説明

情報隠蔽用シート

【課題】基材の隠蔽情報記入面が内側となるように重ね合わされ、この重ね合わせ面同士が剥離可能に擬似接着される形態の情報隠蔽用シートとして、一般的な印刷加工設備でも製造することができるものを提供する。
【解決手段】基材11,12が、2つ折りされて隠蔽情報Jの記入面11a,12aが内側となるように重ね合わされ、この重ね合わせ面11a,12a同士が剥離可能に擬似接着される。この際、一方の重ね合わせ面11a上に剥離層Hが設けられ、他方の重ね合わせ面12a上に接着剤層Sが設けられる。そして、この接着剤層Sを、固化する前は通常の状態でも剥離層H及び基材11,12に対する接着力を有し、かつ固化すると基材11,12からは剥離不能となるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記入情報を特定人のみが知り得る状態で隠蔽でき、例えば、親展葉書等として使用することができる情報隠蔽用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の情報隠蔽用シートとしては、基材を2つ折りする等して隠蔽情報記入面が内側となるように重ね合わせ、この重ね合わせ面同士を剥離可能に擬似接着するものがある。この種の情報隠蔽用シートは、2つ折り状態を解除して記入した隠蔽情報を読み取ることができるように構成されたものであり、例えば、個人情報や口座番号を記入して各種届出機関へ郵送する際の情報隠蔽葉書等として利用されている。
そして、この種の情報隠蔽用シートにおける擬似接着の方法としては、従来、通常の状態では接着しないが加熱加工や加圧加工をすると剥離可能に接着する感熱接着剤や感圧接着剤を、重ね合わせ面に塗工して擬似接着させる方法があった(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この形態によると、加熱又は加圧加工機が必要になり、ロールコレーターや封筒コレーター等の一般的な印刷加工設備では製造することができない。
また、剥離可能に接着する方法としては、未乾燥状態(ウェット状態)では単なる重ね合わせによっても接着性を発現するが、乾燥した後には接着性が失われる接着剤を、重ね合わせ面に塗布する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法は、乾燥した後は接着性が失われてしまうこと、未乾燥状態で剥離すると単なる重ね合わせによっても(通常の状態でも)再接着してしまうことから、単なる仮止めであり、いわゆる擬似接着ではない。また、この方法においては、未乾燥状態で剥離すると接着剤が対向する面に残るおそれがあるとの問題もある。さらに、この様な凝集破壊する仮止めの状態では、剥した面の表面が乱反射し、マット調のくすんだ状態となり好ましくない。
【特許文献1】特開平11−78307号公報
【特許文献2】特開平11−245559公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする主たる課題は、基材の隠蔽情報記入面が内側となるように重ね合わされ、この重ね合わせ面同士が剥離可能に擬似接着される形態の情報隠蔽用シートとして、一般的な印刷加工設備でも製造することができるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
基材が、少なくとも2つ折りされて隠蔽情報記入面が内側となるように重ね合わされ、この重ね合わせ面同士が剥離可能に擬似接着される、情報隠蔽用シートであって、
一方の重ね合わせ面上の少なくとも一部に剥離層が設けられ、他方の重ね合わせ面上又は両方の重ね合わせ面上に接着剤層が設けられ、この接着剤層が固化する前は通常の状態でも前記剥離層及び前記基材に対する接着力を有し、かつ重ね合わせ後に前記接着剤層が固化すると前記剥離層に対し擬似接着する、ことを特徴とする情報隠蔽用シート。
【0005】
〔請求項2記載の発明〕
少なくとも2枚の基材が、隠蔽情報記入面が内側となるように重ね合わされ、この重ね合わせ面同士が剥離可能に擬似接着される、情報隠蔽用シートであって、
一方の重ね合わせ面上の少なくとも一部に剥離層が設けられ、他方の重ね合わせ面上又は両方の重ね合わせ面上に接着剤層が設けられ、この接着剤層が固化する前は通常の状態でも前記剥離層及び前記基材に対する接着力を有し、かつ重ね合わせ後に前記接着剤層が固化すると前記剥離層に対し擬似接着する、ことを特徴とする情報隠蔽用シート。
【0006】
〔請求項3記載の発明〕
前記一方の重ね合わせ面を有する基材は、前記剥離層が設けられている領域と前記剥離層が設けられていない領域との境に、切断補助線が形成されている、請求項1又は請求項2記載の情報隠蔽用シート。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、基材の隠蔽情報記入面が内側となるように重ね合わされ、この重ね合わせ面同士が剥離可能に擬似接着される形態の情報隠蔽用シートとして、一般的な印刷加工設備でも製造することができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
〔第1の形態〕
図1から図3に、第1の形態の情報隠蔽用シート10を示した。
本形態の情報隠蔽用シート10は、基材にミシン目線、折り筋線、低坪量線等からなる折り線13が形成されており、この折り線13を挟んで、相互に隣接する例えば葉書サイズの一方の基材11及び他方の基材12に区画されている。この区画された一方の基材11及び他方の基材12は、その一方の面11a及び12aが、例えば親展情報や金融機関等に関する情報等の隠蔽情報Jを、オフセット印刷、グラビア印刷等の適宜の印刷方法あるいは各種プリンター等によって記入することができる隠蔽情報記入面とされている。
情報隠蔽用シート10の基材は、図3に示すように、折り線13を利用して2つ折りされて隠蔽情報記入面11a及び12aが内側となるように重ね合わされる。この重ね合わせによって、情報隠蔽用シート10は、例えば葉書サイズになり、重ね合わせ面となる隠蔽情報記入面11a及び12a同士は、剥離可能に擬似接着される。以下、この擬似接着の方法を詳細に説明する。
まず、一方の重ね合わせ面11a上の少なくとも一部には、本形態では全部(全面)には、剥離層Hが設けられている。また、他方の重ね合わせ面12a上又は両方の重ね合わせ面11a及び12a上には、本形態では他方の重ね合わせ面12a上には、接着剤層Sが設けられている。そして、この接着剤層Sは、固化する前は通常の状態でも、つまり加熱や加圧等をなされなくても剥離層H及び基材11,12に対する接着力を有し、かつ固化すると基材11,12からは剥離不能となる。したがって、接着剤層Sが固化する前に、ロールコレーターや封筒コレーター等の一般的な印刷加工設備で、重ね合わせ面(隠蔽情報記入面)11a及び12a同士を接着することができ、加熱加工機や加圧加工機を用いる必要がない。また、接着剤層Sは固化すると基材11,12からは剥離不能となるため、重ね合わせ面11a及び12a同士を剥離しようとすると、図3に剥離位置として示すように、剥離層Hと接着剤層Sとの間で剥離する。したがって、剥離可能であり、接着剤層Sが対向する面に残るおそれもない。さらに、接着剤層Sは、既に固化しているため、剥離後において剥離層Hに対する接着力を有しない。したがって、重ね合わせ面(隠蔽情報記入面)11a及び12a同士が、単なる重ね合わせによって(通常の状態で)、再接着してしまうことがない。
【0009】
〔第2の形態〕
図4から図6に、第2の形態の情報隠蔽用シート20を示した。本形態の情報隠蔽用シート20は、第1の形態の情報隠蔽用シート10を変形したものである。
すなわち、本形態の情報隠蔽用シート20は、剥離層Hが、一方の重ね合わせ面11a上の全部(全面)にではなく一部に、具体的には、側端部11Aを除いた基材11の重ね合わせ面11a上のみに、設けられている。したがって、基材が折り線13を利用して2つ折りされると、図5に示すように、基材11の側端部11Aの重ね合わせ面11aが、基材12の側端部12Aの重ね合わせ面12a上に設けられた接着剤層Sと接着する。そして、この接着剤層Sは、固化すると基材11,12からは剥離不能となるため、側端部11Aと側端部12Aとは、剥離することがなく、情報隠蔽性が向上する。
さらに、本形態においては、基材11の剥離層Hが設けられている領域と剥離層Hが設けられていない領域との境に、ミシン目やスリット線等の切断補助線14が形成されており、重ね合わせ状態において、基材12の、この切断補助線14と対向する位置にも同様の切断補助線14が形成されている。したがって、図6に示すように、切断補助線14,14を利用して、側端部11A及び側端部12Aを、それぞれ基材11又は基材12から切断すれば、開封等に際して、容易に重ね合わせ面11aと重ね合わせ面12aとを剥離することができる。
本形態では、切断補助線14が、基材11のほか、基材12にも形成されているが、基材11あるいは基材12の片方に形成することもできる。
【0010】
〔第3の形態〕
図7及び図8に、第3の形態の情報隠蔽用シート30を示した。
本形態の情報隠蔽用シート30は、第1及び第2の形態と異なり、少なくとも2枚の基材が、本形態では2枚の基材31及び32が、隠蔽情報記入面31a及び32aが内側となるように重ね合わされ、この重ね合わせ面31a及び32a同士が剥離可能に擬似接着される。
この擬似接着の方法は、第1及び第2の形態と同様であり、一方の重ね合わせ面31a上の少なくとも一部に、本形態では全部(全面)に、剥離層Hが設けられ、他方の重ね合わせ面32a上又は両方の重ね合わせ面31a及び32a上に、本形態では他方の重ね合わせ面32a上に、接着剤層Sが設けられている。
【0011】
〔第4の形態〕
図9及び図10に、第4の形態の情報隠蔽用シート40を示した。本形態の情報隠蔽用シート40は、第3の形態の情報隠蔽用シート30を変形したものである。
すなわち、本形態の情報隠蔽用シート40は、基材31の例えば中央部に、平面略方形状、平面略円形状等の開口34が設けられている。また、重ね合わせ状態においてこの開口34と対向する基材32の重ね合わせ面32aには、隠蔽情報Jに変えて宛名等の公開情報Tが印刷等によって記入される。したがって、図10に示すように、開口34を通して公開情報Tを読み取ることができ、基材の重なり合いによって厚さが増した情報隠蔽用シート40に、公開情報Tを印刷等する必要がなく、印刷作業が容易となる。
【0012】
〔第5の形態〕
図11に、第5の形態の情報隠蔽用シート60を示した。本形態の情報隠蔽用シート60は、第1の形態の情報隠蔽用シート10を変形したものである。
すなわち、本形態の情報隠蔽用シート60は、第1の形態と異なり、まず、一方の重ね合わせ面11a上に剥離層Hが設けられ、その後、両方の重ね合わせ面11a及び12a上に接着剤層Sが設けられている。つまり、一方の重ね合わせ面11a上においては、剥離層Hを介して接着剤層Sが設けられている。剥離層Hや接着剤層Sの形成上の都合等によっては、このような形態も可能である。
本形態においては、図11中に示すように、一方の重ね合わせ面11a上の剥離層Hと接着剤層Sとの間が、剥離位置となる。
【0013】
〔第6の形態〕
図12及び図13に、第6の形態の情報隠蔽用シート70を示した。本形態の情報隠蔽用シート70は、第1の形態の情報隠蔽用シート10を変形したものである。
本形態の情報隠蔽用シート70は、基材にミシン目等からなる折り線75が2本平行に形成されている。つまり、本形態の基材は、この折り線の一方75を挟んで、相互に隣接する一方の基材(以下、第1の基材ともいう)71及び他方の基材(以下、第2の基材ともいう)72に区画され、また、折り線の他方75を挟んで、相互に隣接する一方の基材(第2の基材)72及び他方の基材(以下、第3の基材ともいう)73に区画されている。この区画された第1から第3の基材71,72及び73は、その一方の面71a及び72a並びに他方の面72b及び73bが、それぞれ例えば親展情報等の隠蔽情報Jを印刷等によって記入することができる隠蔽情報記入面とされている。つまり、本形態では、隠蔽情報記入面が、第1の形態の2倍の広さとなっている。
情報隠蔽用シート70の基材は、折り線75,75を利用して3つ折りされて隠蔽情報記入面71a及び72a並びに72b及び73bが内側となるように重ね合わされる。この重ね合わせ面となる隠蔽情報記入面71a及び72a同士並びに72b及び73b同士は、剥離可能に擬似接着される。この擬似接着の方法は、第1の形態と同様である。
具体的には、一方の重ね合わせ面71a上の基材71の側端部を除いた部位に剥離層Hが設けられ、他方の重ね合わせ面72a上の全部(全面)に接着剤層Sが設けられ、これら剥離層H及び接着剤層Sで擬似接着分離層が形成されている。また、一方の重ね合わせ面73b上の基材74の側端部を除いた部位に剥離層Hが設けられ、他方の重ね合わせ面72b上の全部(全面)に接着剤層Sが設けられ、これら剥離層H及び接着剤層Sで擬似接着分離層が形成されている。
さらに、本形態においては、基材71及び73の剥離層Hが設けられている領域と剥離層Hが設けられていない領域との境に、ミシン目やスリット等からなる、本形態では基材の途中まで切り込まれたハーフスリットからなる切断補助線74,74が形成されている。したがって、切断補助線74,74を利用して、基材71や基材73から側端部を切り離せば、開封等に際して、容易に重ね合わせ面71aと重ね合わせ面72aとを、あるいは重ね合わせ面72bと重ね合わせ面73bとを剥離することができる。
【0014】
〔第7の形態〕
図14に、第7の形態の情報隠蔽用シート80を示した。本形態の情報隠蔽用シート80は、第6の形態の情報隠蔽用シート70を変形したものである。
本形態の情報隠蔽用シート80は、一方の重ね合わせ面73b上の剥離層H及び他方の重ね合わせ面72b上の接着剤層Sに変えて、第1の基材71の重ね合わせ面71aの反対側の面71b、第2の基材72の重ね合わせ面72b、及び、第3の基材73の重ね合わせ面73bに、感熱又は感圧加工すると擬似接着する圧着層Gが形成されている。このように、本発明の方法は、従来の擬似接着方法と組み合わせることもできる。
また、本形態の情報隠蔽用シート80は、剥離層Hが、第1の基材71の重ね合わせ面71a全面に設けられており、切断補助線74,74が設けられていない形態となっている。
【0015】
〔第8の形態〕
図15に、第8の形態の情報隠蔽用シート90を示した。本形態の情報隠蔽用シート90は、第6の形態の情報隠蔽用シート70を変形したものである。
本形態の情報隠蔽用シート90は、一方の重ね合わせ面73b上の剥離層Hが接着剤層Sに変えられ、また、他方の重ね合わせ面72b上の接着剤層Sは設けられていない。したがって、一方の重ね合わせ面73b及び他方の重ね合わせ面72bは、剥離不能に接着される。
また、本形態の情報隠蔽用シート90においても、第8の形態と同様に、剥離層Hが、第1の基材71の重ね合わせ面71a全面に設けられており、切断補助線74,74が設けられていない形態となっている。
【0016】
〔その他〕
(1)各情報隠蔽用シートの基材の素材、厚さ等は、特に限定されない。素材としては、例えば、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成紙、樹脂フィルムがラミネートされたシート等を例示することができる。さらにこれらの素材に耐水処理を施すことにより雨に濡れた場合の耐久性が増す。また、環境保護の観点から各種再生紙を用いてもよい。ただし、資源の再利用という観点からは、樹脂フィルムがラミネートされたもの等は、避けるのが好ましい。
また、以上のうち各紙は、古紙を原料とする再生紙あるいはバージンパルプ原料とする非再生紙のいずれであってもよい。また、合成紙であってもよい。
基材の坪量は、特に限定されないが、隠蔽情報が反対面から透けて視認されない程度の不透明度を確保できること、郵送や取り扱いの利便性等を考慮すると60〜200g/m2程度であるのが望ましい。基材の厚さは、例えば、通常50〜300μmである。
(2)接着剤層Sを形成する接着剤としては、例えば、天然又は合成ゴム系、アクリル系、シリコン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、有機溶剤系、エマルジョン系の既知の接着剤を用いることができる。
ゴム系接着剤の具体例を挙げれば、主成分として天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等の中から選ばれた少なくとも1種を含有するものが挙げられる。
アクリル系接着剤の具体例を挙げれば、主成分として、アクリル酸エステル単独重合体、アクリル酸エステル単位2種以上を含む共重合体及びアクリル酸エステルと他の官能性単量体との共重合体の中から選ばれた少なくとも1種を含有するものが挙げられる。前記アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル等が挙げられる。また、官能性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル等のヒドロキシル基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有単量体、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸基含有単量体等が挙げられる。ここで、アクリル系接着剤を用いるのであれば、リサイクル処理における離解工程や再生工程において、不都合をもたらさないようにすべく、アルカリ可溶性、水溶性又は水再分散性を有するものを用いるのが望ましい。
また、接着剤には、所望に応じて粘着付与剤、架橋剤、充填剤等が配合される。粘着付与剤としては、例えばロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂等の天然樹脂、C5系、C9系、DCPD系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、金属キレート化合物、金属塩等が挙げられる。
接着剤層Sは、接着剤を、例えば、塗布・塗工等することによって形成することができ、この塗布・塗工は、例えば、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドメタリングコーター、カーテンコーター、ロールコーター等の従来各種塗工機による塗工を採用することができる。また、模様印刷あるいはベタ印刷によって接着剤の塗布量や塗布分布を適宜調整することが容易であることから、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、凹版印刷等各種印刷による印刷塗工を採用することもできる。
接着剤の塗布・塗工量としては、用いる接着剤の種類により適宜変更可能であるが、固形部質量で5〜50g/cm2、好適には、10〜30g/cm2である。
(3)剥離層Hを形成する剥離剤としては、例えば、シリコン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物等の既知の剥離剤の中から適宜選択して用いることができる。接着剤層Hは、剥離剤を、接着剤層Sの形成と同様、例えば、塗布・塗工等することによって形成することができる。
剥離剤の塗布・塗工量としては、用いる剥離剤の種類により適宜変更可能であるが、固形部質量で0.1〜10g/cm2である。
(4)剥離層Hと接着剤層Sとの接着力(剥離強度)は、JIS Z 0237の10にある180度引きはがし粘着力の測定で、3〜25N/50mmとなるようにするのが好適である。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、親展葉書等として使用することができる情報隠蔽用シートとして、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の形態の情報隠蔽用シートの平面図である。
【図2】図1のI−I線矢視図である。
【図3】第1の形態の情報隠蔽用シートを折り重ねた状態の断面図である。
【図4】図1のI−I線矢視図に相当する第2の形態である。
【図5】第2の形態の情報隠蔽用シートを折り重ねた状態の断面図である。
【図6】第2の形態の情報隠蔽用シートを折り重ね、側端部を切断した状態の断面図である。
【図7】情報隠蔽用シートの第3の形態の断面図である(重ね合わせ前)。
【図8】情報隠蔽用シートの第3の形態の断面図である(重ね合わせ後)。
【図9】情報隠蔽用シートの第4の形態の断面図である(重ね合わせ前)。
【図10】情報隠蔽用シートの第4の形態の断面図である(重ね合わせ後)。
【図11】図1のI−I線矢視図に相当する第5の形態である。
【図12】第6の形態の情報隠蔽用シートの平面図である。
【図13】図13のII−II線矢視図である。
【図14】図13のII−II線矢視図に相当する第7の形態である。
【図15】図13のII−II線矢視図に相当する第8の形態である。
【符号の説明】
【0019】
10,20,30,40,60,70,80,90…情報隠蔽用シート、11,12,31,32,71,72,73…基材、11a,12a,31a,32a,71a,72a,72b,73b…重ね合わせ面、13,75…折り線、H…剥離層、J…隠蔽情報、S…接着剤層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材が、少なくとも2つ折りされて隠蔽情報記入面が内側となるように重ね合わされ、この重ね合わせ面同士が剥離可能に擬似接着される、情報隠蔽用シートであって、
一方の重ね合わせ面上の少なくとも一部に剥離層が設けられ、他方の重ね合わせ面上又は両方の重ね合わせ面上に接着剤層が設けられ、この接着剤層が固化する前は通常の状態でも前記剥離層及び前記基材に対する接着力を有し、かつ重ね合わせ後に前記接着剤層が固化すると前記剥離層に対し擬似接着する、ことを特徴とする情報隠蔽用シート。
【請求項2】
少なくとも2枚の基材が、隠蔽情報記入面が内側となるように重ね合わされ、この重ね合わせ面同士が剥離可能に擬似接着される、情報隠蔽用シートであって、
一方の重ね合わせ面上の少なくとも一部に剥離層が設けられ、他方の重ね合わせ面上又は両方の重ね合わせ面上に接着剤層が設けられ、この接着剤層が固化する前は通常の状態でも前記剥離層及び前記基材に対する接着力を有し、かつ重ね合わせ後に前記接着剤層が固化すると前記剥離層に対し擬似接着する、ことを特徴とする情報隠蔽用シート。
【請求項3】
前記一方の重ね合わせ面を有する基材は、前記剥離層が設けられている領域と前記剥離層が設けられていない領域との境に、切断補助線が形成されている、請求項1又は請求項2記載の情報隠蔽用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−30416(P2008−30416A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209223(P2006−209223)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】