説明

感染症および腫瘍を処置するための方法

対象におけるPD-1の発現または活性を低減させるために用いることができるPD-1アンタゴニストが開示される。感染物質または腫瘍細胞に対して特異的な免疫応答は、感染物質または腫瘍からの抗原と共にこれらのPD-1アンタゴニストを用いて増強されうる。このように、持続的感染症などの感染症を有する対象を、PD-1アンタゴニストを用いて処置することができる。さらに、腫瘍を有する対象を、PD-1アンタゴニストを用いて処置することができる。いくつかの例において、対象を、関心対象抗原を認識する活性化T細胞の治療的有効量を移植する段階、およびPD-1アンタゴニストの治療的有効量を投与する段階によって処置することができる。PD-1が投与された被験対象におけるPD-1アンタゴニストの効果を決定するための方法も開示する。ある態様においては、この方法はPD-1アンタゴニストが投与された被験対象からの試料におけるメモリーB細胞の増殖を測定する段階を含む。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
PD-1アンタゴニストの第一の用量を被験対象に投与する段階と、
被験対象からの第一の試料におけるメモリーB細胞の増殖を決定する段階と
を含む、被験対象を処置するために有用なPD-1アンタゴニストの用量を決定するための方法であって、
対照と比較して第一の試料からのメモリーB細胞の増殖が増加すれば、PD-1アンタゴニストの第一の用量が被験対象を処置するために有用であることを示しており、対照と比較してメモリーB細胞の増殖に有意な変化がなければ、PD-1アンタゴニストの第一の用量が被験対象を処置するために十分ではないことを示している、前記方法。
【請求項2】
PD-1アンタゴニストの第二の用量を被験対象に投与する段階と、
被験対象からの第二の試料におけるメモリーB細胞の増殖を決定する段階と
をさらに含む、請求項1記載の方法であって、
対照と比較して第二の試料からのメモリーB細胞の増殖が増加すれば、PD-1アンタゴニストの第二の用量が被験対象を処置するために有用であることを示しており、対照と比較してメモリーB細胞の増殖に有意な変化がなければ、PD-1アンタゴニストの第二の用量が被験対象を処置するために十分ではないことを示している、前記方法。
【請求項3】
対照と比較して第一の試料におけるメモリーB細胞の増殖に有意な変化がなく、第二の用量が第一の用量より高い、請求項2記載の方法。
【請求項4】
対照と比較して第一の試料からのメモリーB細胞の増殖が増加して、第二の用量が第一の用量より低い、請求項2記載の方法。
【請求項5】
PD-1アンタゴニストを投与された被験対象からの試料におけるメモリーB細胞の増殖を測定する段階
を含む、PD-1アンタゴニストを投与された被験対象におけるPD-1アンタゴニストの効能を決定するための方法であって、
対照と比較して試料からのメモリーB細胞の増殖が増加すれば、PD-1アンタゴニストが被験対象を処置するために有効であることを示している、前記方法。
【請求項6】
被験対象からの試料中のナイーブB細胞を測定する段階をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
増殖しているメモリーB細胞を測定する段階がKi67の発現を測定する段階を含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
メモリーB細胞の増殖を測定する段階が、Ki67に特異的に結合する抗体を用いることを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
メモリーB細胞の増殖を測定する段階が、ブロモデオキシウリジンの取り込みを測定する段階を含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
メモリーB細胞の増殖を測定する段階が、蛍光活性化セルソーティング(FACS)を用いることを含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
被験対象がウイルス感染症を有する、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
被験対象が持続的ウイルス感染症を有する、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
被験対象がウイルス抗原を投与される、請求項11〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
ウイルス感染症が、肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV)、ヘルペスウイルス、エプスタイン-バーウイルス、またはヒト乳頭腫ウイルスによる感染症である、請求項11〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
被験対象が腫瘍を有する、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
被験対象が腫瘍抗原を投与される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
腫瘍関連抗原が、PRAME、WT1、サーバイビン、サイクリンD、サイクリンE、プロテナーゼ3およびそのペプチドPR1、好中球エラスターゼ、カテプシンG、MAGE、MART、チロシナーゼ、GP100、NY-Eso-1、ハーセプチン、癌胎児抗原(CEA)、または前立腺特異的抗原(PSA)である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
被験対象が真菌感染症または細菌感染症を有する、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
PD-1アンタゴニストが、PD-1に特異的に結合する抗体、PD-L1に特異的に結合する抗体、PD-L2に特異的に結合する抗体、低分子阻害性抗PD-1 RNAi、低分子阻害性抗PD-L1 RNA、低分子阻害性抗PD-L2 RNAi、抗PD-1アンチセンスRNA、抗PD-L1アンチセンスRNA、抗PD-L2アンチセンスRNA、ドミナントネガティブPD-1タンパク質、ドミナントネガティブPD-L1タンパク質、ドミナントネガティブPD-L2タンパク質、PD-1の低分子阻害剤、またはその組み合わせである、請求項1〜18のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
PD-1に特異的に結合する抗体が、(1)モノクローナル抗体もしくはその機能的断片、(2)ヒト化抗体もしくはその機能的断片、または(3)免疫グロブリン融合タンパク質である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
PD-L1に特異的に結合する抗体が、(1)モノクローナル抗体もしくはその機能的断片、(2)ヒト化抗体もしくはその機能的断片、または(3)免疫グロブリン融合タンパク質である、請求項19記載の方法。
【請求項22】
PD-L2に特異的に結合する抗体が、(1)モノクローナル抗体もしくはその機能的断片、(2)ヒト化抗体もしくはその機能的断片、または(3)免疫グロブリン融合タンパク質である、請求項19記載の方法。
【請求項23】
対照がPD-1アンタゴニストの第一の濃度を投与する前に得られた被験対象からの試料であるか、または標準値である、請求項1〜22のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
被験対象におけるメモリーB細胞の増殖を増加させることが決定されている用量を投与する段階をさらに含む、請求項1〜23のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
PD-1アンタゴニストの治療的有効量を被験対象に投与する段階と、
被験対象からの試料におけるメモリーB細胞の増殖を測定し、それによって哺乳動物レシピエントにおける関心対象抗原に対する免疫応答を産生する段階と
を含む、哺乳動物レシピエントにおける関心対象抗原に対する免疫応答を誘導する方法。
【請求項26】
被験対象がウイルス感染症を有する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
被験対象が慢性ウイルス感染症を有する、請求項26記載の方法。
【請求項28】
関心対象抗原がウイルス抗原である、請求項26〜27のいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
ウイルス感染症が、肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV)、ヘルペスウイルス、エプスタイン-バーウイルス、またはヒト乳頭腫ウイルスによる感染症である、請求項26〜28のいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
ウイルス感染症が肝炎ウイルス感染症であり、ウイルス抗原が肝炎gp33である、請求項28記載の方法。
【請求項31】
ウイルス感染症がヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症である、請求項26〜28のいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
ウイルス感染症がヒト免疫不全ウイルス感染症であり、関心対象抗原がgp120である、請求項28記載の方法。
【請求項33】
被験対象が腫瘍を有する、請求項25記載の方法。
【請求項34】
関心対象抗原が腫瘍抗原である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
関心対象抗原が、PRAME、WT1、サーバイビン、サイクリンD、サイクリンE、プロテナーゼ3およびそのペプチドPR1、好中球エラスターゼ、カテプシンG、MAGE、MART、チロシナーゼ、GP100、NY-Eso-1、ハーセプチン、癌胎児抗原(CEA)、または前立腺特異的抗原(PSA)である、請求項34記載の方法。
【請求項36】
病原体が真菌であり、関心対象抗原が真菌抗原である、請求項25記載の方法。
【請求項37】
病原体が細菌であり、関心対象抗原が細菌抗原である、請求項25記載の方法。
【請求項38】
PD-1アンタゴニストが、PD-1に特異的に結合する抗体、PD-L1に特異的に結合する抗体、PD-L2に特異的に結合する抗体、低分子阻害性抗PD-1 RNAi、低分子阻害性抗PD-L1 RNA、低分子阻害性抗PD-L2 RNAi、抗PD-1アンチセンスRNA、抗PD-L1アンチセンスRNA、抗PD-L2アンチセンスRNA、ドミナントネガティブPD-1タンパク質、ドミナントネガティブPD-L1タンパク質、ドミナントネガティブPD-L2タンパク質、PD-1の低分子阻害剤、またはその組み合わせである、請求項25〜37のいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
PD-1に特異的に結合する抗体が、(1)モノクローナル抗体もしくはその機能的断片、(2)ヒト化抗体もしくはその機能的断片、または(3)免疫グロブリン融合タンパク質である、請求項38記載の方法。
【請求項40】
PD-L1に結合する抗体が、(1)モノクローナル抗体もしくはその機能的断片、(2)ヒト化抗体もしくはその機能的断片、または(3)免疫グロブリン融合タンパク質である、請求項38記載の方法。
【請求項41】
PD-L2に結合する抗体が、(1)モノクローナル抗体もしくはその機能的断片、(2)ヒト化抗体もしくはその機能的断片、または(3)免疫グロブリン融合タンパク質である、請求項38記載の方法。
【請求項42】
被験対象からの試料中のナイーブB細胞を測定する段階をさらに含む、請求項25〜41のいずれか1項記載の方法。
【請求項43】
増殖するメモリーB細胞を測定する段階が、Ki67の発現を測定する段階を含む、請求項25〜42のいずれか1項記載の方法。
【請求項44】
増殖メモリーB細胞を測定する段階が、Ki67に特異的に結合する抗体を用いることを含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
メモリーB細胞の増殖を測定する段階が、ブロモデオキシウリジンの取り込みを測定する段階を含む、請求項25〜44のいずれか1項記載の方法。
【請求項46】
メモリーB細胞の増殖を測定する段階が、蛍光活性化セルソーティング(FACS)を用いることを含む、請求項25〜45のいずれか1項記載の方法。
【請求項47】
追加の化合物の治療的有効量を被験対象に投与する段階をさらに含む、請求項1〜46のいずれか1項記載の方法。
【請求項48】
第二の化合物が抗ウイルス化合物、抗菌化合物、抗真菌化合物、抗寄生虫化合物、抗炎症化合物、または鎮痛薬である、請求項47記載の方法。
【請求項49】
被験対象が免疫抑制されている、請求項1〜48のいずれか1項記載の方法。
【請求項50】
被験対象が無症候性である、請求項1〜49のいずれか1項記載の方法。
【請求項51】
被験対象がヒトである、請求項1〜50のいずれか1項記載の方法。
【請求項52】
メモリーB細胞を含む細胞集団に物質を接触させる段階と、
メモリーB細胞の増殖および/またはメモリーB細胞の抗体分泌細胞への分化を検出する段階と
を含む、有用なPD-1アンタゴニストを選択する方法であって、
メモリーB細胞の増殖が増加すればおよび/またはメモリーB細胞の抗体分泌細胞への分化が増加すれば、物質がPD-1アンタゴニストであることを示している、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30a】
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【図30b】
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【図30c】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2012−510619(P2012−510619A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538705(P2011−538705)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/066023
【国際公開番号】WO2010/063011
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(506282425)エモリー ユニバーシティ (4)
【出願人】(399052796)デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド (36)
【Fターム(参考)】