説明

情報処理装置

【課題】ネットワークの信頼性の向上を図ること。
【解決手段】複数のノードが設置されたネットワーク内における負荷状態を表す負荷情報を取得する負荷情報取得部と、予め設定された負荷状態毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部と、上記負荷情報取得部にて取得した上記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する上記ノード故障率記憶部に記憶された上記ノード故障率に基づいて、上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置にかかり、特に、ネットワーク内の故障ノード数を予測する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のノードを装備した通信ネットワーク内におけるノード連鎖故障が多発しており、深刻な社会問題となっている。なお、ここで記す「故障」とは、ルータ(ノード)が一時的に経路情報を持っていない状態、正常に機能しない状態、あるいは、停止した状態のことを指す。そして、「ノード連鎖故障」とは、初期の段階における小さな故障がきっかけで、次々と他のノードに同じ故障が波及し、結果的には大規模障害になってしまう現象のことである。
【0003】
以下、ネットワーク内に発生する制御メッセージを処理するための負荷を、「制御負荷」と記すこととする。そして、特定のノードが一定時間内に処理できる最大の制御負荷を、「処理能力」と記すこととする。例えば、ルータなど通信機器(ノード)のCPU(Central Processing Unit)の処理できる最大の制御負荷、もしくはメモリが記憶できる最大の制御負荷の量が、ここで記す処理能力の例である。
【0004】
次にノード連鎖故障の典型的なメカニズムを解説する。まず、はじめに一つもしくは複数のノードに故障が発生したとする。ネットワーク内のノードが故障すると、経路制御の仕組みである経路更新の処理が行われるが、その際に、ネットワーク内に制御負荷が発生する。その時、発生した制御負荷を処理しきれず、過負荷状態になった一部のノードは故障することがある。それに伴い、さらなる制御負荷がネットワーク内に発生する。すると、この発生した制御負荷が、さらにノード故障を引き起こす。このように、ノード故障と頻繁な経路更新に伴う制御負荷の発生の繰り返しにより、別の所で他のノードが次々と故障し、結果的には故障ノード数が多くなり、大規模ネットワーク障害となってしまう。
【0005】
ここで、ネットワーク中の制御負荷を軽減するための手法として、非特許文献1に開示されたルートフラップダンピングがある。ルートフラップダンピングは、制御負荷を削減するためにルータの再起動の繰り返しによる頻繁な経路更新のある経路の告知を抑制する手法である。この手法では、頻繁に更新される経路に対してペナルティを与える。ペナルティがあらかじめ決められた閾値に達したときに、経路の告知は抑制される。短時間の間に頻繁に経路がフラップすれば、より素早く経路は抑制されることになる。
【0006】
一方で、上述したようなルートフラップダンピング手法によると、ルータの再起動により一時的に経路更新の繰り返しが発生した場合でも、経路告知が抑制され、特定の経路の不到達性を引き起こしてしまうことがある。そして、ある程度、ルータの再起動の繰り返しが発生したとしても、制御負荷の量が少なかった場合、あるいはネットワーク内のノードの処理能力が十分大きかった場合、連鎖故障あるいは大規模障害が発生するとは限らない。従って、ルートフラップダンピング手法を適用した場合、到達性に悪影響を与えてしまうというデメリットが生じてしまう。
【0007】
このため、効果的にノードの連鎖故障を防ぐために、未来の連鎖故障の可能性あるいは連鎖故障による故障ノード数あるいは故障の可能性を的確に予測し、予測結果に応じて効果的に対策を取る仕組みが必要となる。そして、予測結果に基づいて、どの対策を取るかを判断する。深刻でありそうだった場合は対策を取るが、そうでない場合は無視するというようにすることにより、上記のような到達性に悪影響を与えることなく、連鎖故障の対策を取ることができると考えられる。
【0008】
一方で、ルータの連鎖故障を対象とする従来の研究として、非特許文献2に示すように、BGP(Border Gateway Routing Protocol)を用いたネットワーク内におけるシンプルな連鎖故障のモデルを解析するものがある。この文献では、ネットワーク内において、有限個のノードが存在し、全てのノードは同等の機能を持ち、そして、全ノードはClique(全ノードがお互いに直接リンクを持つ)トポロジを構成すると仮定している。そして、故障したルータは復旧することがあることを前提に、連鎖故障の現象を出生死滅モデルに近似できると仮定している。本文献では、これらの前提条件に基づいて、初期に故障したルータの数と全体のルータが故障するまでの時間の関係を数学的に解析している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】C. Villamizar、R. Chandra, Govindan,「BGP Route Flap Damping」、1998年11月、RFC
【非特許文献2】E. G Coffman, Z Ge, VMisra, D Towsley、「NetworkResilience: Exploring Cascading Failures within BGP」、2003年、in Proceeding ofthe 40th annual Allerton Conference on Communications and Control.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した非特許文献2に開示の技術では、モデル化可能なCliqueトポロジーを持つネットワークしか適用できず、実ネットワークのようなモデル化が困難なトポロジーを持つネットワークにおけるノード故障規模の予測に適用できない問題点がある。
【0011】
つまり、上述した非特許文献に開示の技術では、ノードの連鎖故障を予測できるネットワークが限定されてしまい、故障を予測できない場合が生じる。すると、ネットワークに生じる障害を事前に予測して適切な対応を採ることができず、ネットワークの信頼性が低下する、という問題が生じる。
【0012】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、連鎖障害の規模の予測を図る、ことにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である情報処理装置は、
複数のノードが設置されたネットワーク内における負荷状態を表す負荷情報を取得する負荷情報取得部と、
予め設定された負荷状態毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部と、
上記負荷情報取得部にて取得した上記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する上記ノード故障率記憶部に記憶された上記ノード故障率に基づいて、上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、
を備える。
【0014】
また、本発明の他の形態である情報処理装置は、
複数のノードが設置されたネットワーク内における上記ノードの故障数を表す故障ノード数情報を取得する故障ノード数情報取得部と、
予め設定された故障ノード数毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部と、
上記故障ノード数情報取得部にて取得した上記故障ノード数情報にて特定される上記ノードの故障数に対応する上記ノード故障率記憶部に記憶された上記ノード故障率に基づいて、上記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、
を備える。
【0015】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
複数のノードが設置されたネットワーク内における負荷状態を表す負荷情報を取得する負荷情報取得部と、
予め設定された負荷状態毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶したノード故障率記憶部から、上記負荷情報取得部にて取得した上記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する上記ノード故障率を取得し、当該ノード故障率に基づいて上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、
を実現させるためのプログラムである。
【0016】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
複数のノードが設置されたネットワーク内における上記ノードの故障数を表す故障ノード数情報を取得する故障ノード数情報取得部と、
予め設定された故障ノード数毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部から、上記故障ノード数情報取得部にて取得した上記故障ノード数情報にて特定される故障ノード数に対応する上記ノード故障率を取得し、当該ノード故障率に基づいて、上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、
を実現させるためのプログラムである。
【0017】
また、本発明の他の形態である情報処理方法は、
複数のノードが設置されたネットワーク内における負荷状態を表す負荷情報を取得し、
予め設定された負荷状態毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶したノード故障率記憶部から、上記取得した負荷情報にて特定される負荷状態に対応する上記ノード故障率を取得して、当該ノード故障率に基づいて上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する、という構成を採る。
【0018】
さらに、本発明の他の形態である情報処理方法は、
複数のノードが設置されたネットワーク内における上記ノードの故障数を表す故障ノード数情報を取得し、
予め設定された故障ノード数毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部から、上記取得した故障ノード数情報にて特定される故障ノード数に対応する上記ノード故障率を取得し、当該ノード故障率に基づいて、上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上のように構成されることにより、様々な構成のネットワークであっても、ノード故障数を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1における連鎖故障危険度予測装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に開示したノード故障率管理部の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2に開示したノード故障率管理部が有するノード故障率記憶部に記憶されるデータの構造の一例を示す説明図である。
【図4】図1に開示した故障ノード数予測部の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4に開示したノード数記憶部に記憶されるデータの構造の一例を示す説明図である。
【図6】図4に開示した計算式記憶部に格納されている数式の一例である。
【図7】図1に開示した負荷発生率管理部の構成例を示す図である。
【図8】図7に開示した負荷発生率管理部が有する負荷発生率記憶部に記憶されるデータの構造の一例を示す説明図である。
【図9】実施形態1における連鎖故障危険度予測装置の簡略な動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施形態1における連鎖故障危険度予測装置の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】実施形態2における連鎖故障危険度予測装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】図11に開示したノード故障率管理部の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12に開示したノード故障率管理部が有するノード故障率記憶部に記憶されるデータの構造の一例の説明図である。
【図14】実施形態2における連鎖故障危険度予測装置の簡略な動作の一例を示すフローチャートである。
【図15】実施形態2における連鎖故障危険度予測装置の詳細な動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】実施形態3における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図17】実施形態4における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図10を参照して説明する。図1乃至図8は、本実施形態における連鎖故障危険度予測装置の構成を示す図である。図9乃至図10は、連鎖危険度予測装置の動作を示すフローチャートである。
【0022】
[構成]
図1に示すように、本実施形態における連鎖危険度予測装置1は、複数のルータといったノード11を含む、観測対象となるネットワーク10に接続している一般的な情報処理装置である。そして、連鎖危険度予測装置1は、制御負荷計測部20と、ノード故障率管理部30と、故障ノード数予測部40と、負荷発生率管理部50と、を備えている。なお、上記各部20,30,40,50は、ハードウェア、ソフトウェアのいずれで構成してもよい。特に、上記各部あるいは当該各部の一部機能をソフトウェアで構成する場合は、連鎖危険度予測装置1に装備された記憶装置内(図示せず)に上記各部に対応する各機能用プログラムが記憶され、連鎖危険度予測装置1に装備された演算装置(図示せず)により各機能用プログラムを実行することで実現できる。また、上記各部あるいはその一部が所定の情報を記憶する記憶部として機能する場合には、上記記憶装置内に所定の情報を記憶することで実現できる。以下、上記構成について詳述する。
【0023】
上記制御負荷計測部20(負荷情報取得部)は、上記ネットワーク10の作動状態を表すネットワーク状態を取得する機能を有する。具体的に、本実施形態では、ネットワーク10内を流れるメッセージ、例えば、制御パケットを受信し、ネットワーク10内の制御負荷を表す負荷情報を、上記ネットワーク状態として測定する。ここで、制御パケットとは、通信経路を構築するために、ネットワーク内において各ノードによって交換されるパケットのことをいう。例えば、制御パケットの一例として、BGP(Border Gateway Routing Protocol)ルーティングプロトコル、OSPF(Open Shortest Path First)ルーティングプロトコルのルーティングパケットなどがある。
【0024】
そして、制御負荷計測部20は、ある単位時間内にノードが受信した制御パケットの数や制御パケットのサイズ、あるいは、制御パケットにある経路の数、を制御負荷として測定する。つまり、上述した制御パケットの数やサイズなどに基づいて、ネットワーク10内で通信経路を構築する処理時に生じる当該ネットワーク10内における負荷を計測する。
【0025】
次に、上記ノード故障率管理部30(ノード故障率記憶部)について、図2乃至図3を参照して説明する。図2は、ノード故障率管理部30の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、ノード故障率管理部30は、ノード故障率記憶部301を備えている。そして、ノード故障率記憶部301は、ネットワークの状態毎つまり特定の制御負荷毎(負荷状態毎)にそれぞれ対応して、一定時間後にノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶している。ノード故障率記憶部301に記憶されている情報の一例を、図3に示す。
【0026】
ここで、上述した「ノード故障率」とは、ある時点においてネットワーク内にある制御負荷Ljが発生した場合、ある単位時間ts後に特定の処理能力を持つノード全体に対して故障するノードの割合、のことであると定義する。例えば、処理能力Cmのノード故障率が0.10であった場合、ネットワーク内にLj分の負荷が発生した時、ネットワーク内の処理能力Cmを持つ10000ノードのうち、ts時間後に故障する処理能力Cmのノード数は、1000×0.10=100ノードであることを意味する。そして、ノード故障率管理部30つまりノード故障率記憶部301には、制御負荷の値毎、かつ、ノードの処理能力毎に、単位時間後のノード故障率がそれぞれ記憶されている。
【0027】
そして、図3には、ネットワーク内にk種類の処理能力C1,C2,・・・,Ck(kは任意の整数)が存在した場合において、ノード故障記憶部301に記憶されているノード故障率情報の構成の一例を示す。この図に示すように、ノード故障率記憶部301は、ネットワーク内に発生する制御負荷(ネットワーク内制御負荷3011)と、それぞれのノード処理能力(ノード処理能力3012)と、これらに対応する単位時間ts後の各処理能力のノード故障率(単位時間後ノード故障率3013)と、が記憶されている。例えば、ネットワーク内制御負荷L1=100、ノード処理能力C1=100の単位時間後のノード故障率は、0.5と設定されている。
【0028】
そして、ノード故障率管理部30は、上述した制御負荷計測部20から制御負荷情報を入力として受け取ると、その制御負荷情報に対応付けられた各ノードの故障率をノード故障率記憶部301内から取得して、故障ノード数予測部40に出力する。なお、上述したノード故障率は、あらかじめシミュレーションを用いて求めてもよい。あるいは実ネットワークにおける測定で求めてもよく、外部から入手してもよい。また、単位時間tsは、いかなる値であってもよく、例えば、単位時間は、経路更新処理の周期でもよい。そして、単位時間の単位は、秒、分、あるいは時間でもよい。
【0029】
次に、故障ノード数予測部40について、図4乃至図6を参照して説明する。まず、図4は、故障ノード数予測部の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、故障ノード数予測部40は、ノード数記憶部401と、計算式記憶部402と、故障ノード数予測値計算部403と、故障ノード数予測値記憶部404と、未故障ノード数予測値記憶部405と、計算制御部406と、を備えている。そして、故障ノード数予測部40は、上述したように取得したネットワークの状態を表す制御負荷毎に対応して設定されたノード故障率から、予め用意された連鎖故障の数式モデルを用いて、将来の故障ノード数を算出して予測する。
【0030】
具体的に、上記ノード数記憶部401は、ノードの処理能力とその処理能力を持つノードの数との対応を記憶している。図5にノード数記憶部401に記憶されている情報の一例を示すが、この図では、ネットワーク内にk種類の処理能力C1,C2,・・・,Ckのノードが存在した場合に、各処理能力毎のノード数を示している。つまり、ノード数記憶部401には、予め設定された各ノード処理能力4011と、各処理能力を持つノード数4012とが対応付けられて記憶されている。具体的に、図5の例では、ネットワーク内において処理能力C1,C2,C3,・・・,Ckを持つノード数は、それぞれ500,350,200,100であることを意味している。
【0031】
また、上記計算式記憶部402は、未来の故障ノード数を算出するための数式が予め一つあるいは複数記憶されている。ここでは、以下の定義・前提条件1〜5に従って、図6に示すような計算式が計算式記憶部402に記憶されている。
1.ネットワーク内にk種類の処理能力C1,C2,C3,・・・,Ckが存在する。なお、kは任意の整数である。
2.ある時点におけるCj処理能力のノードの数をNjとして表記する。
3.Cj処理能力のノードのts時間後のノード故障率をDjとして表記する。なお、ノード故障率管理部30から取得することができる。
4.ts時間後における各処理能力Cj(j=1,2,・・・,k)のノードの故障ノード数の予測値を、fjとして表記する。
5.ts時間後における故障ノード数の合計を、Fiとして表記する。
【0032】
そして、図6に示す式(1)(fj←Dj×Nj)は、ts時間後のノードの故障ノード数の予測値fjを、ノード処理能力ごとに計算する数式である。式(2)(Nj←Nj−fj)は、ts時間後にネットワーク内にそれぞれの処理能力を持つノードの数の予測値(未故障ノードの予測値)Njを計算する数式である。式(3)(Fi←Σfj)は、ts時間後におけるネットワーク内の全故障ノード数の予測値Fiを計算する数式である。なお、計算式は連鎖故障の事例あるいは連鎖故障モデルの解析から数学的に求めても良い。
【0033】
また、上記故障ノード数予測値計算部403は、ある一定時間後の全体のノード数の予測値、及び、未故障ノード数予測値を計算する。具体的に、故障ノード数予測値計算部403は、ノード故障率管理部30から得られたノードの処理能力毎のノード故障率と、ノード数記憶部401にある処理能力毎のノード数情報と、計算式記憶部402に記憶されている数式を用いて、ある一定時間ts後に、ネットワーク10内にあるノードがどのぐらい数で故障するかの予測値を算出する。
【0034】
また、上記故障ノード数予測値記憶部404は、故障ノード数予測値計算部403で計算された故障ノードの予測値を記憶する記憶部である。この故障ノード数の予測値は、本発明で求めたい対象でもあり、さらに、この値を用いて、次の時間帯の負荷発生率、ノード故障率、そして、故障ノード数の予測値を求めることができる。この故障ノード数、負荷発生率、ノード故障率の計算のサイクルを繰り返すことで、どの時間帯における故障ノード数でも予測することが可能となる。
【0035】
また、未故障ノード数予測値記憶部405は、故障ノード数予測値計算部403で計算されたある一定時間後(これ実施例ではts時間後)の未故障ノード数の予測値を記憶する記憶部である。なお、未故障ノード数予測値記憶部405に記憶されているデータ構造は、ノード数記憶部401に記憶されているデータ構造と同じである。そして、この予測値は、ある一定時間ts後の故障ノード数の予測に用いられ、特に、本実施形態では、計算式記憶部402にある式(1)の計算に用いられる。
【0036】
また、上記計算制御部406は、故障ノード数予測値計算部403における計算を所定の回数繰り返しを実行させる制御部である。例えば、外部から所定の回数を入力情報として受け取り、その情報に基づき、いつまで故障ノード数予測値の計算の繰り返すかを判断する役割を持つ。なお、繰り返して故障ノード数を予測する処理については後述する。
【0037】
次に、負荷発生率管理部50(負荷情報記憶部)について、図7乃至図8を参照して説明する。図7は、負荷率管理部50の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、負荷発生率管理部50は、負荷発生率記憶部501を備えている。そして、負荷発生率記憶部501は、ネットワーク10内で特定のノードが故障した場合、どのぐらいの制御負荷がネットワーク内に発生するか、という故障ノード数に対応する制御負荷情報(予測負荷状態情報)を記憶している。
【0038】
具体的に、負荷発生率記憶部501には、図8に示すように、故障ノード数5011と、その数のノードが故障したことにより発生する制御負荷の量を表す制御負荷発生量5012と、がそれぞれ対応付けられて記憶されている。なお、この図に示すように、故障したノード数が多いほど、ネットワーク内に制御負荷が多く発生するよう設定されている。
【0039】
そして、上記負荷発生率管理部50は、故障ノード数予測部40から一定時間後にノードがどのぐらいの数で故障するかという故障ノード数の予測値を入力として受け取ると、それに対応付けられた故障に伴う制御負荷発生量を、負荷発生率記憶部501から読み出して制御負荷計測部20に出力する。なお、故障ノード数に対する負荷発生率は、シミュレーションを用いて求めてもよい。あるいは実ネットワークによる測定で求めてもよい。
【0040】
そして、上記制御負荷計測部20は、負荷発生率管理部50から出力された負荷発生率を、一定時間後に発生するネットワーク内における制御負荷情報として取得し、これを故障ノード数予測部40に出力する。すると、故障ノード数予測部40は、受け取った制御負荷情報に基づいて、さらに一定時間後の故障ノード数を繰り返し予測する。
ここで、本実施形態における連鎖故障危険度予測装置1では、上記ノード故障率管理部30が、後述する実施形態2で説明するノード故障率管理部31のように、予め設定されたノードの故障数毎に対応するノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶していてもよい。そして、ノード故障率管理部30は、上述したように故障ノード数予測部40にて算出されたノードの故障数を、単位時間後のノードの故障数を表す故障ノード数情報として取得し、故障ノード数情報取得部として機能する。さらに、ノード故障率管理部30は、記憶しているノードの故障数に対応するノード故障率から、上述したように取得したノードの故障数に対応するノード故障率を、さらに単位時間後のノード故障率として取得し、故障ノード数予測部40に出力する。そして、故障ノード数予測部40は、上記取得したノード故障率に基づいて、上述同様に、さらに単位時間後のネットワークに設置されたノードの故障数を算出する。
【0041】
[動作]
次に、上述した連鎖故障危険度予測装置1の動作の概略を、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
まず、制御負荷計測部20が、予測対象となるネットワーク10から制御パケットを受信し、制御負荷を計測する(ステップS1101)。そして、計測された制御負荷と、ノード故障率管理部30に記憶されている制御負荷及び単位時間後のノード故障率の対応表と、を用いて、計測された制御負荷に対応する次の単位時間後のノード故障率を取得する(ステップS1102)。
【0043】
続いて、故障ノード数予測部40にて、上記ステップS1102で取得したノード故障率と、ノード数記憶部401に記憶されているネットワーク内に設置されたノード数情報を用いて、単位時間後の故障ノード数を計算する(ステップS1103)。これにより、単位時間後の故障ノード数を予測することができる。
【0044】
そして、さらに、ステップS1103の結果と、負荷発生率管理部50に記憶されている故障ノード数に対する制御負荷の対応表を用いて、次の単位時間後にネットワーク内に発生する制御負荷の量を予測する(ステップS1104)。その後、ステップS1102に戻り、予測した制御負荷に対応するノード故障率を、ノード故障率管理部30から取得して(ステップS1102)、このノード故障率を用いて、さらに単位時間後の故障ノード数を算出する(ステップS1103)。そして、予測したい時間帯になるまで、上記処理を繰り返す。
【0045】
次に、上記連鎖故障危険度予測装置1の詳細な動作を、図10のフローチャートを参照して説明する。なお、この図では、目的とする未来のn×ts時間後(nは整数)における故障ノード数を予測する場合の動作を説明する。
【0046】
まず、iを1として、故障ノード数予測部40にある故障ノード数予測値記憶部404と未故障ノード数記憶部405にある値を初期化する(ステップS1201)。そして、制御負荷計測部20を用いて、対象となるネットワーク10内の制御負荷を観測し、得られた制御負荷の値をLiとする(ステップS1202)。
【0047】
続いて、制御負荷計測部20から受け取る制御負荷Liを用いて、ノード故障率管理部30のノード故障率記憶部301を参照し、各処理能力C1,C2,・・・,Ckのノードにおける制御負荷Liのときのts時間後のノード故障率を取得し、それぞれをD1,D2,・・・,Dkとする(ステップS1203)。
【0048】
そして、故障ノード数予測部40での処理において、もしiの値が1である場合は、ノード数記憶部401を参照し、もし、iの値が2以上である場合は未故障ノード数記憶部405を参照し、各処理能力C1,C2,・・・,Ckのノード数を取得する。そして、それぞれの値をN1,N2,・・・,Nkとする(ステップS1204)。
【0049】
続いて、j=1,2,・・・,kに対して、fj=Dj×Njを算出し、一定時間ts後における各処理能力を持つノードの故障数f1,f2,・・・,fkをそれぞれ求める(ステップS1205)。そして、さらに、Nj=Nj−fjをj=1,2,・・・,kに対して求め、未故障ノード数予測値記憶部404を更新する(ステップS1206)。その後、全体の故障ノード故障数Fi=Σfj(j=1,2,・・・,k)を計算し、故障ノード数予測値記憶部404を更新する(ステップS1207)。
【0050】
ここで、仮にiの値がn以上であるならば(ステップS1208でy)、計算制御部406は計算処理を終了し、故障ノード数予測値記憶部404にある値を、予測したい故障ノード数の予測結果として出力する(ステップS1209)。一方、iの値がnより小さければ(ステップS1208でn)、Fiに基づいて、負荷発生率管理部50にある負荷発生率記憶部501に参照し、次にネットワーク内に発生する制御負荷の量の予測値を取得し、それをLiとする(ステップS1210)。その後、iの値にi+1を代入する(ステップS1211)。そして、ステップS1203の処理に戻り、iの値がn以上になるまで、上述した処理を繰り返す。これにより、目的とする未来のn×ts時間後における故障ノード数を予測することができる。
【0051】
以上により、本実施形態では、ネットワーク10の作動状態、例えば、ネットワーク内において通信経路を構築する処理時にネットワーク内に生じる制御負荷を取得することで、当該制御負荷に対応して設定されているノード故障率を取得して、ノードの故障数を予測することができる。特に、ノード故障率は、ノードの処理性能毎に設定されているため、処理性能毎のノードの故障数を予測することができる。これにより、種々の処理性能のノードが混在していたり、モデル化が困難であるなど、複雑な構成のネットワークであっても、ノード故障数を予測することができ、適切な対応をとることができる。その結果、ネットワークの信頼性の向上を図ることができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、一定時間後のノード故障率を設定しておき、これに基づいて繰り返し故障ノード数を算出することで、予測したい未来の任意の時点における故障ノード数を推定することができる。
【0053】
また、本実施形態のように、ノード故障率記憶部301においてノード故障率を処理能力毎に対応させて記憶しておくことで、処理能力の異なるノードから構成されたネットワークにおいても、連鎖障害の規模を予測できるという効果を期待できる。
【0054】
なお、上述の連鎖障害の規模の予測方法は、一例であり、本実施形態ではノード故障率記憶部301にあるノード故障率情報の構成に、ネットワーク内制御負荷3011と単位時間後ノード故障率3013がそれぞれノード処理能力3012ごとに対応させているが、他の実施形態として、ノード故障率記憶部301にあるノード故障率情報の構成に、ネットワーク内制御負荷3011と単位時間後ノード故障率3013が、それぞれノード処理能力3012ごとに対応していなくてもよい。例えば、ノード処理能力3012の代わりに、ノードの名前等ごとに対応させてもよい。
【0055】
そして、例えば、ノード故障率がノードの処理性能毎に設定されておらず、少なくともネットワーク内の制御負荷毎にそれぞれ対応して設定されている場合には、全てのノード数にノード故障率をかけることで、故障ノード数を算出することができる。
さらに、上記では、連鎖故障危険度予測装置1がネットワークの作動状態を表す情報として取得する情報は、制御負荷である場合を例示したが、ネットワーク内における他の負荷状態を表す負荷情報であってもよい。そして、これに対応して、上記ノード故障率は、負荷状態毎にノード故障率が設定されていればよい。このようにしても、ネットワークの作動状態に応じて、所定時間後の故障ノード数を予測することができる。
【0056】
なお、上述した連鎖故障危険度予測装置1は、1台の情報処理装置にて構成されていてもよく、あるいは、複数台の情報処理装置群にて構成されていてもよい。つまり、連鎖故障危険度予測装置1に装備されている各部20,30,40,50は、複数台の情報処理装置に分散して装備されていてもよい。
【0057】
<実施形態2>
本発明の第2の実施形態を、図11乃至図15を参照して説明する。図11乃至図13は、本実施形態における連鎖故障危険度予測装置の構成を示す図である。図14乃至図15は、連鎖危険度予測装置の動作を示すフローチャートである。
【0058】
[構成]
図11に示すように、本実施形態における連鎖危険度予測装置2は、複数のルータといったノード11を装備した、観測対象となるネットワーク10に接続している一般的な情報処理装置である。そして、連鎖危険度予測装置2は、故障ノード数計測部21と、ノード故障率管理部31と、故障ノード数予測部40と、を備えている。なお、上記各部21,31,40は、ハードウェア、ソフトウェアのいずれで構成してもよい。特に、上記各部あるいは当該各部の一部機能をソフトウェアで構成する場合は、連鎖危険度予測装置2に装備された記憶装置内(図示せず)に上記各部に対応する各機能用プログラムが記憶され、連鎖危険度予測装置2に装備された演算装置(図示せず)により各機能用プログラムを実行することで実現できる。また、上記各部あるいはその一部が所定の情報を記憶する記憶部として機能する場合には、上記記憶装置内に所定の情報を記憶することで実現できる。以下、上記構成について詳述する。
【0059】
そして、本実施形態における連鎖危険度予測装置2は、上述した実施形態1の連鎖危険度予測装置1と比較して、故障ノード数計測部21が存在する点と、逆に制御負荷計測部20及び負荷発生率管理部50を備えていない点で異なる。また、本実施形態におけるノード故障率管理31は、後述するように、実施形態1のものとは異なる。以下、詳述する。
【0060】
上記故障ノード数計測部21(故障ノード数情報取得部)は、ネットワーク10に流れている制御パケットを受信し、受信した制御パケットから故障ノード数を測定する。つまり、本実施形態では、ネットワークの作動状態を表すネットワーク状態として、ネットワーク内の制御負荷ではなく、ノードの故障数を表す故障ノード数情報を取得する。そして、取得した故障ノード数情報をノード故率管理部31に出力する。また、故障ノード数計測部21は、後述する故障ノード数予測部40にて算出された一定時間後の故障ノード数を、当該一定時間後の故障ノード数として取得して、ノード故障管理部31に出力する。
【0061】
ここで、上記故障ノード数計測部21は、故障と判断したノードの数を測定するが、ノードが故障しているか否かの判断は、ノードの作動状態が予め故障ノード数計測部21に設定された基準に基づいて判断する。例えば、本実施形態では、ノードが一時的に経路情報を持っていない状態、正常に機能しない状態、停止した状態、などの場合に、当該ノードが故障状態であると判断し、その数を故障ノード数としてカウントする。但し、ノードを故障状態と判断する基準は、上記の場合に限定されない。
【0062】
次に、上記ノード故障率管理部31について図12乃至図13を参照して説明する。図12は、ノード故障率管理部31の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、ノード故障率管理部31は、ノード故障率記憶部311を備えている。そして、ノード故障率記憶部311は、特定の故障ノード数毎に対応して、ある単位時間ts後にノード全体に対して故障するノードの割合であるノード故障率を記憶している。具体的には、各故障ノード数毎に、さらに、ノード処理能力ごとに、ノード故障率が記憶されている。例えば、図13に示すように、ネットワーク内にk種類の処理能力C1,C2,・・・,Ck(kは任意の整数)が存在した場合には、ネットワーク内に発生する故障ノードの数(故障ノード数3111)と、それぞれのノード処理能力(ノード処理能力3112)と、これらに対応する単位時間ts後の各処理能力のノード故障率(単位時間後ノード故障率3113)と、が記憶されている。
【0063】
そして、ノード故障率管理部31は、故障ノード数計測部21から故障ノード数を入力として受け取ると、その故障ノード数に対応した各ノードの故障率を故障ノード数予測部40に出力する。なお、上記ノード故障率は、あらかじめシミュレーションを用いて求めてもよく、あるいは実ネットワークにおける測定で求めてもよい。つまり、ノード故障率は、どのような手段で入手してもよく、上記の方法に限れるものではない。また、単位時間tsは、いかなる値でも良い。
【0064】
また、故障ノード予測部40は、上述したノード故障率に基づいて、単位時間ts後の故障ノード数を算出する。例えば、ある故障ノード数の処理能力Cmのノード故障率が0.10であった場合、ネットワーク内の処理能力Cmを持つノード数が1000であるとすると、ts時間後に故障する処理能力Cmのノード数は、1000×0.10=100ノードと、予測することができる。
ここで、本実施形態における連鎖故障危険度予測装置2は、上述した実施形態1における制御負荷計測部20(図示せず)、負荷発生率管理部50(図示せず)、を備えていてもよい。また、本実施形態におけるノード故障率管理部31(ノード故障率記憶部)は、予め設定されたネットワーク内における負荷状態毎(制御負荷毎)に対応するノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶していてもよい。
【0065】
そして、上記負荷発生率管理部50(負荷状態記憶部)は、上述した図3に示すように、故障ノード数5011と、その数のノードが故障したことにより発生する制御負荷の量を表す制御負荷発生量5012(予測負荷状態情報)と、がそれぞれ対応付けられて記憶されている。さらに、上記負荷発生率管理部50は、故障ノード数予測部40から上述したように算出された故障ノード数の予測値を入力として受け取ると、それに対応付けられた故障に伴う制御負荷発生量を、負荷発生率記憶部501から読み出して制御負荷計測部20に出力する。
【0066】
そして、上記制御負荷計測部20(負荷情報取得部)は、負荷発生率管理部50から出力された負荷発生率を、一定時間後に発生するネットワーク内における制御負荷情報(予測負荷状態情報)として取得し、これをノード故障率管理部30に出力する。すると、ノード故障率管理部30は、上述した実施形態1と同様に、受け取った制御負荷情報に対応する一定時間後のノード故障率を取得し、故障ノード予測部40に出力する。そして、故障ノード数予測部40は、受け取ったノード故障率に基づいて、上述した実施形態1と同様に、さらに一定時間後の故障ノード数を繰り返し予測する。
【0067】
[動作]
次に、上述した連鎖故障危険度予測装置2の動作の概略を、図14のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
まず、故障ノード計測部21が、予測対象となるネットワーク10から制御パケットを受信し、その時点における故障ノード数を計測する(ステップS2101)。そして、計測された故障ノード数と、ノード故障率管理部31に記憶されている故障ノード数及び単位時間後のノード故障率の対応表と、を用いて、計測された故障ノード数に対応する次の単位時間後のノード故障率を取得する(ステップS2102)。
【0069】
続いて、故障ノード数予測部40にて、上記ステップS2102で取得したノード故障率と、ノード数記憶部401に記憶されているネットワーク内に設置されたノード数情報を用いて、単位時間後の故障ノード数を計算する(ステップS2103)。これにより、単位時間後の故障ノード数を予測することができる。
【0070】
そして、ステップS2102に戻り、ステップS2103の結果である単位時間後の故障ノード数に対応するさらに次の単位時間後のノード故障率を取得する(ステップS2102)。その後、このノード故障率を用いて、さらに単位時間後の故障ノード数を算出する(ステップS2103)。そして、予測したい時間帯になるまで、上記処理を繰り返す。
【0071】
次に、上記連鎖故障危険度予測装置2の詳細な動作を、図15のフローチャートを参照して説明する。なお、この図では、実施形態1と同様の動作については、図10と同一符号を付して説明する。
【0072】
まず、iを1として、故障ノード数予測部40にある故障ノード数予測値記憶部404と未故障ノード数記憶部405にある値を初期化する(ステップS1201)。そして、故障ノード数計測部21を用いて、対象となるネットワーク10内の故障ノード数を計測し、得られた故障ノード数をfiとする(ステップS2202)。
【0073】
続いて、故障ノード数計測部21から受け取る故障ノード数fiを用いて、ノード故障率管理部31のノード故障率記憶部311を参照し、故障ノード数fiに対応する各処理能力C1,C2,・・・,Ckのts時間後のノード故障率を取得し、それぞれをD1,D2,・・・,Dkとする(ステップS2203)。
【0074】
そして、故障ノード数予測部40での処理において、もしiの値が1である場合は、ノード数記憶部401を参照し、もし、iの値が2以上である場合は未故障ノード数記憶部405を参照し、各処理能力C1,C2,・・・,Ckのノード数を取得する。そして、それぞれの値をN1,N2,・・・,Nkとする(ステップS1204)。
【0075】
続いて、j=1,2,・・・,kに対して、fj=Dj×Njを算出し、一定時間ts後における各処理能力を持つノードの故障数f1,f2,・・・,fkをそれぞれ求める(ステップS1205)。そして、さらに、Nj=Nj−fjをj=1,2,・・・,kに対して求め、未故障ノード数予測値記憶部404を更新する(ステップS1206)。その後、全体の故障ノード故障数Fi=Σfj(j=1,2,・・・,k)を計算し、故障ノード数予測値記憶部404を更新する(ステップS1207)。
【0076】
ここで、仮にiの値がn以上であるならば(ステップS1208でy)、計算制御部406は計算処理を終了し、故障ノード数予測値記憶部404にある値を、予測したい故障ノード数の予測結果として出力する(ステップS1209)。一方、iの値がnより小さければ(ステップS1208でn)、iの値にi+1を代入する(ステップS1211)。そして、ステップS2203の処理に戻り、iの値がn以上になるまで、上述した処理を繰り返す。つまり、予測した単位時間後の故障ノード数fiを用いて、再度、ノード故障率管理部31のノード故障率記憶部311を参照し、故障ノード数fiに対応する各処理能力C1,C2,・・・,Ckのts時間後のノード故障率を取得する。そして、さらに単位時間後の故障ノード数を算出する。これにより、目的とする未来のn×ts時間後における故障ノード数を予測することができる。
【0077】
以上により、本実施形態では、ネットワーク10の作動状態、例えば、ネットワーク内の故障ノード数を取得することで、当該故障ノード数に対応して設定されているノード故障率を取得して、ノードの故障数を予測することができる。特に、ノード故障率は、ノードの処理性能毎に設定されているため、処理性能毎のノードの故障数を予測することができる。これにより、種々の処理性能のノードが混在していたり、モデル化が困難であるなど、複雑な構成のネットワークであっても、ノード故障数を予測することができ、適切な対応をとることができる。その結果、ネットワークの信頼性の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、一定時間後のノード故障率を設定しておき、これに基づいて繰り返し故障ノード数を算出することで、予測したい未来の任意の時点における故障ノード数を推定することができる。
【0078】
ここで、上記では、ノード故障率がノードの処理性能毎に設定されている場合を説明したが、ノード故障率は、必ずしも処理性能毎に設定されている必要はない。つまり、ノード故障率は、少なくとも故障ノード数毎にそれぞれ対応して設定されていればよく、この場合には、全てのノード数にノード故障率をかけることで、故障ノード数を算出することができる。
【0079】
<実施形態3>
本発明の第3の実施形態を、図16を参照して説明する。図16は、情報処理装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、情報処理装置の概略を説明する。
【0080】
図16に示すように、本実施形態における情報処理装置1000は、
複数のノード2100が設置されたネットワーク2000内における負荷状態を表す負荷情報を取得する負荷情報取得部1100と、
予め設定された負荷状態毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部1200と、
上記負荷情報取得部1100にて取得した上記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する上記ノード故障率記憶部1200に記憶された上記ノード故障率に基づいて、上記ネットワーク2000に設置された上記ノード2100の故障数を算出する故障ノード数予測部1300と、
を備える。
【0081】
そして、上記情報処理装置では、
上記負荷情報取得部は、上記ネットワーク内において通信経路を構築する処理時に生じる当該ネットワーク内における負荷を表す制御負荷を、上記負荷情報として取得し、
上記ノード故障率記憶部は、上記制御負荷毎に対応して設定された上記ノード故障率を記憶し、
上記故障ノード数予測部は、上記負荷情報取得部にて取得した上記負荷情報にて特定される制御負荷に対応する、上記ノード故障率記憶部に記憶された上記ノード故障率に基づいて、上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0082】
上記発明によると、まず、情報処理装置は、ネットワークの作動状態、例えば、ネットワーク内において通信経路を構築する処理時にネットワーク内に生じる制御負荷を、ネットワーク状態として取得する。そして、情報処理装置は、取得したネットワーク状態に対応して設定されているノード故障率を取得して、このノード故障率に基づいて、ノードの故障数を算出する。これにより、複雑な構成のネットワークであっても、ノード故障数を予測することができ、適切な対応をとることができる。
【0083】
また、上記情報処理装置では、
上記ネットワーク内に設置された上記ノードの処理性能毎の数を記憶したノード数記憶部を備え、
上記ノード故障率記憶部は、予め設定された上記負荷状態毎及び上記ノードの処理性能毎に対応して前記ノード故障率を記憶しており、
上記故障ノード数予測部は、上記負荷情報取得部にて取得した上記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する、上記ノード故障率記憶部に記憶された上記ノードの処理性能毎の前記ノード故障率と、上記ノード数記憶部に記憶された上記ノードの処理性能毎の数と、に基づいて、上記ネットワークに設置されたノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0084】
これにより、ノードの処理性能毎のノード故障率に基づいて、処理性能毎のノードの故障数を予測算出する。従って、種々の処理性能のノードが混在しているネットワークであっても、ノードの故障数をより的確に予測することができる。
【0085】
さらに、上記情報処理装置では、
上記ノード故障率は、予め設定された単位時間後にノードが故障する確率である、
という構成を採る。
【0086】
また、上記情報処理装置では、
予め設定された上記ノードの故障数毎に対応する上記ネットワーク内における負荷状態を表す予測負荷状態情報を記憶した負荷状態記憶部を備えると共に、
上記負荷情報取得部は、上記故障ノード数予測部にて算出した上記ノードの故障数に対応する上記負荷状態記憶部に記憶された上記予測負荷状態情報を、単位時間後の上記ネットワーク内における負荷状態を表す上記負荷情報として取得し、
上記故障ノード数予測部は、上記負荷情報取得部にて取得した単位時間後の上記負荷情報に基づいてさらに単位時間後のノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0087】
さらに、上記情報処理装置では、
上記故障ノード数予測部にて算出した上記ノードの故障数を、単位時間後の上記ノードの故障数を表す故障ノード数情報として取得する故障ノード数情報取得部を備えると共に、
上記ノード故障率記憶部は、予め設定された上記ノードの故障数毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶し、
上記故障ノード数予測部は、上記故障ノード数情報取得部にて取得した上記故障ノード数情報にて特定される単位時間後の上記ノードの故障数に対応する、上記ノード故障率記憶部に記憶された上記ノード故障率に基づいて、さらに単位時間後の上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0088】
これにより、単位時間後のノードの故障数を算出し、このノードの故障数に基づいてさらに単位時間後のノードの故障数を算出することを繰り返すことで、所望の時間後のノードの故障数を予測することができる。
【0089】
また、上述した情報処理装置は、当該情報処理装置に、プログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、情報処理装置に、
複数のノードが設置されたネットワーク内における負荷状態を表す負荷情報を取得する負荷情報取得部と、
予め設定された負荷状態毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶したノード故障率記憶部から、上記負荷情報取得部にて取得した上記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する上記ノード故障率を取得し、当該ノード故障率に基づいて上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、
実現させるためのプログラムである。
【0090】
そして、上記プログラムでは、
上記負荷情報取得部は、上記ネットワーク内において通信経路を構築する処理時に生じる当該ネットワーク内における負荷を表す制御負荷を、上記負荷情報として取得し、
上記ノード故障率記憶部は、上記制御負荷毎に対応して設定された上記ノード故障率を記憶し、
上記故障ノード数予測部は、上記負荷情報取得部にて取得した上記負荷情報にて特定される制御負荷に対応する上記ノード故障率記憶部に記憶された上記ノード故障率に基づいて、上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0091】
また、上述した情報処理装置が作動することにより実行される、本発明の他の形態である情報処理方法は、
複数のノードが設置されたネットワーク内における負荷状態を表す負荷情報を取得し、
予め設定された負荷状態毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶したノード故障率記憶部から、上記取得した負荷情報にて特定される負荷状態に対応する上記ノード故障率を取得して、当該ノード故障率に基づいて上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0092】
そして、上記情報処理方法では、
上記負荷情報の取得時に、上記ネットワーク内において通信経路を構築する処理時に生じる当該ネットワーク内における負荷を表す制御負荷を、上記負荷情報として取得し、
上記ノード故障率記憶部は、上記制御負荷毎に対応して設定された上記ノード故障率を記憶しており、
上記ノードの故障数の算出時に、上記負荷情報の取得時に取得した上記負荷情報にて特定される制御負荷に対応する上記ノード故障率記憶部に記憶された上記ノード故障率に基づいて、上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0093】
上述した構成を有する、プログラム、又は、情報処理方法、の発明であっても、上記情報処理装置と同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することができる。
【0094】
<実施形態4>
本発明の第4の実施形態を、図17を参照して説明する。図17は、情報処理装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、情報処理装置の概略を説明する。
【0095】
図17に示すように、本実施形態における情報処理装置1001は、
複数のノード2100が設置されたネットワーク200内における上記ノード2100の故障数を表す故障ノード数情報を取得する故障ノード数情報取得部1101と、
予め設定された故障ノード数毎に対応する上記ノード2100が故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部1201と、
上記故障ノード数情報取得部1101にて取得した上記故障ノード数情報にて特定される上記ノードの故障数に対応する上記ノード故障率記憶部1201に記憶された上記ノード故障率に基づいて、上記ネットワーク2000に設置された上記ノード2100の故障数を算出する故障ノード数予測部1301と、
を備える。
【0096】
そして、上記情報処理装置では、
上記故障ノード数情報取得部は、上記ネットワーク内において作動状態が予め設定された基準に基づいて故障状態と判断される故障ノードの数を表す故障ノード数を上記故障ノード数情報として取得する、
という構成を採る。
【0097】
上記発明によると、まず、情報処理装置は、ネットワークの作動状態、例えば、故障しているノード数を、ネットワーク状態として取得する。そして、情報処理装置は、取得したネットワーク状態に対応して設定されているノード故障率を取得して、このノード故障率に基づいて、ノードの故障数を算出する。これにより、複雑な構成のネットワークであっても、ノード故障数を予測することができ、適切な対応をとることができる。
【0098】
また、上記情報処理装置では、
上記ネットワーク内に設置された上記ノードの処理性能毎の数を記憶したノード数記憶部を備え、
上記ノード故障率記憶部は、予め設定された上記ノードの故障数毎及び上記ノードの処理性能毎に対応して上記ノード故障率を記憶しており、
上記故障ノード数予測部は、上記故障ノード数情報取得部にて取得した上記故障ノード数情報にて特定される上記ノードの故障数に対応する上記ノード故障率記憶部に記憶された上記ノードの処理性能毎の上記ノード故障率と、上記ノード数記憶部に記憶された上記ノードの処理性能毎の数と、に基づいて、上記ネットワークに設置されたノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0099】
また、上記情報処理装置では、
上記ノード故障率は、予め設定された単位時間後にノードが故障する確率である、という構成を採る。
また、上記情報処理装置では、
予め設定された上記ネットワーク内における負荷状態毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部と、
予め設定された上記ノードの故障数毎に対応する上記ネットワーク内における負荷状態を表す予測負荷状態情報を記憶した負荷状態記憶部と、
上記故障ノード数予測部にて算出した上記ノードの故障数に対応する上記負荷状態記憶部に記憶された上記予測負荷状態情報を、単位時間後の上記ネットワーク内における負荷状態を表す上記負荷情報として取得する負荷情報取得部と、を備え、
上記故障ノード数予測部は、上記負荷情報取得部にて取得した単位時間後の上記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する上記ノード故障率記憶部に記憶された上記ノード故障率に基づいて、さらに単位時間後の上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0100】
また、上記情報処理装置では、
上記故障ノード数情報取得部は、上記故障ノード数予測部にて算出した上記ノードの故障数を、単位時間後の上記ノードの故障数を表す故障ノード数情報として取得し、
上記故障ノード数予測部は、上記故障ノード数情報取得部にて取得した単位時間後の上記故障ノード数情報にて特定される上記ノードの故障数に基づいてさらに単位時間後のノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0101】
また、上述した情報処理装置は、当該情報処理装置に、プログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、情報処理装置に、
複数のノードが設置されたネットワーク内における上記ノードの故障数を表す故障ノード数情報を取得する故障ノード数情報取得部と、
予め設定された故障ノード数毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部から、上記故障ノード数情報取得部にて取得した上記故障ノード数情報にて特定される故障ノード数に対応する上記ノード故障率を取得し、当該ノード故障率に基づいて、上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、
を実現させるためのプログラムである。
【0102】
そして、上記プログラムでは、
上記故障ノード数情報取得部は、上記ネットワーク内において作動状態が予め設定された基準に基づいて故障状態と判断される故障ノードの数を表す故障ノード数を、上記故障ノード数情報として取得する、
という構成を採る。
【0103】
また、上述した情報処理装置が作動することにより実行される、本発明の他の形態である情報処理方法は、
複数のノードが設置されたネットワーク内における上記ノードの故障数を表す故障ノード数情報を取得し、
予め設定された故障ノード数毎に対応する上記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部から、上記取得した故障ノード数情報にて特定される故障ノード数に対応する上記ノード故障率を取得し、当該ノード故障率に基づいて、上記ネットワークに設置された上記ノードの故障数を算出する、
という構成を採る。
【0104】
そして、上記情報処理方法では、
上記故障ノード数情報の取得時に、上記ネットワーク内において作動状態が予め設定された基準に基づいて故障状態と判断される故障ノードの数を表す故障ノード数を、上記故障ノード数情報として取得する、
という構成を採る。
【0105】
上述した構成を有する、プログラム、又は、情報処理方法、の発明であっても、上記情報処理装置と同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、複数のルータが設置されたネットワークシステムの異常を監視する装置として利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0107】
1,2 連鎖故障危険度予測装置
10 ネットワーク
11 ノード
20 制御負荷計測部
21 故障ノード数計測部
30,31 ノード故障率管理部
301,311 ノード故障率記憶部
40 故障ノード数予測部
401 ノード数記憶部
402 計算式記憶部
403 故障ノード数予測値計算部
404 故障ノード数予測値記憶部
405 未故障ノード数予測値記憶部
406 計算制御部
50 負荷発生率管理部
501 負荷発生率記憶部
1000,1001 情報処理装置
1100 負荷情報取得部
1101 故障ノード数情報取得部
1200,1201 ノード故障率記憶部
1300,1301 故障ノード数予測部
2000 ネットワーク
2100 ノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードが設置されたネットワーク内における負荷状態を表す負荷情報を取得する負荷情報取得部と、
予め設定された負荷状態毎に対応する前記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部と、
前記負荷情報取得部にて取得した前記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する前記ノード故障率記憶部に記憶された前記ノード故障率に基づいて、前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記負荷情報取得部は、前記ネットワーク内において通信経路を構築する処理時に生じる当該ネットワーク内における負荷を表す制御負荷を、前記負荷情報として取得し、
前記ノード故障率記憶部は、前記制御負荷毎に対応して設定された前記ノード故障率を記憶し、
前記故障ノード数予測部は、前記負荷情報取得部にて取得した前記負荷情報にて特定される制御負荷に対応する前記ノード故障率記憶部に記憶された前記ノード故障率に基づいて、前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記ネットワーク内に設置された前記ノードの処理性能毎の数を記憶したノード数記憶部を備え、
前記ノード故障率記憶部は、予め設定された前記負荷状態毎及び前記ノードの処理性能毎に対応して前記ノード故障率を記憶しており、
前記故障ノード数予測部は、前記負荷情報取得部にて取得した前記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する、前記ノード故障率記憶部に記憶された前記ノードの処理性能毎の前記ノード故障率と、前記ノード数記憶部に記憶された前記ノードの処理性能毎の数と、に基づいて、前記ネットワークに設置されたノードの故障数を算出する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記ノード故障率は、予め設定された単位時間後にノードが故障する確率である、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4記載の情報処理装置であって、
予め設定された前記ノードの故障数毎に対応する前記ネットワーク内における負荷状態を表す予測負荷状態情報を記憶した負荷状態記憶部を備えると共に、
前記負荷情報取得部は、前記故障ノード数予測部にて算出した前記ノードの故障数に対応する、前記負荷状態記憶部に記憶された前記予測負荷状態情報を、単位時間後の前記ネットワーク内における負荷状態を表す前記負荷情報として取得し、
前記故障ノード数予測部は、前記負荷情報取得部にて取得した単位時間後の前記負荷情報に基づいてさらに単位時間後のノードの故障数を算出する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項4記載の情報処理装置であって、
前記故障ノード数予測部にて算出した前記ノードの故障数を、単位時間後の前記ノードの故障数を表す故障ノード数情報として取得する故障ノード数情報取得部を備えると共に、
前記ノード故障率記憶部は、予め設定された前記ノードの故障数毎に対応する前記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶し、
前記故障ノード数予測部は、前記故障ノード数情報取得部にて取得した前記故障ノード数情報にて特定される単位時間後の前記ノードの故障数に対応する、前記ノード故障率記憶部に記憶された前記ノード故障率に基づいて、さらに単位時間後の前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する、
情報処理装置。
【請求項7】
複数のノードが設置されたネットワーク内における前記ノードの故障数を表す故障ノード数情報を取得する故障ノード数情報取得部と、
予め設定された故障ノード数毎に対応する前記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部と、
前記故障ノード数情報取得部にて取得した前記故障ノード数情報にて特定される前記ノードの故障数に対応する前記ノード故障率記憶部に記憶された前記ノード故障率に基づいて、前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項8】
請求項7記載の情報処理装置であって、
前記故障ノード数情報取得部は、前記ネットワーク内において作動状態が予め設定された基準に基づいて故障状態と判断される故障ノードの数を表す故障ノード数を前記故障ノード数情報として取得する、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の情報処理装置であって、
前記ネットワーク内に設置された前記ノードの処理性能毎の数を記憶したノード数記憶部を備え、
前記ノード故障率記憶部は、予め設定された前記ノードの故障数毎及び前記ノードの処理性能毎に対応して前記ノード故障率を記憶しており、
前記故障ノード数予測部は、前記故障ノード数情報取得部にて取得した前記故障ノード数情報にて特定される前記ノードの故障数に対応する、前記ノード故障率記憶部に記憶された前記ノードの処理性能毎の前記ノード故障率と、前記ノード数記憶部に記憶された前記ノードの処理性能毎の数と、に基づいて、前記ネットワークに設置されたノードの故障数を算出する、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記ノード故障率は、予め設定された単位時間後にノードが故障する確率である、
情報処理装置。
【請求項11】
請求項10記載の情報処理装置であって、
予め設定された前記ネットワーク内における負荷状態毎に対応する前記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部と、
予め設定された前記ノードの故障数毎に対応する前記ネットワーク内における負荷状態を表す予測負荷状態情報を記憶した負荷状態記憶部と、
前記故障ノード数予測部にて算出した前記ノードの故障数に対応する前記負荷状態記憶部に記憶された前記予測負荷状態情報を、単位時間後の前記ネットワーク内における負荷状態を表す前記負荷情報として取得する負荷情報取得部と、を備え、
前記故障ノード数予測部は、前記負荷情報取得部にて取得した単位時間後の前記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する、前記ノード故障率記憶部に記憶された前記ノード故障率に基づいて、さらに単位時間後の前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する、
情報処理装置。
【請求項12】
請求項10記載の情報処理装置であって、
前記故障ノード数情報取得部は、前記故障ノード数予測部にて算出した前記ノードの故障数を、単位時間後の前記ノードの故障数を表す故障ノード数情報として取得し、
前記故障ノード数予測部は、前記故障ノード数情報取得部にて取得した単位時間後の前記故障ノード数情報にて特定される前記ノードの故障数に基づいてさらに単位時間後のノードの故障数を算出する、
情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置に、
複数のノードが設置されたネットワーク内における負荷状態を表す負荷情報を取得する負荷情報取得部と、
予め設定された負荷状態毎に対応する前記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶したノード故障率記憶部から、前記負荷情報取得部にて取得した前記負荷情報にて特定される負荷状態に対応する前記ノード故障率を取得し、当該ノード故障率に基づいて前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、
実現させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13記載のプログラムであって、
前記負荷情報取得部は、前記ネットワーク内において通信経路を構築する処理時に生じる当該ネットワーク内における負荷を表す制御負荷を、前記負荷情報として取得し、
前記ノード故障率記憶部は、前記制御負荷毎に対応して設定された前記ノード故障率を記憶し、
前記故障ノード数予測部は、前記負荷情報取得部にて取得した前記負荷情報にて特定される制御負荷に対応する前記ノード故障率記憶部に記憶された前記ノード故障率に基づいて、前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する、
プログラム。
【請求項15】
情報処理装置に、
複数のノードが設置されたネットワーク内における前記ノードの故障数を表す故障ノード数情報を取得する故障ノード数情報取得部と、
予め設定された故障ノード数毎に対応する前記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部から、前記故障ノード数情報取得部にて取得した前記故障ノード数情報にて特定される故障ノード数に対応する前記ノード故障率を取得し、当該ノード故障率に基づいて、前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する故障ノード数予測部と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムであって、
前記故障ノード数情報取得部は、前記ネットワーク内において作動状態が予め設定された基準に基づいて故障状態と判断される故障ノードの数を表す故障ノード数を、前記故障ノード数情報として取得する、
プログラム。
【請求項17】
複数のノードが設置されたネットワーク内における負荷状態を表す負荷情報を取得し、
予め設定された負荷状態毎に対応する前記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶したノード故障率記憶部から、前記取得した負荷情報にて特定される負荷状態に対応する前記ノード故障率を取得して、当該ノード故障率に基づいて前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する、
情報処理方法。
【請求項18】
請求項17記載の情報処理方法であって、
前記負荷情報の取得時に、前記ネットワーク内において通信経路を構築する処理時に生じる当該ネットワーク内における負荷を表す制御負荷を、前記負荷情報として取得し、
前記ノード故障率記憶部は、前記制御負荷毎に対応して設定された前記ノード故障率を記憶しており、
前記ノードの故障数の算出時に、前記負荷情報の取得時に取得した前記負荷情報にて特定される制御負荷に対応する前記ノード故障率記憶部に記憶された前記ノード故障率に基づいて、前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する、
情報処理方法。
【請求項19】
複数のノードが設置されたネットワーク内における前記ノードの故障数を表す故障ノード数情報を取得し、
予め設定された故障ノード数毎に対応する前記ノードが故障する割合を表すノード故障率を記憶するノード故障率記憶部から、前記取得した故障ノード数情報にて特定される故障ノード数に対応する前記ノード故障率を取得し、当該ノード故障率に基づいて、前記ネットワークに設置された前記ノードの故障数を算出する、
情報処理方法。
【請求項20】
請求項19記載の情報処理方法であって、
前記故障ノード数情報の取得時に、前記ネットワーク内において作動状態が予め設定された基準に基づいて故障状態と判断される故障ノードの数を表す故障ノード数を、前記故障ノード数情報として取得する、
情報処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−24080(P2011−24080A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168637(P2009−168637)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】