情報媒体およびその製造方法
【課題】その側面において、基材やフレームが剥離することを防止した情報媒体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の情報媒体10は、フレーム11と、フレーム11に内設されたモジュール13と、フレーム11と接する接着層14と、接着層14に接し、フレーム11およびモジュール13を挟持する第一基材15および第二基材16と、を備え、第一基材15の一方の面15aに凸部17,17が設けられ、フレーム11の嵌入部11aの周縁部には、凸部17,17に係合し、フレーム11を厚さ方向に貫通する貫通部11b,11bが設けられ、フレーム11の外郭11cは、第一基材15の外郭15cおよび第二基材16の外郭16dよりも内側に配置され、第一基材15と第二基材16は、外縁部において、接着層14のみを介して対向していることを特徴とする。
【解決手段】本発明の情報媒体10は、フレーム11と、フレーム11に内設されたモジュール13と、フレーム11と接する接着層14と、接着層14に接し、フレーム11およびモジュール13を挟持する第一基材15および第二基材16と、を備え、第一基材15の一方の面15aに凸部17,17が設けられ、フレーム11の嵌入部11aの周縁部には、凸部17,17に係合し、フレーム11を厚さ方向に貫通する貫通部11b,11bが設けられ、フレーム11の外郭11cは、第一基材15の外郭15cおよび第二基材16の外郭16dよりも内側に配置され、第一基材15と第二基材16は、外縁部において、接着層14のみを介して対向していることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な回路を有するモジュールを備えたカード型またはシート型の情報媒体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴って、情報をカードに記録し、そのカードを用いた情報管理や決済などが行われている。
このような情報管理や決済などに用いられるカードとしては、ICチップが内蔵されたICカードや、磁気により情報が書き込まれた磁気カードなどが挙げられる。これらのICカードや磁気カードなどのカード型の情報媒体は、専用の装置を用いて情報の書込みや読み出しが行われる。
このようなカード型の情報媒体は、電気的な回路を有するモジュールを備えている。また、この情報媒体では、モジュールを、基材に対して所定の位置に配置するためにフレームが用いられている。すなわち、この情報媒体は、モジュールが所定の位置に内設されたフレームが、接着剤を介して、一対の基材で挟持された構造をなしている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−236937号公報
【特許文献2】特開2004−110142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような情報媒体は、モジュールが内設されたフレームが、接着剤を介して一対の基材で挟持された後、これらの部材からなる積層体が、その厚さ方向に打ち抜かれるなどして裁断され、最終的な形状(カード形状など)に加工されている。したがって、この情報媒体は、その側面において、基材と接着剤の界面、および、接着剤とフレームの界面が露出しているため、これらの界面にて、基材やフレームが剥離しやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その側面において、基材やフレームが剥離することを防止した情報媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報媒体は、略四角形状のフレームと、該フレームに内設されたモジュールと、前記フレームと接する接着層と、該接着層に接し、前記フレームおよび前記モジュールを挟持する一対の基材と、を備えた情報媒体であって、前記一対の基材の一方において、前記フレームと対向する面に凸部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームにおける前記モジュールの嵌入部の周縁部には、前記凸部に係合する係合部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームの外郭は、前記一対の基材の外郭よりも内側に配置され、前記一対の基材は、外縁部において、前記接着層のみを介して対向していることを特徴とする。
【0007】
前記凸部は、前記モジュールを挟んで対角線上に設けられ、かつ、前記係合部は、前記モジュールを挟んで対角線上に設けられたことが好ましい。
【0008】
前記係合部は、前記フレームの厚さ方向に凹む凹部、前記フレームを厚さ方向に貫通する貫通部および前記フレームの外郭を切り欠いた切欠部の群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0009】
本発明の情報媒体の製造方法は、略四角形状のフレームと、該フレームに内設されたモジュールと、前記フレームと接する接着層と、該接着層に接し、前記フレームおよび前記モジュールを挟持する第一基材および第二基材と、を備え、前記第一基材において、前記フレームと対向する面に凸部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームにおける前記モジュールの嵌入部の周縁部には、前記凸部に係合する係合部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームの外郭は、前記第一基材および前記第二基材の外郭よりも内側に配置され、前記第一基材と前記第二基材は、外縁部において、前記接着層のみを介して対向している情報媒体の製造方法であって、前記第一基材における前記フレームと対向する面の少なくとも2箇所に前記凸部を形成する工程Aと、前記第一基材における前記フレームと対向する面に、接着剤を塗布する工程Bと、前記凸部に、前記フレームに設けられた係合部を係合し、前記接着剤を介して、前記第一基材に、前記フレームを重ね合わせるとともに、前記第一基材の外郭よりも内側に前記フレームを配置する工程Cと、前記嵌入部に、モジュールを嵌入する工程Dと、前記フレームおよび前記モジュールの前記第一基材と対向する面とは反対側の面に接着剤を塗布する工程Eと、前記接着剤を介して、前記フレームおよび前記モジュールに、前記第二基材を重ね合わせて、前記フレームおよび前記モジュールに対して前記第二基材を押圧することにより、前記フレームおよび前記モジュールと、前記第一基材および前記第二基材との間に、前記接着剤を展開させるとともに、前記係合部に、前記接着剤を流入させる工程Fと、前記第一基材、前記接着剤、前記フレーム、前記モジュールおよび前記第二基材を含む積層体を裁断する工程Gと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報媒体によれば、フレームに設けられた係合部が、基材の一方に設けられた凸部に係合しているので、フレームを、基材の一方に対して所定の位置に配置することができる。また、フレームの外郭が、一対の基材の外郭よりも内側に配置され、一対の基材は、外縁部において、前記接着層のみを介して対向しているので、情報媒体の側面において、一対の基材と接着層の界面のみが露出し、フレームと接着層との界面が露出しなくなる。したがって、情報媒体は、その外郭において、フレームと接着層が剥離することがなく、耐久性に優れている。
【0011】
本発明の情報媒体の製造方法によれば、工程Cにおいて、第一基材の一方の面に設けられた凸部に、フレームの係合部を係合するので、フレームを、第一基材に対して所定の位置に配置することができる。また、工程Fにおいて、フレームおよびモジュールに塗布した接着剤を、フレームおよびモジュールと、第二基材との間に展開させることにより、フレームの外郭を、接着剤によって覆うので、その側面において、第一基材および第二基材と、接着層との界面のみが露出し、フレームと接着層との界面が露出しない情報媒体を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の情報媒体の第一の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において用いられ、表面印刷が施された第一基材を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Aを示す概略斜視図である。
【図4】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Bを示す概略斜視図である。
【図5】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Cを示す概略斜視図である。
【図6】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Dを示す概略斜視図である。
【図7】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Eを示す概略斜視図である。
【図8】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Fを示す概略斜視図である。
【図9】本発明の情報媒体の第二の実施形態を示す概略平面図である。
【図10】本発明の情報媒体の第三の実施形態を示す概略平面図である。
【図11】本発明の情報媒体の第四の実施形態を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の情報媒体およびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0014】
(1)第一の実施形態
「情報媒体」
図1は、本発明の情報媒体の第一の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
本実施形態の情報媒体10は、平面視略長方形状のフレーム11と、フレーム11に内設され、表示素子12を有するモジュール13と、フレーム11およびモジュール13を被覆する接着層14と、接着層14を介して、フレーム11およびモジュール13を挟持する一対の基材15,16(第一基材15、第二基材16)とから概略構成されている。
【0015】
すなわち、情報媒体10は、モジュール13を内設したフレーム11が、接着層14を介して第一基材15および第二基材16に挟持され、これらの部材がその厚さ方向において積層された構造をなしている。したがって、フレーム11は、接着層14を形成する接着剤によって、第一基材15および第二基材16に接着されている。これにより、情報媒体10は、平面視略長方形状をなしている。
ここで、フレーム11にモジュール13を内設するとは、フレーム11の内側にモジュール13を設けることを言う。
【0016】
フレーム11の内側には、モジュール13を嵌入するために、その厚さ方向に貫通し、モジュール13の外形とほぼ形状が等しい嵌入部11aが設けられている。さらに、この嵌入部11aは、モジュール13を嵌入した場合、表示素子12の表示部12aが第二基材16の窓部16aに対向する位置に配置されるように設けられている。
また、フレーム11の厚さは、モジュール13の厚さとほぼ等しくなっており、フレーム11に嵌入されたモジュール13の表面は、フレーム11の表面とほぼ同一面をなしている。
【0017】
第一基材15のフレーム11と対向する面(以下、「一方の面」と言う。)15aには、第一基材15の短手方向(縦方向)に沿って、所定の間隔を置いて、2つの略円錐形状の凸部17,17が設けられている。凸部17,17は、フレーム11の嵌入部11aの周縁部であって、嵌入部11aの短手方向(縦方向)に沿って設けられている。
また、フレーム11の嵌入部11aの周縁部には、嵌入部11aの短手方向(縦方向)に沿って、第一基材15に設けられた凸部17,17に対応する位置に、所定の間隔を置いて、2つの平面視円形状の係合部11b,11bが設けられている。
係合部11b,11bは、フレーム11を厚さ方向に貫通する貫通部である。以下、係合部11bを貫通部11bと言う。
【0018】
さらに、フレーム11の貫通部11b,11bは、第一基材15に設けられた凸部17,17に係合している。これにより、フレーム11が、第一基材15に対して所定の位置に配置される。
また、フレーム11の貫通部11b,11bと、貫通部11b,11b内に挿入された凸部17,17との間の空間には、接着層14が形成されている。
【0019】
貫通部11b,11bの大きさ(直径)は、特に限定されず、モジュール13の大きさなどに応じて適宜調整される。
また、貫通部11b,11bの間隔は、第一基材15に対してフレーム11を位置決めできれば特に限定されない。
【0020】
凸部17,17の直径(平面視した場合)は、特に限定されず、モジュール13の大きさなどに応じて適宜調整される。
また、凸部17,17の高さは、第一基材15に対してフレーム11を位置決めできれば特に限定されない。
また、凸部17,17の間隔は、第一基材15に対してフレーム11を位置決めできれば特に限定されない。
【0021】
フレーム11は、平面視した場合、第一基材15および第二基材16よりも面積が小さくなっており、フレーム11の外郭11cは、第一基材15の外郭15cおよび第二基材16の外郭16dよりも内側に配置されている。
これにより、第一基材15と第二基材16は、これらの外縁部において、接着層14のみを介して対向している。すなわち、情報媒体10では、その外郭において、第一基材15および第二基材16と、接着層14との界面のみが露出し、フレーム11と接着層14との界面が露出していない。
【0022】
フレーム11の材質としては、少なくとも表層部に、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの;ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの;ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合基材;ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材;ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材にマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したもの、発泡PET(ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を押出発泡成形したシート)などの公知のものから選択して用いられる。
【0023】
モジュール13としては、各種の電気的な回路を有するモジュールが挙げられる。例えば、表示素子12および接触型のICチップを備えたモジュール、互いに接続されたアンテナおよび非接触型のICチップを備えたRFID用途のモジュール、これらに、さらに、電池、ダイオード、制御装置などを備えたモジュールなどが挙げられる。
【0024】
表示素子12としては、電子ペーパー、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などが挙げられる。
また、接触型のICチップとしては、金属端子が表面に剥き出しになっており、その金属端子を情報書込/読出装置に接触させて、情報の読み書きを行うものが用いられる。
【0025】
モジュール13がRFID用途のモジュールである場合、アンテナは、ポリマー型導電インクを用いて所定のパターンにスクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成されてなるものか、もしくは、導電性箔をエッチングしてなるもの、金属メッキしてなるものである。
【0026】
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、ポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば、100〜150℃程度でアンテナをなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。アンテナをなす塗膜の電気の流れる経路は、塗膜を構成する導電微粒子が互いに接触することにより形成され、この塗膜の抵抗値は10−5Ω・cmオーダーである。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
【0027】
光硬化型のポリマー型導電インクは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。光硬化型のポリマー型導電インクとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型あるいは架橋/熱可塑併用型(ただし、熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型あるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
【0028】
また、アンテナをなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。
さらに、アンテナをなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
【0029】
モジュール13がRFID用途のモジュールである場合、ICチップとしては、特に限定されず、上記のアンテナを介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能であり、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは、非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0030】
接着層14をなす接着剤としては、使用前は液状であり、加熱、紫外線照射、電子線照射などの外的条件を加えることにより硬化する接着剤が用いられる。このような接着剤としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂が挙げられる。また、外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型接着剤も用いられる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ樹脂とアミンの混合物などが挙げられる。
【0031】
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリウレタン樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化性イミドアクリレート樹脂などが挙げられる。
電子線硬化性樹脂としては、電子線硬化性アクリル樹脂、電子線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリウレタン樹脂、電子線硬化性エポキシアクリレート樹脂、カチオン硬化型樹脂などが挙げられる。
2液硬化型接着剤としては、ポリエステル樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの混合物、ウレタンとポリイソシアネートとの混合物などが挙げられる。
【0032】
このような接着剤の具体例としては、主剤(商品名:アロンマイティAP−317A、東亞合成社製)と硬化剤(商品名:アロンマイティAP−317B、東亞合成社製)からなる2液混合型エポキシ系接着剤、主剤(商品名:MLT2900、イーテック社製)と硬化剤(商品名:G3021−B174、イーテック社製)からなる2液混合型ウレタン系接着剤などが挙げられる。
【0033】
また、接着層14を形成する接着剤には、必要に応じて、公知の無機顔料、有機顔料、染料などの着色剤が含まれていてもよい。この着色剤により、接着層14を任意の色に着色することもできる。
【0034】
第一基材15および第二基材16としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などの紙からなる基材などが用いられる。
【0035】
また、主に、第一基材15の一方の面15aとは反対側の面(以下、「他方の面」と言う。)15bには、装飾用の印刷が施されていてもよい。
同様に、主に、第二基材16の接着層14と接する面(以下、「一方の面」と言う。)16bとは反対側の面(以下、「他方の面」と言う。)16cには、装飾用の印刷が施されていてもよい。
なお、第二基材16に印刷が施される場合、表示素子12の表示部12aと対向する窓部16aを除いた部分に印刷が施される。
【0036】
凸部17は、第一基材15の一方の面15aに塗布した紫外線硬化性樹脂を硬化させてなるものである。
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリウレタン樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化性イミドアクリレート樹脂などが挙げられる。
また、凸部17は、フレーム11と材質が等しく、所定の凸形状をなす部材が、接着層14をなすものと同質の接着剤を介して、第一基材15の一方の面15aに接着、固定されたものであってもよい。
【0037】
情報媒体10によれば、フレーム11に設けられた貫通部11b,11bが、第一基材15に設けられた凸部17,17に係合しているので、フレーム11が、第一基材15に対して所定の位置に配置される。また、フレーム11の外郭11cが、第一基材15の外郭15cおよび第二基材16の外郭16dよりも内側に配置され、第一基材15と第二基材16は、外縁部において、接着層14のみを介して対向しているので、情報媒体10の側面において、第一基材15および第二基材16と、接着層14との界面のみが露出し、フレーム11と接着層14との界面が露出しない。したがって、情報媒体10は、その外郭において、フレーム11と接着層14が剥離することがなく、耐久性に優れている。
【0038】
なお、本実施形態では、フレーム11が1つの部材からなる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、フレームは、厚さ方向に積層される2つ以上の部材を組み合わせてなるものであってもよい。例えば、フレームが厚さ方向に積層された2つ以上の部材からなる場合、予め2つ以上の部材が接着剤または熱融着により接合されて、1つのフレームとされて用いられる。
【0039】
本実施形態では、情報媒体10が平面視略長方形状をなしている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、情報媒体は、平面視した場合、略正方形状をなしていてもよい。
本実施形態では、表示素子12を有するモジュール13を備えた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、モジュールが表示素子を備えていなくてもよい。
【0040】
本実施形態では、フレーム11に2つの貫通部11b,11bが設けられ、かつ、第一基材15に2つの凸部17,17が設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、フレームに3つ以上の貫通部が設けられ、これに対応して、第一基材に3つ以上の凸部が設けられていてもよい。
【0041】
本実施形態では、第一基材15の短手方向(縦方向)に沿って、2つの凸部17,17が設けられ、かつ、フレーム11の嵌入部11aの短手方向(縦方向)に沿って、2つの貫通部11b,11bが設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第一基材に対してフレームを位置決めできれば、第一基材の凸部およびフレーム11の貫通部の配置は特に限定されない。
【0042】
本実施形態では、フレーム11に設けられた貫通部11b,11bの形状が、平面視円形状である場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、貫通部の形状は、平面視半円形状、平面視楕円形状、平面視三角形状、平面視四角形状、平面視多角形(五角形以上)状などであってもよい。
本実施形態では、フレーム11に貫通部11b,11bが設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、フレームに、貫通部の代わりに、第一基材に設けられた凸部を係合する凹部が設けられていてもよい。また、凹部の形状は、平面視円形状、平面視半円形状、平面視楕円形状、平面視三角形状、平面視四角形状、平面視多角形(五角形以上)状などであってもよい。また、フレームに、貫通部と凹部の両方が設けられていてもよい。
【0043】
本実施形態では、第一基材15に設けられた凸部17,17の形状が略円錐形状である場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、凸部の形状は、略三角錐状、略四角錐状、略円柱状、略三角柱状、略四角柱状などであってもよい。
【0044】
「情報媒体の製造方法」
次に、図1〜図8を参照して、本実施形態の情報媒体の製造方法を説明する。
まず、図2に示すように、他方の面15bに装飾用の表面印刷21が施された第一基材15を用意する。
【0045】
次いで、図3に示すように、例えば、第一基材15の一方の面(表面印刷21が施された面とは反対側の面)15aに、所定の間隔を置いて、紫外線硬化性樹脂17Aを略円錐状に塗布し、その紫外線硬化性樹脂17Aを硬化させて、凸部17を形成する(工程A)。
また、フレーム11と材質が等しく、所定の凸形状をなす部材を、接着層14をなすものと同質の接着剤を介して、第一基材15の一方の面15aに接着、固定して、凸部17を形成してもよい。
【0046】
紫外線硬化性樹脂17Aとしては、上記の凸部17を形成する紫外線硬化性樹脂と同様のものが用いられる。
また、第一基材15の一方の面15aに対する紫外線硬化性樹脂17Aの塗布量は、特に限定されないが、フレーム11に設けられた貫通部11bの大きさや深さなどに応じて、適宜調整される。
【0047】
次いで、図4に示すように、第一基材15の一方の面15aに、接着剤塗布装置のノズル31から吐出される接着剤14Aを塗布する(工程B)。
【0048】
接着剤14Aとしては、上記の接着層14を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、第一基材15の一方の面15aに対する接着剤14Aの塗布量は、特に限定されないが、この接着剤14Aによって被覆される、フレーム11の面積、フレーム11に設けられた貫通部11bの大きさや深さなどに応じて、適宜調整される。
【0049】
次いで、図5に示すように、内側に、その厚さ方向に貫通し、モジュール13の外形とほぼ形状が等しい嵌入部11aが設けられ、かつ、嵌入部11aの短手方向(縦方向)に沿って、その厚さ方向に貫通する2つの貫通部11b,11bが設けられた略長方形状のフレーム11を用意する。
なお、フレーム11は、平面視した場合、表面印刷21よりも面積が小さくなっており、フレーム11の外郭11cが、表面印刷21の外郭線21aよりも内側に配置される。
【0050】
そして、第一基材15の一方の面15aに設けられた凸部17,17に、フレーム11の貫通部11b,11bを係合し、接着剤14Aを介して、第一基材15の一方の面15aに、フレーム11を重ね合わせるとともに、第一基材15の外郭15cよりも内側にフレーム11を配置する(工程C)。
このとき、第一基材15に対してフレーム11を押圧することにより、第一基材15とフレーム11の間に、接着剤14Aを展開させ、第一基材15の一方の面15aにフレーム11を接着する。
【0051】
この工程Cでは、第一基材15とフレーム11の間に、接着剤14Aを展開させる際、フレーム11の嵌入部11aおよび貫通部11b,11bに、接着剤14Aを流入させてもよい。
また、この工程Cでは、第一基材15とフレーム11の間に展開させた接着剤14Aの余剰分を、表面印刷21の外郭線21aよりも外側に、裾拡がりするように展開させる。
【0052】
次いで、図6に示すように、フレーム11の内側に設けられた嵌入部11aに、表示素子12を有するモジュール13を嵌入する(工程D)。
【0053】
次いで、図7に示すように、フレーム11の第一基材15と対向する面とは反対側の面(以下、「一方の面」と言う。)11d、および、モジュール13の第一基材15と対向する面とは反対側の面(以下、「一方の面」と言う。)13aに、接着剤塗布装置のノズル31から吐出される接着剤14Bを塗布する(工程E)。
【0054】
接着剤14Bとしては、上記の接着層14を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、フレーム11の一方の面11dおよびモジュール13の一方の面13aに対する接着剤14Bの塗布量は、特に限定されないが、この接着剤14Bによって被覆される、フレーム11の面積、フレーム11に設けられた貫通部11b,11bの大きさや深さなどに応じて、適宜調整される。
【0055】
次いで、図8に示すように、フレーム11およびモジュール13に塗布した接着剤14Bを介して、フレーム11およびモジュール13に、装飾用の表面印刷22が施された第二基材16の印刷面(他方の面16c)とは反対側の面(一方の面16b)を重ね合わせ、フレーム11およびモジュール13に対して第二基材16を押圧することにより、フレーム11およびモジュール13と、第二基材16との間に、接着剤14Bを展開させるとともに、フレーム11の貫通部11b,11bに、接着剤14Bを流入させる(工程F)。
【0056】
この工程Fにより、フレーム11の外郭11cは、接着剤14A,14Bに覆われて、第一基材15と第二基材16は、その外縁部において、接着剤14A,14Bのみを介して対向する。
【0057】
この工程Fでは、表示素子12の表示部12aが第二基材16の窓部16aに対向するように、フレーム11およびモジュール13に、第二基材16を重ね合わせる。
また、第二基材16の他方の面16cに施された表面印刷22の外郭線22aは、情報媒体10の外郭線10a、および、第一基材15に施された表面印刷21の外郭線21aに対応する。すなわち、この第二基材16に施された表面印刷22の外郭線22aと、第一基材15に施された表面印刷21の外郭線21aとが重なるように、フレーム11およびモジュール13に、第二基材16を重ね合わせる。
また、この工程Fでは、フレーム11およびモジュール13と、第二基材16との間に展開させた接着剤14Bの余剰分を、表面印刷22の外郭線22aよりも外側に、裾拡がりするように展開させる。
【0058】
次いで、第一基材15、接着剤14A、フレーム11、モジュール13、接着剤14Bおよび第二基材16から構成される積層体を加圧処理および接着剤を硬化させる処理(例えば、加熱、紫外線照射、電子線照射、エージング〔放置して時間とともに硬化反応をさせていくこと〕処理)する(加圧処理および接着剤硬化処理する工程)ことによって、接着剤14A,14Bを硬化させて、接着層14を形成し、前記の積層体を一体化する。
【0059】
次いで、第一基材15、接着層14、フレーム11、モジュール13および第二基材16から構成される積層体を、情報媒体10の外郭線10aに沿って裁断して(工程G)、図1に示す情報媒体10を得る。
【0060】
この工程Gでは、上記の積層体の裁断により、接着層14の余剰分も分離、除去される。
【0061】
本実施形態の情報媒体の製造方法によれば、工程Cにおいて、第一基材15の一方の面15aに設けられた凸部17,17に、フレーム11の貫通部11b,11bを係合するので、フレーム11を、第一基材15に対して所定の位置に配置することができる。また、工程Fにおいて、フレーム11およびモジュール13に塗布した接着剤14Bを、フレーム11およびモジュール13と、第二基材16との間に展開させることにより、フレーム11の外郭11cを、接着剤14A,14Bによって覆うので、その側面において、第一基材15および第二基材16と、接着層14との界面のみが露出し、フレーム11と接着層14との界面が露出しない情報媒体10を作製することができる。したがって、得られた情報媒体10は、その側面において、フレーム11と接着層14が剥離することがなく、耐久性に優れたものとなる。
【0062】
なお、本実施形態では、フレーム11Aが1つの部材からなる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、フレームは、厚さ方向に積層される2つ以上の部材を組み合わせてなるものであってもよい。例えば、フレームが厚さ方向に積層された2つの部材からなる場合、予め2つ以上の部材を接着剤または熱融着により接合して、1つのフレームとして用いてもよい。
【0063】
本実施形態では、第一基材15の他方の面15bに表面印刷21が施された場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第一基材の一方の面に表面印刷が施されていてもよい。
また、この実施形態では、第二基材16の他方の面16cに表面印刷22が施された場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第二基材の一方の面に表面印刷が施されていてもよい。
【0064】
(2)第二の実施形態
図9は、本発明の情報媒体の第二の実施形態を示す概略平面図である。
なお、図9において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の情報媒体40が、上述の第一の実施形態の情報媒体10と異なる点は、第一基材15の一方の面15aに、モジュール13を挟んで対角線上に略円錐形状の凸部41,41が設けられ、かつ、フレーム11の嵌入部11aの周縁部において、第一基材15に設けられた凸部41,41に対応する位置に、平面視円形状の貫通部11e,11eが設けられている点である。なお、貫通部11e,11eは、嵌入部11a(モジュール13)を挟んで対角線上に設けられている。
【0065】
本実施形態の情報媒体40によれば、モジュール13を挟んで対角線上に凸部41,41が設けられ、かつ、嵌入部11aを挟んで対角線上に貫通部11e,11eが設けられているので、フレーム11を、第一基材15に対してより正確に位置決めすることができる。
【0066】
(3)第三の実施形態
図10は、本発明の情報媒体の第三の実施形態を示す概略平面図である。
なお、図10において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の情報媒体50が、上述の第一の実施形態の情報媒体10と異なる点は、第一基材15の一方の面15aに、モジュール13を挟んで一方の端縁部(紙面左側の縁部)側の隅に略円錐形状の凸部51,51が設けられ、他方の端縁部(紙面右側の縁部)側の中央部に略円錐形状の凸部51が設けられ、かつ、フレーム11の嵌入部11aの周縁部において、第一基材15に設けられた凸部51,51,51に対応する位置に、平面視円形状の貫通部11f,11f,11fが設けられている点である。なお、2つの貫通部11f,11fは、フレーム11において、嵌入部11a(モジュール13)を挟んで一方の端縁部(紙面左側の縁部)側の隅に設けられている。また、1つの貫通部11fは、フレーム11において、嵌入部11a(モジュール13)を挟んで他方の端縁部(紙面右側の縁部)側の中央部に設けられている。
【0067】
本実施形態の情報媒体50によれば、モジュール13を挟んで一方の端縁部側の隅に凸部51,51が設けられ、他方の端縁部側の中央部に凸部51が設けられ、かつ、嵌入部11aを挟んで一方の端縁部側の隅に貫通部11f,11fが設けられ、他方の端縁部側の中央部に貫通部11fが設けられているので、フレーム11を、第一基材15に対してより正確かつ安定に位置決めすることができる。
【0068】
(4)第四の実施形態
図11は、本発明の情報媒体の第四の実施形態を示す概略平面図である。
なお、図11において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の情報媒体60が、上述の第一の実施形態の情報媒体10と異なる点は、第一基材15の一方の面15aに、モジュール13を挟んで一方の端縁部(紙面左側の縁部)側の中央部に略半円柱形状の凸部61が設けられ、他方の端縁部(紙面右側の縁部)側の中央部に略半円柱形状の凸部61が設けられ、かつ、フレーム11の嵌入部11aの周縁部において、第一基材15に設けられた凸部61,61に対応する位置に、フレーム11の外郭を切り欠いた平面視半円形状の切欠部11g,11gが設けられている点である。なお、一方の切欠部11gは、フレーム11において、嵌入部11a(モジュール13)を挟んで一方の端縁部(紙面左側の縁部)側の中央部に設けられている。また、他方の切欠部11gは、フレーム11において、嵌入部11a(モジュール13)を挟んで他方の端縁部(紙面右側の縁部)側の中央部に設けられている。
【0069】
本実施形態の情報媒体60によれば、モジュール13を挟んで両方の端縁部側の中央部に凸部61,61が設けられ、かつ、嵌入部11aを挟んで両方の端縁部側の中央部に切欠部11g,11gが設けられているので、フレーム11が、第一基材15に対して所定の位置に配置される。
【符号の説明】
【0070】
10,40,50,61・・・情報媒体、11・・・フレーム、12・・・表示部、13・・・モジュール、14・・・接着層、15・・・第一基材、16・・・第二基材、17,41,51・・・凸部、21,22・・・表面印刷。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な回路を有するモジュールを備えたカード型またはシート型の情報媒体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴って、情報をカードに記録し、そのカードを用いた情報管理や決済などが行われている。
このような情報管理や決済などに用いられるカードとしては、ICチップが内蔵されたICカードや、磁気により情報が書き込まれた磁気カードなどが挙げられる。これらのICカードや磁気カードなどのカード型の情報媒体は、専用の装置を用いて情報の書込みや読み出しが行われる。
このようなカード型の情報媒体は、電気的な回路を有するモジュールを備えている。また、この情報媒体では、モジュールを、基材に対して所定の位置に配置するためにフレームが用いられている。すなわち、この情報媒体は、モジュールが所定の位置に内設されたフレームが、接着剤を介して、一対の基材で挟持された構造をなしている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−236937号公報
【特許文献2】特開2004−110142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような情報媒体は、モジュールが内設されたフレームが、接着剤を介して一対の基材で挟持された後、これらの部材からなる積層体が、その厚さ方向に打ち抜かれるなどして裁断され、最終的な形状(カード形状など)に加工されている。したがって、この情報媒体は、その側面において、基材と接着剤の界面、および、接着剤とフレームの界面が露出しているため、これらの界面にて、基材やフレームが剥離しやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その側面において、基材やフレームが剥離することを防止した情報媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報媒体は、略四角形状のフレームと、該フレームに内設されたモジュールと、前記フレームと接する接着層と、該接着層に接し、前記フレームおよび前記モジュールを挟持する一対の基材と、を備えた情報媒体であって、前記一対の基材の一方において、前記フレームと対向する面に凸部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームにおける前記モジュールの嵌入部の周縁部には、前記凸部に係合する係合部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームの外郭は、前記一対の基材の外郭よりも内側に配置され、前記一対の基材は、外縁部において、前記接着層のみを介して対向していることを特徴とする。
【0007】
前記凸部は、前記モジュールを挟んで対角線上に設けられ、かつ、前記係合部は、前記モジュールを挟んで対角線上に設けられたことが好ましい。
【0008】
前記係合部は、前記フレームの厚さ方向に凹む凹部、前記フレームを厚さ方向に貫通する貫通部および前記フレームの外郭を切り欠いた切欠部の群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0009】
本発明の情報媒体の製造方法は、略四角形状のフレームと、該フレームに内設されたモジュールと、前記フレームと接する接着層と、該接着層に接し、前記フレームおよび前記モジュールを挟持する第一基材および第二基材と、を備え、前記第一基材において、前記フレームと対向する面に凸部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームにおける前記モジュールの嵌入部の周縁部には、前記凸部に係合する係合部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームの外郭は、前記第一基材および前記第二基材の外郭よりも内側に配置され、前記第一基材と前記第二基材は、外縁部において、前記接着層のみを介して対向している情報媒体の製造方法であって、前記第一基材における前記フレームと対向する面の少なくとも2箇所に前記凸部を形成する工程Aと、前記第一基材における前記フレームと対向する面に、接着剤を塗布する工程Bと、前記凸部に、前記フレームに設けられた係合部を係合し、前記接着剤を介して、前記第一基材に、前記フレームを重ね合わせるとともに、前記第一基材の外郭よりも内側に前記フレームを配置する工程Cと、前記嵌入部に、モジュールを嵌入する工程Dと、前記フレームおよび前記モジュールの前記第一基材と対向する面とは反対側の面に接着剤を塗布する工程Eと、前記接着剤を介して、前記フレームおよび前記モジュールに、前記第二基材を重ね合わせて、前記フレームおよび前記モジュールに対して前記第二基材を押圧することにより、前記フレームおよび前記モジュールと、前記第一基材および前記第二基材との間に、前記接着剤を展開させるとともに、前記係合部に、前記接着剤を流入させる工程Fと、前記第一基材、前記接着剤、前記フレーム、前記モジュールおよび前記第二基材を含む積層体を裁断する工程Gと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報媒体によれば、フレームに設けられた係合部が、基材の一方に設けられた凸部に係合しているので、フレームを、基材の一方に対して所定の位置に配置することができる。また、フレームの外郭が、一対の基材の外郭よりも内側に配置され、一対の基材は、外縁部において、前記接着層のみを介して対向しているので、情報媒体の側面において、一対の基材と接着層の界面のみが露出し、フレームと接着層との界面が露出しなくなる。したがって、情報媒体は、その外郭において、フレームと接着層が剥離することがなく、耐久性に優れている。
【0011】
本発明の情報媒体の製造方法によれば、工程Cにおいて、第一基材の一方の面に設けられた凸部に、フレームの係合部を係合するので、フレームを、第一基材に対して所定の位置に配置することができる。また、工程Fにおいて、フレームおよびモジュールに塗布した接着剤を、フレームおよびモジュールと、第二基材との間に展開させることにより、フレームの外郭を、接着剤によって覆うので、その側面において、第一基材および第二基材と、接着層との界面のみが露出し、フレームと接着層との界面が露出しない情報媒体を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の情報媒体の第一の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において用いられ、表面印刷が施された第一基材を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Aを示す概略斜視図である。
【図4】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Bを示す概略斜視図である。
【図5】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Cを示す概略斜視図である。
【図6】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Dを示す概略斜視図である。
【図7】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Eを示す概略斜視図である。
【図8】本発明の情報媒体の製造方法の実施形態において、工程Fを示す概略斜視図である。
【図9】本発明の情報媒体の第二の実施形態を示す概略平面図である。
【図10】本発明の情報媒体の第三の実施形態を示す概略平面図である。
【図11】本発明の情報媒体の第四の実施形態を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の情報媒体およびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0014】
(1)第一の実施形態
「情報媒体」
図1は、本発明の情報媒体の第一の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
本実施形態の情報媒体10は、平面視略長方形状のフレーム11と、フレーム11に内設され、表示素子12を有するモジュール13と、フレーム11およびモジュール13を被覆する接着層14と、接着層14を介して、フレーム11およびモジュール13を挟持する一対の基材15,16(第一基材15、第二基材16)とから概略構成されている。
【0015】
すなわち、情報媒体10は、モジュール13を内設したフレーム11が、接着層14を介して第一基材15および第二基材16に挟持され、これらの部材がその厚さ方向において積層された構造をなしている。したがって、フレーム11は、接着層14を形成する接着剤によって、第一基材15および第二基材16に接着されている。これにより、情報媒体10は、平面視略長方形状をなしている。
ここで、フレーム11にモジュール13を内設するとは、フレーム11の内側にモジュール13を設けることを言う。
【0016】
フレーム11の内側には、モジュール13を嵌入するために、その厚さ方向に貫通し、モジュール13の外形とほぼ形状が等しい嵌入部11aが設けられている。さらに、この嵌入部11aは、モジュール13を嵌入した場合、表示素子12の表示部12aが第二基材16の窓部16aに対向する位置に配置されるように設けられている。
また、フレーム11の厚さは、モジュール13の厚さとほぼ等しくなっており、フレーム11に嵌入されたモジュール13の表面は、フレーム11の表面とほぼ同一面をなしている。
【0017】
第一基材15のフレーム11と対向する面(以下、「一方の面」と言う。)15aには、第一基材15の短手方向(縦方向)に沿って、所定の間隔を置いて、2つの略円錐形状の凸部17,17が設けられている。凸部17,17は、フレーム11の嵌入部11aの周縁部であって、嵌入部11aの短手方向(縦方向)に沿って設けられている。
また、フレーム11の嵌入部11aの周縁部には、嵌入部11aの短手方向(縦方向)に沿って、第一基材15に設けられた凸部17,17に対応する位置に、所定の間隔を置いて、2つの平面視円形状の係合部11b,11bが設けられている。
係合部11b,11bは、フレーム11を厚さ方向に貫通する貫通部である。以下、係合部11bを貫通部11bと言う。
【0018】
さらに、フレーム11の貫通部11b,11bは、第一基材15に設けられた凸部17,17に係合している。これにより、フレーム11が、第一基材15に対して所定の位置に配置される。
また、フレーム11の貫通部11b,11bと、貫通部11b,11b内に挿入された凸部17,17との間の空間には、接着層14が形成されている。
【0019】
貫通部11b,11bの大きさ(直径)は、特に限定されず、モジュール13の大きさなどに応じて適宜調整される。
また、貫通部11b,11bの間隔は、第一基材15に対してフレーム11を位置決めできれば特に限定されない。
【0020】
凸部17,17の直径(平面視した場合)は、特に限定されず、モジュール13の大きさなどに応じて適宜調整される。
また、凸部17,17の高さは、第一基材15に対してフレーム11を位置決めできれば特に限定されない。
また、凸部17,17の間隔は、第一基材15に対してフレーム11を位置決めできれば特に限定されない。
【0021】
フレーム11は、平面視した場合、第一基材15および第二基材16よりも面積が小さくなっており、フレーム11の外郭11cは、第一基材15の外郭15cおよび第二基材16の外郭16dよりも内側に配置されている。
これにより、第一基材15と第二基材16は、これらの外縁部において、接着層14のみを介して対向している。すなわち、情報媒体10では、その外郭において、第一基材15および第二基材16と、接着層14との界面のみが露出し、フレーム11と接着層14との界面が露出していない。
【0022】
フレーム11の材質としては、少なくとも表層部に、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの;ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの;ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合基材;ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材;ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材にマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したもの、発泡PET(ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を押出発泡成形したシート)などの公知のものから選択して用いられる。
【0023】
モジュール13としては、各種の電気的な回路を有するモジュールが挙げられる。例えば、表示素子12および接触型のICチップを備えたモジュール、互いに接続されたアンテナおよび非接触型のICチップを備えたRFID用途のモジュール、これらに、さらに、電池、ダイオード、制御装置などを備えたモジュールなどが挙げられる。
【0024】
表示素子12としては、電子ペーパー、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などが挙げられる。
また、接触型のICチップとしては、金属端子が表面に剥き出しになっており、その金属端子を情報書込/読出装置に接触させて、情報の読み書きを行うものが用いられる。
【0025】
モジュール13がRFID用途のモジュールである場合、アンテナは、ポリマー型導電インクを用いて所定のパターンにスクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成されてなるものか、もしくは、導電性箔をエッチングしてなるもの、金属メッキしてなるものである。
【0026】
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、ポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば、100〜150℃程度でアンテナをなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。アンテナをなす塗膜の電気の流れる経路は、塗膜を構成する導電微粒子が互いに接触することにより形成され、この塗膜の抵抗値は10−5Ω・cmオーダーである。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
【0027】
光硬化型のポリマー型導電インクは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。光硬化型のポリマー型導電インクとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型あるいは架橋/熱可塑併用型(ただし、熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型あるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
【0028】
また、アンテナをなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。
さらに、アンテナをなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
【0029】
モジュール13がRFID用途のモジュールである場合、ICチップとしては、特に限定されず、上記のアンテナを介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能であり、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは、非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0030】
接着層14をなす接着剤としては、使用前は液状であり、加熱、紫外線照射、電子線照射などの外的条件を加えることにより硬化する接着剤が用いられる。このような接着剤としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂が挙げられる。また、外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型接着剤も用いられる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ樹脂とアミンの混合物などが挙げられる。
【0031】
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリウレタン樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化性イミドアクリレート樹脂などが挙げられる。
電子線硬化性樹脂としては、電子線硬化性アクリル樹脂、電子線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリウレタン樹脂、電子線硬化性エポキシアクリレート樹脂、カチオン硬化型樹脂などが挙げられる。
2液硬化型接着剤としては、ポリエステル樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの混合物、ウレタンとポリイソシアネートとの混合物などが挙げられる。
【0032】
このような接着剤の具体例としては、主剤(商品名:アロンマイティAP−317A、東亞合成社製)と硬化剤(商品名:アロンマイティAP−317B、東亞合成社製)からなる2液混合型エポキシ系接着剤、主剤(商品名:MLT2900、イーテック社製)と硬化剤(商品名:G3021−B174、イーテック社製)からなる2液混合型ウレタン系接着剤などが挙げられる。
【0033】
また、接着層14を形成する接着剤には、必要に応じて、公知の無機顔料、有機顔料、染料などの着色剤が含まれていてもよい。この着色剤により、接着層14を任意の色に着色することもできる。
【0034】
第一基材15および第二基材16としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などの紙からなる基材などが用いられる。
【0035】
また、主に、第一基材15の一方の面15aとは反対側の面(以下、「他方の面」と言う。)15bには、装飾用の印刷が施されていてもよい。
同様に、主に、第二基材16の接着層14と接する面(以下、「一方の面」と言う。)16bとは反対側の面(以下、「他方の面」と言う。)16cには、装飾用の印刷が施されていてもよい。
なお、第二基材16に印刷が施される場合、表示素子12の表示部12aと対向する窓部16aを除いた部分に印刷が施される。
【0036】
凸部17は、第一基材15の一方の面15aに塗布した紫外線硬化性樹脂を硬化させてなるものである。
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリウレタン樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化性イミドアクリレート樹脂などが挙げられる。
また、凸部17は、フレーム11と材質が等しく、所定の凸形状をなす部材が、接着層14をなすものと同質の接着剤を介して、第一基材15の一方の面15aに接着、固定されたものであってもよい。
【0037】
情報媒体10によれば、フレーム11に設けられた貫通部11b,11bが、第一基材15に設けられた凸部17,17に係合しているので、フレーム11が、第一基材15に対して所定の位置に配置される。また、フレーム11の外郭11cが、第一基材15の外郭15cおよび第二基材16の外郭16dよりも内側に配置され、第一基材15と第二基材16は、外縁部において、接着層14のみを介して対向しているので、情報媒体10の側面において、第一基材15および第二基材16と、接着層14との界面のみが露出し、フレーム11と接着層14との界面が露出しない。したがって、情報媒体10は、その外郭において、フレーム11と接着層14が剥離することがなく、耐久性に優れている。
【0038】
なお、本実施形態では、フレーム11が1つの部材からなる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、フレームは、厚さ方向に積層される2つ以上の部材を組み合わせてなるものであってもよい。例えば、フレームが厚さ方向に積層された2つ以上の部材からなる場合、予め2つ以上の部材が接着剤または熱融着により接合されて、1つのフレームとされて用いられる。
【0039】
本実施形態では、情報媒体10が平面視略長方形状をなしている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、情報媒体は、平面視した場合、略正方形状をなしていてもよい。
本実施形態では、表示素子12を有するモジュール13を備えた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、モジュールが表示素子を備えていなくてもよい。
【0040】
本実施形態では、フレーム11に2つの貫通部11b,11bが設けられ、かつ、第一基材15に2つの凸部17,17が設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、フレームに3つ以上の貫通部が設けられ、これに対応して、第一基材に3つ以上の凸部が設けられていてもよい。
【0041】
本実施形態では、第一基材15の短手方向(縦方向)に沿って、2つの凸部17,17が設けられ、かつ、フレーム11の嵌入部11aの短手方向(縦方向)に沿って、2つの貫通部11b,11bが設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第一基材に対してフレームを位置決めできれば、第一基材の凸部およびフレーム11の貫通部の配置は特に限定されない。
【0042】
本実施形態では、フレーム11に設けられた貫通部11b,11bの形状が、平面視円形状である場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、貫通部の形状は、平面視半円形状、平面視楕円形状、平面視三角形状、平面視四角形状、平面視多角形(五角形以上)状などであってもよい。
本実施形態では、フレーム11に貫通部11b,11bが設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、フレームに、貫通部の代わりに、第一基材に設けられた凸部を係合する凹部が設けられていてもよい。また、凹部の形状は、平面視円形状、平面視半円形状、平面視楕円形状、平面視三角形状、平面視四角形状、平面視多角形(五角形以上)状などであってもよい。また、フレームに、貫通部と凹部の両方が設けられていてもよい。
【0043】
本実施形態では、第一基材15に設けられた凸部17,17の形状が略円錐形状である場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、凸部の形状は、略三角錐状、略四角錐状、略円柱状、略三角柱状、略四角柱状などであってもよい。
【0044】
「情報媒体の製造方法」
次に、図1〜図8を参照して、本実施形態の情報媒体の製造方法を説明する。
まず、図2に示すように、他方の面15bに装飾用の表面印刷21が施された第一基材15を用意する。
【0045】
次いで、図3に示すように、例えば、第一基材15の一方の面(表面印刷21が施された面とは反対側の面)15aに、所定の間隔を置いて、紫外線硬化性樹脂17Aを略円錐状に塗布し、その紫外線硬化性樹脂17Aを硬化させて、凸部17を形成する(工程A)。
また、フレーム11と材質が等しく、所定の凸形状をなす部材を、接着層14をなすものと同質の接着剤を介して、第一基材15の一方の面15aに接着、固定して、凸部17を形成してもよい。
【0046】
紫外線硬化性樹脂17Aとしては、上記の凸部17を形成する紫外線硬化性樹脂と同様のものが用いられる。
また、第一基材15の一方の面15aに対する紫外線硬化性樹脂17Aの塗布量は、特に限定されないが、フレーム11に設けられた貫通部11bの大きさや深さなどに応じて、適宜調整される。
【0047】
次いで、図4に示すように、第一基材15の一方の面15aに、接着剤塗布装置のノズル31から吐出される接着剤14Aを塗布する(工程B)。
【0048】
接着剤14Aとしては、上記の接着層14を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、第一基材15の一方の面15aに対する接着剤14Aの塗布量は、特に限定されないが、この接着剤14Aによって被覆される、フレーム11の面積、フレーム11に設けられた貫通部11bの大きさや深さなどに応じて、適宜調整される。
【0049】
次いで、図5に示すように、内側に、その厚さ方向に貫通し、モジュール13の外形とほぼ形状が等しい嵌入部11aが設けられ、かつ、嵌入部11aの短手方向(縦方向)に沿って、その厚さ方向に貫通する2つの貫通部11b,11bが設けられた略長方形状のフレーム11を用意する。
なお、フレーム11は、平面視した場合、表面印刷21よりも面積が小さくなっており、フレーム11の外郭11cが、表面印刷21の外郭線21aよりも内側に配置される。
【0050】
そして、第一基材15の一方の面15aに設けられた凸部17,17に、フレーム11の貫通部11b,11bを係合し、接着剤14Aを介して、第一基材15の一方の面15aに、フレーム11を重ね合わせるとともに、第一基材15の外郭15cよりも内側にフレーム11を配置する(工程C)。
このとき、第一基材15に対してフレーム11を押圧することにより、第一基材15とフレーム11の間に、接着剤14Aを展開させ、第一基材15の一方の面15aにフレーム11を接着する。
【0051】
この工程Cでは、第一基材15とフレーム11の間に、接着剤14Aを展開させる際、フレーム11の嵌入部11aおよび貫通部11b,11bに、接着剤14Aを流入させてもよい。
また、この工程Cでは、第一基材15とフレーム11の間に展開させた接着剤14Aの余剰分を、表面印刷21の外郭線21aよりも外側に、裾拡がりするように展開させる。
【0052】
次いで、図6に示すように、フレーム11の内側に設けられた嵌入部11aに、表示素子12を有するモジュール13を嵌入する(工程D)。
【0053】
次いで、図7に示すように、フレーム11の第一基材15と対向する面とは反対側の面(以下、「一方の面」と言う。)11d、および、モジュール13の第一基材15と対向する面とは反対側の面(以下、「一方の面」と言う。)13aに、接着剤塗布装置のノズル31から吐出される接着剤14Bを塗布する(工程E)。
【0054】
接着剤14Bとしては、上記の接着層14を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、フレーム11の一方の面11dおよびモジュール13の一方の面13aに対する接着剤14Bの塗布量は、特に限定されないが、この接着剤14Bによって被覆される、フレーム11の面積、フレーム11に設けられた貫通部11b,11bの大きさや深さなどに応じて、適宜調整される。
【0055】
次いで、図8に示すように、フレーム11およびモジュール13に塗布した接着剤14Bを介して、フレーム11およびモジュール13に、装飾用の表面印刷22が施された第二基材16の印刷面(他方の面16c)とは反対側の面(一方の面16b)を重ね合わせ、フレーム11およびモジュール13に対して第二基材16を押圧することにより、フレーム11およびモジュール13と、第二基材16との間に、接着剤14Bを展開させるとともに、フレーム11の貫通部11b,11bに、接着剤14Bを流入させる(工程F)。
【0056】
この工程Fにより、フレーム11の外郭11cは、接着剤14A,14Bに覆われて、第一基材15と第二基材16は、その外縁部において、接着剤14A,14Bのみを介して対向する。
【0057】
この工程Fでは、表示素子12の表示部12aが第二基材16の窓部16aに対向するように、フレーム11およびモジュール13に、第二基材16を重ね合わせる。
また、第二基材16の他方の面16cに施された表面印刷22の外郭線22aは、情報媒体10の外郭線10a、および、第一基材15に施された表面印刷21の外郭線21aに対応する。すなわち、この第二基材16に施された表面印刷22の外郭線22aと、第一基材15に施された表面印刷21の外郭線21aとが重なるように、フレーム11およびモジュール13に、第二基材16を重ね合わせる。
また、この工程Fでは、フレーム11およびモジュール13と、第二基材16との間に展開させた接着剤14Bの余剰分を、表面印刷22の外郭線22aよりも外側に、裾拡がりするように展開させる。
【0058】
次いで、第一基材15、接着剤14A、フレーム11、モジュール13、接着剤14Bおよび第二基材16から構成される積層体を加圧処理および接着剤を硬化させる処理(例えば、加熱、紫外線照射、電子線照射、エージング〔放置して時間とともに硬化反応をさせていくこと〕処理)する(加圧処理および接着剤硬化処理する工程)ことによって、接着剤14A,14Bを硬化させて、接着層14を形成し、前記の積層体を一体化する。
【0059】
次いで、第一基材15、接着層14、フレーム11、モジュール13および第二基材16から構成される積層体を、情報媒体10の外郭線10aに沿って裁断して(工程G)、図1に示す情報媒体10を得る。
【0060】
この工程Gでは、上記の積層体の裁断により、接着層14の余剰分も分離、除去される。
【0061】
本実施形態の情報媒体の製造方法によれば、工程Cにおいて、第一基材15の一方の面15aに設けられた凸部17,17に、フレーム11の貫通部11b,11bを係合するので、フレーム11を、第一基材15に対して所定の位置に配置することができる。また、工程Fにおいて、フレーム11およびモジュール13に塗布した接着剤14Bを、フレーム11およびモジュール13と、第二基材16との間に展開させることにより、フレーム11の外郭11cを、接着剤14A,14Bによって覆うので、その側面において、第一基材15および第二基材16と、接着層14との界面のみが露出し、フレーム11と接着層14との界面が露出しない情報媒体10を作製することができる。したがって、得られた情報媒体10は、その側面において、フレーム11と接着層14が剥離することがなく、耐久性に優れたものとなる。
【0062】
なお、本実施形態では、フレーム11Aが1つの部材からなる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、フレームは、厚さ方向に積層される2つ以上の部材を組み合わせてなるものであってもよい。例えば、フレームが厚さ方向に積層された2つの部材からなる場合、予め2つ以上の部材を接着剤または熱融着により接合して、1つのフレームとして用いてもよい。
【0063】
本実施形態では、第一基材15の他方の面15bに表面印刷21が施された場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第一基材の一方の面に表面印刷が施されていてもよい。
また、この実施形態では、第二基材16の他方の面16cに表面印刷22が施された場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第二基材の一方の面に表面印刷が施されていてもよい。
【0064】
(2)第二の実施形態
図9は、本発明の情報媒体の第二の実施形態を示す概略平面図である。
なお、図9において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の情報媒体40が、上述の第一の実施形態の情報媒体10と異なる点は、第一基材15の一方の面15aに、モジュール13を挟んで対角線上に略円錐形状の凸部41,41が設けられ、かつ、フレーム11の嵌入部11aの周縁部において、第一基材15に設けられた凸部41,41に対応する位置に、平面視円形状の貫通部11e,11eが設けられている点である。なお、貫通部11e,11eは、嵌入部11a(モジュール13)を挟んで対角線上に設けられている。
【0065】
本実施形態の情報媒体40によれば、モジュール13を挟んで対角線上に凸部41,41が設けられ、かつ、嵌入部11aを挟んで対角線上に貫通部11e,11eが設けられているので、フレーム11を、第一基材15に対してより正確に位置決めすることができる。
【0066】
(3)第三の実施形態
図10は、本発明の情報媒体の第三の実施形態を示す概略平面図である。
なお、図10において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の情報媒体50が、上述の第一の実施形態の情報媒体10と異なる点は、第一基材15の一方の面15aに、モジュール13を挟んで一方の端縁部(紙面左側の縁部)側の隅に略円錐形状の凸部51,51が設けられ、他方の端縁部(紙面右側の縁部)側の中央部に略円錐形状の凸部51が設けられ、かつ、フレーム11の嵌入部11aの周縁部において、第一基材15に設けられた凸部51,51,51に対応する位置に、平面視円形状の貫通部11f,11f,11fが設けられている点である。なお、2つの貫通部11f,11fは、フレーム11において、嵌入部11a(モジュール13)を挟んで一方の端縁部(紙面左側の縁部)側の隅に設けられている。また、1つの貫通部11fは、フレーム11において、嵌入部11a(モジュール13)を挟んで他方の端縁部(紙面右側の縁部)側の中央部に設けられている。
【0067】
本実施形態の情報媒体50によれば、モジュール13を挟んで一方の端縁部側の隅に凸部51,51が設けられ、他方の端縁部側の中央部に凸部51が設けられ、かつ、嵌入部11aを挟んで一方の端縁部側の隅に貫通部11f,11fが設けられ、他方の端縁部側の中央部に貫通部11fが設けられているので、フレーム11を、第一基材15に対してより正確かつ安定に位置決めすることができる。
【0068】
(4)第四の実施形態
図11は、本発明の情報媒体の第四の実施形態を示す概略平面図である。
なお、図11において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を附してその説明を省略する。
本実施形態の情報媒体60が、上述の第一の実施形態の情報媒体10と異なる点は、第一基材15の一方の面15aに、モジュール13を挟んで一方の端縁部(紙面左側の縁部)側の中央部に略半円柱形状の凸部61が設けられ、他方の端縁部(紙面右側の縁部)側の中央部に略半円柱形状の凸部61が設けられ、かつ、フレーム11の嵌入部11aの周縁部において、第一基材15に設けられた凸部61,61に対応する位置に、フレーム11の外郭を切り欠いた平面視半円形状の切欠部11g,11gが設けられている点である。なお、一方の切欠部11gは、フレーム11において、嵌入部11a(モジュール13)を挟んで一方の端縁部(紙面左側の縁部)側の中央部に設けられている。また、他方の切欠部11gは、フレーム11において、嵌入部11a(モジュール13)を挟んで他方の端縁部(紙面右側の縁部)側の中央部に設けられている。
【0069】
本実施形態の情報媒体60によれば、モジュール13を挟んで両方の端縁部側の中央部に凸部61,61が設けられ、かつ、嵌入部11aを挟んで両方の端縁部側の中央部に切欠部11g,11gが設けられているので、フレーム11が、第一基材15に対して所定の位置に配置される。
【符号の説明】
【0070】
10,40,50,61・・・情報媒体、11・・・フレーム、12・・・表示部、13・・・モジュール、14・・・接着層、15・・・第一基材、16・・・第二基材、17,41,51・・・凸部、21,22・・・表面印刷。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略四角形状のフレームと、該フレームに内設されたモジュールと、前記フレームと接する接着層と、該接着層に接し、前記フレームおよび前記モジュールを挟持する一対の基材と、を備えた情報媒体であって、
前記一対の基材の一方において、前記フレームと対向する面に凸部が少なくとも2つ設けられ、
前記フレームにおける前記モジュールの嵌入部の周縁部には、前記凸部に係合する係合部が少なくとも2つ設けられ、
前記フレームの外郭は、前記一対の基材の外郭よりも内側に配置され、
前記一対の基材は、外縁部において、前記接着層のみを介して対向していることを特徴とする情報媒体。
【請求項2】
前記凸部は、前記モジュールを挟んで対角線上に設けられ、かつ、前記係合部は、前記モジュールを挟んで対角線上に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の情報媒体。
【請求項3】
前記係合部は、前記フレームの厚さ方向に凹む凹部、前記フレームを厚さ方向に貫通する貫通部および前記フレームの外郭を切り欠いた切欠部の群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報媒体。
【請求項4】
略四角形状のフレームと、該フレームに内設されたモジュールと、前記フレームと接する接着層と、該接着層に接し、前記フレームおよび前記モジュールを挟持する第一基材および第二基材と、を備え、前記第一基材において、前記フレームと対向する面に凸部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームにおける前記モジュールの嵌入部の周縁部には、前記凸部に係合する係合部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームの外郭は、前記第一基材および前記第二基材の外郭よりも内側に配置され、前記第一基材と前記第二基材は、外縁部において、前記接着層のみを介して対向している情報媒体の製造方法であって、
前記第一基材における前記フレームと対向する面の少なくとも2箇所に前記凸部を形成する工程Aと、
前記第一基材における前記フレームと対向する面に、接着剤を塗布する工程Bと、
前記凸部に、前記フレームに設けられた係合部を係合し、前記接着剤を介して、前記第一基材に、前記フレームを重ね合わせるとともに、前記第一基材の外郭よりも内側に前記フレームを配置する工程Cと、
前記嵌入部に、モジュールを嵌入する工程Dと、
前記フレームおよび前記モジュールの前記第一基材と対向する面とは反対側の面に接着剤を塗布する工程Eと、
前記接着剤を介して、前記フレームおよび前記モジュールに、前記第二基材を重ね合わせて、前記フレームおよび前記モジュールに対して前記第二基材を押圧することにより、前記フレームおよび前記モジュールと、前記第一基材および前記第二基材との間に、前記接着剤を展開させるとともに、前記係合部に、前記接着剤を流入させる工程Fと、
前記第一基材、前記接着剤、前記フレーム、前記モジュールおよび前記第二基材を含む積層体を裁断する工程Gと、を有することを特徴とする情報媒体の製造方法。
【請求項1】
略四角形状のフレームと、該フレームに内設されたモジュールと、前記フレームと接する接着層と、該接着層に接し、前記フレームおよび前記モジュールを挟持する一対の基材と、を備えた情報媒体であって、
前記一対の基材の一方において、前記フレームと対向する面に凸部が少なくとも2つ設けられ、
前記フレームにおける前記モジュールの嵌入部の周縁部には、前記凸部に係合する係合部が少なくとも2つ設けられ、
前記フレームの外郭は、前記一対の基材の外郭よりも内側に配置され、
前記一対の基材は、外縁部において、前記接着層のみを介して対向していることを特徴とする情報媒体。
【請求項2】
前記凸部は、前記モジュールを挟んで対角線上に設けられ、かつ、前記係合部は、前記モジュールを挟んで対角線上に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の情報媒体。
【請求項3】
前記係合部は、前記フレームの厚さ方向に凹む凹部、前記フレームを厚さ方向に貫通する貫通部および前記フレームの外郭を切り欠いた切欠部の群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報媒体。
【請求項4】
略四角形状のフレームと、該フレームに内設されたモジュールと、前記フレームと接する接着層と、該接着層に接し、前記フレームおよび前記モジュールを挟持する第一基材および第二基材と、を備え、前記第一基材において、前記フレームと対向する面に凸部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームにおける前記モジュールの嵌入部の周縁部には、前記凸部に係合する係合部が少なくとも2つ設けられ、前記フレームの外郭は、前記第一基材および前記第二基材の外郭よりも内側に配置され、前記第一基材と前記第二基材は、外縁部において、前記接着層のみを介して対向している情報媒体の製造方法であって、
前記第一基材における前記フレームと対向する面の少なくとも2箇所に前記凸部を形成する工程Aと、
前記第一基材における前記フレームと対向する面に、接着剤を塗布する工程Bと、
前記凸部に、前記フレームに設けられた係合部を係合し、前記接着剤を介して、前記第一基材に、前記フレームを重ね合わせるとともに、前記第一基材の外郭よりも内側に前記フレームを配置する工程Cと、
前記嵌入部に、モジュールを嵌入する工程Dと、
前記フレームおよび前記モジュールの前記第一基材と対向する面とは反対側の面に接着剤を塗布する工程Eと、
前記接着剤を介して、前記フレームおよび前記モジュールに、前記第二基材を重ね合わせて、前記フレームおよび前記モジュールに対して前記第二基材を押圧することにより、前記フレームおよび前記モジュールと、前記第一基材および前記第二基材との間に、前記接着剤を展開させるとともに、前記係合部に、前記接着剤を流入させる工程Fと、
前記第一基材、前記接着剤、前記フレーム、前記モジュールおよび前記第二基材を含む積層体を裁断する工程Gと、を有することを特徴とする情報媒体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−248103(P2012−248103A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120868(P2011−120868)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
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