説明

情報表示装置

【課題】複数の情報表示パネルが着脱可能に構成されるとともに、所望の情報表示パネルに所定情報を表示させる際の手間を削減し、利便性に優れた情報表示装置を提供する。
【解決手段】情報表示装置は、複数の情報表示パネルと、駆動装置とを備える。駆動装置は、情報表示パネルを着脱する着脱機構を備え、複数の情報表示パネルの各々は、所定信号を入力する入力電極部と、所定信号を出力する出力電極部と、表示領域に表示される所定画像を制御する制御回路とを備える。所定信号には、画像信号と、複数の情報表示パネルの各々の順番を検出するための検出信号とが含まれており、制御回路は、予め定められた特定情報を記憶する記憶部と、検出信号と特定情報とに基づいて所定画像を表示すべきか否かを判定する表示制御部と、検出信号によって検出される順番を一つ変更する所定の変更処理を行って、出力電極部から検出信号を出力する出力制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示メモリ性を有する複数の情報表示パネルと、前記複数の情報表示パネルに所定信号を出力して、前記複数の情報表示パネルに配置された表示媒体を駆動する駆動装置とを備える情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置(LCD)に変わる情報表示装置として、帯電粒子気体中移動方式(電子粉流体(登録商標)方式)、帯電粒子液体中移動方式(電気泳動方式)、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式などの技術を用いた情報表示装置が提案されている。これらの情報表示装置のなかでも帯電粒子気体中移動方式を用いた情報表示装置は、給電を断っても情報表示パネルの表示領域に表示させた情報が保持される表示メモリ性に優れているため、電子ペーパーとしての利用が広まっている。
【0003】
近年では、紙と同様に、複数の情報表示パネルを重ねて綴るとともに、複数の情報表示パネルの各々を着脱可能な情報表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された情報表示装置では、着脱可能な複数の情報表示パネルの各々が、ページ番号(順番)を認識する処理を行って、認識したページ番号を駆動装置に送信するように構成されている。また、駆動装置は、複数の情報表示パネルの各々から送信されたページ番号に基づいて、所望の情報表示パネルに所定画像を表示させる。このような情報表示装置によれば、複数の情報表示パネルの各々に異なる情報を表示させて、冊子のように綴って利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−162902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された情報表示装置では、次のような問題点があった。すなわち、上述した情報表示装置では、複数の情報表示パネルの各々にページ番号を認識させる処理を行ってからでなければ、所望の情報表示パネルに所定情報を表示させることができず、所定情報を表示させる際の手間がかかるという問題があった。
【0007】
特に、情報表示パネルが着脱可能に構成される情報表示装置では、情報表示パネルを着脱する度にページ番号を認識させる処理を行わなければならないため、利便性に欠けるものとなっていた。
【0008】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数の情報表示パネルが着脱可能に構成されるとともに、複数の情報表示パネルを取り付けた状態で、所望の情報表示パネルに所定情報を表示させる際の手間を削減し、利便性に優れた情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、表示メモリ性を有する複数の情報表示パネル(情報表示パネル100)と、前記複数の情報表示パネルに所定信号を出力して、前記複数の情報表示パネルを駆動する駆動装置(駆動装置200)とを備える情報表示装置(情報表示装置10)であって、前記駆動装置は、前記複数の情報表示パネルを重ねて綴るとともに、前記複数の情報表示パネルの各々を着脱する着脱機構(着脱機構220)を備え、前記複数の情報表示パネルの各々は、前記情報表示パネルの一方の面に設けられ、前記駆動装置又は隣接する一方の情報表示パネルから前記所定信号を入力する入力電極部(入力電極部122)と、前記情報表示パネルの他方の面に設けられ、隣接する他方の情報表示パネルに前記所定信号を出力する出力電極部(出力電極部123)と、前記入力電極部に入力される前記所定信号に基づいて、表示領域に表示される所定画像を制御する制御回路(制御回路150)とを備え、前記所定信号には、所定画像を表示するための画像信号と、前記複数の情報表示パネルの各々の順番を検出するための検出信号とが含まれており、前記制御回路は、前記所定画像を表示すべき情報表示パネルを特定する予め定められた特定情報を記憶する記憶部(記憶部155)と、前記入力電極部から入力された前記検出信号と前記特定情報とに基づいて、前記画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する表示制御部(表示制御部153)と、前記入力電極部から入力された前記検出信号に対して、前記検出信号によって検出される順番を一つ変更する所定の変更処理を行って、検出信号を前記出力電極部から出力する出力制御部(出力制御部154)とを備えることを要旨とする。
【0010】
本発明の特徴によれば、情報表示装置は、駆動装置と複数の情報表示パネルとを備える。情報表示装置では、駆動装置が、複数の情報表示パネルを着脱する着脱機構を備えるため、複数の情報表示パネルを着脱可能に構成されている。このような情報表示装置によれば、複数の情報表示パネルの各々を取り付け又は取り外しすることが可能になる。
【0011】
また、情報表示装置では、複数の情報表示パネルの各々が、所定信号を入力する入力電極部と、所定信号を出力する出力電極部と、制御回路とを備える。所定信号は、画像信号と検出信号とを含む。制御回路は、予め定められた特定情報を記憶する記憶部と、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する表示制御部と、検出信号に所定の変更処理を行って、出力電極部から検出信号を出力する出力制御部とを備える。
【0012】
出力制御部は、入力された検出信号に対して所定の変更処理を行って、出力電極部から検出信号を出力するため、複数の情報表示パネルの各々では、複数の情報表示パネルの各々の順番に応じて、所定の変更処理の実施された回数の異なる検出信号が入力される。つまり、複数の情報表示パネルの各々には、順番に応じて異なる検出信号が、入力される。
【0013】
表示制御部は、上述のように順番に応じて異なる検出信号と記憶部に記憶される特定情報とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定するので、表示すべき順番の情報表示パネルのみに所定画像を表示させることができる。
【0014】
このように、かかる情報表示装置によれば、複数の情報表示パネルの各々にページの順番を認識させる処理を実行しなくとも、所望の情報表示パネルに所定情報を表示させることが可能になる。つまり、かかる情報表示装置によれば、複数の情報表示パネルのうち、所望の情報表示パネルに所定情報を表示させる際の手間を削減し、複数の情報表示パネルを閲覧する上での利便性を向上させることが可能になる。
【0015】
本発明の他の特徴では、前記入力電極部と前記出力電極部との各々は、複数の電極によって構成されており、前記入力電極部を構成する複数の電極(検出入力電極1221a乃至1221c)に入力される前記検出信号は、ビット列データを示し、前記記憶部は、前記特定情報として、所定のビット列データを記憶しており、前記表示制御部は、前記検出信号によって示される前記ビット列データと、前記記憶部に記憶される前記所定のビット列データとに基づいて、前記画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定し、前記出力制御部は、前記所定の変更処理として、前記入力電極部に入力された前記検出信号によって示される前記ビット列データを変更して、前記検出信号を前記出力電極部から出力することを要旨とする。
【0016】
本発明の他の特徴は、前記記憶部は、前記特定情報として、所定電圧値を記憶しており、前記表示制御部は、前記検出信号の電圧値と、前記記憶部に記憶される前記所定電圧値とに基づいて、前記画像信号を前記所定画像として表示すべきか否かを判定し、前記出力制御部は、前記所定の変更処理として、前記入力電極部に入力された前記検出信号の電圧値を変更して、前記検出信号を前記出力電極部から出力することを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の情報表示パネルが着脱可能に構成されるとともに、複数の情報表示パネルを取り付けた状態で、所望の情報表示パネルに所定情報を表示させる際の手間を削減し、利便性に優れた情報表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る情報表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1のA−A線において、複数の情報表示パネルが表示制御部に取り付けられた状態の情報表示装置の断面図である。図2(b)は、複数の情報表示パネルが表示制御部から取り外される状態の情報表示装置の断面図である。
【図3】図3は、図1に示すB−B線において、駆動装置に設けられる着脱機構と、複数の情報表示パネルの各々に設けられるコネクタ部との断面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係る情報表示パネルの斜視図である。
【図5】図5(a)は、表示領域において、白色表示媒体が情報表示面側に位置している状態の情報表示パネルの断面図である。図5(b)は、表示領域において、黒色表示媒体が情報表示面側に位置している状態の情報表示パネルの断面図である。
【図6】図6は、本実施形態に係る情報表示装置のハードウエア構成図である。
【図7】図7は、制御回路の構成と、制御回路と入力電極部及び出力電極部との接続関係を示すブロック図である。
【図8】図8は、情報表示パネルの処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、第2実施形態に係る情報表示装置において、駆動装置に設けられる着脱機構と、複数の情報表示パネルの各々に設けられるコネクタ部との短辺方向(Y方向)における断面図である。
【図10】図10は、第2実施形態に係る制御回路の構成と、制御回路と入力電極部及び出力電極部との接続関係を示すブロック図である。
【図11】図11は、第2実施形態に係る情報表示パネルの処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、一例として、情報表示パネル100に入力される基準クロック信号の波形と、検出信号の波形と、識別信号の波形とを示す図である。
【図13】図13は、第3実施形態に係る情報表示装置において、駆動装置に設けられる着脱機構と、複数の情報表示パネルの各々に設けられるコネクタ部との短辺方向(Y方向)における断面図である。
【図14】図14は、第3実施形態に係る制御回路の構成と、制御回路と入力電極部及び出力電極部との接続関係を示すブロック図である。
【図15】図15は、第3実施形態に係る情報表示パネルの処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は、第3実施形態に係る情報表示パネルに入出力される検出信号によって示されるビット列データの一例を示す図である。
【図17】図17は、第4実施形態に係る情報表示装置において、駆動装置の着脱機構と、複数の情報表示パネルのコネクタ部との短手方向(Y方向)における断面図である。
【図18】図18は、第4実施形態に係る制御回路の構成と、制御回路と入力電極部及び出力電極部との接続関係を示すブロック図である。
【図19】図19は、第4実施形態に係る情報表示パネルの処理を示すフローチャートである。
【図20】図20は、第4実施形態に係る情報表示パネルに入出力される検出信号の電圧値の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る情報表示器の一例及び制御装置の一例について、図面を参照しながら説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。具体的な寸法などは、以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0020】
[第1実施形態]
(情報表示装置の全体構成)
図1は、情報表示装置10の概略構成を示す斜視図である。図1に示すように、情報表示装置10は、複数(ここでは2枚)の情報表示パネル100と、複数(ここでは2枚)の情報表示パネル100を駆動する駆動装置200とを備える。駆動装置200は、CPU、メモリ、プッシュボタンやペン入力デジタイザなどの操作入力手段、バッテリなどを備えている。駆動装置200は、情報表示パネル100に所定信号を送信して、所定画像を表示するように情報表示パネル100を制御する。
【0021】
情報表示パネル100は、電子ペーパーなどとして用いることができる。情報表示パネル100は、少なくとも一方が透明な一対の基板間に配置される表示媒体によって、所定画像を表示する。なお、駆動装置200は、複数の情報表示パネル100の各々の表示媒体を駆動することによって、複数の情報表示パネル100に表示される所定画像を制御する。また、本実施形態では、重ねられる複数の情報表示パネル100の内、1ページ目に位置する情報表示パネル100を情報表示パネル100#1と示し、2ページ目に位置する情報表示パネル100を情報表示パネル100#2として示す。
【0022】
本実施形態に係る情報表示装置10は、複数の情報表示パネル100と駆動装置200とが着脱可能に構成されている。具体的に、駆動装置200は、載置部210と、着脱機構220とを備える。載置部210は、一つ又は複数の情報表示パネル100を載置できる。着脱機構220は、複数の情報表示パネル100の各々に設けられるコネクタ部120を取り付け又は取り外し可能に構成され、複数の情報表示パネル100と駆動装置200とを着脱する。すなわち、着脱機構220に複数の情報表示パネル100の各々のコネクタ部120が取り付けられることによって、複数の情報表示パネル100を重ねて綴ることができる。
【0023】
ここで、図2(a)乃至(b)には、図1に示す情報表示装置10のA−A線における断面図が示されている。具体的に、図2(a)には、複数の情報表示パネル100が駆動装置200に取り付けられた状態の断面図が示されており、図2(b)には、複数の情報表示パネル100が駆動装置200から取り外される前の状態の断面図が示されている。
【0024】
図2(a)乃至(b)に示すように、着脱機構220は、複数の情報表示パネル100の各々のコネクタ部120を取り付け又は取り外し可能に構成され、当該複数の情報表示パネル100のすべてと電気的に接続又は切離する。すなわち、情報表示装置10では、当該複数の情報表示パネル100と駆動装置200とが着脱可能に構成されている。なお、本実施形態では、着脱機構220が、コネクタ部120を圧着又は解放することによって、複数の情報表示パネル100(図2の例では2枚)が駆動装置200から着脱可能に構成される。
【0025】
但し、着脱機構220の構成は、これに限定されず、例えば、着脱機構220にコネクタ部120を所定の挿抜方向に沿って抜き差しする方式が挙げられる。他の例としては、着脱機構220とコネクタ部120とのいずれか一方が磁石を含んで構成され、他方が磁性体を含んで構成されていてもよい。かかる場合、着脱機構220は、磁気吸着力によって、コネクタ部120を取り付け又は取り外しすることができる。
【0026】
(駆動装置の電極と情報表示パネルの電極の構成)
図3には、図1に示す情報表示装置10のB−B線における断面図が示されている。具体的に、図3には、駆動装置200に設けられる着脱機構220と、情報表示パネル100#1乃至#2の各々に設けられるコネクタ部120との断面図が示されている。駆動装置200に設けられる着脱機構220は、所定信号を出力する駆動装置側電極221を有する。本実施形態において、所定信号は、所定画像を表示するための画像信号と、複数(ここでは2枚)の情報表示パネル100の各々の順番を検出するための検出信号と、所定画像を表示すべき情報表示パネルの順番を識別するための識別信号とを含む。
【0027】
また、本実施形態において、駆動装置側電極221は、複数の電極によって構成されており、複数の電極を用いて、画像信号と検出信号と識別信号とを出力する。なお、本実施形態において、検出信号と識別信号は、複数の情報表示パネル100の各々において、画像信号を所定画像として表示すべきか否かの判定に用いられる信号である。
【0028】
具体的に、駆動装置側電極221は、検出出力電極2211aと、識別出力電極2212a乃至2212bと、制御出力電極2213a乃至2213cとを有する。
【0029】
検出出力電極2211aは、1ページ目に位置する情報表示パネル100#1に対して、検出信号を出力する。検出出力電極2211aから出力された検出信号は、情報表示パネル100#1を介して、全て(ここでは2枚)の情報表示パネル100に送信される。
【0030】
識別出力電極2212a乃至2212bは、1ページ目に位置する情報表示パネル100#1に対して、識別信号を出力する。ここで、駆動装置200は、識別出力電極2212a乃至2212bのいずれか一つから、識別信号を出力することによって、画像信号を所定画像として表示すべき情報表示パネル100の順番を指定する。例えば、駆動装置200は、1ページ目に位置する情報表示パネル100#1に所定画像を表示させる場合、識別出力電極2212aから識別信号を出力する。一方、駆動装置200は、2ページ目に位置する情報表示パネル100#2に所定画像を表示させる場合、識別出力電極2212bから識別信号を出力する。このようにして、駆動装置200は、識別出力電極2212a又は識別出力電極2212bのいずれかから識別信号を出力することによって、画像信号を所定画像として表示すべき情報表示パネル100の順番を指定する。識別出力電極2212a又は識別出力電極2212bのいずれかから出力された識別信号は、情報表示パネル100#1を介して、全ての情報表示パネル100に出力される。
【0031】
制御出力電極2213a乃至2213cは、1ページ目に位置する情報表示パネル100#1に対して、画像信号と制御信号とを出力する。制御出力電極2213a乃至2213cから出力された画像信号と制御信号とは、情報表示パネル100#1を介して、全ての情報表示パネル100に出力される。なお、制御出力電極2213a乃至2213cは、これ以外にも、給電用電力なども出力する。
【0032】
また、図3に示すように、情報表示パネル100に設けられるコネクタ部120は、コネクタ基板121と入力電極部122と出力電極部123を有する。コネクタ基板121は、コネクタ表面121aとコネクタ裏面121bとを有している。
【0033】
入力電極部122は、情報表示パネル100のコネクタ表面121a(一方の面)に設けられ、駆動装置200又は隣接する一方の情報表示パネル100から所定信号を入力する。出力電極部123は、情報表示パネル100のコネクタ裏面121b(他方の面)に設けられ、隣接する他方の情報表示パネル100に所定信号を出力する。
【0034】
なお、図3の例では、1ページ目の情報表示パネル100#1の入力電極部122が、駆動装置200から所定信号を入力し、出力電極部123が、2ページ目の情報表示パネル100#2の入力電極部122に所定信号を出力する。また、2ページ目の情報表示パネル100#2の入力電極部122は、隣接する1ページ目の情報表示パネル100#1から所定信号を入力する。
【0035】
また、図3に示すように、入力電極部122と出力電極部123との各々は、所定の配列間隔を設けて、一方向に並列に配置された複数の電極によって構成されている。なお、本実施形態において、一方向は、情報表示パネル100の短手方向(図3に示すY方向)を示す。また、入力電極部122を構成する複数の電極と、出力電極部123を構成する複数の電極とは、情報表示パネル100の平面視において、同じ位置に配置されている。
【0036】
入力電極部122は、検出入力電極1221a乃至1221bと、識別入力電極1222a乃至1222bと、制御入力電極1223a乃至1223cとを有する。
【0037】
検出入力電極1221a乃至1221bは、検出信号を入力する。具体的には、検出入力電極1221a乃至1221bの内のいずれか一つの電極が、検出信号を入力する。
【0038】
識別入力電極1222a乃至1222bは、識別信号を入力する。具体的には、識別入力電極1222a乃至1222bの内のいずれか一つの電極が、識別信号を入力する。
【0039】
制御入力電極1223a乃至1223cは、画像信号と制御信号とを入力する。なお、制御入力電極1223a乃至1223cは、電源用電力なども入力することができる。
【0040】
一方、出力電極部123は、検出出力電極1231a乃至1231bと、識別出力電極1232a乃至1232bと、制御出力電極1233a乃至1233cとを有する。
【0041】
検出出力電極1231a乃至1231bは、入力電極部122に入力された検出信号を出力する。具体的には、検出出力電極1231a乃至1231bの内のいずれか一つが、検出信号を出力する。識別出力電極1232a乃至1232bは、識別信号を出力する。具体的には、識別出力電極1232a乃至1232bの内のいずれか一つの電極が、識別信号を出力する。制御出力電極1233a乃至1233cは、画像信号と制御信号とを出力する。
【0042】
また、本実施形態では、入力電極部122の検出入力電極1221aと、出力電極部123の検出出力電極1231bとが電気的に接続されており、検出入力電極1221aから入力された検出信号は、検出出力電極1231bから出力される。つまり、検出信号が入力される入力電極部122を構成する電極(例えば、検出入力電極1221a)の位置と、検出信号が出力される出力電極部123を構成する電極(例えば、検出出力電極1231b)の位置は、一方向における位置が複数の情報表示パネルの各々の順番に応じて異なる。
【0043】
このような構成によって、重ねて綴られる複数の情報表示パネル100の各々の入力電極部122に入力される検出信号は、複数の情報表示パネル100の各々の順番に応じて異なるように入力される。
【0044】
なお、本実施形態では、情報表示装置10が、情報表示パネル100#1乃至#2との2つを有している場合を例に挙げているため、情報表示パネル100が、検出入力電極1221a乃至1221bとの2つの電極と、検出出力電極1231a乃至1231bとの2つの電極とを有している場合を例に挙げている。しかし、情報表示装置10が、更に多くの情報表示パネル100(例えば、3ページ目に位置する情報表示パネル100#3など)を有している場合には、情報表示パネル100が、更に多くの検出入力電極(例えば、検出入力電極1221c)と、更に多くの検出出力電極(例えば、検出出力電極1231c)とを有していてもよい。
【0045】
識別入力電極1222a乃至1222bと、識別出力電極1232a乃至1232bとは、それぞれが互いに電気的に接続されている。具体的に、識別入力電極1222aと識別出力電極1232aとが電気的に接続され、識別入力電極1222bと識別出力電極1232bとが電気的に接続されている。このような構成によって、識別入力電極1222a又は識別入力電極1222bから入力された識別信号は、識別出力電極1232a又は識別出力電極1232bから、電極の位置を変更すること無く出力される。
【0046】
また、本実施形態において、識別信号が入力される入力電極部122を構成する電極の位置は、所定画像を表示すべき情報表示パネルの順番を識別する。具体的に、識別入力電極1222aに識別信号が入力される場合には、1ページ目の情報表示パネル100#1が、所定画像を表示すべき情報表示パネル100であることを示し、識別入力電極1222bに識別信号が入力される場合には、2ページ目の情報表示パネル100#2が、所定画像を表示すべき情報表示パネル100であることを示す。
【0047】
なお、情報表示装置10が、更に多くの情報表示パネル100(例えば、3ページ目に位置する情報表示パネル100#3など)を有している場合には、情報表示パネル100が、更に多くの識別入力電極(例えば、識別入力電極1222c)と、更に多くの識別出力電極(例えば、検出出力電極1232c)とを有してもよい。
【0048】
制御入力電極1223a乃至1223cと制御出力電極1233a乃至1233cとは、それぞれが互いに電気的に接続されている。具体的に、制御入力電極1223aと制御出力電極1233aとが電気的に接続され、制御入力電極1223bと制御出力電極1233bとが電気的に接続され、制御入力電極1223cと制御出力電極1233cとが電気的に接続される。このような構成によって、制御入力電極1223a乃至1223cから入力された画像信号と制御信号とは、制御出力電極1233a乃至1233cから、電極の位置を変更することなく出力される。
【0049】
(情報表示パネルの構成)
次に、情報表示パネル100の構成について図面を参照して説明する。図4には、情報表示パネル100の斜視図が示されている。
【0050】
情報表示パネル100は、表示領域111を有する本体パネル部110と、コネクタ部120とを備える。本体パネル部110は、矩形の薄い板状に形成されている。ここで言う矩形は、ノート用紙などで一般的に知られている形状であり、角部が丸くカットされていたり、角部が少し直線的にカットされていたりすることを含む。矩形に形成される本体パネル部110は、長辺方向における縁部110a乃至110bと、短辺方向における縁部110c乃至110dとを有する。本体パネル部110は、所定情報が表示される表示領域111を有する。なお、表示領域111は、矩形であることが好ましいが、外形形状は、矩形に限定されない。
【0051】
本実施形態において、コネクタ部120は、本体パネル部110の縁部110aから本体パネル部110の外側方向に向けて突出して形成されている。なお、図4に示す本実施形態において、本体パネル部110の外側方向とは、本体パネル部110の長辺方向(図4に示すX方向)であり、かつ、表示領域111が形成される内側とは反対の方向を示す。
【0052】
ここでは、矩形の短辺部分にコネクタ部120を形成しているが、矩形の長辺部分にコネクタ部120を形成してもよい。
【0053】
本体パネル部110の縁部110aに沿ったコネクタ部120の幅W1は、本体パネル部110の縁部110aの幅W2よりも狭くなるように形成されている。なお、本実施形態において、本体パネル部110の縁部110aに沿った方向は、短手方向(図4に示すY方向)である。なお、外側方向におけるコネクタ部120の突出長Lは、5mm〜20mmであることが好ましい。
【0054】
コネクタ部は本体パネル部110の一辺に複数配置してもよい。また、コネクタ部とは別に、本体パネル部110の支持の目的のための突出部を、着脱機構220に取り付けられるようにして設けてもよい。なお、本実施形態では、コネクタ部120は、本体パネル部110の長辺方向の縁部110aから突出して形成されている場合を例に挙げて説明するが、長辺方向の縁部110b、もしくは、短辺方向の縁部110c又は縁部110dから突出して形成されていてもよい。すなわち、コネクタ部120は、本体パネル部110の縁部110a乃至110dのいずれか一つから突出して形成されていればよい。
【0055】
また、本実施形態において、コネクタ部120は、可撓性を有する可撓部材で構成される。具体的には、コネクタ基板121と入力電極部122と出力電極部123とは、可撓性を有する可撓部材で構成されることが好ましい。このような構成とすることで、複数の情報表示パネル100の各々がめくりやすくなるので、利用者が、複数の情報表示パネル100の各々を視認しやすくなる。
【0056】
なお、コネクタ基板121の部材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリル樹脂などのプラスチック材料などが挙げられる。
【0057】
入力電極部122と出力電極部123との部材としては、電気抵抗が小さく、可撓性のある導電性金属電極が好ましい。例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の金属や、これらの金属を主成分とする合金が挙げられる。この電極の厚みは、導電性が確保でき可撓性に支障がなければ良く、5μm〜72μmが好ましく、9μm〜35μmがより好ましい。5mより薄いと、着脱機構220に圧着されて電気的に接続する際に、擦れて損傷してしまい、電気的接続に支障を来たす不都合となる場合がある。一方、72μmより厚いと、電極形成に時間が掛かりコスト高となるおそれがある。また、電気的接続部の電極部分にメッキ等で導電性材料を形成して電極厚さを厚くしてもよい。
【0058】
(表示領域の構成)
次に、情報表示パネル100の表示領域111の構成について更に説明する。図5(a)及び(b)は、情報表示パネル100の表示領域111の断面図である。具体的に、図5(a)は、表示領域111において、白色表示媒体390Wが情報表示面側(図中の「目」のマークを参照)に位置している状態を示し、図5(b)は、表示領域111において、黒色表示媒体390Bが情報表示面側に位置している状態を示す。
【0059】
なお、図5(a)乃至(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体として、白色表示媒体390Wと黒色表示媒体390Bとが示されている。
【0060】
白色表示媒体390Wは、負帯電性白色粒子390Waを含んだ粒子群として構成されている。黒色表示媒体390Bは、正帯電性黒色粒子390Baを含んだ粒子群として構成されている。本実施形態において、黒色表示媒体390Bと白色表示媒体390Wとはそれぞれ、表示用電極に印加される電圧によって駆動する表示媒体を構成する。
【0061】
図5(a)及び(b)に示すように、情報表示パネル100では、表示領域111において、表面基板320a、裏面基板320b、表面電極340a、裏面電極340b及び隔壁350を有する。
【0062】
一対の表面基板320a及び裏面基板320bのうち、表面基板320aは、情報表示面側の表示領域111に形成される。表面基板320aは、透明な基板であり、表示領域111を形成する。表面基板320aは、可視光の透過率が高く、かつ耐熱性のよいものが好ましい。裏面基板320bは、表面基板320aと対向する。なお、裏面基板320bは透明であってもよいし、透明でなくてよい。本実施形態において、一対の表面基板320a及び裏面基板320bは、少なくとも一方の基板が透明な一対の基板を構成する。
【0063】
表面電極340a及び裏面電極340bは、表面基板320a及び裏面基板320bに対応して設けられる。具体的には、表面電極340a及び裏面電極340bは、表面基板320a及び裏面基板320bよりも内側にそれぞれ設けられる。本実施形態において、表面電極340a及び裏面電極340bは、表示用電極を構成しており、後述するICドライバ112a乃至112eに連結されている。また、本実施形態において、表面電極340aと裏面電極340bとの間隔(ギャップ)Hは、50μmであることとするが、これに限定されず適宜最適な値を決定してもよい。
【0064】
表面電極340aは、表面基板320a側に形成される透明な電極である。表面電極340aは、表面基板320a上に形成されている。裏面電極340bは、裏面基板320b側に形成される電極である。裏面電極340bは裏面基板320b上に形成されている。図5に示す実施形態で、表面電極340a及び裏面電極340bは、細長い帯状の電極であり、互いに対向して配設されているとともに、互いに直交するように配設されている。つまり、対向した電極が重なり合った部分である電極対がマトリックス状に配設されており、情報表示パネル100では、パッシブマトリックス駆動方式が用いられる。
【0065】
白色表示媒体390W及び黒色表示媒体390Bは、表面電極340aと裏面電極340bとの間に配置、より好ましくは封入される。例えば、負帯電性白色粒子を含んだ粒子群である白色表示媒体390W及び正帯電性黒色粒子を含んだ粒子群である黒色表示媒体390Bは、表面電極340a及び裏面電極340bを介して電界が与えられることによって何れかの電極に向けて駆動される。つまり、白色表示媒体390W及び黒色表示媒体390Bは、それぞれ異なる帯電性を有し、電気的に駆動可能である。具体的には、表面電極340aと裏面電極340bとに電圧を印加することによって、白色表示媒体390W及び黒色表示媒体390Bは、何れかの電極に向けて駆動される。なお、帯電性を有する白色表示媒体390W及び黒色表示媒体390Bを構成する帯電性粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ませてその帯電性や光学的反射率を調整することができる。
【0066】
隔壁350は、表面基板320aと裏面基板320bとの間に形成される。隔壁350は、白色表示媒体390W及び黒色表示媒体390Bが配置される空間Sを仕切る。隔壁350は、表面基板320aと裏面基板320bとの間の空間Sを確保するために設けられる。空間Sは、気体(例えば、空気)で満たされていてもよいし、真空状態あるいは減圧状態にされていてもよい。なお、真空状態や減圧状態である場合には、空間Sは、密閉空間となる。隔壁350は、表面基板320a側からの視点において格子状に形成される。格子状とは、所定の空間が形成されるように、周期的に配置されていればよい。空間Sは、表示領域111に表示される画像の1ドット(1画素)を形成する。なお、本実施形態において、空間Sには、気体が封入されているが、空間Sは、真空であっても良い。
【0067】
(情報表示装置のハードウエア構成)
図6は、本実施形態に係る情報表示装置10のハードウエア構成を説明するハードウエア構成図である。情報表示装置10は、情報表示パネル100の駆動に関連するハードウエアとして、ドライバIC112a乃至112eと、コネクタ部120と、制御回路150と、駆動回路211と、着脱機構220とを備える。なお、情報表示装置10は、電源部などの他の機能も備えていてもよいが、ここでは説明を省略する。
【0068】
ドライバIC112a乃至112eは、制御回路150の制御に従って、表示領域111における白色表示媒体390W及び黒色表示媒体390Bを駆動する。具体的に、ドライバIC112a乃至112eは、信号線を介して、コネクタ部120と制御回路150とに連結している。ドライバIC112a乃至112eは、制御回路150から画像信号を所定画像として表示すべき旨の指示があると、駆動回路211から送信される画像信号に基づいて、白色表示媒体390W及び黒色表示媒体390Bを駆動して、表示領域111に所定情報を表示する。
【0069】
制御回路150は、コネクタ部120の入力電極部122に入力される所定信号に基づいて、表示領域111に表示する所定画像を制御する。
【0070】
具体的に、入力電極部122に入力される検出信号と識別信号とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定し、表示すべきと判定した場合には、ドライバIC112a乃至112eに所定画像を表示するように指示する。なお、制御回路150の詳細な構成は、後述する。
【0071】
駆動回路211は、CPU及びメモリなどによって構成されている。駆動回路211は、情報表示パネル100を制御する。具体的に、駆動回路211は、着脱機構220及びコネクタ部120を介して、情報表示パネル100に所定情報を表示するための画像信号と、検出信号と識別信号とを送信する。
【0072】
なお、情報表示パネル100は、表示領域111に接触されたタッチペンなどの位置を検出する位置検出部115を有していても良い。この場合、位置検出部115が、タッチペンによって接触された位置を駆動回路211に通知し、駆動回路211は、タッチペンによって接触された位置に応じた所定画像(所定情報)を情報表示パネル100に表示させる。
【0073】
(制御回路の構成)
次に、図7を参照して制御回路150の構成について説明する。図7には、制御回路150の構成と、制御回路150と入力電極部122及び出力電極部123との接続関係を示すブロック図が示されている。図7に示すように、制御回路150は、入力部151と、出力部152と、表示制御部153とを備える。
【0074】
入力部151は、入力電極部122と接続する。具体的に、検出入力電極1221a乃至1221bと、識別入力電極1222a乃至1222bと、制御入力電極1223a乃至1223cと接続し、これらから入力される検出信号と識別信号と画像信号とを表示制御部153に出力する。
【0075】
出力部152は、ICドライバ112a乃至112eと接続する。出力部152は、表示制御部153から出力される信号を、ICドライバ112a乃至112eに出力する。
【0076】
表示制御部153は、情報表示パネル100に表示される所定画像を制御する。また、表示制御部153は、入力電極部122に入力される検出信号と識別信号とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。本実施形態では、表示制御部153が、検出信号が入力される入力電極部122を構成する電極の位置と、識別信号が入力される入力電極部122を構成する電極の位置とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。
【0077】
具体的に、表示制御部153は、入力部151を介して、検出入力電極1221a乃至1221bと、識別入力電極1222a乃至1222bとから、検出信号と識別信号とを入力する。また、表示制御部153は、複数の検出入力電極1221a乃至1221bにおける検出信号が入力された電極の位置を示す番号と、複数の識別入力電極1222a乃至1222bにおける識別信号が入力された電極の位置を示す番号とが一致するか否かを判定する。
【0078】
例えば、表示制御部153は、複数の検出入力電極1221a乃至1221bのそれぞれに電極の位置を示す検出電極番号#1乃至#2を割り当てるとともに、複数の識別入力電極1222a乃至1222bのそれぞれに電極の位置を示す識別電極番号#1乃至#2を割り当てる。表示制御部153は、検出信号が入力された検出電極番号#1又は#2と、識別信号が入力された識別電極番号#1又は#2とが一致するか否かを判定する。
【0079】
表示制御部153は、検出信号が入力された検出電極番号#1又は#2と、識別信号が入力された識別電極番号#1又は#2とが一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。具体的に、表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示領域111に表示するように、出力部152を介して、ICドライバ112a乃至112eに指示する。
【0080】
一方、表示制御部153は、検出信号が入力された検出電極番号#1又は#2と、識別信号が入力された識別電極番号#1又は#2とが一致しないと判定した場合、画像信号を所定画像として表示しない。
【0081】
(情報表示パネルの処理動作)
次に図8を参照して、複数の情報表示パネル100の各々の処理動作について説明する。図8は、情報表示パネル100の処理を示すフローチャートである。
【0082】
ステップS110において、情報表示パネル100の入力電極部122には、駆動装置200から、画像信号と検出信号と識別信号とが入力される。
【0083】
具体的に、入力電極部122では、検出入力電極1221a又は検出入力電極1221bが、検出信号を入力し、識別入力電極1222a又は識別入力電極1222bが、識別信号を入力し、制御入力電極1223a乃至1223cが、画像信号を入力する。
【0084】
ステップS120において、制御回路150では、表示制御部153が、入力部151を介して、検出信号と識別信号とを入力するとともに、検出信号が入力される電極の位置と、識別信号が入力される電極の位置とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。具体的に、表示制御部153は、複数の検出入力電極1221a乃至1221bのそれぞれに電極の位置を示す検出電極番号#1乃至#2を予め割り当てるとともに、複数の識別入力電極1222a乃至1222bのそれぞれに電極の位置を示す識別電極番号#1乃至#2を予め割り当てる。表示制御部153は、検出信号が入力された検出電極番号#1又は#2と、識別信号が入力された識別電極番号#1又は#2とが一致するか否かを判定する。
【0085】
ステップS130において、表示制御部153は、検出信号が入力された検出電極番号#1又は#2と、識別信号が入力された識別電極番号#1又は#2とが一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。
【0086】
一方、ステップS120において、表示制御部153は、検出信号が入力された検出電極番号#1又は#2と、識別信号が入力された識別電極番号#1又は#2とが一致しないと判定した場合、画像信号を所定画像として表示しない。
【0087】
また、入力電極部122の検出入力電極1221aと、出力電極部123の検出出力電極1231bとは、電気的に接続されているため、出力電極部123側に位置する情報表示パネル100#2の識別入力電極1221bに検出信号が入力される。つまり、情報表示装置10では、情報表示パネル100#1の識別入力電極1221aから、情報表示パネル100#2の識別入力電極1221bに、検出信号が入力される電極の位置が、一つ移動される。
【0088】
ここで、2ページ目に位置する情報表示パネル100#2に所定画像を表示させる場合を例に挙げて、以下に情報表示装置10の処理動作を説明する。
【0089】
駆動装置200から送信される識別信号は、情報表示パネル100#1の識別入力電極1222b(識別電極番号#2)に入力される(ステップS110)。ここで、複数の情報表示パネル100#1乃至#2の各々では、識別入力電極1222bと識別出力電極1232bとが電気的に接続されている。よって、情報表示パネル100#1の識別入力電極1222b(識別電極番号#2)に入力された識別信号は、識別出力電極1232bを介して、ほぼ同時に複数の情報表示パネル100#2の識別入力電極1222b(識別電極番号#2)に入力される(ステップS110)。
【0090】
また、駆動装置200から送信される検出信号は、情報表示パネル100#1の検出入力電極1221a(検出電極番号#1)に入力される(ステップS110)。ここで、複数の情報表示パネル100#1乃至#2の各々では、検出入力電極1221aと、検出出力電極1231bとが電気的に接続されている。よって、情報表示パネル100#1の検出入力電極1221a(検出電極番号#1)に入力された検出信号は、検出出力電極1231bを介して、ほぼ同時に情報表示パネル100#2の検出入力電極1221b(検出電極番号#2)に入力される(ステップS110)。
【0091】
2ページ目に位置する情報表示パネル100#2の表示制御部153は、検出信号が入力された検出入力電極1221bの位置を示す番号(検出電極番号#2)と、識別信号が入力された識別入力電極1222bの位置を示す番号(識別電極番号#2)とが、一致するか否かを判定する(ステップS120)。この場合、一致するため、情報表示パネル100#2の表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示する(ステップS130)。
【0092】
一方、1ページ目に位置する情報表示パネル100#1の表示制御部153は、検出信号が入力された検出入力電極1221aの位置を示す番号(検出電極番号#1)と、識別信号が入力された識別入力電極1222bの位置を示す番号(識別電極番号#2)とが、一致するか否かを判定する(ステップS120)。この場合、一致しないため、情報表示パネル100#1の表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示しない。
【0093】
なお、2ページ目以降の情報表示パネル100の検出入力電極は電気的にどこにも接続されない状態になる場合があるので、その場合に特定の信号が入力されたと同等の状態になるように、具体的には所定の抵抗値をもって電源にプルアップまたはプルダウンすべきである。
【0094】
(作用・効果)
本実施形態に係る情報表示装置10では、駆動装置200と複数の情報表示パネル100とを備える。情報表示装置10では、駆動装置200が、複数の情報表示パネル100を重ねて綴るとともに、複数の情報表示パネル100を着脱する着脱機構220を備える。このような情報表示装置10によれば、複数の情報表示パネル100の各々を取り付け又は取り外しすることが可能になる。
【0095】
情報表示装置10では、複数の情報表示パネル100の各々が、所定信号を入力する入力電極部122と、所定信号を出力する出力電極部123とを備える。所定信号は、画像信号と検出信号と識別信号とを含む。
【0096】
複数の情報表示パネル100の各々は、検出入力電極1221aと検出出力電極1231bとが電気的に接続されている。よって、複数の情報表示パネル100の各々では、検出信号の入力される検出入力電極1221a乃至1221bの電極の位置が、複数の情報表示パネル100の各々の順番に応じて異なるように入力される。
【0097】
複数の情報表示パネル100の各々において、制御回路150は、入力電極部122から入力された検出信号と識別信号とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。具体的に、制御回路150において、表示制御部153は、検出信号が入力された検出入力電極1221a又は1221bの位置を示す検出電極番号#1又は#2と、識別信号が入力された識別入力電極1222a又は1222aの位置を示す識別電極番号#1又は#2とが一致するか否かを判定する。表示制御部153は、それぞれの電極番号#1又は#2が一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。
【0098】
このように、情報表示装置10では、情報表示パネル100が、検出信号の入力された電極の位置を示す番号と、識別信号の入力された電極の位置を示す番号とが一致するか否かに応じて、画像信号を所定画像として表示するので、駆動装置200が、表示すべき情報表示パネル100のみに所定画像を表示させることができる。
【0099】
かかる情報表示装置10によれば、複数の情報表示パネル100の各々にページの順番を認識させる処理を実行しなくとも、所望の情報表示パネル100に所定情報を表示させることが可能になる。つまり、かかる情報表示装置10によれば、複数の情報表示パネル100のうち、所望の情報表示パネル100に所定情報を表示させる際の手間を削減し、複数の情報表示パネル100を閲覧する上での利便性を向上させることが可能になる。
【0100】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態に係る情報表示装置10では、複数の情報表示パネル100の各々が、検出信号と識別信号とが入力される電極の位置に応じて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定するように構成されていた。
【0101】
本実施形態に係る情報表示装置10では、複数の情報表示パネル100の各々が、検出信号の入力波形と、識別信号の入力波形とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定するように構成されている。以下に、本実施形態に係る情報表示装置10の構成について、上述した第1実施形態との相違点に着目して説明する。
【0102】
(駆動装置の電極と情報表示パネルの電極の構成)
図9には、本実施形態に係る情報表示装置10において、駆動装置200の着脱機構220と、複数の情報表示パネル100のコネクタ部120との短手方向(Y方向)における断面図が示されている。
【0103】
図9に示すように、本実施形態に係る情報表示装置10では、着脱機構220の駆動装置側電極221が、検出出力電極2211と、識別出力電極2212と、制御出力電極2213a乃至2213eとを備える。
【0104】
検出出力電極2211は、検出信号を出力する。ここで、本実施形態に係る検出信号は、電圧値によって“High”又は“Low”の波形を示す信号である。検出出力電極2211aから出力された検出信号は、複数の情報表示パネル100の各々によって、所定の変換処理が実行されながら、全ての情報表示パネル100に出力される。具体的に、検出信号は、複数の情報表示パネル100の各々によって、“Low”から“High”に波形の遷移するタイミングが所定期間だけ遅延させる処理が繰り返し実行されながら、全ての情報表示パネル100に出力される。
【0105】
識別出力電極2212は、識別信号を出力する。ここで、本実施形態に係る識別信号には、電圧値によって“High”又は“Low”の波形を示す信号である。駆動装置200は、識別出力電極2212から、所定のタイミングで“High”を示す識別信号を出力することによって、画像信号を所定画像として表示すべき情報表示パネル100の順番を指定する。つまり、情報表示パネル100の入力電極部122に入力される識別信号の入力波形は、所定画像を表示すべき情報表示パネル100の順番を識別する。
【0106】
例えば、駆動装置200は、1ページ目に位置する情報表示パネル100#1に所定画像を表示させる場合、情報表示パネル100#1に入力される検出信号の波形がLow”から“High”に遷移するタイミングに併せて、Low”から“High”に遷移する識別信号を識別出力電極2212から出力する。一方、駆動装置200は、2ページ目に位置する情報表示パネル100#2に所定画像を表示させる場合、情報表示パネル100#2に入力される検出信号の波形がLow”から“High”に遷移するタイミングに併せて、Low”から“High”に遷移する識別信号を識別出力電極2212から出力する。このようにして、駆動装置200は、所定のタイミングで“High”に遷移する識別信号を出力することによって、画像信号を所定画像として表示すべき情報表示パネル100の順番を指定する。なお、識別出力電極2212から出力された識別信号は、情報表示パネル100#1を介して、全ての情報表示パネル100に出力される。
【0107】
制御出力電極2213a乃至2213eは、画像信号と制御信号とを出力する。ここで、本実施形態に係る制御信号には、“High”又は“Low”の波形が周期的に遷移する基準クロック信号が含まれる。
【0108】
本実施形態に係る情報表示パネル100では、入力電極部122が、検出入力電極1221と、識別入力電極1222と、制御入力電極1223a乃至1223eとを有する。
【0109】
検出入力電極1221は、検出信号を入力する。識別入力電極1222は、識別信号を入力する。制御入力電極1223a乃至1223eは、画像信号と基準クロック信号とを入力する。
【0110】
出力電極部123は、検出出力電極1231と、識別出力電極1232と、制御出力電極1233a乃至1233eとを有する。
【0111】
検出出力電極1231は、後述する制御回路150において、所定期間だけ遅延された検出信号を出力する。識別出力電極1232は、識別信号を出力する。制御出力電極1233a乃至1233cは、画像信号と基準クロック信号とを出力する。
【0112】
また、図9に示すように、識別入力電極1222と、識別出力電極1232とは、電気的に接続されている。このような構成によって、識別入力電極1222から入力された識別信号は、識別出力電極1232から直接出力される。
【0113】
制御入力電極1223a乃至1223eと制御出力電極1233a乃至1233eとは、それぞれが互いに電気的に接続されている。このような構成によって、制御入力電極1223a乃至1223cから入力された画像信号と基準クロック信号とは、制御出力電極1233a乃至1233eから直接出力される。
【0114】
(制御回路の構成)
次に、図10を参照して本実施形態に係る制御回路150の構成について説明する。図10には、制御回路150の構成と、入力電極部122及び出力電極部123と制御回路150との接続関係を示すブロック図が示されている。
【0115】
図10に示すように、制御回路150は、入力部151と、出力部152と、表示制御部153と、出力制御部154を備える。
【0116】
入力部151は、入力電極部122と接続する。具体的に、入力部151は、検出入力電極1221と、識別入力電極1222と、制御入力電極1223a乃至1223eと接続し、検出信号と識別信号と画像信号とを入力する。
【0117】
出力部152は、検出出力電極1231とICドライバ112a乃至112eと接続する。出力部152は、出力制御部154から出力される検出信号を、検出出力電極1231に出力する。また、出力部152は、表示制御部153から出力される信号を、ICドライバ112a乃至112eに出力する。
【0118】
表示制御部153は、検出信号の入力波形と、識別信号の入力波形とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。
【0119】
具体的に、表示制御部153は、入力部151を介して、検出入力電極1221と、識別入力電極1222と、制御出力電極1223a乃至1223eとから、検出信号と識別信号とを入力する。
【0120】
表示制御部153は、検出入力電極1221における検出信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングと、識別入力電極1222における識別信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングとが、一致するか否かを判定する。
【0121】
表示制御部153は、検出信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングと、識別信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングとが一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。具体的に、表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示領域111に表示するように、出力部152を介して、ICドライバ112a乃至112eに指示する。
【0122】
一方、表示制御部153は、検出信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングと、識別信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングとが一致しないと判定した場合、画像信号を所定画像として表示しない。
【0123】
出力制御部154は、入力電極部122に入力された検出信号の波形を、所定期間だけ遅延させて、遅延させて出力電極部123から出力する。具体的に、出力制御部154は、入力部151に入力された基準クロック信号を入力する。出力制御部154は、D型フリップフロップ回路を有しており、基準クロック信号に基づいて、検出信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングを1クロック(1周期)だけ遅延させる。また、出力制御部154は、出力部152を介して、遅延させた検出信号を検出出力電極1231から出力する。
【0124】
このようにして、複数の情報表示パネル100の各々では、検出信号が出力電極部123から出力される出力タイミングが、入力電極部122に入力された検出信号の入力タイミングよりも所定期間だけ遅延される。なお、本実施形態では、遅延される所定期間を1クロックとするが、これに限定されず、適宜最適な期間を設定することが好ましい。
【0125】
また、本実施形態に係る情報表示装置10では、複数の情報表示パネル100の各々において、検出信号を遅延させる処理が実行されるため、複数の情報表示パネル100の各々の入力電極部122に入力される検出信号の入力波形は、複数の情報表示パネル100の各々の順番に応じて異なるように入力される。
【0126】
(情報表示パネルの処理動作)
次に図11を参照して、本実施形態に係る情報表示パネル100の処理動作について説明する。図11は、情報表示パネル100の処理を示すフローチャートである。
【0127】
ステップS210において、情報表示パネル100の入力電極部122には、駆動装置200から、基準クロック信号と画像信号と検出信号と識別信号とが入力される。
【0128】
具体的に、入力電極部122において、検出入力電極1221に検出信号が入力され、識別入力電極1222に識別信号が入力され、制御入力電極1223a乃至1223eに画像信号及び基準クロック信号が入力される。
【0129】
ステップS220において、制御回路150では、表示制御部153が、検出信号の入力波形と、識別信号の入力波形とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。具体的に、表示制御部153は、入力部151を介して、検出入力電極1221と、識別入力電極1222とから、検出信号と識別信号とを入力する。
【0130】
表示制御部153は、検出入力電極1221における検出信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングと、識別入力電極1222における識別信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングとが、一致するか否かを判定する。
【0131】
ステップS230において、表示制御部153は、一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。
【0132】
ステップS240において、表示制御部153は、一致しないと判定した場合、画像信号を所定画像として表示しない。
【0133】
また、出力制御部154は、入力部151に入力された基準クロック信号を入力する。出力制御部154は、基準クロック信号に基づいて、検出信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングを1クロック(1周期)だけ遅延させとともに、出力部152を介して、遅延させた検出信号を検出出力電極1231から出力する。
【0134】
ここで、図12を参照して、2ページ目に位置する情報表示パネル100#2に所定画像を表示させる場合を例に挙げて、以下に情報表示装置10の処理動作を説明する。図12には、情報表示パネル100に入力される基準クロック信号の波形と検出信号の波形と識別信号の波形の一例が示されている。
【0135】
複数の情報表示パネル100#1乃至#2の各々の識別入力電極1222には、時点t2において“Low”から“High”に遷移する波形の識別信号が入力される(ステップS210)。
【0136】
また、1ページ目に位置する情報表示パネル100#1は、時点t1において“Low”から“High”に遷移する波形の検出信号を入力する(ステップS210)。情報表示パネル100#1の表示制御部153は、検出信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングと、識別信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングとが、一致するか否かを判定する(ステップS220)。この場合、一致しないため、情報表示パネル100#1の表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示しない(ステップS240)。
【0137】
情報表示パネル100#1の出力制御部154は、検出信号の“Low”から“High”に遷移する波形のタイミングを1クロックだけ遅延させることによって、入力波形が時点t2において“Low”から“High”に遷移する検出信号を、検出出力電極1231から出力する(ステップS240)。
【0138】
一方、2ページ目に位置する情報表示パネル100#2の検出入力電極1221は、情報表示パネル100#1によって遅延された検出信号を入力する(ステップS210)。
【0139】
情報表示パネル100#2の表示制御部153は、検出信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングと、識別信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングとが、一致するか否かを判定する(ステップS220)。この場合、時点t2において一致するため、情報表示パネル100#2の表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示する(ステップS230)。
【0140】
なお、上述した実施形態では、表示制御部153は、検出信号の入力波形及び識別信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングが一致するか否かを判定していたが、“High”から“Low”に遷移するタイミングが一致するか否かを判定して、所定画像を表示すべきか否かを判定してもよい。
【0141】
(作用・効果)
本実施形態に係る情報表示装置10では、出力制御部154が、検出入力電極1221から入力された検出信号の“Low”から“High”に遷移する波形のタイミングを1クロックだけ遅延させて、検出出力電極1231から出力する。よって、複数の情報表示パネル100の各々には、検出信号の入力波形の“Low”から“High”に遷移するタイミングが、複数の情報表示パネル100の各々の順番に応じて異なるようにして入力される。
【0142】
複数の情報表示パネル100の各々では、表示制御部153が、検出信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングと、識別信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングと、が一致するか否かを判定する。表示制御部153は、それぞれの入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングが一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。
【0143】
このように、情報表示装置10では、情報表示パネル100が、検出信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングと、識別信号の入力波形が“Low”から“High”に遷移するタイミングとが一致するか否かに応じて、画像信号を所定画像として表示するので、駆動装置200が、表示すべき情報表示パネル100のみに所定画像を表示させることができる。
【0144】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態に係る情報表示装置10では、複数の情報表示パネル100の各々が、識別信号を入力せずに、入力電極部122から入力された検出信号と、予め定められた特定情報とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。
【0145】
以下に、本実施形態に係る情報表示装置10の構成について、上述した第1乃至第2実施形態との相違点に着目して説明する。
【0146】
(駆動装置の電極と情報表示パネルの電極の構成)
図13には、本実施形態に係る情報表示装置10において、駆動装置200の着脱機構220と、複数の情報表示パネル100のコネクタ部120との短手方向(Y方向)における断面図が示されている。
【0147】
図13に示すように、本実施形態に係る情報表示装置10では、着脱機構220の駆動装置側電極221が、検出出力電極2211a乃至2211cと、制御出力電極2213a乃至2213dとを備える。
【0148】
検出出力電極2211a乃至2211cは、検出信号を出力する。ここで、本実施形態に係る検出信号は、検出出力電極2211a乃至2211cの3つの電極に入力されることによって、ビット列データを示す。具体的に、検出出力電極2211a乃至2211cの各々に“High(1)”又は“Low(0)”を示す検出信号が入力される。検出出力電極2211a乃至2211cの各々から、検出信号が入力されることによって、3ビットのビット列データ(例えば、“001”)が示される。
【0149】
また、検出出力電極2211aから出力された検出信号は、複数の情報表示パネル100の各々によって、ビット列データに対して、所定の変更処理が実行されながら、全ての情報表示パネル100に出力される。例えば、検出信号は、複数の情報表示パネル100の各々によって、“000”から“001”にビット列データの値を1ずつ追加する所定の変更処理が繰り返し実行されながら、全ての情報表示パネル100に出力される。
【0150】
制御出力電極2213a乃至2213dは、画像信号と制御信号とを出力する。なお、制御出力電極2213a乃至2213dは、これ以外にも、電源用電力なども出力する。
【0151】
本実施形態に係る情報表示パネル100では、入力電極部122が、検出入力電極1221a乃至1221cと、制御入力電極1223a乃至1223dとを有する。
【0152】
検出入力電極1221a乃至1221cは、検出信号を入力する。制御入力電極1223a乃至1223dは、画像信号と制御信号とを入力する。
【0153】
出力電極部123は、検出出力電極1231a乃至1231cと、制御出力電極1233a乃至1233dとを有する。
【0154】
検出出力電極1231a乃至1231cは、後述する制御回路150において、ビット列データの値を変更された検出信号を出力する。制御出力電極1233a乃至1233dは、画像信号と制御信号とを出力する。
【0155】
なお、図13に示すように、制御入力電極1223a乃至1223cと制御出力電極1233a乃至1233cとは、それぞれが互いに電気的に接続されている。このような構成によって、制御入力電極1223a乃至1223cから入力された画像信号と制御信号とは、制御出力電極1233a乃至1233cから直接出力される。
【0156】
(制御回路の構成)
次に、図14を参照して本実施形態に係る制御回路150の構成について説明する。図14には、制御回路150の構成と、入力電極部122及び出力電極部123と制御回路150との接続関係を示すブロック図が示されている。
【0157】
図14に示すように、制御回路150は、入力部151と、出力部152と、表示制御部153と、出力制御部154と、記憶部155とを備える。
【0158】
入力部151は、入力電極部122と接続する。具体的に、入力部151は、検出入力電極1221a乃至1221cと、制御入力電極1223a乃至1223dと接続し、検出信号と画像信号とを入力する。
【0159】
出力部152は、検出出力電極1231a乃至1231cとICドライバ112a乃至112eと接続する。出力部152は、出力制御部154から出力される検出信号を、検出出力電極1231a乃至1231cに出力する。また、出力部152は、表示制御部153から出力される信号を、ICドライバ112a乃至112eに出力する。
【0160】
記憶部155は、所定画像を表示すべき情報表示パネルを特定する予め定められた特定情報を記憶する。具体的に、記憶部155は、特定情報として、所定のビット列データ(例えば、ビット列データ“001”)を予め記憶している。なお、上述した特定情報は、複数の情報表示パネル100の各々の記憶部155において、共通のビット列データが記憶される。
【0161】
表示制御部153は、入力電極部122から入力された検出信号と、記憶部155に記憶される特定情報とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。具体的に、表示制御部153は、検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを決定する。
【0162】
より詳細に、表示制御部153は、入力部151を介して、検出入力電極1221a乃至1221cから検出信号を入力する。表示制御部153は、検出入力電極1221a乃至1221cに入力された検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとが、一致するか否かを判定する。
【0163】
表示制御部153は、検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとが、一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。具体的に、表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示領域111に表示するように、出力部152を介して、ICドライバ112a乃至112eに指示する。
【0164】
一方、表示制御部153は、検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとが、一致しないと判定した場合、画像信号を所定画像として表示しない。
【0165】
出力制御部154は、入力電極部122から入力された検出信号に対して、検出信号によって検出される順番を一つ変更する所定の変更処理を行って、検出信号を出力電極部123から出力する。具体的に、出力制御部154は、所定の変更処理として、入力電極部122に入力された検出信号によって示されるビット列データを変更し、ビット列データを変更した検出信号を出力電極部から出力する。
【0166】
より詳細に、出力制御部154は、検出入力電極1221a乃至1221cから入力された検出信号のビット列データを取得する。出力制御部154は、所定の変更処理として、取得したビット列データに対して、値を一つ追加するように検出信号を変更する。例えば、出力制御部154は、入力された検出信号によって示されるビット列データ“000”である場合、“001”に変更するように検出信号を出力する。また、出力制御部154は、出力部152を介して、変更した検出信号を検出出力電極1231a乃至1231cから出力する。
【0167】
また、本実施形態に係る情報表示装置10では、複数の情報表示パネル100の各々において、検出信号によって示されるビット列データを変更する所定の変更処理が繰り返し実行されるため、複数の情報表示パネル100の各々の入力電極部122に入力される検出信号によって示されるビット列データは、複数の情報表示パネル100の各々の順番に応じて異なるように入力される。
【0168】
(情報表示パネルの処理動作)
次に図15を参照して、本実施形態に係る情報表示パネル100の処理動作について説明する。図15は、情報表示パネル100の処理を示すフローチャートである。
【0169】
ステップS310において、情報表示パネル100の入力電極部122には、駆動装置200から、画像信号と検出信号とが入力される。具体的に、入力電極部122において、検出入力電極1221a乃至1221cに検出信号が入力され、制御入力電極1223a乃至1223dに画像信号が入力される。
【0170】
このとき、駆動装置200から出力される検出信号は、所定画像を表示すべき情報表示パネル100に記憶される特定情報を考慮して出力される。具体的に、駆動装置200の検出出力電極2211a乃至2211cは、所定画像を表示すべき順番に位置する情報表示パネル100に検出信号が入力される際に、当該情報表示パネル100に記憶されている所定ビット列データと一致するように、逆算されたビット列データを示す検出信号を出力する。
【0171】
ステップS320において、制御回路150では、表示制御部153は、検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。
【0172】
具体的に、表示制御部153は、入力部151を介して、検出入力電極1221a乃至1221cから検出信号を入力する。表示制御部153は、検出入力電極1221a乃至1221cに入力された検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとが、一致するか否かを判定する。
【0173】
ステップS330において、表示制御部153は、検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとが、一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。
【0174】
ステップS340において、表示制御部153は、検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとが、一致しないと判定した場合、画像信号を所定画像として表示しない。
【0175】
また、出力制御部154は、入力部151を介して、検出入力電極1221a乃至1221cから入力された検出信号のビット列データを取得する。出力制御部154は、所定の変更処理として、取得したビット列データに対して、値を一つ追加するように検出信号を変更する。出力制御部154は、出力部152を介して、変更した検出信号を検出出力電極1231a乃至1231cから出力する。
【0176】
ここで、図16を参照して、2ページ目に位置する情報表示パネル100#2に所定画像を表示させる場合を例に挙げて、以下に情報表示装置10の処理動作を説明する。図16には、情報表示パネル100に入出力される検出信号によって示されるビット列データの一例が示されている。なお、以下の例では、情報表示パネル100#1乃至#2の各々の記憶部155に記憶される所定のビット列データは、“001”であることとする。
【0177】
1ページ目に位置する情報表示パネル100#1は、検出入力電極1221a乃至1221cに入力された検出信号を入力する(ステップS310)。情報表示パネル100#1の表示制御部153は、入力された検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとが、一致するか否かを判定する(ステップS320)。この場合、一致しないため、情報表示パネル100#1の表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示しない(ステップS340)。
【0178】
また、情報表示パネル100#1の出力制御部154は、検出信号によって示されるビット列データ(図16の例では、“000”)に対して、値を一つ追加したビット列データ(図16の例では、“001”)を示すように検出信号を変更する。出力制御部154は、出力部152を介して、変更した検出信号を検出出力電極1231a乃至1231cから出力する(ステップS340)。
【0179】
一方、2ページ目に位置する情報表示パネル100#2の検出入力電極1221は、情報表示パネル100#1によって変更されたビット列データ(図16の例では、“001”)を示す検出信号を入力する(ステップS310)。
【0180】
情報表示パネル100#2の表示制御部153は、検出信号によって示されるビット列データ(図16の例では、“001”)と、記憶部155に記憶される所定のビット列データ(図16の例では、“001”)とが、一致すると判定するか否かを判定する(ステップS320)。この場合、一致するため、情報表示パネル100#2の表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示する(ステップS330)。
【0181】
(作用・効果)
本実施形態に係る情報表示装置10では、出力制御部154が、検出入力電極1221a乃至1221cから入力された検出信号によって示されるビット列データの値を1つ追加するように変更して、検出出力電極1231a乃至1231cから出力する。よって、複数の情報表示パネル100の各々には、検出信号によって示されるビット列データが、複数の情報表示パネル100の各々の順番に応じて異なるようにして入力される。
【0182】
複数の情報表示パネル100の各々では、表示制御部153が、検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとが、一致するか否かを判定する。表示制御部153は、検出信号によって示されるビット列データと、記憶される所定のビット列データとが、一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。
【0183】
このように、情報表示装置10では、情報表示パネル100が、入力した検出信号によって示されるビット列データと、記憶部155に記憶される所定のビット列データとが、一致するか否かに応じて、画像信号を所定画像として表示する。よって、駆動装置200は、検出信号を出力する場合、所定画像を表示すべき情報表示パネル100に検出信号が入力される際に、当該情報表示パネル100に記憶されている所定ビット列データと一致するように考慮した検出信号を出力することによって、表示すべき情報表示パネル100のみに所定画像を表示させることができる。
【0184】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態に係る情報表示装置10では、複数の情報表示パネル100の各々が、検出信号の電圧値と、予め定められた所定電圧値とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。
【0185】
以下に、本実施形態に係る情報表示装置10の構成について、上述した第1乃至第3実施形態との相違点に着目して説明する。
【0186】
(駆動装置の電極と情報表示パネルの電極の構成)
図17には、本実施形態に係る情報表示装置10において、駆動装置200の着脱機構220と、複数の情報表示パネル100のコネクタ部120との短手方向(Y方向)における断面図が示されている。
【0187】
図17に示すように、本実施形態に係る情報表示装置10では、着脱機構220の駆動装置側電極221が、検出出力電極2211と、制御出力電極2213a乃至2213fとを備える。
【0188】
検出出力電極2211は、検出信号を出力する。ここで、本実施形態に係る検出信号は、複数の情報表示パネル100の各々によって、所定の変更処理として、検出信号の電圧値が変更されながら、全ての情報表示パネル100に出力される。
【0189】
例えば、検出信号は、複数の情報表示パネル100の各々によって、電圧値を1Vずつ増加される所定の変更処理を繰り返し実行されながら、全ての情報表示パネル100に出力される。
【0190】
制御出力電極2213a乃至2213fは、画像信号と制御信号とを出力する。なお、制御出力電極2213a乃至2213fは、これ以外にも、電源用電力なども出力する。
【0191】
本実施形態に係る情報表示パネル100では、入力電極部122が、検出入力電極1221と、制御入力電極1223a乃至1223fとを有する。検出入力電極1221は、検出信号を入力する。制御入力電極1223a乃至1223fは、画像信号と制御信号とを入力する。
【0192】
出力電極部123は、検出出力電極1231と、制御出力電極1233a乃至1233fとを有する。検出出力電極1231は、後述する制御回路150によって電圧値が変更された検出信号を出力する。制御出力電極1233a乃至1233fは、画像信号と制御信号とを出力する。
【0193】
なお、図17に示すように、制御入力電極1223a乃至1223fと制御出力電極1233a乃至1233fとは、それぞれが互いに電気的に接続されている。このような構成によって、制御入力電極1223a乃至1223fから入力された画像信号と制御信号とは、制御出力電極1233a乃至1233fから直接出力される。
【0194】
(制御回路の構成)
次に、図18を参照して本実施形態に係る制御回路150の構成について説明する。図18には、制御回路150の構成と、入力電極部122及び出力電極部123と制御回路150との接続関係を示すブロック図が示されている。
【0195】
図18に示すように、制御回路150は、入力部151と、出力部152と、表示制御部153と、出力制御部154と、記憶部155とを備える。
【0196】
入力部151は、入力電極部122と接続する。具体的に、入力部151は、検出入力電極1221と、制御入力電極1223a乃至1223fと接続し、検出信号と画像信号とを入力する。
【0197】
出力部152は、検出出力電極1231とICドライバ112a乃至112eと接続する。出力部152は、出力制御部154から出力される検出信号を、検出出力電極1231に出力する。また、出力部152は、表示制御部153から出力される信号を、ICドライバ112a乃至112eに出力する。
【0198】
記憶部155は、予め定められる特定情報として、所定電圧値(例えば、電圧値“2V”)を予め記憶している。なお、上述した特定情報は、複数の情報表示パネル100の各々の記憶部155において、共通の所定電圧値が記憶される。
【0199】
表示制御部153は、検出信号の電圧値と、記憶部155に記憶される所定電圧値とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。
【0200】
具体的に、表示制御部153は、入力部151を介して、検出入力電極1221から検出信号を入力する。表示制御部153は、検出入力電極1221に入力された検出信号の電圧値を測定するとともに、測定した検出信号の電圧値と、記憶部155に記憶される所定電圧値とが、一致するか否かを判定する。
【0201】
表示制御部153は、検出信号の電圧値と、記憶部155に記憶される所定電圧値とが、一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。具体的に、表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示領域111に表示するように、出力部152を介して、ICドライバ112a乃至112eに指示する。
【0202】
一方、表示制御部153は、検出信号の電圧値と、記憶部155に記憶される所定電圧値とが、一致しないと判定した場合、画像信号を所定画像として表示しない。
【0203】
出力制御部154は、入力電極部122から入力された検出信号に対して、検出信号によって検出される順番を増加させる所定の変更処理を行って、入力電極部122に入力された検出信号の電圧値を変更して、検出信号を出力電極部123から出力する。
【0204】
具体的に、出力制御部154は、検出入力電極1221から入力された検出信号の電圧値を取得する。出力制御部154は、所定の変更処理として、検出信号の電圧値を所定量だけ増加するように検出信号を変更する。例えば、出力制御部154は、入力された検出信号の電圧値“1V”を、“2V”に変更する。出力制御部154は、出力部152を介して、変更した検出信号を検出出力電極1231から出力する。このようにして、複数の情報表示パネル100の各々では、一定の規則性を持って電圧値を変更した検出信号が、出力電極部123から出力される。
【0205】
また、本実施形態に係る情報表示装置10では、複数の情報表示パネル100の各々において、検出信号の電圧値を変更する所定の変更処理が繰り返し実行されるため、複数の情報表示パネル100の各々の入力電極部122に入力される検出信号の電圧値は、複数の情報表示パネル100の各々の順番に応じて異なるように入力される。
【0206】
(情報表示パネルの処理動作)
次に図19を参照して、本実施形態に係る情報表示パネル100の処理動作について説明する。図19は、情報表示パネル100の処理を示すフローチャートである。
【0207】
ステップS410において、情報表示パネル100の入力電極部122には、駆動装置200から、画像信号と検出信号とが入力される。具体的に、入力電極部122において、検出入力電極1221に検出信号が入力され、制御入力電極1223a乃至1223fに画像信号が入力される。
【0208】
このとき、駆動装置200から出力される検出信号は、所定画像を表示すべき情報表示パネル100に記憶される所定電圧値を考慮して出力される。具体的に、駆動装置200の検出出力電極2211は、検出信号が情報表示パネル100#2に入力される際に、情報表示パネル100#2の記憶部155に記憶されている所定電圧値と一致するように、逆算された電圧値によって検出信号を出力する。
【0209】
ステップS420において、制御回路150では、表示制御部153は、検出信号の電圧値と、記憶部155に記憶される所定電圧値とに基づいて、画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する。
【0210】
具体的に、表示制御部153は、入力部151を介して、検出入力電極1221から検出信号を入力する。表示制御部153は、検出入力電極1221に入力された検出信号の電圧値を測定するとともに、測定した検出信号の電圧値と、記憶部155に記憶される所定電圧値とが、一致するか否かを判定する。
【0211】
ステップS430において、表示制御部153は、一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。
【0212】
ステップS440において、表示制御部153は、一致しないと判定した場合、画像信号を所定画像として表示しない。
【0213】
また、出力制御部154は、入力部151を介して、検出入力電極1221から入力された検出信号の電圧値を変更して出力する。具体的に、出力制御部154は、検出入力電極1221から入力された検出信号の電圧値を取得する。出力制御部154は、所定の変更処理として、検出信号の電圧値を所定量だけ増加するように検出信号を変更する。出力制御部154は、出力部152を介して、変更した検出信号を検出出力電極1231から出力する。
【0214】
ここで、図20を参照して、2ページ目に位置する情報表示パネル100#2に所定画像を表示させる場合を例に挙げて、以下に情報表示装置10の処理動作を説明する。図20には、情報表示パネル100に入出力される検出信号の電圧値の一例が示されている。なお、以下の例では、情報表示パネル100#1乃至#2の各々の記憶部155に記憶される所定電圧値は、“2V”であることとする。
【0215】
1ページ目に位置する情報表示パネル100#1は、検出入力電極1221a乃至1221cに入力された検出信号を入力する(ステップS410)。情報表示パネル100#1の表示制御部153は、入力された検出信号の電圧値(図20の例では、“1V”)と、記憶部155に記憶される所定電圧値“2V”とが、一致するか否かを判定する(ステップS420)。この場合、一致しないため、情報表示パネル100#1の表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示しない(ステップS440)。
【0216】
また、情報表示パネル100#1の出力制御部154は、検出信号の電圧値(図20の例では、“1V”)に対して、検出信号の電圧値を1Vだけ増加(図20の例では、“2V”)させる。出力制御部154は、出力部152を介して、電圧値を増加した検出信号を検出出力電極1231から出力する(ステップS440)。
【0217】
一方、2ページ目に位置する情報表示パネル100#2の検出入力電極1221は、情報表示パネル100#1によって電圧値が変更された検出信号(図20の例では、“2V”)を入力する(ステップS410)。
【0218】
情報表示パネル100#2の表示制御部153は、検出信号の電圧値(図20の例では、“2V”)と、記憶部155に記憶される所定電圧値“2V”とが、一致するか否かを判定する(ステップS420)。この場合、一致するため、情報表示パネル100#2の表示制御部153は、画像信号を所定画像として表示する(ステップS430)。
【0219】
(作用・効果)
本実施形態に係る情報表示装置10では、出力制御部154が、検出入力電極1221から入力された検出信号の電圧値を所定量(1V)だけ増加して、検出出力電極1231から出力する。よって、複数の情報表示パネル100の各々には、検出信号の電圧値が、複数の情報表示パネル100の各々の順番に応じて異なるようにして入力される。
【0220】
複数の情報表示パネル100の各々では、表示制御部153が、検出信号の電圧値と、記憶部155に記憶される所定電圧値とが、一致するか否かを判定する。表示制御部153は、検出信号の電圧値と、記憶される所定電圧値とが、一致すると判定した場合、画像信号を所定画像として表示する。
【0221】
このように、情報表示装置10では、情報表示パネル100が、入力した検出信号の電圧値と、記憶部155に記憶される所定電圧値とが、一致するか否かに応じて、画像信号を所定画像として表示する。よって、駆動装置200は、検出信号を出力する場合、検出信号が所定画像を表示すべき情報表示パネル100に入力される際に、当該情報表示パネル100に記憶されている所定電圧値と一致するように考慮した検出信号を出力すれば、表示すべき情報表示パネル100のみに所定画像を表示させることができる。
【0222】
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例が明らかとなる。例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
【0223】
例えば、上述した実施形態では、表示媒体は、白色表示媒体及び黒色表示媒体に限られず、他の色の表示媒体であってもよい。表示媒体は、対向する電極に印加した電圧で駆動し、電源からの給電を切断しても表示した情報が保持できる表示メモリ性があるものであればよい。例えば、帯電性粒子を含んだ粒子群を透明な絶縁液体中で駆動させる、マイクロカプセル型の電気泳動方式の情報表示パネルであってもよい。
【0224】
また、帯電性粒子を含んだ粒子群を有色の絶縁液体中で駆動させるタイプの電気泳動方式の情報表示パネルであってもよい。このタイプは、例えば、負帯電性白色粒子で構成した白色表示媒体が、青色のパラフィンオイルなどの有色の絶縁液体とともに隔壁で形成したセル内に封入されている。
【0225】
更に、情報表示パネルとしては、半分ずつ2色かつ異帯電極性に構成した球状粒子を表示媒体として使用するタイプ(例えば、マイクロカプセル内で回転駆動させるツイストボール方式)やコレステリック液晶を駆動させるタイプを使用することができる。なかでも、粒子群を気体中(真空中を含む)で駆動させる方式は、駆動応答速度が速く、表示メモリ性にも優れているので好ましい。
【0226】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0227】
L…突出長、S…空間、W1乃至W2…幅、t1乃至t2…時点、10…情報表示装置、100…情報表示パネル、110…本体パネル部、110a〜110b…縁部、111…表示領域、112a〜112e…ICドライバ、115…位置検出部、120…コネクタ部、121…コネクタ基板、121a…コネクタ表面、121b…コネクタ裏面、122…入力電極部、123…出力電極部、150…制御回路、151…入力部、152…出力部、153…表示制御部、154…出力制御部、155…記憶部、200…駆動装置、210…載置部、211…駆動回路、220…着脱機構、221…駆動装置側電極、320a…表面基板、320b…裏面基板、340a…表面電極、340b…裏面電極、350…隔壁、390B…黒色表示媒体、390W…白色表示媒体、1221…検出入力電極、1221a乃至1221c…検出入力電極、1222a乃至1222b…識別入力電極、1223a乃至1223f…制御入力電極、1223b…制御入力電極、1223c…制御入力電極、1231…検出出力電極、1231a乃至1231c…検出出力電極、1232a乃至1232b…識別出力電極、1233a乃至1233f…制御出力電極、2211a乃至2211c…検出出力電極、2212a乃至2212b…識別出力電極、2213a乃至2213f…制御出力電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示メモリ性を有する複数の情報表示パネルと、前記複数の情報表示パネルに所定信号を出力して、前記複数の情報表示パネルを駆動する駆動装置とを備える情報表示装置であって、
前記駆動装置は、
前記複数の情報表示パネルを重ねて綴るとともに、前記複数の情報表示パネルの各々を着脱する着脱機構を備え、
前記複数の情報表示パネルの各々は、
前記情報表示パネルの一方の面に設けられ、前記駆動装置又は隣接する一方の情報表示パネルから前記所定信号を入力する入力電極部と、
前記情報表示パネルの他方の面に設けられ、隣接する他方の情報表示パネルに前記所定信号を出力する出力電極部と、
前記入力電極部に入力される前記所定信号に基づいて、表示領域に表示される所定画像を制御する制御回路とを備え、
前記所定信号には、所定画像を表示するための画像信号と、前記複数の情報表示パネルの各々の順番を検出するための検出信号とが含まれており、
前記制御回路は、
前記所定画像を表示すべき情報表示パネルを特定する予め定められた特定情報を記憶する記憶部と、
前記入力電極部から入力された前記検出信号と前記特定情報とに基づいて、前記画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定する表示制御部と、
前記入力電極部から入力された前記検出信号に対して、前記検出信号によって検出される順番を一つ変更する所定の変更処理を行って、検出信号を前記出力電極部から出力する出力制御部とを備える
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記入力電極部と前記出力電極部との各々は、複数の電極によって構成されており、
前記入力電極部を構成する複数の電極に入力される前記検出信号は、ビット列データを示し、
前記記憶部は、前記特定情報として、所定のビット列データを記憶しており、
前記表示制御部は、前記検出信号によって示される前記ビット列データと、前記記憶部に記憶される前記所定のビット列データとに基づいて、前記画像信号を所定画像として表示すべきか否かを判定し、
前記出力制御部は、前記所定の変更処理として、前記入力電極部に入力された前記検出信号によって示される前記ビット列データを変更して、前記検出信号を前記出力電極部から出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記特定情報として、所定電圧値を記憶しており、
前記表示制御部は、前記検出信号の電圧値と、前記記憶部に記憶される前記所定電圧値とに基づいて、前記画像信号を前記所定画像として表示すべきか否かを判定し、
前記出力制御部は、前記所定の変更処理として、前記入力電極部に入力された前記検出信号の電圧値を変更して、前記検出信号を前記出力電極部から出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−92629(P2013−92629A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234184(P2011−234184)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】