説明

感光性底反射防止膜<発明の背景>

【課題】反射防止組成物、およびこれらの組成物を回路形成に用いる方法を提供する。
【解決手段】組成物は溶媒系に溶解しまたは分散するポリマーを含み、好ましいポリマーはポリカーボネート、ポリスルホニルエステル、ポリカーボネートスルホン、およびこれらの混合物を含む、組成物はシリコンウェーハーや他の基体上に塗布され、硬化または固化膜を形成でき、この膜は始はフォトレジスト現像液に不溶で、露光すると硬化または固化膜はフォトレジスト現像液に可溶となり現像されたファトレジスト層と一緒に選択的に除去できるので別の除去工程が省ける。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願はここに参考のために示す2002年7月31日提出の出願番号60/400,461の「感光性底反射防止膜」と題する仮出願の優先的利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、フォトリソグラフや半導体集積回路の製造に用いる新しい反射防止組成物に関する。とくに、本組成物は底反射防止膜(bottom anti-reflective coating)として用いられ、光の照射により通常のフォトレジスト現像液に可溶となる。
【背景技術】
【0003】
基板から底反射防止膜を取り除く最も一般的な方法には湿式および乾式現像工程がある。湿式工程においては、底反射防止膜をアルカリ系の溶媒に曝すことにより重合物を溶解する。多くの湿式現像方式の底反射防止膜はポリアミド酸(polyamic acid)−イミド化学に基づいている。つまり、酸(アルカリ可溶)をイミド(アルカリ不溶)に転換させることが薄膜を除去する能力を調整するベースとなる。この化学変化は熱により誘発され、底反射防止膜がレジスト溶媒には不溶だがアルカリ媒体には可溶という焼き付け時間帯がある。この処理過程の主要な課題は滓(ポリマーかす)を防止し、またレジストにより底反射防止膜が除去されないように焼き付け時間帯を維持、調整することである。
【0004】
乾式現像工程においては、通常は酸素の、高エネルギープラズマが底反射防止膜を除去する。この工程はうまく作用するが、処理工程が増え、その結果製造および処理能力のコストが増加してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
焼き付け時間帯を調整したり、乾式現像工程で必要な余分な工程といった問題を省くことができる改良された底反射防止膜が必要となった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<発明の要旨>
本発明は、幅広く新規のポリマー、およびこのポリマーを含む底反射防止膜を提供してこれらの問題を打開する。
より具体的には、独創的なポリマーはポリカーボネート、ポリスルホニルエステル、およびポリカーボネート−スルホン(すなわち、−SO基および−CO基の両方を含む繰返しモノマーを含むポリマー)のグループから選択される。
【0007】
ポリマーにポリカーボネートを用いた実施形態において、好ましいポリカーボネートは次の化学式を持つ繰返しモノマーからなる。
【0008】
【化25】

ここにRおよびRは各々個別に、脂肪族(好ましくはC〜C12)ジオール、芳香族(好ましくはC〜C12)ジオール、および複素環ジオールを含むジオール官能部分(functional moieties)から成る群から選択される。
【0009】
好ましい実施形態においては、RおよびRの少なくとも一つはビスフェノール(そして好ましくはビスフェノールPおよびまたはビスフェノールZ)官能部分から成る群から選択される。この実施形態においては、RおよびR以外は次の化学式を持つことが好ましい。
【0010】
【化26】


ここに Rはアルキル基(置換または非置換、好ましくはC〜C12、より好ましくはC〜C)、そして Ar はアリール基(置換または非置換、好ましくは少なくともC、より好ましくはC〜C12、そしてさらにより好ましくはC〜C10)である。
【0011】
別の実施の形態では、RまたはRの一方がビスフェノールAの一部である場合は、RおよびRの他方は次のものではない基である。
【0012】
【化27】

【0013】
とくに好ましいRおよびRの基は以下に示す群から選択された構造を含む。
【0014】
【化28】

【0015】
ここに用いた「官能部分」(functional moiety)という用語は、化合物のそれぞれの構造が他の化合物と結合できるように置き換えられている部分に言及することを意図している。例えば次のような構造
【0016】
【化29】


はビスフェノールAの官能部分と見なされる。それは元来その化合物にあったそれぞれの−OH基から水素原子が取り除かれ、その結果酸素原子が他の化合物や部分と結合出来るようになっているからである。
【0017】
ポリマーがポリスルホニルエステルである実施形態において、ポリマーは次のような化学式を持つことが好ましい。
【0018】
【化30】

ここにXはジオールおよびジオキシムの官能部分を持つ群から選択される。好ましいジオールとして脂肪族(好ましくはC〜C12)ジオール、芳香族(好ましくはC〜C12)ジオール、および複素環ジオールが含まれる。とくに好ましいジオールとして、ビスフェノールから成る群から選択されたものを含む。好ましいジオキシムとして脂肪族(好ましくはC〜C12)ジオキシム、芳香族(好ましくはC〜C12)ジオキシム、および複素環ジオキシムが含まれる。とくに好ましいジオキシムとして、脂肪族ジアミン(NH−炭素鎖−NH)、および置換または非置換ヒドロキシルベンズアルデヒドやヒドロキシアセチルベンゼンの縮合物から誘導されたものを含む。とくに好ましい一例として1,4−ジアセチルベンゼンジオキシムがある。
【0019】
好ましい実施形態において、Xは化学式−O−Z−O−を有し、ここにZは置換および非置換アリール(好ましくは少なくともC、より好ましくはC〜C12、そしてさらに好ましくはC〜C10)、置換および非置換アルキル(好ましくはC〜C12、より好ましくはC〜C)、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される。とくに好ましいX基は以下に示す群から選択された構造を有す。
【0020】
【化31】


【0021】
化学式(II)において、Xは置換および非置換アリール(好ましくは少なくともC、より好ましくはC〜C12、そしてさらに好ましくはC〜C10)、置換および非置換アルキル(好ましくはC〜C12、より好ましくはC〜C)から成る群から選択される。とくに好ましいX基はフェニル、ナフチル、フリル、チオニル、およびアントラニルから成る群から選択されたものを含む。少なくともXおよびXの一方は芳香族部分または他の光吸収基を含むことが望ましい。
【0022】
ポリマーがポリカーボネートスルホンである実施形態においては、このポリマーの好ましい構造は次の通りである。
【0023】
【化32】

ここにRおよびRは各々個別に置換および非置換アリール(好ましくは少なくともC、より好ましくはC〜C12、そしてさらに好ましくはC〜C10)、およびアルキル(好ましくはC〜C12、より好ましくはC〜C)から成る群から選択される。
【0024】
少なくともRおよびRの一方は−SO基を含み、そして少なくともRおよびRの一方は芳香族部分または他の光吸収基を含むことが望ましい。とくに好ましいRおよびRの基は次のものから成る群から選択されたものを含む。
【0025】
【化33】


【0026】
ポリマーの平均分子量は1,000〜100,000ダルトンが好ましく、2,000〜50,000ダルトンがより好ましく、2,000〜20,000ダルトンがさらにより好ましい。
【0027】
これらのポリマーはマイクロリソグラフ加工で用いる組成物(例えば、反射防止膜)をつくるために活用することができる。組成物は単にポリマーを適当な溶媒系に分散もしくは溶解することより形成でき、通常の周囲条件でしっかりと均質な分散が出来るよう十分な時間をかけて行うことが好ましい。組成物全体を重量で100%とした場合を基準に、好ましい組成物は、重量で1〜20%のポリマーを含むが、重量で2〜10%のポリマーを含むのが望ましい。
【0028】
溶媒系としては、マイクロ電子工学の製造環境において使用に適したすべての溶媒を含むことが出来る。好ましい溶媒系として、次のものから成る溶媒群から選択された溶媒を含む。プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル、プロピレングリコール、n−プロピルエーテル(PnP)、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、およびこれらの混合物。溶媒は、組成物全体を重量で100%とした場合を基準に、重量で約80〜98%のレベルで組成物内に存在すべきである。溶媒系の沸点は約100〜160℃であることが望ましい。
【0029】
すべての付加原料もまたポリマーと共に溶媒に分散されていることが好ましい。好ましい付加原料の例として、架橋剤、触媒(例えば、光酸発生剤または「PAG」)、および界面活性剤を含む。好ましい架橋剤として、アミノプラスト(例えば、商品名 POWDERLINK1174、Cymel製品)、多機能エポキシ樹脂(例えば、MY720、CY179MA、DENACOL)、無水物、およびこれらの混合物を含む。使用にあたっては、架橋剤は組成物内の固形分全体を重量で100%とした場合を基準に、重量で約10〜50%、好ましくは重量で約15〜30%、のレベルで組成物内に存在する。
【0030】
ふさわしいPAGとしてはイオン系も非イオン系も共に含まれる。とくに好ましいPAGの例として、CGI261、CGI1397、CGI1311(CIBA Speciality Chemicals)の名称で販売されているようなスルホン酸型PAGが含まれる。使用にあたっては、PAGは組成物内の固形分全体を重量で100%とした場合を基準に、重量で約0.05〜10%、好ましくは重量で約2〜8%、のレベルで組成物内に存在するのが適当である。
【0031】
この独創的な反射防止組成物を基板(例えば、シリコン、アルミ、タングステン、珪化タングステン、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、タンタル、SiGe、および窒化タンタルウェーハー)に適用するには単にこの組成物の若干量を基板表面(平らな表面であれ、そこにバイアスや孔を含むものであれ)にスピンコーティングを含む従来からあるあらゆる塗布方法を用いればよい。層はその後少なくともその組成物の架橋または硬化温度(例えば、約80〜180℃)まで加熱されねばならず、その結果約300〜2,000Åの間の(フォトレジスト層の厚みより少ない)厚みに硬化または固められる。ここに厚みは偏光解析器により得られた5ヶの測定値の平均値として定義される。
【0032】
硬化した反射防止層または膜の屈折率(n値)は約193nmの波長の場合で少なくとも約1.4、好ましくは約1.4〜1.7、であることが望ましい。さらに、硬化層の光学密度(OD)は約193nmの波長の場合で少なくとも約2/μm、好ましくは少なくとも約5/μm、であることが望ましい。換言すれば、層厚みが約400Åで約193nmの波長の場合、硬化反射防止層は少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、さらに好ましくは少なくとも約95%の光を吸収することが望ましい。
【0033】
工程のこの段階で、硬化層は通常フォトレジストと共に用いられる溶媒(例えば、乳酸エチル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル)に実質的に不溶であることは好ましいことである。さらに、硬化層は通常に用いられるフォトレジスト現像液(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などのアルカリ現像液)に実質的に不溶である。いずれの場合も、フォトレジスト溶媒や現像液と接した後の層厚みの変化は約10%以下、好ましくは約5%以下、さらに好ましくは約0%以下、であることが望ましい。ここに用いた変化の%は次のように定義される。
【0034】
【数1】

【0035】
フォトレジストは、硬化材料を光または所要の波長(例えば、約150〜500nmの波長)を持つ活性放射線に暴露した後でこれに塗布出来る。光に暴露されることにより硬化した反射防止層は化学変化を起こし、通常のフォトレジスト現像液に可溶となる。つまり、この段階で硬化した組成物はTMAHやアルカリ金属現像液のような在来型の水溶性現像液で十分に(そして好ましくは完全に)除去される。これら現像液のいくつかは商標名MF−319(マサチューセッツ州Shipley社から入手可能)、MF−320(Shipley社から入手可能)、およびNMD3(東京応化(株)から入手可能)現像液として商品化されている。この独創的な塗膜の少なくとも約90%、そして好ましくは約99%は水酸化テトラメチルアンモニウムおよびKOH現像液などの塩基性現像液で除去される。商業的に入手可能な現像液にこれだけの割合で溶解することは、従来技術に対して製造工程を短縮し、コストを抑えることができるために非常に優位である。
<好ましい実施形態の詳細な記載>
【実施例】
【0036】
以下に示す実施例は本発明に沿った好ましい方法について述べる。しかしながら、これらの実施例は説明のために用意されたもので、本発明の総合的適用範囲を制約するものではないものとする。別に記載される場合を除き、実施例に用いたすべての材料はAldrich Chemical Companyから購入しそのまま使用された。
【0037】
実施例1
ポリスルホニルエステルの合成
一例として、本発明によるポリスルホニルエステルは芳香族ジオールと塩化ジスルホニルベンゼンの縮合により作成できる。この過程で、100mL丸底フラスコ、スルホニルジフェノール(ビスフェノールS、1.82g)、1,3−塩化ベンゼンジスルホニル(2.0g)、およびジクロロメタン(40mL)を室温で混合しかき混ぜた。ピリジン(1.2mL)を一挙に加え、混合物を加熱して24時間還流した。反応は室温まで放冷され、溶媒は約10mLまで濃縮され、ポリマーはメタノール(200mL)に沈殿させた。2.73g(83%)の量の白色ポリマーを入手できた。FT−IRおよび元素分析は意図した構造と一致した。得られた分子量は2,747であった。結果として得られたポリマーの構造を「構造A」に示す。
【0038】
構造 A
【化34】

【0039】
実施例2
塗膜の形成
実施例1で作成したポリマーを10mLのシクロヘキサノン(4%)溶液に溶解した。できた溶液をシリコンウェーハーにスピンコート(1500rpm)し、175℃で60秒間焼き付け乾燥した。焼き付けしたフィルムをTMAHの0.25N溶液に浸したが、TMAHではそれをウェーハーから取り除くことはできなかった。続いてフィルムを深紫外線(DUV)源に曝したら、その結果としてそれはTMAHの0.25N溶液に可溶となった。このことはDUV光に暴露することによりフィルムに化学変化が起きたことを示す。つまり、光に暴露することにより光反応連鎖が壊れ、スルホン酸(−SOH−)が生じることによりポリマーをアルカリに可溶とした。化学変化を示す反応の一般式は「一般式1」に図示する。
【0040】
フィルムの光学的特性が確定され、フィルムは193nm(OD21.4/μm)で高い吸収を示し、248nm(OD5.6/μm)で緩やかな吸収を示した。この構成はメラミンやglycouril架橋剤を加える(重量で約25〜50%)ことにより変更することができる。
【0041】
【化35】

【0042】
実施例3
ポリカーボネートの合成
本発明のポリマーは、例えば、ビスフェノールモノマーとニトロフェノール離脱基を含むジオールを、還流クロロホルム中で反応させ、縮合重合処理を行うことにより作成できる。White他、Synthesis and Characterization of Photodefinable Polycarbonates for Use as Sacrificial Materials in the Fabrication of Microfluidic Devices,Proc.SPIE,4690,242−253(2002);Martin他,A Convenient Laboratory Preparation of Aromatic Polycarbonates,Polymer Bulletin,47,517−520(2002),それぞれを本明細書に引用して本明細書の内容とする。
【0043】
この手順において、ポリカーボネートの合成は二つのステップで行われた。第一は、4−ニトロフェニルクロロホルメート2gを乾燥ジクロロメタン10mLに入れた溶液を、1,4−ベンゼンジメタノール0.68gを乾燥ピリジン0.8mLおよび乾燥ジクロロメタン30mLに入れた溶液に(1時間以上の時間をかけて)加えてモノマーを作成した。反応混合物は一晩かけて還流し、その後室温まで冷却した。生成した懸濁液に十分なCHClを加えて溶解し、溶液は蒸留水100mLで一度洗浄し、5%のHCl溶液で一度洗浄し、さらにもう一度蒸留水で洗浄した。溶液をろ過し、溶媒をロータリーエバポレータで除去した後、有機層を硫酸マグネシウムの上で乾燥した。白色の固形分をジクロロメタンと石油エーテル(10:1)を用いて再結晶し、かくて求めるモノマーを産出した。
【0044】
このモノマー(2.0g)をビスフェノールA(0.97g)、炭酸カリウム(2.72g)、触媒(18−crown−6、0.13g)、およびクロロホルム(75mL)と250mLの丸底フラスコ内で混合した。混合物を加熱し50時間還流した。反応混合物を室温になるまで放冷し、無機塩をろ過分離し、ろ液を約20mLまで濃縮して、ポリマーをメタノール(200mL)に沈殿させた。白色のポリマー(1.58g、89%)を得た。FT−IRおよび元素分析は意図した構造と一致した。得られた分子量は5,641であった。結果として得られたポリマーの構造を「構造B」に示す。
他の処理では別のビスフェノールが使われ、より大きな分子量のものを得た。
【0045】
構造 B
【化36】

【0046】
実施例4
塗膜の形成
実施例3で作成したポリマー(0.2g)をCGI1311(PAG、CIBA Speciality Chemicalsから入手)0.04gと共にPGMEA 14mL内で混合した。できた溶液をシリコンウェーハーにスピンコート(1500rpm)し、100℃で60秒間焼き付け乾燥した。焼き付けしたフィルムをTMAHの0.25N溶液に浸したが、TMAHではそれをウェーハーから取り除くことはできなかった。続いてフィルムを深紫外線(DUV)源に曝したら、その結果としてそれはTMAHの0.25N溶液に可溶となった。このことはDUV光に暴露することによりフィルムに化学変化が起きたことを示す。つまり、光に暴露することにより炭酸塩連鎖が酸(この場合は光に暴露されることによりPAGにより生じた)と反応して分解し、CO2とアルコールを生成した。組成物はアルカリに可溶になった。化学変化を示す反応の一般式は「一般式2」に図示する。
フィルムの光学的特性が確定され、フィルムは193nm(OD21.4/μm)で高い吸収を示した。
【0047】
【化37】

【0048】
実施例5
ポリカーボネートスルホンの合成
これらのポリマーを作成できる一つの方法は実施例3に類似している。
この過程で、実施例3で作成した同じモノマー(4.68g)をビスフェノールS(2.51g)、トリメチルアミン(2.79mL)、およびジメチルアミノピリジン(DMAP、0.14g)と共にアセトニトリル(50mL)内で反応させた。混合物を加熱し18時間還流しそれから室温で放冷した。溶液は約15mLまで濃縮されメタノール(125mL)に沈殿させた。一晩真空オーブンで乾燥した後、黄色の固形物2.67g(61%)を得た。FT−IRおよび元素分析は意図した構造と一致した。得られた分子量は5,641であった。結果として得られたポリマーの構造を「構造C」に示す。
【0049】
構造 C
【化38】

【0050】
実施例6
塗膜の形成
実施例5で作成したポリマー(0.4g)をシクロヘキサノン(4%)溶液10mLに溶解した。できた溶液をシリコンウェーハーにスピンコート(1500rpm)し、175℃で60秒間焼き付け乾燥した。焼き付けしたフィルムをTMAHの0.25N溶液に浸したが、TMAHではそれをウェーハーから取り除くことはできなかった。続いてフィルムを深紫外線(DUV)源に曝したら、その結果としてそれはTMAHの0.25N溶液に可溶となった。このことはDUV光に暴露することによりフィルムに化学変化が起きたことを示す。つまり、光に暴露することにより光反応連鎖が壊れ、スルホン酸(−SOH−)が生じ、これが炭酸塩連鎖を分解し、アルカリに可溶になった。化学変化を示す反応の一般式は「一般式3」に図示する。
フィルムの光学的特性が確定され、フィルムは193nm(OD20.6/μm)で高い吸収を示した。
【0051】
【化39】

【0052】
実施例7
ポリスルホニルエステルの合成
250mLの丸底フラスコ内で、テトラヒドロフラン(THF)25mL中のベンゼンジメタノール(2.82g)をt−ブトキシ化カリウムの1M溶液(41mL)と処理し、10分間室温でかき混ぜた。塩化1,3−ベンゼンジスルホニルのTHF溶液(THF25mL中に5.62g)を分割して反応フラスコに加えた。混合物を加熱し24時間還流した。それから無機塩をろ過し、THFを真空下で除去した。残った残渣をクロロホルム(12mL)に再溶解し、メタノール(150mL)に沈殿させた。沈殿物をろ過し、一晩真空オーブンで乾燥した。白色の固形物(0.90g)を得た。結果として得られたポリマーの構造を「構造D」に示す。
【0053】
構造 D
【化40】

【0054】
実施例8
ポリスルホニルエステル オキシムの合成
200mLの丸底フラスコ内で、ジアセチルベンゼン オキシム(5.66g)およびクロロホルム(50mL)中のトリエチルアミン(6.00g)を室温でかき混ぜた。次に、塩化1,3−ベンゼンジスルホニル(8.08g)を分割して反応フラスコに加えた。30分間室温でかき混ぜた後、混合物を加熱し、24時間還流した。ポリマーが反応混合物から沈殿し、ろ過によりこれを集めた。真空オーブンで乾燥した後、茶色のポリマー6.0gを入手した。できたポリマーの構造を「構造E」に示す。
【0055】
【化41】

【0056】
実施例9
ポリスルホニルエステル イミンの合成
本実施例では、すべての材料はTCIから購入し、そのまま使用した。250mL、双クビの丸底フラスコに、N,N−ジサリチラル−1,2−プロパンジアミン(3.00g)、塩化1,3−ベンゼンジスルホニル(2.92g)、およびクロロホルム(40mL)を混合し、室温でかき混ぜた。トリエチルアミン(2.95mL)を分割して加え、混合物を加熱し、23時間還流した。反応混合物は室温まで放冷され、溶媒は約15mLまで濃縮され、ポリマーはメタノール(250mL)中で沈殿させた。ポリマーを集め、クロロホルム(15mL)に再溶解し、もう一度メタノール(200mL)中で沈殿させた。真空オーブンで乾燥した後、黄色のポリマー3.71g(72%)を入手した。できたポリマーの構造を「構造F」に示す。
【0057】
【化42】

【0058】
実施例10
塗膜の形成
実施例9で作成したポリマーを10mLのエチルラクテート4%溶液に溶解した。できた溶液をシリコンウェーハーにスピンコート(1500rpm)し、150℃で焼き付け乾燥した。焼き付けしたフィルムをTMAHの0.25N溶液に浸したが、TMAHではそれをウェーハーから取り除くことはできなかった。続いてフィルムを深紫外線(DUV)源に曝したら、その結果としてそれはTMAHの0.25N溶液に可溶となった。このことはDUV光に暴露することによりフィルムに化学変化が起きたことを示し、よってこれは感光性である。
【0059】
フィルムの光学的特性が確定され、フィルムは193nm(OD14.4/μm)で高い吸収を、また248nm(OD5.53/μm)で緩やかな吸収を示し、かくてこのことがこれを反射防止用途に適する様にしている。
この構成はメラミンまたはglycouril架橋剤(重量で約5〜50%)および光酸発生剤(重量で約1〜10%)を加えることにより変更することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下に属するグループから選択された化学式を持つ繰返しモノマー(繰返しモノマー単位)を含むポリマー:
【化1】

ここに、RおよびRは各々個別にジオールの官能部分から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方はビスフェノールの官能部分から成る群から選択され;そして
およびRの一方がビスフェノールAの部分である場合は、RおよびRの他の一方は次のものではない基である
【化2】

ここに、Xはジオールおよびジオキシムの官能部分から成る群から選択され;
は置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成る群から選択され;そして
およびXの少なくとも一方が芳香族基を含み;そして
【化3】

ここに、RおよびRは各々個別に置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方は−SO基を含み;そして
およびRの少なくとも一方は芳香族基を含む。
【請求項2】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し;そして
およびRの一方がビスフェノールPおよびビスフェノールZの官能部分から成る群から選択される、請求項1のポリマー。
【請求項3】
およびR以外のものが次の化学式を持つ、請求項2のポリマー。
【化4】


ここに、Rはアルキル基でArはアリール基である。
【請求項4】
前記繰返しモノマが化学式(I)を有し、そしてRおよびRの一方が次のものから成る群から選択される、請求項1のポリマー。
【化5】




【請求項5】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し、そしてXがフェニル基である、請求項1のポリマー。
【請求項6】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し;
が化学式−O−Z−O−を有し;そして
Zが置換および非置換のアリール基およびアルキル基、ならびにその混合物から成るグループから選択される、
請求項1のポリマー。
【請求項7】
が次のものから成る群から選択される、請求項6のポリマー。
【化6】


【請求項8】
前記繰返しモノマーが化学式(III)を有し;そして
およびRの少なくとも一方が次のものから成る群から選択される、請求項1のポリマー。
【化7】


【請求項9】
溶媒系に分散または溶解したポリマーを含む反射防止組成物で、このポリマーはポリカーボネート、ポリスルホニルエステル、ポリカーボネートスルホン、およびこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする反射防止組成物。
【請求項10】
前記組成物が硬化可能または固くなることができ、層厚み約400Åで波長約193nmの光の少なくとも約80%を吸収する反射防止膜を形成することができる、請求項9の組成物。
【請求項11】
前記ポリマーが約1,000〜100,000ダルトンの平均分子量を有す、請求項9の組成物。
【請求項12】
前記ポリマーが以下から成る群から選択された化学式を持つ繰返しモノマーを含む、請求項9の組成物:
【化8】

ここに:
およびRは各々個別にジオールの官能部分から成る群から選択され;
【化9】

ここに:
はジオールおよびジオキシムの官能部分から成る群から選択され;
は置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成る群から選択され;
およびXの少なくとも一方が芳香族基を含み;そして
【化10】

ここに:
およびRは各々個別に置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成るグループから選択され;
およびRの少なくとも一方は−SO基を含み;そして
およびRの少なくとも一方は芳香族基を含む。
【請求項13】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、RおよびRの少なくとも一方がビスフェノールの官能部分から成る群から選択される、請求項12の組成物。
【請求項14】
およびRの一方がビスフェノールPおよびビスフェノールZの官能部分から成る群から選択される、請求項13の組成物。
【請求項15】
およびR以外のものが次の化学式を持つ、請求項14の組成物。
【化11】


ここに、Rはアルキル基でArはアリール基である。
【請求項16】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、そしてRおよびRの一方が次のものから成る群から選択される、請求項12の組成物。
【化12】

【請求項17】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し、そしてXがフェニル基である、請求項12の組成物。
【請求項18】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し;
が化学式−O−Z−O−を有し;そして
Zがアリール基およびアルキル基、ならびにその混合物から成るグループから選択される、
請求項12の組成物。
【請求項19】
が次のものから成る群から選択される化学式を持つ、請求項18の組成物。
【化13】



【請求項20】
前記繰返しモノマーが化学式(III)を有し;そして
およびRの少なくとも一方が次のものから成る群から選択される、請求項12の組成物。
【化14】


【請求項21】
組成物をフォトリソグラフの工程に用いる方法で、その方法は適量の組成物を基板に適用してそこに層を形成するステップを含み、その組成物は次のものを含む:
溶媒系;および
前記溶媒系に分散または溶解されたポリマーで、このポリマーはポリカーボネート、ポリスルホニルエステル、ポリカーボネートスルホン、およびこれらの混合物から成る群から選択される。
【請求項22】
前記の適用するステップが前記組成物を前記基板表面にスピンコーティングすることを含む、請求項21の方法。
【請求項23】
前記基板には孔が形成されていて、その孔は底壁と側壁とで定義され、前記適用するステップが前記組成物を前記底壁と側壁の少なくとも一部に適用することを含む、請求項21の方法。
【請求項24】
さらに前記層を約80〜180℃の温度で焼き付けして、硬化または固くした層を得るステップを含む、請求項21の方法。
【請求項25】
前記焼き付けステップの後、前記の硬化または固くした層が実質的にフォトレジスト現像液に不溶である、請求項24の方法。
【請求項26】
さらに前記の硬化または固くした層にフォトレジストを適用するステップを含む、請求項24の方法。
【請求項27】
さらに;
前記フォトレジストの少なくともその一部を光に暴露し;そして
この露光したフォトレジストを現像する
というステップを含む、請求項26の方法。
【請求項28】
前記現像ステップの結果、前記の硬化または固くした層が前記の露光したフォトレジストの隣接域から除去される、請求項27の方法。
【請求項29】
前記現像ステップが、前記フォトレジストと前記の硬化または固くした層とが、アルカリ現像液に接触することを含む、請求項28の方法。
【請求項30】
さらに前記の硬化または固くした層の少なくともその一部を光に暴露し、この露光ステップの後において、前記の硬化または固くした層が実質的にフォトレジスト現像液に可溶であることを含む、請求項24の方法。
【請求項31】
前記組成物が、層厚み約400Åで波長約193nmの光の少なくとも約80%を吸収する反射防止膜を形成する、請求項24の方法。
【請求項32】
前記ポリマーが以下から成る群から選択される化学式を持つ繰返しモノマーを含む、請求項21の方法:
【化15】

ここに:
およびRは各々個別にジオールの官能部分から成る群から選択され;
【化16】

ここに:
はジオールおよびジオキシムの官能部分から成る群から選択され;
は置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成る群から選択され;
およびXの少なくとも一方が芳香族グループを含み;そして
【化17】

ここに:
およびRは各々個別にアリール基およびアルキル基の置換物および非置換物から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方は−SO基を含み;そして
およびRの少なくとも一方は芳香族基を含む。
【請求項33】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、RおよびRの少なくとも一方がビスフェノールの官能部分から成る群から選択される、請求項32の方法。
【請求項34】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、そしてRおよびRの一方が次のものから成る群から選択される、請求項32の方法。
【化18】

【請求項35】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し、そしてXがフェニル基である、請求項32の方法。
【請求項36】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し;
が化学式−O−Z−O−を有し;そして
Zがアリール基およびアルキル基、ならびにその混合物から成る群から選択される、
請求項32の方法。
【請求項37】
前記繰返しモノマーが化学式(III)を有し;そして
およびRの少なくとも一方が次のものから成る群から選択される、
請求項32の方法。
【化19】


【請求項38】
前記基板が、シリコン、アルミ、タングステン、珪化タングステン、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、タンタル、SiGe、および窒化タンタルウェーハーから成る群から選択される、請求項21の方法。
【請求項39】
フォトリソグラフの工程で形成される前駆構造体で、次のものを含む構造体:
表面を有する基板;
前記基板表面の反射防止層、この層は次のものを含む組成物から形成される:
溶媒系;および
前記溶媒系に分散または溶解されたポリマー、このポリマーはポリカーボネート、ポリスルホニルエステル、ポリカーボネートスルホン、およびこれらの混合物から成る群から選択される。
【請求項40】
前記反射防止膜を硬化可能または固くでき、実質的にフォトレジスト現像液に不溶である層を形成することができる、請求項39の構造。
【請求項41】
さらに前記反射防止膜に隣接してフォトレジストを含む、請求項39の構造。
【請求項42】
前記組成物を硬化可能または固くでき、層厚み約400Åで波長約193nmの光の少なくとも約80%を吸収する反射防止膜を形成できる、請求項39の構造。
【請求項43】
前記ポリマーが以下からなる群から選択される化学式を持つ繰返しモノマーを含む、請求項39の構造:
【化20】

ここに:
およびRは各々個別にジオールの官能部分から成る群から選択され;
【化21】

ここに:
はジオールおよびジオキシムの官能部分から成る群から選択され;
は置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成る群から選択され;
およびXの少なくとも一方が芳香族基を含み;そして
【化22】

ここに:
およびRは各々個別にアリール基およびアルキル基の置換物および非置換物から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方は−SO基を含み;そして
およびRの少なくとも一方は芳香族基を含む。
【請求項44】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、RおよびRの少なくとも一方がビスフェノールの官能部分から成る群から選択される、請求項43の構造。
【請求項45】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、そしてRおよびRの一方が次のものから成る群から選択される、請求項43の構造。
【化23】

【請求項46】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し、そしてXがフェニル基である、請求項43の構造。
【請求項47】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し;
が化学式−O−Z−O−を有し;そして
Zがアリール基およびアルキル基、ならびにその混合物から成る群から選択される、
請求項43の構造。
【請求項48】
前記繰返しモノマーが化学式(III)を有し;そして
およびRの少なくとも一方が次のものから成る群から選択される、
請求項43の構造。
【化24】


【請求項49】
前記基板が、シリコン、アルミ、タングステン、珪化タングステン、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、タンタル、SiGe、および窒化タンタルウェーハーから成る群から選択される、請求項43の構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下から成る群から選択される化学式を持つ繰返しモノマー(繰返しモノマー単位)を含むポリマー:
【化1】

ここに、RおよびRは各々個別に、脂肪族ジオール、複素環ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールP、
【化2】

の官能部分から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方はビスフェノールAおよびビスフェノールPの官能部分から成る群から選択され;そして
およびRの一方がビスフェノールAの部分である場合は、RおよびRの他の一方は次のものではない基である
【化3】



【化4】

ここに、Xはジオールおよびジオキシムの官能部分から成る群から選択され;
は置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成る群から選択され;そして
およびXの少なくとも一方が芳香族基を含み;そして
【化5】

ここに、RおよびRは各々個別に置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方は−SO基を含み;そして
およびRの少なくとも一方は芳香族基を含む。
【請求項2】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し;そして
およびRの一方がビスフェノールPの官能部分から成る群から選択される、請求項1のポリマー。
【請求項3】
およびR以外のものが次の化学式を持つ、請求項2のポリマー。
【化6】


ここに、Rはアルキル基でArはアリール基である。
【請求項4】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、そしてRおよびRの一方が次のものから成る群から選択される、請求項1のポリマー。
【化7】

【請求項5】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し、そしてXがフェニル基である、請求項1のポリマー。
【請求項6】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し;
が化学式−O−Z−O−を有し;そして
Zが置換および非置換のアリール基およびアルキル基、ならびにその混合物から成るグループから選択される、
請求項1のポリマー。
【請求項7】
が次のものから成る群から選択される、請求項6のポリマー。
【化8】



【請求項8】
前記繰返しモノマーが化学式(III)を有し;そして
およびRの少なくとも一方が次のものから成る群から選択される、請求項1のポリマー。
【化9】







【請求項9】
溶媒系に分散または溶解したポリマーを含む反射防止組成物:
このポリマーは、ポリスルホニルエステル、ポリカーボネートスルホン、
以下から成る群から選択される化学式を持つ繰返しモノマーを含むポリカーボネート、
【化10】

ここに、RおよびRは各々個別にジオールの官能部分から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方はビスフェノールの官能部分から成る群から選択され;そして
およびRの一方がビスフェノールAの部分である場合は、RおよびRの他の一方は次のものではない基である
【化11】


および、これらの混合物、から成る群から選択される特徴を有する。
【請求項10】
前記組成物が硬化可能または固くなることができ、層厚み約400Åで波長約193nmの光の少なくとも約80%を吸収する反射防止膜を形成することができる、請求項9の組成物。
【請求項11】
前記ポリマーが約2,000〜20,000ダルトンの平均分子量を有す、請求項9の組成物。
【請求項12】
前記ポリマーが以下から成る群から選択される化学式を持つ繰返しモノマーを含む、請求項9の組成物:
【化12】

ここに:
はジオールおよびジオキシムの官能部分から成る群から選択され;
は置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成る群から選択され;
およびXの少なくとも一方が芳香族基を含み;そして
【化13】

ここに:
およびRは各々個別に置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成るグループから選択され;
およびRの少なくとも一方は−SO基を含み;そして
およびRの少なくとも一方は芳香族基を含む。
【請求項13】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、RおよびRの少なくとも一方がビスフェノールの官能部分から成る群から選択される、請求項9の組成物。
【請求項14】
およびRの一方がビスフェノールPおよびビスフェノールZの官能部分から成る群から選択される、請求項13の組成物。
【請求項15】
およびR以外のものが次の化学式を持つ、請求項14の組成物。
【化14】


ここに、Rはアルキル基でArはアリール基である。
【請求項16】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、そしてRおよびRの一方が次のものから成る群から選択される、請求項9の組成物。
【化15】

【請求項17】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し、そしてXがフェニル基である、請求項12の組成物。
【請求項18】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し;
が化学式−O−Z−O−を有し;そして
Zがアリール基およびアルキル基、ならびにその混合物から成るグループから選択される、
請求項12の組成物。
【請求項19】
が次のものから成る群から選択される化学式を持つ、請求項18の組成物。
【化16】








【請求項20】
前記繰返しモノマーが化学式(III)を有し;そして
およびRの少なくとも一方が次のものから成る群から選択される、請求項12の組成物。
【化17】







【請求項21】
組成物をフォトリソグラフの工程に用いる方法で、その方法は適量の組成物を基板に適用してそこに層を形成するステップを含み、その組成物は次のものを含む:
溶媒系;および
前記溶媒系に分散または溶解されたポリマーで、このポリマーは、ポリスルホニルエステル、ポリカーボネートスルホン、
以下から成る群から選択される化学式を持つ繰返しモノマーを含むポリカーボネート、
【化18】

ここに、RおよびRは各々個別にジオールの官能部分から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方はビスフェノールの官能部分から成る群から選択され;そして
およびRの一方がビスフェノールAの部分である場合は、RおよびRの他の一方は次のものではない基である
【化19】


および、これらの混合物、から成る群から選択される。
【請求項22】
前記の適用するステップが前記組成物を前記基板表面にスピンコーティングすることを含む、請求項21の方法。
【請求項23】
前記基板には孔が形成されていて、その孔は底壁と側壁とで定義され、前記適用するステップが前記組成物を前記底壁と側壁の少なくとも一部に適用することを含む、請求項21の方法。
【請求項24】
さらに前記層を約80〜180℃の温度で焼き付けして、硬化または固くした層を得るステップを含む、請求項21の方法。
【請求項25】
前記焼き付けステップの後、前記の硬化または固くした層が実質的にフォトレジスト現像液に不溶である、請求項24の方法。
【請求項26】
さらに前記の硬化または固くした層にフォトレジストを適用するステップを含む、請求項24の方法。
【請求項27】
さらに;
前記フォトレジストの少なくともその一部を光に暴露し;そして
この露光したフォトレジストを現像する
というステップを含む、請求項26の方法。
【請求項28】
前記現像ステップの結果、前記の硬化または固くした層が前記の露光したフォトレジストの隣接域から除去される、請求項27の方法。
【請求項29】
前記現像ステップが、前記フォトレジストと前記の硬化または固くした層とが、アルカリ現像液に接触することを含む、請求項28の方法。
【請求項30】
さらに前記の硬化または固くした層の少なくともその一部を光に暴露し、この露光ステップの後において、前記の硬化または固くした層が実質的にフォトレジスト現像液に可溶であることを含む、請求項24の方法。
【請求項31】
前記組成物が、層厚み約400Åで波長約193nmの光の少なくとも約80%を吸収する反射防止膜を形成する、請求項24の方法。
【請求項32】
前記ポリマーが以下から成る群から選択される化学式を持つ繰返しモノマーを含む、請求項21の方法:
【化20】

ここに:
はジオールおよびジオキシムの官能部分から成る群から選択され;
は置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成る群から選択され;
およびXの少なくとも一方が芳香族グループを含み;そして
【化21】

ここに:
およびRは各々個別にアリール基およびアルキル基の置換物および非置換物から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方は−SO基を含み;そして
およびRの少なくとも一方は芳香族基を含む。
【請求項33】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、RおよびRの少なくとも一方がビスフェノールの官能部分から成る群から選択される、請求項21の方法。
【請求項34】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、そしてRおよびRの一方が次のものから成る群から選択される、請求項21の方法。
【化22】

【請求項35】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し、そしてXがフェニル基である、請求項32の方法。
【請求項36】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し;
が化学式−O−Z−O−を有し;そして
Zがアリール基およびアルキル基、ならびにその組合せから成る群から選択される、
請求項32の方法。
【請求項37】
前記繰返しモノマーが化学式(III)を有し;そして
およびRの少なくとも一方が次のものから成る群から選択される、
請求項32の方法。
【化23】




【請求項38】
前記基板が、シリコン、アルミ、タングステン、珪化タングステン、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、タンタル、SiGe、および窒化タンタルウェーハーから成る群から選択される、請求項21の方法。
【請求項39】
フォトリソグラフの工程で形成される前駆構造体で、次のものを含む構造体:
表面を有する基板;
前記基板表面の反射防止層、この層は次のものを含む組成物から形成される:
溶媒系;および
前記溶媒系に分散または溶解されたポリマー、このポリマーは、ポリスルホニルエステル、ポリカーボネートスルホン、
以下から成る群から選択される化学式を持つ繰返しモノマーを含むポリカーボネート、
【化24】

ここに、RおよびRは各々個別にジオールの官能部分から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方はビスフェノールの官能部分から成る群から選択され;そして
およびRの一方がビスフェノールAの部分である場合は、RおよびRの他の一方は次のものではない基である
【化25】


および、これらの混合物、から成る群から選択される。
【請求項40】
前記反射防止膜を硬化可能または固くでき、実質的にフォトレジスト現像液に不溶である層を形成することができる、請求項39の構造。
【請求項41】
さらに前記反射防止膜に隣接してフォトレジストを含む、請求項39の構造。
【請求項42】
前記組成物を硬化可能または固くでき、層厚み約400Åで波長約193nmの光の少なくとも約80%を吸収する反射防止膜を形成できる、請求項39の構造。
【請求項43】
前記ポリマーが以下からなる群から選択される化学式を持つ繰返しモノマーを含む、請求項39の構造:
【化26】

ここに:
はジオールおよびジオキシムの官能部分から成る群から選択され;
は置換および非置換のアリール基およびアルキル基から成る群から選択され;
およびXの少なくとも一方が芳香族基を含み;そして
【化27】

ここに:
およびRは各々個別にアリール基およびアルキル基の置換物および非置換物から成る群から選択され;
およびRの少なくとも一方は−SO基を含み;そして
およびRの少なくとも一方は芳香族基を含む。
【請求項44】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、RおよびRの少なくとも一方がビスフェノールの官能部分から成る群から選択される、請求項39の構造。
【請求項45】
前記繰返しモノマーが化学式(I)を有し、そしてRおよびRの一方が次のものから成る群から選択される、請求項39の構造。
【化28】

【請求項46】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し、そしてXがフェニル基である、請求項43の構造。
【請求項47】
前記繰返しモノマーが化学式(II)を有し;
が化学式−O−Z−O−を有し;そして
Zがアリール基およびアルキル基、ならびにその混合物から成る群から選択される、
請求項43の構造。
【請求項48】
前記繰返しモノマーが化学式(III)を有し;そして
およびRの少なくとも一方が次のものから成る群から選択される、
請求項43の構造。
【化29】



【請求項49】
前記基板が、シリコン、アルミ、タングステン、珪化タングステン、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、タンタル、SiGe、および窒化タンタルウェーハーから成る群から選択される、請求項43の構造。
【請求項50】
以下の化学式を持つ繰返しモノマーを含むポリマー:
【化30】

ここに、RおよびRの一方は、ビスフェノールZの官能基部分から成る群から選択され;そして、
およびRの他方は、次の化学式を持ち、
【化31】


ここに、Rはアルキル基でArはアリール基である。
【請求項51】
前記RはC〜C12のいずれかのアルキル基で、ArはC〜C12のいずれかのアリール基である請求項50のポリマー。
【請求項52】
ポリマーが、ポリカーボネート、ポリスルホニルエステル、ポリカーボネートスルホン、および、これらの混合物、から成る群から選択され、該ポリマーが約2,000〜20,000ダルトンの平均分子量を有し、溶媒系に分散または溶解した該ポリマーを含む反射防止組成物。
【請求項53】
組成物をフォトリソグラフの工程に用いる方法で、その方法は適量の組成物を基板に適用してそこに層を形成するステップを含み、その組成物は次のものを含む:
溶媒系;および
溶媒系に分散または溶解したポリマー、該ポリマーは、ポリカーボネート、ポリスルホニルエステル、ポリカーボネートスルホン、および、これらの混合物から成る群から選択され、該ポリマーが約2,000〜20,000ダルトンの平均分子量を有する。
【請求項54】
前記層が、硬化または固化した層となる、さらなる焼付工程を含む、請求項53の方法。
【請求項55】
さらに、前記の硬化または固化した層の少なくともその一部を光に暴露する工程を含み、この露光ステップの後では、前記の硬化または固化した層が実質的にフォトレジスト現像液に可溶である、請求項54の方法。
【請求項56】
前記露光ステップの前では、前記硬化または固化した層は、実質的にフォトレジスト現像液に不溶である、請求項55の方法。
【請求項57】
前記基板が、シリコン、アルミ、タングステン、珪化タングステン、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、タンタル、SiGe、および窒化タンタルウェーハーから成る群から選択される、請求項53の方法。
【請求項58】
フォトリソグラフの工程で形成される前駆構造体:
該構造体は、
表面を有する基板と、
基板表面の反射防止層とを有し、
該層は、以下の組成物から形成され、その組成物は次のものを含む:
溶媒系;および
溶媒系に分散または溶解したポリマー、該ポリマーは、ポリカーボネート、ポリスルホニルエステル、ポリカーボネートスルホン、および、これらの混合物から成る群から選択され、該ポリマーが約2,000〜20,000ダルトンの平均分子量を有する。
【請求項59】
前記基板が、シリコン、アルミ、タングステン、珪化タングステン、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、タンタル、SiGe、および窒化タンタルウェーハーから成る群から選択される、請求項58の方法。

【公表番号】特表2006−501320(P2006−501320A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−524274(P2004−524274)
【出願日】平成15年7月28日(2003.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2003/024100
【国際公開番号】WO2004/012239
【国際公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(500499508)ブルーワー サイエンス アイ エヌ シー. (45)
【Fターム(参考)】