説明

情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラム

【課題】省燃費走行経路を走行することで節約可能な燃料の費用と、端末装置と情報提供装置との間での通信費用とを考慮に入れ、ユーザの意思に関わらず当該ユーザの経済的な負担が増大することを回避できる、情報提供装置を提供すること。
【解決手段】情報提供装置3は、二地点間の基準走行経路を取得する経路取得部31aと、二地点間の省燃費走行経路を探索する経路探索部31bと、基準走行経路を走行する場合と省燃費走行経路を走行する場合との燃料の費用の差分を算出する燃料費用算出部31cと、省燃費走行経路に関する情報を端末装置2との間で通信するための通信費用を算出する通信費用算出部31dと、燃料の費用の差分と通信費用との比較結果に基づき、所定の情報を端末装置2に送信するための制御を行う案内制御部31eとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の燃費を向上させることのできる走行経路を案内する燃費情報提供システムが提案されている。例えば、この燃費情報提供システムでは、情報センタのデータベースに車種毎の道路状況に対応した燃費情報が格納されている。車両のナビゲーション装置から情報センタに車両走行データと目的地データが送信された場合、情報センタは、データベースに格納されている燃費情報に基づき、車両の現在地から目的地までの経路のうち燃費の最も良い経路を検索結果としてナビゲーション装置に送信する。ナビゲーション装置では受信した経路検索結果に基づき経路案内を実施する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−163584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の如き従来のシステムでは、車両のナビゲーション装置と情報センタとの間での通信に要する費用について何ら考慮がされていなかった。このため、情報センタから送信された燃費の最も良い経路を走行することで節約可能な燃料の費用を通信費用が上回り、結果としてユーザの経済的な負担を軽減できない可能性があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、省燃費走行経路を走行することにより節約可能な燃料の費用と、端末装置と情報提供装置との間での通信費用とを考慮に入れることができ、ユーザの意思に関わらず当該ユーザの経済的な負担が増大することを回避できる、情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の情報提供装置は、端末装置に情報を提供する情報提供装置であって、前記端末装置から送信された二地点間の基準走行経路に関する情報に基づき当該基準走行経路を取得する経路取得手段と、前記二地点間の省燃費走行経路を探索する経路探索手段と、前記基準走行経路における燃料消費量、前記省燃費走行経路における燃料消費量、及び燃料の料金に基づき、前記基準走行経路を走行する場合と前記省燃費走行経路を走行する場合との燃料の費用の差分を算出する燃料費用算出手段と、前記経路探索手段によって探索された前記省燃費走行経路に関する情報を前記端末装置との間で通信するための通信費用を算出する通信費用算出手段と、前記燃料費用算出手段によって算出された前記燃料の費用の差分と前記通信費用算出手段によって算出された前記通信費用との比較結果に基づき、所定の情報を前記端末装置に送信するための制御を行う制御手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2に記載の情報提供装置は、請求項1に記載の情報提供装置において、前記制御手段は、前記燃料費用算出手段によって算出された前記燃料の費用の差分が、前記通信費用算出手段によって算出された前記通信費用以上の場合に、前記省燃費走行経路に関する情報を前記端末装置に送信するための制御を行う。
【0008】
また、請求項3に記載の情報提供装置は、請求項1又は2に記載の情報提供装置において、前記通信費用算出手段は、前記端末装置と当該情報提供装置との間の通信料金に関する契約内容を特定する契約情報を取得し、当該取得した契約情報に基づき前記通信費用を算出する。
【0009】
また、請求項4に記載の情報提供装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報提供装置において、前記通信費用は、前記燃料費用算出手段によって算出された前記燃料の費用の差分と前記通信費用算出手段によって算出された前記通信費用との比較結果に基づき前記端末装置に送信する情報であって、前記省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報を前記端末装置に送信する際の通信費用と、前記端末装置に送信された前記省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報に応答して、当該端末装置から当該情報提供装置に前記省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する際の通信費用、又は前記端末装置から当該情報提供装置に前記省燃費走行経路を特定するための情報の送信の取消を要求する際の通信費用と、を含む。
【0010】
また、請求項5に記載の情報提供装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報提供装置において、前記燃料の価格を特定する燃料価格情報と、前記燃料が販売されている地域を特定する地域情報とを、相互に関連付けて格納する燃料価格情報格納手段を備え、前記燃料費用算出手段は、前記二地点のいずれかの地点を含む地域に対応する前記燃料価格情報に基づき前記燃料の料金を特定する。
【0011】
また、請求項6に記載の情報提供方法は、端末装置に情報を提供する情報提供方法であって、前記端末装置から送信された二地点間の基準走行経路に関する情報に基づき当該基準走行経路を取得する経路取得ステップと、前記二地点間の省燃費走行経路を探索する経路探索ステップと、前記基準走行経路における燃料消費量、前記省燃費走行経路における燃料消費量、及び燃料の料金に基づき、前記基準走行経路を走行する場合と前記省燃費走行経路を走行する場合との燃料の費用の差分を算出する燃料費用算出ステップと、前記経路探索ステップで探索された前記省燃費走行経路に関する情報を前記端末装置との間で通信するための通信費用を算出する通信費用算出ステップと、前記燃料費用算出ステップで算出された前記燃料の費用の差分と前記通信費用算出ステップで算出された前記通信費用との比較結果に基づき、所定の情報を前記端末装置に送信するための制御を行う制御ステップと、を含む。
【0012】
また、請求項7に記載の情報提供プログラムは、請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の情報提供装置、請求項6に記載の情報提供方法、及び請求項7に記載の情報提供プログラムによれば、燃料費用算出手段によって算出された燃料の費用の差分と通信費用算出手段によって算出された通信費用との比較結果に基づき、所定の情報を端末装置に送信するので、省燃費走行経路を走行することにより節約可能な燃料の費用と、端末装置と情報提供装置との間での通信費用とを考慮に入れることができ、ユーザの経済的な負担が増大することを回避できる。
【0014】
また、請求項2に記載の情報提供装置によれば、燃料費用算出手段によって算出された燃料の費用の差分が、通信費用算出手段によって算出された通信費用以上の場合に、省燃費走行経路に関する情報を端末装置に送信するので、省燃費走行経路を走行することにより節約可能な燃料の費用を、端末装置と情報提供装置との間での通信費用が上回ることを回避でき、ユーザの経済的な負担が増大することを回避できる。
【0015】
また、請求項3に記載の情報提供装置によれば、端末装置と情報提供装置との間の通信料金に関する契約内容を特定する契約情報を取得し、当該取得した契約情報に基づき通信費用を算出するので、各ユーザの契約内容に応じて通信費用を一層正確に算出することができる。
【0016】
また、請求項4に記載の情報提供装置によれば、通信費用は、燃料費用算出手段によって算出された燃料の費用の差分と通信費用算出手段によって算出された通信費用との比較結果に基づき端末装置に送信する情報であって、省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報を端末装置に送信する際の通信費用と、端末装置に送信された省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報に応答して、当該端末装置から情報提供装置に省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する際の通信費用、又は端末装置から情報提供装置に省燃費走行経路を特定するための情報の送信の取消を要求する際の通信費用とを含むので、端末装置と情報提供装置との間で行われる通信に要する費用全体を考慮した上で、それでもなお省燃費走行経路を走行することで節約可能な燃料の費用が通信費用を上回る場合に省燃費走行経路を案内することができ、ユーザの経済的な負担を軽減することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の情報提供装置によれば、二地点のいずれかの地点を含む地域に対応する燃料価格情報に基づき燃料の料金を特定するので、省燃費走行経路を走行することで基準走行経路を走行する場合よりも節約可能な燃料の費用を一層正確に算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1に係る情報提供システムを例示するブロック図である。
【図2】燃料価格DBに格納されている情報を例示した表である。
【図3】案内処理のフローチャートである。
【図4】図3に続く案内処理のフローチャートである。
【図5】省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報を表示したディスプレイを例示した図である。
【図6】省燃費走行経路DBに格納されている情報を例示した表である。
【図7】実施の形態2に係る案内処理のフローチャートである。
【図8】図7に続く案内処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供プログラムの各実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、これらの各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1について説明する。この形態は、節約可能な燃料の費用と通信費用との比較結果に基づき、所定の情報を端末装置に送信するための制御を行う形態である。
【0021】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る情報提供システムの構成について説明する。図1は、情報提供システムを例示するブロック図である。この図1に示すように、情報提供システム1は、端末装置2、及び情報提供装置3を備えており、これらの端末装置2と情報提供装置3とは携帯電話通信網等のネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。なお、以下の説明では、端末装置2は車載用のナビゲーション装置であり、情報提供装置3は各ナビゲーション装置と通信を行うセンターに配置される場合を例として説明する。
【0022】
(構成−端末装置)
端末装置2は、通信部20、ディスプレイ21、制御部22、及びデータ記録部23を備えている。
【0023】
(構成−端末装置−通信部)
通信部20は、情報提供装置3との間でネットワーク4を介して通信を行う通信手段であり、公知の無線通信装置を用いることができる。
【0024】
(構成−端末装置−ディスプレイ)
ディスプレイ21は、制御部22の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。なお、このディスプレイ21の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0025】
(構成−端末装置−制御部)
制御部22は、端末装置2を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態1に係る情報提供プログラムは、任意の記録媒体又はネットワーク4を介して情報提供システム1にインストールされることで、制御部22の各部を実質的に構成する(後述する情報提供装置3の制御部31についても同じ)。
【0026】
この制御部22は、機能概念的に、経路探索部22a、及び案内制御部22bを備えている。経路探索部22aは、二地点間の走行経路を探索する。以下の説明では、この端末装置2の経路探索部22aによって探索される走行経路を「基準走行経路」と称呼する。案内制御部22bは、通信部20を介して情報提供装置3から受信した情報に基づく案内の出力制御を行う案内制御手段である。これらの制御部22の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0027】
(構成−端末装置−データ記録部)
データ記録部23は、端末装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述する情報提供装置3のデータ記録部32についても同じ)。
【0028】
このデータ記録部23は、地図情報データベース23a(以下、データベースを「DB」と称する)を備えている。地図情報DB23aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、店舗等の施設のPOI(Point of Interest)情報を含む施設データ、地形データ、地図をディスプレイ21に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。
【0029】
(構成−情報提供装置)
情報提供装置3は、端末装置2に情報を提供するものであり、通信部30、制御部31、及びデータ記録部32を備えている。
【0030】
(構成−情報提供装置−通信部)
通信部30は、端末装置2との間でネットワーク4を介して通信を行う通信手段であり、公知の通信装置を用いることができる。
【0031】
(構成−情報提供装置−制御部)
情報提供装置3の制御部31は、経路取得部31a、経路探索部31b、燃料費用算出部31c、通信費用算出部31d、及び案内制御部31eを備えている。経路取得部31aは、端末装置2から送信された二地点間の基準走行経路に関する情報に基づき当該基準走行経路を取得する経路取得手段である。経路探索部31bは、二地点間の省燃費走行経路を探索する経路探索手段である。この経路探索部31bは、上述の端末装置2の経路探索部22aと同様の経路探索方法に基づき走行経路を探索するものとする。燃料費用算出部31cは、基準走行経路を走行する場合と省燃費走行経路を走行する場合との燃料の費用の差分を算出する燃料費用算出手段である。通信費用算出部31dは、省燃費走行経路に関する情報を端末装置2との間で通信するための通信費用を算出する通信費用算出手段である。案内制御部31eは、情報を端末装置2に送信するための制御を行う制御手段である。これらの制御部31の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0032】
(構成−情報提供装置−データ記録部)
情報提供装置3のデータ記録部32は、地図情報DB32a、及び燃料価格DB32bを備えている。地図情報DB32aは、端末装置2の地図情報DB23aと同様の地図情報に加えて、道路リンク毎の燃料消費量を特定する燃料消費量情報を格納している。この燃料消費量情報は、例えば各道路リンクに対応する道路を走行した車両が実際に消費した燃料の量に基づくプローブ情報として、各車両から情報提供装置3が収集する。さらに、燃料消費量情報に、当該情報を送信した車両の車種や、当該車両が道路を走行した際の天候、曜日、時間帯等を特定する情報を含めるようにしてもよい。
【0033】
燃料価格DB32bは、燃料の価格を特定する燃料価格情報と、燃料が販売されている地域を特定する地域情報とを、相互に関連付けて格納する燃料価格情報格納手段である。図2は、燃料価格DB32bに格納されている情報を例示した表である。この図2に示すように、燃料価格DB32bには、項目「地域」及び「燃料価格」に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。項目「地域」に対応して格納される情報は、燃料が販売されている地域を特定する地域情報である。項目「燃料価格」に対応して格納される情報は、燃料の価格を特定する燃料価格情報であり、例えば対応する地域における燃料の1リットルあたりの平均価格が用いられる。これらの地域情報及び燃料価格情報は、例えば情報提供装置3の管理者により予め燃料価格DB32bに格納される。あるいは、車両の給油を行ったドライバから携帯電話等を介して燃料価格及び給油場所を特定する情報を情報提供装置3にて受信し、当該受信した情報に基づき各地域の燃料価格の平均値を算出して、対応する情報を燃料価格DB32bに格納するようにしてもよい。
【0034】
(処理)
次に、このように構成された情報提供システム1によって実行される案内処理について説明する。図3は案内処理のフローチャート、図4は図3に続く案内処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この案内処理は、例えば、操作手段(図示省略)を介して端末装置2に二地点間(例えば現在位置と目的地の間、あるいは出発地と目的地の間等)の走行経路を探索すべき旨の指示入力が行われ、端末装置2の経路探索部22aが当該二地点間の基準走行経路を探索した後、さらに操作手段を介して省燃費走行経路を取得すべき旨の指示入力が行われた場合に開始される。なお、以下の説明では、基準走行経路の始点及び終点を「二地点」と総称する。
【0035】
案内処理が開始されると、端末装置2の案内制御部22bは、省燃費走行経路に関する情報の送信を要求する旨の信号を、通信部20を介して情報提供装置3に送信する(SA1)。この際、案内制御部22bは、二地点間の基準走行経路に関する情報を信号に含めて送信する。この二地点間の基準走行経路に関する情報には、二地点を特定する情報、基準走行経路の探索条件(例えば「推奨ルート」や「距離優先ルート」、「時間優先ルート」等)を特定する情報、及び地図情報DB23aのバージョン情報等が含まれる。
【0036】
情報提供装置3の経路取得部31aは、端末装置2から通信部30を介して受信した二地点間の基準走行経路に関する情報に基づき、基準走行経路を取得する(SA2)。例えば経路取得部31aは、端末装置2から受信した二地点間の基準走行経路に関する情報に基づき、端末装置2の地図情報DB23aに格納されている地図情報と同じバージョンの地図情報を地図情報DB32aから取得し、端末装置2における探索条件と同じ探索条件により、二地点間の基準走行経路を探索する。
【0037】
続いて経路探索部31bは、基準走行経路の始点と終点の間の省燃費走行経路を探索する(SA3)。具体的には、経路探索部31bは、経路取得部31aにより取得された基準走行経路を構成する道路リンク毎の燃料消費量を燃料消費量情報に基づき特定し、基準走行経路全体の燃料消費量を算出する。そして、基準走行経路からの迂回路であって、基準走行経路よりも燃料消費量を削減できる迂回路を、燃料消費量情報を利用して探索する。この探索には、ダイクストラ法等の公知の経路探索アルゴリズムを用いることができる。
【0038】
次に、燃料費用算出部31cは燃料価格DB32bを参照し、基準走行経路の始点又は終点のいずれかの地点を含む地域に対応する燃料価格情報に基づき、燃料の料金を特定する(SA4)。例えば、基準走行経路の始点を含む地域が○○市△△町の場合、図2の燃料価格DB32bによれば、燃料の料金は1リットル当たり132円と特定される。
【0039】
図3に戻り、燃料費用算出部31cは、SA3で算出した基準走行経路における燃料消費量、及び省燃費走行経路における燃料消費量と、SA4で特定した燃料の料金とに基づき、基準走行経路を走行する場合と省燃費走行経路を走行する場合との燃料の費用の差分、すなわち省燃費走行経路を走行することで基準走行経路を走行する場合よりも節約可能な燃料の費用を算出する(SA5)。すなわち燃料費用算出部31cは、基準走行経路における燃料消費量、及び省燃費走行経路における燃料消費量と、燃料の料金とに基づき、基準走行経路を走行する場合の燃料の費用と、省燃費走行経路を走行する場合の燃料の費用を算出する。そして、算出した両費用の差分を求めることにより、省燃費走行経路を走行することで基準走行経路を走行する場合よりも節約可能な燃料の費用を算出する。
【0040】
次に、通信費用算出部31dは、経路探索部31bによって探索された省燃費走行経路に関する情報を端末装置2との間で通信するための通信費用を算出する(SA6)。具体的には、通信費用算出部31dは、端末装置2と情報提供装置3との間の通信料金に関する契約内容を特定する契約情報を取得し、当該取得した契約情報に基づき通信費用を算出する。契約情報には、例えば通信回線を提供する事業者を特定する情報や、定額制や従量制等の契約プランを特定する情報、単位情報量(例えば1パケット等)当たりの通信料金を特定する情報等が含まれている。通信費用算出部31dは、これらの契約情報と、端末装置2と情報提供装置3との間で通信が行われる情報のデータ量とに基づき、通信費用を算出する。なお、契約情報は、例えばSA1において、省燃費走行経路に関する情報の送信を要求する旨の信号に含めて端末装置2から送信される。
【0041】
また、「通信費用」には、案内処理において端末装置2と情報提供装置3との間で行われる通信に要する各種の費用が含まれる。すなわち、SA1で省燃費走行経路に関する情報の送信を要求する旨の信号を端末装置2から情報提供装置3に送信した際の通信費用や、省燃費走行経路を特定するための情報を情報提供装置3から端末装置2に送信する場合の通信費用が含まれる。さらに、SA5で燃料費用算出部31cによって算出された節約可能な燃料の費用と、このSA6で通信費用算出部31dによって算出された通信費用との比較結果に基づき端末装置2に送信する情報であって、省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報(例えば、省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報)を情報提供装置3から端末装置2に送信する際の通信費用が含まれる。さらに、端末装置2に送信された省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報に応答して、当該端末装置2から情報提供装置3に省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する際の通信費用、又は端末装置2から情報提供装置3に省燃費走行経路を特定するための情報の送信の取消を要求する際の通信費用も含まれる。
【0042】
続いて、案内制御部31eは、SA5で燃料費用算出部31cによって算出された節約可能な燃料の費用が、SA6で通信費用算出部31dによって算出された通信費用以上か否かを判定する(SA7)。
【0043】
その結果、SA5で燃料費用算出部31cによって算出された節約可能な燃料の費用が、SA6で通信費用算出部31dによって算出された通信費用以上であった場合(SA7、Yes)、案内制御部31eは、省燃費走行経路を特定するための情報を通信部30を介して端末装置2に送信し(SA8)、案内処理を終了する。省燃費走行経路を特定するための情報には、例えば、基準走行経路よりも燃料消費量を削減できる迂回路を構成するリンクのリンク番号、及び各リンクのリンクコスト等のリンクデータが含まれる。この迂回路のリンクコストを例えば0としておくことにより、端末装置2の経路探索部22aがこれらのリンクデータを用いて経路探索を行うことで、省燃費走行経路を取得することができる。
【0044】
一方、SA5で燃料費用算出部31cによって算出された節約可能な燃料の費用が、SA6で通信費用算出部31dによって算出された通信費用以上ではなかった場合(節約可能な燃料の費用が通信費未満であった場合)(SA7、No)、案内制御部31eは、省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報を、通信部30を介して端末装置2に送信する(SA9)。省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報には、例えばSA5で燃料費用算出部31cによって算出された節約可能な燃料の費用、及びSA6で通信費用算出部31dによって算出された通信費用を特定する情報が含まれる。
【0045】
端末装置2の案内制御部22bは、省燃費走行経路を特定するための情報を通信部20を介して情報提供装置3から受信したか否かを判定する(SA10)。
【0046】
その結果、省燃費走行経路を特定するための情報を通信部20を介して情報提供装置3から受信した場合(SA10、Yes)、案内制御部22bは、当該受信した情報に基づき省燃費走行経路の案内を行う(SA11)。例えば、省燃費走行経路を特定するための情報として、燃料消費量を削減できる迂回路を構成するリンクのリンク番号、及び各リンクのリンクコスト等のリンクデータを情報提供装置3から受信した場合、案内制御部22bは、経路探索部22aに当該受信したリンクデータに基づいて二地点間の経路探索を行わせる。そして案内制御部22bは、経路探索部22aによる経路探索の結果として得られた経路を、省燃費走行経路としてディスプレイ21に表示させる。省燃費走行経路の案内を行った後、端末装置2の制御部22は案内処理を終了する。
【0047】
一方、省燃費走行経路を特定するための情報を通信部20を介して情報提供装置3から受信しなかった場合(SA10、No)、すなわち、省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報を、通信部20を介して受信した場合、案内制御部22bは、当該受信した省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報をディスプレイ21に表示させる(SA12)。図5は、省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報を表示したディスプレイ21を例示した図である。図5に示すように、案内制御部22bは、SA5で燃料費用算出部31cによって算出された節約可能な燃料の費用、SA6で通信費用算出部31dによって算出された通信費用、及び省燃費走行経路のダウンロードを行うか否かの選択肢をディスプレイ21に表示させる。
【0048】
続いて案内制御部22bは、端末装置2の操作手段(図示省略)を介して、省燃費走行経路を特定するための情報の送信が要求されたか、又は省燃費走行経路を特定するための情報の送信の取消が要求されたかを判定する(SA13)。
【0049】
その結果、端末装置2の操作手段を介して、省燃費走行経路を特定するための情報の送信の取消が要求された場合(SA13、取消要求)、案内制御部22bは、省燃費走行経路を特定するための情報の送信の取消を要求する旨の信号を通信部20を介して情報提供装置3に送信し(SA14)、案内処理を終了する。
【0050】
一方、端末装置2の操作手段を介して、省燃費走行経路を特定するための情報の送信が要求された場合(SA13、要求)、案内制御部22bは、省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する旨の信号を通信部20を介して情報提供装置3に送信する(SA15)。
【0051】
情報提供装置3の案内制御部31eは、省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する旨の信号を通信部30を介して端末装置2から受信したか否かを判定する(SA16)。その結果、省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する旨の信号を通信部30を介して端末装置2から受信した場合(SA16、Yes)、省燃費走行経路を特定するための情報を通信部30を介して端末装置2に送信し(SA17)、案内処理を終了する。
【0052】
一方、省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する旨の信号を通信部30を介して端末装置2から受信しなかった場合(SA16、No)、すなわち省燃費走行経路を特定するための情報の送信の取消を要求する旨の信号を通信部30を介して端末装置2から受信した場合、情報提供装置3の制御部31は案内処理を終了する。
【0053】
SA17で情報提供装置3から送信された省燃費走行経路を特定するための情報を通信部20を介して受信した後、端末装置2の案内制御部22bは、当該受信した情報に基づき省燃費走行経路の案内を行う(SA18)。その後、端末装置2の制御部22は案内処理を終了する。
【0054】
(効果)
このように本実施の形態1によれば、燃料費用算出部31cによって算出された燃料の費用の差分と通信費用算出部31dによって算出された通信費用との比較結果に基づき、所定の情報を端末装置2に送信するので、省燃費走行経路を走行することにより節約可能な燃料の費用と、端末装置2と情報提供装置3との間での通信費用とを考慮に入れることができ、ユーザの経済的な負担が増大することを回避できる。
【0055】
特に、燃料費用算出部31cによって算出された燃料の費用の差分が、通信費用算出部31dによって算出された通信費用以上の場合に、省燃費走行経路に関する情報を端末装置2に送信するので、省燃費走行経路を走行することにより節約可能な燃料の費用を、端末装置2と情報提供装置3との間での通信費用が上回ることを回避でき、ユーザの経済的な負担が増大することを回避できる。
【0056】
また、端末装置2と情報提供装置3との間の通信料金に関する契約内容を特定する契約情報を取得し、当該取得した契約情報に基づき通信費用を算出するので、各ユーザの契約内容に応じて通信費用を一層正確に算出することができる。
【0057】
また、通信費用は、燃料費用算出部31cによって算出された燃料の費用の差分と通信費用算出部31dによって算出された通信費用との比較結果に基づき端末装置2に送信する情報であって、省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報を端末装置2に送信する際の通信費用と、端末装置2に送信された省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報に応答して、当該端末装置2から情報提供装置3に省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する際の通信費用、又は端末装置2から情報提供装置3に省燃費走行経路を特定するための情報の送信の取消を要求する際の通信費用とを含むので、端末装置2と情報提供装置3との間で行われる通信に要する費用全体を考慮した上で、それでもなお省燃費走行経路を走行することで節約可能な燃料の費用が通信費用を上回る場合に省燃費走行経路を案内することができ、ユーザの経済的な負担を軽減することができる。
【0058】
また、二地点のいずれかの地点を含む地域に対応する燃料価格情報に基づき燃料の料金を特定するので、省燃費走行経路を走行することで基準走行経路を走行する場合よりも節約可能な燃料の費用を一層正確に算出できる。
【0059】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、過去に情報提供装置3に送信した二地点間の基準走行経路とは異なる二地点間の基準走行経路に関する情報のみを情報提供装置3に送信する形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0060】
(構成−端末装置−データ記録部)
まず、実施の形態2に係る情報提供システム1の構成について説明する。端末装置2のデータ記録部23は、実施の形態1における端末装置2のデータ記録部23と同様の構成に加えて、省燃費走行経路DB(図示省略)を備えている。図6は、省燃費走行経路DBに格納されている情報を例示した表である。この省燃費走行経路DBは、過去に端末装置2が通信部20を介して情報提供装置3から受信した省燃費走行経路に関する情報を格納するものであり、図6に示すように、項目「二地点」及び「省燃費走行経路」に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。項目「二地点」に対応して格納される情報は、過去に端末装置2から情報提供装置3に送信された二地点間の基準走行経路に関する情報のうち二地点を特定するための情報であり、例えば図6に示すように、小項目「始点」及び「終点」に対応して座標情報が格納される(図6では「x1,y1」等)。項目「省燃費走行経路」に対応して格納される情報は、過去に端末装置2が通信部20を介して情報提供装置3から受信した省燃費走行経路に関する情報であり、小項目「経路情報」「節約燃料費用」及び「通信費用」に対応する情報が格納されている。小項目「経路情報」に対応して格納される情報は、省燃費走行経路を特定するための情報を端末装置2が情報提供装置3から受信済みか否かを特定するための情報である(図6では「受信済」「未受信」)。小項目「節約燃料費用」に対応して格納される情報は、端末装置2が情報提供装置3から受信した、省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報に含まれる情報であって、燃料費用算出部31cによって算出された節約可能な燃料の費用を特定する情報である(図6では「24円」「15円」)。小項目「通信費用」に対応して格納される情報は、端末装置2が情報提供装置3から受信した、省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報に含まれる情報であって、通信費用算出部31dによって算出された通信費用を特定する情報である(図6では「15円」「18円」)。これらの情報は、省燃費走行経路に関する情報を端末装置2が情報提供装置3から受信した際に、端末装置2の制御部22によって省燃費走行経路DBに格納される。
【0061】
(処理)
次に、実施の形態2の情報提供システム1によって実行される案内処理について説明する。図7及び図8は実施の形態2に係る案内処理のフローチャートである。なお、SB6からSB15は図3のSA1からSA10と、SB18からSB23は図4のSA13から18と同じであるので、説明を省略する。
【0062】
案内処理が開始されると、端末装置2の案内制御部22bは、経路探索部22aが探索した二地点間の基準走行経路に関する情報を、過去に情報提供装置3に送信済みか否かを判定する(SB1)。具体的には、案内制御部22bは、経路探索部22aが探索した基準走行経路の二地点を特定する情報が、省燃費走行経路DBの項目「二地点」に対応して格納されている場合に、経路探索部22aが探索した二地点間の基準走行経路に関する情報を、過去に情報提供装置3に送信済みと判定する。
【0063】
その結果、経路探索部22aが探索した二地点間の基準走行経路に関する情報を、過去に情報提供装置3に送信済みであった場合(SB1、Yes)、案内制御部22bは、省燃費走行経路DBの小項目「経路情報」に対応して格納されている情報に基づき、この二地点間の省燃費走行経路を特定するための情報を端末装置2が情報提供装置3から受信済みか否かを判定する(SB2)。
【0064】
その結果、二地点間の省燃費走行経路を特定するための情報を端末装置2が情報提供装置3から受信済みであった場合(SB2、Yes)、案内制御部22bは、過去に受信した二地点間の省燃費走行経路を特定するための情報に基づき、省燃費走行経路の案内を行う(SB3)。なお、過去に受信した二地点間の省燃費走行経路を特定するための情報は、二地点と関連付けてデータ記録部23に記録されているものとする。
【0065】
一方、二地点間の省燃費走行経路を特定するための情報を端末装置2が情報提供装置3から受信済みではない(未受信である)場合(SB2、No)、案内制御部22bは、省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報をディスプレイ21に表示させる(SB4)。この場合、案内制御部22bは、省燃費走行経路DBの小項目「節約燃料費用」及び「通信費用」に対応して格納されている情報に基づき、節約可能な燃料の費用、通信費用、及び省燃費走行経路のダウンロードを行うか否かの選択肢をディスプレイ21に表示させる。
【0066】
続いて案内制御部22bは、端末装置2の操作手段(図示省略)を介して、省燃費走行経路を特定するための情報の送信が要求されたか否かを判定する(SB5)。
【0067】
その結果、端末装置2の操作手段を介して、省燃費走行経路を特定するための情報の送信が要求されなかった場合(SB5、No)、端末装置2の制御部22は案内処理を終了する。
【0068】
一方、端末装置2の操作手段を介して、省燃費走行経路を特定するための情報の送信が要求された場合(SB5、Yes)、案内制御部22bは、省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する旨の信号を通信部20を介して情報提供装置3に送信する(SB20)。
【0069】
SB15において、省燃費走行経路を特定するための情報を通信部20を介して情報提供装置3から受信した場合(SB15、Yes)、案内制御部22bは、当該受信した情報に基づき省燃費走行経路の案内を行うと共に(SB16)、当該受信した省燃費走行経路を特定するための情報を二地点と関連付けてデータ記録部23に記録する。
【0070】
一方、省燃費走行経路を特定するための情報を通信部20を介して情報提供装置3から受信しなかった場合(SB15、No)、すなわち、省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報を、通信部20を介して受信した場合、案内制御部22bは、当該受信した省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報をディスプレイ21に表示させると共に(SB17)、当該受信した省燃費走行経路を特定するための情報の送信要否を問い合わせるための情報に含まれている、節約可能な燃料の費用、及び通信費用を特定する情報を、二地点と関連付けて省燃費走行経路DBに格納する。
【0071】
(効果)
このように本実施の形態2によれば、過去に情報提供装置3に送信した二地点間の基準走行経路とは異なる二地点間の基準走行経路に関する情報のみを情報提供装置3に送信するので、端末装置2と情報提供装置3との間で既に通信が行われた各種情報についての再度の通信を省略することができ、ユーザの経済的な負担を一層軽減することができる。
【0072】
〔各実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0073】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0074】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、実施の形態2において、省燃費走行経路DBを、車両毎あるいはユーザ毎に情報提供装置3のデータ記録部32に設け、経路探索部22aが探索した二地点間の基準走行経路に関する情報を、過去に情報提供装置3が端末装置2から受信済みか否かを判定するようにしてもよい。
【0075】
(案内処理について)
上述の各実施の形態では、契約情報は、例えば図3のSA1において、省燃費走行経路に関する情報の送信を要求する旨の信号に含めて端末装置2から送信されると説明したが、予めユーザ毎に契約情報を情報提供装置3のデータ記録部32に記録しておき、端末装置2から送信されたユーザを一意に識別する識別情報等に基づいて、対応する契約情報をデータ記録部32から取得するようにしてもよい。あるいは、各ユーザに共通の標準的な契約情報を予め情報提供装置3のデータ記録部32に記録しておき、この標準的な契約情報を用いることとしてもよい。
【0076】
また、上述の各実施の形態では、図3のSA4において、燃料費用算出部31cは燃料価格DB32bを参照し、基準走行経路の始点又は終点のいずれかの地点を含む地域に対応する燃料価格情報に基づき、燃料の料金を特定すると説明したが、例えば基準走行経路や省燃費走行経路における各地点を含む地域に対応する燃料価格情報に基づき、燃料の料金を特定するようにしてもよい。この場合、各地点に対応する燃料の価格の最大価格、最低価格、あるいは平均価格等を用いて燃料の料金を特定してもよい。
【0077】
また、上述の各実施の形態では、SA6で通信費用算出部31dが算出する「通信費用」には、案内処理において端末装置2と情報提供装置3との間で行われる通信に要する各種の費用が含まれると説明したが、SA5で燃料費用算出部31cによって算出された節約可能な燃料の費用と、このSA6で通信費用算出部31dによって算出された通信費用との比較結果に基づき端末装置2に送信する情報であって、省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報を情報提供装置3から端末装置2に送信する際の通信費用を、通信費用算出部31dが算出する「通信費用」から除外してもよい。また、端末装置2に送信された省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報に応答して、当該端末装置2から情報提供装置3に省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する際の通信費用や、端末装置2から情報提供装置3に省燃費走行経路を特定するための情報の送信の取消を要求する際の通信費用を、通信費用算出部31dが算出する「通信費用」から除外してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 情報提供システム
2 端末装置
3 情報提供装置
4 ネットワーク
20、30 通信部
21 ディスプレイ
22、31 制御部
22a、31b 経路探索部
22b、31e 案内制御部
23、32 データ記録部
23a、32a 地図情報DB
31a 経路取得部
31c 燃料費用算出部
31d 通信費用算出部
32b 燃料価格DB


【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に情報を提供する情報提供装置であって、
前記端末装置から送信された二地点間の基準走行経路に関する情報に基づき当該基準走行経路を取得する経路取得手段と、
前記二地点間の省燃費走行経路を探索する経路探索手段と、
前記基準走行経路における燃料消費量、前記省燃費走行経路における燃料消費量、及び燃料の料金に基づき、前記基準走行経路を走行する場合と前記省燃費走行経路を走行する場合との燃料の費用の差分を算出する燃料費用算出手段と、
前記経路探索手段によって探索された前記省燃費走行経路に関する情報を前記端末装置との間で通信するための通信費用を算出する通信費用算出手段と、
前記燃料費用算出手段によって算出された前記燃料の費用の差分と前記通信費用算出手段によって算出された前記通信費用との比較結果に基づき、所定の情報を前記端末装置に送信するための制御を行う制御手段と、
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記燃料費用算出手段によって算出された前記燃料の費用の差分が、前記通信費用算出手段によって算出された前記通信費用以上の場合に、前記省燃費走行経路に関する情報を前記端末装置に送信するための制御を行う、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記通信費用算出手段は、前記端末装置と当該情報提供装置との間の通信料金に関する契約内容を特定する契約情報を取得し、当該取得した契約情報に基づき前記通信費用を算出する、
請求項1又は2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記通信費用は、
前記燃料費用算出手段によって算出された前記燃料の費用の差分と前記通信費用算出手段によって算出された前記通信費用との比較結果に基づき前記端末装置に送信する情報であって、前記省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報を前記端末装置に送信する際の通信費用と、
前記端末装置に送信された前記省燃費走行経路を特定するための情報以外の情報に応答して、当該端末装置から当該情報提供装置に前記省燃費走行経路を特定するための情報の送信を要求する際の通信費用、又は前記端末装置から当該情報提供装置に前記省燃費走行経路を特定するための情報の送信の取消を要求する際の通信費用と、を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記燃料の価格を特定する燃料価格情報と、前記燃料が販売されている地域を特定する地域情報とを、相互に関連付けて格納する燃料価格情報格納手段を備え、
前記燃料費用算出手段は、前記二地点のいずれかの地点を含む地域に対応する前記燃料価格情報に基づき前記燃料の料金を特定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
端末装置に情報を提供する情報提供方法であって、
前記端末装置から送信された二地点間の基準走行経路に関する情報に基づき当該基準走行経路を取得する経路取得ステップと、
前記二地点間の省燃費走行経路を探索する経路探索ステップと、
前記基準走行経路における燃料消費量、前記省燃費走行経路における燃料消費量、及び燃料の料金に基づき、前記基準走行経路を走行する場合と前記省燃費走行経路を走行する場合との燃料の費用の差分を算出する燃料費用算出ステップと、
前記経路探索ステップで探索された前記省燃費走行経路に関する情報を前記端末装置との間で通信するための通信費用を算出する通信費用算出ステップと、
前記燃料費用算出ステップで算出された前記燃料の費用の差分と前記通信費用算出ステップで算出された前記通信費用との比較結果に基づき、所定の情報を前記端末装置に送信するための制御を行う制御ステップと、
を含む情報提供方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させる情報提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−37317(P2012−37317A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176214(P2010−176214)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】