説明

情報管理装置、データ解析装置、信号機、サーバ、情報管理システム、およびプログラム

【課題】信号機付近で撮影された画像内の車両等に関する情報を取得すること。
【解決手段】信号機に取り付けられた撮像装置が取得した撮像画像データに基づき、解析対象の種類、属性、および個数のうち少なくとも1つを判定する判定部と、前記判定部が判定した結果を示す判定結果情報を、当該判定結果情報に基づき前記解析対象の属性に基づき解析結果情報を作成するデータ解析部に出力する出力部とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置、データ解析装置、信号機、サーバ、情報管理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、信号機にカメラを搭載して、交差点付近を撮影し、この撮影された画像を用いて交通状況を監視する交通監視用テレビカメラ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−261990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の交通監視用テレビカメラ装置は、撮影した映像をモニタに表示するものであって、例えば、撮影された映像内の車両に関する情報を得たい場合、人が撮影された映像を見て確認する必要がある。この撮影された映像内の車両等に関する情報を、信号機において撮影される画像に基づき人が抽出する場合、膨大な時間と労力がかかる問題があった。
【0005】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、信号機付近で撮影された画像内の車両等に関する情報を取得することができる情報管理装置、データ解析装置、信号機、サーバ、情報管理システム、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、信号機に取り付けられた撮像装置が取得した撮像画像データに基づき、解析対象の種類、属性、および個数のうち少なくとも1つを判定する判定部と、前記判定部が判定した結果を示す判定結果情報を、当該判定結果情報に基づき前記解析対象の属性に基づき解析結果情報を作成するデータ解析部に出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、信号機付近で撮影された画像内の車両等に関する情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る情報管理システムの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報管理システムの各構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る信号機周辺情報テーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る車両属性情報テーブルの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る人物属性情報テーブルの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る信号機情報管理装置による処理フローを説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る信号機情報管理サーバによる処理フローを説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る移動体通信機器による処理フローを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る情報管理システムの構成を示す図である。
図1に示す通り、情報管理システム100は、複数の信号機1_1,1_2,・・・,1_nに搭載されている複数の信号機情報管理装置2_1,2_2,・・・,2_nと、信号機情報管理サーバ3を備える。この複数の信号機情報管理装置2_1,2_2,・・・,2_nと、信号機情報管理サーバ3は、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。
また、複数の信号機情報管理装置2_1,2_2,・・・,2_nと、信号機情報管理サーバ3は、ネットワークNWを介して、複数の車両4_1,・・・,4_mに搭載されている複数の移動体通信機器5_1,・・・,5_mと通信可能である。なお、ここで、移動体通信機器5_1,・・・,5_mは、車両に搭載されるカーナビジェーション機能等を有する通信機器を例に説明するが、本発明はこれに限られず、車両内にあるユーザのパーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0010】
次に、図2を参照して、複数の信号機1_1,1_2,・・・,1_nと、複数の信号機情報管理装置2_1,2_2,・・・,2_nと、移動体通信機器5_1,・・・,5_mの構成について説明する。図2は、これらの構成の一例を示すブロック図である。
なお、説明便宜のため、複数の信号機1_1,1_2,・・・,1_nに適用可能な信号機の一例を信号機1、複数の信号機情報管理装置2_1,2_2,・・・,2_nに適用可能な信号機情報管理装置の一例を信号機情報管理装置2、複数の移動体通信機器5_1,・・・,5_mに適用可能な移動体通信機器の一例を移動体通信機器5として、以下説明する。
【0011】
図2に示す通り、信号機1には、信号機情報管理装置2と撮像装置6とが取り付けられている。信号機1と信号機情報管理装置2は、I/F(インターフェース)71を介して接続されている。信号機情報管理装置2と撮像装置6は、I/F72を介して接続されている。
この信号機1は、信号表示部11と、制御機器12を含む。信号表示部11は、それぞれ青、赤、黄等に発光する複数の発光部を備え、制御機器12により、各色の発光部が所定のタイミングで発光するよう制御される。制御機器12は、所定の信号表示を行うべく、信号表示部11の各色の発光部を制御する。この制御機器12は、予め決められているタイミングに従って各色の発光部を発光させるよう制御するものであってもよく、信号機情報管理装置2から入力する制御信号に従って各色の発光部を発光させるよう制御するものであってもよい。
【0012】
撮像装置6は、例えば動画や映像を撮像できるカメラ等である撮像部61を含む。この撮像部61は、信号機1が取り付けられている交差点付近の画像あるいは映像を撮像して、この撮像して得られた撮像画像データをI/F72を介して信号機情報管理装置2に出力する。また、撮像装置6は、解析対象が車両である場合、そのナンバーや車種等を示す詳細な特徴を画像処理により検出できる程度に高解像度のカメラを利用する。また、撮像装置6は、夜間の撮像であっても解析対象の詳細な特徴を検出できる程度に高感度であって、高速で走行する車両であっても、その詳細な特徴を検出できる程度に高感度なカメラであることが好ましい。
この撮像部61は、例えば、1/60秒間隔で撮像画像データを取得し、出力する。
【0013】
信号機情報管理装置2は、画像処理部21と、判定部22と、信号機周辺情報作成部23と、記憶部24と、制御部25と、通信部26と、温度センサ27と、計時部28と、マイク29とを備える。この信号機情報管理装置2には、固有の識別番号である信号機ID(Identification)が付与されている。この信号機IDは、各信号機情報管理装置2を識別するための情報であるとともに、信号機情報管理装置2が設置される位置と対応付けられている情報である。
【0014】
温度センサ27は、温度を検出するセンサ部分が、信号機1の外部に露出した状態で信号機1に搭載されており、信号機1の付近の温度を検出して、この温度を示す温度情報を信号機周辺情報作成部23に出力する。
計時部28は、日付および時刻を計時して、計時した日付時刻を示す情報を信号機周辺情報作成部23に出力する。
マイク29は、信号機1の外部に露出した状態で信号機1に搭載されており、信号機1の付近の音声を検出して、この音声を示す音声情報を信号機周辺情報作成部23に出力する。
【0015】
画像処理部21は、撮像装置6が取得した撮像画像データをI/F72を介して入力し、当該撮像画像データの画像内に存在する解析対象を検出する。例えば、画像処理部21は、車両や人物等の移動する物体(移動体)を、解析対象として検出する。
また、画像処理部21は、時系列に連続する撮像画像データの移動ベクトルを算出し、この移動ベクトルに基づき移動体に対応する画像領域を検出するとともに、解析対象である移動体の移動速度を検出する。
この画像処理部21は、入力した撮像画像データのそれぞれに対して、固有の画像IDを割り当てるとともに、当該撮像画像データと、この画像IDと、検出した移動速度を示す情報とを対応付けて、信号機周辺情報作成部23に出力する。なお、この画像処理部21から出力される、撮像画像データと、画像IDと、移動速度を示す情報とを対応付けた情報を、以下、画像処理結果情報という。
【0016】
判定部22は、解析対象(ここでは移動体)に対応する画像領域のデータを画像処理部21から入力して、当該画像領域のデータに対してパターン認識を行うことにより、当該画像領域に含まれる移動体に関する情報を判定し、この判定結果を示す判定結果情報を出力する。
例えば、判定部22は、画像処理部21が検出した解析対象(移動体)に対応する画像領域のデータに基づき、この移動体の数、移動体の種類(車両あるいは人物)、移動体の属性について判定し、これら移動体の数、種類、および属性を示す判定結果情報を出力する。
【0017】
つまり、判定部22は、解析対象の種類が車両である場合、例えば、この車両の車種(自転車、大型バイク、スクーター、セダンタイプの自動車、ワンボックスタイプの自動車、小型トラック、大型トラックのうちいずれであるか)、車体カラー、ナンバー、乗員数、運転手性別、運転手年齢等の属性をパターン認識で得る。解析対象の種類が人物である場合、判定部22は、例えば、この人物の性別、年齢、身長、服装、移動方法(徒歩か自転車かあるいはバイクか)、携帯品(乳母車や杖等の持ち物の種類)等の属性をパターン認識で得る。
また、判定部22は、画像処理部21から入力する撮像画像データを解析して、撮像時の天候を判定する。例えば、判定部22は、撮像画像データの明るさや、空の色、雨や雪等の有無に基づき、晴れ、曇り、雨、雪等の中から、撮像時の天候を判定する。
【0018】
信号機周辺情報作成部23は、記憶部24に予め格納されている、例えば、図3に示す信号機周辺情報テーブルと、図4に示す車両属性情報テーブルと、図5に示す人物属性情報テーブルに、入力する情報を書き込む。
この信号機周辺情報作成部23は、画像処理部21によって得られた画像処理結果情報と、判定部22によって得られた判定結果情報を入力し、これらを対応付けて、信号機周辺情報テーブルと、車両属性情報テーブルと、人物属性情報テーブルに書き込む。
また、信号機周辺情報作成部23は、各撮像画像データに、温度センサ27によって検出された信号機1付近の気温を示す温度情報、計時部28によって計時された時刻を示す時刻情報、およびマイク29によって取得された信号機1の付近の音声を示す音声情報を対応付けて、信号機周辺情報テーブルと、車両属性情報テーブルと、人物属性情報テーブルに書き込む。
【0019】
ここで、図3を参照して、信号機周辺情報テーブルについて説明する。なお、ここでは、撮像装置6によって1/60秒間隔で連続して取得される撮像画像データのうち、5分間隔に取得された撮像画像データに基づく情報の一例を示す。本発明は、上記構成に限られず、全ての撮像画像データに基づく画像処理結果情報および判定結果情報を、信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、および人物属性情報テーブルに対応づけるものであってもよい。また、ある一定時間間隔あけて取得される撮像画像データに基づく情報を各テーブルに対応付けるものであってもよく、画像処理部21によって移動体が検出された際に取得された撮像画像データに基づく取得される情報のみを各テーブルに対応づけるものであってもよい。
【0020】
図3に示す通り、信号機周辺情報テーブルは、画像IDと、日付時刻と、車両台数と、人物数と、車両属性情報と、人物属性情報と、天候と、気温と、騒音レベルと、信号機点灯色と、をそれぞれ対応付けるテーブルである。
日付時刻は、対応する画像IDの撮像画像データが撮像装置6によって取得された日付と時刻を示す情報である。なお、この日付時刻は、撮像画像データがI/F72を介して撮像装置6から信号機情報管理装置2に入力した日付時刻を撮像タイミングとするものであってもよい。この日付時刻は、計時部28によって計時された日付と時刻である。
車両台数は、対応する画像IDの撮像画像データに含まれる車両の数である。
人物数は、対応する画像IDの撮像画像データに含まれる人物の数である。
【0021】
車両属性情報は、対応する画像IDの撮像画像データに含まれる各車両の車両IDを含む。この車両IDは、画像内における各車両に対して割り振られる固有の情報であって、図4に示す車両属性情報テーブルを参照して、各車両とその属性情報を対応づけるための識別子である。
人物属性情報は、対応する画像IDの撮像画像データに含まれる各人物の人物IDを含む。この人物IDは、画像内における各人物に対して割り振られる固有の情報であって、図5に示す人物属性情報テーブルを参照して、各人物とその属性情報を対応づけるための識別子である。
天候は、判定部22によって判定された天候を示す情報である。なお、ネットワークNWで接続されている外部サーバから信号機1が設置されている地域の天候を示す情報を通信部26が受信した場合、この天候を示す情報であってもよい。
気温は、温度センサ27によって、当該撮像画像データが撮像装置6によって撮像された際に検出された温度を示す情報である。
騒音レベルは、マイク29によって取得された音声情報に基づき、信号機情報管理装置2によって判定された音声情報の音量を表わす情報である。
信号機点灯色は、対応する画像IDの撮像画像データが撮像された際、信号機1の信号表示部11によって点灯されていた色(青、赤、黄)を示す。この信号機点灯色を示す情報は、制御部25から信号機1に出力される制御信号に含まれており、制御部25から判定部22に出力され、判定結果情報とともに判定部22から信号機周辺情報作成部23に入力する。
【0022】
次に、図4を参照して、車両属性情報テーブルについて説明する。
図4に示す通り、車両属性情報テーブルは、車両IDと、ナンバーと、車種と、車体カラーと、乗員数と、運転手性別と、運転手年齢と、走行速度と、をそれぞれ対応付けるテーブルである。
車両IDは、対応する画像IDの撮像画像データに含まれる各車両を特定する情報である。
ナンバー、車種、車体カラー、乗員数、運転手性別、運転手年齢、および走行速度は、当該車両IDの示す車両の属性を示す情報である。
【0023】
次に、図5を参照して、人物属性情報テーブルについて説明する。
図5に示す通り、人物属性情報テーブルは、人物IDと、性別と、年齢と、身長と、服装と、移動方法(徒歩か自転車かあるいはバイクか)と、携帯品(乳母車や杖等の持ち物の種類)と、歩行速度をそれぞれ対応付けるテーブルである。
人物IDは、該当する画像IDの撮像画像データに含まれる各人物を特定する情報である。
年齢、性別、身長、服装、移動方法、携帯品、および歩行速度は、当該人物IDの示す人物の属性を示す情報である。
【0024】
図2に戻って、記憶部24は、信号機周辺情報テーブルと、車両属性情報テーブルと、人物属性情報テーブルと、これらと対応付けられている撮像画像データを記憶する。また、記憶部24は、各信号機情報管理装置2に対して予め割り当てられている信号機IDを記憶する。
制御部25は、信号機1の所定の信号表示を行うべく、信号表示部11の各色の発光部の点灯のタイミングを制御する制御信号を生成し、I/F71を介して信号機1に出力する。
通信部26は、ネットワークNWを介して信号機情報管理サーバ3と通信可能に接続されている。この通信部26は、記憶部24に記憶されている信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、人物属性情報テーブル、および撮像画像データを、定期的に、あるいは、信号機情報管理サーバ3からの要求を受けて、信号機情報管理サーバ3に送信する。この通信部26は、送信する情報に対して、信号機IDを対応付けて送信する。
電源部73は、信号機1、信号機情報管理装置2、および撮像装置6に対して、蓄電している電力を供給する。
【0025】
信号機情報管理サーバ3は、通信部31と、データ解析部32と、出力部33と、記憶部34とを備える。
通信部31は、ネットワークNWを介して信号機情報管理装置2と通信可能に接続されている。この通信部31は、信号機情報管理装置2から受信する信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、人物属性情報テーブル、および撮像画像データをデータ解析部32に出力する。
データ解析部32は、通信部31を介して信号機情報管理装置2から受信する信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、人物属性情報テーブル、および撮像画像データを、記憶部34に記憶する。このデータ解析部32は、記憶部34に記憶されている情報に基づき、後述するさまざまなデータ解析を行い、これら判定結果情報等に基づき、解析対象の属性に基づき解析結果情報を作成する。
【0026】
出力部33は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置や、外部装置や移動体通信機器5へ情報や画像データ等を送信するデータ通信部等であって、データ解析部32によって作成された解析結果情報を出力する。例えば、ある車両に対応する解析結果情報がデータ解析部32によって作成された場合、出力部33は、当該車両に解析結果情報を送信する。また、出力部33は、解析結果情報に基づき、ある車両に対応する撮像画像データを当該車両に送信する。
記憶部34は、信号機情報管理装置2から受信した信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、人物属性情報テーブル、および撮像画像データを記憶する。この記憶部34は、各信号機IDと、当該信号機IDが表わす信号機1が設置されている位置を対応付けるテーブルを備える。
【0027】
移動体通信機器5は、通信部51と、制御部52と、出力部53とを備える。
通信部51は、ネットワークNWを介して、信号機情報管理装置2および信号機情報管理サーバ3と通信可能に接続されている。この通信部51は、信号機情報管理装置2から受信する撮像画像データ、あるいは、信号機情報管理サーバ3から受信する解析結果情報を、制御部52に出力する。
制御部52は、通信部51を介して受信した撮像画像データおよび解析結果情報を出力部53に出力させるよう制御する。
出力部53は、例えば表示装置や外部表示装置へのデータ出力部であって、制御部52によって制御され、撮像画像データや解析結果情報を出力する。
【0028】
次に、図6を参照して、信号機情報管理装置2の処理について説明する。図6は、信号機情報管理装置2の処理フローの一例について説明するためのフローチャートである。
図6に示す通り、撮像装置6の撮像部61が、交差点付近の画像を撮像する。そして、この撮像した画像の撮像画像データが、I/F72を介して、信号機情報管理装置2の画像処理部21に入力する(ステップST1)。この画像処理部21は、入力する撮像画像データに対して、それぞれ固有の画像IDを割り当てる。例えば、画像処理部21は、入力した撮像画像データに対して、画像ID「0002」を割り当てた場合を例に、以下説明する。
【0029】
この画像処理部21は、撮像画像データ(画像ID「0002」)と、過去に取得した時系列に連続する撮像画像データ(例えば、画像ID「0001」の画像)の移動ベクトルを算出する。この画像処理部21は、算出した移動ベクトルに基づき移動体に対応する画像領域を検出するとともに、移動体の移動速度を算出する。例えば、画像処理部21は、移動体に対応する20個の画像領域を検出し、各画像領域の移動速度を算出する。
【0030】
つまり、画像処理部21は、撮像画像データと、この画像ID「0002」と、移動体に対応する画像領域を示すデータ(例えば、該当する画素を特定する情報と当該画素値)と、各画像領域の移動速度を示す情報とを含む画像処理結果情報を取得する(ステップST2)。
そして、画像処理部21は、撮像画像データと、この画像ID「0002」と、移動体に対応する画像領域を示すデータとを対応付けて判定部22に出力する。また、画像処理部21は、撮像画像データと、この画像ID「0002」と、各画像領域の移動速度を示す情報を対応付けて信号機周辺情報作成部23に出力する。
【0031】
次に、判定部22は、画像処理部21から入力する移動体に対応する画像領域のデータに対してパターン認識を行うことにより、当該画像領域に含まれる移動体に関する情報を判定し、この判定結果を示す判定結果情報を出力する(ステップST3)。
例えば、判定部22は、移動体に対応する複数の画像領域のデータが、それぞれ、15台の車両を示す画像領域のデータと5人の人物を示す画像領域のデータであることを、移動体の種類と個数を判定するパターン認識を行うことにより判定する。
【0032】
また、判定部22は、車両に対応する複数の画像領域のデータが示す当該車両の車種、車体カラー、ナンバー、乗員数、運転手の性別、運転手年齢等の属性を、移動体(車両)の予め決められたこれらの属性を判定するパターン認識を行うことにより判定する。さらに、判定部22は、人物に対応する複数の画像領域のデータが示す当該人物の年齢等の属性を、移動体(人物)の予め決められたこれらの属性を判定するパターン認識を行うことにより判定する。また、判定部22は、画像処理部21から入力する撮像画像データを解析して、撮像時の天候を判定する。
【0033】
次いで、信号機周辺情報作成部23は、画像処理部21によって得られた画像処理結果情報と、判定部22によって得られた判定結果情報と、温度センサ27によって検出された信号機1付近の気温を示す温度情報と、計時部28によって計時された時刻を示す時刻情報と、マイク29によって取得された信号機1の付近の音声を示す音声情報とに基づき、信号機周辺情報テーブルと、車両属性情報テーブルと、人物属性情報テーブルを作成する。つまり、この信号機周辺情報作成部23は、入力した情報を対応付けて、この信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、および、人物属性情報テーブルに対応付けて、記憶部24に格納する(ステップST4)。
【0034】
そして、通信部26は、記憶部24に記憶されている信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、人物属性情報テーブル、および撮像画像データに、信号機IDを付与して、信号機情報管理サーバ3に送信する(ステップST5)。
【0035】
その後、通信部26は、信号機情報管理サーバ3によってデータ解析された結果である解析結果情報を受信したか否かを判定する(ステップST6)。解析結果情報を受信した場合(ステップST6−YES)、通信部26は、解析結果情報を無線通信により移動体通信機器5に送信する(ステップST7)。
そして、信号機情報管理装置2は、新たな画像撮像データが撮像装置6から入力した場合(ステップST8−YES)、再びステップST2に戻って処理を繰り返す。
【0036】
次に、図7を参照して、信号機情報管理サーバ3の処理について説明する。図7は、信号機情報管理サーバ3の処理フローの一例について説明するためのフローチャートである。
図7に示す通り、信号機情報管理サーバ3の通信部31は、例えば、取得情報の送信を要求する信号を信号機情報管理装置2に送信して、信号機情報管理装置2から信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、人物属性情報テーブル、および撮像画像データを受信する(ステップST21)。通信部31は、受信した情報をデータ解析部32に出力する。
データ解析部32は、通信部31を介して信号機情報管理装置2から受信する信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、人物属性情報テーブル、および撮像画像データを、記憶部34に記憶し、この記憶部34に記憶されている情報に基づき、後述する所望のデータ解析を行う(ステップST22)。
【0037】
データ解析部32は、データ解析により得た解析結果情報を移動体通信機器5に送信する場合(ステップST23−YES)、通信部31を介して、ステップST21においてデータを送信した信号機IDが表わす信号機情報管理装置2に対して解析結果情報を送信する(ステップST24)。
また、データ解析部32は、データ解析により得た解析結果情報を出力部33に出力する場合(ステップST25−YES)、出力部33に対して、例えば、解析結果を示す画像を出力部33の表示画面に表示する(ステップST26)。なお、出力部33は、上述の通り、解析結果情報に応じて、対応する移動体通信機器5に解析結果情報を送信してもよく、対応する移動体通信機器5に撮像画像データを送信してもよい。この場合、出力部33は、ネットワークNWを介して直接的に該当する移動体通信機器5に解析結果情報あるいは撮像画像データを送信するものであってもよく、信号機情報管理装置2を介して間接的に該当する該当する移動体通信機器5にこれらを送信するものであってもよい。
ここで、データ解析が終了していない場合、ステップST22に戻って処理を繰り返す(ステップST27−NO)。
【0038】
次に、図8を参照して、移動体通信機器5の処理について説明する。図8は、移動体通信機器5の処理フローの一例について説明するためのフローチャートである。
移動体通信機器5の通信部51は、信号機情報管理装置2の通信部26と無線通信を行い、信号機情報管理装置2との通信エリアにおいて送信情報を受信した場合(ステップST41−YES)、この情報を制御部52に出力する。
例えば、通信部51が、信号機情報管理サーバ3から信号機情報管理装置2に送信された解析結果情報を、当該信号機情報管理装置2から受信した場合、制御部52は、出力部33に対して、例えば解析結果を示す画像を出力部53の表示画面に表示する(ステップST42)。
なお、移動体通信機器5は、上述の通り、当該方法に限らず、信号機情報管理サーバ3の出力部33から直接的に送信される情報あるいはデータを受信するものであってもよい。
【0039】
ここで、信号機情報管理サーバ3のデータ解析部32によるデータ解析について説明する。データ解析部32は、以下に説明するデータ解析のうち、少なくとも1つを実行することができる。
【0040】
<走行車両の運転状況を監視するためのデータ解析>
信号機情報管理サーバ3のデータ解析部32は、例えば、データ解析によって、交通事故が発生しやすい危険地域の判定を行う。
例えば、データ解析部32は、判定結果情報に基づき、解析対象である車両による急ブレーキの発生率を統計処理により算出し解析結果情報として得る。また、データ解析部32は、急ブレーキの発生率を信号機IDに対応する位置に基づき、地域毎に統計処理により算出し、解析結果情報として得る。
【0041】
具体的に説明すると、データ解析部32は、車両属性情報テーブルの走行速度に基づき、車両の走行速度の変化により、急ブレーキをかけている車両をカウントする。このデータ解析部32は、この急ブレーキをかけている車両の割合を交差点毎に統計処理する。
このようにして得られる、急ブレーキをかけている車両の割合を地域毎に表わした解析結果情報は、急ブレーキをかけている車両の割合が多い交差点を交通事故が発生するおそれがあると予測して、当該交差点に危険性を示す警告表示等を行うことができる点で有益な情報となる。
なお、信号機情報管理サーバ3は、このデータ解析部32による解析結果に基づき、急ブレーキをかける車両の割合が多い交差点の信号機1に搭載された信号機情報管理装置2に対して、通過する車両の移動体通信機器5に警告メッセージを表示するための情報を送信させるようにしてもよい。
【0042】
また、データ解析部32は、隣接する複数の信号機1の信号機情報管理装置2から送信された車両属性情報テーブルの情報に基づき、車両の走行速度を検出して、急ブレーキをかけている車両を特定するものであってもよい。
例えば、車線の進行方向に連続して配置されている信号機1_1,1_2,1_3に搭載されている信号機情報管理装置2_1,2_2,2_3から受信した車両属性情報テーブルの情報に基づき、データ解析部32は、同一のナンバー、車種、車体カラー等を示す車両を同一車両と判定する。このデータ解析部32は、当該車両が信号機1_1,1_2の間を走行しているときの走行速度と、信号機1_2,1_3の間を走行しているときの走行速度と、信号機1_3の直前での走行速度等を比較して、当該車両が急激に減速しているか否かを判定することができる。
【0043】
さらに、データ解析部32は、急ブレーキをかけた車両に限られず、撮像画像データを解析することにより、中央車線をはみ出して走行する車両や、追い越し走行する車両、あるいは、車道を横断する自転車や人物等を検出し、これらが検出される割合等を統計的に算出するものであってもよい。これらの情報は、危険運転等が発生している場所を発見することできる点で有益な情報となる。
【0044】
また、データ解析部32は、交差点に逆方向から進入する車両の走行速度を算出して、衝突可能性を判定するものであってもよい。例えば、データ解析部32は、判定結果情報に基づき、解析対象である少なくとも2台の車両であって、異なる方向から交差点に進入する当該車両を検出し、当該車両の移動速度に基づき、当該車両が当該交差点において衝突する可能性を算出して解析結果情報として得る。
具体的に説明すると、第1車線の進行方向に連続して配置されている信号機1_11,1_12,1_13に搭載されている信号機情報管理装置2_11,2_12,2_13と、この第1車線と交差点Uで交わる第2車線において、連続して配置されている信号機1_14,1_15,1_16に搭載されている信号機情報管理装置2_14,2_15,2_16とがあるとする。この場合、信号機1_13と1_16は、同一の交差点Uに設定され、それぞれ、第1車線、第2車線の交通の流れを制御している。
このデータ解析部32は、車両属性情報テーブルの情報に基づき、同一のナンバー、車種、車体カラー等を示す車両を同一車両と判定し、この交差点Uに第1車線から進入してくる車両Aと、第2車線から進入してくる車両Bを検出する。データ解析部32は、この車両A、Bの走行速度を算出するとともに、当該走行速度で交差点Uに進入した場合に両車両A,Bが交差点Uに進入するタイミングが同一となるか否かを判定する。この進入タイミングが同一である場合、データ解析部32は、衝突可能性が高いと判定して、車両A、Bが走行している車線の信号機1の信号機情報管理装置2に対して衝突の危険があるため減速することを促すメッセージを送信することを示す解析結果情報を送信する。この解析結果情報を受信した信号機情報管理装置2は、通信エリアを走行している車両AあるいはBに対して、それぞれ、衝突の危険があるため減速することを促すメッセージを送信する。
【0045】
さらに、データ解析部32は、信号機周辺情報テーブルの車両台数と走行速度に基づき、渋滞の有無と、渋滞の長さを算出するものであってもよい。
例えば、データ解析部32は、判定結果情報に基づき、車両による道路渋滞に関する情報を生成し解析結果情報として得る。
このデータ解析部32は、走行速度が一定速度以下で走行している車両が複数検出された場合、この車両が車線の進行方向においてどのくらいの長さで発生しているかを算出する。そして、データ解析部32は、予め記憶部34に記憶されている道路情報を読み出し、渋滞が発生している道路を特定して、渋滞が発生している道路を示す渋滞情報を作成する。データ解析部32は、この渋滞情報を、ネットワークNWを介して移動体通信機器5に送信する。
この移動体通信機器5は、例えば、カーナビゲーション機能を有する装置である。移動体通信機器5は、渋滞情報を受信して、この渋滞情報に基づき、渋滞が発生している情報を出力する。また、移動体通信機器5は、渋滞情報に基づき、走行時の現在位置や目的地までの経路において渋滞が発生していると判定した場合、経路変更をユーザに通知する。これにより、ユーザが経路を変更した場合、渋滞を軽減することができる点で、信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、人物属性情報テーブルは、有益な情報である。
【0046】
また、データ解析部32は、信号機周辺情報テーブルの走行速度と車両属性情報に基づき、駐車違反の車両を検出するものであってもよい。
例えば、データ解析部32は、判定結果情報に基づき、解析対象である車両のうち、交通上の規則に違反した車両に関する情報を解析結果情報として得る。
このデータ解析部32は、判定部22により判定結果において、複数の撮像画像データにわたって、停車している車両を走行速度に基づき検出する。データ解析部32は、停車している車両を、駐車禁止区域において駐車禁止の対象となる時間以上停車している車両であると判定した場合、車両属性情報に含まれる属性を示すナンバーや車種等の情報を車両属性情報テーブルから読み出し、交通違反情報として得る。
なお、データ解析部32は、駐車禁止以外にも、速度違反、信号無視、その他違反走行等の交通違反を取り締まるために有益な情報をデータ解析によって得ることができる。
【0047】
例えば、複数の信号機情報管理装置2から送信される情報に基づく、特定の車両が規定速度以上の速度で走行している場合、データ解析部32は、当該車両を特定する情報を車両属性情報テーブルから読み出し、速度違反による交通違反情報として得る。
また、信号機情報管理装置2から送信される信号機周辺情報テーブルの信号機点灯色に基づき、交差点を通過する車両が赤色の状態で通過している場合、データ解析部32は、当該車両を特定する情報を車両属性情報テーブルから読み出し、信号無視による交通違反情報として得る。
さらに、データ解析部32は、複数の信号機情報管理装置2から送信される情報に基づき、各車両の走行経路と走行速度を観察し、右折禁止交差点で右折する車両や、一時停止をせずに交差点に進入している車両を検出した場合、当該車両を特定する情報を車両属性情報テーブルから読み出し、交通違反情報として得る。
【0048】
なお、このように、データ解析部32によって得られる解析結果情報に基づき、各車両の運転を制御する構成であってもよい。この場合、移動体通信機器5は、車両の駆動部に接続されており、信号機情報管理サーバ3から受信した解析結果情報に応じて、車両の走行方向や走行速度等を制御する。例えば、データ解析部32の解析結果情報として、衝突可能性が高いと判定された場合、該当する車両の移動体通信機器5は、速度を落すように車両の駆動部を制御する。
【0049】
また、データ解析部32は、解析結果情報とともに撮像画像データを、移動体通信機器5に送信するようにしてもよい。これにより、車両に搭載された移動体通信機器5は、信号機情報管理サーバ3から、例えば渋滞情報と渋滞中の道路の画像である撮像画像データを受信して、表示することができる。
また、渋滞してない場合であっても、データ解析部32は、移動体通信機器5から車両の走行経路を示す情報を受信して、この走行経路においてこれから当該車両が走行する道路に対応する信号機1の信号機情報管理装置2から送信された撮像画像データを検索によって得る。そして、データ解析部32は、この撮像画像データを、移動体通信機器5に送信する。これにより、ユーザは、走行経路の先の状況を、画像で確認することができる。
【0050】
<出店計画に利用可能なデータを取得するためのデータ解析>
信号機情報管理サーバ3のデータ解析部32は、例えば、データ解析によって新規出店計画の分析を行うための情報をデータ解析によって得て、この新規出店計画の情報を表示するコンピュータに出力するものであってもよい。
このコンピュータは、例えば、表示画面に、商圏情報、物件情報とあわせて店舗周辺の交通事情を示す情報や、通行人の特徴を示す情報を表示する。
例えば、このコンピュータは、表示画面に、ユーザによって指定された地図を表示し、この地図と関連付けられた情報をデータベースから読み出し、表示する。この地図と関連付けられた情報は、この地域の人通りや交通量、あるいは、この地域に関する属性や特徴を表わす情報である。
【0051】
信号機情報管理サーバ3のデータ解析部32は、この地図と関連付けて、当該地域の特徴を示す情報を解析によって得る。
例えば、データ解析部32は、判定結果情報に基づき、解析対象の数や属性に基づいて、当該信号機が設置されている地域のマーケティング分析に利用可能な情報を解析結果情報として得る。
このデータ解析部32は、信号機周辺情報テーブルの日付時刻を示す情報と、車両台数と人物数を示す情報に基づき、朝、昼、夕方、夜の時間帯ごとに、当該信号機1が設定されている地域の人通りや交通量を算出し、解析結果として得る。例えば、朝、夕方に車両の交通量が多ければ、車両で通勤している人がこの信号機1のある地域を通過していると推定できる。よって、商圏エリアの特徴を分析できる点で有益な情報となる。
【0052】
また、データ解析部32は、車両属性情報テーブルの車種や、運転手性別、運転手年齢に基づき、この地域を車で通行する人物の特徴を表わす情報を解析結果として得る。例えば、車種がワンボックスカーで、運転手年齢が20〜30代で、性別が女性であれば、家族人数の多い家庭の主婦である可能性が高いと推定できる。よって、商圏エリアの特徴を分析できる点で有益な情報となる。
さらに、データ解析部32は、人物属性情報テーブルの性別、年齢、移動方法、携帯品に基づき、この地域を通行する人物の特徴を表わす情報を解析結果として得る。例えば、性別が女性で、年齢が20〜30代で、携帯品としてベビーカーを押している人物であれば、乳幼児のいる家庭の主婦である可能性が高いと推定できる。よって、商圏エリアの特徴を分析できる点で有益な情報となる。
【0053】
また、信号機1は、人や車が行き交う場所に設置されている場合が多く、データ解析による解析結果を利用することで、信号機1が設置されている地域の特性に応じたマーケティング動向を全体的な視点で分析することができる。
これにより、コンビニエンススアや薬局店等のフランチャイズビジネスにおいては、立地条件のよい新規出店の計画を立てることができる。例えば、フランチャイズビジネスの運営会社は、新規出店を行なう際に紙媒体の資料で店舗立地地図情報や周辺情報や商圏情報、人口、商圏、予想売上、レイアウト図等を用いて新規出店計画時の評価、決済を行なっている。また加盟店オーナ候補も同様な資料を用いて出店の収益性や成長性を検討するようにしている。
上記の通り、各信号機情報管理装置2により、地域の特性を示す情報を撮像画像データから得ることにより、新規出店計画を支援するための新規出店計画に関する多様な情報を取得することができる。
【0054】
また、データ解析部32は、信号機周辺情報テーブルの天候、気温、および人物数に基づき、天候応じた人通りの変化を解析するものであってもよい。
さらに、データ解析部32は、信号機周辺情報テーブルの騒音レベルを示す情報を利用して、地域の雰囲気を統計的に解析するものであってもよい。例えば、騒音レベルが平均して低い地域は閑静な住宅街であると推定することができる。
【0055】
また、記憶部34は、パターン認識を行うための情報を記憶しておき、データ解析部32が、信号機情報管理装置2から送信された撮像画像データに対してパターン認識を行うものであってもよい。例えば、記憶部34に記憶されているパターン情報として、洋服の種類やブランド等を特定する情報を予め用意しておき、データ解析部32は、撮像画像データに含まれる人物の服装の種類やブランドを判定するものであってもよい。
【0056】
<解析結果情報配信による課金処理>
信号機情報管理サーバ3のデータ解析部32は、解析結果情報を送信した移動体通信機器5のユーザに対して課金処理するものであってもよい。
例えば、データ解析部32は、データ解析の結果、特定の解析結果情報を送信するサービスに予め加入しているユーザに対して、送信する解析結果情報が得られた場合、当該ユーザの移動体通信機器5に対して解析結果情報を送信するとともに、記憶部34に当該ユーザに対して当該解析結果情報を送信したことを記憶する。そしてデータ解析部32は、例えば一定期間経過後、各ユーザに解析結果情報を送った回数や送信した情報の種類等に応じて、各ユーザに支払いを要求するサービスの利用料を、例えば、課金処理センター等に送信する。この課金処理センターは、ユーザと予め上述した解析結果情報を送信するサービスの利用料を徴収するセンターである。この課金処理センターには、信号機情報管理サーバ3と通信可能なサーバが設置されており、このサーバが、解析結果情報を送信するサービスに加入しているユーザの個人情報(例えば、ユーザ名や移動体通信機器の識別番号)等とサービス内容(例えば、当該ユーザが配信を要求する解析結果情報の種類等)を保管しており、これら情報を信号機情報管理サーバ3に送信する。
【0057】
上述の通り、本実施形態に係る撮像装置6が高解像度かつ高感度であるため、この撮像装置6によって撮影される撮像画像データに基づき、信号機情報管理装置2は、画像内に含まれる解析対象の種類や属性等の詳細な情報を得ることができる。これにより、信号機情報管理装置2は、解析対象の種類や属性等を対応付けた、信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、および人物属性情報テーブルを作成することができる。また、データ解析部32は、これら信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、および人物属性情報テーブルを利用して、信号機1が設置されている地域における、人物の行動パターンに起因した特性を解析によって得ることができる。
よって、このようにして得られた信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、人物属性情報テーブルおよび解析結果情報は、上述の通り、交通状況を監視する目的で、出店計画等の経済動向に応じたマーケティング動向を把握する目的で、利用することができる。
本発明は、このような有益な情報を、人が存在する地域のほとんどに設置されている信号機1から取得することにより、地域に関する情報を包括的に取得することができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限られず、以下のような構成を有するものであってもよい。
例えば、データ解析部32は、信号機情報管理サーバ3に搭載される構成を例に説明したが、各信号機情報管理装置2に搭載されるものであってもよい。この場合、信号機情報管理装置2に搭載されるデータ解析部32は、自身の信号機情報管理装置2によって記憶部24に格納された信号機周辺情報テーブル、車両属性情報テーブル、人物属性情報テーブル、および撮像画像データを利用するものであってもよい。また、信号機情報管理装置2に搭載されるデータ解析部32は、他の信号機情報管理装置2から送信される情報と、自身の記憶部24の情報とをあわせて、上述のデータ解析を行うものであってもよい。
これにより、信号機情報管理サーバ3との通信を削減することができるため、処理速度を向上させることができる。
【0059】
また、信号機情報管理装置2は、信号機1に搭載される構成として説明したが、本発明はこれに限られず、信号機情報管理サーバ3の方に搭載されるものであってもよい。この場合、信号機1に搭載される撮像装置6から送信される撮像画像データを、信号機情報管理サーバ3に搭載される信号機情報管理装置2が受信し、上述同様の処理を行う。
さらに、信号機情報管理装置2は、液晶表示ディスプレイや電光表示パネル等の表示装置を備える構成であってもよく、信号機情報管理サーバ3から受信したデータ解析の解析結果情報に応じた情報を表示するものであってもよい。
また、信号機1は、工事現場等に設置される移動型の信号機であってもよい。撮像装置6は、360度の範囲を撮像できるカメラであってもよい。
【0060】
なお、信号機情報管理装置2や信号機情報管理サーバ3による手順を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0061】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記録装置のことをいう。
【0062】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記録装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0063】
1…信号機、2…信号機情報管理装置、3…信号機情報管理サーバ、4…車両、5…移動体通信機器、6…撮像装置、21…画像処理部、22…判定部、23…信号機周辺情報作成部、24…記憶部、25…制御部、26…通信部、27…温度センサ、28…計時部、29…マイク、31…通信部、32…データ解析部、33…出力部、34…記憶部、51…通信部、52…制御部、53…出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号機に取り付けられた撮像装置が取得した撮像画像データに基づき、解析対象の種類、属性、および個数のうち少なくとも1つを判定する判定部と、
前記判定部が判定した結果を示す判定結果情報を、当該判定結果情報に基づき前記解析対象の属性に基づき解析結果情報を作成するデータ解析部に出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報管理装置。
【請求項2】
前記撮像画像データに基づき、前記解析対象の移動速度を算出する画像処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記解析対象の種類は、車両と人物であって、
前記解析対象の属性は、車種、車両のナンバー、車体カラー、人物の性別、人物の年齢、人物の身長のうち少なくとも1つを含むものであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記出力部は、車両に対応する前記解析結果情報を当該車両に送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記解析結果情報に基づき、車両に対応する前記撮像画像データを当該車両に送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項6】
前記データ解析部は、前記判定結果情報に基づき、前記解析対象である車両による急ブレーキの発生率を統計処理により算出し前記解析結果情報として得ることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項7】
前記データ解析部は、前記急ブレーキの発生率を、前記信号機を識別する信号機識別情報に対応する位置に基づき、地域毎に統計処理により算出し前記解析結果情報として得ることを特徴とする請求項6に記載の情報管理装置。
【請求項8】
前記データ解析部は、前記判定結果情報に基づき、前記解析対象である少なくとも2台の車両であって、異なる方向から交差点に進入する当該車両を検出し、当該車両の前記移動速度に基づき、当該車両が当該交差点において衝突する可能性を算出して前記解析結果情報として得ることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項9】
前記データ解析部は、前記判定結果情報に基づき、車両による道路渋滞に関する情報を生成し前記解析結果情報として得ることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項10】
前記データ解析部は、前記判定結果情報に基づき、前記解析対象である車両のうち、交通上の規則に違反した前記車両に関する情報を前記解析結果情報として得ることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項11】
前記データ解析部は、前記判定結果情報に基づき、前記解析対象の数や属性に基づいて、当該信号機が設置されている地域のマーケティング分析に利用可能な情報を前記解析結果情報として得ることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項12】
前記データ解析部は、前記解析結果情報を送信した車両のユーザに対して課金処理することを特徴とする請求項1から11のうちいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項13】
前記データ解析部をさらに備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項14】
信号機に取り付けられた撮像装置が取得した撮像画像データに基づき、解析対象の種類、属性、および個数のうち少なくとも1つを判定する判定部が判定した結果を示す判定結果情報に、前記信号機を識別する信号機識別情報を対応付けて出力する出力部に接続され、
前記判定結果情報に基づき、前記解析対象の属性に基づき解析結果情報を作成するデータ解析部を備えることを特徴とするデータ解析装置。
【請求項15】
前記請求項1から13のうちいずれか一項に記載の情報管理装置を備えることを特徴とする信号機。
【請求項16】
前記請求項1から13のうちいずれか一項に記載の情報管理装置を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項17】
前記請求項1から13のうちいずれか一項に記載の情報管理装置をそれぞれ備える複数の信号機と、
前記請求項14に記載のデータ解析装置を備え、前記複数の信号機と通信するサーバと、
を備えることを特徴とする情報管理システム。
【請求項18】
コンピュータを
信号機に取り付けられた撮像装置が取得した撮像画像データに基づき、解析対象の種類、属性、および個数のうち少なくとも1つを判定する判定手段、
前記判定手段が判定した結果を示す判定結果情報を、当該判定結果情報に基づき前記解析対象の属性に基づき解析結果情報を作成するデータ解析手段に出力する出力手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−38089(P2012−38089A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177725(P2010−177725)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】