説明

情報処理装置

【課題】
タッチパネルを備えた情報処理装置において、利便性を向上させる。
【解決手段】
本発明にかかる情報処理装置は、文字、図形、記号その他の識別情報を複数表示し、且つユーザーの指その他の対象物との接触を検出するタッチパネルと、前記タッチパネルにより対象物との接触が検出されとき、前記タッチパネルにより表示される複数の識別情報のうち当該接触の位置が示す識別情報を特定し且つ当該接触の面積を検出する検出手段と、所定の識別情報及び所定の面積の範囲を記憶する記憶手段と、前記検出手段により検出された識別情報が前記記憶手段により記憶される所定の識別情報と一致し且つ前記検出手段により検出された接触の面積が前記記憶手段により記憶される所定の面積の範囲にあることを条件に、特定の処理を実施する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本技術分野に関する文献として、特開平5−100809号公報が公開されている。この公報には、「タッチパネル装置を備えた情報処理装置において、少なくとも、オブジェクトの物理的種別と,ディスプレイ上の表示位置情報と,該オブジェクトの状態が設定されているファイル情報と,該オブジェクトの表示データが格納されている通常表示ファイルの名称と,特殊状態(反転表示)にあるファイルの名称とからなる表示情報テーブル1と、タッチ位置座標と、タッチ圧力情報とからなるタッチパネル情報2とを設け、上記表示情報テーブル1が示す物理的情報と、上記タッチパネル情報2が示す物理的情報との対応関係で決まる物理操作を、該オブジェクトに与えて表示するように構成する。」との記載が有る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−100809
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近時、特に、多機能化する携帯用途の情報処理装置において、使い勝手の向上が要請されている。
【0005】
本発明の目的は、ユーザーにとって、利便性の高い情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、例えば、本発明に係る情報処理装置は、文字、図形、記号その他の識別情報を複数表示し、且つユーザーの指その他の対象物との接触を検出するタッチパネルと、前記タッチパネルにより対象物との接触が検出されたとき、前記タッチパネルにより表示される複数の識別情報のうち当該接触の位置が示す識別情報を特定し且つ当該接触の面積を検出する検出手段と、所定の識別情報及び所定の面積の範囲を記憶する記憶手段と、前記検出手段により検出された識別情報が前記記憶手段により記憶される所定の識別情報と一致し且つ前記検出手段により検出された接触の面積が前記記憶手段により記憶される所定の面積の範囲にあるか否かの判別を行う判別手段と、前記判別手段による判別の結果、前記検出手段により検出された識別情報が前記記憶手段により記憶される所定の識別情報と一致し且つ前記検出手段により検出された接触の面積が前記記憶手段により記憶される所定の面積の範囲にあることを条件に、特定の処理を実施する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザーにとって、より利便性の高い情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1(a)】ユーザーが指先をタッチパネル1に接触させることにより、入力を行うときのイメージを示した図である。
【図1(b)】ユーザーが指腹をタッチパネル1に接触させることにより、入力を行うときのイメージを示した図である。
【図2】タッチパネル1を搭載する携帯端末0の内部構成例を示す図である。
【図3】携帯端末0のロックを解除する時のフローを示す図である。
【図4(a)】指先でのドラッグにより携帯端末0のロックを解除する時の表示画面例を示す図である。
【図4(b)】指腹でのドラッグにより携帯端末0のロックを解除する時の表示画面例を示す図である。
【図5】ロック解除時の時間軸におけるセンサ4を示す模式図である。
【図6】指先でのフリックと指腹でのタップとを判別する方法を示す図である。
【図7(a)】アイコンが移動する様子を示した図であり、アイコンの移動前を示す図である。
【図7(b)】アイコンが移動する様子を示した図であり、アイコンが移動中であることを示す図である。
【図7(c)】アイコンが移動する様子を示した図であり、アイコンの移動後を示す図である。
【図8】アイコンが移動するときにおけるセンサ4を示した模式図である。
【図9】パスワード登録時のフローを示す図である。
【図10(a)】校正時の表示画面例を示す図であり、ユーザーに指先での接触を促す画面例を示す図である。
【図10(b)】校正時の表示画面例を示す図であり、ユーザーに指腹での接触を促す画面例を示す図である。
【図11(a)】パスワード登録を促す画面を示す図である。
【図11(b)】パスワード登録中において、指腹入力がなされたことをユーザーに知らせる図である。
【図11(c)】パスワード登録中において、指先入力がなされたことをユーザーに知らせる図である。
【図12(a)】パスワードと入力方法から構成されるデータを示す図である。
【図12(b)】1つのパスワードと複数の入力方法から構成されるデータを示す図である。
【図13】パスワード解除時のフローを示す図である。
【図14】パスワード解除をユーザーに促す画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施例に係る携帯端末0において、ユーザーが所望とする入力をおこなうときの方法を示した図である。同図において、携帯端末0はタッチセンサ機能を有するタッチパネル1を有している。図1(a)は、ユーザーが指先をタッチパネル1に接触させることにより、入力を行うときのイメージであり、ユーザーの指とタッチパネル1とによる接触の面積(以下、「接触範囲」という)が狭いことが特徴である。以下、ユーザーによるこの行為を指先入力と呼び説明する。図1(b)は、ユーザーが指の腹をタッチパネル1に接触させることにより、入力を行うときのイメージであり、指先入力の場合と比較して、ユーザーの指とタッチパネル1との接触範囲が広いことが特徴である。以下、この行為を指腹入力と呼び説明する。
【0011】
図2は、携帯端末0の内部的な構成例を示す。符号1は、指が接触すると静電容量が変化し、当該変化に応じた信号を出力可能なセンサ4と、数字や文字等を表示可能な液晶パネルと、前記センサ等を保護するガラスパネルと、から成るタッチパネルである。符号2は、タッチセンサにより出力された信号に基づいて接触が生じた位置及び接触範囲を検出する接触範囲検出部である。符号3は、各構成を制御するための制御部であり、演算部と、カウンタと、各種データを記憶する記憶手段とを有する。符号4は、接触により容量が変化するセンサおよびセンサ群であり、斜線部は、指が接触したことにより反応しているセンサ4、斜線部以外は、指が接触せず反応していないセンサ4を模式的に表している。符合5は、ユーザーが押すことのできるボタンスイッチであり、スタンバイ解除や戻る、進むといった各種機能が割り当てられる。
【0012】
次に、本実施例における校正および携帯端末0のロック解除時の使用方法について、図3にフローチャート、図4にロック解除表示画面、図5にロック解除時の時間軸におけるセンサ4の模式図を示し、説明する。
【0013】
尚、ユーザーが携帯端末0を操作する方法としては、タップ、ドラッグ、フリック、ピンチその他の動作がある。タップとは、ユーザーが、タッチパネル1上の画面一点に指を一瞬触れる行為を言う。ドラッグとは、ユーザーが、タッチパネル1上の画面に指を触れたまま、触れている指を移動する行為を言う。フリックとは、ユーザーが、タッチパネルの画面表面を指ですばやくなぞる行為を言う。ピンチとは、ユーザーが、二本の指をタッチパネル1上の画面二点に触れさせたまま、二点間の距離を変化させる行為を言う。
【0014】
まず、携帯端末0の電源がオンから、校正を実施し、その後、電源がオフとなるまでの一連の動作について説明する。尚、本実施例における校正とは、接触範囲の判別に用いる閾値を設定する動作を示す。
【0015】
ボタンスイッチ5が長押しされると、携帯端末0の電源がオンとなる。制御部3はプログラムの起動、センサの調整、閾値の初期化、画面表示等の初期設定をする(S1000)。初期設定終了後、制御部3は、タッチパネル1上にロック解除画面が表示されるように制御する(S1001)。ロック解除画面は、図4(a)に示すように、ロック解除用のアイコンが指先でy方向又は−y方向にドラッグ可能なように表示された画面である。制御部3は、ユーザーによりロック解除用のアイコンが指先でドラッグされるのを待つ(S1002)。
【0016】
図5(a)は、ユーザーが指先でy方向にドラッグし、ロック解除した場合の時間軸におけるセンサ4の模式図である。同図において、斜線部分は、ユーザーの指との接触により反応しているセンサ4を示し、横線部分が過去に反応したセンサ4を示し、空白部分は、ユーザーの指との接触がなく、反応していないセンサ4である。時間t0で接触が開始し、時間t1でドラッグ、時間t2でドラッグ終了し、ロックが解除される。制御部3は、指が接触し反応したセンサ4の列数の平均値‘2’に補正値‘1’を足した値‘3’を閾値として記憶する。
【0017】
また、別の方法として、図4(b)はロック解除の別の方法として、指腹入力を用いる例を示す図であり、ロック解除用のアイコンがy方向又は−y方向にドラッグ可能なように表示された画面である。図5(b)は、ユーザーがロック解除用のアイコンを指腹でy方向にドラッグし、ロック解除した場合の時間軸におけるセンサ4の模式図である。時間t0でタッチを開始し、時間t1でドラッグ、時間t2でドラッグ終了し、ロックが解除される。制御部3は、指が接触し反応したセンサ4の列数の平均値‘4’に補正値‘1’を引いた値‘3’を閾値として記憶する。
【0018】
このように、ロック解除時に指が接触し反応したセンサ4の列数の平均値を用いて接触範囲の判別に用いる閾値とする(S1003)。すなわち、ロック解除動作をしつつ、接触範囲の判別のための閾値を得ること(即ち、校正)ができる。
【0019】
制御部3は、携帯端末0のロックを解除し(S1004)、ユーザーによるタッチパネル1を介した種々の入力を待つ(S1005)。閾値より接触範囲が狭いか同等(即ち、「3」以下)の入力があった場合(S1006)、制御部3は指先入力がなされたと判断する(S1007)。一方、閾値より接触範囲が広い(即ち、「4」以上)入力があった場合(S1006)、制御部3は指腹入力がなされたと判断する(S1008)。そして、当該入力に応じた種々の動作を実施する。
【0020】
一定時間経過後、例えば無入力状態が数分経過後、制御部3は校正日時、閾値等の各種設定値を記憶し、携帯端末0をロックする(S1009)。ボタンスイッチ5に割り当てられたロック解除スイッチが押下されると(S1010)、制御部3はロック解除画面を表示する(S1001)。尚、電源がオンの状態でボタンスイッチ5が長押しされると、携帯端末0の電源はオフとなる。
【0021】
以上のように、個人によって指先入力の接触範囲が異なっても、校正を実施することにより、接触範囲の判別精度を向上することができる。尚、閾値を、反応したセンサ4の列数の平均値としたが、これに限らない。例えば、反応したセンサ4の列数の平均値に任意の値を増減し補正、設定してもよいし、整数とは限らず、静電容量値を用いてもよい。また、ロック時に接触範囲の判別に用いる閾値を破棄し、ロック解除時ごとに、校正し閾値を更新してもよい。また、ロック解除時に校正をするようにしたがこれに限らず、例えば、携帯端末0の電源がオンされたときの最初の1回のみでもよく、設定メニュー等の項目から校正を行う形態でもよい。また、指先入力または指腹入力での接触範囲にて校正するとしたが、これに限らず、指先入力及び指腹入力での接触範囲を取得し、閾値を複数もつ構成としてもよい。
【0022】
指先入力と指腹入力の判別方法について、より詳細に説明する。図6は指先入力でのフリックと指腹入力でのタップとの判別方法を示す。図6(a)はユーザーが−x方向にフリックした場合のセンサ4の反応状況を示し、図6(b)は指腹入力でタップした場合のセンサ4の反応状況を示している。指先入力でのフリック時及び指腹入力でのタップ時において、接触を開始した時間t00において、反応しているセンサ個数が同じである。制御部3は、接触が開始された時刻t00を記憶する。制御部3は時刻t01、時刻t02と、接触範囲の反応しているセンサ個数に変動がない場合、指先入力でのフリックと判断する。時刻t01、時刻t02と、時間と共に反応しているセンサ4が増加する場合、制御部3は指腹入力と判断する。すなわち、制御部3は時間t00で反応したセンサ個数と時間t02で反応しているセンサ個数を比較することで、指先入力でのフリックと指腹入力でのタップを判別する。以上のように、ユーザーがタッチパネル1に触れた瞬間に判別を行い、設置範囲が狭く指先入力と判断されることを回避することが可能である。
【0023】
次に、指先入力と指腹入力による接触範囲の違いを用いたアイコン移動について具体的に説明する。図7(a)〜(c)は、ユーザーが、指先入力及び指腹入力を用いてアイコン7を右側(y方向)へ移動させる様子を示した図である。図8はアイコン移動における反応したセンサ4と指の移動を模式的に示した図である。符号80及び符号82は接触範囲が広い指腹入力時の指を表しており、符号81は接触範囲が狭い指先入力時の指を示している。移動させたい該当のアイコン7を指腹入力80で触れる。制御部3は接触範囲が閾値以上となると、指腹入力80と判断し、アイコン7を移動対象とする(図7(a))。ユーザーは画面をタッチしたまま、指腹入力80から指先入力81へ移行し、制御部3は接触範囲が閾値以下となると、移動対象となっているアイコン7を移動可能な状態にし、ユーザーがアイコン7をドラッグする(図7(b))。ユーザーはアイコン7を所望の箇所で指先入力81から指腹入力82へ移行し、制御部3は接触範囲が閾値以上となると、指腹入力82と判断しアイコン7の配置を確定させる(図7(c))。
【0024】
以上の様に、本実施例にかかる携帯端末0によれば、ユーザーは、より直感的な入力を行うことができる。尚、ここで示す接触範囲は反応しているセンサの個数でもよく、反応しているセンサ4の列数の最大値でもよい。尚、接触面積の広い指腹入力がアプリケーションで設定されていない又は使用しないとき、接触面積の判断を省略し、一律の接触動作としてもよい。
【実施例2】
【0025】
本実施例は、パスワードを用いる携帯端末0の例である。本実施例では数字からなるパスワードに加えて、接触範囲の違いも記憶し、セキュリティを向上させる特徴を持つ。4桁の数字を用いるパスワードと接触範囲の違いを用いるセキュリティ向上の機能を一例とし、図9にパスワード登録時のフローチャート、図10に校正時の表示画面例、図11にユーザーにパスワードの登録を促す画面、図12にパスワードと入力方法からなるデータを示し説明する。尚、実施例2に係る携帯端末0は、特に明示しない限り、実施例1に係る携帯端末0と同様の構成を有する。
【0026】
はじめにパスワードを登録する処理について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。先ず、カウンタのリセット等の初期設定後、図10(a)に示すような画面を表示し、ユーザーに指先での接触を促す(S2000)。制御部3は指先入力の接触範囲を得る(S2001)。次に図10(b)に示すような画面を表示し、ユーザーに指腹での接触を促す。制御部3は指腹入力の接触範囲を得る(S2002)。接触範囲を得る際に、指先または指腹で接触後、ボタンスイッチ5が押下されたタイミングで接触範囲を検出する。次に、制御部3は指先入力での接触範囲より指腹入力での接触範囲が大きい場合に限り、正常な入力とし(S2003:Yes)、指先入力の接触範囲を閾値と決定し、記憶する(S2004)。もし、指腹入力による接触範囲が指先入力による接触範囲以下となる場合には(S2003:No)、もう一度、指先入力を促す(S2001)。制御部3はカウンタが4以下ならば(S2005:No)、指先入力または指腹入力で暗証番号を入力可能である旨を表示し、任意の数字の登録を許可する(図11(a))。
【0027】
タッチパネル1上に表示された0〜9の数字のうち、ユーザーにより指先入力または指腹入力のどちらかで任意の数字が選択されて触れられると、当該数字を入力数字として登録する(S2006)。制御部3は接触範囲と閾値を比較し、接触範囲が閾値以下ならば(S2007:Yes)、入力数字と指先入力とを関連付けて記憶し(S2008)、図11(c)が示すように、指先で登録された旨を表示する。接触範囲が閾値より大きいならば(S2007:No)、入力数字と指腹入力を関連付けて記憶する(S2009)。そして、図11(b)が示すように、指腹で登録された旨を表示する。制御部3はカウンタをインクリメントし、次のパスワード入力へ移行する(S2010)。制御部3はカウンタが4となると(S2005:No)、図12(a)に示すように、4個の入力数字からなる数字列をパスワードとして登録すると共に、入力数字毎に、指先入力及び指腹入力の何れかを入力方法として記憶し、パスワード登録を完了する(S2010)。
【0028】
次にパスワード解除方法について、図13にパスワード入力時のフローチャート、図14にパスワード解除画面を示し説明する。
【0029】
制御部3は、図14に示すように、複数の数字を表示するテンキーを含むパスワード解除画面を表示し、ユーザーに数字の入力を促すと共に、カウンタのリセット等の初期設定をする(S3000)。そして、制御部3は、ユーザーにより数字が入力されるのを待つ(S3001)。ユーザーの指がタッチパネル1に触れると、制御部3は、その接触の位置に応じた数字を特定すると共に、当該接触による接触範囲と閾値を比較し、指先入力が行われたのか指腹入力が行われたのかを判定する(S3002)。制御部3は入力された数字と入力方法を記憶する(S3003)。入力された数字が登録したパスワードと一致し(S3004:Yes)、入力方法も一致する場合(S3005:Yes)、カウンタをインクリメントし(S3006)、カウンタが4でない場合(S3007:No)、次のパスワード入力へと移行する。カウンタが4である場合(S3007:Yes)、パスワードが認証され、パスワードを解除し(S3008)、パスワード解除完了となる。一方、入力された数字がパスワードと一致しない(S3004:No)、パスワードが一致しても入力方法が異なる場合(S3005:No)、パスワード又は入力方法が異なる旨を表示し(S3009)、パスワード解除を中止する。
【0030】
尚、1つのパスワードと複数の入力方法を登録してもよい。例えば、図12(b)のように1つのパスワードに3種の入力方法を登録し、入力方法1に通常待受画面、入力方法2にはメール作成画面、入力方法3にはアプリ起動と動作を割り当てる。これにより、ユーザーにとっては、パスワードを解除しつつ、所望の動作への移行が容易になり、利便性が向上する。尚、1つのパスワードとしたが、これに限らず、複数のパスワードに複数の入力方法を登録してもよい。
【0031】
以上の構成により、簡単な入力でロックの解除を複雑なものとし、セキュリティ向上を図ることができる。これにより、携帯端末0は、ユーザーにとって機密性の高い情報を扱うことができ、利便性が向上する。
【0032】
また、登録されているパスワードに加え、当該パスワードを構成する数字毎の入力方法を記憶するのみでセキュリティの向上を図ることができ、記憶容量の増大を極力防ぐことができる。
【0033】
更に、ユーザーにしてみれば、パスワードを構成する数字毎に入力方法を覚えるのみで携帯端末0のロックを解除することができるので、ユーザーの負担の増加を極力防ぐことができる。また、ユーザーが、携帯端末0のロックの解除方法を他人に伝える必要に迫られた場合には、パスワードに加えて、パスワードを構成する数字毎の入力方法を伝えるのみで済むという利点もある。
【0034】
尚、本実施例のパスワードは、数字のみから構成されるものとしたが、本発明はこれに限られず、英字、記号、図形、模様、色彩その他の要素又はこれらの組合せから構成されるようにしても良い。また、4桁に限られるものでもなく、1桁であっても、2桁以上であっても良い。
【0035】
また、パスワードを登録する処理(図9)は、設定のメニューからユーザーが呼び出すことにより開始させるなど、所定の条件が成立したときに開始するようにすれば良い。
【0036】
尚、校正は一点をタッチする校正としたが、これに限らない。例えば、前記実施例1におけるロック解除時の校正を用いてもよい。また、設定のメニューからユーザーが呼び出すことにより、校正を開始しても良い。尚、パスワード解除時、接触範囲の違いによる判別も行う旨を非表示とし、数字のみあっていた場合、接触範囲の違いによる判別も登録されている旨を表示するようにしてもよい。また、パスワード入力時に数字、入力方法を伏せるようにしてもよい。尚、指先入力と指腹入力の判定を閾値での判定としたが、これに限らない。例えば、指先入力での接触範囲と指腹入力での接触範囲を記憶し、入力された際の接触範囲と比較し、より近い方を選択する構成でもよい。
【0037】
尚、ある入力時のみ、接触範囲の違いを判別する動作を行わないとしてもよい。例えば、ボタンスイッチが押されている場合や、タッチパネルの2点以上に接触し、入力を行うマルチタッチ入力する場合、接触範囲の違いによる判別を行わないとしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
0 携帯端末
1 タッチパネル
2 接触範囲検出部
3 制御部
4 センサ
5 ボタンスイッチ
7 アイコン
80 指腹入力
81 指先入力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の識別情報を表示し、対象物との接触を検出するタッチパネルと、
前記タッチパネルにより対象物との接触が検出されたとき、前記タッチパネルにより表示される複数の識別情報のうち当該接触の位置が示す識別情報を特定し且つ当該接触の面積を検出する検出手段と、
所定の識別情報及び所定の面積の範囲を記憶する記憶手段と、
前記検出手段により検出された識別情報が前記記憶手段により記憶される所定の識別情報と一致し且つ前記検出手段により検出された接触の面積が前記記憶手段により記憶される所定の面積の範囲にあるか否かの判別を行う判別手段と、
前記判別手段による判別の結果、前記検出手段により検出された識別情報が前記記憶手段により記憶される所定の識別情報と一致し且つ前記検出手段により検出された接触の面積が前記記憶手段により記憶される所定の面積の範囲にあることを条件に、特定の処理を実施する制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、所定の条件が成立した場合、前記検出手段により検出された識別情報及び接触の面積を前記所定の識別情報及び前記所定の面積の範囲として記憶することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、所定の識別情報及び前記所定の面積の範囲として、第1の識別情報及び第1の面積の範囲並びに第2の識別情報及び第2の面積の範囲を記憶し、
前記判別手段は、前記検出手段により検出された識別情報が前記記憶手段により記憶される第1の識別情報と一致し且つ前記検出手段により検出された接触の面積が前記記憶手段により記憶される第1の面積の範囲にあることを条件に、前記検出手段により検出された識別情報が前記記憶手段により記憶される第2の識別情報と一致し且つ前記検出手段により検出された接触の面積が前記記憶手段により記憶される第2の面積の範囲にあるか否かの判別を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は閾値を記憶し、
前記記憶手段により記憶される所定の面積の範囲は前記閾値を基準に特定されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
所定の条件が成立した場合に、
前記検出手段により検出された接触の面積を前記閾値として登録することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数の識別情報を表示し、対象物との接触を検出するタッチパネルと、
前記タッチパネルにより対象物との接触が検出されとき、前記タッチパネルにより表示される複数の識別情報のうち当該接触の位置が示す識別情報を特定し且つ当該接触の面積を検出する検出手段と、
一連の識別情報及び当該一連の識別情報の夫々に対応する面積の範囲を記憶する記憶手段と、
前記検出手段により検出された識別情報の組が前記記憶手段により記憶される一連の識別情報と一致し且つ前記検出手段により検出された接触の面積の夫々が前記記憶手段により記憶される一連の面積の範囲の夫々にあることを条件に、特定の処理を実施する制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、一連の識別情報の夫々に対応する面積の範囲として、第1の面積の範囲の組及び第2の面積の範囲の組を記憶し、
前記検出手段により検出された識別情報の組が前記記憶手段により記憶される一連の識別情報と一致し且つ前記検出手段により検出された接触の面積の夫々が前記記憶手段により記憶される第1の組の面積の範囲の夫々にあることを条件に、第1の処理を実施し、前記検出手段により検出された識別情報の組が前記記憶手段により記憶される一連の識別情報と一致し且つ前記検出手段により検出された接触の面積の夫々が前記記憶手段により記憶される第2の組の面積の範囲の夫々にあることを条件に、第2の処理を実施することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図7(c)】
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【図8】
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【図9】
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【図10(a)】
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【図10(b)】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【図11(c)】
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【図12(a)】
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【図12(b)】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−164241(P2012−164241A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25576(P2011−25576)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】