説明

情報表示装置

【課題】情報表示を行う際の各種の発光パターンの設定を容易に変更できる情報表示装置を提供する。
【解決手段】発光体により文字や数字などを表示する本体装置と、端末装置とを別体に備え、端末装置の端末選択手段で表示させる表示パターンの表示構成要素の種類を選択して、その情報をワイヤレスで送信し、これを受信した本体装置でその表示パターンの表示を表示板に継続的に表示させるように構成する。
端末装置で離れた所から送信して表示板に表示させることができるので、表示パターンを容易に変更することができる。
また、表示パターンを構成する各表示構成要素について、その種類を選択して表示板に表示させるので、設定変更の操作が簡単で容易に表示板の表示パターンを変更することができる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路周辺に設置され、発光により道路利用者に情報を伝達する情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LEDなどの発光体を文字の形やドットマトリックス状に配置した情報表示装置は一般的に用いられており、これに関する発明も種々のものが開示されている。
【0003】
例えば特許文献1には、道路工事現場等の通行規制道路における通行車両誘導において、誘導規制内容が通行する車両の運転者や同乗者に明確に認識可能な電光表示装置であって、工事及び周囲の状況を把握している誘導警備員が前記電光表示装置の表示内容等の情報をリモートコントローラーを用いて、任意に切り替えることが出来ることを特徴とするリモートコントロール可能な電光表示装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】実登3062431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1の如き電光表示装置は、リモートコントローラーを用いて情報の表示内容などを切り替える事は出来るが、表示の明るさなど表示内容以外の設定をリモートコントローラーで変更することなどができないという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、情報表示を行う際の各種の発光パターンの設定を容易に変更できる情報表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る情報表示装置は、表示板に配置した発光体を選択的に発光させて文字や数字などを表示する本体装置と、該本体装置と別体に構成された端末装置とを備え、
発光体により表示される表示パターンを構成する表示構成要素が少なくとも複数の表示文字と点滅周期と輝度からなり、
前記の各表示構成要素をそれぞれ複数種類記憶させた本体記憶手段と、
該本体記憶手段に記憶させた各表示構成要素の種類を選択する端末選択手段と、
該端末選択手段により選択された前記各表示構成要素の種類の情報を設定情報信号に変換して出力する端末制御手段と、
前記設定情報信号をワイヤレスで送信する端末通信手段と、
該端末通信手段からワイヤレスで送信された設定情報信号を受信する本体通信手段と、
該本体通信手段に受信した前記設定情報信号を前記選択された各表示構成要素の種類の情報に変換し、
該各表示構成要素の種類の表示パターンの表示を前記表示板に継続的に表示させる本体制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
本発明に係る情報表示装置によれば、発光体により表示される表示パターンを構成する表示構成要素の内、少なくとも複数の表示文字と点滅周期と輝度についてそれぞれ複数種類記憶されており、これらを選択する端末選択手段と、選択された前記の情報を設定情報信号に変換して出力する端末制御手段と、
前記の設定情報信号をワイヤレスで送信する端末通信手段と、
前記の設定情報信号を受信する本体通信手段と、
前記の受信した設定情報信号を各表示構成要素の種類の情報に変換し、その種類の表示パターンの表示を表示板に継続的に表示させる本体制御手段とを備えるので、前記端末選択手段で選択した表示パターンを離れた所から送信して表示板に表示させることができ、表示板の表示パターンを容易に変更することができる。
また、表示パターンを構成する各表示構成要素についてそれぞれ複数種類記憶された中から、前記端末選択手段により選択して表示板に表示させるので、設定変更の操作が簡単で容易に表示板の表示パターンを変更することができる。
【0009】
また、本体装置の情報を確認するための確認手段と、
該確認手段により確認した情報を状況情報信号に変換して出力する前記本体制御手段と、
前記状況情報信号をワイヤレスで送信する前記本体通信手段と、
該本体通信手段からワイヤレスで送信された状況情報信号を受信する前記端末通信手段と
該端末通信手段に受信した前記状況情報信号を前記各表示構成要素の種類の情報に変換する前記端末制御手段と、
該端末制御手段に変換された前記各表示構成要素の種類の情報を表示する端末表示手段とを備えれば、
本体装置の情報を離れた所で受信して端末表示手段に表示させて確認することができるので、本体装置を直接操作したり、接続ケーブルなどを接続して有線でデータ送信することなく、容易に本体装置の情報を確認でき好ましい。
【0010】
また、前記表示板で継続的に表示されている表示パターンの各表示構成要素の種類を前記端末表示手段により離れた所から確認できれば、その時点での表示パターンを確認しながら変更が必要な表示構成要素のみを変更することが可能なので、変更の必要のない表示構成要素を変更して再度修正するなどの問題が生じないので好ましい。
また、本体装置の動作に必要な電力を供給する電源部の電圧を前記端末表示手段により離れた所から確認できれば、電源部の部品の故障の確認や寿命による交換の検討を容易に行うことができるので、情報表示装置をより安定して稼働させることができる。
また、本体装置の外部温度を前記端末表示手段により離れた所から確認できれば、別の温度計で測定した値と比較することで本体装置の外部温度が正確に測定されているかどうかを判断することができ、異常な値を示したときに速やかに対応することができる。
また、本体装置が稼働している日数を前記端末表示手段により離れた所から確認できれば、本体装置の寿命を容易に検討することができ、本体装置の交換などを適切に行うことができる。また、前記の稼働日数のカウントにリセット機能を設ければ、バッテリーなどの内装部品の交換などの際に前記リセット機能を利用することで、定期的に交換が必要な部品の交換時期を容易に検討することが可能であり、より適切なメンテナンスを施すことができる。
また、本体装置が異常動作状態にある場合の動作状況を前記端末表示手段により離れた所から確認できれば、整備や修理の必要性を速やかに確認できるとともに、どのような対策を施すべきかの検討も容易に行うことができるので、より適切なメンテナンスを施すことができる。
【0011】
また、前記の本体記憶手段に記憶されていない未登録文字の情報を端末記憶手段に記憶させ、
この未登録文字の情報を前記端末制御手段で文字情報信号に変換して、前記端末通信手段でワイヤレスで送信させ、前記本体通信手段で受信させて、前記本体制御手段で前記文字情報信号を前記未登録文字の情報に変換し、前記本体記憶手段に記憶させて前記表示板に継続的に表示可能にすれば、表示板に表示可能な文字を離れたところから追加できるので、必要な表示を容易に行うことができ好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る情報表示装置によれば、情報表示を行う際の各種の発光パターンの設定を容易に変更できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明に係る情報表示装置の実施の一形態を示す斜視図であり、図2は本発明に係る端末装置の実施の一形態を示す三面図であり、図3は本発明に係る本体装置の情報を端末装置の端末表示手段に表示させる流れの実施の一形態を示す図であり、図4は端末表示手段に表示させる本体装置の情報の実施の一形態を示す表であり、図5は図4の情報を表示させた端末表示手段の表示の実施の一形態を示す図であり、図6は本発明に係る端末装置により本体装置の表示の発光パターンの設定を変更する流れの実施の一形態を示す図であり、図7は、端末装置により変更する本体装置の表示板の表示パターンの表示構成要素の項目を示す表であり、図8は本体装置の表示板の発光パターンの設定を変更するときの端末表示手段の表示の実施の一形態を示す表であり、図9は本体記憶手段に記憶されていない未登録文字の情報を端末記憶手段に記憶させて本体表示装置に表示させる流れの実施の一形態を示す図である。
【0014】
図面において1は情報表示装置の本体装置である。
本体装置1は本体表示部11と本体ボックス部21とを別体で備えている。
本体表示部11は周囲にアルミニウム製の押出形材からなる左右縦枠体13及び上下横枠体12が枠組みされて枠体が形成されている。本体表示部11の前面側と背面側には、それぞれポリカーボネート板で形成した保護カバー14と、塗装したアルミ板で形成した背面板が取り付けられており、本体表示部11を中空の箱体に形成している。この本体表示部11の内部には、ドットマトリクス状にLED16を配置して文字や記号などの情報を発光表示可能とした表示板15が内装され、LED16の発する光が保護カバー14を透過して本体表示部11の外部へ出射可能にしている。
【0015】
本体ボックス部21は内装した蓄電池に太陽電池4の生起する電力を蓄え、LED16に供給してその発光に用いる。
また、本体ボックス部21には、表示板15で表示する表示文字や点滅周期、輝度など表示パターンを構成する表示構成要素を記憶させたメモリを備える本体記憶手段23を内装している。
本体記憶手段23に記憶させた前記の表示構成要素は、同じく本体ボックス部21に内装されたCPUと基板を備える本体制御手段22により読み出され、表示板15のLED16を発光させるための信号として出力され、表示板15は前記の表示構成要素に基づく表示パターンを継続的に表示する。
本実施形態ではLED16の発光に太陽電池4が生起する電力を用いているが、商用電源など他の電源を用いてもよい。また、本実施形態では、本体表示部11と本体ボックス部21とを別体に設けて本体装置1を形成しているが、本体ボックス部21の機能を本体表示部11に内装して一体に形成してもよい。本実施形態では、本体表示部11、本体ボックス部21、太陽電池4がそれぞれ同一の支柱3に取り付けられて設置されている。
【0016】
5は端末装置である。
端末装置5の正面には、液晶パネルを備えた端末表示手段51と、9個の押釦を備えた端末選択手段52が設けられている。
また、端末装置5の上面には、赤外線による信号の送信と受信が可能な端末通信手段53が設けられている。
前記本体ボックス部21の底面には前記端末通信手段が送受信する赤外線信号の受送信が可能な本体通信手段24が設けられており、本体ボックス部21と端末装置5との間の双方向の通信を可能な構成にしている。
端末装置5には、制御プログラムを記憶させたメモリとICを備えた端末制御手段54が内装されており、端末選択手段52で選択した情報を端末通信手段53で送信可能な信号に変換して出力するなどの機能を端末装置5に備えさせている。
また、端末装置5の側面にはスロット部56が設けられ、SDカードを用いた端末記憶手段55を挿入して着脱可能に取り付けられるように形成されている。スロット部56に取り付けられた端末記憶手段55は、記憶した情報を端末制御手段54で読み取り可能に構成されており、端末記憶手段55に記憶した情報を端末制御手段54において端末通信手段53から送信可能な信号に変換して送信させる、という機能を端末装置5に備えさせている。
本実施形態では、端末通信手段53と本体通信手段24との間の通信に用いる信号に赤外線を利用しているが、これに限るものではなくワイヤレスで通信可能な方法を適宜用いることができる。
また本実施形態では、端末選択手段52を、「モニタ」「転送」「緊急」「SD」「上」「下」「右」「左」「SET」の9個の押釦で構成しているが、これについても他の方法を適宜用いることができる。
【0017】
本実施形態の端末装置5を利用する場合には、最初に本体装置1と端末装置5とを通信状態にする。
本体装置1と端末装置5を通信状態にする流れを説明すると、まず端末装置5の上面を本体ボックス部21の底面に向けて、端末通信手段53と本体通信手段24との間の赤外線による通信ができるようにする。
次に、端末選択手段52の押釦を押して、端末通信手段53から通信開始信号Aを送信する。
本体通信手段24が前記の通信開始信号Aを受信し、本体ボックス部21に内装された本体制御手段22に正常に伝達された場合、本体制御手段22は通信開始信号Bと、本体装置1の状況の情報を変換した状況情報信号とを出力し、本体通信手段24から送信させる。
端末装置5の端末通信手段53が前記の通信開始信号Bと状況情報信号とを受信し、内装された端末制御手段54に正常に伝達された場合、正常な通信状態であることと、本体装置1の状況の情報の内容を端末装置5の端末表示手段51に表示させる。
本実施形態では、本体装置1と端末装置5との間が通信状態ではないときに、端末選択手段52の押釦「モニタ」を押すことで、端末制御手段54から通信開始信号Aが出力され、端末通信手段53から送信されるように構成されている。
【0018】
上記のような構成とすることで、端末装置5による操作を行う前に、端末装置5と本体装置1とが正常な通信状態であるか否かを端末装置5の端末表示手段51の表示を見ることで容易に確認することができる。
また、上記のように、本体装置1と端末装置5とを通信状態にした直後に本体装置1の状況の情報を端末表示手段51に表示するので、端末装置5による本体装置1の設定変更作業の操作を行う前に本体装置1の状況を確認できる。
【0019】
図3は本発明に係る本体装置の情報を端末装置の端末表示部に表示させる流れの実施の一形態を示す図である。
本体制御手段22は、本体記憶手段23に記憶させた表示構成要素に基づき、表示板15のLED16を発光させるための信号を出力して、表示板15に前記の表示構成要素に基づく表示パターンを継続的に表示させるが、本体制御手段22は前記の状況情報信号を出力するときに、表示板15に表示している表示パターンを構成する各表示構成要素の種類の情報を状況情報信号として出力するように構成されている。
状況情報信号として出力された前記の各表示構成要素の種類の情報は、端末装置5による本体装置1の設定変更作業の操作を行う前に端末表示手段51に表示されるので、その内容を確認しながら変更が必要な表示構成要素のみを変更するように端末装置5を操作することが可能である。
【0020】
太陽電池4は、太陽光を受けて生起させた電力を、本体制御手段22を介して本体ボックス部21に内装された蓄電池に蓄電している。また、蓄電池に蓄電された電力は、同様に本体制御手段22を介して表示板15のLED16に供給され、発光させている。
本体制御手段22には、太陽電池4から供給される電力の電圧と、蓄電池から供給される電力の電圧を測定する電圧計25が備えられている。この電圧計25は、本体装置1の状況を確認する確認手段26の一つとして機能し、本体制御手段22が前記の状況情報信号を出力するときに、この電圧計25で測定された電圧の値を状況情報信号として出力するように構成されている。
状況情報信号として出力された前記の電圧の値は、端末装置5の端末表示手段51に表示され確認できるので、太陽電池4や蓄電池の故障の確認や寿命による交換の検討を容易に行うことができる。
また、蓄電池を内装せずに商用電源を用いて本体装置1を稼働させる場合でも、商用電源から供給される電力の電圧を測定する電圧計を確認手段26として備えれば、電源に起因する問題を容易に確認して把握することができる。
【0021】
本体ボックス部21の外側面には小型の百葉箱が設けられており、この中には本体ボックス部21周辺の気温を測定可能な温度計27が備えられている。この温度計27は本体制御手段22に接続されており、表示板15で気温表示を行う場合にその測定値を用いるが、本体装置1の状況を確認する確認手段26の一つとしても機能し、本体制御手段22が前記の状況情報信号を出力するときに、この温度計27で測定された気温の値を状況情報信号として出力するように構成されている。
状況情報信号として出力された前記の気温の値は、端末装置5の端末表示手段51に表示されて確認できるので、情報表示装置に「路面凍結注意」などの温度に関する表示の設定を行う場合に判断をする際の参考にすることができる。また、手許に別の温度測定器具を用意し、温度計27の測定値との差を確認することで、温度計27が正確に気温測定しているかどうかを確認することもできる。
【0022】
また本体制御手段22には時計機能が内蔵されており、本体制御手段22が稼働している日数をカウントするカウンター機能が備えられている。このカウンター機能は本体装置1の状況を確認する確認手段26の一つとして機能し、本体制御手段22が前記の状況情報信号を出力するときに、このカウンター機能でカウントした稼働している日数の値を状況情報信号として出力するように構成されている。
状況情報信号として出力された前記の稼働日数の値は、端末装置5の端末表示手段51に表示されて確認できるので、稼働日数に基づく本体装置の寿命の検討を容易に行うことができる。
また、前記のカウンター機能にリセット機能を設ければ、蓄電池などの比較的短い寿命を持つ内装部品の交換などの際に前記リセット機能を利用することで、定期的に交換が必要な部品の稼働日数を確認して次回の交換時期検討することを容易に行うことができる。
【0023】
また本体ボックス部21の外側面には周辺の照度を測定可能な照度計28が設けられている。
この照度計28は本体制御手段22に接続されており、本体制御手段22は計測された照度の値によって表示板15で発光させるLED16の輝度を変更する機能を備えている。具体的には、昼間など設置場所周辺が明るいときにはLED16の発光輝度を大きくし、周囲の光によって表示する文字などが埋没し判読性が低下する問題の発生を抑制し、夜間など設置場所周辺が暗いときにはLED16の輝度を小さく抑え、表示板15の表示する文字などが明るすぎて表示の細部が潰れて視認され、表示の判読性が低下する問題の発生を抑制している。
また、本体制御手段22には、昼間と夜間の定められた時間に照度計28で測定した照度の値をそれぞれ本体記憶手段23に記憶させて、昼間の時間と夜間の時間の照度の値の差を算出する機能が備えられている。この機能は本体装置1の状況を確認する確認手段26の一つとして機能し、本体制御手段22が前記の状況情報信号を出力するときに、前記の昼夜の照度の値の差があらかじめ定めた規定値よりも小さいときには、照度計の動作不良状態であることを示すエラー番号を状況情報信号として出力するように構成されている。
状況情報信号として出力された前記のエラー番号は、端末装置5の端末表示手段51に表示されて確認できるので、照度計が動作不良状態にある場合にその状況を容易に確認することができ、照度計表面の清掃や照度計の交換などの適切な対応を速やかに行うことが可能である。
【0024】
また本体制御手段22には、電圧計25で測定した電圧の値とあらかじめ定めた規定値とを比較する機能が備えられており、これは本体装置1の状況を確認する確認手段26の一つとして機能する。
本体制御手段22が前記の状況情報信号を出力するときに、太陽電池4の生起した電力の電圧値がゼロであるときには、太陽電池4が断線状態であることを示すエラー番号を状況情報信号として出力するように構成されている。
また太陽電池4の生起した電力の電圧値があらかじめ定めた規定値よりも小さい場合には、太陽電池4が出力低下状態にあることを示すエラー番号を状況情報信号として出力するように構成されている。
また本体ボックス部21に内装された蓄電池から供給される電力の電圧値、または利用している商用電源から供給される電力の電圧値が、あらかじめ定めたそれぞれの規定値よりも小さい場合には、電源電圧が低下状態にあることを示すエラー番号を状況情報信号として出力するように構成されている。
状況情報信号として出力された前記のエラー番号は、端末装置5の端末表示手段51に表示されて確認できるので、太陽電池4、および内装された蓄電池や商用電源からの電力が正常に供給されていない状態にある場合に、その状況を容易に確認することができ、太陽電池表面の清掃や受光面の方向の調整、蓄電池の交換や商用電源周辺の断線、漏電の確認など適切な対応を速やかに行うことが可能である。
【0025】
また本体制御手段22には、温度計27で測定した気温の値があらかじめ定めた規定値の範囲内にあるか否かを確認する機能が備えられており、これは本体装置1の状況を確認する確認手段26の一つとして機能する。
本体制御手段22が前記の状況情報信号を出力するときに、温度計27の測定値があらかじめ定めた規定値の範囲外でありえない気温の値を示していたり、温度計27から測定値のデータが送られてこない場合には、温度計が異常状態にあることを示すエラー番号を状況情報信号として出力するように構成されている。
状況情報信号として出力された前記のエラー番号は、端末装置5の端末表示手段51に表示されて確認できるので、温度計27が正常な測定状態にない場合に、その状況を容易に確認することができ、温度計周辺の清掃や断線の確認など、適切な対応を速やかに行うことができる。
【0026】
図4(イ)は端末表示手段に表示させる本体装置の情報の実施の一形態を示す表であり、(ロ)は(イ)に示したエラー番号の内容の実施の一形態を示す表であり、図5は図4の情報を表示させた端末表示手段の表示の実施の一形態を示す図である。
本実施形態では、前記のように端末装置5の端末通信手段53が本体ボックス部21からの通信開始信号Bと状況情報信号とを受信し、内装された端末制御手段54に正常に伝達された場合、本体装置1の状況の情報の内容が端末装置5の端末表示手段51に表示される。
図5(イ)(ロ)はその一例であり、図4(イ)に示した「(a)蓄電池電圧」「(b)太陽電池電圧」「(c)気温」「(d)稼働日数」「(e)リセット機能実施以降の稼働日数」「(f)エラー番号」がそれぞれ図5のように端末表示手段51に表示される。
図4(イ)の(f)に示したエラー番号は、それぞれの番号に図4(ロ)に示す内容が意味づけされており、「01」〜「05」のエラー番号を表示することで異常動作状態にある本体装置1の動作状況を確認できるようになされている。
また本実施形態では、端末表示手段51に図5(イ)の状態の表示が行われているときに、端末選択手段の押釦「上」を押している間だけ(ロ)の表示を行うように構成されている。
【0027】
図6は本発明に係る端末装置4により本体装置1の表示板15の発光パターンの設定を変更する流れの実施の一形態を示す図である。
端末装置を用いて本体装置1の表示板15の発光パターンを変更する場合、まず前記の手順で本体装置1と端末装置5とを正常な通信状態にし、表示板15で継続的に表示させている表示パターンの各表示構成要素の種類の情報を端末表示手段51に表示させる。
次に、端末選択手段52を用い、端末表示手段51の表示の中で各表示構成要素の種類を選択、調整して、変更したい設定内容とする。
次に、端末表示手段51に表示された設定内容を端末制御手段53で設定情報信号に変換して出力し、端末通信手段53から前記の設定情報信号を送信する。
本体通信手段24が前記の設定情報信号を受信し本体制御手段22に伝達されると、本体制御手段22は設定情報信号を各表示構成要素の種類の情報に変換する。そしてこの各表示構成要素の表示パターンの情報を本体記憶手段55から読み出し、表示板15の表示をこの表示構成要素の種類の表示パターンに変更させて継続的に表示させる。
本実施形態では、端末表示手段51に表示された本体装置1の設定を、端末選択手段52の押釦「上」「下」「左」「右」「SET」を押して選択、調整、確定できるように構成している。
また本実施形態では、端末選択手段52の押釦「転送」を押すことで、端末表示手段51に表示されている設定が端末制御手段54で設定情報信号に変換されて、端末通信手段53から送信されるように構成している。
【0028】
図7(イ)は、端末装置4により変更する本体装置1の表示板15の表示パターンの表示構成要素の項目を示す表であり、(ロ)は(イ)の「(a)表示文字パターン」として本体記憶手段55に登録される表示文字パターンの実施の一形態を示す表であり、(ハ)は(ロ)の表示文字パターンを構成する登録文字とその識別記号の実施の一形態を示す表であり、図8は本体装置1の表示板15の発光パターンの設定を変更するときの端末表示手段51の表示の実施の一形態を示す図である。
本実施形態の端末装置4は、端末表示手段51に図5(イ)の本体装置1の情報表示が行われているときに、本体選択手段52の押釦「右」を押すと、端末表示手段51が図8の表示に切り替わるように構成されている。
図6に示す流れで端末装置4によって変更可能な、図7(イ)に示されている本体装置1の表示パターンの各表示構成要素の項目である、「(a)表示文字パターン」「(b)点滅周期」「(c)夜間輝度」「(d)温度切り替え設定」は、それぞれ図8に示すように端末表示手段51に表示され、端末選択手段52によって選択、調整、確定される。
【0029】
前記の各表示構成要素の中の「(a)表示文字パターン」については、あらかじめNo.1から20までの表示文字パターン番号にそれぞれ図7(ロ)に示す表示文字パターンが登録されており、これらの表示文字パターン番号を選択して設定情報信号として本体ボックス部21に送信すれば、図6の流れによって、図7(ロ)に示された表示文字パターンに対応する表示文字パターンの表示が、本体表示部11で継続的に行われるように変更される。
また、図8の例では、(a)表示文字パターン番号としてNo.07が選択されている状況を示しているが、(a1)と(a2)とは、それぞれ選択された表示文字パターンNo.07の表示する登録文字を表している。図7(ロ)に示す表示文字パターンを構成する登録文字の実施の一形態を図7(ハ)に示しているが、それぞれ識別番号「0」から「L」までに「追突注意」などの表示文字が登録されている状況を示している。表示文字パターンNo.07は図7(ロ)に示されるように、「(a1)常温時の表示文字パターン」として「d:カーブ注意」と「2:速度注意」とを交互に表示し、「(a2)低温時の表示内容」として「d:カーブ注意」と「1:カーブ注意」とを交互に表示するように記憶されている。図8の(a1)(a2)は、それぞれNo.07の表示文字パターンで表示する文字を、図7(ハ)に記載されている登録文字の識別番号で表している状況を示している。
【0030】
本実施形態では、図7(ロ)に示される「(a1)常温時の表示文字パターン」と「(a2)低温時の表示内容」とが、温度計27で測定した気温が図7(イ)の「(d)温度切り替え設定」で選択された温度より高いか低いかで、表示板15の表示が切り替えられるように本体制御手段22が構成されている。
【0031】
図9は本体記憶手段に記憶されていない未登録文字の情報を端末記憶手段に記憶させて本体表示装置に表示させる流れの実施の一形態を示す図である。
スロット部56に取り付けられた端末記憶手段55は、記憶した情報を端末制御手段54で読み取り可能に構成されており、端末記憶手段55に記憶した情報を端末制御手段54において端末通信手段53から送信可能な信号に変換して送信させる、という機能を端末装置5に備えさせている。
これを利用して本体記憶手段23に記憶されていない未登録文字の情報を端末装置4を用いて本体装置送信して表示させる流れとして、最初に本体記憶手段23に記憶されていない未登録文字の情報を端末記憶手段55に記憶させ、これを端末装置5のスロット部56に挿入して取り付ける。
次に端末選択手段52を操作し、端末記憶手段55に記憶させた前記の未登録文字の情報を端末制御手段54に読み込ませ、文字情報信号に変換して出力させて端末通信手段53から送信させる。
送信された前記の文字情報信号が本体通信手段24に受信され、本体制御手段22に伝達されると、本体制御手段22は前記の文字情報信号を前記の未登録文字の情報に変換し、本体記憶手段23に記憶させる。
本体記憶手段24に記憶させて、登録文字とすることで、図6に示す流れに基づき本体表示部11の表示板15に前記の未登録文字を表示させることができる。
【0032】
図7(ロ)(ハ)に示すように、本体記憶手段23に記憶されている(a)表示文字パターン番号と識別記号には、未登録文字を登録するための空き番号と空き識別記号がそれぞれ設けられており、図9に示す手順による登録文字の追加を容易にできるようになされている。
【0033】
本実施形態では、端末装置5のスロット部56に端末記憶手段55を挿入して取り付け、端末選択手段52の押釦「SD」を押すことで、前記の端末記憶手段55に記憶させた情報を設定情報信号に変換して端末通信手段53から送信するように構成されている。
また本実施形態では端末記憶手段55に市販のSDカードを用いており、これに新規のデータを記録するときには、パソコンを用いてデータを作成した後に、SDカードへの情報の記録を市販のカードライターを用いて行うことができるので、文字情報信号を送信するための端末記憶手段55を容易に作成することができる。
また、端末記憶手段55に市販のSDカードを用いているので、パソコンとSDカードへの情報の記録が可能な市販のカードライターを用いることによって、登録したいデータを記憶させた端末記憶手段55を容易に複製することができる。これにより、複数の本体装置1への登録作業を同時併行で行いたい場合などでも、複製した多数の端末記憶手段55を挿入した端末装置4を用いることで容易に行うことが出来る。
また、端末記憶手段55に記憶されたデータを容易に複製や改変されたくないような場合には、SDカードを利用する場合でもその記録様式を情報表示装置独自の仕様にするなどして対応が可能である。
また本実施形態では、端末記憶手段55にSDカードを用いているが、これに限るものではなく、miniSDカードや、メモリースティックなど他の記録媒体を利用可能に構成してもよく、情報表示装置独自の仕様の記録媒体を利用する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る情報表示装置の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る端末装置の実施の一形態を示す三面図である。
【図3】本発明に係る本体装置の情報を端末装置の端末表示手段に表示させる流れの実施の一形態を示す図である。
【図4】端末表示手段に表示させる本体装置の情報の実施の一形態を示す表である。
【図5】図4の情報を表示させた端末表示手段の表示の実施の一形態を示す図である。
【図6】本発明に係る端末装置により本体装置の表示の発光パターンの設定を変更する流れの実施の一形態を示す図である。
【図7】端末装置により変更する本体装置の表示板の表示パターンの表示構成要素の項目を示す表である。
【図8】本体装置の表示板の発光パターンの設定を変更するときの端末表示手段の表示の実施の一形態を示す表である。
【図9】本体記憶手段に記憶されていない未登録文字の情報を端末記憶手段に記憶させて本体表示装置に表示させる流れの実施の一形態を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 本体装置
11 本体表示部
12 上下横枠体
13 左右縦枠体
14 保護カバー
15 表示板
16 LED
21 本体ボックス部
22 本体制御手段
23 本体記憶手段
24 本体通信手段
25 電圧計
26 確認手段
27 温度計
28 照度計
3 支柱
4 太陽電池
5 端末装置
51 端末表示手段
52 端末選択手段
53 端末通信手段
54 端末制御手段
55 端末記憶手段
56 スロット部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示板に配置した発光体を選択的に発光させて文字や数字などを表示する本体装置と、該本体装置と別体に構成された端末装置とを備え、
発光体により表示される表示パターンを構成する表示構成要素が少なくとも複数の表示文字と点滅周期と輝度からなり、
前記の各表示構成要素をそれぞれ複数種類記憶させた本体記憶手段と、
該本体記憶手段に記憶させた各表示構成要素の種類を選択する端末選択手段と、
該端末選択手段により選択された前記各表示構成要素の種類の情報を設定情報信号に変換して出力する端末制御手段と、
前記設定情報信号をワイヤレスで送信する端末通信手段と、
該端末通信手段からワイヤレスで送信された設定情報信号を受信する本体通信手段と、
該本体通信手段に受信した前記設定情報信号を前記選択された各表示構成要素の種類の情報に変換し、
該各表示構成要素の種類の表示パターンの表示を前記表示板に継続的に表示させる本体制御手段とを備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記表示板で継続的に表示されている表示パターンの各表示構成要素の種類、本体装置の動作のための電力を供給する電源部の電圧、本体装置の外部温度、本体装置が稼働している日数、又は本体装置が異常動作状態にある場合の動作状況、の少なくともいずれか一つの情報を確認するための確認手段と、
該確認手段により確認した情報を状況情報信号に変換して出力する前記本体制御手段と、
前記状況情報信号をワイヤレスで送信する前記本体通信手段と、
該本体通信手段からワイヤレスで送信された状況情報信号を受信する前記端末通信手段と、
該端末通信手段に受信した前記状況情報信号を前記各表示構成要素の種類の情報に変換する前記端末制御手段と、
該端末制御手段に変換された前記各表示構成要素の種類の情報を表示する端末表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記本体記憶手段に記憶されていない表示文字である未登録文字の情報を記憶した端末記憶手段と、
該端末記憶手段に記憶された前記未登録文字の情報を文字情報信号に変換して出力する前記端末制御手段と、
前記文字情報信号をワイヤレスで送信する前記端末通信手段と、
前記端末通信手段からワイヤレスで送信された文字情報信号を受信する前記本体通信手段と、
前記本体通信手段に受信した前記文字情報信号を前記未登録文字の情報に変換し、前記本体記憶手段に記憶させて前記表示板に継続的に表示可能とする前記本体制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−122542(P2010−122542A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297418(P2008−297418)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】