説明

成型フィットシステム

この発明は、第1部品と第2部品とを成型してフィットさせる成型フィットシステム(100)に関係し、2本のガイドレール(102)と、ガイドレール(102)上を非回転移動するように搭載されているキャリッジ(108)と、一連の第1陥没部(120)と、キャリッジ(108)に搭載され、キャリッジ(108)の移動方向と直交する回転軸周囲で回転しながら移動できる機動ギヤ(214)と、第1位置と第2位置との間で可動に設けられている一連の第2陥没部(116)と、ガイドレール(102)と平行に移動してキャリッジ(108)の機動ギヤ(214)と歯合するように設計されているラック(208)と、キャリッジ(108)をラック(208)とガイドレール(102)とに交互にロックするように設計されているロック装置(106)と、ラックを移動させるように設計されている駆動装置(104)とを含んでいるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2部品を成型してフィット(係合組合せをいう。)させる成型フィットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、コンディショナー、洗浄製品、等々の液体製品を入れるボトル用のキャップは、一般的にキャップ本体(以降“本体部”という。)とリッド(蓋部)とを含む。本体部は、ボトルに装着され、リッドは、液体製品のボトルへの注入並びにボトルからの排出のために閉位置と開位置との間で開閉される。
【0003】
そのようなキャップの製造は、本体部を成型するステップとリッドを成型するステップとを含む。本体部とリッドは、その後にフィットステーションへと運ばれ、ボトルのネックに固定される前に両者はフィットされる。
【0004】
例えばキャップである2個のフィットされた成型部品で成る構成部材は、第1部品(リッド)の成型ステーションと、第2部品(本体部)の成型ステーションと、第1部品と第2部品とをフィットするフィットステーションとを必要とする。このようなステーションを設けるための費用は、一般的には莫大なものになり、複数のステップは製造時間を長くする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の欠点を排除して、2部品を成型フィットさせるシステムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、例えばキャップのリッドと本体部とである第1部品と第2部品とを成型してフィットさせる成型フィットシステムが提案される。この成型フィットシステムは、少なくとも2本の平行ガイドレールと、下流側停止部と上流側停止部との間にてガイドレール上で非回転移動可能に搭載されているキャリッジ(運搬体)と、第1部品を成型するためにアセンブリバー(組立梁部)に設けられている少なくとも一連の第1陥没部と、それぞれのアセンブリバーおよびキャリッジ毎に、キャリッジに取り付けられ、キャリッジの移動方向と直交する回転軸周囲で移動できる機動ギヤ(アセンブリバーは、機動ギヤのそれぞれに搭載されている)と、各一連の第1陥没部毎に、第2部品を成型するための一連の第2陥没部と、を含んでいる。
【0007】
アセンブリバーは、第1位置と第2位置との間で回転しながら移動でき、第1位置では、第1陥没部は、対応する第2陥没部と対面せず、第2位置では、第1陥没部は、第2陥没部と対面し、各一連の第2陥没部は、下方位置と上方位置との間で移動できるように設けられており、下方位置では、第1部品と第2部品は、相互フィットされず、上方位置で第1部品と第2部品は、相互フィットされるよう構成されている。
【0008】
この成型フィットシステムは、それぞれのキャリッジ毎に、ガイドレールと平行に移動してキャリッジの機動ギヤと歯合するように設計されているラックと、キャリッジをラックとガイドレールとに交互にロックするように設計されているロック装置と、それぞれのラック毎に、ラックを移動させるように設計されている駆動装置とをさらに含んでいる。
【0009】
有利な実施態様として、ロック装置は、ラッチと、ラック上に設けられた第1ロック溝部と、ガイドレール上に設けられた第2ロック溝部とを含んでおり、ラッチは、第1ロック溝部および第2ロック溝部と交互にロックするように設計されている。
【0010】
有利な実施態様として、ラッチは、長円形であり、丸形の第1端部が第1ロック溝と協調するとき、丸形の第2端部は、ガイドレールの表面と当接し、丸形の第2端部が第2ロック溝と協調するとき、丸形の第1端部は、ラックの表面と当接する。
【0011】
有利な実施態様として、各駆動装置は、空圧ラム(ピストン)である。
【0012】
有利な実施態様として、第1部品と第2部品は、一方がキャップのリッドであり、他方がキャップの本体部である。
【0013】
本発明の上述の特徴その他は、添付図面を利用した以下の実施例の詳細な説明から明確になろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明による2部品を成型してフィットするための成型フィットシステムを示している。
【図2】図2は、本発明の成型フィットシステムの様々な運用ステップを示している。
【図3】図3は、本発明の成型フィットシステムの様々な運用ステップを示している。
【図4】図4は、本発明の成型フィットシステムの様々な運用ステップを示している。
【図5】図5は、本発明の成型フィットシステムの様々な運用ステップを示している。
【図6】図6は、本発明の成型フィットシステムの様々な運用ステップを示している。
【図7】図7は、本発明の成型フィットシステムの様々な運用ステップを示している。
【図8】図8は、本発明の成型フィットシステムの様々な運用ステップを示している。
【図9】図9は、本発明の成型フィットシステムの様々な運用ステップを示している。
【図10】図10は、キャップのための成型陥没部の実施例を示している。
【図11】図11は、本発明の別実施例による成型フィットシステムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、本体部とリッドとで成るキャップを例示して詳細に解説される。
【0016】
図1は、例えばキャップのリッド204(図2)と本体部206(図2)である第1部品と第2部品を成型してフィットさせる成型フィットシステム100を示している。
【0017】
成型フィットシステム100は、主に2本の平行に走行するガイドレール102で成る基礎部を含む。本例では、各ガイドレール102は、成型フィットシステム100を射出プレス成型構造体に固定する2つの固定部130に搭載されている。
【0018】
本発明のこの実施例では、2本のガイドレールが利用されるが、成型対象物が大きいものである場合には、ガイドレールを追加することもできる。
【0019】
成型フィットシステム100は、ガイドレール102毎に可動キャリッジ108を含む。各キャリッジ108は、下流停止部122と上流停止部112との間でガイドレール102に沿って非回転式に長手方向に移動できる。各キャリッジ108は、任意の好適装置によってガイドレール102上を非回転式にガイドされ、停止部112と停止部122は、キャリッジ108が以下において詳細に解説するように、所定の距離を移動できるようになっている。
【0020】
2つのキャリッジ108は、対面して設置され、アセンブリバー110によって連結されている。アセンブリバー110は、キャリッジ108の移動方向に直交して2つのキャリッジ108間で延びる角桁部材である。
【0021】
アセンブリバー110の数は、射出プレス機で同時に成型されるキャップのライン数によって定まる。ここでは、4つのアセンブリバー110が図1で図示されており、図2から図9では、2つのアセンブリバーが図示されている。
【0022】
アセンブリバー110には、一連の第1成型陥没部120が設けられており、頑丈な構造体を形成している。第1成型陥没部120は、リッド204を成型するように設けられている。
【0023】
成型フィットシステム100は、それぞれの一連の第1陥没部120に対して一連の第2陥没部116が2つのキャリッジ108間に設けられており、第2陥没部116は、本体部206を成型するように設けられている。各キャップに対して第1陥没部120は、第2陥没部116と関係する。
【0024】
アセンブリバー110は、アセンブリバー110の長手方向に平行な回転軸周囲で回転しながら移動することができるように搭載されている。換言すると、回転軸は、キャリッジ108の移動方向に垂直である。
【0025】
図2から図9で図示するように、それぞれの一連の第1陥没部120に対して、およびそれぞれのキャリッジ108上に、回転軸周囲で回転しながら移動できるように機動ギヤ214が取り付けられている。各アセンブリバー110の各端部、および各第1陥没部120の各端部は、機動ギヤ214に固定される。機動ギヤ214は、回転軸である自軸周囲で回転しながら移動できる。
【0026】
従って、アセンブリバー110は、それを取り付けた機動ギヤ214の軸周囲で回転移動される。以下で説明するように、各アセンブリバー110および、各機動ギヤ214並びに各一連の第1陥没部120は、それらと対応する一連の第2陥没部116と対面しない第1位置と、これらが対応する一連の第2陥没部116と対面する第2位置との間で移動できる。すなわち、第1位置においては、各リッド204は、対応する本体部206と対面せず、第2位置で各リッド204は、対応する本体部206と対面する。
【0027】
以下において解説するように、各キャリッジ108は、ラック208によって移動される。キャリッジ108は、端部118を有する。各ラック208は、駆動装置によって動かされる。この駆動装置は、ガイドレール102に固定された空圧ラム104として以下で解説されている。しかし、油圧ラム、電気ラムまたは電動モータ、等々であっても構わない。各ラックは、ガイドレール102に対して平行に移動する。
【0028】
各ガイドレール102は、ロック装置106を含む。ロック装置106の機能は、以下で解説されており、ロック溝と協調する。各ロック装置106は、キャリッジ108をラック208およびガイドレール102に交互にロックするようにデザインされている。
【0029】
図10は、キャップの成型用陥没部の一実施例を示している。
【0030】
リッド204は、第1陥没部120を利用して成型される。第1陥没部は、リッド204の外側形状を有する。第3陥没部902aと呼称される別な陥没部は、リッド204の内側部を形成する。内側部は、その後に本体部206にフィットされる。
【0031】
本体部206は、第2成型陥没部116により成型される。第2成型陥没部は、本体部206の底側部を成型する。底側部は、ボトルにフィットされる。第4陥没部902bと呼称される別な陥没部は、リッド204がフィットする本体部206の上側部を成型する。
【0032】
第1陥没部120は、アセンブリバー110に設けられた一連のものである。第3陥没部902aと第4陥没部902bとを一体構造とすることもできる。
【0033】
これら4つの陥没部120、116、902aおよび902bは、それらに成型材料を供給する射出プレス機と関係する。
【0034】
キャップを成型した後に第3陥没部902aと第4陥没部902bは、矢印908方向に移動し、本体部206にフィットするためにリッド204が入り込むスペースを設ける。その後にリッド204は、第1陥没部120に位置し、本体部206は、第2陥没部116に位置する。
【0035】
図2から図9は、成型フィットシステム110の様々な運用ステップを示している。
【0036】
図3、図4、図7および図8は、第1位置にあるアセンブリバー110を示し、図5と図6は、第2位置にあるアセンブリバー110を示す。図2と図9は、それぞれ本体部206とリッド204の成型位置とキャップの放出位置とに存在する成型フィットシステム100を示している。
【0037】
図2は、本体部206とリッド204の成型後と、それらが第3陥没部902aと第4陥没部902bから放出された後の成型フィットシステム100を示している。
【0038】
空圧ラム104は、第1インレット(注入口)210と第2インレット212を有する。インレット210と212は、空圧ラム104を駆動するために加圧空気源に接続されるように設計されている。オイルではなく空気を利用することで漏洩事故発生時にオイルによるワークステーションの汚染を回避できる。
【0039】
空圧ラム104は、ラック208と協調する。第1インレット210内への空気の導入によりラックは、第1方向に移動し、第2インレット212内への空気の導入によりラックは、第2方向に移動する。
【0040】
ガイドギヤ218は、ガイドレール102に搭載されており、ラック208と歯合する。
【0041】
機動ギヤ214は、ラック208と噛み合っている。
【0042】
ロック装置106は、ラッチ202、ラック208に設けられた第1ロック溝216およびガイドレール102に設けられた第2ロック溝114を含む。ラッチ202は、第1ロック溝216および第2ロック溝114と交互に係合し、キャリッジ108をラック208およびガイドレール102に交互にロックする。
【0043】
図2において示すステップ中にラッチ202は、第1ロック溝216でロックされ、ラック208およびキャリッジ108とを固定する。ラッチ202は、長円形状であり、丸形の端部は、ロック溝114あるいは216と協調する。丸形の第1端部が第1ロック溝114と協調すると、丸形の第2端部は、ガイドレール102の表面をスライドする。丸形の第2端部が第2ロック溝114と協調すると、丸形の第1端部がラック208の表面をスライドする。
【0044】
図3において示すステップ中に、空気が空圧ラム104の第1インレット210内に導入され(矢印302方向)、ラック208を押す(矢印304方向)。ラッチ202は、ガイドレール102の表面で丸形の第2端部に当接して第1ロック溝216でロックされているため、キャリッジ108は、ガイドレール102上を非回転移動し(矢印306方向)、上流停止部112に当接する。リッド120を設けた第1陥没部120とアセンブリバー110は、キャリッジ108に続く。その後、アセンブリバー110は、第1位置に到達する。この位置では、リッド204は、本体部206と対面しない。
【0045】
図4で示すステップ中に、空気は、空圧ラム104の第1インレット210に導入され(矢印302方向)、ラック208を押し続ける(矢印304方向)。ラッチ202は、第1ロック溝216から解放され、ラック208の表面と丸形の第1端部との当接によって第2ロック溝114とロックする(矢印402方向)。
【0046】
図5で示すステップ中に、空気は、空圧ラム104の第1インレット210内に導入され(矢印302方向)、ラック208を押し続ける(矢印304方向)。
【0047】
ラッチ202が第1ロック溝216から解放されるとラック208は、進み続ける。ラッチ202が第2ロック溝114とロックするとキャリッジ108は、不動状態で残る。ラック208の移動の継続で機動ギヤ214を回転させ、アセンブリバー110と第1陥没部120の回転を促す(矢印502方向)。アセンブリバー110は、第2位置に到達する。そこではリッド204は、本体部206と対面する。
【0048】
従って、上流停止部112の位置は、アセンブリバー110が回転する瞬間にリッド204が本体部206に対面し、そこで両者がフィットされるように設けられている。
【0049】
図6で示すステップ中に、本体部206を運搬する第2陥没部114は、リッド204の方向に移動する。すなわち第1陥没部120の方向(矢印506方向)に移動する。この移動は、実質的に垂直であり、リッド204を本体部206にフィットさせる。この目的で第2陥没部116は、リッド204と本体部206がフィットされない下方位置(図2、図3、図4)と、リッド204と本体部206がフィットされる上方位置(図6、図7、図8、図9)との間で移動できるように設けられる。
【0050】
図7で示すステップ中に、空気が空圧ラム104の第2インレット212内に導入され(矢印602方向)、ラック208が引き寄せられる(矢印604方向)。ラッチ202が第2ロック溝114とロックされるとキャリッジ108は不動状態で残り、ラック208は、キャリッジ108を動かすことなく移動する。
【0051】
ラック208の移動によって機動ギヤ214は、回転し、アセンブリバー110と第1陥没部120の回転が促され(矢印608方向)、第1位置に戻る。回転しながらそれを運搬する第1陥没部120からリッド204が放出される。
【0052】
図8で示すステップ中に、空気は、空圧ラム104の第2インレット212内に導入され(矢印602方向)、ラック208を引き寄せ続ける(矢印604方向)。ラッチ202は、第2ロック溝114から解放され、第1ロック溝216とロックされる(矢印702方向)。
【0053】
図9で示すステップ中に、空気は、空圧ラム104の第2インレット212内に導入され(矢印602方向)、ラック208を引き寄せ続ける(矢印604方向)。ラッチ202は、第1ロック溝216とロックされ、キャリッジ108は、ガイドレール102上を非回転移動し(矢印606方向)、下流停止部122に当接する。第1陥没部120とアセンブリバー110は、キャリッジ108に続き、図2で示す始動位置に戻る。
【0054】
このように製造された各キャップは、第2陥没部116から放出され、図2で示す始動位置に戻る。これで新たな射出/成型フィットおよび放出のサイクルが開始する。
【0055】
成型フィットシステム100の運用は、非常に単純であり、その機能は、管理が容易である。なぜなら1本のガイドレール102に対してたった1つの要素、すなわち空圧ラム104だけが制御対象だからである。第2陥没部116の移動は、任意の好適な手段によって管理できる。
【0056】
従って、各ラック208に対して駆動装置104は、ラック208をまず第1方向303に移動させ、ロック装置106がキャリッジ108をラック208にロックし、それからロック装置106がキャリッジ108をガイドレール102にロックすると、各キャリッジ108は、上流停止部102に当接し、各機動ギヤ214を回転させて第1陥没部120を第1位置から第2位置に移動する。
【0057】
その移動の最中に、第1陥没部120がリッド204を本体部206に対面する位置に駆動し、続いて第2方向に移動させ、ロック装置106がキャリッジ108をガイドレール102とロックして機動ギヤ214を回転させ、第1陥没部120を第2位置から第1の位置に戻し、その後にロック装置106がキャリッジ108をラック208とロックし、キャリッジ108を下流停止部122と当接させる。
【0058】
キャップ204、206を成型し、第3陥没部902aと第4陥没部902bから離れた後の本体部206とリッド204のフィット手法は、以下のステップを含む。
【0059】
キャッリッジ108と、そこに連結された第1陥没部120を第1位置にまで非回転移動させるステップと、
第1陥没部102が適正に配置されたとき、すなわち第1陥没部120が関係する第2陥没部116に近接したとき(この位置は、キャリッジ108が上流停止部112と当接する位置に相当する)移動を停止させるステップと、
第2位置に進入するように第1陥没部120を回転させるステップと、
リッド204が対応する本体部206に対面するように第1陥没部120が十分に回転したときに回転を停止するステップと、
第2陥没部116を上昇させ、本体部206とリッド204を互いにフィットさせるステップと、
第1陥没部120を逆回転方向に回転させるステップと、
第1陥没部120が第1位置にまで戻ったときに逆回転を停止するステップと、
キャリッジ108と第1陥没部120とを第1の移動ステップとは、反対方向に移動させるステップと、
キャリッジ108が下流停止部122と当接したら移動を停止するステップと、
第2陥没部116を下降させるステップと、
である。
【0060】
このように製造されたキャップは、第2陥没部116から放出される。
【0061】
当然ながら、本発明は、ここで解説する実施例や実施態様に限定されるものではなく、多数の変形が可能である。
【0062】
例えば、本発明は、特にキャップに関して解説されているが、相互にフィットされる2つの成型部品で成るどのような対象物であっても同様に適用できる。特に本発明は、本体部とリッドの位置が逆転しても同様に適用できる。
【0063】
本発明を2本のガイドレールを利用する態様で解説したが、駆動装置で動かされる可動キャリッジを運搬する3本以上のガイドレールであっても同様に適用できる。従って一連の第1陥没部120とキャリッジ108に対して機動ギヤ214がキャリッジ108に搭載され、キャリッジ102の移動方向に垂直な回転軸周囲で回転しながら移動し、一連の第1陥没部120は、それらに関係するキャリッジ108の機動ギヤ214に搭載される。
【0064】
本発明は、機動ギヤ214の回転に先立ってキャリッジ108の非回転移動が実行される場合を解説した。しかしながら図11で示す別実施例では、機動ギヤ214は、キャリッジ108の非回転移動に先立って回転される。図11の実施例とこれまでの実施例との相違は、ラック208に設けられた第1ロック溝216の位置とガイドレール102に設けられた第2ロック溝114の位置である。
【0065】
当初には、ロック装置106は、ラッチ202の手段にてキャリッジ108をガイドレール102にロックするが、これは第2ロック溝114と係合状態である。
【0066】
ラック208の非回転移動は、キャリッジ108と第1陥没部120の回転を引き起こし、第1位置にまで移動させ、そこで第2陥没部116と対面することなく反転される。回転が終結し、第1陥没部120が第1位置にくるとロック装置106は、傾斜し、ラッチ202は、第2ロック溝114から解放され、第1ロック溝216とロックする。
【0067】
ラック208の非回転移動の継続でキャリッジ108と第1陥没部120が非回転移動する。これらは、第1陥没部116と対面する第2位置にくる。すなわち図5で示す位置に到達する。よって、キャリッジ108は、上流停止部112に当接する。
【0068】
このプロセスは、第2陥没部116の移動と共に継続し、本体部206をリッド204の方向に移動する。すなわち第1陥没部120の方向に移動する。
【0069】
第1陥没部120の当初位置への戻りは、逆手順で行われる。
【0070】
従って、各ラック208に対して、駆動装置104は、ラック208をまず第1方向に移動させて第1陥没部120を第1反転位置に回動させるが、対応する第2陥没部116とは、対面しないように設計されている。
【0071】
そこでは、ロック装置106は、キャリッジ108をガイドレール102とロックさせ、続いて、ロック装置106は、キャリッジ108をラック208とロックさせ、キャリッジ108を上流停止部112と当接させ、第1陥没部120を第2陥没部116と対面させ、続いて第2方向でキャリッジ108を下流停止部122と当接させる。
【0072】
そこでは、ロック装置106は、キャリッジ108をラック208とロックさせ、続いてロック装置106は、キャリッジ108をガイドレール102とロックさせ、機動ギヤ214を回転させて第1陥没部120を第1反転位置から当初位置に戻す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップのリッドと本体部などの第1部品(204)と、第2部品(206)とを成型してフィットさせる成型フィットシステム(100)であって、
少なくとも2本の平行ガイドレール(102)と、ガイドレール(102)毎に、下流側停止部(122)と上流側停止部(112)との間にてガイドレール(102)上を非回転移動するように搭載されているキャリッジ(108)と、それぞれ第1部品(110)を成型するためにアセンブリバー(110)に設けられている少なくとも一連の第1陥没部(120)と、前記アセンブリバー(110)および前記キャリッジ(108)毎に、該キャリッジ(108)に搭載され、該キャリッジ(108)の移動方向と直交する回転軸周囲で回転しながら移動できる機動ギヤ(214)(前記アセンブリバー(110)は、機動ギヤ(214)のそれぞれに搭載)と、一連の第1陥没部(12)毎に、それぞれ前記第2部品(206)を成型するための一連の第2陥没部(116)と、を含んでおり、
ここで、それぞれの前記アセンブリバー(110)は、第1位置と第2位置との間で回転しながら移動でき、
前記第1位置では、それぞれの前記第1陥没部(120)が対応する前記第2陥没部(116)と対面せず、
前記第2位置では、前記第1陥没部(120)が前記第2陥没部(116)と対面し、それぞれの前記一連の第2陥没部(116)は、下方位置と上方位置との間で移動できるように設けられており、
前記下方位置では、前記第1部品(204)と前記第2部品(206)は、相互にフィットされず、
前記上方位置で前記第1部品(204)と前記第2部品(206)は、相互にフィットされるものであり、
さらに本成型フィットシステムは、前記キャリッジ(108)毎に、前記ガイドレール(102)と平行に移動して前記キャリッジ(108)の機動ギヤ(214)と歯合するように設計されているラック(208)と、前記キャリッジ(108)毎に、該キャリッジ(108)を前記ラック(208)と前記ガイドレール(102)とに交互にロックするように設計されているロック装置(106)と、前記ラック(208)毎に、該ラック(208)を移動させるように設計されている駆動装置(104)と、を含んでいることを特徴とする成型フィットシステム(100)。
【請求項2】
ロック装置(106)は、ラッチ(202)と、ラック(208)に設けられた第1ロック溝(216)と、ガイドレール(102)に設けられた第2ロック溝(114)とを含んでおり、前記ラッチ(202)は、前記第1ロック溝(216)および前記第2ロック溝(114)と交互に係合するようにデザインされていることを特徴とする請求項1記載の成型フィットシステム(100)。
【請求項3】
ラッチ(202)は、長円形であり、丸形の第1端部が第1ロック溝(216)と協調するとき、丸形の第2端部は、ガイドレール(102)の表面と当接し、丸形の前記第2端部が第2ロック溝(114)と協調するとき、丸形の前記第1端部は、前記ラック(208)の表面と当接することを特徴とする請求項2記載の成型フィットシステム(100)。
【請求項4】
それぞれの駆動装置(104)は、空圧ラムであることを特徴とする請求項1記載の成型フィットシステム(100)。
【請求項5】
第1部品(204)と第2部品(206)は、キャップのリッドおよび本体部(204、206)であることを特徴とする請求項1記載の成型フィットシステム(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−511447(P2012−511447A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540023(P2011−540023)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066269
【国際公開番号】WO2010/066622
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(511139280)
【Fターム(参考)】