説明

成形機用洗浄剤

【課題】成形作業終了後に成形機内に残留する成形用樹脂等を洗浄するための成形機用洗浄剤において、優れた洗浄力および易置換性を発揮しさらに優れた洗浄効率が得られる成形機用洗浄剤を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂および球状中空ガラス組成物を含有する成形機用洗浄剤であって、該球状中空ガラス組成物の含有量が3〜30質量%であり、かつ、該球状中空ガラス組成物の破壊率が60質量%以上であることを特徴とする成形機用洗浄剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物用成形機内を洗浄するための洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機、押出機等でプラスチック成形品を製造する際、製造品目切り替え時に前品目で使用した添加剤等を含む原材料樹脂が成形機、押出機内部に残ってしまう。この残留物は、次に行われる異色樹脂による成形時に成形品中に混入し、製品外観不良の原因となる。洗浄剤を用いる場合、洗浄剤で洗浄した後、次の成形に入る前に、通常、次の成形材料によって、残留する洗浄剤の置換作業を行う。従って、洗浄剤には、前の成形で使用した成形材料に対する高い洗浄力と、次の成形に使用する成形材料による易置換性とが要求される。
【0003】
最近の樹脂リサイクル、使用材料削減などの環境問題への意識の高まりから、洗浄時の樹脂ロスを極限まで削減したいという市場の要望が強く、優れた洗浄能力能を有すると共に、成形機内の残留が少ない易置換性の洗浄剤が求められている。多品種、小ロットの生産にあっては、この洗浄作業の効率を上げる洗浄剤の需要は高まっており、多種多様の洗浄剤が提案されている。なかでも、樹脂にガラスを含有させたものは、洗浄力の高さから多数提案されている。
【0004】
特許文献1には、メルトフローレートが0.5〜30g/10分(220℃・10kg)の熱可塑性樹脂に5〜60重量%のガラス粒が含有されている成形機用洗浄剤が開示されており、ガラス粒は角のある不定形のものでも、角のない球状のものでも同等の洗浄効果が得られ、角のない球状のものが好ましい、との記載がある。また、特許文献2には、ガラス繊維およびガラス繊維の切り粉を含有する樹脂成形機用の洗浄用樹脂組成物が開示されている。さらに、特許文献3には、天然ガラス焼成発泡体を含むプラスチック成形機用洗浄剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−183799号公報
【特許文献2】特開2008−201975号公報
【特許文献3】特開2006−341598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これら従来技術からなる洗浄剤をさらに改良し、洗浄作業効率を上げる目的で成されたものである。
本発明は、成形作業終了後に成形機内に残留する成形用樹脂等を洗浄するための成形機用洗浄剤において、優れた洗浄力および易置換性を発揮し優れた洗浄効率を有する成形機用洗浄剤を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、成形機用洗浄剤中に球状中空ガラス組成物を3〜30質量%含み、該球状中空ガラス組成物の破壊率が60質量%以上であることを主な特徴としている。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)熱可塑性樹脂および球状中空ガラス組成物を含有する成形機用洗浄剤であって、該球状中空ガラス組成物の含有量が3〜30質量%であり、かつ、該球状中空ガラス組成物の破壊率が60質量%以上であることを特徴とする成形機用洗浄剤、
(2)前記球状中空ガラス組成物は、ガラス組成物中に、SiOを40〜80質量%,Alを10〜40質量%,Feを1〜18質量%含有していることを特徴とする(1)に記載の成形機用洗浄剤、
(3)アルキルスルホン酸ナトリウムを含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の成形機用洗浄剤、
(4)12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の成形機用洗浄剤、
(5)前記球状中空ガラス組成物がシラスバルーンであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の成形機用洗浄剤、
(6)前記球状中空ガラス組成物がフライアッシュであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の成形機用洗浄剤、である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の成形機用洗浄剤は、特定の破壊率を有する球状中空ガラスを含有するため、洗浄能力能が高く、押出機、射出成形機等の各種熱可塑性樹脂成形機の洗浄に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で使用する熱可塑性樹脂は、射出成形、押出成形等に用いられる樹脂を広く用いることができる。その具体例としては、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリエチレン等のエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のプロピレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリブテン、が挙げられる。
【0011】
本発明で使用する球状中空ガラス組成物は、ガラス組成物中に、SiOを40〜80質量%,Alを10〜40質量%,Feを1〜18質量%含有していることが好ましい。この組成を有する球状ガラス組成物としては、ガラス質火山岩を焼成発泡させたものとして、真珠岩、黒曜石またはこれに準ずる石質を有する岩石を焼成・発泡させたパーライト、火山の噴出物であるシラスを焼成・発砲させたシラスバルーン、石炭火力発電所で微粉炭を燃焼した際に発生する石炭灰のうち、集塵器で採取された灰を分級して得られるフライアッシュ、及びガラス素材、ガラス廃材等を人工的に中空形状にした加工物が挙げられる。本発明では、これらのガラス組成物を球状中空ガラス組成物という。
パーライト、シラスバルーン、フライアッシュはいろいろの品種のものが市販されており、それらを使用することができる。本発明の洗浄剤に使用される球状中空ガラス組成物はどのような種類のものも使用できるが、平均粒径が2μm〜180μmのものが好ましく使用され、平均粒径が40μm〜100μmのものが特に好ましい。球状中空ガラス組成物として、シラスバルーン、フライアッシュが特に好ましく利用できる。
【0012】
本発明の洗浄剤は、熱可塑性樹脂用の加工機に使用可能で、押出成形機、射出成形機に広く使用できる。
押出成形としては、異形押出成形、シート押出成形、パイプ押出成形、フィルム押出成形、およびブロー押出成形が挙げられる。
【0013】
本発明で使用する球状中空ガラス組成物の含有量は3〜30質量%であり、かつ、球状中空ガラス組成物の破壊率が60質量%以上であることが好ましい。球状中空ガラス組成物の含有量が3質量%未満では、洗浄能力が十分でなく、30質量%を超えると適度な流動性が得られず、易置換性が得られない。30質量%を超えた場合、または30質量%以下であっても、ナチュラル樹脂ペレットを追加して混合し、球状中空ガラス組成物の含有量を3〜30質量%となる組成にすることにより、本発明と同様の効果が得られる。さらに、球状中空ガラス組成物の破壊率が60質量%以上であると、洗浄剤としての洗浄能力が優れるため好ましい。本発明では、請求の範囲内で、本発明の洗浄剤をナチュラル樹脂ペレットと混合して球状中空ガラス組成物の含有量を調整することにより成形機用洗浄剤として使用できる。
【0014】
本発明の球状中空ガラス組成物の破壊率は、押出機のスクリュー構成、回転速度、樹脂温度および樹脂とガラスとの組成比等により、変化させることが可能である。特に、温度、スクリュー構成により破壊率は制御し易い。スクリュー構成を強い混練り用にすると破壊率が大きくなり、スクリュー構成をフラット状で弱い混練り用にすると破壊率は小さくなる。また、球状中空ガラスの組成比(濃度)が大きいと破壊率は大きくなり易く、球状中空ガラスの組成比が小さいと反対に破壊率も小さくなる。本発明では、押出機の押出条件を変化させて、混練りの程度に強弱をつけ、所定の破壊率をもつ洗浄剤組成物を得た。
【0015】
本発明の洗浄剤は、球状中空ガラス組成物を熱可塑性プラスチックに練り込む方法で製造されたものが好適に使用されるが、これに更に界面活性剤、滑剤、酸化防止剤、発泡剤、を併用した場合に優れた洗浄効果が発揮される。
本発明の洗浄剤に使用される熱可塑性プラスチックは特に限定はないが成形機内に残留しているプラスチックと同じ成形温度領域のプラスチックを使用することが洗浄する際の温度を上下させる必要がなく洗浄効果が発揮されるので好ましい。併用できる界面活性剤、滑剤、酸化防止剤、発泡剤に特に限定はなく、使用することができる。
【0016】
本発明で使用される界面活性剤は、熱可塑性樹脂加工用組成物に使用されるものであれば、特に限定されない。
非イオンタイプの界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルジエタノールアミン、ヒドロキシアルキルモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアマイド等が挙げられる。
アニオンタイプの界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルホスフェート等が挙げられる。
カチオンタイプの界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
両性タイプの界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
これらから自由に一種または複数を選択して使用することができる。
アルキルスルホン酸塩、アルキルホスフェートは、熱安定性が良好であるため、洗浄剤として使用した場合、耐熱性に優れ好ましく、アルキルスルホン酸ナトリウムは特に好ましい。界面活性剤の添加量は、0.5〜10質量%であることが好ましい。0.5〜10質量%の界面活性剤が添加されることにより洗浄力と置換性の効果がより高い洗浄剤組成物が得られる。0.5質量%未満では、洗浄力の向上効果が得られず、10質量%を超えて添加しても洗浄の効果がそれ以上上がらない。
【0017】
本発明で使用される滑剤は、熱可塑性樹脂加工用に市販され、使用されているものであれば特に限定されない。
本発明で使用される滑剤としては、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、好ましくは極性を有するタイプの金属塩を含有すると良い。例えば、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムを含有すると、洗浄剤が成形機内に残留しにくく、また残留しても除去が容易になり、特に好ましい。滑剤の添加量は、洗浄剤組成物を構成する樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。本発明では、界面活性剤と滑剤とを併用すると、良好な洗浄剤が得られる。特に、熱安定性が高い界面活性剤と極性を有する金属塩とを併用すると、より良好な洗浄剤が得られる。
【0018】
本発明における成形機用洗浄剤の製造方法は、特に限定はないが、単軸もしくは2軸のベント付き押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーなどの熱可塑性樹脂に一般的に用いられる各種混合装置を用いることができる。これらのうち2軸のベント付き押出機による製造が望ましい。本発明の洗浄剤は、樹脂組成物を押出成形によりペレット等に加工することにより得られる。
【0019】
本発明の洗浄剤組成物は、発泡剤を含有すると洗浄能力能が向上するので好ましい。発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機発泡剤でも、アゾジカルボンアミドの有機発泡剤でもよい。発泡剤の添加量は、本洗浄剤組成物100重量部に対して0.1〜4重量部が好ましく、特に前記アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と併せて添加することが好ましい。発泡剤は、あらかじめ洗浄剤を構成する樹脂に練り込んでおくと、その効果が大きいので好ましい。
【0020】
本発明で成形に使用されるプラスチックは特に限定はなく汎用熱可塑性プラスチック、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、などやエンジニアリングプラスチック、例えばポリアミド、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリカーボネート、変性PPEなど、またスーパーエンプラ、例えばポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなど、また特殊プラスチック、例えば液晶ポリマーやふっ素樹脂などを挙げることができる。
【0021】
本発明の洗浄剤による洗浄方法について述べると、例えば押出成形機の場合には、まずシリンダー内に残っているプラスチックを排出した後、シリンダー容量の2〜3倍の洗浄剤をホッパーに投入し所定の温度でスクリューを回転させて洗浄剤を排出する方法で行われる。また射出成形機の場合には成形品重量の3〜10倍の洗浄剤を使用することが好ましい。洗浄の条件は使用する成形機の種類や、使用するプラスチックの種類、汚れの程度などによって異なるが当業者であれば最適洗浄条件を容易に見出すことができる。
【0022】
本発明では、洗浄作業効率として、洗浄に必要な洗浄剤の使用量(洗浄力)、成形機等に残留した洗浄剤をナチュラル樹脂で押出すのに必要な樹脂使用量(易置換性)、これら洗浄剤の使用量と樹脂使用量との合計量(洗浄効果)で評価する。洗浄に必要な洗浄剤および樹脂の使用量は洗浄に係る時間に概ね比例するものであり、また、洗浄に係る洗浄剤および樹脂は廃棄物、コストとなるものである。
【0023】
本発明の洗浄剤はプラスチック成形機の洗浄能力に極めて優れており、少量の洗浄剤で十分に洗浄することができるが、このように優れた洗浄効果は球状ガラス組成物の破壊物それ自身が極めて優れた洗浄能力を有し、成形機内に付着している汚れや着色剤などの異物を剥離させることによるものと考えられる。特に、球状中空ガラス組成物が破壊された直後の鋭角をもつ破壊物に優れた洗浄能力があると考えられる。
本発明によれば、球状中空ガラス組成物が比較的小さい配合比でも破壊率が60%を超えれば良好な洗浄効果を有し、反対に、球状中空ガラス組成物が比較的大きい配合比であっても破壊率が60%に満たないと満足な洗浄効果が得られない。
【実施例】
【0024】
以下の実施例、比較例により本発明を詳しく説明する。但し、実施例により本発明を限定するものではない。なお、実施例、比較例中の部数や%は、断り書きがない限り、質量部、質量%を表す。
【0025】
なお、本発明の、球状中空ガラス組成物の破壊率、洗浄能力(洗浄力、易置換性、洗浄効果)は次のようにして測定、評価した。
<評価>
【0026】
(1)球状中空ガラス組成物の破壊率
熱可塑性樹脂に球状中空ガラス組成物を練り込んだ洗浄剤を試料として規定量、秤取り、500℃で0.5時間、熱処理する。熱処理後、その残分をデシケータ中で室温まで冷却し秤量する。次にその残分を水中に入れ、水面または水中に浮遊している物のみを取り出し、乾燥後、秤量する。破壊率は次式により算出する。
破壊率(%)=((熱処理後残分の重量)−(浮遊物の乾燥重量))/(熱処理後残分の重量)×100
【0027】
(2)洗浄力
200t射出成形機を使用して黒色着色樹脂材料で成形物を成形後、実施例および比較例により得られた洗浄剤を射出成形機のホッパーに投入し、射出成形機により射出成形を繰り返し、目視により成形物に黒着色が認められなくなるまでの洗浄剤使用量を計測する。洗浄剤使用量が少ないほど洗浄力が大きいと判断する。
黒色着色樹脂材料は、カーボンブラック40質量%のLLDPEベースマスターバッチペレット:5部、及びポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製:プライムポリプロJ226T、MFR=20)ペレット:100部をハンドブレンドした混合品を5kg使用した。成形機の成形温度は、240℃である。
【0028】
洗浄力の評価基準
◎:非常に良い、洗浄剤使用量が1kg未満
○:良好である、洗浄剤使用量が1kg以上1.5kg未満
△:洗浄剤として実用できるレベル、洗浄剤使用量が1.5kg以上2kg未満
×:洗浄力が劣悪、洗浄剤使用量が2kg以上
【0029】
(3)易置換性
前記洗浄力の評価後、200t射出成形機のホッパーにナチュラルのポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製:プライムポリプロJ226T、MFR=20)ペレットを投入し、射出成形機により射出成形を繰り返し、目視により成形物に洗浄剤の混入が認められなくなるまでのナチュラルのポリプロピレン樹脂使用量(射出物総質量)を計測する。
目視により成形物に洗浄剤の混入が認められなくなるまでのナチュラルのポリプロピレン樹脂使用量が少ないほど易置換性が良いと判定する。
【0030】
易置換性の評価基準
◎:非常に良い、ナチュラルのポリプロピレン樹脂使用量が1kg未満
○:良好である、ナチュラルのポリプロピレン樹脂使用量が1kg以上1.5kg未満
△:洗浄剤として実用できるレベル、ナチュラルのポリプロピレン樹脂使用量が1.5kg以上2kg未満
×:易置換性が劣悪、ナチュラルのポリプロピレン樹脂使用量が2kg以上
【0031】
(4)洗浄効果
洗浄力の評価で得られた洗浄剤使用量、および易置換性の評価で得られたナチュラルのポリプロピレン樹脂使用量の合計量で洗浄効果を評価する。
本発明の目的である洗浄効果は、洗浄剤の使用量とナチュラルのポリプロピレン樹脂使用量との合計量により判断する。
【0032】
洗浄効果の評価基準
◎:非常に良い、合計量が2.5kg未満
○:良好である、合計量が2.5kg以上3kg未満
△:洗浄剤として実用できるレベル、合計量が3kg以上4kg未満
×:洗浄剤として、劣悪、合計量が4kg以上
【0033】
実施例、比較例で使用した材料を次に示す。
ポリプロピレン:プライムポリマー社製、商品名プライムポリプロE111G(MFR=0.5)
ポリエチレン:プライムポリマー社製、商品名ハイゼックス3300F(MFR=1.1)
界面活性剤:クラリアントジャパン社製、アルカンスルホン酸ナトリウム、商品名Hostapur SAS93
滑剤:堺化学工業社製、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、商品名SM−120H
フライアッシュ:東海工業社製、商品名フライアッシュバルーンTF100(平均粒径70〜100μm、SiO;55〜65%、Al;20〜40%、Fe;1〜6%)
シラスバルーン:丸中白土社製、商品名マールライト732C(平均粒径40〜50μm、SiO;75〜78%、Al;11〜14%、Fe;1〜2%)
【0034】
実施例1〜8
表1に示す各実施例の組成、押出機混練りの通り、各成分を組成の割合で混合し、押出機を用いて溶融混練してストランドを冷却水で冷却した後、ペレタイザーで切断してペレット状の洗浄剤組成物を得た。
【0035】
比較例1〜4,6,7
実施例1と同様にして各比較例のペレット状の洗浄剤組成物を得た。
【0036】
比較例5
比較例4で得たペレット状の洗浄剤組成物を再度、押出機を用いて溶融混練してストランドを冷却水で冷却した後、ペレタイザーで切断してペレット状の洗浄剤組成物を得た。
【0037】
上記評価項目について、実施例、比較例の評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、押出成形機及び射出成形機における所定の作業終了時に、当該樹脂そのものや染顔料等の成形材料中に含まれており成形機内に残留する添加剤を効率よく洗浄し排出することができるため、熱可塑性樹脂用成形機内を洗浄するための洗浄剤組成物として好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂および球状中空ガラス組成物を含有する成形機用洗浄剤であって、
該球状中空ガラス組成物の含有量が3〜30質量%であり、かつ、該球状中空ガラス組成物の破壊率が60質量%以上であることを特徴とする成形機用洗浄剤。
【請求項2】
前記球状中空ガラス組成物は、ガラス組成物中に
SiOを40〜80質量%,Alを10〜40質量%,Feを1〜18質量%含有していることを特徴とする請求項1に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項3】
アルキルスルホン酸ナトリウムを含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項4】
12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形機用洗浄剤。
【請求項5】
前記球状中空ガラス組成物がシラスバルーンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形機用洗浄剤。
【請求項6】
前記球状中空ガラス組成物がフライアッシュであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形機用洗浄剤。

【公開番号】特開2011−148175(P2011−148175A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10783(P2010−10783)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(000219912)東京インキ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】