説明

慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別診断のための新規バイオマーカーおよび該バイオマーカーを用いた慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別診断方法

【課題】正常人と慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者において存在の有無、存在量が異なるタンパク質およびその部分ペプチドを用いて慢性肝炎、肝硬変、肝がんを検出する方法、ならびに該タンパク質および部分ペプチドからなる慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別診断のためのバイオマーカーの提供。
【解決手段】特定ののタンパク質からなる群および、これらのタンパク質の部分ペプチドであるアミノ酸配列からなる部分ペプチドからなる群から選択される少なくとも1つのタンパク質またはタンパク質から生じるアミノ酸残基5個以上のペプチド断片からなる慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別診断のためのバイオマーカー、ならび分別診断方法および、特定分別診断方法で用いるペプチド特異抗体を作成するための抗原ペプチド。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるHypothetical protein、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるNeuropeptide Y receptor type 1、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるPromyelocytic leukemia zinc finger、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるMicrotubule-associated protein 1A、配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるComplement C3 precursor、配列番号11で表されるアミノ酸配列からなるHistone deacetylase 8、配列番号13で表されるアミノ酸配列からなるAlpha-1-antitrypsin
precursor、配列番号15で表されるアミノ酸配列からなるChromosome 10 open
reading frame 76、配列番号17で表されるアミノ酸配列からなるRearranged
immunoglobulin heavy chain variable region、配列番号19で表されるアミノ酸配列からなるF-box/LRR-repeat protein 8、配列番号21で表されるアミノ酸配列からなるImmunoglobulin lambda light chain variable region、配列番号23で表されるアミノ酸配列からなるIg gamma-1 chain C region、配列番号25で表されるアミノ酸配列からなるAlpha-2-macroglobulin precursor、配列番号27で表されるアミノ酸配列からなるRho/rac guanine nucleotide exchange factor 2、配列番号31で表されるアミノ酸配列からなるPutative GTP-binding protein Parf、配列番号33で表されるアミノ酸配列からなるIg lambda chain C regions、配列番号35で表されるアミノ酸配列からなるZinc finger protein ZIC 1、配列番号37で表されるアミノ酸配列からなるNeuroserpin precursor、配列番号39で表されるアミノ酸配列からなるUbiquitin-conjugating
enzyme E2 U、配列番号41で表されるアミノ酸配列からなるHemoglobin subunit
alpha、配列番号43で表されるアミノ酸配列からなるSerum albumin precursor、配列番号45で表されるアミノ酸配列からなるAlpha-2-HS-glycoprotein precursor、配列番号47で表されるアミノ酸配列からなるlymphocyte-specific protein 1、配列番号49で表されるアミノ酸配列からなるApolipoprotein M、配列番号51で表されるアミノ酸配列からなるBrefeldin
A-inhibited guanine nucleotide-exchange protein 3、配列番号53で表されるアミノ酸配列からなるPlasma retinol-binding protein precursor、配列番号55で表されるアミノ酸配列からなるInter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain precursor、配列番号57で表されるアミノ酸配列からなるGMP reductase 1、配列番号59で表されるアミノ酸配列からなるAlpha-2-antiplasmin
precursor、配列番号61で表されるアミノ酸配列からなるIg gamma-2 chain C
region、配列番号64で表されるアミノ酸配列からなるSerotransferrin precursor、配列番号67で表されるアミノ酸配列からなるHemopexin precursor、配列番号69で表されるアミノ酸配列からなるGelsolin
precursor、配列番号71で表されるアミノ酸配列からなるHistidine-rich
glycoprotein precursor、配列番号73で表されるアミノ酸配列からなるComplement
factor I precursor、配列番号75で表されるアミノ酸配列からなるApolipoprotein
A-I precursorからなる群から選択される少なくとも1つのタンパク質ないしペプチドまたは該タンパク質ないし該ペプチドから生じるアミノ酸残基5個以上のペプチド断片からなる慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別診断のためのバイオマーカー。
【請求項2】
配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるHypothetical proteinの部分ペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるNeuropeptide Y receptor type 1の部分ペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるPromyelocytic leukemia zinc fingerの部分ペプチド、配列番号8で表されるアミノ酸配列からなるMicrotubule-associated protein 1Aの部分ペプチド、配列番号10で表されるアミノ酸配列からなるComplement C3 precursorの部分ペプチド、配列番号12で表されるアミノ酸配列からなるHistone deacetylase 8の部分ペプチド、配列番号14で表されるアミノ酸配列からなるAlpha-1-antitrypsin precursorの部分ペプチド、配列番号16で表されるアミノ酸配列からなるChromosome 10 open reading frame 76の部分ペプチド、配列番号18で表されるアミノ酸配列からなるRearranged immunoglobulin heavy chain variable regionの部分ペプチド、配列番号20で表されるアミノ酸配列からなるF-box/LRR-repeat protein 8の部分ペプチド、配列番号22で表されるアミノ酸配列からなるImmunoglobulin lambda light chain variable regionの部分ペプチド、配列番号24で表されるアミノ酸配列からなるIg gamma-1 chain C regionの部分ペプチド、配列番号26で表されるアミノ酸配列からなるAlpha-2-macroglobulin precursorの部分ペプチド、配列番号28で表されるアミノ酸配列からなるRho/rac guanine nucleotide exchange factor 2の部分ペプチド、配列番号29で表されるアミノ酸配列からなるComplement C3 precursorの部分ペプチド、配列番号30で表されるアミノ酸配列からなるIg gamma-1 chain C regionの部分ペプチド、配列番号32で表されるアミノ酸配列からなるPutative GTP-binding protein Parfの部分ペプチド、配列番号34で表されるアミノ酸配列からなるIg lambda chain C regionsの部分ペプチド、配列番号36で表されるアミノ酸配列からなるZinc finger protein ZIC 1の部分ペプチド、配列番号38で表されるアミノ酸配列からなるNeuroserpinの部分ペプチド、配列番号40で表されるアミノ酸配列からなるUbiquitin-conjugating
enzyme E2 Uの部分ペプチド、配列番号42で表されるアミノ酸配列からなるHemoglobin
subunit alphaの部分ペプチド、配列番号44で表されるアミノ酸配列からなるSerum albumin
precursorの部分ペプチド、配列番号46で表されるアミノ酸配列からなるAlpha-2-HS-glycoprotein
precursorの部分ペプチド、配列番号48で表されるアミノ酸配列からなるlymphocyte-specific
protein 1の部分ペプチド、配列番号50で表されるアミノ酸配列からなるApolipoprotein Mの部分ペプチド、配列番号52で表されるアミノ酸配列からなるBrefeldin A-inhibited guanine nucleotide-exchange protein 3の部分ペプチド、配列番号54で表されるアミノ酸配列からなるPlasma retinol-binding protein precursorの部分ペプチド、配列番号56で表されるアミノ酸配列からなるInter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain precursorの部分ペプチド、配列番号58で表されるアミノ酸配列からなるGMP reductase 1の部分ペプチド、配列番号60で表されるアミノ酸配列からなるAlpha-2-antiplasmin
precursorの部分ペプチド、配列番号62で表されるアミノ酸配列からなるIg gamma-2 chain
C regionの部分ペプチド、配列番号63で表されるアミノ酸配列からなるIg gamma-1 chain C
regionの部分ペプチド、配列番号65で表されるアミノ酸配列からなるSerotransferrin
precursorの部分ペプチド、配列番号66で表されるアミノ酸配列からなるSerotransferrin
precursorの部分ペプチド、配列番号68で表されるアミノ酸配列からなるHemopexin
precursorの部分ペプチド、配列番号70で表されるアミノ酸配列からなるGelsolin
precursorの部分ペプチド、配列番号72で表されるアミノ酸配列からなるHistidine-rich
glycoprotein precursorの部分ペプチド、配列番号74で表されるアミノ酸配列からなるComplement
factor I precursorの部分ペプチド、配列番号76で表されるアミノ酸配列からなるApolipoprotein
A-I precursorの部分ペプチド、配列番号77で表されるアミノ酸配列からなるComplement C3
precursorの部分ペプチド、配列番号78で表されるアミノ酸配列からなるSerotransferrin
precursorの部分ペプチドからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドからなる慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別診断のためのバイオマーカー。
【請求項3】
配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29および30からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、肝がん患者生体試料中において、肝炎患者生体試料中と比較し出現または増加する肝がんバイオマーカー。
【請求項4】
配列番号4、28、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62および63からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、肝がん患者生体試料中において、肝硬変患者生体試料中と比較し出現または増加する肝がんバイオマーカー。
【請求項5】
配列番号4、65および66からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、肝がん患者生体試料中において、肝炎患者および肝硬変患者生体試料中と比較し出現または増加する肝がんバイオマーカー。
【請求項6】
配列番号68、70、72、74、76、77および78からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである、肝がん患者生体試料中において、肝炎患者および肝硬変患者生体試料中と比較し消失または減少する肝がんバイオマーカー。
【請求項7】
生体試料中の請求項1〜6のいずれか1項に記載の少なくとも1つのバイオマーカーを測定することを含む、慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別検出方法。
【請求項8】
生体試料中の請求項3記載の少なくとも1つの肝がんバイオマーカーを測定し、該バイオマーカーが肝炎患者と比較して多く存在する場合に、肝がんに罹患していると判断する肝がんの検出方法。
【請求項9】
生体試料中の請求項4記載の少なくとも1つの肝がんバイオマーカーを測定し、該バイオマーカーが肝硬変患者と比較して多く存在する場合に、肝がんに罹患していると判断する肝がんの検出方法。
【請求項10】
生体試料中の請求項5記載の少なくとも1つの肝がんバイオマーカーを測定し、該バイオマーカーが肝炎患者または肝硬変患者と比較して多く存在する場合に、肝がんに罹患していると判断する肝がんの検出方法。
【請求項11】
生体試料中の請求項6記載の少なくとも1つの肝がんバイオマーカーを測定し、該バイオマーカーが肝炎患者または肝硬変患者と比較して少なく存在する場合に、肝がんに罹患していると判断する肝がんの検出方法。
【請求項12】
検出が酵素もしくは蛍光標識抗体法または質量分析法により行われる請求項7に記載の慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別検出方法。
【請求項13】
検出が酵素もしくは蛍光標識抗体法または質量分析法により行われる請求項8〜11に記載の肝がんの検出方法。
【請求項14】
配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、63、65、66、68、70、72、74、76、77および78からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列からなるペプチド群の少なくとも1つを測定するための慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別検出キット。
【請求項15】
配列番号1〜78からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質ないしペプチドまたは該タンパク質ないし該ペプチドから生じるアミノ酸残基5個以上のペプチド断片の少なくとも1つに対する抗体もしくはアプタマーを含む慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別検出キット。
【請求項16】
配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、63、65、66、68、70、72、74、76、77および78からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列からなるペプチド群の少なくとも1つに対する抗体もしくはアプタマーを含む慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別検出キット。
【請求項17】
抗体またはアプタマーがビーズまたは基板上に固相化されている請求項15または16に記載の検出キット。
【請求項18】
配列番号1〜78からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質ないしペプチドまたは該タンパク質ないし該ペプチドから生じるアミノ酸残基5個以上のペプチド断片の少なくとも1つに対する抗体もしくはアプタマーが固相化されたビーズまたは基板を用いて、対応するタンパク質またはペプチドを沈降せしめ、該タンパク質または該ペプチドの質量数を測定することによって、慢性肝炎、肝硬変、肝がんを分別診断する方法。
【請求項19】
配列番号1〜78からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質ないしペプチドまたは該タンパク質ないし該ペプチドから生じるアミノ酸残基5個以上のペプチド断片の少なくとも1つに対する抗体もしくはアプタマーが固相化されたビーズまたは基板を用いて、対応するタンパク質またはペプチドを沈降せしめ、該タンパク質または該ペプチドの質量数を測定することによって、慢性肝炎、肝硬変、肝がんを分別診断するキット。
【請求項20】
配列番号1〜78からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質ないしペプチドまたは該タンパク質ないし該ペプチドから生じるアミノ酸残基5個以上のペプチド断片の少なくとも1つをバイオマーカーとして用いる慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別検出方法であって、生体試料中の該タンパク質および/または該ペプチドおよび/または該ペプチド断片の種類、存在量および/または存在比を測定し、タンパク質/ペプチド/ペプチド断片の組み合わせに基づくプロファイルを得ることを含む、慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別診断方法。
【請求項21】
配列番号79で表されるアミノ酸配列からなるHypothetical proteinの部分ペプチド、配列番号80で表されるアミノ酸配列からなるNeuropeptide Y receptor type 1の部分ペプチド、配列番号81で表されるアミノ酸配列からなるNeuropeptide Y receptor type 1の部分ペプチド、配列番号82で表されるアミノ酸配列からなるNeuropeptide Y receptor type 1の部分ペプチド、配列番号83で表されるアミノ酸配列からなるMicrotubule-associated protein 1Aの部分ペプチド、配列番号84で表されるアミノ酸配列からなるChromosome 10 open reading frame 76の部分ペプチド、配列番号85で表されるアミノ酸配列からなるF-box/LRR-repeat protein 8の部分ペプチド、配列番号86で表されるアミノ酸配列からなるRho/rac guanine nucleotide exchange factor 2の部分ペプチド、配列番号87で表されるアミノ酸配列からなるPutative GTP-binding protein Parfの部分ペプチド、配列番号88で表されるアミノ酸配列からなるZinc finger protein ZIC 1の部分ペプチド、配列番号89で表されるアミノ酸配列からなるInter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain precursorの部分ペプチド、配列番号90で表されるアミノ酸配列からなるInter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain precursorの部分ペプチド、配列番号91で表されるアミノ酸配列からなるGMP reductase 1の部分ペプチドからなる群から選択される少なくとも一つの部分ペプチドないし該部分ペプチドから生じるアミノ酸残基5個以上のペプチド断片であって、配列番号1、2、3、4、7、8、15、16、19、20、27、28、31、32、35、36、55、56、57、58からなる群から選択される少なくとも一つのタンパク質ないしペプチドまたは該タンパク質ないし該ペプチドから生じるアミノ酸残基5個以上のペプチド断片を特異的に認識する抗体もしくはアプタマーを作成するための抗原ペプチド。
【請求項22】
アミノ酸配列上同一のタンパク質ないしタンパク質断片でありながら翻訳後修飾によってpI値の異なるアイソフォームが存在する場合に、生体試料について二次元電気泳動を行い、そのアミノ酸配列の一部に対する抗体を用いて、これらのアイソフォームを分別検出することを特徴とする肝炎、肝硬変、肝がんの分別診断方法。
【請求項23】
請求項22において、翻訳後修飾が糖鎖付加である慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別診断方法。
【請求項24】
請求項22において、タンパク質ないしタンパク質断片が配列番号55ないし56で表されるアミノ酸配列の全部または一部分からなる慢性肝炎、肝硬変、肝がんの分別診断方法。
【請求項25】
請求項24において、電気泳動後pI値が最小の領域にあって肝がん患者のみに検出される一個から四個のうちの少なくとも一個のスポットを検出することからなる肝がんの診断方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−114092(P2009−114092A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286461(P2007−286461)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(504019456)株式会社MCBI (9)
【Fターム(参考)】