説明

情報端末、入力方法及びプログラム

【課題】画面を確認しなくてもタッチパネルに触れた位置から所望の入力値を入力するための座標位置を認識することができる情報端末を提供する。
【解決手段】情報端末の状態が入力状態でない場合において、座標検出部102が座標を検出したとき、状態遷移部103は、情報端末の状態を入力状態に遷移させる。情報端末の状態が入力状態である場合において、座標検出部102が座標を検出したとき、入力部は、入力状態でなかったときに座標検出部が検出した座標を基準点とする、座標検出部102が今回検出した座標の相対位置に基づいて入力値を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルによる入力を受け付ける情報端末、入力方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子書籍の閲覧用など、タッチパネルを備える大型の情報端末が開発されている。これらの大型の情報端末は、その大きさゆえに片手で操作することが困難であることが多く、利用者は、持ち方を変えて操作したり、両手を用いて操作したりすることで対応することが多かった。
【0003】
このような問題を解決する方法として、特許文献1や特許文献2に操作の簡便化を図った情報端末の構成が開示されている。
特許文献1には、指がタッチパネルに接触しながらタッチパネル上を移動したときの移動態様に応じたランチャーGUI(Graphic User Interface)を表示する情報端末が開示されている。
特許文献2には、操作可能な項目を含んだ表示情報から利用者によって操作可能な項目を抽出し、抽出した項目のみを利用者の操作しやすい位置に表示する情報端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−110286号公報
【特許文献2】特開2010−160564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の情報端末を用いる場合、指をタッチパネルに接触しながら移動させ、指が最初に接触した位置を基準にGUIを表示させるため、利用者が画面を見ずに基準点の位置を把握することは困難であり、当該GUIを確認しながらアイコンの選択を行う必要がある。
また、特許文献2に記載の情報端末を用いる場合、抽出した項目が表示される位置は固定位置であるため、利用者の利き手や持ち方によっては片手で項目を選択することが困難である場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、タッチパネルによる入力を受け付ける情報端末であって、利用者からの入力を受け付ける入力状態であるか入力を受け付けない非入力状態であるかを示す状態情報を記憶する状態記憶部と、前記タッチパネルにおいて使用者が触れた座標を検出する座標検出部と、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報を入力状態に書き換える状態遷移部と、前記状態記憶部が記憶する状態情報が入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であったときに前記座標検出部が検出した座標を基準点とする、前記座標検出部が今回検出した座標の相対位置に基づいて入力値を決定する入力部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、利用者からの入力を受け付ける入力状態であるか入力を受け付けない非入力状態であるかを示す状態情報を記憶する状態記憶部を備え、タッチパネルによる入力を受け付ける情報端末を用いた入力方法であって、座標検出部は、前記タッチパネルにおいて使用者が触れた座標を検出し、状態遷移部は、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報を入力状態に書き換え、入力部は、前記状態記憶部が記憶する状態情報が入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であったときに前記座標検出部が検出した座標を基準点とする、前記座標検出部が今回検出した座標の相対位置に基づいて入力値を決定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、利用者からの入力を受け付ける入力状態であるか入力を受け付けない非入力状態であるかを示す状態情報を記憶する状態記憶部を備え、タッチパネルによる入力を受け付ける情報端末を、前記タッチパネルにおいて使用者が触れた座標を検出する座標検出部、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報を入力状態に書き換える状態遷移部、前記状態記憶部が記憶する状態情報が入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であったときに前記座標検出部が検出した座標を基準点とする、前記座標検出部が今回検出した座標の相対位置に基づいて入力値を決定する入力部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入力部は、非入力状態において最初にタッチパネルに触れたときの座標を基準点として、座標位置と入力値との関係を決定する。これにより、指をタッチパネルに接触しながら移動させないため、利用者は画面を確認しなくてもタッチパネルに触れた位置から所望の入力値を入力するための座標位置を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態による情報端末の外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による情報端末の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】キー配列記憶部が記憶するキー配列情報の例を示す図である。
【図4】キー配列記憶部が記憶する入力値テーブルの例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による情報端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】情報端末におけるキー配列の表示例を示す図である。
【図7】情報端末におけるQWERTYキー配列の表示例を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態による情報端末の外観を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態による情報端末の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による情報端末100の外観図である。
情報端末100は、外郭をなす筐体110と、LCDなどのディスプレイ120、ディスプレイ120を被覆する透明のタッチパネル130、情報端末100の操作に用いられるボタン140を備える。
利用者は、情報端末100の筐体110を把持し、情報端末100の処理内容を表示するディスプレイ120を見て、タッチパネル130を介して情報端末100への入力を行う。
【0012】
図2は、本発明の第1の実施形態による情報端末100の構成を示す概略ブロック図である。
情報端末100は、状態記憶部101、座標検出部102、状態遷移部103、キー配列記憶部104、キー間隔設定部105(単位長さ設定部)、表示部106、入力部107、アプリケーション部108を備える。
状態記憶部101は、情報端末100の状態が、利用者からの入力を受け付ける入力状態であるか入力を受け付けない非入力状態であるかを示す状態情報を記憶する。
座標検出部102は、タッチパネル130において使用者が触れた座標を検出する。
状態遷移部103は、状態記憶部101が記憶する状態情報が非入力状態であることを示す場合に、座標検出部102が座標を検出したとき、状態記憶部101が記憶する状態情報を入力状態に書き換える。また、状態遷移部103は、状態記憶部101が記憶する状態情報が非入力状態であるときに座標検出部102が検出した座標を入力部107に通知する。
キー配列記憶部104は、ある基準点からの相対位置とアプリケーション部108に入力する入力値との関係を示すキー配列情報を記憶する。
キー間隔設定部105は、キー配列記憶部104が記憶するキー配列における各キー同士の間隔を設定する。
表示部106は、状態遷移部103から通知された座標を基準点として、キー配列記憶部104が記憶するキー配列(操作オブジェクト)をディスプレイ120に表示させる。
入力部107は、状態遷移部103から通知された座標を基準点として、キー配列記憶部104が記憶するキー配列と座標検出部102が検出した座標とに基づいて、所定の入力値をアプリケーション部108に入力する。
アプリケーション部108は、所定のアプリケーションを実行し、入力部107からの入力によってアプリケーションの操作を行う。
【0013】
図3は、キー配列記憶部104が記憶するキー配列情報の例を示す図である。
キー配列記憶部104は、図3(A)に示すようなキー配列情報を記憶する。キー配列情報は、X座標とY座標と入力値IDとの組み合わせによって構成される情報である。なお、X座標及びY座標の値は、所定のキー間隔s(単位長さ)の定数倍で表される。当該キー間隔sは、キー間隔設定部105によって設定される。
なお、当該キー配列情報を用いてキーを並べると、図3(B)に示すようなキー配列となる。なお、図3に示す例では、入力値ID「4」に相当するキーの中心が基準点となる。
【0014】
図4は、キー配列記憶部104が記憶する入力値テーブルの例を示す図である。
また、キー配列記憶部104は、キー配列情報に加えて入力値テーブルを記憶している。入力値テーブルは、キー配列情報に含まれる各入力値IDと実際の入力値との関係を示すテーブルである。なお、入力値IDと入力値の組み合わせは、数字、ひらがな、英字などの入力タイプ毎に入力値テーブルにそれぞれ格納される。
【0015】
次に、本実施形態による情報端末100の動作について説明する。
まず利用者は、予めキー間隔設定部105によりキー配列における各キーの間隔を設定しておく。これにより、利用者は、自身の手のサイズに応じて操作しやすい範囲でキー操作を行うことができるようになる。
【0016】
図5は、本発明の第1の実施形態による情報端末100の動作を示すフローチャートである。
情報端末100のアプリケーション部108がアプリケーションを開始し、当該アプリケーションが文字列の入力の受け付け状態になると、座標検出部102は、利用者によるタッチパネル130への接触を待機する(ステップS1)。座標検出部102は、タッチパネル130への接触が無い場合(ステップS1:NO)、ステップS1による待機処理を繰り返す。座標検出部102は、利用者によるタッチパネル130への接触を検出した場合(ステップS1:YES)、タッチパネル130における接触位置の座標を取得する(ステップS2)。そして、座標検出部102は、取得した座標情報を状態遷移部103及び入力部107に出力する。
【0017】
次に、状態遷移部103は、状態記憶部101が記憶する状態情報を読み出し、状態情報が入力状態を示すか否かを判定する(ステップS3)。状態遷移部103は、状態情報が非入力状態を示すと判定した場合(ステップS3:NO)、状態遷移部103は、状態記憶部101が記憶する状態情報を入力状態に書き換える(ステップS4)。次に、表示部106は、座標検出部102がステップS2で取得した座標情報を読み出す(ステップS5)。また、表示部106は、キー配列記憶部104からキー配列情報及び入力値テーブルを読み出し(ステップS6)、キー間隔設定部105からキー間隔を読み出す(ステップS7)。
【0018】
そして、表示部106は、ステップS5で読み出した座標を基準点として、ステップS6で読み出したキー配列情報及びステップS7で読み出したキー間隔に基づいてキー配列をディスプレイ120に表示させ(ステップS8)、ステップS1に戻り、次の接触を待機する。なお、各キーには、ステップS6で読み出した入力値テーブルに格納された、キー配列情報に含まれる入力値IDに対応する入力値を表示させる。
【0019】
図6は、情報端末100におけるキー配列の表示例を示す図である。
図6(A)、(B)が示すように、情報端末100を片手で把持し、利用者が親指でタッチパネル130に接触すると、当該点が入力値ID「4」のキー(「5」キー)の中心となるテンキーのキー配列がディスプレイ120に表示される。また、ひらがな入力の場合、図6(C)に示すように、親指と接触した点が「な」キーの中心となるテンキーのキー配列がディスプレイ120に表示される。
【0020】
他方、ステップS3において、状態遷移部103が、状態情報が入力状態を示すと判定した場合(ステップS3:YES)、入力部107は、座標検出部102がステップS2で取得した座標情報を読み出す(ステップS9)。また、表示部106は、キー配列記憶部104からキー配列情報及び入力値テーブルを読み出し(ステップS10)、キー間隔設定部105からキー間隔を読み出す(ステップS11)。
【0021】
次に、入力部107は、ステップS10で読み出したキー配列情報とステップS11で読み出したキー間隔とに基づいて、各キーに関連付けられた座標範囲を特定する(ステップS12)。例えば、キー配列情報が図3(A)と同じであって、キー間隔が「5」を示す場合、入力値ID「0」の座標範囲は、X座標が−15〜−5、Y座標が−15〜−5となる。このように、入力部107は、図3(A)に示す「s」にキー間隔を代入することで、各キーの座標範囲を特定する。
【0022】
次に、入力部107は、ステップS9で読み出した座標情報が、ステップS12で特定した何れかの座標範囲に含まれるか否かを判定する(ステップS13)。入力部107は、ステップS9で読み出した座標情報が、ステップS12で特定した何れの座標範囲にも含まれないと判定した場合(ステップS13:NO)、ステップS1に戻り、再度の接触を待機する。
他方、入力部107は、ステップS9で読み出した座標情報が、ステップS12で特定した何れかの座標範囲に含まれると判定した場合(ステップS13:YES)、当該座標範囲が示す入力値IDに対応する入力値をステップS10で読み出した入力値テーブルから読み出し、当該入力値をアプリケーション部108に出力する(ステップS14)。
なお、ステップS14で決定される入力値は、ステップS8でキー配列を表示され、利用者の指が接触したキーに描画された入力値と一致することとなる。
【0023】
ステップS14で入力部107が入力値をアプリケーション部108に出力すると、当該入力によってアプリケーション部108が要求する入力が終了したか否かを判定する(ステップS15)。例えば、アプリケーション部108が4桁の数値の入力の受け付ける場合において4桁目の数値の入力を完了したときや、利用者が入力完了ボタン140を押下した場合などが挙げられる。アプリケーション部108による入力受け付けが終了していない場合(ステップS15:NO)、ステップS1に戻り、次の接触を待機する。他方、アプリケーション部108による入力受け付けが終了した場合(ステップS15:YES)、情報端末100は、入力動作を終了する。
【0024】
このように、本実施形態によれば、入力部107は、非入力状態において最初にタッチパネル130に触れたときの座標を基準点として、座標位置と入力値との関係を決定する。これにより、指をタッチパネル130に接触しながら移動させる必要がない。また、指をタッチパネル130に接触しながら移動させないため、利用者は画面を確認しなくてもタッチパネル130に触れた位置から所望の入力値を入力するための座標位置を認識することができる。
【0025】
また、本実施形態によれば、キー配列記憶部104が記憶するキー配列情報が、所定のキー間隔の定数倍によって表現されており、キー間隔設定部105は、利用者からの入力に基づいてキー間隔を変更する。これにより、利用者は各々の手の大きさに合わせてキー間隔を設定することができ、キー配列の大きさを利用者に適した大きさにすることができる。
【0026】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態による情報端末100は、第1の実施形態による情報端末100の表示部106を備えないものである。したがって、第2の実施形態では、第1の実施形態におけるステップS5〜ステップS8の処理を実行しない。これにより、情報端末100は、ディスプレイ120上にはキー配置の表示を行わないことで、アプリケーション部108が実行するアプリケーションの画面を隠さずに、利用者からの入力を受け付けることができる。また、本実施形態によれば、入力部107は、非入力状態において最初にタッチパネル130に触れたときの座標を基準点として、座標位置と入力値との関係を決定するため、タッチパネル130に触れた位置から所望の入力値を入力するための座標位置を認識することができる。そのため、利用者は、ディスプレイ120にキー配列が表示されていなくても所望の入力値を入力することができる。
【0027】
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態による情報端末100のタッチパネル130は、静電容量方式など、マルチタッチ(利用者によって複数点が同時に接触されること)を認識することができる方式によるものである。そして、表示部106及び入力部107は、画面が1点で接触したか、2点で接触したかによって異なる処理を実行する。具体的には、以下に示す処理を実行する。
【0028】
第3の実施形態による情報端末100のキー配列記憶部104は、第1の実施形態と同様のテンキーのキー配列に加えて、QWERTYキーボードのキー配列を記憶している。
状態記憶部101が記憶する状態情報が非入力状態を示す場合において、座標検出部102が1点の座標を検出したとき、表示部106及び入力部107は、第1の実施形態と同様に、テンキーによる入力を開始する。他方、状態記憶部101が記憶する状態情報が非入力状態を示す場合において、座標検出部102が2点の座標を検出したとき、表示部106及び入力部107は、QWERTYキーボードに対応するキー配置による入力を開始する。
【0029】
図7は、情報端末100におけるQWERTYキー配列の表示例を示す図である。
図7に示すように、利用者が2点(図7に示す例では両手の人差し指)でタッチパネル130に接触すると、表示部106及び入力部107は、キー配列記憶部104からQWERTYキーボードのキー配列を読み出し、当該2点のうち左側の点を「F」キーに、右側の点を「J」キーに対応させるように、キー配列を決定する。なお、この場合、2点の間隔に基づいてキー間隔が決定されるため、キー間隔設定部105からのキー間隔の読み出しは行われない。
【0030】
なお、本実施形態では、表示部106がQWERTYキーボードのキー配列をディスプレイ120に表示させる例を説明したが、これに限られず、第2の実施形態と同様に、表示部106を備えない構成としても良い。本実施形態では、当該2点のうち左側の点を「F」キーに、右側の点を「J」キーに対応させるため、タッチパネル130に両手の人差し指が接触したときに両人差し指がQWERTYキーボードのホームポジションに位置するようになる。これにより、利用者は、ディスプレイ120にキー配列が表示されていなくても、他のキーの位置を認識することができる。
【0031】
《第4の実施形態》
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態による情報端末100の外観を示す図である。
第4の実施形態による情報端末100は、第1の実施形態による情報端末100に加えて更に十字キー150、ステレオスピーカ160、モノラルスピーカ170、カメラ180を備える。
近年の情報端末100には、加速度センサやジャイロセンサ等を用いて、端末の傾きを検知し、筐体110を回転させるとその向きに応じてディスプレイ120に表示される画面を回転させて利用するものがある。例えば、図8に示すような情報端末100は、図面正位置に対して左方向に90度回転させることで、十字キー150とボタン140とを利用したゲーム機のような持ち方をすることができる。また右方向に90度回転させることで、一対のステレオスピーカ160を下方向にした音楽再生機のような持ち方をすることができる。しかしながら、ディスプレイ120の下端から筐体110の下端までの長さが持ち方によって変化することや、また筐体110裏面に設けられる電池収納部(図示せず)の厚みや重量によって筐体110の持ち方が変化することから、筐体110の持ち方によって指を動かせる範囲が異なる。
そこで、本実施形態では、傾きに応じて、キー配列の位置を補正する情報端末100について説明する。
【0032】
図9は、本発明の第4の実施形態による情報端末100の構成を示す概略ブロック図である。
図4の実施形態による情報端末100は、第1の実施形態による情報端末100に加え、さらに傾き検知部109を備え、キー間隔設定部105、入力部107、表示部106の動作が異なるものである。
傾き検知部109は、加速度センサなどによって構成され、筐体110にかかる重力加速度の方向を算出することで、筐体110の傾きを検知する。
キー間隔設定部105は、筐体110の傾き90度ごとのキー間隔を設定する。すなわち、キー間隔設定部105は、筐体110の傾きが0度のときのキー間隔、筐体110の傾きが90度のときのキー間隔、筐体110の傾きが180度のときのキー間隔、筐体110の傾きが270度のときのキー間隔をそれぞれ設定する。また、このときのキー間隔は、予め筐体110の形状や重量バランスなどを考慮して、変な持ち方や危険な持ち方にならないよう、あるべき持ち方へ誘導するよう所定の値を設定するようにしても良い。
表示部106及び入力部107は、傾き検知部109が検知した傾きに最も近い角度に関連付けられたキー間隔をキー間隔設定部105から読み出し、入力処理及び表示処理を行う。例えば、傾き検知部109が80度の傾きを検知した場合、表示部106及び入力部107は、傾き検知部109から90度に関連付けられたキー間隔を読み出し、入力処理及び表示処理を行う。また、表示部106及び入力部107は、0度、90度、180度、270度のうち最も傾き検知部109が検知した傾きに近い方向をY軸の正方向(下方向)として表示処理及び入力処理を行う。
【0033】
なお、本実施形態では、キー間隔設定部105が各傾きとキー間隔を予め関連付けて設定する場合を説明したが、これに限られず、傾きが変化したときに利用者からキー間隔の設定を受け付けるようにしても良い。
【0034】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0035】
上述の情報端末100は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0036】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0037】
100…情報端末 101…状態記憶部 102…座標検出部 103…状態遷移部 104…キー配列記憶部 105…キー間隔設定部 106…表示部 107…入力部 108…アプリケーション部 110…筐体 120…ディスプレイ 130…タッチパネル 140…ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルによる入力を受け付ける情報端末であって、
利用者からの入力を受け付ける入力状態であるか入力を受け付けない非入力状態であるかを示す状態情報を記憶する状態記憶部と、
前記タッチパネルにおいて使用者が触れた座標を検出する座標検出部と、
前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報を入力状態に書き換える状態遷移部と、
前記状態記憶部が記憶する状態情報が入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であったときに前記座標検出部が検出した座標を基準点とする、前記座標検出部が今回検出した座標の相対位置に基づいて入力値を決定する入力部と
を備えることを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記入力部は、単位長さの定数倍によって表される前記基準点からの相対位置に基づいて前記入力値を決定し、
前記単位長さの設定を受け付ける単位長さ設定部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記状態遷移部が状態情報を入力状態に書き換えたとき、前記タッチパネルの座標と前記入力部による入力値との関係を示す操作オブジェクトを表示させる表示部を備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記入力部は、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であったときに前記座標検出部が1点の座標を検出した場合、テンキーに相当する位置関係に基づいて前記入力値を決定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報端末。
【請求項5】
前記入力部は、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であったときに前記座標検出部が2点の座標を検出した場合、QWERTYキーボードに相当する位置関係に基づいて前記入力値を決定する
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の情報端末。
【請求項6】
筐体の傾きを検知する傾き検知部を備え、
前記入力部は、前記傾き検知部が検出した傾きの方向を下方向とする座標系に基づいて、前記入力値を決定する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の情報端末。
【請求項7】
利用者からの入力を受け付ける入力状態であるか入力を受け付けない非入力状態であるかを示す状態情報を記憶する状態記憶部を備え、タッチパネルによる入力を受け付ける情報端末を用いた入力方法であって、
座標検出部は、前記タッチパネルにおいて使用者が触れた座標を検出し、
状態遷移部は、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報を入力状態に書き換え、
入力部は、前記状態記憶部が記憶する状態情報が入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であったときに前記座標検出部が検出した座標を基準点とする、前記座標検出部が今回検出した座標の相対位置に基づいて入力値を決定する
ことを特徴とする入力方法。
【請求項8】
利用者からの入力を受け付ける入力状態であるか入力を受け付けない非入力状態であるかを示す状態情報を記憶する状態記憶部を備え、タッチパネルによる入力を受け付ける情報端末を、
前記タッチパネルにおいて使用者が触れた座標を検出する座標検出部、
前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報を入力状態に書き換える状態遷移部、
前記状態記憶部が記憶する状態情報が入力状態であることを示す場合に、前記座標検出部が座標を検出したとき、前記状態記憶部が記憶する状態情報が非入力状態であったときに前記座標検出部が検出した座標を基準点とする、前記座標検出部が今回検出した座標の相対位置に基づいて入力値を決定する入力部
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−185691(P2012−185691A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48544(P2011−48544)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】