16のキー操作を受け取る権利が与えられるが、このキー操作に依存した動作を行わない。このキー操作に依存した動作を行わないことによって、キー操作が行われたとしても、装置の動作に変化を与えない。
【0070】
(新たに処理部を起動する際の処理)
まず、動作中の処理部(処理部の起動中、又は終了処理中でない限り、この処理部は、ダミー処理部以外の処理部であって、入力装置16のキー操作を受け取って動作し、動作結果を表示部15へ表示している。)が第1の処理管理部21に属する処理部であり、かつ、新たに起動する処理部が第1の処理管理部21に属する処理部である場合の総合制御部11の処理部起動の制御動作を説明する。
【0071】
図6は、この場合の、総合制御部11の処理部起動の制御動作のフローチャートを示す。総合制御部11は、動作中の処理部が第1の処理管理部21に属する処理部であり、かつ、新たに起動する処理部が第1の処理管理部21に属する処理部である場合、制御動作を開始して(ステップS11a)、第1の制御部22を制御して、第1のダミー処理部24を第1の処理管理部21内の処理部の中で、最も優先度を高くさせて、動作中とさせる(ステップS11b)。ここで、併せて、ステップS11aの制御動作開始の際に動作中であった処理部を一時停止状態に置かせる。
【0072】
次に、総合制御部11は、第1の制御部22を制御して、新たに起動する処理部を第1のダミー処理部24の優先度未満の優先度で起動させる(ステップS11c、その処理部は、起動前には一時停止状態または終了状態にあるので、実行可能状態に移させる。そして、第1の処理管理部21に属する処理部の中で最も高い優先度の処理部は、第1のダミー処理部24であるので、起動するタスクを第1のダミー処理部24に次いで、2番目に高い優先度で起動させても良い。)。そして、総合制御部11は起動が完了したとの通知を受け取ったか否かを調べることにより起動完了を待つ(ステップS11d)。その後、起動が完了した場合、その新たに起動された処理部を第1の処理管理部21内の処理部の中で、最も優先度を高くさせて動作中とさせる(ステップS11e)。そして、制御動作を終了する(ステップS11f)。ここで、併せて、第1のダミー処理部24を一時停止状態におかせる。
【0073】
この結果、第1のダミー処理部24は、第1の処理管理部21内の処理部の中で、2番目に優先度が高くなる。更に、総合制御部11は、ステップS11aの制御動作開始の際に動作中であった処理部を終了させることもある。
【0074】
この起動処理によって、新たに起動される処理部の起動が開始されてから完了するまでの間、表示部15の表示は変化せず、入力装置16のキー操作によって装置の処理部が処理を行うことはなく、装置の使用者に違和感を与えることはない。
【0075】
次に、動作中の処理部が第2の処理管理部31に属する処理部であり、かつ、新たに起動する処理部が第2の処理管理部31に属する処理部である場合の総合制御部11の処理部起動の制御動作を説明する。
【0076】
総合制御部11は、動作中の処理部が第2の処理管理部31に属する処理部であり、かつ、新たに起動する処理部が第2の処理管理部31に属する処理部である場合、第2の制御部32を制御して、第2のダミー処理部34を第2の処理管理部31内の処理部の中で、最も優先度を高くさせ、新たに起動する処理部の起動が完了した際、その新たに起動された処理部を第2の処理管理部31内の処理部の中で、最も優先度を高くさせるが、上記の動作中の処理部が第1の処理管理部21に属する処理部のいずれかであり、かつ、起動する処理部が第1の処理管理部21に属する処理部である場合と同様の制御であり、フローチャートを参照した説明を省略する。
【0077】
次に、動作中の処理部が第2の処理管理部31に属する処理部であり、かつ、新たに起動する処理部が第1の処理管理部21に属する処理部である場合の総合制御部11の処理部起動の制御動作を説明する。
【0078】
図7は、この場合の総合制御部11の処理部起動の制御動作のフローチャートを示す。総合制御部11は、動作中の処理部が第2の処理管理部31に属する処理部であり、かつ、新たに起動する処理部が第1の処理管理部21に属する処理部である場合、制御動作を開始して(ステップS11h)、第2の制御部32を制御して、第2のダミー処理部34を第2の処理管理部31内で最も優先度を高くさせて、動作中とさせる(ステップS11i)。ここで、併せて、ステップS11hの制御動作開始の際に動作中であった処理部を一時停止状態におかせる。
【0079】
次に、総合制御部11は、第1の制御部22を制御して、新たに起動する処理部を第1のダミー処理部24の優先度未満の優先度で起動させる(ステップS11j、その処理部は、起動前には一時停止状態または終了状態にあるので、実行可能状態に移させる。そして、第1の処理管理部21に属する処理部の中で最も高い優先度の処理部は、第1のダミー処理部24であるので、起動するタスクを第1のダミー処理部24に次いで、2番目に高い優先度としても良い。)。
【0080】
そして、起動が完了したとの通知を受け取ったか否かを調べることにより起動完了を待ち(ステップS11k)、起動が完了した場合、総合制御部11は、その処理部を第1の処理管理部21内の処理部の中で、最も優先度を高くさせて、動作中とさせる(ステップS11m)。この結果、第1のダミー処理部24は、第1の処理管理部21内の処理部の中で、2番目に優先度が高くなり、一時停止状態となる。
【0081】
次に、総合制御部11は、第1の処理管理部21の優先度を第2の処理管理部31の優先度より高くする。即ち、その旨を総合動作状況11bに格納する。そして、表示部15への表示の権利と、入力装置16のキー操作を受け取る権利との制御を第1の制御部22に委ね(ステップS11n)、制御動作を終了する(ステップS11o)。
【0082】
総合制御部11は、動作中の処理部が第1の処理管理部21に属する処理部であり、かつ、新たに起動する処理部が第2の処理管理部31に属する処理部である場合、第1の制御部22を制御して、第1のダミー処理部24を第1の処理管理部21内で最も優先度を高くさせる。次に、第2の制御部32を制御して、新たに起動する処理部を第2のダミー処理部34の優先度未満の優先度で起動させ、起動の完了後、その処理部を第2の処理管理部31内の処理部の中で、最も優先度を高くさせる。
【0083】
この結果、第2のダミー処理部34は、第2の処理管理部31内の処理部の中で、2番目に優先度が高くなる。次に、総合制御部11は、第2の処理管理部31は、第1の処理管理部21より優先度が高い旨を総合動作状況11bに格納する。そして、表示部15への表示の権利と、入力装置16のキー操作を受け取る権利との制御を第2の制御部32に委ねる。
【0084】
この、動作中の処理部が第1の処理管理部21に属する処理部であり、かつ、新たに起動する処理部が第2の処理管理部31に属する処理部である場合の総合制御部11の処理部起動の制御動作は、動作中の処理部が第2の処理管理部31に属する処理部であり、かつ、新たに起動する処理部が第1の処理管理部21に属する処理部である場合の総合制御部11の処理部起動の制御動作と同様であり、フローチャートを参照した説明を省略する。
【0085】
この起動処理によって、動作中の処理部と新たに起動される処理部が異なる処理管理部に属している場合、起動する処理部の起動が開始されてから完了するまでの間、表示部15の表示は変化せず、入力装置16のキー操作によって装置の処理部が処理を行うことはなく、装置の使用者に違和感を与えることはない。
【0086】
また、新たに起動された処理部が属する処理管理部とは異なる処理管理部においては、その処理部が起動された後、ダミー処理部が最も優先度が高くなる。そのため、この異なる処理管理部が表示部15に表示を行う権利及び/または入力装置16のキー操作を受け取る権利をたとえ有したとしても、その権利はダミー処理部に与えられるので、表示部15の表示に何ら影響を与えることなく、また、入力装置16のキー操作に依存してこの異なる処理管理部に属する処理部による処理は行われない。
【0087】
(処理部を終了する際の処理)
総合制御部11が処理部を終了させる制御動作を、(1)総合動作状況11bに高い優先度であると記憶された処理管理部に属する処理部であって、その処理管理部の動作状況に最大の優先度が付されて記憶されている処理部、即ち、動作中の処理部を終了させる場合の制御動作と、(2)(1)以外の場合の制御動作に分けて説明する。
【0088】
図8は、この(1)の場合の総合制御部11の処理部終了の制御動作のフローチャートを示す。なお、総合動作状況11bに高い優先度であると記憶された処理管理部が第1の処理管理部21である場合の総合制御部11の制御動作を説明する。高い優先度である処理管理部が、第2の処理管理部31である際の制御動作も同様であって、説明を省略する。
【0089】
総合制御部11は、処理部を終了させるに際し、動作中の処理部を終了させる場合、この制御動作を開始する(ステップS11p)。
【0090】
そして、総合制御部11は、終了させる処理部を終了させる(ステップS11q)。ここで、終了させる処理部が第1の処理管理部21に属する処理部であれば、第1の制御部22を制御して終了させ、第1の動作状況23aからその処理部の情報を削除させる。また、終了させる処理部が第2の処理管理部31に属する処理部であれば、第2の制御部32を制御して終了させ、第2の動作状況33aからその処理部の情報を削除させる。そして、終了された処理部に関する情報を総合動作状況11bから削除する。
【0091】
この終了制御の際、動作中の処理部が終了されても、表示部15の表示は変わらない。なぜなら、第1の処理管理部21に属する処理部の中で、2番目に高い優先度が付された処理部は第1のダミー処理部24であり、上記処理部の終了に伴い、最も高い優先度が付された処理部は第1のダミー処理部24となるためである。
【0092】
次に、総合制御部11は、総合動作状況11bに記憶された、起動された処理部の中で最も近い過去に起動された処理部が第1の処理管理部21に属する処理部であるか、第2の処理管理部31に属する処理部であるかを調べる(ステップS11r)。そして、その処理部が第1の処理管理部21に属する処理部である場合、第1の制御部22を制御して、その処理部を起動させる(ステップS11s、その処理部は、一時停止状態にあるので、実行可能状態に移させる。)。なお、第1の処理管理部21に属する処理部の中で最も優先度が高い処理部は第1のダミー処理部24であるので、起動の際、起動される処理部は、第1のダミー処理部24に次いで2番目に高い優先度が付されている。
【0093】
そして、起動が完了したとの通知を受け取ったか否かを調べることにより起動完了を待ち(ステップS11t)、起動が完了した場合、総合制御部11は、その起動された処理部を第1の処理管理部21に属する処理部の中で最大の優先度とさせて、動作中とさせ、第1の動作状況23aを更新させて(ステップS11u)、制御動作を終了する(ステップS11v)。これによって、第1のダミー処理部24は、第1の処理管理部21に属する処理部の中で、2番目に高い優先度が付され、一時停止状態となる。
【0094】
一方、ステップS11rで、最も近い過去に起動された処理部が第2の処理管理部31に属する処理部の場合、総合制御部11は、第2の制御部32を制御して、その処理部を起動させる(ステップS11w、その処理部は、一時停止状態にあるので、実行可能状態に移させる。)。なお、第2の処理管理部31に属する処理部の中で最も優先度が高い処理部は、第2のダミー処理部34であるので、起動の際、起動される処理部は、第2のダミー処理部34に次いで、2番目に高い優先度が付されている。
【0095】
そして、起動が完了したとの通知を受け取ったか否かを調べることにより起動完了を待ち(ステップS11x)、起動が完了した場合、総合制御部11は、その起動された処理部を第2の処理管理部31に属する処理部の中で最大の優先度とさせて、動作中とさせ、第2の動作状況33aを更新させる(ステップS11y)。この優先度の変更により、起動完了の後、第2のダミー処理部34は、第2の処理管理部31に属する処理部の中で2番目に高い優先度が付され、一時停止状態となる。
【0096】
更に、総合制御部11は、第2の処理管理部31の優先度を第1の処理管理部21の優先度より高くし、その旨を総合動作状況11bに更新記憶して(ステップS11z)、制御動作を終了する(ステップS11v)。
【0097】
上記(2)の場合、総合制御部11は、終了させる処理部が第1の処理管理部21に属する処理部であれば、第1の制御部22を制御して終了させ、第1の動作状況23aからその処理部の情報を削除させる。また、終了させる処理部が第2の処理管理部31に属する処理部であれば、第2の制御部32を制御して終了させ、第2の動作状況33aからその処理部の情報を削除させる。そして、終了された処理部に関する情報を総合動作状況11bから削除する。
【0098】
この(2)の場合、処理部の終了の制御動作の前後を問わず、総合動作状況11bに高い優先度であると記憶された処理管理部に属する処理部であって、その処理管理部の動作状況に最大の優先度が付されて記憶されている処理部、即ち、動作中の処理部は変わらず、その処理部が入力装置16のキー操作を受け取って動作中であり、動作結果を表示部15に表示している。このため、表示部15の表示の切り替えは発生せず、使用者に違和感を与えるおそれはない。
【0099】
(キーロック解除処理部29がキーロック解除を行う際の処理)
上下筐体MS1、MS2が閉状態から開状態へ変化したことを契機として、キーロック解除処理部29がキーロック解除の動作を行う際の、キーロック解除処理部29の起動及び終了の処理と共に、関連する処理部の状態の変化を説明する。
【0100】
図9は、キーロックが行われる設定がされている際、上下筐体MS1、MS2が開状態から閉状態へ変化してキーロックが行われ、次に、上下筐体MS1、MS2が閉状態から開状態へ変化し、キーロック解除処理部29によってキーロックが解除される動作のシーケンス図である。
【0101】
まず、上下筐体MS1、MS2が開状態であり、キーロック解除処理部29は終了状態にあり、第2のダミー処理部34は一時停止状態にあり、例えば、ブラウザ処理部36が、総合制御部11から第2の制御部32を経由して(T11)送られた入力装置16の操作されたキーを識別する情報(この情報を、以後、キーイベントと称する。)(T12)に従って動作中であるとする。
【0102】
この際、総合動作状況11bにいずれの処理管理部に属する処理部が優先度が高いと記憶されているか、及び、第1の動作状況23aと第2の動作状況33aとに処理部が如何なる優先度で記憶されているかを図10に示す。第2の動作状況33aが第1の動作状況23aより上に示されていることにより、第2の処理管理部31が第1の処理管理部21より優先度が高いと総合動作状況11bに記憶されている。
【0103】
更に、第2の動作状況33aには、ブラウザ処理部36と第2のダミー処理部34が含まれ、かつ、前者が最も上に示されていることにより、ブラウザ処理部36は、最大の優先度であり、後者は、前者の優先度未満の優先度である。また、第1の動作状況23aには、第1のダミー処理部24と待ち受け処理部25が含まれ、かつ、前者が最も上に示されていることにより、第1のダミー処理部24は、最大の優先度であり、後者は、前者の優先度未満の優先度である。
【0104】
次に、上下筐体MS1、MS2が閉じられると、上下筐体MS1、MS2が閉状態に変化したとの通知が総合制御部11から第2の制御部32に送られる(T13)。このとき以降、総合制御部11の制御に基づいて、表示部15は表示をしない。また、第2の制御部32は、キーロックが行われる設定がされているか否かの判定をし、その設定がされているので、ブラウザ処理部36を一時停止状態に置き(T14)、第2のダミー処理部34を動作中とする(T15)。そして、総合制御部11に、表示部15の表示禁止を要求する(T16)。
【0105】
なお、上下筐体MS1、MS2が閉状態である間、入力装置16のキーが操作されることはないため、キーイベントが送られることはない。また、入力装置16は、上下筐体MS1、MS2が閉状態である間にも操作可能なサイドキー(図示せず)を有している場合、そのサイドキーの操作に基づくキーイベントが送られても、そのイベントは、動作中である第2のダミー処理部34に送られるため、何ら、ブラウザ処理部36の動作に影響を与えない。
【0106】
次に、上下筐体MS1、MS2が開けられると、上下筐体MS1、MS2が開状態に変化したとの通知が総合制御部11から第2の制御部32に送られる(T17)。この通知が送られた直後に、総合動作状況11bにいずれの処理管理部に属する処理部が優先度が高いと記憶されているか、及び、第1の動作状況23aと第2の動作状況33aとに処理部が如何なる優先度で記憶されているかを図11に示す。この状況は、図7に示すフローチャートのステップS11iの動作が終了した状況であり、T14のブラウザ処理部36を一時停止状態に置き、T15の第2のダミー処理部34を動作中としたときから続いている状況である。
【0107】
この図11と図10とを比較すると明らかなように、第2のダミー処理部34は、表示部15への表示を行わないのであるから、表示部15には、ブラウザ処理部36がT14で一時停止状態に置かれた際の表示がされるところ、T16で表示部15の表示禁止が要求されているので、表示部15には、何も表示されない。
【0108】
第2の制御部32は、上下筐体MS1、MS2が開状態に変化したとの通知に応じて、キーロックが行われる設定がされているか否かの判定をし、その設定がされているので、総合制御部11を経由して(T18)、キーロック解除をさせるためにキーロック解除処理部29を起動させる(T19)。
【0109】
次に、キーロック解除処理部29は、起動が完了し、動作中となった後、総合制御部11に、表示部15の表示禁止解除を要求する(T20)。この際、総合動作状況11bにいずれの処理管理部に属する処理部が優先度が高いと記憶されているか、及び、第1の動作状況23aと第2の動作状況33aとに処理部が如何なる優先度で記憶されているかを図12に示す。この状況は、図7に示すフローチャートのステップS11nの動作が終了した状況であり、第1の動作状況23aが第2の動作状況33aより上に示されていることにより、第1の動作状況23aが第2の動作状況33aより優先度が高いと総合動作状況11bに記憶されている。
【0110】
更に、第1の動作状況23aには、キーロック解除処理部29と、第1のダミー処理部24と、待ち受け処理部25とが含まれ、かつ、キーロック解除処理部29が最も上に示されていることにより、キーロック解除処理部29は、最大の優先度であって、動作中である。そこで、T20の表示部15の表示禁止解除が要求された際、表示部15には、キーロック解除処理部29による表示、即ち、キーロック解除暗証番号の入力を促す画像が表示される。この表示に応じて入力された暗証番号と、キーロック解除処理部29内に記憶された暗証番号とが等しいことによって使用者認証がなされた後、キーロック解除処理部29は、動作を終了し(T21)、終了状態に置かれる。
【0111】
次に、総合制御部11は、キーロック解除処理部29が起動された直前に起動された処理部(第2のダミー処理部34を除く。)であるブラウザ処理部36の動作を再開させる制御を行い(T22)、この制御に応じて第2の制御部32は、第2のダミー処理部34を一時停止状態に置き(T23)、ブラウザ処理部36を動作中にさせる(T24、図8に示すフローチャートのステップS11r及びステップS11w以降の動作を参照。)。
【0112】
この結果、総合動作状況11bにいずれの処理管理部に属する処理部が優先度が高いと記憶されているか、及び、第1の動作状況23aと第2の動作状況33aとに処理部が如何なる優先度で記憶されているかは、図10に示す、上下筐体MS1、MS2が閉じられる前の状況に復旧する。
【0113】
以上のシーケンスは、ブラウザ処理部36が動作中である際に上下筐体MS1、MS2が閉じられ、そして、開けられた例を用いて説明した。当然に、それ以外の処理部が動作中であっても同じシーケンスによって、上下筐体MS1、MS2が開けられた際に、表示部15に適切な表示が行われる。ここで、各処理部の動作には、何ら制約が加えられていないため、本発明の実施にあたり、各処理部の改造は不要である。
【0114】
以上の説明で、上下筐体MS1、MS2が閉状態に変化した際、動作中の処理部は一時停止状態に置かれるとしたが、これに限るものではない。例えば、引き続き動作中であり、上下筐体MS1、MS2の外側に設置された第2の表示部(図示せず)に、表示部15への表示とは異なる表示をし、及び/又は、上下筐体MS1、MS2の外側に設置された第2のスピーカ(図示せず)から音声を発生させるとしても良い。
【0115】
この場合、この処理部は、上下筐体MS1、MS2が閉状態にある場合、表示部15に表示される画像を記憶しない。この場合であっても、第1の制御部22と、第2の制御部32とは、上述したように、表示部15の表示禁止を要求し、キーロック解除処理部29は、表示部15の表示禁止解除を要求する。そのため、上下筐体MS1、MS2が開状態に変わった際、この処理部による表示部15の表示がされないので(上述したように、表示されるべき画像が記憶されていないので、表示させたとしても如何なる表示がされるか不定である。)、装置の使用者は、その表示に違和感を覚えることがない。
【0116】
以上の説明で、使用者が新たに動作させる処理部を明示的に指示することなく、所定の契機によって動作させる処理部の切り替えが行われる場合とは、上下筐体MS1、MS2が開状態に変化した場合であるとしたが、これに限るものではない。例えば、入力装置16のキーが所定の時間に渡って操作されない際、総合制御部11は、表示部15に表示させないことと併せてキーロックを施し、キーロックが施された後、入力装置16のキーが操作された際、キーロック解除処理部29が起動される場合である。
【0117】
この場合、上下筐体MS1、MS2が開閉自在であるか否かに係わらない。この場合、キーロックが施された際、又は、キーロックが施された後、入力装置16のキーが最初に操作された後で、キーロック解除処理部29が起動される前に表示部15の表示禁止が要求される。
【0118】
また、所定の契機によって動作させる処理部の切り替えが行われる場合とは、第1の処理部が新たに動作中となることによって、直前に動作中であった第2の処理部が一時停止状態に置かれている際に、第1の処理部が終了することによって第2の処理部が動作を再開する場合であって、第2の処理部は、一時停止状態に置かれた際の表示を直ちに表示することができない場合、また、一時停止状態に置かれた際の表示以外の表示を行なう場合である。この場合、第1の処理部が終了する際に表示部15の表示禁止が要求される。また、キーロックの設定が行われない場合、第2の処理部が動作を再開した後、表示部15の表示禁止解除が要求される。
【0119】
より具体的には、このような場合とは、第1に、第2の処理部は、一時停止状態に置かれた際、表示内容が記憶されたリソースを解放する場合である。この場合、第2の処理部は、動作を再開する際に、新たにリソースを確保して表示内容を記憶させる必要があり、直ちに表示することができない。第2に、第2の処理部は、表示部15に例えば動画を表示し、動作が再開された際には、一時停止状態に置かれた際とは異なる画像を表示すべき場合である。この場合、第2の処理部は、上下筐体MS1、MS2が閉状態にある際、表示部15に表示される動画画像の作成、例えば、符号化された動画画像の復号などは、消費電力削減の観点から行わないので、上記の異なる画像を直ちに表示することができない。
【0120】
以上の説明では、処理管理部は、第1の処理管理部21と、第2の処理管理部31との2つであるとしたが、3つ以上であっても良く、何ら制御動作に変わることはない。また、それぞれの処理管理部に属する処理部の数はいくつであっても良く、何ら制御動作に変わることはない。
【0121】
以上の説明では、総合制御部11と、第1の制御部22と、第2の制御部32とによって制御動作を行うとしたが、これに限るものではない。総合制御部11が、第1の制御部22または第2の制御部32の動作を併せて行っても良い。
【0122】
以上の説明では、全ての処理部は処理管理部に属するとしたが、これに限るものではない。処理管理部に属さず、総合制御部11の制御を直接受ける処理部があっても良い。この場合、総合制御部11は、直接制御する処理部に対して処理管理部の制御部の制御動作を併せて行うが、これに限るものではない。
【0123】
例えば、総合制御部11は、総合制御部11の制御を直接受ける処理部であって、動作中の処理部の終了に際し、その処理部を制御して、表示部15の表示を維持させる制御をしても良い。また、総合制御部11の制御を直接受ける処理部であって、終了する処理部と起動が完了していない処理部とのいずれにも入力装置16のキー操作によって入力された情報を与えない制御をしても良い。これらの制御により、総合制御部11の制御を直接受けるダミー処理部を設けない構成としても良い。
【0124】
また、総合制御部11は、総合制御部11の制御を直接受ける処理部の終了または起動による状況の変化の際、表示部15を直接制御して、上記終了または起動前の画像を表示させることによって、表示部15の表示の違和感を与えないとしても良い。また、入力装置16を直接制御して、上記終了または起動が完了するまでに操作されたキーを無視することによって、いずれの処理部もその操作されたキーに依存して動作しないとしても良い。このように、表示部15及び入力装置16を直接制御することによって、総合制御部11の制御を直接受けるダミー処理部を設けない構成としても良い。
【0125】
以上の説明は、本発明を移動通信装置に適用した形態を例にとって行ったが、これに限るものではない。本発明は、あらゆる情報処理装置に適用することが当然に可能である。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0126】
MS1 上筐体
MS2 下筐体
11 総合制御部
11a 総合動作状況記憶部
11b 総合動作状況
15 表示部
16 入力装置
17 開閉検出部
21 第1の処理管理部
22 第1の制御部
23 第1の動作状況記憶部
23a 第1の動作状況
24 第1のダミー処理部
25 待ち受け処理部
26 通話処理部
27 アドレス帳処理部
29 キーロック解除処理部
31 第2の処理管理部
32 第2の制御部
33 第2の動作状況記憶部
33a 第2の動作状況
34 第2のダミー処理部
35 電子メール処理部
36 ブラウザ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段に表示をさせ、又は、させない制御を行う表示制御手段と、
前記表示制御手段に要求して前記表示手段に表示をさせない制御をさせると共に、装置をキーロック状態に置くキーロック制御手段と、
前記表示制御手段に要求してキーロック解除用暗証情報の入力を促す画像を前記表示手段に表示させた後、キーロック状態を解除するキーロック解除処理手段とを有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
開閉自在の複数の筐体からなり、
前記複数の筐体が閉状態であるか、開状態であるか、閉状態から開状態に変化したか、及び、開状態から閉状態に変化したかを検出する開閉検出手段と、
入力手段と、
前記複数の筐体が閉状態にある場合に内側となる部分に設置された表示手段と、
前記開閉検出手段によって前記複数の筐体が開状態であることが検出されている場合、前記表示手段に表示をさせ、前記複数の筐体が閉状態であることが検出されている場合、前記表示手段に表示をさせない表示制御手段と、
前記開閉検出手段によって前記複数の筐体が閉状態に変化したことが検出された場合、前記表示制御手段に要求して、前記複数の筐体の開閉状態に係わらず前記表示手段に表示をさせない制御をさせると共に、装置をキーロック状態に置くキーロック制御手段と、
前記開閉検出手段によって前記複数の筐体が開状態に変化したことが検出された場合、前記表示制御手段に要求して、キーロック解除用暗証情報の入力を促す画像を前記表示手段に表示をさせた後、前記入力手段から入力された暗証情報と、記憶された暗証情報が等しい場合、キーロック状態を解除するキーロック解除処理手段とを有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
開閉自在の複数の筐体からなり、
前記複数の筐体が閉状態であるか、開状態であるか、閉状態から開状態に変化したか、及び、開状態から閉状態に変化したかを検出する開閉検出手段と、
入力手段と、
前記複数の筐体が閉状態にある場合に内側となる部分に設置された表示手段と、
グループ内処理手段を備えたグループの管理を行うグループ管理手段と、
前記表示手段に表示する権利を前記グループ管理手段に与え又は与えない制御をすると共に、前記開閉検出手段によって前記複数の筐体が開状態であることが検出されている場合、前記表示手段に表示をさせ、前記複数の筐体が閉状態であることが検出されている場合、前記表示手段に表示をさせず、更に、表示禁止の要求に応じて前記複数の筐体の開閉状態に係わらず前記表示手段に表示をさせない表示制御手段と、
前記開閉検出手段によって前記複数の筐体が閉状態に変化したことが検出された場合、装置をキーロック状態に置くキーロック制御手段と、
前記表示制御手段に前記表示禁止の解除を要求して、キーロック解除用暗証情報の入力を促す画像を前記表示手段に表示をさせた後、前記入力手段から入力された暗証情報と、記憶された暗証情報が等しい場合、キーロック状態を解除するキーロック解除処理手段とを有し、
前記グループ管理手段は、前記表示制御手段から与えられた前記表示手段に表示する権利を前記グループ内処理手段に与えて動作させているときに前記開閉検出手段によって前記複数の筐体が閉状態に変化したことが検出された場合、前記グループ内処理手段の動作を停止させると共に、前記表示制御手段に前記表示禁止を要求し、かつ、前記開閉検出手段によって前記複数の筐体が開状態に変化したことが検出された場合、前記キーロック解除処理手段を動作させる
ことを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−191668(P2010−191668A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35194(P2009−35194)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】