説明

成分濃度測定装置

【課題】被測定者自身の手又は指を開口部に挿入してから電源の投入を行う必要があるので、従来の成分濃度測定装置は、操作性が悪い課題がある。また、グルコースの測定終了後、被測定者が、電源の切断を忘れることがあり、従来の成分濃度測定装置は、電力を無駄に消費する課題がある。
【解決手段】被検体の挿入によりローラーが押し退けられバネの動きを介して電源を投入し又は被検体の引き抜きによりローラーが復帰しバネの動きを介して電源を切断する電源制御機構を備える成分濃度測定装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間又は動物の被検体の非侵襲な成分濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化が進み、成人病に対する対応が大きな課題になりつつある。血糖値などの検査においては血液の採取が必要なために患者にとって大きな負担となるので、血液を採取しない非侵襲な成分濃度測定装置が注目されている。現在までに開発された非侵襲な成分濃度測定装置としては、皮膚内に電磁波を照射し、測定対象とする血液成分、例えば、血糖値の場合はグルコース分子に吸収され、局所的に加熱して熱膨張を起こして生体内から発生する音波を観測する、光音響法が注目されている。
【0003】
だが、光音響法による成分濃度測定装置は、グルコースと電磁波との相互作用は小さく、また生体に安全に照射し得る電磁波の強度には制限があり、生体の血糖値測定においては、十分な効果をあげるに至っていない。
【0004】
図17は、従来例として、光音響法による従来の血液成分濃度測定装置90の構成例を示す概略図である(例えば、非特許文献1参照。)。図17には、駆動回路91、超音波検出器92、パルス光源93、波形観測器94、筐体95、開口部96及び被検体99が図示されている。
【0005】
例えば、血液成分として血糖、すなわちグルコースを測定対象としている。図17において、筐体95は、駆動回路91、超音波検出器92、パルス光源93及び波形観測器94を格納する。開口部96は、筐体95に形成され、被検体99が挿入される。駆動回路91はパルス状の励起電流をパルス光源93に供給し、パルス光源93はサブマイクロ秒の持続時間を有する光パルスを発生し、発生した光パルスは被検体99に照射される。光パルスは被検体99の内部にパルス状の光音響信号と呼ばれる音波を発生させ、発生した音波は超音波検出器92により検出され、さらに音圧に比例した電気信号に変換される。
【0006】
変換された電気信号の波形は波形観測器94により観測される。この波形観測器94は上記励起電流に同期した信号によりトリガされ、変換された電気信号は波形観測器94の管面上の一定位置に表示され、変換された電気信号は積算・平均して測定することができる。このようにして得られた電気信号の振幅を解析して、被検体99の内部の血糖値、すなわちグルコースの量が測定される。図17に示す例の場合はサブマイクロ秒のパルス幅の光パルスを最大1kHzの繰り返しで発生し、1024個の光パルスを平均して、前記電気信号を測定している。
【0007】
【非特許文献1】オウル大学(University of Oulu、Finland)学位論文「Pulse photoacoustic techniqus and glucose determination in human blood and tissue」(IBS 951−42−6690−0、http://herkules.oulu.fi/isbn9514266900/、2002年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、被測定者自身の手又は指を開口部96に挿入してから電源の投入を行う必要があるので、血液成分濃度測定装置90は、操作性が悪い課題がある。また、グルコースの測定終了後、被測定者が血液成分濃度測定装置90の電源の切断を忘れることがあるので、血液成分濃度測定装置90は、電力を無駄に消費する課題がある。
【0009】
本発明は、前記課題を解決する為になされたもので、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本願第1の発明は、被検体の挿入によりローラーが押し退けられバネの動きを介して電源を投入し又は被検体の引き抜きによりローラーが復帰しバネの動きを介して電源を切断する電源制御機構を備える成分濃度測定装置である。
【0011】
具体的に、本願第1の発明は、被検体が挿抜される開口部が形成された筐体と、前記筐体に格納され、軸孔を有し、前記開口部から挿入される前記被検体に押し退けられる円筒状のローラーと、前記筐体の内面に一方の端が固定され、他方の端で前記軸孔を介して前記ローラーを保持するバネと、前記筐体に格納され、前記開口部から挿入される前記被検体に光を照射する光源と、前記筐体に格納され、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、前記筐体に格納され、前記バネの動きによって前記光源及び前記音波検出器への電力供給を制御する電源制御機構と、前記電源制御機構の制御によって前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、を備える成分濃度測定装置であって、前記電源制御機構は、前記被検体の挿入により前記ローラーが押し退けられ前記バネの動きを介して前記電源を投入し又は前記被検体の引き抜きにより前記ローラーが復帰し前記バネの動きを介して前記電源を切断することを特徴とする成分濃度測定装置である。
【0012】
前記被検体の挿入により前記電源が投入されることで、前記成分濃度測定装置は、被測定者が前記電源の投入を行う必要がない。また、被測定者が前記電源の切断を忘れても、前記成分濃度測定装置は、前記被検体の引き抜きにより前記電源が切断される。従って、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本願第2の発明は、被検体の挿入により押当板が押されバネの動きを介して電源を投入し又は被検体の引き抜きにより押当板が復帰しバネの動きを介して電源を切断する電源制御機構を備える成分濃度測定装置である。
【0014】
具体的に、本願第2の発明は、被検体が挿抜される開口部が形成された筐体と、前記筐体に格納され、一方の面が前記開口部から挿入された前記被検体に押される押当板と、両端が前記押当板の前記一方の面又は前記一方の面に対向する他方の面と前記筐体の内面とに固定されるバネと、前記筐体に格納され、前記開口部から挿入された前記被検体に光を照射する光源と、前記筐体に格納され、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、前記筐体に格納され、前記バネの動きによって前記光源及び前記音波検出器への電力供給を制御する電源制御機構と、前記電源制御機構の制御によって前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、を備える成分濃度測定装置であって、前記電源制御機構は、前記被検体の挿入により前記押当板が押され前記バネの動きを介して前記電源を投入し又は前記被検体の引き抜きにより前記押当板が復帰し前記バネの動きを介して前記電源を切断することを特徴とする成分濃度測定装置である。
【0015】
前記被検体の挿入により前記電源が投入されることで、前記成分濃度測定装置は、被測定者が前記電源の投入を行う必要がない。また、被測定者が前記電源の切断を忘れても、前記成分濃度測定装置は、前記被検体の引き抜きにより前記電源が切断される。従って、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0016】
上記目的を達成するために、本願第3の発明は、光センサから入力される信号に基づいて電源を投入し又は電源を切断する電源制御機構を備える成分濃度測定装置である。
【0017】
具体的に、本願第3の発明は、被検体に光を照射する光源と、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、前記被検体に光が遮られる状態又は前記被検体に光が遮られない状態を検知し、前記光の検知の有無を信号として出力する光センサと、前記光センサから入力される前記信号に基づいて前記電源を投入し又は前記電源を切断する電源制御機構と、を備える成分濃度測定装置である。
【0018】
光が前記被検体に遮られると、前記成分濃度測定装置は、前記電源を投入する。よって、被測定者は、前記電源の投入を行う必要がない。また、光が前記被検体に遮られない状態になると、前記成分濃度測定装置は、前記電源を切断する。よって、被測定者が前記電源の切断を忘れても、前記電源は、切断される。従って、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0019】
上記目的を達成するために、本願第4の発明は、音センサから入力される信号に基づいて電源を投入し又は電源を切断する電源制御機構を備える成分濃度測定装置である。
【0020】
具体的に、本願第4の発明は、被検体に光を照射する光源と、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、前記被検体を前記光源の近傍に配置する音又は前記被検体を前記光源から遠ざける音を検知して信号を外部に出力する音センサと、前記音センサから入力される前記信号に基づいて前記電源を投入し又は前記電源を切断する電源制御機構と、を備える成分濃度測定装置である。
【0021】
前記被検体を前記光源の近傍に配置する音を前記音センサが検知すると、前記成分濃度測定装置は、前記電源を投入する。よって、被測定者は、前記電源の投入を行う必要がない。また、前記被検体を前記光源から遠ざける音を前記音センサが検知すると、前記成分濃度測定装置は、前記電源を切断する。よって、被測定者が前記電源の切断を忘れても、前記電源は、切断される。従って、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0022】
上記目的を達成するために、本願第5の発明は、熱センサから入力される信号に基づいて電源を投入し又は電源を切断する電源制御機構を備える成分濃度測定装置である。
である。
【0023】
具体的に、本願第5の発明は、被検体に光を照射する光源と、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、前記光源の近傍に位置する前記被検体の熱を検知して信号を外部に出力する熱センサと、前記熱センサから入力される前記信号に基づいて前記電源を投入し又は前記電源を切断する電源制御機構と、を備える成分濃度測定装置である。
【0024】
前記光源の近傍に位置する前記被検体の熱を前記熱センサが検知すると、前記成分濃度測定装置は、前記電源を投入する。よって、被測定者は、前記電源の投入を行う必要がない。また、前記被検体の熱を前記熱センサが検知しない状態になると、前記成分濃度測定装置は、前記電源を切断する。よって、被測定者が前記電源の切断を忘れても、前記電源は、切断される。従って、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0025】
本願各発明において、前記電源の投入又は切断を表示する電源状態表示部をさらに備えることを特徴とすることが好ましい。
【0026】
前記電源の投入又は切断を表示するので、被測定者は、前記電源の投入又は切断を確認することができる。従って、操作性がよりよく、電力の無駄な消費がより少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0027】
本願各発明において、前記電源の投入又は切断を音又は音声で案内する電源状態案内部をさらに備えることを特徴とすることが好ましい。
【0028】
前記電源の投入又は切断を音又は音声で案内することで、被測定者は、前記電源の投入又は切断を確認することができる。従って、操作性がよりよく、電力の無駄な消費がより少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0029】
操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものでない。また、以下においては、被検体を被測定物に置き換えれば被測定物の成分濃度を測定する場合の実施の形態とすることができる。なお、全体の動作を制御する制御部などの通常の技術により実現できる部分は図示していない。
【0031】
(第1実施形態)
本願第1の実施形態は、被検体が挿抜される開口部が形成された筐体と、前記筐体に格納され、軸孔を有し、前記開口部から挿入される前記被検体に押し退けられる円筒状のローラーと、前記筐体の内面に一方の端が固定され、他方の端で前記軸孔を介して前記ローラーを保持するバネと、前記筐体に格納され、前記開口部から挿入される前記被検体に光を照射する光源と、前記筐体に格納され、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、前記筐体に格納され、前記バネの動きによって前記光源及び前記音波検出器への電力供給を制御する電源制御機構と、前記電源制御機構の制御によって前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、を備える成分濃度測定装置であって、前記電源制御機構は、前記被検体の挿入により前記ローラーが押し退けられ前記バネの動きを介して前記電源を投入し又は前記被検体の引き抜きにより前記ローラーが復帰し前記バネの動きを介して前記電源を切断することを特徴とする成分濃度測定装置である。
【0032】
図1を用いて、本願第1の実施形態に係る成分濃度測定装置10について説明する。図1は、成分濃度測定装置10の概略図である。成分濃度測定装置10は、光源21、音波検出器22、電源制御機構23、端子23a、電源24、筐体25、開口部26、ローラー27、軸孔27a、板バネ28、導体29及び絶縁体30を備える。また、被検体99は、人体の指である。
【0033】
成分濃度測定装置10の成分濃度の測定について説明する。成分濃度測定装置10は、前述した光音響法の原理で動作する。
【0034】
光源21は、被検体99に光35を照射する。例えば、光源21としては、半導体レーザをあげることができる。ここで、測定対象とする成分をグルコース又はコレステロールとした場合には、光源21がグルコース又はコレステロールの特徴的な吸収を示す波長の光35を照射することによって、成分濃度測定装置10は、グルコース又はコレステロールの濃度を精度よく測定することができる。光源21が半導体レーザであれば、ヒーター又はペルチェ素子により加熱又は冷却することにより発生する光35の波長を変化させることができる。
【0035】
音波検出器22は、光源21からの光35によって被検体99で発生する音波を検出する。音波検出器22は、検出した音波に比例した電気信号を出力してもよい。被検体99で発生する音波の伝達効率を向上させる為に、音響整合物質を被検体99と音波検出器22との間に設けてもよい(図1には図示していない。)。また、音波検出器22が出力する電気信号から高周波ノイズを除去する為に、音波検出器22は、フィルタを備えてもよい(図1には図示していない。)。
【0036】
また、音波検出器22が出力する電気信号を基に被検体99の測定対象の成分濃度を算出する為に、成分濃度測定装置10は、成分濃度算出部を備えてもよい(図1には図示していない。)。
【0037】
成分濃度測定装置10は、上記のように光源21及び音波検出器22を用いて測定対象の成分濃度を測定することができる。
【0038】
なお、本願各実施形態に係る成分濃度測定装置の動作原理、本願各実施形態に係る成分濃度測定装置が備える光源及び音波検出器の説明は、上記と同様であるために、以後省略する。
【0039】
成分濃度測定装置10の操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない点について説明する。
【0040】
筐体25は、開口部26が形成される。筐体25は、光源21、音波検出器22、電源制御機構23、電源24及びローラー27を格納する。
【0041】
ローラー27は、円筒状であり、軸孔27aを有する。
【0042】
板バネ28は、筐体25の内面に一方の端が固定され、他方の端でローラー27の軸孔27aを介してローラー27を保持する。本実施形態に係るバネとしては、板バネ28の他に、コイルバネ、ゴムバネ又は空気バネをあげることができる。
【0043】
例えば、電源制御機構23としては、機械式スイッチをあげることができる。電源制御機構23に近い側の板バネ28に、導体29は、絶縁体30を介して装着されてもよい。電源制御機構23は、導体29が端子23aに接触すると電源24を投入し、導体29が端子23aから離れると電源24を切断するものであってもよい。
【0044】
また、電源制御機構23は、電源24に設けられたボタン及び電源制御機構23に近い側の板バネ28に形成された突起からなるものであってもよい(図1には図示していない。)。前述したボタン及び突起からなる電源制御機構23は、前述した突起で前述したボタンを押すと電源24を投入し、前述した突起が前述したボタンから離れると電源24を切断するものであってもよい。
【0045】
上記のように、電源制御機構23を機械式スイッチとすると、電源制御機構23の待機電力が不要になり、成分濃度測定装置10は、電力の無駄な消費を少なくすることができる。また、電源制御機構23は、電子式スイッチであってもよい。
【0046】
電源24は、電源制御機構23の制御によって光源21及び音波検出器22に電力を供給する。例えば、電源24としては、内蔵バッテリー、電池又は電源コンセント等をあげることができる。
【0047】
図2は、被検体99が開口部26から引き抜かれた状態の成分濃度測定装置10の拡大概略図である。図2には、電源制御機構23、端子23a、電源24、筐体25、開口部26、ローラー27、軸孔27a、板バネ28、導体29、絶縁体30及び被検体99が図示されている。図2において、筐体25は、一部のみ図示され、電源24の接続は、省略されている。
【0048】
被検体99が開口部26から引き抜かれた状態において、板バネ28は、直線状態となっている。板バネ28に装着された導体29が端子23aに接触しておらず、電源制御機構23は、電源24を投入していない。被検体99が開口部26に挿入されると、図3に示すようになる。
【0049】
図3は、被検体99が開口部26に挿入された状態の成分濃度測定装置10の拡大概略図である。図3には、電源制御機構23、端子23a、電源24、筐体25、開口部26、ローラー27、軸孔27a、板バネ28、導体29、絶縁体30及び被検体99が図示されている。図3において、筐体25は、一部のみ図示され、電源24の接続は、省略されている。
【0050】
被検体99が開口部26に挿入されると、ローラー27は、被検体99により押し退けられる。ローラー27が被検体99の挿入により押し退けられると、板バネ28がしなり、導体29は、端子23aに接触する。導体29が端子23aに接触することで、電源制御機構23は、電源24を投入する。被検体99の挿入により電源24を投入することで、成分濃度測定装置10は、被測定者が電源24の投入を行う必要はない。
【0051】
被検体99の測定が終了し、被検体99が開口部26から引き抜かれることで、成分濃度測定装置10は、図2に示す状態に戻る。すると、板バネ28が直線状態になり、ローラー27が元の位置に復帰し、導体29は、端子23aから離れる。導体29が端子23aから離れることで、電源制御機構23は、電源24を切断する。被検体99の引き抜きにより電源24を切断することで、成分濃度測定装置10は、被測定者が電源24の切断を忘れても電力の無駄な消費は少なくなる。
【0052】
図4に示すように、成分濃度測定装置10は、2組の端子23aと導体29を備えてもよい。図4は、2組の端子23aと導体29を備え、被検体99が開口部26に挿入された状態の成分濃度測定装置10の拡大概略図である。図4には、電源制御機構23、端子23a、電源24、筐体25、開口部26、ローラー27、軸孔27a、板バネ28、導体29、絶縁体30及び被検体99が図示されている。図4において、筐体25は、一部のみ図示され、電源24の接続は、省略されている。
【0053】
図4の成分濃度測定装置10は、両方の側の板バネ28に装着された導体29とそれぞれの導体29が接触する端子23aを備える。
【0054】
例えば、いずれかの導体29が端子23aに接触したときに、電源制御機構23は、電源24を投入してもよい。図1に示すように、一方の側の板バネ28に導体29が装着されている場合、一方の側の板バネ28から遠くなるように被検体99が挿入されると、一方の側の板バネ28が、導体99を端子23aに接触される程しならないことがある。すると、図1の成分濃度測定装置10は、被検体99を開口部26に挿入しても電源24を投入しないことがある。だが、両方の側の板バネ28に導体29を装着すると、被検体99が一方の側の板バネ28から遠くなるように挿入されても、他方の側の板バネ28に装着された導体29が端子23aに接触することがある。よって、図4の成分濃度測定装置10は、感度よく電源24を投入することができる。
【0055】
また、図4の成分濃度測定装置10は、両方の導体29が端子23aから離れたときに、電源24を切断してもよい。図1に示すように、一方の側の板バネ28に導体29が装着されている場合、被検体99が動いて一方の側の板バネ28から離れると、電源制御機構23は、測定中でも電源24を誤って切断してしまう。だが、両方の導体29が端子23aから離れてから電源24を切断すれば、電源制御機構23は、測定中でも電源24を誤って切断することは少ない。よって、図4の成分濃度測定装置10は、電源24を誤って切断することを少なくすることができる。
【0056】
図5は、成分濃度測定装置11の拡大概略図である。図5の成分濃度測定装置11は、電源制御機構23、端子23a、筐体25、開口部26、ローラー27、軸孔27a、導体29、絶縁体30、コイルバネ31及びローラー保持部32を備える。図5において、筐体25は、一部のみ図示され、電源24の接続は、省略されている。
【0057】
コイルバネ31は、開口部26が形成された面と略平行に一方の端が筐体25の内面に固定される。また、コイルバネ31は、他方の端でローラー27の軸孔27aを介してローラー27を保持する。
【0058】
ローラー保持部32は、一方の端が可動するように筐体25の開口部26が形成された面に装着されてもよい。また、ローラー保持部32は、他方の端でローラー27の軸孔27aを介してローラー27を保持してもよい。ローラー保持部32でローラー27を保持することで、ローラー27が被検体99に押し退けられても、コイルバネ31は、開口部26が形成された面と略平行になる向きを維持して伸縮することができる。
【0059】
導体29は、絶縁体30を介して一方のローラー保持部32に装着されてもよい。
【0060】
電源制御機構23は、図1の電源制御機構23と同様のものである。また、成分濃度測定装置11は、前述したボタン及び突起からなる電源制御機構23を備えてもよく、前述した電子式スイッチの電源制御機構23を備えてもよい。
【0061】
被検体99が引き抜かれた状態において、コイルバネ31は、伸びた状態となっている。ローラー保持部32に装着された導体29が端子23aに接触しておらず、電源制御機構23は、電源24を投入していない。被検体99が開口部26に挿入されると、図6に示すようになる。
【0062】
図6は、被検体99が開口部26に挿入された状態の成分濃度測定装置11の拡大概略図である。図6には、電源制御機構23、端子23a、電源24、筐体25、開口部26、ローラー27、軸孔27a、導体29、絶縁体30、コイルバネ31及びローラー保持部32が図示されている。図6において、筐体25は、一部のみ図示され、電源24の接続は、省略されている。
【0063】
被検体99が開口部26に挿入されると、ローラー27は、被検体99により押し退けられる。ローラー27が被検体99の挿入により押し退けられると、コイルバネ31が縮み、導体29は、端子23aに接触する。導体29が端子23aに接触することで、電源制御機構23は、電源24を投入する。被検体99の挿入により電源24を投入することで、成分濃度測定装置11は、被測定者が電源24の投入を行う必要はない。
【0064】
被検体99の測定が終了し、被検体99が開口部26から引き抜かれることで、成分濃度測定装置11は、図5に示す状態に戻る。すると、コイルバネ31が伸び、ローラー27が元の位置に復帰し、導体29は、端子23aから離れる。導体29が端子23aから離れることで、電源制御機構23は、電源24を切断する。被検体99の引き抜きにより電源24を切断することで、成分濃度測定装置11は、被測定者が電源24の切断を忘れても電力の無駄な消費は少なくなる。従って、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0065】
成分濃度測定装置11は、図4の成分濃度測定装置10と同様に2組の端子23aと導体29を備えてもよい。一方の導体29が端子23aに接触すると、電源制御機構23は、電源24を投入してもよい。また、両方の導体29が端子23aから離れると、電源24を切断してもよい。すると、成分濃度測定装置11は、図4の成分濃度測定装置10と同様の効果が得られる。
【0066】
(第2実施形態)
本願第2の実施形態は、被検体が挿抜される開口部が形成された筐体と、前記筐体に格納され、一方の面が前記開口部から挿入された前記被検体に押される押当板と、両端が前記押当板の前記一方の面又は前記一方の面に対向する他方の面と前記筐体の内面とに固定されるバネと、前記筐体に格納され、前記開口部から挿入された前記被検体に光を照射する光源と、前記筐体に格納され、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、前記筐体に格納され、前記バネの動きによって前記光源及び前記音波検出器への電力供給を制御する電源制御機構と、前記電源制御機構の制御によって前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、を備える成分濃度測定装置であって、前記電源制御機構は、前記被検体の挿入により前記押当板が押され前記バネの動きを介して前記電源を投入し又は前記被検体の引き抜きにより前記押当板が復帰し前記バネの動きを介して前記電源を切断することを特徴とする成分濃度測定装置である。
【0067】
図7を用いて本願第2の実施形態に係る成分濃度測定装置12について説明する。図7は、成分濃度測定装置12の概略図である。成分濃度測定装置12は、電源制御機構23、端子23a、電源24、筐体25、開口部26、導体29、絶縁体30、コイルバネ31、押当板33を備える。図7において、筐体25は、一部のみ図示され、電源24の接続は、省略されている。
【0068】
電源制御機構23は、図1の電源制御機構23と同様のものである。また、成分濃度測定装置12は、前述したボタン及び突起からなる電源制御機構23を備えてもよく、前述した電子式スイッチの電源制御機構23を備えてもよい。
【0069】
筐体25は、図1の成分濃度測定装置10と同様のものである。
【0070】
コイルバネ31は、一方の端を筐体25の開口部26が形成された面と対向する面に固体してもよい。また、コイルバネ31は、他方の端を押当板33の被検体99に押される側の面と対向する面に固定してもよい。本実施形態に係るバネとしては、コイルバネ31の他に、ゴムバネ又は空気バネをあげることができる。
【0071】
導体29は、押当板33のコイルバネ31を固定した面に絶縁体30を介して装着してもよい。
【0072】
被検体99が引き抜かれた状態において、コイルバネ31は、伸びた状態となっている。押当板33に装着された導体29が端子23aに接触しておらず、電源制御機構23は、電源24を投入していない。被検体99が開口部26に挿入されると、図8に示すようになる。
【0073】
図8は、被検体99が開口部26に挿入された状態の成分濃度測定装置12の概略図である。成分濃度測定装置12は、電源制御機構23、端子23a、電源24、筐体25、開口部26、導体29、絶縁体30、コイルバネ31、押当板33を備える。図8において、筐体25は、一部のみ図示され、電源24の接続は、省略されている。
【0074】
被検体99が開口部26に挿入されると、押当板33は、被検体99により押される。押当板33が被検体99の挿入により押されると、コイルバネ31が縮み、導体29は、端子23aに接触する。導体29が端子23aに接触することで、電源制御機構23は、電源24を投入する。被検体99の挿入により電源24が投入されることで、成分濃度測定装置12は、被測定者が電源24の投入を行う必要はない。
【0075】
被検体99の測定が終了し、被検体99が開口部26から引き抜かれることで、成分濃度測定装置12は、図7に示す状態に戻る。すると、コイルバネ31が伸び、押当板33が元の位置に復帰し、導体29は、端子23aから離れる。導体29が端子23aから離れることで、電源制御機構23は、電源24を切断する。被検体99の引き抜きにより電源24を切断することで、成分濃度測定装置12は、被測定者が電源24の切断を忘れても電力の無駄な消費は少なくなる。
【0076】
図9に示すように、コイルバネ31は、筐体25の開口部26の側の面に固定されてもよい。図9は、コイルバネ31が筐体25の開口部26の側の面に固定された成分濃度測定装置12の概略図である。成分濃度測定装置12は、電源制御機構23、端子23a、電源24、筐体25、開口部26、導体29、絶縁体30、コイルバネ31、押当板33を備える。図9において、筐体25は、一部のみ図示され、電源24の接続は、省略されている。
【0077】
2個のコイルバネ31は、一方の端が筐体25の開口部26の側の面に固定され、他方の端が押当板33の被検体99に押される側の面に固定されてもよい。
【0078】
被検体99が引き抜かれた状態において、コイルバネ31は、縮んだ状態となっている。押当板33に装着された導体29が端子23aに接触しておらず、電源24は、投入されていない。被検体99が開口部26に挿入されると、図10に示すようになる。
【0079】
図10は、被検体99が開口部26に挿入された状態の成分濃度測定装置12の概略図である。成分濃度測定装置12は、電源制御機構23、端子23a、電源24、筐体25、開口部26、導体29、絶縁体30、コイルバネ31、押当板33を備える。図10において、筐体25は、一部のみ図示され、電源24の接続は、省略されている。
【0080】
被検体99が開口部26に挿入されると、押当板33は、被検体99により押される。押当板33が被検体99の挿入により押されると、コイルバネ31が伸び、導体29は、端子23aに接触する。導体29が端子23aに接触することで、電源制御機構23は、電源24を投入する。被検体99の挿入により電源24が投入されることで、成分濃度測定装置12は、被測定者が電源24の投入を行う必要はない。
【0081】
被検体99の測定が終了し、被検体99が開口部26から引き抜かれることで、成分濃度測定装置12は、図9に示す状態に戻る。すると、コイルバネ31が縮み、押当板33が元の位置に復帰し、導体29は、端子23aから離れる。導体29が端子23aから離れることで、電源制御機構23は、電源24を切断する。被検体99の引き抜きにより電源24を切断することで、成分濃度測定装置12は、被測定者が電源24の切断を忘れても電力の無駄な消費は少なくなる。従って、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0082】
(第3実施形態)
本願第3の実施形態は、被検体に光を照射する光源と、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、前記被検体に光が遮られる状態又は前記被検体に光が遮られない状態を検知し、前記光の検知の有無を信号として出力する光センサと、前記光センサから入力される前記信号に基づいて前記電源を投入し又は前記電源を切断する電源制御機構と、を備える成分濃度測定装置である。
【0083】
図11を用いて本願第3の実施形態に係る成分濃度測定装置13について説明する。図11は、成分濃度測定装置13の概略図である。成分濃度測定装置13は、光源21、音波検出器22、電源制御機構23、電源24、筐体25、開口部26及び光センサ34を備える。
【0084】
例えば、成分濃度測定装置13は、図1の成分濃度測定装置10と同様の筐体25を備えてもよい。筐体25は、被検体99が挿入される開口部26を有してもよい。また、筐体25は、光源21、音波検出器22、電源制御機構23を格納してもよい。
【0085】
例えば、電源制御機構23は、電源24の投入又は切断する回路であってもよい。
【0086】
光センサ34は、筐体25の開口部26の近傍に配置されてもよい。被検体99が開口部26から引き抜かれた状態において、光センサ34は、光35aを受光している。例えば、光35aは、室内灯が出力する光や自然光であってもよい。光センサ34は、光35aを受光している状態を示す信号を電源制御機構23に出力する。すると、電源制御機構23は、電源24を切断する。また、被検体99が開口部26に挿入されると、図12に示すようになる。
【0087】
図12は、被検体99が開口部26に挿入された状態の成分濃度測定装置13の概略図である。図12には、光源21、音波検出器22、電源制御機構23、電源24、筐体25、開口部26、光センサ34、光35及び光35aが図示されている。
【0088】
被検体99が開口部26に挿入されると、光35aが被検体99で遮られて、光センサ34は、光35aが遮蔽されている状態を示す信号を電源制御機構23に出力する。すると、電源制御機構23は、電源24を投入する。被検体99の挿入により電源24が投入されることで、成分濃度測定装置13は、被測定者が電源24の投入を行う必要はない。
【0089】
被検体99の測定が終了し、被検体99が開口部26から引き抜かれることで、成分濃度測定装置13は、図11に示す状態に戻る。被検体99の引き抜きにより電源24を切断することで、成分濃度測定装置13は、被測定者が電源24の切断を忘れても電力の無駄な消費は少なくなる。また、光センサ34を備えるので、成分濃度測定装置13は、被測定者が成分濃度測定装置13に接触しなくても電源24の投入又は切断をすることができる。
【0090】
図13は、光センサ34が光源21の出力光を利用する成分濃度測定装置13の概略図である。図13には、光源21、音波検出器22、電源制御機構23、電源24、筐体25、開口部26、光センサ34及び光35が図示されている。また、図13は、被検体99が開口部26から引き抜かれた状態を図示している。
【0091】
図13の光センサ34は、筐体25の内部に格納され、光源21が出力する光35を受光している。
【0092】
光源31が出力する光35を利用するので、図13の成分濃度測定装置13は、室内灯が出力する光や自然光の光量が不十分な場合でも使用することができる。
【0093】
光センサ34は、光35を受光している状態を示す信号を電源制御機構23に出力する。すると、電源制御機構23は、電源24を切断する。電源24を切断しても光源31が光35を出力するために、バッテリー、電池、太陽光又は室内光を利用した光電池等の予備電源を備えてもよい(図13には図示していない。)。また、電源制御機構23は、電源24に光源31のみに電力を供給してもよい。被検体99が開口部26に挿入されると、図14に示すようになる。
【0094】
図14は、被検体99が開口部26に挿入された状態の成分濃度測定装置13の概略図である。図14には、光源21、音波検出器22、電源制御機構23、電源24、筐体25、開口部26、光センサ34及び光35が図示されている。また、図14は、被検体99が開口部26に挿入された状態を図示している。
【0095】
被検体99が開口部26に挿入されると、光35が被検体99で遮られ、光センサ34は、光35が遮蔽されている状態を示す信号を電源制御機構23に出力する。すると、電源制御機構23は、電源24を投入する。被検体99の挿入により電源24が投入されることで、成分濃度測定装置13は、被測定者が電源24の投入を行う必要はない。従って、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0096】
なお、成分濃度測定装置13は、光源21、音波検出器22及び光センサ34を筐体25の外側に備え、被検体99を開口部26から挿入せずとも被検体99の測定をすることができる構造であってもよい。
【0097】
(第4実施形態)
本願第4の実施形態は、被検体に光を照射する光源と、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、前記被検体を前記光源の近傍に配置する音又は前記被検体を前記光源から遠ざける音を検知して信号を外部に出力する音センサと、前記音センサから入力される前記信号に基づいて前記電源を投入し又は前記電源を切断する電源制御機構と、を備える成分濃度測定装置である。
【0098】
図15を用いて本願第4の実施形態に係る成分濃度測定装置14について説明する。図15は、成分濃度測定装置14の概略図である。成分濃度測定装置14は、光源21、音波検出器22、電源制御機構23、電源24、筐体25、開口部26及び音センサ36を備える。
【0099】
例えば、成分濃度測定装置14は、図1の成分濃度測定装置10と同様の筐体25を備えてもよい。筐体25は、被検体99が挿入される開口部26を有してもよい。また、筐体25は、光源21、音波検出器22、電源制御機構23、音センサ36を格納してもよい。
【0100】
成分濃度測定装置14は、被検体99を光源21の近傍に配置するとき又は被検体99を光源21から遠ざけるときに音を発生させる手段を有してもよい。例えば、開口部26に挿入された被検体99が接触する位置にブザー38や鈴等を備えてもよい。また、筐体25の内部の被検体99が配置される箇所に、被検体99が接触すると音を発生させるようなビニール等の素材を接着してもよい。
【0101】
例えば、電源制御機構23は、電源24の投入又は切断する回路であってもよい。
【0102】
検体99を光源21の近傍に配置するときの音を検知し、音センサ36は、信号を出力する。すると、電源制御機構23は、電源24の投入を行う。被検体99の挿入により電源24が投入されることで、成分濃度測定装置14は、被測定者が電源24の投入を行う必要はない。
【0103】
また、被検体99を光源21から遠ざけるときの音を検知し、音センサ36は、信号を出力する。すると、電源制御機構23は、電源24の切断を行う。成分濃度測定装置14は、被測定者が電源24の切断を忘れても電力の無駄な消費は少なくなる。従って、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0104】
なお、成分濃度測定装置14は、光源21、音波検出器22及び音センサ36を筐体25の外側に備え、被検体99を開口部26から挿入せずとも被検体99の測定をすることができる構造であってもよい。
【0105】
(第5実施形態)
本願第5の実施形態は、被検体に光を照射する光源と、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、前記光源の近傍に位置する前記被検体の熱を検知して信号を外部に出力する熱センサと、前記熱センサから入力される前記信号に基づいて前記電源を投入し又は前記電源を切断する電源制御機構と、を備える成分濃度測定装置である。
【0106】
図16を用いて本願第5の実施形態に係る成分濃度測定装置15について説明する。図16は、成分濃度測定装置15の概略図である。成分濃度測定装置15は、光源21、音波検出器22、電源制御機構23、電源24、筐体25、開口部26及び熱センサ37を備える。
【0107】
例えば、成分濃度測定装置15は、図1の成分濃度測定装置10と同様の筐体25を備えてもよい。筐体25は、被検体99が挿入される開口部26を有してもよい。また、筐体25は、光源21、音波検出器22、電源制御機構23、熱センサ37を格納してもよい。
【0108】
例えば、電源制御機構23は、電源24の投入又は切断する回路であってもよい。
【0109】
光源21の近傍に配置する被検体99の熱を検知し、熱センサ37は、信号を出力する。すると、電源制御機構23は、電源24の投入を行う。被検体99の挿入により電源24が投入されることで、成分濃度測定装置15は、被測定者が電源24の投入を行う必要はない。
【0110】
また、被検体99の熱を熱センサ37が検知しない状態になると、熱センサ37は、信号を出力する。すると、電源制御機構23は、電源24の切断を行う。成分濃度測定装置15は、被測定者が電源24の切断を忘れても電力の無駄な消費は少なくなる。従って、操作性がよく、電力の無駄な消費が少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0111】
なお、成分濃度測定装置15は、光源21、音波検出器22及び熱センサ37を筐体25の外側に備え、被検体99を開口部26から挿入せずとも被検体99の測定をすることができる構造であってもよい。
【0112】
本願各実施形態において、前記電源の投入又は切断を表示する電源状態表示部をさらに備えることを特徴とすることが好ましい。
【0113】
図1から図16の成分濃度測定装置10から15は、電源状態表示部を備えてもよい。例えば、電源状態表示部は、電源24が投入されると「電源ON」、被検体99の測定中に「測定中」という文字を筐体25に装着された液晶スクリーンに出力するものであってもよい。また、電源状態表示部は、電源24が投入されると、緑、青等の色で点灯する筐体25に装着されたライトであってもよい。
【0114】
電源24の投入又は切断が表示されることで、図1から図16の成分濃度測定装置10から15は、電源24の投入又は切断されたことを被測定者が確認することができる。従って、操作性がよりよく、電力の無駄な消費がより少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【0115】
本願各実施形態において、前記電源の投入又は切断を音又は音声で案内する電源状態案内部をさらに備えることを特徴とすることが好ましい。
【0116】
図1から図16の成分濃度測定装置10から15は、電源状態案内部を備えてもよい。例えば、電源状態案内部は、電源24が投入されると「電源が入りました。測定を開始します。」という音声を出力し、被検体99の測定中に「測定中です。指を測定位置から動かさないでください。」という音声を出力し、電源24が切断されると「電源を切断します。」という音声を出力するものであってもよい。また、電源状態案内部は、電源24が投入されるとビープ音を1回出力し、電源24が切断されるとビープ音を2回出力するものであってもよい。
【0117】
電源24の投入又は切断が音又は音声で案内されることで、図1から図16の成分濃度測定装置10から15は、電源24の投入又は切断されたことを被測定者が確認することができる。従って、操作性がよりよく、電力の無駄な消費がより少ない成分濃度測定装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明の成分濃度測定装置は、日常の健康管理や美容上のチェックに利用することができる。また、人間ばかりでなく、動物についても健康管理に利用することができる。
【0119】
また、本発明の成分濃度測定装置は、人間や動物だけではなく、液体中の成分濃度を測定する分野、例えば果実の糖度測定にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本願第1発明の一の実施形態に係る成分濃度測定装置の概略図である。
【図2】被検体が開口部から引き抜かれた状態の図1の成分濃度測定装置の拡大概略図である。
【図3】被検体が開口部に挿入された状態の図1の成分濃度測定装置の拡大概略図である。
【図4】2組の端子と導体を備える図1の成分濃度測定装置の拡大概略図である。
【図5】本願第1発明の他の実施形態に係る成分濃度測定装置の拡大概略図である。
【図6】被検体が開口部に挿入された状態の図5の成分濃度測定装置の拡大概略図である。
【図7】本願第2発明の一の実施形態に係る成分濃度測定装置の概略図である。
【図8】被検体が開口部に挿入された状態の図7の成分濃度測定装置の概略図である。
【図9】本願第2発明の他の実施形態に係る成分濃度測定装置の概略図である。
【図10】被検体が開口部に挿入された状態の図9の成分濃度測定装置の概略図である。
【図11】本願第3発明の一の実施形態に係る成分濃度測定装置の概略図である。
【図12】被検体が開口部に挿入された状態の図11の成分濃度測定装置の概略図である。
【図13】本願第3発明の他の実施形態に係る成分濃度測定装置の概略図である。
【図14】被検体が開口部に挿入された状態の図13の成分濃度測定装置の概略図である。
【図15】本願第4発明の一の実施形態に係る成分濃度測定装置の概略図である。
【図16】本願第5発明の一の実施形態に係る成分濃度測定装置の概略図である。
【図17】従来の血液成分濃度測定装置の構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0121】
10、11、12、13、14、15 成分濃度測定装置
21 光源
22 音波検出器
23 電源制御機構
23a 端子
24 電源
25 筐体
26 開口部
27 ローラー
27a 軸孔
28 板バネ
29 導体
30 絶縁体
31 コイルバネ
32 ローラー保持部
33 押当板
34 光センサ
35、35a 光
36 音センサ
37 熱センサ
38 ブザー
90 血液成分濃度測定装置
91 駆動回路
92 超音波検出器
93 パルス光源
94 波形観測器
95 筐体
96 開口部
99 被検体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体が挿抜される開口部が形成された筐体と、
前記筐体に格納され、軸孔を有し、前記開口部から挿入される前記被検体に押し退けられる円筒状のローラーと、
前記筐体の内面に一方の端が固定され、他方の端で前記軸孔を介して前記ローラーを保持するバネと、
前記筐体に格納され、前記開口部から挿入される前記被検体に光を照射する光源と、
前記筐体に格納され、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、
前記筐体に格納され、前記バネの動きによって前記光源及び前記音波検出器への電力供給を制御する電源制御機構と、
前記電源制御機構の制御によって前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、を備える成分濃度測定装置であって、
前記電源制御機構は、前記被検体の挿入により前記ローラーが押し退けられ前記バネの動きを介して前記電源を投入し又は前記被検体の引き抜きにより前記ローラーが復帰し前記バネの動きを介して前記電源を切断することを特徴とする成分濃度測定装置。
【請求項2】
被検体が挿抜される開口部が形成された筐体と、
前記筐体に格納され、一方の面が前記開口部から挿入された前記被検体に押される押当板と、
両端が前記押当板の前記一方の面又は前記一方の面に対向する他方の面と前記筐体の内面とに固定されるバネと、
前記筐体に格納され、前記開口部から挿入された前記被検体に光を照射する光源と、
前記筐体に格納され、前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、
前記筐体に格納され、前記バネの動きによって前記光源及び前記音波検出器への電力供給を制御する電源制御機構と、
前記電源制御機構の制御によって前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、を備える成分濃度測定装置であって、
前記電源制御機構は、前記被検体の挿入により前記押当板が押され前記バネの動きを介して前記電源を投入し又は前記被検体の引き抜きにより前記押当板が復帰し前記バネの動きを介して前記電源を切断することを特徴とする成分濃度測定装置。
【請求項3】
被検体に光を照射する光源と、
前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、
前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、
前記被検体に光が遮られる状態又は前記被検体に光が遮られない状態を検知し、前記光の検知の有無を信号として出力する光センサと、
前記光センサから入力される前記信号に基づいて前記電源を投入し又は前記電源を切断する電源制御機構と、を備える成分濃度測定装置。
【請求項4】
被検体に光を照射する光源と、
前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、
前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、
前記被検体を前記光源の近傍に配置する音又は前記被検体を前記光源から遠ざける音を検知して信号を外部に出力する音センサと、
前記音センサから入力される前記信号に基づいて前記電源を投入し又は前記電源を切断する電源制御機構と、を備える成分濃度測定装置。
【請求項5】
被検体に光を照射する光源と、
前記光源からの光によって前記被検体で発生する音波を検出する音波検出器と、
前記光源及び前記音波検出器に電力を供給する電源と、
前記光源の近傍に位置する前記被検体の熱を検知して信号を外部に出力する熱センサと、
前記熱センサから入力される前記信号に基づいて前記電源を投入し又は前記電源を切断する電源制御機構と、を備える成分濃度測定装置。
【請求項6】
前記電源の投入又は切断を表示する電源状態表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の成分濃度測定装置。
【請求項7】
前記電源の投入又は切断を音又は音声で案内する電源状態案内部をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の成分濃度測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2007−259916(P2007−259916A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85644(P2006−85644)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(000102739)エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 (265)
【Fターム(参考)】