情報表示印刷システム
【課題】表示装置に表示している内容の印刷待ちを減らす情報表示印刷システムを提供する。
【解決手段】情報表示印刷システムは、画像データを表示する表示装置と、前記表示装置に接続される画像形成装置とからなる情報表示印刷システムであって、前記画像形成装置は、画像データと該画像データの識別情報とを対応させて登録情報データベースに記憶する手段と、前記表示装置に対して画像データおよび該画像データの識別情報を送信する手段と、前記登録情報データベースに記憶されている画像データの印刷要求を前記表示装置から受信する手段と、前記登録情報データベースを参照して、前記表示装置から受信した識別情報と一致する識別情報を検索する手段と、を備え、前記表示装置から印刷要求があったとき、前記表示装置から受信した識別情報と一致する識別情報を検索し、一致する識別情報に対応する画像データを前記登録情報データベースから読み出して印刷する。
【解決手段】情報表示印刷システムは、画像データを表示する表示装置と、前記表示装置に接続される画像形成装置とからなる情報表示印刷システムであって、前記画像形成装置は、画像データと該画像データの識別情報とを対応させて登録情報データベースに記憶する手段と、前記表示装置に対して画像データおよび該画像データの識別情報を送信する手段と、前記登録情報データベースに記憶されている画像データの印刷要求を前記表示装置から受信する手段と、前記登録情報データベースを参照して、前記表示装置から受信した識別情報と一致する識別情報を検索する手段と、を備え、前記表示装置から印刷要求があったとき、前記表示装置から受信した識別情報と一致する識別情報を検索し、一致する識別情報に対応する画像データを前記登録情報データベースから読み出して印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と表示装置とをデータ通信可能に接続した情報表示印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置に関する研究開発が盛んに行われているが、その表示装置の一例として、電子ペーパ端末がある。この電子ペーパ端末は、外部装置から送信された画像データの画像を表示可能なものであり、携帯性に優れる特性と、表示内容を繰り返し書き換えることができるというディスプレイの特性とを兼ね備えている。
【0003】
例えば、特許文献1には、画像形成装置から読み込んだ内容を電子ペーパ端末に転送したり、電子ペーパ端末に表示されている内容を画像形成装置に送って印刷することを、簡単な方法で実行できる技術が記載されている。
【0004】
また、近年では、手書きの文字や図形を入力し、表示されている画像データと合成する技術が普及している。例えば、特許文献2では、手書きデータと予め定められた画像とを合成することによって、種々の内容の伝言文を簡単且つ正確に作成できる手書き入力可能な電子式伝言板を開示している。
【特許文献1】特開2006−41759号公報
【特許文献2】特開平10−39844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、紙に印刷された資料を読み進めていくときには、気になるところや思いついたことを手書きでメモを記入したり、下線を引いたりしている。
同様に、電子ペーパ端末に表示されている資料に対して手書きでメモを記入したり、下線を引いたりすることはできるが、これを紙に印刷して保存するためには、電子ペーパ端末から画像形成装置へ転送する必要がある。
しかし、印刷対象がカラーの場合や、表示サイズが大きい場合には、転送するデータ量が大きくなり、電子ペーパ端末から画像形成装置へ画像データを転送するのにかなりの転送時間を要することになる。
【0006】
本発明は、上述のような実情を考慮してなされたものであって、表示装置に表示している内容の印刷完了までの待ち時間を減らす情報表示印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の情報表示印刷システムは、画像形成装置と、前記画像形成装置に接続される表示装置とからなる情報表示印刷システムにおいて、
前記画像形成装置は、画像データと該画像データの識別情報とを対応させて登録情報データベースに記憶する手段と、前記表示装置に対して画像データおよび該画像データの識別情報を送信する手段と、前記表示装置から画像データの印刷要求を受信する手段と、前記印刷要求に応じて前記登録情報データベースを検索する手段と、前記検索結果の画像データを印字する手段と、を備え、
前記表示装置は、前記画像形成装置から画像データと該画像データの識別情報を受信する手段と、前記受信した画像データと該画像データの識別情報を画像データ記憶手段に記憶する手段と、印刷対象の画像データに対する識別情報を印刷要求として前記画像形成装置に送信する手段と、を備え、
前記画像形成装置は、前記表示装置から印刷要求があったとき、前記登録情報データベースを参照して、前記表示装置から受信した識別情報と一致する識別情報を検索し、一致する識別情報に対応する画像データを前記登録情報データベースから読み出して印字する。
【0008】
ここで、前記印刷対象の画像データは、当該表示装置に表示されている画像データ、あるいは、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データであってもよい。
また、前記画像形成装置から前記表示装置に対して画像データおよび識別情報を送信するときは、前記画像データと前記識別情報とを別々に送信するか、あるいは、前記識別情報を前記画像データのヘッダ部分に入れて送信する。
【0009】
さらに、前記表示装置は、前記画像データ記憶手段に記憶した画像データにメモデータを付加する手段を有し、前記画像データに付加されたメモデータも合わせて印字する場合には、前記画像データの識別情報と、前記メモデータが付加された位置情報と、前記メモデータとを送信し、前記画像形成装置は、受信した識別情報に対応する画像データを前記画像情報データベースから取得して、該画像データに、受信したメモデータを受信した位置情報の示す位置に合成して印字する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示装置から画像形成装置に画像データを転送する必要がなくなるため、印刷指示から印刷が完了するまでの待ち時間が短縮されるので、ユーザに印刷物を速く提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の情報表示印刷システムに係る好適な実施形態を説明する。
【0012】
<情報表示印刷システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る情報表示印刷システム20の構成を示す模式図であり、図1において、情報表示印刷システム20は、画像形成装置22と表示装置24とが有線または無線によるインターフェースを介して互いに接続され、画像データを含む各種データを相互に送受信可能である。
【0013】
ここで、画像形成装置22と表示装置24との接続は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを用いるものとするが、これに限ったものではなく、赤外線やブルートゥース(登録商標)のような近距離無線通信であっても、有線や無線によるネットワーク接続であっても構わない。
また、画像データは、画像データのみに限定されるものではなく、例えば、文書データ、並びに、画像データおよび文書データを含むデータをも含むものとする。
【0014】
画像形成装置22は、ファクシミリ装置(FAX)32やPC(Personal Computer)等の端末装置36とネットワーク28を介して接続している。
ここで、ネットワーク28は、電話回線網、LAN(Local Area Network)やインターネットを1つ以上組み合わせたものであり、画像形成装置22とファクシミリ装置32と端末装置36との間で画像データを含む各種データの送受信が可能である。
【0015】
<画像形成装置22の構成>
図2は、画像形成装置22の構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置22を、例えば、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびプリンタ機能 等を備えたデジタルMFP(Multifunction Printer)として説明するがこれに限定されるものではない。
【0016】
図2において、画像形成装置22は、機器制御部50、HDD(Hard Disk Drive)52、操作部54、画像読取部56、画像処理部58、画像形成部60、USBインターフェース(USB I/F)62、ネットワークインターフェース(ネットワーク I/F)66を含んで構成される。
【0017】
機器制御部50は、実質的にコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)70、ROM(Read Only Memory)72およびRAM(Random Access Memory)74を含んでいる。
ROM72には、画像形成装置22を制御する各種コンピュータプログラムや制御情報や設定情報が記憶され、CPU70が操作部54等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像形成装置22の各構成部の動作および表示装置24等の外部機器との通信等の処理が実行される。
【0018】
HDD52は、磁気記憶媒体を備え、画像データを含む各種データを記憶する記憶領域を提供する。また、HDD52には、画像形成装置22が読み取った画像データが記憶される登録情報データベース(以下、「登録情報DB」と記す。)が記憶される。
【0019】
操作部54は、各種入力キー等を備えるタッチパネルを含む入力部78と、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下「LCD」と記す。)等の表示部80とを重ねた操作パネルからなっている。
ユーザは、表示部80に表示される各種の操作キーの画像を表示する画面を適宜切替え、画面上の操作キーを入力部78でタッチする。
ユーザがタッチした画面上の位置の座標を機器制御部50に出力することで、当該画像形成装置22の動作および各種設定に対するユーザの指示が取得される。
また、表示部80には、ユーザの指示内容やユーザに通知すべき情報が表示されるとともに、その指示に応じた制御信号を機器制御部50に出力することで、ユーザの入力操作に応じた処理を実現できる。
【0020】
画像読取部56は、原稿載置台(図示せず)上に載置された原稿の画像表面に光を照射することによって得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させ、結像された反射光像を順次光電変換して、画像データとして機器制御部50に出力する。
【0021】
画像処理部58は、画像読取部56または外部装置から入力された画像データに対して、例えば、γ(ガンマ)補正処理およびフィルタ処理等の所定の画像処理を行い、処理が施された画像データをHDD52に記憶させる。
【0022】
画像形成部60は、機器制御部50等からの指示に応じて、HDD52から順次読出された画像データに基づいて記録用紙上に画像を形成する。
【0023】
USB I/F62は、USBポートを備えるHot Plug対応のインターフェースであって、画像形成装置22の稼動中にUSBケーブルを介して電気的に接続される表示装置24等の外部装置を自動認識する。画像形成装置22と表示装置24間の制御情報や画像データの送受信は、このUSB I/F62を介して行われる。
【0024】
画像形成装置22は、ネットワークI/F66を介してネットワーク28に接続されており、ネットワーク28上に接続されるFAX32とファクシミリ通信が可能であり、更に端末装置36とのデータ通信が可能である。これらネットワーク28を介して取得した画像データは、機器制御部50に出力される。
【0025】
BUSライン76には、CPU70、ROM72、RAM74、HDD52、操作部54、画像読取部56、画像処理部58、画像形成部60、USB I/F62、ネットワークI/F66が電気的に接続されている。
【0026】
<表示装置24の構成>
図3は、表示装置24の構成を示すブロック図である。本実施形態の表示装置24を、所謂、電子ペーパ端末として説明する。
図3において、表示装置24は、全体制御部100、表示コントロール部104、表示部106、画像データ記憶部110、USB I/F112、タッチパネル制御部130およびタッチパネル131を含んで構成される。
【0027】
全体制御部100は、実質的にコンピュータであって、CPU122、ROM124およびRAM126を含んでいる。このROM124には、表示装置24を制御する各種コンピュータプログラムが記憶され、CPU122が外部装置等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、表示装置24の各構成部の動作および画像形成装置22等の外部機器との通信等の所望の処理が実行される。
【0028】
表示コントロール部104は、全体制御部100の指示に従って、表示部106を駆動し、画像データ記憶部110に記憶された画像データまたはユーザインターフェースとしての表示データの画像を表示部106に表示させる。表示部106は、表示装置24の中央部に形成される。
【0029】
画像データ記憶部110は、不揮発性メモリによって構成され、画像形成装置22からUSB I/F112を介して取り込まれた画像データを記憶する。画像データ記憶部110は、全体制御部100または表示コントロール部104等から送信されるR/W(Read/Write)信号に応答して、画像データの読出しまたは書込みを行う。
【0030】
USB I/F112は、USB端子を備えるHot Plug対応のインターフェースであって、表示装置24の稼動中にUSBケーブルを介して接続される画像形成装置22等の外部装置を自動認識する。表示装置24と画像形成装置22間の制御情報や画像データの送受信は、このUSB I/F112を介して行われる。
【0031】
タッチパネル制御部130は、メモ入力部としてのタッチパネル131が接続されている。タッチパネル131は、表示部106に対し重ねて配置されるとともに、表示部106の表示内容を透視可能に構成され、入力指示体としての指(あるいは入力ペン)等の表面上での移動軌跡に基づいて、文字あるいは図形等の画像データを手書き入力する役割を果たすとともに、各種モードの入力や定型画像としての定型文字群の選択入力などを行うための、汎用入力部としても機能する。タッチパネル131の構成は公知のものであり、図示しない。また、タッチパネル131より入力されたデータは、データの表示位置およびデータ内容として画像データ記憶部110に記憶される。
【0032】
BUSライン128には、CPU122、ROM124、RAM126、表示コントロール部104、表示部106、画像データ記憶部110、USB I/F112、タッチパネル制御部130、タッチパネル131が電気的に接続されている。
【0033】
<本システム20における処理の概要>
次に、情報表示印刷システム20における処理の概要について説明する。
ユーザは、ファクシミリ装置32から受信した画像データ、端末装置36から受信した画像データ、あるいは、画像読取部により読み取られた画像データを1ページごとにHDD(登録情報DB)52に格納する。
ここで、登録情報DBには、画像データ(あるいは、画像データを格納したファイル名でもよい。)に識別情報を対応させて登録される。この識別情報は、登録情報DBで唯一名となるシリアル番号と登録された日時情報からなっている(図4)。
【0034】
そして、ユーザが画像形成装置22の登録情報DBに記憶された画像データを表示装置24で表示させたいときには、画像形成装置22にUSBケーブルで表示装置24を接続する。
画像形成装置22では、表示装置24の接続を検知すると、ユーザに登録情報DBから所望の画像データを選択させて、選択された画像データとその識別情報を選択した個数分表示装置24に転送する。この転送は、識別情報と画像データを別々のデータとして対で送信してもよいし(図5(A))、あるいは、識別情報を画像データのヘッダに組み込んで送信してもよい(図5(B))。
【0035】
表示装置24は、画像形成装置22から転送されてきた画像データと識別情報を画像データ記憶部110に記憶させる。
そして、ユーザは、表示装置24を画像形成装置22から切り離し、画像データ記憶部110に記憶した画像データを表示したり、タッチパネル131で手書きまたはキー入力されたメモデータの追加処理等を行う。
このとき、画像データ記憶部110には、メモデータを追加した画像データに対応させて、次にあげたデータが記憶される(図6)。メモデータが複数ある場合には、メモ位置とメモ内容が複数繰り返して記憶される。
【0036】
メモ存否:メモデータが1つ以上追加された場合には「Yes」、1つも存在しないときには「no」が記憶される。
メモ位置:メモデータが追加された画面上の位置が記憶される。例えば、位置は、メモの左上の画面上の水平方向の位置と垂直方向の位置で表わされる。
メモ内容:メモデータの内容自体、あるいは、メモデータの内容が格納されたファイル名が記憶される。
【0037】
さらに、ユーザは、表示装置に表示した画像データ、あるいは、当該画像データに追加されたメモデータをも含めて印刷したいときには、表示装置24をUSBケーブルで画像形成装置22に接続し、印刷したい画像データの印刷指示を行う。
表示装置24は、印刷指示された画像データの識別情報とメモデータを画像形成装置22に転送する。この識別情報には、画像データを識別するためのシリアル番号と日時情報、並びにメモデータの存否、メモ位置が含まれる。
また、識別情報とメモデータの転送は、識別情報とメモデータを別々のデータとして対で送信してもよいし(図7(A))、あるいは、識別情報をメモデータのヘッダに組み込んで送信してもよい(図7(B))。
尚、メモデータが存在しないときには、メモの存否(no)と画像データのシリアル番号と日時情報とが送信される。
【0038】
次に、画像形成装置22は、表示装置24から受信した識別情報のシリアル番号と日時情報に合致する識別情報に対応する画像データを登録情報DBから取得して、その画像データを印字する。識別情報にメモデータが存在する場合には、メモデータを画像データのメモ位置に合成処理してから印字する。
【0039】
<画像形成装置22の機器制御部における画像データの転送処理>
図8は、画像形成装置22から表示装置24に画像データを送信するまでの処理手順を示すフローチャートである。ここでは、画像形成装置22と表示装置24とUSBケーブルで接続し、画像形成装置22のスキャナモードにより原稿を読み取った画像データを転送して、表示装置24でその画像データを見る場合を例にして説明する。
【0040】
ユーザが原稿を原稿載置台に置いて読取開始ボタンを押すと、原稿読取部56がスキャナモードにより原稿の読み取りを開始し(ステップS100)、原稿の読み取りが完了するまでステップS100を繰り返す。
【0041】
原稿の読み取りが終了すると(ステップS100でYES)、読み取った画像データをそれぞれHDD52に格納し、その格納したときのファイル名、識別情報を対応付けて登録情報DBに登録する(ステップS101)。この識別情報には、唯一名となるシリアル番号と画像データを格納したときの日時情報がある。また、原稿が複数ページある場合は、ページ毎に画像データと識別情報が対応して登録情報DBに登録される。
【0042】
画像形成装置22は、表示装置24に画像データを送信するか否かの確認ボタンを表示部80に表示する(ステップS102)。
ここで、送信データが複数ページある場合には、登録情報DBに登録されている画像データのリストあるいはサムネイルを表示部80に表示させ、ユーザがこの中から送信したい画像データを選択してから、確認ボタンを押すようにしてもよい。
【0043】
ユーザの入力操作を監視して、確認ボタンが押されるまでステップS103を繰り返す(ステップS103でNO)。
確認ボタンが押された場合(送信指示があった場合)(ステップS103でYES)は、表示装置24から画像形成装置22に選択した画像データと画像データに対応する識別情報を送信する(ステップS104)。
これにより、表示装置24では、受信した画像データと識別情報が画像データ記憶部110に格納される。
【0044】
上記の説明では、画像データと識別情報とは、画像形成装置22から表示装置24に別々に転送するようにしているが、識別情報を画像データのヘッダに含ませて転送するようにしてもよい。
この場合には、転送するデータが1つのファイルで済むため、管理しやすいのが特徴であり、表示装置24が識別情報と画像データを別々に管理できない場合に有効である。
【0045】
<表示装置24の全体制御部における画像データの印刷指示処理>
図9は、表示装置24から画像形成装置22に印刷指示を送信するまでの処理手順を示すフローチャートである。ここでは、表示装置24と画像形成装置22とUSBケーブルで接続し、表示装置24に表示されている画像データを印刷させる場合を例にして説明する。
【0046】
表示装置24は、表示されている画像、および、画像データ記憶部110に記憶された画像の中から印刷させる画像をユーザに選択させ(ステップS200)、選択された画像を印刷開始するための印刷開始ボタンを表示させる(ステップS201)。
印刷開始ボタンに対するユーザの入力操作を監視して、印刷確認ボタンが押されるまで、ステップS202を繰り返す。
【0047】
画像データ記憶部110を参照して、選択された画像データにメモデータが追加されているか否かを判定し、メモデータが追加されている場合(ステップS203でYES)、表示装置24は画像形成装置22に、選択された画像に対応した識別情報とメモデータを送信する(ステップS204)。この場合、識別情報には、メモデータが追加されているという情報(yes)と、メモデータが画像のどの位置に追加(結合)されているかの位置情報(座標)が含まれる。
【0048】
一方、メモデータが追加されていない場合(ステップS203でNO)、選択された画像の識別情報のみを送信する(ステップS206)。この識別情報には、メモデータが追加されていないという情報(no)が含まれる。
【0049】
<画像形成装置22の機器制御部における印刷処理>
図10は、画像形成装置22が印刷要求のあった画像データを印刷するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
表示装置24から印刷要求があったか否かを判定し、印刷要求があるまでステップS300を繰り返す。
表示装置24からの印刷要求を受信すると(ステップS300でYES)、識別情報の受信が完了するまでステップS301を繰り返す。
【0051】
登録情報DBを参照して、受信した識別情報のシリアル番号および日付情報と一致する識別情報に対応する画像データを取得する(ステップS302)。
受信した識別情報のメモ存否が「yes」である場合(ステップS303でYES)、表示装置24より送信されてくるメモデータを受信完了するまでステップS304を繰り返す。
登録情報DBから読み出した画像データに、受信したメモデータを識別情報のメモ位置に結合して合成し(ステップS305)、その結合データを印字する(ステップS306)。
一方、受信した識別情報のメモ存否が「no」である場合(ステップS303でNO)、メモデータを貼り付ける必要がないため、受信した識別情報のシリアル番号および日付情報と一致する識別情報に対応する画像データを登録情報DBから読み出し(ステップS307)、その画像データを印字する(ステップS308)。
【0052】
次に、図11を用いて、表示装置24に表示されている画像データとメモデータの印刷手順について説明する。
表示装置24の画像データ記憶部110には、2つの画像データ(カメラの画像と家の画像)と識別情報が各々対応されて記憶されている。さらに、表示装置24の表示部106には家の画像とメモデータ(いえ)とが表示されている。また、画像データ記憶部110の家の画像に対応してその画面上の位置(xxx/yyy)とメモデータの内容(いえ)とが記憶されている。
また、画像形成装置22の登録情報DBには、2つの画像データ(カメラの画像と家の画像)と識別情報とが対応されて記憶されている。
【0053】
まず、表示している内容の印刷指示がユーザから出されたときに、表示装置24は、画像データ記憶部110を参照して、識別情報として「画像のシリアル番号(aaaa)、日時情報(bbbb)、メモの存否(yes)、メモ位置(xxx/yyy)」と、メモデータの内容(いえ)とをUSB I/Fを介して、画像形成装置22に送信する。
【0054】
画像形成装置22は、受信した識別情報からシリアル番号(aaaa)と日時情報(bbbb)とを取り出し、登録情報DBを参照して、対応する画像データを取得する。
次いで、受信した識別情報からメモ位置(xxx/yyy)を取り出し、画像処理部58により受信したメモデータ(いえ)を画像データのメモ位置に結合して、画像形成部60より印字する。
これにより、表示装置24に表示されていた画像データにメモデータが合成して紙に印字される。
【0055】
本実施形態を以上のような構成とすることによって、予め画像形成装置22で取り込んだ画像データに識別情報をつけて保存しておくことにより、表示装置24から識別情報を送信するだけで表示装置24に表示されている画像データもしくは表示装置24に保存されている画像データを印刷することができる。このため、印刷指示から印刷完了までの待ち時間が短縮されるという効果がある。特に、印刷したい画像がカラー画像や画像サイズの大きい画像を印刷する場合には、転送量も増大することから有効である。
【0056】
さらに、表示装置24から印刷したい画像データにメモデータが追加されている場合にも、メモデータの位置情報とメモデータだけをデータ送信して、印刷の際に画像合成することにより、印刷指示から印刷完了までの待ち時間が短縮されるという効果がある。
【0057】
<変形例>
上記の実施形態では、表示装置24からは、識別情報およびメモデータのみを送信していたが、表示装置24から識別情報およびメモデータを送信するとともに、画像データも送るようにしてもよい。
これは、画像形成装置22が識別情報を受け取った後、登録情報DBに登録された画像を検索中に画像データを受信できるので、識別情報が一致しなかった場合に、表示装置24が検索結果の通知を受けた後に画像データを送信するよりも、転送時間が短縮できるという利点がある。
また、検索した結果、識別情報と一致する画像があった場合には、一致データ有りの通知を行うことで、表示装置24が転送中の画像データは不要と判断し、画像データの送信を停止することができるため、無駄なデータ送信をしなくて済み、データ送受信の効率化が図れる。
【0058】
また、画像形成装置22と表示装置24間を接続するインターフェースの通信速度に応じて、自動的あるいはユーザ指定により登録情報DBを作成するようにしてもよい。
例えば、インターフェースが通信速度の遅いUSB1.1であれば、登録情報DBを作成することによって、効率よく画像データを印刷することができる。
また、インターフェースが通信速度の比較的速いUSB2.0であれば、転送時間が短縮されることから、画像サイズが小さい場合には登録情報DBを作成しないようにすることで、登録情報DBおよび識別情報等の管理をしなくて済むという利点がある。さらに、表示装置から画像データが転送されるので、データの処理が簡素化されるという利点がある。
【0059】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る情報表示印刷システムの構成を示す模式図である。
【図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】登録情報データベースを説明するための図である。
【図5】画像形成装置から表示装置へ転送されるデータ形式を説明するための図である。
【図6】画像データ記憶部を説明するための図である。
【図7】表示装置から画像形成装置へ転送されるデータ形式を説明するための図である。
【図8】画像形成装置から表示装置に画像データを送信するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】表示装置から画像形成装置に印刷指示を送信するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】画像形成装置が印刷要求のあった画像データを印刷するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】画像データとメモデータの結合処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0061】
20…情報表示印刷システム、22…画像形成装置(デジタル複合機)、24…表示装置(電子ペーパ)、28…ネットワーク、32…ファクシミリ装置(FAX)、36…端末装置(PC)、50…機器制御部、70…CPU、72…ROM、74…RAM、52…HDD、54…操作部、78…入力部、80…表示部、56…画像読取部、58…画像処理部、60…画像形成部、62…USB I/F、66…ネットワークI/F、76…BUSライン、100…全体制御部、104…表示コントロール部、106…表示部、110…画像データ記憶部、112…USB I/F、122…CPU、124…ROM、126…RAM、128…BUSライン、130…タッチパネル制御部、131…タッチパネル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と表示装置とをデータ通信可能に接続した情報表示印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置に関する研究開発が盛んに行われているが、その表示装置の一例として、電子ペーパ端末がある。この電子ペーパ端末は、外部装置から送信された画像データの画像を表示可能なものであり、携帯性に優れる特性と、表示内容を繰り返し書き換えることができるというディスプレイの特性とを兼ね備えている。
【0003】
例えば、特許文献1には、画像形成装置から読み込んだ内容を電子ペーパ端末に転送したり、電子ペーパ端末に表示されている内容を画像形成装置に送って印刷することを、簡単な方法で実行できる技術が記載されている。
【0004】
また、近年では、手書きの文字や図形を入力し、表示されている画像データと合成する技術が普及している。例えば、特許文献2では、手書きデータと予め定められた画像とを合成することによって、種々の内容の伝言文を簡単且つ正確に作成できる手書き入力可能な電子式伝言板を開示している。
【特許文献1】特開2006−41759号公報
【特許文献2】特開平10−39844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、紙に印刷された資料を読み進めていくときには、気になるところや思いついたことを手書きでメモを記入したり、下線を引いたりしている。
同様に、電子ペーパ端末に表示されている資料に対して手書きでメモを記入したり、下線を引いたりすることはできるが、これを紙に印刷して保存するためには、電子ペーパ端末から画像形成装置へ転送する必要がある。
しかし、印刷対象がカラーの場合や、表示サイズが大きい場合には、転送するデータ量が大きくなり、電子ペーパ端末から画像形成装置へ画像データを転送するのにかなりの転送時間を要することになる。
【0006】
本発明は、上述のような実情を考慮してなされたものであって、表示装置に表示している内容の印刷完了までの待ち時間を減らす情報表示印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の情報表示印刷システムは、画像形成装置と、前記画像形成装置に接続される表示装置とからなる情報表示印刷システムにおいて、
前記画像形成装置は、画像データと該画像データの識別情報とを対応させて登録情報データベースに記憶する手段と、前記表示装置に対して画像データおよび該画像データの識別情報を送信する手段と、前記表示装置から画像データの印刷要求を受信する手段と、前記印刷要求に応じて前記登録情報データベースを検索する手段と、前記検索結果の画像データを印字する手段と、を備え、
前記表示装置は、前記画像形成装置から画像データと該画像データの識別情報を受信する手段と、前記受信した画像データと該画像データの識別情報を画像データ記憶手段に記憶する手段と、印刷対象の画像データに対する識別情報を印刷要求として前記画像形成装置に送信する手段と、を備え、
前記画像形成装置は、前記表示装置から印刷要求があったとき、前記登録情報データベースを参照して、前記表示装置から受信した識別情報と一致する識別情報を検索し、一致する識別情報に対応する画像データを前記登録情報データベースから読み出して印字する。
【0008】
ここで、前記印刷対象の画像データは、当該表示装置に表示されている画像データ、あるいは、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データであってもよい。
また、前記画像形成装置から前記表示装置に対して画像データおよび識別情報を送信するときは、前記画像データと前記識別情報とを別々に送信するか、あるいは、前記識別情報を前記画像データのヘッダ部分に入れて送信する。
【0009】
さらに、前記表示装置は、前記画像データ記憶手段に記憶した画像データにメモデータを付加する手段を有し、前記画像データに付加されたメモデータも合わせて印字する場合には、前記画像データの識別情報と、前記メモデータが付加された位置情報と、前記メモデータとを送信し、前記画像形成装置は、受信した識別情報に対応する画像データを前記画像情報データベースから取得して、該画像データに、受信したメモデータを受信した位置情報の示す位置に合成して印字する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示装置から画像形成装置に画像データを転送する必要がなくなるため、印刷指示から印刷が完了するまでの待ち時間が短縮されるので、ユーザに印刷物を速く提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の情報表示印刷システムに係る好適な実施形態を説明する。
【0012】
<情報表示印刷システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る情報表示印刷システム20の構成を示す模式図であり、図1において、情報表示印刷システム20は、画像形成装置22と表示装置24とが有線または無線によるインターフェースを介して互いに接続され、画像データを含む各種データを相互に送受信可能である。
【0013】
ここで、画像形成装置22と表示装置24との接続は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを用いるものとするが、これに限ったものではなく、赤外線やブルートゥース(登録商標)のような近距離無線通信であっても、有線や無線によるネットワーク接続であっても構わない。
また、画像データは、画像データのみに限定されるものではなく、例えば、文書データ、並びに、画像データおよび文書データを含むデータをも含むものとする。
【0014】
画像形成装置22は、ファクシミリ装置(FAX)32やPC(Personal Computer)等の端末装置36とネットワーク28を介して接続している。
ここで、ネットワーク28は、電話回線網、LAN(Local Area Network)やインターネットを1つ以上組み合わせたものであり、画像形成装置22とファクシミリ装置32と端末装置36との間で画像データを含む各種データの送受信が可能である。
【0015】
<画像形成装置22の構成>
図2は、画像形成装置22の構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置22を、例えば、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびプリンタ機能 等を備えたデジタルMFP(Multifunction Printer)として説明するがこれに限定されるものではない。
【0016】
図2において、画像形成装置22は、機器制御部50、HDD(Hard Disk Drive)52、操作部54、画像読取部56、画像処理部58、画像形成部60、USBインターフェース(USB I/F)62、ネットワークインターフェース(ネットワーク I/F)66を含んで構成される。
【0017】
機器制御部50は、実質的にコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)70、ROM(Read Only Memory)72およびRAM(Random Access Memory)74を含んでいる。
ROM72には、画像形成装置22を制御する各種コンピュータプログラムや制御情報や設定情報が記憶され、CPU70が操作部54等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像形成装置22の各構成部の動作および表示装置24等の外部機器との通信等の処理が実行される。
【0018】
HDD52は、磁気記憶媒体を備え、画像データを含む各種データを記憶する記憶領域を提供する。また、HDD52には、画像形成装置22が読み取った画像データが記憶される登録情報データベース(以下、「登録情報DB」と記す。)が記憶される。
【0019】
操作部54は、各種入力キー等を備えるタッチパネルを含む入力部78と、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下「LCD」と記す。)等の表示部80とを重ねた操作パネルからなっている。
ユーザは、表示部80に表示される各種の操作キーの画像を表示する画面を適宜切替え、画面上の操作キーを入力部78でタッチする。
ユーザがタッチした画面上の位置の座標を機器制御部50に出力することで、当該画像形成装置22の動作および各種設定に対するユーザの指示が取得される。
また、表示部80には、ユーザの指示内容やユーザに通知すべき情報が表示されるとともに、その指示に応じた制御信号を機器制御部50に出力することで、ユーザの入力操作に応じた処理を実現できる。
【0020】
画像読取部56は、原稿載置台(図示せず)上に載置された原稿の画像表面に光を照射することによって得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させ、結像された反射光像を順次光電変換して、画像データとして機器制御部50に出力する。
【0021】
画像処理部58は、画像読取部56または外部装置から入力された画像データに対して、例えば、γ(ガンマ)補正処理およびフィルタ処理等の所定の画像処理を行い、処理が施された画像データをHDD52に記憶させる。
【0022】
画像形成部60は、機器制御部50等からの指示に応じて、HDD52から順次読出された画像データに基づいて記録用紙上に画像を形成する。
【0023】
USB I/F62は、USBポートを備えるHot Plug対応のインターフェースであって、画像形成装置22の稼動中にUSBケーブルを介して電気的に接続される表示装置24等の外部装置を自動認識する。画像形成装置22と表示装置24間の制御情報や画像データの送受信は、このUSB I/F62を介して行われる。
【0024】
画像形成装置22は、ネットワークI/F66を介してネットワーク28に接続されており、ネットワーク28上に接続されるFAX32とファクシミリ通信が可能であり、更に端末装置36とのデータ通信が可能である。これらネットワーク28を介して取得した画像データは、機器制御部50に出力される。
【0025】
BUSライン76には、CPU70、ROM72、RAM74、HDD52、操作部54、画像読取部56、画像処理部58、画像形成部60、USB I/F62、ネットワークI/F66が電気的に接続されている。
【0026】
<表示装置24の構成>
図3は、表示装置24の構成を示すブロック図である。本実施形態の表示装置24を、所謂、電子ペーパ端末として説明する。
図3において、表示装置24は、全体制御部100、表示コントロール部104、表示部106、画像データ記憶部110、USB I/F112、タッチパネル制御部130およびタッチパネル131を含んで構成される。
【0027】
全体制御部100は、実質的にコンピュータであって、CPU122、ROM124およびRAM126を含んでいる。このROM124には、表示装置24を制御する各種コンピュータプログラムが記憶され、CPU122が外部装置等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、表示装置24の各構成部の動作および画像形成装置22等の外部機器との通信等の所望の処理が実行される。
【0028】
表示コントロール部104は、全体制御部100の指示に従って、表示部106を駆動し、画像データ記憶部110に記憶された画像データまたはユーザインターフェースとしての表示データの画像を表示部106に表示させる。表示部106は、表示装置24の中央部に形成される。
【0029】
画像データ記憶部110は、不揮発性メモリによって構成され、画像形成装置22からUSB I/F112を介して取り込まれた画像データを記憶する。画像データ記憶部110は、全体制御部100または表示コントロール部104等から送信されるR/W(Read/Write)信号に応答して、画像データの読出しまたは書込みを行う。
【0030】
USB I/F112は、USB端子を備えるHot Plug対応のインターフェースであって、表示装置24の稼動中にUSBケーブルを介して接続される画像形成装置22等の外部装置を自動認識する。表示装置24と画像形成装置22間の制御情報や画像データの送受信は、このUSB I/F112を介して行われる。
【0031】
タッチパネル制御部130は、メモ入力部としてのタッチパネル131が接続されている。タッチパネル131は、表示部106に対し重ねて配置されるとともに、表示部106の表示内容を透視可能に構成され、入力指示体としての指(あるいは入力ペン)等の表面上での移動軌跡に基づいて、文字あるいは図形等の画像データを手書き入力する役割を果たすとともに、各種モードの入力や定型画像としての定型文字群の選択入力などを行うための、汎用入力部としても機能する。タッチパネル131の構成は公知のものであり、図示しない。また、タッチパネル131より入力されたデータは、データの表示位置およびデータ内容として画像データ記憶部110に記憶される。
【0032】
BUSライン128には、CPU122、ROM124、RAM126、表示コントロール部104、表示部106、画像データ記憶部110、USB I/F112、タッチパネル制御部130、タッチパネル131が電気的に接続されている。
【0033】
<本システム20における処理の概要>
次に、情報表示印刷システム20における処理の概要について説明する。
ユーザは、ファクシミリ装置32から受信した画像データ、端末装置36から受信した画像データ、あるいは、画像読取部により読み取られた画像データを1ページごとにHDD(登録情報DB)52に格納する。
ここで、登録情報DBには、画像データ(あるいは、画像データを格納したファイル名でもよい。)に識別情報を対応させて登録される。この識別情報は、登録情報DBで唯一名となるシリアル番号と登録された日時情報からなっている(図4)。
【0034】
そして、ユーザが画像形成装置22の登録情報DBに記憶された画像データを表示装置24で表示させたいときには、画像形成装置22にUSBケーブルで表示装置24を接続する。
画像形成装置22では、表示装置24の接続を検知すると、ユーザに登録情報DBから所望の画像データを選択させて、選択された画像データとその識別情報を選択した個数分表示装置24に転送する。この転送は、識別情報と画像データを別々のデータとして対で送信してもよいし(図5(A))、あるいは、識別情報を画像データのヘッダに組み込んで送信してもよい(図5(B))。
【0035】
表示装置24は、画像形成装置22から転送されてきた画像データと識別情報を画像データ記憶部110に記憶させる。
そして、ユーザは、表示装置24を画像形成装置22から切り離し、画像データ記憶部110に記憶した画像データを表示したり、タッチパネル131で手書きまたはキー入力されたメモデータの追加処理等を行う。
このとき、画像データ記憶部110には、メモデータを追加した画像データに対応させて、次にあげたデータが記憶される(図6)。メモデータが複数ある場合には、メモ位置とメモ内容が複数繰り返して記憶される。
【0036】
メモ存否:メモデータが1つ以上追加された場合には「Yes」、1つも存在しないときには「no」が記憶される。
メモ位置:メモデータが追加された画面上の位置が記憶される。例えば、位置は、メモの左上の画面上の水平方向の位置と垂直方向の位置で表わされる。
メモ内容:メモデータの内容自体、あるいは、メモデータの内容が格納されたファイル名が記憶される。
【0037】
さらに、ユーザは、表示装置に表示した画像データ、あるいは、当該画像データに追加されたメモデータをも含めて印刷したいときには、表示装置24をUSBケーブルで画像形成装置22に接続し、印刷したい画像データの印刷指示を行う。
表示装置24は、印刷指示された画像データの識別情報とメモデータを画像形成装置22に転送する。この識別情報には、画像データを識別するためのシリアル番号と日時情報、並びにメモデータの存否、メモ位置が含まれる。
また、識別情報とメモデータの転送は、識別情報とメモデータを別々のデータとして対で送信してもよいし(図7(A))、あるいは、識別情報をメモデータのヘッダに組み込んで送信してもよい(図7(B))。
尚、メモデータが存在しないときには、メモの存否(no)と画像データのシリアル番号と日時情報とが送信される。
【0038】
次に、画像形成装置22は、表示装置24から受信した識別情報のシリアル番号と日時情報に合致する識別情報に対応する画像データを登録情報DBから取得して、その画像データを印字する。識別情報にメモデータが存在する場合には、メモデータを画像データのメモ位置に合成処理してから印字する。
【0039】
<画像形成装置22の機器制御部における画像データの転送処理>
図8は、画像形成装置22から表示装置24に画像データを送信するまでの処理手順を示すフローチャートである。ここでは、画像形成装置22と表示装置24とUSBケーブルで接続し、画像形成装置22のスキャナモードにより原稿を読み取った画像データを転送して、表示装置24でその画像データを見る場合を例にして説明する。
【0040】
ユーザが原稿を原稿載置台に置いて読取開始ボタンを押すと、原稿読取部56がスキャナモードにより原稿の読み取りを開始し(ステップS100)、原稿の読み取りが完了するまでステップS100を繰り返す。
【0041】
原稿の読み取りが終了すると(ステップS100でYES)、読み取った画像データをそれぞれHDD52に格納し、その格納したときのファイル名、識別情報を対応付けて登録情報DBに登録する(ステップS101)。この識別情報には、唯一名となるシリアル番号と画像データを格納したときの日時情報がある。また、原稿が複数ページある場合は、ページ毎に画像データと識別情報が対応して登録情報DBに登録される。
【0042】
画像形成装置22は、表示装置24に画像データを送信するか否かの確認ボタンを表示部80に表示する(ステップS102)。
ここで、送信データが複数ページある場合には、登録情報DBに登録されている画像データのリストあるいはサムネイルを表示部80に表示させ、ユーザがこの中から送信したい画像データを選択してから、確認ボタンを押すようにしてもよい。
【0043】
ユーザの入力操作を監視して、確認ボタンが押されるまでステップS103を繰り返す(ステップS103でNO)。
確認ボタンが押された場合(送信指示があった場合)(ステップS103でYES)は、表示装置24から画像形成装置22に選択した画像データと画像データに対応する識別情報を送信する(ステップS104)。
これにより、表示装置24では、受信した画像データと識別情報が画像データ記憶部110に格納される。
【0044】
上記の説明では、画像データと識別情報とは、画像形成装置22から表示装置24に別々に転送するようにしているが、識別情報を画像データのヘッダに含ませて転送するようにしてもよい。
この場合には、転送するデータが1つのファイルで済むため、管理しやすいのが特徴であり、表示装置24が識別情報と画像データを別々に管理できない場合に有効である。
【0045】
<表示装置24の全体制御部における画像データの印刷指示処理>
図9は、表示装置24から画像形成装置22に印刷指示を送信するまでの処理手順を示すフローチャートである。ここでは、表示装置24と画像形成装置22とUSBケーブルで接続し、表示装置24に表示されている画像データを印刷させる場合を例にして説明する。
【0046】
表示装置24は、表示されている画像、および、画像データ記憶部110に記憶された画像の中から印刷させる画像をユーザに選択させ(ステップS200)、選択された画像を印刷開始するための印刷開始ボタンを表示させる(ステップS201)。
印刷開始ボタンに対するユーザの入力操作を監視して、印刷確認ボタンが押されるまで、ステップS202を繰り返す。
【0047】
画像データ記憶部110を参照して、選択された画像データにメモデータが追加されているか否かを判定し、メモデータが追加されている場合(ステップS203でYES)、表示装置24は画像形成装置22に、選択された画像に対応した識別情報とメモデータを送信する(ステップS204)。この場合、識別情報には、メモデータが追加されているという情報(yes)と、メモデータが画像のどの位置に追加(結合)されているかの位置情報(座標)が含まれる。
【0048】
一方、メモデータが追加されていない場合(ステップS203でNO)、選択された画像の識別情報のみを送信する(ステップS206)。この識別情報には、メモデータが追加されていないという情報(no)が含まれる。
【0049】
<画像形成装置22の機器制御部における印刷処理>
図10は、画像形成装置22が印刷要求のあった画像データを印刷するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
表示装置24から印刷要求があったか否かを判定し、印刷要求があるまでステップS300を繰り返す。
表示装置24からの印刷要求を受信すると(ステップS300でYES)、識別情報の受信が完了するまでステップS301を繰り返す。
【0051】
登録情報DBを参照して、受信した識別情報のシリアル番号および日付情報と一致する識別情報に対応する画像データを取得する(ステップS302)。
受信した識別情報のメモ存否が「yes」である場合(ステップS303でYES)、表示装置24より送信されてくるメモデータを受信完了するまでステップS304を繰り返す。
登録情報DBから読み出した画像データに、受信したメモデータを識別情報のメモ位置に結合して合成し(ステップS305)、その結合データを印字する(ステップS306)。
一方、受信した識別情報のメモ存否が「no」である場合(ステップS303でNO)、メモデータを貼り付ける必要がないため、受信した識別情報のシリアル番号および日付情報と一致する識別情報に対応する画像データを登録情報DBから読み出し(ステップS307)、その画像データを印字する(ステップS308)。
【0052】
次に、図11を用いて、表示装置24に表示されている画像データとメモデータの印刷手順について説明する。
表示装置24の画像データ記憶部110には、2つの画像データ(カメラの画像と家の画像)と識別情報が各々対応されて記憶されている。さらに、表示装置24の表示部106には家の画像とメモデータ(いえ)とが表示されている。また、画像データ記憶部110の家の画像に対応してその画面上の位置(xxx/yyy)とメモデータの内容(いえ)とが記憶されている。
また、画像形成装置22の登録情報DBには、2つの画像データ(カメラの画像と家の画像)と識別情報とが対応されて記憶されている。
【0053】
まず、表示している内容の印刷指示がユーザから出されたときに、表示装置24は、画像データ記憶部110を参照して、識別情報として「画像のシリアル番号(aaaa)、日時情報(bbbb)、メモの存否(yes)、メモ位置(xxx/yyy)」と、メモデータの内容(いえ)とをUSB I/Fを介して、画像形成装置22に送信する。
【0054】
画像形成装置22は、受信した識別情報からシリアル番号(aaaa)と日時情報(bbbb)とを取り出し、登録情報DBを参照して、対応する画像データを取得する。
次いで、受信した識別情報からメモ位置(xxx/yyy)を取り出し、画像処理部58により受信したメモデータ(いえ)を画像データのメモ位置に結合して、画像形成部60より印字する。
これにより、表示装置24に表示されていた画像データにメモデータが合成して紙に印字される。
【0055】
本実施形態を以上のような構成とすることによって、予め画像形成装置22で取り込んだ画像データに識別情報をつけて保存しておくことにより、表示装置24から識別情報を送信するだけで表示装置24に表示されている画像データもしくは表示装置24に保存されている画像データを印刷することができる。このため、印刷指示から印刷完了までの待ち時間が短縮されるという効果がある。特に、印刷したい画像がカラー画像や画像サイズの大きい画像を印刷する場合には、転送量も増大することから有効である。
【0056】
さらに、表示装置24から印刷したい画像データにメモデータが追加されている場合にも、メモデータの位置情報とメモデータだけをデータ送信して、印刷の際に画像合成することにより、印刷指示から印刷完了までの待ち時間が短縮されるという効果がある。
【0057】
<変形例>
上記の実施形態では、表示装置24からは、識別情報およびメモデータのみを送信していたが、表示装置24から識別情報およびメモデータを送信するとともに、画像データも送るようにしてもよい。
これは、画像形成装置22が識別情報を受け取った後、登録情報DBに登録された画像を検索中に画像データを受信できるので、識別情報が一致しなかった場合に、表示装置24が検索結果の通知を受けた後に画像データを送信するよりも、転送時間が短縮できるという利点がある。
また、検索した結果、識別情報と一致する画像があった場合には、一致データ有りの通知を行うことで、表示装置24が転送中の画像データは不要と判断し、画像データの送信を停止することができるため、無駄なデータ送信をしなくて済み、データ送受信の効率化が図れる。
【0058】
また、画像形成装置22と表示装置24間を接続するインターフェースの通信速度に応じて、自動的あるいはユーザ指定により登録情報DBを作成するようにしてもよい。
例えば、インターフェースが通信速度の遅いUSB1.1であれば、登録情報DBを作成することによって、効率よく画像データを印刷することができる。
また、インターフェースが通信速度の比較的速いUSB2.0であれば、転送時間が短縮されることから、画像サイズが小さい場合には登録情報DBを作成しないようにすることで、登録情報DBおよび識別情報等の管理をしなくて済むという利点がある。さらに、表示装置から画像データが転送されるので、データの処理が簡素化されるという利点がある。
【0059】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る情報表示印刷システムの構成を示す模式図である。
【図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】登録情報データベースを説明するための図である。
【図5】画像形成装置から表示装置へ転送されるデータ形式を説明するための図である。
【図6】画像データ記憶部を説明するための図である。
【図7】表示装置から画像形成装置へ転送されるデータ形式を説明するための図である。
【図8】画像形成装置から表示装置に画像データを送信するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】表示装置から画像形成装置に印刷指示を送信するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】画像形成装置が印刷要求のあった画像データを印刷するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】画像データとメモデータの結合処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0061】
20…情報表示印刷システム、22…画像形成装置(デジタル複合機)、24…表示装置(電子ペーパ)、28…ネットワーク、32…ファクシミリ装置(FAX)、36…端末装置(PC)、50…機器制御部、70…CPU、72…ROM、74…RAM、52…HDD、54…操作部、78…入力部、80…表示部、56…画像読取部、58…画像処理部、60…画像形成部、62…USB I/F、66…ネットワークI/F、76…BUSライン、100…全体制御部、104…表示コントロール部、106…表示部、110…画像データ記憶部、112…USB I/F、122…CPU、124…ROM、126…RAM、128…BUSライン、130…タッチパネル制御部、131…タッチパネル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、前記画像形成装置に接続される表示装置とからなる情報表示印刷システムにおいて、
前記画像形成装置は、画像データと該画像データの識別情報とを対応させて登録情報データベースに記憶する手段と、前記表示装置に対して画像データおよび該画像データの識別情報を送信する手段と、前記表示装置から画像データの印刷要求を受信する手段と、前記印刷要求に応じて前記登録情報データベースを検索する手段と、前記検索結果の画像データを印字する手段と、
を備え、
前記表示装置は、前記画像形成装置から画像データと該画像データの識別情報を受信する手段と、前記受信した画像データと該画像データの識別情報を画像データ記憶手段に記憶する手段と、印刷対象の画像データに対する識別情報を印刷要求として前記画像形成装置に送信する手段と、を備え、
前記画像形成装置は、前記表示装置から印刷要求があったとき、前記登録情報データベースを参照して、前記表示装置から受信した識別情報と一致する識別情報を検索し、一致する識別情報に対応する画像データを前記登録情報データベースから読み出して印字することを特徴とする情報表示印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示印刷システムにおいて、前記印刷対象の画像データは、当該表示装置に表示されている画像データ、あるいは、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データであることを特徴とする情報表示印刷システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報表示印刷システムにおいて、
前記表示装置は、前記画像データ記憶手段に記憶した画像データにメモデータを付加する手段を有し、前記画像データに付加されたメモデータも合わせて印字する場合には、前記画像データの識別情報と、前記メモデータが付加された位置情報と、前記メモデータとを送信し、
前記画像形成装置は、受信した識別情報に対応する画像データを前記画像情報データベースから取得して、該画像データに、受信したメモデータを受信した位置情報の示す位置に合成して印字する
ことを特徴とする情報表示印刷システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報表示印刷システムにおいて、前記画像形成装置は、前記表示装置に対して画像データおよび識別情報を送信するときに、該識別情報を当該画像データのヘッダ部分に入れて送信することを特徴とする情報表示印刷システム。
【請求項1】
画像形成装置と、前記画像形成装置に接続される表示装置とからなる情報表示印刷システムにおいて、
前記画像形成装置は、画像データと該画像データの識別情報とを対応させて登録情報データベースに記憶する手段と、前記表示装置に対して画像データおよび該画像データの識別情報を送信する手段と、前記表示装置から画像データの印刷要求を受信する手段と、前記印刷要求に応じて前記登録情報データベースを検索する手段と、前記検索結果の画像データを印字する手段と、
を備え、
前記表示装置は、前記画像形成装置から画像データと該画像データの識別情報を受信する手段と、前記受信した画像データと該画像データの識別情報を画像データ記憶手段に記憶する手段と、印刷対象の画像データに対する識別情報を印刷要求として前記画像形成装置に送信する手段と、を備え、
前記画像形成装置は、前記表示装置から印刷要求があったとき、前記登録情報データベースを参照して、前記表示装置から受信した識別情報と一致する識別情報を検索し、一致する識別情報に対応する画像データを前記登録情報データベースから読み出して印字することを特徴とする情報表示印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示印刷システムにおいて、前記印刷対象の画像データは、当該表示装置に表示されている画像データ、あるいは、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データであることを特徴とする情報表示印刷システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報表示印刷システムにおいて、
前記表示装置は、前記画像データ記憶手段に記憶した画像データにメモデータを付加する手段を有し、前記画像データに付加されたメモデータも合わせて印字する場合には、前記画像データの識別情報と、前記メモデータが付加された位置情報と、前記メモデータとを送信し、
前記画像形成装置は、受信した識別情報に対応する画像データを前記画像情報データベースから取得して、該画像データに、受信したメモデータを受信した位置情報の示す位置に合成して印字する
ことを特徴とする情報表示印刷システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報表示印刷システムにおいて、前記画像形成装置は、前記表示装置に対して画像データおよび識別情報を送信するときに、該識別情報を当該画像データのヘッダ部分に入れて送信することを特徴とする情報表示印刷システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−278487(P2009−278487A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129176(P2008−129176)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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