情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法、情報配信プログラム
【課題】ユーザが所望するコンテンツ情報を容易に取得すること。
【解決手段】車両4が過去に立ち寄った地点に関する情報を路側無線装置3(無線装置)を介して駐車場情報配信サーバ2(情報配信サーバ)に送信する制御部を備える車載器5(情報配信端末)と、路側無線装置3を介して車両4が過去に立ち寄った地点に関する情報を受信し、車両4が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報であって、路側無線装置3で提供されるコンテンツ情報以外のコンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、路側無線装置3を介して車載器5に送信する制御部とを備える駐車場情報配信サーバ2と、を備える駐車場情報配信システム1(情報配信システム)とする。
【解決手段】車両4が過去に立ち寄った地点に関する情報を路側無線装置3(無線装置)を介して駐車場情報配信サーバ2(情報配信サーバ)に送信する制御部を備える車載器5(情報配信端末)と、路側無線装置3を介して車両4が過去に立ち寄った地点に関する情報を受信し、車両4が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報であって、路側無線装置3で提供されるコンテンツ情報以外のコンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、路側無線装置3を介して車載器5に送信する制御部とを備える駐車場情報配信サーバ2と、を備える駐車場情報配信システム1(情報配信システム)とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法、情報配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路などに設けられた路側機と車両に設けられた車載端末などの間で、DSRC(Dedicated Short Range Communications:狭域通信)を利用して、路側機近傍を通過する車両に対して、適切な情報を提供する技術が知られている。たとえば、出願人が以前開示した技術において、ユーザが所望の駐車条件を満たす場所へ自動的に誘導することができる駐車場内経路案内システムがある(特許文献1)。
【0003】
特許文献1で開示した技術は、駐車場管理装置に駐車場情報や駐車場内の通路情報、センサにより検出した空きマス情報を記憶させておき、路側機を介して車載用ナビゲーション装置にそれらの情報を提供するものである。また、車載用ナビゲーション装置側でユーザが駐車する度に駐車情報を蓄積し、自動的に過去に利用した場所や特徴を有する駐車スペースへ経路案内するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−285734号公報(要約など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示した駐車場内経路案内システムには改良の余地が残されている。この駐車場内経路案内システムにおける駐車場管理装置では、特定の駐車場の情報しか記憶されていない。したがって、路側機からは設置されたエリアに応じた駐車場情報もしくは情報提供側が予め定めた駐車場情報をPUSH型の通信方式で配信されることになる。そのため、ユーザは、仮に他の駐車場情報を知りたい場合であっても、他の駐車場に設置される別の路側無線装置と通信するまでは、他の駐車場情報を取得することができない。また、車載用ナビゲーション装置側で蓄積する駐車場情報は特定の駐車場における情報であるため、他の駐車場において、蓄積した駐車場情報を有効に利用することが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザが所望するコンテンツ情報を容易に取得する情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法および情報配信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る情報配信システムは、車両に搭載され、車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、PUSH型の通信方式により配信されるコンテンツ情報を受信する情報配信端末と、PUSH型の通信方式により情報配信端末へコンテンツ情報を配信する無線装置と、無線装置を介して情報配信端末から送信される情報に応じて異なるコンテンツ情報を提供する情報配信サーバと、を有する情報配信システムにおいて、情報配信端末は、情報配信サーバからの要求により、記憶部に記憶された車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を無線装置を介して情報配信サーバに送信する制御部を備え、情報配信サーバは、無線装置を介して車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を受信し、車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、無線装置を介して情報配信端末に送信する制御部を備える。
【0008】
本発明の一側面に係る情報配信サーバは、PUSH型の通信方式により情報配信端末へコンテンツ情報を配信する無線装置に、情報配信端末から送信される情報に応じて異なるコンテンツ情報を提供する情報配信サーバにおいて、情報配信端末から車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を無線装置を介して取得し、緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、無線装置を介して情報配信端末に送信する制御部を備える。
【0009】
本発明の一側面に係る情報配信端末は、車両に搭載され、車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、情報配信サーバからPUSH型の通信方式の無線装置を介してコンテンツ情報を受信する情報配信端末において、情報配信サーバからの要求により、記憶部に記憶された車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を無線装置を介して情報配信サーバに送信し、車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信する制御部を備える。
【0010】
本発明の一側面に係る情報配信方法は、車両に搭載され、車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、コンテンツ情報を提供する情報配信サーバからPUSH型の通信方式の無線装置を介してコンテンツ情報を受信する情報配信端末に用いられる情報配信方法において、情報配信サーバからの要求により記憶部に記憶された車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を無線装置を介して情報配信サーバに送信するステップと、車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信するステップと、を有する。
【0011】
本発明の一側面に係る情報配信プログラムは、コンピュータを、車両に搭載された情報配信端末から車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を無線装置を介して取得し、緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、無線装置を介して情報配信端末に送信する制御手段として機能させるものである。
【0012】
本発明の一側面に係る情報配信プログラムは、コンピュータを、車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を記憶する記憶手段、情報配信サーバからの要求により記憶手段に記憶された車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を所定の記憶領域に記憶し、無線装置を介して情報配信サーバへ送信し、緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信する制御手段として機能させるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、ユーザが所望するコンテンツ情報を容易に取得する情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法および情報配信プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法および情報配信プログラムについて添付図面を参照しながら説明する。以下、本実施例における情報配信システムは、駐車場情報配信システム1として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の説明では、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法および情報配信プログラムについても駐車場情報配信システム1の説明と併せて行なうものとする。また、各図において対応する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
[駐車場情報配信システム1の概要]
図1は、本発明の第1実施形態に係る駐車場情報配信システム1の概要を示すブロック図である。駐車場情報配信システム1は、駐車場情報配信サーバ2、路側無線装置3A,3B、無線アクセスポイント3C、車両4に搭載された車載器5とを主要な構成要素としている。駐車場情報配信システム1は、駐車場情報配信サーバ2から配信される駐車場情報を、路側無線装置3A,3Bまたは無線アクセスポイント3Cを介して車両4に搭載された車載器5に配信するシステムである。
【0016】
駐車場情報配信サーバ2は、図1に示すように、DSRC専用のネットワーク6Aおよび外部ネットワーク6Bを介して路上や駐車場、道の駅などに複数設置された路側無線装置3A、3Bや路上や駐車場以外に複数設置された無線アクセスポイント3Cと接続されている。また、路側無線装置3A、3Bまたは無線アクセスポイント3Cは、DSRC通信機能を備えた車載器5と無線通信可能に構成されている。なお、外部ネットワーク6Bは、インターネット、及びこれに接続された移動体通信網、無線LAN(Local Area Network)、Wimax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの無線通信網を含んでいる。なお、図1における駐車場情報配信サーバ2では、便宜上1つのサーバとして図示しているが、必ずしも一つである必要はなく、複数の駐車場情報配信サーバ2としてもよい。なお、駐車場情報配信サーバ2は、請求項の情報配信サーバに対応し、路側無線装置3A,3B、無線アクセスポイント3Cは請求項の無線装置に対応し、車載器5は請求項の情報配信端末に対応している。以下、各装置について詳細に説明する。
【0017】
[駐車場情報配信サーバ2の構成]
図2は、図1に示す駐車場情報配信サーバ2全体の構成を示すブロック図である。駐車場情報配信サーバ2は、CPU11、ROM12、RAM13、HDD14、入力部15、出力部16、第1の通信制御部17A、第2の通信制御部17B、システムバス18とを主要な構成要素としている。
【0018】
CPU11は、ROM12やHDD14に格納されているプログラムに応じて、各種演算処理を実行するとともに、装置の各部を制御する中央演算処理装置である。なお、CPU11が、ROM12やHDD14に記録されている各種動作を行なうためのプログラムをRAM13に読み出して実行することにより請求項の制御部(情報配信サーバの制御部)が実現される。
【0019】
ROM12は、CPU11が実行する駐車場情報配信プログラム12Aや各種動作を行なうためのプログラム(図示せず)など、書き換える必要のないデータを格納した半導体記憶装置である。駐車場情報配信プログラム12Aは、路側無線装置3A,3Bまたは無線アクセスポイント3Cが設置されるエリアに係わらず、ユーザが所望するエリア内に存在する駐車場情報を提供できるプログラムである。なお、この駐車場情報配信プログラム12Aは、HDD14に記憶されていてもよい。駐車場情報配信プログラム12Aの詳細については後述する駐車場情報配信サーバ2の動作において説明する。
【0020】
RAM13は、CPU11が実行するプログラムを一時的に記憶し、演算処理などを行なうためのワークエリアとして機能する半導体記憶装置である。HDD14は、この駐車場情報配信サーバ2全体の動作制御に必要なOS(Operating System)などのプログラムやナビゲーションをするために必要なデータ(図示せず)などを格納するとともに、路側無線装置3A,3Bまたは無線アクセスポイント3Cを介して車載器5に送信する駐車場情報などを格納している駐車場DB14Aを備えている。
【0021】
入力部15は、キーボード、マウス、入力インタフェースなどを備える。この駐車場情報配信サーバ2の管理者は、この入力部15を用いて種々のデータや指示を入力できる。なお、入力部15は、請求項の入力部に対応している。出力部16は、表示装置などから構成され、データ、メッセージなどを表示することができる。
【0022】
第1の通信制御部17Aと第2の通信制御部17Bは、路側無線装置3A,3Bまたは無線アクセスポイント3Cへ種々の情報を送信したり、路側無線装置3A,3Bまたは無線アクセスポイント3Cが車載器5との交信などにより得た情報を収集したりすることができる。また、図1に示すネットワーク6Aまたは外部ネットワーク6Bを介して他の外部装置(図示せず)と交信し、種々の情報を取得することもできる。システムバス18は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。なお、上述した駐車場情報配信システム1の各装置間の通信処理の詳細については後述する。
【0023】
[路側無線装置3A,3Bの構成]
続いて、路側無線装置3A、3Bについて説明する。図3は、図1に示す路側無線装置3A,3Bの構成例を示す図である。図1に示す路側無線装置3A,3Bは、図3に示す路側無線装置3のように本体装置21とアンテナ22とを主要な構成要素としており、車載器5と駐車場情報配信サーバ2間の情報のやりとりを仲介する処理を行なう装置である。なお、路側無線装置3Aは、DSRC専用の独自プロトコルにより車載器5及び駐車場情報配信サーバ2と通信を行なう。一方、路側無線装置3Bは、IP(Internet Protocol)により車載器5及び駐車場情報配信サーバ2と通信を行なう。
【0024】
図3に示すように、路側無線装置3は、道路脇や道路上方、駐車場、道の駅などに設置されたアンテナ22から、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して近傍に路側エリアZを形成する。この路側エリアZ内にある車両4の車載器5とだけ双方向の狭域無線通信が可能となる。なお、DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲はたとえば数メートルから数十メートルである。路側無線装置3からのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置3がそれぞれ形成する路側エリアZは設置場所に関係なく、ほぼ一定である。以下、路側無線装置3と車載器5間の狭域無線通信を「路車間通信」という場合がある。
【0025】
本体装置21は、CPU、ROM、RAM、HDD(いずれも図示せず)などを備えたコンピュータ端末で構成され、アンテナ22を介して車載器5から受信した情報を、ネットワーク6Aを介して駐車場情報配信サーバ2に転送する。また、本体装置21は、駐車場情報配信サーバ2から送信された駐車場情報などのコンテンツ情報を車載器5へ転送する。なお、以下の説明では、請求項の無線装置に対応する路側無線装置3A、3Bおよび無線アクセスポイント3Cも含めて「路側無線装置3」として説明する。
【0026】
[車載器5の構成]
続いて、車載器5について説明する。図4は、図1に示す車載器5全体の構成を示すブロック図である。車載器5は、図4に示すように制御部31、DSRC通信部32、ナビゲーション部33とを主要な構成要素としている。以下、車載器5の各構成について具体的に説明する。
【0027】
制御部31は、CPUがHDDやROMに記憶されている各種プログラムやデータをRAMに読み出して演算/制御することにより実現され(いずれも図示せず)、後述するDSRC通信部32、ナビゲーション部33のすべての処理を行なう。なお、制御部31は、請求項の情報配信端末の制御部に対応している。
【0028】
DSRC通信部32は、図4に示すように、更に送受信部/変復調部32A、DSRC制御部32B、DSRC−ASL処理部32C、メモリ部32D、ヒューマンマシンインタフェース部32Fとを主要な構成要素とし、路側無線装置3とDSRC通信を行なうことができる。以下、DSRC通信部32の各構成について説明する。
【0029】
送受信部/変復調部32Aは、DSRCプロトコルの物理層に相当するインタフェースを実装し、受信した電波をデジタル変調/復調する(ASK/QSPK)ことができる。DSRC制御部32Bは、DSRCプロトコルのデータリンク層およびアプリケーション層に相当するインタフェースを実装し、路側無線装置3と、5.8GHz帯の無線通信を行なうことができる。また、DSRC制御部32Bは、送信されてきたデータのフレーム内に含まれる識別子(EID)により車載器5内の対応するアプリケーションプログラム(図示せず)を特定することができる。
【0030】
DSRC−ASL処理部32Cは、基本アプリケーション処理およびセキュリティプラットフォームを提供する通信インタフェースを実装し、車載器5にインストールされている各アプリケーション(図示せず)と路側無線装置3との間でDSRC−ASLによる通信制御を行なう。なお、DSRC−ASLは、上述した物理層、データリンク層およびアプリケーション層におけるDSRCプロトコルスタックとアプリケーションプログラムとの橋渡しをする役割を担っており、ASL−ELCP上のASL−NCPを識別するための接続点を設けて、特定のアプリケーションの識別を行なっている。
【0031】
上述した送受信部/変復調部32A、DSRC制御部32BおよびDSRC−ASL処理部32Cにより、IPを用いた通信制御を行なう、いわゆるIP系通信と、IPを用いずその他の通信プロトコルで通信制御を行なう、いわゆる非IP系通信のそれぞれに対して通信インタフェースを提供している。
【0032】
メモリ部32Dは、CPUが実行する基本的なプログラムを格納しているROM、HDD(いずれも図示せず)や、CPUが演算処理を実行する際に、演算途中のプログラムまたはデータを一時的に記憶するRAM(図示せず)などから構成されている。また、メモリ部32Dは、路側無線装置3から送信されてきた各種コンテンツ情報を記録して蓄積することができる。また、メモリ部32Dには、アップリンク用情報生成プログラム32Eが格納されている。このアップリンク用情報生成プログラム32Eは、メモリ部32Dの特定の記憶領域(以下、この特定の記憶領域のことを「アップリンクタグエリア」という)にユーザ所望の駐車場情報を取得するための情報を格納し、それらの情報に基づいて駐車場情報配信サーバ2から駐車場情報を配信させるためのプログラムである。なお、メモリ部32Dは、請求項の記憶部に対応する。アップリンク用情報生成プログラム32Eおよびアップリンクタグエリアの詳細については後述する。
【0033】
ヒューマンマシンインタフェース部32Fは、非IP系通信およびIP系通信に対応したインタフェースを提供する。具体的には、IP系通信に用いるDSRC応用サービスに対応するためのHTTP(Hyper Text Transfer Protcol)ブラウザ(たとえばHTML4.01,CSS1及びCSS2など)、IP系/非IP系通信に用いるDSRC応用サービスに対応するための文字コーデック(たとえばJIS、UNICODEなど),音声コーデック(たとえばTTS,MP3など),画像コーデック(たとえばJPEG、GIFなど),動画コーデック(たとえばMPEG4)などを搭載している。
【0034】
ナビゲーション部33は、図4に示すように、更にナビデータ処理部33A、ヒューマンマシンインタフェース部33B、高精度測位計測部33C、地図データ部33D、操作部33E、表示部33Fとを主要な構成要素としている。ナビゲーション部33は、主にカーナビゲーションシステムとして機能する。
【0035】
ナビデータ処理部33Aは、情報提供制御機能および情報収集機能を有する。情報提供制御機能は、非IP系通信への対応として,優先表示,情報提供判断及び情報蓄積などの情報提供を制御する機能である。情報収集機能は、ナビゲーション部33が保持又は蓄積している車両4内の情報を、DSRC通信部32を通して路側無線装置3へ送信する機能、すなわちアップリンクをする機能である。なお、ヒューマンマシンインタフェース部33Bは、上述したヒューマンマシンインタフェース部32Fと同様の機能であるため、説明を省略する。
【0036】
高精度測位計測部33Cは、GPS(Global Positioning System)受信機やジャイロセンサを有し、それらにより測位計測を行ない,車両4の位置を常に把握する機能を有する。地図データ部33Dは、高精度測位計測部33Cによる車両4の位置にマッチングした現在地の地図データを提供する機能を有する。また、地図データ部33Dは、目的地や経由地まで誘導できる地図データを提供することができる。なお、地図データ部33Dの有する地図データは、メモリ部32Dに記憶されている。操作部33Eは、釦やリモコンによる操作や、表示部33Fの表示画面へのタッチパネル操作、音声指示による操作ができる機能を有する。表示部33Fは、DSRC応用サービスに対応した画面表示案内やスピーカを使用した音声案内を行なうことができる。
【0037】
[マルチコンテンツフォーマットについて]
続いて、駐車場情報配信システム1上でやり取りされるマルチコンテンツフォーマットについて説明する。マルチコンテンツフォーマットとは、ひとつのデータ形式で様々なDSRC応用サービスに対応できるように構成された複合フォーマットのことである。また、マルチコンテンツフォーマットとは、目的に応じて必要な項目(ID)のみで配信コンテンツ情報を構成可能なデータフォーマットでもある。このようなマルチコンテンツフォーマットを利用することで、PUSH型の通信方式で配信するDSRCにおいても、個人の趣味・嗜好などに即した個別配信を可能にしている。また、このマルチコンテンツフォーマットで提供されるコンテンツ情報は、車載器5に一度蓄積され、特定の条件を満たした場合に、再生する仕組みを有している。具体的には、DSRCにより情報を送受信するためには、その特定の通信エリア内に留まっていないと行なうことができなかったが、受信した情報を蓄積して記憶させておくことで、通信エリア外でも情報を再生することが可能となる。更に、地域情報や広告情報などのコンテンツ情報の再生タイミングを設定しておくことで、ユーザのニーズに合わせた情報を配信することを可能にしている。また、マルチコンテンツフォーマットは、配信データ量を抑えて、ネットワークトラフィックを低減することが可能となっている。なお、以下の説明では、車載器5から路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2へ情報を送信することをアップリンクといい、駐車場情報配信サーバ2から路側無線装置3を介して車載器5へ情報を送信することをダウンリンクというものとする。
【0038】
図5は、図1に示す情報配信システム1で用いられるマルチコンテンツフォーマットで編成されたデータ群(以下、このデータ群を「情報グループ」という)を概念的に示した図である。図5に示すように、情報グループ1〜情報グループnまでの複数の情報グループを含むデータが、路側無線装置3から車載器5へ送信されてくる。これらの複数の情報グループそれぞれには、基本的な情報が含まれている。すなわち、ID=00,ID=01などの基本的な情報と、他の区分項目であるIDなどの情報から構成されている。これらの情報グループは、必ずしも全ての区分IDの情報を含んでいる訳ではなく、必要なものだけ含んで送信されてくる。
【0039】
したがって、このマルチコンテンツフォーマットは、受信後に配信された順番通りにデータを再生する以外に、カーナビゲーションの機能と連動して特定の場所でコンテンツ情報を再生することや、特定の場所への誘導も可能となっている。
【0040】
また、車載器5が、データの配信元を考慮して動作することが可能なため、スパム防止にも役立つ。マルチコンテンツフォーマットは、車載器5から駐車場情報配信サーバ2へのアップリンクすることも可能となっている。また、マルチコンテンツフォーマットは、車載器5に設定されている目的地や立ち寄り地の情報を始め、行動履歴や配信されたコンテンツ情報の視聴履歴を採ることも可能となっている。
【0041】
[コンテンツ情報のデータ構成]
続いて、マルチコンテンツフォーマットに従ったコンテンツ情報のデータ構成について、具体的に説明する。図6は、図5で示したマルチコンテンツフォーマットに従った配信データに含まれるコンテンツ情報に基づき表示される画面遷移例を示す図である。図7は、図5で示したマルチコンテンツフォーマットに従った配信データに含まれるコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す図である。
【0042】
図6に示す各画面D1〜D6は、それぞれ1つのコンテンツ情報に基づいて表示される画面である。1つのコンテンツ情報は、図7に示すようなID=00〜ID=256により分類される情報が格納可能なファイルにより構成され、提供するコンテンツ情報の内容に応じて必要な情報が格納されている。たとえば、図6の画面D6を表示するためのコンテンツ情報には、ID=01、02、04、10の情報が必要であるため、ID=01、02、04、10の情報を含んで送信されてくる。また、図6の画面D1〜D5のそれぞれを表示するためのコンテンツ情報には、ID=02の「嗜好データカテゴリ」、ID=10の「対象地点座標」、「対象地点表示用テキスト」、「URL」、「提携駐車場情報」、「アイコン表示画像データ」などは必要ではないため、これらの情報は送信されてこない。なお、これらのコンテンツ情報は、サービス事業者ごとにID=00〜ID=256までのデータ形式に従って異なるコンテンツ情報が駐車場情報配信サーバ2のHDD14にそれぞれ格納されている。
【0043】
続いて、ID=00〜ID=256に分類される情報のうち、本実施の形態に必要な主要な情報について説明する。図8〜図13は、図1に示す路側無線装置3から車載器5に対してダウンリンクする際の主要なIDのデータ形式を示す図である。
【0044】
図7に示すID=00に分類される「構成ID」情報は、図8に示すように、配信するコンテンツ情報に含まれているID情報を記載するデータ領域である。ID=00のデータ形式には、図8に示すように「情報バイト数」と「項目有無情報」とを有する。「情報バイト数」は、ID=00の全体のデータ量を示すデータ領域である。これにより、車載器5側で受信可能なデータであるか否かを判定することもできる。「項目有無情報」は、情報を構成するIDを小さい順に2バイト単位で記述できるデータ領域である。ここに、配信コンテンツ情報に含まれるIDすべてが記載されている。
【0045】
図7に示すID=01に分類される「事業者」情報は、図8に示すように、当該コンテンツ情報を配信するサービス事業者に関する情報である。ID=01のデータ形式には、図8に示すようにコンテンツ情報を提供するサービス事業者の「サービス事業者コード」、「サービス事業者表音文字列」などが含まれる。
【0046】
図7に示すID=02に分類される「コンテンツ属性」情報は、当該コンテンツ情報の属性を示す情報であり、図示しないが、たとえばコンテンツ情報を提供する情報提供企業の「情報提供企業コード」、「情報提供企業名表示用テキスト」、コンテンツ情報を特定するための「情報コード」、コンテンツ情報の内容を示す「情報タイトル表示用テキスト」、コンテンツ情報のカテゴリを示す「嗜好データカテゴリ情報」などが含まれる。なお、このコンテンツ情報は、階層構造をなしており(たとえば、図6においては、最上位からD1→D2→D3→D4→D5→D6)、本実施の形態においては、情報コードにより、各コンテンツ情報の階層を識別可能となっている。
【0047】
図7に示すID=10に分類される「対象地点」情報は、図9に示すように、当該コンテンツ情報により案内されるサービスが提供される地点(対象地点という)に関する情報や当該コンテンツ情報の実データを含んでいる。「対象地点」情報は、対象地点の緯度経度を示す「対象地点座標」、対象地点で提供されるサービスや店舗の名称を示す「対象地点表示用テキスト」、サービスの説明用テキスト情報である「表示用文字データ」、サービス案内を表示するための「表示画像データ」、サービスの音声案内のための「表音文字列データ」及び「圧縮音声データ」、当該コンテンツ情報の内容に関連する情報を提供するWebページの格納場所のアドレスを示す「URL情報」、対象地点以外の提携駐車場を示す「提携駐車場情報」、対象地点を地図画面上に表示する際の「アイコン表示画像データ」などが含まれる。なお、図示しないが、これらのコンテンツ情報が提供される地点(情報提供地点)は、ID=20として配信されてくる。
【0048】
図7に示すID=30に分類される「遷移情報」は、画面遷移情報などが含まれる。この情報により、上述したような画面遷移を行なうことができる。図7に示すID=40に分類される「詳細情報」は、図10に示すように、詳細情報が書き込める汎用的な領域が含まれる。「詳細情報」とは、たとえば、このID=40と共に配信されてきた情報に関連した情報や付随した情報のことである。車載器5は、この詳細情報に記載された情報(詳細情報1〜8)を受信すると、詳細情報に含まれるコピーコントロールフラグを判断してその内容を後述するアップリンクの会員情報1〜8(図14参照)に記述し、アップリンク時に路側無線装置3に通知する。
【0049】
図7に示すID=50に分類される「駐車場情報」には、図11に示すように主に各種の駐車場に関連する情報が駐車場1〜駐車場15まで含まれている。具体的には、各「駐車場情報」には、最新の駐車場情報の有無がわかる「最新駐車場情報有無フラグ」、最大15箇所まで登録できる「駐車場満空情報数」、当該駐車場を一意に識別できる「駐車場ID」、駐車場の入出庫可能時刻や初期料金、追加料金などがわかる「駐車場情報設定」、最大15箇所の入口と、入口毎の空き台数情報や更新時刻などがわかる「駐車場満空情報等」が含まれる。
【0050】
図7に示すID=51に分類される「駐車場追加更新情報」は、図12に示すようにID=50で配信された駐車場の静的な情報が含まれる。具体的には、「3次メッシュ数」、「3次メッシュ1」、「駐車場ID」、「駐車場中心座標」、「入口数」、「入口1〜15」、「名称」、「収容台数」、「駐車場形式」、「車両制限」、「設備状況」などが含まれている。ここで、3次メッシュとは、たとえば、JIS X0410で規定される地域メッシュコードに関連付けられている所定の地域のことである。なお、3次メッシュはJIS X0410以外で規定されているコードに関連付けられている所定の地域であってもよい。「3次メッシュ数」は、3次メッシュの数を示しており、その数量により「3次メッシュ1、3次メッシュ2・・・」とそれぞれ表現される。そして、それらの3次メッシュ毎に「駐車場ID」、「駐車場中心座標」、「入口数」、「入口1〜15」、「名称」、「収容台数」、「駐車場形式」、「車両制限」、「設備状況」が記録されている。「駐車場ID」には駐車場が一意に識別できる数値等が記録されている。「駐車場中心座標」は、その駐車場の緯度/経度情報や3次メッシュコード(上述のJIS X0410で規定される地域メッシュコードに相当)が記録されている。「入口数」はその駐車場が有している入口の数であり、その入口数により「入口1〜15」が記憶されている。「入口1〜15」には右折進入可否やその入口の緯度/経度情報などが記録されている。「名称」にはその駐車場の名称が記録されている。「収容台数」には、その駐車場の収容台数が記録されている。「駐車場形式」には、駐車場の構造(平地、立体、地下、屋上など)や様式(自走、機械、ターンテーブル有りの機械、二段式、多段式)などが記録されている。「車両制限」には、車両制限の有無がわかる「車両制限有無」や、には、車高制限、車幅制限、車長制限、車重制限などの数値が記録されている「車両制限」が含まれている。また、「設備状況」には、身障者専用、女性専用、RV車専用、バイク用などの駐車スペースの有無、バリアフリー対応(エレベータの有無、スロープの有無,段差の有無)、トイレの有無など各種の駐車場情報が記録されている。
【0051】
図7に示すID=80に分類される「嗜好データ」は、図13に示すように、「同一内ID内情報提供件数」、「嗜好データバージョン情報」、「嗜好データ1〜127」などが含まれる。「嗜好データ」とは、車載器5を利用しているユーザの行動履歴や選択した趣味・嗜好が、蓄積されたまたは記憶されたデータのことである。この嗜好データ領域については、サービス事業者ごとに自由に構成を変更することができる領域である。この嗜好データに基づいてユーザが望むコンテンツ情報配信を行なうため、配信したコンテンツ情報の利用率の向上が望め、車載器5の利用者満足度の向上にもつなげることができる。
【0052】
[アップリンクタグエリアについて]
続いて、車載器5が路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2へ送信する情報を格納するアップリンクタグエリアについて説明する。図14は、図1に示す車載器の特定の記憶領域に記憶されるアップリンクタグエリアのデータ形式を示す図である。図14に示すアップリンク情報には、「基本情報」、「累計走行距離」、「嗜好ジャンルテーブルバージョン」、「嗜好ジャンルデータ」、「会員情報」、「過去立ち寄り地」などが含まれる。なお、図14に示すアップリンク情報は、個人情報として扱われる可能性のある情報が含まれるため、利用者の設定によりサービス事業者が利用者と契約を交わしていることの確認が行われた後に、アップリンクを行なうことが望ましい。
【0053】
図14に示す「基本情報」には、サービス事業者コードや車載器5に設定されている「目的地」と「経由地」の緯度/経度情報が含まれる。車載器5に設置されている「目的地」の緯度/経度情報を元に、目的地方面の情報提供を行ったり、目的地方面の情報提供地点(DSRC通信が可能な場所)などの情報を配信したりすることが可能である。また、車載器5に設定されている「経由地」の緯度/経度は、最大5箇所まで登録可能であり、車載器5に設置されている経由地の緯度/経度情報を元に、経由地方面の情報提供を行ったり、経由地方面の情報提供地点(DSRC通信が可能な場所)などの情報を配信したりすることが可能である。
【0054】
図14に示す「累計走行距離」には、車両4に車載器5が搭載された時点からの走行距離が記憶される。なお、車両4の走行開始時点からの走行距離が記憶される項目を設けても良い。「嗜好ジャンルテーブルバージョン」は、車載器5が蓄積/アップリンクした嗜好ジャンルデータのバージョンが分かるので、アップリンクされた嗜好ジャンルデータ解析に利用できる。なお、路側無線装置3は、嗜好ジャンルテーブルを更新する際に、利用者の煩わしさ低減のため、旧バージョンの嗜好データの設定値を新バージョンの嗜好ジャンルテーブルの設定値に反映することが好ましい。
【0055】
図14に示す「嗜好ジャンルデータ」には、サービス事業者により最大96項目(内12項目は公共情報提供サービス用にリザーブ)の嗜好ジャンルテーブルを自由に設定することができる。サービス事業者の事業内容に応じて、利用者の嗜好に合わせて細分化した情報提供が可能となるため、配信した情報の再生率向上が見込まれる。なお、このテーブルは、サービス事業者が作成して、路側無線装置3を介して送信されるものである。
【0056】
図14に示す「会員情報」には、基本的にはダウンリンクのID=40で配信された詳細情報1〜8と同一内容を会員情報1〜8に記録することができる。
【0057】
図14に示す「過去立ち寄り地」には、車両4が過去に駐車した地点を最大82箇所まで過去立ち寄り地情報として記憶することができる。「過去立ち寄り地情報」には、「サービス事業者コード」、「立ち寄り地数識別フラグ」、「過去立ち寄り地1〜82」が含まれている。「サービス事業者コード」には、ユーザが契約しているサービス事業者を一意に識別する情報が記述されている。なお、過去立ち寄り地はサービス事業者と契約した時点からそれぞれ記憶されていく。また、ここでいう過去立ち寄り地として登録される基準は、車載器5の電源が切断された時点での緯度/経度である。なお、駐車場情報配信サーバ2へアップリンクするまでに82箇所以上の駐車があった場合には最も古い時点に記録された地点から上書きするようにすることが好ましい。「立ち寄り地数識別フラグ」は、過去立ち寄り地数がいくつあるかを記述しているデータ領域である。「過去立ち寄り地1〜82」は過去に立ち寄った地点の詳細情報が記述してあるデータ領域である。「過去立ち寄り地1〜82」には、登録時点を示す「年月日時分秒」、日本測地系もしくは世界側地系を示す「側地系識別フラグ」、過去立ち寄り地点の詳細な緯度及び経度情報を記述される「緯度」および「経度」が含まれているデータ領域である。
【0058】
[路車間通信について]
続いて、路車間通信で行なわれるトランザクションについて説明する。図15は、図1に示す車載器5と路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2との間で行なわれる路車間通信のトランザクションを示す図である。この図15に示すトランザクションは、車載器5に電源が投入された時から、図3に示す路側無線装置3の通信エリアZ内に車載器5が進入し(以下、この進入時点を「エリアイン」という)、車載器5が通信エリアZ外に移動する時(以下、この時点を「エリアアウト」という)までの各部の通信処理を示すものである。以下、各ステップについて説明する。
【0059】
ステップS1:車載器5の一部であるナビゲーション部33およびDSRC通信部32は、車載器5の電源が投入されると、ナビゲーション部33からDSRC通信部32にクライアントインフォメーションデータが書き込まれる。ここで、クライアントインフォメーションデータとは、通信エリアZ内にいる車載器5が再生可能なコンテンツ情報の種類や、車載器5が搭載するコンテンツ再生アプリケーションなどの情報が含まれている。また、車載器5が対応可能な言語情報、ナビゲーション部33の有する測地系情報(日本または世界の測地系情報)、対応可能なDRM(Digital Rights Managemaent)、搭載している表示部(ディスプレイ)の解像度、蓄積可能なデータ量などもサプリメントインフォメーションとしてクライアントインフォメーションデータと合わせて通知が可能となっている。
【0060】
ステップS2:車載器5を搭載した車両がエリアインすると、路側無線装置3と車載器5の間で個別PUSH型の通信を確立すべく、DSRC接続処理(たとえば、DSRC−SPFにおける認証処理)が行なわれる。なお、DSRC接続処理の詳細については、省略する。
【0061】
ステップS3:路側無線装置3とDSRC通信部32は、DSRC接続処理が完了すると、駐車場情報配信サーバ2およびナビゲーション部33に対してそれぞれDSRC接続通知を行なう。
【0062】
ステップS4:DSRC通信部32は、路側無線装置3に対してナビゲーション部33により書き込まれたクライアントインフォメーションデータを送信する。また、路側無線装置3は、上述したクライアントインフォメーションデータを駐車場情報配信サーバ2に通知することができる。なお、このステップS4は、クライアント情報通知コマンドに相当する。
【0063】
ステップS5:駐車場情報配信サーバ2は、ステップS4で通知されたクライアントインフォメーションデータに基づき、車載器5自体を一意に識別することができるASL−IDを用いた会員判別や、その車載器5が有する機能情報を解析して、車載器5に適したコンテンツ情報をマルチコンテンツフォーマットで編成して、路側無線装置3に受け渡す。駐車場情報配信サーバ2は、これらのクライアントインフォメーションデータから車載器5で再生可能なコンテンツ情報や車載器5が保有する機能が分かるため、最適なコンテンツ情報を編成して配信することが可能となる。また、駐車場情報配信サーバ2は、車載器ID通知コマンドなどを用いることにより、車載器5固有のIDを取得することも可能であるため、車載器5を特定することが可能となる。また、たとえば、駐車場情報配信サーバ2および/または路側無線装置3において、保有する顧客DB(図示せず)などと車載器5の固有IDを照合するにより、車載器5の搭載された車両4を特定することも可能となる。路側無線装置3は、受け取ったコンテンツ情報を車載器5のDSRC通信部32へ配信する。DSRC通信部32は、ナビゲーション部33にそのコンテンツ情報を配信する。なお、ASL−IDなどによる会員判別の詳細については、省略する。
【0064】
ステップS6:駐車場情報配信サーバ2は、ステップS5の処理以降、路側無線装置3を介して、特定の記憶領域であるアップリンクタグエリアに情報が書き込まれていないかを確認するため、車載器5に対して定期的にポーリングを行なう。このポーリングによりアップリンクタグエリアに情報が書き込まれている場合には、その情報を取得し、書き込まれていない場合には、更にポーリングを続ける。
【0065】
ステップS7:ナビゲーション部33は、ステップS5で受け取ったコンテンツ情報からサービス事業者を判別して、そのサービス事業者用のアップリンク用データをDSRC通信部32の特定の記憶領域としてのアップリンクタグエリアに書き込む。ただし、ナビゲーション部33は、そのサービス事業者用のアップリンク用データが存在しない場合や、そのサービス事業者の非会員である場合にはそのアップリンクタグエリアには原則として書き込まない。
【0066】
ステップS8:DSRC通信部32は、ステップS7において特定の記憶領域としてのアップリンクタグエリアに情報が書き込まれた場合には、その情報を路側無線装置3に通知する(以下、このステップにて処理する情報を「アップリンク情報」という)。路側無線装置3は、そのアップリンク情報を駐車場情報配信サーバ2へ受け渡す。
【0067】
ステップS9:駐車場情報配信サーバ2は、ステップS8の処理以降、路側無線装置3を介して、特定の記憶領域としてのアップリンクタグエリアに情報が更新されていないか、定期的にポーリングを行なう。このポーリングにより特定の記憶領域としてのアップリンクタグエリアの情報が更新されている場合には、その情報を取得し、更新されていない場合には、更にポーリングを続ける。
【0068】
ステップS10:駐車場情報配信サーバ2は、ステップS8によって、アップリンク情報を取得したときは、その情報に基づき、会員嗜好に適したコンテンツ情報をマルチコンテンツフォーマットで編成して、路側無線装置3に配信する。路側無線装置3は、配信されたコンテンツ情報をDSRC通信部32に逆配信する。DSRC通信部32は、配信されたコンテンツ情報を解析してナビゲーション部33に適宜データを送信する。
【0069】
ステップS11:駐車場情報配信サーバ2は、嗜好データに適したコンテンツ情報の配信が終了したときは、その旨をDSRC通信部32に対して通知してエリアアウトを促す。これは、1台の車両が長時間にわたり通信エリアを占領すると、他の会員へのサービスが提供できなくなるためである。しかし、このエリアアウトを促す通知を行なわないようにしてもよい。
【0070】
[車載器5のアップリンク処理]
続いて、車載器5が行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク処理(図15のステップS7に相当)について詳細に説明する。図16は、図1に示す車載器5が行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク処理を示すフローチャートである。
【0071】
START:車載器5の制御部31は、車載器5の電源がONになるとメモリ部32Dに記憶されているアップリンク用情報生成プログラム32Eを読み出して、ステップS21の処理へ移行する。なお、以下の処理は、アップリンク用情報生成プログラム32Eのアルゴリズムに従って実行される。
【0072】
ステップS21:車載器5の制御部31は、車両4の過去立ち寄り地情報が車載器5のメモリ部32Dに記憶(保存)されているか否かを判定する。車載器5の制御部31は、車両4の過去立ち寄り地情報が車載器5のメモリ部32Dに記憶されている場合(ステップS21でYES)には、ステップS22の処理へ移行する。一方、車載器5の制御部31は、車両4の過去立ち寄り地情報が車載器5のメモリ部32Dに記憶されていない場合(ステップS21でNO)には、ステップS23の処理へ移行する。
【0073】
ステップS22:車載器5の制御部31は、車両4の過去立ち寄り地情報が車載器5のメモリ部32Dに記憶されていると、メモリ部32Dの特定の記憶領域であるアップリンクタグエリアに過去立ち寄り地に関する情報を書き込んで、ステップS23の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、「基本情報」のアップリンクタグエリアに「過去立ち寄り地」に関する情報を記憶して、ステップS23の処理へ移行する。
【0074】
ステップS23:車載器5の制御部31は、過去立ち寄り地以外の情報をメモリ部32Dの特定の領域であるアップリンクタグエリアに書き込んで、ステップS24の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、たとえば、「累積走行距離」、「目的地」や「経由地」などの情報をアップリンクタグエリアに記憶して、ステップS24の処理へ移行する。なお、このステップS23は、アップリンクタグエリアに書き込むべき情報がない場合には、そのままステップS24の処理へ移行してもよい。
【0075】
ステップS24:車載器5の制御部31は、アップリンクタグエリアに記録されているコンテンツ情報を、路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2へアップリンクして、処理を終了する(END)。
【0076】
このような処理とすることで、ユーザが所望する過去立ち寄り地付近の駐車場情報を取得することが可能となる。
【0077】
[駐車場情報配信サーバ2の駐車場情報配信処理]
続いて、駐車場情報配信サーバ2が車載器5に対して行なう駐車場情報配信処理(図15のステップS10に相当)について説明する。図17は、図1に示す駐車場情報配信サーバ2が図16に示すアップリンク処理を行なった車載器5に対して過去立ち寄り地周辺の駐車場情報を配信する処理を示すフローチャートである。
【0078】
START:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、駐車場情報配信プログラム12AをROM12からRAM13に読み出して、ステップS31の処理へ移行する。なお、以下の処理は、駐車場情報配信プログラム12Aのアルゴリズムに従って実行される。
【0079】
ステップS31:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、車載器5からアップリンク情報を受信したか否かを監視する。駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、車載器5からアップリンク情報を受信した場合(ステップS31でYES)には、ステップS32の処理へ移行する。一方、駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、車載器5からアップリンク情報を受信しない場合(ステップS31でNO)には、処理を終了する(END)。
【0080】
ステップS32:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、受信したアップリンク情報から立ち寄り地数識別フラグの値を取得して立ち寄り地変数Nに代入し、ステップS33の処理へ移行する。なお、立ち寄り地数識別フラグの値が0である場合には、立ち寄り地情報が記憶されていないと判定して、処理を終了してもよい(END)。
【0081】
ステップS33:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、立ち寄り地数判定変数Iに1を代入してステップS34の処理へ移行する。
【0082】
ステップS34:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、立ち寄り地毎に駐車場情報を抽出するための判定を行なう。具体的には、駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、立ち寄り地変数Nが、立ち寄り地数判定変数I以上である場合(ステップS34でYES、つまりI≦Nとなる場合)には、駐車場情報を抽出するためにステップS35の処理へ移行する。一方、駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、立ち寄り地変数Nが、立ち寄り地数判定変数Iより小さい場合(ステップS34でNO、つまりI>N)にはアップリンクした車載器5に駐車場情報を配信するためにステップS39の処理へ移行する。
【0083】
ステップS35:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、N個の過去立ち寄り地のうちまだ駐車場情報を抽出していない立ち寄り地の緯度/経度情報を取得して、ステップS36の処理へ移行する。なお、N個すべての立ち寄り地の駐車場情報が抽出されていない場合には、図14に示す過去立ち寄り地1から順番にN番目までの過去立ち寄り地の緯度/経度情報を取得してもよいし、逆にN番目の過去立ち寄り地から順番に過去立ち寄り地1の緯度/経度情報まで取得するようにしてもよい。なお、過去立ち寄り地の緯度/経度情報は、車載器5からアップリンクされた情報から取得してもよいし、駐車場IDなどのキーとして駐車場DB14Aから取得してもよい。
【0084】
ステップS36:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、HDD14に格納されている駐車場DB14Aを参照して過去立ち寄り地の緯度/経度が含まれるメッシュを選択して、ステップS37の処理へ移行する。なお、ここで言うメッシュとは、地図データを緯度・経度に基づいてほぼ同じ大きさに分けた網の目の3次メッシュのことを指しており、たとえば、JIS X0410で規定される地域メッシュコードに関連付けられた所定の地域である。なお、駐車場DB14Aには、駐車場配信サーバ2を利用する複数のサービス事業者が提供する日本国内の駐車場情報が複数格納されており、目的地の緯度/経度情報を含むメッシュに存在する駐車場を検索して抽出することが可能となっている。
【0085】
ステップS37:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、ステップS36で抽出した駐車場情報をRAM13に一時的に記憶して、ステップS38に移行する。具体的には、ID=50に分類されるコンテンツ情報がRAM13に一時的に記憶される。
【0086】
ステップS38:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、立ち寄り地数判定変数Iに1を加算してステップS34の判定処理へ戻る。
【0087】
ステップS39:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、ステップS34の判定において、全ての立ち寄り地周辺の駐車場情報を抽出する(ステップS34でNO)と、路側無線装置3を介して車載器5へ抽出したすべての駐車場情報を配信して処理を終了する(END)。具体的には、駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、過去立ち寄り地の緯度/経度を含むメッシュと一致する駐車場更新情報(図12に示すID=51の情報)と、当該メッシュ内に存在する駐車場情報(図11に示すID=50の情報)とを車載器5へ配信して、ステップS37の処理へ移行する。なお、本実施形態では、過去立ち寄り地の緯度/経度を含むメッシュに存在するID=50の駐車場情報(動的な駐車場情報)と共に、当該メッシュコードと一致するID=51の駐車場情報(静的な駐車場情報)をすべて配信しているが、当該メッシュコードが一致するID=51の駐車場情報(静的な駐車場情報)を駐車場DB14Aより抽出し、抽出されたID=51の駐車場情報と、そのID=51の駐車場情報に対応するID=50の駐車場情報(動的な駐車場情報)とを送信するようにしてもよい。このような配信方法とすることで、静的な駐車場情報に基づいて動的な駐車場情報が配信されることとなるため、仮に駐車場がなくなっていた場合であっても、なくなった駐車場の過去における動的な駐車場情が配信されることがなくなり、整合性をとることができる。
【0088】
このような処理を採用することで、駐車場情報配信サーバ2は、車載器5から送信される車両4の過去の立ち寄り地に関する情報を利用することで、過去の立ち寄り地周辺の駐車場情報を配信することができる。言い換えると、ユーザは、所望する過去の立ち寄り地付近の駐車場情報を容易に取得することができる。
【0089】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る駐車場情報配信システム1Aについて説明する。この駐車場情報配信システム1Aは、図1に示す駐車場情報配信システム1の場合と比較して、車載器5のメモリ部32Dに格納されているアップリンク用情報生成プログラム32Eがアップリンク用情報生成プログラム32Gに置換されており、それに基づく動作の一部が異なっている。このアップリンク用情報生成プログラム32Gは、過去立ち寄り地付近の駐車場情報をすべて配信するのではなく、過去立ち寄り地付近の駐車場情報であってユーザが所望する駐車場情報を配信するプログラムである。なお、アップリンク用情報生成プログラム32Gの詳細については、車載器5Aが行なうアップリンク処理の動作と共に説明する。また、図1に示す駐車場情報配信システム1と対応する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0090】
車載器5Aが行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク(図15のステップS7に相当)について詳細に説明する。図18は、本発明の第2実施形態の車載器5Aが行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク処理を示すフローチャートである。
【0091】
START:車載器5Aの制御部31は、車載器5Aの電源がONになるとアップリンク用情報生成プログラム32Gを読み出して、ステップS41の処理へ移行する。なお、以下の処理は、アップリンク用情報生成プログラム32Gのアルゴリズムに従って実行される。
【0092】
ステップS41:車載器5Aの制御部31は、メモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地にユーザが所望する情報が保存されているか否かを監視する。車載器5Aの制御部31は、メモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地にユーザが所望する情報が保存されている場合(ステップS41でYES)には、ステップS42の処理へ移行する。一方、車載器5Aの制御部31は、メモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地にユーザが所望する情報が保存されていない場合(ステップS42でNO)には、ステップS43の処理へ移行する。なお、ここでユーザが所望する情報を取得する方法については、たとえば、表示部33Fに過去立ち寄り地に関する情報を表示させて、車載器5Aの操作部33Eによりユーザに選択させたり、所望する情報について緯度/経度を直接入力させたりすることで取得することができる。なお、ユーザが所望する情報を取得できれば上記以外の方法でもよい。
【0093】
ステップS42:車載器5Aの制御部31は、メモリ部32Dに記憶されているユーザが所望する過去立ち寄り地にユーザが所望する情報が保存されていると、メモリ部32Dの特定の領域であるアップリンクタグエリアに過去立ち寄り地に関する情報を書き込んで、ステップS43の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、「過去立ち寄り地」情報のアップリンクタグエリアにユーザが所望する過去立ち寄り地に関する情報を記憶して、ステップS43の処理へ移行する。
【0094】
ステップS43:車載器5Aの制御部31は、ユーザが所望する過去立ち寄り地に関する以外の情報をメモリ部32Dの特定の領域であるアップリンクタグエリアに書き込んで、ステップS44の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、たとえば、「累積走行距離」、「目的地」や「経由地」などの情報をアップリンクタグエリアに記憶して、ステップS44の処理へ移行する。なお、このステップS43は、アップリンクタグエリアに書き込むべき情報がない場合には、そのままステップS44の処理へ移行してもよい。
【0095】
ステップS44:車載器5Aの制御部31は、アップリンクタグエリアに記録されているコンテンツ情報を、路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2へアップリンクして、処理を終了する(END)。
【0096】
このような処理とすることで、メモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地の中でユーザが所望する駐車場情報を駐車場情報配信サーバ2へアップリンクすることできる。その結果、所望の駐車場情報を確実に取得することが可能となる。
【0097】
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態に係る駐車場情報配信システム1Bについて説明する。この駐車場情報配信システム1Bは、図1に示す駐車場情報配信システム1の場合と比較して、車載器5のメモリ部32Dに格納されているアップリンク用情報生成プログラム32Eが、アップリンク用情報生成プログラム32Hに置換されており、それに基づく動作の一部が異なっている。このアップリンク用情報生成プログラム32Hは、サービス業者との契約前の過去立ち寄り地情報を利用して駐車場情報を配信させるためにアップリンク情報を生成するプログラムである。なお、アップリンク用情報生成プログラム32Hの詳細については、車載器5Bが行なうアップリンク処理の動作と共に説明する。また、図1に示す駐車場情報配信システム1と対応する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0098】
車載器5Bが行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク(図15のステップS7に相当)について詳細に説明する。図19は、本発明の第3実施形態の車載器5Bが行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク処理を示すフローチャートである。
【0099】
START:車載器5Bの制御部31は、車載器5Bの電源がONになるとアップリンク用情報生成プログラム32Gを読み出して、ステップS51の処理へ移行する。なお、以下の処理は、アップリンク用情報生成プログラム32Gのアルゴリズムに従って実行される。
【0100】
ステップS51:車載器5Bの制御部31は、サービス事業者との契約前にメモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地情報が保存されているか否かを判定する。車載器5Bの制御部31は、サービス事業者との契約前にメモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地情報が保存されている場合(ステップS51でYES)には、ステップS52の処理へ移行する。一方、車載器5Bの制御部31は、サービス事業者との契約前にメモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地情報が保存されていない場合(ステップS51でNO)には、ステップS53の処理へ移行する。ここで、サービス事業者との契約前に記憶されている過去立ち寄り地情の有無を判定する方法としては、まず、車載器5Bのメモリ部32D内に他のサービス事業者のデータ領域の有無を確認する。そして、その他のサービス事業者のデータ領域が存在する場合には、当該サービス事業者のデータ領域における立ち寄り地数識別フラグを参照することで、過去立ち寄り地情報の有無がわかり、上述したサービス事業者との契約前にメモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地情報が保存されているか否かを判定することができる。
【0101】
ステップS52:車載器5Bの制御部31は、サービス事業者との契約前にメモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地情報が保存されていると、メモリ部32Dの特定の領域であるアップリンクタグエリアに過去立ち寄り地に関する情報を書き込んで、ステップS53の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、「過去立ち寄り地」情報のアップリンクタグエリアに過去立ち寄り地に関する情報を記憶して、ステップS53の処理へ移行する。
【0102】
ステップS53:車載器5Bの制御部31は、過去立ち寄り地に関する以外の情報をメモリ部32Dの特定の領域であるアップリンクタグエリアに書き込んで、ステップS54の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、たとえば、「累積走行距離」、「目的地」や「経由地」などの情報をアップリンクタグエリアに記憶して、ステップS54の処理へ移行する。なお、このステップS53は、アップリンクタグエリアに書き込むべき情報がない場合には、そのままステップS54の処理へ移行してもよい。
【0103】
ステップS54:車載器5Bの制御部31は、アップリンクタグエリアに記録されているコンテンツ情報を、路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2へアップリンクして、処理を終了する(END)。
【0104】
図15のステップS7で説明したように、ユーザは、契約したサービス事業者に対してのみ過去立ち寄り地情報を原則としてアップリンクするが、このような処理とすることで、契約前に訪れたことがある過去立ち寄り地を利用して駐車場情報配信サーバ2へアップリンクすることできる。その結果、サービス事業者との契約前後に関わらず、過去立ち寄り地情報を利用して所望の駐車場情報を取得することが可能となる。
【0105】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。たとえば、駐車場情報配信サーバ2が路側無線装置3を介して車載器5に配信するコンテンツ情報として、目的地または経由地の緯度/経度を含む所定の範囲内の駐車場情報としたが、その他にも、地域情報、広告情報、店舗、医療施設などの各種施設情報を配信するようにしてもよい。
【0106】
また、上記の実施の形態では、目的地および経由地の緯度/経度情報が含まれるメッシュを駐車場DB14Aから抽出して、当該メッシュに含まれる駐車場情報を配信することとしていたが、その他にもたとえば、過去立ち寄り地の緯度/経度情報を中心点(中心座標)として所定のエリア内(たとえば半径500m以内)に含まれる駐車場情報を配信するようにしてもよい。また、そのようにして抽出された駐車場情報であって、ナビゲーションの経路上にある駐車場情報のみを抽出して配信するようにしてもよい。
【0107】
また、車載器5Bのアップリンク用情報生成プログラム32Hは、サービス事業者との契約前の過去立ち寄り地すべてを利用して駐車場情報を配信させているが、車載器5Aのアップリンク用情報生成プログラム32Gのように、ユーザが所望する過去立ち寄り地を選択させて、選択された過去立ち寄り地を利用して駐車場情報を配信させるようにしてもよい。
【0108】
また、車載器5Bのアップリンク用情報生成プログラム32Hは、サービス事業者との契約前の過去立ち寄り地を利用して駐車場情報を配信させているが、サービス事業者との契約後であっても、他のサービス事業者のデータ領域における過去立ち寄り地を含めて駐車場情報を配信させるようにしてもよい。
【0109】
また、上記実施の形態では、駐車場情報配信サーバ2と路側無線装置3とが物理的および機能的に分離されているが、この他にもたとえば、駐車場情報配信サーバ2の有する機能を路側無線装置3に持たせるようにしてもよい。また、上記実施の形態では、情報配信端末としての車載器5、5A、5Bを用いている。この他にもたとえば、情報配信端末としてDSRC通信機能を備えた携帯電話やPDAを車両4に搭載させて用いてもよい。
【0110】
また、上記実施の形態に係る情報配信端末としての車載器5、5A、5Bは、図3に示すように制御部31、DSRC通信部32、ナビゲーション部33とで構成しているが、この他にもたとえば、ITS車載器のように料金決済が可能なETC(Electronic Toll Collection system)処理部(図示せず)、料金決済時に使用するICカードを挿入するICカードインタフェース部(図示せず)などを備えたものとしてもよい。また、情報配信端末としては、ナビゲーション機能を持たない端末や、車両4に常時設置されない携帯可能な端末としてもよい。
【0111】
また、上記実施の形態に係る車載器5、5A、5BのDSRC通信部32は、5.8GHz帯DSRC通信機能を有しているが、この他にもたとえば、ITS車載器のように、光VICSインタフェース,FMVICSインタフェース,他の周波数帯の通信用インタフェース、その他のメディアとの通信インタフェースを備えていてもよい。また、通信方式として5.8GHz帯の狭域通信を、それ以外の広域通信方式など、他の通信方式を採用してもよい。
【0112】
また、上記実施の形態に係る駐車場情報配信システム1、1A、1Bが有する各構成ブロックの機能は、全てまたはその一部をソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。たとえば、車載器5、5A、5Bの制御部31における処理の全部またはその一部は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
【0113】
また、たとえば、駐車場情報配信サーバ2および/または車載器5、5A、5Bを装置の全部または一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリーカード、CD(compact disc)、DVD(digital versatile disc)、MO(magneto−optical)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータ、たとえば、携帯電話、オーディオ機器、電子時計などにインストールし、駐車場情報配信サーバ2および/または車載器5、5A、5Bとして動作させ、あるいは、駐車場情報配信サーバ2および/または車載器5、5A、5Bが行なう工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置などにプログラムを格納しておき、たとえば、搬送波に重畳させて、駐車場情報配信サーバ2および/または車載器5、5A、5Bとなるコンピュータにダウンロードなどするものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、たとえば、車両や船舶などをナビゲーションできるシステムを利用して情報を配信する情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法および情報配信プログラムに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報配信システム全体の構成を示す図である。
【図2】図1に示す駐車情報情報配信サーバ全体の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す路側無線装置の構成例を示す図である。
【図4】図1に示す車載器全体の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す情報配信システムで用いられるマルチコンテンツフォーマットで編成されたデータ群を概念的に示した図である。
【図6】図5で示したマルチコンテンツフォーマットに従った配信データに含まれるコンテンツ情報に基づき表示される画面遷移例を示す図である。
【図7】図5で示したマルチコンテンツフォーマットに従った配信データに含まれるコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図8】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7のID=00および01のデータ形式を示す図である。
【図9】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7に示すID=10のデータ形式を示す図である。
【図10】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7に示すID=40のデータ形式を示す図である。
【図11】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7に示すID=50のデータ形式を示す図である。
【図12】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7に示すID=51のデータ形式を示す図である。
【図13】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7に示すID=80のデータ形式を示す図である。
【図14】図1に示す車載器から路側無線装置に対して行なうアップリンクのデータ形式を示す図である。
【図15】図1に示す車載器と路側無線装置を介して駐車場情報配信サーバとの間で行なわれる路車間通信のトランザクションを示す図である。
【図16】図1に示す車載器が行なう駐車場情報配信サーバへのアップリンクの処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第2実施形態に係る駐車場情報配信システムが車載器から図16に示すアップリンク処理によりアップリンクされたデータを受信して、過去立ち寄り地周辺の駐車場情報を配信する処理を示したフローチャートである。
【図18】本発明の第2実施形態の車載器が行なう駐車場情報配信サーバへのアップリンク処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第3実施形態の車載器が行なう駐車場情報配信サーバへのアップリンク処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0116】
1,1A,1B 駐車場情報配信システム(情報配信システム)、2 駐車場情報配信サーバ(情報配信サーバ)、3,3A,3B 路側無線装置(無線装置)、3C アクセスポイント(無線装置)、4 車両、5,5A,5B 車載器(情報配信端末)、6A ネットワーク、6B 外部ネットワーク、11 CPU(情報配信サーバの制御部の一部)、12 ROM(情報配信サーバの制御部の一部)、12A 駐車場情報配信プログラム(情報配信サーバの制御部の一部)、13 RAM(情報配信サーバの制御部の一部)、14 HDD、14A 駐車場DB(情報配信サーバの制御部の一部)、15 入力部、16 出力部、17A 第1の通信制御部(情報配信サーバの制御部の一部)、17B 第2の通信制御部(情報配信サーバの制御部の一部)、18 システムバス(情報配信サーバの制御部の一部)、21 本体装置(無線装置の一部)、22 アンテナ(無線装置の一部)、31 制御部(情報配信端末の制御部)、32 DSRC通信部(情報配信端末の制御部の一部)、32A 送受信部/変復調部、32B DSRC制御部、32C DSRC−ASL処理部、32D メモリ部(記憶部)、32E,32G,32H アップリンク用情報生成プログラム、32F ヒューマンマシンインタフェース部、33 ナビゲーション部(情報配信端末の制御部の一部)、33A ナビデータ処理部、33B ヒューマンマシンインタフェース部、33C 高精度測位計測部、33D 地図データ部、33E 操作部、33F 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法、情報配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路などに設けられた路側機と車両に設けられた車載端末などの間で、DSRC(Dedicated Short Range Communications:狭域通信)を利用して、路側機近傍を通過する車両に対して、適切な情報を提供する技術が知られている。たとえば、出願人が以前開示した技術において、ユーザが所望の駐車条件を満たす場所へ自動的に誘導することができる駐車場内経路案内システムがある(特許文献1)。
【0003】
特許文献1で開示した技術は、駐車場管理装置に駐車場情報や駐車場内の通路情報、センサにより検出した空きマス情報を記憶させておき、路側機を介して車載用ナビゲーション装置にそれらの情報を提供するものである。また、車載用ナビゲーション装置側でユーザが駐車する度に駐車情報を蓄積し、自動的に過去に利用した場所や特徴を有する駐車スペースへ経路案内するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−285734号公報(要約など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示した駐車場内経路案内システムには改良の余地が残されている。この駐車場内経路案内システムにおける駐車場管理装置では、特定の駐車場の情報しか記憶されていない。したがって、路側機からは設置されたエリアに応じた駐車場情報もしくは情報提供側が予め定めた駐車場情報をPUSH型の通信方式で配信されることになる。そのため、ユーザは、仮に他の駐車場情報を知りたい場合であっても、他の駐車場に設置される別の路側無線装置と通信するまでは、他の駐車場情報を取得することができない。また、車載用ナビゲーション装置側で蓄積する駐車場情報は特定の駐車場における情報であるため、他の駐車場において、蓄積した駐車場情報を有効に利用することが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザが所望するコンテンツ情報を容易に取得する情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法および情報配信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る情報配信システムは、車両に搭載され、車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、PUSH型の通信方式により配信されるコンテンツ情報を受信する情報配信端末と、PUSH型の通信方式により情報配信端末へコンテンツ情報を配信する無線装置と、無線装置を介して情報配信端末から送信される情報に応じて異なるコンテンツ情報を提供する情報配信サーバと、を有する情報配信システムにおいて、情報配信端末は、情報配信サーバからの要求により、記憶部に記憶された車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を無線装置を介して情報配信サーバに送信する制御部を備え、情報配信サーバは、無線装置を介して車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を受信し、車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、無線装置を介して情報配信端末に送信する制御部を備える。
【0008】
本発明の一側面に係る情報配信サーバは、PUSH型の通信方式により情報配信端末へコンテンツ情報を配信する無線装置に、情報配信端末から送信される情報に応じて異なるコンテンツ情報を提供する情報配信サーバにおいて、情報配信端末から車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を無線装置を介して取得し、緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、無線装置を介して情報配信端末に送信する制御部を備える。
【0009】
本発明の一側面に係る情報配信端末は、車両に搭載され、車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、情報配信サーバからPUSH型の通信方式の無線装置を介してコンテンツ情報を受信する情報配信端末において、情報配信サーバからの要求により、記憶部に記憶された車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を無線装置を介して情報配信サーバに送信し、車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信する制御部を備える。
【0010】
本発明の一側面に係る情報配信方法は、車両に搭載され、車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、コンテンツ情報を提供する情報配信サーバからPUSH型の通信方式の無線装置を介してコンテンツ情報を受信する情報配信端末に用いられる情報配信方法において、情報配信サーバからの要求により記憶部に記憶された車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を無線装置を介して情報配信サーバに送信するステップと、車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信するステップと、を有する。
【0011】
本発明の一側面に係る情報配信プログラムは、コンピュータを、車両に搭載された情報配信端末から車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を無線装置を介して取得し、緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、抽出されたコンテンツ情報を、無線装置を介して情報配信端末に送信する制御手段として機能させるものである。
【0012】
本発明の一側面に係る情報配信プログラムは、コンピュータを、車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を記憶する記憶手段、情報配信サーバからの要求により記憶手段に記憶された車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を所定の記憶領域に記憶し、無線装置を介して情報配信サーバへ送信し、緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信する制御手段として機能させるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、ユーザが所望するコンテンツ情報を容易に取得する情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法および情報配信プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法および情報配信プログラムについて添付図面を参照しながら説明する。以下、本実施例における情報配信システムは、駐車場情報配信システム1として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の説明では、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法および情報配信プログラムについても駐車場情報配信システム1の説明と併せて行なうものとする。また、各図において対応する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
[駐車場情報配信システム1の概要]
図1は、本発明の第1実施形態に係る駐車場情報配信システム1の概要を示すブロック図である。駐車場情報配信システム1は、駐車場情報配信サーバ2、路側無線装置3A,3B、無線アクセスポイント3C、車両4に搭載された車載器5とを主要な構成要素としている。駐車場情報配信システム1は、駐車場情報配信サーバ2から配信される駐車場情報を、路側無線装置3A,3Bまたは無線アクセスポイント3Cを介して車両4に搭載された車載器5に配信するシステムである。
【0016】
駐車場情報配信サーバ2は、図1に示すように、DSRC専用のネットワーク6Aおよび外部ネットワーク6Bを介して路上や駐車場、道の駅などに複数設置された路側無線装置3A、3Bや路上や駐車場以外に複数設置された無線アクセスポイント3Cと接続されている。また、路側無線装置3A、3Bまたは無線アクセスポイント3Cは、DSRC通信機能を備えた車載器5と無線通信可能に構成されている。なお、外部ネットワーク6Bは、インターネット、及びこれに接続された移動体通信網、無線LAN(Local Area Network)、Wimax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの無線通信網を含んでいる。なお、図1における駐車場情報配信サーバ2では、便宜上1つのサーバとして図示しているが、必ずしも一つである必要はなく、複数の駐車場情報配信サーバ2としてもよい。なお、駐車場情報配信サーバ2は、請求項の情報配信サーバに対応し、路側無線装置3A,3B、無線アクセスポイント3Cは請求項の無線装置に対応し、車載器5は請求項の情報配信端末に対応している。以下、各装置について詳細に説明する。
【0017】
[駐車場情報配信サーバ2の構成]
図2は、図1に示す駐車場情報配信サーバ2全体の構成を示すブロック図である。駐車場情報配信サーバ2は、CPU11、ROM12、RAM13、HDD14、入力部15、出力部16、第1の通信制御部17A、第2の通信制御部17B、システムバス18とを主要な構成要素としている。
【0018】
CPU11は、ROM12やHDD14に格納されているプログラムに応じて、各種演算処理を実行するとともに、装置の各部を制御する中央演算処理装置である。なお、CPU11が、ROM12やHDD14に記録されている各種動作を行なうためのプログラムをRAM13に読み出して実行することにより請求項の制御部(情報配信サーバの制御部)が実現される。
【0019】
ROM12は、CPU11が実行する駐車場情報配信プログラム12Aや各種動作を行なうためのプログラム(図示せず)など、書き換える必要のないデータを格納した半導体記憶装置である。駐車場情報配信プログラム12Aは、路側無線装置3A,3Bまたは無線アクセスポイント3Cが設置されるエリアに係わらず、ユーザが所望するエリア内に存在する駐車場情報を提供できるプログラムである。なお、この駐車場情報配信プログラム12Aは、HDD14に記憶されていてもよい。駐車場情報配信プログラム12Aの詳細については後述する駐車場情報配信サーバ2の動作において説明する。
【0020】
RAM13は、CPU11が実行するプログラムを一時的に記憶し、演算処理などを行なうためのワークエリアとして機能する半導体記憶装置である。HDD14は、この駐車場情報配信サーバ2全体の動作制御に必要なOS(Operating System)などのプログラムやナビゲーションをするために必要なデータ(図示せず)などを格納するとともに、路側無線装置3A,3Bまたは無線アクセスポイント3Cを介して車載器5に送信する駐車場情報などを格納している駐車場DB14Aを備えている。
【0021】
入力部15は、キーボード、マウス、入力インタフェースなどを備える。この駐車場情報配信サーバ2の管理者は、この入力部15を用いて種々のデータや指示を入力できる。なお、入力部15は、請求項の入力部に対応している。出力部16は、表示装置などから構成され、データ、メッセージなどを表示することができる。
【0022】
第1の通信制御部17Aと第2の通信制御部17Bは、路側無線装置3A,3Bまたは無線アクセスポイント3Cへ種々の情報を送信したり、路側無線装置3A,3Bまたは無線アクセスポイント3Cが車載器5との交信などにより得た情報を収集したりすることができる。また、図1に示すネットワーク6Aまたは外部ネットワーク6Bを介して他の外部装置(図示せず)と交信し、種々の情報を取得することもできる。システムバス18は、上記各部の間で命令やデータを転送するための伝送経路である。なお、上述した駐車場情報配信システム1の各装置間の通信処理の詳細については後述する。
【0023】
[路側無線装置3A,3Bの構成]
続いて、路側無線装置3A、3Bについて説明する。図3は、図1に示す路側無線装置3A,3Bの構成例を示す図である。図1に示す路側無線装置3A,3Bは、図3に示す路側無線装置3のように本体装置21とアンテナ22とを主要な構成要素としており、車載器5と駐車場情報配信サーバ2間の情報のやりとりを仲介する処理を行なう装置である。なお、路側無線装置3Aは、DSRC専用の独自プロトコルにより車載器5及び駐車場情報配信サーバ2と通信を行なう。一方、路側無線装置3Bは、IP(Internet Protocol)により車載器5及び駐車場情報配信サーバ2と通信を行なう。
【0024】
図3に示すように、路側無線装置3は、道路脇や道路上方、駐車場、道の駅などに設置されたアンテナ22から、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して近傍に路側エリアZを形成する。この路側エリアZ内にある車両4の車載器5とだけ双方向の狭域無線通信が可能となる。なお、DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲はたとえば数メートルから数十メートルである。路側無線装置3からのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置3がそれぞれ形成する路側エリアZは設置場所に関係なく、ほぼ一定である。以下、路側無線装置3と車載器5間の狭域無線通信を「路車間通信」という場合がある。
【0025】
本体装置21は、CPU、ROM、RAM、HDD(いずれも図示せず)などを備えたコンピュータ端末で構成され、アンテナ22を介して車載器5から受信した情報を、ネットワーク6Aを介して駐車場情報配信サーバ2に転送する。また、本体装置21は、駐車場情報配信サーバ2から送信された駐車場情報などのコンテンツ情報を車載器5へ転送する。なお、以下の説明では、請求項の無線装置に対応する路側無線装置3A、3Bおよび無線アクセスポイント3Cも含めて「路側無線装置3」として説明する。
【0026】
[車載器5の構成]
続いて、車載器5について説明する。図4は、図1に示す車載器5全体の構成を示すブロック図である。車載器5は、図4に示すように制御部31、DSRC通信部32、ナビゲーション部33とを主要な構成要素としている。以下、車載器5の各構成について具体的に説明する。
【0027】
制御部31は、CPUがHDDやROMに記憶されている各種プログラムやデータをRAMに読み出して演算/制御することにより実現され(いずれも図示せず)、後述するDSRC通信部32、ナビゲーション部33のすべての処理を行なう。なお、制御部31は、請求項の情報配信端末の制御部に対応している。
【0028】
DSRC通信部32は、図4に示すように、更に送受信部/変復調部32A、DSRC制御部32B、DSRC−ASL処理部32C、メモリ部32D、ヒューマンマシンインタフェース部32Fとを主要な構成要素とし、路側無線装置3とDSRC通信を行なうことができる。以下、DSRC通信部32の各構成について説明する。
【0029】
送受信部/変復調部32Aは、DSRCプロトコルの物理層に相当するインタフェースを実装し、受信した電波をデジタル変調/復調する(ASK/QSPK)ことができる。DSRC制御部32Bは、DSRCプロトコルのデータリンク層およびアプリケーション層に相当するインタフェースを実装し、路側無線装置3と、5.8GHz帯の無線通信を行なうことができる。また、DSRC制御部32Bは、送信されてきたデータのフレーム内に含まれる識別子(EID)により車載器5内の対応するアプリケーションプログラム(図示せず)を特定することができる。
【0030】
DSRC−ASL処理部32Cは、基本アプリケーション処理およびセキュリティプラットフォームを提供する通信インタフェースを実装し、車載器5にインストールされている各アプリケーション(図示せず)と路側無線装置3との間でDSRC−ASLによる通信制御を行なう。なお、DSRC−ASLは、上述した物理層、データリンク層およびアプリケーション層におけるDSRCプロトコルスタックとアプリケーションプログラムとの橋渡しをする役割を担っており、ASL−ELCP上のASL−NCPを識別するための接続点を設けて、特定のアプリケーションの識別を行なっている。
【0031】
上述した送受信部/変復調部32A、DSRC制御部32BおよびDSRC−ASL処理部32Cにより、IPを用いた通信制御を行なう、いわゆるIP系通信と、IPを用いずその他の通信プロトコルで通信制御を行なう、いわゆる非IP系通信のそれぞれに対して通信インタフェースを提供している。
【0032】
メモリ部32Dは、CPUが実行する基本的なプログラムを格納しているROM、HDD(いずれも図示せず)や、CPUが演算処理を実行する際に、演算途中のプログラムまたはデータを一時的に記憶するRAM(図示せず)などから構成されている。また、メモリ部32Dは、路側無線装置3から送信されてきた各種コンテンツ情報を記録して蓄積することができる。また、メモリ部32Dには、アップリンク用情報生成プログラム32Eが格納されている。このアップリンク用情報生成プログラム32Eは、メモリ部32Dの特定の記憶領域(以下、この特定の記憶領域のことを「アップリンクタグエリア」という)にユーザ所望の駐車場情報を取得するための情報を格納し、それらの情報に基づいて駐車場情報配信サーバ2から駐車場情報を配信させるためのプログラムである。なお、メモリ部32Dは、請求項の記憶部に対応する。アップリンク用情報生成プログラム32Eおよびアップリンクタグエリアの詳細については後述する。
【0033】
ヒューマンマシンインタフェース部32Fは、非IP系通信およびIP系通信に対応したインタフェースを提供する。具体的には、IP系通信に用いるDSRC応用サービスに対応するためのHTTP(Hyper Text Transfer Protcol)ブラウザ(たとえばHTML4.01,CSS1及びCSS2など)、IP系/非IP系通信に用いるDSRC応用サービスに対応するための文字コーデック(たとえばJIS、UNICODEなど),音声コーデック(たとえばTTS,MP3など),画像コーデック(たとえばJPEG、GIFなど),動画コーデック(たとえばMPEG4)などを搭載している。
【0034】
ナビゲーション部33は、図4に示すように、更にナビデータ処理部33A、ヒューマンマシンインタフェース部33B、高精度測位計測部33C、地図データ部33D、操作部33E、表示部33Fとを主要な構成要素としている。ナビゲーション部33は、主にカーナビゲーションシステムとして機能する。
【0035】
ナビデータ処理部33Aは、情報提供制御機能および情報収集機能を有する。情報提供制御機能は、非IP系通信への対応として,優先表示,情報提供判断及び情報蓄積などの情報提供を制御する機能である。情報収集機能は、ナビゲーション部33が保持又は蓄積している車両4内の情報を、DSRC通信部32を通して路側無線装置3へ送信する機能、すなわちアップリンクをする機能である。なお、ヒューマンマシンインタフェース部33Bは、上述したヒューマンマシンインタフェース部32Fと同様の機能であるため、説明を省略する。
【0036】
高精度測位計測部33Cは、GPS(Global Positioning System)受信機やジャイロセンサを有し、それらにより測位計測を行ない,車両4の位置を常に把握する機能を有する。地図データ部33Dは、高精度測位計測部33Cによる車両4の位置にマッチングした現在地の地図データを提供する機能を有する。また、地図データ部33Dは、目的地や経由地まで誘導できる地図データを提供することができる。なお、地図データ部33Dの有する地図データは、メモリ部32Dに記憶されている。操作部33Eは、釦やリモコンによる操作や、表示部33Fの表示画面へのタッチパネル操作、音声指示による操作ができる機能を有する。表示部33Fは、DSRC応用サービスに対応した画面表示案内やスピーカを使用した音声案内を行なうことができる。
【0037】
[マルチコンテンツフォーマットについて]
続いて、駐車場情報配信システム1上でやり取りされるマルチコンテンツフォーマットについて説明する。マルチコンテンツフォーマットとは、ひとつのデータ形式で様々なDSRC応用サービスに対応できるように構成された複合フォーマットのことである。また、マルチコンテンツフォーマットとは、目的に応じて必要な項目(ID)のみで配信コンテンツ情報を構成可能なデータフォーマットでもある。このようなマルチコンテンツフォーマットを利用することで、PUSH型の通信方式で配信するDSRCにおいても、個人の趣味・嗜好などに即した個別配信を可能にしている。また、このマルチコンテンツフォーマットで提供されるコンテンツ情報は、車載器5に一度蓄積され、特定の条件を満たした場合に、再生する仕組みを有している。具体的には、DSRCにより情報を送受信するためには、その特定の通信エリア内に留まっていないと行なうことができなかったが、受信した情報を蓄積して記憶させておくことで、通信エリア外でも情報を再生することが可能となる。更に、地域情報や広告情報などのコンテンツ情報の再生タイミングを設定しておくことで、ユーザのニーズに合わせた情報を配信することを可能にしている。また、マルチコンテンツフォーマットは、配信データ量を抑えて、ネットワークトラフィックを低減することが可能となっている。なお、以下の説明では、車載器5から路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2へ情報を送信することをアップリンクといい、駐車場情報配信サーバ2から路側無線装置3を介して車載器5へ情報を送信することをダウンリンクというものとする。
【0038】
図5は、図1に示す情報配信システム1で用いられるマルチコンテンツフォーマットで編成されたデータ群(以下、このデータ群を「情報グループ」という)を概念的に示した図である。図5に示すように、情報グループ1〜情報グループnまでの複数の情報グループを含むデータが、路側無線装置3から車載器5へ送信されてくる。これらの複数の情報グループそれぞれには、基本的な情報が含まれている。すなわち、ID=00,ID=01などの基本的な情報と、他の区分項目であるIDなどの情報から構成されている。これらの情報グループは、必ずしも全ての区分IDの情報を含んでいる訳ではなく、必要なものだけ含んで送信されてくる。
【0039】
したがって、このマルチコンテンツフォーマットは、受信後に配信された順番通りにデータを再生する以外に、カーナビゲーションの機能と連動して特定の場所でコンテンツ情報を再生することや、特定の場所への誘導も可能となっている。
【0040】
また、車載器5が、データの配信元を考慮して動作することが可能なため、スパム防止にも役立つ。マルチコンテンツフォーマットは、車載器5から駐車場情報配信サーバ2へのアップリンクすることも可能となっている。また、マルチコンテンツフォーマットは、車載器5に設定されている目的地や立ち寄り地の情報を始め、行動履歴や配信されたコンテンツ情報の視聴履歴を採ることも可能となっている。
【0041】
[コンテンツ情報のデータ構成]
続いて、マルチコンテンツフォーマットに従ったコンテンツ情報のデータ構成について、具体的に説明する。図6は、図5で示したマルチコンテンツフォーマットに従った配信データに含まれるコンテンツ情報に基づき表示される画面遷移例を示す図である。図7は、図5で示したマルチコンテンツフォーマットに従った配信データに含まれるコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す図である。
【0042】
図6に示す各画面D1〜D6は、それぞれ1つのコンテンツ情報に基づいて表示される画面である。1つのコンテンツ情報は、図7に示すようなID=00〜ID=256により分類される情報が格納可能なファイルにより構成され、提供するコンテンツ情報の内容に応じて必要な情報が格納されている。たとえば、図6の画面D6を表示するためのコンテンツ情報には、ID=01、02、04、10の情報が必要であるため、ID=01、02、04、10の情報を含んで送信されてくる。また、図6の画面D1〜D5のそれぞれを表示するためのコンテンツ情報には、ID=02の「嗜好データカテゴリ」、ID=10の「対象地点座標」、「対象地点表示用テキスト」、「URL」、「提携駐車場情報」、「アイコン表示画像データ」などは必要ではないため、これらの情報は送信されてこない。なお、これらのコンテンツ情報は、サービス事業者ごとにID=00〜ID=256までのデータ形式に従って異なるコンテンツ情報が駐車場情報配信サーバ2のHDD14にそれぞれ格納されている。
【0043】
続いて、ID=00〜ID=256に分類される情報のうち、本実施の形態に必要な主要な情報について説明する。図8〜図13は、図1に示す路側無線装置3から車載器5に対してダウンリンクする際の主要なIDのデータ形式を示す図である。
【0044】
図7に示すID=00に分類される「構成ID」情報は、図8に示すように、配信するコンテンツ情報に含まれているID情報を記載するデータ領域である。ID=00のデータ形式には、図8に示すように「情報バイト数」と「項目有無情報」とを有する。「情報バイト数」は、ID=00の全体のデータ量を示すデータ領域である。これにより、車載器5側で受信可能なデータであるか否かを判定することもできる。「項目有無情報」は、情報を構成するIDを小さい順に2バイト単位で記述できるデータ領域である。ここに、配信コンテンツ情報に含まれるIDすべてが記載されている。
【0045】
図7に示すID=01に分類される「事業者」情報は、図8に示すように、当該コンテンツ情報を配信するサービス事業者に関する情報である。ID=01のデータ形式には、図8に示すようにコンテンツ情報を提供するサービス事業者の「サービス事業者コード」、「サービス事業者表音文字列」などが含まれる。
【0046】
図7に示すID=02に分類される「コンテンツ属性」情報は、当該コンテンツ情報の属性を示す情報であり、図示しないが、たとえばコンテンツ情報を提供する情報提供企業の「情報提供企業コード」、「情報提供企業名表示用テキスト」、コンテンツ情報を特定するための「情報コード」、コンテンツ情報の内容を示す「情報タイトル表示用テキスト」、コンテンツ情報のカテゴリを示す「嗜好データカテゴリ情報」などが含まれる。なお、このコンテンツ情報は、階層構造をなしており(たとえば、図6においては、最上位からD1→D2→D3→D4→D5→D6)、本実施の形態においては、情報コードにより、各コンテンツ情報の階層を識別可能となっている。
【0047】
図7に示すID=10に分類される「対象地点」情報は、図9に示すように、当該コンテンツ情報により案内されるサービスが提供される地点(対象地点という)に関する情報や当該コンテンツ情報の実データを含んでいる。「対象地点」情報は、対象地点の緯度経度を示す「対象地点座標」、対象地点で提供されるサービスや店舗の名称を示す「対象地点表示用テキスト」、サービスの説明用テキスト情報である「表示用文字データ」、サービス案内を表示するための「表示画像データ」、サービスの音声案内のための「表音文字列データ」及び「圧縮音声データ」、当該コンテンツ情報の内容に関連する情報を提供するWebページの格納場所のアドレスを示す「URL情報」、対象地点以外の提携駐車場を示す「提携駐車場情報」、対象地点を地図画面上に表示する際の「アイコン表示画像データ」などが含まれる。なお、図示しないが、これらのコンテンツ情報が提供される地点(情報提供地点)は、ID=20として配信されてくる。
【0048】
図7に示すID=30に分類される「遷移情報」は、画面遷移情報などが含まれる。この情報により、上述したような画面遷移を行なうことができる。図7に示すID=40に分類される「詳細情報」は、図10に示すように、詳細情報が書き込める汎用的な領域が含まれる。「詳細情報」とは、たとえば、このID=40と共に配信されてきた情報に関連した情報や付随した情報のことである。車載器5は、この詳細情報に記載された情報(詳細情報1〜8)を受信すると、詳細情報に含まれるコピーコントロールフラグを判断してその内容を後述するアップリンクの会員情報1〜8(図14参照)に記述し、アップリンク時に路側無線装置3に通知する。
【0049】
図7に示すID=50に分類される「駐車場情報」には、図11に示すように主に各種の駐車場に関連する情報が駐車場1〜駐車場15まで含まれている。具体的には、各「駐車場情報」には、最新の駐車場情報の有無がわかる「最新駐車場情報有無フラグ」、最大15箇所まで登録できる「駐車場満空情報数」、当該駐車場を一意に識別できる「駐車場ID」、駐車場の入出庫可能時刻や初期料金、追加料金などがわかる「駐車場情報設定」、最大15箇所の入口と、入口毎の空き台数情報や更新時刻などがわかる「駐車場満空情報等」が含まれる。
【0050】
図7に示すID=51に分類される「駐車場追加更新情報」は、図12に示すようにID=50で配信された駐車場の静的な情報が含まれる。具体的には、「3次メッシュ数」、「3次メッシュ1」、「駐車場ID」、「駐車場中心座標」、「入口数」、「入口1〜15」、「名称」、「収容台数」、「駐車場形式」、「車両制限」、「設備状況」などが含まれている。ここで、3次メッシュとは、たとえば、JIS X0410で規定される地域メッシュコードに関連付けられている所定の地域のことである。なお、3次メッシュはJIS X0410以外で規定されているコードに関連付けられている所定の地域であってもよい。「3次メッシュ数」は、3次メッシュの数を示しており、その数量により「3次メッシュ1、3次メッシュ2・・・」とそれぞれ表現される。そして、それらの3次メッシュ毎に「駐車場ID」、「駐車場中心座標」、「入口数」、「入口1〜15」、「名称」、「収容台数」、「駐車場形式」、「車両制限」、「設備状況」が記録されている。「駐車場ID」には駐車場が一意に識別できる数値等が記録されている。「駐車場中心座標」は、その駐車場の緯度/経度情報や3次メッシュコード(上述のJIS X0410で規定される地域メッシュコードに相当)が記録されている。「入口数」はその駐車場が有している入口の数であり、その入口数により「入口1〜15」が記憶されている。「入口1〜15」には右折進入可否やその入口の緯度/経度情報などが記録されている。「名称」にはその駐車場の名称が記録されている。「収容台数」には、その駐車場の収容台数が記録されている。「駐車場形式」には、駐車場の構造(平地、立体、地下、屋上など)や様式(自走、機械、ターンテーブル有りの機械、二段式、多段式)などが記録されている。「車両制限」には、車両制限の有無がわかる「車両制限有無」や、には、車高制限、車幅制限、車長制限、車重制限などの数値が記録されている「車両制限」が含まれている。また、「設備状況」には、身障者専用、女性専用、RV車専用、バイク用などの駐車スペースの有無、バリアフリー対応(エレベータの有無、スロープの有無,段差の有無)、トイレの有無など各種の駐車場情報が記録されている。
【0051】
図7に示すID=80に分類される「嗜好データ」は、図13に示すように、「同一内ID内情報提供件数」、「嗜好データバージョン情報」、「嗜好データ1〜127」などが含まれる。「嗜好データ」とは、車載器5を利用しているユーザの行動履歴や選択した趣味・嗜好が、蓄積されたまたは記憶されたデータのことである。この嗜好データ領域については、サービス事業者ごとに自由に構成を変更することができる領域である。この嗜好データに基づいてユーザが望むコンテンツ情報配信を行なうため、配信したコンテンツ情報の利用率の向上が望め、車載器5の利用者満足度の向上にもつなげることができる。
【0052】
[アップリンクタグエリアについて]
続いて、車載器5が路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2へ送信する情報を格納するアップリンクタグエリアについて説明する。図14は、図1に示す車載器の特定の記憶領域に記憶されるアップリンクタグエリアのデータ形式を示す図である。図14に示すアップリンク情報には、「基本情報」、「累計走行距離」、「嗜好ジャンルテーブルバージョン」、「嗜好ジャンルデータ」、「会員情報」、「過去立ち寄り地」などが含まれる。なお、図14に示すアップリンク情報は、個人情報として扱われる可能性のある情報が含まれるため、利用者の設定によりサービス事業者が利用者と契約を交わしていることの確認が行われた後に、アップリンクを行なうことが望ましい。
【0053】
図14に示す「基本情報」には、サービス事業者コードや車載器5に設定されている「目的地」と「経由地」の緯度/経度情報が含まれる。車載器5に設置されている「目的地」の緯度/経度情報を元に、目的地方面の情報提供を行ったり、目的地方面の情報提供地点(DSRC通信が可能な場所)などの情報を配信したりすることが可能である。また、車載器5に設定されている「経由地」の緯度/経度は、最大5箇所まで登録可能であり、車載器5に設置されている経由地の緯度/経度情報を元に、経由地方面の情報提供を行ったり、経由地方面の情報提供地点(DSRC通信が可能な場所)などの情報を配信したりすることが可能である。
【0054】
図14に示す「累計走行距離」には、車両4に車載器5が搭載された時点からの走行距離が記憶される。なお、車両4の走行開始時点からの走行距離が記憶される項目を設けても良い。「嗜好ジャンルテーブルバージョン」は、車載器5が蓄積/アップリンクした嗜好ジャンルデータのバージョンが分かるので、アップリンクされた嗜好ジャンルデータ解析に利用できる。なお、路側無線装置3は、嗜好ジャンルテーブルを更新する際に、利用者の煩わしさ低減のため、旧バージョンの嗜好データの設定値を新バージョンの嗜好ジャンルテーブルの設定値に反映することが好ましい。
【0055】
図14に示す「嗜好ジャンルデータ」には、サービス事業者により最大96項目(内12項目は公共情報提供サービス用にリザーブ)の嗜好ジャンルテーブルを自由に設定することができる。サービス事業者の事業内容に応じて、利用者の嗜好に合わせて細分化した情報提供が可能となるため、配信した情報の再生率向上が見込まれる。なお、このテーブルは、サービス事業者が作成して、路側無線装置3を介して送信されるものである。
【0056】
図14に示す「会員情報」には、基本的にはダウンリンクのID=40で配信された詳細情報1〜8と同一内容を会員情報1〜8に記録することができる。
【0057】
図14に示す「過去立ち寄り地」には、車両4が過去に駐車した地点を最大82箇所まで過去立ち寄り地情報として記憶することができる。「過去立ち寄り地情報」には、「サービス事業者コード」、「立ち寄り地数識別フラグ」、「過去立ち寄り地1〜82」が含まれている。「サービス事業者コード」には、ユーザが契約しているサービス事業者を一意に識別する情報が記述されている。なお、過去立ち寄り地はサービス事業者と契約した時点からそれぞれ記憶されていく。また、ここでいう過去立ち寄り地として登録される基準は、車載器5の電源が切断された時点での緯度/経度である。なお、駐車場情報配信サーバ2へアップリンクするまでに82箇所以上の駐車があった場合には最も古い時点に記録された地点から上書きするようにすることが好ましい。「立ち寄り地数識別フラグ」は、過去立ち寄り地数がいくつあるかを記述しているデータ領域である。「過去立ち寄り地1〜82」は過去に立ち寄った地点の詳細情報が記述してあるデータ領域である。「過去立ち寄り地1〜82」には、登録時点を示す「年月日時分秒」、日本測地系もしくは世界側地系を示す「側地系識別フラグ」、過去立ち寄り地点の詳細な緯度及び経度情報を記述される「緯度」および「経度」が含まれているデータ領域である。
【0058】
[路車間通信について]
続いて、路車間通信で行なわれるトランザクションについて説明する。図15は、図1に示す車載器5と路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2との間で行なわれる路車間通信のトランザクションを示す図である。この図15に示すトランザクションは、車載器5に電源が投入された時から、図3に示す路側無線装置3の通信エリアZ内に車載器5が進入し(以下、この進入時点を「エリアイン」という)、車載器5が通信エリアZ外に移動する時(以下、この時点を「エリアアウト」という)までの各部の通信処理を示すものである。以下、各ステップについて説明する。
【0059】
ステップS1:車載器5の一部であるナビゲーション部33およびDSRC通信部32は、車載器5の電源が投入されると、ナビゲーション部33からDSRC通信部32にクライアントインフォメーションデータが書き込まれる。ここで、クライアントインフォメーションデータとは、通信エリアZ内にいる車載器5が再生可能なコンテンツ情報の種類や、車載器5が搭載するコンテンツ再生アプリケーションなどの情報が含まれている。また、車載器5が対応可能な言語情報、ナビゲーション部33の有する測地系情報(日本または世界の測地系情報)、対応可能なDRM(Digital Rights Managemaent)、搭載している表示部(ディスプレイ)の解像度、蓄積可能なデータ量などもサプリメントインフォメーションとしてクライアントインフォメーションデータと合わせて通知が可能となっている。
【0060】
ステップS2:車載器5を搭載した車両がエリアインすると、路側無線装置3と車載器5の間で個別PUSH型の通信を確立すべく、DSRC接続処理(たとえば、DSRC−SPFにおける認証処理)が行なわれる。なお、DSRC接続処理の詳細については、省略する。
【0061】
ステップS3:路側無線装置3とDSRC通信部32は、DSRC接続処理が完了すると、駐車場情報配信サーバ2およびナビゲーション部33に対してそれぞれDSRC接続通知を行なう。
【0062】
ステップS4:DSRC通信部32は、路側無線装置3に対してナビゲーション部33により書き込まれたクライアントインフォメーションデータを送信する。また、路側無線装置3は、上述したクライアントインフォメーションデータを駐車場情報配信サーバ2に通知することができる。なお、このステップS4は、クライアント情報通知コマンドに相当する。
【0063】
ステップS5:駐車場情報配信サーバ2は、ステップS4で通知されたクライアントインフォメーションデータに基づき、車載器5自体を一意に識別することができるASL−IDを用いた会員判別や、その車載器5が有する機能情報を解析して、車載器5に適したコンテンツ情報をマルチコンテンツフォーマットで編成して、路側無線装置3に受け渡す。駐車場情報配信サーバ2は、これらのクライアントインフォメーションデータから車載器5で再生可能なコンテンツ情報や車載器5が保有する機能が分かるため、最適なコンテンツ情報を編成して配信することが可能となる。また、駐車場情報配信サーバ2は、車載器ID通知コマンドなどを用いることにより、車載器5固有のIDを取得することも可能であるため、車載器5を特定することが可能となる。また、たとえば、駐車場情報配信サーバ2および/または路側無線装置3において、保有する顧客DB(図示せず)などと車載器5の固有IDを照合するにより、車載器5の搭載された車両4を特定することも可能となる。路側無線装置3は、受け取ったコンテンツ情報を車載器5のDSRC通信部32へ配信する。DSRC通信部32は、ナビゲーション部33にそのコンテンツ情報を配信する。なお、ASL−IDなどによる会員判別の詳細については、省略する。
【0064】
ステップS6:駐車場情報配信サーバ2は、ステップS5の処理以降、路側無線装置3を介して、特定の記憶領域であるアップリンクタグエリアに情報が書き込まれていないかを確認するため、車載器5に対して定期的にポーリングを行なう。このポーリングによりアップリンクタグエリアに情報が書き込まれている場合には、その情報を取得し、書き込まれていない場合には、更にポーリングを続ける。
【0065】
ステップS7:ナビゲーション部33は、ステップS5で受け取ったコンテンツ情報からサービス事業者を判別して、そのサービス事業者用のアップリンク用データをDSRC通信部32の特定の記憶領域としてのアップリンクタグエリアに書き込む。ただし、ナビゲーション部33は、そのサービス事業者用のアップリンク用データが存在しない場合や、そのサービス事業者の非会員である場合にはそのアップリンクタグエリアには原則として書き込まない。
【0066】
ステップS8:DSRC通信部32は、ステップS7において特定の記憶領域としてのアップリンクタグエリアに情報が書き込まれた場合には、その情報を路側無線装置3に通知する(以下、このステップにて処理する情報を「アップリンク情報」という)。路側無線装置3は、そのアップリンク情報を駐車場情報配信サーバ2へ受け渡す。
【0067】
ステップS9:駐車場情報配信サーバ2は、ステップS8の処理以降、路側無線装置3を介して、特定の記憶領域としてのアップリンクタグエリアに情報が更新されていないか、定期的にポーリングを行なう。このポーリングにより特定の記憶領域としてのアップリンクタグエリアの情報が更新されている場合には、その情報を取得し、更新されていない場合には、更にポーリングを続ける。
【0068】
ステップS10:駐車場情報配信サーバ2は、ステップS8によって、アップリンク情報を取得したときは、その情報に基づき、会員嗜好に適したコンテンツ情報をマルチコンテンツフォーマットで編成して、路側無線装置3に配信する。路側無線装置3は、配信されたコンテンツ情報をDSRC通信部32に逆配信する。DSRC通信部32は、配信されたコンテンツ情報を解析してナビゲーション部33に適宜データを送信する。
【0069】
ステップS11:駐車場情報配信サーバ2は、嗜好データに適したコンテンツ情報の配信が終了したときは、その旨をDSRC通信部32に対して通知してエリアアウトを促す。これは、1台の車両が長時間にわたり通信エリアを占領すると、他の会員へのサービスが提供できなくなるためである。しかし、このエリアアウトを促す通知を行なわないようにしてもよい。
【0070】
[車載器5のアップリンク処理]
続いて、車載器5が行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク処理(図15のステップS7に相当)について詳細に説明する。図16は、図1に示す車載器5が行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク処理を示すフローチャートである。
【0071】
START:車載器5の制御部31は、車載器5の電源がONになるとメモリ部32Dに記憶されているアップリンク用情報生成プログラム32Eを読み出して、ステップS21の処理へ移行する。なお、以下の処理は、アップリンク用情報生成プログラム32Eのアルゴリズムに従って実行される。
【0072】
ステップS21:車載器5の制御部31は、車両4の過去立ち寄り地情報が車載器5のメモリ部32Dに記憶(保存)されているか否かを判定する。車載器5の制御部31は、車両4の過去立ち寄り地情報が車載器5のメモリ部32Dに記憶されている場合(ステップS21でYES)には、ステップS22の処理へ移行する。一方、車載器5の制御部31は、車両4の過去立ち寄り地情報が車載器5のメモリ部32Dに記憶されていない場合(ステップS21でNO)には、ステップS23の処理へ移行する。
【0073】
ステップS22:車載器5の制御部31は、車両4の過去立ち寄り地情報が車載器5のメモリ部32Dに記憶されていると、メモリ部32Dの特定の記憶領域であるアップリンクタグエリアに過去立ち寄り地に関する情報を書き込んで、ステップS23の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、「基本情報」のアップリンクタグエリアに「過去立ち寄り地」に関する情報を記憶して、ステップS23の処理へ移行する。
【0074】
ステップS23:車載器5の制御部31は、過去立ち寄り地以外の情報をメモリ部32Dの特定の領域であるアップリンクタグエリアに書き込んで、ステップS24の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、たとえば、「累積走行距離」、「目的地」や「経由地」などの情報をアップリンクタグエリアに記憶して、ステップS24の処理へ移行する。なお、このステップS23は、アップリンクタグエリアに書き込むべき情報がない場合には、そのままステップS24の処理へ移行してもよい。
【0075】
ステップS24:車載器5の制御部31は、アップリンクタグエリアに記録されているコンテンツ情報を、路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2へアップリンクして、処理を終了する(END)。
【0076】
このような処理とすることで、ユーザが所望する過去立ち寄り地付近の駐車場情報を取得することが可能となる。
【0077】
[駐車場情報配信サーバ2の駐車場情報配信処理]
続いて、駐車場情報配信サーバ2が車載器5に対して行なう駐車場情報配信処理(図15のステップS10に相当)について説明する。図17は、図1に示す駐車場情報配信サーバ2が図16に示すアップリンク処理を行なった車載器5に対して過去立ち寄り地周辺の駐車場情報を配信する処理を示すフローチャートである。
【0078】
START:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、駐車場情報配信プログラム12AをROM12からRAM13に読み出して、ステップS31の処理へ移行する。なお、以下の処理は、駐車場情報配信プログラム12Aのアルゴリズムに従って実行される。
【0079】
ステップS31:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、車載器5からアップリンク情報を受信したか否かを監視する。駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、車載器5からアップリンク情報を受信した場合(ステップS31でYES)には、ステップS32の処理へ移行する。一方、駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、車載器5からアップリンク情報を受信しない場合(ステップS31でNO)には、処理を終了する(END)。
【0080】
ステップS32:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、受信したアップリンク情報から立ち寄り地数識別フラグの値を取得して立ち寄り地変数Nに代入し、ステップS33の処理へ移行する。なお、立ち寄り地数識別フラグの値が0である場合には、立ち寄り地情報が記憶されていないと判定して、処理を終了してもよい(END)。
【0081】
ステップS33:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、立ち寄り地数判定変数Iに1を代入してステップS34の処理へ移行する。
【0082】
ステップS34:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、立ち寄り地毎に駐車場情報を抽出するための判定を行なう。具体的には、駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、立ち寄り地変数Nが、立ち寄り地数判定変数I以上である場合(ステップS34でYES、つまりI≦Nとなる場合)には、駐車場情報を抽出するためにステップS35の処理へ移行する。一方、駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、立ち寄り地変数Nが、立ち寄り地数判定変数Iより小さい場合(ステップS34でNO、つまりI>N)にはアップリンクした車載器5に駐車場情報を配信するためにステップS39の処理へ移行する。
【0083】
ステップS35:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、N個の過去立ち寄り地のうちまだ駐車場情報を抽出していない立ち寄り地の緯度/経度情報を取得して、ステップS36の処理へ移行する。なお、N個すべての立ち寄り地の駐車場情報が抽出されていない場合には、図14に示す過去立ち寄り地1から順番にN番目までの過去立ち寄り地の緯度/経度情報を取得してもよいし、逆にN番目の過去立ち寄り地から順番に過去立ち寄り地1の緯度/経度情報まで取得するようにしてもよい。なお、過去立ち寄り地の緯度/経度情報は、車載器5からアップリンクされた情報から取得してもよいし、駐車場IDなどのキーとして駐車場DB14Aから取得してもよい。
【0084】
ステップS36:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、HDD14に格納されている駐車場DB14Aを参照して過去立ち寄り地の緯度/経度が含まれるメッシュを選択して、ステップS37の処理へ移行する。なお、ここで言うメッシュとは、地図データを緯度・経度に基づいてほぼ同じ大きさに分けた網の目の3次メッシュのことを指しており、たとえば、JIS X0410で規定される地域メッシュコードに関連付けられた所定の地域である。なお、駐車場DB14Aには、駐車場配信サーバ2を利用する複数のサービス事業者が提供する日本国内の駐車場情報が複数格納されており、目的地の緯度/経度情報を含むメッシュに存在する駐車場を検索して抽出することが可能となっている。
【0085】
ステップS37:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、ステップS36で抽出した駐車場情報をRAM13に一時的に記憶して、ステップS38に移行する。具体的には、ID=50に分類されるコンテンツ情報がRAM13に一時的に記憶される。
【0086】
ステップS38:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、立ち寄り地数判定変数Iに1を加算してステップS34の判定処理へ戻る。
【0087】
ステップS39:駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、ステップS34の判定において、全ての立ち寄り地周辺の駐車場情報を抽出する(ステップS34でNO)と、路側無線装置3を介して車載器5へ抽出したすべての駐車場情報を配信して処理を終了する(END)。具体的には、駐車場情報配信サーバ2のCPU11は、過去立ち寄り地の緯度/経度を含むメッシュと一致する駐車場更新情報(図12に示すID=51の情報)と、当該メッシュ内に存在する駐車場情報(図11に示すID=50の情報)とを車載器5へ配信して、ステップS37の処理へ移行する。なお、本実施形態では、過去立ち寄り地の緯度/経度を含むメッシュに存在するID=50の駐車場情報(動的な駐車場情報)と共に、当該メッシュコードと一致するID=51の駐車場情報(静的な駐車場情報)をすべて配信しているが、当該メッシュコードが一致するID=51の駐車場情報(静的な駐車場情報)を駐車場DB14Aより抽出し、抽出されたID=51の駐車場情報と、そのID=51の駐車場情報に対応するID=50の駐車場情報(動的な駐車場情報)とを送信するようにしてもよい。このような配信方法とすることで、静的な駐車場情報に基づいて動的な駐車場情報が配信されることとなるため、仮に駐車場がなくなっていた場合であっても、なくなった駐車場の過去における動的な駐車場情が配信されることがなくなり、整合性をとることができる。
【0088】
このような処理を採用することで、駐車場情報配信サーバ2は、車載器5から送信される車両4の過去の立ち寄り地に関する情報を利用することで、過去の立ち寄り地周辺の駐車場情報を配信することができる。言い換えると、ユーザは、所望する過去の立ち寄り地付近の駐車場情報を容易に取得することができる。
【0089】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る駐車場情報配信システム1Aについて説明する。この駐車場情報配信システム1Aは、図1に示す駐車場情報配信システム1の場合と比較して、車載器5のメモリ部32Dに格納されているアップリンク用情報生成プログラム32Eがアップリンク用情報生成プログラム32Gに置換されており、それに基づく動作の一部が異なっている。このアップリンク用情報生成プログラム32Gは、過去立ち寄り地付近の駐車場情報をすべて配信するのではなく、過去立ち寄り地付近の駐車場情報であってユーザが所望する駐車場情報を配信するプログラムである。なお、アップリンク用情報生成プログラム32Gの詳細については、車載器5Aが行なうアップリンク処理の動作と共に説明する。また、図1に示す駐車場情報配信システム1と対応する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0090】
車載器5Aが行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク(図15のステップS7に相当)について詳細に説明する。図18は、本発明の第2実施形態の車載器5Aが行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク処理を示すフローチャートである。
【0091】
START:車載器5Aの制御部31は、車載器5Aの電源がONになるとアップリンク用情報生成プログラム32Gを読み出して、ステップS41の処理へ移行する。なお、以下の処理は、アップリンク用情報生成プログラム32Gのアルゴリズムに従って実行される。
【0092】
ステップS41:車載器5Aの制御部31は、メモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地にユーザが所望する情報が保存されているか否かを監視する。車載器5Aの制御部31は、メモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地にユーザが所望する情報が保存されている場合(ステップS41でYES)には、ステップS42の処理へ移行する。一方、車載器5Aの制御部31は、メモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地にユーザが所望する情報が保存されていない場合(ステップS42でNO)には、ステップS43の処理へ移行する。なお、ここでユーザが所望する情報を取得する方法については、たとえば、表示部33Fに過去立ち寄り地に関する情報を表示させて、車載器5Aの操作部33Eによりユーザに選択させたり、所望する情報について緯度/経度を直接入力させたりすることで取得することができる。なお、ユーザが所望する情報を取得できれば上記以外の方法でもよい。
【0093】
ステップS42:車載器5Aの制御部31は、メモリ部32Dに記憶されているユーザが所望する過去立ち寄り地にユーザが所望する情報が保存されていると、メモリ部32Dの特定の領域であるアップリンクタグエリアに過去立ち寄り地に関する情報を書き込んで、ステップS43の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、「過去立ち寄り地」情報のアップリンクタグエリアにユーザが所望する過去立ち寄り地に関する情報を記憶して、ステップS43の処理へ移行する。
【0094】
ステップS43:車載器5Aの制御部31は、ユーザが所望する過去立ち寄り地に関する以外の情報をメモリ部32Dの特定の領域であるアップリンクタグエリアに書き込んで、ステップS44の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、たとえば、「累積走行距離」、「目的地」や「経由地」などの情報をアップリンクタグエリアに記憶して、ステップS44の処理へ移行する。なお、このステップS43は、アップリンクタグエリアに書き込むべき情報がない場合には、そのままステップS44の処理へ移行してもよい。
【0095】
ステップS44:車載器5Aの制御部31は、アップリンクタグエリアに記録されているコンテンツ情報を、路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2へアップリンクして、処理を終了する(END)。
【0096】
このような処理とすることで、メモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地の中でユーザが所望する駐車場情報を駐車場情報配信サーバ2へアップリンクすることできる。その結果、所望の駐車場情報を確実に取得することが可能となる。
【0097】
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態に係る駐車場情報配信システム1Bについて説明する。この駐車場情報配信システム1Bは、図1に示す駐車場情報配信システム1の場合と比較して、車載器5のメモリ部32Dに格納されているアップリンク用情報生成プログラム32Eが、アップリンク用情報生成プログラム32Hに置換されており、それに基づく動作の一部が異なっている。このアップリンク用情報生成プログラム32Hは、サービス業者との契約前の過去立ち寄り地情報を利用して駐車場情報を配信させるためにアップリンク情報を生成するプログラムである。なお、アップリンク用情報生成プログラム32Hの詳細については、車載器5Bが行なうアップリンク処理の動作と共に説明する。また、図1に示す駐車場情報配信システム1と対応する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0098】
車載器5Bが行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク(図15のステップS7に相当)について詳細に説明する。図19は、本発明の第3実施形態の車載器5Bが行なう駐車場情報配信サーバ2へのアップリンク処理を示すフローチャートである。
【0099】
START:車載器5Bの制御部31は、車載器5Bの電源がONになるとアップリンク用情報生成プログラム32Gを読み出して、ステップS51の処理へ移行する。なお、以下の処理は、アップリンク用情報生成プログラム32Gのアルゴリズムに従って実行される。
【0100】
ステップS51:車載器5Bの制御部31は、サービス事業者との契約前にメモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地情報が保存されているか否かを判定する。車載器5Bの制御部31は、サービス事業者との契約前にメモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地情報が保存されている場合(ステップS51でYES)には、ステップS52の処理へ移行する。一方、車載器5Bの制御部31は、サービス事業者との契約前にメモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地情報が保存されていない場合(ステップS51でNO)には、ステップS53の処理へ移行する。ここで、サービス事業者との契約前に記憶されている過去立ち寄り地情の有無を判定する方法としては、まず、車載器5Bのメモリ部32D内に他のサービス事業者のデータ領域の有無を確認する。そして、その他のサービス事業者のデータ領域が存在する場合には、当該サービス事業者のデータ領域における立ち寄り地数識別フラグを参照することで、過去立ち寄り地情報の有無がわかり、上述したサービス事業者との契約前にメモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地情報が保存されているか否かを判定することができる。
【0101】
ステップS52:車載器5Bの制御部31は、サービス事業者との契約前にメモリ部32Dに記憶されている過去立ち寄り地情報が保存されていると、メモリ部32Dの特定の領域であるアップリンクタグエリアに過去立ち寄り地に関する情報を書き込んで、ステップS53の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、「過去立ち寄り地」情報のアップリンクタグエリアに過去立ち寄り地に関する情報を記憶して、ステップS53の処理へ移行する。
【0102】
ステップS53:車載器5Bの制御部31は、過去立ち寄り地に関する以外の情報をメモリ部32Dの特定の領域であるアップリンクタグエリアに書き込んで、ステップS54の処理へ移行する。具体的には、図14に示すデータ形式にしたがって、たとえば、「累積走行距離」、「目的地」や「経由地」などの情報をアップリンクタグエリアに記憶して、ステップS54の処理へ移行する。なお、このステップS53は、アップリンクタグエリアに書き込むべき情報がない場合には、そのままステップS54の処理へ移行してもよい。
【0103】
ステップS54:車載器5Bの制御部31は、アップリンクタグエリアに記録されているコンテンツ情報を、路側無線装置3を介して駐車場情報配信サーバ2へアップリンクして、処理を終了する(END)。
【0104】
図15のステップS7で説明したように、ユーザは、契約したサービス事業者に対してのみ過去立ち寄り地情報を原則としてアップリンクするが、このような処理とすることで、契約前に訪れたことがある過去立ち寄り地を利用して駐車場情報配信サーバ2へアップリンクすることできる。その結果、サービス事業者との契約前後に関わらず、過去立ち寄り地情報を利用して所望の駐車場情報を取得することが可能となる。
【0105】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。たとえば、駐車場情報配信サーバ2が路側無線装置3を介して車載器5に配信するコンテンツ情報として、目的地または経由地の緯度/経度を含む所定の範囲内の駐車場情報としたが、その他にも、地域情報、広告情報、店舗、医療施設などの各種施設情報を配信するようにしてもよい。
【0106】
また、上記の実施の形態では、目的地および経由地の緯度/経度情報が含まれるメッシュを駐車場DB14Aから抽出して、当該メッシュに含まれる駐車場情報を配信することとしていたが、その他にもたとえば、過去立ち寄り地の緯度/経度情報を中心点(中心座標)として所定のエリア内(たとえば半径500m以内)に含まれる駐車場情報を配信するようにしてもよい。また、そのようにして抽出された駐車場情報であって、ナビゲーションの経路上にある駐車場情報のみを抽出して配信するようにしてもよい。
【0107】
また、車載器5Bのアップリンク用情報生成プログラム32Hは、サービス事業者との契約前の過去立ち寄り地すべてを利用して駐車場情報を配信させているが、車載器5Aのアップリンク用情報生成プログラム32Gのように、ユーザが所望する過去立ち寄り地を選択させて、選択された過去立ち寄り地を利用して駐車場情報を配信させるようにしてもよい。
【0108】
また、車載器5Bのアップリンク用情報生成プログラム32Hは、サービス事業者との契約前の過去立ち寄り地を利用して駐車場情報を配信させているが、サービス事業者との契約後であっても、他のサービス事業者のデータ領域における過去立ち寄り地を含めて駐車場情報を配信させるようにしてもよい。
【0109】
また、上記実施の形態では、駐車場情報配信サーバ2と路側無線装置3とが物理的および機能的に分離されているが、この他にもたとえば、駐車場情報配信サーバ2の有する機能を路側無線装置3に持たせるようにしてもよい。また、上記実施の形態では、情報配信端末としての車載器5、5A、5Bを用いている。この他にもたとえば、情報配信端末としてDSRC通信機能を備えた携帯電話やPDAを車両4に搭載させて用いてもよい。
【0110】
また、上記実施の形態に係る情報配信端末としての車載器5、5A、5Bは、図3に示すように制御部31、DSRC通信部32、ナビゲーション部33とで構成しているが、この他にもたとえば、ITS車載器のように料金決済が可能なETC(Electronic Toll Collection system)処理部(図示せず)、料金決済時に使用するICカードを挿入するICカードインタフェース部(図示せず)などを備えたものとしてもよい。また、情報配信端末としては、ナビゲーション機能を持たない端末や、車両4に常時設置されない携帯可能な端末としてもよい。
【0111】
また、上記実施の形態に係る車載器5、5A、5BのDSRC通信部32は、5.8GHz帯DSRC通信機能を有しているが、この他にもたとえば、ITS車載器のように、光VICSインタフェース,FMVICSインタフェース,他の周波数帯の通信用インタフェース、その他のメディアとの通信インタフェースを備えていてもよい。また、通信方式として5.8GHz帯の狭域通信を、それ以外の広域通信方式など、他の通信方式を採用してもよい。
【0112】
また、上記実施の形態に係る駐車場情報配信システム1、1A、1Bが有する各構成ブロックの機能は、全てまたはその一部をソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現しても良い。たとえば、車載器5、5A、5Bの制御部31における処理の全部またはその一部は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
【0113】
また、たとえば、駐車場情報配信サーバ2および/または車載器5、5A、5Bを装置の全部または一部として動作させるためのコンピュータプログラムを、メモリーカード、CD(compact disc)、DVD(digital versatile disc)、MO(magneto−optical)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータ、たとえば、携帯電話、オーディオ機器、電子時計などにインストールし、駐車場情報配信サーバ2および/または車載器5、5A、5Bとして動作させ、あるいは、駐車場情報配信サーバ2および/または車載器5、5A、5Bが行なう工程を実行させてもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置などにプログラムを格納しておき、たとえば、搬送波に重畳させて、駐車場情報配信サーバ2および/または車載器5、5A、5Bとなるコンピュータにダウンロードなどするものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、たとえば、車両や船舶などをナビゲーションできるシステムを利用して情報を配信する情報配信システム、情報配信サーバ、情報配信端末、情報配信方法および情報配信プログラムに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報配信システム全体の構成を示す図である。
【図2】図1に示す駐車情報情報配信サーバ全体の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す路側無線装置の構成例を示す図である。
【図4】図1に示す車載器全体の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す情報配信システムで用いられるマルチコンテンツフォーマットで編成されたデータ群を概念的に示した図である。
【図6】図5で示したマルチコンテンツフォーマットに従った配信データに含まれるコンテンツ情報に基づき表示される画面遷移例を示す図である。
【図7】図5で示したマルチコンテンツフォーマットに従った配信データに含まれるコンテンツ情報のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図8】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7のID=00および01のデータ形式を示す図である。
【図9】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7に示すID=10のデータ形式を示す図である。
【図10】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7に示すID=40のデータ形式を示す図である。
【図11】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7に示すID=50のデータ形式を示す図である。
【図12】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7に示すID=51のデータ形式を示す図である。
【図13】図1に示す路側無線装置から車載器にダウンリンクするデータ形式のうち、図7に示すID=80のデータ形式を示す図である。
【図14】図1に示す車載器から路側無線装置に対して行なうアップリンクのデータ形式を示す図である。
【図15】図1に示す車載器と路側無線装置を介して駐車場情報配信サーバとの間で行なわれる路車間通信のトランザクションを示す図である。
【図16】図1に示す車載器が行なう駐車場情報配信サーバへのアップリンクの処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第2実施形態に係る駐車場情報配信システムが車載器から図16に示すアップリンク処理によりアップリンクされたデータを受信して、過去立ち寄り地周辺の駐車場情報を配信する処理を示したフローチャートである。
【図18】本発明の第2実施形態の車載器が行なう駐車場情報配信サーバへのアップリンク処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第3実施形態の車載器が行なう駐車場情報配信サーバへのアップリンク処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0116】
1,1A,1B 駐車場情報配信システム(情報配信システム)、2 駐車場情報配信サーバ(情報配信サーバ)、3,3A,3B 路側無線装置(無線装置)、3C アクセスポイント(無線装置)、4 車両、5,5A,5B 車載器(情報配信端末)、6A ネットワーク、6B 外部ネットワーク、11 CPU(情報配信サーバの制御部の一部)、12 ROM(情報配信サーバの制御部の一部)、12A 駐車場情報配信プログラム(情報配信サーバの制御部の一部)、13 RAM(情報配信サーバの制御部の一部)、14 HDD、14A 駐車場DB(情報配信サーバの制御部の一部)、15 入力部、16 出力部、17A 第1の通信制御部(情報配信サーバの制御部の一部)、17B 第2の通信制御部(情報配信サーバの制御部の一部)、18 システムバス(情報配信サーバの制御部の一部)、21 本体装置(無線装置の一部)、22 アンテナ(無線装置の一部)、31 制御部(情報配信端末の制御部)、32 DSRC通信部(情報配信端末の制御部の一部)、32A 送受信部/変復調部、32B DSRC制御部、32C DSRC−ASL処理部、32D メモリ部(記憶部)、32E,32G,32H アップリンク用情報生成プログラム、32F ヒューマンマシンインタフェース部、33 ナビゲーション部(情報配信端末の制御部の一部)、33A ナビデータ処理部、33B ヒューマンマシンインタフェース部、33C 高精度測位計測部、33D 地図データ部、33E 操作部、33F 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、上記車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、PUSH型の通信方式により配信されるコンテンツ情報を受信する情報配信端末と、PUSH型の通信方式により上記情報配信端末へ上記コンテンツ情報を配信する無線装置と、上記無線装置を介して上記情報配信端末から送信される情報に応じて異なるコンテンツ情報を提供する情報配信サーバと、を有する情報配信システムにおいて、
上記情報配信端末は、
上記情報配信サーバからの要求により、上記記憶部に記憶された上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を上記無線装置を介して上記情報配信サーバに送信する制御部を備え、
上記情報配信サーバは、
上記無線装置を介して上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を受信し、
上記車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、
上記抽出されたコンテンツ情報を、上記無線装置を介して上記情報配信端末に送信する制御部を備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
PUSH型の通信方式により情報配信端末へコンテンツ情報を配信する無線装置に、上記情報配信端末から送信される情報に応じて異なるコンテンツ情報を提供する情報配信サーバにおいて、
上記情報配信端末から上記車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を上記無線装置を介して取得し、
上記緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、
上記抽出されたコンテンツ情報を、上記無線装置を介して上記情報配信端末に送信する制御部を備えることを特徴とする情報配信サーバ。
【請求項3】
車両に搭載され、上記車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、情報配信サーバからPUSH型の通信方式の無線装置を介してコンテンツ情報を受信する情報配信端末において、
上記情報配信サーバからの要求により、上記記憶部に記憶された上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を上記無線装置を介して上記情報配信サーバに送信し、
上記車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信する制御部とを備える情報配信端末。
【請求項4】
車両に搭載され、上記車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、コンテンツ情報を提供する情報配信サーバからPUSH型の通信方式の無線装置を介して上記コンテンツ情報を受信する情報配信端末に用いられる情報配信方法において、
上記情報配信サーバからの要求により上記記憶部に記憶された上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を上記無線装置を介して上記情報配信サーバに送信するステップと、
上記車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信するステップと、を有することを特徴とする情報配信方法。
【請求項5】
コンピュータを、車両に搭載された情報配信端末から上記車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を上記無線装置を介して取得し、上記緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、上記抽出されたコンテンツ情報を、上記無線装置を介して上記情報配信端末に送信する制御手段として機能させるための情報配信プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を記憶する記憶手段、情報配信サーバからの要求により上記記憶手段に記憶された車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を所定の記憶領域に記憶し、無線装置を介して上記情報配信サーバへ送信し、上記緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信する制御手段として機能させるための情報配信プログラム。
【請求項1】
車両に搭載され、上記車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、PUSH型の通信方式により配信されるコンテンツ情報を受信する情報配信端末と、PUSH型の通信方式により上記情報配信端末へ上記コンテンツ情報を配信する無線装置と、上記無線装置を介して上記情報配信端末から送信される情報に応じて異なるコンテンツ情報を提供する情報配信サーバと、を有する情報配信システムにおいて、
上記情報配信端末は、
上記情報配信サーバからの要求により、上記記憶部に記憶された上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を上記無線装置を介して上記情報配信サーバに送信する制御部を備え、
上記情報配信サーバは、
上記無線装置を介して上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を受信し、
上記車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、
上記抽出されたコンテンツ情報を、上記無線装置を介して上記情報配信端末に送信する制御部を備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
PUSH型の通信方式により情報配信端末へコンテンツ情報を配信する無線装置に、上記情報配信端末から送信される情報に応じて異なるコンテンツ情報を提供する情報配信サーバにおいて、
上記情報配信端末から上記車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を上記無線装置を介して取得し、
上記緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、
上記抽出されたコンテンツ情報を、上記無線装置を介して上記情報配信端末に送信する制御部を備えることを特徴とする情報配信サーバ。
【請求項3】
車両に搭載され、上記車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、情報配信サーバからPUSH型の通信方式の無線装置を介してコンテンツ情報を受信する情報配信端末において、
上記情報配信サーバからの要求により、上記記憶部に記憶された上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を上記無線装置を介して上記情報配信サーバに送信し、
上記車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信する制御部とを備える情報配信端末。
【請求項4】
車両に搭載され、上記車両が過去に立ち寄った地点を記憶する記憶部を有し、コンテンツ情報を提供する情報配信サーバからPUSH型の通信方式の無線装置を介して上記コンテンツ情報を受信する情報配信端末に用いられる情報配信方法において、
上記情報配信サーバからの要求により上記記憶部に記憶された上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を所定の記憶領域に記憶し、上記車両が過去に立ち寄った地点に関する情報を上記無線装置を介して上記情報配信サーバに送信するステップと、
上記車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信するステップと、を有することを特徴とする情報配信方法。
【請求項5】
コンピュータを、車両に搭載された情報配信端末から上記車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を上記無線装置を介して取得し、上記緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を抽出し、上記抽出されたコンテンツ情報を、上記無線装置を介して上記情報配信端末に送信する制御手段として機能させるための情報配信プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を記憶する記憶手段、情報配信サーバからの要求により上記記憶手段に記憶された車両が過去に立ち寄った地点の緯度/経度を所定の記憶領域に記憶し、無線装置を介して上記情報配信サーバへ送信し、上記緯度/経度を含む所定のエリア内で提供されるコンテンツ情報を受信する制御手段として機能させるための情報配信プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−140397(P2010−140397A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318063(P2008−318063)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
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