説明

意匠性のある伸縮性不織布及びその製造方法

【課題】収縮を回避し、伸縮特性の不均一さの低減ならびに良好な歩留まりを確保しうる伸縮性クレープ加工による意匠性に優れ、手触り触感良好な高伸縮性不織布を提供する。
【解決手段】捲縮性複合繊維を主体として含む短繊維層をニードルパンチ加工により構成繊維相互を互いに交絡せしめて不織布を形成し、該不織布をクレープ加工機に供給してクレープ加工を施し、縦又は横方向に何れかの初期伸張弾性率が0.5N/5cm/100%〜30N/5cm/100%であり、かつ50%伸張時の応力が6N/5cm以下、50%伸張時の回復率が30%以上である意匠性のある伸縮性不織布とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は伸縮性不織布にクレープ加工を施し、チリメン模様を付与した意匠性に優れた伸縮性クレープ加工不織布及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウエブに伸縮性及び適合性を付与するためクレープ加工を施すことは公知である。(例えば特許文献1参照)
この公知文献に記載されたクレープ加工はウエブが供給ロールの上で、かつシューの下の圧縮ゾーンに送られ、下部圧縮シューと遅延ロールを接触させることにより、クレープ加工が施されるものである。
【特許文献1】特表2004−516097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記ウエブにクレープ加工を施す方法は、バインダー繊維を含む不織布のウエブに、ウエブの長さと同じ方向に伸びる補強繊維を結合させ、この不織布及び補強繊維をクレープ加工してウエブの長さに沿って圧縮し、感圧接着剤をウエブに塗布することにより接着性創傷クロージャ材料を作製するもので、不織布に補強繊維を結合することが必須であり、捲縮性繊維を利用した伸縮性繊維ウエブにクレープ加工することは全く開示されていない。そのためクレープ加工による不織布の意匠性については全く究明されていない。
【0004】
本発明は上述の如き実状に鑑み、特に捲縮性繊維使用による伸縮性不織布へのクレープ加工を見いだすことにより、伸縮性不織布にチリメン模様を顕出し、意匠性を高めて各用途への適合を図ると共に、併せて伸縮特性の不均一さを低減し、良好な歩留まりを確保することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、上記目的に適合する本発明の特徴は、先ず請求項1記載の伸縮性不織布にクレープ加工を施しチリメン模様を付与した不織布であって、縦又は横方向の何れかの初期伸張弾性率が0.5N/5cm/100%であり、かつ50%伸張時の応力が6N/5cm以下、50%伸張時の回復率が30%以上である意匠性のある伸縮性不織布にある。
【0006】
請求項2〜4は、上記伸縮性不織布のより具体的な実施の態様であり、請求項2はクレープ加工に供する伸縮性不織布がポリエステル系樹脂,ポリオレフィン系樹脂,ポリアミド系樹脂の何れか一種又は二種以上の高融点成分と低融点成分からなる潜在捲縮性を有する複合繊維を30〜100%含み構成されたものであること、請求項3は上記潜在捲縮性複合繊維が中実繊維または中空繊維の何れか又は両者の混繊からなり、その繊維繊度が1.0〜10デシテックス(dtex)の範囲であること、そして、請求項4はクレープ加工に供する伸縮不織布は目付15〜270g/m2、厚さ0.3〜1.8mm,50%伸張時応力が縦横何れかが6N/5cm以下、50%伸張回復率が縦横何れかが30%以上の特性を有することである。
【0007】
また請求項5は上記伸縮性不織布の製造方法であり、捲縮性複合繊維を主体として含むクレープ加工短繊維層を先ずニードルパンチ加工により構成繊維相互を互いに交絡せしめて不織布を形成した後、該不織布をクレープ加工機に供給方向の不織布の初期伸張弾性率が0.5N/5cm/100%〜30N/5cm/100%にあるようにオーバーフィード比10〜40%で供給し70〜200℃、好ましくは85〜180℃の処理温度でクレープ加工を施すことを特徴とする。なお、上記製造方法におけるオーバーフィード比を10〜40%とすることが好適である。
【発明の効果】
【0008】
上記本発明伸縮性不織布によれば、クレープ加工が施されていることにより不織布にチリメン模様が形成され、意匠性が優れていると共に、収縮を回避し、伸縮特性の不均一さが低減し、柔軟性が保持されていることから、貼付剤,冷却剤等のパップ用基材を始め各種用途への適合性に優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、更に本発明の具体的な実施の形態について詳述する。本発明は前述の如く捲縮性繊維を主体とする繊維ウエブにニードルパンチ加工を施し、高伸縮性ウエブを形成する工程と、該高伸縮性ウエブにクレープ加工を施し、チリメン模様を付与することを基本とするものである。
【0010】
ここで、基材を構成する捲縮性繊維は、熱可塑性樹脂よりなる繊維であり、ポリエステル,ポリオレフィン(ポリエチレン,ポリプロピレン),ナイロンの何れか1種又は2種以上が使用される。そして、潜在捲縮性を有する繊維素材として、例えばポリエステル系樹脂,ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂,ポリプロピレン系樹脂),ポリアミド系樹脂の何れか1種又は2種の高融点成分と、低融点成分から成る偏芯芯鞘型,サイドバイサイド型構造の複合繊維が用いられ、例えば具体例としてはポリエステル繊維(融点250〜270℃程度)と低融点ポリエステル繊維(融点200〜250℃程度)の複合繊維やポリエステル/ナイロン複合繊維,ポリエステル/ポリエチレン複合繊維,ポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維などが挙げられ、特に高融点ポリエステルと低融点ポリエステルとの複合繊維は最も実用的である。
【0011】
捲縮基材を構成する上記捲縮性繊維のウエブに占める構成比率は30〜100質量%が好適であり、捲縮性繊維は1種に限らず2種以上混繊して用いてもよい。また、上記捲縮性繊維は中実繊維でも中空繊維の何れか、あるいは混繊であってもよく、この場合、中実繊維,中空繊維ともに繊維繊度は1〜10デシテックス(dtex)の範囲が好適である。なお、混繊比率は中実/中空繊維で0〜100質量%でよい。繊度が1デシテックス未満であると繊維層が硬くなるので好ましくなく、また繊度が10デシテックスを越えると、繊維層が粗くなり、ゴワゴワして硬いものとなり、好ましくない。中空繊維と中実繊維の繊度が同じであれば、嵩高効果は中空繊維が空気を抱き込んでいる分、有利である。
【0012】
以上のように捲縮性繊維による繊維はそれだけのウエブをカーディング処理するのみでは充分な繊維間の交絡は出来ないのでニードルパンチ加工,ウォータージェット加工の如き交絡処理を行なうことにより繊維間の交絡をはかることが好ましい。
【0013】
これらの加工は従来、既知であり、例えば針深さ8mm、打ち込み総本数200本/cm2のニードルパンチ加工が使用される。しかし勿論、この針深さ,打ち込み本数は適宜、変更可能であることは云うまでもない。
【0014】
充分な繊維間交絡を経た繊維ウエブは、次に熱処理してウエブの収縮と共に潜在捲縮性の捲縮を発現させる。熱処理は通常、ホットエアースルー方式の熱処理機で処理温度170℃,滞留時間30秒程度で行なう。勿論、ウエブの厚さ等に応じ若干、変動することがある。そのため、熱処理後、熱ロールを通して不織布の厚さを調整するようにすることも好適である。
【0015】
かくして、交絡され、熱処理により捲縮が発現された伸縮性不織布は、続いてクレープ加工機に供給される。クレープ加工機は既知の加工機、例えばメインロールの外周に沿ってウエブをオーバーフィードで圧縮ゾーンに送り、可撓性リターダ,摩擦リターダとメインロールとの間の通路を通過させて長さに沿って圧縮し、クレープ加工が施される。なお、クレープ加工における加工温度は70〜200℃、特に85〜180℃の範囲が好ましく、この範囲を外れるときは所要の特性を得ることは困難であり、また加工速度は入口速度6m/min、出口速度は4〜5.5m/min程度が好ましい。換言すれば、供給量はオーバーフィード比が10〜40%程度が好適である。
【0016】
しかして、以上より得られたクレープ加工された伸縮性不織布において、本発明は特に初期伸張弾性率,50%伸張時における応力,50%伸張時の回復率の各特性を所定の範囲とすることによって特徴づけられる。
【0017】
即ち、先ず本発明伸縮性不織布の初期弾性率は0.5N/5cm/100%〜30N/5cm/100%の範囲である。初期伸張弾性率が0.5N/5cm/100%未満であるとフィット性は良いが、繊維同士の密着性が低下し、クレープ加工が不均一となるので好ましくない。また初期伸張弾性率が30N/5cm/100%を越えると不織布の触感が硬くなり、また不織布の追随性が低下し、突っ張り感を生じるので好ましくない。
【0018】
次に伸縮性不織布の50%伸張応力は6N/5cm以下である。伸縮性不織布の50%伸張応力が6N/5cm/100%を越えると伸張容易性(小さな外力で伸ばすことが出来る)に欠けてくるので好ましくない。伸縮性不織布の50%伸張応力は6N/5cm、好ましくは4N/5cm以下がよい。特に、伸縮性不織布の50%伸張応力を4N/5cm以下にするには非捲縮性繊維が10%以下、殊に0%とすることが望ましい。
【0019】
また、伸縮性不織布の50%伸張回復率は30%以上が好ましい。伸縮性不織布の50%回復率が30%未満であると伸張した後の回復が乏しくなり、不織布のたるみが顕著になるので好ましくない。伸縮性不織布の50%伸張回復率は30%以上、好ましくは40%以上である。特に、伸縮性不織布の50%回復率を30%以上にするには非捲縮性繊維が10%以下、殊に0%とすることが望ましい。なお、クレープ加工された伸縮性不織布の目付、厚さ、密度は加工によって大幅な特性の変化はなく、クレープに供する不織布と近似的な特性を有している。すなわち、クレープ加工に供する不織布特性は前述のように
目付 :15〜270g/m2
厚さ :0.3〜1.8mm
50%伸張時応力 縦横何れか<6N/5cm
50%伸張回復率 縦横何れか>30%
であり、クレープ加工後の、クレープ加工された伸縮性不織布、例えばパップ用基材の特性も同様である。クレープ加工された基材の目付が15g/m2未満であると不織布の効果がなく薄く透けた感じとなるためクレープの外観が乏しく柔軟性が劣るので好ましくない。一方、270g/m2を越えると厚すぎてクレープ性の特性が乏しく伸縮性の特性がゴワゴワして硬いものとなり柔軟性が生かせないので好ましくない。また、クレープ加工された基材の厚さは0.3〜1.8mmが好適であり、0.3mm未満であると僅かな変形量で薄く加工しにくいので良くない。1.8mmを越えると捲縮を生かしたソフトなものを得ることが難しい。更にクレープ加工された基材の密度は0.01〜0.1g/ccが好適であり、0.05g/cc未満であると製品が柔らかすぎて好ましくない。一方、0.15g/ccを越えると製品が硬くなりすぎて好ましくない。従って前述した不織布の特性範囲が最も効果的である。以下、更に本発明の実施例について説明する。
【実施例】
【0020】
(実施例1)
繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合(低融点ポリエステルの融点:245℃)短繊維を均一混合して(目付質量約80g/m2)、次いで、カーディング加工を施し針深さで8.0mm、打ち込み総本数200本/cm2のニードルパンチ加工を施し、連続して熱処理機(ホットエアースルー方式)で温度160℃、滞留時間30秒間の熱処理をし、一度巻き取った。得られた高伸縮性不織布をクレープ加工機に通し、処理速度は6m/minで処理温度は90℃、オーバーフィード比は11%(入口速度6m/min、出口速度5.4m/min)で本発明伸縮性クレープ加工不織布を得た。
(実施例2)
繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合(低融点ポリエステルの融点:250℃)短繊維30質量%と繊度2.2デシテックスで繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合(低融点ポリエステルの融点:245℃)短繊維70質量%を均一混合して(目付質量約80g/m2)、次いでカーディング加工を施し、針深さで8.0mm、打ち込み総本数200本/cm2のニードルパンチ加工を施し、連続して熱処理機(ホットエアースルー方式)で温度170℃、滞留時間30秒間の熱処理をし、一度巻き取った。得られた高伸縮性不織布をクレープ加工機に通し、処理速度は6m/minで処理温度は90℃、オーバーフィード比は33%(入口速度6m/min、出口速度4.0m/min)で本発明の高伸縮性クレープ加工不織布を得た。
(実施例3)
繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合(低融点ポリエステルの融点:250℃)短繊維70質量%と繊度2.2デシテックスで繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合(低融点ポリエステルの融点:232℃)短繊維30質量%を均一混合して(目付質量約80g/m2)、次いで、ウオータージェット加工し、連続して熱処理機(ホットエアースルー方式)で温度170℃、滞留時間30秒間の熱処理をし、一度巻き取った。得られた高伸縮性不織布をクレープ加工機に通し、処理速度は6m/minで処理温度は90℃、オーバーフィード比は33%(入口速度6m/min、出口速度4.0m/min)で本発明の高伸縮性クレープ加工不織布を得た。
(実施例4)
繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合(低融点ポリエステルの融点:250℃)短繊維100質量%を均一混合して(目付質量約80g/m2)、次いで、カーディング加工を施し、針深さで8.0mm、打ち込み総本数200本/cm2のニードルパンチ加工を施し、連続して熱処理機(ホットエアースルー方式)で温度170℃、滞留時間30秒間の熱処理をし、一度巻き取った。得られた高伸縮性不織布表面にスプレーで湿潤させた後、クレープ加工機に通し、(処理速度は6m/minで処理温度は90℃、オーバーフィード比は11%(入口速度6m/min、出口速度5.4m/min)で本発明の高伸縮性クレープ加工不織布を得た。
(比較例1)
繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合(低融点ポリエステルの融点:240℃)短繊維を均一混合して(目付質量約80g/m2)、次いで、カーディング加工を施し針深さで8.0mm、打ち込み総本数200本/cm2のニードルパンチ加工を施し、連続して熱処理機(ホットエアースルー方式)で温度160℃、滞留時間30秒間の熱処理をし、一度巻き取った。得られた高伸縮性不織布表面にスプレーで湿潤させた後、クレープ加工機に通し、処理速度は6m/minで処理温度は240℃、オーバーフィード比は11%(入口速度6m/min、出口速度5.4m/min)で比較用伸縮性クレープ加工不織布を得た。
(比較例2)
繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合(低融点ポリエステルの融点:240℃)短繊維を均一混合して(目付質量約80g/m2)、次いでカーディング加工を施し針深さで8.0mm、打ち込み総本数200本/cm2のニードルパンチ加工を施し、連続して熱処理機(ホットエアースルー方式)で温度160℃、滞留時間30秒間の熱処理をし、一度巻き取った。得られた高伸縮性不織布表面にスプレーで湿潤させた後、クレープ加工機に通し、(処理速度は6m/minで処理温度は20℃、オーバーフィード比は11%(入口速度6m/min、出口速度5.4m/min)で伸縮性クレープ加工不織布を得た。
【0021】
かくして上記各実施例及び比較例で得られたクレープ加工不織布を夫々対比し、クレープ加工で出来た伸縮性不織布の外観及び触感としてチリメン模様について評価をした。結果を表1に示す。なお、表中の各項目については下記測定方法により測定した。
測定方法
(1)目付量 :試料から500mm×500mmの試料片を切り出し、0.1gの単位まで質量を測定する。質量を4倍してg/m2で表す。n=3の平均値を四捨五入し、整数で示す。
(2)厚さ :試料から50mm×50mmの試料片を切り出し、接触面積5cm3、押し圧20gのダイヤルゲージにて3点測定しmmで表す、n=3の平均値を四捨五入し小数点以下2桁まで示す。
(3)初期伸張弾性率:N/5cm/100%
縦方向に5cm×30cmの試料をn=3採取する。東洋ボールドイン社製テンシロンを用い、掴み間隔20cmで引っ張り速度20cm/minで応力歪曲線の初期勾配を測定し、100%に換算して平均値で表す。
(4)50%伸張時応力:N/5cm/100%
縦方向、横方向共に5cm×30cmの試料をn=3採取する。東洋ボールドイン社製テンシロンを用い、掴み間隔20cmで引っ張り速度20cm/minで、10cm点の応力を測定し、平均値で表す。50%伸長し、同速で原点まで回復させたときの回復率を算出し、平均値で表す。
【0022】
また、チリメン模様の評価は下記に基づいて評価した。
(イ)チリメン模様が鮮明で手触りが柔らかである。 ○
(ロ)チリメン模様は鮮明であるが手触りがやや硬い。 △
(ハ)チリメン模様は鮮明であるが手触りが硬いかあるいはチリメン模様がない。×
【0023】
【表1】

上記表1より本発明による伸縮性不織布は比較例に比しクレープ加工により形成されたチリメン模様(ちぢみ)が鮮明で、かつ手触りも柔らかであり、外観及び触感において優れていることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明伸縮性不織布は貼付剤,冷却剤等の外用薬の基材ならびに袖口の基材,簡易衣料,カバー材,包装材,マスク,自動車天井材等の各用途に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性不織布にクレープ加工を施し、チリメン模様を付与した不織布であって、該不織布の縦又は横方向の何れかの初期伸張弾性率が0.5N/5cm/100%〜3N/5cm/100%であり、かつ50%伸張時の応力が6N/5cm以下、50%伸張時の回復率が30%以上であることを特徴とする意匠性のある伸縮性不織布。
【請求項2】
クレープ加工に供する伸縮性不織布がポリエステル系樹脂,ポリオレフィン系樹脂,ポリアミド系樹脂の何れか一種又は二種以上の高融点成分と低融点成分からなる潜在捲縮性を有する複合繊維を30〜100%含み構成されている請求項1記載の意匠性のある伸縮性不織布。
【請求項3】
潜在捲縮性複合繊維が中実繊維または中空繊維の何れか又は両者の混繊からなり、その繊維繊度が1.0〜10デシテックス(dtex)の範囲である請求項2記載の意匠性のある伸縮性不織布。
【請求項4】
クレープ加工に供する伸縮性不織布が目付15〜270g/m2、厚さ0.3〜1.8mm,50%伸張時の応力が縦横何れかが6N/5cm以下、50%伸張回復率が縦横何れかが30%以上の特性を有する請求項1,2または3記載の意匠性のある伸縮性不織布。
【請求項5】
捲縮性複合繊維を主体として含む短繊維層をニードルパンチ加工により構成繊維相互を互いに交絡せしめて不織布を形成した後、該不織布をクレープ加工機に供給方向の不織布の初期伸張弾性率が0.5N/5cm/100%〜30N/5cm/100%にあるようにオーバーフィード比10〜40%で供給し、70〜200℃の処理温度でクレープ加工を施すことを特徴とする意匠性のある伸縮性不織布の製造方法。

【公開番号】特開2007−162181(P2007−162181A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−362540(P2005−362540)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(391021570)呉羽テック株式会社 (57)
【Fターム(参考)】